発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本出願は、「Retracting Tissue」と題され、2014年2月18日に出願された14/183,048の一部係属出願である。この参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、手術中に身体組織を開創するためのシステム及び方法、及びより具体的には、基部に装着される多軸開創器に関する。
[背景技術]
開創器システムは、医師がそれを通って手術部位にアクセスし得るための開口部を提供するために、様々な異なる外科手技に使用され得る。例えば、脊椎手術では、開創器システムは、患者の脊椎へのアクセスを外科医に提供するために使用され得る。開創器システムによって作成される開口部は、例えば、医師が手術器具を体内に挿入することを可能にするか、または可視光もしくはエックス線を使用して手術部位の可視化を可能にし得る。
開創器システムは、開創器フレームに連結される複数のブレードを含み得る。使用中、ブレードは、切り口に挿入され、次いで手術部位への進路に沿って切り口周囲の組織を変位させるために開創され得る。組織の外傷を最小限にするため、この組織の変位は、一般に精練かつ制御されるべきである。
[発明の概要]
本開示の実施形態によれば、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、中心部と、を備え、該中心部が、(a)少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームと各々摺動可能な接合を形成するように構成され、(b)少なくとも1つの第1のアームの近位端が延伸部を形成するときには、少なくとも1つの第1のアームとの摺動可能な接合は、開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第1のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するときには、摺動可能な接合は、延伸部として形成され、(c)少なくとも1つの第2のアームの近位端が延伸部を形成するときには、少なくとも1つの第2のアームとの摺動可能な接合は、開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第2のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するときには、摺動可能な接合は、延伸部として形成され、(d)各第1のアームが、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、(e)各第2のアームが、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、かつ(f)少なくとも1つの第1のアームの遠位端及び少なくとも1つの第2のアームの遠位端が、摺動可能な接合を使用して相互に分離可能であり、それにより、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアーム上に支持される開創器ブレードを分離する。
その変形において、各第1のアームは、第1の長手方向軸へ横断する軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、各第2のアームは、第2の長手方向軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、2つの第1のアーム及び1つの第2のアームが存在し、2つの第1のアーム及び1つの第2のアームはカニューレに形成可能であり、1つ以上の開創器ブレードが骨である組織を開創するように構成された先細端を有し、少なくとも1つの開創器ブレードは、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられ、少なくとも1つの開創器ブレードを枢動することが組織を開創し、少なくとも1つの第1のアームを少なくとも1つの第2のアームから分離することが組織を開創し、かつ/または、少なくとも1つの開創器ブレードは、ねじ式シャフトを回転させることによって枢動される。
そのさらなる変形において、開創器は、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられる少なくとも1つのブレードホルダをさらに含み、ブレードは、少なくとも1つのブレードホルダの各々に蟻継ぎ接合を使用して接合され、かつ/または、光源は、少なくとも1つの開創器ブレードに装着可能である。
なおもさらなるその実施形態において、治療手技は、延伸アームを含む支持表面を有する外科用設備内で実施され、開創器は、中心部に移動可能に接合され、かつ延伸アームに解放可能に接合するように構成されたマウントをさらに含み、かつ/または、該マウントは、枢軸によって中心部に移動可能に接合される。
他のその変形において、第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つと中心部との間の摺動可能な接合は、ラック及び嵌合ラチェットパウルを含み、該ラック及びパウルが、少なくとも1つの第1及び第2のアームと中心部との相対移動を制御するように構成され、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの一方、ならびに中心部に回転可能に固定されるピニオンを含み、該ラックが、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの他方と連結され、該ピニオンが、少なくとも1つの第1及び第2のアームと中心部との相対位置を変更するために回転可能であり、かつ/または、開創器は、手動で係合可能な鍵及びピニオンに接合される工具係合部のうちの少なくとも1つをさらに含み、該鍵もしくは該工具係合部が、ピニオンを回転させるように回転可能である。
他のその実施形態において、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着されるブロックを含み、かつ開口及び延伸フランジを画成するブレードホルダと、開口に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有するブレード保持器と、ブロックと接合したブレード保持器を保持するために、ブレード保持器と延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじとをさらに含み、かつ/または、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着されるブロックを含み、開口及び延伸フランジを画成するブレードホルダと、開口に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有する開創器ブレードと、ブロックと接合した開創器ブレードを保持するために、開創器ブレードと延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじとをさらに含む。
本開示の別の実施形態において、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該近位端が第1の開口を有する第1のブロックを画成し、該第1の開口が第1のアーム長手方向軸へ横断する第1の開口長手方向軸を画成し、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成された、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、少なくとも1つの第1のアームの少なくとも1つの第1のブロックを通って延伸し、かつそれを摺動可能に支持する横断延伸部と、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該近位端が第2の延伸部を画成し、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成された、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、横断延伸部に接合され、かつ少なくとも1つの第2の延伸部を摺動可能に支持するようにサイズ及び寸法が合わせられた第2の開口を有する第2のブロックと、を備え、第2の開口は、第1の開口長手方向軸に対して非平行である第2の開口長手方向軸を画成し、各第2のアームは、第2の長手方向軸に沿って第2のブロックと接合して平行移動可能であり、各第1のアームは、第1の開口長手方向軸に沿って横断延伸部と接合して平行移動可能であり、少なくとも1つの第1のアームは、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能であり、かつ少なくとも1つの第2のアームは、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能である。
