JP6779800B2 - 分散制御システム、分散制御方法、電力系統の分散制御システムおよび電力資源の制御方法 - Google Patents

分散制御システム、分散制御方法、電力系統の分散制御システムおよび電力資源の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御ネットワーク上に制御装置が分散配置されて構成される分散制御システムに係り、特に通信や機器動作の不確実性を考慮して構成される分散制御システム、分散制御方法、電力系統の分散制御システムおよび電力資源の制御方法に関する。
制御ネットワーク上に制御装置が分散配置されて構成される分散制御システムにおいては、制御指令を格納したパケットの通信により、分散制御システムを構成する各制御装置の動作が決定される。加えて、各制御装置により駆動、制御される各機器が指示通りに動作することによって分散制御システムは機能することができる。したがって、分散制御システムの性能は、通信及び機器の可用性に依存することとなる。ここで可用性とは、具体的には、通信帯域や通信遅延にかかわるリアルタイム性能、通信伝達の確実性及び機器の異常や故障、何らかの理由による機器のサービス拒否等である。
一方で、低コストで分散制御システムを構成することが求められてきており、汎用的なIT技術の活用や、ネットワーク資源の共有(具体的には公衆網の利用)がなされている。
なお、可用性におけるサービス拒否の例として、分散制御システムを構成する各要素(制御装置や機器)が単独動作としての目的を有する場合が挙げられる。すなわち、分散制御システムの要素としての目的と、単独動作としての目的のどちらを優先するかの選択において、各要素は後者の単独動作としての目的を優先し得る場合が想定される。このような場合、各要素は分散制御システムとして指令を受けたとしても、単独動作としての機能を優先する結果として各要素が分散制御システムからの指令を拒否し得る場合がある。
然るに、一般に、通信性能と経済的なシステム構築の要求の両面は相反し、例えば、公衆網の利用は経済的に有利であるが、リアルタイム性能(通信性能)を低下させる。このような経済性と通信性能の両立が求められる分散制御システムとしては、自動車、建設機械、ドローン、航空機等のモビリティの自動走行もしくは群制御や、電力システムにおける仮想発電所(Virtual Power Plant。以下、VPPと称する。)、工場の生産ラインや製造装置、工作機械、プラントにおける制御装置(コントローラ)、PLC(Programmable Logic Controller)等といったFA(Factory Automation)システム等が挙げられる。特に、IoT(Internet of Things)のコンセプトに則り、分散制御システムのさらなる効率化を目指す取り組みとして、Industrie 4.0、Industrial Internet、IVI(Industrial Value Chain Initiative)等がなされている。
上記例示の各種分散制御システムのうち、電力系統における分散制御システム構成事例として特許文献1、特許文献2が知られている。
特許文献1は負荷低減計画策定システムに係り、「電気事業者から電力の供給を受けることが可能な受電者の電力需要を予測する需要予測手段と、前記需要予測手段により予測される電力需要から、前記電気事業者から供給を受けることが必要となる電力量であるデマンドを予測するデマンド予測手段とを備え、
受電者に備えられる複数の負荷に関して、前記デマンド予測手段により予測されたデマンドに基づいて、複数の負荷間での負荷低減の順序計画である負荷低減計画を策定する計画策定手段を備えた負荷低減計画策定システムであって、
異なった気象条件下における、前記複数の負荷間での負荷低減順序を規定した負荷低減分類指標を有するとともに、計画日の気象を予測する気象予測手段を備え、
前記負荷低減分類指標において、複数の負荷が、気象に影響される度合いに従って分類され、前記度合いが高い負荷程、前記負荷低減順序が前側の順序に規定され、
前記計画策定手段が、前記気象予測手段により予測される計画日の気象と前記負荷低減分類指標とに基づいて、当該計画日の負荷低減計画を策定する負荷低減計画策定システム」のように構成したものである。
特許文献2はデマンド制御装置に係り、「監視対象の建物に係る多数の設備機器の消費電力に基づき、前記設備機器に対しデマンド制御を行うデマンド制御装置において、
前記設備機器の消費電力に係る過去のデマンド値が契約電力を超過したときの、前記設備機器の運用状況を記憶する過去データ記憶部と、
前記建物のテナントにおけるイベント情報を記憶するイベント情報記憶部と、
前記イベント情報記憶部で記憶されたイベント情報及び前記過去データ記憶部で記憶された過去データとに基づいて、デマンド予測情報を算出するデマンド予測算出部と、
前記デマンド予測算出部で算出したデマンド予測情報に基づいて、前記多数の設備機器よりデマンド制御の対象となる設備機器を判定し、情報提供される当該設備機器の制御内容に係る情報を生成する設備機器制御情報生成部と
を備えることを特徴とするデマンド制御装置。」のように構成したものである。
特許5276294号 特許5450184号
通信及び機器動作には、種々の不確実性が含まれており、これは分散制御システムの性能を低下させる要因となる。特に、経済性を求めてネットワークを共有する場合や、個別要素が各要素単独の目的を優先する場合には、分散制御システムの要素機器が指示通りに動作せず、分散制御システムとして機能しない場合が発生し得る。
制御パケットの送信元が確実に、通信の成立(送信先に制御パケットが伝達され、処理されること)を確認する手段は、送信先からの確認応答(一般にackと呼称される)の受信である。しかしながら、このackパケット自体においても、通信遅延の増大、パケットロスの可能性がある。
また、通信異常以外にも、対象制御機器自体の異常の可能性もあり、制御指令に対して、全く応答できない場合や、部分的な対応のみ可能といった場合も生じ得る。
したがって、分散制御システムの運用において、経済性のための公衆網活用や構成機器の指示及び動作における不確実性を考慮して制御指令の配分を計画しなければならない。特に、公衆網(共有ネットワーク)の利用や、構成機器単独での動作を許容する場合に、不確実性の課題は顕著となる。分散制御システムが応答時間の制約を有しており、高速応答が要求される場合、これらの課題は一層困難となる。
特許文献1、2は、天候やイベント情報を用いて、需要の予測値を補正する。しかしながら、需要予測が目的であり、分散制御システムの個別要素への指令配分を計画することができないという課題を有している。
以上のことから本発明においては、通信や機器動作の不確実性を考慮し、低コストかつ個別要素の単独動作を許容しながら、制御システムの信頼性、制御性能を向上することができる分散制御システム、分散制御方法、電力系統の分散制御システムおよび電力資源の制御方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、「複数の制御機器を含む制御対象システムに対して適用され、制御機器を制御する複数の制御装置が中央装置から通信手段を介して結合されている分散制御システムであって、
中央装置は、制御機器ごとに、制御機器の情報と不確実性の情報を収集して記憶する情報記憶部と、少なくとも不確実性の情報に基づいて、制御機器を中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分け、動作指令対象群に定めた制御機器に対して外部から要求された制御指令を配分する配分計画部と、配分計画部で定めた制御機器に対して配分された制御指令を送信する通信手段を含むことを特徴とする分散制御システム。」としたものである。
また本発明は、「適宜、制御機器の情報と不確実性の情報を収集して、制御機器を中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分類しておき、外部から制御指令が与えられたときに、動作指令対象群に分類されている制御機器に対して要求された制御指令を配分して与えることを特徴とする分散制御方法。」としたものである。
また本発明は、「複数の電力資源を含む電力系統に対して適用され、電力資源を制御する複数の制御装置が中央装置から通信手段を介して結合されている電力系統の分散制御システムであって、
中央装置は、電力資源ごとに、電力資源の情報と不確実性の情報を収集して記憶する情報記憶部と、少なくとも不確実性の情報に基づいて、電力資源を中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分け、動作指令対象群に定めた電力資源に対して外部から要求された制御指令を配分する配分計画部と、配分計画部で定めた電力資源に対して配分された制御指令を送信する通信手段を含むことを特徴とする電力系統の分散制御システム。」としたものである。
また本発明は、「電力資源の制御可否にかかわる不確実性と、電力資源の情報と、をもとに電力資源への指令配分を計画し、電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。」としたものである。
分散制御システムにおいて、通信や機器動作の不確実性を考慮し、低コストかつ個別要素の単独動作を許容しながら、制御システムの信頼性、制御性能を向上することができる。
本発明を適用した仮想発電所のシステム構成例を示す図。 本発明を適用した仮想発電中央装置103のハードウェア構成を示す図。 本発明を適用した仮想発電中央装置103のソフトウェア機能構成を示す図。 端末装置102のハードウェア構成を示す図。 端末装置102のソフトウェア機能構成を示す図。 仮想発電中央装置103の情報収集、配分計画の動作について示す図。 仮想発電中央装置103における制御指令の送信動作について示す図。 仮想発電中央装置103からの制御指令を受ける端末装置102の動作を示す図。 仮想発電中央装置103と端末装置102間で通信するパケットフォーマットの例を示す図。 仮想発電中央装置103における処理を示すタイムチャートを示す図。 本発明を適用した仮想発電所のシステム構成の代案例を示す図。 図3に例示する処理により形成されているデータ構成例を示す図。
以下本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
なお以下に示す実施例においては、電力系統を制御対象システムとして、電力系統の制御に分散制御システムを導入して、仮想発電所VPPを構成する事例について説明するが、電力系統以外の各種制御対象システムに本発明の実施例に係る分散制御システムを適用することは言うまでもなく容易である。
