JP6797383B1 - コア採取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原直径を精度良く維持した状態でコアを採取することができ、コア変形法を利用して地盤応力の高精度な評価に繋げること。【解決手段】坑底3を掘削する内側コアビット20を有する内側コアバレル10と、坑底を掘削する外側コアビット80を有する外側コアバレル11と、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態から外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う回転切換機構12とを備え、内側コアバレルは、掘削水が内部に供給されると共に駆動源からの動力に基づいて回転可能とされ、内側コアバレルは、回転規制状態のときに外側コアビットよりも内側コアビットが上方に位置するように配置され、且つ回転許容状態のときに坑底側に向けて軸線O回りに回転しながら外側コアバレルに対して深さ方向に相対移動可能とされているコア採取装置1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、コア採取装置に関する。
石油、天然ガス、地熱等の地下資源の探鉱を行う場合、一般的には最初にリモートセンシングや航空写真解析等で地質評価を行う。続いて、地質・地化学調査、物理探査等の実施によって取得された複数のデータを総合的に解析して地下の地質構造を把握し、石油や地熱資源が多く埋蔵されている可能性が高い場所を選定する。そして、試掘井の候補地の選定を行った後、実際に現地に坑井を掘削することで、地層の状況を把握する。
坑井を掘削した地盤に貯留層が期待される地層が見つかった場合には、その地層を含む地盤から岩石のコアを採取すると共に、採取したコアを観察して岩石の種類や鉱物組織等を把握する。さらには、孔隙率や浸透率等、その地層に含まれる岩石の性状を詳細に調べる。
また、圧密、地盤内応力、せん断、土圧等、地盤の力学的挙動を解析することも、上記候補地の地盤の状況を把握するうえで重要である。解析結果をもとに坑井を掘削した地盤の応力状態を評価し、坑井が長期に亘って健全に維持され得ることが確認できれば、その坑井から石油や地熱流体を安定的に産出することができる。
上述した地盤の力学的挙動を解析するための1つの手法として、下記非特許文献1に示されるように、地殻地盤(岩盤等)に作用している応力を測定するDCDA(Diametrical Core Deformation Analysis)法、以下単に「コア変形法」と称する場合がある)が知られている。
一般に、地表より下の地殻地盤には、最大水平応力、最小水平応力、鉛直応力等の三次元応力要素で表現される応力が様々な要因によって作用している。そのため、地盤からボーリング等によって円柱状のコアを採取すると、コアに作用していた応力が解放されることでコアの形状が弾性変形して膨張する。この結果、応力解放前におけるコアのコア径(すなわち原直径)dから、応力解放後、コア径が最大値dmax、最小値dminを有する楕円状の断面形状に変形する。
コア変形法によれば、コア径の最大値dmaxと最小値dminとの差に基づいて、方向による応力の差情報を算出することが可能とされている。
船戸 明雄、伊藤 高敏、「岩盤応力評価のためのコア変形法(DCDA)」、Journal of MMIJ、2013、Vol.129、No.8, 9、P.577-584.
コア変形法において、応力解放で変形したコア径のdmax及び最小値dminに加えて、変形前のコアの原直径dを測定することができれば、応力の絶対値を算出することが可能となる。しかしながら、コアの変形は、地盤から切り離された直後に生じてしまうので、採取したコアに基づいて、応力解放前におけるコアの原直径dを正確に取得することは困難とされている。
なお、ボーリングに用いるコアビットの径を原直径dと仮定して捉えることは正確ではない。例えばコアビット径は、ボーリングの過程で摩耗等によって変化するためである。さらに、コアビット径が変化しない場合であっても、地盤の種類や温度等の種々の要因によって、実際のコアの原直径dが変動してしまうためである。
このように、応力解放前のコアの原直径dを正確にすることが難しいため、従来では絶対的な応力情報を算出することができないといった課題が残されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、原直径を精度良く維持した状態でコアを採取することができ、コア変形法を利用して地盤応力の高精度な評価に繋げることができるコア採取装置を提供することである。
(1)本発明に係るコア採取装置は、坑井内における坑底を深さ方向に掘削することで、地盤内部から地質試料であるコアを採取するコア採取装置であって、前記坑井内に軸線回りに回転可能に配置され、先端側に前記坑底を掘削する内側コアビットを有する筒状の内側コアバレルと、前記内側コアバレルが内部に挿通された状態で前記坑井内に配置され、先端側に前記坑底を掘削する外側コアビットを有する筒状の外側コアバレルと、前記外側コアバレルに対する前記内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、前記内側コアバレルと前記外側コアバレルとを連結すると共に、任意のタイミングで前記回転規制状態から前記外側コアバレルに対する前記内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う回転切換機構と、を備え、前記内側コアバレルは、掘削水が内部に供給されると共に、駆動源からの動力に基づいて回転可能とされ、前記内側コアバレルは、前記回転規制状態のときに、前記外側コアビットよりも前記内側コアビットが上方に位置するように配置され、且つ前記回転許容状態のときに、前記坑底側に向けて前記軸線回りに回転しながら前記外側コアバレルに対して前記深さ方向に相対移動可能とされていることを特徴とする。
本発明に係るコア採取装置によれば、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、掘削水を内側コアバレルの内部に供給しながら、駆動源からの動力に基づいて内側コアバレルを回転させる。これにより、内側コアバレルと共に、外側コアバレルを坑井内で軸線回りに回転させることができる。また、回転規制状態の際、外側コアビットよりも内側コアビットが上方に位置しているので、外側コアバレルの回転によって、外側コアビットを利用して坑底を深さ方向に掘削することができる。
具体的には、外側コアバレルを利用して、坑底に軸線を中心とした平面視円形状の外溝を掘削することができる。そのため、外溝を掘削することで、坑底よりも下方に位置する地盤中に円柱状のコアを生成することができる。生成されたコアは、地盤から作用する応力から解放されるため、主に径方向に膨張するように変形すると共に、実質的にほぼ無応力状態となった応力解放部となる。
上述した外溝を所定の深さで形成して応力解放部を生成した後、回転切換機構によって、回転規制状態から外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う。これにより、外側コアバレルの回転を停止した状態で、駆動源からの動力に基づいて内側コアバレルだけを軸線回りに回転させることができると共に、外側コアバレルに対して内側コアバレルを深さ方向に相対移動させることができる。そのため、内側コアバレルを回転させながら坑底に向けて移動させることができ、内側コアビットを利用して坑底を深さ方向に掘削することができる。
具体的には、内側コアバレルを利用して、坑底のうち外溝の内側に位置する部分に軸線を中心とした平面視円形状の内溝を掘削することができる。この際、外溝よりも深く内溝を掘削する。これにより、外溝よりも内側に位置する地盤中に円柱状のコアを新たに生成することができる。
内溝によって生成されたコアのうち、応力解放部だった部分は、先に述べたように既に応力が解放されているので、内溝の掘削時において再び膨張することがない。そのため、内側コアバレルの内径を現した部分となり、膨張前の原直径であるコア径を有する非膨張領域部となる。
一方、内溝によって生成されたコアのうち非膨張領域部よりも下方に位置する部分は、内溝によって地盤がはじめて掘削された部分であるので、外溝の掘削時と同様に地盤からの応力の解放によって、主に径方向に膨張するように変形した膨張領域部となる。特に、深さ方向に応力解放部から離れるほど、すなわち坑底から深くなるほど大きく膨張する。
従って、内溝の掘削によって生成されたコアを採取することで、膨張前の原直径であるコア径を有する非膨張領域部と、膨張後のコア径を有する膨張領域部と、が連続して連なったコアを得ることができる。これにより、原直径を精度良く維持した状態でコアを採取することができる。
特に、原直径である非膨張領域部の外径を測定することで、正確な原直径を得ることができる。さらに、膨張領域部の外径を測定することで、膨張後のコア径の最大値及び最小値を得ることができる。従って、これらの測定結果に基づいて、コア変形法を利用して、例えば地盤応力の絶対情報の算出等を行うことができ、地盤応力の高精度な評価に繋げることができる。
