JP6784644B2 - 光信号処理回路 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号処理を行う光リザーバコンピューティング回路を備えた光信号処理回路に関する。
脳の情報処理をモデルにしたニューラルネットワーク(NN:neural network)による機械学習に注目が集まっている。NNは非線形応答をする多数のニューロンがシナプスによって結合される大規模な非線形ネットワークであり、特にニューロンを多層状に配置した階層型NNによるディープ・ラーニングが広く応用されている。一般的に、NNで時系列データを取り扱うためには、過去の情報を参照可能な再帰的なネットワーク構造が必要となる。このようなNNはリカレントニューラルネットワーク(RNN:recurrent neural network)と呼ばれ、一般的には階層型NNの層間にフィードバック結合を有するようなネットワーク構成が利用される。RNNは、音声認識やセンシングデータなどをはじめとする時系列データの学習・処理に広く応用されているが、層数やニューロン数の増加に伴ってシナプスの結合が爆発的に増加するために計算に時間を要することが欠点である。
近年、このような課題を解く手法として小脳の情報処理をモデルとしたリザーバコンピューティング(RC:Reservoir Computing)と呼ばれる光コンピュ
ーティング技術が提案されている(非特許文献1,2参照)。図1に、RCを行うための一般的なリザーバコンピュータ100の構成を示す。リザーバコンピュータ100は、入力信号が各々のニューロンに結合する入力層101、各ニューロンが相互に結合する中間層102、各ニューロンの信号を和算し出力する出力層103からなる。入力層101として入力信号u(n)を入れた場合、出力層103からの出力信号y(n)は以下の式(1)、(2)で決定される。
Figure 0006784644
Figure 0006784644
ただし、Nはニューロンの数、xi(n)は時間ステップnでのi番目のニューロンの状態であり、Ωijはニューロン間の相互結合強度、miは入力信号のニューロンへの結合強度、ωiは各ニューロンから出力への結合強度を表す係数である。また、f(・)は各ニューロンでの非線形応答を表し、tanh(・)などが頻繁に用いられる。
一般的なRNNとの大きな違いは、入力層101と中間層102のネットワークを固定とし、学習に用いる変数を出力層103の重み係数、すなわち各ニューロンから出力への結合強度ωiのみとしている点である。本方式は、学習すべき変数を大幅に削減できるため、データが膨大かつ高速な処理を要する時系列学習に対して大きなアドバンテージを有する。
また、本方式は過去の情報の保存方法の観点でも利点がある。RCに何らかの信号を入力すると、その信号は中間層102に存在するニューロンの間をしばらくの間を漂い続ける。これは、RCは短期的な記憶能力や相互に情報を交換する能力をそれ自体が保持していることを意味している。そのため、一般的なRNNのように以前の時間ステップの信号を外部メモリに保存し再参照するという動作が不要となる。
RCが注目を集めたのは、図2に示すような時間遅延を利用した簡易な実装形態が報告されたためである(非特許文献2参照)。レーザ光源201より出射したレーザ光は、光変調器202により光電界の強度または位相値が変調され、スプリッタ203を介して1周期の遅延時間がτDである光周回部に入力される。光周回部を周回する光信号は、サーキュレータ204を介して光アンプ205で非線形性を付与されて光周回部に戻り、応答偏波制御器207、減衰器208を通過しながら周回する。周回する光信号の一部がスプリッタ206によって分岐されてフォトダイオード(PD)209で電気信号に変換されて電気信号として測定器210で測定される。この方式では、時間遅延を有する非線形素子を用いて、遅延時間内のループをある一定の間隔で区切り、遅延線上の各点の瞬時的な光強度をネットワークの仮想的なノード状態とみなすことで仮想的なネットワークを構成している。従って、これまでのNNのように多数の非線形素子と光配線を行う必要がなく、単一の光遅延線と非線形素子のみでRCのネットワークが実装できるという点で優れている。
