JP6778796B1 - ファイバレーザ、及び、レーザ光の出力方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なファイバレーザを実現する。【解決手段】ファイバレーザ(1)は、第1のコア(11a)及び第2のコア(11b)を有するゲインファイバ(11)と、第1のコア(11a)の一端に設けられた第1の低反射ミラー(12a)と、第1のコア(11a)の他端に設けられた第1の高反射ミラー(13a)と、第2のコア(11b)の一端に設けられた第2の低反射ミラー(12b)と、第2のコア(11b)の他端に設けられた第2の高反射ミラー(13b)と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、ファイバレーザに関する。また、ファイバレーザを用いたレーザ光の出力方法に関する。
材料(例えば、金属)の加工(例えば、切断、溶接、又は切削)において、ブレードやドリルなどを用いた機械加工の代わりに、加工精度及び加工速度に優れたレーザ加工が用いられ始めている。レーザ加工に用いるレーザ光源としては、レーザ光のスポット径を小さくすることが容易なファイバレーザが特に有望である。
ファイバレーザは、ゲインファイバの一端に設けられた低反射ミラーと、ゲインファイバの他端に設けられた高反射ミラーと、により構成される共振器を用いて、レーザ光を再帰的に増幅する。再帰的に増幅されたレーザ光は、低反射ミラーを介して共振器の外部に出力される。ゲインファイバは、通常、コアに希土類元素が添加されたダブルクラッドファイバにより構成される。また、低反射ミラー及び高反射ミラーは、通常、ファイバブラッググレーティングにより構成される。このようなファイバレーザを開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
なお、ファイバレーザは、加工用のレーザ光源としてだけでなく、通信用のレーザ光源としても用いられることもある。
上述したファイバレーザは、ゲインファイバの1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光しか出力することができない。このため、或る条件の下では第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を利用し、他の条件の下では第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を利用するといった、柔軟な使い方ができない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。本発明の或る態様は、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なファイバレーザを実現することを一目的とする。また、本発明の他の態様は、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なレーザ光の出力方法を実現することを目的とする。
本発明の態様1に係るファイバレーザにおいては、第1のコア及び第2のコアを有するゲインファイバと、前記第1のコアの第1の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第1の低反射ミラーと、前記第1のコアの第2の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第1の高反射ミラーと、前記第2のコアの第1の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第2の低反射ミラーと、前記第2のコアの第2の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第2の高反射ミラーと、を備えており、前記第1の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を前記第1の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させること、及び、前記第2の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を前記第2の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることが可能である、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を第1の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることにより、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を、第1の低反射ミラーを介して出力することができる。また、上記の構成によれば、第2の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を第2の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることにより、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を、第2の低反射ミラーを介して出力することができる。すなわち、上記の構成によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。
本発明の態様2に係るファイバレーザにおいては、態様1に係るファイバレーザの構成に加えて、前記第1の低反射ミラー及び前記第1の高反射ミラーにより構成される第1の共振器によって再帰的に増幅され、前記第1の低反射ミラーを透過した第1の波長のレーザ光を出力する第1の動作モードと、前記第2の低反射ミラー及び前記第2の高反射ミラーにより構成される第2の共振器によって再帰的に増幅され、前記第2の低反射ミラーを透過した第2の波長のレーザ光を出力する第2の動作モードと、を有し、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替える動作モード切替機構を更に備えている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、自在に切り替えることができる。
本発明の態様3に係るファイバレーザにおいては、態様2に係るファイバレーザの構成に加えて、前記動作モード切替機構は、前記第1の低反射ミラー、前記第2の低反射ミラー、前記第1の高反射ミラー、及び前記第2の高反射ミラーのうち、少なくとも1つのミラーの反射波長帯域を変更することによって、動作モードを切り替える、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、より確実に切り替えることができる。
本発明の態様4に係るファイバレーザにおいては、態様3に係るファイバレーザの構成に加えて、前記少なくとも1つのミラーは、ファイバブラッググレーティングにより構成されており、前記動作モード切替機構は、前記ファイバブラッググレーティングの長さ又は温度を変更することによって、前記ファイバブラッググレーティングの反射波長帯域を変更する、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、より確実に、且つ、より簡単に切り替えることができる。
本発明の態様4に係るファイバレーザにおいては、態様4に係るファイバレーザの構成に加えて、前記少なくとも1つのミラーは、単一の光ファイバ内に形成された2つのファイバブラッググレーティングであり、前記動作モード切替機構は、前記光ファイバを曲げ、前記2つのファイバブラッググレーティングの一方の長さを伸ばすと共に、前記2つのファイバブラッググレーティングの他方の長さを縮めることによって、前記2つのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域を変更する、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、より確実に、且つ、更に簡単に切り替えることができる。
本発明の態様6に係るファイバレーザにおいては、態様2に係るファイバレーザの構成に加えて、前記動作モード切替機構は、前記第1の共振器を構成する光導波路の損失又は前記第2の共振器を構成する光導波路の損失を変更することによって、動作モードを切り替える、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、より確実に切り替えることができる。
