JP6779184B2 - 電力小売料金体系策定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力の料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置に関する。
電力の小売自由化を機に、様々な事業者が電力の小売市場に参入している。電力を供給する各小売事業者は、需要家を獲得し、利益を高めるため、様々な料金メニュー及びサービスを提供している。小売事業者がより多くの利益を求めて料金メニューを変更する場合、料金の過剰な値上げは、需要家が他の小売事業者と契約することによる利益の低下を招く可能性がある。料金の過剰な値下げは、小売事業者の利益の減少を引き起こす。したがって、小売事業者は、料金メニューを変更する際、需要家が契約を変更することによる利益の変化量を予測して料金メニューの変更を検討しなければならない。
従来、需要家の属性又は需要家の契約料金プランの変更の意向をもとに、他の小売事業者から需要家を多く獲得する料金メニューを生成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来、料金プランの変更に伴う需要量の変化と、発電に用いられる原材料の市場価格の変動リスクとを考慮し、小売事業者が採算割れする確率を最小化する料金プランを自動生成する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5953419号公報 特開2004−171180号公報
しかしながら、特許文献1において提案されている技術では、料金を下げれば需要家にとって望ましい料金プランが生成されることになるが、料金を下げた場合に小売事業者が当該料金プランをもとに所望する利益を確保することができる保証はない。つまり、特許文献1において提案されている技術では、小売事業者が所望する利益を確保すると共に、需要家にとって望ましい契約を実現することは困難である。特許文献2において提案されている技術では、電気料金の単価の変更に伴う契約数を増大することは困難である。
需要家の契約変更を考慮した上で、小売事業者が利益を確保することに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置が提供されることが、当該小売事業者に要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、需要家の契約変更を考慮した上で、電力を供給する小売事業者が利益を確保することに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部とを有する。本発明は、前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部を更に有する。本発明は、前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家が支払う電気料金を積算した売上と、前記コスト情報、前記将来の契約需要家についての前記既契約需要家情報、及び前記将来の契約需要家についての前記未契約需要家情報をもとに算出される前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストとをもとに、前記第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部を更に有する。本発明は、前記利益算出部によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値以上であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合に前記第1の小売事業者の利益がより大きくなるように前記新料金メニューを修正する利益増大新料金メニュー作成部を更に有する。
本発明によれば、需要家の契約変更を考慮した上で、電力を供給する小売事業者が利益を確保することに寄与する料金メニューを出力することができるという効果が得られる。
実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する需要家行動推定部の動作の概要を示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する需要家行動推定部の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態1における需要特性の一例を示す図 実施の形態1における需要実績データの一例を示す図 実施の形態1における料金メニューの一例を示す図 実施の形態1における未契約需要家情報の一例を示す図 実施の形態1における推定契約需要家情報の一例を示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する利益算出部の動作の概要を示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する利益算出部の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態1におけるコスト情報の一例を示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する需要家行動推定部、利益算出部及び利益増大新料金メニュー作成部を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図 実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置が有する需要家行動推定部、利益算出部及び利益増大新料金メニュー作成部の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図 実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態2における需要特性の一例を示す図 実施の形態2におけるコスト情報の一例を示す図 実施の形態3にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態3にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態4にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態4にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置が有する利益算出部の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態5における供給計画量情報の一例を示す図 実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置が有するバランシンググループ向け利益算出部の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態6におけるバランシンググループの全体の理想供給量情報の一例を示す図 実施の形態6におけるバランシンググループの全体の需要量情報の一例を示す図 実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置の構成と動作の概要とを示す図 実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置の動作の手順を示すフローチャート 実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置が有するオプション取引向け新料金メニュー調整部の動作の手順を示すフローチャート
以下に、実施の形態にかかる電力小売料金体系策定装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1では、電力についての需要家の契約変更を考慮した上で、電力を供給するある小売事業者が利益を確保することに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置1を説明する。以下では、上記のある小売事業者を「第1の小売事業者」と記載する。契約変更は、契約料金プランを継続することと、第1の小売事業者のある料金プランから第1の小売事業者の他の料金プランに変更することと、第1の小売事業者以外の小売事業者の料金プランから第1の小売事業者の料金プランに変更することと、第1の小売事業者の料金プランから第1の小売事業者以外の小売事業者の料金プランに変更することとを含む。
図1は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部11を有する。以下では、第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを「旧料金メニュー」と記載する。電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者である他社が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部12を更に有する。以下では、他社が提供している料金メニューを「他社料金メニュー」と記載する。他社料金メニュー記憶部12は、複数の他社料金メニューの一覧を示す情報を記憶してもよい。
電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者と現在契約している需要家の需要特性を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部13を更に有する。以下では、第1の小売事業者と現在契約している需要家を「既契約需要家」と記載する。需要特性は、需要家の電力の使用についての特性である。需要特性については、後に図5を用いて説明する。既契約需要家情報は、既契約需要家が第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値と、既契約需要家が第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値とを含む。
電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者と現在契約していない需要家の需要特性を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部14を更に有する。以下では、第1の小売事業者と現在契約していない需要家を「未契約需要家」と記載する。未契約需要家情報は、未契約需要家の件数を示す情報を含む。つまり、未契約需要家情報記憶部14は、未契約需要家の件数を示す情報を記憶する。未契約需要家情報は、未契約需要家が第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む。
電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部15を更に有する。新料金メニューは、電力小売料金体系策定装置1の外部から電力小売料金体系策定装置1に与えられたものであってもよいし、電力小売料金体系策定装置1の内部で生成されたものであってもよい。新料金メニューが電力小売料金体系策定装置1の内部で生成されたものである場合、電力小売料金体系策定装置1は、新料金メニュー記憶部15に記憶されている新料金メニューを作成する構成要素を有する。
電力小売料金体系策定装置1は、第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部16と、第1の小売事業者が新料金メニューを提供した際の第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部17とを更に有する。以下では、需要家行動推定部17によって推定された将来の契約需要家を「推定契約需要家」と記載する場合がある。
具体的には、需要家行動推定部17は、旧料金メニュー記憶部11に記憶されている情報と、他社料金メニュー記憶部12に記憶されている情報と、既契約需要家情報記憶部13に記憶されている既契約需要家情報と、未契約需要家情報記憶部14に記憶されている未契約需要家情報と、新料金メニュー記憶部15に記憶されている情報とをもとに、第1の小売事業者が新料金メニューを提供した際の第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する。図1では、推定契約需要家を特定する情報は「推定契約需要家情報」と記載されている。
電力小売料金体系策定装置1は、売上と、第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストとをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部18を更に有する。当該売上は、需要家行動推定部17によって推定された推定契約需要家が支払う電気料金を積算したものである。当該コストは、コスト情報記憶部16に記憶されているコスト情報と、既契約需要家情報記憶部13に記憶されている既契約需要家情報と、未契約需要家情報記憶部14に記憶されている未契約需要家情報とをもとに算出される。当該コストが算出される際に用いられる既契約需要家情報及び未契約需要家情報は、需要家行動推定部17によって推定された推定契約需要家についてのものである。
