以下、本発明に係るスイッチユニットの取付構造及び遊技機の実施の形態を図面に基づいて説明する。この遊技機としては、回胴式遊技機(スロットマシン)、弾球式遊技機(パチンコ機)、パロットなど様々な種類が存在する。本実施の形態では、回胴式遊技機に適用した場合について説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
図1は、実施の形態に係るスイッチユニットの取付構造が採用された回胴式遊技機を示す正面図である。図2は、実施の形態に係る遊技機(特に、回胴式遊技機)における操作パネル部を示す外観斜視図である。図14〜図16は、回胴式遊技機の筐体の内部を示す外観斜視図、断面図等であり、説明の都合上、筐体開口部を開閉可能に取り付けられる前扉は図14(C)にのみ記載している。
回胴式遊技機1は、正面が開口された略直方体形状(「箱状」と定義している。)をした筐体2と、筐体2の正面開口に開閉可能に取り付けられる前扉3とを備えている。筐体2の内部には、3個の回転リール4a、4b、4cが横並びに設けられたリールユニット4の他、メダルを貯留及び払出可能なホッパーユニット(図示せず)、遊技全体を統括制御する主制御基板(図示せず)、この主制御基板からの指令に基づき遊技演出を行う表示出力ユニット、音声出力ユニット、及びランプユニット等(いずれも図示せず。)に制御信号を出力する副制御基板(図示せず)、及び各部へ電力を供給する電源装置(図示せず)などが収容されている。
図14〜図16を参照し、箱状の筐体2は、上面に2つの凹部2hが形成されている天井部2a、底部2b、右側面部2c、左側面部2d、背面部2e及び前面に開口部2fを有している。前扉3は、開口部2fを開閉可能な様に、左側面部2dの前側の扉取付け部2gに取り付けられている(図14(C)参照)。なお、天井部2a、底部2b、右側面部2c、左側面部2d、背面部2eの材質は木材であり、加工性、耐久性や価格面でマツ科のラジアータパインのMDF(Medium Density Fiberboard)やチーク材又はラワン材が適している。
天井部2aの下面(図15〜図16参照)には、金属製の保護用板金2p(保護部)が4つのMネジ2q(メートルネジ2q)で取り付けられる。保護用板金2pには、Mネジ2qを通す3つの貫通穴2uと1つの切欠き部2vが形成されている。また、保護用板金2pには、タッピングネジ2r(特に、図16参照)を通す貫通穴2xが合計4ヶ所と、各貫通穴2vの前後2ヶ所に貫通穴2wが合計8ヶ所形成されている。
天井部2aの上面には、貫通穴2u及び切欠き部2vの対向位置に形成された4つの鬼目用下穴(図示せず)に、上から金槌で叩くことによって、鬼目ナット2tが4つ取り付けられている(特に、図14(C)参照)。天井部2aに形成されたネジ穴2yを通して、4つのMネジ2qが4つの鬼目ナット2tとそれぞれ螺合されることで、保護用板金2pが天井部2aの下面に取付けられ、その先端が約8mmだけ天井部2aから前扉3側に突出することに拠り、上面側から挿入されるゴト器具や異物の侵入を防いでいる(特に、図16参照)。なお、保護用板金2pは、天井部2aの下面の全てを覆う必要は無く、島固定用木ネジが螺合されることが無い下面の後ろ側は覆っていない。なお、保護用板金2pは、金属である必要は無く、タッピングネジ2rを通すことが困難な超硬化樹脂であってもよい。
天井部2aには、貫通穴2xの対向位置にタッピングネジ2rを通す貫通穴2mが4つと、貫通穴2vの対向位置に、遊技機を固定する際に使用されるタッピングネジ2sを誘導する為のタッピングネジ用下穴2nが8つ形成されている。なお、タッピングネジ用下穴2nは貫通していても、貫通していなくてもよく、タッピングネジ2sを誘導するだけの深さがあればよい。