本発明の態様7に係るファイバレーザにおいては、態様6に係るファイバレーザの構成に加えて、前記動作モード切替機構は、前記第1の共振器に含まれる光ファイバを曲げることによって、前記第1の共振器を構成する光導波路の損失を増大させるか、又は、前記第2の共振器に含まれる光ファイバを曲げることによって、前記第2の共振器を構成する光導波路の損失を増大させる、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第1の動作モードと、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を出力する第2の動作モードとを、より確実に、且つ、より簡単に切り替えることができる。
本発明の態様8に係るファイバレーザにおいては、態様2〜態様7の何れか一態様に係るファイバレーザの構成に加えて、第1のコア、及び、前記第1のコアを取り囲む筒状の第2のコアを有する出力ファイバを更に備えており、前記第1の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第1のコアに結合されると共に、前記第2の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第2のコアに結合されるか、又は、前記第1の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第2のコアに結合されると共に、前記第2の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第1のコアに結合される、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ビーム径の小さい第1のレーザビームとビーム径の大きい第2のレーザビームとを出力ファイバから出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。
なお、ゲインファイバの1つのコアにおいて増幅されたレーザ光しか出力することができない従来のファイバレーザを用いて上記の効果を得ようとした場合、ゲインファイバ及び励起光源を二組用いる必要があるので、ゲインファイバ及び励起光源の利用効率が低下するという問題を生じ易い。これに対して、ゲインファイバの2つのコアの各々において増幅されたレーザ光を出力することが可能な本発明のファイバレーザを用いて上記の効果を得ようとした場合、ゲインファイバ及び励起光源を一組用いれば十分なので、ゲインファイバ及び励起光源の利用効率が低下するという問題を生じ難い。
本発明の態様9に係るファイバレーザにおいては、態様1〜8の何れか一態様に係るファイバレーザの構成に加えて、前記第1のコアの前記第1の端部と、前記第2のコアの前記第1の端部とは、前記ゲインファイバの同じ端部に配置されている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を、ゲインファイバの一方の端部からそれぞれ出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。
本発明の態様10に係るファイバレーザにおいては、態様1〜8の何れか一態様に係るファイバレーザの構成に加えて、前記第1のコアの前記第1の端部と、前記第2のコアの前記第1の端部とは、前記ゲインファイバの異なる端部に配置されている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を、ゲインファイバの両方の端部からそれぞれ出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。
本発明の態様11に係るレーザ光の出力方法においては、ゲインファイバの第1のコアの第1の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第1の低反射ミラーと前記第1のコアの第2の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第1の高反射ミラーとにより構成される第1の共振器によって再帰的に増幅され、前記第1の低反射ミラーを透過したレーザ光を出力する第1の工程と、前記ゲインファイバの第2のコアの第1の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第2の低反射ミラーと前記第2のコアの第2の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第2の高反射ミラーとにより構成される第2の共振器によって再帰的に増幅され、前記第2の低反射ミラーを透過したレーザ光を出力する第2の工程と、を含んでいる、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を第1の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることにより、第1のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を、第1の低反射ミラーを介して出力することができる。また、上記の構成によれば、第2の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を第2の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることにより、第2のコアにおいて再帰的に増幅されたレーザ光を、第2の低反射ミラーを介して出力することができる。すなわち、上記の構成によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なレーザ光の出力方法を実現することができる。
本発明の或る態様によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。また、本発明の他の態様によれば、ゲインファイバの2つのコアの各々において再帰的に増幅されたレーザ光を出力することが可能なレーザ光の出力方法を実現することができる。
(ファイバレーザの構成)
本発明の一実施形態に係るファイバレーザ1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、ファイバレーザ1の構成を表すブロック図である。
本発明の一実施形態に係るファイバレーザ1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、ファイバレーザ1の構成を表すブロック図である。
ファイバレーザ1は、図1に示すように、ゲインファイバ11と、低反射ミラー12a,12bと、高反射ミラー13a,13bと、励起コンバイナ14a,14bと、励起光源群15a,15bと、デリバリファイバ16a,16bと、を備えている。
ゲインファイバ11は、励起光のエネルギーを用いてレーザ光を増幅する機能を有する光ファイバである。ゲインファイバ11は、第1のコア11aと、第2のコア11bと、を備えている。
なお、本実施形態においては、ゲインファイバ11として、第1のコア11a及び第2のコア11bに希土類元素が添加されたマルチコアファイバを用いている。なお、本実施形態においては、第1のコア11a及び第2のコア11bに添加する希土類元素として、イッテルビウムを用いている。ただし、第1のコア11a及び第2のコア11bに添加する希土類元素は、イッテルビウムに限定されない。例えば、ツリウム、セリウム、ネオジウム、ユーロピウム、エルビウムなど、イッテルビウム以外の希土類元素を第1のコア11a及び第2のコア11bに添加してもよい。
ゲインファイバ11の第1のコア11aの第1の端部11a1から出射するレーザ光の光路上には、第1の低反射ミラー12aが設けられている。また、ゲインファイバ11の第1のコア11aの第2の端部11a2から出射するレーザ光の光路上には、第1の高反射ミラー13aが設けられている。一方、ゲインファイバ11の第2のコア11bの第1の端部11b1から出射するレーザ光の光路上には、第2の低反射ミラー12bが設けられている。また、ゲインファイバ11の第2のコア11bの第2の端部11b2から出射するレーザ光の光路上には、第2の高反射ミラー13bが設けられている。
ファイバレーザ1においては、後述するように、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域の少なくとも一部と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域の少なくとも一部とを、互いに重複させることが可能である。このとき、ゲインファイバ11の第1のコア11aの両端に設けられた第1の低反射ミラー12a及び第1の高反射ミラー13aは、これら2つの反射波長帯域の重複部分に属する波長λaのレーザ光を再帰的に増幅する第1の共振器Oaを構成する。波長λaにおいて、第1の低反射ミラー12aの反射率(例えば、10%以下)は、第1の高反射ミラー13aの反射率(例えば、95%以上)よりも低い。したがって、第1の共振器Oaにて再帰的に増幅された波長λaのレーザ光は、主に、第1の低反射ミラー12aを介して第1の共振器Oaの外部に出力される。なお、反射波長帯域とは、その波長における反射率と最大反射率(反射率が最大になる波長における反射率)との差が20dB以下になる波長の範囲のことを指す。
