[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
[スロットマシンの構成]
図1に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1、図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では後述するRT0〜RT4の規定数(特定数)として3、RBの規定数として3が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。クレジットが3以上であるときにMAXBETスイッチ6を操作すると、規定数に相当する賭数である3が一括して一度に設定される。なお、RT0〜RT4とRBとで規定数を異ならせてもよい。また、本実施形態では、特定数を規定数と称して説明する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作によりエラー及び打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、後述するRT0〜RT4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。なお、クレジットとして記憶されるメダルの枚数はRAM41cに記憶される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
本実施形態においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
なお、本実施形態では、いずれの設定値が設定されている場合でも、メイン制御部41が行う内部抽選の当選確率は共通であり、設定値に応じてサブ制御部91が行う後述のナビストック抽選、上乗せ抽選の当選確率として異なる当選確率を用いることによりメダルの払出率が変わる構成であるが、メイン制御部41が行う抽選の当選確率、サブ制御部91が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であればよい。
設定値を変更するためには、まず、前面扉1bが開放された状態で、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作と電源スイッチ39の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。なお、この場合、設定キースイッチ37がオフ状態になるまで前面扉1bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1bを開放して設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
図6〜図8は、本実施形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。図9は、本実施形態のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。
本実施形態におけるスロットマシン1は、RT0〜RT4、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。
まず、図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。本実施形態では、これらの各種リプレイを「リプレイ」と総称して説明する。なお、リプレイが入賞すると、規定数に相当する賭数である3が一括して一度に設定される。
次いで、図9を参照して、移行出目について説明する。RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施形態では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
[タイマ割込処理(メイン)]
図10および図11は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図10および図11に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、後述する電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
[ゲーム処理]
次に、図12を用いてメイン制御部41が1ゲーム毎に実行するゲーム処理について説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。
図12に示すように、ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる(Sd1)。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる(Sd2)。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(Sd3)。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる(Sd4)。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(Sd5)。
払出処理を終了するとゲーム終了時処理が行われる(Sd6)。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
また、メイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、ART抽選処理を行い、ATに当選、すなわち、ATゲーム数を付与したときには、ATに制御し、ナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。また、本実施形態のメイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、特別役としてのボーナスに当選したときには、内部中としてのRT4に制御し、RT4においても後述するナビ開始ゲーム数の経過後にナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。
[BET処理]
次に、メイン制御部41が図12のゲーム処理におけるSd1において実行するBET処理について説明する。図13〜図15は、メイン制御部41が図12のゲーム処理におけるSd1において実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、メイン制御部41のRAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Sc1)、遊技状態に応じた規定数(本実施例では上限数と同じ。遊技状態がRB(BB)の場合には3、通常遊技状態の場合には3)をメイン制御部41のRAM41cに設定し(Sc2)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(Sc3)。
