以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、検出装置100の構成の一例を示す。本例の検出装置100は、供給部10、結合部20、捕捉部30およびコントロール部40を備える。図2は、検出装置100の具体的な構成の一例を示す。
検出装置100は、検出受容体を用いて、予め定められた第一の抗原12を検出する。ここでいう抗原とは、検出受容体との結合性を持つ物質を指す。一例において、検出装置100は、イムノクロマト法を用いた第一の抗原12の検出装置である。検出装置100は、ハウジングケースに収納されることにより、イムノクロマトキットとして用いられてよい。例えば、検出装置100は、第一の抗原12と第二の抗原13とを含む被検査液11から第一の抗原12を検出する。つまり、第一の抗原12は、検出装置100により検出する対象となる対象抗原である。
供給部10は、被検査液11が供給される。また、供給部10は、予め定められた方向に、供給された被検査液11を移動させる。例えば、供給部10は、傾斜もしくは毛細管現象を利用して、被検査液11を予め定められた方向に移動させる。これにより、供給部10は、結合部20に被検査液11を供給する。供給部10は、予め定められた1つの方向に被検査液11を供給してもよいし、複数の方向に向けて被検査液11を供給してもよい。
結合部20は、複数種の検出受容体21を備える。結合部20は、被検査液11の供給方向において、供給部10と捕捉部30との間に配置される。ここで、本明細書において、被検査液11の供給方向において、供給部10と捕捉部30との間とは、単純に供給部10と捕捉部30との間に結合部20が配置される場合に限られない。即ち、被検査液11が供給部10を通過した後に捕捉部30を通過するまでの間に、結合部20を通過するような配置であれば、どのような配置であってもよい。被検査液11の供給経路がU字型を有してもよい。結合部20は、複数種の検出受容体21と、第一の抗原12および第二の抗原13の各々とを結合させる。本例の結合部20は、複数種の検出受容体21として、検出受容体21−1、検出受容体21−2および検出受容体21−3を備える。
複数種の検出受容体21は、それぞれ標識物質22に結合される。一例において、複数種の検出受容体21は、種類ごとに異なる色の標識物質22に結合される。本例の検出受容体21−1、検出受容体21−2および検出受容体21−3は、それぞれ標識物質22−1、標識物質22−2および標識物質22−3に結合されている。結合部20において、被検査液11中に検出受容体を分散させる。結合部20は、コンジュゲートパッドの一例である。例えば、標識物質22は、金コロイド由来の赤色を呈する標識である。なお、複数種の検出受容体21は、第一の抗原12および第二の抗原13を検出するための検出物質の一例である。第一の抗原12および第二の抗原13を検出するための検出物質は、特異的に抗原と反応する特性があれば特に限定されない。例えば、検出物質は、核酸(DNA、RNAなど)、ポリペプチド(抗体、酵素、タンパク質など)、生化学物質、化学物質である。
検出受容体21は、予め定められた結合比率で第一の抗原12と結合する。また、検出受容体21は、第一の抗原12に加えて、第二の抗原13とも結合する。本例の検出受容体21は、第二の抗原13との結合比率よりも大きい結合比率で第一の抗原12と結合する。複数種の検出受容体21は、種類ごとに異なる標識物質22に結合されてよい。なお、本明細書において、検出受容体21と抗原との結合比率は、反応係数で示される。検出受容体21と抗原との結合量は、抗原の濃度に応じた反応係数に基づき変化する。検出受容体21と抗原との反応係数は、事前に測定されてよい。
第一の抗原12は、検出装置100が検出対象とする抗原である。第一の抗原12は、任意の受容体と結合する。第一の抗原12は、第二の抗原13よりも検出受容体21との結合比率が大きい。また、第一の抗原12は、被検査液11に含まれる抗原の内、複数種の検出受容体21のそれぞれの検出受容体との結合比率が最大の抗原であってよい。
第二の抗原13は、検出装置100が検出対象とする抗原と交差性を有する抗原である。一例において、第二の抗原13は、第一の抗原12と類似の構造を有する。これにより、第二の抗原13は、第一の抗原12が結合する受容体と同一の受容体に結合する。例えば、第二の抗原13は、第一の抗原12と同じ属の細菌である。
標識物質22は、予め定められた光学スペクトルを有する。本明細書において、光学スペクトルとは、吸光スペクトル又は発光スペクトルを指す。発光スペクトルには、蛍光スペクトルが含まれてよい。標識物質22は、後の演算によって連立方程式を解くことができるような光学スペクトルを有する物質が選択される。一例において、標識物質22−1,22−2,22−3は、互いに異なる光学スペクトルを有する。ここで、互いに異なる光学スペクトルとは、スペクトルの一部が重なっていてもよいが、それぞれの光学スペクトルのスペクトル形状が異なる場合をいう。本例の標識物質22−1,22−2,22−3は、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)領域の光学スペクトルを有する。
捕捉部30は、捕捉受容体31を有する。捕捉部30は、捕捉受容体31により、第一の抗原12又は第二の抗原13を捕捉する。捕捉部30は、結合部20を通過した被検査液11が供給される。結合部20を通過した被検査液11には、複数種の検出受容体21と結合した第一の抗原12および複数種の検出受容体21と結合した第二の抗原13が含まれる。
捕捉受容体31は、複数種の検出受容体21と結合した抗原を捕捉する。一例において、捕捉受容体31は、複数種の検出受容体21と結合した第一の抗原12を捕捉する。また、捕捉受容体31は、複数種の検出受容体21と結合した第二の抗原13を捕捉してもよい。このように、複数種の検出受容体21と結合した標識物質22の光学スペクトルを観測することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度が算出される。
コントロール部40は、複数種の検出受容体21を捕捉する。コントロール部40は、コントロール受容体41を有する。本例のコントロール部40は、コントロール受容体41により、検出受容体21−1,21−2,21−3を捕捉する。つまり、コントロール受容体41は、複数種の検出受容体21の全てを捕捉可能な受容体から選択されてよい。コントロール部40において、標識物質22の結合された検出受容体21が捕捉されることにより、被検査液11がコントロール部40にまで流れたことが確認される。
図3は、検出システム300の構成の概要を示す。本例の検出システム300は、検出装置100および処理装置200を備える。検出装置100は、図1に係る検出装置100と同一の構成であってよい。処理装置200は、取得部210および算出部220を備える。
取得部210は、捕捉部30から光学情報を取得する。光学情報とは、捕捉部30が捕捉した標識物質22に由来する情報である。光学情報は、捕捉受容体31により捕捉された標識物質22の量に応じて変化する。これにより、取得部210は、捕捉受容体31により捕捉された第一の抗原12又は第二の抗原13の結合量を取得する。一例において、取得部210は、複数種の検出受容体21と第一の抗原12との結合量に応じた情報を取得する。例えば、取得部210は、標識物質22−1、標識物質22−2および標識物質22−3に基づく情報をそれぞれ取得する。
算出部220は、光学情報に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出する。本例の算出部220は、複数種の検出受容体21ごとの光学情報に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出する。より具体的には、算出部220は、標識物質22の色ごとの情報に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出してよい。また、一例において、算出部220は、複数種の検出受容体21が捕捉された位置ごとの光学情報に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出する。算出部220は、光学情報の時間変化に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出してよい。算出部220は、検出装置100の形状特徴量に基づいて、第一の抗原12の濃度の測定位置を決定してよい。
図4は、検出システム300の具体的な構成の一例を示す。本例の取得部210は、光源211およびカメラ212を備える。
光源211は、検出装置100に予め定められた波長の照射光を検出装置100に照射する。光源211の波長は、標識物質22の光学スペクトルを取得できるものであれば特に限定されない。例えば、光源211は、照射光として白色光を検出装置100に照射する。光源211は、結合部20、捕捉部30およびコントロール部40のそれぞれに照射光を照射する。また、光源211は、結合部20、捕捉部30およびコントロール部40の何れかに照射光を照射してもよい。
