JP6773527B2 - インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体および電気化学反応セルスタック - Google Patents

インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体および電気化学反応セルスタック Download PDF

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Description

本明細書によって開示される技術は、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体に関する。
燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCを構成するインターコネクタ−燃料電池単セル複合体(以下、単に「複合体」という)は、例えば、電解質層と電解質層を挟んで所定の方向(以下、「第1の方向」という)に互いに対向する空気極および燃料極とを含む燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という)と、単セルの第1の方向に配置されたインターコネクタとを備える。複合体は、さらに、集電体とスペーサとを備える。集電体は、単セルとインターコネクタとの間に配置されるとともに、単セルに接触するセル接触部とインターコネクタに接触するインターコネクタ接触部とを含む。スペーサは、セル接触部とインターコネクタとの間と、インターコネクタ接触部と単セルとの間との少なくとも一方に配置されている。
集電体のスペーサ側の表面の表面粗さが小さいと、集電体に対してスペーサが位置ずれし易くなり、集電体に対するスペーサの位置ずれに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続を良好に維持できなくなるおそれがある。これに対して、従来、集電体に対するスペーサの位置ずれを抑制するために、集電体のスペーサ側の表面の表面粗さを所定値以上にする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2014/17097号
一般に、単セルとインターコネクタと集電体とを備える複合体は、集電体と、単セルおよびインターコネクタの少なくとも一方とを接合する導電性の接合層を備える。集電体の接合層側の表面の表面粗さが小さいと、例えば、集電体と単セル等との接合段階において、接合層を形成する前の接合ペーストが固まっておらず集電体の位置がずれ易い。このために、集電体の位置ずれに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続を良好に維持できなくなるおそれがある。逆に、集電体の接合層側の表面の表面粗さが大きいと、例えば、集電体と接合層との間の面圧が不均一になることによって、単セル等と集電体との電気的接続を良好に維持できなくなるおそれがある。
なお、このような課題は、SOFCに限らず、他のタイプの燃料電池にも共通の課題である。また、このような課題は、インターコネクタ−燃料電池単セル複合体に限らず、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う電解セルの最小構成単位である電解セルと、インターコネクタと、を備えるインターコネクタ−電解セル複合体にも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解セルとをまとめて電気化学反応単セルといい、インターコネクタ−燃料電池単セル複合体とインターコネクタ−電解セル複合体とをまとめてインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体という。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体は、電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を含む電気化学反応単セルと、前記電気化学反応単セルの前記第1の方向に配置されたインターコネクタと、前記電気化学反応単セルと前記インターコネクタとの間に配置された導電性の集電体と、前記集電体と、前記電気化学反応単セルおよび前記インターコネクタの少なくとも一方とを接合する導電性の接合層と、を備えるインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、前記集電体の前記接合層側の表面は、当該表面の縁部を含む縁側領域と、前記縁側領域より前記表面の中央側に位置する中央側領域とを含み、表面形状において互いに隣り合う山と谷との高低差の最大値である最大高低差は、前記縁側領域の方が前記中央側領域より大きく、かつ、前記中央側領域における10点平均粗さは、前記縁側領域の前記縁部に沿った第2の方向に並ぶ複数箇所のそれぞれにおける前記第2の方向視の前記最大高低差の平均値より小さい。本インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体によれば、表面形状において互いに隣り合う山と谷との高低差の最大値である最大高低差(Zt)は、縁側領域の方が中央側領域より大きく。このことは、縁側領域には、中央側領域より接合層側に突出した凸部が形成されていることを意味する。また、中央側領域における10点平均粗さ(Rzjis)は、縁側領域の縁部に沿った第2の方向に並ぶ複数箇所における第2の方向視の最大高低差の平均値より小さい。このことは、主に導通経路として機能する中央側領域が縁側領域より表面が平滑であることを意味する。これにより、中央側領域の表面粗さ(凹凸形状)に起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続が不良になることを抑制することができる。さらに、縁側領域の凹凸によって集電体の位置ずれに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続が不良になることを抑制することができる。
