JP6770749B2 - 運動能力及び運動の評価システム - Google Patents

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Description

本発明は、運動能力及び運動の評価システムに関する。より詳細には、本発明は、運動時における運動者の運動の状態を示す複数の測定変数に基づいて、運動者の持久運動能力を評価する方法、及び前記運動者が行った運動の質の解析及び評価する方法に関する。また、本発明は、前記運動者の運動状態を示す変数を基に前記運動者の代謝能力を推算し、持久運動能力を評価するとともに、前記運動者が行った運動の質を評価する手法の実行を支援するための運動者の状態、運動可能量及び質からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースの作成方法並びにデータベースシステムに関する。
運動強度の測定においては、呼吸で摂取した酸素量による測定が以前から広く行われてきた。近年では、運動強度を測定する測定器(以下、「仕事率測定器」という。)が開発され、小型化が進んだ。このため、競技によっては競技現場での心拍数、脈拍、呼吸数の他、その競技者が現在位置している高度や運動速度等を測定し、データとして収集できるようになった。
例えば、自転車競技は、こうした測定機器を積んで運動の履歴をデータとして収集することができるスポーツである。そして、上記のような身体的な状況を示すデータの他、ピッチ又は脚の回転速度等も計測することができるようになった。このため、各測定器メーカーから、以上のようなデータ収集のための装置が、簡易な解析機能を有するソフトウェアとともに、数万円〜数十万円という価格で販売されている。
一方で、運動を続けるためにはエネルギーが必要とされるが、こうしたエネルギー源としては、脂肪と糖という2つがある。まず、主要なエネルギー源である脂肪(以下、「第1エネルギー源」という。)は、主反応器内においてその多くが酸化的代謝反応によってATPを産生するために利用される(図1参照)。2つ目のエネルギー源である糖からは、第1副反応器内で、解糖反応によってピルビン酸が生成される。ピルビン酸は前記主反応器におけるATP産生の原料としても使用されるが、乳酸脱水素酵素の働きによって還元されると乳酸となる。乳酸もまた、ATPの産生に利用される。脂肪の酸化的代謝物の一部は、第2副反応器においてクレアチンリン酸消費−再合成反応で利用され、ATPが産生される(図1参照)。
運動強度が低い場合には、ATPは主に第1エネルギー源の酸化的代謝によって生成される(図2参照)。これに対し、運動強度の増加に伴い、副反応器からのATP供給の比率が高まってくる。そして、第2エネルギー源、すなわち、糖の利用量が多くなると、疲労によって運動の持続が困難となることが知られている(図2参照)。
ところで、運動強度と血中乳酸濃度とは、運動強度(以下、「パワー」ということがある。)が低い間はほぼ比例関係にあるといえる。しかし、運動強度を上げていくと、ある強度に達すると急激に血中乳酸濃度が上がることが知られている(図3参照)。このため、従来から、呼吸で測定した場合には嫌気的スレッショルド(Anaerobic Threshold, 以下、ATと略すことがある。)又は乳酸スレッショルド(Lactate Threshold, 以下「LT」と略すことがある。)といった指標が、持久運動能力の指標として用いられてきた。図3に示すように、LTは運動強度を上げていった際に観測される、血中乳酸濃度が急激な上昇に転じるポイントを示す運動強度であり、これ以降の強度では長時間の持続的な運動が困難な運動強度(パワー)と定義される。そして、近年、持久運動能力の指標のひとつとして、LTの重要性が明らかになってきた。
現場での測定が簡便なこともあって、持久運動能力を示す指標として、LTが広く利用されている。実験室でLTを測定する場合には、漸増負荷テストを行う。これは、一定強度で一定時間の運動を行い、その都度、血中乳酸濃度の測定を行い、次いで徐々に強度を上げてゆくというテストである。
LTの決定には、維持する運動強度に応じた被験者の血中乳酸濃度を測定し、この運動強度と血中乳酸濃度との間の関係を表すLactateカーブを作成して特定の濃度変化の値をもとに決定する方法(以下、「Lactateカーブ法」という)と、Lactateカーブをもとに一律に血中乳酸濃度が4mmol/Lに達したポイントを持久運動能力の指標とする方法((血中乳酸蓄積のオンセット(Onset of Blood Lactate Accumulation)、以下、「OBLA法」という。)等があることが知られている。
前者のlactateカーブを使用する方法では、血中乳酸濃度の上昇が始まる強度付近を、LTをLTパワー、LT心拍数、LT速度などとして決定する。図3では、LT決定法の例として、ベースラインからΔ1mmol/Lを決定するポイントを示している。後者のLT決定法では、Lactateカーブから一律に血中乳酸濃度が4mmol/Lに達したポイントを、持久運動能力の指標とする点が、前者の方法とは異なっている。
上述したように、仕事率測定器が自転車に積載できるサイズに小型化され、普及が進んだことに伴って、幾つかの手法で簡便かつ近似的にLTを求めて持久運動強度の指標とすることができるようになった。こうした機器を利用したLT決定法としては、測定したトレーニングデータから求める方法、仕事率分布の分布頻度から求める方法、Critical Power(CP)と呼ばれる運動強度と維持可能時間の関係から求める方法等がある。CPは、被験者である選手が、実際にその強度を複数回実行する、又はトレーニング時の強度データ値を基に、維持可能なパワー値を推算する方法である。CPは、持久運動指標のより実践的な推算法であり、より簡便かつ近似的にLT強度を推算することができる。
以上で述べた方法では、運動する者の代謝能力を決めるために血中乳酸濃度を測定する。具体的には、一定時間、一定強度を維持する運動テストを行ったときに血中乳酸濃度を測定する。次第に運動強度を上げていくと、その増加につれて血中乳酸濃度が上昇する現象が現れる点があり、その時点の強度(パワー値、速度など)をLTとして持久運動能力の代表値とする。すなわち、従来は、一定負荷を維持しながらある決まった時間における乳酸濃度を測定するという方法によって、血中乳酸濃度が測定されてきた(以下、「従来技術」という。)。
ところで、実際に運動者が行う運動においては、様々な理由によって(運動とともに進行する疲れ、コース変動、天候など)断続的な運動強度の変動があり、時間の経過とともに複雑な運動強度変動の履歴をたどるのが一般的である。運動強度変動の履歴は各運動者の持久運動能力、コースなどに応じて多種多様なパターンをたどり、それとともに、各運動者の持久運動能力と運動履歴に対応したエネルギー消費、それに応じた疲労へ至る経路をたどってゆく。