電力小売料金体系策定装置1は、利益算出部18によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合、現状の新料金メニューを出力する利益増大新料金メニュー作成部19を更に有する。利益増大新料金メニュー作成部19は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合、第1の小売事業者の利益がより大きくなるように現状の新料金メニューを修正する。現状の新料金メニューの一例は、新料金メニュー記憶部15に記憶されている情報が示す新料金メニューである。利益増大新料金メニュー作成部19は、修正した新料金メニューを需要家行動推定部17に出力する。
図2は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1の動作の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、ステップS1の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS2の処理は利益算出部18によって行われ、ステップS3からステップS5までの処理は利益増大新料金メニュー作成部19によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS1において、需要家行動推定部17は、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。推定契約需要家情報は、推定契約需要家を特定する情報である。更に言うと、推定契約需要家情報は、第1の小売事業者との将来の契約が推定される需要家を特定する情報を含む。図3は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する需要家行動推定部17の動作の概要を示す図である。図4は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する需要家行動推定部17の動作の手順を示すフローチャートである。以下では、図4を用いて需要家行動推定部17の動作を説明する。
ステップS11において、需要家行動推定部17は、全既契約需要家について、全既契約需要家の需要特性をもとに、旧料金メニュー、他社料金メニュー及び新料金メニューが構成する各料金プランでの電気料金を計算し、計算結果を記憶する。需要特性は、既契約需要家情報記憶部13において記憶されている既契約需要家情報に含まれている。図5は、実施の形態1における需要特性の一例を示す図である。図5は、各需要家の一ヶ月の時間帯別の平均需要量の一例を示している。図5における「需要家ID」は、各需要家に割り振られている識別子である。IDは、Identificationの略称である。図6は、実施の形態1における需要実績データの一例を示す図である。図5が示す需要特性は、図6が示す需要実績データをもとに算出されたものである。
図7は、実施の形態1における料金メニューの一例を示す図である。当該料金メニューは、旧料金メニュー、他社料金メニュー及び新料金メニューの総称である。図7は、プラン名が「従量課金」であるプランと、プラン名が「夜間割安プラン」であるプランとを含む。図7が示す料金メニューは、基本料金と時間帯別の料金単価とが考慮されたものである。料金メニューは、需要量にしたがって料金単価が変わる段階別の料金が考慮されたものであってもよい。料金メニューは、限定されない。電気料金は、需要特性及び料金メニューを用いて算出される。例えば、需要家IDが「1」である需要家の「夜間割安プラン」での1ヶ月の電気料金は、以下の式により算出される。
(電気料金)=1250+日数×(13.10×0.22+13.10×0.22+・・・+31.66×0.44+・・・+13.10×0.27)
ステップS12において、需要家行動推定部17は、全未契約需要家について、新料金メニューが構成する各料金プランでの電気料金を計算し、計算結果を記憶する。図8は、実施の形態1における未契約需要家情報の一例を示す図である。未契約需要家については、個々の需要家ではなく、類似した需要特性を持つ複数の需要家をひとまとめにし、各まとまりにひとつの未契約需要家IDが割り振られる。未契約需要家についての電気料金は、既契約需要家についての電気料金と同様に算出される。ステップS11及びステップS12の処理は、図3の「電気料金計算処理」に対応する。
ステップS13において、需要家行動推定部17は、全既契約需要家について、現在契約している料金プランでの電気料金と、最も安価な料金プランでの電気料金との差分値eを計算し、差分値eを記憶する。ステップS13では、現在契約している料金プランでの電気料金は「現状の電気料金」と記載されている。例えば、現在契約している料金プランでの電気料金が4,500円であって、最も安価な料金プランでの電気料金が3,000円である場合、下記の式により差分値eは1500である。
差分値e=4500−3000=1500
ステップS13の処理は、図3の「電気料金差分値計算処理」に対応する。
ステップS14において、需要家行動推定部17は、全既契約需要家について、差分値eが離脱閾値より大きいか否かを判定する。離脱閾値は、既契約需要家情報記憶部13に記憶されている既契約需要家情報に含まれている。需要家行動推定部17は、差分値eが離脱閾値より大きいと判定した場合(S14でYes)、差分値eが離脱閾値より大きいと判定した既契約需要家が第1の小売事業者との契約を解消すると判定する(S15)。すなわち、需要家行動推定部17は、差分値eが離脱閾値より大きいと判定した場合(S14でYes)、差分値eが離脱閾値より大きいと判定した既契約需要家に対して「離脱」判定を行う(S15)。例えば、差分値eが1500であって、離脱閾値が1400である場合、需要家行動推定部17は、当該既契約需要家に対して「離脱」判定を行う(S15)。需要家行動推定部17は、差分値eが離脱閾値以下であると判定した場合(S14でNo)、ステップS16の処理を行う。
ステップS16において、需要家行動推定部17は、差分値eが変更閾値より大きいか否かを判定する。変更閾値は、既契約需要家情報記憶部13に記憶されている既契約需要家情報に含まれている。需要家行動推定部17は、差分値eが変更閾値より大きいと判定した場合(S16でYes)、差分値eが変更閾値よりも大きいと判定した既契約需要家が第1の小売事業者との契約内容を変更すると判定する(S17)。すなわち、需要家行動推定部17は、差分値eが変更閾値より大きいと判定した場合(S16でYes)、差分値eが変更閾値よりも大きいと判定した既契約需要家に対して「変更」判定を行う(S17)。例えば、差分値eが1500であって、変更閾値が1400である場合、需要家行動推定部17は、既契約需要家に対して「変更」判定を行う(S17)。
需要家行動推定部17は、差分値eが変更閾値以下であると判定した場合(S16でNo)、差分値eが変更閾値以下であると判定した既契約需要家が第1の小売事業者との契約内容を継続すると判定する(S18)。すなわち、需要家行動推定部17は、差分値eが変更閾値以下であると判定した場合(S16でNo)、差分値eが変更閾値以下であると判定した既契約需要家に対して「継続」判定を行う(S18)。ステップS13からステップS18までの処理は、図3の「既契約需要家行動評価処理」に対応する。
ステップS19において、需要家行動推定部17は、「変更」判定となった既契約需要家の需要特性と全未契約需要家の需要特性との類似度e1を計算する。例えば、需要家行動推定部17は、時間帯別に、「変更」判定となった既契約需要家の需要量と未契約需要家の需要量との差分の絶対値をとり、すべての時間帯の絶対値を積算して類似度e1を計算する。例えば、図5における需要家IDが「1」である既契約需要家が「変更」判定となった場合、需要家行動推定部17は、当該既契約需要家と図8における需要家IDが「1」である未契約需要家との類似度e1を下記の式により計算する。
(類似度e1)=|0.22−0.23|+|0.22−0.25|+・・・+|0.44−0.47|+・・・+|0.33−0.29|+|0.27−0.27|
記号|x|は、xの絶対値である。
需要家行動推定部17は、「変更」判定となった既契約需要家と全未契約需要家の各々とのすべての組み合わせについて類似度e1を計算する。ステップS20において、需要家行動推定部17は、未契約需要家毎に類似度e1があらかじめ定められた流入閾値より小さいか否かを判定する。流入閾値は、未契約需要家情報記憶部14に記憶されている未契約需要家情報に含まれている。流入閾値は、未契約需要家が第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための値である。
需要家行動推定部17は、類似度e1が流入閾値より小さいと判定した場合(S20でYes)、当該未契約需要家が第1の小売事業者と契約すると判定する(S21)。すなわち、需要家行動推定部17は、類似度e1が流入閾値より小さいと判定した場合(S20でYes)、当該未契約需要家に対して「流入」判定を行う(S21)。需要家行動推定部17は、「流入」判定となった未契約需要家の流入先料金プランを「変更」判定となった既契約需要家の変更先料金プランと決定する。需要家行動推定部17は、類似度e1が流入閾値以上であると判定した場合(S20でNo)、当該未契約需要家に対して「流入」判定を行わない。需要家行動推定部17は、当該未契約需要家は第1の小売事業者と契約しないと判断する。ステップS19からステップS21までの処理は、図3の「未契約需要家行動評価処理」に対応する。
なお、1つの未契約需要家に対して「流入」判定が複数回起こる可能性がある。「流入」判定が複数回起こる場合、需要家行動推定部17は、類似度e1が最も小さい場合の既契約需要家の変更先料金プランを当該未契約需要家の流入先料金プランと決定する。既契約需要家IDが「1」及び「2」である二人の既契約需要家のいずれもが「変更」判定となり、未契約需要家IDが「1」である未契約需要家の当該二人の既契約需要家の各々との類似度e1が0.1と0.2とであって、流入閾値が0.3であると仮定する。この場合、需要家行動推定部17は、未契約需要家IDが「1」である未契約需要家の流入先料金プランを既契約需要家IDが「1」である既契約需要家の変更先料金プランと決定する。
ステップS22において、需要家行動推定部17は、「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家と「流入」判定となった未契約需要家との情報を収集する。収集される情報は、推定契約需要家情報である。図9は、実施の形態1における推定契約需要家情報の一例を示す図である。図9では、「継続」判定となった既契約需要家については、現在契約している料金プランでの電気料金が示されており、「変更」判定となった既契約需要家については、変更先料金プランでの電気料金が示されており、「流入」判定となった未契約需要家については、流入先料金プランでの電気料金が示されている。ステップS22の処理は、図3の「推定契約需要家情報収集処理」に対応する。
ステップS11からステップS22までの処理により、需要家行動推定部17は、第1の小売事業者が新料金メニューを提供した際の、第1の小売事業者が将来抱えると推定される需要家の件数と各々の需要家の需要特性とを推定する。つまり、ステップS11からステップS22までの処理により、需要家行動推定部17は、推定契約需要家情報を得る。
図2の説明に戻る。ステップS2において、利益算出部18は、推定契約需要家情報とコスト情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。図10は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する利益算出部18の動作の概要を示す図である。図11は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する利益算出部18の動作の手順を示すフローチャートである。以下では、図11を用いて利益算出部18の動作を説明する。
ステップS31において、利益算出部18は、推定契約需要家情報をもとに、「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家の電気料金と「流入」判定となった未契約需要家の電気料金とを積算し、第1の小売事業者の売上を算出する。「流入」判定となった未契約需要家の電気料金の積算について、例えば、利益算出部18は、ひとつの需要家あたりの電気料金に件数を乗じることによって、又は、当該未契約需要家の全部が流入しないと仮定して、ひとつの需要家あたりの電気料金と、件数に1未満のある補正値をかけた値とを乗じることによって、「流入」判定となった未契約需要家の電気料金を積算する。ある補正値は、正数である。ステップS31の処理は、図10の「電気料金積算処理」に対応する。
