JP6787415B2 - 平面アンテナ及びアンテナエレメント間の結合低減方法 - Google Patents

平面アンテナ及びアンテナエレメント間の結合低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、平面アンテナ及びアンテナエレメント間の結合低減方法に関する。
近年、周波数の利用効率を向上させるためにMultiple Input Multiple Output(MIMO)方式が利用されている。このMIMO方式によって通信する端末は、複数のアンテナを備えており、端末と基地局との間で複数のチャネルを同時に用いて通信することができる。
しかし、端末が複数のアンテナを備えていると、アンテナ間の結合により、受信性能が低下するという問題がある。例えば、2個のアンテナを備えている端末の場合、一方のアンテナから送信された信号を他方のアンテナが受信してしまうことにより、他方のアンテナの受信性能が低下することがある。すなわち、アンテナ間に結合が生じることにより、アンテナ間の相関が高くなり、MIMO方式における通信のスループットの低下を招く恐れがある。
上述した理由により、MIMO方式における複数のアンテナ間の結合が低いほど、すなわちアンテナ間の相関が「0」に近い方が好ましい。
また、グランド励振型のアンテナは低姿勢でありながら、高いアンテナゲインを確保することが可能である。一方、このグランド励振型のアンテナはグランドを介してアンテナ間の結合が生じやすいという欠点を有している。
このため、メタマテリアル構造の一種であるスプリットリングリゾネータ(SRR;Split-ring resonator)をアンテナ間に設けることにより、アンテナ間の結合を抑制する構成がある(例えば、非特許文献1参照)。
また、メタマテリアル構造として、マッシュルーム構造を用いた電磁バンドギャップ構造をアンテナ間に設けて、アンテナ間の結合を抑制する構成がある(例えば、非特許文献2参照)。
すなわち、上記メタマテリアル構造により、電磁波のエネルギーを吸収することで、アンテナ間において一方から他方への電磁波の伝搬を抑制し、アンテナ間における結合を低減させることができる。
Dimitra A. Ketzaki, Traianos V. Yioultsis; Metamaterial-Based Design of Planer Compact MIMO Monopoles,IEEE Trans. Antennas Propagation, Vol.61, No.5, pp.2758-2766, May 2013. 伊藤淳、道下尚文、森下久;マッシュルーム構造を用いた逆Fアンテナ間の相互結合抑制法、電子情報通信学会論文誌.B、通信 J92-B、No.6、pp.930-937、2009
しかしながら、上述した電磁バンドギャップ構造などのメタマテリアル構造を用いた場合、メタマテリアル構造の複数個のセルをアンテナ間に周期的に配置する必要がある。このため、メタマテリアル構造の配置面積の増加により、アンテナ基板の面積が増大してしまう。そのため、1枚の誘電体基板上に複数のアンテナを形成し、アンテナを小さくするという本来の目的が達成できなくなる。
また、メタマテリアル構造の設計は、共振周波数の調整などの複雑な作業が必要となり、かつ電磁界シミュレータなどのツールを用いた設計が必要となり、処理工程に時間がかかる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、平面アンテナの面積を増大させずに同一周波数帯のアンテナ間の結合を低減できる平面アンテナ及びアンテナエレメント間の結合低減方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の平面アンテナは、同一の周波数帯で電磁波を放射する複数のアンテナエレメントと、当該アンテナエレメントの各々の間に設けられた無給電アンテナエレメントとが形成された第1層と、グランドプレーンが形成される第2層と、前記第1層と前記第2層との間に形成された誘電体からなる第3層と、前記アンテナエレメントを構成するパターンにおける第1アンテナパターンを直流的に前記グランドプレーンに接続する前記第3層に形成されるビアホールとを備え、前記第1アンテナパターンの対向する辺の各々に対してそれぞれ個別の前記無給電アンテナエレメントが対向して設けられており、当該無給電アンテナエレメントが、前記グランドプレーンに接続されていないことを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記第1エレメントパターンの長辺と前記無給電アンテナエレメントの第2アンテナパターンの長辺とが対向して設けられていることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントが前記周波数帯に対して誘導性リアクタンスを有する長さであり、このリアクタンス値と、前記アンテナエレメントとの間の間隙により形成されるギャップ容量の容量値とによる共振周波数が前記周波数帯であることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントが、前記アンテナエレメントの放射する電波の周波数帯で共振することにより、前記アンテナエレメントの各々の間における前記グランドを介して伝搬する電磁波のエネルギーを低減することを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントを、前記アンテナエレメントの前記周波数帯に対して誘導性リアクタンスとなる長さで形成することで、前記アンテナエレメントの前記周波数帯に対応した共振器とすることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントが、L字形状に形成されていることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記L字形状の無給電アンテナエレメントにおいて、前記アンテナエレメントの各々の間に配置される一のパターン部分の幅より、当該一のパターンと直角に形成される他のパターン部分の幅が太いことを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントの長さが、前記周波数帯の波長λに対して、λ/4からλ/2であることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントが、前記アンテナエレメントの外周部分に沿って形成されていることを特徴とする。
本発明の平面アンテナは、前記無給電アンテナエレメントが、複数のサブ無給電アンテナエレメントに分離して設けられ、当該サブ無給電アンテナエレメントの各々がギャップ容量で結合していることを特徴とする。
