JP6797909B2 - 直接変換x線検出器のための偏光補正 - Google Patents

直接変換x線検出器のための偏光補正 Download PDF

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Description

本発明は、概して、スペクトルX線撮像に関する。より詳細には、本発明は、スペクトル放射線検出器を備える、対象物のX線画像を生成するためのX線装置、及びスペクトル放射線検出器を使用して対象物のX線画像を生成するための方法に関する。
いわゆるスペクトル又はフォトンカウンティングX線撮像では、X線装置の放射線検出器上へのX線光子入射を個々に検出することができ、また、それらのエネルギーを決定することができる。この目的のため、放射線検出器は、例えば、テルル化カドミウム(CdTe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)などの直接変換物質を含み、この直接変換物質は、光子が物質に入るとパルス状の電流信号を生成し、電流パルスは、光子エネルギーを示す電荷量に対応する。光子エネルギーを決定するために、放射線検出器は、X線光子によって生成される電荷量を表す電気パルス信号を生成し、この電気パルス信号の振幅は、通常はエネルギービンとも称される複数の予め定められたエネルギー範囲のうちの1つの割り当てられる。X線スキャン中、エネルギービンに割り当てられた光子の数がカウントされ、X線画像が、そのカウント数に基づいて再構成される。その際、各エネルギー範囲に対して1つのサブ画像を含み、及び/又は対象となる異なる物質に関して対象物の物質組成を示すX線画像が再構成される。
スペクトルX線撮像に使用される直接変換放射線検出器の知られている問題は、トラップ電荷から生じるそれらの不安定性である。そのような電荷は、放射線検出器内の電場を変化させ、それにより検出器の電荷収集特性の劣化を引き起こす。このような劣化は、通常、偏光と称される。偏光効果の結果として、X線光子の所与のエネルギーで物質によって発生した電荷量は、時間及び/又は光子束とともに変化する。これが光子エネルギーの不正確な解析へとつながり、それが、再構成されたX線画像にアーチファクトをもたらす。
米国特許出願第2014/0140469号は、一次X線源及びX線検出器を備えるコンピュータ断層撮影(CT)装置を開示しており、この装置は、検出器によって吸収された光子の総エネルギーに比例して信号電流を生成する。これに関して、X線検出器は、不安定なゲインを有し、CT装置は、ゲインキャリブレーション手順を実施するように構成される。この目的のため、CT装置は、いくつかの補足スキャンにおいてX線検出器を照明するために使用される補足のX線源を備える。補足スキャンにおいて測定された検出器信号に基づいて、キャリブレーションデータが決定され、それを使用して対象物スキャンの信号を補正する。
本発明の目的は、放射線検出器の偏光から生じるX線画像内のアーチファクトを減少させることである。
本発明の第1の態様において、対象物のX線画像を生成するためのX線装置が提案される。本装置は、スペクトル放射線検出器及びX線放射源を備え、放射線検出器が、画像の獲得の間、X線放射源によって放出され且つ対象物を通過したX線放射を、X線光子事象に対応する電気パルス信号に変換する。本装置は、放射線検出器を第1の放射パルスに曝露するように構成され、X線画像の獲得の間に放射線検出器を第2の放射パルスに曝露するように構成される、追加の放射源を備え、第1の放射パルス及び第2の放射パルスは、追加の放射源の同じ構成に従って放出される。さらには、本装置は、放射線検出器の第1の放射パルスへの曝露に起因して放射線検出器によって生成される第1の電気パルス信号を検出するように構成され、放射線検出器の第2の放射パルスへの曝露に起因して放射線検出器によって生成される第2の電気パルス信号を検出するように構成される、検出回路を備える。さらに、本X線装置は、第1の電気パルス信号の振幅と第2の電気パルス信号の振幅とを比較し、その比較の結果に基づいてX線画像を生成するように構成される。
第1及び第2の放射パルスは追加の放射源の同じ構成(例えば、強度、波長、及び/又はパルス持続時間に関して)に従って放出されるため、第1及び第2の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成される電気パルス信号は、放射線検出器が偏光による影響を受けなかったときは、互いに対応する。したがって、第1及び第2の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成される電気パルス信号を比較することによって、放射線検出器の偏光を解析することが可能であり、この比較の結果に基づいてX線画像を生成することによって、偏光の効果を補正すること、及び/又はそのような効果を補償することが可能である。これにより、検出器偏光から生じる画像アーチファクトを減少させることができる。
放射線検出器を第1及び第2の放射パルスの各々に曝露することによって、X線光子事象が、特に、生成又はシミュレートされる。それに応じて、第1及び第2の電気パルス信号の各々は、特に、ある特定のエネルギーを有する入射X線光子に応じて放射線検出器によって生成された電気パルス信号に対応する。
1つの実施形態において、追加の放射源は、レーザ装置であり、第1及び第2の放射パルスは、レーザ放射を含む。しかしながら、例えば、LED光源及び放射性輻射源などの他の種類の放射線源を使用することも同様に可能である。
放射線検出器が、画像獲得に対する潜在的な検出器偏光の効果を解析するためにX線画像の獲得の間に第2の放射パルスに曝露される一方で、追加の放射源は、画像の獲得の前、又は画像獲得の開始時に、放射線検出器を第1の放射パルスに曝露するように制御可能である。したがって、放射線検出器の第1の放射パルスへの曝露に応じて生成される第1の電気パルス信号は、画像獲得の前又は画像獲得の開始時の放射線検出器の電荷収集特性を反映する参照信号としての役割を果たす。これらの特性は、通常、これに基づいて放射線検出器のエネルギーキャリブレーション(即ち、検出されたX線光子に応じて生成された電気パルス信号の振幅とエネルギー範囲又はビンとの間の割り当て)が行われる電荷収集特性に対応する。故に、第1の電気信号パルスの振幅と第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいたX線画像の生成は、エネルギーキャリブレーションの時点での特性と比較した検出器の電荷収集特性の変化を補正又は補償することを可能にする。
少なくとも第2の放射パルスは、画像獲得の間に、故に、X線放射が概して放射線検出器上への入射でもある間に、放射線検出器に受容されるため、第2の放射パルスは、好ましくは、第2の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成される電気パルス信号を、入射X線放射に応じて生成される電気パルス信号と区別することができるような様式で放出される。
この点において、本発明の1つの実施形態は、追加の放射源が、第1及び第2の電気パルス信号の振幅がX線放射への曝露に応じて放射線検出器によって生成される電気パルス信号の振幅より高くなるように選択可能であるという構成、並びに、検出回路が、獲得期間中最も高い振幅を有する放射線検出器によって生成される電気パルス信号を第2の電気パルス信号として特定するように構成されるということを含む。獲得期間は、特に、X線画像の獲得の間の予め定められた期間に対応し、その期間中に追加の放射源が1つの第2の放射パルスを放出する。コンピュータ断層撮影(CT)スキャンが実行されるとき、獲得期間は、特に、1つ又は複数のフレームに対応し、各フレームにおいて1つの投影が測定される。さらなる実施形態において、追加の放射源は、X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に放射線検出器を第1及び/又は第2の放射パルスに曝露するように制御可能である。
