JP6784276B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置及びその製造方法に関し、特に発光素子を備える発光装置及びその
製造方法に関するものである。
従来、発光ダイオードなどの発光装置として、1次光を発光する発光素子と、その1次
光に励起されて1次光とは異なる波長の2次光を発光する蛍光体と、を備えたものがある
。また、別の発光装置として、赤色、緑色、青色など発光色の異なる複数の発光素子を備
えたものもある。
このような発光装置の製造において、発光素子の発光波長のばらつき、蛍光体の粒径や
含有量のばらつき等により、発光色度にばらつきが発生する。そして、発光色度が規定の
範囲に入っていない製品は、通常、商品として採用されない。
例えば特許文献1には、発光ダイオード素子を封止するシリコーン樹脂の表面のほぼ全
面に、顔料粒子、染料によって着色された粒子、蛍光体粒子のいずれか1つを含む、平均
粒径1〜20μmの微粒子を、単独で、或いは着色していない微粒子と混合して、付着さ
せることで、発光ダイオード装置の発光色の色補正を行うことが記載されている。
特開2009−141051号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発光ダイオード装置では、シリコーン樹脂の封止樹
脂表面のほぼ全面に付着させる微粒子が、顔料粒子、染料によって着色された粒子、蛍光
体粒子のいずれか1つを含むものでなければ、発光色の色補正の効果を発揮しない。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来とは異なる原理によ
り発光色度の補正がなされた発光装置、又は従来とは異なる原理により発光色度の補正が
可能な発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発光装置は、可視発光の発光素子と、前記発光素
子の光により励起される可視発光の蛍光体と、前記発光素子上であって、前記蛍光体上に
又は前記蛍光体を含んで設けられた、透光性の母材を含む透光部材と、前記透光部材の上
面に設けられた、前記母材とは屈折率の異なるナノ粒子が凝集してなる被膜と、を備える
ことを特徴とする。
また、本発明の別の発光装置は、発光色の異なる複数の発光素子と、前記複数の発光素
子上に設けられた、透光性の母材を含む透光部材と、前記透光部材の上面に設けられた、
前記母材とは屈折率の異なるナノ粒子が凝集してなる被膜と、を備えることを特徴とする
さらに、本発明の発光装置の製造方法は、可視発光の発光素子と、前記発光素子の光に
より励起される可視発光の蛍光体と、前記発光素子上であって、前記蛍光体上に又は前記
蛍光体を含んで設けられた、透光性の母材を含む透光部材と、を備える発光装置の製造方
法であって、前記透光部材の上面に、前記母材とは屈折率の異なるナノ粒子が凝集してな
る被膜を形成する工程を具備することを特徴とする。
また、本発明の別の発光装置の製造方法は、発光色の異なる複数の発光素子と、前記複
数の発光素子上に設けられた、透光性の母材を含む透光部材と、を備える発光装置の製造
方法であって、前記透光部材の上面に、前記母材とは屈折率の異なるナノ粒子が凝集して
なる被膜を形成する工程を具備することを特徴とする。
本発明の発光装置によれば、発光色度が好適に補正された発光装置を得ることができる
。また、本発明の発光装置の製造方法によれば、発光色度を好適に補正可能な発光装置の
製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのA−A断面における概略断面図(b)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の発光色度の補正の原理を説明する概略図(a),(b)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の製造方法の一例を説明する概略図(a),(b)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのB−B断面における概略断面図(b)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのC−C断面における概略断面図(b)である。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する
発光装置及びその製造方法は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定
的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例
において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。なお、各図面が
示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る発光装置の概略上面図であり、図1(b)は、図1
(a)におけるA−A断面を示す概略断面図である。図1に示すように、発光装置100
は、発光素子10と、透光部材20と、被膜40と、を備えている。また、発光装置10
0は、発光素子10が実装される実装基体50を備えている。実装基体50は、包囲体7
0を含む。発光素子10は、可視発光である。透光部材20は、透光性の母材25を含む
。透光部材20は、蛍光体27を含み、発光素子10上に設けられている。蛍光体27は
、発光素子10の光により励起される、可視発光のものである。被膜40は、透光部材2
0の上面に設けられている。被膜40は、透光部材の母材25とは屈折率の異なるナノ粒
子30が凝集してなっている。
より詳細には、実装基体50は、正負一対のリードフレームが、樹脂成形体である包囲