本発明のアンテナエレメント間の結合低減方法は、同一の周波数帯で電磁波を放射する複数のアンテナエレメントと、当該アンテナエレメントの各々の間に設けられた無給電アンテナエレメントとが形成された第1層と、グランドプレーンが形成される第2層と、前記第1層と前記第2層との間に形成された誘電体からなる第3層と、前記アンテナエレメントを構成するパターンにおける第1アンテナパターンを直流的に前記グランドプレーンに接続する前記第3層に形成されるビアホールとを備え、前記第1アンテナパターンと前記無給電アンテナエレメントとが対向して設けられている平面アンテナにおいて、同一の周波数帯で電磁波を放射する前記アンテナエレメントの各々の間における結合低減方法であり、前記第1アンテナパターンの対向する辺の各々に対して、それぞれ個別の前記無給電アンテナエレメントを対向して配置し、当該無給電アンテナエレメントが前記グランドプレーンに接続されておらず、前記無給電アンテナエレメントにより、前記アンテナエレメントの各々の間の結合を低減させることを特徴とする。


以上説明したように、本発明によれば、アンテナ間に無給電アンテナエレメントを介挿する簡易な構成を用いることで、平面アンテナの面積を増大させずに、グランドに接続されたパターンを励振するアンテナから、隣接するアンテナに対してグランドを介して伝搬する電磁波のエネルギーを低減させることができる。このため、電磁波の伝搬をメタマテリアル構造を用いて抑制するよりも簡易に、隣接するアンテナ間の結合を低減することが可能となる。
本発明の本実施形態による誘電基板上にMIMOアンテナとして形成した平面アンテナの構成例を示す平面図である。 図1における誘電体基板3の断面構造を示す図である。 図1におけるアンテナエレメント14とアンテナエレメント14に対して設けられた寄生モノポールアンテナ15の構成例を示す図である。 図1におけるアンテナエレメント11とアンテナエレメント11に対して設けられた寄生モノポールアンテナ21の構成例を示す図である。 寄生モノポールアンテナを設けた場合の効果を示す電磁界シミュレーションの結果を表す図である。 寄生モノポールアンテナを設けた場合の効果を示す電磁界シミュレーションの結果を表す図である。 2.4GHzの周波数帯域に対応するアンテナエレメント12、14及び16の各々の結合のレベルを示す図である。 5GHzの周波数帯域に対応するアンテナエレメント11、13及び15の各々の結合のレベルを示す図である。 MIMOアンテナにおける各アンテナエレメント間の相関の大きさを示す図である。 本実施形態における周波数帯域が2.4GHzのアンテナエレメントの放射特性を示す図である。 本実施形態における周波数帯域が5GHzのアンテナエレメントの放射特性を示す図である。 本発明の平面アンテナにおいて無給電アンテナによるアンテナエレメント間の結合低減の概念を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の本実施形態による誘電基板上にMIMOアンテナとして形成した平面アンテナの構成例を示す平面図である。この図1は、後述する本発明における平面アンテナ(MIMOアンテナ)の基本構成の概念図である図12の構成を、以下に示す実施形態に対応させてより具体化したものである。
平面アンテナ1は、誘電体基板3上に形成されているアンテナエレメント11、アンテナエレメント12、アンテナエレメント13、アンテナエレメント14、アンテナエレメント15及びアンテナエレメント16の各々の6個のアンテナエレメントを備えている。
アンテナエレメント11、アンテナエレメント13及びアンテナエレメント15の各々は、5GHz帯のMIMOアンテナである。また、アンテナエレメント12、アンテナエレメント14及びアンテナエレメント16の各々は、2.4GHz帯のMIMOアンテナである。
本実施形態においては、後述するように、アンテナエレメント間における電磁波の伝搬を抑制するため同一の周波数帯のアンテナエレメント(アンテナエレメント11、アンテナエレメント13、アンテナエレメント15の5GHz帯のアンテナエレメント、あるいはアンテナエレメント12、アンテナエレメント14、アンテナエレメント16の2.4GHz帯のアンテナエレメント)である隣接するアンテナエレメント間に無給電アンテナエレメントが設けられている。
この無給電アンテナエレメントは、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナなどのいずれを用いても良い。すなわち、アンテナエレメントと無給電アンテナエレメントとの容量結合におけるギャップ容量の容量値と無給電アンテナの誘導性リアクタンスとによる共振周波数が、アンテナエレメントの周波数帯域となる形状に構成されていれば、どのような種類あるいは形状の無給電アンテナエレメントを用いても良い。本実施形態においては、この無給電アンテナエレメントの一例として、以下に示すようにモノポールアンテナ(寄生モノポールアンテナ)を用いている。
アンテナエレメント11とアンテナエレメント13との間には、寄生モノポールアンテナ21が設けられている。この寄生モノポールアンテナ21は、アンテナエレメント11及びアンテナエレメント13の間における電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント11とアンテナエレメント13との結合を低減させる。
アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との間には、寄生モノポールアンテナ23が設けられている。この寄生モノポールアンテナ23は、アンテナエレメント13からアンテナエレメント15への電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との結合を低減させる。
アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との間には、寄生モノポールアンテナ25が設けられている。この寄生モノポールアンテナ25は、アンテナエレメント15からアンテナエレメント13への電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との結合を低減させる。ここで、寄生モノポールアンテナ23と寄生モノポールアンテナ25は、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との間に設けられる場合を例示している。アンテナエレメント13と寄生モノポールアンテナ23との距離は、アンテナエレメント13と寄生モノポールアンテナ25との距離よりも短い。また、アンテナエレメント15と寄生モノポールアンテナ25との距離は、アンテナエレメント15と寄生モノポールアンテナ23との距離よりも短い。