カメラ212は、検出装置100から光学情報を取得する。一例において、カメラ212は、検出装置100からの反射光又は透過光を受光することにより、光学情報を取得する。本例のカメラ212は、検出装置100からの反射光を受光する。カメラ212は、受光した反射光に応じた信号を生成する。例えば、カメラ212は、取得した光学情報からRGB信号を生成する。カメラ212は、生成した信号を算出部220に出力する。
算出部220は、カメラ212が取得した信号に基づいて、第一の抗原12の濃度を算出する。また、算出部220は、カメラ212が取得した信号に基づいて、第二の抗原13の濃度を算出してもよい。算出部220は、カメラ212が取得した信号に対応する標識物質22の信号に関する情報を有することが好ましい。例えば、算出部220は、カメラ212がRGB信号を取得する場合に、標識物質22のそれぞれに対応するRGB信号の情報を有することが好ましい。
本例の検出システム300は、検出装置100の吸光度を検出することにより第一の抗原12の濃度を検出する。第一の抗原12の濃度は、吸光度の連立方程式を解くことにより算出される。吸光度の連立方程式を解くためには、未知数である第一の抗原12および第二の抗原13の個数が方程式の個数以下となることが必要である。言い換えると、方程式の個数を増やすことにより、より多くの抗原の濃度を算出できるようになる。本明細書に係る検出装置100は、第一の抗原12および第二の抗原13の個数の合計が方程式の個数以下となるように設計されている。
例えば、検出システム300は、捕捉部30で取得されたRGB信号を用いることにより、3つの抗原の濃度まで検出できる。また、検出装置100は、捕捉部30を複数設けることにより、捕捉部30の位置に応じた方程式を得ることができる。これにより、検出装置100は、より多くの種類の抗原の濃度を検出できる。
また、検出システム300は、標識物質22の光学スペクトルに重なりがある場合でも連立方程式を解くことができる。この場合であっても、例えば、RGB値のベクトルの向きが同一でなければ、独立した方程式が得られる。即ち、標識物質22は、互いのRGB値のベクトルの向きが同一とならないように選択されれば、どのような光学スペクトルを有していてもよい。
[実施例1]
図5は、実施例1、2に係る検出装置100の構成の一例を示す。本例の検出装置100は、捕捉部30を1つ備える。図6は、実施例1に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS600は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS602は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS604は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Racで捕捉受容体31と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbcで捕捉受容体31と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30における標識物質22−1,22−2,22−3の全体の吸光度は、それぞれ次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
この場合、捕捉部30における全体の吸光度Total(R,G,B)は、次式で示される。
Total(R,G,B)
=Total(R1,G1,B1)+Total(R2,G2,B2)+Total(R3,G3,B3)
検出システム300は、捕捉部30における全体の吸光度Total(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total(R,G,B)は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac+C13×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac+C13×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac+C13×Rbd3×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac、Rbcは、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
本例の検出装置100は、連立方程式に3つの方程式を含むので、最大で3種類の抗原を含む被検査液11中のそれぞれの抗原濃度を検出できる。
[実施例2]
図7は、実施例2に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS700は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS702は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS704は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30における標識物質22−1,22−2,22−3の全体の吸光度は、それぞれ次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
この場合、捕捉部30における全体の吸光度Total(R,G,B)は、次式で示される。
Total(R,G,B)
=Total(R1,G1,B1)+Total(R2,G2,B2)+Total(R3,G3,B3)
検出システム300は、捕捉部30における全体の吸光度Total(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total(R,G,B)は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd1×(Rbc1+Rbc2+Rac3))+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd2×(Rbc1+Rbc2+Rac3))+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd3×(Rbc1+Rbc2+Rac3))
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
本例の検出装置100は、連立方程式に3つの方程式を含むので、最大で3種類の抗原を含む被検査液11中のそれぞれの抗原濃度を検出できる。
[実施例3]
図8Aおよび図8Bは、実施例3、4、5、6、7、8、9、10に係る検出装置100の構成の一例を示す。本例の検出装置100は、捕捉部30−1、30−2備える。捕捉部30−1は被検査液11の供給方向において、結合部20とコントロール部40との間に設置される。捕捉部30−2は被検査液11の供給方向においてコントロール部40と捕捉部30−1との間に配置される。図9は、実施例3に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
図8Aにおいて、捕捉部30−1および捕捉部30−2は、独立した2つの捕捉部30として設けられている。一方、図8Bにおいて、捕捉部30−1および捕捉部30−2は、捕捉部30の中に含まれるように配置されている。このように、捕捉部30−1および捕捉部30−2は、被検査液11の供給方向において、結合部20とコントロール部40との間に設けられるものであれば本例に限られない。
ステップS900は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS902は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS904は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31−1に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−1と結合している。
ステップS906は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31−2に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−2と結合している。捕捉部30−1および捕捉部30−2に用いる捕捉受容体は同一の受容体を用いることもできる。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,B)は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−Rad×Rac1)となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−Rbd×Rbc1)となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(1−Rad×Rac1)×Rad×Rac2+