なおVPP(virtual power plant)とは、点在する小規模な再エネ発電や蓄電池、燃料電池等の設備と、電力の需要を管理するネットワーク・システムをまとめて制御することであり、複数の小規模発電設備やシステム等を、あたかも1つの発電所のようにまとめて機能させることから「仮想発電所」と呼ばれている。
例えば電力系統のようなシステムを制御対象システムとして、その制御のために分散制御システムを適用している。この場合に、制御対象システムは制御機器を備え、一方分散制御システム側は制御機器を制御、操作する制御装置がネットワーク上に接続されて、構成されている。これにより、分散制御システムを介して制御対象システムの各種制御量が所定量に導かれるように制御が行われる。
ここでは、電力系統に分散制御システムを適用することにより、仮想発電所VPPを構成する事例について、本発明の実施例を説明する。図1は、本発明を適用した仮想発電所VPPの構成例である。
電力系統100は、電力資源101が接続された任意の系統であり、ここには送電系統、配電系統が例示されている。この場合に電力系統100自体が制御対象システムである。また電力資源101は、多くの場合に複数の制御機器を含んで構成されているので、電力資源101自体を制御機器と位置付けてもよい。
電力資源101は、電力系統100に対して、発電増減出力の提供が可能な発電資源、または負荷の増減の提供が可能な電力負荷資源で構成されている。図1には電力資源101の具体例として、水力発電、火力発電、蓄電池、太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電、バイオガス発電、波力発電、原子力発電や、家、ビル、工場等の電力負荷や、プロシューマ(電源と負荷の両方の性質を有する電力資源)が例示されている。発電機の例として、ディーゼルエンジン、ガスタービン、ガスエンジンや、これらを含むコジェネレーションシステムが例示される。あるいは、これらの電力資源を複合的にまとめたEMS(Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)、CEMS(Community Energy Management System)、AEMS(Area Energy Management System)、マイクログリッド等を一つの電力資源と見なしてもよい。
電力資源101は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、ある仮想発電事業者を一つの電力資源101と見立ててもよい。
分散制御システム側は、通信ネットワーク104と、端末装置102と、仮想発電中央装置103により構成されている。端末装置102は、通信ネットワーク104を介して仮想発電中央装置103と接続し、電力資源101を監視して取得した情報を仮想発電中央装置103に送信し、また仮想発電中央装置103から受信した制御指令をもとに電力資源101を設定、制御する。この場合に、端末装置102が分散制御システムにおける制御装置に対応している。
なお、端末装置102に接続する電力資源101は一つでも複数でもよい。また、端末装置102は、電力資源101内に組み込まれてもよい。
仮想発電中央装置103は、通信ネットワーク104を介して、電力資源101(端末装置102)の群と接続し、電力資源101の情報の取得や、動作を制御する装置である。
仮想発電中央装置103は、一つであってもよいし、複数であっても構わない。また、複数で構成される場合、一つのゲートウェイ装置または計算機を通信ネットワーク104への接続として、閉じたネットワーク内で他の計算機と接続してもよいし、各計算機が通信ネットワーク104に接続してもよい。
仮想発電中央装置103の具体例としては、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、サーバ、制御用パーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティング等の計算機が例示される。
通信ネットワーク104は、仮想発電中央装置103と電力資源101(端末装置102)を接続する通信ネットワークである。
通信ネットワーク104は、公衆網、専用網のいずれでも構わないし、有線、無線通信のいずれでもよい。
通信方式においても、IEEE 802.3、各種産業用ネットワーク、IEC 61784、IEC 61158、IEC 61850、IEC 62439、IEC 61850−7−420、IEC 60870−5−104、DNP(Distributed Network Protocol)3、IEC 61970、IEEE 802.1 AVB、CAN(Controller Area Network:登録商標)、DeviceNet、RS−232C、RS−422、RS−485、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IEEE 802.15、IEEE 802.1、モバイル通信、OpenADR、ECHONET Lite(登録商標)、OpenFlow(登録商標)等が例示される。
次に本発明を適用した仮想発電中央装置103のハードウェア構成について説明する。
図2は、本発明を適用した仮想発電中央装置103のハードウェア構成を示す図である。仮想発電中央装置103は、CPU111、通信制御部112、メモリ114、不揮発性記憶媒体115をバス116で接続し、かつ通信制御部からPHY(物理層)113を介して通信ネットワーク104に接続されている。
仮想発電中央装置103の上記構成において、CPU111は、不揮発性記憶媒体115からプログラムをメモリ114に転送して実行する。実行処理プログラムとしては、オペレーティングシステム(以下、OSと称す)やOS上で動作するアプリケーションプログラムが例示される。
通信制御部112は、CPU111上で動作するソフトウェアから送信要求、送信データを受け取り、PHY113を用いて通信ネットワーク104に対して送信する。また、通信ネットワーク104から受信したデータを、バス116を介してCPU111、メモリ114、不揮発性記憶媒体115へ転送する。通信制御部112の実装例としては、FPGA、CPLD、ASIC、ゲートアレイ等のICが例示される。あるいは、CPU111と一体化して構成されてもよい。
通信制御部112は、これをMAC層、PHY層を含めたIEEE 802.3通信デバイスとしてもよいし、また、PHY機能まで含めて通信制御部112に包含してもよい。この場合、通信制御部112の実装例としては、IEEE 802.3規格のMAC(Media Access Control)チップ、PHY(物理層)チップ、MACとPHYの複合チップを含む。なお、通信制御部112は、CPU111や、コンピュータ内部の情報経路を制御するチップセットに含まれていてもよい。
PHY113は、通信ネットワーク104との通信機能を実装した送受信機ICである。PHY113の提供する通信規格としてIEEE 802.3のPHY(物理層)チップが例示される。
なお、図2の構成では、PHY113と通信制御部112が接続しているので、IEEE 802.3のMAC(Media Access Control)層の処理は通信制御部112に含まれる。ただし、MAC機能を提供するICを通信制御部112とPHY113間に配置する構成や、MAC機能を提供するICとPHY113を組み合わせた通信用ICと通信制御部112を接続する構成においても、本発明の効果は失われるものではない。
メモリ114は、CPU111が動作するための一時的な記憶領域であり、不揮発性記憶媒体115から転送したOS、アプリケーションプログラム等が格納される。メモリ114として、スタティックRAM、DRAM、NVRAM等が挙げられる。
不揮発性記憶媒体115は、情報の記憶媒体で、OS、アプリケーション、デバイスドライバ等や、CPU111を動作させるためのプログラムの保存、プログラムの実行結果の保存に利用される。不揮発性記憶媒体115として、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリが例示される。また、取り外しが容易な外部記憶媒体として、フロッピーディスク(FD)、CD、DVD、ブルーレイ(登録商標)、USBメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の利用が例示される。
バス116は、CPU111、通信制御部112、メモリ114、不揮発性記憶媒体115をそれぞれ接続する。バス116としては、PCIバス、ISAバス、PCI Expressバス、システムバス、メモリバス、オンチップバス等が例示される。
なお、図2に例示するハードウェア構成は、CPU111、通信制御部112、PHY113、メモリ114、不揮発性記憶媒体115のいずれか、または複数を一体化したIC、CPU、SoC(System on Chip)、FPGAを用いてもよい。
次に本発明を適用した仮想発電中央装置103の各機能部について説明する。図2の構成がハードウェア構成であったに対し、図3はソフトウェア構成として機能ごとに分けて表記したものである。
本発明を適用した仮想発電中央装置103のソフトウェア機能構成図を図3に示す。
図3において、通信部120は、通信ネットワーク104を介して、端末装置102への指令パケットの送信や、端末装置102からパケットを受信する機能部である。端末装置102へ送信する際は、配分計画部124、電力資源制御部127から伝送された指令識別子と出力指令、及び、情報収集部121との通信を、通信ネットワーク104のプロトコルフォーマットに従うように整形して送信する。
情報収集部121は、通信部120を介して、制御対象となる電力資源及び電力資源の制御にかかわる情報を収集する。これらの情報には、電力資源の制御可否に関わる不確実性を含む(通信や電力資源の機器異常、あるいは電力資源所有者による運用ポリシーなど)。また、これらの情報の収集には、通信不確実性判定のために遅延計測用のパケットを定期的に送信してもよい。情報収集部121は、CPU111上で動作するソフトウェア、または通信制御部112、PHY113のいずれか、または複数を用いて構成することが例示される。
電力資源情報記憶部122は、電力資源101の情報D1、及び電力資源101の制御可否に関わる不確実性の情報D2の記憶部である。電力資源情報記憶部122が記憶する電力資源101の情報D1の種類は、出力に関する経済性(具体的には発電コストであり、燃料費や燃料取引市場の相場情報を含む)や、出力変化の応答速度(具体的には追従性能)、電力負荷低減による利用者への快適度の影響(例えば、空調機の温度変化による影響)や、電源の定格出力、最大容量、電源の種類、電力資源所有者の運用ポリシー、電力市場の情報(約定値や約定量、取引量のトレンド、参加企業数等)や、運転履歴等が例示される。
