JP6786236B2 - 緩衝装置 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝装置に関し、特にロケットあるいは衛星に搭載される搭載機器の打ち上げ時、その機械的環境から搭載機器を保護することに適用可能な緩衝装置に関する。
ロケット、あるいは衛星の搭載機器は、打ち上げ時の機械的環境に十分耐えられることは勿論、その環境前後において機能・性能の維持が求められる。特にバス機器の機械式ジャイロ、リアクションホイールは軸受性能の低下、更にミッション機器の望遠鏡における光軸ズレは致命的故障でありこれを避けることが必要とされる。
近年、世界的傾向として衛星は小型化に移行しつつあり、この結果必然的に衛星構体の剛性が高くなる傾向にある。また実際、ロケット打上げサービス業者も衛星構体の剛性に関し仕様を示しており特にロケットの機軸方向の剛性が高く要求される。このことは衛星構体の設計の自由度を少なくし、結果として搭載機器への振動入力、衝撃入力の増大に繋がり搭載機器の損傷、破壊につながることになる。
具体的例として小型地球観測衛星の光学系は近年高性能化が求められ、GSD(分解能)で1m以下が求められている。このような要求を満たすため、一般に望遠鏡は主鏡と副鏡で構成されるカセグレン型が採用される。しかも焦点距離方向の調整ができる可動部を有する構造が望まれている。この場合、特に可動部の耐震性が問題になることは明らかであるが、それでも機械的環境に晒されたときの光軸のズレは許されない。また、バス機器であるリアクションホイールや機械式ジャイロは、軸受の安定回転が生命であり、機械環境下での軸受損傷あるいはバランスの崩れは擾乱発生の要因となると共に、寿命にも甚大な影響を与えることから、過酷な振動や衝撃は制振しなければならない。
従って、このような状況を避ける手段が必要である。そのような手段として制振あるいは防振装置を用いるのが一般的であるが、装置に求められる仕様としては、制振対象物に対する過度な加速度(G)の軽減は勿論、軸アライメントを崩さず、すなわちヒステレシスがなく、比較的軽量で、廉価な製造コストのもので、多用途にも利用される緩衝装置の提供が要請されている。
ロケット、あるいは衛星の搭載機器を機械的環境から保護するための方法は種々提案されている。
まず、第一は衛星構体設計で重要搭載機器、例えばミッション機器の光学系、バス機器のジャイロ、リアクションホィールに入る振動、衝撃を緩和する構体設計を行うことが挙げられるが、ロケット打上げサービス業者の剛性要求を満足し全ての重要搭載機器を保護するのは、かなりハードルが高いと言える。
第二に制振用ダンパーや防振ゴム、制振合金が出回っておりこれらの使用が考えられるが、搭載品支持のため3〜4個必要で非常に寸法が大きくなる傾向にあり現実的でない。更に制振合金等は高周波の減衰には有効であるが、低周波(150Hz以下)の減衰を達成するには寸法がかさみその使用は非常に難しい。
特開平10−325440号公報
衛星搭載のミッション機器である望遠鏡は高分解能なものであればあるほど、過酷な振動、衝撃に晒されても軸ズレや損傷があってはならない。また高分解能望遠鏡は、焦点距離が長くこのため光を折り曲げる、即ち一次鏡(主鏡)と二次鏡(副鏡)を持つカセグレン型が採用され、且つ焦点距離の調整機構を有することが要請される。設計にもよるが調整機構はモータ等とカム/フォロワーあるいは遊星歯車で構成されることが多く外部振動が入ると隙間での非線形共振を起すことになる。この共振は焦点距離調整機構を損傷するだけでなく、主鏡と副鏡で形成されている光軸のアライメントを崩すことになる。
よって、望遠鏡のような搭載機器を保護するためには、光軸方向のように特定の方向に入力される振動、衝撃レベルを十分に緩和する一方、この方向と直交方向に関しては剛性が高いことが要求される。なお、上述した振動の問題は、上述した衛星等に限定されるものではなく、様々な電子機器においても同様に生じ得るおそれがある。
本発明は、特定の方向における振動を減衰する一方、この方向と直交する方向に関して剛性が高い緩衝装置を提供することにある。
