JP6782124B2 - 摂食検出装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、センサユニットを被検者の頸部に装着した状態で、その摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置に関するものである。
従来より、健康管理等を目的として、被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置が知られている。
「特許文献1」には、このような摂食検出装置として、ネックバンドの端部にセンサユニットとしてのマイクロホンが取り付けられたものが記載されている。
この「特許文献1」に記載された摂食検出装置においては、被検者の頸部に発生する振動(具体的には口腔や咽喉で発生して頸部に伝搬した振動)を、頸部に装着されたマイクロホンによって音響信号として検出しこれを電気信号に変換するように構成されている。
特開2007−202939号公報
上記従来の摂食検出装置において使用されるマイクロホンの具体例としては、エレクトレットコンデンサ型のマイクロホンや圧電型のマイクロホン等が考えられる。
エレクトレットコンデンサ型のマイクロホンを使用した場合には、頸部の振動を音響信号に変換するための空間を確保することが必要となるが、このような空間はその周波数特性として高域の音響信号を伝えにくいものとなる。このため、収音された咀嚼音や嚥下音はその低域成分が強調されてしまい、両者を識別することが難しくなる。また、聴感においても籠った音として感じられてしまう。
一方、圧電型のマイクロホンを使用した場合には、高域成分は共振によって強調される一方、低域成分での感度は低いものとなる。このため、主に低域成分で構成される咀嚼音や嚥下音をS/Nの良い状態で検出することが難しくなる。したがって、咀嚼や嚥下の回数を正確にカウントしたり、咀嚼音や嚥下音の波形を解析に利用したりすることが難しくなる。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、センサユニットを被検者の頸部に装着した状態で、摂食時に頸部に発生する振動に基づいて被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置において、その検出精度を高めることができる摂食検出装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は、センサユニットの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る摂食検出装置は、
センサユニットを被検者の頸部に装着した状態で、摂食時に上記頸部に発生する振動に基づいて上記被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置において、
上記センサユニットは、ユニット本体とこのユニット本体に装着されたダイアフラムおよび音響センサとを備え、上記ダイアフラムにおいて上記頸部に接触し得るように構成されており、
上記ユニット本体の内部に、上記ダイアフラムに臨む第1空間と、上記音響センサに臨む第2空間と、これら第1および第2空間を連通させる音導孔と、が閉空間として形成されており、
上記センサユニットは、上記頸部に発生した振動によって上記ダイアフラムを介して上記閉空間に放射される音響信号を、上記音響センサによって電気信号に変換するように構成されており、
上記閉空間は、該閉空間に放射された音響信号を500〜2000Hzの範囲内の周波数で共振させるように構成されている、ことを特徴とするものである。
上記「ダイアフラム」は、頸部に発生した振動を上記閉空間に音響信号として放射し得るように構成されていれば、その具体的な形状や材質は特に限定されるものではなく、また、そのユニット本体に対する装着位置についても被検者の頸部に接触可能な位置であれば特に限定されるものではない。
上記「音響センサ」は、上記閉空間に放射された音響信号を電気信号に変換し得るものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記「閉空間」を構成する第1および第2空間ならびに音導孔の各々の具体的な形状は特に限定されるものではない。
本願発明に係る摂食検出装置は、そのセンサユニットとして、ユニット本体とこれに装着されたダイアフラムおよび音響センサとを備え、そのダイアフラムにおいて被検者の頸部に接触し得る構成となっているが、ユニット本体の内部には、ダイアフラムに臨む第1空間と音響センサに臨む第2空間とこれらを連通させる音導孔とが閉空間として形成されており、そして、ダイアフラムを介して上記閉空間に放射された音響信号を音響センサによって電気信号に変換するように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、上記閉空間は第1および第2空間が音導孔を介して互いに連通しているので、ダイアフラムを介して上記閉空間に放射された音響信号に対して、第1空間、音導孔および第2空間の各々の寸法や形状に応じた音響的な共振現象を発生させることができる。そしてこれにより、音響センサにおいて特定の周波数成分を強調した状態で音響信号を電気信号に変換することができる。