Sc3において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には、Sc4において賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨を示すBETコマンドを生成し(Sc4)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc5)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sc6では、エラーが検知されたか否かを検知する(Sc6)。エラーが検知されていない場合にはSc9に進む。エラーが検知された場合にはエラーコマンドを生成し(Sc7)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc8)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sc9では、BETカウンタの値に規定数に相当する賭数である3を一括して一度に加算する(Sc9)。このように、第1実施形態では、リプレイが入賞したときにBETカウンタの値に規定数に相当する賭数である3を一括して一度に加算することにより、規定数の賭数(本実施形態では3)が一括して一度に設定される。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を一斉に(同時に)点灯させる処理を実行する(Sc10)。また、メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、及び、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41のRAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Sc11)、BETカウンタの値が規定数でなければSc9に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sc12)、Sc14のステップに進む。これにより、賭数の設定が完了する。
Sc3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、投入待ち前の設定を行い(Sc13)、Sc14のステップに進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。
Sc14のステップでは、レジスタにエラーコードが設定されているか否か、すなわちエラーが検知されたか否かを判定し、エラーコードが設定されていれば、エラー処理に移行する。なお、エラーコードはエラーが検知されたときにレジスタに設定される。また、エラー処理に移る際にはエラーコマンドがサブ制御部91に送信される。
なお、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作から賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが検知されたときには、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を実行する。よって、Sc12又はSc47の処理の後にSc14でYと判定されたときには、一定期間が経過してからエラー処理に移行する。なお、一定期間は、遊技者が賭数の設定を認識可能な期間に設定することが好適である。最短でもタイマ割込(メイン)の割込が行われるまでの期間を設定することが好適である。
本実施形態では、エラー処理が実行されると、遊技補助表示器12においてエラーコードが表示され、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16は消灯する。エラーコードは、エラーが発生したことを示す「E」と、エラーの種類を示す数字とを組み合わせた態様で表示される。例えば、「E1」や「E2」と表示される。
Sc14のステップにおいてエラーコードが設定されていなければ、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(Sc15)。Sc15のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Sc16)、投入要求LED17をonの状態にして(Sc17)、Sc19のステップに進む。メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Sc18)、Sc19のステップに進む。
Sc19のステップでは投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する(Sc19)。Sc19のステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Sc22のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(Sc20)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Sc21)、メダルの投入が可能な状態でなければSc22のステップに進む。
Sc21のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Sc28)、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算する(Sc29)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を投入されたメダルの枚数に応じて点灯させる処理を実行する(Sc30)。そして、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを生成し(Sc31)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc32)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。この後、Sc14のステップに戻る。
Sc28のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Sc33)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Sc34)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se9のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sc35)、Sc14のステップに戻る。
Sc22のステップでは、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。
Sc22のステップにおいてスタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていないと判定された場合には、Sc23のステップに進み、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Sc24)。
Sc24のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Sc14のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Sc25)、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、ゲーム開始時の設定を行う(Sc27)。そして、Sc27のステップの後、BET処理を終了して図12のフローチャートに復帰する。
Sc23のステップにおいては、MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。Sc23のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていなければ、Sc14のステップに戻る。
MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていれば、クレジットカウンタの値が3以上であるか否かを判定し(Sc36)、クレジットカウンタの値が3以上でなければ、Sc14のステップに戻る。