本開示のなおもさらなる実施形態において、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、近位端及び遠位端を画成する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、中心部と、を備え、該中心部が、(a)少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームと各々摺動可能な接合を形成するように構成され、(b)少なくとも1つの第1のアームの近位端が延伸部を形成するときには、少なくとも1つの第1のアームとの摺動可能な接合は、開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第1のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するときには、摺動可能な接合は、延伸部として形成され、(c)少なくとも1つの第2のアームの近位端が延伸部を形成するときには、少なくとも1つの第2のアームとの摺動可能な接合は、開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第2のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するときには、摺動可能な接合は、延伸部として形成され、(d)各第1のアームが、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能な少なくとも1つの第1のアームを、第1の長手方向軸を横切る軸に沿って、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、(e)各第2のアームが、第2の長手方向軸に沿って、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、少なくとも1つの第2のアームが、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して平行移動可能であり、かつ(f)少なくとも1つの第1のアームの遠位端及び少なくとも1つの第2のアームの遠位端が、摺動可能な接合を使用して相互に分離可能であり、それにより、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアーム上に支持される開創器ブレードを分離する。
いくつかの例示の実施形態によれば、組織を変位させるように構成された第1の開創器ブレードを有する第1のアームと、組織を変位させるように構成された第2の開創器ブレードを有する第2のアームと、開創器システムが非延伸位置にあるときに、第1のブレードを第2のブレードに係合させて、第1及び第2のブレード間の移動を防止するための係合機構とを備える、開創器システムが提供され得る。
開創器システムは、組織を変位させるように構成された後部ブレードを支持するように構成された第3のアームをさらに備えることができる。第1のアーム、第2のアーム、及び第3のアームは、それぞれ、互いに対して移動可能であるように、直線的に平行移動可能に構成することができる。係合機構は、第1のブレードと第2のブレードとの間の移動を防止するために、第1のブレードを第2のブレードで係止するように構成することができる。係合機構は、第1のブレードの長さに沿って配設されたタブと、タブを受容するように構成された第2のブレードの対応する長さに沿って構成されたスロットとを備えることができる。
開創器システムは、ドッキングピンを受容するように構成された第1のブレードに設けられた第1のドッキングピンスリーブと、第1のドッキングピンスリーブに配置するように構成され、開創器システムを固定するために患者の椎体に螺入されるように構成された第1のドッキングピンとをさらに備えることができる。
開創器システムは、第1のブレードへの組織クリープを防止するために、第1のブレードの下先端部を越えて延伸するように構成された、第1のブレードに設けられた延長シムをさらに備えることができる。開創器システムは、第1のブレードの長さに沿って固定の増分位置に沿って設けられた1つ以上の戻り止め停止部をさらに備えることができる。開創器システムは、固定の増分位置に沿って延長シムの高さを調節可能にする1つ以上の戻り止め停止部に係合するように構成された、延長シム戻り止めタブをさらに備えることができる。1つ以上の戻り止め停止部は、2.5ミリメートルの間隔で設けられ得る。開創器システムは、取り外し工具を使用して延長シム戻り止めタブを1つ以上の戻り止め停止部から係脱させるように構成された、延長シム上の延長シム取り外し穴をさらに備えることができる。
開創器システムは、組織クリープを防止するために、第1のブレードの下先端部を越えて第2のブレードに向かう方向に延伸するように構成された、第1のブレードの下部に沿って設けられた拡幅シムをさらに備えることができる。開創器システムは、第1のブレードの幅に沿って固定の増分位置に沿って設けられた1つ以上の戻り止め停止部をさらに備えることができる。開創器システムは、拡幅シムが固定の増分位置に沿って第1のブレードを越えて延伸することを可能にする、1つ以上の戻り止め停止部に係合するように構成された、拡幅シム戻り止めタブをさらに備えることができる。1つ以上の戻り止め停止部は、1ミリメートルの間隔で設けられ得る。開創器システムは、取り外し工具を使用して拡幅シム戻り止めタブを1つ以上の戻り止め停止部から係脱させるように構成された、拡幅シム上の拡幅シム取り外し穴をさらに備えることができる。開創器システムは、神経モニタリングのために、第1のブレードのブレード先端部に沿って1つ以上のエッチング領域をさらに備えることができる。
開創器システムは、組織を変位させるように構成された後部ブレードを有する第3のアームと、後部ブレードを椎間腔内に係留するために第3のブレードの下に延伸する後部ブレードに固定された椎板シムとをさらに備えることができる。
いくつかの実施形態では、組織を変位させるように構成され、また独立して平行移動されるように構成された第1の開創器ブレードを支持する、開創器システムの中心ボアの周りに位置する第1のアームと、第1のアームに近接して中心ボアの周りに位置し、組織を変位させるように構成され、また独立して平行移動されるように構成された第2の開創器ブレードを支持する第2のアームと、第1のブレードの長さに沿って固定位置に配設されたタブと、タブに対応する第2のブレードの長さに沿った固定位置に配設され、開創器システムが非開創位置にあるときに、第1のブレードを第2のブレードに係合させ、第1のブレードが第2のブレードに対して移動するのを防止するためにタブを受容するように構成されたスロットとを備える、開創器システムが提供され得る。
本発明のより完全な理解、ならびにこれらの付随の利点及び特徴は、添付の図面と組み合わせて考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されるであろう。
[図面の簡単な説明]
[図1]本開示の外科用開創器ブレードホルダを図示するものであり、ブレードは、カニューレに準じた構成で保持される。
[図2]図1の開創器を図示するものであり、ブレードは、治療手技において身体の組織を開創するように動作的な様式で相対的に分離される。
[図3]本開示の開創器を図示するものであり、開創器のブレードを分離するための手動で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
[図4]図3の開創器を図示するものであり、ブレードは開放構成にある。
[図5]本開示の代替的な開創器を図示するものであり、工具で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
[図6]図5の開創器を図示するものであり、ブレードは開放構成にある。
[図7]本開示の代替的な開創器を図示するものであり、本開示の関節運動ブレード保持アーム、及び複数のフレームマウントを含む。
[図8]図7の開創器の上面図を図示する。
[図9]図7の開創器の上面図を図示するものであり、ブレードは開放位置にある。
[図10]本開示の開創器の代替的な実施形態を図示するものであり、サムホイール操作式のラックアンドピニオン調節機構を例証する。
[図11]本開示のブレード取り付け構成を図示する。
[図12]本開示の開創器に接合された、図11のブレード取り付け構成を図示するものであり、開創器は本開示の代替的なフレームマウントと共に構成される。
[図13]本開示のブレードホルダによって保持される光源を図示する。
[図14]本開示の代替的なブレードタイプ及び代替的なブレード取り付け構成を図示する。
[図15]本開示の代替的なブレードピッチ機構を図示する。
[図16]本開示に従う関節運動ブレード保持アームを図示する。
[図17]開放構成にある、図1〜2の開創器の操作構成の図である。
[図18]閉鎖構成にある、図17の開創器を図示する。
[図19]開放構成にある、本開示の代替的な開創器の図である。
[図20]閉鎖構成にある、図19の開創器を図示する。
[図21]開放構成にある、本開示の別の代替的な開創器の図である。
[図22]閉鎖構成にある、図21の開創器を図示する。
[図23]いくつかの実施形態に従う、閉鎖構成にある代替的な開創器システムを図示する。
[図24]いくつかの実施形態に従う、開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
[図25]いくつかの実施形態に従う、その後部ブレードが移動された状態の開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
[図26]いくつかの実施形態に従う、その頭方尾方ブレードが移動された状態で開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
[図27]いくつかの実施形態に従う、その後部及び頭方尾方ブレードが移動された状態で開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
[図28]いくつかの実施形態に従う、図23の開創器システムの上面図を図示する。
[図29]いくつかの実施形態に従う、固定プレートが取り外された状態の図23の開創器システムの上面図を図示する。
[図30]いくつかの実施形態に従う、その構成要素が互いに分離されている状態の図23の開創器システムの上面斜視図を図示する。
[図31]いくつかの実施形態に従う、その構成要素が互いに分離されている状態の図23の開創器システムの異なる上面斜視図を図示する。
[図32]いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある三ブレード開創器システムの一部の上面図を図示する。
[図33]いくつかの実施形態に従う、一部が取り外されており、嵌合可能なブレード特徴部を示している状態の図32の開創器システムの上面図を図示する。