(2)前記回転切換機構は、前記内側コアバレルの外周面に形成されたスライド溝と、前記外側コアバレルに組み合わされると共に、前記スライド溝内に入り込む連結ピンと、を備え、前記スライド溝は、前記軸線回りを周回する周方向に沿って延びるように形成され、周方向の両端部が第1周端部及び第2周端部とされた周溝と、前記第2周端部に連設されると共に、前記第2周端部から前記深さ方向に沿って上方に向けて延び、且つ上方に開口した縦溝と、を備え、前記連結ピンは、前記第1周端部から前記第2周端部側に向かう方向に前記内側コアバレルが回転したときに、前記第1周端部に対して係止され、且つ前記第2周端部から前記第1周端部側に向かう方向に前記内側コアバレルが回転したときに、前記縦溝側に向けて前記周溝内を移動しても良い。
この場合には、周溝における第1周端部から第2周端部側に向かう方向に内側コアバレルを回転させることで、第1周端部に連結ピンを係止させることができる。これにより、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持することができ、内側コアバレルと共に外側コアバレルを回転させることができる。従って、外側コアバレルを利用して坑底に外溝を掘削することが可能となる。
外溝の掘削後、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う場合には、内側コアバレルを逆方向に回転させる。これにより、第1周端部から第2周端部に向かうように、連結ピンを相対的に周溝に沿って移動させることができる。これにより、連結ピンを縦溝に連設された第2周端部まで移動させることができる。そのため、内側コアバレルの回転を停止した後、外側コアバレルに対して内側コアバレルを下方移動させることで、連結ピンを相対的に縦溝に沿って移動させることができ、スライド溝内から連結ピンを離脱させることができる。
従って、その後に掘削を行う回転方向に内側コアバレルを再び回転させることで、外側コアバレルを回転させることなく、内側コアバレルだけを回転させることができる。従って、内側コアビットを利用して坑底に内溝を掘削することができ、先に述べたようにコアを採取することができる。特に、スライド溝及び連結ピンを利用するだけの簡便な構成で回転切換機構を構成できるので、構成の簡略化を図ることができると共に、部品点数を抑えて低コスト化を図ることができる。
(3)前記周溝は、前記第1周端部から前記第2周端部に向かうにしたがって溝深さが漸次浅くなるように形成されても良い。
この場合には、スライド溝における周溝の溝深さが、第1周端部から第2周端部に向かうにしたがって浅くなるので、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う際、内側コアバレルの回転に伴って連結ピンに作用する回転負荷を徐々に大きくすることができる。
従って、明確な意図を持って回転許容状態への切換えを行う場合とは異なり、意図しないタイミングで誤って内側コアバレルを回転させて、回転許容状態への切換えが行われてしまうことを防止することができる。
(4)前記回転切換機構は、前記内側コアバレルに対して前記深さ方向に相対移動可能に組み合わされると共に、ロック位置からリリース位置に向けて下方移動可能とされた可動筒と、前記可動筒を上方に向けて付勢すると共に、前記ロック位置に位置決めさせる第1付勢部材と、前記軸線に対して交差する径方向に移動可能に前記内側コアバレルに組み合わされると共に、前記外側コアバレルの内周面に形成されたラッチ溝に係合されたラッチ部材と、前記ラッチ部材を前記内側コアバレル側に付勢する第2付勢部材と、前記可動筒が前記ロック位置に位置しているときに、前記ラッチ部材を前記外側コアバレル側に向けて押圧して前記ラッチ溝に係合させ、且つ前記可動筒が前記リリース位置に位置したときに、前記ラッチ部材の押圧を解除して、前記ラッチ溝に対する前記ラッチ部材の係合を解除させるラッチ制御部材と、前記内側コアバレルの内圧を増加させる圧力増加機構と、を備え、前記可動筒は、前記圧力増加機構によって前記内側コアバレル内の内圧が第1所定値以上となったときに、前記ロック位置から前記リリース位置に向けて移動し、前記内側コアバレルは、前記ラッチ溝に対して前記ラッチ部材が係合しているときに前記外側コアバレルに対して相対回転が規制され、且つ前記ラッチ溝に対して前記ラッチ部材の係合が解除されたときに前記外側コアバレルに対して相対回転が許容されると共に、前記深さ方向に相対移動可能とされても良い。
この場合には、可動筒がロック位置に位置していることで、ラッチ制御部材がラッチ部材を外側コアバレル側に押圧してラッチ溝に係合させているので、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持することができる。従って、内側コアバレルと共に外側コアバレルを回転させることができ、外側コアバレルを利用して坑底に外溝を掘削することが可能となる。
外溝の掘削後、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う場合には、圧力増加機構により、掘削水が供給される内側コアバレルの内圧を増加させる。そして、内圧が第1所定値以上となると、可動筒が第1付勢部材による付勢力に抗して下方移動してロック位置からリリース位置に移動する。これにより、ラッチ制御部材がラッチ部材の押圧を解除する。そのため、第2付勢部材による付勢力によりラッチ部材を内側コアバレル側に移動させて、ラッチ溝に対するラッチ部材の係合を解除することができる。
その結果、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行うことができると共に、外側コアバレルに対して深さ方向に内側コアバレルを相対移動させることが可能となる。従って、外側コアバレルを回転させることなく、内側コアバレルだけを回転させることができる。その結果、内側コアバレルを利用して坑底に内溝を掘削することができ、先に述べたようにコアを採取することができる。
特に、内側コアバレルの内圧を増加させるだけで、回転許容状態への切換えを行うことができるので、例えば内側コアバレルを掘削時とは逆方向に回転させる等といった手間が不要である。従って、使い易く、利便性を向上することができる。
(5)前記内側コアバレルは、前記駆動源から動力が伝達される第1内側コアバレルと、前記第1内側コアバレルに一体に形成されると共に前記第1内側コアバレルの内側に配置された第2内側コアバレルと、を有する二重筒状に形成され、前記可動筒は、前記第1内側コアバレルと前記第2内側コアバレルとの間に配置され、前記圧力増加機構は、前記第2内側コアバレルの内側に形成され、前記内側コアバレル内に投入されたボールを着座させる環状のシール突起を有し、前記シール突起に前記ボールが着座することで、前記第2内側コアバレルが閉塞されて前記内側コアバレル内の内圧が増加しても良い。
この場合には、外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う際、内側コアバレル内に掘削水と共にボールを投入することで、ボールをシール突起に着座させることができる。これにより、ボールを利用して第2内側コアバレルを閉塞することができ、内側コアバレルの内圧を増加させることができる。これにより、可動筒をロック位置からリリース位置に移動させることができ、先に述べたように回転許容状態への切換えを行うことができる。
特に、内側コアバレル内にボールを投入するだけの簡便な方法で、内側コアバレル内の内圧を増加させて回転許容状態への切換えを行うことができるので、使い易さをさらに向上することができる。
(6)前記第2内側コアバレルには、前記シール突起よりも下方に位置する部分に前記ボールの下方移動を規制する規制部材が設けられ、前記シール突起は、前記内側コアバレル内の内圧が前記第1所定値よりも高い第2所定値以上となったときに弾性変形して、前記ボールを前記規制部材に向けて通過可能とされ、前記シール突起を前記ボールが通過することで、前記第2内側コアバレルの閉塞が解除されて前記内側コアバレル内の内圧が低下しても良い。
この場合には、回転許容状態への切換え後、内側コアバレルの内圧が第2所定値以上となったときに、シール突起が弾性変形して、ボールを通過させる。これにより、第2内側コアバレルの閉塞を解除することができ、内側コアバレル内の内圧を低下させることができる。また、規制部材を利用して、シール突起を通過したボールがそれ以上、下方移動することを規制することができる。また、ボールの通過によって第2内側コアバレルの閉塞が解除されることで、掘削水を引き続き内側コアビット側に供給することができるので、内溝の掘削を安定して行うことができる。
本発明に係るコア採取装置によれば、原直径を精度良く維持した状態でコアを採取することができ、コア変形法を利用して地盤応力の高精度な評価に繋げることができる。