体70によって一体的に保持されてなるパッケージである。発光素子10は、包囲体70
の凹部内に収容されている。発光素子10は、一方のリードフレーム上に接着され、両方
のリードフレームとワイヤで接続されている。透光部材20は、包囲体70の凹部に充填
されて、発光素子10を被覆している。透光部材の母材25は、硬化樹脂である。
なお、「ナノ粒子」とは、例えば、粒径が1nm以上100nm以下の粒子である、と
定義することができる。また、粒子の「粒径」は、平均粒径又は中心粒径で定義すること
ができる。より詳細には、一次粒子径は顕微鏡観察やBET法など、二次粒子径は動的光
散乱法、拡散法、回折法などにより測定することができる。
このような構成を有する発光装置100は、以下に説明する原理により、発光色度が好
適に補正されたものである。
図2(a),(b)は其々、実施の形態1に係る発光装置の発光色度の補正の原理を説
明する概略図である。まず、図2(a)に示すように、被膜40の屈折率n40が透光部
材の母材25の屈折率n25より大きい場合、被膜40と空気の界面における1次光L
の反射光成分は、透光部材の母材25と空気の界面におけるそれよりも増大する。そして
、その透光部材20中に戻った1次光Lの反射光成分の一部は、蛍光体27によって2
次光Lに変換される。1次光Lより波長の長い2次光Lは、1次光Lに比べて被
膜40を透過しやすい。したがって、発光装置100から発せられる光は、1次光L
対して2次光Lの割合が相対的に増え、発光色度を長波長側に補正することができる。
一方、図2(b)に示すように、被膜40の屈折率n40が透光部材の母材25の屈折率
25より小さい場合、被膜40と空気の界面における1次光Lの反射光成分は、透光
部材の母材25と空気の界面におけるそれよりも減少する。それにより、被膜40を透過
する1次光Lの割合が増大し、1次光Lの蛍光体27による2次光Lへの変換が減
少する。したがって、発光装置100から発せられる光は、2次光Lに対して1次光L
の割合が相対的に増え、発光色度を短波長側に補正することができる。
なお、被膜40がナノ粒子30により構成されることで、被膜40の透光部材20上面
への高い密着性が得られ、また粒子による光の反射や散乱を抑え、高い光の取り出し効率
を維持することができる。
図3(a),(b)は其々、実施の形態1に係る発光装置の製造方法の一例を説明する
概略図である。発光装置100の製造方法は、透光部材20の上面に、透光部材の母材2
5とは屈折率の異なるナノ粒子が凝集してなる被膜40を形成する工程(被膜形成工程)
を具備する。なお、発光装置仕掛品99とは、発光装置100を製造する過程の途中段階
にあるものであって、例えば発光素子10の封止工程(本実施形態では発光素子10上へ
の透光部材20の形成)を終えた段階のものが挙げられる。
被膜形成工程では、例えば、図3(a)に示すように、ナノ粒子30を揮発性の液体又
は樹脂に分散させた分散液90に、透光部材20の上面を浸漬することにより、被膜40
を形成することができる。これにより、透光部材20の上面に被膜40を簡便に形成する
ことができ、発光装置100の発光色度の補正を量産性良く行うことができる。なお、こ
こで分散液90に浸漬するのは、少なくとも透光部材20の上面であればよいが、図示す
るように、発光装置仕掛品99の全体を分散液90に浸漬してもよい。また、発光装置1
00が発光素子10及び透光部材20の周囲を包囲する包囲体70を備える場合、分散液
90に包囲体70を浸漬することが好ましい。これにより、被膜40を包囲体70上にも
設けることができる。
また、被膜形成工程では、例えば、図3(b)に示すように、ナノ粒子30を揮発性の
液体又は樹脂に分散させた分散液90を透光部材20の上面に塗布することにより、被膜
40を形成することができる。これにより、透光部材20の上面に被膜40を制御性良く
形成することができ、発光装置100の発光色度の補正を精度良く行うことができる。分
散液90を透光部材20の上面に塗布する具体的な方法としては、ディスペンサによるポ
ッティング、インクジェット又はスプレーによる吹き付け、刷毛又はスポンジによる塗布
などが挙げられる。
なお、ナノ粒子30を樹脂に分散させる場合、この樹脂は、導電部材(リードフレーム
、配線、突起電極など)の導電性を阻害しない程度の量であることが好ましい。また、発
光装置100が発光素子10及び透光部材20の周囲を包囲する包囲体70を備える場合
、分散液90を包囲体70にも塗布することが好ましい。これにより、被膜40を包囲体
70上にも設けることができる。
被膜40は、透光部材20を発光素子10上に設けた後に形成することが好ましい。こ
れにより、発光装置100全体(発光する要素の複合体)としての発光色度を調整しやす
く、発光色度の補正を簡便に行うことができる。また逆に、被膜40は、透光部材20を
発光素子10上に設ける前に形成してもよい。この場合には、被膜40を透光部材20に
対して個別に形成するので、発光装置100の意図しない部位への被膜40の形成を避け
ることができる。
被膜40を形成する工程以前に、透光部材20から発光される光の色度を測定する工程
(発光色度予備測定工程)を具備することが好ましい。これにより、発光装置100の発
光色度を所望の値に補正しやすい。さらに、発光装置100、特に被膜40及び透光部材
20、のナノ粒子30の含有量は、(発光色度予備測定工程において)測定された色度と
、所望の色度と、の差に基づいて決定されることが好ましい。これにより、発光装置10
0の発光色度を精度良く補正することができる。なお、発光装置100のナノ粒子30の
含有量は、分散液90に浸漬する場合は分散液90の濃度及び/又は浸漬時間など、分散
液90を塗布する場合は分散液90の濃度及び/又は塗布回数など、により制御すること
ができる。
以下、発光装置100の好ましい形態について説明する。
図1に示すように、発光装置100において、ナノ粒子30が透光部材の母材25中に