また、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14との間には、寄生モノポールアンテナ22が設けられている。この寄生モノポールアンテナ22は、アンテナエレメント12からアンテナエレメント14への電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14との結合を低減させる。
また、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14との間には、寄生モノポールアンテナ24が設けられている。この寄生モノポールアンテナ24は、アンテナエレメント14からアンテナエレメント12への電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14との結合を低減させる。
アンテナエレメント12とアンテナエレメント16との間には、寄生モノポールアンテナ26が設けられている。この寄生モノポールアンテナ26は、アンテナエレメント12及びアンテナエレメント16間における電磁波の伝搬を抑制し、アンテナエレメント12とアンテナエレメント16との結合を低減させる。ここで、寄生モノポールアンテナ24と寄生モノポールアンテナ22は、アンテナエレメント14とアンテナエレメント12との間に設けられる場合を例示している。アンテナエレメント14と寄生モノポールアンテナ24との距離は、アンテナエレメント14と寄生モノポールアンテナ22との距離よりも短い。また、アンテナエレメント12と寄生モノポールアンテナ22との距離は、アンテナエレメント12と寄生モノポールアンテナ24との距離よりも短い。
図1においては、周波数帯域2.4GHzに対し、3×3のMIMOに対応して3個のアンテナエレメントが設けられている。同様に、周波数帯域5GHzに対し、3×3のMIMOに対応して3個のアンテナエレメントが設けられている。しかしながら、周波数帯域2.4GHz及び周波数帯域2.4GHzの各々において、2×2のMIMOに対応して2個のアンテナエレメントが設けられている構成でも良い。
また、周波数帯域2.4GHzのアンテナエレメントが1個、周波数帯域5GHzのアンテナエレメントが1個である1×1の場合、上述した寄生モノポールアンテナによる同一周波数の2個のアンテナエレメント間の減結合を行う必要がない。この場合、1×1の場合において、寄生モノポールアンテナは、誘電体基板3におけるグランド(図2におけるレイヤー33)での電磁波の伝搬による高周波電流の広がりを抑制する働きをする。
図2は、図1における誘電体基板3の断面構造を示す図である。本実施形態における誘電体基板3は、レイヤー31、レイヤー32、レイヤー33、補強誘電体層34及びコア基板35を備えている。すなわち、コア基板35の表面には、例えば、厚さ35μmの銅箔からなるレイヤー32が形成されている。コア基板35の裏面には、例えば、厚さ35μmの銅箔からなるレイヤー33が形成されている。レイヤー32の表面には、プレプレグとしての補強誘電体層34が形成されている。補強誘電体層34の表面には、例えば、厚さ35μmの銅箔からなるレイヤー31が形成されている。また、補強誘電体層34は、例えば、比誘電率が4.3であり、厚さが0.2mmである。コア基板35は、例えば、比誘電率が4.3であり、厚さが0.4mmである。
レイヤー33の裏面には、さらに他の層が追加されていても良い。本実施形態においては、レイヤー33を基準プレーン、すなわちグランドプレーンとして、アンテナエレメント11からアンテナエレメント16の各々を、レイヤー31の銅箔をパターンニングして形成している。アンテナエレメント11からアンテナエレメント16の各々に対しては、電磁波を放射するための給電を、レイヤー31から行っている。また、レイヤー32の銅箔は全面において除去してある。
図3は、図1におけるアンテナエレメント14とアンテナエレメント14に対して設けられた寄生モノポールアンテナ24の構成例を示す図である。図3において、図1に示すアンテナエレメント12、アンテナエレメント14、アンテナエレメント16の3個はほぼ同様の構成である。このため、これらから構成されるMIMOアンテナから、代表としてアンテナエレメント14の構成を図3を用いて説明する。
アンテナエレメント14は、電磁界を放射するメインエレメント(領域Aの部分)の外寸が34.5mm(図1のY軸方向)×11mm(図1のX軸方向)である。
アンテナエレメント14は、給電点141から給電パターン143を介して、エレメントパターン142R及びエレメントパターン142Lに対して接続されている。また、エレメントパターン142Rは、一方の端部が給電パターン143と接続されており、他の端部がエレメントパターン142RCの一方の端部に接続されている。
エレメントパターン142Lは、一方の端部が給電パターン143と接続されており、他の端部がエレメントパターン142LCの一方の端部に接続されている。エレメントパターン142RC及びエレメントパターン142LCの各々は、ビアホール144により、図2におけるレイヤー33に接続されている。ビアホール144は、エレメントパターン142RCの一方の端部から他方の端部にわたって、略等間隔に複数設けられる。また、ビアホール144は、同様にエレメントパターン142LCの一方の端部から他方の端部にわたって、略等間隔に複数設けられる。グラウンドパッド140は、ビアホール145によりレイヤー33に接続されている。このグラウンドパッド140は、給電点141の近傍に設けられている。
寄生モノポールアンテナ24は、アンテナエレメント14の周波数帯域である2.4GHzを共振周波数とする共振器である。
このため、寄生モノポールアンテナ24は、特性が誘導性リアクタンスとなる長さに形成される必要がある。このため、アンテナエレメント14の波長がλとすると、寄生モノポールアンテナ24の長さは、λ/4より長くλ/2より短くする必要がある。本実施形態においては、λ/4の1.3倍から1.5倍の長さとし、約λ/3としている。寄生モノポールアンテナ24は、上述したように特性が誘導性リアクタンスとなる長さであれば、屈曲した形状でもよい。
図3において、アンテナエレメント24は、屈曲した位置を基準として、アンテナエレメント241とアンテナエレメント242とを含んで構成されている。アンテナエレメント14の周波数帯域が2.4GHzであり、波長短縮率を70%とするとλ=85.4mmである。このため、寄生モノポールアンテナ24の長さは、アンテナパターン241の長さ16mmと、アンテナパターン242の長さ13.5mmを加算した長さである29.5mmである。このアンテナパターン241及びアンテナパターン242を加算した長さである29.5mmは、約λ/2.9に対応する。
