JP6768532B2 - 位置測位システム及び位置測位方法 - Google Patents

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本発明は、位置測位システム及び位置測位方法に関する。
GPS受信機能を有する電池内臓のGPS受信機として、各種スマートフォンや見守りタグなどがある。GPS受信機では、GPS受信機能を間欠的に動作させることで電池寿命を延ばしている。このため、GPS受信機での位置測位の頻度を多くすると、電池寿命はその頻度に応じて短くなる。このように、受信頻度と消費電力との間には厳しいトレードオフの関係がある。
GPS受信機を間欠的に動作させる方法として、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、GPSセンサを有するタグ(GPS受信機)を位置測定対象(鳥獣)に取り付けて、タグを間欠的に動作させることにより位置測定対象の位置を特定している。
特開2011−185686号公報
しかし、特許文献1では、GPS受信機で位置測定対象の位置を測定するごとに、GPS受信機を長時間動作させる必要がある。よって、位置測定の頻度に応じて、GPS受信機の消費電力が大きくなってしまう。
本発明の目的は、消費電力を抑えてGPS受信装置の位置を測定することにある。
本発明の一態様に係る位置測位システムは、GPS信号を連続して受信する第1の受信装置と、前記GPS信号を所定間隔ごとに一定時間サンプリングしてサンプリング信号を生成する第2の受信装置と、を有し、前記第2の受信装置は、前記サンプリング信号を前記第1の受信装置に送信し、前記第1の受信装置は、前記第2の受信装置から受信した前記サンプリング信号と前記連続して受信したGPS信号に基づいて前記第2の受信装置の位置を特定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る位置測位方法は、第1の受信装置が、GPS信号を連続して受信し、第2の受信装置が、前記GPS信号を所定間隔ごとに一定時間サンプリングすることによりサンプリング信号を生成して第1の受信装置に送信し、前記第1の受信装置は、前記第2の受信装置から受信した前記サンプリング信号と、前記連続して受信したGPS信号に基づいて前記第2の受信装置の位置を特定することを特徴とする。
本発明によれば、消費電力を抑えてGPS受信装置の位置を測定することができる。
実施例1に係る位置測位システムを示す図である。 スナップショットとレプリカのイメージ図である。 相関値Rの計算例を示す図である。 1msの信号との相関のとり方を模式的に示した図である。 実施例1における1msの信号との相関のとり方を模式的に示した図である。 実施例1に係る位置測位方法を示すフローチャートである。 実施例2に係る位置測位システムを示す図である。 実施例1に係る位置測位システムを使用して測位演算を行った結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ここで、以下の実施形態においては、総称であるGNSS (Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)という用語の代わりに一般的に認知度が高いGPS(Global Positioning System)という用語を用いて説明するが、GPSに限定されることなく、各種GNSSに適用できることは言うまでもない。
人や物に可搬型のGPS受信装置を取り付けて位置管理を行う装置として、スマートフォンや見守りタグが挙げられる。しかし、定常的にGPS信号を受信し続けると電池の消耗が激しい。このため、例えば、特許文献1に記載のGPS受信装置(タグ)では、GPS受信部を間欠的に動作させることにより、平均消費電力を抑えて電池寿命を延ばす必要があった。このため、位置測位の利便性向上のために、位置測位の頻度を多くすると電池寿命は極端に短くなる。このように、受信頻度と消費電力の間には、厳しいトレードオフの関係があった。本実施形態では、このような厳しいトレードオフの関係を考慮して、GPS受信装置の消費電力を抑えるものである。
実施形態では、GPS受信装置(例えば、タグ)は、短い期間のみGPS信号をサンプリングし(以下、この短い期間のGPS信号のサンプリングデータを、スナップショットと呼ぶ)、このスナップショットを基地局に送信し、基地局がGPS受信装置の位置を計算する。