含浸している。より詳細には、ナノ粒子30は、透光部材の母材25中の上面側に含浸し
ている。このような構成は、例えば、ナノ粒子30を透光部材20の上面側から母材25
中に含浸させることで得られる。この透光部材の母材25中にあるナノ粒子30により、
被膜40による発光色度の補正機能を補うことができる。これは、ナノ粒子30の存在に
よって、光の散乱がなされること、及び/又は透光部材20の実効的な屈折率が変化する
ことによるものと考えることができる。
ナノ粒子30の粒径は、発光素子10(発光素子が複数ある場合は、そのうちの少なく
とも1つ)からの光(1次光)をレイリー散乱させ得る粒径であってもよい。具体的には
、ナノ粒子30のレイリー散乱させ得る粒径とは、例えば光の波長の1/10以下の粒径
として定義することができる。光は、波長が短いほど、粒子により散乱されやすい傾向が
ある。すなわち、波長の比較的短い発光素子からの1次光は粒子により散乱されやすく、
波長の比較的長い蛍光体からの2次光は粒子を透過しやすい。特に、ナノ粒子30の粒径
がレイリー散乱させ得る粒径である場合には、その傾向が顕著に現れる。したがって、そ
の場合には、選択的に、短波長の光はナノ粒子30により散乱させ、長波長の光はナノ粒
子30を通過させる、といった制御が可能になる。特に、ナノ粒子30の屈折率が透光部
材の母材25の屈折率より高い場合には、ナノ粒子30による光の散乱強度を高めること
ができる。そして、それにより、発光装置100の発光色度の補正量を増大させることが
できる。
ナノ粒子30の屈折率が透光部材の母材25の屈折率より大きい場合には、上述のよう
に、被膜40の屈折率が透光部材の母材25の屈折率より大きくなり、発光装置100の
発光色度を長波長側に補正することができる。この場合、ナノ粒子30は、例えば酸化チ
タンを用いることができる。逆に、ナノ粒子30の屈折率が透光部材の母材25の屈折率
より小さい場合には、上述のように、被膜40の屈折率が透光部材の母材25の屈折率よ
り小さくなり、発光装置100の発光色度を短波長側に補正することができる。また、透
光部材20と空気層との間の屈折率の変化を緩やかにして光の取り出し効率を高め、光束
を高めることができる。この場合、ナノ粒子30は、例えば酸化ケイ素を用いることがで
きる。
図1に示すように、発光装置100は、発光素子10が実装される実装基体50を備え
ている。実装基体50は、銀含有膜60を表面に有している。そして、透光部材20は、
銀含有膜60を被覆している。このように、被膜40が透光部材20の上面に設けられて
いることにより、硫黄含有ガス等の腐食性ガスが透光部材20を透過することを抑制し、
銀含有膜60の変色を抑制することができる。特に、透光部材の母材25中の上面側にナ
ノ粒子30が含浸している場合には、透光部材20のガスバリア性が高められるので、よ
り好ましい。
図1に示すように、発光装置100は、発光素子10及び透光部材20の周囲を包囲す
る包囲体70を備えている。そして、被膜40は、包囲体70上にも設けられている。こ
れにより、被膜40が包囲体70の保護膜として機能し、包囲体70の変色などの劣化を
抑制することができる。
発光装置100の発光色度の補正量は、被膜40及び透光部材20のナノ粒子30の含
有量に依存しており、好ましくはほぼ比例関係にある。通常、製品となる発光装置の発光
色度は、各発光装置間の発光色度の差が小さくなる又はなくなるように補正される。この
ため、被膜40及び透光部材20のナノ粒子30の含有量は、当該発光装置100の発光
色度の補正量に依存していることが好ましい。
<実施の形態2>
図4は、実施の形態2に係る発光装置の概略断面図である。図4に示すように、発光装
置200は、発光素子11と、透光部材21と、被膜40と、を備えている。発光装置2
00は、発光素子11が実装される実装基体を備えていない。発光装置200は、所謂、
チップ・サイズ・パッケージ(CSP)などと呼ばれるものである。発光装置200は、
発光素子11を包囲する包囲体71を含む。包囲体71は、発光素子11の側方と下方に
接して設けられている。また、発光装置200は、発光素子11に接続された突起電極8
0を備えている。発光素子11は、可視発光である。透光部材21は、透光性の母材25
を含む。透光部材21は、蛍光体27を含み、発光素子11上に設けられている。蛍光体
27は、発光素子11の光により励起される、可視発光のものである。被膜40は、透光
部材21の上面に設けられている。被膜40は、透光部材の母材25とは屈折率の異なる
ナノ粒子30が凝集してなっている。
より詳細には、発光素子11は、基板を有しておらず、主として半導体の素子構造の薄
膜により構成されているが、基板を有するものでもよい。発光素子11は、その下方に正
負の突起電極80が接続されている。包囲体71は、樹脂成形体であって、発光素子11
と突起電極80を一体的に被覆している。包囲体71は、その上面が発光素子11の上面
と略同一面であり、その下面が突起電極80の下面と略同一面である。透光部材21は、
板状又は薄膜状であって、発光素子11の上面と包囲体71の上面を被覆している。透光
部材の母材25は、硬化樹脂である。透光部材21の側面と包囲体71の側面は略同一面
であって、この側面にも被膜40が設けられている。
このような構成を有する発光装置200もまた、被膜40により、発光色度が好適に補
正されたものである。その発光色度の補正の原理は、実施の形態1で説明したものと同様
である。また、発光装置200における被膜40は、実施の形態1で説明した工程により
形成することができる。
<実施の形態3>
図5は、実施の形態3に係る発光装置の概略断面図である。図5に示すように、発光装
置250は、発光素子12と、透光部材21と、被膜40と、を備えている。発光装置2
50は、発光素子12が実装される実装基体、及び包囲体を備えていない。発光装置25