また、寄生モノポールアンテナ24は、アンテナエレメント14の近傍において、同一の周波数帯域の他のアンテナエレメント(図1におけるアンテナエレメント12)の間に設けられている。また、寄生モノポールアンテナ24は、L字形状をしており、アンテナパターン242に対してアンテナパターン241が直角に接続されている。アンテナパターン241は幅が0.5mmであり、アンテナパターン242は幅が1mmである。
寄生モノポールアンテナ24におけるアンテナパターン241は、長辺がアンテナエレメント142LCの長辺と平行となるように設けられている。アンテナパターン241とアンテナエレメント142LCとの間隙の距離は、λ/40以下の数値で設定される。
例えば、図3におけるアンテナパターン241とアンテナエレメント142LCとの間隙の距離は、約λ/60(実際にはλ/57)の1.5mmとしている。この間隙の距離は、アンテナパターン241とアンテナパターン142LCとの間で、容量結合が十分とれる距離で設定される。すなわち、アンテナパターン241とアンテナパターン142LCとは、容量結合により交流的に接続されている。そして、この間隙の容量結合におけるギャップ容量の容量値と寄生モノポールアンテナ24の誘導性リアクタンスとによる共振周波数が、アンテナエレメント14の周波数帯域となる数値に設定される。
アンテナパターン241は、エレメントパターン142Lと対向する辺に対して平行に配置されている。また、アンテナパターン241及びアンテナパターン242の各々は、所定の幅に設定されるが、例えば図2のレイヤー33に対する容量結合を低くするため、幅を細く設定している。一方、アンテナパターン241は幅が1.0mmであり、アンテナパターン242は幅が0.5mmである。
図4は、図1におけるアンテナエレメント11とアンテナエレメント11に対して設けられた寄生モノポールアンテナ21の構成例を示す図である。図4において、図1に示すアンテナエレメント11、アンテナエレメント13、アンテナエレメント15の3個はほぼ同様の構成である。このため、これらから構成されるMIMOアンテナから、代表としてアンテナエレメント11の構成を説明する。
アンテナエレメント11は、電磁界を放射するメインエレメント(領域Bの部分)の外寸が16mm(図1のY軸方向)×11mm(図1のX軸方向)である。
アンテナエレメント11は、給電点111から給電パターン113を介して、エレメントパターン112R及びエレメントパターン112Lに対して接続されている。また、エレメントパターン112Rは、一方の端部が給電パターン113と接続されており、他の端部がエレメントパターン112RPの一方の端部に接続されている。エレメントパターン112RPは、他方の端部がエレメントパターン112RCの一方の端部に接続されている。エレメントパターン112RCは、エレメントパターン112RPに対して直角に接続されている。
また、エレメントパターン112Lは、一方の端部が給電パターン113と接続されており、他の端部がエレメントパターン112LPの一方の端部に接続されている。エレメントパターン112LPは、他方の端部がエレメントパターン112LCに接続されている。エレメントパターン112LCは、エレメントパターン112LPに対して直角に接続されている。また、エレメントパターン112RC及びエレメントパターン112LCの各々は、ビアホール114により、図2におけるレイヤー33に接続されている。ビアホール114は、エレメントパターン112RCの一方の端部から他方の端部にわたって、略等間隔に複数設けられる。また、ビアホール144は、同様にエレメントパターン112LCの一方の端部から他方の端部にわたって、略等間隔に複数設けられる。グラウンドパッド110は、ビアホール115によりレイヤー33に接続されている。このグラウンドパッド110は給電点111の近傍に設けられている。
寄生モノポールアンテナ21は、アンテナエレメント11の周波数帯域である5GHzを共振周波数とする共振器である。
このため、寄生モノポールアンテナ21は、特性が誘導性リアクタンスとなる長さに形成される必要がある。このため、アンテナエレメント11の波長がλとすると、寄生モノポールアンテナ21の長さは、λ/4より長くλ/2より短くする必要がある。本実施形態においては、λ/4の1.3倍から1.5倍の長さとし、約λ/2.8としている。寄生モノポールアンテナ21は、上述したように特性が誘導性リアクタンスとなる長さであれば、屈曲した形状でもよい。
図4において、アンテナエレメント24は、屈曲した位置を基準として、アンテナエレメント241とアンテナエレメント242とを含んで構成されている。アンテナエレメント11の周波数帯域が5GHzであり、波長短縮率を70%とするとλ=38.5mmである。このため、寄生モノポールアンテナ21の長さは、アンテナパターン211の長さ7mmと、アンテナパターン212の長さ7mmを加算した長さである14mmである。このアンテナパターン211及びアンテナパターン212を加算した長さである14mmは、約λ/2.8に対応する。
また、寄生モノポールアンテナ21は、アンテナエレメント11の近傍において、同一の周波数帯域の他のアンテナエレメント(図1におけるアンテナエレメント13)の間に設けられている。また、寄生モノポールアンテナ21は、L字形状をしており、アンテナパターン211に対してアンテナパターン212が直角に接続されている。例えば、アンテナパターン211は幅が0.5mmであり、アンテナパターン212は幅が1mmである。
寄生モノポールアンテナ21におけるアンテナパターン212は、長辺がエレメントパターン112LPの長辺と平行となるように設けられている。寄生モノポールアンテナ21におけるアンテナパターン211は、長辺がエレメントパターン112LCの長辺と平行となるように設けられている。アンテナパターン211とエレメントパターン112LCとの間隙の距離は、λ/40以下で設定される。
例えば、図4におけるアンテナパターン211とエレメントパターン112LCとの間隙の距離は、約λ/60(図4においてはλ/77)の0.5mmとしている。この間隙の距離は、アンテナパターン211とエレメントパターン112LCとの間で、容量結合が十分とれる距離で設定される。アンテナパターン211とエレメントパターン112LCとは、容量結合により交流的に接続されている。そして、この間隙の容量結合におけるギャップ容量の容量値と寄生モノポールアンテナ21の誘導性リアクタンスとによる共振周波数が、アンテナエレメント11の周波数帯域となる数値に設定される。
また、アンテナパターン211及びアンテナパターン212の各々は、所定の幅に設定されるが、例えば図2のレイヤー33に対する容量結合を低くするため、幅を細く設定している。一方、アンテナパターン212は幅が1.0mmであり、アンテナパターン211は幅が0.5mmである。