さらに、検出回路は、第1及び/又は第2の電気パルス信号の振幅を決定するためのピークホールド回路を備え、このピークホールド回路が、信号を監視し、その最大値を保持する。X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に、検出器が第1及び/又は第2の放射パルスに曝露される場合、ピークホールド回路は、X線放射源がX線放射を放出しない間にのみピークホールド回路がアクティブ化されるように制御可能である。これは、第1及び第2の電気パルス信号の振幅が、入射X線放射に応じて放射線検出器によって生成される電気パルス信号の振幅よりも高くない場合に特に当てはまる。
本発明の1つの実施形態において、追加の放射源は、追加の放射源の異なる構成に従って放出される少なくとも2つの第1の放射パルスと、少なくとも2つの第2の放射パルスとに、放射線検出器を曝露するように構成され、各第2の放射パルスは追加の放射源の前記構成のうちの1つに従って放出される。追加の放射源の構成のうちの1つに従って放出される第2の放射パルスについて、X線装置は、放射線検出器の各第2の放射パルスへの曝露に応じて生成された電気パルス信号を、追加の放射源の同じ構成に従って放出される第1の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成された電気パルス信号と比較するように構成され、X線装置は、その比較の結果に基づいてX線画像を生成するようにさらに構成される。異なって構成された(例えば、異なる強度、波長、及び/又は持続時間を有する)放射パルスの測定を評価することによって、振幅−高さドメインの異なる点において偏光を解析すること、並びに、放射線検出器内で生成された電気パルス信号の振幅及び/又はX線光子の異なるエネルギーに対する偏光の影響の変動を考慮することが特に可能である。
特に、検出器が、X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に第1及び/又は第2の放射パルスに曝露される場合、追加の放射源は、X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に少なくとも2つの第2の放射パルスを連続的に放出するように制御可能である。これは、異なって構成された放射パルス又は第2の電気パルス信号の異なる振幅に対する偏光効果を本質的に同時に(したがって偏光プロセスの同じ段階に)評価することを可能にする。しかしながら、偏光は、通常、より大きな時間の尺度では増大しないため、さらなる実施形態においては、少なくとも2つの第2の放射パルスを、ある特定の時間距離で生成することができる。
第1の電気パルス信号及び第2の電気パルス信号の振幅の比較の結果に基づくX線画像の生成は、特に、放射線検出器によって提供される測定データを使用してX線画像を再構成するプロセスに補正を適用することを含む。
したがって、本発明の1つの実施形態は、X線装置が、X線放射への曝露に応じて放射線検出器によって生成された電気パルス信号に基づいて、及び第1の電気パルスの振幅と第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、X線画像を再構成するように構成される再構成ユニットを備えるということを含む。
関連した実施形態において、放射線検出器は、X線光子が入ることに応じて生成された電気パルス信号に基づいて、放射線検出器に入る複数のX線光子の各々にエネルギー範囲を割り当てるように構成され、再構成ユニットは、第1の電気パルス信号と第2の電気パルス信号との比較の結果に基づいて、X線光子の少なくともいくつかに対する割り当てを変更するように構成される。具体的には、再構成ユニットは、シフトされた及び/又はスケールされたエネルギー範囲に基づく画像再構成を実行する。
放射線検出器の出力を使用してX線画像を再構成するプロセスに適用される補正に加えて、又はその代替として、放射線検出器の構成は、検出器偏光の効果を補償するように適合される。これに関して、本発明の1つの実施形態は、X線装置が、放射線検出器の読み出し電子回路を備えるということ、並びに、読み出し電子回路が、第1の電気パルス信号と第2の電気パルス信号との比較の結果に基づいて、X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号を処理するように構成されるということを含む。
本発明の1つの関連した実施形態において、X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号の処理は、第1の電気パルス信号と第2の電気パルス信号との比較の結果に基づいて選択されたゲインを使用して電気パルス信号を増幅することを含む。さらなる関連した実施形態において、X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号の処理は、第1の電気パルス信号の振幅と第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、エネルギー範囲を電気パルス信号に割り当てることを含む。本発明のさらなる態様において、フォトンカウンティング放射線検出器を使用して対象物のX線画像を生成するための方法が提案され、ここでは、検出器は、画像の獲得の間、X線放射源によって放出され且つ対象物を通過したX線放射を、X線光子事象に対応する電気パルス信号に変換する。本方法は、
− 追加の放射源の構成に従って追加の放射源によって放出された第1の放射パルスに放射線検出器を曝露し、第1の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成された第1の電気パルス信号を取得するステップと、
− その後、画像の獲得の間、追加の放射源の同じ構成に従って追加の放射源によって放出された第2の放射パルスに放射線検出器を曝露し、第2の放射パルスへの曝露に応じて放射線検出器によって生成された第2の電気パルス信号を取得するステップと、
− 第1の電気パルス信号の振幅と第2の電気パルス信号の振幅とを比較し、その比較の結果に基づいてX線画像を生成するステップとを有する。
請求項1のX線装置及び請求項15の方法は、特に従属請求項において規定されるように、同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有するということが理解されるべきである。
本発明の好ましい実施形態はまた、従属請求項又は上の実施形態のそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることが理解されるべきである。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以後説明される実施形態から明らかであり、それを参照してより明瞭にされるものとする。
X線装置の放射線検出器の偏光を解析するためのテスト放射パルスを放出するための1つ又は複数の放射源を含むX線装置の構成要素を概略的及び例示的に示す図である。 X線装置の放射線検出器の検出器素子及び検出器素子の読み出し電子回路の構成要素を概略的及び例示的に示す図である。 ビームスプリッタを使用して検出器素子に向けられるテスト放射パルスを放出するための放射線放出体を概略的及び例示的に示す図である。 1つの実施形態において、入射X線光子及び入射テスト放射パルスに応じて検出器素子において生成された電気パルス信号、並びに入射テスト放射パルスから生じる信号パルスの振幅を決定するためのピークホールド回路の出力信号を概略的及び例示的に示す図である。 さらなる実施形態において、入射X線光子及び入射テスト放射パルスに応じて検出器素子において生成された電気パルス信号、並びに入射テスト放射パルスから生じる信号パルスの振幅を決定するためのピークホールド回路の出力信号を概略的及び例示的に示す図である。 入射X線光子及びテスト放射パルスの入射シーケンスに応じて検出器素子において生成された電気パルス信号を概略的及び例示的に示す図である。