この電気信号には咀嚼音や嚥下音の波形情報が含まれているので、その波形を解析することにより、咀嚼や嚥下のタイミングや回数等を知ることができる。例えば、咀嚼音や嚥下音の波形に現れるピークの数をカウントすることにより、咀嚼や嚥下の回数をカウントすることができる。
その際、上記閉空間の形状を低域成分が強調されるような形状に設定しておくようにすれば、主に低域成分で構成される咀嚼音や嚥下音をS/Nの良い状態で検出することができる。そしてこれにより、咀嚼や嚥下の回数を正確にカウントしたり、咀嚼音や嚥下音の波形を解析に利用したりすることが容易に可能となる。
また、咀嚼音と嚥下音とでは、嚥下音の方が高い周波数成分を含んでいるので、その周波数成分が強調されるような形状に設定しておくようにすれば、両者の波形のピークを識別しやすくすることができる。
このように本願発明によれば、センサユニットを被検者の頸部に装着した状態で、摂食時に頸部に発生する摂食音に基づいて被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置において、その検出精度を高めることができる。
上記構成において、上記閉空間として、該閉空間に放射された音響信号を500〜2000Hzの範囲内の周波数で共振させるように構成されたものとすれば、嚥下音の周波数成分を強調することが容易に可能となる。
上記構成において、音導孔が第1空間との連通位置を中心にして渦巻き状に形成された構成とすれば、最適な長さを有する音導孔を省スペースで確保することができる。
上記構成において、ユニット本体として、ダイアフラムを装着するための円筒状のダイアフラム装着部を備えた構成とすれば、ダイアフラムを被検者の頸部の所要位置に接触させることが容易に可能となる。
上記構成において、ダイアフラムを、ユニット本体に対して着脱可能な弾性キャップで構成されたものとすれば、被検者の骨格等に応じて適正な形状のダイアフラムを用いることができ、これにより摂食状態の検出精度を一層高めることができる。
上記構成において、略C字状に形成されたネックバンドの両端部にセンサユニットがそれぞれ取り付けられた構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、左右1対のセンサユニットのダイアフラムを被検者の頸部の左右両側部分に接触させた状態で被検者の摂食状態を検出し、各センサユニットから得られた咀嚼音の波形データを比較することにより、被検者が左右いずれの側の歯を主体的に使用して咀嚼を行っているのかを判定することができる。
本願発明の一実施形態に係る摂食検出装置を示す斜視図 図1のII線方向矢視図 (a)は上記摂食検出装置のセンサユニットを内周側(図2のIIIa線方向)から見て示す正面図、(b)はその右側面図 図3(a)のIV−IV線断面図 (a)は図3(b)のVa−Va線断面図、(b)は上記センサユニットの内周側ハーフを図3(b)のVb−Vb線の断面位置で示す側断面図 上記摂食検出装置によって得られた咀嚼音および嚥下音の波形を示す図であって、(a)は音響信号を仮にそのまま音響センサで収音した場合に得られる波形を示す図、(b)は音響信号を第1空間、音導孔および第2空間を介して音響センサで収音した後にフィルタ処理を行った場合に得られる波形を示す図 咀嚼音および嚥下音の波形の周波数スペクトルの一例を示す図 センサユニットのセンサ感度の周波数特性を示す図 左右1対のセンサユニットの各々において収音された咀嚼音の波形を示す図 上記実施形態の変形例を示す、図3と同様の図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る摂食検出装置10を示す斜視図であり、図2は、そのII線方向矢視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る摂食検出装置10は、略C字状に形成されたネックバンド12と、このネックバンド12の両端部に取り付けられた1対のセンサユニット20L、20Rとを備えた構成となっている。
この摂食検出装置10は、図2に示すように、1対のセンサユニット20L、20Rを被検者の頸部2に装着した状態で、摂食時に頸部2に発生する振動に基づいて被検者の摂食状態を検出するように構成されている。
具体的には、この摂食検出装置10は、ネックバンド12の両端部を押し拡げた状態で頸部2に対して後方側から装着し、その喉頭2aの左右両側に位置する部分において1対のセンサユニット20L、20Rを頸部2に軽く押し当てた状態で使用されるようになっている。