[図34]いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある三ブレード開創器システムの一部の正面図を図示する。
[図35]いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある二ブレード開創器システムの一部の上面図を図示する。
[図36]いくつかの実施形態に従う、一部が取り外されて、嵌合可能なブレード特徴部を示している状態の図35の開創器システムの上面図を図示する。
[図37]いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある二ブレード開創器システムの一部の正面図を図示する。
[図38]いくつかの実施形態に従う、ドッキングピンスリーブを有するブレードを図示する。
[図39]図38の線A−Aに沿って取られた断面図を図示する。
[図40]図38の線B−Bに沿って取られた断面図を図示する。
[図41]いくつかの実施形態に従う、ドッキングピンスリーブの内部のドッキングピンを図示する。
[図42]いくつかの実施形態に従う、延長シムを有するブレードを図示する。
[図43]図42の線A−Aに沿って取られた断面図を図示する。
[図44]図42の線B−Bに沿って取られた断面図を図示する。
[図45]いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを図示する。
[図46]図45の拡幅シムを有するブレードの上面斜視図を図示する。
[図47]いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを含む開創器システムの一部の上面図を図示する。
[図48]いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを含む開創器システムの一部の側面図を図示する。
[図49]いくつかの実施形態に従う、椎板シムを含むブレードの一部の斜視図を図示する。
[図50]いくつかの実施形態に従う、椎板シムから分離されたブレードの図を図示する。
[図51]いくつかの実施形態に従う、椎板シムを有するブレードの正面図を図示する。
[発明を実施するための形態]
必要に応じて、詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態が、単なる例示であること、及び以下に記載されるシステム及び方法が、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲のための根拠として、ならびに本発明の主題を実質的にいかなる適切に詳説された構造及び機能においても様々に使用することを当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定的であることを意図するものではなく、むしろ概念の理解可能な説明を提供するものである。
本明細書で使用される「a」または「an」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。本明細書で使用される複数という用語は、2つまたは3つ以上として定義される。本明細書で使用される別のという用語は、少なくとも2つ目またはそれ以上として定義される。本明細書で使用される「含むこと(including)」及び「有すること(having)」という用語は、備えること(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「連結される(coupled)」という用語は、「接合される(connected)」として定義されるが、必ずしも直接的、及び必ずしも機械的にではない。
図1〜2は、本開示の一実施形態による、外科手技において患者の身体組織を開創するために使用することができる開創器システム10を例証する。開創器システム10は、複数の開創器ブレード300、ならびにこの実施形態では、第1のブレード312、第2のブレード314、及び第3のブレード316を含む。ブレード300は、開創器フレーム100に各々連結され、開創器フレーム100は、第1、第2、及び第3のアーム120、140、及び160を含み、各々がブレード300を保持及び配置するためのブレードホルダ200を有する。この実施形態の一使用において、アーム120及び140は頭方/尾方ブレードであり、ブレード160は後部ブレードであるが、他の配向及び使用が企図される。ある実施形態において、各ブレードは、別のブレードを割り出しする必要なしに自由に平行移動または割り出しされ得る。示される実施形態において、アーム120及び140は横方向に位置し、アーム160は中央に位置するが、他の相対的配置が本開示内では企図される。
開創器10は、開創器10と患者との相対位置を制御することができるように、所望の位置に調節され、次いで手術台または手術室内の他の物体に解放可能に固定されるように構成される。開創器10のうちの1つ以上の固定は、例えば、手術室(OR)テーブルクランプ、開創器テーブルアーム、アームクランプ、及びフレームクランプのうちの1つ以上を使用して達成することができる。
アーム120、140、及び160は、互いに対して移動可能であるように各々直線的に平行移動可能である。より具体的には、アーム120及び140は各々、延伸部154を嵌合可能に受容し、かつ延伸部154上で直線的に摺動可能であるようにサイズが合わせられたスロット152を有する基部150を含む。ある実施形態において、アーム120及び140は、互いの鏡像であるが、これは、本開示のすべての態様を実行するために必要であるわけではない。図1〜2に例証される実施形態において、延伸部154は、平坦なプロファイルを有し、それにより、アーム120、140が互いに対して、及び以下に記載されるようにアーム160に対して、意図しない回転をすることを防止する。他の機構的形態は、同様の目的を可能にするために、例えば、鍵付きのシリンダを含む、延伸部154に提供され得る。本開示の代替的な実施形態において、アーム120、140、及び160のいずれかは、延伸部154または170(以下に記載される)が、鍵のかかっていない状態、例えば、円柱状である場合、アーム120、140、及び160の他のものに対して回転され得る。
ねじ式止めねじ(図示せず)、ラチェット(本明細書内の他の実施形態に示される)、または他の機構は、アーム120、140、160を所望の直線的に平行移動した位置に保持するために提供され得る。この実施形態には示されないラックアンドピニオン構成が提供され、かつラックを提供する延伸部154の間に形成され得、ピニオンは、回転可能であるが、アーム120/140内に変位可能に収容され、かつラックと係合される。係止機構、例えば、止めねじまたはラチェット機構は、延伸部154、170を所望の変位で装着するために提供され得る。
この実施形態において、アーム160は、ブロック174内のスロット172内で平行移動するアーム延伸部170を含み、ブロック174は、例えば、ねじを用いて、または溶接、粘着剤、もしくは任意の他の既知の手段によって延伸部154に接合される。このように、延伸部154の配向は、スロット172に対して所望または既定の配向を維持する。したがって、アーム120、140が延伸部154、または相互接合された延伸部区分154上で平行移動されるとき、及びアーム160がブロック174内で平行移動されるとき、アーム120、140、及び160の相対進路は維持される。さらに、各アーム120、140、160は独立して、他のアームに対して平行移動可能である。このように、医師は、治療の目的に最も適した様式で組織を開創することができる。アーム延伸部170は、アーム160の保持器10の残部からの望まない分離を防止するために、延伸部止め178を備え得る。
図1〜2に見られるように、アーム120、140は、アーム120、140が接近したときに、ブロック174の下に適合するようにサイズ及び寸法が合わせられる。このように、開創器10の全体の寸法は最小化され、それにより、開創器10によってもたらされる物理的障害を低減し、手術部位内の視覚化を最大限にする。アーム160は、延伸部154上のアーム120、160に関して記載される任意の平行移動された位置に調節及び装着され得るが、ラックが延伸部170上に形成され、ピニオンがブロック174内に設けられることになる。
この実施形態、ならびに本明細書内の他の実施形態において、アーム120、140は、スロットを形成するように構成され、かつ延伸部上を平行移動するが、それらは、アーム160について示されるように、ブロック内を平行移動する延伸部を含むように構成され得ることを理解されたい。同様に、アーム160は、アーム120、140について示されるように、延伸部上を摺動するブロックを形成し得る。本開示の一態様において、アーム120、140と、アーム160との相対構成は、最適なパッケージング及び低減された物理的プロファイルを提供するが、本明細書に記載されるブロック及び延伸部の様々な配列が提供され得、それは同様の様式で減少されたプロファイルを生成し得る。
図1に見られるように、ブレード300は、互いに対して整列して、管320を形成する。ある実施形態において、管320は、先細端322を有し、かつカニューレとして機能することができる。開創器100が展開されると、管320が、ブレード300を、切り口に挿入すること、もしくは患者の体内で開放することによって形成され得るか、または他のカニューレと協働して位置付けられ得、身体組織に対する障害を最小限に抑えて、管320の通過を許容するのに十分に、体内の開口部のサイズを次第に増大させる。身体組織が弛緩すると、または所望されるとき、ブレード300は、アーム120及び140を相対的に離して移動させることによって、分離されるか、または離れて移動され得る。アーム120、140の移動の相対程度は、均一である必要はなく、その時々において、医師が、各ブレード312、314に対して身体組織の異なる部分上に加えられる力のタイミング及び程度を制御することを可能にする。同様に、アーム160と接合したブレード316は、アーム120、140のいずれかの移動前、移動中、または移動後に移動されて、ブレード312、314により近く、またはそれからより遠くなり得る。