GPS受信装置は短時間のサンプリングを行うだけであり、複雑な相関演算や測位演算は行わない。この複雑な相関演算や測位演算は、電池寿命が問題とならい基地局で行わせる。このため、GPS受信装置の消費電力を非常に小さくすることが可能である。例えば、30秒毎にタグの位置測位を行う場合、従来であればタグは連続したGPS信号の受信が必要であった。これに対して、本実施形態では、30秒中0.001秒(1ms)だけGPS信号を受信すればよい。このため、GPS受信装置の消費電力は1/30,000になる。
具体的には、本実施形態は、GPS受信装置(第2の受信装置)は、例えば、1ミリ秒といった短い時間のみGPS信号をサンプリングし、このサンプリングデータを基地局(第1の受信装置)に送信する。基地局では、常時かつ連続的にGPS信号を受信し、この連続データから求まるレプリカとスナップショットとの間の相関を計算する。この方法によれば、スナップショットに必要な時間はわずかに1msでも、GPS受信装置位置を特定可能である。さらに、効率的なリアルタイムの位置情報の計算が可能となる。
実施形態によれば、位置測位の時間を短くしても、GPS受信装置の消費電力を非常に小さくすることができる。例えば、ボタン電池のような小型の電池で1分毎に測位を行うといった条件であっても、1年以上の電池寿命を確保することが可能になる。
通常は、GPS受信装置は数秒〜数分の受信時間が必要であり30msから1秒程度の受信時間で位置の測位を行う。しかし、本実施形態のように受信時間を1msにまで縮めることができる方式は存在しない。例えば、ボタン電池を数年にわたって動作させるアプリケーションのように、極めて消費電力の制限の高いアプリケーションは実施形態によって可能となる。以下、実施形態を実現するための実施例について図面を用いて説明する。
図1参照をして、実施例1に係る位置測位システムについて説明する。図1に示すように、GPS受信機としてのタグ101(第2の受信装置)は、人や物の位置を管理する対象に付与する装置であり、GPSアンテナ102、GPSフロントエンド(サンプリング信号生成部)103、マイクロコントローラ(制御部)121及びローカル無線部(第2の無線部)130を有する。
GPSフロントエンド103は、LNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器)104、局部発信器105、水晶振動子106、ミキサ107、フィルタ108、ADC(Analog to Digital Converter:アナログデジタル変換器)109を有する。水晶振動子106で得られた基準周波数信号によって、局部発信器105はGPS信号の中心周波数から中間周波数だけオフセットした周波数信号(Lo信号)を生成する。GPSアンテナ102で得られた微弱な受信信号は、LNA104によって増幅され、Lo信号とミキサ107によって掛け合わされてベースバンド信号が得られる。ベースバンド信号は、ADC109によって、所定間隔ごとに一定時間サンプリングすることによりサンプリング信号が得られる。ここで、一定時間とは、1ms以下の範囲に設定されたサンプリング時間である。例えば、30秒毎にタグ101の位置測位を行う場合、30秒中0.001秒(1ms)だけGPS信号を受信すればよい。
マイクロコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)122、RAM(Random Access Memory)124及びROM(Read Only Memory)123を有する。ROM123には、タグ101の処理アルゴリズムを実装したプログラム(ソフトウエア)が格納されており、CPU122はこの処理アルゴリズム実行する。サンプリング信号は、このソフトウエアによってRAM124に一時的に格納される。
ローカル無線部130は、無線機131とアンテナ132を有する。一時的にRAM124に格納されたサンプリング信号は、無線機131によってパケット化と変調処理が行われてアンテナ132から放射される。CPU122のIO(Input/Output)制御によって、GPSフロントエンド103のON/OFFが可能である。タグ101はそれ自身の動力源として、電池133と電源回路134を有する。
基地局(第1の受信装置)140は、GPSアンテナ141、GPSフロントエンド142、GPSベースバンドDSP (Digital Signal Processor:処理部)143、マイクロコントローラ144、ローカル無線部(第1の無線部)145及び電源回路146を有する。GPSアンテナ141、GPSフロントエンド142、マイクロコントローラ144は、タグ101のGPSアンテナ102、GPSフロントエンド103、マイクロコントローラ104と同様の機能を有する。