目的とする運動(例えば、フルマラソンの完走など)の達成、運動強度、運動時間、運動回数など、各運動者固有の代謝能力に応じた適切な構成で進行させてゆく必要がある。このことは、目標とする運動の達成のために行うトレーニングについても同様の考慮を行なうことが望ましい。そのためには、経時的な運動強度の変動履歴をたどりながら、それまでの運動がその後の運動へどのような影響を及ぼすかを経時的な変化の中でのひとつながりの現象として、運動者の状態からその運動の質を把握し、総合的に評価する手法が必要である。ここで、上記運動者の状態は、代謝物質の濃度又は運動の継続に伴って変化する疲労の進行等によって表される。
また、運動履歴は、運動につれて蓄積される疲労、コース変動、雨、風の強さ、気温の高低といった天候その他の原因によって、運動強度は断続的に変動するため、一般的に、時間の経過とともに複雑なものとなり、多様なパターンを示す。そして、各運動者の持久運動能力と運動履歴に対応してエネルギー消費量が変動し、これに対応して疲労が蓄積してゆく。このため、例えば、フルマラソンの完走を目的とする場合には、変動する運動強度に対応しながら、疲労の蓄積をできる限り抑えることが必要である。そして、運動強度、時間、回数などの要素を、各運動者固有の代謝能力に応じた最適の構成として、持久運動能力の向上とともに、競技で要求される運動強度による運動の遂行が可能となるようトレーニングを進めることが必要である。
Journal of Physiology (1992), 451, pp. 205-227 Eur J Appl Physiol (2003) 88: 361-369
従来技術は、一定負荷を維持しながらある決まった時間における乳酸濃度を知ることができるという点では優れた方法である。しかし、運動中の負荷を一定に維持していても、次第に増加する血中乳酸濃度を経時的に測定することができなかった。
また、従来のLactate curveを用いるLT決定法で、ベースラインからΔ1mmol/L又はOBLAとして持久運動能力値を決定したとしても、実際には、それよりも高い運動強度と血中乳酸濃度を維持しながら長時間の運動が可能な競技者が多いことが知られている。
このため、従来のLT決定法を用いて持久運動能力に対する各人能力を厳密に評価することは難しい。もう少し具体的に言えば、測定対象運動者に適した運動強度を決めることはできるが、どのようなトレーニング履歴をたどることがその測定対象運動者にとってベストなのかを決めることはできなかった。このことは、最大限の効果を得られるトレーニングプログラムを組むことが難しいということを意味する。すなわち、経時的に変動する運動強度の履歴を正確に反映する疲労進行度の指標が存在しないのが現状である。
このため、それまでの運動がその後の運動へどのような影響を及ぼすかということ、すなわち、運動者の状態から運動の質を経時的な変化の中でのひとつながりの現象として把握し、総合的に評価する手法に対する、強い社会的な要請があった。
また、実際の運動において経時的な強度変化の過程でどの程度の運動強度を維持し、血中乳酸濃度はどれくらいの値を維持しているのか、そして、またそれに伴って疲労がどの程度進行しているのかを知ることは、適切なプログラムを作成するためには必須である。そして、疲労の程度を厳密に数値として求めるためには、筋や血液サンプルなどの採取とその生理学的な分析が必要となる。
しかし、運動している最中に、こうした測定を実施することは困難であり、また、競技中にこうしたサンプルの採取を行うことは不可能である。
このため、運動を持続するためのエネルギーを供給する代謝能力の指標となる第1副反応器(図1及び2参照)における乳酸生成式を、血中濃度を測定することなく作成することについての強い社会的な要請があった。
さらに、現状では、短時間に強度の高い運動を行なった場合に生じる一時的な疲労を評価する適切な指標がない。このため、上記のような場合における一時的な疲労を評価し、疲労の進行と回復とを表す代謝反応速度式を作成することについての強い社会的な要請があった。
以上のような状況の下、本発明者は、運動の継続に伴って変化する運動者の状態を間接的に示す代謝反応物質の濃度変化に関する研究を行ってきた。そして、本発明者は、特定の複数の計測可能量を適切に組み合わせ、当該特定の複数の計測可能量を変数とした場合に、当該変数のそれぞれについての関数の積の和の形式で、推定精度を確保できる反応速度式を表現することができるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、第1〜第3の組の変数のいずれかの組を選択し、選択された組に含まれる運動状態変数のそれぞれの値を、測定対象運動者について、少なくとも一の運動期間にわたって継続的に実測する測定工程と;前記測定工程における測定結果に基づいて、前記選択された組に対応して定まる代謝反応モデル式における前記測定対象運動者に対応する係数パラメータを算出する算出工程と:を備え、
前記第1の組は、トルク、ケイデンス、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;前記第2の組は、フォース、ストライド(ピッチ)、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;前記第3の組は、パワー(仕事率)、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;
前記選択された組が前記第1の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(I)であり;前記選択された組が前記第2の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(II)であり;前記選択された組が前記第3の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(III)である;前記測定対象運動者に関する代謝反応式の推定方法である。
ここで、上記式(I)〜(III)中、ki(i=1〜j)は係数パラメータを表す、各運動者固有の実数値である。また、上記式(I)中、[met]は代謝物濃度を表し、[tor]はトルク値を、[cad]は、脚の回転数[rpm]、ペダルの回転速度、ピッチ数及び移動速度からなる群から選ばれるいずれかのケイデンスをそれぞれ表す。[weight]は測定対象運動者の体重、[HR]は心拍数[bpm]をそれぞれ表す。[slope]はコースの傾斜角度分布を含むコース状態を表す。[temp]は気温又は体温を表す。


上記式(II)中、[force]はフォース値を、[stride(pitch)]は、ピッチと同様に身体を動かす速さのパラメータであり、歩行時又はランニング時の歩幅又はピッチをそれぞれ表す。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(I)と同じである。