2iはカバー部材であり、ネジ螺合用ボス2lが下方に2つ突設されている。また、カバー部材2iは、4つの貫通穴2wの対向位置に上凹部2j及び下凹部2kが形成されることで肉薄部となっており、比較的弱い力で破壊されるのでタッピングネジ2sを螺合させやすくなっている。但し、この様に上下に凹部を形成する必要は無く、肉薄部が形成されていればよい。天井部2aの下面に保護用板金2pが取付けられた状態(特に、図16(A)参照)で、天井部2aの凹部2hに、8つのタッピングネジ用下穴2nを塞ぐ2つのカバー部材が嵌め込まれると、貫通穴2mにネジ螺合用ボス2lが嵌合する。この状態で、2つのタッピングネジ2rが2つの螺合用ボス2lに螺合することで、1つのカバー部材2iが固定される(特に、図16(B)参照)。同様に、2つ目のカバー部材2iが固定される。
図17は、遊技機の取付概要図である。
遊技ホール側は、これら8つの貫通穴2wの何れか(通常2つ)と、貫通穴2wに対向するネジ用下穴2nを通して、下面側からカバー部材2iを破って突き抜けた島固定用木ネジ2sで、島の上方の横桟に螺合することで、遊技機の筐体を取り付けて営業に使用する。一方、遊技ホール側は、営業で使用することが無くなった場合、螺合した島固定用木ネジ2sを抜き遊技機メーカに返送するが、遊技機メーカは穴が開いて破壊されたカバー部材2iを取り外し、新しいカバー部材2iに取り換えるだけで良く、リフォーム作業は大幅に改善される。
ここで図1に戻り、前扉3の略中央部には、各回転リール4a、4b、4cの図柄を表示する図柄表示部5が設けられ、例えば、縦横各3個の計9個からなる図柄が表示可能となっている。前扉3の図柄表示部5の上方には、液晶パネル等で構成される表示演出部6が設けられ、表示演出部6には、例えば、各種の遊技情報や演出情報が表示される。
また、前扉3の図柄表示部5の下方には、遊技者による各種操作を受け付ける操作パネル部7が設けられ、操作パネル部7には、メダル投入部8、マックスベットボタン(マックスベットボタンユニット)9、スタートレバー10、3個のストップボタン11、スペシャルボタン(スペシャルボタンユニット)12、十字スイッチ(十字スイッチユニット)13等が設けられている。
メダル投入部8は、遊技媒体である円板状のメダルを投入する部分であり、マックスベットボタン9は、クレジット状態(ゲームが入賞したときに付与されるメダルやメダル投入部に投入されたメダルを主制御基板に設けたメモリに電気的に蓄積した状態)のメダルを最大3枚、ゲームに投資するときに操作されるボタンである。スタートレバー10は、各回転リール4a、4b、4cを回転させるときに操作されるレバーであり、ストップボタン11は、各回転リール4a、4b、4cの回転を停止させるときに操作されるボタンである。
スペシャルボタン12は、例えば、表示演出部6に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される情報を遊技者自身による操作(1回又は連打)により入力するための手段である。十字スイッチ13は、例えば、表示演出部6に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される上下左右の方向指示情報を遊技者自身による操作により入力するための手段である。
前扉3の操作パネル部7の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクター等が表示される表示プレート14等が設けられ、表示プレート14の下方には、コインが払い出される払出口15、払出口15から払い出されたコインを受ける受け皿16が設けられている。また、払出口15の側方には、演出音を発するスピーカ17が設けられている。
回胴式遊技機1の通常遊技では、遊技者がメダルをメダル投入部8に所定枚数投入した後、スタートレバー10を操作すると、そのタイミングでボーナス、複数の小役、又はリプレイ役(再遊技)の内部抽選が実行され、回転リール4a、4b、4c(殆どの場合3つ又は4つである。)を回転させて各リール上に表示(描画)された複数の図柄を変動させる変動表示ゲームが開始される。
変動表示ゲームの開始後に、遊技者が各回転リール4a、4b、4cに対応するストップボタン11(左、中、右)を操作して、内部当選した小役の図柄が所定の組み合わせで有効ライン上に表示されると入賞となり、1枚〜15枚程度の遊技メダルが払い出される。一方、リプレイ図柄が有効ライン上に表示された場合には、リプレイ(再遊技)が作動して、遊技メダルを投入することなく(又は、前回遊技での投入枚数をそのまま自動投入表示して)、次回の遊技を行うことが可能となる。