C13×(1−Rbd×Rbc1)×Rbd×Rbc2)
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rbc1、Rbc2は、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する2つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例4]
図10は、実施例4に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1000は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1002は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。さらに、検出受容体21は複数の標識物質22−1、22−2、22−3とそれぞれα1、α2、α3の割合で結合している。ここで、α1+α2+α3=1である。
ステップS1004は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31−1に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−1と結合している。
ステップS1006は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31−2に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−2と結合している。捕捉部30−1および捕捉部30−2に用いる捕捉受容体は同一の受容体を用いることもできる。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22−1,22−2,22−3の吸光度は、それぞれ次式で示される。
Total1(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total1(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total1(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
この場合、捕捉部30−1における全体の吸光度Total1(R,G,B)は、次式で示される。
Total1(R,G,B)
=Total1(R1,G1,B1)+Total1(R2,G2,B2)+Total1(R3,G3,B3)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)は、標識物質22の吸光度と抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α3
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原12との反応係数である。α1は、検出受容体21と標識物質22−1が結合している割合である。α2は、検出受容体21と標識物質22−2が結合している割合である。α3は、検出受容体21と標識物質22−3が結合している割合である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−Rad×Rac1)となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−Rbd×Rbc1)となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×(1−Rad×Rac1)×Rad×Rac2+
C13×(1−Rbd×Rbc1)×Rbd×Rbc2)×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×(1−Rad×Rac1)×Rad×Rac2+
C13×(1−Rbd×Rbc1)×Rbd×Rbc2)×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×(1−Rad×Rac1)×Rad×Rac2+
C13×(1−Rbd×Rbc1)×Rbd×Rbc2)×α3
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。α1は、検出受容体21と標識物質22−1が結合している割合である。α2は、検出受容体21と標識物質22−2が結合している割合である。α3は、検出受容体21と標識物質22−3が結合している割合である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rbc1、Rbc2、α1、α2、α3は予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する2つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例5]
図11は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1100は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1102は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21−1と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1104は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
ステップS1106は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。ステップS1104と同様に、第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。但し、ステップS1106では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,Bは、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))×
Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×
Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する2つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例6]
図12は、実施例6に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1200は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1202は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21−1と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。さらに、検出受容体21は複数の標識物質22−1、22−2、22−3とそれぞれα1、α2、α3の割合で結合している。ここで、α1+α2+α3=1である。
ステップS1204は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
ステップS1206は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。ステップS1204と同様に、第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。但し、ステップS1206では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22−1,22−2,22−3の吸光度は、それぞれ次式で示される。
Total1(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total1(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
Total1(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(第一の抗原12の反応量+第二の抗原13の反応量)
この場合、捕捉部30−1における全体の吸光度Total1(R,G,B)は、次式で示される。
Total1(R,G,B)
=Total1(R1,G1,B1)+Total1(R2,G2,B2)+Total1(R3,G3,B3)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)は、標識物質22の吸光度と抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α3