Sc36のステップにおいてクレジットカウンタの値が3以上であれば、クレジットカウンタの値を3減算し(Sc37)、クレジット表示11によるクレジット表示を一括して一度に3減算する(Sc38)。これにより、クレジット表示器11からは3を減算した残りのクレジット数が表示される。次いで、エラーが検知されたか否かを検知する(Sc39)。エラーが検知されていない場合にはSc42に進む。エラーが検知された場合にはエラーコマンドを生成し(Sc40)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc41)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sc42では、BETカウンタの値に規定数に相当する賭数である3を一括して一度に加算する(Sc42)。このように、第1実施形態では、MAXBETスイッチ6が操作されたときにBETカウンタの値に規定数に相当する賭数である3を一括して一度に加算することにより、規定数の賭数(本実施形態では3)が一括して一度に設定される。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を一斉に(同時に)点灯させる処理を実行する(Sc43)。また、メイン制御部41は、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Sc44)、BETカウンタの値が規定数でなければSc42に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、賭数が3加算される旨を示すBETコマンドを生成し(Sc45)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc46)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。そして、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sc47)、Sc14のステップに戻る。これにより、賭数の設定が完了する。
上記のように、本実施形態のBET処理では、リプレイの入賞による賭数の設定が完了して特定期間が経過した後(Sc12の処理の後)及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定が完了して特定期間が経過した後(Sc47の処理の後)に、Sc14の処理においてエラーコードが設定されているか否かを判定し、エラーコードが設定されている場合にはエラー処理を行うように処理の流れが設定されている。よって、特定期間内にエラーが発生しても特定期間内にエラー処理に移行させることができない。このため、特定期間が経過した後にエラー処理に制御されることになる。
なお、本実施形態では、検知されるエラーとして、オーバーフロータンク35内に突出した一対の電極(満タンセンサ35a)にメダルが接触し、これらが短絡したことを検出したときの満タンエラー、ホッパーユニット34におけるメダルの払出が正常に行われていないことを示す払出センサ異常エラー、ホッパータンク内のメダルがなくなったときのエンプティエラー、ホッパーユニットのメダル払出口でメダルが詰まったときのメダル詰まりエラー、メダルセレクタでのメダルの詰まりや異常を検出したときのメダルセレクタエラー、リールが正常の回転していないときのリール回転エラー、入賞ライン上に停止した図柄と内部抽選の結果が一致しないときの異常入賞エラー、RAM41cのデータが正常でないときのRAM異常エラーが設定されている。なお、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件にRAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でないときにRAM異常エラーであると判定(検知)する。このとき、メイン制御部41は、RAM異常エラーに対応するエラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図16に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では起動処理(サブ)で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、チェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
Sp5のステップにおいて、サブ制御部91は、賭数設定演出処理を実行する(Sp5)。賭数演出実行処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたBETコマンドを受信したときに、設定された賭数を液晶表示器51による画像の表示及びスピーカ53,54からのBET音の出力により報知する賭数設定演出を実行する。具体的には、メダルの投入が行われるたびに賭数が設定されたことを示す画像を設定された賭数に応じて段階的に液晶表示器51により表示するとともに、BET音を設定された賭数に応じて段階的に出力する。例えば、賭数が1であることを示す「1BET表示」、賭数が2であることを示す「2BET表示」、賭数が3であることを示す「3BET表示」を1つずつ段階的に表示するとともに、BET音を1回ずつ出力する。
また、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定されたときにも、賭数が設定されたことを示す画像を段階的に液晶表示器51により表示し、また、BET音を設定された賭数に応じて段階的に出力する。例えば、賭数が1であることを示す「1BET表示」、賭数が2であることを示す「2BET表示」、賭数が3であることを示す「3BET表示」を全てのBET表示が表示されるまで1つずつ段階的に表示するとともに、BET音が3回出力されるまでBET音を1回ずつ段階的に出力する。このように、リプレイが入賞したとき、又はMAXBETスイッチ6が操作されたときは、規定数に相当する賭数である3が一括して一度に設定されるが、賭数設定演出においては賭数が段階的に報知される。よって、規定数の賭数が設定されていることを認識しやすくすることができる。
Sp6のステップにおいて、サブ制御部91は、エラー報知処理を実行する(Sp6)。エラー報知処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたエラーコマンドを受信したときに、エラーが発生していることを示すエラー報知を液晶表示器51によるエラー発生画像の表示及びスピーカ53,54からのエラー発生音の出力により実行する。
その他、サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、遊技中の演出やナビ演出などを実行する。
[特定期間内にエラーが発生したときの各処理のタイミング]
次に、特定期間内にエラーが発生したときの各処理のタイミングについて図17を用いて説明する。
図17に示すように、リプレイが入賞するか又はMAXBETスイッチ6が操作されると、メイン制御部41はBETカウンタの値に規定数に相当する賭数である3を一括して一度に加算する。また、メイン制御部41は、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を一斉に(同時に)点灯させる。また、図示しないが、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を一度に「3」減算する。そして、投入不可フラグをRAM41cにセットして賭数の設定を完了させる。リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作から賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが検知されたときはエラーコードをレジスタに設定する。また、エラーが検知されたときには特定期間内であってもサブ制御部91によるエラー報知が開始される。そして、メイン制御部41は、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を実行する。エラー処理においては、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰する。