図1は、対象物を撮像するためのX線装置1の構成要素を概略的及び例示的に例証する。1つの実施形態において、X線装置1は、対象物の3次元画像を生成するためのCT装置である。しかしながら、X線装置1は、別のやり方で同様に構成されてもよい。撮像される対象物は、人間若しくは動物の身体、又は任意の他の対象物であり、その内部構造がX線装置1を使用して撮像されることになる。
X線装置1は、X線管などのX線源2、及び放射線検出器3を備える。X線源2は、X線放射が放射線検出器3によって収集される前に、X線源2と放射線検出器3との間の検査領域12を通過するX線ビーム4を発生する。X線ビームを形成するため、X線源2は、好適なコリメータ5を備える。対象物は、検査領域12内に位置付けることができる支持部(図面では示されない)上に置かれる。対象物が患者の身体である場合、支持部は患者台として構成される。
X線装置1がCT装置として構成される場合、X線源2及び放射線検出器3は、モータ7によって駆動される回転可能なガントリ6上に向かい合った位置に搭載される。X線源2及び放射線検出器3を検査領域12内に位置付けられた撮像される対象物の周りで回転させることができるように、モータ7によって、ガントリ6を回転させることができる。したがって、異なる投影を連続して獲得することができ、各投影は、撮像される対象物に対するX線源2及び放射線検出器3の1つの角度位置に対応する。これらの投影のうちの1つの獲得するための期間は、本明細書ではフレームとも称される。対象物及びガントリ6を互いに対してz軸方向に、即ちビーム方向に垂直に、移動させることによって、対象物の、異なるいわゆるスライスを撮像することができる。この目的のため、支持部(及び、故に対象物)は、追加のモータ8によって検査領域12内をz軸方向に前後に動かされる。しかしながら、支持部を移動させず、ガントリ6をz軸の方向に動かすことも可能である。
X線源2及び(任意選択的に)放射線検出器3は、X線源2及び放射線検出器3の動作を制御する制御ユニット9に連結される。X線源2に対して、制御ユニット9は、特に、X線放射を生成するタイミング及びパワーを制御し、放射線検出器に対する制御ユニット9の制御機能は、以下にさらに説明される。さらに、制御ユニット9は、ガントリ6及び対象物支持部を駆動するモータ7及び8を制御する。
放射線検出器3は、放射線検出器3によって収集される測定データに基づいて画像を再構成する、再構成ユニット10にさらに連結される。これらの測定データは、対象物の投影であり、これらの投影から当業者に知られているやり方で画像を再構成することができる。(本明細書内の以下にさらに説明されるように)予め定められたエネルギー範囲に従って光子エネルギーを決定するエネルギー識別フォトンカウンティング検出器3が使用されるため、X線装置1において生成されるX線画像は、各エネルギー範囲に対して、及び/又は撮像された対象物に含まれる対象となる異なる物質(いわゆる物質分解)に関して、1つのサブ画像を含むサブ画像のセットを含む。また、これらのサブ画像が、組み合わされて複数のエネルギー範囲に対する1つの画像を形成する。
制御ユニット9及び再構成ユニット10は、制御ユニット9及び再構成ユニット10によって実行されるルーチンを実装するコンピュータプログラムを実行するためのプロセッサユニットを備えるコンピュータ装置として構成される。1つの実施形態において、制御ユニット9及び再構成ユニット10は、別個のコンピュータ装置に実装される。しかしながら、制御ユニット9及び再構成ユニット10を、単一のコンピュータ装置に含めること、及びコンピュータ装置のいくつかのプロセッサユニット又は単一のプロセッサユニットに実装することが同様に可能である。
放射線検出器3は、単一の入射X線光子を検出することができ、またいくつかの予め規定されたエネルギービンに従ってそれらのエネルギーを決定することを可能にする、フォトンカウンティング検出器として構成される。これに関して、放射線検出器3への光子入射は、検出器電極へと流れる電荷キャリア(電子及び正孔)の電荷雲を発生し、ここで電荷量は入射X線光子のエネルギーに依存する。生成された電荷は、放射線検出器3の読み出し電子回路によって収集され、次に放射線検出器3が電気信号(例えば、電圧信号)を生成し、その振幅は、衝突するX線光子のエネルギーに比例する。
より具体的には、放射線検出器3は、モジュール又はタイルとも称され、また好ましくは平坦又は凹面であるアレイ内に配置される、複数の検出器素子201を備える。したがって、検出器素子201は、互いに垂直に配置された行及び列の形態で配置される。そのような検出器素子201の構成要素は、図2に概略的及び例示的に描写される。
例証された構成によると、各検出器素子201は、X線を電気信号に変換するための変換素子202を含み、この変換素子は、カソード接点203とアノード接点アセンブリ204との間に提供される。変換素子202は、半導体物質でできており、好適な半導体物質は、例えば、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、セレン化テルル化カドミウム(CdTeSe)、CdZnTeSe、テルル化カドミウムマンガン(CdMnTe)、シリコン(Si)、ガリウムひ素(GaAs)、及びヨウ化水銀(HgI)である。電場が、変換素子202内のカソード接点203とアノード接点アセンブリ204との間に形成されるように、カソード接点203は、一般的には、アノード接点アセンブリ204より低い電位に保持される(即ち、負のバイアス電圧が、アノード接点アセンブリ204に対してカソード接点203に印加される)。X線光子がカソード接点203を通って変換素子202に入るように、及び電場が(主要な)ビーム方向に平行であるように、変換素子202のカソード側は、X線源2の方を向いている。しかしながら、検出器素子201が別のやり方で構成されることも同様に可能である。
変換素子202は、略立方体のブロックとして構成され、その横寸法はその厚さよりもはるかに大きい。カソード接点203及びアノード接点アセンブリ204は、変換素子202の大きな上側及び下側に接続されるため、電場は変換素子202のより小さい厚さに沿って延在する。さらに、カソード接点203は、変換素子202上に適用された薄い金属化フィルムによって形成される連続したカソード電極として構成される。対照的に、アノードアセンブリ204は、ピクセル化されたアノード電極205、即ち、互いに対して特定の距離に配置され、また通常アノードピクセルとも称される別個のアノード電極205を含む。1つの実施形態において、これらのアノードピクセル205もまた、変換素子202の表面上に、互いに対して垂直である行及び列に配置される。
アノード電極又はピクセル205は、変換素子301に対する光子入射によって発生した電荷を収集し、各アノードピクセルは、結果として生じる電流を収集して、後に再構成ユニット10に提供される測定データを決定する読み出し電子回路に接続される。したがって、X線光子が変換素子301に入ると、X線光子が半導体物質を励起し、それにより電荷キャリア(電子及び正孔)を生成する。負の電荷キャリアは、変換素子301内の電場の影響下でアノード電極34のうちの1つへと流れ、例えば、変換素子のアノード側に取り付けられたCMOS ASIC構造に実装される読み出し電子回路によって収集される前述の電気信号パルスを発生させる。