0もまた、所謂、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)などと呼ばれるものである。ま
た、発光装置250は、発光素子12に接続された突起電極80を備えている。発光素子
12は、可視発光である。透光部材21は、透光性の母材25を含む。透光部材21は、
蛍光体27を含み、発光素子12上に設けられている。蛍光体27は、発光素子12の光
により励起される、可視発光のものである。被膜40は、透光部材21の上面に設けられ
ている。被膜40は、透光部材の母材25とは屈折率の異なるナノ粒子30が凝集してな
っている。
より詳細には、発光素子12は、導電性の基板を有し、その上方に半導体の素子構造を
有している。また、発光素子12は、素子構造の上方に正負のいずれか一方の極性の突起
電極80が接続されている。透光部材21は、板状又は薄膜状であって、発光素子12の
上面を被覆している。透光部材の母材25は、硬化樹脂である。透光部材21の上面は、
突起電極80の上面と略同一面である。発光素子12と透光部材21の側面は略同一面で
あって、この側面にも被膜40が設けられている。
このような構成を有する発光装置250もまた、被膜40により、発光色度が好適に補
正されたものである。その発光色度の補正の原理は、実施の形態1で説明したものと同様
である。また、発光装置250における被膜40は、実施の形態1で説明した工程により
形成することができる。
図5に示すように、発光装置250において、被膜40は、発光素子12を被覆してい
る。これにより、被膜40が発光素子12の保護膜として機能し、半導体の端面の劣化を
抑制することができる。
<実施の形態4>
図6(a)は、実施の形態4に係る発光装置の概略上面図であり、図6(b)は、図6
(a)におけるB−B断面を示す概略断面図である。図6に示すように、発光装置300
は、発光素子13と、透光部材22と、被膜40と、を備えている。また、発光装置30
0は、発光素子13が実装される実装基体51を備えている。発光素子13は、可視発光
である。発光素子13上には、蛍光体28が設けられている。透光部材22は、透光性の
母材25を含む。透光部材22は、発光素子10上であり且つ蛍光体28上に設けられて
いる。蛍光体28は、発光素子13の光により励起される、可視発光のものである。被膜
40は、透光部材22の上面に設けられている。被膜40は、透光部材の母材25とは屈
折率の異なるナノ粒子30が凝集してなっている。
より詳細には、実装基体50は、基板と配線を有する配線基板である。発光素子13は
、正負の電極が各々実装基体50の上面の配線に導電性の接着剤で接着されている。蛍光
体28は、樹脂に配合されていてもよいし、樹脂が含浸していてもよい。透光部材22は
、発光素子13と蛍光体28の上方及び側方を覆って、実装基体50の上面に設けられて
いる。透光部材22は、上面が凸面に形成された凸状部と、凸状部の周囲に延在する上面
が略平坦な薄膜部と、を有する。透光部材の母材25は、硬化樹脂である。透光部材22
は、蛍光体を実質的に含んでいないが、蛍光体を含ませてもよい。
このような構成を有する発光装置300もまた、被膜40により、発光色度が好適に補
正されたものである。その発光色度の補正の原理は、実施の形態1で説明したものと同様
である。また、発光装置300における被膜40は、実施の形態1で説明した工程により
形成することができる。
<実施の形態5>
図7(a)は、実施の形態5に係る発光装置の概略上面図であり、図7(b)は、図7
(a)におけるC−C断面を示す概略断面図である。図7に示すように、発光装置400
は、複数の発光素子14a,14b,14cと、透光部材23と、被膜40と、を備えて
いる。また、発光装置400は、複数の発光素子14a,14b,14cが実装される実
装基体52を備えている。実装基体52は、包囲体72を含む。複数の発光素子14a,
14b,14cは其々、発光色が異なっている。透光部材23は、透光性の母材25を含
む。透光部材23は、複数の発光素子14a,14b,14c上に設けられている。被膜
40は、透光部材23の上面に設けられている。被膜40は、透光部材の母材25とは屈
折率の異なるナノ粒子30が凝集してなっている。
より詳細には、実装基体52は、正負一対のリードフレームが3組、樹脂成形体である
包囲体72によって一体的に保持されてなるパッケージである。複数の発光素子14a,
14b,14cは、包囲体72の凹部内に収容されている。発光素子14a,14b,1
4cは其々、1組のリードフレームにおける、一方のリードフレーム上に接着され、両方
のリードフレームとワイヤで接続されている。透光部材23は、包囲体72の凹部に充填
されて、複数の発光素子14a,14b,14cを被覆している。透光部材の母材25は
、硬化樹脂である。
このような構成を有する発光装置400もまた、被膜40により、発光色度が好適に補
正されたものである。また、発光装置400における被膜40は、実施の形態1で説明し
た工程により形成することができる。
本実施の形態の発光装置400の発光色度の補正の原理は、例えば以下のように説明す
ることができる。通常、光の媒質の屈折率の変化は、(例えば可視波長域において)短波
長側のほうが長波長側より大きい。言い換えれば、光は、長波長側よりも短波長側におい
て、屈折率の変化の影響を受けやすい。このため、被膜40の屈折率が透光部材の母材2
5の屈折率より大きい場合、被膜40と空気の界面における1次光の反射光成分は、透光
部材の母材25と空気の界面におけるそれよりも増大するが、この増大幅は長波長側より
も短波長側のほうが大きい。したがって、この場合、発光装置400から発せられる光は
、短波長の1次光に対して長波長の1次光の割合が相対的に増え、発光色度を長波長側に