ステップS32において、利益算出部18は、「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家の需要特性と、「流入」判定となった未契約需要家の需要特性と、コスト情報とをもとに第1の小売事業者のコストを算出し、算出した結果を記憶する。「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家の需要特性と、「流入」判定となった未契約需要家の需要特性とは、推定契約需要家情報に含まれる。ステップS32の処理は、図10の「コスト算出処理」に対応する。
図12は、実施の形態1におけるコスト情報の一例を示す図である。図12が示すコスト情報では、コストは、固定費と送電コスト単価とを含む。時間帯別の推定契約需要家の総需要量の各々をx1,・・・,x48で表すと、コストは以下の式により算出される。
(コスト)=10034+(0.050×x1+0.051×x2+・・・+0.119×x24+・・・+0.063×x47+0.063×x48)
ステップS33において、利益算出部18は、第1の小売事業者の売上からコストを差し引いて第1の小売事業者の利益を算出する。ステップS33の処理は、図10の「利益算出処理」に対応する。
ステップS31からステップS33までの処理により、利益算出部18は、第1の小売事業者が将来抱えると推定される需要家の件数と需要特性とに基づいた第1の小売事業者の利益を算出する。
図2の説明に戻る。ステップS3において、利益増大新料金メニュー作成部19は、利益算出部18によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。利益増大新料金メニュー作成部19は、当該算出された利益があらかじめ決められた値以上であると判定した場合(S3でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S4)。ステップS4において、例えば、利益増大新料金メニュー作成部19は、現状の新料金メニューを印刷装置に出力し、現状の新料金メニューが印刷された紙を印刷装置から出力させる。利益増大新料金メニュー作成部19は、現状の新料金メニューを表示装置に送信し、現状の新料金メニューを表示装置に表示させてもよい。利益増大新料金メニュー作成部19が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
利益増大新料金メニュー作成部19は、利益算出部18によって算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合(S3でNo)、ステップS5の処理を行う。あらかじめ決められた値は、例えば、第1の小売事業者があらかじめ設定した目標利益以上の値である。実施の形態1の処理が繰り返し行われれば利益はある値に収束するため、あらかじめ決められた値は当該ある値以上の値であってもよい。実施の形態1では、あらかじめ決められた値の設定の方法は限定されない。
ステップS5において、利益増大新料金メニュー作成部19は、第1の小売事業者の利益がより大きくなるように新料金メニューを修正する。つまり、ステップS5において、利益増大新料金メニュー作成部19は、第1の小売事業者の利益をより大きくすることに寄与する料金メニューを作成する。利益増大新料金メニュー作成部19は、例えば、粒子群最適化アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する。電力小売料金体系策定装置1の処理は、ステップS5の処理が行われた後にステップS1に移行する。ステップS5の処理が行われた後のステップS1において、新料金メニューは利益増大新料金メニュー作成部19によって修正された新料金メニューに置き換えられる。
上述した通り、利益算出部18は、第1の小売事業者が将来抱えると推定される需要家の件数と需要特性とに基づいた第1の小売事業者の利益を算出する。利益増大新料金メニュー作成部19は、利益算出部18によって算出された第1の小売事業者の利益があらかじめ決められた値以上であると判定した場合に現状の新料金メニューを出力し、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判定した場合に第1の小売事業者の利益がより大きくなるように新料金メニューを修正する。すなわち、電力小売料金体系策定装置1は、需要家の契約変更を考慮した上で、第1の小売事業者が利益を確保することに寄与する料金メニューを出力することができる。
図13は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路81によって実現される場合の処理回路81を示す図である。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の機能の少なくとも一部は、処理回路81によって実現されてもよい。
処理回路81は、専用のハードウェアである。処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
図14は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合のプロセッサ91を示す図である。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部の機能は、メモリ92に格納されるプログラムを実行するプロセッサ91によって実現されてもよい。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図14には、メモリ92も示されている。
需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ91と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部の機能を実現する。
需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、電力小売料金体系策定装置1は、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を有する。メモリ92に格納されるプログラムは、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の複数の機能について、当該複数の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、当該複数の機能の残部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。このように、需要家行動推定部17、利益算出部18及び利益増大新料金メニュー作成部19の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、需要家の需要が変動すると共に市場における電力の調達にかかるコストが一定でない場合において、需要家の行動を考慮した上で、第1の小売事業者が目標とする利益を達成する確率を高める料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置2を説明する。実施の形態2では、実施の形態1において説明した事項の説明を省略することがある。
図15は、実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置2の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置2は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17と、利益算出部18とを有する。
既契約需要家情報記憶部13に記憶されている既契約需要家情報は、複数の既契約需要家についての需要特性を含む。未契約需要家情報記憶部14に記憶されている未契約需要家情報は、未契約需要家についての複数の需要特性を含む。コスト情報記憶部16は、複数のコスト情報を記憶する。既契約需要家情報が複数の既契約需要家の各々についての需要特性を含み、未契約需要家情報が未契約需要家についての複数の需要特性を含み、コスト情報記憶部16が複数のコスト情報を記憶するので、利益算出部18は、複数個の利益を算出する。
電力小売料金体系策定装置2は、第1の小売事業者の目標利益を示す情報を記憶する目標利益記憶部21を更に有する。第1の小売事業者の目標利益は、第1の小売事業者が目標とする利益である。電力小売料金体系策定装置2は、目標利益記憶部21に記憶されている情報が示す目標利益が達成される確率である目標利益達成確率を算出するリスク算出部22を更に有する。つまり、リスク算出部22は、需要家の需要が変動すると共に市場における電力の調達にかかるコストが一定でないこととにさらされる第1の小売事業者が目標とする利益を達成する確率を算出する。以下では、リスク算出部22によって算出される確率を「目標利益達成確率」と記載する。図15においても、リスク算出部22によって算出される確率は「目標利益達成確率」と記載されている。具体的には、リスク算出部22は、利益算出部18によって算出された複数個の利益のうちの目標利益より大きい利益の個数を当該複数個に対応する個数で割ることによって目標利益達成確率を算出する。当該複数個が「100個」であれば、当該複数個に対応する個数は「100」である。
電力小売料金体系策定装置2は、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23を更に有する。当該あらかじめ決められた値は、限定されない。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合、実施の形態1の利益増大新料金メニュー作成部19と同様に、現状の新料金メニューを出力する。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値より低いと判断した場合、リスク算出部22によって算出される目標利益達成確率がより高くなるように現状の新料金メニューを修正する。
図16は、実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置2の動作の手順を示すフローチャートである。図16のフローチャートにおいて、ステップS41の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS42の処理は利益算出部18によって行われ、ステップS43及びステップS44の処理はリスク算出部22によって行われ、ステップS45からステップS47までの処理は目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS41において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。図17は、実施の形態2における需要特性の一例を示す図である。図17が示す需要特性は、既契約需要家情報に含まれている。図17は、需要家の需要が変動する場合の需要特性を示している。図17では、各需要家について異なる需要特性の各々に識別子であるサンプルIDが割り振られている。実施の形態2では、需要家行動推定部17は、図17が示す需要特性を用いて需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。つまり、需要家行動推定部17は、ステップS41において、サンプルID毎に需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。
ステップS42において、利益算出部18は、実施の形態1において説明した通り、推定契約需要家情報とコスト情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。図18は、実施の形態2におけるコスト情報の一例を示す図である。図18は、市場における電力の調達にかかるコストが一定でないことを示している。つまり、図18は、複数のコスト情報を示している。図18では、複数のコスト情報の各々に識別子であるサンプルIDが割り振られている。ステップS42において、利益算出部18は、複数のコスト情報のうちのいずれか1個のコスト情報を用いて第1の小売事業者の利益を算出する。
ステップS43において、リスク算出部22は、複数のコスト情報のすべてが用いられて利益算出部18によって複数のコスト情報のすべてに対応する第1の小売事業者の利益が算出されたか否かを判定する。言い換えると、ステップS43において、リスク算出部22は、全てのサンプルに対して計算したか否かを判定する。例えば、4個のサンプルIDが存在すると共に25個のコスト情報が存在する場合、リスク算出部22は、利益算出部18によって第1の小売事業者の100通りの利益が算出されたか否かを判定する。複数のコスト情報のすべてが用いられて第1の小売事業者の利益が算出されていないとリスク算出部22によって判定された場合(S43でNo)、電力小売料金体系策定装置2の処理はステップS42に移行する。複数のコスト情報のすべてが用いられて第1の小売事業者の利益が算出されたとリスク算出部22によって判定された場合(S43でYes)、電力小売料金体系策定装置2の処理はステップS44に移行する。