図2はまた、1つの実施形態における1つのアノードピクセル205のための読み出し電子回路の構成要素を概略的及び例示的に例証する。この実施形態では、読み出し電子回路は、特に、電荷有感型増幅器などの増幅器206を含み、この増幅器が、各事象(例えば、入射X線光子)にわたって入力電流を積分して、対応する階段状の出力電圧信号を発生させる。増幅器信号は、好ましくは、特に、電荷有感型増幅器によって生成される階段(即ち、入射X線光子が発生させる電荷雲の積分電荷)に比例するパルス振幅を発生させるため、及び雑音を低減するために、増幅器206に含まれるいわゆるパルス整形回路においてフィルタリングされる。したがって、いわゆる増幅/整形器206は、好ましくは、検出事象に対応する電圧信号を生成するために使用される。さらに、読み出し電子回路は、2つ以上のパルス識別器207、…、207を含み、各パルス識別器は、増幅/整形器206の出力信号を予め定められたしきい値S(i=1、…、N)と比較し、増幅/整形器の出力がしきい値Sを超える場合には、出力信号を生成する(これは、本明細書内の以下では事象とも称される)。これらのパルス識別器207、…、207のしきい値Sは、前述のエネルギービンの上界を表し、エネルギービンiの上界の値に対応するエネルギーを有する光子がしきい値に対応する増幅/整形器206の出力を発生させるように選択される。しきい値Sの対応する構成は、そのようなものとして当業者に知られるやり方で実行されるX線装置1のキャリブレーション手順の範囲内で提供される。
図2に示されるように、各比較器207、…、207の出力は、比較器207、…、207に記録された事象の数をカウントする関連カウンタ208、…、208に接続される。各比較器207、…、207又はエネルギービンについて、事象の数が、(事象の検出場所の指標とともに)放射線検出器の読み出しインターフェース209において(デジタル形式で)提供される。読み出しインターフェース209から、事象データが再構成ユニット10に提供され、再構成ユニット10は、これらのデータを使用して対象物のX線画像を再構成する。このX線画像は、各エネルギー範囲に対して1つのサブ画像を含むサブ画像のセットからなる。同様に、一部又はすべてのエネルギー範囲に対するサブ画像が組み合わされて単一のX線画像を形成する。
前述のタイプの直接変換検出器3においてしばしば発生する1つの問題は、変換素子202の不安定性である。そのような不安定性は、電荷が変換素子202内の電場を変化させるほどまでに変換素子202内にトラップされることに起因する。そのような変化は、偏光効果とも称され、それぞれの検出器素子201の電荷収集特性の劣化を引き起こす。特に、偏光は、検出器のパルス過渡応答における変化をもたらし、その結果、増幅/整形器206によって出力されるパルス振幅は、時間及び/又は光子束とともに所与の光子エネルギーによって変化する。この効果は、特に、入射光子束の突然の変化の後に発生し、補正なしでは、そのような状況において入射光子束の正確な決定を妨げる。その結果、生成されたX線画像は、対応するアーチファクトを含み、画像品質の劣化を示す。
偏光効果を補正し、画像品質を向上させるために、X線装置1は、放射線検出器3を試験放射パルスに曝露すること、及びテスト放射パルスの曝露に応じた放射線検出器3の出力の変動を解析することが可能である。これらの変動は、放射線検出器3の偏光の度合いの測定に対応し、これらの変動に基づいて、再構成ユニット10は、対象物のX線画像を生成する際に補正を適用し、及び/又は放射線検出器3の構成は、偏光効果を補償するために適合される。より詳細には、個々のテスト放射パルス又はテスト放射パルスのセットは、本明細書では観察サイクルとも称される予め定められた時間間隔で放射線検出器3に適用される。これらの放射パルス又は放射パルスのセットは、本質的に同一に構成される(即ち、放射線放出体の構成は、放射パルスを放出するとき、本質的に同一である)ため、これらの放射パルス又はパルスシーケンスの検出から生じる出力信号もまた、偏光効果なしでは本質的に同一である。したがって、異なるテスト放射パルス又はパルスシーケンスの検出から生じる出力信号の変動は、放射線検出器3の偏光を解析すること、及びX線画像を再構成するプロセスにおける対応する補正又は検出器構成の適合を提供することを可能にする。
X線装置1によってCTスキャンを実行するとき、1つの観察サイクルは、1つ又は複数のフレームに対応する(1つのフレームが、上に説明されるように1つの投影を獲得するための期間に対応する)。各観察サイクルが1つのフレームに対応するときは、比較的細かい時間分解能で偏光効果を解析することができる。しかしながら、これは、テスト放射パルスによって発生した電気信号の比較的高速の処理も必要とする。特に、この実装形態では、テスト放射パルスから生じる電気パルス信号の振幅値をデジタル化するための比較的高速のアナログ−デジタル変換が必要とされる。特にこの要件の観点から、及び、検出器偏光が通常、フレーム期間と比較してより大きい時間スケールで発展するという観点から、各観察サイクルは、複数のフレームに対応する。
テスト放射パルスは、X線源2に加えて提供される1つ又は複数の放射源11によって生成される。1つの実装形態において、放射源11は、X線装置1の制御ユニット9によって制御され、制御ユニット9は、特に、特定の時点においてテスト放射パルスの放出を開始する。さらに、制御ユニット9は、放射パルスを放出するために使用される放射源11の構成を制御し、そのような構成は、特に、テスト放射パルスの放射強度、波長、及び持続時間に関する放射源11の設定を含む。さらなる実施形態において、放射源11は、例えば、放射源11と関連付けられた1つ又は複数の専用コントローラなど、X線装置1の他の構成要素によって制御される。
1つの実施形態において、テスト放射パルスは、レーザパルスであり、各放射源11は、例えばレーザダイオードなどのレーザ装置として構成される。そのようなレーザダイオードは、比較的小型であるため、レーザダイオードとして構成された放射源11を容易にX線装置1に統合することができる。しかしながら、他のテスト放射パルスを使用することも同様に可能である。さらなる関連した例は、LEDによって発せられる光、及び制御可能な放射線源によって提供される放射性輻射を含む。
好ましくは、放射源11は、放射源11によって放出される放射線が放射線検出器3の検出器素子201へ妨げなく進むことができるように放射線検出器3のエリア内に位置する。さらには、テスト放射パルスに基づく補正及び/又は適合は、好ましくは、放射線検出器3の各アノードピクセル205に対して個々に実行される。それにより、偏光が、個々のアノードピクセル205に異なる程度で影響を与える局所的な効果であるということを考慮することができる。したがって、放射源11は、好ましくは、すべてのアノードピクセル205をテスト放射パルスに曝露することができるやり方で構成される。
原則として、テスト放射パルスは、放射線検出器3の検出器素子201に任意の方向から適用することができる。そのため、テスト放射パルスは、放射線検出器3の側面から、即ち、検出器素子201の表側を介して適用されてもよい。テスト放射パルスをそのようなやり方で適用するために、特に、1つの検出器素子201のアノードピクセル205の各行又は列に対して1つの放射線放出体が存在し、それが行又は列方向に放射線を放出する。この場合、放射強度は、変換素子202を通って進む放射線の吸収に起因して、放射線放出体からの距離が増加するにつれて減少する。
さらなる実施形態において、テスト放射パルスは、上側から、即ち、カソード接点203を通って、又は下側から、即ち、ピクセル化されたアノードアセンブリ204を通って変換素子202に入る。テスト放射がカソード側から適用される場合、カソード接点203は、放射源11によって放出される放射線に対して透明性である物質、例えば、光スペクトルの可視部内で透明性である酸化インジウムスズ(ITO)などからなる(したがって、ITOは、放射源11が光スペクトルの可視部内で放出するときに使用されるが、必ずしもこうである必要はない)。代替として、カソード接点203は、各アノードピクセル206のために小さな正孔を備え、テスト放射パルスは、これらの正孔を介して変換素子202に入る。