補正することができる。逆に、被膜40の屈折率が透光部材の母材25の屈折率より小さ
い場合、被膜40と空気の界面における1次光の反射光成分は、透光部材の母材25と空
気の界面におけるそれよりも減少するが、この減少幅は長波長側よりも短波長側のほうが
大きい。したがって、この場合、発光装置400から発せられる光は、長波長の1次光に
対して短波長の1次光の割合が相対的に増え、発光色度を短波長側に補正することができ
る。
なお、図示する例の発光装置400においては、透光部材23は、蛍光体を実質的に含
有していない。但し、本実施の形態の発光装置においても、透光部材に蛍光体を含有させ
ることができる。その場合には、本実施の形態5と実施の形態1の中間的な発光装置とし
て、各実施の形態において記述した事項の組み合わせにて考えることができる。
以下、本発明の発光装置及びその製造方法における各構成要素について説明する。
(発光素子10,11,12,13,14a,14b,14c)
発光素子は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子や半導体レーザ(
Laser Diode:LD)素子などの半導体発光素子を用いることができる。発光素子の上面
視形状は、四角形、特に正方形又は長手/短手方向を有する矩形であることが好ましいが
、その他の形状であってもよい。発光素子の側面は、上面に対して、略垂直であってもよ
いし、内側又は外側に傾斜していてもよい。発光素子の厚さは、例えば0.02mm以上
1mm以下であり、発光素子の強度や発光装置の厚さの観点において、0.05mm以上
0.5mm以下であることが好ましい。発光素子は、種々の半導体で構成される素子構造
と、正負一対の電極と、が設けられているものであればよい。特に、蛍光体を効率良く励
起可能な窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)
の発光素子が好ましい。このほか、緑色〜赤色発光のガリウム砒素系、ガリウム燐系半導
体の発光素子でもよい。白色系発光の発光装置とする場合には、蛍光体から出射される波
長変換光との混色関係を考慮すると、発光素子の発光波長は400nm以上530nm以
下であることが好ましく、420nm以上490nm以下であることがより好ましい。発
光素子は、通常、素子構造が設けられる基板を有している。基板は、素子構造を構成する
半導体の結晶を成長可能な結晶成長用基板であってもよいし、結晶成長用基板から分離し
た素子構造に接合させる接合用基板であってもよい。結晶成長用基板の母材としては、サ
ファイア、スピネル、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化珪素、ガリウム
砒素、ガリウム燐、インジウム燐、硫化亜鉛、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、ダイヤモンドな
どが挙げられる。接合用基板の母材としては、シリコン、炭化珪素、窒化アルミニウム、
銅、銅−タングステンなどが挙げられる。但し、基板は省略することもできる。正負一対
の電極が同一面側に設けられている発光素子の場合、その実装形態は、各電極がワイヤで
実装基体の導電部材と接続されるフェイスアップ実装でもよいし、各電極が導電性接着剤
で実装基体の導電部材と接続されるフェイスダウン(フリップチップ)実装でもよい。正
負一対の電極が互いに反対の面に各々設けられている対向電極構造の発光素子の場合、下
面電極が導電性接着剤で実装基体の導電部材に接続され、上面電極がワイヤで実装基体の
導電部材と接続される。発光素子の実装面側に、銀やアルミニウムなどの金属層や誘電体
反射膜が設けられることで、光の取り出し効率を高めることができる。1つの発光装置に
実装される発光素子の個数は1つでも複数でもよく、その大きさや形状、発光波長も任意
に選べばよい。例えば、1つの発光装置に、赤色、緑色、青色発光の発光素子が実装され
てもよい。複数の発光素子は、不規則に配置されてもよいが、行列や同心円状など規則的
又は周期的に配置されることで、好ましい配光が得られやすい。また、複数の発光素子は
、実装基体の導電部材やワイヤにより直列又は並列に接続できる。
(透光部材20,21,22,23)
透光部材は、発光素子上に設けられ、発光素子及び/又は蛍光体からの光を透過させる
部材である。透光部材は、少なくとも透光性の母材を含むものであり、その母材中に蛍光
体を含むものでもよい。透光部材は、発光素子に接して設けられてもよいし、発光素子か
ら離間して設けられてもよい。透光部材は、例えば、封止部材の形態や、板状又は各種レ
ンズ状の窓部材であってよい。
(母材25)
透光部材の母材は、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。特に、ガラス転移温度が室温
以下のものであれば、常温で軟質であり、ナノ粒子を透光部材の内部へ含浸させやすい。
透光部材の母材は、トリアジン誘導体エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、若しくは軟質又
は硬質のシリコーン樹脂、硬質シリコーンレジン、エポキシ変性シリコーン樹脂、変性シ
リコーン樹脂の単独又は2種類以上の組成物よりなるケイ素含有樹脂等を用いるのが好ま
しい。但し、その他のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂でもよ
い。
(蛍光体27,28)
蛍光体は、発光素子から出射される1次光の少なくとも一部を吸収して、1次光とは異
なる波長の2次光を出射する。これにより、可視波長の1次光及び2次光の混色光(例え
ば白色系)を出射する発光装置とすることができる。蛍光体は、例えば、ユーロピウム、
セリウム等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、
