JP6766039B2 - 成体幹細胞増殖に適したフィーダー細胞の処置の方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成体幹細胞増殖に適したフィーダー細胞の処置の方法に関する。
本発明は更に、費用効率が高く更に効果的なフィーダー細胞の処置に関し、それら細胞の寿命及び成長支持能力は、(1)処理溶液の濃度それ自体並びに(2)曝露された細胞集団に利用可能な論理的用量の交換においてマイトマイシンCでの処理後にそれら細胞に制御された成長停止を誘導することにより変調される。本発明は、特定の病気を治療するための移植用として費用効率が高い器官の生産に向けた有望な開発のために成体及び胚性幹細胞を培養するために上記のように処置したフィーダー細胞からなる最適化された基層を使用することにも関する。
いくつかの成体及び胚性幹細胞の培養は、通常、マウス胚性皮膚線維芽細胞のような成長停止された線維芽細胞からなるフィーダー細胞層によって決まる。例えば、火傷した患者の小さな損傷していない皮膚生検標本から得られる自己ケラチノサイトを、ガンマ線照射への曝露により成長停止されているそのようなフィーダー細胞の存在下でin vitroで培養し、その後in vitroで構築された表皮シートは、重度の火傷を負った患者における自己移植に使用される(Rheinwald及びGreen、1975年、Atiyeh Costagliola 2007年)。成長停止は、フィーダー細胞を永久に非増殖性の状態へ進ませ、有限の期間代謝的に活性に保って、標的細胞に対し成長刺激作用を与えることが報告されている(Royら2001年;Nietoら2007年)。
あるいは、費用効率が高い戦略としてマイトマイシンCのような他の細胞増殖−遮断剤への曝露を使用して、フィーダーを成長停止させる(Navasariaら1994年)。先行技術において、マイトマイシンCのいくつかの濃度の使用は、標準的な方法と考えられるガンマ線照射と比較してこの方法とは矛盾した有効性を指摘して報告されている(Schrader、1999年;Ponchioら、2000年;Roy、2001年;Ramirezら、2001年;Nietoら、2007年)。しかし、有効な成長停止のためのマイトマイシンCの濃度は、極めて重大であり;低すぎる濃度は、増殖の再開による成長停止の逆転をもたらすことになり、標的細胞を汚染することになる。一方、高すぎる濃度は、フィーダー細胞の早い崩壊をもたらし、標的細胞におけるその残渣の沈着に加えてフィーダー層としての効果を小さくすることになる。先行技術においてこれまでに報告されている研究は、濃度の範囲を考慮するだけでフィーダー細胞成長停止について記述しており、曝露細胞集団の正確な密度を大いに見逃し、標的細胞刺激の程度と相反して結論付けた。そのような矛盾の結果、様々なフィーダー層系の中で差異をもたらすフィーダーに基づく共培養系について、均一に有効な成長停止されたフィーダー層は、まだ同定されていない(Amitら、2004年)。更に、高濃度でさえマイトマイシンC処理の後の有糸分裂活性の再発をもたらす成長停止の偶然の失敗も報告されており、そのような培養を捨てる以外の解決はない(Connor、2000年)。
両方の成長停止方法の不全は、幹細胞の培養に有効なフィーダー細胞を調製するための新たな手法の開発を余儀なくさせる(Browningら、2010年)。それ故、マイトマイシンC誘導成長停止が、永続的であるだけでなく、最適で再現可能な成長支持活性も与える培養系を開発するという満たされていない必要性がある。マイトマイシンC誘導成長停止における不完全性が、第1に、細胞増殖遮断剤の作用潜在性が曝露細胞密度によって算術的に決まることがこれまでに示されているので、曝露前のフィーダー細胞の細胞数を変化させる実験的な戦略により(Yemeni及びJayaraman、2003年);第2に、マイトマイシンC濃度及び最終的な処理体積中に存在する実際の用量の交換からなる算術的に得られる値の範囲を導くことにより、おそらく解決できることがここで提案され、全体としてそれぞれの曝露細胞集団に対し論理的に利用可能である。最終的に、フィーダー細胞成長停止手順は、次いでそのような得られた体積−濃度交換への曝露からなり、最適に機能するバッチが成体幹細胞増殖の最大刺激から同定されることになる一連のフィーダー細胞バッチを生成することができる。この戦略は、培養時間及び標的細胞の特徴に妥協することなくガンマ線照射技術と比較して培養の費用を下げることが提案される。
従って、成体幹細胞増殖のためにフィーダー細胞を処置する方法を提案することが、本発明の目的であり、その方法は単純で、費用効率が高い。
本発明の別の目的は、成体幹細胞増殖のためにフィーダー細胞を処置する方法を提案することであり、その方法は強い化学物質、試薬又は薬剤を利用しない。
本発明の別の目的は、成体幹細胞増殖のためにフィーダー細胞を処置する方法を提案することであり、その方法は、共培養系において表皮ケラチノサイト幹細胞の最大の成長を刺激し、ガンマ線照射を受けた(γ−Irr)フィーダー細胞と同程度である。
これら並びに本発明の他の目的及び長所は、付随する図面と合わせて読めば、後の説明から読者に明らかになる。
添付の表の説明
表3:170個のケラチノサイトを様々なスイス3T3フィーダーと共培養することにより成長させたケラチノサイトコロニー及びローダミンBで赤色に染色したコロニーの定量的画像分析による成長領域測定
9.6cmと等しいウェルの実際の全領域
1、2、3及び4と番号付けした4つ組の培養を、第1継代のケラチノサイト及び6ウェルプレートのウェル1個当たり144000個のフィーダー細胞で開始した。4−15及び4−150は、細胞100万個当たり15又は150μgいずれかの用量で1mL当たり4μgのマイトマイシンC濃度の交換に曝露したフィーダーを表し、γ−IRRはγ線照射を受けたフィーダーを示す。
表4:340個のケラチノサイトを様々なスイス3T3フィーダーと共培養することにより成長させたケラチノサイトコロニー及びローダミンBで赤色に染色したコロニーの定量的画像分析による成長領域測定
9.6cmと等しいウェルの実際の全領域
1、2、3及び4と番号付けした4つ組の培養を、第1継代のケラチノサイト及び6ウェルプレートのウェル1個当たり144000個のフィーダー細胞で開始した。4−15及び4−150は、細胞100万個当たり15又は150μgいずれかの用量で1mL当たり4μgのマイトマイシンC濃度の交換に曝露したフィーダーを表し、γ−IRRはγ線照射を受けたフィーダーを示す。
スイス3T3細胞における細胞密度滴定によるマイトマイシンCの所与の濃度からの用量の実験的導出の略図である。 濃度及び図1に示すプロセスから実験的に得た用量の交換によるスイス3T3細胞の滴定により差異的成長停止を作製する略図である。 表皮ケラチノサイト細胞に対する図2のプロセスにより調製されたフィーダー基層の成長刺激潜在性を実証する略図である。 様々な曝露細胞密度でのスイス3T3線維芽細胞の細胞死滅/増殖に対する様々な濃度のマイトマイシンCの影響を示す図である。細胞を、細胞密度低(1cm当たり0.7276±0.0844×10)、中(1cm当たり3.0711±0.3021×10)及び高(1cm当たり6.1556±0.2309×10)で、濃度1μg/mL(A)、3μg/mL(B)、4μg/mL(C)、4μg/mL(D)、及び10μg/mL(E)のマイトマイシンCに曝露し、周期的な生存細胞計数を曝露後3、6、9、12並びに20日に実行した。細胞数は、3つ組の培養の値からの平均及び標準偏差で示される。各時点における3つのECNからの生存細胞計数を一方向性ANOVAにより分析し、有意性(AにおいてP<0.02、B及びEにおいてP<0.03並びにC及びDにおいてP<0.001)を星印で及び有意性なし(P>0.05)をNSで表示する。 様々なマイトマイシンC用量/細胞への2時間のパルス曝露後20日間にわたるスイス3T3線維芽細胞の細胞死滅/増殖の傾向の4つの区分を示す散布図である。刺激成長の傾向は、播種された細胞より有意に(P<0.01;R=0.87;n=5)多い20日目の細胞数により特徴づけられ;定常傾向は、培養時間と有意でない(R=0.03、n=15)線形相関を示す整合性がない細胞数の減少により区別され;阻害傾向は、培養時間と有意に(P<0.01;R=0.4;n=30)負の線形相関を示す整合性がある細胞数の減少により明白であり、細胞数の減少が急速であり(p<0.01;R=0.57;n=10)、3日目の細胞計数で播種した細胞の10%未満であった場合、傾向を有毒に割り当てた。 4μg/mL(A)及び5μg/mL(B)の濃度を有するマイトマイシンC溶液への2時間のパルス曝露後にT25フラスコから回収された生存スイス3T3細胞を示す図であり、そのそれぞれは、15、75、150又は450ρg/細胞の用量交換を得るように処方された。各交換を、10及び30ρg/細胞の用量でそれぞれ構成され、最少及び最大の有毒な交換として含めた3及び10μg/mLの濃度と比較した。スチューデントt検定により実行した統計比較を、p<0.05(*)で有意又は有意でない(NS)と表示した。4μg/mL(R=0.927;P<0.01)又は5μg/mL(R=0.898;P<0.02)の全ての交換の間で生存度の用量依存的減少を回帰により検定した。曝露前細胞数(ECN)を、処理前に3つの無作為なフラスコからの細胞計数により決定した。対照は、マイトマイシンC媒体溶液だけに疑似曝露したフラスコ中の生存度を表す。各棒は、3つ組からの平均及び標準偏差を表す。 T25フラスコ中で4μg/mL(A及びB)及び5ug/mL(C及びD)の濃度でのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露後に、1cm当たり7000個細胞の播種密度で24ウェルプレートの3つ組ウェルへ再培養したスイス3T3細胞の差異的周期的細胞死滅を示す図であり、そのそれぞれは、15、75、150又は450ρg/細胞の用量交換を得るように処方された。各時点(A及びC)における用量交換の全てからの生存細胞計数を一方向性ANOVAにより分析し、P値が0.05未満だった場合にそれを表示した。各濃度(B及びD)の細胞死滅における用量依存的変動を、線形傾向線によって表し、R値を回帰により算出した。 T25フラスコ中で15(A及びB)、150(C及びD)又は450(E及びF)ρg/細胞の用量交換を得られるように処方した4μg/mLの濃度でのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露後に、スイス3T3細胞を24ウェルプレートに再培養した6日後(上段)及び12日後(下段)におけるその細胞の比較細胞性を示す図である。6日後に空胞のある細胞(矢印)は、4−15(A)のフィーダーにおいてまれであり、4−150(C)においてわずかであり、4−450(E)において多かった。処理後12日後の培養表面における全体の細胞性は、4−15(B)ではかなり、4−150(D)では中程度、4−450(F)では少なかった。マーカー長は、10μMである。 T25フラスコ中で濃度4μg/mL(A)及び5μg/mL(B)でのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露後に、24ウェルプレートの3つ組ウェルへ1cm当たり7000個細胞の密度で再培養したスイス3T3細胞の差異的周期的細胞死滅を示す集合棒状図であり、そのそれぞれは、15、75、150又は450ρg/細胞の用量交換を得るように処方された。各置換を、10及び30ρg/細胞の用量でそれぞれ使用され、最少並びに最大の有毒な交換として含めた3及び10μg/mLの濃度と比較した。各集団は、処理後3、6、9及び12日後の単回投与からの生存細胞数を表す。3−10及び10−30の集団を、対応のあるt検定により他の用量交換のそれぞれと比較し、p<0.05(*)で有意又は有意でない(NS)と表示した。 1ミリリットル当たり4μg(A及びC)及び5μg(B及びD)マイトマイシンCへの2時間のパルス曝露により成長停止された様々なスイス3T3フィーダーと共培養した第3継代のケラチノサイトのコロニー形成効率を示す図であり、そのそれぞれが、15、150又は450ρg/細胞の用量交換を得るように構成された。