マイクロコントローラ144のROM(図示せず)には、基地局140の処理アルゴリズムを実装したプログラム(ソフトウエア)が格納されており、CPU(図示せず)は、このプログラム(ソフトウエア)を実行する。GPSベースバンドDSP143は、GPS信号の捕捉及び追跡処理を行い、航法メッセージを取得する。GPSベースバンドDSP143は、マイクロコントローラ144と一体であっても、その一部であっても良い。ローカル無線部145は、無線機151とアンテナ152を有する。タグ101から放射されたパケットは、ローカル無線機151で復調処理がなされ、マイクロコントローラ144で処理可能なデータ列となる。
位置管理サーバ161は、得られた位置を収集する装置であり、たとえばデータベースを持っていても、WEBサーバ機能を持っていてもよい。基地局140と位置管理サーバ161との間の通信方式は任意に設定可能である。
次に、実施例1に係る位置測位システムにおける測位演算アルゴリズムについて説明する。
タグ101において、ダウンコンバーションされたGPS受信信号をADC109でサンプリングしたデータをg(u)と表す。
ここで、uはタグ101におけるサンプリング時刻であり、その単位はタグ101のサンプリング間隔とする。uの原点はサンプリングデータ列の中心とする。例えば、1ブロックのサンプリングで連続する2N+1個のサンプリング点を得た場合は、有効なサンプリングデータはu=−N,−N+1,…,0…,N−1,Nに存在することになる。uがこの範囲以外の場合は、g(u)は0とする。
すなわち、
Figure 0006768532
ここで、g(u)をスナップショットと呼ぶ。実施例1のアルゴリズムにおいては、タグ101は、スナップショットを基地局140にローカル無線機131を介して送信し、基地局140は受信したスナップショットを用いてタグ101の位置を計算する。なお、ローカル無線機131とローカル無線機151との間のローカル無線としては、各種周波数帯、各種変調方式によるものが考えられる。真の時刻をtとし、衛星iが送信する信号のレプリカをfi(t)とおく。
レプリカとは、理想的な受信機で衛星iが送信する信号を受信した際に得られるサンプリングデータのことである。衛星から送信される信号は繰り返しのPRN (Psudo Random Number(疑似乱数)、ここでは、複数の衛星を識別するための衛星番号として用いられる) 符号と航法メッセージの排他的論理和をBPSK (Binary Phase Shift Keying(二相位相偏移)) 変調した信号である。また、基地局140でも衛星からの信号を受信しており、各衛星からの航法メッセージの受信ができているとすれば、fi(t)を求めることは容易である。ここで、時刻tは、理想的なタグ101のサンプリング時間を単位とするものとする。ここで、g(u)とfi(t)のイメージを図2に示す。
図2に示すように、衛星iを基準に考え、真の時刻tとタグの時刻uには、以下の関係を当てはめる。
Figure 0006768532
タグ101のサンプリング時間の精度やタグ101の局部発信器105の精度は、タグ101に搭載された水晶発振器106によって決定される。また、タグ101と基地局140の間の相対的な移動速度によって衛星iからの信号にドップラーシフト分が加算される。これによって、タグ101の受信信号と基地局140の受信信号には、時間進行速度にわずかな誤差が現れる。これをαとおいている。Δtは真の時刻とタグの時刻の原点の差である。数2を変形して数3を得る。
Figure 0006768532
タグ101のスナップショットには各衛星からの信号が含まれているため、fi(t)とg(u)の相関Rを考える。
Figure 0006768532
相関としては、uは−∞から∞までで定義しているが、数1で示す関係があるため、この計算は有限個の項目の足し算として計算できる。ここで、様々な(α,Δt)の組に対して、Rの値を計算し、Rを最大化する(α,Δt)の組を求める。Δtは衛星iを基準とする、タグ101と基地局140の間の時間差であるので、タグ101における衛星iへの擬似距離数riは基地局における擬似距離(数5)から数6のように求まる。
Figure 0006768532
Figure 0006768532
ここで、cは光速である。この演算を基地局140で捕捉し追跡しているすべての衛星において行い、タグ101から見た各衛星への擬似距離を求める。その後、基地局140が受信しているエフェメリス、すなわち衛星の軌道情報を元にタグ101の座標を求める。この部分のアルゴリズムは、通常のGPS受信機で用いているアルゴリズムを利用可能である。