図5は、寄生モノポールアンテナを設けた場合の効果を示す電磁界シミュレーションの結果を表す図である。図5は2.4GHzの周波数帯におけるアンテナエレメント12が励振して電磁波を放射した場合に、アンテナエレメント12がアンテナエレメント14に対して与える影響を示している。図5において、領域の明るさが励振した際の電流密度分布の強度を示しており、他のアンテナエレメントの電磁波により共振した場合にも電流密度分布が高くなり明るさが増大する。したがって、励振していないアンテナエレメントの領域が明るければ明るいほど、他の励振したアンテナエレメントが放射し、グランド(図2におけるレイヤー33)を伝搬する電磁波により共振している程度が大きい。
図5(a)は、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14と間に寄生モノポールアンテナ22を設けない場合の電磁界シミュレーションの結果を示している。
この図5(a)において、アンテナエレメント14近傍の領域が他の同一周波数帯のアンテナエレメント16近傍の領域に比較して明るい部分が多い。これにより、アンテナエレメント12の電磁波がレイヤー33を介してアンテナエレメント14に対して伝搬し、アンテナエレメント14がアンテナエレメント12の放射した電磁波に共振していることが判る。
一方、図5(b)は、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14と間に寄生モノポールアンテナ22を設けた場合の電磁界シミュレーションの結果を示している。
この図5(b)において、アンテナエレメント14近傍の領域が図5(a)のアンテナエレメント14近傍の領域に比較して明るい部分が少ない。これにより、寄生モノポールアンテナ22がアンテナエレメント12の放射する電磁波のグランド(図2のレイヤー33)を介してのアンテナエレメント14に対する伝搬を抑制していることが判る。すなわち、アンテナエレメント14がアンテナエレメント12の放射した電磁波に共振していないことが判る。
また、図5(b)において、寄生モノポールアンテナ22近傍の領域は、非常に明るい状態となっており、アンテナエレメント12が放射する電磁波に対して共振し、効率的にグランド(図2のレイヤー33)を伝搬する電磁破のエネルギーを吸収していることが判る。
図6は、寄生モノポールアンテナを設けた場合の効果を示す電磁界シミュレーションの結果を表す図である。図6は5GHzの周波数帯におけるアンテナエレメント13が励振して電磁波を放射した場合に、アンテナエレメント13がアンテナエレメント15に対して与える影響を示している。図6においても図5と同様に、領域の明るさが励振した際の電流密度分布の強度を示しており、他のアンテナエレメントの電磁波により共振した場合にも電流密度分布が高くなり明るさが増大する。したがって、励振していないアンテナエレメントの領域が明るければ明るいほど、他の励振したアンテナエレメントが放射し、グランド(図2のレイヤー33)を伝搬する電磁波により共振している程度が大きい。
図6(a)は、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15と間に寄生モノポールアンテナ23を設けない場合の電磁界シミュレーションの結果を示している。
この図6(a)において、アンテナエレメント15近傍の領域が他の同一周波数帯のアンテナエレメント11近傍の領域に比較して明るい部分が多い。これにより、アンテナエレメント13の電磁波がレイヤー33を介してアンテナエレメント15に対して伝搬し、アンテナエレメント15がアンテナエレメント13の放射した電磁波に共振していることが判る。
一方、図6(b)は、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15と間に寄生モノポールアンテナ23を設けた場合の電磁界シミュレーションの結果を示している。
この図6(b)において、アンテナエレメント15近傍の領域が図6(a)のアンテナエレメント15近傍の領域に比較して明るい部分が少ない。これにより、寄生モノポールアンテナ23がアンテナエレメント13の放射する電磁波のレイヤー33を介してのアンテナエレメント15に対する伝搬を抑制していることが判る。すなわち、アンテナエレメント15がアンテナエレメント13の放射した電磁波に共振していないことが判る。
また、図6(b)において、寄生モノポールアンテナ23近傍の領域は、非常に明るい状態となっており、図5(b)の場合と同様に、アンテナエレメント13が放射する電磁波に対して共振し、効率的にグランド(図2のレイヤー33)を伝搬する電磁破のエネルギーを吸収していることが判る。
図7は、2.4GHzの周波数帯域に対応するアンテナエレメント12、14及び16の各々の結合のレベルを示す図である。この図7において、|S42|は、アンテナエレメント12とアンテナエレメント14との結合の度合いを示すレベル(以下、結合レベルとする)を示している。また、|S62|は、アンテナエレメント12とアンテナエレメント16との結合レベルを示している。|S64|は、アンテナエレメント14とアンテナエレメント16との結合レベルを示している。
図7(a)は、アンテナエレメント12、14及び16の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置していない場合におけるアンテナエレメント12、14及び16それぞれの結合のレベルを示している。この図7(a)において、横軸は周波数を示し、縦軸は結合レベル(dB)を示している。|S42|は実線で示され、|S62|は破線で示され、|S64|は点線で示されている。
周波数が2.4GHz近傍において、|S42|、|S62|及び|S64|の各々の結合レベルが−20dBより大きいことが判る。特に、|S42|の結合レベルは、−14dB程度と高い。これは、アンテナエレメント12及び14間の距離が、アンテナエレメント12及び16の間の距離、及びアンテナエレメント14及び16の間の距離より近いため、伝搬する電磁波のエネルギーが強いためである。
図7(b)は、アンテナエレメント12、14及び16の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置した場合におけるアンテナエレメント12、14及び16それぞれの結合のレベルを示している。この図7(b)において、横軸は周波数を示し、縦軸は結合レベル(dB)を示している。|S42|は実線で示され、|S62|は破線で示され、|S64|は点線で示されている。