また、ファイバレーザ1においては、後述するように、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の少なくとも一部と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の少なくとも一部とを、互いに重複させることが可能である。このとき、ゲインファイバ11の第2のコア11bの両端に設けられた第2の低反射ミラー12b及び第2の高反射ミラー13bは、これら2つの反射波長帯域の重複部分に属する波長λb(前述した波長λaと同じ波長であってもよいし、前述した波長λaと異なる波長であってもよい)のレーザ光を再帰的に増幅する第2の共振器Obを構成する。波長λbにおいて、第2の低反射ミラー12bの反射率(例えば、10%以下)は、第2の高反射ミラー13bの反射率(例えば、95%以上)よりも低い。したがって、第2の共振器Obにて再帰的に増幅された波長λbのレーザ光は、主に、第2の低反射ミラー12bを介して第2の共振器Obの外部に出力される。
なお、本実施形態においては、第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bとして、ファイバブラッググレーティングを用いている。第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bは、第1のマルチコアファイバMCF1の各コアに書き込まれたブラッググレーティングとして実現されている。また、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bは、第2のマルチコアファイバMCF2の各コアに書き込まれたブラッググレーティングとして実現されている。第1のマルチコアファイバMCF1及び第2のマルチコアファイバMCF2は、ゲインファイバ11に融着された、ゲインファイバ11とは異なるマルチコアファイバであってもよいし、ゲインファイバ11の一部であってもよい。ただし、第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bは、ファイバブラッググレーティングに限定されない。波長λa及び波長λbにおける反射率が第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bよりも低い(例えば、10%以下)のミラーであれば、それぞれ、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bとして利用することが可能である。また、波長λa及び波長λbにおける反射率が第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bよりも高い(例えば、95%以上)のミラーであれば、それぞれ、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bとして用いることが可能である。
また、本実施形態においては、第1のコア11aの第1の端部11a1と、第2のコア11bの第1の端部11b1とは、ゲインファイバ11の同じ端部に配置されており、第1コアの第2の端部11a2と、第2のコア11bの第2の端部11b2とは、ゲインファイバ11の同じ端部に配置されている。すなわち、第1の低反射ミラー12aと第2の低反射ミラー12bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置され、第1の高反射ミラー13aと第2の高反射ミラー13bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置されている。このため、ゲインファイバ11の2つのコア11a,11bの各々において再帰的に増幅されたレーザ光(波長がλaであるレーザ光及び波長がλbであるレーザ光)を、ゲインファイバ11の一方の端部からそれぞれ出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。しかしながら、図9を参照して後述するように、第1のコア11aの第1の端部11a1と、第2のコア11bの第1の端部11b1とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されており、第1コアの第2の端部11a2と、第2のコア11bの第2の端部11b2とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されていてもよい。すなわち、第1の低反射ミラー12aと第2の高反射ミラー13bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置され、第1の高反射ミラー13aと第2の低反射ミラー12bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置されていてもよい。
また、本実施形態においては、ゲインファイバ11の第1のコア11aの第2の端部11a2から出射するレーザ光の光路に沿った軸である第1の軸を仮定した場合に、第1の低反射ミラー12aと第2の低反射ミラー12bとを第1の軸における同一の位置に設けており、且つ、ゲインファイバ11の第2のコア11bの第1の端部11b1から出射するレーザ光の光路に沿った軸である第2の軸を仮定した場合に、第1の高反射ミラー13aと第2の高反射ミラー13bとを第2の軸における同一の位置に設けている(図1参照)。しかし、第1の低反射ミラー12aと第2の低反射ミラー12bとは、第1の軸における異なる位置に設けられていてもよいし、第1の高反射ミラー13aと第2の高反射ミラー13bとは、第2の軸における異なる位置に設けられていてもよい。例えば、第1の低反射ミラー12aと第2の低反射ミラー12bとを第1の軸における異なる位置に設けた場合、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さを伸ばす/縮めることと、第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さを縮める/伸ばすこととを、互いに独立して実施することができる。したがって、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の各々を独立してシフトさせることができる。同様に、第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の各々を独立してシフトさせることができる。
第1の励起コンバイナ14aは、少なくとも1個の共振器側ポート14axと、少なくともm個の光源群側入力ポート14ay1〜14aym(mは、第1の励起光源群15aを構成する励起光源の個数を表す任意の自然数)と、少なくとも2個の光源群側出力ポート14az1〜14az2と、を備えている。第1の励起コンバイナ14aの共振器側ポート14axは、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bを介して、ゲインファイバ11の第1のコア11a及び第2のコア11bに接続されている。第1の励起コンバイナ14aの各光源群側入力ポート14ai(i=1,2,…,m)は、第1の励起光源群15aを構成する励起光源15aiに接続されている。励起光源15a1〜15amの各々にて生成された励起光は、第1の励起コンバイナ14aを介して、ゲインファイバ11のクラッドに入力され、ゲインファイバ11の第1のコア11a及び第2のコア11bに添加された希土類元素を反転分布状態に遷移させるために利用される。一方、第1の励起コンバイナ14aの第1の光源群側出力ポート14az1は、第1のデリバリファイバ16aに接続されている。第1の共振器Oaにて生成された波長λaのレーザ光は、第1の励起コンバイナ14aを介して第1のデリバリファイバ16aに入力される。また、第1の励起コンバイナ14aの第2の光源群側出力ポート14az2は、第2のデリバリファイバ16bに接続されている。第2の共振器Obにて生成された波長λbのレーザ光は、第1の励起コンバイナ14aを介して第2のデリバリファイバ16bに入力される。