このように、特定期間内にエラーが発生しても即座にエラー処理が行われずにエラー状態に制御されず、賭数の設定が中断されないため、規定数の賭数が設定されたことを適切に認識させることができる。また、特定期間内でもエラーの検知はしているので、エラーが発生したことを適切に検知することができる。また、特定期間内にエラーを検知したときに即座にエラー報知を開始し、エラー処理は特定期間の経過後に行うので、エラーを検知したことを効果的に報知できるうえに、エラーを検知したときに即座にエラー処理が実行されないことで賭数が正常に設定されたことを認識することができる。また、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理が実行されるので、賭数が設定されたことを遊技者に認識させた後にエラー処理を実行することができる。また、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を使用せずにエラー報知を行うため、賭数が設定されたことをエラー報知により認識できなくなることを防止できる。また、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を一度に「3」減算するので、賭数がクレジットを使用して設定されたことを効果的に報知することができる。
なお、一定期間は、遊技者が賭数の設定を認識可能な期間に設定することが好適である。最短でもタイマ割込(メイン)の割込が行われるまでの期間を設定することが好適である。
[賭数設定演出の実行タイミング]
次に、賭数設定演出の実行タイミングについて図18を用いて説明する。
図18に示すように、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定されたときには、メイン制御部41は、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を一斉に(同時に)点灯させる。一方、サブ制御部91は、賭数が1であることを示す「1BET表示」、賭数が2であることを示す「2BET表示」、賭数が3であることを示す「3BET表示」を液晶表示器51によって段階的に表示(1BET表示→2BET表示→3BET表示の順序で段階的に表示)するとともに、BET音が3回出力されるまでBET音を1回ずつ段階的に出力する。これにより、規定数の賭数が設定されていることを認識しやすくすることができる。
[第1実施形態の具体例]
次に、第1実施形態の具体例について図19を用いて説明する。
図19に示すように、リプレイが入賞するか又はMAXBETスイッチ6が操作されてから賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが発生したときには、賭数の設定が中断されずに継続される。図19の例では規定数に相当する賭数が一括して一度に設定されるが、賭数を一括して設定する前にエラーが発生している例を示している。そして、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が点灯するとともに、クレジット表示器11の表示を「3」減算して残りのクレジット数を表示し(MAXBETスイッチ6が操作された場合にのみ)、賭数の設定が完了してからエラー処理が実行される。エラー処理が実行されると、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が消灯し、遊技補助表示器12からエラーの種類を示すエラーコード(図中の例では「E1」)が表示される。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、特定期間内にエラーが発生しても賭数の設定が中断されず、特定期間が経過した後にエラー処理を実行する(本例では、図13〜図15のSc12及びSc47の処理を行った後にSc4でYのときにエラー処理を行う部分、図17に示す部分)。
よって、特定期間内にエラーが発生しても即座にエラー処理が行われずにエラー状態に制御されず、賭数の設定が中断されないため、規定数の賭数が設定されたことを適切に認識させることができる。
第1実施形態では、特定条件はリプレイの入賞が発生したことである(本例では、図13〜図15のSc3でYのときにSc5〜Sc12の処理を行う部分、図17に示す部分)。
よって、リプレイの入賞に基づく賭数の設定が適切に行われたことを認識することができる。
第1実施形態では、特定条件はMAXBETスイッチ6が操作されたことである(本例では、図13〜図15のSc23でYのときにSc36〜Sc47の処理を行う部分、図17に示す部分)。
よって、MAXBETスイッチ6の操作に基づく賭数の設定が適切に行われたことを認識することができる。
第1実施形態では、特定期間においてエラーが発生したことを検知する(本例では、図13〜図15のSc6の処理を行う部分、Sc39の処理を行う部分、図17に示す部分)。
よって、特定期間内でもエラーの検知はしているので、エラーが発生したことを適切に検知することができる。
第1実施形態では、特定期間においてエラーが発生したことを報知し、特定期間の経過後にエラー処理を行う(本例では、図13〜図15のSc7及びSc8、Sc40及びSc41の処理を行い、図16のSp6の処理を行う部分、図17に示す部分)。
よって、特定期間内にエラーを検知したときに即座にエラー報知を開始し、エラー処理は特定期間の経過後に行うので、エラーを検知したことを効果的に報知できるうえに、エラーを検知したときに即座にエラー処理が実行されないことで賭数が正常に設定されたことを認識することができる。
第1実施形態では、特定期間においてエラーが発生したときは、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を行う(本例では、図17に示す部分)。
よって、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理が実行されるので、賭数が設定されたことを遊技者に認識させた後にエラー処理を実行することができる。
第1実施形態では、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16とは別個にエラー報知を行う液晶表示器51及びスピーカ53,54を備えている(本例では、図16のSp6の処理を行う部分)。
よって、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を使用せずにエラー報知を行うため、賭数が設定されたことをエラー報知により認識できなくなることを防止できる。
第1実施形態では、賭数設定演出では賭数として設定する規定数に相当する回数の報知を段階的に行う(本例では、図16のSp5の処理を行う部分、図18に示す部分)。
よって、賭数設定演出では賭数として設定する規定数に相当する回数の報知を段階的に行うので、賭数が段階的に設定されていることを認識しやすくすることができる。
第1実施形態では、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を一度に「3」減算して残りのクレジット数を表示する(本例では、図13〜図15のSc38の処理を行う部分)。
よって、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を一度に「3」減算して残りのクレジット数を表示するので、賭数がクレジットを使用して設定されたことを効果的に報知することができる。