なお、この位置計算においては、基地局140における位置測位の結果との差分を考慮するDGPS(Differential GPS)アルゴリズムを利用してもよい。また、基地局140は自身でエフェメリスを受信しても良いし、いわゆるA−GPS (Assisted GPS)として知られているように、他の装置(図示せず)からエフェメリスを取得してもよい。
ただし、fi(t)には、航法メッセージのビット列が含まれている。このため、エフェメリスだけではなく、航法メッセージに含まれるすべてのフィールドに関する情報が必要である。航法メッセージのビット列が得られない場合は、航法メッセージのビット列の可能な組み合わせを用いて、順次、上記数1を計算して、その中で最大の相関が得られるものを採用してもよい。
ところで、各衛星からの信号は1.023MHzでBPSK変調された1023ビットのPRN符号(この送信に1ミリ秒かかる)が20回繰り返され(この送信に20ミリ秒かかる)、これを航法メッセージの1ビットとしている。すなわち、fi(t)は1ミリ秒周期で繰り返したデータが含まれているため、相関値RにはΔtの1ミリ秒毎にピークが現れる。ここで、Rの計算例を図3に示す。そのため相関値Rを最大化させるΔtは一意には決まらない。
そのため、予め、タグ101と基地局140が通信を行い、タグ101と基地局140の間の時刻を0.5ミリ秒以下の精度で同期させておく。例えば、タグ101がパケットをローカル無線機131を介して送信し、それを受信した基地局140が、受信したパケットの先頭ビットの時刻をフィールドに含むパケットを返送する。これによって、タグ101は、自身の時刻を基地局140の時刻に合わせて修正することができる。この方法においては、タグ101の送信処理時間、基地局140の受信処理時間、先頭ビットの時刻の測定精度、タグ101と基地局140の間の距離に依存する遅延などが含まれる。特に、タグ101と基地局140の間の距離に依存する遅延は、タグ101と基地局140の間の距離が不明であれば除去不可能な誤差である。しかしながら、これは距離1kmあたり約0.3μ秒の誤差でしかない。合計誤差を数μ秒以下にすることはそれほど難しくない。
Δt,Δt+1ms,Δt+2msという候補が得られた場合、タグ101と基地局140の間の時刻の差が、0.5ミリ秒以下という条件を満たす候補は一意に決定できる。αの決定においては、タグ101の移動速度や、タグ101の水晶振動子106の誤差を考慮し、適当な範囲でαをさまざまに変化させ、相関値Rを求める必要がある。αの範囲が十分狭ければ、相関値RはαおよびΔtに対して単峰性の関数にノイズを加えた関数となる。
相関値Rの計算式(数4)において、αを固定し、Δtを整数とおくと、この数4は相互相関を求める式となる。相互相関はFFTと逆FFTを用いた高速計算アルゴリズムが利用できる。これによって、Δtを±1の精度で求めることができる。サンプリングレートが16MHzであれば、Δtを±1の精度で求めることは、約±19mの擬似距離誤差に相当する。通常はこの誤差では十分ではないため、さらにΔtを小刻みに変化させて、より相関値Rが最大になるようにする。
位置測位には、Δtの精度が必要であるので、αを固定しΔtを変化させて相関値Rを最大化しても良い。いずれにしても、(α,Δt)を変数とする相関値Rの最適化問題であり、この解を求める方法としては総当り法、挟み込み法、ニュートン法などが利用できる。
実施例1のアルゴリズムにおいては、タグ101におけるサンプリング条件(サンプリング時間、サンプリング間隔(サンプリング周期)、サンプリング点数)は任意である。従来のGPS受信装置においては、GPS信号を補足する際には、レプリカとして航法メッセージが変化しないと仮定した信号、すなわち単にPRNコードをBPSK変調した信号を計算していた。なぜならば、従来のGPS受信装置においては、受信が完了する前には航法メッセージがいつ変化するかわからないため、航法メッセージの変化を見込んだレプリカを生成することができなかったからである。
そのため、従来のGPS受信装置において、1msのサンプリング中に航法メッセージの反転が生じなければ、高い相関が得られるが、航法メッセージの反転が生じるタイミングであったならば、高い相関は得られなかった。この結果、従来のGPS受信装置においては、2ms以上のサンプリングを必要とした。なぜなら、航法メッセージは50bpsで送信されているため、2msサンプリングすれば、航法メッセージが反転するのは2msの中で高々1回である。
そのため、図4に示すように、前半1ms、後半1msのどちらかには航法メッセージが反転していないスナップショットが得られる。よって、前半1ms、後半1msの両方で相関を求めて、そのどちらか高い方を採用するという方式がとられている。