(2)上記インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、前記中央側領域において、前記最大高低差と前記10点平均粗さとの差は、1(μm)以下である構成としてもよい。本インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体によれば、中央側領域において、最大高低差と10点平均粗さとの差が、1(μm)より大きい場合に比べて、中央側領域の表面粗さに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続が不良になることを、より確実に抑制することができる。
(3)上記インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、前記縁側領域における前記最大高低差は、10(μm)より大きい構成としてもよい。本インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体によれば、縁側領域における前記最大高低差が10(μm)以下である場合に比べて、集電体に対する接合層の位置ずれに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続が不良になることとを、より確実に抑制することができる。
(4)上記インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、前記中央側領域における前記10点平均粗さは、4(μm)未満である構成としてもよい。本インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体によれば、中央側領域における10点平均粗さが4(μm)以上である場合に比べて、中央側領域の表面粗さに起因してインターコネクタや電気化学反応単セルと集電体との電気的接続が不良になることを、より確実に抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体(インターコネクタ−燃料電池単セル複合体またはインターコネクタ−電解単セル複合体)、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体を備える電気化学反応単位(燃料電池発電単位または電解セル単位)、複数のインターコネクタ−電気化学反応単セルまたは電気化学反応単位を備える電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
第1実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 発電単位102の構成を概略的に示す説明図(XZ断面図)である。 発電単位102の構成を概略的に示す説明図(YZ断面図)である。 発電単位102の構成を概略的に示す説明図(XY断面図)である。 発電単位102の構成を概略的に示す説明図(XY断面図)である。 電極対向部145の電極側表面145Bを示す説明図である。 図5のVII−VIIの位置における燃料極側集電体144の断面構成を示す説明図(XZ断面)である。 変形例における燃料電池スタック100aの構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、燃料電池スタック100の構成を概略的に示す外観構成を示す斜視図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図2以降についても同様である。燃料電池スタック100は、特許請求の範囲における電気化学反応セルスタックに相当する。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108という場合がある。各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス供給マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する(図2参照)。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス供給マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図2から図5は、発電単位102の構成を概略的に示す説明図である。図2には、図1、図4および図5のII−IIの位置における発電単位102の断面構成を示しており、図3には、図1、図4および図5のIII−IIIの位置における発電単位102の断面構成を示しており、図4には、図2のIV−IVの位置における発電単位102の断面構成を示しており、図5には、図2のV−Vの位置における発電単位102の断面構成を示している。なお、図2および図3には、一部の断面を拡大して示している。
図2および図3に示すように、発電の最小単位である発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入される連通孔108に対応する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。単セル110は、特許請求の範囲における電気化学反応単セルに相当する。
電解質層112は、略矩形の平板形状部材であり、少なくともZrを含んでおり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、CaSZ(カルシア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、セパレータ120が接合された単セル110をセパレータ付き単セルともいう。
図2から図4に示すように、空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス供給マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
図2、図3および図5に示すように、燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス供給マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