ブレード312、314、及び316が相対的に離して移動されると、ブレード312、314、及び316の外表面によって画成される周囲の長さが増大し、身体組織を離して移動させ、体内の領域へのアクセスを増大させる。すべての他のアームとは独立して移動するように各々構成された、アーム120、140、または160と同様の構成において、より多い数またはより少ない数のアーム120、140、及び160が、開創器10上に設けられ得る。
図2に見られるように、ブレード312、314、及び316は、枢動されて、それらのそれぞれのアーム120、140、160に対して角度付けまたは傾斜付けされ得る。このように、開創器10の全体プロファイルを増大する必要性、またはアーム120、140、160をこれよりさらに離して移動させる必要性なしに、ブレード300の遠位端330はさらに分離され得、ブレードの外表面によって画成される周囲の長さは拡大され得る。
図1は、本開示の一実施形態に従う、「閉鎖」または非開創の構成にある開創器10を図示する。閉鎖構成において、ブレード312、314、及び316は、中心ボア324の周りに軸方向に設けられて、実質的に閉鎖管状構造体320を形成する。図2は、「開放」または開創の構成にある開創器システム10を図示し、ここでブレード312、314、316は、ブレード300の近位端332、及びアーム120、140、または160に接合された枢軸210の周りを枢動されることによって、傾斜付けされている。開放構成では、ブレード300はもはや、実質的に閉じている管状構造体を形成しない。
ブレード300は各々独立して、傾斜付けまたは平行移動され得、及び独立して、他のブレードに対して傾斜付けまたは平行移動され得る。示される実施形態において、停止要素212であるフランジは、ブレードホルダ200から延伸し、かつブレードホルダ200及び連結されたブレード300の枢動運動の所望の極限範囲でアーム120、140、または160に接触する。ねじ(図示せず)は、ねじ式であり得る開口214内に提供され得、該ねじは、アーム120、140、または160に負荷をかけるように構成されて、ブレードホルダ200の枢動を引き起こすか、枢動運動の最大範囲を変更するよう動作する停止要素として機能する。代替的な実施形態は、本明細書内の他の場所に、図5〜6ならびに15に関して記載される。
ブレードホルダ200は、ブレードホルダ200の反対側の端部の間に延伸するブレード係合プロファイル240を備える。ブレード300は、ブレード係合プロファイル240と嵌合可能なブレードホルダプロファイル340を備え、それにより、プロファイル240、340が嵌合されるとき、ブレード300は、患者に対するブレード300の貫通が調節可能であるように、ブレードホルダ200上に保持され、かつブレードホルダプロファイル340の長さに沿って摺動可能であり得る。さらに、ブレード300は、異なる形状、サイズ、または組織係合プロファイルを有するブレードと交換することができる。一実施形態において、ブレードホルダプロファイル340及びブレード係合プロファイル240は、蟻継ぎ接合を形成する。
加えて、ブレード300は、開創器10が患者に対してある位置に固定された後に挿入され得、それにより、開創器10または患者を移動させる必要なしに、ブレードは、患者から上方かつ離して摺動され、交換され得る。この実施形態において、ブレードホルダプロファイルは、ブレード300の遠位端330に延伸するか、ブレードホルダプロファイルは、ブレード300の長さの1つ以上の部分に沿って嵌合係合をもはや提供しないように構成される。
ブレード300は、ブレードホルダプロファイル340とブレード係合プロファイル240との間の摩擦適合によって、またはブレードホルダ200に接合され、かつブレード300もしくはブレードホルダプロファイル340と接合可能な止めねじもしくは他の留め金具(示されない)によって、ブレードホルダプロファイル340の長さに沿って所望の変位で装着される。
ブレード300は、ブレード300を身体組織に対するある位置、例えば脊椎内に固定し、そこを通って延伸されるために使用され得るドッキングピン(図示せず)を受容するようにサイズ及び寸法が合わせられた1つ以上のドッキングピンスロット350を備え得る。開創器10上に係合されるすべてのブレードは、相互に接合されるため、このようにして挿入された各ドッキングピンは、開創器10の全体の安定に寄与する。
ある実施形態において、開創器10は、患者の脊柱への前方アプローチのために構成される。図1〜2に示されるこの実施形態において、アーム120、140は、尾方配向のブレードを支持し、アーム160は、頭方配向のブレードを支持する。ブレード300のピッチ運動の範囲は、0度(管320を形成)から20度を含み得るが、例えば30、40、または50度以上の角形成の範囲など、より大きい角形成が提供され得る。
撮像、例えば、エックス線撮像が行われる外科手技では、開創器10の少なくともブレード300が少なくとも部分的に放射線透過性であれば、撮像された領域の可視化を促進するのに有利である。したがって、ブレード300は、アルミニウム、炭素繊維、もしくはポリマー材料、または既知もしくは今後開発される、任意の他の十分に丈夫で放射線透過性の材料、あるいは材料の組み合わせを使用して製造され得る。
図3〜6を参照すると、本開示の代替的なフレーム実施形態100Aにおいて、開創器10Aは、図1〜2の実施形態のものと同様の要素を含み、かつ同様の参照番号を有する。図3〜4において、アーム120A、140A、及び160Aは、図1〜2のアーム120、140、及び160と同様の様式でブレード300を支持するが、アーム120A、140Aは、延伸部154A上を平行移動する正方形または長方形の溝を形成する。同様に、アーム160Aは、ブロック174Aを形成する長方形の溝内を平行移動する。鍵180、182、及び184は、開創器10Aが展開される間に医師によって回転され、それにより、アーム120A、140A、または160Aが平行移動するように位置付けられる。図5〜6及び11をさらに参照すると、鍵180、182、及び184の各々は、鍵180、182の場合はアーム120A、140Aに、及び鍵184の場合はブロック174Aに回転可能に固定されるピニオン(図示せず)に接合される。歯付ラック186は、各延伸部154Aの側面上に形成され、同様の歯付ラック188は、アーム160の側面上に形成される。このように、鍵180、182、または184の回転が、それぞれアーム120A、140A、及び160Aの対応する平行移動の動きを引き起こす。図4では、鍵180及び182は、アーム120A、140Aを分離するために回転され、鍵184は、アーム160Aを開創するために回転されている。
図5〜6では、フレーム実施形態100Bに見られるように、鍵180、182、及び184の代わりに、工具係合部190、192、194が、ラック186、188と嵌合可能な回転可能に固定されたピニオンに接合される。工具係合部190、192、及び194は、六角またはアレンヘッドドライバなどのドライビング工具によって係合可能である。したがって、ドライビング工具(図示せず)が、医師の手によって、または電子もしくはコンピュータ制御されたアクチュエータによって回転されて、アーム120B、140B、または160Bの位置を調節し、それにより、例えば、ブレード312、314、または316を含む1つ以上のブレード300の位置を変更し得る。図3〜6に示されるように、鍵180構成、または工具係合部190構成のいずれかが図1〜2の実施形態において提供され得ることを理解されたい。
図5〜6をさらに参照すると、工具係合部190、192、及び194に関して記載される工具を使用して回転可能であり、ブレードホルダ200に装着されたブレード300のピッチを変更するように工具によって操作可能な、ブレードピッチ工具係合部230、232、234が提供される。
より具体的には、一構成において、ブレードホルダ200は、枢軸210で枢動可能に取り付けられ、ブレードピッチ工具係合部230、232、及び234は、それらのそれぞれのブレードホルダ200上に各々回転可能に保持される。ねじ式シャフト236は、回転を防止するために鍵が付けられるが、ブレードピッチ工具係合部230、232、234の回転によって軸方向に変位可能である。結果として、シャフト236が、アーム120B、140B、160Bに対して負荷をかけて、枢軸210の周りのブレードホルダ200の回転を引き起こし、それにより、ブレード300の角度を変更するようにさせ得る。別の実施形態において、ブレードピッチ工具係合部230、232、234は、シャフト236に装着され、シャフト236は、ブレードホルダ200内にねじ込み式に受容される。したがって、ブレードピッチ工具係合部230、232、234が回転されると、シャフト236は、そのそれぞれのアーム120B、140B、160Bに対して負荷をかける。この実施形態の変形において、シャフト236は、アーム120B、140B、160B内にねじ込み式に受容される。ねじ式ブレードホルダ200を含む、他の変形が提供され得る。先述の実施形態のいずれかにおいて、ブレードホルダ200の位置が枢軸210の周りの回転の各方向に明確に制御されない場合、付勢要素(図示せず)が提供されて、閉鎖または傾斜付けされた位置にブレードホルダ200を付勢し得る。一実施形態においては、ブレードホルダ200が枢軸210の周りの各方向に明確に制御され得ることに留意されたい。すべての実施形態に示されるわけではないが、図3〜6について記載される先述のブレードホルダピッチ機構は、本明細書内の他の実施形態に提供され得ることが理解される。