本発明によれば、制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、筒形の撓みばね部材を備え、前記撓みばね部材は、周方向に延び周壁を貫通する複数のスリットが設けられることで、他の部位よりも局所的に方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有し、前記撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、前記撓みばね部材と前記外側部材とを、前記撓みばね部材の軸方向で前記撓みばね部材の一方端部において連結し、前記撓みばね部材と前記内側部材とを、前記軸方向で前記撓みばね部材の他方端部において連結したことを特徴とする緩衝装置が提供される。
また、本発明によれば、制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、他の部位よりも局所的に一方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有する筒形の撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、前記撓みばね部材と前記外側部材とを、前記撓みばね部材の軸方向で前記撓みばね部材の一方端部において連結し、前記撓みばね部材と前記内側部材とを、前記軸方向で前記撓みばね部材の他方端部において連結し、前記外側部材と前記内側部材との間の隙間に配置された緩衝部材を有し、前記緩衝部材は、前記撓みばね部材の周方向に複数配置され、前記緩衝部材は、帯状をなし、前記撓みばね部材の外周面または内周面の少なくともいずれか一方に固定されたことを特徴とする緩衝装置が提供される
また、本発明によれば、制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、他の部位よりも局所的に方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有する筒形の撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、前記弾性変形部は、前記撓みばね部材の軸方向において互いに隣接し、前記撓みばね部材の周壁を貫通して形成された二つの円形貫通孔の組により形成された弾性ヒンジであることを特徴とする緩衝装置が提供される。
本発明によれば、特定の方向における振動を減衰する一方、この方向と直交する方向に関して剛性が高い緩衝装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る緩衝装置の平面図。 図1のI-I線断面図。 撓みばね部材の斜視図。 撓みばね部材の展開図。 弾性変形部の斜視図。 図1の部分拡大図。 緩衝部材の配置例を示す図。
図1は、本発明の一実施形態に係る緩衝装置10の平面図、図2は図1のI-I線断面図である。本実施形態の緩衝装置10は、衛星に搭載され、その搭載機器を制振対象物として振動伝達を緩衝するために利用される場合を想定している。本実施形態の緩衝装置10は全体として筒型をなしており、図2はその中心軸線10aを通る断面図である。なお、各図において矢印Zは緩衝装置10の軸方向を示し、矢印X、Yは互いに直交する径方向を示している。軸方向Zはここではロケットの発射方向と平行とされる。
図1及び図2に示すように、緩衝装置10は、台座11と、筒形の外側部材12と、筒形の撓みばね部材13と、筒形の内側部材14と、取付板15と、緩衝部材17と、を備える。本実施形態の場合、外側部材12、撓みばね部材13および内側部材14は、図2に示すような中心軸線10aを中心とする同心の円筒形状を有しており、撓みばね部材13は外側部材12と内側部材14との径方向の間の隙間16に配置されている。台座11、外側部材12、撓みばね部材13、内側部材14および取付板15は金属等、剛性の高い材料で構成することができる。