例えば、運用ポリシーとして、仮想発電所における電力資源活用の利益選好性と電力資源所有者自身の利用優先度間の配分が挙げられる。例えば、電力資源所有者自身の需要のために電力資源101を活用するよりは、電力市場での活用を通して利益を上げることを優先するといったポリシーが例示される。その逆に電力市場での電力資源101活用による運用益の向上よりも、電力資源所有者自身による需要を優先するポリシーが挙げられる。このポリシーは事前に設定、記憶してもよいし、利用毎に電力資源所有者へ電子メールやSNS(Social Networking Service)、webサービスを通じて通知し、電力資源所有者に所定の手段(仮想発電中央装置103に具えられた入力手段あるいは電子メール、webブラウザによるwebアクセス)で回答させてもよい。
ここで、電力資源情報記憶部122に記憶された、制御可否に関わる不確実性の情報D2について、さらに明確に説明する。
電力資源101の制御可否にかかわる不確実性の情報D2としては、電力資源101及び通信に関する情報が例示される。例えば、電力資源にかかわる不確実性の情報D21として、機器故障や異常の可能性、電力資源所有者の自家利用の優先度を示す情報、自然変動電源の出力に関する情報(天候、気象情報等)が例示される。また、電力資源101や端末装置102の機器情報(メーカや型番、生産工場、シリアル番号、生産年月日など)をもとに、同型機器の異常発生確率、異常、故障の実績や発生間隔といった情報が例示される。あるいはサイバーセキュリティに関する攻撃対象となった実績やソフトウェアの脆弱性が含まれる。あるいは電力資源所有者の運用ポリシーや、一時的に電力資源101の自家利用を優先したい場合の有無や、その発生頻度、仮想発電中央装置103を有する仮想発電アグリゲータと電力資源101の電力資源所有者間の契約内容が例示される。あるいは電力資源101が太陽光発電だった場合の日射予測量、風力発電における風向や風速の予測情報を用いることが例示される。
また通信にかかわる不確実性の情報D22は、仮想発電中央装置103と電力資源101、端末装置102間の通信にかかわる指令伝達の不確実性である。これは通信ネットワーク104の通信量や端末装置102との通信遅延の最大値、平均値、最小値、ばらつき(標準偏差)等といった通信性能にかかわる情報が例示される。あるいは通信ネットワーク104上で実行される種々の通信プロトコルにおける通信ネットワーク104の評価情報を用いてもよい。例えば、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)、OPSF(Open Shortest Path First)でやりとりされる経路のコスト情報や、RIP(Routing Information Protocol)等の経路制御プロトコルでやりとりされるホップ数の情報が例示される。
以上、電力資源101の制御可否にかかわる不確実性の情報D2として、電力資源にかかわる不確実性の情報D21と、通信にかかわる不確実性の情報D22について説明したが、これ以外の不確実性の情報D23として以下の情報を考慮するのがよい。
不確実性の情報D23として、通信量に影響を与え得るイベント情報を用いてもよい。例えば、新年やその地域の祭日など、挨拶や会話の意味合いを有する通信が増えると予想される季節性の情報が例示される。あるいは、通信量が少なくなる日(旅行等の理由で住民が減る等)といった情報でもよい。あるいは、過去の実績値を踏まえ、通信量に変化がある日程を推定した情報でもよい。
あるいは不確実性の情報D23として、気象異常(大雪、熱波、寒波、台風、ハリケーン、地震、津波、雷雨、強風等)が例示される。これらの事象は該当地域における電力系統の事故や異常の確率が増すことを意味する。あるいは、人々の安否確認や、交通インフラの機能停止に伴う代替手段の探索等により、通信量が変化し得る。
また不確実性の情報D23として、イベントを考慮するのがよい。イベントは現実世界に留まらず、通信ネットワーク104やインターネット上のイベントを含めてもよい。例えば、人気webサイトのイベントや、webを介した音楽またはイベントのライブ、スポーツイベントや音楽イベント等のチケットのwebでの申込み開始日時、申込み期間、あるいはSNSでの大量の情報の発信が予想される日時といった情報が例示される。例えば、スポーツの国際大会の開始時刻、終了時刻、イベント中、あるいはテレビやweb放映でのイベントや映画の中で、SNSでの大量の情報発信の可能性がある。これらの情報を記憶してもよい。あるいは、これらの過去の情報を用いて推定してもよい。例えば、同じスポーツ大会、映画が再び開催、放映される場合は、通信量が増加することが予想される。
あるいは不確実性の情報D23として、サイバーセキュリティにおけるDDoS攻撃(Distributed Denial of Service)は、web上の通信量が増えるため、攻撃予告日(予告がなされた場合)や、攻撃が発生すると予測される日程や、DDoS攻撃の検知情報が例示される。
あるいは不確実性の情報D23として、電力市場の取引に関する情報が例示される。例えば、過去の約定価格、約定量、それぞれの予測値、買い入札量、売り入札量、参加者数が挙げられる。
電力資源情報記憶部122に記憶される情報の入手は、通信ネットワーク104を介して、端末装置102より送信されて取得してもよいし、電力資源101の種類によって静的に定まる情報であれば、予め記憶させてもよい。あるいは情報収集部121によって別途収集して記憶してもよい。
電力資源情報記憶部122に記憶された情報は、不確実性判定部123、配分計画部124へ提供される。
電力資源情報記憶部122は、図2に示すメモリ114や不揮発性記憶媒体115に実装されることが例示される。あるいはネットワークを介した別のサーバ(ファイルサーバやストレージサーバ)に記憶してもよい。つまり、電力資源情報記憶部122は、上記の情報を1か所に纏めて記憶するものである必要はなく、適宜情報の種別に応じてネットワーク上の複数個所に分散して記憶されたものであってもよい。
図12は、図3に例示する処理により形成されているデータ構成例を示している。この図において左側の200には、仮想発電所としての制御対象システムである電力系統内の制御機器(電力資源101)が個別に記述されている。ここではガスエンジン1、ガスエンジン2、蓄電池、太陽光発電装置PV、電力負荷を例示している。また201には、電力資源情報記憶部122に記憶された電力資源101の情報D1として制御機器ごとのコスト指標値が、また202には、電力資源情報記憶部122に記憶された電力資源101の情報D1として制御機器ごとの追従性能指標が数値として表されている。電力資源情報記憶部122に記憶された電力資源101の情報D1は、配分計画部124に通知される。
図3の不確実性判定部123は、情報収集部121を介して電力資源情報記憶部122に記憶した、電力資源101の制御可否にかかわる不確実性の情報D2(D21,D22)をもとに、個々の電力資源101の不確実性を数値として判定する。また判定した結果を配分計画部124に通知する。判定した結果は、所定の指標値であってもよいし、電力資源101を制御可能な確率としてもよい。あるいは制約条件付きの指標値でもよいが、具体的な数値の大きさとして把握されるのがよい。なお不確実性を数値評価するための手法は、種々のものを適用可能であり、ここではその具体的な手法を問わない。制約条件の例としては、判定結果が有力な期限が例示される。不確実性判定部123は、CPU111上で動作するソフトウェアとして実装されることが例示される。また不確実性判定部123は、同様手法を用いて、別途記憶した通信にかかわる他の不確実性の情報D23に対しても、不確実性を数値評価したデータを作成している。
図12の203には、不確実性判定部123で作成された不確実性指標が示されている。ここでは、不確実性指標は、制御可否にかかわる不確実性指標として機器故障確率指標203a、通信不確実性指標203b、自家利用指標値203cが、制御機器ごとに例示されている。なお個別の制御機器を一括りにして評価するための評価値204は、コスト指標値201、追従性能指標202、機器故障確率指標203a、通信不確実性指標203b、自家利用指標値203cの各数値化された指標を基に、例えば0から100の間の数値として算出される。この評価値204は、後述する配分計画部124にて求められる。
例えば、図12の場合、次の(1)式で評価指標値を計算し、その評価指標値の順序に応じて、評価値100から順に10刻みで設定することが例示される。
[数1]
P = 100/C+0.1×S+1×F+1000/M+200/D (1)
ここで、Pは評価指標値、Cはコスト指標値201、Sは追従性能指標202、Fは機器故障確率指標値203a、Mは通信不確実性指標値203b、Dは自家利用指標値203cである。式1の100、0.1、1、1000、200は各指標値の演算に用いる定数である。逆数の形式となっている項目(例えば、コスト指標値201)は、値が小さいほど望ましいことを示す(例えば、コスト指標値201は、値が小さいほど発電コストが低い)。図12の値について、式1で算出すると、評価指標値はそれぞれ85、83、77、47、44(小数点以下は四捨五入している)となり、その順番に100から10刻みで評価値を割り当てている。
選択基準決定部125は、電力資源情報記憶部122に記憶された情報などをもとに、電力資源101の選択基準を決定し、配分計画部124へ通知する。ここで選択基準とは、不確実性等の各種数値化情報から求めた評価値204についての基準値を作成して与えるものである。例えば、評価値204が0から100の間の数値として定義される場合に、選択基準値として75を与えるものである。
選択基準決定部125は、基準値を例えば、電力取引の契約条件で規定される許容値(例えば、契約基準値10MWに対して、±20%の誤差の許容)に基づいて決定することが例示される。なお、選択基準決定部125の選択基準の決定は、動作指令対象の電力資源101と、予備群の電力資源101の分類にかかわるため、配分計画部124内に含まれていてもよい。選択基準決定部125は、CPU111上で動作するソフトウェアとして実装されることが例示される。
配分計画部124は、不確実性判定部123から取得した電力資源101の制御可否にかかわる不確実性の判定結果、電力資源情報記憶部122に記憶された情報をもとにして、当該制御機器を1つの数値として表した評価値204を得る。例えばガスエンジン1についての評価値204は、コスト指標値201の「14」、追従性能指標202の「50」、機器故障確率指標203aの「18」、通信不確実性指標203bの「20」、自家利用指標値203cの「40」各数値化された指標から、「100」を得る。同様に、ガスエンジン2の評価値を「90」、蓄電池の評価値を「80」、太陽光発電装置PVの評価値を「70」、電力負荷の評価値を「60」に定める。なお電力負荷は、コスト、追従性において優れていても、不確実性の観点から制御対象とならない場合があり得る。また図12のような纏め表は、電力系統の異なる条件に対応するために、複数のものが準備されるのがよい。