標準的技術としての役割を果たしているガンマ線照射により成長停止されたフィーダーに加えて、10及び30ρg/細胞の用量で3及び10μg/mLへそれぞれ曝露したフィーダーを、最少並びに最大の有毒な交換として含めた。培養は、1ウェル当たり250及び144000個の率でそれぞれ播種されたケラチノサイト並びにフィーダーで6ウェルプレートの3つ組ウェル中で開始された。コロニーを、ローダミンBでウェルを染色した後に計数した(C及びD)。全ての群を、スチューデントt検定により4−150群と統計学的に比較し、p<0.05(*)で有意又は有意でない(NS)と表示した。 定量的画像分析を容易にするAdobe Photoshopを使用して、フィーダー細胞の基層上にケラチノサイトコロニーを含有するローダミンB染色した培養プレートにおける完全な色分解を例示する図である。最も左にある副題「原本」は、赤色でケラチノサイト成長領域及び青っぽい灰色の青色でフィーダー基層を表すローダミンB染色培養プレートの無処理画像を表す。副題「ケラチノサイト」及び「フィーダー」は、赤色の領域がケラチノサイト成長領域を、青っぽい灰色で残りのフィーダー基層をそれぞれ表す元画像の複製サンプルを表し、ピクセルによる両領域の定量化を容易にするために分離される。右にある副題「マージ」は、色分離を検証するために「ケラチノサイト」及び「フィーダー」画像の重ね合わせにより作製される再構成合成画像を示す。 15又は150ρg/細胞の用量交換を得るように構成された1ミリリットル当たり4μgのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露により成長停止されたスイス3T3フィーダーと共培養したケラチノサイトのコロニー形成効率(A)及び成長領域分析(B及びC)を示す図である。標準的技術としての役割を果たしているγ線照射(γ−Irr)により成長停止されたフィーダー細胞を、比較のために含めた。培養は、6ウェルプレートの4つ組ウェルで開始され、各ウェルに、第1継代培養の凍結貯蔵物からの生存ケラチノサイト170個及びフィーダー細胞144000個を播種した。コロニーを、ローダミンBでウェルを染色した後に計数した(D)。平均コロニーサイズ(C)は、全成長領域(B)をコロニーの総数(A)で割ることにより得た。4−150フィーダー群との有意な比較(p<0.01)を、黒い星印で表示し、4−15とガンマ線照射のフィーダーの間の比較を灰色の星印で表示する。 15又は150ρg/細胞の用量交換を得るように構成された1ミリリットル当たり4μgのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露により成長停止されたスイス3T3フィーダーと共培養したケラチノサイトの成長領域分析を表す図である。ガンマ線照射(γ−Irr)により成長停止されたフィーダー細胞は、標準的対照としての役割を果たした。培養は、6ウェルプレートの4つ組ウェルで開始され、各ウェルに、第1継代の生存ケラチノサイト340個及びフィーダー細胞144000個を播種した。ケラチノサイトコロニーを、ローダミンBで赤色に染色し、画像分析に供して、赤色のピクセルとウェルのピクセルの総数の比からケラチノサイト成長領域のパーセントを算出した。ウェルの実際の全領域を9.6cmと等しいと見なしてケラチノサイト成長の領域を算出した。スチューデントt検定により4−15及びガンマ線照射を4−150群と統計学的に比較し、p<0.01で有意であると表示した。 1フィーダー群当たり210個培養した第1継代のケラチノサイトから作製された全てのケラチノサイトコロニー全体にわたる細胞性の分布(上)、BrdU陽性細胞(下)を表すドットプロットを示す図である。フィーダー細胞は、15又は150ρg/細胞の用量交換を得るように構成された1ミリリットル当たり4μgのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露により成長停止された4−150、4−15及びガンマ線照射を受けたフィーダー(γ−Irr)も含んだ。有意性(P<0.03)を星印で表示する。 異なる手法で処置したフィーダー細胞上の培養設定におけるBrdU陽性及び陰性ケラチノサイト全部を、対応するパーセンテージと共に示す円図形である。フィーダー細胞は、15又は150ρg/細胞の用量交換を得るように構成された1ミリリットル当たり4μgのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露により成長停止された4−150、4−15及びガンマ線照射を受けたフィーダー(γ−Irr)も含んだ。4−150との有意な比較(p<0.01)を白い星印で表示する。 4−15(A及びB)及び4−150群(C及びD)のマイトマイシンCフィーダーの存在下で成長させたヒト表皮ケラチノサイトにおけるブロモデオキシウリジン(BrdU)の標識を示す図である。BrdU陽性核は、青緑色で視覚化され(A及びC)、対応する位相差画像(B及びD)とマージされる。倍率バー=10μm。 T25フラスコ中で濃度4μg/mL(A及びC)及び5μg/mL(B及びD)でのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露後に、24ウェルプレートの3つ組ウェルへ1cm当たり15000個細胞の密度で再培養したスイス3T3細胞の差異的周期的細胞死滅を示す集合棒状図であり、そのそれぞれは、15、150又は450ρg/細胞の用量交換を得るように処方された。ガンマ線照射を受けたフィーダーをγ−Irrで表した。1cm当たり7000個培養したフィーダー(B及びD)の死滅を示すこれらのグラフは、図9から得られる。各集団は、処理後3、6、9及び12日後の単回投与からの生存細胞数を表す。任意の2つの交換間の群内比較を、対応のあるt検定により実行し、p<0.05(*)で有意又は有意でない(NS)と表示した。 1mL当たり4(上)並びに5(下)μgの濃度の下で1細胞当たり15、150及び450ρgのMMCフィーダーの存在下で成長させたヒト表皮ケラチノサイトの周期的な成長パターンを示し、3−10及び10−30フィーダーと比較した集合棒状図である。2つの独立したフィーダー細胞群の間の統計比較を、P<0.05を有意でない(NS)とする双方向ANOVAにより全ての時点の細胞計数を使用して実行した。 1mL当たり4(上)並びに5(下)μgの濃度の下で1細胞当たり15、150及び450ρgのMMCフィーダーの存在下で成長させたヒト表皮ケラチノサイトの周期的な成長パターンを示し、γ−Irrフィーダーと比較した集合棒状図である。2つの独立したフィーダー細胞群の間の統計比較を、P<0.05を有意でない(NS)とする双方向ANOVAにより全ての時点の細胞計数を使用して実行した。 3−10及び10−30のMMCフィーダー並びにγ−Irrフィーダーからなる対照の存在下で成長させたヒト表皮ケラチノサイトの周期的な成長産物を示す集合棒状図である。2つの独立したフィーダー細胞群の間の統計比較を、P<0.05を有意でない(NS)とする双方向ANOVAにより全ての時点の細胞計数を使用して実行した。 4−15(上段)、4−150(中段)及びγ−Irr(下段)のフィーダー上で成長させたヒトケラチノサイトのコンフルエント培養により作製される培養上皮の複製シートを示す図である。上皮を、800個ケラチノサイト/cmで開始した12日後にディスパーゼ中でインキュベートすることにより単離した。倍率:原本。 4−15(上段)、4−150(中段)並びにγ−Irr(下段)のフィーダー上で成長させたヒトケラチノサイトのコンフルエント培養により作製される培養上皮のヘマトキシリン−エオシン染色したパラフィン切片を示す図である。 ヒト表皮におけるサイトケラチン14(CK−14)、インボルクリン、CK−10及びフィラグリンの局在に対する免疫組織化学的な陽性対照画像を示す図である。核をDAPIで青色に染色し、緑色の沈着物は、対応する一次抗体に結合しているFITCタグ付き二次抗体を表す。 4−15(上)、4−150(中)及びγ−Irr(下)の培養上皮におけるサイトケラチン14の免疫組織化学的な局在を示す図である。核をDAPIで青色に染色し、緑色の沈着物は、抗サイトケラチン14一次抗体に結合しているFITCタグ付き二次抗体を表す。左のパネルは、相当する位相差画像である。 4−15(上)、4−150(中)及びγ−Irr(下)の培養上皮におけるインボルクリンの免疫組織化学的な局在を示す図である。核をDAPIで青色に染色し、緑色の沈着物は、抗インボルクリン一次抗体に結合しているFITCタグ付き二次抗体を表す。左のパネルは、相当する位相差画像である。 4−15(上)、4−150(中)及びγ−Irr(下)の培養上皮におけるサイトケラチン10に対する免疫組織化学的な染色を表す図である。切片は、核だけがDAPIにより青色に染色されることを示し、サイトケラチン10を表す沈着物はなかった。左のパネルは、相当する位相差画像である。 4−15(上)、4−150(中)及びγ−Irr(下)の培養上皮におけるフィラグリンに対する免疫組織化学的な染色を表す図である。切片は、核だけがDAPIにより青色に染色されることを示し、フィラグリンを表す沈着物はなかった。左のパネルは、相当する位相差画像である。 1ディッシュ当たり5000個培養した全細胞の中の3T3のパーセント(上)及び3T3とケラチノサイトの両方を含む全付着細胞の中の3T3のパーセント(下)として表される非増殖性フィーダー細胞汚染を表す棒グラフである。スチューデントt検定を使用する統計解析から、3つの群の中の差異が有意でないことが明らかになった。 50000個細胞を含有する単離したケラチノサイト懸濁液を3週間インキュベートした後のT25フラスコ中のヘキスト染色調製物を示す図である。平らに拡散したクロマチン並びに薄暗い核小体を持つ比較的小さい核を含有する多数のケラチノサイトとは対照的に、唯一の幅広い線維芽細胞(矢印)が、粗く凝集したクロマチン及び明るい核小体を含有する大きな核と共に見られる。倍率バー=10μm。
この発明によると、成体幹細胞増殖に適したフィーダー細胞を処置する方法が提供される。
本発明によると、処理溶液の濃度それ自体並びに単位フィーダー細胞数当たりの実験的に認識された用量の交換でのマイトマイシンCへのパルス曝露後に崩壊若しくは寿命及びヒト表皮ケラチノサイト幹細胞の増殖を支持する能力を調節する戦略によるフィーダー細胞の制御された成長停止の方法が提供され、ケラチノサイトの速い成長についてガンマ線照射と同程度である最適なフィーダー細胞処置のその後の同定は、表面再建を必要とする特定の病気を治療するための移植に向けて活用できる重層上皮の形成をもたらす。
これは、以下の戦略により実現される:(1)まず最初に、周期的なフィーダー細胞死滅は、ある範囲のフィーダー細胞密度を様々な濃度のマイトマイシンCへ実験的にパルス曝露した後に算術的に得られる、単位細胞数当たりのある範囲のマイトマイシンC用量によって決まることを証明する。
(2)細胞崩壊における用量依存的な有意差の誘導に基づいて最終選抜候補になるそのような得られた単位細胞数当たりの用量及び単位体積当たりの濃度の範囲の交換に基づいてマイトマイシンC溶液のある範囲の推定体積を予測する。
(3)最終選抜候補になった濃度の全体にわたって前記範囲の体積を利用して、一定密度の資質のあるフィーダー細胞をパルス曝露し、それにより固有の細胞崩壊傾向を呈するそれぞれのフィーダー細胞バッチを生成する。
(4)in vitro共培養系におけるγ−Irrフィーダーと比較して、ケラチノサイトの最大成長を支持するように前記濃度−用量交換のうちの1つを表す処理溶液の特定の体積によって成長停止される最適なフィーダーバッチを同定する。
(5)γ−Irrフィーダー細胞によって作製されるそれと同程度の重層上皮の形成に向けたケラチノサイト成長の刺激においてそのような同定されたフィーダーバッチの能力を確立する。
このプロセスにおいて、最良に機能するフィーダー細胞の同定及び生産は、ガンマ線照射と同程度であるが、マイトマイシンCに基づく公知の技術に対して費用効率が高く、数倍効果的になるマイトマイシンC投薬の唯一の実験的導出による成長停止を含むので、固有のものである。