外側部材12および内側部材14の一方には固定側の要素が、他方には制振対象物が取付けられる。本実施形態の場合、外側部材12が固定側の要素に固定され、内側部材14に制振対象物18が固定される。具体的には、外側部材12はその下部に径方向Xで外側に突出したフランジ部12aを有し、台座11を介して構体19に固定される。内側部材14はその上部に径方向Xで内側に突出した取付部14aを有し、取付板15を介して制振対象物18(ここでは望遠鏡の副鏡)が固定される。副鏡の光軸方向は中心軸線10aの方向である。
構体19は、衛星の構体の一部を構成する板状の部材であり、制振対象物18を配置可能な貫通孔19aが形成されている。台座11は、その中央部に、制振対象物18を配置可能な貫通孔11aを有する円盤状の部材であり、その周縁部がフランジ部12aと重なる。フランジ部12aの下端面には、台座11に設けた貫通孔19aを挿通して下側から締結されるボルトのネジ孔が形成されており、このボルトによって台座11に固定される。また、台座11は周方向の複数個所に貫通孔が形成されており、ここにボルトを通して構体19に形成したネジ孔にボルトを螺合することで緩衝装置10が構体19に固定される。
取付板15は、副鏡の光軸を遮断しないように貫通孔15aが形成されている。取付板15は、制振対象物18と重なる部分を有し、この重なる部分において周方向の複数個所に貫通孔が形成されており、ここにボルトを通して制振対象物18に形成したネジ孔にボルトを螺合することで制振対象物18と取付板15とが固定される。取付板15は、また、取付部14aと重なる部分を有し、この重なる部分において周方向の複数個所に貫通孔が形成されており、ここにボルトを通して取付部14aに形成したネジ孔にボルトを螺合することで内側部材14と取付板15とが固定される。また、取付板15は隙間16の上側に位置する周縁部15bを有している。
このように、本実施形態では、取付板15に対して予め制振対象物(副鏡)18を固定し、緩衝装置10の上部から搭載する構造を採用することにより、緩衝装置10に対して、制振が必要な制振対象物18を簡単に取り付けることができる。
図3は撓みばね部材13の斜視図であり、図4は撓みばね部材13を周方向に展開した展開図である。図5は弾性ヒンジ13aを示す拡大斜視図である。
撓みばね部材13は軸方向Zの一方端部に取付部13cが形成され、他方端部に取付部13dが形成されている。取付部13cおよび13dは他の部位よりも厚肉に形成されており、また、その端面に開口して複数のネジ孔が周方向に形成されている。
取付板15の周縁部は、取付部13cと重なる部分を有すると共に、この重なる部分において周方向の複数個所に貫通孔が形成されており、ここにボルトを通して取付部13cに形成したネジ孔にボルトを螺合することで撓みばね部材13と取付板15とが固定される。これにより、撓みばね部材13と内側部材14とが取付板15を介して連結される。
台座11の周縁部は、取付部13dと重なる部分を有すると共に、この重なる部分において周方向の複数個所に貫通孔が形成されており、ここにボルトを通して取付部13dに形成したネジ孔にボルトを螺合することで撓みばね部材13と台座11とが固定される。これにより、撓みばね部材13と外側部材12とが台座11を介して連結される。
本実施形態の撓みばね部材13は、基本的に、複数の貫通孔13fと隣接する貫通孔13fを結ぶクランク形状のスリット13bとによって形成される複数の弾性ヒンジ(弾性変形部)13aと、Z方向における上下の端部に設けられた取付部13c、13dとで構成され、取付部13c、13dの間でZ方向への柔軟性を有している。そして、各弾性ヒンジ13aは、他の部位よりも局所的にZ方向に脆弱化された部位として形成されており、本実施形態の場合、Z方向において併設された二つの貫通孔13fの組の隙間部分として形成された弾性ヒンジとなる。また、スリット13bは撓みばね部材13の周壁を貫通し、かつ、周方向に延びており、いずれかの貫通孔13fに接続されている。例えば、本実施形態では、スリット13bは、隣接する二組の四つの貫通孔13fのうち、一方の組の上側の貫通孔13fと他方の組の下側の貫通孔13fとを結ぶように接続されており、クランク形をなしている。