ステップS44において、リスク算出部22は、以下の通りに目標利益達成確率を算出する。利益算出部18によって、100通りの利益が算出されたことを仮定する。加えて、利益算出部18によって算出された100通りの利益がy1,・・・,y100と表され、あらかじめ設定された目標利益がpであると仮定する。この場合、リスク算出部22は、pより大きいyiの数を100で割って目標利益達成確率を算出する。iは、1から100までの整数である。つまり、ステップS44において、リスク算出部22は、利益算出部18によって算出された複数個の利益のうちの目標利益より大きい利益の個数を当該複数個に対応する個数で割ることによって目標利益達成確率を算出する。当該複数個が「100個」であれば、当該複数個に対応する個数は「100」である。
ステップS41からステップS44までの処理により、第1の小売事業者が新料金メニューを提供した際に、需要家の需要特性が変動すると共に市場における電力の調達にかかるコストが一定でない場合における第1の小売事業者が目標とする利益が達成される確率が算出される。
ステップS45において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、上記の算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値以上であると判定した場合(S45でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S46)。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、上記の算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値より低いと判定した場合(S45でNo)、ステップS47の処理を行う。ステップS47において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、リスク算出部22によって算出される目標利益達成確率がより高くなるように新料金メニューを修正する。つまり、ステップS47において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、目標利益達成確率をより高くすることに寄与する料金メニューを作成する。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、例えば、粒子群最適化アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する。
電力小売料金体系策定装置2の処理は、ステップS47の処理が行われた後にステップS41に移行する。ステップS47の処理が行われた後のステップS41において、新料金メニューは目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって修正された新料金メニューに置き換えられる。
上述した通り、利益算出部18は、サンプルID毎に複数のコスト情報のすべてに対応する第1の小売事業者の利益を算出する。リスク算出部22は、利益算出部18によって得られた利益をもとに目標利益達成確率を算出する。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率があらかじめ決められた値以上であると判定した場合に現状の新料金メニューを出力し、上記の算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値より低いと判定した場合に目標利益達成確率がより高くなるように新料金メニューを修正する。すなわち、電力小売料金体系策定装置2は、需要家の需要が変動すると共に市場における電力の調達にかかるコストが一定でない場合、第1の小売事業者が目標とする利益を達成する確率を高める料金メニューを出力することができる。
電力小売料金体系策定装置2が有する需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22及び目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22及び目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22及び目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22及び目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置2は、需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22及び目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
実施の形態3.
実施の形態3では、需要家が蓄電設備を有することを想定する。実施の形態3では、需要家の行動を推定し、需要家に蓄電設備への蓄電を促すことで、第1の小売事業者が目標利益を達成する確率をより高める料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置3を説明する。実施の形態3では、実施の形態1及び2のいずれかにおいて説明した事項の説明を省略することがある。
図19は、実施の形態3にかかる電力小売料金体系策定装置3の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置3は、実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置2が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17と、利益算出部18と、目標利益記憶部21と、リスク算出部22と、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23とを有する。
電力小売料金体系策定装置3は、需要家に蓄電を促すことができるように、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23が修正を行うことによって得られた新料金メニューの料金を需要家の蓄電量をもとに減額して当該修正された新料金メニューを調整する新料金メニュー調整部31を更に有する。
図20は、実施の形態3にかかる電力小売料金体系策定装置3の動作の手順を示すフローチャートである。図20のフローチャートにおいて、ステップS51の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS52の処理は利益算出部18によって行われ、ステップS53及びステップS54の処理はリスク算出部22によって行われる。ステップS55からステップS57までの処理は目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって行われ、ステップS58の処理は、新料金メニュー調整部31によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS51において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。ステップS52において、利益算出部18は、実施の形態1において説明した通り、推定契約需要家情報とコスト情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。
ステップS53において、リスク算出部22は、実施の形態2のステップS43の処理と同様に、複数のコスト情報のすべてが用いられて利益算出部18によって複数のコスト情報のすべてに対応する第1の小売事業者の利益が算出されたか否かを判定する。すなわち、ステップS53において、リスク算出部22は、全てのサンプルに対して計算したか否かを判定する。100個のコスト情報が存在する場合、リスク算出部22は、図17のサンプルID毎に、利益算出部18によって第1の小売事業者の100通りの利益が算出されたか否かを判定する。
複数のコスト情報のすべてが用いられて第1の小売事業者の利益が算出されていないとリスク算出部22によって判定された場合(S53でNo)、電力小売料金体系策定装置3の処理はステップS51に移行する。複数のコスト情報のすべてが用いられて第1の小売事業者の利益が算出されたとリスク算出部22によって判定された場合(S53でYes)、電力小売料金体系策定装置3の処理はステップS54に移行する。ステップS54において、リスク算出部22は、実施の形態2のステップS44の処理と同様に、目標利益達成確率を算出する。
ステップS55において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、実施の形態2のステップS45の処理と同様に、リスク算出部22によって算出された目標利益達成確率があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、上記の算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値以上であると判定した場合(S55でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S56)。目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、上記の算出された目標利益達成確率が当該あらかじめ決められた値より低いと判定した場合(S55でNo)、ステップS57の処理を行う。ステップS57において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、目標利益達成確率がより高くなるように新料金メニューを修正する。つまり、ステップS57において、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23は、目標利益達成確率をより高くする料金メニューを作成する。
ステップS58において、新料金メニュー調整部31は、需要家に蓄電を促すことができるように、ステップS57において目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって修正された新料金メニューを調整する。例えば、新料金メニュー調整部31は、供給コストが相対的に低い時間帯の料金については、ステップS57において修正された新料金メニューの料金に(1−η)を乗じた料金にして当該修正された新料金メニューを調整する。ηは、下記の式により定義される。
η=(蓄電池容量)/(需要家毎平均使用量)×(調整パラメータk)
ηが意味することは、各需要家の相対的な蓄電能力である。つまり、蓄電設備を持ち、蓄電に余裕があるとみなせる需要家ほど、充電を促すような料金プランが得られる。
供給コストが相対的に高い時間帯の料金については、新料金メニュー調整部31は、当該修正された新料金メニューの料金に1未満の正数εを乗じた料金にして当該修正された新料金メニューを調整する。供給コストが相対的に低い時間帯の一例は夜間であり、供給コストが相対的に高い時間帯は朝又は夕方である。すなわち、新料金メニュー調整部31は、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって修正された新料金メニューの料金を需要家の蓄電量をもとに減額する。
電力小売料金体系策定装置3の処理は、ステップS58の処理が行われた後にステップS51に移行する。ステップS58の処理が行われた後のステップS51において、新料金メニューはステップS58において新料金メニュー調整部31によって得られた新料金メニューに置き換えられる。
上述した通り、新料金メニュー調整部31は、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23によって修正された新料金メニューの料金を需要家の蓄電量をもとに減額する。すなわち、電力小売料金体系策定装置3は、蓄電設備への蓄電を需要家に促すことで、第1の小売事業者が目標利益を達成する確率をより高める料金メニューを出力することができる。更に言うと、電力小売料金体系策定装置3は、実施の形態2にかかる電力小売料金体系策定装置2より目標利益達成確率を向上させる可能性を有する料金メニューを出力することができる。
電力小売料金体系策定装置3が有する需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23及び新料金メニュー調整部31を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23及び新料金メニュー調整部31の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23及び新料金メニュー調整部31の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23及び新料金メニュー調整部31の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置3は、需要家行動推定部17、利益算出部18、リスク算出部22、目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部23及び新料金メニュー調整部31の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
実施の形態4.