通常遊技の内部抽選の結果により、ビッグボーナスが内部当選し、遊技者のストップボタン11の操作により、特定図柄として、例えば、赤7図柄や青7図柄が有効ライン上に揃って停止及び表示された場合に、遊技者にとって最も有利な遊技モードであるビッグボーナスゲームモード(BBゲームモード:役物連続作動装置)に突入し、大量の遊技メダ
ルが一気に獲得可能となる。また、レギュラーボーナスが当選し、特定図柄として、例えばバー図柄が有効ライン上に揃った場合には、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が実行され、BBゲームには及ばないものの、相応の遊技メダルが獲得可能となる。遊技者にとっては、これらのボーナスゲームを成立させることが回胴式遊技における関心事である。なお、内部抽選を実行した結果、ボーナスゲームが当選した場合や放出する場合には、RAM又はRWMなどのデータ記憶領域にボーナスフラグを立てて記憶することにより、特定図柄(例えば、7図柄やバー図柄)が揃うまで、当該フラグが以降の変動表示ゲームに持ち越されるようになっている。
次に、実施の形態に係る回胴式遊技機1の操作パネル部7に配設されたスイッチユニットしてのマックスベットボタンユニット9、スペシャルボタンユニット12、及び十字スイッチユニット13の取付構造について説明する。
図3は、マックスベットボタンユニット9とロックケース90を示す部分分解上面斜視図であり、図4は、マックスベットボタンユニット9とロックケース90を示す部分分解底面斜視図である。図5は、マックスベットボタンユニット9を示す分解斜視図である。
マックスベットボタンユニット9は、図5に示すように、押圧操作可能な操作ボタン部30と、コイルバネ40と、ボタンケース50と、ボタン基板部60と、ボタンケース50の裏面を閉口する裏蓋70と、回動ロック部材80とを含んで構成されている。
操作ボタン部30は、図5に示すように、ボタンキャップ31、デザインシート32、及びケース部材33を含んで構成されている。
ボタンケース50は、胴部51及び鍔部52を備え、鍔部52は、操作パネル部7に取り付けたときに、操作パネル部7の表面に現れるように、胴部51の上端部に形成された段部53を介して形成されている。胴部51は、外形筒状であり、対向する円弧側面部51aと、円弧側面部51aの端部が連結された平行側面部51bとを備え、円弧側面部51aには、上端部から中間部にかけて螺刻部54が形成され、平行側面部51bの一方側には、ハーネス65を接続するための切欠部55が形成されている。鍔部52の上側裏面には、操作パネル部7の開口部7aに形成させた切欠部(図示せず)に係止させる回転止め部56が突設されている。胴部51の底面開口には、裏蓋70のネジ止め部73が嵌め込まれる溝部57が対角線上に2箇所形成されている。
ボタン基板部60は、四方が切欠かれた略矩形の基板61、ハウジング部材62、ソケット部材63、及び発光部64を含んで構成されている。
裏蓋70は、ボタンケース50の胴部51底面開口を塞ぐ形状に形成され、上面の外周部に沿って形成された嵌合用枠部71と、下面の周縁部対角線上の2箇所に形成されたネジ止め孔72を有する凹状のネジ止め部73と、下面の略中央部から下方略円錐台状に突設され、回動ロック部材80を回動可能にネジ止めするための凸部74と、凸部74の側面2箇所から略直径方向に板片状に延出され、回動ロック部材80の回動範囲を規制する回動範囲規制部75と、ロックケース90の嵌合用凸部100を係止させるための嵌合孔76とを含んで構成されている。裏蓋70は、ネジ止め部73のネジ止め孔72に通したネジ77でボタンケース50に螺着される。