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。α1は、検出受容体21と標識物質22−1が結合している割合である。α2は、検出受容体21と標識物質22−2が結合している割合である。α3は、検出受容体21と標識物質22−3が結合している割合である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))×
Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×
Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))×
Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×
Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×(1−Rad×(Rac1+Rac2+Rac3))×
Rad×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×(1−Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×
Rbd×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×α3
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。α1は、検出受容体21と標識物質22−1が結合している割合である。α2は、検出受容体21と標識物質22−2が結合している割合である。α3は、検出受容体21と標識物質22−3が結合している割合である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3、α1、α2、α3は予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する2つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例7]
図13は、実施例1に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1300は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1302は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1304は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉受容体31−1に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Racで捕捉受容体31−1と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbcで捕捉受容体31−1と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−1と結合している。
ステップS1306は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31−2に捕捉される段階を示す。ステップS1304と同様に、第一の抗原12は、反応係数Racで捕捉受容体31−2と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbcで捕捉受容体31−2と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31−2と結合している。但し、ステップS1306では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,B)は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac+
C13×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)×
(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)+
C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)×
(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac、Rbcは、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例8]
図14は、実施例1に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1400は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1402は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1404は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Racで捕捉受容体31と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbcで捕捉受容体31と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
ステップS1406は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。ステップS1404と同様に、第一の抗原12は、反応係数Racで捕捉受容体31と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbcで捕捉受容体31と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。但し、ステップS1406では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,Bは、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac+C13×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac+C13×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac+C13×Rbd3×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)×Rad1×Rac+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)×Rad2×Rac+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac)×Rad3×Rac+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc)×Rbd3×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac、Rbcは、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する6つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
本例の検出装置100は、連立方程式に6つの方程式を含むので、最大で6種類の抗原を含む被検査液11中のそれぞれの抗原濃度を検出できる。
[実施例9]
図15は、実施例9に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1500は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1502は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1504は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
ステップS1506は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。ステップS1504と同様に、第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。但し、ステップS1506では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,Bは、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))×(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3)+
C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する2つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例10]