実施の形態4では、第1の小売事業者が設定した利益を確保しつつ、推定契約需要家の件数をより多くすることに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置4を説明する。実施の形態4では、実施の形態1から3までのいずれかにおいて説明した事項の説明を省略することがある。
図21は、実施の形態4にかかる電力小売料金体系策定装置4の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置4は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17と、利益算出部18とを有する。
電力小売料金体系策定装置4は、利益算出部18によって得られた利益が第1の小売事業者によって設定された制約条件を満足しているか否かを判定する制約条件判定部41を更に有する。電力小売料金体系策定装置4は、上記の利益が当該制約条件を満足していないと制約条件判定部41によって判定された場合、利益算出部18によって得られる利益が当該制約条件を満足するように現状の新料金メニューを修正する契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42を更に有する。
契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、上記の利益が当該制約条件を満足していると制約条件判定部41によって判定された場合、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。当該あらかじめ決められた値は、限定されない。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合、実施の形態1の利益増大新料金メニュー作成部19と同様に、現状の新料金メニューを出力する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値より少ないと判断した場合、推定契約需要家の件数がより多くなるように現状の新料金メニューを修正する。
図22は、実施の形態4にかかる電力小売料金体系策定装置4の動作の手順を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、ステップS61の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS62の処理は利益算出部18によって行われ、ステップS63の処理は制約条件判定部41によって行われ、ステップS64からステップS67までの処理は契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS61において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。ステップS62において、利益算出部18は、実施の形態1において説明した通り、推定契約需要家情報とコスト情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。
ステップS63において、制約条件判定部41は、利益算出部18によって得られた利益が、第1の小売事業者が設定した制約条件を満足しているか否かを判定する。例えば、利益が1,000,000円を超えれば制約条件が満足すると定められている場合、利益算出部18によって得られた利益が1,000,000円を超えたときに制約条件は満たされる。利益算出部18によって得られた利益が制約条件を満足していないと制約条件判定部41によって判定された場合(ステップS63でNo)、電力小売料金体系策定装置4の処理はステップS64に移行する。利益算出部18によって得られた利益が制約条件を満足していると制約条件判定部41によって判定された場合(ステップS63でYes)、電力小売料金体系策定装置4の処理はステップS65に移行する。
ステップS64において、契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、利益算出部18によって得られる利益が制約条件を満足するように現状の新料金メニューを修正する。つまり、ステップS64において、契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、利益算出部18によって得られる利益が制約条件を満足する料金メニューを作成する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、例えば、制約付き粒子群最適化アルゴリズム又は制約遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する。電力小売料金体系策定装置4の処理は、ステップS64の処理が行われた後にステップS61に移行する。ステップS64の処理が行われた後のステップS61において、新料金メニューはステップS64において修正された新料金メニューに置き換えられる。
ステップS65において、契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であると判断した場合(S65でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S66)。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値より少ないと判断した場合(S65でNo)、ステップS67の処理を行う。
推定契約需要家の件数は、「変更」判定、「継続」判定及び「流入」判定となった需要家の件数を積算したものから、「離脱」判定となった需要家の件数を差し引くことによって得られる。流入する需要家については、「流入」判定となった需要家の件数そのものが用いられてもよいし、「流入」判定となった需要家のすべてが流入しないと仮定して、1未満のある補正値を「流入」判定となった需要家の件数に乗じたものが用いられてもよい。補正値は、正数である。
ステップS67において、契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家件数がより多くなるように現状の新料金メニューを修正する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、例えば、粒子群最適化アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する。電力小売料金体系策定装置4の処理は、ステップS67の処理が行われた後にステップS61に移行する。ステップS67の処理が行われた後のステップS61において、新料金メニューはステップS67において修正された新料金メニューに置き換えられる。
上述した通り、制約条件判定部41は、利益算出部18によって得られた利益が制約条件を満足しているか否かを判定する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、上記の利益が当該制約条件を満足していると制約条件判定部41によって判定された場合、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、上記の利益が制約条件を満足していないと制約条件判定部41によって判定された場合、上記の利益が当該制約条件を満足するように現状の新料金メニューを修正する。
契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、上記の利益が制約条件を満足していると制約条件判定部41によって判定された場合、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値以上であると判断した場合、現状の新料金メニューを出力する。契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42は、推定契約需要家の件数があらかじめ決められた値より少ないと判断した場合、推定契約需要家件数がより多くなるように現状の新料金メニューを修正する。すなわち、電力小売料金体系策定装置4は、第1の小売事業者が設定した利益を確保しつつ、推定契約需要家の件数をより多くすることに寄与する料金メニューを出力することができる。第1の小売事業者は、需要家のシェアを拡大することができる。
電力小売料金体系策定装置4が有する需要家行動推定部17、利益算出部18、制約条件判定部41及び契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18、制約条件判定部41及び契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益算出部18、制約条件判定部41及び契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益算出部18、制約条件判定部41及び契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置4は、需要家行動推定部17、利益算出部18、制約条件判定部41及び契約需要家件数増大新料金メニュー作成部42の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
実施の形態5.
実施の形態5では、第1の小売事業者が30分同時同量を達成できなかった場合に課されるインバランス料金を考慮して、第1の小売事業者の利益をより大きくすることに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置5を説明する。実施の形態5では、実施の形態1から4までのいずれかにおいて説明した事項の説明を省略することがある。
図23は、実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置5の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置5は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17とを有する。
電力小売料金体系策定装置5は、第1の小売事業者が広域機関に提示する供給計画量を示す供給計画量情報を記憶する供給計画量情報記憶部51を更に有する。供給計画量は、小売事業者が供給計画量情報を電力広域的運営推進機関に提示する需要予測量である。電力小売料金体系策定装置5は、需要家行動推定部17によって推定された将来の契約需要家が支払う電気料金を積算して売上を算出し、算出された売上とインバランス料金の支払いを含む第1の小売事業者にかかるコストとをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部52を更に有する。利益算出部52は、第1の小売事業者の利益を算出する際、需要家行動推定部17によって得られた推定契約需要家情報と、コスト情報記憶部16に記憶されているコスト情報と、供給計画量情報記憶部51に記憶されている供給計画量情報とを用いる。
電力小売料金体系策定装置5は、利益算出部52によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合、実施の形態1の利益増大新料金メニュー作成部19と同様に、現状の新料金メニューを出力する利益増大新料金メニュー作成部53を更に有する。当該あらかじめ決められた値は、例えば、第1の小売事業者が設定した値である。電力小売料金体系策定装置5が後述する処理を繰り返し行えば第1の小売事業者の利益はある値に収束するため、あらかじめ決められた値は当該ある値であってもよい。当該あらかじめ決められた値は、限定されない。利益増大新料金メニュー作成部53は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合、利益算出部52によって算出される利益がより大きくなるように現状の新料金メニューを修正する。
図24は、実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置5の動作の手順を示すフローチャートである。図24のフローチャートにおいて、ステップS71の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS72の処理は利益算出部52によって行われ、ステップS73からステップS75までの処理は利益増大新料金メニュー作成部53によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS71において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。
ステップS72において、利益算出部52は、需要家行動推定部17によって得られた推定契約需要家情報と、コスト情報記憶部16に記憶されているコスト情報と、供給計画量情報記憶部51に記憶されている供給計画量情報とをもとに、インバランス料金を含めた第1の小売事業者の利益を算出する。推定契約需要家情報は、需要家行動推定部17によって推定された将来の契約需要家を特定する情報である。図25は、実施の形態5にかかる電力小売料金体系策定装置5が有する利益算出部52の動作の手順を示すフローチャートである。
ステップS81において、実施の形態1の利益算出部18が図11のステップS31の処理を行う場合と同様に、利益算出部52は、推定契約需要家情報をもとに、「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家の電気料金と「流入」判定となった未契約需要家の電気料金とを積算することによって第1の小売事業者の売上を算出し、当該売上を記憶する。
ステップS82において、実施の形態1の利益算出部18が図11のステップS32の処理を行う場合と同様に、利益算出部52は、「変更」判定及び「継続」判定となった既契約需要家の需要特性と、「流入」判定となった未契約需要家の需要特性と、コスト情報とをもとに、第1の小売事業者のコストを算出して記憶する。
ステップS83において、利益算出部52は、推定契約需要家情報、供給計画量情報、スポット市場価格と1時間前市場価格の30分毎の加重平均、α値及びβ値をもとに、第1の小売事業者のインバランス料金を算出する。図26は、実施の形態5における供給計画量情報の一例を示す図である。上述の通り、供給計画量は、小売事業者が供給計画量情報を電力広域的運営推進機関に提示する需要予測量である。実際の需要量が供給計画量より少ない場合、小売事業者はインバランス料金を支払う必要がある。
インバランス料金は、供給計画量と実際の需要量との差にインバランス精算単価を掛けたものである。各時間帯におけるインバランス精算単価は、以下の式により計算される。
(インバランス精算単価)=(スポット市場価格と1時間前市場価格の30分毎の加重平均)×α+β
αは、系統全体の需給状況にしたがった調整のための値であって、日本卸電力取引所によって公開されている。上記の計算式では、αについては、例えば過去のαの値から推定された値が用いられる。βは地域毎の需給調整コストの水準差を反映する値であって、上記の計算式では、βについては、例えば過去のβの値から推定された値が用いられる。
推定契約需要家情報の需要特性に基づいた当該ある時間帯の総需要量がxであって、当該ある時間帯の供給計画量がyであり、スポット市場価格と1時間前市場価格の30分前の加重平均の予測値がzであると仮定する。当該ある時間帯におけるインバランス料金は、以下の計算式によって計算される。
(当該ある時間帯におけるインバランス料金)=|x−y|×(z×α+β)
時間帯別のインバランス料金を1日分又は1ヶ月分について計算すれば、1日分又は1ヶ月分のインバランス料金を計算することができる。インバランス料金を考慮する期間は、小売事業者の利益を算出する際の期間に依存する。インバランス料金を考慮する期間は、限定されない。
ステップS84において、利益算出部52は、下記の式によって第1の小売事業者の利益を算出する。
(利益)=(売上)−(コスト)−(インバランス料金)
ステップS81からステップS84までの処理により、インバランス料金が考慮された第1の小売事業者の利益が算出される。
図24の説明に戻る。ステップS73において、利益増大新料金メニュー作成部53は、利益算出部52によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。利益増大新料金メニュー作成部53は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合(S73でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S74)。利益増大新料金メニュー作成部53が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
利益増大新料金メニュー作成部53は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合(S73でNo)、利益算出部52によって算出される利益がより大きくなるように新料金メニューを修正する。利益増大新料金メニュー作成部53は、例えば、粒子群最適化アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する(S75)。
電力小売料金体系策定装置5の処理は、ステップS75の処理が行われた後にステップS71に移行する。ステップS75の処理が行われた後のステップS71において、新料金メニューはステップS75において修正された新料金メニューに置き換えられる。
上述したように、利益算出部52は、インバランス料金の支払いを考慮して第1の小売事業者の利益を算出する。利益増大新料金メニュー作成部53は、利益算出部52によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であると判断した場合、現状の新料金メニューを出力し、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合、利益算出部52によって算出される利益がより大きくなるように現状の新料金メニューを修正する。すなわち、電力小売料金体系策定装置5は、インバランス料金を考慮して、第1の小売事業者の利益をより大きくすることに寄与する料金メニューを出力することができる。
電力小売料金体系策定装置5が有する需要家行動推定部17、利益算出部52及び利益増大新料金メニュー作成部53を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部52及び利益増大新料金メニュー作成部53の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益算出部52及び利益増大新料金メニュー作成部53の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益算出部52及び利益増大新料金メニュー作成部53の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置5は、需要家行動推定部17、利益算出部52及び利益増大新料金メニュー作成部53の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
実施の形態6.