本発明は、人工的な成長条件下で表皮ケラチノサイト幹細胞成長を最適化するように、スイス3T3細胞系を利用する連続した図1〜図3に示されるマイトマイシンC滴定手順の新規の実験的導出によって実証される最適な細胞基層を調製する方法に関する。本発明は、標準的だが費用がかかるガンマ線照射方法に対して同程度の成長促進フィーダー層を作製するための費用効率が高い方法であり、皮膚、角膜等のような患部組織を表面再建するための人工上皮の創出に利用することができる。
一般に公知のスイス3T3フィーダー細胞系を利用することによる細胞密度滴定による所与の濃度のマイトマイシンCの用量の実験的な導出の略図が、図1に示される。様々な数の細胞(Σ)が、異なる濃度のマイトマイシンCの2時間パルスで処理され、区分すなわち刺激、定常、阻害及び有毒を広く含むそのような曝露の結末は、以下の式から算出される用量と相関している(表1、図4及び5):
[式中、Δ=用量/細胞(pg/細胞又はμg/100万個細胞)
C=MMCの濃度(μg/mL)
υ=一定に保たれる処理溶液の体積(mL)
Σ=曝露細胞数(100万個)である。]
これらの実験的に得た用量及び濃度は、それぞれの体積の範囲を予測する基礎になる。その後、1mL当たりのマイトマイシンC濃度及び細胞1個当たりの用量の交換を表す最終選抜候補になった2つの濃度の全体にわたって、均一な範囲の体積の所望の一定密度の資質のあるフィーダー細胞(Σ)を2時間のパルス曝露することにより差異的成長停止を作製して、様々な程度の成長停止を達成した(図2)。
フィーダー細胞を永久に成長停止にするために使用したマイトマイシンC濃度は、1mL当たり3〜10μgの範囲であり、用量は、細胞1個当たり15〜450ρgの範囲又は細胞100万個当たりのμgである(図6〜図9)。その後、図3に示すようにケラチノサイト培地中でマイトマイシンC処理した3T3フィーダー細胞を表皮ケラチノサイト幹細胞と一緒に再培養することにより、フィーダーの刺激作用を試験する。刺激作用は、ケラチノサイトの成長の進行及び同程度の培養時間の間に最大成長領域(図10〜20)を網羅するために最大のコロニー形成効率を形成する能力、並びに重要な表皮マーカー(図23〜27)を示す重層表皮を形成する能力(図21)により確認され、その間フィーダー細胞汚染は最小に保たれる(図28、図29)。不可逆的な成長停止を実現するだけでなく、更に表皮ケラチノサイト幹細胞に対して最大の成長刺激作用を与えるという点では、マイトマイシンCの最も好ましい濃度は、1mL当たり4μgであり、最も好ましい用量は細胞100万個当たり150μgである。
本発明は、本発明を単に例示するためのものであり、制限の働きをしない以下の実施例により例示される。当技術分野にある方法に対して明らかな全ての実施形態は、本発明の範囲に含まれると考えられる。
一般的な材料及び方法
追加の適切な方法が特定の各実施例の下で記述されるが、記述された全ての実施例は、以下の共通の方法を含んだ:
細胞培養
第115継代で供給されたスイス3T3(ATCC−CCL−92)培養は、10パーセント(体積/体積)ドナー仔ウシ血清及び17.86mM炭酸水素ナトリウムを含有するDMEM中で、37℃の一定温度及び加湿した5パーセント二酸化炭素雰囲気の細胞培養条件下で培養し、継代培養のために、細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.25パーセントトリプシン及び0.03パーセントエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を使用してトリプシン処理により剥がした。細胞を、4継代連続的に継代培養して、第4継代と見なされる凍結保存マスターバンクを確立した。次いで第6継代まで2回継代培養することによりマスターバンクの凍結バイアルから作業バンクを生成し、凍結保存した。培養を、マイコプラズマ(Kumarら、2008年)、倍加時間、飽和密度及びメチルセルロース中で成長しないことを試験した。継代培養希釈は、バンキング手段の全体を通じて1:6〜1:10の範囲になるように採用され、供給元によって推奨される通り1cm当たり約3×10個細胞の播種密度を維持し、培養は50パーセントコンフルエンスより高く決して成長させなかった。凍結保存してある作業バンク細胞を急速解凍した後に(生存度81.4±1.1パーセント;n=22)、そこから第6継代培養を開始し、T75培養フラスコ中で225000個細胞を4日間インキュベートし;産物(17.90934±5.3809×10;n=22)を、同数の細胞を3日間インキュベートすることにより更に継代培養し;得られた第7継代産物細胞(17.60247±4.2266×10;n=22)を、溶液10mL中のマイトマイシンC 40μgにパルス曝露した後に全ての細胞が崩壊するまで維持することにより、不可逆的な成長停止についてバッチ試験した。実施例1の実験には第6継代産物細胞を使用したが、並列の作業バンクバイアルから同じく生成した他の第7継代細胞を、資質のあるフィーダー細胞に指定し、同じものを実施例2及び実施3の成長停止実験に使用した。
ケラチノサイト−フィーダー共培養
健康な成人ヒト皮膚生検から単離し、無フィーダー及び無血清培養系で成長させた後の表皮細胞の初回培養の終了時に冷凍保存された初代ケラチノサイトを、Genlantis(カタログ番号PH 10205A、www.genlantis.com)から入手した。細胞を、記述されている通り基本的なRheinwald−Green(1975年)技術(Navasariaら、1994年)を採用して成長停止されたフィーダーとの共培養実験に使用した。3:1の比のダルベッコ変法イーグル培地及びHam’sF−12、10パーセント(体積/体積)ウシ胎仔血清並びにシプロフロキサシン10μg、インスリン5μg、追加のL−グルタミン110μg、デキサメタゾン1μg、アデニン24.32μg、L−セリン20μg、ヒドロコルチゾン0.4μg、コレラ毒素10ηg、表皮成長因子10ηg(2日目に培地に添加する)、トリヨードチロニン1.346ηg及びトランスフェリン5μgを含み、そのそれぞれは成長培地1mL毎当たりである、ケラチノサイト成長培地(KGM)。
PBS 100mL当たりEDTA0.03グラムで初めに処理してフィーダー細胞を除去し、その後EDTA 0.01グラム及びグルコース0.025グラムと一緒にトリプシン0.08グラムを使用してケラチノサイトを分離することにより培養を継代培養し、そのそれぞれは、それぞれの最終溶液100mL毎当たりであり、生存細胞をトリパンブルー除外基準により計数した。
曝露細胞数によるマイトマイシンC誘導フィーダー細胞成長停止の変調
この実施例は、周期的なフィーダー細胞死滅が、ある範囲のフィーダー細胞密度を様々な濃度のマイトマイシンCへ実験的にパルス曝露した後に算術的に得られ、単位細胞数当たりで表される、ある範囲のマイトマイシンC用量によって決まることを示すための実験的な証明について記述する。
成長停止手順
作業バンクスイス3T3細胞を、一般的な方法に記載の通り培養に入れ、この第6継代産物細胞を、培地10mLを含有するT25フラスコ(Nunc)に播種し、マイトマイシンCによる処理の前に5日間インキュベートした。マイトマイシンCへの処理時に必要とされる3つの曝露細胞数(ECN)を達成するように(図1)、培養を、1cm当たり4×10、2.5×10及び2×10個細胞の播種密度で開始し、成長領域1cm当たり実現して得られたECNは、それぞれ、0.7276±0.0844×10(低密度;n=6)、3.0711±0.3021×10(中密度;n=4)及び6.1556±0.2309×10(高密度;n=4)であった。必要なECNを得た後に、細胞を、記述されている標準細胞培養条件下でマイトマイシンC(Sigma−Aldrich、カタログ番号M4287)の2時間パルスに曝露した。マイトマイシンCは、ハンクス平衡アールズ塩(HBES)に溶解し、培養培地10mLで比例して希釈して1mL当たり1、3、4、5及び10μgのマイトマイシンC濃度の範囲を得た;1mL当たり10μgより高い濃度は、全てのECNにわたる急性毒性のため、本研究に含めなかった。
HBESを含有する同じ体積の培養培地に曝露した細胞が、対照としての役割を果たした。曝露終了時に、細胞を、PBS pH7.2 100mL当たりトリプシン0.25グラム及びEDTA0.03グラムを含有する溶液で剥がし、計数し、1ウェル当たり14000個細胞の密度で24ウェルプレートに再培養した。細胞を剥がし、トリパンブルーで染色し、生存細胞を3日間隔で12日目まで及び20日後に最終計数をノイバウエル計算板で計数した。各実験は3つ組で実行し、少なくとも2回繰り返した。
統計
データを分析手順(Yemeni及びJayaraman、2003年)に供して、3T3細胞に対するマイトマイシンCの密度依存的影響を検証した。再培養した対照細胞は、予想通りに典型的なS字形曲線で成長し、6日〜9日でコンフルエンスに達した;従って、処理と対照の間の細胞数比較は、論理的に不適当になった。従って、独立した成長曲線プロットを、対照を表すことなく、3つのECNに対して試験したマイトマイシンCの濃度毎に構築し、各時点における細胞数データを一方向性ANOVAにより分析し、P<0.05の場合に有意と見なした。加えて、3〜12日目の全体にわたり所与の濃度と3つのECNとを組み合わせた作用の後に得られるデータ内の相違の有意性を、双方向ANOVAにより分析した;20日目のデータは、特定の組み合わせにおいて細胞が存在しないため、省略した。細胞100万個当たりのマイトマイシンCのμgとして表され、細胞1個当たりのρgと等しい用量が、1mL当たりμgの濃度の産物及びmLの処理溶液の体積を100万個の曝露細胞数で割ることにより算出された(図1)。各時点に対する生存細胞数とマイトマイシンC用量の間の直線性の有意性を、相関係数により検定した。細胞死滅傾向に基づいて定義した成長停止結末の区分を、成長曲線プロットで表し、回帰により分析した。
結果及び考察
3つの曝露細胞密度(ECN)のフィーダー細胞に対して試験した1mL当たり1μgのマイトマイシンCの最低濃度は、6日目及び9日目において細胞死滅の有意な(p<0.02)ECN依存的変動に影響したが、その後細胞数は安定して増加し、それは成長停止できなかったことを示した(図4A)。
一方、細胞死滅において1mL当たり3及び10μgの濃度は、有意な(P<0.03)曝露細胞密度依存的変動に影響し、その影響は、高濃度では初めの9日間だけであったが、低濃度では3〜21日目の間で特にあてはまった(図4B及び図4E)。実際のところ、死滅結末に関する比較を低及び中密度の間だけで行った場合、有意な相違は持続しなかったので、3μgによって作製される死滅の相違の有意性は、高い細胞密度によって呈される強く反対の刺激作用に明らかに影響された。一方、死滅変動は、1mL当たり4及び5μgの濃度で全ての時点において一貫して有意だった(P<0.001)(4C及びD)。同時に、双方向ANOVAから明らかなように全ての時点で3つのECN全体にわたって試験した各マイトマイシンC濃度が、全体に有意な(P<0.04)変動をもたらしたことは、現在の実験設計において、試験した濃度単独は決定因子でなく、決定因子はむしろ周期的な死滅に有意に影響を及ぼすのに決定的である濃度と曝露細胞数との組み合わせであることを示した。
処理溶液の濃度及び体積の産物であるマイトマイシンCの全量(重量/体積)は、曝露された全ての細胞で概念上均一に共有されるので、所与の濃度によるECN依存的な差異的細胞崩壊は、様々な曝露細胞数に起因する細胞1個当たりの異なる用量の範囲で作用するマイトマイシンCの副次現象であり得る。これを、特にECNのうち少なくとも1つに対して整合性がある成長阻害をもたらす1mL当たり3、4、5及び10μgの有効濃度で試験した。それ故、図1に表すように、死滅は、1mL当たりのμg単位で表される所与の濃度の産物及びmLの処理溶液の体積を100万個の曝露細胞数で割ることにより算術的に算出されるそのような用量の範囲と相関し、従って、得られた用量は、細胞100万個当たりのマイトマイシンCのμgとして表され、細胞1個当たりのρgと等しい。得られた用量を、それぞれの濃度及び曝露細胞密度(表1)との関係を示す細胞1個当たり低い19.5から高い549.7ρgへ上がる順序で構成した後に、相関係数によって試験した経時的な曝露後生存細胞数の有意な直線性に基づいて、4つの固有の区分を試験した組み合わせ全12個の間で同定した。これらを、全体の成長曲線の状態を反映するように示し、それぞれの曲線を回帰分析でプロットした(図5)。