これに対して、実施例1のアルゴリズムにおいては、基地局140でGPS信号を受信して航法メッセージの解読を行っている。このため、基地局140は、タグ101からのサンプリング信号を処理する段階で、どこに航法メッセージが反転するタイミングがあるかを知っている。そして、fi(t)は航法メッセージの反転を含んだレプリカであるので、図5に示すように、タグ101がサンプリングした信号に航法メッセージの反転を含んでいても相関が低下することはない。
このように、実施例1では、基地局140が航法メッセージをあらかじめ取得している。これによって、サンプリング時間の大小にかかわらず、実施例1のアルゴリズムが適用可能となっている。一般的に、サンプリング点を多くして相関を取るデータ量が多くなれば受信感度が向上する。逆に、サンプリング点を少なくするとタグ101の平均的な消費電力は低下する。
タグ101においては、GPSアンテナ102のサイズの制約や、低消費電力化や低コスト化からの制限によるLNA104及びGPSフロントエンド103の性能の低下によって、受信できるサンプリング信号は低いS/N比となっているかもしれない。このような場合、サンプリング点数を増加させることによって、これらの制約に対応することができる。
また、タグ101が見通しのよい屋外から、見通しの悪い場所や屋内に移動することによって、サンプリング信号のS/N比は時々刻々変化するかもしれない。相関値の大きさとS/N比は比例しているので、基地局140は、S/N比を容易に推定できる。例えば、基地局140は、相関値の大きさから求められるS/N比をタグ101に送信し、タグ101が動的にサンプリング量(サンプリング時間)を変更することも可能である。
具体的には、基地局140が、タグ101の信号から得られた相関値の大きさに合わせてタグ101のサンプル数を変更するリクエストを送信する処理を行う。これによって、時々刻々変化するタグ101の受信環境(すなわち、それによって変化するS/N比)に追従し、トータルの消費電力を最適化することができる。なお、実施例1において、計算そのものは基地局140で行う必要はない。例えば、基地局140が、計算を行う他の計算機装置(図示せず)に対して必要なデータを送信することによって、他の計算機装置に計算を代行させてもよい。
次に、図6を参照して、実施例1に係る位置測位方法について説明する。
最初に、タグ101側の手順について説明する。まず、タグ101がタイマー割り込みで起動する(ステップ611)。次に、GPSフロントエンド103を動作させる(ステップ612)。次に、1msのサンプリングを行い、サンプリングデータをメモリに記憶する(ステップ613)。次に、GPSフロントエンド103を停止させる(ステップ613)。
次に、タグ101のユニークID、電池残量、サンプリング開始点からの経過時刻、サンプリングデータを含むパケットをローカル無線機131により送信する(ステップ615)。ここで、パケットは複数個に分かれており、送信毎にACKを得る。次に、タグ101はスリープモードに入り(ステップ616)、消費電力は最小化される。そして、一定時間(例えば、1分)後、ステップ611に戻る。
次に、基地局140側の手順(フロー)について説明する。まず、GPS衛星信号の捕捉し追跡を行う。追跡中の衛星からの信号から航法メッセージを取得し、エフェメリスを得る(ステップ621)。次に、ローカル無線機151によりタグ101からのパケットを受け取ると、その内容を記憶してACKを返す。上記処理は繰り返し引き続き行うと共に、受信したパケットに対する処理を平行して行う(ステップ622)。
次に、タグ101から受信したデータに含まれる「サンプリング開始点からの経過時刻」を元に、自身の時刻の原点を決める(ステップ623)。次に、原点付近(例えば、±0.5ms)におけるレプリカfi(t)を計算する。様々な(α,Δt)に対する相関値Rを計算し、相関値Rを最大化するΔtを求める。これを基地局140が捕捉しているすべての衛星に対して行う。そして、測位演算を行い、タグ101の位置を求める(ステップ624)。最後に、受信したパケットから得られるタグ101のユニークID、タグ101の電池残量及び計算したタグ101の位置を制御サーバ(図1の位置管理サーバ161)に送信する(ステップ625)。
以下に、実施例1の実行結果の例を示す。実施例1として、GPS信号のサンプリング速度を16Msps(1600万回サンプル毎秒)、サンプリング時間を1msとし、基地局140から数kmはなれたタグ101の位置を計算する評価を行った。以下の数13に示すように、周波数の偏差αとして32通り、αfo=−6400,−6000,−5600,…,0,…,5600,6000ある。