実施の形態6では、バランシンググループに関連する事項を説明する。バランシンググループは、インバランスの算定の対象となる単位のことである。電力の供給が不足する事態が起こることを防止するため、電力の小売事業者は送配電会社と需要量についてやり取りを行う。小売事業者と送配電会社とのやり取りは単純なものではなく、小売事業者にとって、事務作業及び組織統治について負担が増える。当該負担を抑制するために、複数の小規模な小売事業者がひとつのグループを組成し、当該グループのなかで幹事となる小売事業者がグループの代表となって送配電会社とやり取りを行う場合がある。幹事となる小売事業者は、送配電事業者とのやり取りによりコストが増大する影響を受ける代わりに、発電の能力に合わせた需要量を持つ需要家を獲得することができる可能性が比較的高まるため、利益率が向上することを期待することができる。
実施の形態6では、第1の小売事業者がバランシンググループの幹事であることを想定し、バランシンググループの全体が供給量と同量の総需要量を持つ需要家集合を獲得すると共に第1の小売事業者の利益率が向上することに寄与する料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置6を説明する。当該総需要量は、バランシンググループを組成するすべての需要家の需要量を積算したものである。実施の形態6では、実施の形態1から5までのいずれかにおいて説明した事項の説明を省略することがある。
図27は、実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置6の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置6は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17と、利益増大新料金メニュー作成部19とを有する。
電力小売料金体系策定装置6は、需要家行動推定部17によって推定された将来の契約需要家が支払う電気料金を積算した売上と、第1の小売事業者にかかるコストとをもとに、第1の小売事業者の利益を算出するバランシンググループ向け利益算出部61を更に有する。図27では、バランシンググループ向け利益算出部61は、「BG向け利益算出部61」と記載されている。電力小売料金体系策定装置6は、バランシンググループ内の各小売事業者にとっての理想的な供給量を示す情報である理想供給量情報を記憶する理想供給量情報記憶部62と、バランシンググループ内の各小売事業者が抱える需要家の総需要量を示す情報である需要量情報を記憶する需要量情報記憶部63とを更に有する。
図28は、実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置6の動作の手順を示すフローチャートである。図28のフローチャートにおいて、ステップS91の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS92の処理はバランシンググループ向け利益算出部61によって行われ、ステップS93からステップS95までの処理は利益増大新料金メニュー作成部19によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS91において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。
ステップS92において、バランシンググループ向け利益算出部61は、需要家行動推定部17によって得られた推定契約需要家情報と、コスト情報記憶部16に記憶されているコスト情報と、理想供給量情報記憶部62に記憶されている理想供給量情報と、需要量情報記憶部63に記憶されている需要量情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。図29は、実施の形態6にかかる電力小売料金体系策定装置6が有するバランシンググループ向け利益算出部61の動作の手順を示すフローチャートである。以下では、図29を用いてバランシンググループ向け利益算出部61の動作を説明する。
ステップS101において、バランシンググループ向け利益算出部61は、理想供給量情報記憶部62に記憶されている理想供給量情報をもとに、バランシンググループの全体の理想供給量情報を作成する。図29では、バランシンググループは「BG」と記載されている。図30は、実施の形態6におけるバランシンググループの全体の理想供給量情報の一例を示す図である。図30は、各小売事業者の時間帯別の理想的な供給量を示している。小売事業者がある供給量の電力を供給したときに利益率が最も高くなる場合、理想的な供給量は当該ある供給量である。図30では、各小売事業者が独自に算出した理想的な供給量が示されている。バランシンググループの全体の理想供給量は、各小売事業者の理想的な供給量を積算したものである。例えば、00:30におけるバランシンググループの全体の理想供給量は以下の通りに計算される。
(00:30におけるバランシンググループの全体の理想供給量)
=273114+264434+・・・
ステップS102において、バランシンググループ向け利益算出部61は、需要量情報記憶部63に記憶されている需要量情報と、需要家行動推定部17によって得られた推定契約需要家情報とをもとに、バランシンググループの全体の需要量情報を作成する。図31は、実施の形態6におけるバランシンググループの全体の需要量情報の一例を示す図である。図31は、幹事である第1の小売事業者以外のバランシンググループの各小売事業者の時間帯別の需要量を示している。幹事である第1の小売事業者の需要量は、推定契約需要家情報に含まれる需要特性をもとに計算される。
バランシンググループの全体の需要量は、バランシンググループを組成するすべての小売事業者の需要量を積算したものである。例えば、幹事である第1の小売事業者の00:30における需要量がdであると仮定すると、00:30におけるバランシンググループの全体の需要量は以下の通りに計算される。
(00:30におけるバランシンググループの全体の需要量)
=d+272134+283820+・・・
ステップS103において、バランシンググループ向け利益算出部61は、バランシンググループの全体の理想供給量とバランシンググループの全体の需要量との差分の絶対値を計算する。例えば、00:30における差分の絶対値は以下の通り算出される。
(00:30における差分の絶対値)
=|(273114+264434+・・・)−(d+272134+283820+・・・)|
|x|は、xの絶対値である。
ステップS104において、バランシンググループ向け利益算出部61は、ステップS103において算出した差分の絶対値に調整パラメータを掛けてバランシンググループ向けコストを計算する。バランシンググループ向けコストは、バランシンググループの全体の理想供給量がバランシンググループの全体の需要量に近いほど、小さくなる。
ステップS105において、バランシンググループ向け利益算出部61は、実施の形態1のステップS31の処理と同様に、推定契約需要家情報をもとに、「変更」判定、「継続」判定及び「流入」判定となった需要家の電気料金を積算し、第1の小売事業者の売上を算出する。ステップS106において、バランシンググループ向け利益算出部61は、実施の形態1のステップS32の処理と同様に、推定契約需要家情報の需要特性と、コスト情報とをもとに第1の小売事業者のコストを算出する。
ステップS107において、バランシンググループ向け利益算出部61は、売上から、バランシンググループ向けコストと、第1の小売事業者のコストとを差し引いて第1の小売事業者の利益を算出する。バランシンググループ向け利益算出部61は、図29の処理により、第1の小売事業者がバランシンググループの幹事である場合の第1の小売事業者の利益を算出する。
図28の説明に戻る。ステップS93において、利益増大新料金メニュー作成部19は、バランシンググループ向け利益算出部61によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断する。利益増大新料金メニュー作成部19は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値以上であると判断した場合(S93でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S94)。利益増大新料金メニュー作成部19が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
利益増大新料金メニュー作成部19は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合(S93でNo)、バランシンググループ向け利益算出部61によって算出される利益がより大きくなるように現状の新料金メニューを修正する(S95)。利益増大新料金メニュー作成部19は、例えば、粒子群最適化アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて新料金メニューを修正する。
電力小売料金体系策定装置6の処理は、ステップS95の処理が行われた後にステップS91に移行する。ステップS95の処理が行われた後のステップS91において、新料金メニューはステップS95において利益増大新料金メニュー作成部19によって修正された新料金メニューに置き換えられる。
上述した通り、バランシンググループ向け利益算出部61は、第1の小売事業者がバランシンググループの幹事である場合の第1の小売事業者の利益を算出する。利益増大新料金メニュー作成部19は、バランシンググループ向け利益算出部61によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であると判断した場合に現状の新料金メニューを出力し、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合にバランシンググループ向け利益算出部61によって算出される利益がより大きくなるように現状の新料金メニューを修正する。したがって、電力小売料金体系策定装置6は、第1の小売事業者がバランシンググループの幹事である場合において、バランシンググループの全体が供給量と同量の総需要量を持つ需要家集合を獲得すると共に第1の小売事業者の利益率が向上することに寄与する料金メニューを出力することができる。
電力小売料金体系策定装置6が有する需要家行動推定部17、利益増大新料金メニュー作成部19及びバランシンググループ向け利益算出部61を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益増大新料金メニュー作成部19及びバランシンググループ向け利益算出部61の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益増大新料金メニュー作成部19及びバランシンググループ向け利益算出部61の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益増大新料金メニュー作成部19及びバランシンググループ向け利益算出部61の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置6は、需要家行動推定部17、利益増大新料金メニュー作成部19及びバランシンググループ向け利益算出部61の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
実施の形態7.