刺激
1mL当たり3μgのマイトマイシンCの後に得られた成長曲線を、播種した細胞数より多い20日目の細胞数と整合性がある復活を示した高ECNに利用し、細胞数と観察日の間の有意な線形正相関(P<0.01)を最終的な刺激状態に割り当てた。
定常
無作為の一過性の復活と整合性がない細胞数減少並びに細胞数の変化と培養時間の経過との間で有意でない線形相関を示す1mL当たり3μgのマイトマイシンCを使用して中ECNを処理し、1mL当たり4及び5μgのマイトマイシンCを使用して高ECNを処理した後の成長曲線を、共に最終的な定常状態に割り当てた。
阻害
1mL当たり4、10、5、10、3並びに4μgのマイトマイシンCを使用して、中、高、中、中、低及び低ECNを処理した後の成長曲線は、それぞれ、細胞数変化と培養時間の経過との間で有意な(P<0.01〜0.05)負の線形相関と整合性がある細胞数減少を示し、共に阻害と分類した。
毒性
低ECNを処理するために利用した1mL当たり5及び10μgのマイトマイシンCの後に得られた成長曲線は、最初の細胞計数によって視覚化された3日目に、播種した細胞の10%未満になる細胞数の急速な減少並びに細胞数の変化と培養時間の経過との間で有意な負の線形相関(P<0.01〜0.05)を示し、最終的に有毒な状態を共に割り当てた。
薬物濃度及び曝露時間に応じたマイトマイシンCの致死並びに細胞質分裂効果について記述している特定の先行する報告があり、その抗癌作用(Barlogie及びDrewinko 1980年)を研究しており、他は、濃度−反応曲線がフィーダー細胞型に特異的である(Ponchioら、2000年)ことを結論したが、曝露密度又は細胞1個当たりの用量の重大さは解決されなかった。しかしながら、特に1mL当たり3〜10μgの有効濃度の範囲で差異的死滅を示すこの実施例の結果は、曝露細胞密度と時間に対して算出される曝露後の生存細胞数減少の係数との間の経験的関係の明白な指標になる。曝露細胞密度と細胞増殖制御薬剤として使用されたメラトニンの作用潜在性の間の信頼できる相関については、算術パターンに従って本発明者らの1人により以前に記述されている(Yemeni及びJayaraman、2003年)。従って、マイトマイシンC並びに場合によっては他のいくつかの同様の化学薬剤のin vitro効果は、その濃度、特に中程度の有効な濃度に加えて、二次的であるが細胞1個当たりの用量の有意な関数であると推測でき、弱い及び強い作用潜在性のため、より低い及びより高い濃度はそれぞれ、用量の役割を控えめに表す。成長支持フィーダー細胞の正味の累積寿命の漸進的な減少をもたらすそのような調節制御については、どこにも報告されていなかった。成長停止された線維芽細胞のような代謝的に活性な間葉系細胞と標的幹細胞との比が、後者のin vitroにおける増殖及び/若しくは維持にとって非常に重大なので、この関係は、ケラチノサイト又は任意の成体幹細胞の増殖に有意な影響を与えうる(Sunら、2009年;Zhouら、2009年;Jubinら、2011年)。従って、細胞1個当たりのこの重大な用量の考察の管理が、γ線照射と比較してマイトマイシンC手法の報告されている整合性がない有効性に対して予想される因子の1つであり得たことを意味することができ、フィーダー細胞の特定の曝露密度及び処理溶液の体積は、得られた細胞死滅率と比較されなかった(Ponchioら、2000年;Royら、2001年;Schrader、1999年;Nietoら、2007年;Fleischmannら、2009年)。
従って、特定の所与の範囲の濃度におけるマイトマイシンC誘導成長停止の不十分さを、フィーダー細胞の初期曝露細胞数又は処理溶液の体積を制御することによりおそらく最適化できることを提案できる。細胞数に基づく用量決定の有意性は、体重と体脂肪の差異であるレシピエントの除脂肪体重に基づいて個別的投薬を決定する(Pradoら、2007年)ことにより癌患者における化学療法剤の毒性の制御に推奨されている量から推測することもでき、体重は、細胞数及び平均細胞質量の産物である(Savageら、2007年)。更に、曝露細胞密度変動戦略が、in vitro毒物学研究設計に採用されることになった場合、in vitroで研究した最も活性がある濃度から化合物の使用上のin vivo用量を算出し、予測する基礎を形成する可能性があり得ることが提案される。
他の同義語において、フィーダーの曝露細胞密度とその一定体積でのマイトマイシンCの濃度とを組み合わせた因子の範囲を、後者の体積及び濃度の対応する交換で置換して、曝露細胞密度を安定して安全な定数に保ちながら、類似の投薬を達成し、生フィーダー細胞数を調節することができる。高密度コンフルエント集団を継代培養することにより成長させた場合に3T3のような細胞系が、改変された特徴を持つ自然発生的なバリアントを段階的に蓄積することは公知なので、細胞集団が連続した継代培養によってバリアントを蓄積しないような一定のレベルに曝露細胞数を設定するために、この交互の戦略を適用する必要性がある。(Rubin及びXu、1989年;Matthews、1993年;CCL−92のATCC製品情報シート、www.atcc.org)。メチルセルロースに懸濁したときに、コンフルエント前の細胞は球体を形成できなかったが、コンフルエンスに維持した細胞は球体を形成したこと、及びそのような球体から確立した全ての培養が、低濃度のマイトマイシンCに抵抗し、そのような培養のごく少数が高濃度マイトマイシンCに感受性であったことを、本研究室において更に検証した。Connor(2000年)は、成長停止マウス胚性フィーダー細胞への10μgの高濃度マイトマイシンCの使用を助言し、更にフィーダー再成長について警告し、フィーダー再成長を示すそれらのディッシュを捨てるしか解決法がないことを提示した。コンフルエント集団である1cm当たり60000個細胞の高ECNに利用した1mL当たり3μgの低いマイトマイシンCで観察された刺激結末が、おそらく、マイトマイシンCに抵抗性がある蓄積したバリアントの徴候であり得ることは、本研究において同様に可能性が高い。従って、同程度の差異的細胞死滅率を達成するための置換戦略は、曝露細胞数を設定することによる処理溶液、好ましくは低濃度のマイトマイシンCの体積の交換を利用し、次に標的細胞刺激に対して最良に機能する組み合わせを同定することで検討できる。
従って、1mL当たり3〜10μgの範囲のマイトマイシンCにおいて所与の濃度のマイトマイシンCの体積の範囲を試験するそのような戦略を採用することが提案され、その体積は、100万個の曝露細胞数の産物及び細胞1個当たりのρgとして示される用量を処理溶液1mL当たりのμgであるマイトマイシンCの濃度で割ることにより得ることができる(図2)。このようにして、所与のマイトマイシンCの濃度の体積滴定を採用して、様々な細胞の死滅率を生産することにより差異的成長停止を誘導することができ;それによって、表皮ケラチノサイトのような標的成体幹細胞の対応する差異的刺激は、質的でない場合、定量的に改変されることにより3T3細胞の支持プロファイルを得ることができ、最終的に最良のフィーダー処置を同定することになり得る。証明されれば、本プロセスは、ガンマ線照射と比較して費用効率が高いマイトマイシンC手法の報告されている不十分さを克服する可能性がある。
以降の実施例に例示した通り、この仮定は、適当な実験設計を考案することにより試験される。
マイトマイシンCの濃度及び用量の交換によるフィーダー細胞崩壊の調節
この実施例は、濃度及び単位胞数当たりの用量の特定の交換を表す体積の範囲を得るように構成されているマイトマイシンC溶液で一定の曝露細胞集団を処理することによって細胞崩壊の程度を調節することによりフィーダー細胞成長停止の正味の寿命を制御する戦略について記述する。
材料と方法
この実施例の全ての実験は、同一の作業バンクのスイス3T3フィーダー細胞の1回の継代培養後に得られた培養の3日目の細胞集団に対して行われた。資質のあるフィーダー細胞と考えられるこの集団を、溶液10mL中のマイトマイシンC 40μgの濃度にパルス曝露した後に全ての細胞が崩壊するまで維持することにより、不可逆的な成長停止についてバッチ試験した。T25又はT75いずれかのフラスコ内で成長させた資質のある細胞を、無作為に取り出した並列のフラスコにおいて実行した細胞計数から決定した平均曝露前細胞数を含めることによって得られるマイトマイシンCの用量−濃度交換の範囲で次いで滴定した。交換は、100万個の曝露前細胞数の産物及び細胞1個当たりのρgとして表される選んだ用量を1mL当たりμgの濃度で割ることにより算出された(図2)。更に、実施例1から得られる用量より広い範囲を滴定用として選んで、細胞死滅のより明らかな差異的程度を作製することにより最良の結末を同定する範囲を増加させた。
各交換は、一対の整数として表され、そこでハイフンの左側は濃度を及び右側は用量を表す。最終的に、交換は、マイトマイシンC溶液を処理する体積の範囲を同じように表し、得られた体積は、用量及び濃度に対してそれぞれ正並びに反比例し、これら因子の両方は、曝露細胞数と共に最終的な処理体積中のマイトマイシンCの全量を決定する。単層細胞の全体を十分に浸すための処理溶液の最小体積並びに選んだ培養フラスコの最大容量がそれぞれ下限及び上限であるので、本研究に含めるべき交換の選択は、対応して限定された体積の範囲だけに制限される。
これらの考察を考えて、最終試験に有効な交換を最終選抜候補にする前にいくつかの一次スクリーニング実験を、1mL当たり1、2、3、4、5及び10μgのより広い初期濃度の範囲を含めることにより行った。予備研究に基づいて、1mL当たり1及び2μgで作製された成長停止が、処理細胞の再成長において常に可逆的結末であったので、それらを用量滴定から除外した。他の体積測定に基づいて許容可能な高濃度−用量交換のいずれも有意に逸脱した死滅パターンを生じなかったので、3−10及び10−30の交換を、低並びに高濃度対照としてそれぞれ含めた。1mL当たり4及び5μgの中間濃度の残りのそれぞれを、細胞1個当たり15、75、150及び450ρgの用量に細分し、その結果を3−10並びに10−30と比較した。細胞を、記述されている標準的な細胞培養条件下でマイトマイシンC(Sigma−Aldrich、カタログ番号M4287)の2時間パルスで処理した。マイトマイシンCは、ハンクス平衡アールズ塩(HBES)に溶解し、培養培地で比例して希釈して所望の用量交換のマイトマイシンC濃度を得た。HBESを含有する培養培地の中央値体積を使用して、同一の培養条件下で維持した媒体−対照フラスコを曝露した。以下の設計のように実験を実行して、マイトマイシンC処理の短期及び長期効果を研究した:
短期的影響
最終選抜候補交換へのスイス3T3細胞の曝露後の細胞生存度に対する2時間の短期的影響を研究するために、3日目に、1平方センチメートル当たり3000個細胞の固定密度で開始したT25フラスコ中の資質のある細胞集団を、マイトマイシンCにパルス曝露した。この手順は、全ての交換に使用したフラスコ当たり490000±7775個細胞(n=6)の平均曝露細胞密度をもたらし、曝露後生存度を3つ組のフラスコで評価した。
長期的影響
細胞死滅に対する最終選抜候補の用量−濃度交換の副産物を研究するために、3日目に、1平方センチメートル当たり3000個細胞の固定密度で開始したT25フラスコ中の資質のある細胞集団を、マイトマイシンCにパルス曝露した。この手順は、全ての実験を通してフラスコ当たり1760247±42266個の整合性が高い再生可能な曝露細胞密度(n=22)をもたらし、各交換からトリプシン処理した細胞を再培養して、12日間にわたり細胞死滅を評価した。
曝露の終了時に、細胞を、リン酸緩衝食塩水pH7.2 100mL当たりトリプシン0.1グラム及びエチレンジアミン四酢酸0.2グラムを含有する溶液で剥がし、計数した。長期間細胞死滅研究の場合、フラスコから剥がした細胞を、1ウェル当たり14000個細胞の密度で24ウェルプレートの3つ組ウェルに再培養した。その後細胞を剥がし、トリパンブルーで染色し、生存細胞を3日間隔で12日目までノイバウエル計算板で計数した。各実験を、少なくとも2回繰り返した。