図3に概略的及び例示的に例証される、これらの実施形態の1つの実装形態において、放射源11は、検出器素子201のアノードピクセル205の各行又は列に対して、レーザダイオードとして構成される1つの放射線放出体301を含む。放射線放出体301は、関連した行又は列の方向にテスト放射パルスを放出する。放射線放出体によって放出される放射線ビームを形作るために、対応する光学機械レンズ302が、放射線ビーム304の光路内に提供される。さらに、ビームスプリッタ303が、放射線ビーム304の光路内に提供され、ビームスプリッタは、行又は列の各アノードピクセル205に割り当てられる。各アノードピクセル205について、関連したビームスプリッタ303は、放射線ビーム304の一部分はビームスプリッタ303を通過する一方、放射線ビーム304の別の部分は、偏向して、それぞれのアノードピクセル205のエリア内で変換素子202に入るようなやり方で構成及び配置される。1つの実施形態において、実質的に等しい放射強度が異なるアノードピクセル205に入るように配置が構成される。この目的のため、ビームスプリッタ303は、異なる分割比を有する。この実装形態で使用される1つの例示的なビームスプリッタ205は、Newport Corporationが提供するペリクルビームスプリッタである。
放射線放出体301及びビームスプリッタ303のそのような配置を使用すると、テスト放射は、図3に示されるように、変換素子202の上側(即ち、カソード側)からアノードピクセル205の行又は列に適用される。しかしながら、変換素子202の下側(即ち、アノード側)からテスト放射を適用するために同様の配置を使用することも同様に可能である。
テスト放射パルスへの曝露から生じる増幅/整形器206の出力の変動を解析するために、これらの出力は、好ましくは、特定され、放射線検出器3へのX線光子入射から生じる増幅/整形器206の出力と区別される。X線装置1の通常動作中の入射テスト放射パルスから生じる出力を特定するために、いくつかのオプションが提供され、それらは以下に説明される。
1つの実施形態において、テスト放射パルスは、入射放射パルスから生じる増幅/整形器206の出力信号が、入射X線光子から生じる出力信号よりも高い振幅(即ち、高さ)を有するように構成される。これは、テスト放射パルスの波長、強度、及び持続時間の好適な選択によって達成される。この実施形態では、入射テスト放射パルスから生じる出力信号は、各観察サイクル中に観察される増幅/整形器206の最も高い出力信号として特定される。この実施形態では、1つのテスト放射パルスが、各観察サイクルにおいて放出され、異なる観察サイクルにおいて放出される放射パルスは、本質的に同一に構成される。特に、放射パルスは、本質的に同じ波長、強度、及び持続時間を有する。
この実施形態の1つの実装形態において、増幅/整形器206の出力信号は、図2に例証されるようなピークホールド回路210内で処理される。そのような回路は、そのようなものとして当業者に知られており、増幅/整形器206の出力信号を監視し、それらの最大振幅をその独自の出力信号として保持する。テスト放射パルスが、上に説明されるように入射X線光子から生じる出力信号よりも高い振幅を有する出力信号をもたらす場合、各観察サイクルの最後でのピークホールド回路210の出力は、したがって、各観察サイクルの最後にテスト放射パルスから生じる出力信号の振幅に対応する。したがって、各観察サイクルの最後に観察されるピークホールド回路210の出力信号は、デジタル信号に変換され、特に、放射線検出器3のデジタル読み出しインターフェース209において提供される。この目的のため、ピークホールド回路210の出力は、各観察サイクルの最後でピークホールド回路210の出力信号をデジタル化するように構成されるアナログ−デジタル変換器(ADC)211に接続される。ピークホールド回路210の出力信号のデジタル化の後、ピークホールド回路210は、リセットされる(その結果、その出力信号は、新しいサイクルの開始時に再びゼロになる)。リセット手順は、図2に例証されるようなADC211によって、又は他の構成要素によって制御される。
この実装形態で使用されるピークホールド回路210の動作は、さらに図4に例証される。上方エリアでは、この図は、入射X線光子から生じる増幅/整形器206の出力パルス401(破線で示される)を持続時間Tの1つの観察サイクルの間の時間tの関数として例示的及び概略的に例証する。これらのパルス401は、検出器素子201上へのX線光子入射の異なるエネルギーに従って異なる振幅を有する。加えて、図4は、テスト放射パルスの検出から生じるパルス信号402を示す。上に説明されるように、このパルス信号402は、X線光子に対応するパルス信号よりも高い振幅を有するため、パルス信号402をこれらの信号と区別することができる。
下方エリアでは、図4は、ピークホールド回路の出力電圧信号Voutを時間の関数として概略的に例証する。図から分かるように、信号は観察サイクルの開始時にはゼロであり、前の信号よりも高い振幅を有する信号が記録されるたびに増大する。時間tでのテスト放射パルスに対応するパルス信号402の記録時に最大出力値に達する。観察サイクルの満了時、即ち、時間tから時間tまで、出力信号は、ADC211においてデジタル化される。そのうえで、即ち、時間tと時間tの間に、ピークホールド回路210は、ゼロ電圧信号を出力するようにリセットされる。
1つの観察サイクルにおいて検出された振幅のアナログ−デジタル変換及びピークホールド回路210をリセットするための後続の手順は、図4に示されるように次の観察サイクルの開始時に実行される。この場合、テスト放射パルスを放出するための時間tは、観察サイクルの開始時に、アナログ−デジタル変換を実施するための、及びリセット手順を実行するための十分な期間があるように選択される。代替として、アナログ−デジタル変換及びリセット手順は、テスト放射パルスの放出後に同じ観察サイクルにおいて実行される。
結論として、本実施形態に従う放射線検出器3は、各アノードピクセル205に対して、及び各観察サイクルに対して、テスト放射パルスの検出から生じる出力信号の決定された振幅を提供する。これらのデータは、これらのデータに基づいてX線画像を再構成するために再構成ユニット10によって使用される。その際、再構成ユニット10は、特に、各アノードピクセル205について、及び各観察サイクルについて、テスト放射パルス402の振幅を参照テスト放射パルス402の振幅(本明細書において以下では参照パルス振幅とも称される)と比較し、この比較の結果に基づいて、それぞれの観察サイクルの間に獲得されたX線事象データに補正を適用する。
一般に、参照テスト放射パルスは、エネルギービンを区別するしきい値の選択を含む放射線検出器のエネルギーキャリブレーションを実施するときに適用される。そのようなエネルギーキャリブレーションは、特定の時間間隔で行われ、その時間間隔の間、複数のX線スキャンが実行されるか、又はエネルギーキャリブレーションは、各X線スキャンの前に行われる。両方の場合において、参照テスト放射パルスが適用され、対応する参照パルス振幅は、エネルギーキャリブレーションが行われた後、及びエネルギーキャリブレーションに対して短い時間距離で測定され、その結果、測定は、放射線検出器の電荷収集特性を反映し、それに基づいてエネルギーキャリブレーションが実行される。次いで、参照パルス振幅は、X線スキャン中の後の使用のために保存される。X線源2は、スイッチを切られ、参照テスト放射パルスが適用されるとき、放射線検出器3に入るX線放射はない。さらに、特に、エネルギーキャリブレーションが各X線スキャンの前に実行される場合、参照テスト放射パルス402はまた、X線スキャンの第1の観察サイクルにおいて放出されるテスト放射パルスに対応する。
X線画像を再構成するプロセスに前述の補正を適用するために、再構成ユニット10は、特に、観察サイクルの間にテスト放射パルスから生じる検出器出力の観察された振幅と参照パルス振幅との差が、検出されたX線光子のエネルギービンへの不正確な割り当てを示すかどうかを決定する。再構成ユニット10が、そのような指標を決定する場合、再構成ユニット10は、それに応じてそれぞれのアノードピクセル205についてエネルギービンに対するカウント数を変更する。