図16は、実施例10に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1600は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1602は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1604は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−1において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
ステップS1606は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30−2において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。ステップS1604と同様に、第一の抗原12は、反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。但し、ステップS1606では、捕捉部30−1を通過した被検査液11のみが反応する。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30−1および捕捉部30−2の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30−1および捕捉部30−2における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total(R1,G1,B1)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
Total(R2,G2,B2)=(R2,G2,B2)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
Total(R3,G3,B3)=(R3,G3,B3)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、捕捉部30−1および捕捉部30−2における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、全体の吸光度Total1(R,G,Bは、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd1×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd2×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×Rbd3×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
一方、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は捕捉部30−1における吸光度と異なる値を示す。捕捉部30−2には、捕捉部30−1を通過した被検査液11が供給される。すなわち捕捉部30−2における検出受容体21と結合した第一の抗原の濃度はC12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))となる。また、捕捉部30−2における検出受容体と結合した第二の抗原の濃度はC13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))となる。
よって、捕捉部30−2における吸光度Total2(R,G,B)は抗原と検出受容体21の反応係数と、捕捉受容体の反応係数と、抗原の濃度とを用いると次式で示される。
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))×Rad1×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×Rbd1×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))+
(R2,G2,B2)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))×Rad2×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×Rbd2×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))+
(R3,G3,B3)×(C12×(1−(Rad1+Rad2+Rad3)×(Rac1+Rac2+Rac3))×Rad3×(Rac1+Rac2+Rac3)+C13×(1−(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))×Rbd3×(Rbc1+Rbc2+Rbc3))
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、全体の吸光度Total(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する6つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例11]
図17は、実施例11,12,13,14,15に係る検出装置100の構成の一例を示す。本例の検出装置100は、捕捉部30−1、30−2、30−3を備える。捕捉部30−1は被検査液11の供給方向においてコントロール部40と供給部20との間に設置される。捕捉部30−2は被検査液11の供給方向においてコントロール部40と供給部20との間に捕捉部30−1と並列に配置される。捕捉部30−3は被検査液11の供給方向においてコントロール部40と供給部20との間に捕捉部30−1および捕捉部30−2と並列に配置される。
図18は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1800は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1802は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS1804は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。捕捉部30−1,30−2,30−3にはそれぞれの捕捉部に対応する捕捉受容体31−1,31−2,31−3が配置されている。そして第一の抗原12は、捕捉部30−1において反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、捕捉部30−1において反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−3における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total3(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、それぞれの捕捉部30における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)およびTotal3(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、それぞれの捕捉部における吸光度は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×Rad×Rac2+C13×Rbd×Rbc2)
Total3(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×Rad×Rac3+C13×Rbd×Rbc3)
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、それぞれの捕捉部における吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)、Total3(R,G,B)には、それぞれの吸光度に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例12]
図19は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS1900は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS1902は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Radで検出受容体21と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbdで検出受容体21と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、異なる反応係数で検出受容体21と結合している。さらに、検出受容体21は複数の標識物質22−1、22−2、22−3とそれぞれα1、α2、α3の割合で結合している。ここで、α1+α2+α3=1である。