回動ロック部材80は、短辺側が略円弧状に形成された略矩形形状をしたロック板部81と、ロック板部81の下面側長手方向両端部に突設された摘み部82と、ロック板部81の中央部に形成されたネジ孔83と、ロック板部81の上面側ネジ孔周囲における対向する2箇所に、裏蓋70の凸部74側面に摺接させる態様で突設された係止部84と、ロック板部81の上面両短辺側に円弧状に突設された押圧部85と、押圧部85の一端から上方に向けて突設された位置決め用の突起部86とを含んで構成されている。押圧部85は、一端側から他端側の突起部86に向けて、突設部分の高さが高くようにテーパ形状に
形成されている。回動ロック部材80は、ワッシャー88を介してネジ孔83に通したネジ87で裏蓋70の凸部74に螺着される。
係止部84は、回動ロック部材80を回動させる場合に、裏蓋70の回動範囲規制部75に係止させて、回動ロック部材80の回動範囲(回動角度)を規制するためのものであり、裏蓋70の凸部74側面に摺接させる円弧状の摺接部84aと、摺接部84aの両端から延出された2つの係止片84bとを備え、2つの係止片84bはその延長線が直交する態様で形成されている。裏蓋70の回動範囲規制部75と、回動ロック部材80の係止部84とにより、回動ロック部材80の回動範囲が、所定範囲、すなわち本実施の形態では約90度の範囲に設定されている。
ロックケース90は、図3、4に示すように、ボタンケース50の胴部51を嵌め込み可能な有底筒状に形成され、胴部91及び底面部92を含んで構成されている。胴部91は、操作パネル部7の開口部周辺の裏面に当接させる略楕円形状をした当接部93と、対向する円弧側面部91aと、円弧側面部91aの端部が連結された平行側面部91bとを備えている。円弧側面部91aの内側面4箇所には、ボタンケース50の螺刻部54に当接させて保持するための保持片94が突設されている。平行側面部91bの一方側には、平行側面部91bの中央付近から下方に延出された細板状の弾性アーム部95と、弾性アーム部95の先端部内側に突設された底面視略U字形状の挟持部96とが形成され、回動ロック部材80を所定の規制位置まで回動させたときに、挟持部96に回動ロック部材80の摘み部82が挟持(保持)されるようになっている。また、平行側面部91bの他方側には、ボタン基板部60のソケット部材63にハーネス65を接続するための窓部97が形成されている。
ロックケース90の底面部92には、回動ロック部材80を貫通させる貫通孔98と、回動ロック部材80を貫通孔98に貫通させた状態で、回動ロック部材80を所定の規制位置まで回動させたときに、回動ロック部材80の位置決め用の突起部86を係止させるための位置決め係止部(係止孔)99とが形成されている。ロックケース90の底面部92上面(ケース内側面)には、裏蓋70の嵌合孔76に嵌合させるための嵌合用凸部100が形成されている。また、回動ロック部材80を所定の規制位置まで回動させたときに回動ロック部材80の押圧部85が底面部92を押圧するように構成されている。
図6は、スイッチユニットしてのスペシャルボタンユニット12とロックケース170を示す部分分解上面斜視図であり、図7は、スペシャルボタンユニット12とロックケース170を示す部分分解底面斜視図である。図8は、スペシャルボタンユニット12を示す分解斜視図である。
スペシャルボタンユニット12は、図8に示すように、押圧操作可能な平面視略横長八角形をした操作ボタン部110と、左右に配置された2つのコイルバネ120、121と、ボタンケース130と、スイッチ基板部140と、ボタンケース130の裏面を閉口する裏蓋150と、回動ロック部材160とを含んで構成されている。
操作ボタン部110は、図8に示すように、ボタンキャップ111、デザインシート112、ボタンプレート113、ボタンベース部114、及びボタン遮光板115を含んで構成され、ボタンベース部114の左右側面から下方に弾性爪片116が延出されている。操作ボタン部110は、中央部が押されると全体が沈み、右端部が押されると右側だけが沈み、左端部が押されると左側だけが沈むように構成されている。
ボタンケース130は、胴部131及び鍔部132を備え、鍔部132は、操作パネル部7に取り付けたときに、操作パネル部7の表面に現れるよう、胴部131の上端部に形