実施の形態7では、日本において電力のオプション取引市場が開設された場合を想定する。オプション取引を活用すれば、小売事業者は利益を上げることを期待することができる。例えば、小売事業者がプットオプションを購入すれば、あらかじめ決められた期日における電力の市場価格があらかじめ決められた価格である行使価格より低くても、小売事業者は行使価格でプットオプションを売却することができる。プットオプションは、決められた量の電力を期日にあらかじめ決められた価格で売ることができる権利である。上記のあらかじめ決められた期日は、満期である。
小売事業者は、満期において市場価格が行使価格より低い場合、市場価格より高い値段でプットオプションを売り、満期において市場価格が行使価格より高い場合、プットオプションを破棄すればよい。小売事業者がオプション取引で利益を上げるためには、需要家が電力を蓄電設備にあらかじめ蓄えておく必要がある。実施の形態7では、第1の小売事業者がオプション取引を駆使して利益を上げようとする場合において、需要家に蓄電を促す料金メニューを出力する電力小売料金体系策定装置7を説明する。実施の形態7では、実施の形態1から6までのいずれかにおいて説明した事項の説明を省略することがある。
図32は、実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置7の構成と動作の概要とを示す図である。電力小売料金体系策定装置7は、実施の形態1にかかる電力小売料金体系策定装置1が有する旧料金メニュー記憶部11と、他社料金メニュー記憶部12と、既契約需要家情報記憶部13と、未契約需要家情報記憶部14と、新料金メニュー記憶部15と、コスト情報記憶部16と、需要家行動推定部17と、利益算出部18と、利益増大新料金メニュー作成部19とを有する。
電力小売料金体系策定装置7は、第1の小売事業者がオプション取引で利益を上げるために、需要家に蓄電を促すことができるように新料金メニューを調整するオプション取引向け新料金メニュー調整部71と、電力のオプション取引の満期までの期間において電力のオプション取引情報を記憶するオプション取引情報記憶部72とを更に有する。オプション取引情報は、取引量及び行使価格を示す情報を含む。
図33は、実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置7の動作の手順を示すフローチャートである。図33のフローチャートにおいて、ステップS111の処理は需要家行動推定部17によって行われ、ステップS112の処理は利益算出部18によって行われ、ステップS113からステップS115までの処理は利益増大新料金メニュー作成部19によって行われ、ステップS116の処理はオプション取引向け新料金メニュー調整部71によって行われる。以下に、各処理を詳細に説明する。
ステップS111において、需要家行動推定部17は、実施の形態1において説明した通り、旧料金メニュー、他社料金メニュー、新料金メニュー、既契約需要家情報及び未契約需要家情報をもとに、需要家の行動を推定し、推定契約需要家情報を得る。ステップS112において、利益算出部18は、実施の形態1において説明した通り、推定契約需要家情報とコスト情報とをもとに、第1の小売事業者の利益を算出する。
ステップS113において、利益増大新料金メニュー作成部19は、実施の形態1において説明した通り、利益算出部18によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判定する。利益増大新料金メニュー作成部19は、上記の算出された利益が当該あらかじめ決められた値以上であると判定した場合(S113でYes)、現状の新料金メニューを出力する(S114)。利益増大新料金メニュー作成部19が出力する料金メニューは、最適料金メニューである。
利益増大新料金メニュー作成部19は、利益算出部18によって算出された利益が当該あらかじめ決められた値より小さいと判定した場合(S113でNo)、実施の形態1において説明したように、利益算出部18によって算出される利益がより大きくなるように新料金メニューを修正する(S115)。
利益増大新料金メニュー作成部19がステップS115の処理を行った後に、ステップS116において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、オプション取引情報記憶部72に記憶されているオプション取引情報をもとに、ステップS115において利益増大新料金メニュー作成部19が修正を行うことによって得られた新料金メニューの値引率を算出する。オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、当該得られた新料金メニューの料金を値引率をもとに減額して当該得られた新料金メニューを調整する。
図34は、実施の形態7にかかる電力小売料金体系策定装置7が有するオプション取引向け新料金メニュー調整部71の動作の手順を示すフローチャートである。オプション取引向け新料金メニュー調整部71の動作を、図34のフローチャートを用いて説明する。以下では、第1の小売事業者がプットオプションにより利益を得るための動作を説明する。
ステップS121において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、オプション取引情報記憶部72に記憶されているオプション取引情報をもとに、満期における予想市場価格を予想し、行使価格と満期における予想市場価格との差分γを計算する。実施の形態7では、第1の小売事業者がプットオプションにより利益を得る場合が想定されており、行使価格は予想市場価格より高いことを仮定する。
ステップS122において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、推定契約需要家情報をもとに複数の需要家の各々に識別子「i」を割り当て、各需要家iが保有する蓄電容量に「ni」をラベリングする。オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、蓄電設備を持たない契約需要家の蓄電容量については、「ni=0」とする。
ステップS123において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、推定契約需要家情報の需要特性をもとに、各需要家iの平均需要量を計算し、計算された平均需要量を「mi」とする。
ステップS124において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、現在時刻から満期までの時間Tを計算する。例えば、現在の日付が2017年1月1日であって満期が2017年1月31日である場合、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、現在時刻から満期までの時間Tが「30」であることを算出する。
ステップS125において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、以下の計算式を用いて値引率δを算出する。当該計算式における「s」は、調整パラメータである。
(値引率δ)=s×γ×(ni÷mi)÷(T+1)
γは行使価格と満期における予想市場価格との差分であるため、γの値が大きければ市場価格で売却を行うよりもオプション取引で売却を行う方が、利益は大きくなる。つまり、γの値が大きいほど、値引率δは大きくなる。(ni÷mi)は需要家別の平均需要量に対する蓄電容量であるため、(ni÷mi)は各需要家の相対的な蓄電能力を表す。相対的な蓄電能力が大きい需要家については、蓄電容量に比較的余裕があるため、値引率δは大きくなる。
時間Tは、現在時刻から満期までの時間である。満期が迫っているほど、満期における市場価格の分散は小さくなる。γが正であるならば、オプション取引で利益を上げることができる確率が高まるため、上記の「s」は例えば「s÷T」に置き換えられてもよい。時間Tが小さいほど、値引率δは大きくなる。γが負である場合、小売事業者はオプションを破棄すればよい。
ステップS126において、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、新料金メニューの料金から、需要家別に、値引率δに相当する料金を差し引く。
上述した通り、オプション取引向け新料金メニュー調整部71は、利益増大新料金メニュー作成部19によって修正された新料金メニューの料金を、需要家別に、値引率δをもとに減額する。すなわち、電力小売料金体系策定装置7は、第1の小売事業者がオプション取引を駆使して利益を上げようとする場合において、需要家に蓄電を促す新料金メニューを出力することができる。
電力小売料金体系策定装置7が有する需要家行動推定部17、利益算出部18、利益増大新料金メニュー作成部19及びオプション取引向け新料金メニュー調整部71を構成する少なくとも一部の構成要素は、実施の形態1において説明した処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。つまり、需要家行動推定部17、利益算出部18、利益増大新料金メニュー作成部19及びオプション取引向け新料金メニュー調整部71の機能の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。
需要家行動推定部17、利益算出部18、利益増大新料金メニュー作成部19及びオプション取引向け新料金メニュー調整部71の少なくとも一部の機能は、実施の形態1において説明したプロセッサ91と同等のプロセッサによって実現されてもよい。需要家行動推定部17、利益算出部18、利益増大新料金メニュー作成部19及びオプション取引向け新料金メニュー調整部71の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力小売料金体系策定装置7は、需要家行動推定部17、利益算出部18、利益増大新料金メニュー作成部19及びオプション取引向け新料金メニュー調整部71の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1,2,3,4,5,6,7 電力小売料金体系策定装置、11 旧料金メニュー記憶部、12 他社料金メニュー記憶部、13 既契約需要家情報記憶部、14 未契約需要家情報記憶部、15 新料金メニュー記憶部、16 コスト情報記憶部、17 需要家行動推定部、18,52 利益算出部、19,53 利益増大新料金メニュー作成部、21 目標利益記憶部、22 リスク算出部、23 目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部、31 新料金メニュー調整部、41 制約条件判定部、42 契約需要家件数増大新料金メニュー作成部、51 供給計画量情報記憶部、61 バランシンググループ向け利益算出部、62 理想供給量情報記憶部、63 需要量情報記憶部、71 オプション取引向け新料金メニュー調整部、72 オプション取引情報記憶部、81 処理回路、91 プロセッサ、92 メモリ。

Claims (7)

  1. 電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部と、