統計
再培養した媒体対照細胞は、典型的なS字形曲線で成長し、6日〜9日でコンフルエンスに達した;従って、論理的に不適当になるので、処理と媒体対照との間の比較は行わず、適当な比較のためにより低い及びより高い濃度の対照を含めた。各データ点は、3つ組サンプルからの平均±標準偏差を表す。データを解析手段に供して、細胞死滅が固有であり用量変動の真の反映かどうかを検証した。細胞生存度に対するマイトマイシンCへの2時間の曝露の即座の影響を視覚化するために、生存細胞収量を表す棒グラフを構築し、各交換を、スチューデントt検定により3−10及び10−30と比較した。加えて、媒体対照における2時間の生存細胞産物を、曝露前細胞数と比較した。各濃度の全ての交換の間の生存度の用量依存的減少を回帰により検定し、R値を算出した。
長期細胞死滅の場合、y軸に生存3T3細胞数対してx軸に処理後時点をプロットすることにより直線図を構築して、所与のマイトマイシンC濃度の各交換に起因する周期的な細胞死滅を示した。各時点における生存細胞数を一方向性ANOVAに供して、所与の濃度の用量交換の間での相違の有意性を検証した。加えて、各濃度下における全ての交換の間の全ての時点にわたる相違の全体の有意性を、双方向ANOVAにより分析した;更に、線形傾向線を、最小二乗法近似によりy軸に生存細胞計数対してx軸に用量を使用してプロットし、R値を回帰分析により算出した。更にまた、棒の各集団が指定された交換を表し、各棒が指定された時点における生存細胞数を表す棒グラフを構築した。対応する時点を対にした後に、3−10及び10−30の各集団をスチューデントt検定により用量交換毎に比較した。
結果及び考察
短期生存度に対する影響
最終選抜候補交換は、1.47〜55.12mLの得られた体積範囲を含み(表2)、最小体積は、最大容量が65mであるT25フラスコ内の細胞層を均一に浸すのに十分であった。3T3細胞生存度における有意差は、濃度及び用量の様々な交換でのマイトマイシンCへの2時間のパルス曝露の直後に観察された(図6)。生存細胞割合が、媒体の影響がないことを実証する実験を開始する前に決定した曝露前細胞計数と同程度である媒体対照と比較して、処理は、全ての群において細胞生存度の有意な(P<0.05)減少をもたらした。グループ間の比較は、4−15及び5−450における生存細胞産物が、低濃度対照3−10並びに高濃度対照10−30と同程度であることをそれぞれ示し、これは、マイトマイシンCの作用潜在性の増加又は減少が、濃度だけでなく細胞1個当たりの用量にも依存することを示した。加えて、回帰分析から、1mL当たり4μg(P<0.01;R=0.926)及び1mL当たり5μg(R=0.898;P<0.02)の全ての交換の間で生存度の有意な用量依存的減少が明らかになり、濃度に加えて用量変調の重要性を更に示した。
長期死滅に対する影響
T75フラスコの最大容量は265mLであったが、試験した交換は、5.281〜198.028mLの体積範囲を含んだ。再培養したマイトマイシンC処理細胞は、1mL当たり4及び5μgの試験濃度内で用量依存的な様式で差異的周期的細胞死滅を呈した(図7)。
細胞死滅率における細胞1個当たりの用量に依存的な増加が、4−15、4−75、4−150及び4−450の用量交換により作製された(図7A)。変動は、最も早い3日目の時点で有意でなかった(P<0.09)が、6、9、12日目の特定の時点において有意だった。一方回帰分析から(図7B)、体積滴定が、3日目(R=0.985;P<0.01)、6日目(R=0.969;P<0.01)、9日目(R=0.9;P<0.02)及び12日目(R=0.888;P<0.02)において細胞死滅の有意な用量依存的増大をもたらしたことが明らかになった。様々な時点の全体にわたりこの濃度内の全ての用量の影響を考慮すると、双方向ANOVAから明らかになるように用量変調が、細胞死滅において極めて有意な(P<0.001)変動を誘導することが証明された。
程度の差はあるが同様に、5−15、5−75、5−150及び5−450の交換も、細胞生存度パターンにおける用量依存的な低下を生じた(図7C)。しかし、3日目において曝露後細胞死滅に早期の有意差はなく、それは細胞1個当たり15、75及び150ρgの用量と同じ生存度の提示により一層明らかにされたが、その後の時点では全ての用量で有意な変動が明らかになった。同時に、回帰分析(図7D)から、3日目に体積滴定によって細胞生存度が有意に(R=0.6;P>0.05)影響されないことも明らかになったが、6日目(R=0.987;P<0.01)、9日目(R=0.914;P<0.02)及び12日目(R=0.899;P<0.02)には死滅を有意に修飾した。しかし、全体にわたる全ての時点にわたる双方向ANOVAによる分析は、様々な細胞死滅の誘導における用量交換の極めて有意な(P<0.001)影響を明らかに実証した。
差異的細胞死滅は、細胞1個当たり15、150又は450ρgの交換の間で顕微鏡的にも顕著であった(図8)。細胞崩壊の兆候である空胞化細胞は、マイトマイシンC曝露時点後の6日後に4−15のフィーダーではまれであり、4−150では低頻度であった(C)が、4−450では明らかに多くなった(E)。これは、12日後の培養表面における全体の細胞性の消失によって更に対応して反映され、その消失は4−15(B)ではかなり、4−150(D)では中程度から4−450(F)での非常に少ない範囲にある。顕著なことに、細胞は、その数を減らしながら徐々により広い態様を呈した。
1mL当たり4及び5μgいずれかの中間濃度を使用する用量滴定により濃度対照を参照して追加時点の対応比較を行って細胞死滅の差異的誘導を調べることにより、低い3−10が、細胞1個当たり15ρgの用量と同程度であったことが明らかになり、より高い10−30は450と同様であった(図9A及び図9B)。更にまた、3日目における初期細胞死は有意に(P<0.05)遅かったが、4−150により生じる死滅も10−30のそれと同様であった。しかし、他の用量交換との比較とは対照的に10−30及び1mL当たり4又は5μgのいずれかを含む450の用量の両方が、ほとんど等しい激しい初期細胞死を生じたことは、それらによる毒性の早期の出現を実証している。
従来通りに、所与の薬物の効果に対するin vitro実験処理手順は、曝露細胞密度又は細胞1個当たりの用量の重大さを大幅に見逃しているが、処理溶液中の薬物の濃度それ自体によってそのような薬剤の強度を規定している(Barlogie及びDrewinko、1980年;Connor、2000年;Ponchioら、2000年)。実施例1の結果及び本発明者らのうち誰かの先行する報告は、算術的に得られた用量依存的様式において細胞増殖遮断剤の薬理学的抗癌活性を改変する曝露細胞密度を考慮することが等しく重要なことを実証した(Yemeni及びJayaraman、2003年)。これらの実施例において、培養フラスコ中で薬物に曝露された全ての細胞は、処理溶液の全体積中に存在する全量を等しく分配し、曝露細胞数が変化した場合、細胞1個当たりの用量の範囲を最終的にもたらすことになることが提案された。従って、現象は、中等度に作用する中間濃度に限定され、また実施例1の細胞密度滴定後と同様の作用と同程度であるが、曝露後細胞崩壊率は、算出した用量増分に比例した。より低い及びより高い濃度におけるそのような変動の呈示はそれぞれ、最初の場所において弱い並びに強い作用潜在性と関連があるように見える。
この実施例において利用するのと同じ曝露細胞密度を考慮すると、通常に推奨されるT75フラスコの作業体積10〜15mLの範囲は、4及び5μg/mLの濃度に対してそれぞれ23〜34並びに28〜43ρg/細胞の用量範囲に対応し、15〜75ρg/細胞のより低い試験用量にだけ収まることになることは注目すべきである。同時に、いくつかの先行する報告において予想される作業用量を導き出すことは困難であり、正確な曝露細胞密度及び処理溶液の体積については言及されていない(Schrader、1999年;Ponchioら、2000年;Nietoら、2007年;Fleischmannら、2009年)。そのような研究においてコンフルエント又はサブコンフルエント曝露密度を推定した後でも、細胞1個当たりの用量はより低い範囲だけになお限定され、より高い用量は必ずしも調査されていなかった。従って、濃度それ自体を上げずにより単純な体積滴定よって細胞1個当たりより高い用量のマイトマイシンCを達成する概念は、フィーダーの曝露後寿命に有意な変更を作製することが我々によって初めて示され、標的細胞刺激の結末に影響するおそれがある。
主に、高密度コンフルエント集団を継代培養することにより成長させた場合にスイス3T3のような細胞系が、改変された特徴を持つ自然発生的なバリアントを段階的に蓄積することは公知なので、細胞集団が連続した継代培養によってバリアントを蓄積しないような一定のレベルに曝露細胞密度を固定する必要が生じる(Rubin及びXu、1989年;Matthews、1993年;CCL−92のATCC製品情報シート、www.atcc.org)。メチルセルロースに懸濁したときに、コンフルエント前の細胞は球体を形成できなかったが、コンフルエンスに維持した細胞は形成したこと、及びそのような球体から確立した全ての培養が、低濃度のマイトマイシンCに抵抗し、そのごく少数のみが高濃度のマイトマイシンCに感受性であったことを、本研究室において更に検証した(データ不掲載)。そのような確率の出現を考慮すると、細胞1個当たり19.5ρgの算出された用量について言及している実施例1において1cm当たり60000個細胞のコンフルエントな高ECNに利用した1mL当たり3μgのマイトマイシンCで観察された刺激結末が、おそらく、高濃度では感受性を示すが、低濃度のマイトマイシンCに対する抵抗性を発現するそのような蓄積したバリアントの起こり得る徴候であると推定できる。実際に、それは明らかに、サブコンフルエント集団をマイトマイシンC曝露に使うことによりバリアントの存在が制御される場合に、他の全ての密度での滴定及び同様の結末を含む3μg群の死滅プロファイルにおける有意な変動の全体の反映に大きく寄与することが期待できないこの刺激作用である。同時に、高い曝露密度が、サブコンフルエント未満の細胞の安全な集団で置き換えられるこの実施例において、3μg未満の任意の用量範囲で体積滴定した後の死滅においてそのような全体の変動はなくなる。
1mL当たり4又は5μgの中間濃度による体積滴定に影響される細胞死滅率における有意差が、細胞密度滴定と同程度に整合性があったことを観察することは、特別な関心事のものである。それぞれの同程度の用量においてこれら中位の濃度のマイトマイシンCの全量が同じであることが分かるが、異なる希釈で基本的に分布され、同時にこれらの2つの濃度の対応する体積滴定同士の統計解析(結果に不掲載)が、細胞死滅において有意な逸脱がないことを証明したことに注目することが最も重要なことである。これは、フィーダー細胞成長停止に対するマイトマイシンCの影響を検証する一方で、濃度、細胞1個当たりの用量又は曝露細胞密度のような関連する全ての因子を考慮する重要性を再び強調する。曝露細胞密度又は体積(用量及び濃度)のいずれかによる滴定のより広い態様を考慮すると、細胞密度変動戦略単独では、濃度、用量及び曝露細胞密度の有効な組み合わせを正確に見積もることはできないが、対応する体積滴定によるその後の簡便な試験に有用なそのような交換で予想される範囲の一次推定値を潜在的に提供すると記載することができる。従って、所与の濃度の範囲だが、中央の有効範囲に限定される体積滴定は、正味の細胞生存度を減弱するか又は強調するかいずれかにおける手段であり、目的特異的な一連の結果を与え得ることが示される。特に、フィーダー細胞に基づくケラチノサイト又は任意の成体幹細胞培養の増殖及び維持の文脈において、そのような比は、in vitroにおいてよく同定されている重要な成長調節因子なので、成長停止されているが代謝的に活性な線維芽細胞と標的細胞との正味の比を決定する正味の寿命の実証されている対照を活用して、そのような培養を最適化することができる(Sunら、2009年;Zhouら、2009年;Jubinら、2011年)。