[第1実施形態の変形例について]
以下に、第1実施形態の変形例について説明する。
[特定条件について]
上記実施形態では、特定条件として、リプレイの入賞及びMAXBETスイッチ6の操作を例に挙げたが、例えば、メダルが投入されたこと、1枚のメダルのBETする1BETスイッチや2枚のメダルをBETする2BETスイッチが操作されたことなど、上記実施形態と異なる条件を特定条件としてもよい。
[リプレイ入賞、MAXBETスイッチ操作時の賭数について]
上記実施形態では、リプレイの入賞及びMAXBETスイッチ6の操作時に規定数に相当する賭数である3を賭数として一括して一度に設定する例を挙げたが、いずれか一方のときにおいてのみ賭数を一括して一度に設定し、他方のときは段階的に賭数を設定してもよい。
[特定期間について]
上記実施形態では、投入不可フラグが設定されたときまでを特定期間としたが、例えば、エラーコードをレジスタに設定したとき、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を表示したときなど、特定期間の終了タイミングは他のタイミングにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の部分や同一の処理については詳しい説明を省略する。
[BET処理]
第2実施形態においては第1実施形態とBET処理が異なる。具体的にはSc9,1042,43の処理が異なる。よって、第2実施形態において、メイン制御部41が図12のゲーム処理におけるSd1において実行するBET処理について説明する。図20〜図22は、メイン制御部41が図12のゲーム処理におけるSd1において実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、メイン制御部41のRAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Sf1)、遊技状態に応じた規定数(本実施例では上限数と同じ。遊技状態がRB(BB)の場合には3、通常遊技状態の場合には3)をメイン制御部41のRAM41cに設定し(Sf2)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(Sf3)。
Sf3において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には、Sf4において賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨を示すBETコマンドを生成し(Sf4)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sf5)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sf6では、エラーが検知されたか否かを検知する(Sf6)。エラーが検知されていない場合にはSf9に進む。エラーが検知された場合にはエラーコマンドを生成し(Sf7)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sf8)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sf9では、BETカウンタの値を1加算する(Sf9)。このように、第2実施形態では、リプレイが入賞したときにBETカウンタの値に1ずつ加算することにより、規定数の賭数(本実施形態では3)が規定数に達するまで段階的に設定される。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を段階的に順次に全て点灯させる処理を実行する(Sf10)。また、メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、及び、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41のRAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Sf11)、BETカウンタの値が規定数でなければSf9に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sf12)、Sf14のステップに進む。これにより、賭数の設定が完了する。
Sf3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、投入待ち前の設定を行い(Sf13)、Sf14のステップに進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。
Sf14のステップでは、レジスタにエラーコードが設定されているか否か、すなわちエラーが検知されたか否かを判定し、エラーコードが設定されていれば、エラー処理に移行する。なお、エラーコードはエラーが検知されたときにレジスタに設定される。また、エラー処理に移る際にはエラーコマンドがサブ制御部91に送信される。
なお、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作から賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが検知されたときには、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を実行する。よって、Sf12又はSf47の処理の後にSf14でYと判定されたときには、一定期間が経過してからエラー処理に移行する。なお、一定期間は、遊技者が賭数の設定を認識可能な期間に設定することが好適である。最短でもタイマ割込(メイン)の割込が行われるまでの期間を設定することが好適である。
本実施形態では、エラー処理が実行されると、遊技補助表示器12においてエラーコードが表示され、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16は消灯する。エラーコードは、エラーが発生したことを示す「E」と、エラーの種類を示す数字とを組み合わせた態様で表示される。例えば、「E1」や「E2」と表示される。
Sf14のステップにおいてエラーコードが設定されていなければ、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(Sf15)。Sf15のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Sf16)、投入要求LED17をonの状態にして(Sf17)、Sf19のステップに進む。メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Sf18)、Sf19のステップに進む。
Sf19のステップでは投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する(Sf19)。Sf19のステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Sf22のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(Sf20)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Sf21)、メダルの投入が可能な状態でなければSf22のステップに進む。