より具体的には、ユーロピウムで賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ
土類金属窒化シリケート蛍光体、ユーロピウム等のランタノイド系元素、マンガン等の遷
移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカ
リ土類のハロシリケート蛍光体、アルカリ土類金属シリケート蛍光体、アルカリ土類金属
ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸
塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケ
イ素、ゲルマン酸塩、セリウム等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン
酸塩、希土類ケイ酸塩又はユーロピウム等のランタノイド系元素で主に賦活される有機物
及び有機錯体等が挙げられる。また、上記以外でも同様の性能、効果を有する蛍光体を使
用することができる。なお、蛍光体は、実装基体の凹部底面側又は発光素子側に偏在して
いてもよいし、凹部内において分散していてもよい。
(ナノ粒子30,被膜40)
ナノ粒子は、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化カルシウ
ム、ホウ酸、ホウ酸亜鉛、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、水酸化アルミニウム
、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ケイ酸カルシ
ウム、チタン酸バリウム、ダイヤモンド、タルク、カオリン、マイカ、粘土鉱物、金、銀
などが好ましい。高屈折率材料を用いることで発光色度を長波長へシフトさせやすく、例
として酸化チタンが好ましい。また、低屈折率材料を用いることで発光色度を短波長へシ
フトさせやすく、また光束も上がりやすく、例として酸化ケイ素が好ましい。ナノ粒子は
、これらに限定されず、また必要であれば他の種類の材料を併用することもできる。ナノ
粒子の形状は、球状、多面体状、針状、板状などが挙げられる。針状や板状のナノ粒子で
あれば、透光部材のガスバリア性を高めやすい。
(実装基体50,銀含有膜60)
実装基体は、発光素子が載置される台座となる部材である。実装基体は、主として、発
光素子に電力を供給するための導電部材と、この導電部材を保持する母材と、により構成
される。実装基体は、例えば、リードフレームと成形体を含むパッケージの形態や、基板
と配線を含む配線基板の形態が挙げられる。また、実装基体は、成形体を成形後に鍍金な
どにより配線を設けたり、予め配線を設けた薄板を積層したり、することでも作製するこ
とができる。実装基体は、凹部(カップ部)を備えた形態のほか、凹部(側壁)を備えな
い平板状の形態でもよい。凹部を有するものは装置前方への光度を高めやすく、平板状の
ものは発光素子を実装しやすい。実装基体の素子載置面の形状は、例えば矩形状、多角形
状、トラック形状(矩形の両側に半円形が付いたような形状)、円形状、楕円形状などが
挙げられる。また、実装基体の素子載置面は、例えば発光素子が載置される部位の近隣な
ど、一部が幅広に形成されてもよい。
リードフレームの母材としては、銅、鉄、ニッケル、パラジウム、タングステン、クロ
ム、アルミニウム、銀、金、チタン又はそれらの合金が挙げられる。特に、放熱性の観点
においては銅又は銅合金、発光素子との接合信頼性においては鉄又は鉄合金が好ましい。
なかでも、銅又は鉄入り銅は、放熱性が高く、好ましい。リードフレームは、これらの金
属板にプレスやエッチングなどの加工を施すことで作製することができる。また、リード
フレームの表面には、銀、ニッケル、パラジウム、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム、又
はこれらの合金、若しくは酸化銀や銀合金の酸化物などの被膜が形成されていてもよい。
特に、リードフレームの発光素子が接合される部位の表面が銀で被覆されていてもよい。
これらの被膜は、鍍金、蒸着、スパッタ、印刷、塗布などにより形成することができる。
成形体の母材は、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリカーボネート樹脂
、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂などの熱
可塑性樹脂、ポリビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリ
コーン変性樹脂、シリコーン変成樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、などの熱硬
化性樹脂が挙げられる。また、これらの母材中に、充填剤又は着色顔料として、ガラス、
シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ワラストナイト、
マイカ、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、酸化アンチモン、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉄
、酸化クロム、酸化マンガン、カーボンブラックなどの粒子又は繊維を混入させることが
できる。このほか、成形体は、ガラス、セラミックスなどで形成することもできる。成形
体の成形方法としては、インサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成形などを
用いることができる。
配線は、基板の少なくとも上面に形成され、基板の内部、下面や側面にも形成されてい
てもよい。また、配線は、発光素子が接合されるランド(ダイパッド)部、外部接続用の