なお、このような構成の撓みばね部材13は、本実施形態の場合、弾性ヒンジ13aの数は四つであるが四つに限られない。弾性ヒンジ13aは撓みばね部材13の周方向に等ピッチで設けることができ、これにより撓みばね部材13のZ方向の弾性変形を均等に行わせることができる。本実施形態では、四つの弾性ヒンジ13aを周方向に90度間隔で形成しており、等ピッチで設けている。
二つの貫通孔13fは、Z方向に互いに隣接して形成されており、本実施形態の場合、Z方向と平行な仮想線上に中心を有する円形貫通孔である。貫通孔13fを円形としたことで、図5に示すように、弾性ヒンジ13aのZ方向の厚みtは、二つの貫通孔13f間に形成される。この弾性ヒンジ13aの厚みtは、薄くする程、撓みばね部材13のZ方向の固有振動数を低下させる点で有利であるが、耐機械的環境への配慮が必要である。
また、本実施形態の撓みばね部材13には、更に、貫通孔13fとは別に、小径の貫通孔13gを形成し、貫通孔13fと、小径の貫通孔13gとがスリット13eによって結ぶように接続されており、このスリット13eは直線形をなしている。このスリット13eは、弾性ヒンジ13を形成する貫通孔13f同士を連結するスリットではなく、貫通孔13fからそれぞれ独立して設けられた直線状のスリットとなる。このように、弾性ヒンジ13aに加えてこのようなスリット13e、貫通孔13gの形成により、撓みばね部材13のZ方向における弾性変形が更に促進されるだけでなく、撓みばね部材13のZ方向のバネ定数をより精密に調整することができる。なお、このようなスリット13e又は貫通孔13gは、要求される固有振動数等によっては形成しなくてもよい。
なお、撓みばね部材13のZ方向のバネ定数は、予め設定される周波数特性(振動減衰特性)に応じて、制振対象物の質量、貫通孔13fの径寸法、弾性ヒンジ13aのZ方向の厚みt及び撓みばね部材13の径方向の幅(厚み)b等によって設定される。更に言えば、材料によっても変化させられる。このときの貫通孔13fの径寸法は、制振対象物の寸法により決定される。
また、本実施形態の緩衝装置10の構成は、筒状の撓みばね部材13の周壁に弾性ヒンジ13a等を設けたことにより、撓みばね部材13に関して、減衰を得たい軸(Z方向)に対して柔軟性を持たせつつZ方向と直交する軸(X/Y)の剛性を高くできるという特徴を有する。ここで、撓みばね部材13のZ方向の柔軟性は、例えば、貫通孔13fの径寸法が決まれば、弾性ヒンジ13aのZ方向の厚みtと、撓みばね部材13の径方向の幅bとで実質的に決まり、撓みばね部材13の径方向X、Yについて必要な剛性を確保するためには、例えば、撓みばね部材13の径方向の幅bにより適宜調整が可能である。より詳細に説明すると、緩衝装置10の構成上の特徴として、撓みばね部材13への緩衝部材17の装着の仕方と、弾性ヒンジ13aの幅b、あるいは貫通孔13fの径寸法、そして弾性ヒンジ13aの厚みtで所望の固有振動数を設定でき、これらの構成を適宜調整することにより自由に振動減衰特性を調整できる。
なお、貫通孔13fの形状については、例えば、円形のほか、楕円形、多角形であってもよい。しかし、楕円形や多角形の場合、応力集中が生じる箇所が分散する傾向となり、円形と比較して不利である。また、円形の方が他の形状よりも製造上、有利である。
図2、図6および図7を参照して緩衝部材17について説明する。図6は図2の部分拡大図(構体19は図示省略)である。図7(a)〜図7(c)は緩衝部材17の配置例を示す図であり、図7(c)は図2、図6と同じ配置例であり、図7(a)および図7(b)は他の配置例を示している。ただし、これら図2等に示す緩衝部材17は、撓みばね部材13に対して設けられるものであるが、その配置については、予め得たい振動減衰特性に応じて決定すればよく、図2、図6、図7に挙げた構造例に限定されるものではない。
緩衝部材17は外側部材12および内側部材14の間で伝達される振動を減衰する部材であり、例えば、ポリイソブチレンやシリコーン等の粘弾性体である。緩衝部材17は外側部材12と内側部材14との間であればどの部位でもよいが、本実施形態では隙間16に配設されている。