Sf21のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Sf28)、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算する(Sf29)。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を投入されたメダルの枚数に応じて点灯させる処理を実行する(Sf30)。そして、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを生成し(Sf31)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sf32)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。この後、Sf14のステップに戻る。
Sf28のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Sf33)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Sf34)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se9のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sf35)、Sf14のステップに戻る。
Sf22のステップでは、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。
Sf22のステップにおいてスタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていないと判定された場合には、Sf23のステップに進み、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Sf24)。
Sf24のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Sf14のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Sf25)、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、ゲーム開始時の設定を行う(Sf27)。そして、Sf27のステップの後、BET処理を終了して図12のフローチャートに復帰する。
Sf23のステップにおいては、MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されているか否かを判定する。Sf23のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていなければ、Sf14のステップに戻る。
MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていれば、クレジットカウンタの値が3以上であるか否かを判定し(Sf36)、クレジットカウンタの値が3以上でなければ、Sf14のステップに戻る。
Sf36のステップにおいてクレジットカウンタの値が3以上であれば、クレジットカウンタの値を1減算し(Sf37)、クレジット表示11によるクレジット表示を1減算する(Sf38)。そして、クレジットカウンタから3減算したか否かを判定する(Sf38a)。クレジットカウンタから3減算していない場合にはSf37に戻る。クレジットカウンタから3減算したときにはSf39に進む。これにより、クレジット表示器11からは3を減算した残りのクレジット数が表示される。次いで、エラーが検知されたか否かを検知する(Sf39)。エラーが検知されていない場合にはSf42に進む。エラーが検知された場合にはエラーコマンドを生成し(Sf40)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sf41)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。
Sf42では、BETカウンタの値を1加算する(Sf42)。このように、第2実施形態では、MAXBETスイッチ6が操作されたときにBETカウンタの値に1ずつ加算することにより、規定数の賭数(本実施形態では3)が規定数に達するまで段階的に設定される。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を段階的に順次に全て点灯させる処理を実行する(Sf43)。また、メイン制御部41は、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Sf44)、BETカウンタの値が規定数でなければSf42に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、賭数が3加算される旨を示すBETコマンドを生成し(Sf45)、コマンド格納処理を行って生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sf46)。コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41が一定時間の経過ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)でのコマンド送信処理においてサブ制御部91に送信される(図10のSk16参照)。そして、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sf47)、Sf14のステップに戻る。これにより、賭数の設定が完了する。
上記のように、本実施形態のBET処理では、リプレイの入賞による賭数の設定が完了して特定期間が経過した後(Sf12の処理の後)及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定が完了して特定期間が経過した後(Sf47の処理の後)に、Sf14の処理においてエラーコードが設定されているか否かを判定し、エラーコードが設定されている場合にはエラー処理を行うように処理の流れが設定されている。よって、特定期間内にエラーが発生しても特定期間内にエラー処理に移行させることができない。このため、特定期間が経過した後にエラー処理に制御されることになる。
なお、本実施形態では、検知されるエラーとして、オーバーフロータンク35内に突出した一対の電極(満タンセンサ35a)にメダルが接触し、これらが短絡したことを検出したときの満タンエラー、ホッパーユニット34におけるメダルの払出が正常に行われていないことを示す払出センサ異常エラー、ホッパータンク内のメダルがなくなったときのエンプティエラー、ホッパーユニットのメダル払出口でメダルが詰まったときのメダル詰まりエラー、メダルセレクタでのメダルの詰まりや異常を検出したときのメダルセレクタエラー、リールが正常の回転していないときのリール回転エラー、入賞ライン上に停止した図柄と内部抽選の結果が一致しないときの異常入賞エラー、RAM41cのデータが正常でないときのRAM異常エラーが設定されている。なお、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件にRAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でないときにRAM異常エラーであると判定(検知)する。このとき、メイン制御部41は、RAM異常エラーに対応するエラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
[タイマ割込処理(サブ)]