ここで、foはGPSの中心周波数、時刻の偏差Δtとして1/16,000,000秒区切り、の組み合わせを候補として、この中から相関値を最大化させる(α,Δt)を求めた。サンプリングは固定のタグ101で1分毎に0.001秒間だけサンプリングを行う処理を繰り返した。この値の組と、別途受信したGPS信号を元に測位演算を行った結果を図8に示す。
タグ101の位置は、図8に示す地図の中心点にある。この結果より、実施例1では、1msのスナップショットから、誤差20m程度で測位が可能でことがわかる。なお、1/16,000,000秒は光の速さで19mに相当する。より区切りを細かくすると精度が向上することが期待できる。
図7を参照して、実施例2に係る位置測位システムについて説明する。実施例2に係る位置測位システムのアルゴリズムは、IMES (Indoor MEssaging System)送信機701から送信されるIMES信号に対しても有効である。図7に示すように、IMES送信機701は、送信アンテナ702、通信装置703及び位相調整装置704を有する。ここで、位相調整装置704は、図示しないマイコンのROMに送信位相調整機能として追加してもよい。
IMESコントロールサーバ710は、図示しないマイコンと通信装置を有し、基地局140と通信装置(図示せず)で接続されている。IMES送信機701は、IMESメッセージをGPSで利用している周波数及び変調方式で送信する。タグ101がIMES信号を受信して、これに対して、前述のアルゴリズムを適用した場合、サンプリング時間が短い(例えば、1ミリ秒)の場合、IMESメッセージに含まれるIMES位置情報やIMES−ID情報を求めることはできない。IMES位置情報やIMES−ID情報は、50bpsまたは250bpsで変調されているため、1ミリ秒では必要な情報が得られないためである。IMES送信機701には、異なるPRNコードが割り当てられているものの、多数のIMES送信機701からなるシステムにおいては、複数のIMES送信機701が同一のPRNコードを利用することになるため、PRNコードで区別することはできない。
そこで、同一のPRNコードをもつ各IMES送信機701の送信するフレームの位相(航法メッセージの先頭が現れるタイミング)をそれぞれで重複しないように少しずつ(例えば、20μ秒ずつ)ずらしておく。このずれ量は、各IMES送信機701と接続されたIMESコントロールサーバ710によって管理される。具体的には、IMESコントロールサーバ710が各IMES送信機701に対して、タイミング情報を配信することによって実現する。
IMES信号は、特定のエリアに受信が制限される程度の出力をもつため、タグ101と基地局140が同じIMES送信機701の信号を受信できるとは限らない。そのため、基地局140は、レプリカを計算する際に必要となる航法メッセージを自身のGPSフロントエンド142の受信信号からは得ることができないかもしれない。また、各IMES送信機701がもつフレーム位相に関する情報も必要になる。そのため、基地局140は、IMESコントロールサーバ710から、航法メッセージ情報と位相情報を取得するという処理を行う。
具体的には、基地局140は、IMESコントロールサーバ710に航法メッセージ情報リクエストフレームを送信する。この応答として、IMESコントロールサーバ710は、基地局140に航法メッセージ情報フレームを返す。これによって、基地局140はレプリカを計算し、相関値Rを最大化するΔtを求める。Δtはフレーム位相そのものとなるので、各IMES送信機701のうち、PRNコードが同じで、かつIMES送信機701に設定されたフレーム位相と比較し、その差が最も小さいIMES送信機701を探す。これによって、タグ101が受信したIMES送信機701が特定できる。そして、基地局140は、特定されたIMES送信機701に対応する位置情報を位置管理サーバ161に送信する。
従来のIMES受信機は、IMES信号の受信には数秒から数10秒といった時間が必要であった。そのため、従来では、高速で移動するIMES受信機においてはIMES信号を正しく受信することは困難であった。実施例3のアルゴリズムを適用すると、IMES受信に必要な時間は大幅に短縮することが可能になり、高速移動が可能なIMES受信機を実現可能である。