成された段部133を介して形成されている。胴部131は、外形横長八角形の有底筒状であり、段部133の左右底面には、ボタンベース部114の弾性爪片116が係止される係止孔134が形成されている。胴部131の底面には、貫通孔135aを備えた凸部135が2箇所に形成され、凸部135の外周部が、コイルバネ120、121を配置するバネ座として機能するように構成されている。貫通孔135aには、ボタンベース114の下面に突設されたネジ孔を備えた2つのボス(図示せず)が遊嵌され、これら2つボスのネジ孔に凸部135の下面側からネジ136が螺着され、ネジ136の頭部が凸部135の貫通孔135a下側の淵部に当って係止されるように構成されている。
ネジ136の頭部が凸部135の貫通孔135a下側の淵部に当って係止されるため、弾性爪片116が係止孔134から外れたとしても、操作ボタン部110全体がボタンケース130から抜ける(外れる)ことを防止でき、また、貫通孔135aにボスが遊嵌されているので、これらボスにネジ136が取り付けられている状態で操作ボタン部110の上下方向への移動が自在となっている。また、鍔部132の上側裏面には、操作パネル部7の開口部7bに形成させた切欠部(図示せず)に係止させる回転止め部137が突設されている。
スイッチ基板部140は、略横長八角形の基板141、基板141の上面に配設されたハウジング部材142、及び基板141の下面左寄りに配設されたソケット部材143を含んで構成されている。
裏蓋150は、ボタンケース130の胴部131底面開口を塞ぐように略横長八角形に形成され、上面の外周部に沿って形成された嵌合用枠部151と、下面の左右端部に形成されたネジ止め孔152を有する凹状のネジ止め部153と、下面の略中央部から下方略円錐台状に突設され、回動ロック部材160を回動可能にネジ止めするための凸部154と、凸部154の側面2箇所から略直径方向に板片状に延出され、回動ロック部材160の回動範囲を規制する回動範囲規制部155と、スイッチ基板部140のソケット部材143を嵌め込むための開口部156とを含んで構成されている。裏蓋150は、ネジ止め部153のネジ止め孔152に通したネジ157でボタンケース130に螺着される。
回動ロック部材160は、短辺側が略円弧状に形成された略矩形形状をしたロック板部161と、ロック板部161の下面側長手方向両端部に突設された摘み部162と、ロック板部161の中央部に形成されたネジ孔163と、ロック板部161の上面側ネジ孔163周囲における対向する2箇所に、裏蓋150の凸部154側面に摺接させる態様で突設された係止部164と、ロック板部161の上面両短辺側に円弧状に突設された押圧部165と、押圧部165の一端から上方に向けて突設された位置決め用の突起部166とを含んで構成されている。押圧部165は、一端側から他端側の突起部166に向けて、突設部分の高さが高くようにテーパ形状に形成されている。回動ロック部材160は、ワッシャー168を介してネジ孔163に通したネジ167で裏蓋150の凸部154に螺着される。
係止部164は、回動ロック部材160を回動させる場合に、裏蓋150の回動範囲規制部155に係止させて、回動ロック部材160の回動範囲(回動角度)を規制するためのものであり、裏蓋150の凸部154側面に摺接させる円弧状の摺接部164aと、摺接部164aの両端から延出された2つの係止片164bとを備え、係止片164bはその延長線が直交する態様で形成されている。裏蓋150の回動範囲規制部155と、回動ロック部材160の係止部164とにより、回動ロック部材160の回動範囲が、所定範囲、すなわち本実施の形態では約90度の範囲に設定されている。
ロックケース170は、図6、7に示すように、ボタンケース130を嵌め込み可能な有底箱状に形成され、鍔部171、胴部172及び底面部173を含んで構成されている。鍔部171は、胴部172上端部から外方向に延出され、平面視略長方形形状の外形を
有し、操作パネル部7の開口部7cに装着(係止)させるための係止爪部174が下辺に2箇所形成されている。また、胴部172の段部上辺にも係止爪部175が1箇所形成されている。鍔部171の下辺中央には、操作パネル部7の開口部7cに形成させた位置決め用の凸部(図示せず)に係止させる切欠部176が形成されている。