図2、図3および図5に示すように、燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。具体的には、燃料極側集電体144は、略矩形の平板形状の部材に切り込みを入れ、複数の略矩形部分を曲げ起こすように加工することにより製造される。曲げ起こされた略矩形部分が電極対向部145となり、曲げ起こされた部分以外の穴あき状態の平板部分がインターコネクタ対向部146となり、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ部分が連接部147となる。なお、図5における部分拡大図では、燃料極側集電体144の製造方法を示すため、複数の方形部分の一部の曲げ起こし加工が完了する前の状態を示している。
燃料極116の内の電解質層112に対向する側とは反対側の表面(すなわち、燃料極116における燃料極側集電体144に対向する側の表面)には、導電性の接合層118が配置されている。本実施形態では、接合層118は、NiO(酸化ニッケル)により形成されている。燃料極116に配置された接合層118は、電極対向部145の内の燃料極116に対向する側の表面(以下、「電極側表面145B)という)に接触する箇所に形成されている。また、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の略全面には、導電性の接合層152が配置されている。本実施形態では、接合層152は、NiOにより形成されている。インターコネクタ150に配置された接合層152は、インターコネクタ対向部146の内のインターコネクタ150に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に配置された図示しない接合層を介して下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144および接合層118,152は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間に、例えばマイカにより形成されたスペーサ149が配置されている。これにより、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。燃料極側集電体144は、特許請求の範囲における集電体に相当する。
図2から図4に示すように、空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。単セル110と燃料極側フレーム140と燃料極側集電体144とインターコネクタ150(燃料極側集電体144と接触するインターコネクタ150)とを含む構成体は、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体(いわゆるカセット)に相当する。
A−2.燃料電池スタック100における発電動作:
図2に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド161に酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、酸化剤ガス供給マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を経て、空気室166に供給される。また、図3に示すように、燃料ガス供給マニホールド171に燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、燃料ガス供給マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を経て、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば摂氏700度から1000度)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2に示すように、空気室166から酸化剤ガス排出連通孔133、酸化剤ガス排出マニホールド162を経て、燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスOFGは、図3に示すように、燃料ガス排出連通孔143および燃料ガス排出マニホールド172を経て、燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.燃料極側集電体144の表面形状:
上述したように、燃料極側集電体144は、平板形状の部材に切り込みを入れ、複数の略矩形部分を曲げ起こすように加工することにより製造され、その曲げ起こされた略矩形部分が電極対向部145となる(図5の部分拡大図参照)。この電極対向部145の電極側表面145Bの表面形状は次の通りである。なお、電極側表面145Bは、特許請求の範囲における集電体の接合層側の表面に相当する。
図6は、曲げ起こされた後の電極対向部145(略矩形部分)の電極側表面145Bを示す説明図であり、図7は、図5のVII−VIIの位置における燃料極側集電体144の断面構成(XZ断面)を示す説明図である。以下、図6に示すように、電極対向部145の電極側表面145Bの内、切り込みにより切断された3辺に沿って延びている表面領域を「縁側領域E2」といい、当該縁側領域E2より電極側表面145Bの中央側に位置する矩形状の表面領域を「中央側領域E1」という。なお、縁側領域E2の幅D(上記各辺に直交する方向の寸法)は、例えば0.2(mm)以下であることが好ましい。
電極側表面145Bにおける中央側領域E1と縁側領域E2との表面形状(表面状態)について、次の第1の条件および第2の条件の両方が成り立つ。
<第1の条件>
縁側領域E2の最大高低差Zm(2) > 中央側領域E1の最大高低差Zm(1)
なお、最大高低差Zmは、表面形状において互いに隣接する山と谷との高低差の最大値である。隣接する山と谷との高低差(曲線の要素高さZt)の定義は、JIS B 0601 2013に準拠するものとする。縁側領域E2の最大高低差Zm(2)は、縁側領域E2全体における最大高低差Zmであり、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)は、中央側領域E1全体における最大高低差Zmである。
<第2の条件>
中央側領域E1における10点平均粗さRzjis < 縁側領域E2における最大高低差Zmの平均値