図15は、ブレードピッチを制御するための、フレーム100Jを含む、代替的な実施形態を例証する。より具体的には、ブレードホルダ200の角形成またはピッチの変更は、装着されたねじ式シャフト302を有するブレードピッチ工具係合部230を、ピン306でブレードホルダに枢動可能に接合された対応するねじ式受容部304内で回転させることによって達成される。
ブレードピッチ工具係合部230、232、または234は、工具、例えば、アレンもしくは六角レンチを用いて係合され得るか、またはきざみ付きナットもしくは手動で係合可能な鍵を備え得る。この構成では、ブレード300は、理論上無限大の角度の範囲で傾斜付けされ得る。ブレード300が別個の停止点で傾斜付けされ得る他の実施形態が提供され得る。このように係合される工具は、開創器10のすべてもしくは部分を操作するためにも使用され得るか、または別個の工具係合部が開創器10上に提供されて、本明細書に記載される開創器10の他の構成要素の操作を可能にし得る。
図5〜6をさらに参照すると、ラチェットパウル250は、パウル枢軸252の周りを枢動可能に提供され得、パウル250は、アーム120B、140B、及び160Bを含む、歯付ラックを有する任意またはすべてのアクチュエータ、ならびにラックが形成される本明細書内のすべての他の実施形態に提供される。パウル歯254は、ラック186、188が一方向に通過することを可能するが、反対方向に通過することを可能にしないように構成された傾斜表面を有する。示される実施形態において、パウル250は、アーム120B、140B、及び160Bが互いに対して離れて移動することを可能にする。これは、治療手技中に組織を開創されたままに維持するために動作する。手技が完了したとき、または別途開創器10を取り外すことが所望されるとき、パウル250は、パウル歯254をラック186、188から切り離すために、枢軸252の周りを回転され得、その際、鍵180、182、及び184、または工具係合部190、192、もしくは194が、その連結したアームの位置を変更するために回転され得る。
代替的な実施形態において、パウル250は、パウル歯254で傾斜表面を含まず、したがって、パウルは、ラック186または188との接触によって開創されて、連結したアームの移動を可能にしなければならない。
図5〜6は、開創器10のフレーム100(または、フレーム100A、100B、及び本明細書内の他のフレーム実施形態)がテーブルまたは単一の取り付け点を有する支持構造体に取り付けられることを可能にするフレームマウント142をさらに例証する。支持継手450は、ねじ込み式または別の方法で継手450の端内に固定可能なロッド(図示せず)を用いて支持構造体に装着される。継手450は、端部から延伸するねじ式ロッド148及びナット148Aを含む。継手450は、フレームマウント142のチャンバ144内に挿入され、装着されたねじ式ロッドはノッチ146内に通される。ナット148Aが締められて、継手450をフレームマウント142に固定し、それにより、開創器10を支持構造体に固定する。例証されるフレームマウント142は、2つのノッチ146を含み、それにより、支持継手がフレームマウント142のどちらかの側に、または両側に接合されることを可能にする。図7〜9に例証されるように、2つ以上のフレームマウント142が提供されて、開創器10に複数または代替的な取り付け点を提供し得る。図7〜9では、アーム延伸部160Dが同様の装着機構を使用してアーム160Cに接合されていることが分かる。
図5〜6をさらに参照すると、カムラッチ220は、ブレードホルダ200上に回転可能に保持され、かつブレード300内のスロット(図示せず)に係合するように配向される。このように、ブレード300は、ブレードホルダ200上に解放可能に保持され、かつブレードホルダプロファイル340内で摺動することが防止される。代替的に、カムラッチ220は、ブレード300上に形成される突起(図示せず)に重なることができる。
図7〜9の実施形態は、図1〜2及び3〜6の実施形態に類似しているが、アーム120C、140Cは、アーム延伸部120D、140D、ならびにアーム継手430及び432を含む。一実施形態において、継手ブレードピッチ工具係合部430、432の回転は、ブレードピッチ工具係合部230、232に関して記載されるのと同様の様式でブレード312、314のピッチを変更するように構成される。しかしながら、対応するピッチ作動構成要素をブレード300に対して近位に配置することによって、標的治療部位上に押し付けられる構造体は少なくなり、標的領域内の可視化及び操作を向上する。ブレードホルダ200Dは、特に関節運動がブレード300装着部の近くで支持される必要がないとき、小型であるように構成される。
代替的な実施形態において、係合部430、432は、アーム120Cまたは140C内に形成されるラック上で回転するピニオンに連結される。したがって、係合部430、432の回転は、アーム延伸部120D、140Dを延伸または開創する。代替的に、係合部430、432は、一実施形態においては回転されたとき、及び別の実施形態においては緩められかつ操作されたとき、アーム延伸部120D、140Dの関節運動を可能にする。関節運動は、係合部430、432によってそれぞれ画成される、アーム延伸部120D、140Dの枢軸の周りの枢動によって実行され得る。さらにさらなる実施形態において、継手430、432は、アーム延伸部120D、140Dの迅速な交換を可能にする。さらにさらなる実施形態において、係合部430、432は、細長スロット328内に位置するねじ式シャフト(図示せず)に接合される。このように、アーム延伸部120D、140Dは、アーム120C、140Cに対して横方向に変位され得る。この実施形態の変形において、アーム延伸部120D、140Dは、細長スロット328内の横方向変位後に枢動され得る。アーム140D′及びアーム延伸部140H内に設けられる細長スロット328を有する実施形態フレーム100Hは、図16に示される。
図10を参照すると、本開示の開創器10の実施形態は、本明細書の他の場所に記載される様々な要素を組み合わせたフレーム100Eを含み、示されるように、アーム120E、140Eの相対オフセットを変更するためのサムホイール260をさらに含む。ある実施形態において、サムホイール260に回転可能に接合されたピニオン(図示せず)は、ラック186に係合して、延伸部154Eに対するアーム120Eまたは140Eの移動を引き起こす。
図10でさらに見られるように、追加の移動可能延伸部170Aは、この例では鍵184Aで制御可能な、ラック188A及びピニオン(図示せず)を備える。取り付けブロック288は、ブロック174に接合され、そうすることで延伸部170Aは、延伸部170及びアーム188とは独立して移動され得る。ある実施形態において、延伸部170Aは、支持構造体、鍵184Aの回転で移動可能なフレーム100Eに接合される。
図11〜12を参照すると、小型ブレードホルダ200Fは、開創器10の残部から延伸し、かつ任意の既知の方法を使用してそれに装着可能な取り付けブロック270を含む。ブロック270は、取り付けホルダ延伸部272を受容するようにサイズが合わせられたチャンバ274を含む。止めねじ276は、ホルダ延伸部272内にねじ込み式に保持され、及び延伸部272がチャンバ274内に挿入され、かつ止めねじ276が絞められたときに、ブロックフランジ278に対して重みをかける。代替的に、止めねじ276は、ブロックフランジ278内にねじ込みされ得る。このように、取り付けホルダ延伸部272は、ブロック270内に解放可能に固定可能であり、かつそれにより保持器10に装着可能である。ブレード係合プロファイル240は、ホルダ延伸部272から延伸し、かつ図1〜2に関して記載されるようにブレード300に接合可能である。代替的な実施形態において、ブレード300は、ホルダ延伸部272を形成し、故に、上記のようにブロック270に直接装着可能である。
ここで図12を参照すると、フレームマウント142Aは、ねじ式ねじ282(図示せず)が通され得る中心ボア280を含み、フレーム100にねじ込み式に係合する。このように、フレームマウント142Aは、ボア280によって画成される軸の周りを所望の向きに回転され得る。この実施形態において、鍵284は、ねじ282に接合され得、かつねじ282を締め、それにより、フレーム100に対するフレームマウント142Aの位置を固定するために回転され得る。
図12の実施形態において、ねじ282は、蟻継ぎ接合292を用いてフレーム100G内に保持される摺動可能なブロックにねじ込み式に係合し、かつそれにより、フレーム100内に長手方向に配置可能である。アーム160Gの延伸部170Gは、摺動可能なブロック290内に摺動可能に保持され、かつラックアンドピニオン構成を含む、本明細書の別の場所に開示される方法のいずれかを使用してブロック290内で調節され得る。示される実施形態において、ピンチボルト294は、延伸部170Gを締める、または緩めるために回転され得る。
ここで図13を参照すると、光源500は、ブレード300、またはブレードホルダ200に装着され得る。光源500は、ブレードホルダ200のブレード係合プロファイル240と嵌合可能なブレードホルダプロファイル340を備え得る。代替的に、光源500は、例えば、磁気、面ファスナー、ねじ式ファスナー、弾性装着手段、または粘着剤を含む、任意の既知の手段を使用してブレードホルダ200またはブレード300に固着され得る。光源500から発光される光の焦点の標的は、ブレードホルダ200のピッチを変更することによって、または連結したアーム120、140、160を平行移動することによって、必要に応じて調節され得る。