日常的な毒物学的評価研究において、濃度とは、in vitro研究のための参照用語であり、in vitro用量反応曲線は、濃度依存的評価を正しく表し、用量はin vivo研究に特異的である(Eisenbrandaら、2002年)。この実施例において、細胞死について終点観察を行ったが、濃度及び所与の細胞集団当たりの用量は両方とも離散変数と見なされた。従って、in vitro毒物学及び/又は薬理学研究設計において、細胞密度滴定後に体積変動戦略が採用されることになった場合、それは、in vitroにおいて固定された細胞の集団に対して研究した最も活性がある交換の濃度及び用量から化合物の使用上のin vivo用量を推定する基礎をおそらく形成できることを提案したくなる。更に、そのような手法は、前臨床的有効性評価設定における抗癌剤の有効な投薬を正確に予測する、特にin vivoでの不要な副作用の抑制をシミュレーションするために中等度に有毒な濃度を試験するのに更に役立つ可能性がある。同時に、報告されている濃度と細胞毒性効果との相関とは対照的に、マイトマイシンCの用量及び濃度の交換によって修飾された生物学的結末に特異的な機序を説明するには更なる研究が必要であることが示唆される(Barlogie及びDrewinko、1980年)。
体積滴定の影響を考慮すると、先行技術に報告されていないフィーダー細胞の生存度の調節において毒性がより低い中間濃度の範囲のマイトマイシンCを使用するが、本手法が、細胞密度調節だけによるよりも、フィーダー細胞を成長停止の状態にするのに優れており、信頼性が高く、簡便であり得ることを提案できる。従って、戦略を採用して、表皮ケラチノサイト共培養モデルにおいてこの実施例で実証される体積滴定によって作製されるフィーダー細胞バッチの範囲を試験し、それによってその体積滴定が標的細胞の差異的刺激に影響するかどうか検証し、その後標準的なγ−Irrフィーダーと比較しながら最良の結末を同定することができる。証明されれば、本プロセスは、ガンマ線照射技術と比較して費用効率が高いマイトマイシンC手法の報告されている不十分さを克服することになる。
濃度−用量交換により処置されたフィーダーに応じたケラチノサイト成長の刺激。
従来、スイス3T3細胞の所与の集団からなる胚性皮膚線維芽細胞系モデルのマイトマイシンCへのパルス曝露による成長停止後の死滅プロファイルが簡単な体積測定滴定の戦略により調節され、その体積の範囲が推奨より広いことが、そのモデルにおいて示されてきた。成長停止されたフィーダー及びヒト表皮ケラチノサイトの両方の細胞型が、in vitroでのそれらの維持に有利に働く培地中で共培養され、特定の死滅プロファイルを持つそのフィーダーだけが、ケラチノサイトの最高の増殖を支持する場合、成長停止されたフィーダーの得られた正味の寿命は、ヒト表皮ケラチノサイトとの正味の比を決定すると仮定される。本実施例は、ヒト表皮ケラチノサイト細胞に対して多様な成長刺激効果を与えるマイトマイシンCの様々な濃度−用量交換を使用することにより成長停止されたフィーダー細胞の差異的能力を実証し、最良の結末を同定する実験的な証拠について記述する。
材料と方法
いくつかの予備実験を行って、最も有効な濃度−用量交換を最終選抜し、フィーダー−ケラチノサイト細胞播種比を同定して、それにより共培養系における表皮ケラチノサイト細胞に対するフィーダーの成長刺激作用を評価した。最初のスクリーニングは、4−150曝露のフィーダーは第3〜第5継代ケラチノサイトを最大に刺激し、細胞1個当たり75ρgのマイトマイシンC用量へ曝露したフィーダーが、細胞1個当たり15ρgのそれと同程度のケラチノサイト刺激を生じたことを示した。その後、1mL当たりマイトマイシンC 4μgの濃度群のフィーダーを使用して試験したいくつかのケラチノサイト−フィーダー比から、1cm当たり7500個並びに15000個の密度でそれぞれ播種したケラチノサイト及びフィーダーの1:2の比が最適であることが判明し、9日目までにケラチノサイトは最大成長に達した。死滅について実施例2において試験したフィーダー細胞播種密度の1cm当たり7000個から最適な1cm当たり15000個への増加に伴って、後者を周期的な死滅について更に単独で評価して、死滅における前者及びガンマ線照射を受けたフィーダー(γ−Irr)との類似性が比較のために更に含まれることを確認した。従って、成長判定に含まれる最終選抜候補の用量は、細胞1個当たり15、150並びに450ρgであり、それぞれが1mL当たり4及び5μgの濃度とそれぞれ組み合わされた。3−10及び10−30のフィーダー群は、比較のための対照としてγ−Irrフィーダー細胞とともに含まれた。実験に使用したケラチノサイトは、供給元(Genlantis)から入手した凍結第1継代細胞又は凍結第2継代細胞を培養することによって作製された第3継代細胞のいずれかを含み、その両方を1cm当たり15000個の4−150群のフィーダーを使用して継代培養した。
クローン密度での表皮ケラチノサイトに対するフィーダー能力:
成長領域判定のためのコロニー形成効率(CFE)及びデジタル画像分析を、1cm当たり15000個のフィーダー細胞を含有する各ウェルを含む6ウェルプレートにおいて様々なフィーダー群の上で低密度ケラチノサイトを培養して実行した。CFEを、第3継代の250個のケラチノサイト及び全ての最終選抜候補交換で処理したフィーダーを使用して実行した。その後、別々の実験を実行して、それぞれ1ウェル当たり170個及び340個培養した第1継代の生存ケラチノサイトを用いて平均コロニーサイズ及び全成長領域を推定し、フィーダーは、最良に機能する4−150並びに準最適な4−15及びγ−Irrであった。プレートを、隔日毎に培養培地交換しながら9日間インキュベートし、リン酸緩衝食塩水(pH7.2)に調製した4%パラホルムアルデヒド中で45分間固定し、蒸留水中の1%ローダミンBで30分間染色し、蒸留水中で洗浄してケラチノサイト及びフィーダー細胞の領域を色分化し、風乾した。CFEは、8個以上の細胞の個々のケラチノサイトコロニーを計数することからなり、培養した細胞のパーセンテージとして表した。平均コロニーサイズの推定は、成長領域判定及びCFEに基づき、広く、扁平化し、終末に分化した細胞を含有する非常に不規則な形状の小さいコロニーは中止と見なし、残りは増殖性コロニーを構成した。CFEの実験は、3つ組で実行し、成長領域判定は、フィーダー群当たり4つ組で実行した。
デジタル画像分析
染色したプレートを一定光で照射し、1平方インチ当たり9×10ピクセルの分解能を有するデジタル画像を作製するNikon組み立てカメラを使用して撮影した。画像を、以前に報告されている技術の通りAdobe Photoshop第7版を使用して画像分析に供した(Kumar及びYemeni、2009年)。基本的な技術は、デジタル化画像上で類似する色特徴を別々に選択することを含んだ。所望の色のピクセルの選択、ケラチノサイト及びフィーダーをそれぞれ表す赤色並びに薄く青みがかったピンク色を、Magic Wandツール使用して手段上選択した。選択プロセスは、Magic Wandパレット内のオプション及びメニューバーにある選択オプションを使用して必要な修正手段により手作業で制御した。正確な色分解を確認した後、画像を3つ組にし、そのうち2つを、2色を分離するために使用し、3つ目の無処理のものを比較のために参照した。それぞれの色を一旦分離したら、それらを重ね合わせて、原本と類似の画像の複製を検証した。この後に、イメージメニューにあるヒストグラムコマンドを使用して、選択した赤色領域内のピクセル数によって定量化を達成した。ウェルのピクセルの総数から赤色のピクセルの数のパーセンテージを算出し、ケラチノサイト成長の領域を、ウェルの公知の全領域から得た。170個のケラチノサイトで培養したウェルの場合、平方センチメートルで算出した領域をそれぞれのウェル内で計数されたコロニーの総数で割って、平均コロニーサイズを得た。
BrdU標識
培養を、1cm当たり15000個の密度で最良に機能するフィーダーの4−150並びに4−15及び□−Irrを含有するフラスコ当たり70個の第1継代生存表皮ケラチノサイトで開始し、隔日毎に培養培地を交換しながら10日間インキュベートしたスライドフラスコ(Nunc)において分裂指数を推定した。フィーダー細胞を、0.02%EDTAで選択的に除去し、ウェルを、非放射性ブロモデオキシウリジン(BrdU)中で1時間インキュベートし、カルノア固定液で固定し、4M HClで処理して抗原回復させ、0.1Mホウ酸ナトリウムで中和し、マウスモノクローナル抗BrdU一次抗体(カタログ番号sc−32323、Santacruz)中でインキュベートし、続いてFITC標識抗マウスヤギポリクローナル二次抗体(カタログ番号sc−2010、Santacruz Biotechnology Inc.)中でインキュベートした後に蛍光標識核を可視化した。フィーダー群当たり3つ組にしたスライドフラスコからの全てのコロニーを、標識及び無標識の核について差次的に計数した。簡潔には、各コロニーを、Evolution QEi単色カメラ(Media Cybernetics)使用して20×対物で、Nikon Diphot300顕微鏡で位相差及び蛍光様式の両方で撮影し;コロニーが視野より大きかった場合、複数の画像を撮像し、Image Pro−Express表示ソフトウェア第6.0版の手作業によるタグツールを使用して核の計数を実行する前に画像を照合することにより重なり合っている縁を画定した。
表皮ケラチノサイトの大量培養に対するフィーダー能力
共培養を、群当たり3つ組のウェルから差異的細胞計数が実行されるまで3、6及び9日目に、最終選抜候補フィーダー群の存在下で隔日毎に培養培地交換しながら第3継代の初代表皮ケラチノサイトを使用して24ウェルプレート中で開始した。差異的細胞採集のために、培養を、0.02%EDTAで最初に処理して、ケラチノサイト培地に採集されたフィーダー細胞を選択的に除去し、続いて0.25%トリプシン、0.03パーセントEDTA及び0.025パーセントグルコースの3倍希釈溶液を使用して分離した後に別々のバイアルにケラチノサイトを採集した。生存細胞計数を、トリパンブルー排除後にノイバウエル容器内で実行した。
重層上皮の調製
培養上皮自家移植片と同等の人工上皮を、最良に機能するフィーダー細胞の4−150を使用して調製し、準最適に機能する他のフィーダーの4−15をγ−Ιrrと共に比較のために含めた。3つ組培養を、1cm当たり800個の第1継代の生存ケラチノサイト細胞及び1cm当たり15000個のフィーダー細胞を播種することにより6ウェルプレート中で開始した。培養培地を、コンフルエンスまで隔日毎に交換し、表皮成長因子(EGF)を48時間後に培養培地に添加した。2つのウェルを、組織学的及び免疫組織化学的研究に使用し、3つ目を、寒天−メチルセルロース中でフィーダー細胞汚染並びに成長について評価した。コンフルエントなケラチノサイト培養由来の重層上皮を、無血清ケラチノサイト培養培地1mL当たり2mgのディスパーゼを含有する溶液中で、37℃で50〜70分間インキュベートすることにより回収した。
組織学的評価
上皮を、4%パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋のために一連の段階的なアルコールによる脱水によって処置し、続いてキシレン中で不要物を除き、パラフィンに包埋した。培養表皮の厚さ5μmの切片を、脱パラフィン化し、水和し、ヘマトキシリン−エオシンで染色し、脱水後にDPXに封入した。
免疫組織化学
並列の切片を、キシレン中で脱パラフィン化し、一連の段階的なエタノールによって水和した。フィラグリン、サイトケラチン−10(CK−10)及びサイトケラチン−14(CK−14)の抗原を、切片を含有するスライドを10mMクエン酸ナトリウム緩衝液に90℃で30分間浸漬し、その後30分間冷却することにより回復させ、インボルクリンを、新たに調製したトリス緩衝食塩水(TBS)中の0.1%トリプシン及び0.1%CaClで、室温で7分間処理することにより回復させた。切片を、その後TBSで洗浄し、加湿した容器内で、2%正常ヤギ血清(SC−2043)で、37℃で1時間ブロッキングし、1:50の比で希釈したフィラグリン(SC−25896)、インボルクリン(SC−21748)、CK−10(SC−51581)、CK−14(SC−58724)に対するマウスモノクローナル一次抗体(Santacruz Biotech)中で、4℃で終夜インキュベートした。次いで、切片をTBSですすぎ、その後1:100で希釈したFITCタグ付きヤギ抗マウスIgG二次抗体(SC−2010)中で、37℃で1時間インキュベートし、次にDAPI含有媒体(SC−24941)に封入した。陰性対照は、一次抗体の代わりに単純なTBS中でインキュベートすることを除いて等しく処置した。同様に処置した正常なヒト皮膚が、陽性対照としての役割を果たした。