本発明に係るコア採取装置の第1実施形態を示す図であって、坑井内にセットされたコア採取装置の縦断面図である。 図1に示すコア採取装置の縦断面図である。 図2に示すコア採取装置の分解構成図である。 図3に示すスライド溝と連結ピンとの関係を示す斜視図である。 図3に示す内側コアバレルにおける第3中継チューブの斜視図である。 図5に示す矢印A方向から見た第3中継チューブの側面図である。 図6に示す矢印B−B線に沿った第3中継チューブの横断面図である。 図2に示す外側コアバレルにおける連結チューブ周辺を拡大した斜視図である。 図3に示す外側コアバレルにおける連結チューブの斜視図である。 図9に示すC部分を拡大した連結ピンの斜視図である。 図2に示す矢印D−D線に沿った横断面図である。 図11に示す連結ピンの周辺を拡大した断面図である。 図12に示す状態から、連結ピンが周溝の第2周端部まで移動した状態を示す断面図である。 図1に示す状態から、コア採取装置を利用して坑底に外溝及び内溝を掘削してコアを採取するまでの流れを説明した図である。 図14に示す外溝の掘削によって生成されたコアの上面図である。 図14に示す内溝の掘削によって生成されたコアの上面図である。 坑井内にセットされたコア採取装置の簡略図である。 図17に示す状態から、コア採取装置の外側コアバレルを利用して坑底に外溝を形成している状態を示す断面図である。 図18に示す状態から、外側コアバレルに対して内側コアバレルを相対回転可能な状態に切り換えた状態を示す断面図である。 図19に示す状態から、コア採取装置の内側コアバレルを利用して坑底に内溝を形成している状態を示す断面図である。 本発明に係るコア採取装置の第2実施形態を示す図であって、坑井内にセットされたコア採取装置の縦断面図である。 図21に示す回転切換機構周辺を拡大した縦断面図である。 図22に示す状態から、シール突起にボールを着座させた状態を示す縦断面図である。 図23に示す状態から、ピストン筒をリリース位置まで下方移動させた状態を示す縦断面図である。 図21に示す状態から、コア採取装置の外側コアバレルを利用して坑底に外溝を形成している状態を示す断面図である。 図24に示す状態から、外側コアバレルに対して内側コアバレルを下方移動させた状態を示す縦断面図である。 図26に示す状態から、シール突起を通過するようにボールを移動させた後、規制ロッドでボールの下方移動を規制している状態を示す縦断面図である。 図25に示す状態から、コア採取装置の内側コアバレルを利用して坑底に内溝を形成している状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
本発明に係るコア採取装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態のコア採取装置1は、地殻地盤(岩盤)に掘削された坑井2内における坑底3を、坑井2の深さ方向に掘削することで、地盤内部から地質試料であるコア4(図14参照)を採取する装置である。
コア採取装置1は、坑井2内に軸線O回りに回転可能に配置された筒状の内側コアバレル10と、内側コアバレル10が内部に挿通された状態で坑井2内に配置された筒状の外側コアバレル11と、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、内側コアバレル10と外側コアバレル11とを連結すると共に、任意のタイミングで回転規制状態から外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う回転切換機構12と、を備えている。
本実施形態では、軸線Oに沿う方向が坑井2の深さ方向とされている。また、軸線Oに沿って図示しない地表面に向かう方向を上方、坑底3に向かう方向を下方という。また、軸線O方向から見た平面視において、軸線Oに交差する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。さらに、周方向のうち、上方から見て時計回りに周回する方向を第1回転方向M1といい、その反対方向を第2回転方向M2という。
(内側コアバレル)
内側コアバレル10は、先端側に坑底3を掘削する内側コアビット20を有し、内側コアビット20を下向きにした状態で坑井2内に配置される。
この内側コアバレル10は、地表面に設置された図示しない掘削機(駆動源)からの動力に基づいて、軸線O回りを回転可能とされている。具体的には、内側コアバレル10は、該内側コアバレル10よりも上方に配置される図示しない複数の延長チューブに連結され、これら複数の延長チューブを介して掘削機から動力が伝達されることで軸線O回りを回転する。
なお、坑底3の掘削時、内側コアバレル10は、下方に向けて所定の荷重が付加された状態で、第1回転方向M1に向けて回転するように掘削機によって回転制御されている。また、坑底3の掘削時、内側コアバレル10の内部には、泥水等の掘削水が所定の圧力で供給される。
図2及び図3に示すように、内側コアバレル10は、内側コアビット20、内側チューブ30、第1中継チューブ40、第2中継チューブ50、及び第3中継チューブ60を備えている。これら内側コアビット20、内側チューブ30、第1中継チューブ40、第2中継チューブ50及び第3中継チューブ60は、軸線O上にそれぞれ配置されていると共に、この順番で下方から上方に向けて配置されている。
内側コアビット20は、円筒状のコアビット本体21と、コアビット本体21の下端部に固着された円筒状の内側切削部22と、を備え、内側切削部22を利用して坑底3に後述する内溝7を掘削することが可能とされている。
内側切削部22は、例えばニッケル、コバルト等をマトリックスとして工業用ダイヤモンドを分散させた焼結体とされ、下端開口端面が切削面とされている。また、内側切削部22の下端部側における外周面には、複数のビット切刃22aが全周に亘って形成されていると共に、縦長の内側排出溝22bが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
コアビット本体21の上端部には、外径が該コアビット本体21の外径よりも小さい円筒状に形成されたビット連結筒23が上方に向けて延びるように連設されている。このビット連結筒23の外周面には全周に亘って雄ねじ部24が形成されている。
内側チューブ30は、外径がコアビット本体21の外径と同径に形成されている。内側チューブ30の下端部における内周面には、内側コアビット20における雄ねじ部24が螺合する図示しない雌ねじ部が全周に亘って形成されている。これにより、内側チューブ30及び内側コアビット20は、螺着によって組み合わされている。
内側チューブ30の上端部における内周面には、全周に亘って雌ねじ部31が形成されている。さらに、内側チューブ30の下端部には、僅かに拡径した拡径部32が形成されている。
第1中継チューブ40は、外径が内側チューブ30の外径と同径に形成されている。第1中継チューブ40の下端部には、第1下段チューブ41が下方に向けて延びるように連設されている。第1下段チューブ41は、外径が第1中継チューブ40の外径よりも小さい円筒状に形成されている。第1下段チューブ41の外周面には、内側チューブ30における雌ねじ部31に対して螺合する雄ねじ部42が全周に亘って形成されている。
これにより、第1中継チューブ40及び内側チューブ30は、螺着によって組み合わされている。第1中継チューブ40の上端部における内周面には、全周に亘って雌ねじ部43が形成されている。
第2中継チューブ50は、外径が第1中継チューブ40の外径と同径に形成されている。第2中継チューブ50の上端部には、第2上段チューブ51が上方に向けて延びるように連設されている。第2中継チューブ50の下端部には、第2下段チューブ52が下方に向けて延びるように連設されている。
第2上段チューブ51は、外径が第2中継チューブ50の外径よりも小さい円筒状に形成され、その外周面には全周に亘って雄ねじ部53が形成されている。第2下段チューブ52は、外径が第2上段チューブ51の外径よりも小さい円筒状に形成されている。第2下段チューブ52の外周面には、第1中継チューブ40における雌ねじ部43に対して螺合する雄ねじ部54が全周に亘って形成されている。これにより、第2中継チューブ50及び第1中継チューブ40は、螺着によって組み合わされている。
第3中継チューブ60は、外径が第2中継チューブ50の外径と同径に形成されている。第3中継チューブ60における上端部の内周面には、全周に亘って雌ねじ部61が形成されている。第3中継チューブ60における下端部の内周面には、第2上段チューブ51における雄ねじ部53が螺合する図示しない雌ねじ部が全周に亘って形成されている。これにより、第3中継チューブ60及び第2中継チューブ50は、螺着によって組み合わされている。
第3中継チューブ60における中央部分には、外径が該第3中継チューブ60の外径よりも僅かに大きく形成された厚肉部62が形成されている。なお、厚肉部62の外径は、内側チューブ30における拡径部32の外径よりも大きく形成されている。
上述のように構成された内側コアバレル10は、内側コアビット20、内側チューブ30、第1中継チューブ40、第2中継チューブ50、及び第3中継チューブ60が互いに連結し合うことで、全体として縦長のチューブ(円筒状)に形成されている。そして内側コアバレル10は、第3中継チューブ60の上端部側に形成された雌ねじ部61を利用して、複数の延長チューブに対して連結可能とされている。
複数の延長チューブは、坑井2の深さに応じて継ぎ足すように連結可能とされ、地表面の掘削機と内側コアバレル10との間を連結すると共に、掘削機の動力を内側コアバレル10に伝達する役割を果たしている。
これにより内側コアバレル10は、先に述べたように、複数の延長チューブを介して掘削機からの動力に基づいて軸線O回りに回転可能とされている。
さらに、内側コアバレル10には、該内側コアバレル10の回転ブレを抑制するためのスタビライザー70が装着されている。
スタビライザー70は、内径が内側チューブ30の外径よりも大きく、且つ拡径部32及び厚肉部62の外径よりも小さく形成されたリング状に形成され、主に内側チューブ30に外挿されている。これにより、スタビライザー70は、拡径部32と厚肉部62との間を上下方向に沿って移動可能に、主に内側チューブ30に外挿されている。
スタビライザー70の内周面は、主に内側チューブ30の外周面に接するガイド面とされている。また、スタビライザー70の外周面には、平坦なカット面71が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これにより、スタビライザー70は、外形形状が横断面視多角形状に形成されている。