なお、本実施形態においては、励起光源15a1〜15amとして、レーザダイオードを用いている。ただし、励起光源15a1〜15amは、レーザダイオードに限定されない。すなわち、ゲインファイバ11の第1のコア11a及び第2のコア11bに添加された希土類元素を反転分布状態に遷移させることが可能な光を出力可能な光源であれば、励起光源15a1〜15amとして利用することができる。また、本実施形態においては第1のデリバリファイバ16a及び第2のデリバリファイバ16bとして、フューモードファイバを用いている。ただし、第1のデリバリファイバ16a及び第2のデリバリファイバ16bは、フューモードファイバに限定されない。すなわち、第1の共振器Oa及び第2の共振器Obから出力されたレーザ光を導波可能な光ファイバであれば、シングルモードファイバ、又は、フューモードファイバ以外のマルチモードファイバであっても、第1のデリバリファイバ16a及び第2のデリバリファイバ16bとして用いることが可能である。なお、フューモードファイバとは、マルチモードファイバ(導波モードの数が2以上の光ファイバ)のうち、導波モードの数が25以下の光ファイバのことを指す。
第2の励起コンバイナ14bは、少なくとも1個の共振器側ポート14bxと、少なくともn個の光源群側入力ポート14by1〜14byn(nは、第2の励起光源群15bを構成する励起光源の個数を表す任意の自然数)と、を備えている。第2の励起コンバイナ14bの共振器側ポート14bxは、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bを介して、ゲインファイバ11のクラッドに接続されている。第2の励起コンバイナ14bの各光源群側入力ポート14bj(j=1,2,…,n)は、第2の励起光源群15bを構成する励起光源15bjに接続されている。励起光源15b1〜15bnの各々にて生成された励起光は、第2の励起コンバイナ14bを介して、ゲインファイバ11のクラッドに入力され、ゲインファイバ11のコアに添加された希土類元素を反転分布状態に遷移させるために利用される。
なお、本実施形態においては、励起光源15b1〜15bnとして、レーザダイオードを用いている。ただし、励起光源15b1〜15bnは、レーザダイオードに限定されない。すなわち、ゲインファイバ11の第1のコア11a及び第2のコア11bに添加された希土類元素を反転分布状態に遷移させることが可能な光を出力可能な光源であれば、励起光源15b1〜15bnとして利用することができる。
なお、本実施形態において、ファイバレーザ1は、第1の励起光源群15aと第2の励起光源群15bとを備えた双方向励起型のファイバレーザとして実現されているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、ファイバレーザ1は、第1の励起光源群15aのみを備えた片方向励起型のファイバレーザとして実現することもできるし、第2の励起光源群15bのみを備えた片方向励起型のファイバレーザとして実現することもできる。また、ファイバレーザ1は、これらの端面励起型のファイバレーザに限定されず、側面励起型のファイバレーザであってもよい。なお、端面励起型のファイバレーザとは、ゲインファイバの端面からゲインファイバに励起光を入力するタイプのファイバレーザのことを指し、側面励起型のファイバレーザとは、ゲインファイバの側面からゲインファイバに励起光を入力するタイプのファイバレーザのことを指す。また、本実施形態においては、ゲインファイバ11として、2つのコア11a,11bを備えたマルチコアファイバを用いているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、ゲインファイバ11として、3つ以上のコアを備えたマルチコアファイバを用いてもよい。これにより、3つ以上のコアからレーザ光を出力することが可能なファイバレーザ1を実現することができる。
(ファイバレーザの動作)
ファイバレーザ1の動作について、図2〜図5を参照して説明する。
ファイバレーザ1の動作について、図2〜図5を参照して説明する。
ファイバレーザ1は、以下に説明する3つの動作モードを取り得る。
第1の動作モードは、第1の共振器Oaにて増幅された波長λaのレーザ光を、第1の低反射ミラー12aを介して出力する動作モードである。第1の動作モードにおいては、励起光源群15a,15bから出力された励起光のエネルギーが、主に、第1の共振器Oaにおいて波長λaのレーザ光を増幅するために消費される。したがって、第2の共振器Obにおける波長λbのレーザ光の増幅は、行われないか、行われたとしても無視し得る程度である。第1の動作モードは、第1の共振器Oaのゲインが第2の共振器Obのゲインよりも高いときに実現される。なお、第1の共振器Oaのゲインとは、第1の共振器Oaを構成する光導波路(本実施形態においては、第1の低反射ミラー12a、ゲインファイバ11の第1のコア11a、第1の高反射ミラー13a、及び、それぞれの構成要素を接続する光ファイバのコアにより構成される光導波路)における損失も考慮に入れたゲインのことを指す。同様に、第2の共振器Obのゲインとは、第2の共振器Obを構成する光導波路(本実施形態においては、第2の低反射ミラー12b、ゲインファイバ11の第2のコア11b、第2の高反射ミラー13b、及び、それぞれの構成要素を接続するファイバのコアにより構成される光導波路)における損失も考慮に入れたゲインのことを指す。
第2の動作モードは、第2の共振器Obにて増幅された波長λbのレーザ光を、第2の低反射ミラー12bを介して出力する動作モードである。第2の動作モードにおいては、励起光源群15a,15bから出力された励起光のエネルギーが、主に、第2の共振器Obにおいて波長λbのレーザ光を増幅するために消費される。したがって、第1の共振器Oaにおける波長λaのレーザ光の増幅は、行われないか、行われたとしても無視し得る程度である。第2の動作モードは、第2の共振器Obのゲインが第1の共振器Oaのゲインよりも高いときに実現される。
第3の動作モードは、第1の共振器Oaにて増幅された波長λaのレーザ光を、第1の低反射ミラー12aを介して出力すると共に、第2の共振器Obにて増幅された波長λbのレーザ光を、第2の低反射ミラー12bを介して出力する動作モードである。第3の動作モードにおいては、励起光源群15a,15bから出力された励起光のエネルギーが、第1の共振器Oaにおいて波長λaのレーザ光を増幅するために利用されると共に、第2の共振器Obにおいて波長λbのレーザ光を増幅するために利用される。第3の動作モードは、第1の共振器Oaのゲインと第2の共振器Obのゲインとが丁度等しくなったときに実現される。
ファイバレーザ1は、動作モードを切り替えるための機構(特許請求の範囲における「動作モード切替機構」に相当)として、反射波長帯域変更機構17を有している。
反射波長帯域変更機構17は、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と、を変更するための機構である。本実施形態においては、反射波長帯域変更機構17として、第1の力F1/第2の力F2によって第1のマルチコアファイバMCF1を曲げることによって、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さを伸ばす/縮めると共に、第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さを縮める/伸ばす機構を用いている。ここで、第1の力F1とは、第1のコア11aから第2のコア11bに向かう方向の力のことを指し、第2の力F2とは、第2のコア11bから第1のコア11aに向かう方向の力のことを指す。ファイバブラッググレーティングの長さを伸ばすと、そのファイバブラッググレーティングの周期が大きくなり、その結果、そのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域が長波長側にシフトする。逆に、ファイバブラッググレーティングの長さを縮めると、そのファイバブラッググレーティングの周期が小さくなり、その結果、そのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域が短波長側にシフトする。
図2は、第1の力F1によって曲げられる前後の第1のマルチコアファイバMCF1の状態を示す斜視図である。図3は、第1のマルチコアファイバMCF1が第1の力F1によって曲げられる前後の第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の関係を例示した図である。
第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の帯域幅は、例えば、0.3nm以上3nm以下(図示した例では2nm)に設定され、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の帯域幅は、例えば、4nm以上5nm以下(図示した例では4nm)に設定される。また、第1のマルチコアファイバMCF1が曲げられる前の第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の中心波長は、例えば、1082nmに設定され、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の中心波長は、例えば、1080nmに設定される。