第3のコンフルエントケラチノサイト培養を0.25%トリプシン、0.03パーセントEDTA及び0.025パーセントグルコースを含有する3倍希釈した溶液を使用してバラバラにし、細胞懸濁液を使用して、寒天メチルセルロース中でフィーダー細胞汚染並びにケラチノサイトの成長について評価した。
フィーダー汚染
3つのフィーダー群から単離したケラチノサイト懸濁液を、ヘキスト染色により(a)非増殖性及び(b)増殖性フィーダー細胞汚染の両方について評価した。
(a)非増殖性汚染
3つのフィーダー群により生成された細胞懸濁液を、1ディッシュ当たり5000個細胞の密度で、フィーダーなしに60ミリメートルディッシュ中で培養し;細胞を、KGM中でインキュベートすることにより終夜付着させておき、フィーダー細胞の数を、ヘキスト染色後に計数した。
(b)増殖性汚染
トリプシン処理した細胞を、フラスコ当たり50000個細胞の密度で、T25フラスコ中で培養し、KGM中で3週間インキュベートし、ヘキスト染色用として処置した。
ヘキスト染色
それぞれのインキュベーション期間の最後に、培養を、メタノール3容量及び氷酢酸1容量の冷却溶液中で固定し、ハンクス平衡塩類溶液1mL当たりヘキスト33258(Sigma、H−6024)0.125μgの濃度で、暗所で10分間染色した。ディッシュを蒸留水で洗浄し、330〜380nmの励起フィルタ及び420nmの放射フィルタを取り付けた蛍光顕微鏡(Nikon Diaphot 300)で観察した。3T3細胞を、その異なる核サイズ、形態及び蛍光パターンに基づいてケラチノサイトと区別した(Alitaloら、1982年)。
形質転換アッセイ
3つのフィーダー群の存在下で成長させた、トリプシン処理したコンフルエントなケラチノサイト培養由来の5×10個の単離した細胞を、メチルセルロース(Methocel、Sigma−Aldrich)に懸濁させた。メチルセルロースを、3T3−CBS培地中に0.8%の最終濃度で調製し、35ミリメートルディッシュ中の0.6%寒天の基礎の上に注ぎ、標準的な培養条件でインキュベートし、2週間後にNikon倒立位相差顕微鏡で調べて、ケラチノサイト成長を見た。
全ての実験を、2つの別々のロット由来のケラチノサイトを使用して実行し、それぞれは、53歳女性(腹部皮膚)及び54歳男性(顔面皮膚)のヒト対象にそれぞれ由来した。
統計
1cm当たり15000個の密度で培養したフィーダーの死滅について、棒の各集団が指定された交換を表し、各棒が指定された時点における生存細胞数を表す棒グラフを構築した。対応する時点を対にした後に、3−10及び10−30又はγ−Irrフィーダーの集団をスチューデントt検定により他の用量交換と比較した。
4−15及びγ−Irrを含むCFE、成長領域評価並びに非増殖性フィーダー汚染のための実験群を、スチューデントt検定により4−150と統計学的に比較し、p<0.05の場合に有意であると見なした。別々の点プロットを構築して、フィーダー群毎に各コロニー当たりの全細胞数及びBrdU陽性細胞のパーセントを表した。3つのフィーダー群のコロニー間でのBrdU陽性細胞の分布における相違を、クラスカル−ワリスH検定で分析し、2つのフィーダー群間の比較をマンホイットニーノンパラメトリックU検定により行い、フィーダーの2つの群間の全体のBrdU陽性をカイ二乗により検定した。
フィーダー死滅について、棒の各集団が指定された交換を表し、各棒が指定された時点における生存細胞数を表す棒グラフを構築した。対応する時点を対にした後に、3−10及び10−30の各集団をスチューデントt検定により用量交換毎に比較した。同様に、高密度表皮ケラチノサイトを含む大量成長判定研究において、周期的な細胞計数を、フィーダー細胞成長停止に使用したマイトマイシンCの指定された濃度−用量交換を表す各集団を含む集合棒状グラフにプロットし、各棒は指定した時点における平均細胞数を表した。対照群としての役割を果たす3−10及び10−30又はγ−Ιrrフィーダーの交換を表すあらゆる集団を、試験した交換と比較し;それらの成長促進の影響における相違の有意性を、2つの交換間の相違が、2×3表にある3つの時点に対して2つの独立したフィーダー細胞群の3つ組にした細胞計数を入力することにより評価される双方向ANOVAによって評価した。算出されたP値が、P<0.05の場合、2つのフィーダー群間の有意な変動を示すためにグラフに表される。テューキーのHSD検定のために算出した臨界値を使用して、事後分析し、それによって2つのフィーダー群の同程度の時点の間の真の有意差を推定した。
結果及び考察
コロニー形成効率
250個のケラチノサイトにおけるCFE誘導に関する最終選抜候補フィーダー群全ての総合的なスクリーニングを含む実験から、試験した群全ての中で4−150が、67.7±0.6個の最高数のコロニーの形成を刺激し、その数が3−10、4−15、4−450、10−30、γ−Irrそれぞれによる56.7±2.5、59.7±3.2、55±2.6、49.7±1.5、36±3.6個と比較すると有意に高いことが明らかになり、一方5−150フィーダー群において60.7±1.2個のコロニーがあり、これは3−10、5−450(53±3.6)、10−30及びγ−IRRより有意に高いが、59.3±1.2個のコロニーの形成に影響した5−15と比較して有意でなかった(図10)。実際のところ、4−150は、5−150より非常に有意な(P<0.001)刺激を生じ;それゆえに、成長領域に関するその後の実験は、標準的フィーダーと見なされる4−15及びγ−Irrと比較する4−150の評価を含んだ。
CFE及びデジタル画像分析
ローダミンB染色調製物から2色の固有の色合い、すなわち、ケラチノサイト成長を表す赤色、フィーダー領域を表す青っぽい灰色が得られたので、Adobe Photoshopに基づく画像分析を使用してこの染色試料における完全な色分解が可能になった(図11)。全ての事例において2つの分離された色画像を重ね合わせたマージ画像から無処理の元画像と完全に近い一致が明らかになったので、色選択が極めて簡単であることが判明した。
最初は、独立したコロニーの計数及び画像分析を達成して全成長領域に加えて平均コロニーサイズを得るために、凍結第1継代供給サンプルの生存ケラチノサイト170個のクローン密度でCFEを評価した。ケラチノサイト成長及びフィーダーのバックグラウンド領域の2つの領域並びに算出されたそれらの成長領域を表すピクセルのデータを、表3に与える。結果は、4−150のフィーダーが、76.7±4.11個の増殖性ケラチノサイトコロニーの成長を促進したことを示し、その値は、4−15及びγ−Irrそれぞれにおける53.5±4.12並びに61.25±4.57個と比較すると有意に(P<0.01)異なる;(図12A)。γ−Irrにおけるコロニーの数が4−15より有意に高かったことの観察は、興味深い。他方、停止されたコロニーの出現は、程度の差はあるが全てにおいて類似していた。
全成長領域の画像分析から、4−150が、1.109±0.1cmの最大のケラチノサイト成長領域を生じ、4−15(0.613±0.05cm)及びγ−Irr(0.542±0.1cm)より有意に高いことが明らかになったが、これらの機能が劣る群間の差異が有意でなかった(図12C及び表3)のは、コロニーサイズの差異を反映していた。成長領域をコロニーの総数で割った後に、これから、4−15において1.009±0.05の平均コロニーサイズがγ−Irrにおける0.787±0.11mmより有意に高いことが明らかになったが、平均コロニーサイズ1.335±0.18mmを持つ4−150は、全ての中で依然として優れていることが明白になった(図12B及び表3)。
最後に、クローン密度より高い1ウェル当たり340個培養されたケラチノサイトに対するフィーダーの成長刺激潜在性を評価するための実験から、1.28±0.29cm並びに1.96±0.38cmをそれぞれもたらした4−15及びγ−Irrフィーダーより再現性良く高い4−150フィーダーによる2.69±0.21cmのケラチノサイト成長領域が明らかになった(図13)。しかし、ケラチノサイト170個のクローン密度が1ウェル当たりに培養された場合の有意でない結末とは対照的に、γ−Irrにより作製される成長領域は、4−15より有意に大きかった。これは、1ウェル当たり340個の細胞の高い培養密度に起因してより小さいコロニーが多数合体したことによる累積成長の結果であるように見える、なぜなら、培養した全細胞当たりのコロニー形成の頻度はケラチノサイトの培養密度に比例して依存的であり、より多い培養はより高い頻度を呈し、予想通りに分解能の増加のためより大きく差異的である。
BrdU標識研究
コロニーの全体にわたる細胞性又はBrdU標識ケラチノサイトいずれかの全体の分布は、試験したフィーダー群の中で有意に変化しなかった(図14)。しかし、4−150フィーダーにおいて27個のコロニーから30.1%(3243/10790)のBrdU陽性ケラチノサイトのパーセントは、20個のコロニーから20.5%(2000/9754)の陽性が明らかになった4−15より有意に(P<0.01)高かった(図15)。この上昇は、4−150における追加のコロニー形成が寄与しているように見え、この群における1コロニー当たりの標識細胞の有意な(P<0.03)分布が得られた(図15及び16)。これに反して、γ−Irrにおける標識された細胞数のパーセントは、21個のコロニーから28.9%(3270/11321)と判明し、4−150におけるそれと有意差を示さなかったが、同時にγ−Irrは、4−15より有意に優れていることが判明した。結果は、それが、1コロニー当たりの有糸分裂の増加ではなくコロニー開始の刺激であることを示し、濃度と細胞1個当たりの用量の両方を含むことによるマイトマイシンC処理の微調整の有利な結果であることが判明した。1コロニー当たりの平均細胞性において有意な変動がないにもかかわらず、4−150のフィーダーは、より高いBrdU標識の誘導において4−15より優れていたことが明らかであり、全体の高い細胞回転が、最終的に始まることを示した。ケラチノサイトのより速い成長の実現におけるマイトマイシンCによるフィーダーの用量滴定の重要性は、それ以外の準最適な能力を改善して、γ−Irrフィーダーのそれと一致させることよって更に強調される。
表皮ケラチノサイトの大量培養に対するフィーダー能力
最終選抜候補交換のフィーダー群から1cm当たり15000個の細胞を最初に培養した後のフィーダー細胞崩壊分析から、1cm当たり7000個のフィーダーで培養した後に観察したそれと同程度の差異的用量依存的細胞死滅パターンが明らかになった(図17)。1mL当たり4μg(図17A)及び1mL当たり5μg(図17B)の濃度のそれぞれの下での様々なMMC処理フィーダー間の一致した時点における群相互間の比較は、有意な差異を示した。更にまた、γ−Irrフィーダーにおける細胞死は有意であり、MMCフィーダーのいずれと比較しても最も速かった。
主要な最終選抜候補交換並びにMMCフィーダーの対照の共培養として実行したケラチノサイト成長実験は、4−150がMMC対照群より有意に高いケラチノサイト成長を生じる唯一のフィーダー群であることを証明した。3−10及び10−30の対照の影響は、4−15並びに4−450それぞれと同程度であり、両方の対が同等の潜在性を呈し、1mL当たり5μgでの様々な用量MMC交換のいずれもそのような変動を生じなかったことは最も興味深い点である(図18)。程度の差はあるが類似の仕方で、4−150のフィーダーは、他のMMC群の中だけでなく、γ−Irrフィーダーよりも有意に優れており、そのような傾向は、1mL当たり5μgの交換では再現されなかった(図19)。唯一の類似性は、5−15のフィーダーが、γ−Irrフィーダーより中等度に高い刺激を生じたということだけであるが、この有意差(P<0.02)は、事後分析によって示されるように4−15(P<0.001)との比較における6及び9日目の両方における有意差とは対照的にP<0.01で最終日の9日目だけで明らかだった。全体として、1mL当たり4μgのMMCフィーダーを使用する共培養は、1mL当たり5μgのそれより優れていた。3−10、10−30並びにγ−Irrの対照フィーダーの間で行ったその後の比較から、周期的な成長産物における有意でない差異が明らかになり(図20)、このことは、γ−Irrフィーダーが、準最適に機能するフィーダー3−10及び10−30と同等であったことを指摘した。