Herbert Jaeger, Harald Haas, "Harnessing Nonlinearity: Predicting Chaotic Systems and Saving Energy in Wireless Communication," SCIENCE, Vol. 304, April 2, 2004, p.78-80 L. Appeltant, et al., "Information processing using a single dynamical node as complex system," nature communications 2, Article number: 468, DOI:10.1038/ncomms1476, September 13, 2011, p.1-6 川島 洋志、松原 礼高、奈良 一孝、「PLC型トランスバーサルフィルタを用いた可変分散補償器(TDC)の開発」、古河電工時報、第117号、平成18年1月、p.11−16
しかしながら、従来の仮想ノード方式では、出力層103の演算を電気領域で行っているため、全ての仮想ノードの状態を受光器で測定する必要がある。これにより、仮想ノードの数に反比例してRCの動作速度が低下し、消費電力が増大するといった課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、学習以外のRCの演算を光信号処理で行う光信号処理回路を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、光信号処理装置であって、光信号を発生する光源と、前記光信号の強度または位相を変調し入力信号を発生させる光変調手段と、前記入力信号が所定の遅延長で周回する光周回部と、前記光周回部に前記入力信号を合流させる光合波手段と、前記光周回部を周回する前記入力信号に非線形性を付与する非線形応答素子と、前記光周回部を周回する前記入力信号を変調する可変光変調手段と、前記光周回部を周回する前記入力信号の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段により分岐された前記入力信号から所定の時間間隔を有する複数の入力信号を生成し、任意の結合荷重で前記複数の入力信号を合波することにより光パルスの形状を任意に整形する第1の光パルス整形手段と、前記第1の光パルス整形手段から受信した前記光パルスの強度または位相に対応する出力信号を出力する光受信手段と、を備え、前記第1の光パルス整形手段は、前記出力信号と教師信号との誤差が小さくなるように、前記結合荷重を変更することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光信号処理装置において、前記第1の光パルス整形手段は、前記光分岐手段により分岐された前記入力信号をN分岐(Nは2以上の整数)する第2の光分岐手段と、前記第2の光分岐手段のN分岐の各々に接続された遅延長の異なるN本の遅延線と、前記N本の遅延線を通過する前記複数の入力信号の強度または位相を個別に制御する制御手段と、前記制御手段によって制御された前記複数の入力信号を再び合流する光合波手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光信号処理装置において、前記可変光変調手段は、第2の光パルス整形手段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光信号処理装置において、前記第2の光パルス整形手段は、前記光分岐手段により分岐された前記入力信号をN分岐(Nは2以上の整数)する第3の光分岐手段と、前記第3の光分岐手段のN分岐の各々に接続された遅延長の異なるN本の遅延線と、前記N本の遅延線を通過する前記複数の入力信号の強度または位相を個別に制御する制御手段と、前記制御手段によって制御された前記複数の入力信号を再び合流する光合波手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、学習以外のRCの演算を光信号処理で行うことにより、低消費電力化および演算の高速化が可能になる。
一般的なRC回路の概略構成を示す図である。 従来のRC回路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る光信号処理回路の光学系の概略構成を示す図である。 (a)、(b)は、有限インパルス応答(FIR)フィルタの構成例を示す図である。 基板上に形成された光導波路による可変光フィルタの構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る光信号処理回路の光学系の概略構成を示す図である。 (a)は、RC回路におけるMSEのスペクトル半径依存性を示す図であり、(b)はRC回路におけるMSEのノード数依存性を示す図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る光信号処理回路に入力された入力信号の一例を示す図であり、(b)は光信号処理回路に用いた教師信号および学習後の光信号処理回路から出力された出力信号の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