上記式(III)中、[power(work rate)]は、force(力)、水平および垂直方向の速度と加速度、身体の上下変動高さ、接地時間、走行時のジャンプ角度、ストライドの周期(pitch)といった測定パラメータから求める仕事率(work rate)を含む。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(I)と同じである。
上記式(I)〜(III)中のfr(X),gr(X),hr(X)は、Xを変数とする関数である。
本発明の代謝反応式の推定方法では、前記式(I)として下記式(IV)を採用することができる。
前記式(IV)中のべき乗次数は実数である。
本発明の代謝反応式の推定方法では、前記式(II)として下記式(V)を採用することができる。
前記式(V)中のべき乗次数は実数である。
本発明の代謝反応式の推定方法では、前記式(III)として下記式(VI)を採用することができる。
前記式(VI)中のべき乗次数は実数である。
本発明は、上記の代謝反応式の推定方法を使用して測定対象運動者について推定された代謝反応式に基づいて、新たな運動期間における運動の際の前記測定対象運動者にとっての運動者の状態、運動の質、運動可能量のうちの少なくとも1つを推定する方法であることが好ましい。
また、本発明の別の実施態様は、上記の代謝反応式の推定方法を使用して、複数の測定対象運動者の代謝反応式を推定する推定工程と;前記複数の測定対象運動者のそれぞれの個人属性と、前記個人属性に対応する測定対象運動者の代謝反応式とを関連付けたデータベースを作成する作成工程と;を備える、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースの作成方法である。
ここで、前記個人属性には、トレーニングの進行度が含まれ、前記トレーニングの進行に応じて、新たな代謝反応式を用いて運動の質又は運動可能量を推定するものであることが好ましい。また、前記個人属性には、測定対象運動者の運動能力のレベル、身長、体重、体温等が含まれることが好ましい。
本発明のまた別の実施態様は、上述した代謝反応式の推定方法により推定された代謝反応式を用いて求めた代謝速度に基づいて、前記推定された代謝反応式に対応する運動者の状態及び持久運動能力を評価する持久運動能力の評価方法である。
本発明のさらに別の実施態様は、代謝反応により運動の持続に必要なエネルギーを供給する体内主反応器並びに第1及び第2体内副反応器の総合性能を、各反応器中における代謝反応に伴う代謝物の濃度変化をモニターすることによって推定する性能推定工程と;ピルビン酸及び乳酸の少なくとも一方の生成速度を指標として、前記第1体内副反応器の性能を推測する性能推測工程と;前記運動の持続と経時的に進行する疲労との関係を、上記の代謝反応式の推定方法により推定された代謝反応式に基づいて、代謝物質(代謝産物)の濃度又は代謝量を定量的に推定する疲労度把握工程と;前記推定された総合性能と前記推測された前記第1副反応器の性能とに基づいて、最適なトレーニング方法を導出するトレーニング方法導出工程と;を備えるトレーニング支援方法である。
ここで、前記体内主反応器は第1エネルギー源を代謝してクレアチンリン酸とアデノシン三リン酸とを生成する場であり、第1体内副反応器は第2エネルギー源を代謝してピルビン酸とアデノシン三リン酸とを生成する場であり、第2体内副反応器は、アデノシン二リン酸のレベル依存的に、体内主反応器で生成されたクレアチンリン酸からクレアチンとアデノシン三リン酸を生成する場であることが好ましい。
また、前記代謝物の代謝反応は、前記体内主反応器における第1エネルギー源の酸化的代謝反応、前記第1体内副反応器における第2エネルギー源の解糖反応、及び、前記第2体内副反応器におけるクレアチンリン酸の消費−再合成反応の組み合わせであることが好ましい。さらに、前記第1エネルギー源は脂肪であり、第2エネルギー源は糖であることが好ましい。
本発明の代謝反応モデル式の推定方法によれば、LTよりも厳密な、運動の持続に必要な代謝能力指標を提供することができる。また、上記代謝反応モデル式を用いた運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定方法により、個人の能力に応じた持久力についての新規な指標を提供することができる。
また、本発明のトレーニング支援方法を用いることにより、所定の運動状態変数を測定し、上記運動状態変数に対応する代謝反応モデル式を用いることにより、運動の質又は運動可能量の推定用支援データベースを作成することができる。
さらにまた、本発明のトレーニング支援方法を用いることによって、運動者の持続運動能力を効率的かつ的確に向上させることができる。
図1は、体内主反応器、第1及び第2体内副反応器とそれらの機能、並びに各反応器から供給されるアデノシン三リン酸(ATP)の量を模式的に表した図である。 図2は、適切なトレーニングを行なった後の上記の各反応器からのATP供給量の変化を模式的に示す図である。 図3は、乳酸曲線(仕事量(パワー[W])の増加と血中乳酸濃度[mmol/L]との関係)及びLTパワー値の決定方法を示す図である。
図4Aは、漸増負荷テストによる血中乳酸濃度測定結果を示す図である。 図4Bは、図4Aの測定結果のうち、ケイデンスによる変化を示す図である。 図4Cは、図4Aの測定結果のうち、心拍数による変化を示す図である。 図4Dは、図4Aの測定結果のうち、パワーによる変化を示す図である。
図5は、一定負荷運動における血中乳酸濃度の変化を示す図である。 図6は、低負荷運動時の血中乳酸濃度の低下を示す図である。 図7は、実測した血中乳酸濃度データ及び計算結果(予測乳酸濃度)を示すグラフである。 図8は、データベースシステムの構成の一例を示す図である。
以下に本発明を、図面を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
本発明の代謝反応式の推定方法は、(A1)下記の1〜3の組の変数のうち、選択された組に含まれる運動状態変数のそれぞれの値を、測定対象運動者について、少なくとも一の運動期間にわたって継続的に実測する測定工程と;(A2)前記測定工程における測定結果に基づいて、代謝反応モデル式における前記測定対象運動者に対応する係数パラメータを算出する算出工程と:を備える。ここで、上記(A1)に記載された組の変数は下記の通りである。