実施例1のアルゴリズムにおいては、タグ101が直接的に位置情報を得ることはできない。なぜなら、実施例1に係る位置測位システムでは、タグ101は短時間のサンプリングを行うだけであり、複雑な相関演算や測位演算は行わないからである。しかし、タグ101自身が、位置情報を必要とする場合もある。例えば、タグ101を所有している人に対して地図サービスを提供したり、予め決められたエリアに侵入したりした場合に警告表示を行ったりすることが考えられるからである。このような場合は、基地局140が計算した位置座標をタグ101にローカル無線を用いて送信する。
具体的には、図1に示すように、ローカル無線機151は、基地局140で算出したタグ101の位置座標を送信する。そして、ローカル無線機131は、ローカル無線機151からタグ101の位置座標を受信することにより、タグ101の位置を特定する。このように、実施例3によれば、タグ101が自身の位置情報を取得することできる。
101 タグ装置
102 GPSアンテナ
103 GPSフロントエンド、
104 LNA
105 局部発信器
106 水晶振動子
107 ミキサ
108 フィルタ
109 ADC
121 マイクロコントローラ
122 CPU(Central Processing Unit)
123 RAM(Random Access Memory)
124 ROM(Read Only Memory)
130 ローカル無線部
131 ローカル無線機
132 アンテナ
133 電池
134 電源回路
140 基地局
141 GPSアンテナ
142 GPSフロントエンド
143 GPSベースバンドDSP
144 マイクロコントローラ
145 ローカル無線部
151 ローカル無線機
152 アンテナ
161 位置管理サーバ
701 IMES送信機
702 送信アンテナ
703 通信装置
704 位相調整装置
710 IMESコントロールサーバ

Claims (6)

  1. GPS信号を連続して受信する第1の受信装置と、
    前記GPS信号を所定間隔ごとに一定時間サンプリングしてサンプリング信号を生成する第2の受信装置と、を有し、
    前記第2の受信装置は、前記サンプリング信号を前記第1の受信装置に送信し、
    前記第1の受信装置は、前記第2の受信装置から受信した前記サンプリング信号と前記連続して受信したGPS信号に基づいて前記第2の受信装置の位置を特定し、
    前記第1の受信装置は、前記連続して受信したGPS信号から求めたレプリカと前記サンプリング信号との間の相関値を求めることにより、前記第2の受信装置の位置を特定する処理部を有し、
    前記第1の受信装置の前記処理部は、前記第1の受信装置が受信した前記GPS信号と前記第2の受信装置が受信した前記GPS信号との間の時間進行速度の誤差及び衛星を基準としたときの前記第1の受信装置と前記第2の受信装置との時間差を基に前記相関値を求めることを特徴とする位置測位システム。
  2. 前記第1の受信装置は、第1の無線部を有し、
    前記第2の受信装置は、
    前記GPS信号を受信して前記サンプリング信号を生成するサンプリング信号生成部と、
    前記サンプリング信号生成部の起動及び停止を制御する制御部と、
    前記サンプリング信号生成部で生成した前記サンプリング信号を前記前記第1の受信装置に送信する第2の無線部と、を有し、
    前記制御部は、前記サンプリング信号生成部を起動して前記サンプリングを行い、前記サンプリング信号の生成後に前記サンプリング信号生成部を停止するように制御し、
    前記第1の受信装置の前記処理部は、前記相関値を最大化させる前記時間差から前記第2の受信装置の衛星擬似距離を求めて前記第2の受信装置の位置を特定することを特徴とする請求項に記載の位置測位システム。
  3. 前記第1の受信装置の前記第1の無線部は、前記第2の受信装置の位置を前記第2の無線部を介して前記第2の受信装置に送信することを特徴とする請求項に記載の位置測位システム。
  4. 前記第1の受信装置の前記第1の無線部は、前記相関値から前記第2の受信装置のS/N比を求めて前記第2の受信装置の前記第2の無線部に送信し、
    前記第2の受信装置の前記制御部は、前記S/N比に基づいて前記サンプリングの条件を変更することを特徴とする請求項に記載の位置測位システム。
  5. 前記第2の受信装置の前記制御部は、前記一定時間を1ms以下の範囲に設定することを特徴とする請求項に記載の位置測位システム。
  6. 前記第1の受信装置は基地局であり、前記第2の受信装置はタグであることを特徴とする請求項1に記載の位置測位システム。
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