    前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部と、
    前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家が支払う電気料金を積算した売上と、前記コスト情報、前記将来の契約需要家についての前記既契約需要家情報、及び前記将来の契約需要家についての前記未契約需要家情報をもとに算出される前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストとをもとに、前記第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部と、
    前記利益算出部によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値以上であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合に前記第1の小売事業者の利益がより大きくなるように前記新料金メニューを修正する利益増大新料金メニュー作成部と
    を備えることを特徴とする電力小売料金体系策定装置。
  2. 電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部と、
    前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部と、
    前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家が支払う電気料金を積算した売上と、前記コスト情報、前記将来の契約需要家についての前記既契約需要家情報、及び前記将来の契約需要家についての前記未契約需要家情報をもとに算出される前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストとをもとに、前記第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部と、
    前記第1の小売事業者の目標利益を示す情報を記憶する目標利益記憶部と、
    前記目標利益記憶部に記憶されている情報が示す前記目標利益が達成される確率である目標利益達成確率を算出するリスク算出部と、
    前記リスク算出部によって算出された前記目標利益達成確率があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、前記算出された目標利益達成確率が前記あらかじめ決められた値以上であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記算出された前記目標利益達成確率が前記あらかじめ決められた値より低いと判断した場合に前記リスク算出部によって算出される目標利益達成確率がより高くなるように前記新料金メニューを修正する目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部とを備え、
    前記既契約需要家情報は、複数の前記既契約需要家についての需要特性を含み、
    前記未契約需要家情報は、前記未契約需要家についての複数の需要特性を含み、
    前記コスト情報記憶部は、複数のコスト情報を記憶し、
    前記利益算出部は、複数個の利益を算出し、
    前記リスク算出部は、前記利益算出部によって算出された複数個の利益のうちの前記目標利益より大きい利益の個数を前記複数個に対応する個数で割ることによって前記目標利益達成確率を算出する
    ことを特徴とする電力小売料金体系策定装置。
  3. 前記目標利益達成確率増大新料金メニュー作成部が修正を行うことによって得られた新料金メニューの料金を需要家の蓄電量をもとに減額して前記修正された新料金メニューを調整する新料金メニュー調整部を
    更に備えることを特徴とする請求項2に記載の電力小売料金体系策定装置。
  4. 電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部と、
    前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部と、
    前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家が支払う電気料金を積算した売上と、前記コスト情報、前記将来の契約需要家についての前記既契約需要家情報、及び前記将来の契約需要家についての前記未契約需要家情報をもとに算出される前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストとをもとに、前記第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部と、
    前記利益算出部によって得られた利益が前記第1の小売事業者によって設定された制約条件を満足しているか否かを判定する制約条件判定部と、
    前記利益算出部によって得られた利益が前記制約条件を満足していないと前記制約条件判定部によって判定された場合、前記利益算出部によって得られる利益が前記制約条件を満足するように前記新料金メニューを修正する契約需要家件数増大新料金メニュー作成部とを備え、
    前記契約需要家件数増大新料金メニュー作成部は、前記利益算出部によって得られた利益が前記制約条件を満足していると前記制約条件判定部によって判定された場合、前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家の件数があらかじめ決められた値であるか否かを判断し、前記将来の契約需要家の件数があらかじめ決められた値であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記将来の契約需要家の件数が前記あらかじめ決められた値でないと判断した場合に前記将来の契約需要家の件数がより多くなるように前記新料金メニューを修正する
    ことを特徴とする電力小売料金体系策定装置。
  5. 電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部と、
    前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部と、
    前記第1の小売事業者が広域機関に提示する供給計画量を示す供給計画量情報を記憶する供給計画量情報記憶部と、
    前記需要家行動推定部によって推定された前記将来の契約需要家が支払う電気料金を積算して売上を算出し、前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出し、前記供給計画量情報をもとにインバランス料金を算出し、前記売上、前記コスト及び前記インバランス料金をもとに第1の小売事業者の利益を算出する利益算出部と、
    前記利益算出部によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値以上であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合に前記利益算出部によって算出される利益がより大きくなるように前記新料金メニューを修正する利益増大新料金メニュー作成部とを備え、
    前記利益算出部は、前記コスト情報と、前記将来の契約需要家についての前記既契約需要家情報と、前記将来の契約需要家についての前記未契約需要家情報とをもとに前記コストを算出する
    ことを特徴とする電力小売料金体系策定装置。
  6. 電力を供給する第1の小売事業者が現在提供している料金メニューを示す情報を記憶する旧料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者以外の電力を供給する小売事業者が提供している料金メニューを示す情報を記憶する他社料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約している需要家である既契約需要家の需要特性、前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を解消するか否かを判定するための離脱閾値、及び前記既契約需要家が前記第1の小売事業者との契約を変更するか否かを判定するための変更閾値を含む既契約需要家情報を記憶する既契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者と現在契約していない需要家である未契約需要家の需要特性、前記未契約需要家の件数を示す情報、及び前記未契約需要家が前記第1の小売事業者と契約するか否かを判定するための流入閾値を含む未契約需要家情報を記憶する未契約需要家情報記憶部と、
    前記第1の小売事業者が現在提供している料金メニューと異なる料金メニューである新料金メニューを示す情報を記憶する新料金メニュー記憶部と、
    前記第1の小売事業者が事業を行う際にかかるコストを算出するためのコスト情報を記憶するコスト情報記憶部と、
    前記旧料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記他社料金メニュー記憶部に記憶されている情報、前記既契約需要家情報、前記未契約需要家情報、及び前記新料金メニュー記憶部に記憶されている情報をもとに、前記第1の小売事業者が前記新料金メニューを提供した際の前記第1の小売事業者の将来の契約需要家を推定する需要家行動推定部と、
    バランシンググループ内の各小売事業者にとっての理想的な供給量示す情報である理想供給量情報を記憶する理想供給量情報記憶部と、
    前記バランシンググループ内の前記各小売事業者が抱える需要家の総需要量を示す情報である需要量情報を記憶する需要量情報記憶部と、
    前記需要家行動推定部によって得られた推定契約需要家情報と、前記コスト情報と、前記理想供給量情報と、前記需要量情報とをもとに、前記第1の小売事業者の利益を算出するバランシンググループ向け利益算出部と、
    前記バランシンググループ向け利益算出部によって算出された利益があらかじめ決められた値以上であるか否かを判断し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値以上であると判断した場合に前記新料金メニューを出力し、前記算出された利益が前記あらかじめ決められた値より小さいと判断した場合に前記第1の小売事業者の利益がより大きくなるように前記新料金メニューを修正する利益増大新料金メニュー作成部と
    を備えることを特徴とする電力小売料金体系策定装置。
  7. 取引量及び行使価格を示す情報を含むオプション取引情報を記憶するオプション取引情報記憶部と、
    前記オプション取引情報をもとに、前記利益増大新料金メニュー作成部が修正を行うことによって得られた新料金メニューの値引率を計算し、前記得られた新料金メニューの料金を前記値引率をもとに減額して前記得られた新料金メニューを調整するオプション取引向け新料金メニュー調整部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電力小売料金体系策定装置。
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