1つの対応する実装形態において、再構成ユニット10は、参照パルス振幅と各観察サイクルについてテスト放射パルスから生じる観察された振幅との比較に基づいて補正パラメータ又は補正関数を計算し、補正パラメータに基づいて計算される測定されたX線光子事象に対して修正されたエネルギー範囲を使用してX線画像の再構成を実施する。補正パラメータは、参照パルス振幅とテスト放射パルスから生じる観察された振幅との比又は差に対応し、修正されたエネルギー範囲は、その差に基づいて元のエネルギー範囲(即ち、X線装置のキャリブレーションが実行された際に基づくエネルギー範囲)をシフトすることによって、又は計算された比でエネルギー範囲を規定するしきい値を乗算し、それによりエネルギーしきい値を再スケールすることによって計算される。複数のテスト放射パルスが評価される場合、再構成ユニット10は、例えば、テスト放射パルスについて測定されたパルス振幅と対応する参照パルス振幅との差に基づいて補正関数を計算する。補正は、一次関数又は(2つ以上のテスト放射パルスが評価される場合)より高次の補正関数に対応し、そのような関数をパルス振幅の差にフィットさせることによって生成される。補正関数を使用した後者の手法は、特に偏光の影響を補正するためにエネルギー範囲がスケール及びシフトされなければならない場合に、偏光効果のより正確な補正を可能にする。
そのような補正が再構成ユニット10において行われることに加えて、又はその代替として、放射線検出器3の構成は、偏光効果を補償するために適合される。この目的のため、テスト放射パルスの検出から生じる出力信号の決定された振幅が再び評価され、放射線検出器3の構成は、これらのデータに基づいて適合される。この適合は、オンザフライで行われる。これに関して、放射線検出器3の構成は、直前の観察サイクルに属するデータに基づいて、1つの観察サイクルにおいて適合される。
放射線検出器3の適合は、特に、アノードピクセル205に関連した増幅/整形器206のゲインの適合、又はアノードピクセル205についてエネルギービンを規定するしきい値の適合を含む。そのような修正は、特に、参照パルス振幅とそれぞれのアノードピクセル205について観察されるテスト放射パルスから生じる振幅との比に基づいて再び行われる。しきい値の適合は、特に、再構成ユニット10におけるエネルギー範囲の修正に類似して行われる。
1つの実施形態において、放射線検出器3の構成のそのような適合は、制御ユニット9によって制御され、制御ユニット9は、この目的のため、テスト放射パルスについて測定される決定された振幅を受信及び評価する。代替的に、放射線検出器3の読み出し電子回路は、これらの振幅を評価し、適合を制御するための論理を含む。
任意選択的に、新規のエネルギーキャリブレーションはまた、観察サイクルの間にテスト放射パルスから生じる検出器出力の観察された振幅と参照パルス振幅との比較に基づいて、これらのパルス振幅の差が大きくなりすぎる場合に開始される。この目的のため、これらのパルス振幅の差又は比は、制御ユニット9内で、再構成ユニット10内で、又は読み出し電子回路によって、予め定められたしきい値と比較される。この比較において、差が大きすぎると決定される場合(例えば、差又は比が予め定められたしきい値を超えるとき)、新規のエネルギーキャリブレーションが実行されるべきであるという指標がX線装置1の操作者に対して出力される。
前述の実施形態の変形において、各観察サイクルは、2つ以上のサブサイクルに分割され、各サブサイクルにおいて、他のサブサイクルにおいて放出されるテスト放射パルスとは異なる個々のテスト放射パルスが放出される。ここで、各サブサイクルは、X線装置1がCTスキャンを実施するとき、1つのフレームに対応するか、又は、各サブサイクルは、複数のフレームに対応する。したがって、M個の異なるテスト放射パルスが使用されるとき、これらのテスト放射パルスは、M個以上のフレームにわたって分散される。
また、この変形において、すべての放射パルスはこれらの放射パルスから生じる増幅/整形器206の出力信号の振幅が入射X線光子から生じる出力信号の振幅より高くなるように再び構成される。したがって、テスト放射パルスに対応するパルス信号の振幅を、上記のやり方で特定することができる。しかしながら、異なるサブサイクルのテスト放射パルスは、それらのパルス持続時間、強度、及び/又は波長において異なる。これが、異なる条件下で偏光効果を解析することを可能にする。
異なる観察サイクルにおいて、対応するサブサイクルのテスト放射パルスは、本質的に同一に構成される。したがって、N個のサブサイクルが存在する場合、すべての観察サイクルのi番目のサブサイクルのテスト放射パルスは、i=1、…、Nについて本質的に同一である。テスト放射パルスに対応する観察されたパルス振幅値が、上で説明されるような補正及び/又は適合を適用するために再構成ユニット10及び/又は制御ユニット9内で評価されるとき、1つの観察サイクルのサブサイクルについて測定されるパルス振幅値が、対応する参照振幅値と比較される。この参照振幅値は、第1の観察サイクルの対応するサブサイクルにおいて測定される振幅値に対応するか、又は上に説明されるような実際のX線スキャンを実行する前に測定される。比較は、観察サイクルの各サブサイクルに対して行われるため、各サブサイクルについて比較結果が決定される。次いで、補正及び/又は適合が、これらの比較結果に基づいて適用される。この目的のため、補正パラメータ又は関数が比較結果から決定され、補正及び/又は適合は、補正パラメータ又は関数に基づいて行われる。例えば、補正パラメータは、個々の比較結果の平均、最小、又は最大に対応する。補正関数は、予め定められた次数で振幅差に基づいて生成される。例えば、一次又はより高次の補正関数は、すでに上に説明されるような観察された差にそのような関数をフィットさせるとによって、これらの差に基づいて生成される。
さらなる実施形態において、テスト放射パルスから生じる増幅/整形器206の出力信号は、信号振幅に基づいて、入射X線光子から生じる出力信号と区別されない。代わりに、これらの実施形態においては、X線源2によるX線放射の放出が、短いスイッチオフ期間にわたって中断され、テスト放射パルスは、これらのスイッチオフ期間の間に放出され、測定される。テスト放射パルスは、スイッチオフ期間の間、放射線検出器3への放射線入射のみからなるため、テストパルスから生じ得る出力信号を特定することが可能である。これらの実施形態の1つの利点は、テスト放射パルスが、テスト放射パルスから生じる増幅/整形器206の出力信号が入射光子から生じる出力信号よりも高い振幅を有するように構成される必要がないということである。これはまた、より広いパルス−高さスペクトルで偏光効果を解析することを可能にする。さらに、放射線検出器3がX線放射に曝露されている間にテスト放射パルスが適用されるときに発生するテスト放射パルス及びX線光子のパイルアップを防ぐことができる。そのようなパイルアップは、テスト放射パルスがX線光子と同時に検出器素子201に入るときに発生し、放射線検出器3の偏光の不正確な見積もりをもたらす。
これらの実施形態において、スイッチオフ期間は、例えば約数マイクロ秒の短い持続期間を有する。スイッチオフ期間の間のX線放射の放出を中断するために、X線源2は、これらの実施形態において、いわゆるグリッド制御されたX線管として構成されるが、それは、そのようなX線管がX線放射の放出の高速切替えを可能にするためである。
テスト放射パルスから生じる増幅/整形器206の出力信号の振幅を決定するため、ピークホールド回路210は、上に説明され図2に例証される実施形態と同様の放射線検出器3の各アノードピクセル205に対して使用される。しかしながら、少なくとも、これらの振幅が入射X線光子から生じる出力信号の振幅よりも高くない場合には、ピークホールド回路210は、好ましくは、スイッチオフ期間の間だけアクティブ化される。例えば、これは、各ピークホールド回路210の入力において、スイッチオフ期間の間だけ増幅/整形器206の出力信号がピークホールド回路210を通ることを可能にするスイッチを提供することによって達成される。ピークホールド回路210又はスイッチの対応する制御は、制御ユニット9によって行われ、制御ユニット9は、スイッチオフ期間の間X線放射の放出を中断するためにX線源2も同時に制御する。