これらの評価値204は、選択基準決定部125から通知される選択基準値75と対比され、選択基準値75以上の電力資源101(制御機器)を動作指令対象群として位置づけ、選択基準値75以下の電力資源101(制御機器)を予備群に分類する。これは、各電力資源101の評価値を算出し、選択基準決定部125から通知される選択基準値を境界として、選択基準値以上の値を有する電力資源101群を動作指令対象群、それ以外を予備群に分類してもよい。配分計画部124は、CPU111上で動作するソフトウェアとして実装されることが例示される。
配分計画部124は、要求された電力を提供するための制御機器の最適な組み合わせ、配分を決定しているが、基本的には動作指令対象群として位置づけられた制御機器から定め、それでは要求された電力を供給できない場合に、予備群として位置づけられた制御機器を選択する。
配分計画記憶部126は、配分計画部124の決定した配分計画を記憶し、必要に応じて、電力資源制御部127から参照される。配分計画記憶部126は、配分計画部124内に含まれていても、電力資源制御部127からの問い合わせに対して、配分計画を電力資源制御部127に通知してもよい。あるいは、電力資源制御部127が配分計画記憶部126を内部に含んでいてもよい。配分計画記憶部126は、メモリ114、または不揮発性記憶媒体115上に構築されることが例示される。
電力資源制御部127は、配分計画記憶部126に記憶される配分計画を参照して、通信部120を介して、動作指令対象群の電力資源101を制御する。加えて、必要に応じて、予備群の電力資源101を制御する。電力資源制御部127は、CPU111上で動作するソフトウェア、通信制御部112のいずれか、または複数で実装されることが例示される。
補正制御部128は、電力資源制御部127が指令した電力資源101に対する制御が所望の結果を得られなかった場合になされる補正の制御を実行する。例えば、動作指令対象の電力資源101が制御指令通りに動作しなかった場合に、不足分の出力を予備群の電力資源101に対して指令することが例示される。補正制御部128は、CPU111上で動作するソフトウェア、通信制御部112のいずれか、または複数で実装されることが例示される。
次に図2の端末装置102のハードウェア構成について説明する。
図4は、端末装置102のハードウェア構成を示す図である。図4に示す端末装置102のハードウェア構成は、基本的に、図2の仮想発電中央装置103のハードウェア構成と同様であるが、電力資源101を制御、あるいは電力資源101の情報を取得するための入出力部150を有する点で相違している。
入出力部150として、各種のデジタル入出力やアナログ入出力ICが例示される。なお、入出力150からの信号線を1本で示しているが、電力資源101側の構成により、複数でもよい。また、一つの端末装置102につき、複数の電力資源101を制御してもよい。端末装置102の具体例としては、IED(Intelligent Electronic device)、MU(Merging Unit)、保護リレー等が挙げられる。
次に端末装置102の各機能部について説明する。図4の構成が端末装置102のハードウェア構成であったに対し、図5は端末装置102のソフトウェア構成として機能ごとに分けて表記したものである。
図5において電力資源入出力制御部160は、通信部120を介して、仮想発電中央装置103からの制御指令を受信し、制御指令と、設定記憶部161に記憶される設定情報に基づいて電力資源101を制御する。あるいは、電力資源101の状態を監視し、仮想発電中央装置103へ伝送する。伝送のタイミングは、所定の定期間隔でもよいし、電力資源101の状態が変化した場合や、仮想発電中央装置103から要求があった場合が例示される。
電力資源入出力制御部160は、図4に示すハードウェア構成のCPU111上で動作するソフトウェア、ならびに入出力部150を用いた構成が例示される。
設定記憶部161は、電力資源101を制御、監視するために必要な設定情報を記憶する。該設定情報としては、指令識別子142から指令情報を求める方法、電力取引情報(取引相手、発電電力、発電電力量、低減負荷電力、低減負荷電力量の最小要求値、最大要求値、平均要求値、応答時間の制約、ペナルティ条件)や稼働実績、電力資源101の状態変化を仮想発電中央装置103へ通知する判定基準(例えば、発電電力の変化速度のしきい値など)等が含まれる。設定記憶部161は、図4に示すメモリ114や不揮発性記憶媒体115に実装されることが例示される。
次に本発明にかかわる仮想発電中央装置103の情報収集、配分計画の動作について図6を参照して説明する。
はじめに、仮想発電中央装置103は、処理ステップS001において、発電または負荷低減に関する取引を契約する。これは、電力市場を介した取引(前日市場、当日市場、調整力市場、リアルタイム市場、容量市場等)でもよいし、相対取引でもよい。
取引締結により、発電電力または負荷電力、電力量に関する規定(最小要求値、平均要求値、最大要求値等)、応答時間、取引相手から指令が通知されるタイミング、ペナルティ条件(所定期間内で規定回数不稼働だった場合に契約破棄することや、指定出力値のプラスマイナス20%を超えて発電してはいけないなど)、報酬形態(出力要求値を段階別にわけ、各段階に対する報酬割合など。例えば、出力要求値の90%以上を出力できれば、基準報酬の100%が支払われる等。)等が定まる。
次に、仮想発電中央装置103は、処理ステップS002において、電力資源101の情報を収集する。これは、情報収集部121によってなされ、動的に情報を収集してもよいし、電力資源101の種類から定まる情報は仮想発電中央装置103にて電力資源101の情報を登録してもよい。
次に、仮想発電中央装置103は、処理ステップS003において、計画するタイミングまで待機する。ここで計画するタイミングとしては、例えば、契約成立後、ただちに計画すべき場合(この場合、処理ステップS002の電力資源101の情報収集は、処理ステップS001前に実行することが例示される)、定期的に実行する場合、所定の時刻になって有効となる場合、市場や取引相手から発動指令を受信した場合、電力資源101、端末装置102から情報を通知された場合が例示される。
あるいは、電力資源101、端末装置102から通知される情報が所定の条件を満足した場合に、計画するタイミングと判定する。例えば、所定数の電力資源101、端末装置102から情報を通知された場合、あるいは電力資源101、端末装置102から通知された計測値の変化の総和が所定しきい値を超えた場合、あるいは所定の情報(所定の電力資源101の変化を示す場合、あるいは電力資源101において状態が急激に変化した場合、あるいは電力資源101が異常状態になった場合)の通知をもって、計画するタイミングと判定する。
仮想発電中央装置103が計画するタイミングになると、処理ステップS003の「Y」に分岐し、処理ステップS004において制御対象となる電力資源101の群に対する配分指令を計画する。これは、処理ステップS001での契約内容を満足しながら、所定の評価基準に基づいて、電力資源101の群から動作指令対象群を選択する。これは、単独の電力資源101でもよい。該評価基準としては、経済性(例えば、電力資源101における発電コスト)や、電力負荷低減における需要家への影響度(負荷が空調機の場合、温度設定の変更は、該負荷の利用者の快適度を変化させる)、電力資源101の発動における信頼性(例えば、過去の稼働実績)、電力資源101の故障可能性や稼働寿命の長期化(機器の故障予知に基づく計画や、頻繁に起動、停止を繰り返さないといった寿命を長期化する運用)、制御指令に対する電力資源101の追従速度、対象の電力資源101と接続する電力資源101の通信性能、ならびに不確実性判定部123から通知される不確実性、選択基準決定部125から通知される選択基準が例示される。上記例示した基準のうち、ひとつ、または複数の組合せでもよい。
なお、仮想発電中央装置103及び配分計画部124が決定する配分計画は、一つではなく、複数であってもよい。これは、取引相手から通知される指令について、複数のパターン(例えば、出力指令値の違いや、指令発行のタイミングや時間帯の違い)を想定し、それぞれのパターンについて配分計画を立ててもよい。この時、配分計画部124の配分計画時の想定と実際の状況が異なる場合(例えば、ある出力指令値を想定したが、実際の出力指令値が想定と異なる場合)の動作を説明する。このような場合、事前に立案した複数の配分計画の中から、想定と最も差分が小さい配分計画を基準に、出力不足分を電力資源101で補填することが例示される。これは、動作指令対象群の中から、評価値が最高である電力資源101を選択してもよいし、あるいは最低の電力資源101を選択してもよい。あるいは、余力を評価し、余力の大きい電力資源101から順に不足分を満足するまでの余力資源101を選択してもよい。あるいは、動作指令対象群の電力資源101で、不足分を評価値の比率で配分してもよい。あるいは、余力の比率で配分してもよい。あるいは、予備群の中から、評価値の順番に不足分を満足するまで電力資源101を選択してもよい。
処理ステップS004の配分計画の実行後、処理ステップS005において契約終了か否かを判定し、契約終了でなければ処理ステップS005の「N」側に分岐し、処理ステップS002からの手順を繰り返す。契約終了の判定は、契約期間が定まっていれば、期間の終了時の経過をもって判断し、あるいは所定回数の発動(例えば、1回だけ実行)であれば、該回数の実行をもって契約終了とし、取引相手や市場、その他の運用機関からの終了通知の受信をもって契約終了とすることが例示される。
なお、図6の手順を一例として示したが、異なる手順についても例示される。例えば、処理ステップS002の情報収集は、処理ステップS001の取引契約の前でもよいし、あるいは処理ステップS001、処理ステップS003から処理ステップS005の手順と並行して、定期的または電力資源101の状態変化時に実行してもよい。
処理ステップS004の計画においても、処理ステップS003の指令受信の待機処理の前に実行してもよい。あるいは1回のみならず、処理ステップS003の指令受信の待機と並行して実行し、処理ステップS003の指令受信後に再度実行してもよい。このとき、電力資源101の状態等、計画における評価指標に変化がなければ、ただちに指令を送信することができる。あるいは評価基準に変化があったとしても、その差分だけを再計算すれば、計画、指令送信までの時間を短縮できる。