図3に、本発明の実施形態1に係る光信号処理回路の物理レイヤである光学系の概略構成を示す。レーザ光源311より出射したレーザ光は、光変調器312により光電界の強度または位相値が変調される。この光電界の振幅または位相が入力信号u(t)となる。信号光u(t)は光伝送路313を通過し、光カプラ314を介して光周回部315に入力される。光伝送路313には、例えば光ファイバや光導波路が利用できる。
光周回部315には、可変光減衰器(VOA)316と非線形応答素子317が装荷されている。光周回部315には、例えば光ファイバや光導波路が利用できる。VOA316はマッハツェンダー型干渉系やMEMSミラーを利用した可変減衰器が利用できる。また、非線形応答素子317は、Erドープドファイバアンプ(EDFA:Er−doped fiber amplifier)や半導体光アンプ(SOA:Semiconductor optical amplifier)をはじめとする光アンプなどが利用できる。
周回する光の一部は、光カプラ318によって分岐され、光パルス整形部319にて出力信号y(t)に変換され、光受信機320にて電気信号に変換される。光パルス整形部319は、図4(a)のような各遅延線長さτが入力信号の変調周期よりも短く設定された有限インパルス応答(FIR)フィルタによって形成されており、入力信号u(t)の1パルス内の各時間成分に対して重みづけを行っている。これは、図4(b)のような構成でも等価である。学習時には出力信号y(t)は、電気演算機によって教師信号d(t)と比較され、その結果に応じて教師信号d(t)との誤差が小さくなるように光パルス整形部319の各遅延線の重みが更新される。具体的な学習アルゴリズムの例は後述する。
このような光領域でのFIRフィルタの具体的な実装方法について説明する。この構成は、例えばN=4の場合では図5のように、基板上に形成された光導波路による可変光フィルタによって実現される(非特許文献3参照)。本素子では、1:N分岐した光スプリッタ411の各端に遅延量がτずつ異なるN本の遅延線412が接続されており、各遅延線にはN個のVOA413及びN個の位相シフタ414が装荷されている。これらの素子により入力光は各時間信号に対して重みづけされ、その後に光カプラ415によって合波される。
これにより図4(b)で示したFIRフィルタと等価な動作が可能である。ここでは、光導波路を用いてFIRフィルタを形成する場合について述べたが、空間光学系を用いても図4(b)と等価な構成が得られる。この場合は、VOA413、位相シフタ414を空間光変調器(SLM)やMEMSミラーを用いて実装すれば良い。
(動作の説明1)
本構成の動作について説明する。入力として変調周期Tで強度変調された入力信号u(t)を考える。u(t)は光周回部315を介し、光カプラ318で分岐され、光パルス整形器319へと向かう。この光信号の時間応答波形x(t)は以下の式で記述される。
Figure 0006784644
ただし、α,βはそれぞれ光カプラ318,314の分岐比、γはVOA316で設定する減衰量、f(・)は非線形応答素子317の非線形応答、τは光周回部315における1周期の遅延時間である。1周期の遅延時間をN分割する場合を考える。dt=τ/Nとして、t=pτ+qdt(pは整数、q=1,2,…,N)とおくと、
Figure 0006784644
となる。ここで、dtで離散化された時間を異なる状態と考えると、以下のように記述できる。
Figure 0006784644
簡単のために、例えば、入力信号がステップ形状であり、τと入力信号パルスの符号間隔が等しい場合、例えばu(pτ+qdt)=u(pτ)/Nという、時間間隔dtで等しくなる場合を考える。このような場合で、pτ=nとし、dtで離散化された時間波形をq毎に異なるノード状態xq(n)であると考えると、
Figure 0006784644
となる。ただし、Ωijは以下である。
Figure 0006784644
式(1)との対称性から、光カプラ314,318、光周回部315、VOA316、および非線形応答素子317からなる構成が、図1に示すRC回路100の中間層102の役割を担っていることが分かる。この際のニューロン数はNに相当する。