対応する実施形態における1つのピークホールド回路210及びX線源2の動作は、さらに図5に例証される。上方エリアでは、この図は、入射X線光子から生じる増幅/整形器206の出力パルス501(破線で示される)を持続時間Tの1つの観察サイクルの間の時間tの関数として例示的及び概略的に例証する。加えて、図5は、テスト放射パルスの検出から生じるパルス信号502を示す。例により図5に示されるパルス信号502は、入射X線光子から生じる出力パルス501より高い振幅を有する。しかしながら、上に説明されるように、これは必ずしもこうである必要はなく、パルス信号502の振幅は、同様に、X線光子事象に対応するパルス信号502の最も高い振幅より低い。
下のエリアでは、図5は、X線源2がX線放射を放出しないスイッチオフ期間503、及びX線放射がX線源2によって放出される観察サイクルの期間504を概略的に示す。さらには、図5は、例証される実施形態において、スイッチオフ期間の間にのみアクティブ化されるピークホールド回路201の出力電圧Voutを例示的に示す。したがって、ピークホールド回路210は、テスト放射パルスから生じるパルス信号502の振幅だけを測定する。ピークホールド回路210の出力信号は、再びデジタル化され(時間tとtの間で)、ピークホールド回路210は、図5に示されるように次の観察サイクルの開始時、又はスイッチオフ期間の満了後の観察サイクル内で(時間tとtの間で)再びリセットされる。
テスト放射パルスから生じ、そのようなやり方で決定される出力信号の振幅は、再構成ユニット10内で対象物のX線画像を再構成するときに補正を適用するため、及び/又は放射線検出器3の偏光を補償するために放射線検出器3の構成を適合するために、上に説明されるやり方で再び処理される。
入射テスト放射パルスから生じる電気パルス信号がそれらの振幅に基づいて特定されるという上に説明される実施形態と同様に、前述の実施形態もまた、放射源11の異なる構成に従って放出されるテスト放射パルスが検出器偏光の解析のために使用されるように様々である。特に、各観察サイクルは、上に説明されるように、ここでもサブサイクルに分割され、テスト放射パルスの構成は、それらの強度、波長、及び/又は持続時間に関して個々のサブサイクルでは異なる。これらのテスト放射パルスは、上に説明されるようにピークホールド回路210を使用して測定され、再構成ユニット10及び/又は制御ユニット9は、好ましくは、X線画像を再構成するプロセスに補正を適用するための1つ若しくは複数の補正パラメータ若しくは関数を決定するために、又は放射線検出器3の構成を変更するために、放射源11の同じ構成に従って放出されるテスト放射パルスについて測定された信号振幅を比較する。
入射放射パルスに応じて増幅/整形器206によって出力されるパルス信号の振幅が、異なるエネルギーの入射X線光子に応じて生成されるパルス信号の振幅に対応するようなやり方でテスト放射パルスを構成することも同様に可能である。したがって、補正パラメータ(例えば、上に説明されるように、テスト放射パルスについて観察された振幅と参照振幅との比)は、各エネルギービン又は範囲におけるX線光子事象に対して、1つの特定の構成のテスト放射インパルス、即ち、サブサイクルのうちの1つにおいて放出されるテスト放射インパルスについて観察されたパルス振幅の比較に基づいて個々に計算される。特に、ある特定のエネルギービンにおけるX線光子事象の補正パラメータは、そのエネルギービンに割り当てられた振幅を有する増幅/整形器206の出力信号を発生するテスト放射パルスの測定を使用して、且つこの振幅の対応する参照振幅との比較に基づいて計算される。そのようなやり方においては、偏光効果の潜在的なエネルギー依存を考慮することが可能である。
さらなるバリエーションにおいて、放射源11の異なる構成に従って放出されるテスト放射パルスは、各観察サイクル内の単一のスイッチオフ期間に適用される。これは、図6に例証され、図6は、例として、持続時間Tの観察サイクル内のスイッチオフ期間602の間に放出される5つの異なるテスト放射パルス601、…、601(実線で示される)を示す。観察サイクルの残りの時間では、放射線検出器は、図中では例示的にパルス信号603(破線で示される)によって例証されるようなX線放射を受容し、検出する。
この実装形態において、異なるテスト放射パルスから生じるパルス信号の振幅は、好ましくは、上に説明される実施形態において使用される単一のピークホールド回路の代わりに、複数のピークホールド回路210を使用して決定される。特に、各ピークホールド回路が1つのテスト放射パルスに割り当てられるように、1つのピークホールド回路が、各テスト放射パルスに対して使用される。これらのピークホールド回路は、別個の構成要素として構成されるか、又はそれらは、単一の装置に統合される(例えば、入力信号をサンプリングするために通常使用される複数のキャパシタを装置に設けることによって)。
異なるピークホールド回路は、測定されることになるテスト放射パルスを放出するための放射線放出体と同期される。同期は、各ピークホールド回路が、ピークホールド回路に割り当てられたテスト放射パルスの放出の後、及び次のテスト放射パルスの放出の前に、外部信号によって非アクティブ化されるようなやり方で行われる。さらに、すべてのピークホールド回路は、スイッチオフ回路の開始時にアクティブ化される。これは、テスト放射パルスから生じるパルス信号の振幅が図6に示されるように増大する場合に、特に当てはまる。代替的に、各ピークホールド回路は、ピークホールド回路に割り当てられたテスト放射パルスが放出される前、及び前のテスト放射パルスが放出された後にアクティブ化される。後者の場合では、各ピークホールド回路はまた、入力信号が回路内で保持される最大値を下回ることを検出するとき、自ら非アクティブ化するため、外部の非アクティブ化信号は不要となり得る。
そのようなやり方で異なるテスト放射パルスについて決定されたパルス振幅の評価は、前に説明された実施形態と類似のやり方で行われる。これは、特に、各観察サイクルにおいて決定された振幅は、放射線放出体の同じ構成に従って放出されたテスト放射パルスから生じる参照振幅と比較されること、並びに、補正がX線画像を再構成するプロセスに適用され、及び/又は放射線検出器3の構成に対して、比較の結果に基づいて変更が行われることを意味する。
さらなる実施形態は、放射パルスの放出が予め定められたスケジュールに従って行われないという点で、これまでに説明された実施形態とは異なる。そのような実施形態において、放射線検出器3の各アノードピクセル205は、関連した放射線放出体を備え、放射線放出体は、読み出し電子回路がX線光子事象を処理していないときにテスト放射パルスを放出する。それを達成するために、アノードピクセル205の読み出し電子回路は、それが入射X線光子に応じて増幅/整形器206によって発生したパルス信号が予め定められたしきい値を下回ると決定するとき、テスト放射パルスを放出するように、アノードピクセル205に割り当てられた放射線放出体を制御する。そのような実施形態で使用される放射線放出体は、例えば、読み出し電子回路を形成するCMOS構造に統合されるレーザダイオードとして構成される。入射テスト放射パルスに応じて発生した電気信号の振幅を決定するために、ピークホールド回路が再び使用され、これらの実施形態においては、これらの回路は、テスト放射パルスの放出と同期して動作される(即ち、アクティブ化及び非アクティブ化される)。次いで、決定された振幅の評価が、上に説明される実施形態と類似して行われる。
開示された実施形態に対するさらなるバリエーションは、図面、本開示、及び添付の請求項の研究により、特許請求された本発明の実践にあたって、当業者により理解及び達成され得る。
特許請求項において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。