なお、10点平均粗さRzjisの定義は、JIS B 0601 2013に準拠するものとし、例えば、基準長さにおいて、輪郭曲線の最大の山高さから5番目までの平均と、最深の谷深さからの5番目までの平均との和である。
縁側領域E2における最大高低差Zmの平均値は、縁側領域E2の長手方向に並ぶ複数箇所のそれぞれにおける当該長手方向視の最大高低差Zmの平均値である。
具体的には、本実施形態では、図6に示すように、例えば縁側領域E2の内、一の辺(Y軸方向に平行な辺)に沿った直線状の領域において、当該一の辺に沿った方向(Y軸方向 以下、「測定点並び方向」という)に所定間隔で並ぶ10箇所k(k1〜k10)が測定箇所とされる。直線状の領域の長手方向の長さは、上記10点平均粗さRzjisにおける基準長さと同じであることが好ましい。そして、各測定箇所kにおいて、測定点並び方向視の最大高低差Zmを特定する。ここで、図2の右下の部分拡大図は、図5のII−IIの位置における燃料極側集電体144の断面構成を示す説明図であり、図2の右下の部分拡大図には、一の測定箇所kについて、測定点並び方向視における電極側表面145Bの表面形状が示されている。図2の右下の部分拡大図を使って簡易的に説明すると、縁側領域E2内には3つの山を有する輪郭曲線の要素高さZtが存在し、真ん中に位置する山の要素高さZtが、最大高低差Zm(Zm(2))とされる。そして、10点の測定箇所kのそれぞれの最大高低差Zmを求め、求められた10点の測定箇所kの最大高低差Zmの平均値を算出することにより、縁側領域E2における最大高低差Zmの平均値を特定することができる。なお、同部分拡大図中の符号Zm(1)は、中央側領域E1の最大高低差を意味するものとする。また、測定点並び方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。
なお、電極側表面145Bを、上記第1の条件および第2の条件の両方を満たす表面形状にする方法の一例は、次の通りである。すなわち、上述の平板形状の部材に対して、レーザ加工や刃(プレス)加工を用いて切り込みを入れる。これにより、平板形状の部材の内、切り込みの近傍にバリが生じることによって(図2、図3および図7参照)、電極側表面145Bが、上記第1の条件および第2の条件の両方を満たす表面形状になる。なお、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)や10点平均粗さRzjisは、上述の平板形状の部材の表面加工により調整することができる。縁側領域E2の最大高低差Zm(2)や最大高低差Zmの平均値は、レーザ加工におけるレーザ出力、レーザビームの幅や照射時間、また、刃加工における平板形状の部材に対する刃の角度(逃げ角)を変更することにより調整することができる。
なお、上記第1の条件および第2の条件における各値の一例は次の通りである。
中央側領域E1の最大高低差Zm(1):7.9(μm)
中央側領域E1における10点平均粗さRzjis:8.4(μm)
縁側領域E2の最大高低差Zm(2):20.6(μm)
縁側領域E2における最大高低差Zmの平均値:23.44(μm)
(各測定箇所の最大高低差Zm:20.6(μm),16.52(μm),25.61(μm),32.72(μm),26.25(μm),18.82(μm),32.09(μm),21.1(μm),25.39(μm),15.28(μm))
このように、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)と中央側領域E1における10点平均粗さRzjisとの差は、1(μm)以下であることが好ましい。また、縁側領域E2の最大高低差Zm(2)は、10(μm)より大きいことが好ましい。なお、電極対向部145の内、スペーサ149と対向する表面(以下、「スペーサ側表面145A」という)全体の表面形状は、電極側表面145Bの中央側領域E1と同程度であり、電極側表面145Bの縁側領域E2との間で上記第1の条件および第2の条件の両方が成り立つものとする。
A−4.本実施形態の効果:
燃料極側集電体144における電極対向部145の電極側表面145Bの全面の表面粗さが小さいと、例えば、燃料極側集電体144と単セル110との接合段階において、接合層118を形成する前の接合ペーストが固まっていないことによって、単セル110に対する燃料極側集電体144の位置ずれが生じやすくなる。このために、燃料極側集電体144の位置ずれに起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続を良好に維持できなくなるおそれがある。逆に、電極側表面145Bの全面の表面粗さが大きいと、例えば、燃料極側集電体144と接合層118との間の面圧が不均一になることによって、単セル110等と燃料極側集電体144との電気的接続を良好に維持できなくなるおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、燃料極側集電体144における電極対向部145の電極側表面145Bについて、縁側領域E2の最大高低差Zm(2)は、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)より大きい。このことは、縁側領域E2には、中央側領域E1に比べて、高低差が大きい凸部が存在することを意味する。これにより、図2、図3および図7に示すように、縁側領域E2に存在する高低差が大きい凸部が接合ペーストの表面に食い込むことによって、接合段階において、単セル110に対する燃料極側集電体144の位置ずれが抑制される。
また、中央側領域E1における10点平均粗さRzjisは、縁側領域E2における最大高低差Zmの平均値より小さい。このことは、主に導通経路として機能する中央側領域E1が縁側領域E2に比べて表面が平滑であることを意味する。これにより、中央側領域E1の表面粗さ(凹凸形状)に起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続が不良になることと、単セル110等に対する燃料極側集電体144の位置ずれに起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続が不良になることとの両方を抑制することができる。