周波数が2.4GHz近傍において、|S42|、|S62|及び|S64|の各々の結合レベルが−22dBより小さいことが判る。特に、|S42|の結合レベルは、図7(a)の−14dB程度から、−25dBと大きく低下していることが判る。他の|S62|及び|S64|についても、図7(a)の場合に比較して結合レベルが低下していることがわかる。これにより、アンテナエレメント12、14及び16の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置することで、アンテナエレメント12、14及び16それぞれの結合レベルを低下させていることが判る。
図8は、5GHzの周波数帯域に対応するアンテナエレメント11、13及び15の各々の結合のレベルを示す図である。この図8において、|S31|は、アンテナエレメント11とアンテナエレメント13との結合の度合いを示すレベル(以下、結合レベルとする)を示している。また、|S51|は、アンテナエレメント11とアンテナエレメント15との結合レベルを示している。|S53|は、アンテナエレメント13とアンテナエレメント15との結合レベルを示している。|S31|は実線で示され、|S51|は破線で示され、|S53|は点線で示されている。
図8(a)は、アンテナエレメント11、13及び15の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置していない場合におけるアンテナエレメント11、13及び15それぞれの結合のレベルを示している。この図8(a)において、横軸は周波数を示し、縦軸は結合レベル(dB)を示している。
周波数が5GHz近傍において、|S53|の結合レベルが−8.5dB程度であることが判る。これは、アンテナエレメント13及び15間の距離が、アンテナエレメント11及び13の間の距離、及びアンテナエレメント11及び15の間の距離より近いため、伝搬する電磁波のエネルギーが強いためである。
図8(b)は、アンテナエレメント11、13及び15の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置した場合におけるアンテナエレメント11、13及び15それぞれの結合のレベルを示している。この図8(b)において、横軸は周波数を示し、縦軸は結合レベル(dB)を示している。|S31|は実線で示され、|S51|は破線で示され、|S53|は点線で示されている。
周波数が5GHz近傍において、|S31|及び|S51|の各々の結合レベルが図8(a)の場合とほぼ変化していないことが判る。また、|S53|の結合レベルは、図8(a)の−10dB程度から、最も低い値である−22dB程度まで低下しており、結合レベルが約13.5dB改善されていることが判る。これにより、アンテナエレメント11、13及び15の各々の間に寄生モノポールアンテナを配置することで、アンテナエレメント11、13及び15それぞれの結合レベルを低下させていることが判る。
図9は、MIMOアンテナにおける各アンテナエレメント間の相関の大きさを示す図である。MIMOアンテナにおける各アンテナエレメント間の相関を表す方法として、以下の(1)式で表される包絡線相関係数が知られている。包絡線相関係数が高いほど、アンテナエレメント間の相関が高いことを示す。この図9において、「without PM」は寄生モノポールアンテナが相関を見ているアンテナエレメント間に設けられていない場合の周波数と包絡線相関係数との関係を示す曲線を示している。また、「with PM」は寄生モノポールアンテナが相関を見ているアンテナエレメント間に設けられている場合の包絡線相関係数との関係を示す曲線を示している。
以下の(1)式において、|ρij|は包絡線相関係数である。Siiは、アンテナエレメントiの入力インピーダンスを示している。Sijはアンテナエレメントjからアンテナエレメントiに対する結合度を示している。また、*は共役複素数を意味している。
図9(a)は、2.4GHzの周波数帯域のアンテナエレメント12、14及び16の各々の間の包絡線相関係数|ρij|を示している。図9(a)において、横軸が周波数を示し、縦軸が包絡線相関係数を示している。
|ρ42|は、アンテナエレメント12からアンテナエレメント14への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ62|は、アンテナエレメント12からアンテナエレメント16への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ64|は、アンテナエレメント14からアンテナエレメント16への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ42|は実線で示され、|ρ62|は破線で示され、|ρ64|は点線で示されている。
また、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナが設けられていない場合を細い線、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナが設けられている場合を太い線で示している。
2.4GHzの周波数帯において、|ρ42|、|ρ62|及び|ρ64|の各々が、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナを設けることにより、低下して0に近くなることが判る。
図9(b)は、5GHzの周波数帯域のアンテナエレメント11、13及び15の各々の間の包絡線相関係数|ρij|を示している。図9(b)において、横軸が周波数を示し、縦軸が包絡線相関係数を示している。
|ρ31|は、アンテナエレメント11からアンテナエレメント13への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ51|は、アンテナエレメント11からアンテナエレメント15への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ53|は、アンテナエレメント13からアンテナエレメント15への相関を示す包絡線相関係数を示している。|ρ31|は実線で示され、|ρ51|は破線で示され、|ρ53|は点線で示されている。
また、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナが設けられていない場合を細い線で示し、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナが設けられている場合を太い線で示している。
5GHzの周波数帯において、|ρ31|及び|ρ51|の各々はそれほど変化はしていない。しかしながら、アンテナエレメント13及びアンテナエレメント15の間に寄生モノポールアンテナ23を設けることにより、|ρ53|については大幅に低下し、大きな改善が見られる。