前記第1の組(a)は、(a1)トルク、(a2)ケイデンス、(a3)測定対象運動者の体重、(a4)前記測定対象運動者の心拍数、(a5)トレーニングコースの傾斜、(a6)血中の代謝物濃度(ピルビン酸、乳酸、クレアチンリン酸の濃度)、並びに、(a7)気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含む。前記第2の組(b)は、上記(a3)〜(a7)は第1の組(a)と同じであるが、(a1)のトルクに代えて押す力を表すフォースを、また、(a2)のケイデンスに代えてストライド(ピッチ)という変数を含んでいる。前記第3の組(c)は、上記(a1)及び(a2)のトルクとケイデンスに代えて、パワー(仕事率)という変数を含むものであることが、推定結果の精度を高める上で好ましい。
また、上記変数の組は、下記の代謝反応モデル式(I)〜(III)と対応付けられている。
上記式(I)〜(III)中、ki(i=1〜j)は係数パラメータを表す、各測定対象運動者固有の値である。上記式(I)中、[met]は、体内主反応器、第1体内副反応器及び第2体内副反応器(図1参照)で生成される代謝物の血中及び筋中濃度を表す。また、[tor]は、ペダルのついた装置を運動に使用する場合のトルク値を、[cad]は、前記装置を使用した場合の脚の回転数[rpm]、ペダルの回転速度、ピッチ数及び移動速度からなる群から選ばれるいずれかのケイデンスをそれぞれ表す。[weight]は前記測定対象運動者の体重を、[HR]は心拍数[bpm]をそれぞれ表す。[slope]は、前記測定対象運動者が走行するトレーニングコースの傾斜角度分布を含むコース状態を表す。[temp]は気温又は体温を表し、温度が上昇すると第1体内副反応器の反応速度が速くなることが多い。
上記式(II)中、[force]はフォース値を表す。[stride(pitch)]は、ピッチと同様に身体を動かす速さのパラメータを示し、歩行時又はランニング時の歩幅又はピッチをそれぞれ表す。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(I)について上述した通りである。
上記式(III)中、[power(work rate)]は、force(力)、水平および垂直方向の速度と加速度、身体の上下変動高さ、接地時間、走行時のジャンプ角度、ストライドの周期(pitch)といった測定パラメータから求める仕事率(work rate)を含む。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(I)について上述した通りである。
上記式(I)〜(III)中のfr(X),gr(X),hr(X)は、Xを変数とする関数である。
ここで、代謝産物の濃度を計算することには以下の目的がある。まず、クレアチンリン酸(上記第2体内副反応器における代謝産物)は、その濃度レベルが運動者の「疲労の状態」を示す。また、乳酸(上記第1体内副反応器における代謝産物)は、当業者の消費量を示す。すなわち、乳酸の生成総量は乳酸の濃度変動から求めることができ、乳酸の生成総量から糖の消費量が把握できるからである。そして、これによって運動者の糖の使用可能量(利用可能な糖の量)を把握することができ、また、運動時に糖の残存量を把握することができる。これに加えて、ある運動条件下では、乳酸濃度レベルも運動者の疲労の状態を表す。このため、代謝産物の濃度、糖の消費総量、クレアチンリン酸の濃度、及び糖の残存量をすべて把握することによって、「運動者の状態」を定量的に把握することができるのである。
以上から、これらの値を測定し、上記の式を用いて計算をすることによって、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素を求めることができる。
上記の代謝反応式の推定方法を使用することによって、測定対象運動者について代謝反応式を推定することができる。そして、このようにして推定された代謝反応式に基づいて、上記測定対象運動者が新たな運動期間に運動を行う際に、その運動が、前記測定対象運動者にとってどのような質のものとなるか、又はどの程度の運動量が可能なのかを推定することができるようになる。
ここで、筋肉中又は血中の代謝物濃度は、運動時には上記の式に表される運動状態を示すパラメータ値の変化によって変動するが、そうした代表的な代謝物として、乳酸、クレアチンリン酸等を挙げることができる。代謝物濃度は運動状態の変化に伴って変化し、例えば、乳酸の場合には図3に示すような経時的な濃度変化を示す。
運動状態の変化は、上記の式中で表されるパラメータ値の変化(トルク値〜温度)で表される。これらのパラメータ値の変化に応じて代謝反応速度が変化し、それに伴って筋中又は血中の代謝物濃度が変化する。図3および図5及び図6に見られる血中代謝物(この場合は乳酸)の濃度変化は、その代表的な例である。
上記の式(I)〜(III)は代謝物濃度の経時的変化を表す式であり、体内の各器官における代謝反応の集合体(i=1〜j)を示している。上述したように、運動状態の変化に伴って各パラメータ値が変動し、これに応じて、体内の各器官における代謝物質の代謝反応速度も変動する。このような代謝反応の形態や代謝反応の速度は器官によっても異なり、また、運動の形態、例えば、自転車を使用しているか、ランニングかなどによって、iの値は変わる。
例えば、ランニングの場合には、脚を動かす動作、着地の衝撃を緩和する動作などによって、主体的に稼働しているそれぞれの筋肉(主動筋)がある。こうした主動筋では、乳酸およびクレアチンリン酸の生成・消費・再合成などの代謝反応が進行している。一方、体内の他の器官(心臓、脳、主動筋以外の筋肉)においても、こうした代謝反応は同時に進行している。上記の式は、以上のような運動状態の変化に応じた各器官での代謝反応の集合を反映するものであり、図5及び図6に示すように、運動状態の変化に応じて代謝物の濃度変化を予測することができる。
そして、上記の式を用いると、代謝物質の濃度変化の予測に加えて、低〜高負荷運動に伴う体内での経時的な代謝反応履歴の追跡も可能となる。その結果、経時的な体内のエネルギー利用履歴を精密に把握することができるようになる。さらに、運動者への経時的な疲労の更新を把握することにも役立つ。
また、本発明の、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれか要素の推定用支援データベースの作成方法は、(B1)上述した代謝反応式の推定方法を使用して、複数の測定対象運動者の代謝反応式を推定する推定工程と;(B2)前記複数の測定対象運動者のそれぞれの個人属性と、前記個人属性に対応する測定対象運動者の代謝反応式とを関連付けたデータベースを作成する作成工程と;を備えている。
ここで、前記個人属性には、測定対象運動者の運動能力のレベル、トレーニングの進行度、身長、体重、体温等が含まれることが、精度の高い運動の質又は運動可能量の推定用支援データベースを作成する上で好ましい。また、前記トレーニングの進行に応じて、測定対象運動者が耐えられる運動強度、トルク値又はフォース値等の運動変数は上昇するため、それらの変数を用いて、新たな代謝反応式を用いて、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれか要素を推定することが、精度の高い推定用支援データベースを作成する上で好ましい。