(外側コアバレル)
図1〜図3に示すように、外側コアバレル11は、先端側に坑底3を掘削する外側コアビット80を有し、外側コアビット80を下向きにした状態で坑井2内に配置されている。この外側コアバレル11は、回転切換機構12による切換えに応じて、内側コアバレル10と共に軸線O回りを回転する回転モードから、内側コアバレル10の回転から切り離されて軸線O回りに回転しない非回転モードに切換え可能とされている。
図2及び図3に示すように、外側コアバレル11は、外側コアビット80、外側チューブ90及び連結チューブ100を備えている。これら外側コアビット80、外側チューブ90及び連結チューブ100は、それぞれ軸線O上に配置されていると共に、この順番で下方から上方に向けて配置されている。
外側コアビット80は、円筒状のコアビット本体81と、コアビット本体81の下端部に固着された円筒状の外側切削部82と、を備え、外側切削部82を利用して坑底3に後述する外溝5を掘削することが可能とされている。
外側切削部82は、内側切削部22と同様に、例えばニッケル、コバルト等をマトリックスとして工業用ダイヤモンドを分散させた焼結体とされ、下端開口端面が切削面とされている。外側切削部82の下端部側における外周面には、複数のビット切刃82aが全周に亘って形成されていると共に、縦長の外側排出溝82bが周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、外側排出溝82bは、切削面に亘って形成されている。
コアビット本体81の上端部における内周面には、全周に亘って雌ねじ部83が形成されている。なお、外側コアビット80の内径は、内側コアバレル10における最大外径部分(すなわち厚肉部62の外径)よりも大きくなるように形成されている。
外側チューブ90は、内径が外側コアビット80の内径と同径に形成されている。外側チューブ90の下端部には、下段チューブ91が下方に向けて延びるように連設されている。下段チューブ91は、外径が外側チューブ90の外径よりも小さい円筒状に形成されている。下段チューブ91の外周面には、外側コアビット80における雌ねじ部83に螺合する雄ねじ部92が全周に亘って形成されている。
これにより、外側チューブ90及び外側コアビット80は、螺着によって組み合わされている。外側チューブ90の上端部における内周面には、全周に亘って雌ねじ部93が形成されている。
連結チューブ100は、内径が外側チューブ90の内径と同径に形成されている。連結チューブ100の下端部には、下段チューブ101が下方に向けて延びるように連設されている。下段チューブ101は、外径が連結チューブ100の外径よりも小さい円筒状に形成されている。下段チューブ101の外周面には、外側チューブ90における雌ねじ部93に螺合する雄ねじ部102が全周に亘って形成されている。これにより、連結チューブ100及び外側チューブ90は、螺着によって組み合わされている。
連結チューブ100の上端部には、上方に向かうにしたがって縮径するように形成されると共に、径方向の内側に向かって僅かに突出したフランジ部103が形成されている。このフランジ部103は、内側コアバレル10における第3中継チューブ60の厚肉部62に対して上方から接触可能とされている。
上述のように構成された外側コアバレル11は、外側コアビット80、外側チューブ90及び連結チューブ100が互いに連結し合うことで、全体として縦長のチューブ(円筒状)に形成されている。そして、外側コアバレル11内に内側コアバレル10が下方から挿通されることで、外側コアバレル11及び内側コアバレル10が組み合わされている。
具体的には、図1及び図2に示すように内側コアバレル10は、第3中継チューブ60の厚肉部62が連結チューブ100の内側に位置し、且つ第3中継チューブ60のうち厚肉部62よりも上方に位置する部分が連結チューブ100よりも上方に突出した状態で外側コアバレル11に組み合わされている。
このとき、先に述べたように、外側コアバレル11のフランジ部103が内側コアバレル10の厚肉部62に上方から接触可能とされているので、内側コアバレル10に対して外側コアバレル11が下方に抜け落ちることが規制されている。それに加え、後述する連結ピン120がスライド溝110内から離脱した状態であっても、内側コアバレル10を坑井2内で上方に引き上げ操作することで、フランジ部103を介して外側コアバレル11についても上方に引き上げることが可能とされている。
(回転切換機構)
図3及び図4に示すように、回転切換機構12は、内側コアバレル10における第3中継チューブ60の厚肉部62の外周面に形成されたスライド溝110と、連結チューブ100の内周面から厚肉部62の外周面に向けて突出するように外側コアバレル11に組み合わされると共に、スライド溝110内に入り込む連結ピン120と、を備えている。
図4〜図7に示すように、スライド溝110は、周方向に沿って延びるように形成され、周方向の両端部が第1周端部111a及び第2周端部111bとされた周溝111と、第2周端部111bに連設されると共に、第2周端部111bから上方に向かって延びた縦溝112と、を有している。これにより、スライド溝110は側面視L字状或いはJ字状に形成されている。
周溝111は、厚肉部62における軸線O方向の中央部分に形成され、その周長は厚肉部62における全周の約1/4程度の長さとされている。第2周端部111bは、第1周端部111aよりも第1回転方向M1側に位置している。さらに周溝111は、第1周端部111aから第2周端部111bに向かうにしたがって溝深さが漸次浅くなるように形成されている。
縦溝112は、軸線Oに沿ってストレート状に形成され、上方に向けて開口している。
このように構成されたスライド溝110は、周方向に等間隔をあけて2つ形成されている。これにより、スライド溝110は、軸線Oを挟んで径方向に向かい合うように、軸線Oを中心として180度の間隔をあけて配置されている。
ただし、スライド溝110は2つ形成されている場合に限定されるものではなく、1つだけ形成されていても構わないし、3つ以上形成されていても構わない。
さらに厚肉部62の外周面には、周方向に隣接するスライド溝110同士の間に位置する部分に、縦長の排出縦溝113が形成されている。排出縦溝113は、上方及び下方に開口するように形成され、軸線Oを挟んで径方向に向かい合うように、軸線Oを中心として180度の間隔をあけて配置されている。
ただし、排出縦溝113は、スライド溝110と同様に2つ形成されている場合に限定されるものではなく、1つだけ形成されていても構わないし、3つ以上形成されていても構わない。
図4に示すように、連結ピン120は、第1周端部111aから第2周端部111bに向かう第1回転方向M1に内側コアバレル10が回転したときに、第1周端部111aに対して係止され、且つ第2周端部111bから第1周端部111aに向かう第2回転方向M2に内側コアバレル10が回転したときに、第1周端部111aから縦溝112側に向けて周溝111内を移動する。
図4、図8〜図11に示すように、連結ピン120は、スライド溝110を介して、内側コアバレル10の回転トルクを外側コアバレル11に伝えるトルクピンであって、連結チューブ100に形成された取付孔104内に取り付けられた連結基部121と、連結基部121に組み合わされたピン本体125と、を備えている。
なお、取付孔104は、連結チューブ100のうちスライド溝110に対向する部分に、該連結チューブ100を径方向に貫通するように形成されている。従って、取付孔104は、スライド溝110に対応して周方向に等間隔をあけて2つ形成されている。なお、取付孔104の内周面には、全周に亘って雌ねじ部が形成されている。
連結基部121は、外周面に雄ねじ部122が形成され、取付孔104内に埋め込まれるように螺着可能とされている。なお、連結基部121の外端面には、連結基部121を捩じ込み操作する際に使用する係合溝123が形成されている。
連結基部121は、連結チューブ100の内周面よりも径方向の内側に突出するように形成され、スライド溝110内に入り込むスライド筒124を有している。スライド筒124の外周面は、スライド溝110の側壁面に対して接触している。そのため、スライド筒124の外周面がスライド溝110の側壁面に対して接触することで、スライド溝110に対して連結ピン120を係止させることが可能とされている。なお、スライド筒124の内側は、径方向の内側に向けて開口した収容凹部124aとされている。
ピン本体125は、半球状に形成されたヘッド部126と、径方向に圧縮変形可能とされた軸部127と、を備えている。
ピン本体125は、ヘッド部126がスライド溝110の溝底面に対して接触した状態で、収容凹部124a内に収容されている。これにより、ピン本体125は、連結基部121とスライド溝110の溝底面との間で径方向に挟み込まれた状態で、収容凹部124a内に収容されている。
上述のように構成された連結ピン120は、図11及び図12に示すように、スライド溝110における周溝111内に入り込んでいると共に、初期状態では、周溝111の第1周端部111aに対して周方向に係止された状態とされている。そのため、連結ピン120は、第2回転方向M2に向けて内側コアバレル10が回転した場合には、相対的に第1周端部111aから第2周端部111b側に向けて周溝111内を移動することが可能とされている。