ステップS1904は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。捕捉部30−1,30−2,30−3にはそれぞれの捕捉部に対応する捕捉受容体31−1,31−2,31−3が配置されている。そして第一の抗原12は、捕捉部30−1において反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、捕捉部30−1において反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)×α1+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)×α2+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)×α3
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)×α1+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)×α2+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)×α3
また、捕捉部30−3における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total3(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)×α1+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)×α2+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)×α3
検出システム300は、それぞれの捕捉部30における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)およびTotal3(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、それぞれの捕捉部における吸光度は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×((C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α1+
(R2,G2,B2)×((C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α2+
(R3,G3,B3)×((C12×Rad×Rac1+C13×Rbd×Rbc1)×α3
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad×Rac2+C13×Rbd×Rbc2)×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad×Rac2+C13×Rbd×Rbc2)×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad×Rac2+C13×Rbd×Rbc2)×α3
Total3(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad×Rac3+C13×Rbd×Rbc3)×α1+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad×Rac3+C13×Rbd×Rbc3)×α2+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad×Rac3+C13×Rbd×Rbc3)×α3
ここで、Radは、検出受容体21と第一の抗原12との反応係数である。Rbdは、検出受容体21と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。α1は、検出受容体21と標識物質22−1が結合している割合である。α2は、検出受容体21と標識物質22−2が結合している割合である。α3は、検出受容体21と標識物質22−3が結合している割合である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad、Rbd、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3、α1、α2、α3は、予め算出されている。即ち、それぞれの捕捉部における吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)、Total3(R,G,B)には、それぞれの吸光度に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例13]
図20は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS2000は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS2002は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS2004は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。そして第一の抗原12は、捕捉部30−1、30−2、30−3において反応係数Racで捕捉受容体31と結合している。また、第二の抗原13は、捕捉部30−1、30−2、30−3において反応係数Rbcで捕捉受容体31と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31と異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1、30−2、30−3における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−3における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total3(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、それぞれの捕捉部30における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)およびTotal3(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、それぞれの捕捉部における吸光度は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×((C12×Rad1×Rac+C13×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×((C12×Rad2×Rac+C13×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×((C12×Rad3×Rac+C13×Rbd3×Rbc)
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac+C13×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac+C13×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac+C13×Rbd3×Rbc)
Total3(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac+C13×Rbd1×Rbc)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac+C13×Rbd2×Rbc)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac+C13×Rbd3×Rbc)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Racは、捕捉受容体31と第一の抗原12との反応係数である。Rbcは、捕捉受容体31と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac、Rbcは、予め算出されている。即ち、それぞれの捕捉部における吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)、Total3(R,G,B)には、R,G,Bの各信号に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。さらに、複数の捕捉部を設けることにより、非特異的な反応に対しての耐性を向上させることができる。
[実施例14]