図14を参照すると、様々なブレード形状300が、本開示の開創器10と一緒に採用され得る。加えて、ブレード300は、図1〜2に例証されるように、ブレードホルダプロファイルを備え得るが、ブレード300は、代替的に、ブレード300の保持を確実にし、かつ回転を防止するために、ブレードホルダ200上に設けられる対応する受容部と嵌合可能であり得るスプラインシャフト370と共に構成され得る。このように、多種多様なブレード300の型及びブレード装着機構が、本開示の様々な実施形態と一緒に採用され得る。図14では、ブレード300Aは、体の骨、例えば、脊椎に係合するように構成される。含むブレード300Aは、取り付けブロック200が標的手術領域から離れて配置されることを可能にするために、372で角度付けされ、かつ骨に確実に係合及び保持する先細端322Aをさらに備える。したがって、ブレード300Aは、この実施形態では管320を形成しない。ブレード300/300Aは、様々な長さ、幅で提供され得、ならびに管320が形成される場合は、様々な長さ及び直径の管で提供され得ることも分かる。ブレード300/300Aは、例えば、幅8mm〜18mm、及び長さ110mm〜200mmを含む、様々サイズで提供され得るが、実質的により狭い、広い、短い、または長いブレードが提供され得る。2つのブレードタイプが本明細書内に例証されるが、多種多様なブレードタイプ、型、サイズ、及び長さが、本開示に従って使用され得る。
図17〜22は、本開示を実行するための3つの可能な実施形態を概略的に例証し、ここで濃い外枠は、延伸部が摺動可能であるブロックを表す。図17〜18では、図1〜2の実施形態が図示され、ここでブロック174は、延伸部154に装着され、それにより、固定された中心部を形成する。残りの構成要素、アーム120、140、及び160は、中心部上または中心部内で互いとは独立して摺動可能である。図19〜20では、延伸部154′及び154′′は、アーム120′及び140′から延伸する。延伸部154′、154′′、及び160は、ブロック174内で異なる高さオフセットで摺動し、このブロック174は単独で中心部を形成し、この中心部内で移動可能なアームが摺動する。図21〜22では、アーム120及び140は、図17〜18のように、ブロックを形成し、及びアーム160は、延伸部154に装着される延伸部160′上を摺動可能なブロック174′として形成され、延伸部160′及び154が中心部を形成し、その上を移動可能なアームが摺動する。患者の治療必要性の利益になる場合、単一のアーム120または140のみが提供され得ること、または複数のアーム120もしくは140、または複数のアーム160が提供され得ることを理解されたい。
フレーム100及びその構成の構成要素(変異形100A〜100Hを含む)は、十分な強度、耐性、生体適合性を有する金属、ポリマー、炭素繊維もしくは他の合成物、天然材料、または任意の他の材料のうちの任意の1つ以上または組み合わせから製造され得る。選択される材料は、要望に応じて、放射線透過性または放射線不透過性であり得る。
本開示に従って、本開示のフレーム100の単一の取り付け場所は、後部ブレード(例えば、316)が頭方尾方ブレード(例えば、312、314)を移動させずに割り出しされることを可能にし、ならびに頭方尾方ブレードが後部ブレードを移動させずに割り出しされることを可能にする。
図23〜31は、いくつかの実施形態に従う、代替的な開創器システムの異なる図を図示する。開創器システム610は、第1、第2、及び第3のブレード612、614、616、第1、第2、及び第3のアーム620、640、660、ならびに種々のブレード及びアームを独立して平行移動させるための種々の係合機構を含む、前の実施形態において見られるような多くの特徴部を含む。開創器システム610はまた、以下により詳細に説明されるように、運搬台アクチュエータ672及び外科手技中に異なる利点を提供する第3の(例えば、後部)ブレードアクチュエータ674を含む、多くの新規特徴部も含む。
図23は、いくつかの実施形態に従う、第1のまたは閉鎖構成にある代替的な開創器システムを図示する。開創器システム610は、1つ以上のブレードを保持し、またそれに装着させるための、第1のアーム620、第2のアーム640、及び第3のアーム660を含むフレームを備える。第1のブレードアーム613を有する第1のブレード612は、第1のアーム620に装着する。第2のブレードアーム615を有する第2のブレード614は、第2のアーム640に装着する。また第3のブレードアーム617を有する第3のブレード616は、第3のアーム660に装着する。第1のブレードアーム613は、第1の締着具621を介して第1のアーム620に装着する。第2のブレードアーム615は、第2の締着具641を介して第2のアーム640に装着する。第3のブレードアーム617は、第3の締着具661を介して第3のアーム660に装着する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のブレード612、614は、それらの移動の方向の観点から頭方尾方ブレードとみなされ得るが、第3のブレード616は、後方ブレードとみなされ得る。
開創器システム610は、第1のまたは閉鎖構成にあり、それによって、ブレード612、614、616のそれぞれは、互いに隣接している。開創器システム610は、開放性、ミニオープン、または低侵襲性切り口を通って、閉鎖構成で患者の体内に有利に送達され得る。患者の体内に入ると、ブレード612、614、616のそれぞれは、角形成することができ、それによって組織を拡幅かつ開創させることができる。さらに、アーム620、640、660(及びそれらの関連するブレード)のそれぞれは、1つ以上の方向に移動することができ、それによって、組織を拡幅かつ開創させる。いくつかの実施形態では、1つ以上のブレード612、614、616は、互いに離れる方向に角度が付けられた状態にある。他の実施形態では、1つ以上のブレード612、614、616は、互いに離れる方向に平行移動される。他の実施形態では、1つ以上のブレード612、614、616は、互いに離れる方向に角度が付けられかつ平行移動されている両方の状態にある。角形成または平行移動を介してブレードを分離させることにより、このことが第2または開放構成を作成する。
ブレード612、614、616のそれぞれは、角形成することができる。有利には、ブレード612、614、616のそれぞれは、角形成をもたらすために特有の個々の機構を有し、これにより、各ブレードは、互いに独立して角形成され得る。第1のブレードピッチ工具係合部またはブレード角度アクチュエータ630は、第1のブレード612に角形成させる。第2のブレードピッチ工具係合部またはブレード角度アクチュエータ632は、第2のブレード614に角形成させる。第3のブレードピッチ工具係合部またはブレード角度アクチュエータ634は、第3のブレード616に角形成させる。いくつかの実施形態では、ブレード角度アクチュエータ630、632、634は、手及び/または器具で角形成される。いくつかの実施形態では、ブレード角度アクチュエータ630、632、634のそれぞれは、ベースプレート内に存在する。いくつかの実施形態では、ベースプレートは軸の周りを枢動し、それによって、アクチュエータ630、632、634により引き起こされた移動に適応する。
アーム620、640、660のそれぞれは、平行移動などの移動が可能である。第1のアーム620は、第1の工具係合部またはリニアアクチュエータ690の回転を介して直線的な移動が可能である。第1のリニアアクチュエータ690は、手及び/または器具によって回転され得る。第1のリニアアクチュエータ690が回転されると、アクチュエータ690の下部が、ラックアンドピニオンシステムの一部としての歯691(図24に図示)に係合し、それによって、第1のアーム620を有利に直線的に平行移動させる。いくつかの実施形態では、第1のリニアアクチュエータ690の回転は、第1のアーム620を横方向外側に(例えば、システムのフレームを通って延伸する長手方向軸から離れる方向に)移動させ、それによって、第1のアーム620を第2のアーム640及び第3のアーム660から分離させる。第1のリニアアクチュエータ690の反対方向での回転は、第1のアーム620を横方向内側に(例えば、システムのフレームを通って延伸する長手方向軸に向かって)移動させ、それによって、第1のアーム620を第2のアーム640及び第3のアーム660へと近づける。
同様に、第2のアーム640は、第2の工具係合部またはリニアアクチュエータ692の回転を介して直線的な移動が可能である。第2のリニアアクチュエータ692は、手及び/または器具によって回転され得る。第2のリニアアクチュエータ692が回転されると、アクチュエータ692の下部が、ラックアンドピニオンシステムの一部としての歯693(図24に図示)に係合し、それによって、第2のアーム640を有利に直線的に平行移動させる。いくつかの実施形態では、第2のリニアアクチュエータ692の回転は、第2のアーム640を横方向外側に(例えば、システムのフレームを通って延伸する長手方向軸から離れる方向に)移動させ、それによって、第1のアーム620を第2のアーム640ならびに第1のアーム620及び第3のアーム660から分離させる。第2のリニアアクチュエータ692の反対方向での回転は、第2のアーム640を横方向内側に(例えば、システムのフレームを通って延伸する長手方向軸に向かって)移動させ、それによって、第2のアーム640を第1のアーム620及び第3のアーム660へと近づける。
1つ以上のアーム(例えば、第1及び第2の頭方尾方ブレードに装着する第1及び第2のアーム)の直線的横方向の平行移動に適応することに加えて、開創器システム610はまた、開創器システムの長さに沿って走行する長手方向において1つ以上のアームの直線的平行移動も提供することができる。いくつかの実施形態では、開創器システム610は、第1のアーム620及び第2のアーム640が装着される移動可能な運搬台670を作動させる運搬台アクチュエータ672を備え、それによって、第1のブレード612及び第2のブレード614を、長手方向または前/後方向に平行移動させる。いくつかの実施形態では、運搬台アクチュエータ672は、移動可能な運搬台670を、ラックアンドピニオンシステムを介して作動させる。いくつかの実施形態では、開創器システム610は、第3のアーム660の平行移動を引き起こす後部ブレードアクチュエータ674をさらに備え、それによって、第3のブレード616に長手方向または前/後方向に平行移動させる。いくつかの実施形態では、後部ブレードアクチュエータ674は、第3のアーム660をラックアンドピニオンシステムを介して作動させる。