単一のユニット又は装置が、特許請求項内に列挙されるいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の方策が相互に異なる従属請求項に列挙されるということだけでは、これらの方策の組み合わせを有利に使用することができないということを示さない。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に供給されるか、又はそれの一部として供給される光学記憶媒体又は固体記憶媒体などの好適な媒体に格納/配信されるが、インターネット又は他の無線若しくは有線通信システムを介してなど、他の形態でも配信される。
請求項内のいかなる参照記号もその範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. フォトンカウンティング放射線検出器及びX線放射源を備える、対象物のX線画像を生成するためのX線装置であって、前記放射線検出器は、前記X線画像の獲得の間、前記X線放射源によって放出され、且つ前記対象物を通過したX線光子を、X線光子事象に対応する電気パルス信号に変換し、前記X線装置は、さらに、
    前記放射線検出器を第1の放射パルスに曝露し、前記X線画像の獲得の間に前記放射線検出器を第2の放射パルスに曝露する、追加の放射源であって、前記第1の放射パルス及び前記第2の放射パルスは、前記追加の放射源の同じ構成に従って放出される、前記追加の放射源と、
    前記放射線検出器の前記第1の放射パルスへの曝露に起因して前記放射線検出器によって生成される第1の電気パルス信号を検出し、前記放射線検出器の前記第2の放射パルスへの曝露に起因して前記放射線検出器によって生成される第2の電気パルス信号を検出する、検出回路とを備え、
    前記放射線検出器を前記第1の放射パルス及び前記第2の放射パルスの各々に曝露することによって、X線光子事象が生成又はシミュレートされ、この結果、前記第1の電気パルス信号及び第2の電気パルス信号の各々は、ある特定のエネルギーを有する入射X線光子に応じて前記放射線検出器によって生成された電気パルス信号に対応し、
    前記X線装置は、前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅とを比較し、前記比較の結果に基づいて前記X線画像を生成する、
    X線装置。
  2. 前記追加の放射源は、前記X線画像の獲得の前、又はX線画像獲得の開始時に、前記放射線検出器を前記第1の放射パルスに曝露するように制御可能である、請求項1に記載のX線装置。
  3. 前記検出回路は、前記第2の電気パルス信号の振幅を決定するためのピークホールド回路を備える、請求項1に記載のX線装置。
  4. 前記追加の放射源の前記構成は、前記第1及び前記第2の電気パルス信号の振幅が、X線放射への曝露に応じて前記放射線検出器によって生成される電気パルス信号の振幅より高くなるように選択可能であり、前記検出回路が、獲得期間中最も高い振幅を有する前記放射線検出器によって生成される電気パルス信号を前記第2の電気パルス信号として特定することを含む、請求項1に記載のX線装置。
  5. 前記追加の放射源は、前記X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に前記放射線検出器を前記第1及び/又は前記第2の放射パルスに曝露するように制御可能である、請求項1に記載のX線装置。
  6. 前記検出回路は、前記第2の電気パルス信号の振幅を決定するためのピークホールド回路を備え、前記ピークホールド回路は、前記X線放射源がX線放射を放出しない間にのみ前記ピークホールド回路がアクティブ化されるように制御可能である、請求項5に記載のX線装置。
  7. 前記追加の放射源は、前記追加の放射源の異なる構成に従って放出される少なくとも2つの第1の放射パルスと、少なくとも2つの第2の放射パルスとに、前記放射線検出器を曝露し、前記第2の放射パルスの各々は前記追加の放射源の構成のうちの1つに従って放出され、
    前記追加の放射源の構成のうちの1つに従って放出される前記第2の放射パルス各々について、前記X線装置は、前記放射線検出器の前記第2の放射パルス各々への曝露に応じて生成された電気パルス信号の振幅を、前記追加の放射源の同じ構成に従って放出される前記第1の放射パルスへの曝露に応じて前記放射線検出器によって生成された電気パルス信号の振幅と比較し、
    前記X線装置は、前記比較の結果に基づいて前記X線画像を生成する、
    請求項1に記載のX線装置。
  8. 前記追加の放射源は、前記X線放射源によるX線放射の放出が中断される期間に少なくとも2つの第2の放射パルスを連続的に放出するように制御可能である、請求項7に記載のX線装置。
  9. X線放射への曝露に応じて前記放射線検出器によって生成された電気パルス信号に基づいて、及び前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、前記X線画像を再構成する再構成ユニットを備える、請求項1に記載のX線装置。
  10. 前記放射線検出器は、X線光子が入ることに応じて生成された電気パルス信号に基づいて、前記放射線検出器に入る複数のX線光子の各々にエネルギー範囲を割り当て、前記再構成ユニットは、前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、前記X線光子の少なくともいくつかに対する割り当てを変更する、請求項9に記載のX線装置。
  11. 前記放射線検出器の読み出し電子回路を備え、前記読み出し電子回路が、前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号を処理することを含む、請求項1に記載のX線装置。
  12. X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号の前記処理は、前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて選択されたゲインを使用して前記電気パルス信号を増幅することを含む、請求項11に記載のX線装置。
  13. X線放射への曝露に応じて生成された電気パルス信号の前記処理は、前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅との比較の結果に基づいて、エネルギー範囲を前記電気パルス信号に割り当てることを含む、請求項11に記載のX線装置。
  14. 前記追加の放射源は、レーザ装置であり、前記第1及び前記第2の放射パルスは、レーザ放射線を含む、請求項1に記載のX線装置。
  15. X線画像の獲得の間、X線放射源によって放出され且つ対象物を通過したX線放射を、X線光子事象に対応する電気パルス信号に変換するスペクトル放射線検出器を使用して、対象物のX線画像を生成するための方法であって、前記方法は、
    追加の放射源の構成に従って前記追加の放射源によって放出された第1の放射パルスに前記スペクトル放射線検出器を曝露し、前記第1の放射パルスへの曝露に応じて前記スペクトル放射線検出器によって生成された第1の電気パルス信号を取得するステップと、
    前記X線画像の獲得の間、前記追加の放射源の同じ構成に従って前記追加の放射源によって放出された第2の放射パルスに前記スペクトル放射線検出器を更に曝露し、前記第2の放射パルスへの曝露に応じて前記スペクトル放射線検出器によって生成された第2の電気パルス信号を取得するステップと、
    前記第1の電気パルス信号の振幅と前記第2の電気パルス信号の振幅とを比較し、前記比較の結果に基づいて前記X線画像を生成するステップとを有し、
    前記スペクトル放射線検出器を前記第1の放射パルス及び前記第2の放射パルスの各々に曝露するステップによって、X線光子事象が生成又はシミュレートされ、この結果、前記第1の電気パルス信号及び第2の電気パルス信号の各々は、ある特定のエネルギーを有する入射X線光子に応じて前記スペクトル放射線検出器によって生成された電気パルス信号に対応する、
    方法。
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