第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、図16のSp5のステップにおいて、サブ制御部91は、賭数設定演出処理を実行する(Sp5)。賭数演出実行処理では、サブ制御部91は、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定されたときに、賭数が設定されたことを示す画像を段階的に液晶表示器51により表示し、また、BET音を設定された賭数に応じて段階的に出力する。例えば、賭数が1であることを示す「1BET表示」、賭数が2であることを示す「2BET表示」、賭数が3であることを示す「3BET表示」を全てのBET表示が表示されるまで1つずつ段階的に表示するとともに、BET音が3回出力されるまでBET音を1回ずつ段階的に出力する。このように、リプレイが入賞したとき、又はMAXBETスイッチ6が操作されたときは、3枚のメダルが賭数として規定数に達するまで段階的に設定されるが、賭数設定演出においても賭数が段階的に報知される。よって、規定数の賭数が設定されていることを認識しやすくすることができる。
また、第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、図16のSp6のステップにおいて、サブ制御部91は、エラー報知処理を実行する(Sp6)。エラー報知処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたエラーコマンドを受信したときに、エラーが発生していることを示すエラー報知を液晶表示器51によるエラー発生画像の表示及びスピーカ53,54からのエラー発生音の出力により実行する。
[特定期間内にエラーが発生したときの各処理のタイミング]
次に、特定期間内にエラーが発生したときの各処理のタイミングについて図23を用いて説明する。
図23に示すように、リプレイが入賞するか又はMAXBETスイッチ6が操作されると、メイン制御部41はBETカウンタの値に規定数である3に達するまで段階的に1ずつ加算する。また、メイン制御部41は、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を段階的に順次に全て点灯させる。また、図示しないが、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を規定数に相当する3減算されるまで1ずつ段階的に「3」減算する。そして、投入不可フラグをRAM41cにセットして賭数の設定を完了させる。リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作から賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが検知されたときはエラーコードをレジスタに設定する。また、エラーが検知されたときには特定期間内であってもサブ制御部91によるエラー報知が開始される。そして、メイン制御部41は、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を実行する。エラー処理においては、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰する。
このように、特定期間内にエラーが発生しても即座にエラー処理が行われずにエラー状態に制御されず、賭数の設定が中断されないため、規定数の賭数が設定されたことを適切に認識させることができる。また、特定期間内でもエラーの検知はしているので、エラーが発生したことを適切に検知することができる。また、特定期間内にエラーを検知したときに即座にエラー報知を開始し、エラー処理は特定期間の経過後に行うので、エラーを検知したことを効果的に報知できるうえに、エラーを検知したときに即座にエラー処理が実行されないことで賭数が正常に設定されたことを認識することができる。また、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理が実行されるので、賭数が設定されたことを遊技者に認識させた後にエラー処理を実行することができる。また、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を使用せずにエラー報知を行うため、賭数が設定されたことをエラー報知により認識できなくなることを防止できる。また、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を段階的に「3」減算するので、賭数がクレジットを使用して設定されたことを効果的に報知することができる。
なお、一定期間は、遊技者が賭数の設定を認識可能な期間に設定することが好適である。最短でもタイマ割込(メイン)の割込が行われるまでの期間を設定することが好適である。
[賭数設定演出の実行タイミング]
次に、賭数設定演出の実行タイミングについて図24を用いて説明する。
図24に示すように、リプレイの入賞又はMAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定されたときには、メイン制御部41は、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を段階的に順次に全て点灯させる。一方、サブ制御部91は、メイン制御部41による1〜3BETLED14〜16の点灯に同期するように、賭数が1であることを示す「1BET表示」、賭数が2であることを示す「2BET表示」、賭数が3であることを示す「3BET表示」を液晶表示器51によって段階的に表示(1BET表示→2BET表示→3BET表示の順序で段階的に表示)するとともに、BET音が3回出力されるまでBET音を1回ずつ段階的に出力する。これにより、規定数の賭数が設定されていることを認識しやすくすることができる。なお、液晶表示器51による表示及びBET音の出力はメイン制御部41による1〜3BETLED14〜16の点灯と同期していなくてもよい。
[第2実施形態の具体例]
次に、第2実施形態の具体例について図25を用いて説明する。
図25に示すように、リプレイが入賞するか又はMAXBETスイッチ6が操作されてから賭数の設定が完了するまでの特定期間内にエラーが発生したときには、賭数の設定が中断されずに継続される。図25の例では賭数が規定数に達するまで段階的に設定されるが、賭数が1設定されたときにエラーが発生している例を示している。そして、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が点灯するとともに、クレジット表示器11の表示を「3」減算して残りのクレジット数を表示し(MAXBETスイッチ6が操作された場合にのみ)、賭数の設定が完了してからエラー処理が実行される。エラー処理が実行されると、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が消灯し、遊技補助表示器12からエラーの種類を示すエラーコード(図中の例では「E1」)が表示される。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、特定期間内にエラーが発生しても賭数の設定が中断されず、特定期間が経過した後にエラー処理を実行する(本例では、図20〜図22のSf12及びSf47の処理を行った後にSf4でYのときにエラー処理を行う部分、図23に示す部分)。
よって、特定期間内にエラーが発生しても即座にエラー処理が行われずにエラー状態に制御されず、賭数の設定が中断されないため、規定数の賭数が設定されたことを適切に認識させることができる。
第2実施形態では、特定条件はリプレイの入賞が発生したことである(本例では、図20〜図22のSf3でYのときにSf5〜Sf12の処理を行う部分、図23に示す部分)。
よって、リプレイの入賞に基づく賭数の設定が適切に行われたことを認識することができる。
第2実施形態では、特定条件はMAXBETスイッチ6が操作されたことである(本例では、図20〜図22のSf23でYのときにSf36〜Sf47の処理を行う部分、図23に示す部分)。