本発明の持久運動能力の評価方法では、上述した代謝反応式の推定方法を使用して推定された反応速度式を用いて求めた代謝速度に基づいて、前記推定された代謝反応式に対応する運動者の持久運動能力を評価する。例えば、上述した代謝反応速度式(I)に、トルク値、ケイデンスとして脚の回転数[rpm]、心拍数[bpm]、コースの傾斜角度分布が約10度であることを含むコース状態を表す数値、血中乳酸濃度、及び気温を変数として代入することによって、推定された代謝反応速度を求めることができる。そして、このようにして求められた代謝反応速度から、運動者の持久力を評価することができる。
本発明のトレーニング支援方法は、(C1)代謝反応により運動の持続に必要なエネルギーを供給する体内主反応器並びに第1及び第2体内副反応器の総合性能を、各反応器中における代謝物の生成−消費反応をモニターすることによって推定する性能推定工程と;(C2)ピルビン酸及び乳酸の少なくとも一方の生成速度を指標として、前記第1体内副反応器の性能を推測する性能推測工程と;(C3)前記運動の持続と経時的に進行する疲労との関係を、上記の代謝反応式の推定方法により推定された代謝反応式に基づいて、定量的に推定する疲労度把握工程と;(C4)前記推定された総合性能と前記推測された前記第1副反応器の性能とに基づいて、最適なトレーニング方法を導出するトレーニング方法導出工程と;を備えている。
ここで、前記体内主反応器は第1エネルギー源を代謝してクレアチンリン酸とATPとを生成する場であり、第1体内副反応器は第2エネルギー源を代謝してピルビン酸とATPとを生成する場であり、第2体内副反応器は、筋肉に蓄えられたアデノシン二リン酸(ADP)のレベル依存的に、主反応器で生成されクレアチンリン酸からクレアチンとATPを生成する場であることが好ましい。これらの反応容器内におけるエネルギー産生については後述する。
また、前記代謝物の生成−消費反応は、前記体内主反応器における第1エネルギー源及び第2エネルギー源の酸化的代謝反応、前記第1体内副反応器における第2エネルギー源の解糖反応、及び、前記第2体内副反応器におけるクレアチンリン酸の消費−再合成反応の組み合わせであることが、ATPの生成量としてこれらの反応器の性能を総合的に評価できる点から好ましい。さらに、前記第1エネルギー源は脂肪であり、第2エネルギー源は糖であることが好ましい。
以下に、運動、すなわち筋肉を動かすのに使用されるエネルギー、エネルギー源及びそれらの産生の場について説明する。
まず、筋肉を動かすのに必要とされるエネルギーは、細胞内にあるATPからもたらされる。そして、ATPは、脂肪又は糖から生成されてから、脂肪または糖がATPを生成するためのエネルギー源となる物質といえる。そして、これらのエネルギー源を利用した複数の反応によってATPが生成される。
上記「脂肪」(第1エネルギー源)は、動植物に含まれる「あぶら」である「油脂」のうち、常温で固体のものをいう。油脂の成分は、トリアシルグリセロール(トリグリセリド又は中性脂肪ともよばれる)であり、グリセロールの3つの水酸基に、脂肪酸がそれぞれエステル結合したものである。トリアシルグリセロールは、脂肪組織に蓄えられたエネルギー貯蔵体であり、生体の大半の貯蔵エネルギーを占める。トリアシルグリセロールから酵素によって遊離された脂肪酸は、下記のように代謝されてATP生成に関与する。
脂肪は、脂肪酸に分解されてクエン酸回路に入り、この回路において炭素骨格が最終的に完全酸化されて水と二酸化炭素とに分解される。脂肪酸から形成されたアセチルCoAの炭素部分は、クエン酸回路で脱炭酸され、水素部分は脱水素酵素で主にNADH(還元型のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD))としてミトコンドリア内膜の電子伝達系に渡される。そして、電子伝達系は、その最後の使途クロームオキシダーゼによって、酵素を用いてこのNADHの水素を酸化して水をつくる。その際には多量のエネルギーが遊離されるため、このエネルギーを用いてATP合成酵素がADP(アデノシン二リン酸)無機リン酸(Pi)とからATPを合成する。
以上の反応は、真核細胞の場合には細胞内のミトコンドリア内膜において行われ、上記のような第1エネルギー源を用いてATP産生を行なう場が体内主反応器なのである。
また、第2エネルギー源である糖の代謝は以下の通りである。糖は、筋肉で活発に働く解糖系により、グルコースがピルビン酸又は乳酸まで嫌気的に分解される。ピルビン酸が生成される過程でATPも生成される。解糖系が働く場を、第1体内副反応器という。なお、ピルビン酸は、乳酸デヒドロゲナーゼによって乳酸に還元される。
さらに、体内主反応器で産生された高エネルギー化合物であるクレアチンリン酸は、高エネルギーリン酸結合の貯蔵という生理的意義を持つ物質である。なぜなら、筋収縮等に伴ってADPレベルが上昇すると、クレアチンンリン酸は第2体内副反応器で消費されてクレアチンとATPとを生成するが、逆にADPレベルが低下すると、クレアチンキナーゼで触媒される反応によって、クレアチンとATPとからクレアチンリン酸が生成されるからである。この一連の反応を、「クレアチンリン酸消費−合成反応」といい、この反応が起こる場が第2体内副反応器である。
上述したように、ATPは、体内主反応器、第1及び第2体内副反応器という3つの反応器で生成される。生成されるATP量を反応器ごとに比較すると、第1及び第2体内副反応器で産生されるATP産生量は、体内主反応器で産生される量よりもはるかに少ない。このため、運動のためのエネルギーであるATPは、主として体内主反応器から供給されているといえる。
一方で、トレーニング開始前の状態では、ある運動強度にしか耐えられず、それ以上運動を持続できなかった人でも、適切なトレーニングを行うことによって運動を持続できる時間が長くなる。これは、トレーニングによってより高い運動強度に耐えられるようになることを意味するが、このような事象は、体内主反応器からのATP供給量が増加することに大きく依存し、併せて第1及び第2体内副反応器由来のATPの供給量が増加したことによるものと考えられている。
ATPの生成量を直接的に測定することはできないため、本発明では、運動状態変数を実測するとともに、血中乳酸濃度を指標の1つとして用いて代謝速度を求め、それらを用いて、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素を精密に推定することを可能としたのである。
本発明の、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースの作成方法は、運動状態変数を実測する測定工程と、代謝反応速度を求める代謝反応速度計算工程とを備えている。そして、前記代謝反応速度計算工程では、代謝反応速度を求めるに当たって、下記のいずれかの式を用いるものである。