1対のセンサユニット20L、20Rは左右対称の構成となっているので、以下においては、その一方のセンサユニット(頸部2の右側に装着されるセンサユニット)20Rの構成について説明する。
図3(a)は、センサユニット20Rをネックバンド12の内周側(すなわち図2のIIIa線方向)から見て示す正面図であり、図3(b)は、その右側面図である。その際、図3においては、センサユニット20Rを、その先端部が上向きになるように配置した状態で示している。
図4は、図3(a)のIV−IV線断面図であり、図5(a)は、図3(b)のVa−Va線断面図である。
これらの図に示すように、センサユニット20Rは、ユニット本体30と、このユニット本体30に装着されたダイアフラム40および音響センサ50とを備えている。
ユニット本体30は、正面視において、ネックバンド12が延びる方向に細長く延びる略楕円形の外形形状を有している。ダイアフラム40は、ユニット本体30の長手方向の略中央部に装着されており、音響センサ50は、ユニット本体30の先端部に装着されている。
ユニット本体30は、いずれも樹脂製(例えばABS樹脂製)の内周側ハーフ30Aと外周側ハーフ30Bとで構成されており、両者を嵌合させた状態でネジ32を締め付けることによって一体化されている。
内周側ハーフ30Aの内周側の外面には、円筒状のダイアフラム装着部30Aaが形成されている。
ダイアフラム40は、ダイアフラム装着部30Aaに対して着脱可能な弾性キャップとして構成されている。具体的には、このダイアフラム40は、シリコーン樹脂等の軟質部材で構成されており、ダイアフラム装着部30Aaの外周面と密着した状態で装着されている。このダイアフラム40は、ダイアフラム装着部30Aaの先端面に位置するダイアフラム本体部40aが略凸球面状に形成されており、このダイアフラム本体部40aにおいて頸部2に柔らかく接触するようになっている。
音響センサ50は、正面視において円形の外形形状を有するエレクトレットコンデンサ型のマイクロホンであって、その背面側の端面の中央部に収音孔(図示せず)が形成されている。
音響センサ50は、内周側ハーフ30Aの内面の先端部に形成された円柱状の凹部30Abに収容された状態で、内周側ハーフ30Aに接着等により固定されている。そして、この音響センサ50は、その正面側の端面に配置された1対の端子部50aにおいて配線コード60のコード端末60aと電気的に接続されている。
配線コード60は、ユニット本体30の外部空間まで延びている。内周側ハーフ30Aには、配線コード60を挿通させるための切欠き部30Acが形成されている。
図4に示すように、ユニット本体30の内部には、ダイアフラム40に臨む第1空間C1と、音響センサ50に臨む第2空間C2と、これら第1および第2空間C1、C2を連通させる音導孔C3と、が閉空間Cとして形成されている。
この閉空間Cは、内周側ハーフ30Aの端面に樹脂製のフィルム34を貼り付けることによって形成されている。
第1空間C1は、ダイアフラム装着部30Aaの内周側の円柱状の空間として形成されている。この第1空間C1は、ダイアフラム装着部30Aaの中心位置において内周側ハーフ30Aを貫通するように形成された小孔C1aを備えており、この小孔C1aを介して音導孔C3と連通している。
図5(b)は、内周側ハーフ30Aを図3(b)のVb−Vb線の断面位置で示す側断面図である。
図5(b)にも示すように、音導孔C3は、第1空間C1との連通位置(すなわち小孔C1aの位置)を中心にして渦巻き状に形成されている。この音導孔C3は、略矩形状の断面形状で、小孔C1aの位置から略矩形状の渦巻き形状に沿って拡大して延びるように形成されており、その外周側の端部において第2空間C2と連通している。
第2空間C2は、音導孔C3と音響センサ50を収容する凹部30Abとの間において略直方体状の空間として形成されている。この第2空間C2は、凹部30Abの底面の中央位置まで先端側へ向けて延びる凹溝状連通部C2aを備えており、この凹溝状連通部C2aの先端部において音響センサ50の収音孔と連通するようになっている。この第2空間C2の容積は、第1空間C1の容積と略同程度の値に設定されている。
内周側ハーフ30Aの基端部には、ネックバンド12の端部を挿入するための切欠き部30Adが形成されており、その基端部近傍には、ネックバンド12の端部を固定するための固定部30Aeが形成されている。
ネックバンド12は、金属製の芯材12Aと、この芯材12Aにおける両端部以外の部分を覆う弾性被覆材12Bとで構成されている。弾性被覆材12Bはラバーやエラストマ等により構成されている。
ネックバンド12は、その端部を内周側ハーフ30Aの内部に挿入した状態で、その芯材12Aを内周側ハーフ30Aの固定部30Aeに押し当ててネジ16を締め付けることにより内周側ハーフ30Aに固定されるようになっている。