胴部172は、スペシャルボタンユニット12のボタンケース130の胴部131(段部133を含む)を嵌め込み可能な平面視横長八角形形状に形成されている。胴部172の上部には、ボタンケース130の段部133を嵌め込むための段部177が形成され、段部177の左右側面には、ボタンベース部114の左右側面から下方に延出された弾性爪片116の上下動を許容するための溝部178が形成されている。
胴部172の下側面には、側面部の中央付近から下方に延出された細板状の弾性アーム部179と、弾性アーム部179の先端部内側に突設された底面視略U字形状の挟持部180とが形成され、回動ロック部材160を所定の規制位置まで回動させたときに、挟持部180に回動ロック部材160の摘み部162が挟持(保持)されるようになっている。
また、ロックケース170の底面部173には、回動ロック部材160及びソケット部材157を貫通させる貫通孔181と、回動ロック部材160を貫通孔181に貫通させた状態で、回動ロック部材160を所定の規制位置まで回動させたときに、回動ロック部材160の位置決め用の突起部166を係止させるための位置決め係止部(係止孔)182とが形成されている。また、回動ロック部材160を所定の規制位置まで回動させるときに回動ロック部材160の押圧部165が底面部182を押圧するように構成されている。
図9は、スイッチユニットとしての十字スイッチユニット13とロック部材240を示す上面斜視図であり、図10は十字スイッチユニット13とロック部材240を示す底面斜視図である。
十字スイッチユニット13は、円形の十字キー部200と、スイッチケース210と、スイッチケース210に収容されるスイッチ基板部220と、スイッチケース210の裏面を閉口する裏蓋230とを含んで構成されている。
スイッチケース210は、胴部211及び鍔部212を備え、鍔部212は、操作パネル部7に取り付けたときに、操作パネル部7の表面に係止されるよう、胴部211の上端部に形成されている。胴部211は、外形円筒状であり、胴部下端部には、胴部外周面に沿って突設された係止用突部213が、左右2箇所に形成されている。鍔部212の上側裏面には、操作パネル部7の開口部7cに形成させた切欠部(図示せず)に係止させる回転止め部214が突設されている。
スイッチ基板部220は、略円形の基板221及び基板221の下面に配設されたソケット部材222を含んで構成されている。
裏蓋230は、スイッチケース210の胴部211底面開口に嵌合可能な略円形に形成され、下面の端部2箇所に形成されたネジ止め孔(図示せず)を有する凹状のネジ止め部231と、スイッチ基板部220のソケット部材222を嵌め込むための切欠部232とを含んで構成されている。裏蓋230は、ネジ止め部231のネジ止め孔に通したネジ233でスイッチケース210に螺着される。
ロック部材240は、略円形のリング部241と、リング部241の外側面から略水平方向に延出された摘み部242とを含んで構成され、リング部241には、スイッチケース210の胴部211と係止用突部213とを貫通可能な形状をした貫通孔部243と、
貫通孔部243を貫通させた係止用突部213を係止させる係止部245とが形成されている。係止部245は、係止用突部213を貫通させる切欠部244に連接され、リング部241の内周面に段差を形成することで構成されている。係止部245の長さ(円弧長さ)により、ロック部材240の回動角度が規制され、本実施の形態では、ロック部材240を45度回動可能となるように設計されている。また、係止用突部213における係止部245との係止面213aが、ロック(回動)時におけるロック部材240を操作パネル部7側に押圧可能なテーパ状に形成されている。
スイッチケース210の胴部211と係止用突部213とを貫通孔部244に貫通させた状態で、ロック部材240を周方向(時計回り方向)に回転させて、係止用突部213を係止部245に押圧状態で係止させることにより、十字スイッチユニット13が操作パネル部7に固定されるようになっている。