次に図1に示すRC回路100の出力層103に相当する構成について述べる。周回部315から分岐された信号x(t)は光パルス整形器319に入力され、以下で記述される出力信号y(t)に変換される。
Figure 0006784644
ただし、ωjは光パルス整形器319のj番目(j=1,2,…,K)の遅延線における重み量、dtは各遅延線間の遅延差である。ここでK=N、dt’=dt=τ/Nのように設定し、中間層の場合と同様に、dtで離散化した時間で考えると、
Figure 0006784644
となる。ここで、出力波y(t)をサンプリング周期τでpτ+dtの瞬間をサンプリングすることを考えると、得られる出力y’(pτ)は次のようになる。
Figure 0006784644
pτ=nとし、dtで離散化された時間波形をj毎に異なるノード状態xj(n)であると考えると、以下のようになる。
Figure 0006784644
この式(11)は、式(2)と等価であるので、光パルス整形器319によって図1に示すRC回路100の出力層103が実現できる。重み量ωjは学習パラメータであり、学習時において教師信号と比較することによって更新される。尚、光パルス整形器319で生成された光信号の出力信号y(t)は、光受信機320において電気信号に変換されるので、電気信号において出力信号y(t)と教師信号との比較を行う。
上記では、入力光u(t)を強度変調する場合について記述したが、入力光u(t)を位相変調してもよい。この場合は光受信部320で位相値も算出可能な機能を備える必要がある。これは例えば、90度ハイブリッド導波路などで実現できる。また、重み量ωjも複素数である必要があるが、これは例えば、光パルス整形器319であるFIRフィルタの各遅延線に位相シフタを設けることで実現できる。また、入力信号u(t)がステップ形状であり、τと入力信号パルスの符号間隔が等しい場合を記述したが、入力信号u(t)は任意のパルス形状で構わない。ただし、τは入力信号パルスの符号間隔の整数倍となっていることが望ましい。
(実施形態2)
図6に、本発明の実施形態2に係る光信号処理回路の光学系の概略構成を示す。レーザ光源511より出射したレーザ光は、光変調器512により光電界の強度または位相値が変調される。この光電界の振幅または位相が入力信号u(t)となる。信号光u(t)は光伝送路513を通過し、光カプラ514を介して光周回部515に入力される。光伝送路513には、例えば光ファイバや光導波路が利用できる。
光周回部515には、非線形応答素子517と光パルス整形器516が装荷されている。周回する光の一部は光カプラ518によって分岐され、光パルス整形部519を介して光受信器520にて出力信号y(t)に変換される。光周回部515は、例えば光ファイバや光導波路が利用できる。非線形応答素子517は、実施形態1と同様に、EDFAやSOAをはじめとする光アンプなどが利用できる。光パルス整形部516,519には、実施形態1で述べたようなFIRフィルタが利用できる。学習時には出力信号y(t)は、電気演算機によって教師信号d(t)と比較され、その結果に応じて教師信号d(t)との誤差が小さくなるように光パルス整形部519の各遅延線の重みが更新される。具体的な学習アルゴリズムの例は後述する。
(動作の説明2)
本構成の動作について説明する。上述したような光学系からの変調周期Tで変調された入力信号u(t)が光パルス整形器516に入力されると、光カプラ518で分岐され光パルス整形器519へと向かう光信号の時間応答波形x(t)は以下の式で記述される。
Figure 0006784644
ただし、μjは光パルス整形器516のj番目(j=1,2,…,M)の遅延線における重み量、dtは各遅延線間の遅延差、α,βはそれぞれ光カプラ518,514の分岐比、f(・)は非線形応答素子517の非線形応答である。ここで、τを周回部515における1周期の遅延時間、NをN=τ/dtとして、t=pτ+qdt(q=1,2,…,N)とおくと、
Figure 0006784644
となる。ここで、dtで離散化された時間を異なる状態と考えると、以下のように記述できる。
Figure 0006784644
ただし、2M≦Nであることが望ましい。簡単のために、例えば、入力信号がステップ形状であり、τと入力信号パルスの符号間隔が等しい場合、例えば、実施形態1と同様に、u(pτ+qdt)=u(pτ)/Nという時間間隔dtで等しくなる場合を考える。このような場合で、特にM=N/2のように設定する場合は以下のようになる。
Figure 0006784644