上記式(I)〜(III)中、ki(i=1〜j)は係数パラメータを表す、各運動者固有の値であり、運動者の代謝能力を特徴づけるパラメータである。このパラメータは、発揮仕事率、運動時間(分)、心拍数、ピッチ数その他の下記のような運動変数と、これらの変数の測定条件とに基づいて求めることができる。なお、上記の式中の下記項をすべて含むことは、必ずしも要求されない。
ここで、式(I)として、次の式(IV)を採用することができる。
前記式(IV)中のべき乗次数は実数である。
また、式(II)として、次の式(V)を採用することができる。
前記式(V)中のべき乗次数は実数である。
また、式(III)として、次の式(VI)を採用することができる。
前記式(VI)中のべき乗次数は実数である。



前記運動状態変数は、以下に述べる(a1)トルク値又はフォース値、(a2)脚の回転数、ペダルの回転速度、ピッチ数及び移動速度からなる群から選ばれるいずれかのケイデンス値、ストライド(ピッチ)、(a3)測定対象運動者の体重、(a4)前記測定対象運動者の心拍数、(a5)トレーニングコースの傾斜、(a6)血中の代謝物濃度(ピルビン酸、乳酸、クレアチンリン酸の濃度)、並びに、(a7)気温又は体温のいずれか一方の温度、からなる群から選ばれるものである。又は、前記(a1)のトルク値又はフォース値及び(a2)のケイデンス値に代えて、パワー(仕事率)という変数を含む群から選ばれるものであることが、推定結果の精度を高める上で好ましい。
ここで、[power]は運動負荷であるパワー値(W)を表し、例えば、パワーメーター、フォースプレート、圧力測定器、GPS、加速度センサ等で測定することができる。[tor]は、例えば、自転車の場合にはペダルを下に押す力を表すトルク値又は押す力であるフォース値を表し、例えば、脚、ペダル、クランク、シューズ等に取り付けた圧力センサ、歪ゲージ、ロードセル等の測定装置で実測することができる。また、[cad]は、脚の回転数[rpm]、ペダルの回転速度[rpm]、ピッチ数[回/分]及び移動速度[m/秒]からなる群から選ばれるいずれかのケイデンス値を表す。ケイデンスも、[power]又は[tor]と同様に、例えば、身体に取り付けた加速度センサ、回転センサ、圧力センサ、歪ゲージ等の測定装置で実測することができる。
[HR]は一分間あたりの心拍数[bpm]を表し、運動者の身体に装着した心拍計等で測定することができる。[slope]は、コースの傾斜角度分布を表し、勾配が急か否かは数値で表される。[met]は血中乳酸濃度(mmol/L)を表し、市販の専用測定装置を使用して測定することができる。
[temp]は気温又は体温(℃)を表し、これらの数値を代入することによって、体温上昇に伴う代謝反応速度への影響を反映させることができるようになる。べき乗次数は実数を表し、例えば、[tor]の場合には0.50、[weight]の場合には−1のような数値で表すことができる。
以下に自転車を使用した場合を例にとりつつ、説明する。
運動状態変数は、運動者がペダルによって自転車に与えた動力を計測する計器であるパワーメーターを使用することによって求めることができる。パワーメーターとしては、例えば、SRM Training System Science (SRM(Schoberer Rad Messtechnik)社製)、ペダリングモニターシステム(パイオニア(株)製)、Power Tap(Saris社製)、Power 2 max (Power2max社製)、Quark ELSA(Quark社製)、Rotor Power(Rotor社製)等を挙げることができる。また、乳酸の測定には、LactatePRO(ARKREY社製)、Lactate PR02(Arkley社製)、Biocen c-line(Biocen社製)等のポータブル血中乳酸濃度測定器を挙げることができる。ここで、LactatePROは測定に5μLの血液が必要であるが、Lactate PR02では0.3μLの血液で足りる。
例えば、以下のように負荷を変化させて、上述したパワー値、心拍数、及びケイデンス値の変化をパワーメーターによって測定し、結果を求めることができる。約50〜150Wで約10〜20分間ウォーミングアップ、次いで、約60〜120rpmで2〜5分間運動を行い、使用する測定器に応じて、約0.3〜約5μLの血液を測定対象運動者の指先又は耳朶から約0.5〜1.5分間で採血する。その後、約2〜5分間隔で約30〜50Wずつ負荷を漸増させ、約10秒以上ケイデンスを維持できなくなった時点でテストを終了する。その後、約50〜150Wでクールダウンを行い、クールダウン中も2〜5分間隔で血中乳酸濃度の測定を行う。
一定負荷運動における血中乳酸濃度の変化は、例えば、上記のパワーメーターを用いて、ケイデンス値を、約60〜80rpm、約70〜90rpm、約80〜100rpm及び約90〜110rpmと変化させたときの血中乳酸濃度の経時変化を測定して調べることができる。また、低負荷運動時の血中乳酸濃度の低下については、上記と同じパワーメーターを使用して、ケイデンス値を、例えば、約50〜100rpmと低く設定し、数名、好ましくは6〜9名程度の被験者を選定し、血中乳酸濃度の変化を経時的に測定する。血中乳酸濃度の変化の傾向によって、幾つかのグループに分けることができる。
上記のようにして求めた各運動者固有のパラメータと、各運動者が運動したときの運度変数とを用いて、上記の代謝反応式から運動の持続伴う乳酸生成量の経時的変化を知ることができる。これによって、第1体内副反応器から供給されるエネルギー(糖由来のエネルギー)の消費量と併せて、運動を持続するために必要とされるエネルギー量(利用可能エネルギー量)を推定できるようになる。
また、運動者によって糖由来の利用可能エネルギー量は異なる。このため、上述した代謝反応式を用いることによって、各運動者に応じた利用可能エネルギー量を求めることができる。そして、各運動者が保有すると推定された使用可能エネルギー量がどの程度消費されたかを求め、最初の推定された利用可能エネルギー量と比較することによって、各運動者のエネルギー消費を表すバロメーターとして用いることができる。
さらに、糖が消費されることによって疲労が蓄積するということは、糖の消費量(利用量)が疲労状況を反映することに他ならない。このことから、積算生成乳酸量をもとに、エネルギーの消費量、消費速度、消費率を知ることによって、疲労の蓄積状況を知ることができるようになる。