図10は、本実施形態における周波数帯域が2.4GHzのアンテナエレメントの放射特性を示す図である。この図10は、XZ平面における放射指向性特性を示しており、動径がアンテナエレメントのゲインを示し、角度が放射方向を示している。
図10(a)は、アンテナエレメント14の放射指向性特性を示している。図10(b)は、アンテナエレメント12の放射指向性特性を示している。図10(c)は、アンテナエレメント16の放射指向性特性を示している。
アンテナエレメントによって、最大ゲインとなる平面が異なるが、それぞれのアンテナエレメントの最大ゲインは約2dBiである。このため、本実施形態における2.4GHzのアンテナエレメント12、14及び16の各々は、図9(a)の包絡線相関係数の数値を含めて、MIMO性能を発揮するための十分な特性を有したアンテナエレメント・アレイを構成している。
図11は、本実施形態における周波数帯域が5GHzのアンテナエレメントの放射特性を示す図である。この図11は、図10と同様に、XZ平面における放射指向性特性を示しており、動径がアンテナエレメントのゲインを示し、角度が放射方向を示している。
図11(a)は、アンテナエレメント11の放射指向性特性を示している。図11(b)は、アンテナエレメント13の放射指向性特性を示している。図11(c)は、アンテナエレメント15の放射指向性特性を示している。
図10の場合と同様に、アンテナエレメントによって、最大ゲインとなる平面が異なるが、それぞれのアンテナエレメントの最大ゲインは約2dBiである。このため、本実施形態における5GHzのアンテナエレメント11、13及び15の各々は、図9(b)の包絡線相関係数の数値を含めて、MIMO性能を発揮するための十分な特性を有したアンテナエレメント・アレイを構成している。
上述したように、本実施形態は、アンテナエレメント間に寄生モノポールアンテナを介挿している。これにより、本実施形態によれば、グランドに接続されたパターンを励振するアンテナエレメントから、隣接する他のアンテナエレメントに対してグランドを介して伝搬する電磁波のエネルギーを低減させ、アンテナエレメント間の結合低減を行うことができる。また、本実施形態によれば、メタマテリアルを用いてアンテナエレメント間における電磁波のエネルギーを低減する構成に比較し、設計が簡単であり、かつ共振周波数に対応した波長の調整及びアンテナエレメントに対する減結合の周波数の修正が容易な寄生モノポールアンテナを用いることにより、隣接するアンテナ間の結合を簡易に低減することが可能となる。また、本実施形態によれば、メタマテリアルに比較して、寄生モノポールアンテナの面積が小さいため、余分な占有面積を取ることなく、MIMOアンテナの形成する面積が大型化することは無い。
また、本実施形態における寄生モノポールアンテナは、複数のサブ寄生モノポールアンテナに分離して設けてもよい。隣接するサブ寄生モノポールアンテナ同士は、サブ寄生モノポールアンテナ間のギャップ容量で結合(容量結合)させ、高周波的に十分な電気長を有するエレメントとする。
また、本実施形態におけるアンテナエレメントは、SRR(Split Ring Resonator)に変更しても良い。すなわち、本発明は、グラウンドを高周波電流の帰路及び放射エレメントの一部として利用するタイプのアンテナ、すなわちグラウンドに電磁波が伝搬しやすい構造の同一周波数帯のアンテナ間の結合低減に対して適用が可能である。
また、本実施形態において、無給電アンテナエレメント(寄生モノポールアンテナ)がL字形状である場合について説明したが、直線状あるいは曲線状の形状として形成されていても良い。
また、本実施形態において、無給電アンテナエレメント(寄生モノポールアンテナ)は、アンテナエレメントの外周部分におけるエレメントパターンに沿って形成されていれば良い。また、無給電アンテナエレメント(寄生モノポールアンテナ)が直線状である場合には、アンテナエレメントに対して平行になるように配置することもできる。
図12は、本発明の平面アンテナにおいて無給電アンテナによるアンテナエレメント間の結合低減の概念を示す図である。この図12は、誘電体基板3(誘電体基板)の表面3S(誘電体基板の一方の面)に形成されたアンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)から構成される平面アンテナを、平面視において示している。誘電体基板3(誘電体基板)の表面3S(誘電体基板の一方の面)上にはエレメントパターン(エレメントパターン)からなるアンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々が形成されている。アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々は、それぞれグランドに直流的に接続されている(接続箇所は不図示)。また、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々は、励振することにより同一の周波数帯の電磁波を放射する。
アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々の間には、誘電体基板3の表面3S上において、無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)が形成されている。無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)は、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)のいずれかあるいは双方と容量結合により交流的に接続されている。
ここで、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々のいずれかあるいは双方と無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)との容量結合におけるギャップ容量の容量値と無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)の誘導性リアクタンスとによる共振周波数が、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々の放射する電磁波の周波数帯となる形状に無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)が構成されている。