次に、仮想発電中央装置103における制御指令の送信動作について、図7を参照して説明する。
仮想発電中央装置103は、処理ステップS001の契約後、処理ステップS010において制御指令を出すタイミングまで待機する。このタイミングは、処理ステップS001での契約内容に依存する。例えば、契約成立後、ただちに指令すべき場合、所定の時刻になって指令タイミングとなる場合、電力市場運営者や取引相手から発動指令を通知される場合が例示される。
処理ステップS010のYが成立して、仮想発電中央装置103が端末装置102に対して制御指令を指令するタイミングになると、処理ステップS011において、図6の処理ステップS004で立てた配分計画にしたがって、仮想発電中央装置103は、図1の通信ネットワーク104を介して、処理ステップS004で計画した制御指令を動作指令対象の端末装置102を介して電力資源101に対して送信する。
その後、処理ステップS012において、計画値どおりに電力資源101を制御できたかを判定する。これは、例えば動作指令対象の電力資源101が指令どおり、動作したかを判定するものである。あるいは電力資源101、端末装置102からの応答をもとに判断してもよい。例えば、電力資源101から、指令どおりに動作したことの通知、あるいは動作しなかったことを通知してもよい。あるいは所定時間内に動作完了の応答がなかった場合に、電力資源101は指令どおりに動作できなかったと判定してもよい。
計画値どおりに電力資源101を制御できた場合は処理ステップS012のYに分岐し、そのまま処理ステップS005の終了判定処理に進む。もし計画値どおりに電力資源101を制御できなかった場合は処理ステップS012のNに分岐し、処理ステップS013において補正制御を実行する。補正制御は、動作指令対象の電力資源101が指令どおりに動作できなかった不足出力分、ありは不足電力負荷分を予備群の電力資源101に対して指令するものである。その後、再び、処理ステップS012の手順に戻り、計画値分、電力資源101を制御できたかを判定する。
なお、図7の処理ステップS013の補正制御は、動作指令対象群、予備群の電力資源101の応答結果に応じて、複数回実行してもよい。この実行回数、あるいは実行の処理時間は、契約で定まる応答時間、電力資源101の追従速度(出力変化速度)、起動、停止に要する時間、仮想発電中央装置103と端末装置102間の通信遅延に応じて定まる。したがって、これらの条件から、複数回の実行が可能である場合は、不確実性が高くても、経済性に優れる電力資源101(発電コストの低い電力資源101)を優先することが例示される。複数回の補正制御が実行可能なため、不確実性の高い電力資源101の制御が失敗したとしても、その後の補正制御が可能なためである。
なお、図6、図7において、処理ステップS001、処理ステップS005の重複する処理を記載したが、いずれかの手順で実行してもよい。
次に、仮想発電中央装置103からの制御指令を受ける端末装置102の動作を図8に示す。
端末装置102の処理ステップS020においては、はじめに、仮想発電中央装置103からの制御指令の受信を待機する。制御指令を受信すると処理ステップS020のYに分岐し、処理ステップS021において制御パケット上の指令内容を抽出する。次に処理ステップS022において、指令内容にしたがって電力資源101を制御する。制御指令としては、発電の場合には、出力増減指令、電力負荷の場合には、消費電力の増減指令が例示される。また制御指令によっては、出力変化速度、応答時間、出力、消費電力の増減について、電力資源101を制御する。その後、処理ステップS023では電力資源101の制御結果を仮想発電中央装置103へ通知する。
処理ステップS023における通知内容は、電力資源101の制御結果(成功か失敗か部分的成功か)や、制御結果後の出力値、変化量、失敗した場合の理由(例えば、電力資源101の異常、起動期限の経過など)、起動期限経過の場合の経過時間が例示される。制御後の電力または電力量を通知することで、仮想発電中央装置103は、電力資源101がどの程度稼働できたか、不足分がどれくらいかを把握することができ、他の電力資源101に対する代替指令や、配分計画における電力資源101の実績データを蓄積することができ、制御動作実行の信頼性、確実性向上や、計画の最適性を向上することができる。
なお、電力資源101は、処理ステップS020の指令受信後、ただちに制御してもよいし、所定期間待機してから実行してもよい。待機期間を仮想発電中央装置103の指令に含めてもよい。あるいは処理ステップS020の指令受信時に、電力資源101に異常が発生していれば、ただちに該異常に関する情報を仮想発電中央装置103へ通知してもよい。あるいは、電力資源101の所有者が、自身の需要のために利用し、仮想発電中央装置103の指令に対応できなければ、ただちに自家利用優先による指令拒否を仮想発電中央装置103へ通知してもよい。
また、処理ステップS023の結果の通知は、仮想発電所のシステム動作を記録するために、別の通信装置、データベース、ストレージ機器に通知してもよい。
図8は、端末装置102の電力資源101の制御手順であるが、これと並行して電力資源101の状態を取得して仮想発電中央装置103に通知してもよい。あるいは、図8に示す各手順の前後に、電力資源101の状態の取得と仮想発電中央装置103への通知の各処理を実行してもよい。
以上の全体動作を図10に示す。図10は、取引相手(系統運用者や相対契約の相手等)、仮想発電アグリゲータ、電力資源の間で行われる一連の処理、確認動作の流れを示した図である。この関係は、仮想発電所における仮想発電中央装置103の機能を仮想発電アグリゲータと称しており、外部の取引相手である系統運用者や相対契約の相手等からの電力供給要求(ここでは、電力資源101を調整力として活用する場合を想定する。)に対して、仮想発電アグリゲータが同じ仮想発電所内の電力資源101に対して何を行い、何を確認しているのかを示す一連の処理、確認動作の流れである。
外部の機関である取引相手(系統運用者や相対契約の相手等)から仮想発電所に対して発行される調整力指令133は、不定期であり、いつ発行されるかわからない。このため、仮想発電アグリゲータは、事前に電力資源101に対して、状態収集要求信号130を与え、その応答である状態信号132を用いて、配分計画131を立てている。仮想発電アグリゲータは、配分計画ごとに電力資源101を動作指令対象群と予備群に分類する。状態信号132は、電力資源101における状態を示す信号を含んでいる。仮想発電アグリゲータは、適宜のタイミングで状態収集要求信号130を再度与え、状態信号132を確認し、配分計画131を再作成することで、常に最新の状態における配分計画131を準備して保持している。
仮想発電アグリゲータは、取引相手から調整力指令133が発行されると、動作指令対象群に分類した電力資源101(例えば、図10の電力資源101a)に対して制御指令134を発行し、制御指令134に応じた出力増減制御の実行を指示するとともに、適宜予備群に分類した電力資源101(例えば、図10の電力資源101b)に対して負荷変動固定指令、余力確保指令135を送信する。各電力資源101は、指令に対する結果を含む応答信号138を仮想発電アグリゲータに対して返送する。なお、図10では応答信号138として、OK、NGと示しているが、これは指令通りに動作(負荷変動の固定、余力確保含む)できたか否かのみならず、例えば、出力はできたが、指令で指定された出力を確保できなかった状態を応答信号138に含めてもよい(例えば、1MWの出力を指令されたが500kWのみの出力に成功した場合)。また、負荷変動固定指令、余力確保指令135を送信された電力資源101は、基本的に現状を維持する制御を行っている。
仮想発電アグリゲータは、動作指令対象群からの応答信号138を確認して、動作指令対象群の電力資源101が制御指令134どおりに動作できなかった場合に、不足分の補正制御指令136を予備群の電力資源101に通知し、出力信号137を出力することで全体として必要な調整力を提供する。
このように動作することで、電力資源101内に十分な予備群が確保されていれば、制御指令134、補正制御指令136の2回の通信で要求出力を満足することができる。
なお、電力資源101からの状態収集は、仮想発電アグリゲータからの要求ではなく、電力資源101での状態変化を契機に仮想発電アグリゲータに通知してもよい。また高速応答が要求される場合は、制御指令134と補正制御指令136を同時に電力資源101に対して送信することが望ましいが、高速性を必要としない場合は、制御指令134の応答を待って、補正制御指令136の送信を判断してもよい。
次に、電力資源101に対する配分計画131を立てるための情報収集手段について述べる。図3の情報収集部121は、電力資源101に関する情報及び電力資源101の制御の不確実性に関する情報を収集する。これは静的に収集してもよいし、動的に収集してもよい。これは電力資源101、端末装置102の装置情報(メーカ、型番、価格、使用燃料の種類等)、制御システムの情報(制御ソフトウェア名、バージョン情報等)が挙げられる。
動的な情報としては、電力資源101の使用履歴、稼働実績、稼働回数(起動、停止)、総稼働時間、燃料費、電力市場の約定情報(約定価格、約定量、市場の種類)、あるいは1回の稼働で見た場合の連続稼働時間の統計値(最小値、最大値、平均値、標準偏差等)等が例示される。あるいは、電力資源101、端末装置102の動作、制御に利用する通信の不確実性の情報を収集することが例示される。
電力資源101、端末装置102の動作に関しては、計測情報を収集することや、同型の機器の異常履歴を収集することが例示される。例えば、総稼働時間と故障率の関係といった情報である。あるいは、電力資源101の所有者の運用ポリシーが例示される。これは予め電力資源101の所有者と、仮想発電アグリゲータ間で交わした契約に基づいて決定される。仮想発電アグリゲータが電力資源101の制御を開始する時刻までの事前通知時間(瞬時でもよい)や、出力値(電力負荷の上げ下げを含む)の上限が例示される。
あるいは、電力資源101の所有者が自家利用を優先して、仮想発電アグリゲータからの指令を拒否してもよいとする。このような契約の場合、電力資源101または所有者における指令拒否実績や、過去の需要パターンといった情報が例示される。あるいは、事前に電力資源101の所有者が電力資源101を利用する予定が既知である場合、事前登録する等して、仮想発電中央装置103へ通知してもよい。これにより、仮想発電中央装置103は電力資源101の利用予定を考慮して配分計画をすることにより、制御システムとしての信頼性を向上することができる。