このとき、先に述べたように、周溝111の深さが第1周端部111aから第2周端部111bに向かうにしたがって漸次浅くなるように形成されているので、連結ピン120の移動に伴ってピン本体125は徐々に径方向に圧縮される。
本実施形態では、連結ピン120が第2周端部111bに達した時点で、図13に示すように、軸部127が圧縮力によって潰れ、圧縮変形するように設計されている。
(コア採取装置の作用)
次に、上述のように構成されたコア採取装置1を利用して、地盤内部からコア4を採取する場合について説明する。
はじめに、図14を参照して、坑井2内における坑底3からコア4を採取するコア採取方法の概要について簡単に説明する。なお、図14では、コア採取装置1の図示を省略している。
掘削された坑井2内にコア採取装置1をセットした後、外側コアバレル11を利用して、軸線Oを中心とした平面視円形状の外溝5を坑底3に掘削する。外溝5を掘削することで、坑底3よりも下方に位置する地盤中に円柱状のコア4Aを生成することができる。このとき生成されたコア4Aは、地盤から作用する応力から解放されるため、主に径方向に膨張するように変形すると共に、実質的にほぼ無応力状態となった応力解放部6となる。
具体的には、外溝5によって生成されたコア4Aは、地盤中では正円であったものが、拘束を解かれて中心から径方向に膨張するように変形する。このとき、最大水平応力が作用していた方向の膨張量が最も大きく、最小水平応力が作用していた方向の膨張量が最も小さい。そのため、最大水平応力が作用していた方向には、計測断面の基準円直径である原直径(地盤中で水平応力を受けていた時の直径)に対する歪み量が大きく現れ、その逆に、最小水平応力が作用していた方向には、原直径に対する歪み量が最も小さく現れる。その結果、図15に示すように、応力解放部6は全体として平面視楕円形状に変形する。
外溝5を所定の深さで形成して応力解放部6を生成した後、図14に示すように、内側コアバレル10を利用して、坑底3のうち外溝5の内側に位置する部分に、軸線Oを中心とした平面視円形状の内溝7を掘削する。このとき、外溝5よりも深く内溝7を掘削する。これにより、外溝5よりも内側に位置する部分の地盤中に円柱状のコア4を新たに生成することができる。
内溝7によって生成されたコア4のうち、応力解放部6だった部分は先に述べたように既に応力が解放されているので、内溝7の掘削時において再び膨張することがない。そのため、図16に示すように、内側コアバレル10の内径を現した部分となり、膨張前の原直径Dであるコア径を有する非膨張領域部8となる。
一方、図14に示すように、内溝7によって形成されたコア4のうち、非膨張領域部8よりも下方に位置する部分は、内溝7によって地盤がはじめて掘削された部分であるので、外溝5の掘削時と同様に、地盤からの応力の解放によって主に径方向に膨張するように変形した膨張領域部9となる。
特に、深さ方向に応力解放部6から離れるほど、すなわち坑底3から深くなるほど大きく膨張する。なお、膨張領域部9は、内溝7の掘削後に地盤からコア4が切り離されることで、図16に示すように、地盤と繋がっていた部分も含めて全体が平面視楕円状に膨張する。
従って、内溝7の掘削によって生成されたコア4を採取することで、膨張前の原直径Dであるコア径を有する非膨張領域部8、及び膨張後のコア径を有する膨張領域部9が連続して連なったコア4を得ることができる。これにより、原直径Dを精度良く維持した状態でコア4を採取することができる。
特に、原直径Dである非膨張領域部8の外径を測定することで、正確な原直径Dを得ることができる。さらに、膨張領域部9の外径を測定することで、膨張後のコア径の最大値Dmax及び最小値Dminを得ることができる。従って、これらの測定結果に基づいて、コア変形法を利用して、例えば地盤応力の絶対情報の算出等を行うことができ、地盤応力の高精度な評価に繋げることができる。
次に、本実施形態のコア採取装置1を利用して、坑底3に外溝5及び内溝7をそれぞれ掘削して、上述したコア4を採取する場合について図17〜図20を参照して説明する。
なお、図17〜図20では、コア採取装置1を簡略化して図示している。
地表から所定の深さまで坑井2を掘削した後、図1及び図17に示すように、坑井2内にコア採取装置1をセットする。セット後、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、掘削水を内側コアバレル10の内部に供給しながら、掘削機からの動力に基づいて内側コアバレル10を軸線O回りに回転させる。これにより、内側コアバレル10と共に外側コアバレル11を坑井2内で回転させることができる。
具体的には、図17に示すように第1回転方向M1に回転するように内側コアバレル10を回転させる。これにより、図4に示すように、周溝111における第1周端部111aから第2周端部111bに向かう方向に内側コアバレル10を回転させることができるので、第1周端部111aに連結ピン120を係止させることができる。これにより、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を規制する回転規制状態を維持することができ、内側コアバレル10と共に外側コアバレル11を回転させることができる。
また、回転規制状態の際、図1に示すように外側コアビット80よりも内側コアビット20が上方に位置しているので、外側コアビット80を利用して坑井2を深さ方向に掘削することができる。その結果、図18に示すように、坑底3に外溝5を形成することができ、図14で説明した応力解放部6を具備するコア4Aを生成することができる。
なお、外溝5の掘削中、内側コアバレル10の内部に供給した掘削水を、図2に示す外側排出溝82bを利用して外側コアビット80の周辺に適切に供給することができるので、外溝5を適切に掘削することができる。また、掘削水は、掘削された地盤と共に内側コアバレル10と外側コアバレル11との間の隙間を通じて、地表側に回収される。
この際、掘削水は、スタビライザー70におけるカット面71と外側コアバレル11との間を通過すると共に、内側コアバレル10における厚肉部62に形成された排出縦溝113を通過することで、地表側に回収される。
次いで、外側コアバレル11を利用して外溝5を所定の深さまで掘削した後、回転切換機構12によって、回転規制状態から外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う。これにより、外側コアバレル11の回転を停止した状態で、内側コアバレル10だけを軸線O回りに回転させることができると共に、外側コアバレル11に対して内側コアバレル10を深さ方向に相対移動させることができる。そのため、内側コアバレル10を回転させながら坑底3に向けて移動させることができ、内側コアビット20を利用して坑底3に内溝7を掘削することができる。
上記切換えについて、詳細に説明する。
この場合には、外溝5を掘削した後、図19に示すように、内側コアバレル10を第1回転方向M1とは逆方向の第2回転方向M2に向けて軸線O回りを回転させる。これにより、第1周端部111aから第2周端部111bに向かうように連結ピン120を周溝111に沿って移動させることができる。従って、図13に示すように、連結ピン120を縦溝112に連設された第2周端部111bまで移動させることができる。そのため、内側コアバレル10の回転を停止させた後に、外側コアバレル11に対して内側コアバレル10を下方移動させることで、連結ピン120を相対的に縦溝112に沿って移動させることができ、スライド溝110内から連結ピン120を離脱させることができる。
その結果、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行うことができる。従って、図20に示すように、内側コアバレル10を第1回転方向M1に向けて再び回転させることで、外側コアバレル11を回転させることなく、内側コアバレル10だけを回転させることができる。そのため、内側コアビット20を利用して、坑底3に内溝7を掘削することができ、図14で説明した非膨張領域部8及び膨張領域部9が連続して連なったコア4を採取することができる。
以上説明したように、本実施形態のコア採取装置1によれば、原直径Dを精度良く維持した状態でコア4を採取することができ、コア変形法を利用して地盤応力の高精度な評価に繋げることができる。
特に、スライド溝110及び連結ピン120を利用するだけの簡便な構造で回転切換機構12を構成できるので、構成の簡略化を図ることができると共に、部品点数を抑えて低コスト化を図ることができる。
さらに、内側コアバレル10の回転によって内溝7を掘削する際、図2に示すように、内側コアバレル10はスタビライザー70によって回転ブレが抑制されるので、軸線O回りに安定して内側コアバレル10を回転させることができる。従って、高品質なコア4を採取することができ、地盤応力をより一層精度良く評価することができる。
また、内溝7の掘削中においても、内側コアバレル10の内部に供給した掘削水を、内側排出溝22bを通じて内側コアビット20の周辺に適切に供給することができるので、内溝7を適切に掘削することができる。また、掘削水は、外溝5の掘削時と同様に、掘削された地盤と共に内側コアバレル10と外側コアバレル11との間の隙間を通じて、地表側に回収される。
さらに、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う際、スライド溝110における周溝111の溝深さが、第1周端部111aから第2周端部111bに向かうにしたがって浅くなっているので、内側コアバレル10の回転に伴って連結ピン120に作用する回転負荷を徐々に大きくすることができる。