これにより、無給電アンテナエレメント103(無給電アンテナエレメント)が、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント101(複数のアンテナエレメント)のいずれかあるいは双方が放射した電磁波に共振することで、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)の各々が直流的に接続されているグランドのレイヤー(不図示)を伝搬する電磁破のエネルギーを効率的に吸収し、アンテナエレメント101及びアンテナエレメント102(複数のアンテナエレメント)間における同一周波数帯の電磁波の結合を低減させている。
以下に、本発明の他の構成について記載する。
本発明の他の構成は、誘電体基板と、前記誘電体基板の一方の面上に設けられており、グランドに直流的に接続されたエレメントパターンから形成され、同一の周波数帯で電磁波を前記エレメントパターンを励振させて放射する複数のアンテナエレメントと、前記アンテナエレメント間に設けられ、前記エレメントパターンに対して容量結合で交流的に接続されているパターンである無給電アンテナエレメントとを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の構成は、誘電体基板の一方の面上に設けられており、グランドに直流的に接続されたエレメントパターンから形成された平面アンテナにおいて、同一の周波数帯で電磁波を前記エレメントパターンを励振させて放射する複数のアンテナエレメント間における結合低減方法であり、前記エレメントパターンに対して容量結合で交流的に接続されているパターンである無給電アンテナエレメントを配置し、当該無給電アンテナエレメントにより、アンテナエレメント間の結合を低減させる。
1…平面アンテナ 3…誘電体基板 11,12,13,14,15,16…アンテナエレメント 21,22,23,24,25,26…寄生モノポールアンテナ 31,32,33…レイヤー 34…補強誘電体層 35…コア基板 110,140…グラウンドパッド 111,141…給電点 112R,112L,112LC,112LP,112RC,112RP,142L,142R,142LC,142RC…エレメントパターン 113,143…給電パターン 211,212,241,242…アンテナパターン

Claims (11)

  1. 同一の周波数帯で電磁波を放射する複数のアンテナエレメントと、当該アンテナエレメントの各々の間に設けられた無給電アンテナエレメントとが形成された第1層と、
    グランドプレーンが形成される第2層と、
    前記第1層と前記第2層との間に形成された誘電体からなる第3層と、
    前記アンテナエレメントを構成するパターンにおける第1アンテナパターンを直流的に前記グランドプレーンに接続する前記第3層に形成されるビアホールと
    を備え、
    前記第1アンテナパターンの対向する辺の各々に対してそれぞれ個別の前記無給電アンテナエレメントが対向して設けられており
    当該無給電アンテナエレメントが、前記グランドプレーンに接続されていない
    ことを特徴とする平面アンテナ。
  2. 前記第1アンテナパターンの長辺と前記無給電アンテナエレメントの第2アンテナパターンの長辺とが対向して設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
  3. 前記無給電アンテナエレメントが前記周波数帯に対して誘導性リアクタンスを有する長さであり、このリアクタンス値と、前記アンテナエレメントとの間の間隙により形成されるギャップ容量の容量値とによる共振周波数が前記周波数帯である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平面アンテナ。
  4. 前記無給電アンテナエレメントが、前記アンテナエレメントの放射する電波の周波数帯で共振することにより、前記アンテナエレメントの各々の間における前記グランドプレーンを介して伝搬する電磁波のエネルギーを低減する
    ことを特徴とする請求項3記載の平面アンテナ。
  5. 前記無給電アンテナエレメントを、前記アンテナエレメントの前記周波数帯に対して誘導性リアクタンスとなる長さで形成することで、前記アンテナエレメントの前記周波数帯に対応した共振器とする
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の平面アンテナ。
  6. 前記無給電アンテナエレメントが、L字形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の平面アンテナ。
  7. 前記L字形状の無給電アンテナエレメントにおいて、前記アンテナエレメントの各々の間に配置される一のパターン部分の幅より、当該一のパターンと直角に形成される他のパターン部分の幅が太いこと
    を特徴とする請求項6に記載の平面アンテナ。
  8. 前記無給電アンテナエレメントの長さが、前記周波数帯の波長λに対して、λ/4からλ/2である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の平面アンテナ。
  9. 前記無給電アンテナエレメントが、前記アンテナエレメントの外周部分に沿って形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項7いずれか一項に記載の平面アンテナ。
  10. 前記無給電アンテナエレメントが、
    複数のサブ無給電アンテナエレメントに分離して設けられ、当該サブ無給電アンテナエレメントの各々がギャップ容量で結合している
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の平面アンテナ。
  11. 同一の周波数帯で電磁波を放射する複数のアンテナエレメントと、当該アンテナエレメントの各々の間に設けられた無給電アンテナエレメントとが形成された第1層と、グランドプレーンが形成される第2層と、前記第1層と前記第2層との間に形成された誘電体からなる第3層と、前記アンテナエレメントを構成するパターンにおける第1アンテナパターンを直流的に前記グランドプレーンに接続する前記第3層に形成されるビアホールとを備え、前記第1アンテナパターンと前記無給電アンテナエレメントとが対向して設けられている平面アンテナにおいて、同一の周波数帯で電磁波を放射する前記アンテナエレメントの各々の間における結合低減方法であり、
    前記第1アンテナパターンの対向する辺の各々に対して、それぞれ個別の前記無給電アンテナエレメントを対向して配置し、当該無給電アンテナエレメントが前記グランドプレーンに接続されておらず、前記無給電アンテナエレメントにより、前記アンテナエレメントの各々の間の結合を低減させる
    ことを特徴とするアンテナエレメント間の結合低減方法。
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