上式において、pτ=nとし、dtで離散化された時間波形をq毎に異なるノード状態xq(n)であると考えると、
Figure 0006784644
となる。ただし、Ωijは以下である。
Figure 0006784644
式(1)との対称性から、この構成が図1に示すRC回路100の中間層102の役割を担っていることが分かる。この際のニューロン数はNに相当する。結合定数(結合荷重)の各要素は各遅延線の重み量μiによって設定できる。本構成は実施形態1と比較して、行列Ωを比較的任意に設定できることからRCの表現力が高いことを特徴としている。
周回部515から分岐された信号x(t)は光パルス整形器519に入力され、実施形態1と同様に出力信号y(t)に変換され、さらに光受信機520にて電気信号に変換される。この出力層に相当する光パルス整形器519、光受信機320の構成および動作は実施形態1と同様である。
上記では、入力光u(t)を強度変調する場合について記述したが、入力光u(t)を位相変調してもよい。この場合は光受信部520で位相値も算出可能な機能を備える必要がある。これは例えば、90度ハイブリッド導波路などで実現できる。また、重み量Ωij,ωjも複素数である必要があるが、これは例えば、光パルス整形器516,519であるFIRフィルタの各遅延線に位相シフタを設けることで実現できる。また、入力信号u(t)がステップ形状であり、τと入力信号パルスの符号間隔が等しい場合を記述したが、入力信号は任意のパルス形状で構わない。ただし、τは入力信号パルスの符号間隔の整数倍となっていることが望ましい。
(学習の方法)
RCにおいては、学習すべき変数は出力層におけるωjのみであり、実施形態1では光パルス整形器319における重み量、実施形態2では光パルス整形器519における重み量である。その決定方法についてもいくつか手法がある。ここでは例として式(18)で記述されるLeast mean square(LMS)法について説明するが、本発明の効果は学習のアルゴリズムに依らず得られるものであり、本発明の請求の範囲を限定するものではない。
Figure 0006784644
ここでd(n)は教師値、kは傾き方向へどれだけ移動するかを決定する係数である。本手法は、付近のローカルミニマムに向かってエネルギー(学習値との誤差)を低下させているに過ぎないので、このままでは大的探索は困難である。大域極小解に対して近似を与える手法としては、アニール法などがある。これについても諸々の手法が提案されているが、例えば、qを時間ステップnに対する関数として、
Figure 0006784644
などのように与えればよい。ただし、kmin,hは定数である。
(シミュレーション結果)
本発明による学習例を示す。非線形時系列学習のベンチマークとして標準的に用いられるNARMAタスクを行い、教師信号を再現できるかについて検討する。実施形態2の光学系をシミュレーション上で再現し、式(20)で記述されるNARMA10の出力が近似出来るかについて計算を行った。
Figure 0006784644
ここで、y(n)が予測したい時系列信号、u(n)が入力信号である。入力信号u(n)は[0,1]の区間から、ランダムに選択されることとした。また、ネットワークの中間層における相互結合行列の要素μiは、gを正の実数として[0,g]の区間からランダムに選択されることとした。学習すべき出力層の重みベクトルωjの初期値は全て1とした。また、非線形関数f(・)は、tanh(・)とし、簡単のためにα=β=1とした。学習は式(18)のLSM法を用いて実施した。1000シンボルの教師信号を学習させたのちに、1000シンボルの予測を行った。学習性能は、式(21)で記述される二乗誤差Mean Square Error(MSE)によって評価した。
Figure 0006784644
ただし、d(n)は教師値、y(n)はリザーバの出力値である。
一般にRCにおける学習は、相互結合行列Ωijのスペクトル半径(相互結合行列Ωijの固有値の最大値)とノード数Nに強く依存する。図7(a)に、MSEのスペクトル半径依存性を示す。図7(a)は、スペクトル半径が1〜1.2付近でMSEが最も小さくなり学習が進むことを示している。この領域は、カオスの縁と呼ばれ、カオス相と秩序相の相境界付近であることが知られており、多様な応答が学習の進行を促進しているものと理解される。この結果から、相互結合行列の取りうる区間gは、行列のスペクトル半径が1〜1.2付近であることが望ましい。図7(b)に、MSEのノード数依存性を示す。図7(b)は、ノード数が多いほどMSEの値は減少することを示している。従って、ノード数は可能な限り大きく設定することが望ましい。