外周側ハーフ30Bは、内周側ハーフ30Aと嵌合したときにネックバンド12の芯材12Aに当接するようになっており、この状態でネジ32の締め付けによって内周側ハーフ30Aに固定されることにより、ネックバンド12の芯材12Aを挟持してその位置決めを図るようになっている。なお、外周側ハーフ30Bにもネックバンド12の端部を挿入するための切欠き部30Baが形成されている。
センサユニット20Rは、被検者の頸部2に発生した振動(具体的には口腔や咽喉で発生して頸部2に伝搬した振動)によってダイアフラム40を介して閉空間Cに放射される音響信号を、音響センサ50によって電気信号に変換するように構成されている。
その際、閉空間Cは、該閉空間Cに放射された音響信号を500〜2000Hzの範囲内の周波数(より具体的には1000〜1500Hz程度(例えば1200Hz程度)の周波数)で共振させるように構成されている。これを実現するため、閉空間Cは比較的大きい容積を有する第1空間C1および第2空間C2と細くて長い音導孔C3とを備えた構成となっている。
音響センサ50によって収音された音響信号は、電気信号として配線コード60を介して外部の解析機器(図示せず)に取り出されるようになっている。
図6は、摂食検出装置10を頸部2に装着した被検者が摂食を行うことによってセンサユニット20Rの閉空間Cに放射された音響信号を、音響センサ50で収音することによって得られた咀嚼音および嚥下音の波形を示す図である。
その際、図6(a)は、閉空間Cに放射された音響信号を仮にそのまま音響センサ50で収音するようにした場合(具体的には小孔C1aの位置で収音した場合)に得られる波形を示す図であり、図6(b)は、閉空間Cに放射された音響信号を第1空間C1、音導孔C3および第2空間C2を介して音響センサ50で収音した後にフィルタ処理を行った場合に得られる波形を示す図である。
図6(a)に示す波形から、咀嚼は略一定の時間間隔(1秒以下の時間間隔)で複数回行われ、その2、3秒後に嚥下が行われ、これらが周期的に行われることが分かる。
図6(b)に示すように、第1空間C1に放射されて音導孔C3および第2空間C2を介して音響センサ50に到達した音響信号は、閉空間Cでの共振作用(以下「音響共振」という)によって特定の周波数成分が強調されたものとなる。その結果、嚥下音を示す波形の振幅が非常に大きなものとなり、これにより嚥下の周期を容易に検出することが可能となる。そして、このように嚥下の周期が明らかになることから、嚥下が行われる前に咀嚼が何回行われたかを容易に検出することが可能となる。
以下、センサユニット20Rにおいて、音響センサ50で収音された嚥下音の波形が強調される理由について説明する。
図7は、咀嚼および嚥下を行ったときに収音された音響信号の波形の周波数スペクトルの一例を示す図である。
同図において、実線で示す曲線が嚥下を行ったときの周波数スペクトルであり、破線で示す曲線が咀嚼を行ったときの周波数スペクトルである。
同図に示すように、嚥下を行ったときの波形は、咀嚼を行ったときの波形よりもその振幅が大きく、特に1200Hzの前後の周波数帯域では振幅の差が大きなものとなっている。
図8は、センサユニット20Rのセンサ感度の周波数特性を示す図である。
同図において破線で示す曲線は、仮に音響信号の収音の際に音響共振が行われなかったとした場合におけるセンサ感度の周波数特性を示している。この周波数特性は、周波数の増大に伴って略一律にセンサ感度が低下するものとなっている。
一方、同図において実線の曲線で示すように、センサユニット20Rにおいては音響信号の収音の際に音響共振が行われるので、そのセンサ感度の周波数特性は、周波数の増大に伴って略一律にセンサ感度が低下するのではなく1200Hz付近にピークを有するものとなっている。
このため、センサユニット20Rは、音響共振が行われない構成とした場合に比して、1200Hzの前後の周波数帯域(すなわち嚥下を行ったときの波形と咀嚼を行ったときの波形との振幅の差が大きくなる周波数帯域)においてセンサ感度に優れたものとなっている。
したがって、このようなセンサ感度の周波数特性を有するセンサユニット20Rによって咀嚼音および嚥下音の収音を行うことにより、嚥下音の波形を強調することができる。
図9は、左右1対のセンサユニット20L、20Rの各々において収音された咀嚼音の波形を示す図である。
その際、例えば、図9(a)は、左側のセンサユニット20Lで収音された咀嚼音の波形を示す図であり、図9(b)は、右側のセンサユニット20Rで収音された咀嚼音の波形を示す図である。なお、各波形の振幅値は実際の振幅値を自乗したものとなっている。
図9(a)、(b)に示す各波形において、略一定の周期で振幅が大きくなっている部分は、咀嚼のために口を開けたときに頸部2に発生する振動によるものであり、一方、その間に位置する複数の小さい波形は、実際に咀嚼したときに頸部2に発生する振動によるものである。