また、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)と中央側領域E1における10点平均粗さRzjisとの差は、1(μm)以下である。これにより、中央側領域E1において、最大高低差Zmと10点平均粗さRzjisとの差が、1(μm)より大きい場合に比べて、中央側領域E1の凹凸度合いが小さくなるため、中央側領域E1の表面粗さに起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続が不良になることを、より確実に抑制することができる。
また、縁側領域E2の最大高低差Zm(2)は、10(μm)より大きい。これにより、縁側領域E2の最大高低差Zm(2)が10(μm)以下である場合に比べて、縁側領域E2に存在する凸部によって接合層118を形成する前の接合ペーストを係止する力が大きくなる。このため、単セル110等に対する燃料極側集電体144の位置ずれに起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続が不良になることとを、より確実に抑制することができる。
B.第2の実施形態:
第2実施形態における電極側表面145Bの中央側領域E1は、上記第1実施形態における電極側表面145Bの中央側領域E1に比べて、より平坦である。その他の点は、上述した第1実施形態と同一の構成であるため、その説明を省略する。
具体的には、次の通りである。
中央側領域E1の最大高低差Zm(1):2.88(μm)
中央側領域E1における10点平均粗さRzjis:2.80(μm)
このように、中央側領域E1における10点平均粗さRzjisは、4(μm)未満である。これにより、中央側領域E1における10点平均粗さRzjisが4(μm)以上である場合に比べて、中央側領域E1の表面粗さに起因してインターコネクタ150や単セル110と燃料極側集電体144との電気的接続が不良になることを、より確実に抑制することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、燃料極側集電体144の電極側表面145Bについて本発明を適用した例を説明したが、これに限られない。例えば、燃料極側集電体144の内、インターコネクタ対向部146の接合層152側の表面に本発明を適用してもよい。また、燃料電池スタック100が、空気極側集電体134(集電体要素135)と、単セル110(空気極114)とを接合する接合層(図示せず)を備える場合、当該空気極側集電体134の該接合層側の表面に本発明を適用してもよい。
上記実施形態において、中央側領域E1の最大高低差Zm(1)と中央側領域E1における10点平均粗さRzjisとの差は、1(μm)より大きくてもよい。また、縁側領域E2の最大高低差Zm(2)は、10(μm)以下でもよい。また、中央側領域E1における10点平均粗さRzjisは、4(μm)以上でもよい。
また、上記実施形態では、燃料電池スタック100の構成が、平板形の単セル110を複数備える構成であるが、本発明は、他の構成、例えば国際公開第2012/165409号に記載されているように、略円筒形の単セル110aを複数備える燃料電池スタック100aにも同様に適用可能である。図8は、変形例における燃料電池スタック100aの構成を概略的に示す説明図である。図8に示す変形例における燃料電池スタック100aは、Z方向に互いに所定間隔をあけて並べて配置された複数の発電単位102aを備える。複数の発電単位102aは、隣り合う発電単位102a間に配置された集電部870を介して電気的に直列に接続されている。各発電単位102aは、扁平柱形状の外観を有し、電極支持体830と、単セル110aと、インターコネクタ810とを備える。単セル110aは、燃料極840と、電解質層850と、空気極860と、反応防止層900とを含む。なお、図8に示す変形例におけるZ方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
電極支持体830は、略楕円形状の断面を有する柱状体であり、多孔質材料で形成されている。電極支持体830の内部には、柱状体の延伸方向に延びる複数の燃料ガス流路820が形成されている。燃料極840は、電極支持体830の側面の内、互いに平行な一対の平坦面の一方と、各平坦面の端部同士をつなぐ2つの曲面とを覆うように設けられている。電解質層850は、燃料極840の側面を覆うように設けられている。空気極860は、電解質層850の側面の内、電極支持体830の平坦面上に位置する部分を覆うように設けられている。ただし、電解質層850と空気極860との間には、反応防止層900が配置されている。インターコネクタ810は、燃料極840および電解質層850が設けられていない側の電極支持体830の平坦面上に設けられている。集電部870は、発電単位102aの空気極860と、その発電単位102aに隣り合う発電単位102aのインターコネクタ810とを電気的に接続する。空気極860の外側に酸化剤ガスが供給され、電極支持体830に形成された燃料ガス流路820に燃料ガスが供給され、所定の作動温度まで加熱されると、燃料電池スタック100aにおいて発電が行われる。
さらに、燃料電池スタック100aは、集電部870とインターコネクタ810とを接合する第1の接合層910と、集電部870と単セル110aとを接合する第2の接合層920とを備える。このような構成の燃料電池スタック100aにおいても、上記実施形態と同様に、集電部870の内、各接合層910,920側の表面に本発明を適用することにより、単セル110等に対する燃料極側集電体144の位置ずれに起因してインターコネクタ810等と集電部870との電気的接続が不良になることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(SOEC)の最小単位である電解セル単位や、複数の電解セル単位を備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号公報に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様に、空気極側集電体または燃料極側集電体に本発明を適用することにより、電気化学反応単セル等に対する集電体の位置ずれに起因して電気化学反応単セル等と集電体との電気的接続が不良になることを抑制することができる。