従って、明確な意図を持って回転許容状態への切換えを行う場合とは異なり、意図しないタイミングで誤って内側コアバレル10を回転させて、回転許容状態への切換えが行われてしまうことを防止することができる。
なお、回転許容状態への切換えを行う場合には、上述したように、内側コアバレル10の回転に伴って連結ピン120に作用する回転負荷が徐々に大きくなる。そのため、図13に示すように、連結ピン120が第2周端部111bに移動した段階で、ピン本体125の軸部127が潰れて圧縮変形する。
(第2実施形態)
次いで、本発明に係るコア採取装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、掘削時における回転方向(第1回転方向M1)とは逆方向(第2回転方向M2)に内側コアバレル10を回転させることで、外側コアバレル11に対する内側コアバレル10の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行ったが、本実施形態では、第2回転方向M2への回転を行うことなく、回転許容状態への切換えを行う。
図21に示すように、本実施形態のコア採取装置200は、外側コアバレル201と、内側コアバレル202と、回転切換機構203と、を備えている。
(外側コアバレル)
外側コアバレル201は、第1実施形態と同様に構成された外側コアビット80及び外側チューブ90に加え、連結チューブ210を備えている。これら外側コアビット80、外側チューブ90及び連結チューブ210は、例えばねじ結合或いは嵌合等によって、この順番で下方から上方に向けて配置されている。
図22に示すように、連結チューブ210の上端部には、内側コアバレル202における後述する第7中継外側筒251の外周面に接する環状のシールリング211が取り付けられている。
また、連結チューブ210の内周面には、径方向の外側に向かって僅かに凹むラッチ溝212が形成されている。ラッチ溝212は、上下方向に一定の長さを有した状態で、周方向に等間隔をあけて複数形成されている。
(内側コアバレル)
図21に示すように、内側コアバレル202は、第1実施形態と同様に構成された内側コアビット20及び内側チューブ30に加え、第4中継チューブ220、第5中継チューブ230、第6中継チューブ240及び第7中継チューブ250を備えている。
これら内側コアビット20、内側チューブ30、第4中継チューブ220、第5中継チューブ230、第6中継チューブ240及び第7中継チューブ250は、軸線O上にそれぞれ配置されていると共に、この順番で下方から上方に向けて配置されている。
第4中継チューブ220は、内側チューブ30よりも上方側に配置されている。第4中継チューブ220の下端部は、内側チューブ30における上端部の内側に入り込んだ状態で、例えばねじ結合或いは嵌合等により固定されている。これにより、第4中継チューブ220及び内側チューブ30は、互いに一体的に組み合わされている。
図22に示すように、第5中継チューブ230は、第4中継チューブ220よりも上方側に配置されている。第5中継チューブ230は、下端部が第4中継チューブ220の上端部に固定された第5中継下段筒231と、第5中継下段筒231よりも上方側に配置され、内径が第5中継下段筒231の内径よりも大きく形成された第5中継上段筒232と、を備えている。
第5中継下段筒231は、例えばねじ結合或いは嵌合等により第4中継チューブ220に固定されている。これにより、第5中継チューブ230及び第4中継チューブ220は、互いに一体的に組み合わされている。
また、第5中継下段筒231には、該第5中継下段筒231を径方向の外側から囲む囲繞筒260が組み合わされている。なお、囲繞筒260の外周面は、外側コアバレル201における連結チューブ210の内周面に対して摺接している。
第6中継チューブ240は、第5中継チューブ230よりも上方側に配置されている。第6中継チューブ240は、下端部が第5中継上段筒232に固定された第6中継下段筒241と、第6中継下段筒241よりも上方側に配置され、内径が第6中継下段筒241の内径よりも大きく形成された第6中継上段筒242と、を備えている。
第6中継下段筒241は、例えばねじ結合或いは嵌合等により第5中継上段筒232に固定されている。これにより、第6中継チューブ240及び第5中継チューブ230は、互いに一体的に組み合わされている。
第6中継上段筒242は、例えば連結チューブ210よりも上方に突出するように形成されている。第6中継上段筒242のうち、連結チューブ210に形成されたラッチ溝212よりも上方に位置する部分の外周面には、径方向の外側に向けて突出した環状の鍔部243が形成されている。
第6中継上段筒242のうち、連結チューブ210に形成されたラッチ溝212に対して径方向に向かい合う部分の外周面には、径方向の内側に向けて凹んだ収容溝244が形成されている。収容溝244は、ラッチ溝212に対応するように、周方向に等間隔をあけて複数形成されていると共に、下方に向けて開口している。
さらに第6中継上段筒242のうち、収容溝244よりも下方に位置する部分には、該第6中継上段筒242を径方向に貫通する貫通孔245が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第7中継チューブ250は、第6中継チューブ240よりも上方側に配置されている。第7中継チューブ250は、第6中継上段筒242の外側に配置された第7中継外側筒(本発明に係る第1内側コアバレル)251と、第6中継上段筒242の内側に配置された第7中継内側筒(本発明に係る第2内側コアバレル)252と、を備えた二重筒状に形成されている。
第7中継外側筒251は、下端部側が第6中継上段筒242の上端部に対して、例えばねじ結合或いは嵌合等により固定されている。この際、第7中継外側筒251の下端部は、第6中継上段筒242の鍔部243に対して上方から接触している。さらに、第7中継外側筒251の下端部は、外側コアバレル201における連結チューブ210の内周面に対して上下方向に相対移動可能に摺接している。
第7中継外側筒251の上端部は、第1実施形態における複数の延長チューブに対して連結可能とされている。これにより、内側コアバレル202の全体は、複数の延長チューブを介して、地表面に設置された掘削機からの動力に基づいて軸線O回りに回転可能とされている。
第7中継内側筒252は、第6中継上段筒242の内側に、第6中継上段筒242との間に隙間をあけた状態で配置されている。従って、第6中継上段筒242と第7中継内側筒252との間には、上方に開口した環状空間が画成されている。
さらに第7中継内側筒252は、下端部が第6中継下段筒241の内側に上方から入り込んだ状態で嵌合されている。
従って、第7中継チューブ250は、第6中継上段筒242の上端部に対する第7中継外側筒251の固定と、第6中継下段筒241の内側に対する第7中継内側筒252の固定とによって、第6中継チューブ240に対して一体的に組み合わされている。
(回転切換機構)
回転切換機構203は、第1実施形態と同様に、外側コアバレル201に対する内側コアバレル202の相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、内側コアバレル202と外側コアバレル201とを連結すると共に、任意のタイミングで回転規制状態から外側コアバレル201に対する内側コアバレル202の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う。
本実施形態の回転切換機構203は、内側コアバレル202に対して上下方向に相対移動可能に組み合わされたピストン筒(本発明に係る可動筒)300と、ピストン筒300を上方に向けて付勢する第1コイルばね(本発明に係る第1付勢部材)310と、ラッチ溝212に嵌合されたラッチ部材320と、ラッチ部材320を内側コアバレル202側に付勢する第2コイルばね(本発明に係る第2付勢部材)330と、ラッチ溝212に対するラッチ部材320の係合、及びその解除を制御するラッチ制御部材340と、内側コアバレル202の内圧を増加させる圧力増加機構350と、を備えている。
ピストン筒300は、第7中継内側筒252を径方向の外側から囲むように形成され、第6中継上段筒242と第7中継内側筒252との間に画成された環状空間内に配置されている。この際、ピストン筒300は、上端部が第6中継上段筒242の上端部よりも上方に位置し、且つ下端部が第6中継下段筒241の上端部よりも上方に位置するように配置されている。
さらに、ピストン筒300の上端部には、シールリング301が組み込まれたシール筒302が連結されている。シール筒302は、シールリング301を利用して、第7中継内側筒252の外周面及び第7中継外側筒251の内周面に対してそれぞれ密に接触している。これにより、内側コアバレル202内に供給された掘削水が、第7中継内側筒252と第7中継外側筒251との間に入り込むことを防止している。
上述のように構成されたピストン筒300は、図23に示すように、後述するシール突起352にボール351が着座することで内側コアバレル202内の内圧が上昇したときに、図22に示すロック位置P1から、図24に示すリリース位置P2に向けて下方移動可能とされている。具体的には、ピストン筒300は、内側コアバレル202の内圧が第1所定値以上となったときに、リリース位置P2に向けて移動する。
なお、シール筒302が第6中継上段筒242の上端部に対して接触したときのピストン筒300の位置が、リリース位置P2とされている。