端子部、これらを接続する引き出し配線部などを有するものでもよい。配線の材料として
は、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン、クロム、チタン、アルミニウム、銀、金
又はそれらの合金が挙げられる。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい
。配線の表面には、銀、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム、又はこれらの合金、若しくは
酸化銀や銀合金の酸化物などの被膜が形成されていてもよい。特に、配線の発光素子が接
合される部位の表面が銀で被覆されていてもよい。これらの配線や被膜は、コファイア法
、ポストファイア法、鍍金、蒸着、スパッタ、印刷、塗布などにより形成することができ
る。
基板は、その母材が電気的絶縁性のものでもよいし、導電性の母材であっても、絶縁膜
などを介することで配線と電気的に絶縁させることができる。基板の母材としては、酸化
アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、
窒化チタン又はこれらの混合物を含むセラミックスや、銅、鉄、ニッケル、クロム、アル
ミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金を含む金属や、エポキシ樹脂、BTレジン、
ポリイミド樹脂などの樹脂又はこれらの繊維強化樹脂(強化材はガラスやアルミナなど)
が挙げられる。可撓性基板(フレキシブル基板)でもよい。母材の樹脂には、発光素子か
らの光を効率良く反射させるために、酸化チタンなどの白色顔料を配合してもよい。
(包囲体70,71)
包囲体は、発光素子の周囲(側方)を包囲する部材である。包囲体は、パッケージの成
形体の形態、発光素子を直接的に被覆する被覆部材の形態、及び配線基板上に設けられる
枠体の形態などがある。包囲体は、上述の成形体と同様の材料を用いて構成することがで
きる。特に、包囲体は、例えば白色の樹脂など、光反射性の樹脂で構成されることが好ま
しい。
(突起電極80)
突起電極は、発光素子の電極と電気的に接続されており、外部回路と接続するための外
部接続用電極である。突起電極としては、例えばバンプとも呼ばれるものが挙げられる。
突起電極は、Au、Cu、Ni、Pd、Ag又はこれらの金属を含む合金の単層膜、又は
これらの多層膜を用いることができる。Auは、電気抵抗及び接触抵抗が低く好ましいが
、安価なSnとの合金であるAuSn合金を用いてもよい。突起電極は、単層構造の場合
、前記した材料の線材を用いて、ワイヤボンダにより形成することができる。また、突起
電極は、単層構造又は多層構造の場合、電解メッキや無電解メッキなどのメッキ処理によ
り形成することもできる。
(分散液90)
ナノ粒子を分散させる液体は、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエ
ン、ヘキサン、プロパノール、石油ベンジン、ガソリン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭
素、1,1,1−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エチルエーテル、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、二硫化炭素、アセ
トニトリル、ジエチルアミン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンなどが好ましい。特に、透光部材の母材を膨潤させる作用の
ある液体を用いることで、ナノ粒子を透光部材の母材の内部に含浸させやすい。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに
限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
実施例1の発光装置は、図1に示す例の構造を有する、外形が縦(実装時の厚さ)0.
8mm、横2.8mm、厚さ1.0mmの側面発光型でSMD式のLEDである。
実装基体は、2つのリードフレームと、それを一体的に保持する樹脂成形体の包囲体と
、を有し、その上面の略中央に、縦0.66mm、横2.2mm、深さ0.3mmの凹部
を備えたパッケージである。2つのリードフレームは、表面に銀の鍍金が施された銅合金
製であって、その一部が凹部底面を構成し、且つ包囲体の外に延出している。包囲体は、
酸化チタンとワラストナイトを含有するポリフタルアミド樹脂により形成されている。
発光素子は、サファイア基板上に、窒化物半導体のn型層、活性層、p型層が順次積層
された、青色(中心波長約460nm)発光可能な、縦0.3mm、横0.7mm、厚さ
0.1mmの略直方体の発光ダイオードチップである。発光素子の電極は、上面(半導体
層)側に設けられ、ボンディング用のパッド電極と、そのパッド電極から延伸した延伸電
極と、を備えている。この発光素子は、実装基体の凹部内において、一方(負極側)のリ
ードフレーム上に透光性シリコーン樹脂である接着剤で接着され、その各パッド電極が金
のワイヤにより正負両極のリードフレームと各々接続されている。
透光部材は、実装基体の凹部内に、発光素子及びワイヤを被覆するように充填されてい
る。透光部材の上面は、包囲体の上面と略同一面(硬化収縮により若干の凹面)となって
いる。透光部材は、波長589nmにおける屈折率が1.52である軟質のシリコーン樹
脂を母材とし、その中にYAG:Ceの蛍光体を含有するものである。蛍光体は、透光部
材の母材中において、発光素子の上方及び周囲に分散している。
そして、透光部材の上面には、波長589nmにおける屈折率が2.62、中心粒径3