いくつかの実施形態では、固定プレート680は、その下に位置付けられた移動可能な運搬台または移動可能な運搬台または運搬台プレート670を備えている。図23に示すように、固定プレート680は、第3のアーム660を貫通させて受容するための開口部を備える。いくつかの実施形態では、第3のアーム660は蟻継手の形態であり、それによって、これは固定プレート680と共に蟻継ぎ接合を形成する。移動可能な運搬台670は、固定プレート680の下面に位置付けらており、第1のブレード612及び第2のブレード614を、運搬台アクチュエータ672の回転を介して保持しながら、平行移動するように構成されている。固定プレート680の上面に、運搬台アクチュエータ672及び後部ブレードアクチュエータ674がそれから延伸する。
運搬台アクチュエータ672の回転は、運搬台670を長手方向または前/後方向に直線的に移動または平行移動させる。いくつかの実施形態では、固定プレート680は、定位置に留まるが、一方運搬台670は固定プレート680に対して平行移動する。運搬台670が第1のアーム620及び第2のアーム640の両方に装着されると、第1のアーム620が第1のブレード612に装着され、また第2のアーム640が第2のブレード614に装着されると同時に、運搬台670の回転が、第1のブレード612及び第2のブレード614の平行移動を引き起こす。第1の方向での運搬台672の回転は、第1及び第2のブレード(例えば、頭方尾方ブレード)612、614を第3のブレード(例えば、後部ブレード)616から離れる方向に移動させる。第2の方向での運搬台672の回転は、第1及び第2のブレード(例えば、頭方尾方ブレード)612、614を第3のブレード(例えば、後部ブレード)616に向かって移動させる。
後部ブレードアクチュエータ674の回転は、第3のアーム660を長手方向または前/後方向に直線的に移動または平行移動させる。第3のアーム660が第3のブレード(例えば、後部ブレード)616に装着されると、後部ブレードアクチュエータ674の移動が、第3のブレード616の平行移動を引き起こす。後部ブレードアクチュエータ674の第1の方向での回転は、第3のブレード616を、第1及び第2のブレード(例えば、頭方尾方ブレード)612、614から離れる方向に移動させる。後部ブレードアクチュエータ674の第2の方向での回転は、第3のブレードを、第1及び第2のブレード(例えば、頭方尾方ブレード)612、614に向かって移動させる。
運搬台アクチュエータ672及び後部ブレード674は、本システムに特有に利点を提供する。例えば、外科医は、第3のブレード616が神経(例えば、大腿神経)の隣にあるように、またはそれを遮断するように開創器システム610を位置付けてもよいが、長手方向に組織をさらに開創するようにしてもよい。開創器システム610全体を移動させるよりはむしろ、本開創器システム610は、システム全体を移動させることなく、外科医が運搬台アクチュエータ672を回転させることを簡単に可能にすることによって、第1及び第2のブレード612、614の平行移動を提供する。別の例では、外科医は、第3のブレード616が、神経(例えば、大腿神経)に近づくための空間を有しながら、第1及び第2のブレード612、614が所望に位置にあるように開創器システム610を位置付けさせてもよい。開創器システム610の全体を移動させるよりはむしろ、本開創器システム610は、システム全体を移動させることなく、外科医が後部ブレードアクチュエータ674を回転させることを簡単に可能にすることによって、第3のブレード616の平行移動を提供し、したがって外科手技中の開創器の精度を有利に向上させ、かつ時間を節約させる。
いくつかの実施形態では、追加の構成要素をフレームに装着させるために、開創器システム610は、第1の装着機構696と第2の装着機構698とをさらに含む。装着機構696、698のそれぞれは、開創器システム610の上面から延伸する。装着機構696、698は、構成要素が装着され得る延伸部または突出部を備える。図23に示すように、第1の装着部696は、第2の装着部698よりもブレード612、614、616に近くに位置付けられる。いくつかの実施形態では、第4のアーム及び/またはブレードが、第1の装着機構696に装着され得る。いくつかの実施形態では、テーブルマウント構成要素が第2の装着機構698に装着され得、これにより、ブレードを有するフレーム全体がテーブルに装着され得る。
図24は、いくつかの実施形態に従う、第2のまたは開放構成にある図23の開創器システムを図示する。この図に示すように、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、互いに離間している。いくつかの実施形態では、第1のリニアアクチュエータ690は、第1のブレード612を第2のブレード614及び第3のブレード616から離れる方向に移動または平行移動させるように回転されている。同様に、第2のリニアアクチュエータ692は、第2のブレード614を第1のブレード612及び第3のブレード616から離れる方向に移動または平行移動させるように回転されている。図23の開放構成において、ブレードは、1つ以上の器具及び/またはインプラントが開創器システム610を通って挿入され得るより大きな通路を提供する。
図25は、いくつかの実施形態による、その後部ブレードが移動された状態の異なる第2のまたは開放構成にある図23の開創器システムを示す。前図の開創器システム610と同様に、開創器システム610は、開放構成にあり、それによって、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、互いに分離されている。第1のブレード612は、第1のリニアアクチュエータ690を介して第2のブレード614及び第3のブレード616から離れる方向に移動されており、一方第2のブレード614は、第2のリニアアクチュエータ692を介して第1のブレード612及び第3のブレード616から離れる方向に移動されている。加えて、図25に示すように、第3のブレード616(例えば、後部ブレード)は、後部ブレードアクチュエータ674を介して第1及び第2のブレード612、614(例えば、頭方尾方ブレード)から離れる方向で直線的に移動されている。この図に示すように、後部ブレードアクチュエータ674の回転の際に、第3のアーム660は、開創器システム610のフレームの固定プレート680を通って後方に移動し、それによって、第3のアーム660の後方部分661が露出する。
図26は、いくつかの実施形態による、その頭方尾方ブレードが移動された状態の異なる第2のまたは開放構成にある図23の開創器システムを示す。図24の開創器システムと同様に、開創器システム610は、開放構成にあり、それによって、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、互いに分離されている。図26に示すように、運搬台アクチュエータ672は、第1のブレード612及び第2のブレー614に装着された運搬台670が直線的に平行移動されるように(例えば、前方向に)、回転されている。言い換えれば、第1及び第2のブレード612、614(例えば、頭方尾方ブレード)は、いくつかの実施形態によれば、前方にシフトされている。図26から、運搬台670が、固定プレート680に対してどのようにシフトされているかを見ることができる。加えて、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、ブレード角度アクチュエータ630、632、及び634を介して角形成されている。
図27は、いくつかの実施形態に従う、その後部及び頭方尾方ブレードが移動された状態の異なる第2のまたは開放構成にある図23の開創器システムを図示する。図24の開創器システムと同様に、開創器システム610は、開放構成にあり、それによって、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、互いに分離されている。図27に示すように、運搬台アクチュエータ672は、第1のブレード612及び第2のブレード614に装着された運搬台670が直線的に平行移動されるように(例えば、前方向に)、回転されている。言い換えれば、第1及び第2のブレード612、614(例えば、頭方尾方ブレード)は、いくつかの実施形態によれば、前方にシフトされている。図27から、運搬台670が、固定プレート680に対してどのようにシフトされているかを見ることができる。加えて、後部ブレードアクチュエータ674は、第3のブレード616(例えば、後部ブレード)が第1のブレード612及び第2のブレード614から離れる方向に(例えば、後方向に)直線的に移動されるように回転されている。図27から、第3のアーム660が、その少なくとも後方部分661が、固定プレート680からここでは露出されるようにどのように直線的に平行移動されているかを見ることができる。加えて、第1のブレード612、第2のブレード614、及び第3のブレード616は、ブレード角度アクチュエータ630、632、及び634を介して角形成されている。図24〜27の構成のそれぞれによって示すように、ブレードは、互いに対して様々な間隔及び角度を有することができる。
図28及び29は、いくつかの実施形態に従う、図23の開創器システムの上面図を図示する。図28は、固定プレート680を備えた開創器システム610を示し、一方図29は、固定プレート680が取り外された状態の開創器システム610を示す。これらの図から、様々なアクチュエータ及びノブが、開創器システムのアーム及びブレードをどのように作動かつ平行移動させるかを見ることができる。例えば、第1のリニアアクチュエータ690の回転が、どのようにアクチュエータ690の底部ギア部分が歯691に係合し(図29に全容が示される)、それによって第1のアーム620及び第1のブレード612を直線的に平行移動させるかを見ることができる。第2のリニアアクチュエータ692の回転は、同様に歯693の異なるセットに係合し(図30に全容が示される)、それによって、第2のアーム640及び第2のブレード614を直線的に平行移動させる。