緩衝部材17の固定態様としては、外側部材12および内側部材14の双方に固定する態様、外側部材12または内側部材14の一方に固定する態様、撓みばね部材13のみに固定する態様、撓みばね部材13と外側部材12の双方に固定する態様、あるいは、撓みばね部材13と内側部材14の双方に固定する態様のいずれかを選択可能である。本実施形態の場合、組立て性を向上する点で、緩衝部材17は撓みばね部材13のみに固定されている。各図の例は、撓みばね部材13の内周面および外周面の双方に緩衝部材17を固定しているが、いずれか一方の周面にのみ固定してもよい。
緩衝部材17の形状は問われないが、本実施形態の場合、隙間16への配置を容易にするため、帯状をなしている。帯状にすることで、隙間16を狭くしても隙間16内に収めることが可能となり、緩衝装置10のコンパクト化が図れる。また、緩衝部材17は周方向に長尺のものを一つ用いてもよいが、撓みばね部材13への巻き付ける長さが長くなる点で密着性が悪くなる場合があり、本実施形態では周方向に比較的短尺の緩衝部材17を複数配置している。
図2、図6および図7(c)の例では、撓みばね部材13の内周面においては上側に四つの緩衝部材17が周方向に等ピッチで固定されており、内側部材14と撓みばね部材13との隙間16bに内側部材14に接して配置されている。また、撓みばね部材13の外周面においては下側に四つの緩衝部材17が周方向に等ピッチで固定されており、外側部材12と撓みばね部材13との隙間16aに外側部材12に接して配置されている。
図7(a)の例では、撓みばね部材13の内周面および外周面にそれぞれ四つの緩衝部材17が周方向に等ピッチで固定されており、各緩衝部材17のZ方向の幅が、図7(c)の例の二倍となっている。図7(a)の例の方が図7(c)の例よりも、一つの緩衝部材17による緩衝作用が広範囲に及ぶ場合がある。
図7(b)の例では、撓みばね部材13の内周面および外周面にそれぞれ八つの緩衝部材17が周方向に等ピッチで固定されており、各緩衝部材17のZ方向の幅が、図7(c)の例と同じになっている。
緩衝部材17の材質や配置態様、形状等により、緩衝装置10の固有振動数を調整、及び緩衝装置10による減衰係数(振動減衰特性)を調整することが可能である。
係る構成からなる緩衝装置10では、固定側の外側部材12と制振対象物18側の内側部材14との間に撓みばね部材13が介在しているため、台座11にZ方向に衝撃が入力されると、撓みばね部材13の弾性変形によってその衝撃が緩衝され、かつ、緩衝部材17によって固定側に対する制振対象物18の振動が減衰され、これによって制振対象物18の動きが制振、すなわち、制振対象物18が共振して破損することを防止することができる。制振対象物18が副鏡である場合、その光軸方向であるZ方向に対しては衝撃緩和と振動減衰がなしえ、光軸のズレ方向であるX、Y方向についてはズレに強い剛性を発揮することになる。よって、例えば、ロケットの発射方向にZ方向を合わせることで、その打ち上げ時に生じやすい衛星搭載機器の破損を防止することができる。
衛星搭載機器の緩衝装置としては、一般に、
イ 個々の搭載品に対して寸法が嵩張らずFitするものであること。
ロ 減衰が望まれる軸に関しては150Hz以下の固有値で減衰比が0.1以上であること。
ハ 特に光学系では減衰が望まれる軸と直方向に関しては剛であること。
ニ ヒステレシスがないこと、
が要求される。
”イ”の要求については、緩衝装置10が全体として筒型をなしているため、その内側と外側のスペースを固定系、制振対象物の配置スペースとして利用することで、実質的に、薄型の装置構成となり、満たされる。”ロ”や”二”の要求については、弾性ヒンジ13aや緩衝部材17の設計によって満たされる。”ハ”の要求については、すでに述べたとおり、撓みばね部材13を筒形としたことやその厚みの設計等で満たされる。
また、本実施形態の緩衝装置10は、主要な構成としては、筒形の外側部材12と、筒形の撓みばね部材13と、筒形の内側部材14と、緩衝部材17の四部品の構成であり、複雑な治具も必要なく組み立てられコスト低減にも寄与出来る。