第1のマルチコアファイバMCF1を第1の力F1によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが伸びると共に、第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが縮む(図2参照)。これにより、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域が長波長側にシフトすると共に、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域が短波長側にシフトする。その結果、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とは、重複部分を有さず、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とは、重複部分を有する状態が実現される(図3参照)。そうすると、第2の共振器Obのゲインが第1の共振器Oaのゲインよりも高くなり、上述した第2の動作モードへの遷移が実現される。
図4は、第2の力F2によって曲げられる前後の第1のマルチコアファイバMCF1の状態を示す斜視図である。図5は、第1のマルチコアファイバMCF1が第2の力F2によって曲げられる前後の第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の関係を例示した図である。
第1のマルチコアファイバMCF1を第2の力F2によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが縮むと共に、第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが伸びる(図4参照)。これにより、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域が短波長側にシフトすると共に、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域が長波長側にシフトする。その結果、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とは、重複部分を有し、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とは、重複部分を有さない状態が実現される(5参照)。そうすると、第1の共振器Oaのゲインが第2の共振器Obのゲインよりも高くなり、上述した第1の動作モードへの遷移が実現される。
なお、本実施形態においては、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の両方を変更する構成を採用しているが、これに限定されない。例えば、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の一方を変更する構成を採用してもよいし、第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域及び第2の高反射ミラー13bの一方又は両方を変更する構成を採用してもよい。より一般的に言うと、第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bのうち、少なくとも1つのミラーの反射波長帯域を変更する構成であればよい。動作モードの切り替えを実現するには、第1の共振器Oaのゲインと第2の共振器Obのゲインとの大小関係を変化させることができれば十分だからである。
(ファイバレーザの第1の変形例)
ファイバレーザ1の第1の変形例(以下、「ファイバレーザ1A」とも記載する)について、図6を参照して説明する。図6は、本変形例に係るファイバレーザ1Aの構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1の第1の変形例(以下、「ファイバレーザ1A」とも記載する)について、図6を参照して説明する。図6は、本変形例に係るファイバレーザ1Aの構成を示すブロック図である。
図1に示すファイバレーザ1と図6に示すファイバレーザ1Aとの第1の相違点は、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの配置である。
すなわち、図1に示すファイバレーザ1においては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bが、それぞれ、第1の励起コンバイナ14a及び第2の励起コンバイナ14bの共振器側に配置されている。このため、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに、それぞれ、第1の励起光源群15a及び第2の励起光源群15bにて生成された励起光が入射することが避けられない。
これに対して、図6に示すファイバレーザ1Aにおいては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bが、それぞれ、第1の励起コンバイナ14a及び第2の励起コンバイナ14bの光源群側に配置されている。より具体的に言うと、第1の低反射ミラー12aが、第1の励起コンバイナ14aの第1の光源群側出力ポート14az1に接続された第1のデリバリファイバ16aに挿入されており、第2の低反射ミラー12bが、第1の励起コンバイナ14aの第2の光源群側出力ポート14az2に接続された第2のデリバリファイバ16bに挿入されている。このため、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに、それぞれ、第1の励起光源群15a及び第2の励起光源群15bにて生成された励起光が入射することが避けられる。
したがって、図6に示すファイバレーザ1Aによれば、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに励起光が入射することに起因する、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの長期信頼性の低下を抑制することが可能である。例えば、ファイバブラッググレーティングは、(1)光ファイバの被覆を除去する工程、(2)光ファイバのコアにグレーティングを書き込む工程、(3)光ファイバをリコートする工程をこの順に実施することによって製造される。このため、ファイバブラッググレーティングにおいては、リコートの際に混入した異物がクラッドの表面に残留する可能性がある。このような異物は、クラッドに励起光を入力した際の発熱要因となる。しかしながら、図6に示すファイバレーザ1Aによれば、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bがファイバブラッググレーティングにより構成されている場合であっても、リコート時に混入した異物の発熱が生じ難い。また、図6に示すファイバレーザ1Aによれば、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに励起光が入射することに起因する、励起光の損失を抑制することができる。
図1に示すファイバレーザ1と図6に示すファイバレーザ1Aとの第2の相違点は、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの反射波長帯域をシフトさせる方法である。
図1に示すファイバレーザ1においては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングを含む第1のマルチコアファイバMCF1を曲げることによって、これらのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域をシフトさせている。これに対して、図6に示すファイバレーザ1Aにおいては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの温度を変更することによって、これらのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域をシフトさせている。このため、図6に示すファイバレーザ1Aは、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの温度を変更する第1の温度変更機構17aと、第2の低反射ミラー12bとして機能するファイバブラッググレーティングの温度を変更する第2の温度変更機構17bと、を備えている。第1の温度変更機構17a及び第2の温度変更機構17bは、例えば、ペルチェ素子によって実現することが可能である。