図11は、実施の形態に係る回胴式遊技機1のマックスベットボタンユニット9、スペシャルボタンユニット12、及び十字スイッチユニット13が操作パネル部7に取り付けられる(挿着される)前の状態を示す操作パネル部7の背面側斜視図である。図12は、マックスベットボタンユニット9、スペシャルボタンユニット12、及び十字スイッチユニット13が操作パネル部7に取り付けられた状態(ロックされた状態)を示す操作パネル部7の背面側斜視図である。
図13は、実施の形態に係る回胴式遊技機1の操作パネル部7を示す裏面図であり、(a)はマックスベットボタンユニット9、スペシャルボタンユニット12、及び十字スイッチユニット13が操作パネル部7に挿着されてロックされる前の状態、(b)はロックされた後の状態を示している。なお、図11、12、13では、操作パネル部7に取り付けられるスタートレバー10やストップボタン11等の一部部品の記載を省略している。
マックスベットボタンユニット9の取り付けは、操作パネル部7の開口部7aの裏側にロックケース90の当接部93を当接させた状態で仮置きし、操作パネル部7の開口部7aの表側からマックスベットボタンユニット9を挿入し、マックスベットボタンユニット9の回動ロック部材80及びボタンケース50の胴部51をロックケース90の胴部91に嵌め込み、回動ロック部材80をロックケース90の貫通孔98に貫通させ、ボタンケース50の鍔部52を操作パネル部7の開口部7aの表側に係止させる。
次に回動ロック部材80の摘み部82を摘んで、回動ロック部材80を時計回り方向に回転させる。回動ロック部材80の回転時において、回動ロック部材80の押圧部85が、ロックケース90の底面部92を押圧し、マックスベットボタンユニット9のロックケースへ90の嵌め込み圧が高められる。回動ロック部材80を回動規制位置まで回動(約90度回動)させると、回動ロック部材80の位置決め用の突起部86が、ロックケース90の底面部92の位置決め係止部99にそれぞれ係止されるとともに、回動ロック部材80の摘み部82が、ロックケース90の弾性アーム部95の挟持部96に挟持され、ロック(固定)された状態(回動規制状態)となる。
マックスベットボタンユニット9を取り外すときは、回動ロック部材80を反時計回りに回動させて、前記ロックされた状態を解除し、取り付け時と逆の動作を行うことで、マックスベットボタンユニット9及びロックケース90を操作パネル部7から容易に取り外すことができる。
スペシャルボタンユニット12の取り付けは、操作パネル部7の開口部7bの表側からスペシャルボタンユニット12を、操作パネル部7の開口部7bに予め装着されたロックケース170に嵌め込み、回動ロック部材160をロックケース170の貫通孔181に
貫通させ、ボタンケース130の鍔部132を操作パネル部7の開口部7bの表側に係止させる。
次に回動ロック部材160の摘み部162を摘んで、回動ロック部材160を時計回り方向に回転させる。回動ロック部材160の回転時において、回動ロック部材160の押圧部165が、ロックケース170の底面部173を押圧し、スペシャルボタンユニット12のロックケース170への嵌め込み圧が高められる。回動ロック部材160を回動規制位置まで回動(約90度回動)させると、回動ロック部材160の位置決め用の突起部166が、ロックケース170の底面部173の位置決め係止部182にそれぞれ係止されるとともに、回動ロック部材160の摘み部162が、ロックケース170の弾性アーム部179の挟持部180に挟持され、ロック(固定)された状態(回動規制状態)となる。
スペシャルボタンユニット12を取り外すときは、回動ロック部材160を反時計回りに回動させて、前記ロックされた状態を解除し、取り付け時と逆の動作を行うことで、スペシャルボタンユニット12を操作パネル部7から容易に取り外すことができる。