なお、本発明の緩衝装置は、望遠鏡に限られず、特定方向での緩衝が必要な各種の機器の緩衝に利用可能であり、また、衛星搭載機器以外の機器の緩衝にも利用可能である。上記実施形態では、外側部材12、撓みばね部材13および内側部材14を円筒形とし、同心の配置とすることがコンパクト化の点で有利である。なお、制振対象の形状により円筒形以外の筒形でも工夫により適用が可能である。
10:緩衝装置、12:外側部材、13:撓みばね部材、14:内側部材、17:緩衝部材

Claims (10)

  1. 制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、
    筒形の撓みばね部材を備え、
    前記撓みばね部材は、周方向に延び周壁を貫通する複数のスリットが設けられることで、他の部位よりも局所的に方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有し、
    前記撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、
    前記撓みばね部材と前記外側部材とを、前記撓みばね部材の軸方向で前記撓みばね部材の一方端部において連結し、前記撓みばね部材と前記内側部材とを、前記軸方向で前記撓みばね部材の他方端部において連結したことを特徴とする緩衝装置。
  2. 前記撓みばね部材と、前記外側部材と、前記内側部材とが円筒形状を有することを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記外側部材と前記内側部材との間の隙間に配置された緩衝部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝装置。
  4. 前記緩衝部材は、前記撓みばね部材の周方向に複数配置されたことを特徴とする請求項3に記載の緩衝装置。
  5. 前記緩衝部材は、粘弾性体であることを特徴とする請求項3に記載の緩衝装置。
  6. 制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、
    他の部位よりも局所的に一方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有する筒形の撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、
    前記撓みばね部材と前記外側部材とを、前記撓みばね部材の軸方向で前記撓みばね部材の一方端部において連結し、前記撓みばね部材と前記内側部材とを、前記軸方向で前記撓みばね部材の他方端部において連結し、
    前記外側部材と前記内側部材との間の隙間に配置された緩衝部材を有し、
    前記緩衝部材は、前記撓みばね部材の周方向に複数配置され、
    前記緩衝部材は、帯状をなし、前記撓みばね部材の外周面または内周面の少なくともいずれか一方に固定されたことを特徴とする緩衝装置。
  7. 前記緩衝部材は、少なくとも前記内側部材と前記撓みばね部材との間に配置されたことを特徴とする請求項に記載の緩衝装置。
  8. 制振対象物への振動伝達を緩衝する緩衝装置であって、
    他の部位よりも局所的に方向に弾性変形しやすい複数の弾性変形部を有する筒形の撓みばね部材によって外側部材及び内側部材の間を連結し、前記外側部材及び前記内側部材の間で伝達される振動を減衰し、
    前記弾性変形部は、前記撓みばね部材の軸方向において互いに隣接し、前記撓みばね部材の周壁を貫通して形成された二つの円形貫通孔の組により形成された弾性ヒンジであることを特徴とする緩衝装置。
  9. 前記円形貫通孔には、前記周壁の周方向に沿って延びるスリットが接続されていることを特徴とする請求項8に記載の緩衝装置。
  10. 前記スリットは、隣接する前記円形貫通孔を結ぶクランク形状のスリットと、隣接する前記円形貫通孔を結ばずに前記円形貫通孔から独立して設けられた直線形状のスリットとを有することを特徴とする請求項9に記載の緩衝装置。
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