よって、MAXBETスイッチ6の操作に基づく賭数の設定が適切に行われたことを認識することができる。
第2実施形態では、特定期間においてエラーが発生したことを検知する(本例では、図20〜図22のSf6の処理を行う部分、Sf39の処理を行う部分、図23に示す部分)。
よって、特定期間内でもエラーの検知はしているので、エラーが発生したことを適切に検知することができる。
第2実施形態では、特定期間においてエラーが発生したことを報知し、特定期間の経過後にエラー処理を行う(本例では、図20〜図22のSf7及びSf8、Sf40及びSf41の処理を行い、図16のSp6の処理を行う部分、図23に示す部分)。
よって、特定期間内にエラーを検知したときに即座にエラー報知を開始し、エラー処理は特定期間の経過後に行うので、エラーを検知したことを効果的に報知できるうえに、エラーを検知したときに即座にエラー処理が実行されないことで賭数が正常に設定されたことを認識することができる。
第2実施形態では、特定期間においてエラーが発生したときは、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理を行う(本例では、図23に示す部分)。
よって、特定期間が経過してから一定期間が経過したときにエラー処理が実行されるので、賭数が設定されたことを遊技者に認識させた後にエラー処理を実行することができる。
第2実施形態では、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16とは別個にエラー報知を行う液晶表示器51及びスピーカ53,54を備えている(本例では、図16のSp6の処理を行う部分)。
よって、賭数を表示する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を使用せずにエラー報知を行うため、賭数が設定されたことをエラー報知により認識できなくなることを防止できる。
第2実施形態では、賭数設定演出では賭数として設定する規定数に相当する回数の報知を段階的に行う(本例では、図16のSp5の処理を行う部分、図24に示す部分)。
よって、賭数設定演出では賭数として設定する規定数に相当する回数の報知を段階的に行うので、賭数が段階的に設定されていることを認識しやすくすることができる。
第1実施形態では、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を規定数に達するまで段階的に1ずつ減算して残りのクレジット数を表示する(本例では、図20〜図22のSf38の処理を行う部分)。
よって、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときには、クレジット表示器11の表示を規定数に達するまで段階的に1ずつ減算して残りのクレジット数を表示するので、賭数がクレジットを使用して設定されたことを効果的に報知することができる。
[第2実施形態の変形例について]
以下に、第2実施形態の変形例について説明する。
[特定条件について]
上記実施形態では、特定条件として、リプレイの入賞及びMAXBETスイッチ6の操作を例に挙げたが、例えば、メダルが投入されたこと、1枚のメダルのBETする1BETスイッチや2枚のメダルをBETする2BETスイッチが操作されたことなど、上記実施形態と異なる条件を特定条件としてもよい。
[リプレイ入賞、MAXBETスイッチ操作時の賭数について]
上記実施形態では、リプレイの入賞及びMAXBETスイッチ6の操作時に3枚のメダルを賭数として段階的に設定する例を挙げたが、いずれか一方のときにおいてのみ賭数を段階的に設定し、他方のときは一括して一度に賭数を設定してもよい。
[特定期間について]
上記実施形態では、投入不可フラグが設定されたときまでを特定期間としたが、例えば、エラーコードをレジスタに設定したとき、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を表示したときなど、特定期間の終了タイミングは他のタイミングにしてもよい。
[パチンコ遊技機について]
次に、本発明を適用するパチンコ遊技機について図26を用いて説明する。図26に示すパチンコ遊技機には第1実施形態に示す発明及び第2実施形態に示す発明のいずれをも適用可能である。
図26は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。パチンコ遊技機1は、BETスイッチを備えている(図示せず)。BETスイッチを操作するとクレジット数を用いて特定数の賭数を設定することができる。BETスイッチを操作して賭数を設定すると設定された賭数に応じた遊技球が貸与される。遊技者は、打球操作ハンドルを操作して貸与された遊技球を発射させる。また、遊技盤2の所定位置には特定の入賞口が設けられている。特定の入賞口に遊技球が入賞したときには特定数の賭数が自動的に設定される。特定の入賞口に遊技球が入賞して賭数が設定されると特定数の遊技球が貸与される。遊技者は、打球操作ハンドルを操作して貸与された遊技球を発射させる。
遊技盤2の所定位置(図26に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。
画像表示装置5の表示領域の始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。
図26に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
遊技盤2の所定位置(図26に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(たとえば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
以上、パチンコ遊技機1の構成について説明したが、パチンコ遊技機1に本発明を適用することができる。パチンコ遊技機1に本発明を適用するには、例えば、パチンコ遊技機1にBETスイッチを設ける。BETスイッチを操作するとクレジット数を用いて特定数の賭数を設定することができる。BETスイッチを操作して賭数を設定すると設定された賭数に応じた遊技球が貸与される。遊技者は、打球操作ハンドルを操作して貸与された遊技球を発射させる。また、遊技盤2の所定位置に特定の入賞口を設ける。特定の入賞口に遊技球が入賞したときには特定数の賭数が自動的に設定される。特定の入賞口に遊技球が入賞して賭数が設定されると特定数の遊技球が貸与される。遊技者は、打球操作ハンドルを操作して貸与された遊技球を発射させる。
そして、BETスイッチの操作や特定の入賞口への入賞の発生による賭数の設定が行われたときに特定数の賭数を一括して一度に設定するとともに、賭数の設定が行われてから賭数の設定が完了するまでの特定期間にエラーが発生したときには、特定期間の経過後にエラー処理を行うように構成することが可能である。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、BETスイッチの操作や特定の入賞口への入賞の発生による賭数の設定が行われたときに特定数の賭数を段階的に設定するとともに、賭数の設定が行われてから賭数の設定が完了するまでの特定期間にエラーが発生したときには、特定期間の経過後にエラー処理を行うように構成することが可能である。これにより、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
[遊技機について]
上記実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、ゲームソフト(スロットマシンゲーム、パチンコ遊技機ゲーム)を起動する家庭用ゲーム機や他のコンピュータ装置、インストールされた携帯アプリ(スロットマシンアプリ、パチンコ遊技機アプリ)を起動する携帯端末を本発明の遊技機として構成することも可能である。