図22に示すように、ラッチ部材320は、第6中継上段筒242と外側コアバレル201における連結チューブ210との間に、周方向に等間隔をあけて複数配置されている。具体的にはラッチ部材320は、径方向に移動可能に収容溝244内に配置されていると共に、ラッチ制御部材340によってラッチ溝212に対して嵌合されている。
本実施形態では、ラッチ部材320の数は、ラッチ溝212及び収容溝244の数よりも少なく、例えば軸線Oを中心として120度の間隔をあけて3つ配置されている。
ラッチ部材320における下端部側の内周面は、下方に向かうにしたがって径方向の外側に向けて延びた第1傾斜面321とされている。
上述のように構成されたラッチ部材320は、第2コイルばね330によって内側コアバレル202側に向けて付勢されている。第2コイルばね330は、第6中継上段筒242を径方向の外側から囲むように配置され、自身の弾性復元力を利用してラッチ部材320を径方向の内側に向けて常時付勢している。これにより、ラッチ部材320は第6中継上段筒242に対して一体的に組み合わされている。
ラッチ制御部材340は、ラッチ部材320よりも下方に配置されると共に、第6中継上段筒242を径方向の外側から囲むように環状に形成されたリング部341と、リング部341から上方に向けて延びるように形成され、ラッチ部材320と第6中継上段筒242との間に下方から入り込むように収容溝244内に挿入された挿入部342と、挿入部342から径方向の内側に向けて突出するように形成され、貫通孔245を通じてピストン筒300の下端部に組み合わされた連結突起343と、を備えている。
ラッチ制御部材340は、連結突起343がピストン筒300の下端部に組み合わされていることで、ピストン筒300と共に上下動可能とされている。また、挿入部342の外周面は、上方に向かうにしたがって径方向の内側に向けて延びた第2傾斜面344とされている。
第2傾斜面344は、傾斜角度がラッチ部材320の第1傾斜面321の傾斜角度に対応しており、第1傾斜面321に対して摺接している。
上述のように構成されたラッチ制御部材340は、第1コイルばね310によって上方に向けて付勢されている。
第1コイルばね310は、ラッチ制御部材340よりも下方に配置されると共に、第5中継チューブ230を径方向の外側から囲むように配置されている。第1コイルばね310は、第5中継チューブ230に組み合わされた囲繞筒260と、ラッチ制御部材340のリング部341との間に圧縮状態で配置されている。これにより、第1コイルばね310は、自身の弾性復元力を利用してラッチ制御部材340を上方に向けて常時付勢している。
これにより、ピストン筒300に対して、ラッチ制御部材340を介して第1コイルばね310からの付勢力を作用させることが可能となる。これにより、ピストン筒300は、ロック位置P1に位置決めされている。
さらに、ラッチ制御部材340は、第1コイルばね310によって上方に付勢されているので、挿入部342を利用してラッチ部材320を径方向の外側に向けて押圧することが可能とされている。これにより、ラッチ制御部材340は、ラッチ部材320を外側コアバレル201側に向けて押圧して、ラッチ溝212に係合させることが可能とされている。
さらに、ラッチ制御部材340は、図24に示すように、ピストン筒300がリリース位置P2に移動した場合には、それに伴って下方移動するので、挿入部342の第2傾斜面344がラッチ部材320の第1傾斜面321に対して下方に移動する。これにより、ラッチ制御部材340は、ラッチ部材320に対する押圧を解除する。
そのため、ラッチ部材320は、第2コイルばね330による付勢力によって径方向の内側に向けて移動し、ラッチ溝212内から離脱する。これにより、ラッチ溝212に対するラッチ部材320の係合を解除することが可能とされている。
上述したように、ラッチ制御部材340は、図22に示すように、ピストン筒300がロック位置P1に位置しているときに、ラッチ部材320を外側コアバレル201側に向けて押圧してラッチ溝212に係合させ、且つ図24に示すように、ピストン筒300がリリース位置P2に位置したときに、ラッチ部材320の押圧を解除して、ラッチ溝212に対するラッチ部材320の係合を解除させることが可能とされている。
内側コアバレル202は、ラッチ溝212に対してラッチ部材320が係合しているときに、外側コアバレル201に対して相対回転が規制され、且つラッチ溝212に対してラッチ部材320の係合が解除されたときに、外側コアバレル201に対して相対回転が許容されると共に、上下方向に相対移動可能とされている。
圧力増加機構350は、図23に示すように、第7中継内側筒252の内側に形成され、地表面側から内側コアバレル202内に投入されたボール351を着座させるシール突起352を有している。
具体的には、第7中継内側筒252の内側には、規制筒355が嵌合されている。さらに規制筒355の内側には、シール筒356が嵌合されている。シール筒356には、径方向の内側に向けて突出するように、上記シール突起352が形成されている。シール突起352の内径は、ボール351の直径よりも僅かに小さい径とされている。これにより、内側コアバレル202内にボール351が投入されたときに、シール突起352にボール351を着座させることが可能とされている。
そして、シール突起352にボール351が着座することで、第7中継内側筒252が閉塞されて、内側コアバレル202の内圧を増加させることが可能とされている。
また、シール突起352は、内側コアバレル202の内圧が第1所定値よりも高い第2所定値以上となったときに弾性変形して、ボール351を下方に向けて通過可能とされている。これにより、内側コアバレル202の閉塞を解除することができ、内側コアバレル202の内圧を低下させることが可能とされている。
規制筒355には、シール突起352よりも下方に位置する部分に、ボール351の下方移動を規制する規制ロッド(本発明に係る規制部材)360が設けられている。
規制ロッド360は、例えば円柱状に形成され、第7中継内側筒252を径方向に横切るように配置されている。規制ロッド360を利用して、シール突起352を通過したボール351が、坑底3側に移動してしまうことを規制することが可能とされている。
(コア採取装置の作用)
次に、上述のように構成された本実施形態のコア採取装置200を利用して、地盤内部からコア4を採取する場合について説明する。
図21に示すように、地表から所定の深さまで坑井2を掘削した後、坑井2内にコア採取装置200をセットする。この際、図22に示すように、ピストン筒300がロック位置P1に位置していることで、ラッチ制御部材340がラッチ部材320を外側コアバレル201側に押圧してラッチ溝212に係合させているので、外側コアバレル201に対する内側コアバレル202の相対回転を規制する回転規制状態を維持することができる。
従って、掘削水を内側コアバレル202の内部に供給しながら、掘削機からの動力に基づいて内側コアバレル202を第1回転方向M1に回転させることで、内側コアバレル202と共に外側コアバレル201を坑井2内で回転させることができる。これにより、図25に示すように、外側コアビット80を利用して坑底3を深さ方向に掘削することができ、坑底3に外溝5を形成することができる。その結果、図14で説明した応力解放部6を具備するコア4を生成することができる。
そして、外側コアバレル201を利用して外溝5を所定の深さまで掘削した後、回転切換機構203によって、回転規制状態から外側コアバレル201に対する内側コアバレル202の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う。これにより、外側コアバレル201の回転を停止した状態で、内側コアバレル202だけを軸線O回りに回転させることができると共に、外側コアバレル201に対して内側コアバレル202を深さ方向に相対移動させることができる。そのため、内側コアバレル202を回転させながら坑底3に向けて移動させることができ、内側コアビット20を利用して坑底3に内溝7を掘削することができる。
上記切換えについて、詳細に説明する。
この場合には、外溝5を掘削した後、圧力増加機構350によって、掘削水が供給される内側コアバレル202の内圧を増加させる。具体的には、内側コアバレル202内に掘削水と共にボール351を投入する。これにより、図23に示すように、ボール351をシール突起352に着座させることができ、第7中継内側筒252を閉塞することができる。そのため、供給され続ける掘削水によって、内側コアバレル202の内圧を徐々に増加させることができる。
そして、内側コアバレル202の内圧が第1所定値以上となったときに、図24に示すように、ピストン筒300を第1コイルばね310による付勢力に抗して下方移動させることができ、ロック位置P1からリリース位置P2に移動させることができる。また、このピストン筒300の移動に伴って、ラッチ制御部材340を下方移動させることができるので、ラッチ部材320の押圧を解除することができる。
そのため、第2コイルばね330による付勢力を利用して、ラッチ部材320を内側コアバレル202側に移動させて、ラッチ溝212に対するラッチ部材320の係合を解除することができる。これにより、外側コアバレル201に対する内側コアバレル202の相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行うことができると共に、図26に示すように、外側コアバレル201に対して内側コアバレル202を下方に向けて相対移動させることが可能となる。従って、外側コアバレル201を回転させることなく、内側コアバレル202だけを第1回転方向M1に向けて回転させることができる。