図21は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS2100は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS2102は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS2104は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。捕捉部30−1,30−2,30−3にはそれぞれの捕捉部に対応する捕捉受容体31−1,31−2,31−3が配置されている。そして第一の抗原12は、捕捉部30−1において反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、捕捉部30−1において反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21と結合した標識物質22の吸光度は、(R,G,B)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−3における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total3(R,G,B)=(R,G,B)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、それぞれの捕捉部30における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)およびTotal3(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、それぞれの捕捉部における吸光度は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac1+C13×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc1)
Total2(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac2+C13×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc2)
Total3(R,G,B)=
(R,G,B)×(C12×(Rad1+Rad2+Rad3)×Rac3+C13×(Rbd1+Rbd2+Rbd3)×Rbc3)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、それぞれの捕捉部における吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)、Total3(R,G,B)には、それぞれの吸光度に関する3つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
[実施例15]
図22は、実施例5に係る検出装置100を用いた第一の抗原12の検出方法の一例を示す。
ステップS2200は、供給部10に第一の抗原12および第二の抗原13が供給された段階を示す模式図である。供給部10には濃度C12の第一の抗原12および濃度C13の第二の抗原13が供給されている。
ステップS2202は、結合部20において、第一の抗原12および第二の抗原13が検出受容体21に結合される段階を示す。第一の抗原12は、反応係数Rad1で検出受容体21−1と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad2で検出受容体21−2と結合している。第一の抗原12は、反応係数Rad3で検出受容体21−3と結合している。また、第二の抗原13は、反応係数Rbd1で検出受容体21−1と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd2で検出受容体21−2と結合している。第二の抗原13は、反応係数Rbd3で検出受容体21−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、検出受容体21の種類ごとに異なる反応係数で検出受容体21と結合している。
ステップS2204は、第一の抗原12および第二の抗原13と結合した検出受容体21が、捕捉部30において捕捉受容体31に捕捉される段階を示す。捕捉部30−1,30−2,30−3にはそれぞれの捕捉部に対応する捕捉受容体31−1,31−2,31−3が配置されている。そして第一の抗原12は、捕捉部30−1において反応係数Rac1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rac2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rac3で捕捉受容体31−3と結合している。また、第二の抗原13は、捕捉部30−1において反応係数Rbc1で捕捉受容体31−1と結合し、捕捉部30−2において反応係数Rbc2で捕捉受容体31−2と結合し、捕捉部30−3において反応係数Rbc3で捕捉受容体31−3と結合している。このように、本例の第一の抗原12および第二の抗原13は、捕捉受容体31の種類ごとに異なる反応係数で捕捉受容体31と結合している。
本例に示す通り、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた比率で、検出受容体21が捕捉受容体31に捕捉されている。即ち、捕捉部30の光学情報には、結合部20における反応係数と捕捉部30における反応係数に応じた情報が含まれている。
次に、第一の抗原12の濃度の算出方法について説明する。標識物質22の吸光度は、予め測定しておくことが好ましい。例えば、検出受容体21−1と結合した標識物質22−1の吸光度は、(R1,G1,B1)である。検出受容体21−2と結合した標識物質22−2の吸光度は、(R2,G2,B2)である。検出受容体21−3と結合した標識物質22−3の吸光度は、(R3,G3,B3)である。
そして、捕捉部30−1における標識物質22の吸光度は、次式で示される。
Total1(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−1における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−1における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−2における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total2(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−2における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−2における第二の抗原13の反応量)
また、捕捉部30−3における標識物質22の吸光度は次式で示される。
Total3(R,G,B)=(R1,G1,B1)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)+
(R2,G2,B2)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)+
(R3,G3,B3)×(捕捉部30−3における第一の抗原12の反応量+捕捉部30−3における第二の抗原13の反応量)
検出システム300は、それぞれの捕捉部30における吸光度Total1(R,G,B)およびTotal2(R,G,B)およびTotal3(R,G,B)を撮影することにより、第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を算出する。そして、それぞれの捕捉部における吸光度は、抗原と検出受容体21の反応係数と捕捉受容体31の反応係数と、抗原の濃度とを用いると、次式で示される。
Total1(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×((C12×Rad1×Rac1+C13×Rbd1×Rbc1)+
(R2,G2,B2)×((C12×Rad2×Rac1+C13×Rbd2×Rbc1)+
(R3,G3,B3)×((C12×Rad3×Rac1+C13×Rbd3×Rbc1)
Total2(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac2+C13×Rbd1×Rbc2)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac2+C13×Rbd2×Rbc2)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac2+C13×Rbd3×Rbc2)
Total3(R,G,B)=
(R1,G1,B1)×(C12×Rad1×Rac3+C13×Rbd1×Rbc3)+
(R2,G2,B2)×(C12×Rad2×Rac3+C13×Rbd2×Rbc3)+
(R3,G3,B3)×(C12×Rad3×Rac3+C13×Rbd3×Rbc3)