なお、ファイバブラッググレーティングの温度を高くすると、主にガラスの熱膨張により、そのファイバブラッググレーティングの周期が大きくなり、その結果、そのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域が長波長側へとシフトする。逆に、ファイバブラッググレーティングの温度を低くすると、主にガラスの熱収縮により、そのファイバブラッググレーティングの周期が小さくなり、その結果、そのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域が短波長側へとシフトする。
(ファイバレーザの第2の変形例)
ファイバレーザ1の第2の変形例(以下、「ファイバレーザ1B」とも記載する)について、図7を参照して説明する。図7は、本変形例に係るファイバレーザ1Bの構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1の第2の変形例(以下、「ファイバレーザ1B」とも記載する)について、図7を参照して説明する。図7は、本変形例に係るファイバレーザ1Bの構成を示すブロック図である。
図1に示すファイバレーザ1と図7に示すファイバレーザ1Bとの第1の相違点は、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの配置である。
すなわち、図1に示すファイバレーザ1においては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bが、それぞれ、第1の励起コンバイナ14a及び第2の励起コンバイナ14bの共振器側に配置されている。このため、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに、それぞれ、第1の励起光源群15a及び第2の励起光源群15bにて生成された励起光が入射することが避けられない。
これに対して、図7に示すファイバレーザ1Bにおいては、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bが、それぞれ、第1の励起コンバイナ14a及び第2の励起コンバイナ14bの光源群側に配置されている。より具体的に言うと、第1の低反射ミラー12aが、第1の励起コンバイナ14aの第1の光源群側出力ポート14az1に接続された第1のデリバリファイバ16aに挿入されており、第2の低反射ミラー12bが、第1の励起コンバイナ14aの第2の光源群側出力ポート14az2に接続された第2のデリバリファイバ16bに挿入されている。このため、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに、それぞれ、第1の励起光源群15a及び第2の励起光源群15bにて生成された励起光が入射することが避けられる。
したがって、図7に示すファイバレーザ1Bによれば、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに励起光が入射することに起因する、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの長期信頼性の低下を抑制することが可能である。また、図7に示すファイバレーザ1Bによれば、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bに励起光が入射することに起因する、励起光の損失を抑制することができる。
図1に示すファイバレーザ1と図7に示すファイバレーザ1Bとの第2の相違点は、動作モードを切り替えるための機構(特許請求の範囲における「動作モード切替機構」に相当)の実現方法である。
すなわち、図1に示すファイバレーザ1においては、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域又は第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域を変更することによって、動作モードの切り替えを実現している。これに対して、図7に示すファイバレーザ1Bにおいては、第1の共振器Oaを構成する光導波路の損失又は第2の共振器Obを構成する光導波路の損失を変更することによって、動作モードの切り替えを実現している。
図7の(a)においては、励起コンバイナ14aと第1の低反射ミラー12aとの間の光ファイバに曲げを与える(曲げ半径を小さくする)ことによって、第1の共振器Oaを構成する光導波路の損失を大きくした状態のファイバレーザ1Bを示している。この場合、第2の共振器Obのゲインが第1の共振器Oaのゲインよりも大きくなるので、第2の動作モードが実現される。また、図7に示すように、曲げを与えられる光ファイバは、第1の励起コンバイナ14aの光源群側出力ポート14az1に接続されており、励起光が入射しない(又は、入射するとしても、入射する励起光のパワーは無視し得る程度に小さい)光ファイバである。したがって、曲げた部分から励起光が漏出することに起因する不具合の発生を抑止することができる。なお、ファイバレーザ1Bは、動作モードを第2の動作モードに切り替えるための機構として、第1の高反射ミラー13aと第1の低反射ミラー12aとの間の光ファイバに曲げを与える機構(図7において不図示)を備えていてもよい。
図7の(b)においては、励起コンバイナ14aと第2の低反射ミラー12bとの間の光ファイバに曲げを与える(曲げ半径を小さくする)ことによって、第2の共振器Obを構成する光導波路の損失を大きくした状態のファイバレーザ1Bを示している。この場合、第1の共振器Oaのゲインが第2の共振器Obのゲインよりも大きくなるので、第1の動作モードが実現される。また、図7に示すように、曲げを与えられる光ファイバは、第1の励起コンバイナ14aの光源群側出力ポート14az2に接続されており、励起光が入射しない(又は、入射するとしても、入射する励起光のパワーは無視し得る程度に小さい)光ファイバである。したがって、曲げた部分から励起光が漏出することに起因する不具合の発生を抑止することができる。なお、ファイバレーザ1Bは、動作モードを第2の動作モードに切り替えるための機構として、第2の高反射ミラー13bと第2の低反射ミラー12bとの間の光ファイバに曲げを与える機構(図7において不図示)を備えていてもよい。
(ファイバレーザの第3の変形例)
ファイバレーザ1の第3の変形例(以下、「ファイバレーザ1C」とも記載する)について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例に係るファイバレーザ1Cの構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1の第3の変形例(以下、「ファイバレーザ1C」とも記載する)について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例に係るファイバレーザ1Cの構成を示すブロック図である。
図1に示すファイバレーザ1と図8に示すファイバレーザ1Cとの相違点は、レーザ光の出力方法である。
図1に示すファイバレーザ1においては、第1の共振器Oaにて再帰的に増幅された波長λaのレーザ光を第1のデリバリファイバ16aから出力し、第2の共振器Obにて再帰的に増幅された波長λbのレーザ光を第2のデリバリファイバ16bから出力する構成が採用されている。これに対して、図8に示すファイバレーザ1Cにおいては、第1の共振器Oaにて再帰的に増幅された波長λaのレーザ光と第2の共振器Obにて再帰的に増幅された波長λbのレーザ光とを、出力ファイバ18から出力する構成が採用されている。なお、図8に示すファイバレーザ1Cにおいては、第1の励起コンバイナ14aから出力ファイバ18までレーザ光を導波するデリバリファイバ16として、マルチコアファイバを用いている。このデリバリファイバ16の第1のコア161は、第1の共振器Oaにて再帰的に増幅されたレーザ光を導波するために用いられる。また、このデリバリファイバ16の第2のコア162は、第2の共振器Obにて再帰的に増幅されたレーザ光を導波するために用いられる。
本変形例に係るファイバレーザ1Cにおいては、出力ファイバ18として、柱状(本変形例においては円柱状)の第1のコア18aと、第1のコアを取り囲む筒状(本変形例においては円筒状)の第2のコア18bと、を有する光ファイバを用いている。第1の共振器Oaにて再帰的に増幅され、デリバリファイバ16の第1のコア161を導波された波長λaのレーザ光は、出力ファイバ18の第1のコア18a及び第2のコア18bの一方(本変形例においては第1のコア18a)に結合される。一方、第2の共振器Obにて再帰的に増幅され、デリバリファイバ16の第2のコア162を導波された波長λbのレーザ光は、出力ファイバ18の第1のコア18a及び第2のコア18bの他方(本変形例においては第2のコア18b)に結合される。これにより、波長及びビーム径の異なる2種類のレーザビームを、出力ファイバ18の反対側の端部から出力することが可能になる。