さらに、回転許容状態への切換え後、内側コアバレル202の内圧が第2所定値以上となったときに、図27に示すように、シール突起352が弾性変形してボール351を通過させる。これにより、第7中継内側筒252の閉塞を解除することができ、内側コアバレル202の内圧を低下させることができる。また、規制ロッド360を利用して、シール突起352を通過したボール351が、それ以上、下方移動することを規制することができる。
以上のことから、図28に示すように、内側コアバレル202を利用して坑底3に内溝7を掘削することができ、第1実施形態と同様にコア4を採取することができる。
特に、シール突起352をボール351が通過することで、第7中継内側筒252の閉塞を解除できるので、掘削水を引き続き内側コアビット20側に供給することができ、内溝7の掘削を安定して行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のコア採取装置200であっても、第1実施形態と同様に、原直径Dを精度良く維持した状態でコア4を採取することができ、コア変形法を利用して地盤応力の高精度な評価に繋げることができる。
特に、内側コアバレル202の内圧を増加させるだけで、回転許容状態への切換えを行うことができるので、第1実施形態のように、内側コアバレル202を掘削時とは逆方向(第2回転方向M2)に回転させる等といった手間が不要である。従って、使い易く、利便性を向上することができる。
さらに、内側コアバレル202内にボール351を投入するだけの簡便な方法で、内側コアバレル202の内圧を増加させて回転許容状態への切換えを行うことができるので、使い易さをより一層向上することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記第1実施形態では、主にスライド溝110及び連結ピン120を利用して回転切換機構12を構成し、第2実施形態では、主にピストン筒300及びラッチ部材320を利用して回転切換機構203を構成したが、これらの場合に限定されるものではない。
外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、内側コアバレルと外側コアバレルとを連結すると共に、任意のタイミングで回転規制状態から外側コアバレルに対する内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行うことができれば、回転切換機構をその他の構成で実現しても構わない。
また、第2実施形態では、内側コアバレル202内に投入したボール351を利用して、内側コアバレル202の内圧を増加させるように圧力増加機構350を構成したが、この場合に限定されるものではなく、内側コアバレル202の圧力を増加させることができれば、その他の構成を採用しても構わない。
例えば、電磁弁等を利用して、任意のタイミングで内側コアバレル202内を閉弁することで内圧を増加させて、ピストン筒300をロック位置P1からリリース位置P2に移動させ、その後に電磁弁を開弁させるように構成しても構わない。
O…軸線
P1…ロック位置
P2…リリース位置
1、200…コア採取装置
2…坑井
3…坑底
4…コア
10、202…内側コアバレル
11、201…外側コアバレル
12、203…回転切換機構
20…内側コアビット
80…外側コアビット
110…スライド溝
111…周溝
111a…第1周端部
111b…第2周端部
112…縦溝
120…連結ピン
212…ラッチ溝
251…第7中継外側筒(第1内側コアバレル)
252…第7中継内側筒(第2内側コアバレル)
300…ピストン筒(可動筒)
310…第1コイルばね(第1付勢部材)
320…ラッチ部材
330…第2コイルばね(第2付勢部材)
340…ラッチ制御部材
350…圧力増加機構
351…ボール
352…シール突起
360…規制ロッド(規制部材)

Claims (6)

  1. 坑井内における坑底を深さ方向に掘削することで、地盤内部から地質試料であるコアを採取するコア採取装置であって、
    前記坑井内に軸線回りに回転可能に配置され、先端側に前記坑底を掘削する内側コアビットを有する筒状の内側コアバレルと、
    前記内側コアバレルが内部に挿通された状態で前記坑井内に配置され、先端側に前記坑底を掘削する外側コアビットを有する筒状の外側コアバレルと、
    前記外側コアバレルに対する前記内側コアバレルの相対回転を規制する回転規制状態を維持した状態で、前記内側コアバレルと前記外側コアバレルとを連結すると共に、任意のタイミングで前記回転規制状態から前記外側コアバレルに対する前記内側コアバレルの相対回転を許容する回転許容状態への切換えを行う回転切換機構と、を備え、
    前記内側コアバレルは、掘削水が内部に供給されると共に、駆動源からの動力に基づいて回転可能とされ、
    前記内側コアバレルは、前記回転規制状態のときに、前記外側コアビットよりも前記内側コアビットが上方に位置するように配置され、且つ前記回転許容状態のときに、前記坑底側に向けて前記軸線回りに回転しながら前記外側コアバレルに対して前記深さ方向に相対移動可能とされていることを特徴とするコア採取装置。
  2. 請求項1に記載のコア採取装置において、
    前記回転切換機構は、
    前記内側コアバレルの外周面に形成されたスライド溝と、
    前記外側コアバレルに組み合わされると共に、前記スライド溝内に入り込む連結ピンと、を備え、
    前記スライド溝は、
    前記軸線回りを周回する周方向に沿って延びるように形成され、周方向の両端部が第1周端部及び第2周端部とされた周溝と、
    前記第2周端部に連設されると共に、前記第2周端部から前記深さ方向に沿って上方に向けて延び、且つ上方に開口した縦溝と、を備え、
    前記連結ピンは、前記第1周端部から前記第2周端部側に向かう方向に前記内側コアバレルが回転したときに、前記第1周端部に対して係止され、且つ前記第2周端部から前記第1周端部側に向かう方向に前記内側コアバレルが回転したときに、前記縦溝側に向けて前記周溝内を移動する、コア採取装置。
  3. 請求項2に記載のコア採取装置において、
    前記周溝は、前記第1周端部から前記第2周端部に向かうにしたがって溝深さが漸次浅くなるように形成されている、コア採取装置。
  4. 請求項1に記載のコア採取装置において、
    前記回転切換機構は、
    前記内側コアバレルに対して前記深さ方向に相対移動可能に組み合わされると共に、ロック位置からリリース位置に向けて下方移動可能とされた可動筒と、
    前記可動筒を上方に向けて付勢すると共に、前記ロック位置に位置決めさせる第1付勢部材と、
    前記軸線に対して交差する径方向に移動可能に前記内側コアバレルに組み合わされると共に、前記外側コアバレルの内周面に形成されたラッチ溝に係合されたラッチ部材と、
    前記ラッチ部材を前記内側コアバレル側に付勢する第2付勢部材と、
    前記可動筒が前記ロック位置に位置しているときに、前記ラッチ部材を前記外側コアバレル側に向けて押圧して前記ラッチ溝に係合させ、且つ前記可動筒が前記リリース位置に位置したときに、前記ラッチ部材の押圧を解除して、前記ラッチ溝に対する前記ラッチ部材の係合を解除させるラッチ制御部材と、
    前記内側コアバレルの内圧を増加させる圧力増加機構と、を備え、
    前記可動筒は、前記圧力増加機構によって前記内側コアバレル内の内圧が第1所定値以上となったときに、前記ロック位置から前記リリース位置に向けて移動し、
    前記内側コアバレルは、前記ラッチ溝に対して前記ラッチ部材が係合しているときに前記外側コアバレルに対して相対回転が規制され、且つ前記ラッチ溝に対して前記ラッチ部材の係合が解除されたときに前記外側コアバレルに対して相対回転が許容されると共に、前記深さ方向に相対移動可能とされている、コア採取装置。
  5. 請求項4に記載のコア採取装置において、
    前記内側コアバレルは、
    前記駆動源から動力が伝達される第1内側コアバレルと、
    前記第1内側コアバレルに一体に形成されると共に前記第1内側コアバレルの内側に配置された第2内側コアバレルと、を有する二重筒状に形成され、
    前記可動筒は、前記第1内側コアバレルと前記第2内側コアバレルとの間に配置され、
    前記圧力増加機構は、前記第2内側コアバレルの内側に形成され、前記内側コアバレル内に投入されたボールを着座させる環状のシール突起を有し、
    前記シール突起に前記ボールが着座することで、前記第2内側コアバレルが閉塞されて前記内側コアバレル内の内圧が増加する、コア採取装置。
  6. 請求項5に記載のコア採取装置において、
    前記第2内側コアバレルには、前記シール突起よりも下方に位置する部分に前記ボールの下方移動を規制する規制部材が設けられ、
    前記シール突起は、前記内側コアバレル内の内圧が前記第1所定値よりも高い第2所定値以上となったときに弾性変形して、前記ボールを前記規制部材に向けて通過可能とされ、
    前記シール突起を前記ボールが通過することで、前記第2内側コアバレルの閉塞が解除されて前記内側コアバレル内の内圧が低下する、コア採取装置。
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