重層上皮
一般に、2〜5個の細胞のケラチノサイトコロニーは、培養2日目までにウェルに現れた。1週間後に、分化の特定の領域を持つ大きなケラチノサイトコロニーが、現れた。ケラチノサイトコロニーは最終的に合体し、10〜13日目にコンフルエント培養は、ディスパーゼ処理により培養表面から単離される重層扁平上皮を生じた。ウェルのサイズの約3/4に収縮した単離した上皮シートは、薄く、壊れやすい、半透明の、浮動性の組織として現れた(図21)。1cm当たり15000個細胞の一定のフィーダー密度並びに13、12及び10日目にそれぞれコンフルエントになった1cm当たり400800又は1700個の第1継代表皮ケラチノサイト生存細胞による予備実験は、中間密度が、程度の差はあるが一様な厚さ及び完全性の表皮を生じることを証明した。それ故、4−15、4−150及びγ−Irrのフィーダーの存在下で成長させたこの800個播種群からの上皮を、組織学的特徴について分析した。
組織学的特徴づけ
ヘマトキシリン−エオシン染色したパラフィン切片から、γ−Irr又は4−15MMCフィーダーいずれかの存在下での成長の結果生じる表皮厚さは、1細胞〜8細胞と大きく変化したが、4−150のフィーダー上で成長した表皮構築物は、程度の差はあるが平らな層状構造を持つ基底並びに分化した区画を均一に表すことが明らかになった(図22)。特に、γ−Irr群由来のシートは、よく形成された基底区画を示す良好な厚さの区域の間で完全に分化した部分の断続的な領域とあまり整合性がなかった。
4つ全てのマーカーを、正常なヒト表皮における特異的染色パターンで免疫組織化学的に実証した(図23)。全てのフィーダー群においてサイトケラチン−14の分布は、天然の表皮の場合のように基底区画に制限されないが、培養表皮の全体に存在した(図24)。他方、インボルクリンの提示においてはフィーダー群依存的な差異があり;4−150MMCフィーダーの存在下で成長したそれらは、核が少ない基底上の区域においてよく画定された均一な分布を呈したが、4−15及びγ−Irr群は、十分に画定されていない不均一な分布を示した(図25)。マーカーの正常なヒト表皮分布との大きな逸脱は、サイトケラチン10(図26)及びフィラグリン(図27)であり、それらは培養上皮において顕著に存在しなかった。
フィーダー汚染
(a)非増殖性汚染
フィーダー4−15、4−150及びγ−Irrの存在下で成長させたバラバラになった培養上皮から、5×10個の培養細胞の中で付着している3T3細胞のパーセンテージとして0.46±0.03、0.54±0.04及び0.56±0.09がそれぞれ明らかになり(図28)、それらは、付着している全細胞の中のフィーダー夾雑物のパーセンテージとしてそれぞれ3.3±0.2、3.5±0.3並びに3.6±0.6になり、残りがケラチノサイトであった。データは、有意差を示さなかった。
(b)増殖性汚染
上皮構築物由来の5×10個細胞を含有するバラバラになった細胞懸濁液を3週間インキュベートした後のT25フラスコ中のヘキスト染色調製物は、平らに拡散したクロマチン持つ比較的小さい核の存在により特徴づけられる複製されたケラチノサイトを示したが、粗く凝集したクロマチンを持つ大きな核を含有するどんな増殖性フィーダーも認められなかった(図29)。
(c)形質転換アッセイ
3つのフィーダー群の存在下で成長させた、トリプシン処理したコンフルエントケラチノサイト培養由来の5×10個の単離した細胞のいずれも、2週間のインキュベーション後にメチルセルロース中でどんな成長も示さなかった。
最初に、通常に利用される体積(用量)に一層近いそれらのMMC濃度は単独で、1mL当たり4及び5μgの中位の濃度で、濃度依存的様式でフィーダーの大量成長支持能力を修飾し、残りより良く行っているように見えた。これは、中間の継続期間に曝露されたフィーダーで報告されている最適な能力と同程度であり、より長い及びより短い曝露継続期間は両方とも準最適であった(Zhouら、2009年)。その後、そのような濃度で算術的に得た用量による更なる滴定に応じて、細胞1個当たり150ρgの中間用量は再び最適であり、より低い15及びより高い450は、準最適であり、より低い並びにより高い濃度とそれぞれ同程度であり、用量の作用を微調整することにより更に改善された結果がもたらされた。更に、クローン密度で培養されたケラチノサイトに対する4−150フィーダーの優れた成長潜在性は、用量滴定により実現されるアウトパフォーマンスを明らかに実証した。この調査で最も興味深い点は、より低い1mL当たり3μg及びより高い1mL当たり10μgの準最適に機能する濃度と同等の大量成長支持の呈示によって明白な通り、最も機能が低いγ−Irrフィーダーであり、低いクローン密度で培養するγ−Irrフィーダーは、更に能力が劣ることが判明した。
初期の文献のほとんどは、4〜5μg/mLの範囲の低濃度のMMCの使用を効果的であると言及しており(Barlogie及びDrewinko、1980年;Watt、1984年;Blackerら、1987年)、それは、時間と共に1mL当たり10μgと同程度に高濃度へと段階的に増やされ、この推移は、どんな前向きな解決も提供されなかった処理細胞の再成長の散発的な呈示に影響された可能性があるように見える(Connor、2000年)。MMCに対する感受性は、報告ではフィーダー細胞型依存的である(Ponchioら、2000年)が、成長停止についてフィーダー細胞に資格を与える前に、細胞バンクを、適当な継代培養手順の選択によって確立すべきであり、そのバンクがマイトマイシンCに対して抵抗性がないことを同時に試験すべきことが調査から示唆される。
様々な濃度のMMCによる垂直のフィーダー細胞滴定及びまたその後の算術的に得られる用量による水平の滴定に関するこの調査の最も重要な結末は、フィーダー細胞死滅の程度が、濃度だけではなく用量とも比例して上昇したということであり、それは従来大きく見逃されている。(Schrader、1999年;Connor、2000年;Ponchioら、2000年;Royら、2001年;Nietoら、2007年;Fleischmannら、2009年;Zhouら、2009年及び2014年)。そのような有効用量を得るための実験的な手法は、そのような用量の確認(図2)と供にも実証されている(図1)。より先に、共培養実験の結果は、フィーダー細胞を成長停止させるために使用される好ましいMMC用量によって決定されるケラチノサイトの最高の増殖が、退行して減少するフィーダーと徐々に成長するヒト表皮ケラチノサイトの間で得られる正味の比によって決まることになるという仮定と整合する。そのような比は、in vitroにおいてよく同定されている重要な成長調節因子である(Sunら、2009年;Zhouら、2009年;Jubinら、2011年)。従って、そのような比が優勢になり、より遅い死滅のため4−15のようなより低用量の場合のように、より高い正味のフィーダー細胞密度を維持することになる場合、ケラチノサイトは二次元培養表面上でより狭い空間に残され、成長を妨げられることになる。4−450など、より高い投薬と同様のより速い減少のため、フィーダー細胞数が、ケラチノサイトの成長を支持するのに最低限の必要量に足りなくなった場合、同様に成長の低下が起こるおそれもある。
従って、4−150は、最適な正味の比を達成するようにフィーダー死滅率を釣合わせることより最大のケラチノサイト増殖を作製する理想的な中間投薬として作用できた可能性が一層高い。そのような微調整手法は、1mL当たり4μgの低く、安全な処理濃度をなお保持しているが、フィーダー細胞死滅の狭いが、有意に異なる範囲を実現するという点でより高い分解能を持ち、それは濃度変調だけでは具体化することができず、公有において科学的に知られていない。従って、この新しいプロセスは、培養表皮の質的特徴で妥協することなくクローン及び大量培養の両方でヒト表皮ケラチノサイトを培養する比較的速く、経済的な方法を最終的に同定した。

Claims (9)

  1. 表皮ケラチノサイト幹細胞の成長のための培養系であって、
    a.マイトマイシンCでフィーダー細胞を処置する工程と、
    b.そのようなフィーダー細胞の形で基層を準備する工程と、
    c.γ線照射したフィーダー細胞よりも良好な表皮ケラチノサイト幹細胞成長の成長刺激を達成する工程と
    を含み、マイトマイシンCの最適濃度を細胞1個当たりの用量と更に組み合わせて、濃度−用量交換の範囲を得て、マイトマイシンCの濃度が1mL当たり3〜10μgの範囲にあり、用量が細胞1個当たり15〜450ρgの範囲にあることを特徴とする、培養系。
  2. マイトマイシンCの用量が、1mL当たりの濃度に加えて細胞1個当たりである、請求項1に記載の培養系。
  3. 前記表皮ケラチノサイト幹細胞が、成体幹細胞であり、前記フィーダー細胞が、任意のフィーダー細胞である、請求項1に記載の培養系。
  4. マイトマイシンCの濃度が、好ましくは1mL当たり4μgであり、用量が、細胞1個当たり150ρgである、請求項1に記載の培養系。
  5. (a)10%v/vドナー仔ウシ血清及び17.86mM炭酸水素ナトリウムを含むDMEMからなるフィーダー細胞用の唯一の培養培地と、(b)3:1の比のDMEM及びHam’sF−12、10パーセント(体積/体積)ウシ胎仔血清及びシプロフロキサシン10μg、インスリン5μg、追加のL−グルタミン110μg、デキサメタゾン1μg、アデニン24.32μg、L−セリン20μg、ヒドロコルチゾン0.4μg、コレラ毒素10ηg、トリヨードチロニン1.346ηg及びトランスフェリン5μg、表皮成長因子10ηg(2日目のみ培地に添加する)からなり、そのそれぞれは成長培地1mL毎当たりである、ケラチノサイト培養培地とを含む、請求項1に記載の培養系。
  6. フィーダー細胞の制御された成長停止の方法であって、
    ある範囲のフィーダー細胞密度を異なる濃度のマイトマイシンCに曝露し、その後用量を以下の式:
    [式中、Δ=用量/細胞(pg/細胞又はμg/100万個細胞)
    C=MMCの濃度(μg/mL)
    υ=一定に保たれる処理溶液の体積(mL)
    Σ=曝露細胞数(100万個)である]
    から算出する工程と、
    単位細胞数当たりの用量及び単位体積当たりの濃度に基づいて以下の式:
    [式中、Σ、すなわち曝露細胞数(100万個)は、マイトマイシンC抵抗バリアントを含むことを防止するように一定に保たれる]
    によって導いたリストからマイトマイシンC溶液のある範囲の推定体積を予測する工程と、
    細胞崩壊において用量依存的な有意差を誘導する工程と、
    曝露させる一定密度のフィーダー細胞をリストにした濃度内でリストにした範囲の体積に供する工程と、
    固有の細胞崩壊傾向を呈するフィーダー細胞バッチを同定する工程と、
    特定のマイトマイシンC濃度の特定の体積によって成長停止され、in vitro共培養系におけるγ−Irrフィーダーと比較してケラチノサイトの最大成長を支持する最適なフィーダーバッチを同定する工程と
    を含む、方法。
  7. 前記フィーダー細胞が、任意のフィーダー細胞であり、好ましくはスイス3T3フィーダー細胞である、請求項6に記載の方法。
  8. マイトマイシンC濃度が、1mL当たり3〜10μgの範囲である、請求項6に記載の方法。
  9. マイトマイシンCの用量が、細胞1個当たり15〜450pgの範囲である、請求項6に記載の方法。
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