(ファイバレーザの第4の変形例)
ファイバレーザ1の第4の変形例(以下、「ファイバレーザ1D」とも記載する)について、図9を参照して説明する。図9は、本変形例に係るファイバレーザ1Dの構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1の第4の変形例(以下、「ファイバレーザ1D」とも記載する)について、図9を参照して説明する。図9は、本変形例に係るファイバレーザ1Dの構成を示すブロック図である。
図1に示すファイバレーザ1と図9に示すファイバレーザ1Dとの主たる相違点は、第2の低反射ミラー12b及び第2の高反射ミラー13bが設けられている位置である。また、この主たる相違点に起因して、図1に示すファイバレーザ1と図9に示すファイバレーザ1Dとは、第2のデリバリファイバ16bが接続されている励起コンバイナが相違する。
図1に示すファイバレーザ1においては、第1のコア11aの第1の端部11a1と、第2のコア11bの第1の端部11b1とは、ゲインファイバ11の同じ端部に配置されており、第1コアの第2の端部11a2と、第2のコア11bの第2の端部11b2とは、ゲインファイバ11の同じ端部に配置されている。すなわち、ファイバレーザ1においては、第1の低反射ミラー12aと第2の低反射ミラー12bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置され、第1の高反射ミラー13aと第2の高反射ミラー13bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置されている。
これに対して、図9に示すファイバレーザ1Dにおいては、第1のコア11aの第1の端部11a1と、第2のコア11bの第1の端部11b1とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されており、第1コアの第2の端部11a2と、第2のコア11bの第2の端部11b2とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されている。すなわち、ファイバレーザ1Dにおいては、第1の低反射ミラー12aと第2の高反射ミラー13bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置され、第1の高反射ミラー13aと第2の低反射ミラー12bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置されている。
これに対して、図9に示すファイバレーザ1Dにおいては、第1のコア11aの第1の端部11a1と、第2のコア11bの第1の端部11b1とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されており、第1コアの第2の端部11a2と、第2のコア11bの第2の端部11b2とは、ゲインファイバ11の異なる端部に配置されている。すなわち、ファイバレーザ1Dにおいては、第1の低反射ミラー12aと第2の高反射ミラー13bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置され、第1の高反射ミラー13aと第2の低反射ミラー12bとがゲインファイバ11の同じ端部の側に配置されている。
また、ファイバレーザ1においては、デリバリファイバ16a,16bの各々が、それぞれ、励起コンバイナ14aの第1の光源群側出力ポート14az1及び第2の光源群側出力ポート14az2に接続されている。これに対して、ファイバレーザ1Dにおいては、デリバリファイバ16aが励起コンバイナ14aの光源群側出力ポート14azに接続されており、且つ、デリバリファイバ16bが励起コンバイナ14bの光源群側出力ポート14bzに接続されている。
本変形例に係るファイバレーザ1Dにおいては、コア11a,11bの各々において再帰的に増幅されたレーザ光(波長がλaであるレーザ光及び波長がλbであるレーザ光)を、ゲインファイバ11の両方の端部からそれぞれ出力することが可能なファイバレーザを実現することができる。
図10は、第1の力F1によって曲げられる前後の第1のマルチコアファイバMCF1の状態を示す斜視図である。図11は、第1のマルチコアファイバMCF1が第1の力F1によって曲げられる前後の第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の関係を例示した図である。
図11の(a)に示すように、第1の低反射ミラー12a及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の帯域幅は、例えば、4nm以上5nm以下(図示した例では4nm)に設定され、第1の高反射ミラー13a及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の帯域幅は、例えば、4nm以上5nm以下(図示した例では4nm)に設定される。また、第1のマルチコアファイバMCF1が曲げられる前の第1の低反射ミラー12a及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の中心波長は、例えば、1082nmに設定され、第1の高反射ミラー13a及び第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域の中心波長は、例えば、1078nmに設定される。
第1のマルチコアファイバMCF1を第1の力F1によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが伸びると共に、第2の高反射ミラー13bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが縮む(図10参照)。これにより、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域が長波長側にシフトすると共に、第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域が短波長側にシフトする。その結果、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とは、重複部分を有さず、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とは、重複部分を有する状態が実現される(図11の(a)参照)。そうすると、第2の共振器Obのゲインが第1の共振器Oaのゲインよりも高くなり、上述した第2の動作モードへの遷移が実現される。
なお、図11の(b)に示すように、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域は、第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域と重複(図示した例では1nm重複)していてもよく、第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域は、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と重複(図示した例では1nm重複)していてもよい。この場合であっても、第1のマルチコアファイバMCF1を第1の力F1によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とが、重複部分を有さず、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とが、重複部分を有する状態が実現される(図11の(b)参照)。すなわち、上述した第2の動作モードへの遷移が実現される。
図12は、第2の力F2によって曲げられる前後の第1のマルチコアファイバMCF1の状態を示す斜視図である。図13は、第1のマルチコアファイバMCF1が第2の力F2によって曲げられる前後の第1の低反射ミラー12a、第2の低反射ミラー12b、第1の高反射ミラー13a、及び第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域の関係を例示した図である。
図13の(a)に示すように、第1のマルチコアファイバMCF1を第2の力F2によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが縮むと共に、第2の高反射ミラー13bとして機能するファイバブラッググレーティングの長さが伸びる(図12参照)。これにより、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域が短波長側にシフトすると共に、第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域が長波長側にシフトする。その結果、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とは、重複部分を有し、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とは、重複部分を有さない状態が実現される(図13の(a)参照)。そうすると、第1の共振器Oaのゲインが第2の共振器Obのゲインよりも高くなり、上述した第1の動作モードへの遷移が実現される。