ここで、Rad1は、検出受容体21−1と第一の抗原12との反応係数である。Rad2は、検出受容体21−2と第一の抗原12との反応係数である。Rad3は、検出受容体21−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbd1は、検出受容体21−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbd2は、検出受容体21−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbd3は、検出受容体21−3と第二の抗原13との反応係数である。Rac1は、捕捉受容体31−1と第一の抗原12との反応係数である。Rac2は、捕捉受容体31−2と第一の抗原12との反応係数である。Rac3は、捕捉受容体31−3と第一の抗原12との反応係数である。Rbc1は、捕捉受容体31−1と第二の抗原13との反応係数である。Rbc2は、捕捉受容体31−2と第二の抗原13との反応係数である。Rbc3は、捕捉受容体31−3と第二の抗原13との反応係数である。また、C12は、第一の抗原12の濃度であり、C13は、第二の抗原13の濃度である。
各反応係数Rad1、Rad2、Rad3、Rbd1、Rbd2、Rbd3、Rac1、Rac2、Rac3、Rbc1、Rbc2、Rbc3は、予め算出されている。即ち、それぞれの捕捉部における吸光度Total1(R,G,B)、Total2(R,G,B)、Total3(R,G,B)には、それぞれ捕捉部におけるR、G、Bそれぞれの吸光度に関する6つの方程式に対して、2つの未知数C12,C13が含まれている。よって、処理装置200は、捕捉部30の吸光度を測定することにより、第一の抗原12の濃度C12および第二の抗原13の濃度C13を算出できる。これにより、処理装置200は、被検査液11に第二の抗原13が含まれている場合であっても、第一の抗原12の濃度を高精度に算出できる。
図23は、検出装置100が検出する被検査液11における交差性を説明するための図である。同図は、検出受容体21−1,21−2,21−3のそれぞれと抗原a〜fとの反応係数を示す。
抗原aに対する反応係数は、他の抗原b〜fに対する反応係数と異なる。本例の検出受容体21−1,21−2,21−3は、抗原aに対して、他の抗原b〜fよりも大きな反応係数を有する。抗原aは、第一の抗原12の一例であり、抗原b〜fは、第二の抗原13の一例である。第一の抗原12は、被検査液11が有する抗原の中で、検出受容体21との反応係数が最大であってよい。
検出受容体21−1,21−2,21−3は、抗原aに対してそれぞれ異なる反応係数を有する。同様に、検出受容体21−1,21−2,21−3は、抗原bに対してそれぞれ異なる反応係数を有する。検出受容体21−1,21−2,21−3は、抗原c〜fについても同様に、それぞれ異なる反応係数を有してよい。
例えば、検出受容体21−1は、抗原a〜fに対してそれぞれ異なる反応係数を有する。特に、検出受容体21−1は、抗原aに対して、抗原b〜fと異なる反応係数を有することが好ましい。但し、検出受容体21−1は、他の検出受容体21により抗原aと抗原b〜fの反応係数を分離できる場合であれば、抗原aが抗原b〜fのいずれかに対して同一の反応係数を有していてもよい。即ち、抗原a〜fの反応係数は、連立方程式を解くために十分な数の方程式が得られる関係であればよい。
図24は、処理装置200における処理プロセスのフローチャートの一例である。本例の処理装置200は、ステップS100〜ステップS106を実行する。
ステップS100において、取得部210は、検出装置100の撮影画像を取得する。取得部210は、検出装置100について、複数の撮影画像を取得してもよい。
ステップS102において、算出部220は、予め定められたパラメータを算出する。一例において、算出部220は、パラメータとして、取得部210が取得した画像の吸光度特徴量を算出する。また、算出部220は、パラメータとして、複数の特徴量を算出してもよい。例えば、算出部220は、パラメータとして、形状特徴量、周波数特徴量、 時間変化特徴量のいずれかを算出する。
ステップS104において、算出部220は、算出したパラメータに基づいて、菌濃度を推定する。菌濃度とは、被検査液11における第一の抗原12の濃度であってよい。また、算出部220は、第一の抗原12の濃度に加えて、第二の抗原13の濃度を推定してもよい。一例において、算出部220は、ステップS102において算出した複数のパラメータの少なくとも1つに基づいて、菌濃度を推定する。一例において、算出部220は、複数のパラメータを用いて、誤差が最小となる第一の抗原12および第二の抗原13の濃度を推定する。
ステップS106において、算出部220は、菌濃度の推定結果を出力する。一例において、算出部220は、推定した菌濃度を表示部に出力することにより、推定結果をユーザーに表示する。また、算出部220は、ユーザーに菌濃度の推定結果を、グラフ等で可視化して出力してもよい。
図25は、処理装置200における処理プロセスのフローチャートの一例である。本例の処理装置200は、ステップS100〜ステップS106を実行する。特に、本例の処理装置200は、図11のステップS102において、ステップS102a,102b,102cの内、少なくとも1つを実行する。
ステップS102aにおいて、算出部220は、取得部210が取得した検出装置100の撮影画像から吸光度を算出する。一例において、算出部220は、捕捉部30における吸光度を算出する。
ステップS102bにおいて、算出部220は、取得部210が取得した検出装置100の撮影画像から形状パラメータを算出する。形状パラメータとは、取得部210が取得した検出装置100の撮影画像の形状に関する情報に基づくパラメータである。一例において、形状パラメータとは、捕捉部30の吸光度の分布に関する情報であり、二次元離散コサイン変換やウェーブレット変換による二次元周波数特徴量や、エッジ特徴量(例えば、EOG,HOGなど)、輝度特徴量(例えば、Haar−like、ピクセル差分など)、SIFT特徴量、など公知の形状特徴量パラメータを用いることができる。また、形状パラメータとは、検出装置100の撮影画像に通常含まれない形状に関する情報を指して良い。例えば、算出部220は、検出装置100上に異物が発見された場合、当該異物が発見された位置に対応する吸光度を、ステップS104の推定処理のパラメータから除外する。
ステップS102cにおいて、算出部220は、取得部210が取得した検出装置100の撮影画像から検出装置100の時間変動パラメータを算出する。時間変動パラメータとは、取得部210が取得した検出装置100の撮像画像において、時間の経過により変動するパラメータを指す。例えば、時間変動パラメータは、捕捉部30の吸光度や形状パラメータの時間変動である。
ここで、捕捉部30の吸光度は、被検査液11の流速や、結合部20における反応係数に応じて変動する場合がある。一例において、捕捉部30の吸光度の時間変化は、被検査液11の菌濃度と結合部20における検出受容体21の密度によって変動する場合がある。例えば、捕捉部30の吸光度の時間変動パラメータを取得することにより、ステップS102aで算出した捕捉部30の吸光度の大きさを、ステップS104の推定処理において補正できる。
なお、本例の処理装置200は、ステップS102a,102b,102cで算出されたパラメータの組み合わせに基づいて、ステップS104において、菌濃度を推定してよい。一例において、算出部220ではステップS102で得られたパラメータをもとに逆行列を解くことにより菌濃度を推定することができる。また、ステップS102において得られたパラメータをもとに最小二乗法などの近似演算や、SVMなどを用いた統計的パターン認識演算を行うことにより菌濃度を推定することもできる。
本明細書に係る検出装置100は、第二の抗原13の濃度を算出することにより、第一の抗原12の濃度を高精度に検出する。即ち、検出装置100は、交差性を有する第二の抗原13が被検査液11に含まれる場合であっても、第一の抗原12と第二の抗原13とを分離して検出できる。
また、本明細書に係る検出装置100は、パラメータとして単純なRGB値以外のものを導入し、最適化問題として誤差最小となる菌量を推定する。これにより、本明細書に係る検出装置100は、抗原の種類が増えた場合であっても、高精度に第一の抗原12を検出できる。
図26は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を処理装置200として機能させるプログラムは、取得モジュールおよび算出モジュールを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、処理装置としてそれぞれ機能させる。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である取得部210および算出部220として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の処理装置200が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。