図8(a)に、入力信号、図8(b)に教師信号、学習後の出力信号の一例を示す。ただし、学習はノード数100、相互結合行列のスペクトル半径1の条件で実施している。図8(b)に示すように、学習後の出力信号の波形は教師信号の波形に良い近似を与えている。
(従来技術との比較)
上述した従来例のように、式(2)にあたる演算を電気領域で実行する場合(非特許文献2参照)、全てのxi(n)を光受信機で測定して光信号から電気信号に変換しなくてはならない。この場合、式(5)などから分かるように、設定できるdtの値は光受信機が応答する範囲で選ばなければならない。前述したように、本方式のサンプリング周期は、典型的にはNdtで与えられる。従って、従来方式ではニューロン数が増すほどサンプリング周波数が低下し、演算のスループットが低下する。
一方、本発明では、式(2)にあたる演算も光領域で行っているため、上記のような電気領域で演算を行う場合の制約を受けない。従って、本発明は、従来方式よりも演算のスループットが高いという優れた特徴を有する。加えて、従来技術ではニューロン間の結合定数Ωijが任意に生成できなかったが、本発明は、実施形態2のように光パルス整形器を周回部に装荷することによって結合定数の表現力を向上させることができるという優れた特徴も有する。
100 RC回路
101 入力層
102 中間層
103 出力層
201 レーザ光源
202 光変調器
203、206 スプリッタ
204 サーキュレータ
205 光源
207 偏波制御器
208 減衰器
209 PD
210 測定器
311、511 レーザ光源
312、512 光変調器
313、513 光伝送路
314、318、514、518 光カプラ
315、515 光周回部
316 VOA
317、517 非線形応答素子
319、519、516 光パルス整形器
320、520 光受信機

Claims (4)

  1. 光信号を発生する光源と
    前記光信号の強度または位相を変調し入力信号を発生させる光変調手段と、
    前記入力信号が所定の遅延長で周回する光周回部と、
    前記光周回部に前記入力信号を合流させる光合波手段と、
    前記光周回部を周回する前記入力信号に非線形性を付与する非線形応答素子と、
    前記光周回部を周回する前記入力信号を変調する可変光変調手段と、
    前記光周回部を周回する前記入力信号の一部を分岐する光分岐手段と、
    前記光分岐手段により分岐された前記入力信号から所定の時間間隔を有する複数の入力信号を生成し、任意の結合荷重で前記複数の入力信号を合波することにより光パルスの形状を任意に整形する第1の光パルス整形手段と、
    前記第1の光パルス整形手段から受信した前記光パルスの強度または位相に対応する出力信号を出力する光受信手段と、
    を備え、前記第1の光パルス整形手段は、前記出力信号と教師信号との誤差が小さくなるように、前記結合荷重を変更することを特徴とする光信号処理装置。
  2. 前記第1の光パルス整形手段は、
    前記光分岐手段により分岐された前記入力信号をN分岐(Nは2以上の整数)する第2の光分岐手段と、
    前記第2の光分岐手段のN分岐の各々に接続された遅延長の異なるN本の遅延線と、
    前記N本の遅延線を通過する前記複数の入力信号の強度または位相を個別に制御する制御手段と、
    前記制御手段によって制御された前記複数の入力信号を再び合流する光合波手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光信号処理装置。
  3. 前記可変光変調手段は、第2の光パルス整形手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光信号処理装置。
  4. 前記第2の光パルス整形手段は、
    前記光分岐手段により分岐された前記入力信号をN分岐(Nは2以上の整数)する第3の光分岐手段と、
    前記第3の光分岐手段のN分岐の各々に接続された遅延長の異なるN本の遅延線と、
    前記N本の遅延線を通過する前記複数の入力信号の強度または位相を個別に制御する制御手段と、
    前記制御手段によって制御された前記複数の入力信号を再び合流する光合波手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の光信号処理装置。
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