なお、仮想発電アグリゲータと電力資源101の所有者間の契約の種類としては、前記の事前通知時間の設定と、出力上限の設定や、自家利用による指令拒否の他に、所定の時間帯毎に契約内容を切り替えるといった契約としてもよい。これにより、特定の時間帯は、仮想発電アグリゲータが電力資源101を優先的に利用できる、あるいは利用できないといった制御可否を規定することができる。
通信の不確実性に関しては、仮想発電中央装置103から端末装置102に定期的に通信状況計測パケットを送信して、通信遅延時間や通信到達状況を通知することが例示される。通信遅延を計測する場合は、仮想発電中央装置103と端末装置102間で時刻同期機能を利用して時刻同期することが例示される。このような時刻同期機能としては、IEEE 1588やNTP、SNTPが挙げられる。あるいは、GPS、IRIG−B等の方法が例示される。同期する時刻は、協定世界時のように世界共通の絶対時刻でも構わないし、制御システム内で共通の時刻でもよい。時刻同期した上で、送信時刻(例えば、12時、12時15分、12時30分、12時45分といった15分毎)や通信間隔を決めておけば、それらの時刻、間隔から想定される受信予定時刻にパケットが端末装置102側で受信できていなければ、パケットロスと判定することができる。これは、通信状況計測パケットにシーケンス番号を含め、受信側の端末装置102で受信したパケットのシーケンス番号が連続になっているかどうかで判定してもよい。欠番があれば、パケットロスと判定することができる。これらの通信状況を情報としてもよい。例えば、計測した通信遅延の最小値、最大値、平均値、標準偏差(ばらつきが大きければ、不安定な通信網と考えられる)、該パケットの送信時刻、パケット到達率、通信周期が例示される。送信時刻をあわせて記憶することで、特定の時間帯に限定した統計値、計測値とすることができる。取引相手からの指令を受信した時刻の情報を用いることで、より正確に通信の不確実性を判定することができる。
あるいは、インターネットや公衆網の不確実性に関する情報が例示される。新年、ハロウィン、大晦日、連休、地域に依存する季節性のあるイベントの開催日の日程や期間、地域が例示される。あるいは、社会的に関心の高いイベントやスポーツイベント、音楽イベント等が例示される。あるいはオリンピック等の国際大会といった、地域に依存しない情報でもよい。
あるいは、突発的な事象の情報を収集することが例示される。例えば、大雪、台風、ハリケーン、地震、寒波、熱波といった異常気象が挙げられる。あるいは、交通渋滞、鉄道、飛行機、船舶の運行休止やダイヤ変更などの事象が挙げられる。
これらの情報は手動で入力してもよいし、ポータルサイト等のweb情報や検索ワードのトレンド情報から自動的に判定してもよい。あるいはSNS、ブログ等の情報を用いてもよい。あるいは、緊急の通知サービスを用いてもよい。
また、収集した情報は、その情報を収集した時刻、あるいは計測した時刻、発行した時刻とあわせて記憶することが例示される。これにより、所定時間経過した情報を利用しないという方法を取ることができる。例えば、通信経路の制御情報や機器の稼働情報は、現在では状態が代わり、該通信路、機器が利用できない場合が想定され、これらの事象を考慮することで、制御システムの信頼性を向上することができる。
不確実性判定部123は、以上の情報を用いて、電力資源101の不確実性を判定する。これは、収集した計測値の総数や、時間的変化、計測した点数等を用いることや、係数を乗じる等の所定の計算処理を適用した値や、しきい値との比較結果を用いることが例示される。
あるいは、過去の計測情報と結果(制御失敗や機器故障等)を機械学習やディープラーニング、クラスタリング等の技術によって因果関係を学習した結果を用いてもよい。あるいは、各事象の順序関係や発生の時系列を評価し、不確実性を判定してもよい。
電力資源101に対する配分は、電力資源101の制御可否の不確実性を考慮して計画する。経済性や電力資源の稼働実績等に加えて、電力資源101の制御可否の不確実性に基づいて、電力資源101の優先度ならびに配分割合を決定する。
これは、各電力資源101の経済性(起動コスト、停止コスト、出力変化コスト等)、追従性能(出力の変化速度)、通信の不確実性、電力資源101、端末装置102といった機器装置自身の不確実性を指標化し、重み付けした加重和を比較して、優先順位付けしてもよい。あるいは、指標間で優先順位付けし、ある指標の比較で同じ指標値になった場合に、次の優先度の指標で比較してもよい。例えば、発電コストで優先付けし、同じ発電コストであった電力資源101間の比較を動作成功確率順に順位付けする。なお、優先順位付けは、動作指令対象群のみならず、予備群の電力資源101に対して実施してもよい。
これらの電力資源101の指標値の算出方法は、取引相手からの指令値に応じて変更してもよいし、指令が発行された時間的な条件によって変更してもよい。例えば、指令値を複数の範囲で段階分けし、各段階に重み係数を変えることが例示される。10MWの契約値を2MW毎に区分し、指令値が8MWから10MWの範囲であれば経済性よりも確実性の指標値の重み係数を大きくすることが例示される。あるいは、指令値が0から2MWの範囲であれば、経済性の重み係数を大きくしてもよい。これらの範囲分けは、制御対象の電力資源101の統計情報を用いてもよい。例えば、電力資源101の群を出力別にわけた場合の度数を示すヒストグラムを用いてもよい(度数が急激に変化する出力範囲を用いる)。同様に、指令値の範囲に応じて、動作指令対象を選択してもよい。例えば、出力指令値が大きい値の場合、一定数の電力資源101の群を選択することが必要となる。あるいは、指令値が日中に発行される場合、プロシューマの自家利用における負荷変動の不確実性が高まるため、不確実性の指標に対する重み係数を大きくしてもよい。
あるいは、予測される不確実性に基づいて、重み係数を変更してもよい。例えば、新年といった季節性のイベントに関しては、通信の不確実に対する評価(重み係数)を大きくすることが例示される。
または、不確実性に関する情報が地域性を有する場合(例えば、交通渋滞)は、その地域の電力資源101の評価指標値の算出に反映してもよい。
また、電力市場の情報を評価して配分計画をしてもよい。例えば、約定価格が高く、電力資源101の所有者が、他の電力資源運用サービスと契約している場合、そちらのサービスで活用することが予想されるため、該当する電力資源101の評価値を下げることが例示される。このとき、電力市場の情報に加えて、電力資源101の所有者の契約状況を把握することが例示される。あるいは、電気代や燃料費を評価してもよい。電気代が高い場合や、燃料費が低い場合、電力資源101の所有者は自家利用を優先する可能性が高くなる。そのため、該当する電力資源101の評価指標を下げることが例示される。電気代が低い場合や、燃料費が高い場合は、その逆に該当する電力資源101の評価指標を上げることが例示される。
配分は、要求される条件に基づいて決定する。そのような条件として、出力値、応答時間、出力継続時間等が例示される。これらの条件を満足するように配分を計画する。配分比率に指標値を反映してもよい。この時、電力資源101の制御可否の不確実性を考慮する。各電力資源101の動作確率を算出し、所定しきい値以上の電力資源101を選択し、その中から経済性の基準で最適な組み合わせを決定することが例示される。組み合わせを決定する最適化方式は、全探索、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、タブーリサーチ、粒子群最適化、蟻コロニー最適化、ルールベース制御、人工知能の適用といった方法が例示される。
この時、契約条件によって電力資源101を選択する基準を変更してもよい。例えば、契約によって出力の下限値だけが設定されている場合、過剰に出力してもよいため、動作成功確率が低いが発電コストについても低い電力資源101を選択肢に含めることが例示される。あるいは、契約出力値の上下の逸脱許容範囲が規定されていて、さらにその範囲が狭い場合、条件が厳しくなるため、動作成功確率の高い、確実性の高い電力資源101を選択対象とすることが例示される。
同様に、契約条件に違反した場合のペナルティの許容度に応じて、電力資源101の選択基準を変更してもよい。仮想発電アグリゲータ、電力資源101の所有者にとってペナルティが低い場合は、動作成功確率が低いが発電コストについても低い電力資源101を選択肢に含めることが例示される。
あるいは、各電力資源101の出力を、正規分布等の確率分布で仮定し、その分布に基づいて配分を計画してもよい。例えば、期待値をもとに必要な出力を満足し、かつ、経済性や追従性能を制約条件として、最適化する組み合わせを選択することが例示される。あるいは標準偏差に対して所定の割合を与え、その割合のデータが含まれる値を用いて組み合わせ最適化を適用してもよい。例えば、正規分布を仮定した場合、平均値から標準偏差の2倍の範囲に全体の95%のデータが含まれる。このときの範囲の上限、下限を用いる。また、電力資源101の制御が失敗することを想定し、高速な追従速度を有する電力資源101を予備群として制御してもよい。
電力資源101の運用先は、複数の電力市場、サービスでも構わない。配分計画部124は、与えられた市場、サービスの契約条件下で、所定の基準(例えば、経済的利益)を最大化するように配分計画を立てる。
動作指令対象群の電力資源101及び予備群の電力資源101の動作は、所定の通信プロトコル(IEC 61850、IEC 61850−7−420、OpenADR、ECHONET Lite(登録商標))を用いて自動実行してもよいし、電子メール等の通信手段を用いて電力資源101の所有者に通知し、所有者が手動で制御しても構わない。仮想発電中央装置103への応答も同様である。
仮想発電中央装置103と端末装置102間で通信するパケットフォーマットの例を図9に示す。
図9上段は、仮想発電中央装置103から端末装置102に対して送信する際のフォーマットである。パケット140の構成として、ヘッダ141、出力指令142、補足情報143、テストモード144を含む。
ヘッダ141は、送信先である端末装置102、あるいは端末装置102上で動作するプログラムへパケット140が伝送するために必要な宛先情報である。少なくとも送信先端末装置102あるいは端末装置102上で動作するプログラムの識別子、データ種別を含む。通信プロトコルを階層的に構成する場合、データ種別は、下位プロトコルの識別子を含む。また、データ種別は仮想発電中央装置103から電力資源101に対する出力指令であることを示す。ヘッダ141の例として、通信ネットワーク104で用いられる通信プロトコルのヘッダが例示される。
出力指令142は、仮想発電中央装置103の配分計画部124、電力資源制御部127で算出された発電指令、または電力負荷の増加、低減指令である。