なお、図13の(b)に示すように、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域は、第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域と重複(図示した例では1nm重複)していてもよく、第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域は、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と重複(図示した例では1nm重複)していてもよい。この場合であっても、第1のマルチコアファイバMCF1を第2の力F2によって曲げることによって、第1の低反射ミラー12aの反射波長帯域と第1の高反射ミラー13aの反射波長帯域とが、重複部分を有し、第2の低反射ミラー12bの反射波長帯域と第2の高反射ミラー13bの反射波長帯域とが、重複部分を有さない状態が実現される(図13の(b)参照)。すなわち、上述した第1の動作モードへの遷移が実現される。
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 ファイバレーザ
11 ゲインファイバ
12a 第1の低反射ミラー
12b 第2の低反射ミラー
13a 第1の高反射ミラー
13b 第2の高反射ミラー
14a 第1の励起コンバイナ
14b 第2の励起コンバイナ
15a 第1の励起光源群
15b 第2の励起光源群
16a 第1のデリバリファイバ
16b 第2のデリバリファイバ
17 反射波長帯域変更機構(動作モード切替機構)
18 出力ファイバ
Oa 第1の共振器
Ob 第2の共振器
11 ゲインファイバ
12a 第1の低反射ミラー
12b 第2の低反射ミラー
13a 第1の高反射ミラー
13b 第2の高反射ミラー
14a 第1の励起コンバイナ
14b 第2の励起コンバイナ
15a 第1の励起光源群
15b 第2の励起光源群
16a 第1のデリバリファイバ
16b 第2のデリバリファイバ
17 反射波長帯域変更機構(動作モード切替機構)
18 出力ファイバ
Oa 第1の共振器
Ob 第2の共振器
Claims (11)
- 第1のコア及び第2のコアを有するゲインファイバと、
前記第1のコアの第1の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第1の低反射ミラーと、前記第1のコアの第2の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第1の高反射ミラーと、
前記第2のコアの第1の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第2の低反射ミラーと、前記第2のコアの第2の端部から出射されるレーザ光の光路上に設けられた第2の高反射ミラーと、を備えており、
前記第1の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を前記第1の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させること、及び、前記第2の低反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部を前記第2の高反射ミラーの反射波長帯域の少なくとも一部と重複させることが可能である、
ことを特徴とするファイバレーザ。 - 前記第1の低反射ミラー及び前記第1の高反射ミラーにより構成される第1の共振器によって再帰的に増幅され、前記第1の低反射ミラーを透過した第1の波長のレーザ光を出力する第1の動作モードと、前記第2の低反射ミラー及び前記第2の高反射ミラーにより構成される第2の共振器によって再帰的に増幅され、前記第2の低反射ミラーを透過した第2の波長のレーザ光を出力する第2の動作モードと、を有し、
前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替える動作モード切替機構を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ。 - 前記動作モード切替機構は、前記第1の低反射ミラー、前記第2の低反射ミラー、前記第1の高反射ミラー、及び前記第2の高反射ミラーのうち、少なくとも1つのミラーの反射波長帯域を変更することによって、動作モードを切り替える、
ことを特徴とする請求項2に記載のファイバレーザ。 - 前記少なくとも1つのミラーは、ファイバブラッググレーティングであり、
前記動作モード切替機構は、前記ファイバブラッググレーティングの長さ又は温度を変更することによって、前記ファイバブラッググレーティングの反射波長帯域を変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載のファイバレーザ。 - 前記少なくとも1つのミラーは、マルチコアファイバ内に形成された2つのファイバブラッググレーティングであり、
前記動作モード切替機構は、前記マルチコアファイバを曲げ、前記2つのファイバブラッググレーティングの一方の長さを伸ばすと共に、前記2つのファイバブラッググレーティングの他方の長さを縮めることによって、前記2つのファイバブラッググレーティングの反射波長帯域を変更する、
ことを特徴とする請求項4に記載のファイバレーザ。 - 前記動作モード切替機構は、前記第1の共振器を構成する光導波路の損失又は前記第2の共振器を構成する光導波路の損失を変更することによって、動作モードを切り替える、
ことを特徴とする請求項2に記載のファイバレーザ。 - 前記動作モード切替機構は、前記第1の共振器に含まれる光ファイバを曲げることによって、前記第1の共振器を構成する光導波路の損失を増大させるか、又は、前記第2の共振器に含まれる光ファイバを曲げることによって、前記第2の共振器を構成する光導波路の損失を増大させる、
ことを特徴とする請求項6に記載のファイバレーザ。 - 第1のコア、及び、前記第1のコアを取り囲む筒状の第2のコアを有する出力ファイバを更に備えており、
前記第1の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第1のコアに結合されると共に、前記第2の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第2のコアに結合されるか、又は、前記第1の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第2のコアに結合されると共に、前記第2の共振器にて再帰的に増幅されたレーザ光が前記第1のコアに結合される、
ことを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載のファイバレーザ。 - 前記第1のコアの前記第1の端部と、前記第2のコアの前記第1の端部とは、前記ゲインファイバの同じ端部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のファイバレーザ。 - 前記第1のコアの前記第1の端部と、前記第2のコアの前記第1の端部とは、前記ゲインファイバの異なる端部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のファイバレーザ。 - ゲインファイバの第1のコアの第1の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第1の低反射ミラーと前記第1のコアの第2の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第1の高反射ミラーとにより構成される第1の共振器によって再帰的に増幅され、前記第1の低反射ミラーを透過したレーザ光を出力する第1の工程と、
前記ゲインファイバの第2のコアの第1の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第2の低反射ミラーと前記第2のコアの第2の端部から出射するレーザ光の光路上に配置された第2の高反射ミラーとにより構成される第2の共振器によって再帰的に増幅され、前記第2の低反射ミラーを透過したレーザ光を出力する第2の工程と、を含んでいる、
ことを特徴とするレーザ光の出力方法。
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