十字スイッチユニット13の取り付けは、操作パネル部7の開口部7cの表側から十字スイッチユニット13を挿入し、操作パネル部7の開口部7cの裏側から、十字スイッチユニット13のスイッチケース210の胴部211下端部に、ロック部材240の貫通孔部243を嵌め込み、ロック部材240を操作パネル部7の開口部7cの裏側に当接させる。次にロック部材240を時計回りに回転させると、スイッチケース210の係止用突部213が、ロック部材240の係止部245に係止され、回動規制位置(突当り位置)まで回転(約45度回転)させることでロック(固定)された状態となる。
スイッチケース210の胴部211に設けられた係止用突部213におけるロック部材240の係止部245との係止面213aが、ロック部材を操作パネル部側に押圧可能なテーパ状に形成されているので、ロック部材240が操作パネル部7側に押圧され、十字スイッチユニット13をしっかりと固定することができる。
十字スイッチユニット13を取り外すときは、ロック部材240を反時計回りに回動させて、前記ロックされた状態を解除し、取り付け時と逆の動作を行うことで、十字スイッチユニット13とロック部材240とを操作パネル部7から容易に取り外すことができる。
上記実施の形態に係るマックスベットボタンユニット9の取付構造によれば、ロックケース90の貫通孔98に貫通させた回動ロック部材80を約90度回動させる操作により、ロックケース90に回動ロック部材80が回動規制状態で係止され、操作パネル部7にマックスベットボタンユニット9及びロックケース90が一体的に固定されるので、操作パネル部7にマックスベットボタンユニット9とロックケース90とを一度に簡単に取り付けることができ、取付け工数を少なくすることができ、また取外し作業も簡単に行うことができる。また、回動ロック部材80の押圧部85でロックケース90を押圧しつつ、ロックケース90の位置決め係止部99及び弾性アーム部95の挟持部96により回動ロック部材80の位置決め用の突起部86及び摘み部82がそれぞれ位置決めされて回動ロック部材80の回動が規制されるので、マックスベットボタンユニット9の操作パネル部7への取付け後も長くガタ付くことなくしっかりと密着させた状態で固定することができる。また、操作パネル部7の構造をシンプルなものにすることができる。
上記実施の形態に係るスペシャルボタンユニット12の取付構造によれば、ロックケース170の貫通孔181に貫通させた回動ロック部材160を約90度回動させる操作に
より、スペシャルボタンユニット12を操作パネル部7へ簡単に取り付けることができ、また取外し作業も簡単に行うことができる。また、回動ロック部材160の押圧部165でロックケース170を押圧しつつ、ロックケース170の位置決め係止部182及び弾性アーム部179の挟持部180により回動ロック部材160の位置決め用の突起部166及び摘み部162がそれぞれ位置決めされて回動ロック部材160の回動が規制されるので、スペシャルボタンユニット12の操作パネル部7への取付け後も長くガタ付くことなくしっかりと密着させた状態で固定することができる。また、ロックケース170が、操作パネル部7の開口部7bの裏面に係止爪部174、175により係止させるものであるので、ロックケース170を予め操作パネル部7へ装着しておくことで、スペシャルボタンユニット12の取り付け作業や取り外し作業をより簡単に行うことができる。
上記実施の形態に係る十字スイッチユニット13の取付構造によれば、スイッチケース210の胴部211と係止用突部213とをロック部材240の貫通孔部243に貫通させ、ロック部材240を周方向に回転させて、係止用突部213を係止部245に押圧状態で係止させることにより、十字スイッチユニット13を操作パネル部7へ簡単かつ、ガタ付くことなくしっかりと密着させた状態で固定することができ、また、ロック部材240を周方向に逆回転させることにより、十字スイッチユニット13を操作パネル部7から簡単に取り外すことができ、作業性の高い取付構造とすることができる。
また上記実施の形態に係る各種スイッチ(ボタン)ユニットの取付構造が採用された回胴式遊技機1によれば、当該遊技機に設けられるスイッチ(ボタン)ユニットの取り付け作業や取り外し作業が容易になり、これらの作業性の良い遊技機を提供することができる。