6nmの酸化チタンのナノ粒子が凝集してなる、膜厚50nm〜1μmの被膜が設けられ
ている。また、この被膜は、実装基体上にも設けられている。この被膜は、トルエンであ
る溶媒にナノ粒子を分散させた分散液(ナノ粒子の濃度0.1〜0.4wt%)に発光装
置仕掛品を10秒程度浸漬させた後、乾燥させることにより、形成したものである。
<実施例2>
実施例2の発光装置は、ナノ粒子を波長589nmにおける屈折率が1.46、中心粒
径25nmの酸化ケイ素とすること以外、実施例1の発光装置と同様に作製されたもので
ある。
<評価1>
実施例1の発光装置は、被膜形成前後の比較において、発光色度がイエローシフトし、
光束維持率が99%であることを確認できる。また、実施例2の発光装置は、被膜形成前
後の比較において、発光色度がブルーシフトし、光束維持率が101%であることを確認
できる。
<評価2>
実施例1,2の発光装置をIPAに浸漬し、よく振り、溶剤で洗い流して、粒子の脱落
が起きるかを確認する試験においては、実施例1,2の発光装置の外観に変化は無く、発
光色度の変化も無いことから、粒子の脱落は殆ど無いことを確認できる。さらに、実施例
1,2の発光装置を容器に100個程度入れ、よく振って発光装置同士を接触させ、物理
的な外力により、粒子の脱落が起こるかを確認する試験においても、実施例1,2の発光
装置の外観に変化は無く、発光色度の変化も無いことから、粒子の脱落は殆ど無いことを
確認できる。
<評価3>
実施例1,2の発光装置の耐硫化性を確認する試験においては、被膜を形成していない
発光装置に比べて、光束の低下が少なく、耐硫化性に効果があることを確認できる。
本発明に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型
ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置、さらには、デジタルビデオカメラ、
ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置などに利
用することができる。
10,11,12,13,14a,14b,14c…発光素子
20,21,22,23…透光部材
25…母材
27,28…蛍光体
30…ナノ粒子
40…被膜
50,51,52…実装基体
60…銀含有膜
70,71,72…包囲体
80…突起電極
90…分散液
99…発光装置仕掛品
100,200,250,300,400…発光装置

Claims (5)

  1. 実装基体に発光波長が420nm以上490nm以下の可視発光の発光素子を実装する工程と、
    蛍光体と母材とを含有する透光部材により前記発光素子を覆う工程と、
    前記透光部材の表面に、粒径が1nm以上100nm以下であり、かつ屈折率が、前記母材の屈折率より小さいナノ粒子を配置し、膜厚が50nm〜1μmの前記ナノ粒子が凝集した被膜を形成し、発光色度を補正する工程と、
    前記被膜を形成する工程の前に、前記発光素子を光らせ、発光される光の色度を測定する工程とを有し、
    前記母材は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、硬質シリコーンレジン、エポキシ変性シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂から選択される少なくとも1種であり、
    前記ナノ粒子を配置する工程は、溶媒に前記ナノ粒子が分散され、樹脂を含まない分散液を、前記透光部材の表面に塗布するか又は前記分散液に前記透光部材の表面を浸漬し、前記分散液を乾燥する工程を含む発光装置の製造方法。
  2. 実装基体に蛍光体が設けられた発光波長が420nm以上490nm以下の可視発光の発光素子を実装する工程と、
    母材を含有する透光部材により前記蛍光体及び前記発光素子を覆う工程と、
    前記透光部材の表面に、粒径が1nm以上100nm以下であり、屈折率が、前記母材の屈折率より小さいナノ粒子を配置し、膜厚が50nm〜1μmの前記ナノ粒子が凝集した被膜を形成し、発光色度を補正する工程と、
    前記被膜を形成する工程の前に、前記発光素子を光らせ、発光される光の色度を測定する工程とを有し、
    前記母材は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、硬質シリコーンレジン、エポキシ変性シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂から選択される少なくとも1種であり、
    前記ナノ粒子を配置する工程は、溶媒に前記ナノ粒子が分散され、樹脂を含まない分散液を、前記透光部材の表面に塗布するか又は前記分散液に前記透光部材の表面を浸漬し、前記分散液を乾燥する工程を含む発光装置の製造方法。
  3. 前記ナノ粒子を配置する工程は、ディスペンサによるポッティング、インクジェット又はスプレーによる吹き付け、刷毛又はスポンジによる塗布である請求項又はに記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記実装基体は、2つのリードフレームと、前記リードフレームを保持する樹脂成形体の包囲体と、を有するパッケージを備え、前記リードフレームと前記樹脂成形体とにより凹部を形成しており、前記発光素子は前記凹部内に収容されている請求項からのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記透光部材により前記発光素子を覆う工程は、前記凹部の上面まで前記透光部材を配置し、
    前記ナノ粒子を配置する工程は、前記透光部材の表面から前記凹部の上面までをナノ粒子分散液で覆う請求項に記載の発光装置の製造方法。
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