また、上記実施形態において、電解質層112は固体酸化物により形成されているとしているが、電解質層112は固体酸化物の他に他の物質を含んでいてもよい。また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、空気極側集電体134を構成する各集電体要素135の形状は、四角柱状に限らず、インターコネクタ150側から空気極114側に突出するような形状であれば他の形状であってもよい。
また、上記実施形態において、電解質層112と空気極114との間に、例えばセリアを含む反応防止層を設け、電解質層112内のジルコニウム等と空気極114内のストロンチウム等とが反応することによる電解質層112と空気極114との間の電気抵抗の増大を抑制するとしてもよい。また、上記実施形態において、空気極側集電体134と、隣接するインターコネクタ150とが別部材であってもよい。また、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と、隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
また、上記実施形態では、エンドプレート104,106が出力端子として機能するとしているが、エンドプレート104,106の代わりに、エンドプレート104,106のそれぞれと発電単位102との間に配置された導電板が出力端子として機能するとしてもよい。また、上記実施形態では、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間の空間を各マニホールドとして利用しているが、これに代えて、各ボルト22に軸方向の孔を設け、その孔を各マニホールドとして利用してもよいし、各マニホールドを各ボルト22が挿通される各連通孔108とは別に設けてもよい。
22:ボルト 24:ナット 100,100a:燃料電池スタック 102,102a:発電単位 104,106:エンドプレート 108:連通孔 110,110a:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 118:接合層 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 145A:スペーサ側表面 145B:電極側表面 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサ 150:インターコネクタ 118,152:接合層 161:酸化剤ガス供給マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス供給マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 810:インターコネクタ 820:燃料ガス流路 830:電極支持体 840:燃料極 850:電解質層 860:空気極 870:集電部 900:反応防止層 910:第1の接合層 920:第2の接合層 D:幅 E1:中央側領域 E2:縁側領域 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス OFG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (5)

  1. 電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を含む電気化学反応単セルと、
    前記電気化学反応単セルの前記第1の方向に配置されたインターコネクタと、
    前記電気化学反応単セルと前記インターコネクタとの間に配置された導電性の集電体と、
    前記集電体と、前記電気化学反応単セルおよび前記インターコネクタの少なくとも一方とを接合する導電性の接合層と、を備えるインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、
    前記集電体のうち、前記接合層と前記第1の方向において接触する表面は、当該表面の縁部を含む縁側領域と、前記縁側領域より前記表面の中央側に位置する中央側領域とを含み、
    表面形状において互いに隣り合う山と谷との高低差の最大値である最大高低差は、前記縁側領域の方が前記中央側領域より大きく、
    かつ、
    前記中央側領域における10点平均粗さは、前記縁側領域の前記縁部に沿った第2の方向に並ぶ複数箇所のそれぞれにおける前記第2の方向視の前記最大高低差の平均値より小さいことを特徴とする、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体。
  2. 請求項1に記載のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、
    前記中央側領域において、前記最大高低差と前記10点平均粗さとの差は、1(μm)以下であることを特徴とする、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、
    前記縁側領域における前記最大高低差は、10(μm)より大きいことを特徴とする、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体において、
    前記中央側領域における前記10点平均粗さは、4(μm)未満であることを特徴とする、インターコネクタ−電気化学反応単セル複合体。
  5. 前記第1の方向に並べて配列された複数のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体を備える電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記複数のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体の少なくとも1つは、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインターコネクタ−電気化学反応単セル複合体であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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