補足情報143は、出力指令142にかかわる補足情報である。例えば、取引相手から通知された出力指令にかかわる情報(出力指令値、出力量、応答時間、継続時間)が例示される。端末装置102は、これらの情報を受信して異常時の対応処理を実行することができる。もし端末装置102において、何らかの異常等により、補足情報143に記載された応答時間内に配分指令値を出力することが困難であると判断した場合、迅速に出力不足の応答を返すことができる。あるいは可能な限り、出力した場合の不足分を応答することができる。
補足情報143の示す情報としては、仮想発電中央装置103における配分計画時の電力資源101、端末装置102の状態に関する情報でもよい。端末装置102が、この情報を受信すれば、指令受信時の電力資源101、端末装置102の状態と、仮想発電中央装置103における配分計画時の状態との差を把握することで、大きなずれがある場合は、端末装置102から仮想発電中央装置103に対して、出力不足や、追加の補正制御が必要であることを通知することができる。このようにすれば、仮想発電中央装置103において迅速に、かつ、必要な補正制御を実施することができ、システムの信頼性を高めることができる。あるいは、端末装置102側で補正制御の要否の判定処理を実行することで、仮想発電中央装置103側の演算負荷を低減することができる。
テストモード144は、例えば、パケット140の出力指令142において通知された指令がテストモードであるか否かを示す真理値(二値)情報と、関連する情報である。この値が真(1)であれば、端末装置102は電力資源101に対して実際の出力をせず、本来の手順にしたがった応答を仮想発電中央装置103に返信することが例示される。あるいは電力資源101、端末装置102がダミー出力やテストモードを具えていれば、該ダミー出力、テストモードで実行し、その結果を仮想発電中央装置103に通知してもよい。テストモード144の関連情報としては、テストモードの指定(複数あれば)や、その設定にかかわる情報が例示される。このようにすれば、仮想発電中央装置103は、電力資源101、端末装置102までの通信状況(通信到達性、遅延計測等)や、電力資源101の健全性をチェックすることができ、システム全体の信頼性を高めることができる。あるいは、パケット140を送信した際の不確実性を判定する各種の情報と、テストモード144のテスト結果を対応付けることで、各情報の因果関係を検証、学習、評価することができる。
図9中段のパケットフォーマットは、仮想発電中央装置103から、配分計画部124が予備群に分類した電力資源101と、その端末装置102に対する通信指令の例である。パケット145は、ヘッダ141、負荷変動固定指令146、余力確保指令147、補足情報143、テストモード144で構成され得る。
負荷変動固定指令146は、電力資源101、端末装置102に対して、負荷の変動パターンの固定化を指令する。これは、一定値でも構わないし、正弦波や所定のデューティー比を持った矩形波や、階段状の出力でも構わない。変動していたとしても、一定時間後、あるいは所定時刻での負荷が算出できる運転パターンを指示する。これは変動範囲(上限値と下限値)の指定でも構わない。出力計画値に比較して、変動範囲が小さければ、配分計画上、一定値と見なすことができる。したがって、負荷変動固定指令146の内容は、負荷に対する一定値や、前記正弦波や矩形波、階段状出力の特徴量(周波数、振幅、位相、デューティー比、上限値、下限値、起点時刻等)を含むことが例示される。その他、変動固定パターンを特定できる情報を含めることが例示される。なお、ここでは負荷の変動パターンの指定としたが、出力の変動パターンの指定でもよい。
余力確保指令147は、電力資源101に対して、余力の確保を指令する。これは余力確保の要求を示す所定値、あるいは真理値(二値)でもよいし、要求する確保量や、余力を確保しておくべき期間、継続時間等の情報を含むことが例示される。
図9下段のパケットフォーマットは、図9上段、中段のパケット140、145等で指令した内容に対するキャンセル指令である。これにより、仮想発電中央装置103は、事前に送信していた出力指令や負荷変動の固定化、余力確保を解除することができる。補足情報143は、キャンセル指令に必要な補足情報である。例えば、キャンセル対象となる出力指令142や負荷変動固定指令146、余力確保指令147を特定、識別するための情報である。そのような情報として、各指令の指令値や、各指令に対して、一意に与える識別子(これはパケット140、145に格納するか、事前に仮想発電中央装置103、端末装置102間で共有する)、あるいはパケット140、145の識別子(例えば、ヘッダ141に基づく情報)が例示される。
このように構成すれば、例えば、仮想発電中央装置103が電力資源101の不確実性に基づいて、電力資源101を制御する際に、一部の電力資源101が期待どおりに動作し、全体として充分な出力が揃った場合に、余剰な電力資源101の出力をキャンセルすることで、より経済的な出力が可能となる。あるいは、各端末装置102との通信の不確実性を考慮し、予備群への補足制御のための出力指令が端末装置102へ通知されない可能性がある場合は、最初から予備群の電力資源101へ出力指令し、過剰な出力を得た場合に、パケット148によって出力をキャンセルしてもよい。このようにすれば、システム全体の信頼性を高めることができる。
なお、パケット140、145、148に対し、いずれも端末装置102は応答を通知することが例示される。この応答は、指令に対する結果(成功または失敗)や、失敗の場合の原因を含めることが例示される。負荷変動固定指令146の場合は、失敗の原因として、発電機や電力負荷の変動が不規則であること、充分に余力、出力を確保できなかったこと、あるいは確保量や不足分の量を応答に含めることが例示される。あるいは補足情報143にて、配分計画時の情報を受信した場合には、現在の状態との差異を応答してもよい。
パケット140、145、148のこれらのパラメータは、別のパケットとして送信してもよい。あるいは、複数の指令(指令識別子142、出力指令142、補足情報143、テストモード144、負荷変動固定指令146、余力確保指令147)を一つのパケットにまとめて送信してもよい。このとき、複数の端末装置102に対する指令を一つのパケットにまとめてもよい。仮に、出力指令142の指令値が同じであれば、出力指令142のフィールドをパケット上の1つのフィールドにまとめることができる。これは、出力指令142、補足情報143、テストモード144、負荷変動固定指令146、余力確保指令147についても同様に一つのフィールドにまとめることができる。このようにすれば、通信帯域を有効活用することができる。
あるいは、パケット140、145、148のこれらのパラメータの一部を送信しなくてもよい。例えば、テストモードを実行しない場合は、テストモード144を送信しなくてもよい。
また、自然変動電源(太陽光発電や風力発電等)である電力資源101を動作指令対象群として制御する場合に、ならし効果による出力の均一化、安定化を期待し、該電力資源101と異なる条件の自然変動電源である電力資源101を、同じく動作指令対象群として選択してもよい。このような条件としては地理的条件(それぞれの電力資源101が遠方に離れている等)が例示されるが、過去の出力履歴から、ならし効果が期待される自然変動電源群を選択してもよい。これは自然変動電源に限定されず、変動する出力、負荷パターンから、ならし効果を期待できる電力資源101同士、あるいは自然変動電源と、非自然変動電源である電力資源101同士の組み合わせを動作指令対象群として選択してもよい。
また、自然変動電源である電力資源101が指令どおりに制御できなかった場合は、仮想発電中央装置103に対して、そのことを返信する。
なお、仮想発電アグリゲータが蓄電池やガスエンジン発電機やガスタービン発電機を有して、補正制御を実行しても契約出力を実行できず、ペナルティが大きい場合は、それらの発電機を運用して、契約出力を満足することが例示される。
以上は、仮想発電所を中心に説明したがアグリゲーションサービス、デマンドレスポンスサービスを含む。
以上詳細に説明した本発明により、電力資源101の不確実性に基づいて、電力資源101を制御することができる。これにより、経済性を考慮しながら、より確実に電力資源101を制御することができる。さらに、応答時間といった制約条件下で、指令配分を計画することができ、電力系統の急峻な変動に対する調整力とすることができる。すなわち、電力資源101を活用した高速応答が可能である。また、需要者の自家優先利用を不確実性として許容することで、統合制御するための電力資源101の数量、種類を増やすことができる。このような電力資源101の統合制御により、電力資源101の有効利用や、電力市場での活用により、電力系統の安定運用に資することができる。
実施例2は、実施例1と比較して、中間装置を設けた構成である。実施例に使用する符号は、特に断りのない限り、実施例1で説明した機能や要素等と同一であることを意味する。
システム構成を図11に示す。
中間装置210は、図9に示すパケットの出力指令142、補足情報143、テストモード144、負荷変動固定指令146、余力確保指令147を変換して、下位の端末装置102に送信してもよい。
中間装置210は、個々の端末装置102の計測値、配分計画部124における配分計画用の指標値を集約して、仮想発電中央装置103に送信することが例示される。例えば中間装置210で補正制御を実行するかどうかを判定するように構成すれば、下位の端末装置102への代替指令の通信遅延が短縮し、制御の実行期限を遅らせることができるため、電力資源101との通信の試行回数を増やすことができ、仮想発電システム実行の信頼性を、より高めることができる。さらに、仮想発電中央装置103の処理負荷を低減できるため、仮想発電中央装置103を低コストに構築することができる。
これにより、通信ネットワーク104に応じた通信量の適正化が(例えば、通信量削減)が可能となる。あるいは、中間装置210で、端末装置102の状態を常時監視し、より実状にあった出力指令を算出することができる。例えば、仮想発電中央装置103が指令を送信後に、電力資源101の状態が変化し、余力が増加した場合や、応答速度や、発電コストが変化した場合である。あるいは、途中で電力資源101、端末装置102が追加、または離脱、一時的な停止の場合である。これは通信ネットワーク104に対する物理的な接続の状態変化だけでなく、電力資源101の所有者が仮想発電所中のアグリゲーションサービスに対して実施する契約変更の両方を含む。状態が頻繁に変化し、端末装置102と仮想発電中央装置103間の通信遅延が大きい場合は、中間装置210を用いることで、より高信頼に仮想発電システムを構築することができる。
あるいは、中間装置210で出力値を変更してもよい。