以上のようにして求めた運動変数を、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースの作成方法で用いる式に代入することによって、運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素を推定することができ、これらを用いて運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースを作成することができる。
(実施例1)漸増負荷テスト
パワーメーターとして、SRM(Schoberer Rad Messtechnik)社製のSRM Training System Scienceを使用した。乳酸の測定には、ARKREY社製のLactatePROを使用した。測定は、室内で、常温(22℃)にて行った。被験者である自転車競技の選手の身長、体重、及び自転車重量の測定を行った。
次いで、この選手が、競技又はトレーニングで使用している自転車にパワーメーターを取り付け、固定負荷台上で漸増負荷テストを実施した。このテストでは、負荷の増加に伴う血中乳酸濃度を、LactatePROを用いて測定した。同時に、パワー値、ケイデンス値、トルク値、心拍数、及び速度を測定した。測定を行っている室内の温度もモニターした。
測定用のメニューは、以下の通りとした。まず、100Wで15分間ウォーミングアップを行った。次いで、90±3rpmで3分間運動を行い、1分間で0.3μLを採血した。その後、3分ごとに40Wずつ負荷を漸増させ、10秒以上ケイデンスを維持できなくなった時点でオールアウトとしてテストを終了した。このときの血中乳酸濃度の測定結果を図3に示す。また、パワー値、心拍数、及びケイデンス値の変化のパワーメーターによる測定結果を図4A〜4Dに示す。
図3中、OBLAは血中乳酸蓄積量オンセットを示す。血中乳酸濃度がこの数値を超えると、血中乳酸濃度が一気に上昇することが示された。図3に示すように、血中乳酸濃度変化のグラフから、LTパワー値及びΔ1mm/Lを求めた。テスト終了後、パワー100Wでクールダウンを行った。クールダウンの間は、3〜4分ごとに血中乳酸濃度の測定を行い、乳酸濃度の変化速度を測定した。
測定結果から、従来の酸素摂取量による測定と比べて、血中乳酸濃度の上昇がケイデンスに与える影響が明確に示された。
(実施例2)負荷運動の相違による血中乳酸濃度の変化
(1)一定負荷運動における血中乳酸濃度の変化
実施例1で使用したのと同じパワーメーターを使用して、一定負荷運動を行なった。このときのトルク値は、70rpm、80rpm、90rpm及び100rpmにそれぞれ設定し、各負荷をかけたときの血中乳酸濃度の経時変化を測定した。その結果を図5に示す。
70〜90rpmの場合には、血中乳酸濃度は経時的に上昇した。これに対し、100rpmの場合には、5分〜11分の間に血中乳酸濃度が大きく上昇し、その後減少するというパターンが示された。
(2)低負荷運動時の血中乳酸濃度の低下
実施例1で使用したのと同じパワーメーターを使用してクールダウン時の血中乳酸濃度の変化を調べた。被験者数は7名とした。図6に示すように、3.5分後まで血中乳酸濃度がわずかに上昇した後に経時的に減少するか、又は上昇せずに経時的に減少するグループと、6分過ぎまで上昇したグループとに大別された。以上より、低負荷運動においても、個人差が大きいことが具体的な数値として示された。
(3)代謝反応とエネルギー利用の解析
上記(2)のクールダウン中に測定した乳酸濃度変化速度と、上記(1)で行った一定負荷運動時の乳酸濃度変化速度とを、各負荷をかけた場合について、実施例上記式(I)〜(III)を用いて求め、乳酸生成反応式のパラメータ計算を行った。この結果をもとに、乳酸生成速度を計算するモデル式を作成し、フィッティングを行なった。測定値と乳酸生成速度とがよくフィットすることが示された。また、実測した血中乳酸濃度データ及び計算結果(予測乳酸濃度)は、図7に示す通りとなった。
以上より、乳酸代謝反応速度式を作成し、前記運動状態変数のすべてを用いて運動者の乳酸代謝反応パラメータを決定する持久運動能力評価方法を用いることによって、個人の持久運動能力を正確に評価することができる。また、運動者の運動状態を示す変数を基に前記運動者の代謝能力を推算し、持久運動能力を評価するとともに、前記運動者が行った運動の質を評価する手法の実行を支援するための運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースを作成することができる。
(実施例3)データベースシステムの構成
次に、上述した運動者が行った運動の質を評価する手法の実行を支援するための運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースを含むデータベースシステムについて説明する。
<構成>
こうしたデータベースシステムの一例の構成が、図8に示されている。このデータベースシステムでは、運動者の移動に従って運動者とともに移動するデータロギングシステム100j(j=1〜M)が、運動を行う際に運動者の周辺に配置される。かかるデータロギングシステム100jのそれぞれは、上述した(I)〜(III)式のいずれかに登場する複数の測定変数の値に対応する物理量を検出するセンサ110j,k(k=1〜N)を備えている。
また、データロギングシステム100jのそれぞれは、ロガーユニット120jを備えている。このロガーユニット120jは、不図示のキーボード等の情報入力部を備えており、この情報入力部を操作することにより、運動者の識別情報の指定や、ロギング動作の開始/停止の指定をすることができるようになっている。
ロガーユニット120jは、ロギング動作の開始が指定されると、ロギング動作の終了が指定されるまで、センサ110j,k(k=1〜N)から送られたデータを収集し、逐次、当該測定変数の値を求める。そして、ロガーユニット120jは、求められた測定変数の値を、運動者の識別情報及び時刻情報ともに、広域無線通信網を利用して、データベースサーバ200へ送る。
本実施例では、ロガーユニット120jは、Bluetooth(登録商標)規格等に従った近距離無線通信及び広域無線通信の双方の機能を有するとともに、演算能力を有する通信端末装置となっている。こうしたロガーユニット120jとしては、例えば、プログラムの実行により、データベースサーバ200へ送信するデータを、予め定められた送信フォーマットにフォーマット統一を行った後に送信する等の様々の機能を発揮することができるスマートフォンを採用することができる。
また、本実施例では、センサ110j,kは、センサ本体と、データ送信ユニットとを備えている。このセンサ110j,kでは、センサ本体による検出結果をデジタル値化したデータを、データ送信ユニットが、Bluetooth(登録商標)規格等に従った近距離無線通信により、ロガーユニット120jへ送信するようになっている。
なお、センサ110j,kとロガーユニット120jとは、有線接続されるようにしてもよい。また、ロガーユニット120jの演算処理能力が高くない場合には、ロガーユニット120jは、利用者が保有するパーソナルコンピュータを利用し、データフォーマットを統一した後にデータベースサーバへ送るようにしてもよい。