上述したように、左右1対のセンサユニット20L、20Rは同様の構成を有しているので、これらが頸部2における喉頭2aの左右両側に位置する部分に正しく装着された状態で、被検者が左右の歯を均等に用いて摂食動作を行った場合には、振幅が大きい周期的な波形の間に位置する複数の小さい波形は略同様のものとなるはずである。
しかしながら、複数の小さい波形の振幅は、図9(a)に示す波形の方が図9(b)に示す波形よりもかなり大きくなっており、これにより被検者が左側の歯を使って咀嚼を行っていることが分かる。
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る摂食検出装置10は、そのセンサユニット20Rとして、ユニット本体30とこれに装着されたダイアフラム40および音響センサ50とを備え、そのダイアフラム40において被検者の頸部2に接触し得る構成となっているが、ユニット本体30の内部には、ダイアフラム40に臨む第1空間C1と音響センサ50に臨む第2空間C2とこれらを連通させる音導孔C3とが閉空間Cとして形成されており、そして、ダイアフラム40を介して閉空間Cに放射された音響信号を音響センサ50によって電気信号に変換するように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、閉空間Cは第1および第2空間C1、C2が音導孔C3を介して互いに連通しているので、ダイアフラム40を介して閉空間Cに放射された音響信号に対して、第1空間C1、音導孔C2および第2空間C3の各々の寸法や形状に応じた音響的な共振現象を発生させることができる。そしてこれにより、音響センサ50において特定の周波数成分を強調した状態で音響信号を電気信号に変換することができる。
この電気信号には咀嚼音や嚥下音の波形情報が含まれているので、その波形を解析することにより、咀嚼や嚥下のタイミングや回数等を知ることができる。例えば、咀嚼音や嚥下音の波形に現れるピークの数をカウントすることにより、咀嚼や嚥下の回数をカウントすることができる。
その際、閉空間Cの形状を低域成分が強調されるような形状に設定しておくようにすれば、主に低域成分で構成される咀嚼音や嚥下音をS/Nの良い状態で検出することができる。そしてこれにより、咀嚼や嚥下の回数を正確にカウントしたり、咀嚼音や嚥下音の波形を解析に利用したりすることが容易に可能となる。
また、咀嚼音と嚥下音とでは、嚥下音の方が高い周波数成分を含んでいるので、その周波数成分が強調されるような形状に設定しておくようにすれば、両者の波形のピークを識別しやすくすることができる。
このように本実施形態によれば、センサユニット20Rを被検者の頸部2に装着した状態で、摂食時に頸部2に発生する摂食音に基づいて被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置10において、その検出精度を高めることができる。
本実施形態においては、閉空間Cが、該閉空間Cに放射された音響信号を500〜2000Hzの範囲内の周波数で共振させるように構成されているので、嚥下音の周波数成分を強調することが容易に可能となる。特に本実施形態においては、嚥下音に含まれる周波数成分1000〜1500Hz程度(例えば1200Hz程度)のやや高い周波数で共振させるように構成されているので、嚥下音の周波数成分を効果的に強調することができる。
なお、このような共振周波数に設定することにより、聴感においても嚥下音を聞き取りやすくかつ実際の飲み込みに近い音質にすることができる。そしてこれにより、嚥下状態を判断する者によって正常な嚥下が行われているか否かの判断を容易に行うことができる。
本実施形態においては、音導孔C3が第1空間C1との連通位置を中心にして渦巻き状に形成されているので、最適な長さを有する音導孔C3を省スペースで確保することができる。
また本実施形態においては、ユニット本体30としてダイアフラム40を装着するための円筒状のダイアフラム装着部30Aaを備えた構成となっているので、略凸球面状のダイアフラム本体部40aを有するダイアフラム40を被検者の頸部2の所要位置に接触させることが容易に可能となる。
さらに本実施形態においては、ダイアフラム40が、ユニット本体30に対して着脱可能な弾性キャップで構成されているので、被検者の骨格等に応じて適正な形状のダイアフラム40を用いることができ、これにより摂食状態の検出精度を一層高めることができる。
本実施形態に係る摂食検出装置10は、略C字状に形成されたネックバンド12の両端部に1対のセンサユニット20L、20Rが取り付けられた構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、左右1対のセンサユニット20L、20Rのダイアフラム40を被検者の頸部2の左右両側部分に接触させた状態で被検者の摂食状態を検出し、各センサユニット20L、20Rから得られた咀嚼音の波形データを比較することにより、被検者が左右いずれの側の歯を主体的に使用して咀嚼を行っているのかを判定することができる。