以上により、中間装置をもうけることで、仮想発電中央装置103の処理負荷を低減する、下位の通信ネットワーク104に適した通信量に変更する、代替出力にかかる遅延を短縮して起動期限を遅らせ、補正制御の試行回数を増やすことができる等の利点により、仮想発電所の制御システムの柔軟な構成、低コストなシステム構築、信頼性を向上させるといった効果を得ることができる。
以上の説明においては、電力系統を制御対象システムとし、分散制御システムの適用により仮想発電所を構成する事例で説明をしたが、本発明の分散制御システムは種々の制御対象システムに適用することができる。
100:電力系統
101:電力資源
102:端末装置
103:仮想発電中央装置
104:通信ネットワーク
111:CPU
112:通信制御部
113:PHY
114:メモリ
115:不揮発性記憶媒体
116:バス
120:通信部
121:情報収集部
122:電力資源情報記憶部
123:不確実性判定部通信部
124:配分計画部
125:選択基準決定部
126:配分計画記憶部
127:電力資源制御部
128:補正制御部
130:状態収集要求信号
131:配分計画
132:状態信号
133:調整力指令
134:制御指令
135:負荷変動固定・余力確保指令
136:補正制御指令
137:出力
138:応答信号
140、145、148:パケット
141:ヘッダ
142:出力指令
143:補足情報
144:テストモード
146:負荷変動固定指令
147:余力確保指令
149:キャンセル指令
150:入出力部
160:電力資源入出力制御部
161:設定記憶部
210:中間装置

Claims (23)

  1. 複数の制御機器を含む制御対象システムに対して適用され、前記制御機器を制御する複数の制御装置が中央装置から通信手段を介して結合されている分散制御システムであって、
    前記中央装置は、前記制御機器ごとに、制御機器の情報と不確実性の情報を収集して記憶する情報記憶部と、少なくとも前記不確実性の情報に基づいて、前記制御機器を前記中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分け、動作指令対象群に定めた前記制御機器に対して、前記不確実性の情報に基づいて、前記制御機器への制御指令の配分を計画する配分計画部と、該配分計画部で定めた前記制御機器に対して配分された制御指令を送信する前記通信手段を含むことを特徴とする分散制御システム。
  2. 請求項1に記載の分散制御システムであって、
    前記中央装置は、少なくとも前記不確実性の情報についてこれを指標化する不確実性判定部と、前記制御機器の情報から選択基準値を定める選択基準決定部を備え、前記指標化した不確実性の情報と前記選択基準値を比較することで前記制御機器を前記中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分けることを特徴とする分散制御システム。
  3. 請求項2に記載の分散制御システムであって、
    異なる観点での前記不確実性の情報について、夫々を指標化し、指標化した複数の前記不確実性の情報から一の評価値を定めて前記選択基準値と比較することを特徴とする分散制御システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分散制御システムであって、
    前記不確実性の情報は、前記制御機器または前記制御装置の故障についての不確実性の情報、または中央装置から制御装置に至る通信部分の通信不確実性の情報、および前記制御機器が前記中央装置からの指令以外の信号により作動している状態を示す自家利用についての不確実性の情報のうち、少なくとも1つ以上について指標化されていることを特徴とする分散制御システム。
  5. 請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の分散制御システムであって、
    前記制御機器の情報について指標化し、指標化した前記制御機器の情報と、指標化した複数の前記不確実性の情報から一の評価値を定めて前記選択基準値と比較することを特徴とする分散制御システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分散制御システムを用いた分散制御方法であって、
    適宜、前記制御機器の情報と不確実性の情報を収集して、前記制御機器を前記不確実性の情報に基づいて前記中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分類しておき、外部から制御指令が与えられたときに、動作指令対象群に分類されている前記制御機器に対して要求された制御指令を前記不確実性の情報に基づいて配分して与えることを特徴とする分散制御方法。
  7. 請求項6に記載の分散制御方法であって、
    前記動作指令対象群に分類されている前記制御機器のみでは、外部から要求された制御指令を達成できない時に、前記予備群に分類された前記制御機器に対しても前記制御機器に対して要求された制御指令を配分して与えることを特徴とする分散制御方法。
  8. 複数の電力資源を含む電力系統に対して適用され、前記電力資源を制御する複数の制御装置が中央装置から通信手段を介して結合されている電力系統の分散制御システムであって、
    前記中央装置は、前記電力資源ごとに、電力資源の情報と不確実性の情報を収集して記憶する情報記憶部と、少なくとも前記不確実性の情報に基づいて、前記電力資源を前記中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分け、動作指令対象群に定めた前記電力資源に対して、前記不確実性の情報に基づいて、前記電力資源への制御指令の配分を計画する配分計画部と、該配分計画部で定めた前記電力資源に対して配分された制御指令を送信する前記通信手段を含むことを特徴とする電力系統の分散制御システム。
  9. 請求項8に記載の電力系統の分散制御システムであって、
    前記中央装置は、少なくとも前記不確実性の情報についてこれを指標化する不確実性判定部と、前記電力資源の情報から選択基準値を定める選択基準決定部と、前記指標化した不確実性の情報と前記選択基準値を比較することで前記電力資源を前記中央装置から制御する動作指令対象群と制御しない予備群とに分けることを特徴とする電力系統の分散制御システム。
  10. 請求項9に記載の電力系統の分散制御システムであって、
    異なる観点での前記不確実性の情報について、夫々を指標化し、指標化した複数の前記不確実性の情報から一の評価値を定めて前記選択基準値と比較することを特徴とする電力系統の分散制御システム。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の電力系統の分散制御システムであって、
    前記不確実性の情報は、前記電力資源または前記制御装置の故障についての不確実性の情報、または中央装置から制御装置に至る通信部分の通信不確実性の情報、および前記電力資源が前記中央装置からの指令以外の信号により作動している状態を示す自家利用についての不確実性の情報のうち、少なくとも1つ以上について指標化されていることを特徴とする電力系統の分散制御システム。
  12. 請求項9または請求項10のいずれか1項に記載の電力系統の分散制御システムであって、
    前記電力資源の情報について指標化し、指標化した前記電力資源の情報と、指標化した複数の前記不確実性の情報から一の評価値を定めて前記選択基準値と比較することを特徴とする電力系統の分散制御システム。
  13. 請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の電力系統の分散制御システムを用いた電力資源の制御方法であって、
    電力資源の制御可否にかかわる不確実性と、電力資源の情報と、をもとに電力資源への指令配分を計画し、電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  14. 請求項13記載の電力資源の制御方法であって、
    前記電力資源の出力要件の範囲条件に基づいて前記電力資源を動作指令対象群として選択するか否かを決定することを特徴とする電力資源の制御方法。
  15. 請求項13記載の電力資源の制御方法であって、
    第一の電力資源とは異なる第二の電力資源に対して負荷変動の固定を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  16. 請求項13記載の電力資源の制御方法であって、
    第一の電力資源とは異なる第二の電力資源に対して出力確保を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  17. 請求項15または請求項16記載の電力資源の制御方法であって、
    第一の電力資源が指令通りに制御できなかった場合に、第二の電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  18. 請求項13記載の電力資源の制御方法であって、
    前記電力資源への指令を解除する指示を送信することを特徴とする電力資源の制御方法。
  19. 請求項13記載の電力資源の制御方法であって、
    指令を送信する通信、前記電力資源、前記電力資源を利用する需要家のいずれか、または複数の不確実性の情報に基づいて、前記電力資源への指令配分を計画し、前記電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  20. 請求項19記載の電力資源の制御方法であって、
    通信を実行する通信網上のイベント情報に基づいて、前記電力資源への指令配分を計画し、前記電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  21. 請求項19記載の電力資源の制御方法であって、
    前記電力資源の機器情報及び稼働実績に基づいて、前記電力資源への指令配分を計画し、前記電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  22. 請求項19記載の電力資源の制御方法であって、
    前記電力資源を利用する需要家の過去の利用実績に基づいて、前記電力資源への指令配分を計画し、前記電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
  23. 請求項19記載の電力資源の制御方法であって、
    交通情報、気象情報のいずれか、または両方の情報に基づいて、前記電力資源への指令配分を計画し、前記電力資源への出力の増減を指示することを特徴とする電力資源の制御方法。
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