データロギングシステム100jの構成要素は、例えば、運動者が自転車を使用した運動を行う場合には、当該自転車に装着しておくようにすることができる。
また、センサ110j,kとロガーユニット120jとの接続態様は、有線接続であってもよいし、近距離無線接続であってもよい。
また、データベースサーバ200は、インターネット網500を介して、パーソナルコンピュータ等の通信端末装置300p(p=1〜P)と通信可能となっている。利用者は、通信端末装置300p(p=1〜P)を用いてデータベースサーバ200と通信することにより、識別情報の付与を受けたり、当初の個人属性を登録したりすることができるようになっている。
データベースサーバ200は、上述した方法を使用して、運動者が行った運動の質を評価する手法の実行を支援するための運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定用支援データベースを作成する。そして、データベースサーバ200は、通信端末装置300pを使用した利用者からの求めに応答して、利用者自身が行った運動の質を評価する手法の実行を支援するための運動者の状態、運動の質及び運動可能量からなる群から選ばれるいずれかの要素の推定結果を入手したり、現時点において推奨される運動態様を入手したりすることができるようになっている。
本発明は、持続的に行う種々の運動におけるトレーニングの評価及び運動能力向上のためのトレーニング指針を作成する上で有用である。

Claims (6)

  1. 第1〜第3の組の変数のいずれかの組を選択し、選択された組に含まれる運動状態変数のそれぞれの値を、測定対象運動者について、少なくとも一の運動期間にわたって継続的に実測する測定工程と;
    前記測定工程における測定結果に基づいて、前記選択された組に対応して定まる代謝反応モデル式における前記測定対象運動者に対応する係数パラメータを算出する算出工程と:を備え、
    前記第1の組は、トルク、ケイデンス、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;
    前記第2の組は、フォース、ストライド(ピッチ)、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;
    前記第3の組は、パワー(仕事率)、前記測定対象運動者の体重、前記測定対象運動者の心拍数、トレーニングコースの傾斜、血中又は筋中の代謝物濃度、並びに、気温又は体温のいずれか一方の温度からなる変数を含み;
    前記選択された組が前記第1の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(IV)であり;
    前記選択された組が前記第2の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(V)であり;
    前記選択された組が前記第3の組である場合の前記代謝反応モデル式は下記式(VI)である;
    前記測定対象運動者に関する代謝反応式の推定方法。
    上記式(IV)中、[met]は代謝物濃度を表し、[tor]はトルク値を、[cad]は、脚の回転数[rpm]、ペダルの回転速度、ピッチ数及び移動速度からなる群から選ばれるいずれかのケイデンスをそれぞれ表す。[weight]は前記測定対象運動者の体重、[HR]は心拍数[bpm]をそれぞれ表す。[slope]はコースの傾斜角度分布を含むコース状態を表す。[temp]は気温又は体温を表す。また、上記式(IV)中において、係数k i 及びべき乗次数は実数である。
    上記式(V)中、[force]はフォース値を、[stride(pitch)]は、ピッチと同様に身体を動かす速さのパラメータであり、歩行時又はランニング時の歩幅又はピッチをそれぞれ表す。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(IV)と同じである。また、上記式(V)において、係数k i 及びべき乗次数は実数である。
    上記式(VI)中、[power(work rate)]は、force(力)、水平および垂直方向の速度と加速度、身体の上下変動高さ、接地時間、走行時のジャンプ角度、ストライドの周期(pitch)といった測定パラメータから求める仕事率(work rate)を含む。[weight]、[HR]、[slope]、[met]及び[temp]については、式(IV)と同じである。また、上記式(VI)において、係数k i 及びべき乗次数は実数である。
  2. 請求項1に記載の代謝反応式の推定方法により推定された代謝反応式を用いて求めた代謝速度に基づいて、前記推定された代謝反応式に対応する運動者の持久運動能力を評価する持久運動能力の評価方法。
  3. 代謝反応により運動の持続に必要なエネルギーを供給する体内主反応器並びに第1及び第2体内副反応器の総合性能を、各反応器中における代謝反応に伴う代謝物の濃度変化をモニターすることによって推定する性能推定工程と;
    ピルビン酸及び乳酸の少なくとも一方の生成速度を指標として、前記第1体内副反応器の性能を推測する性能推測工程と;
    請求項1に記載の代謝反応式の推定方法により推定された代謝反応式に基づいて、代謝物質の濃度又は代謝量を定量的に推定し、前記運動の持続と経時的に進行する疲労との関係を把握する疲労度把握工程と;
    前記推定された総合性能と前記推測された前記第1副反応器の性能とに基づいて、最適なトレーニング方法を導出するトレーニング方法導出工程と;
    を備えるトレーニング支援方法。
  4. 前記体内主反応器は第1エネルギー源を代謝してクレアチンリン酸とアデノシン三リン酸とを生成する場であり、第1体内副反応器は第2エネルギー源を代謝してピルビン酸とアデノシン三リン酸とを生成する場であり、第2体内副反応器は、アデノシン二リン酸のレベル依存的に、体内主反応器で生成されたクレアチンリン酸からクレアチンとアデノシン三リン酸を生成する場である、ことを特徴とする請求項3に記載のトレーニング支援方法。
  5. 前記代謝物の代謝反応は、前記体内主反応器における第1エネルギー源の酸化的代謝反応、前記第1体内副反応器における第2エネルギー源の解糖反応、及び、前記第2体内副反応器におけるクレアチンリン酸の消費−再合成反応の組み合わせであることを特徴とする、請求項3に記載のトレーニング支援方法。
  6. 前記第1エネルギー源は脂肪であり、第2エネルギー源は糖であることを特徴とする、請求項4に記載のトレーニング支援方法。
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