なお、安静状態にある被検者に対して摂食検出装置10を装着することにより、その頸部2から脈拍音の音響信号を検出することも可能であり、これにより被検者の脈拍数を測定することが可能となる。
上記実施形態においては、音響センサ50によって収音された音響信号が、電気信号として配線コード60を介して外部の解析機器に取り出される構成となっているものとして説明したが、無線通信等を利用して外部の解析機器に取り出される構成とすることも可能である。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図10は、本変形例に係る摂食検出装置のセンサユニット120Rを示す、図3と同様の図である。
同図に示すように、このセンサユニット120Rの基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、ダイアフラム140の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、このダイアフラム140は、ユニット本体30の内周側ハーフ30Aにおけるダイアフラム装着部30Aaの先端面に接着等によって固定されている。具体的には、このダイアフラム140は、フィルム状の硬質材料(例えばポリイミド樹脂やステンレスやアルミ等の金属箔等)で構成されており、ダイアフラム装着部30Aaの外径と略同一の径で円板状に形成されている。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
本変形例のように硬質材料でダイアフラム140を構成することにより、上記実施形態のように軟質部材でダイアフラム40を構成した場合に比して、頸部2で発生した振動を音響信号として収音しにくくなるが、同時にノイズを収音しにくくしてS/Nを高めることができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
2 頸部
2a 喉頭
10 摂食検出装置
12 ネックバンド
12A 芯材
12B 弾性被覆材
16、32 ネジ
20L、20R、120R センサユニット
30 ユニット本体
30A 内周側ハーフ
30Aa ダイアフラム装着部
30Ab 凹部
30Ac、30Ad、30Ba 切欠き部
30Ae 固定部
30B 外周側ハーフ
34 フィルム
40、140 ダイアフラム
40a ダイアフラム本体部
50 音響センサ
50a 端子部
60 配線コード
60a コード端末
C 閉空間
C1 第1空間
C1a 小孔
C2 第2空間
C2a 凹溝状連通部
C3 音導孔

Claims (5)

  1. センサユニットを被検者の頸部に装着した状態で、摂食時に上記頸部に発生する振動に基づいて上記被検者の摂食状態を検出するように構成された摂食検出装置において、
    上記センサユニットは、ユニット本体とこのユニット本体に装着されたダイアフラムおよび音響センサとを備え、上記ダイアフラムにおいて上記頸部に接触し得るように構成されており、
    上記ユニット本体の内部に、上記ダイアフラムに臨む第1空間と、上記音響センサに臨む第2空間と、これら第1および第2空間を連通させる音導孔と、が閉空間として形成されており、
    上記センサユニットは、上記頸部に発生した振動によって上記ダイアフラムを介して上記閉空間に放射される音響信号を、上記音響センサによって電気信号に変換するように構成されており、
    上記閉空間は、該閉空間に放射された音響信号を500〜2000Hzの範囲内の周波数で共振させるように構成されている、ことを特徴とする摂食検出装置。
  2. 上記音導孔は、上記第1空間との連通位置を中心にして渦巻き状に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の摂食検出装置。
  3. 上記ユニット本体は、上記ダイアフラムを装着するための円筒状のダイアフラム装着部を備えている、ことを特徴とする請求項1または2記載の摂食検出装置。
  4. 上記ダイアフラムは、上記ユニット本体に対して着脱可能な弾性キャップで構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の摂食検出装置。
  5. 略C字状に形成されたネックバンドの両端部に、上記センサユニットがそれぞれ取り付けられている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の摂食検出装置。
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