図30及び31は、いくつかの実施形態に従う、その構成要素が互いに分離されている状態の図23の開創器システムの異なる上面斜視図を図示する。特に、2つの明確に区別できる部分−ブレード部分及びフレーム部分がある。ブレード部分は、ブレード612、614、616と、それらの対応のアーム613、615、617とを含み、一方フレーム部分は、固定プレート680と、運搬台670と、全てのアクチュエータノブとを含む。これらの図から、ブレード部分が、どのようにフレーム部分に形成された対応する開口部623、643、663を通って受容される第1、第2、及び第3の締着具621、641、661を介してフレーム部分に装着されるかを見ることができる。
以下は、上述した開創器システムのいずれかで使用され得る追加の有利な特徴部である。図32〜37は、1つ以上のブレードを別のものに連結させ、係合させ、または装着させるブレード係合機構を例証する。1つ以上の嵌合タブの形態とすることができるこれらの係合機構は、特にこれらが閉鎖構成にあるとき、ブレード間の移動を抑制するよう有利に役立つ。図38〜41は、ドッキングピンなどのドッキング要素を受容するための1つ以上の内スリーブを含む開創器ブレードを例証する。ドッキングピンは、ブレードを椎骨に固定するよう遊離に役立つことができ、それによって、手術中にブレードを安定化させる助けとなる。図42〜46は、ブレードに滑り込むことができ、それによってブレードの先端部を広げる摺動可能な延長シムを示す。延長シムは、組織クリープが発生することを防止するためにブレードの先端部を広げるように有利に働く。図47及び48は、ブレードに滑り込むことができ、それによってブレードの幅を広げる摺動可能な拡幅シムを示す。拡幅シムは、組織クリープが発生することを防止するためにブレードの幅を広げるように有利に働く。図49〜51は、ブレードに滑り込むことができる摺動可能な椎板シムを示す。この椎板シムは、ブレードを椎間腔内に有利に係留させ、それによって開創器システムにより大きな安定化をもたらし、また開創器システムの標的部位から移動する可能性を低減する。これらの特徴部は、以下により詳細に説明される。
図32〜37は、1つ以上のブレードを別のものに連結させ、係合させ、または装着させるブレード係合機構を例証する。図32は、本開示の一実施形態による、外科手技において患者の身体組織を開創するために使用することができる開創器システム700の一部の上面図を例証する。この図から、第1のブレードアーム710、第2のブレードアーム720、及び第3のブレードアーム730などのフレームの対応のアームに装着するブレードアームを見ることができる。第1のブレードアーム710は、第1の締着具721を介してフレームの第1のアームに装着することができる。第2のブレードアーム720は、第2の締着具741を介してフレームの第2のアームに装着することができる。第3のブレードアーム730は、第3の締着具761を介してフレームの第3のアームに装着することができる。
いくつかの実施形態では、第1のブレードアーム710は、第1のブレードアーム710内に配設された第1のブレード712を有することができ、第2のブレードアーム720は、第2のブレードアーム720内に配設された第2のブレード722を有することができ、第3のブレードアーム730は、第3のブレードアーム730内に配設された第3のブレード732を有することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2のブレード712、722は、頭方/尾方ブレードと見なすことができ、一方第3のブレード732は後部ブレードと見なすことができるが、他の配向及び使用も企図される。いくつかの実施形態では、各ブレードは、別のブレードを割り出しする必要なしに自由に平行移動または割り出しされ得る。ある実施形態では、ブレードアーム710及び720は横方向に位置し、ブレードアーム730は他のアームに対して中央に位置するが、他の相対的配置が本開示内では企図される。
いくつかの実施形態では、開創器システム700は、所望の位置に調節され、その後手術室内の手術台または他の物体に取り外し可能に固定されるように構成することができる。開創器システム700のうちの1つ以上の固定は、例えば、手術室テーブルクランプ、開創器テーブルアーム、アームクランプ、フレームクランプ、または他の類似の装置のうちの1つ以上を使用して達成することができる。ブレードアーム710、720、及び730は、互いに対して移動可能であるように各々直線的に平行移動可能である。いくつかの実施形態では、ブレードアーム710及び720は、互の鏡像とすることができるが、これは必要条件ではない。
いくつかの実施形態では、1つ以上のブレード712及び722は、開創器システムの設置中に、または手技中に、1つのブレードを別のものに係合させるために係合機構750を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのブレードは、別のブレードの開口部、凹部、またはスロット内に嵌る嵌合可能なタブ、突起部、または延伸部を備える。例えば、ブレード712は、ブレード712の長さに沿って延伸することができるタブ752を有することができ、ブレード722は、ブレード722の対応する長さにおいてタブ752を受容することができるスロット754を有することができる。いくつかの実施形態では、タブ752は、ブレード712に一体化されるか、または別々の構成要素とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、タブ752は、ブレード712と一体成形することができるか、またはブレード712に溶接することができる。いくつかの実施形態では、スロット754は、タブ752がスロット754によって嵌合受容されるように、タブ752と機能的に係合するように構成することができる。係合機構750は、ブレード712をブレード722に係合された状態を保持することによって、開創器システム700を安定化させることができ、開創器システム700の設置中または手術中などのアーム710とアーム720との間の安定性をもたらすことができる。
種々の係合機構が本開示により企図され、本明細書に記載されるタブ752及びスロット754機構に限定されない。係合機構750は、1つのブレードを他のものに係合させ、嵌合させ、または係止させて、例えば、手技中または開創器の設置中に、1つのブレードの他のものに対する移動を防止することができる。いくつかの実施形態では、スロット及びピン、ねじ穴のねじ、磁石、またはブレード712をブレード722に係合させるかもしくは固定させる他の機構などの、他の係合機構を使用することができる。係合機構は、ブレードと一体化することができるか、または別々の構成要素とすることができる。
図32〜34は、本開示の一実施形態に従う、「閉鎖」または非開創の構成にある開創器システム700を例証する。閉鎖構成において、第1のブレード712、第2のブレード722、及び第3のブレード732は、中心ボア740の周りに軸方向に設けられて、実質的に閉鎖管状構造体を形成する。これらのブレードは各々独立して、傾斜付けまたは平行移動され得、及び独立して、他のブレードに対して傾斜付けまたは平行移動され得る。
いくつかの例示の実施形態では、図35〜37に示すように、開創器システム800は、2つのブレード構成を備えることができる。開創器システム800は、第1のブレードアーム810から延伸する第1のブレード812と、第2のブレードアーム820から延伸する第2のブレード822とを備えることができる。いくつかの実施形態では、ブレード812及び822は、開創器の設置中に、または手技中に、1つのブレードを別のものに対する移動を防止するために、係合機構830を有することができる。例えば、ブレード812は、ブレード812の長さに沿って延伸することができるタブ832を有することができ、ブレード822は、ブレード822の対応する長さにおいてタブ832を受容することができるスロット834を有することができる。いくつかの実施形態では、スロット834は、タブ832がスロット834によって嵌合受容されるように、タブ832と機能的に係合するように構成することができる。
図38〜41は、ドッキングピンなどのドッキング要素を受容するための1つ以上の内スリーブを含む開創器ブレードを例証する。いくつかの実施形態では、開創器システム900は、本明細書に提供されるドッキングピンスリーブ920を含む1つ以上のブレード910を備える。ドッキングピンスリーブ920は、関連するブレード910の内壁に設けられ得る。いくつかの実施形態では、ドッキングピンスリーブ910は、ブレード910の名壁に沿って形成されたスロット930内に受容され得る。いくつかの実施形態では、スロット930は、要望に応じてブレード310に滑り込むために、種々の器具を許容することができる。いくつかの実施形態では、ドッキングピンは、スロット930に沿ってドッキングピンスリーブ920内に受容される。ドッキングピンは、外科手技に備えて、または外科手技中に、有利に骨に係合することができ、それによって、関連する開創器ブレードを安定化させる助けとなる。
図38に示した線A−Aの断面図である図39に示すように、いくつかの実施形態では、ドッキングピンスリーブ920は、ドッキングピンの配置を可能にする、ブレード910内の中空シャフトとすることができる。いくつかの実施形態では、ドッキングピンスリーブ920は、中空円筒体であるが、一方他の実施形態では、これは、正方形または矩形などの他の形状とすることができる。図38にした線B−Bの断面図である図40に示すように、いくつかの実施形態では、ドッキングピンを収容するために、1つ以上の孔926がドッキングピンスリーブ920の壁922、924内に設けられている。
図41は、いくつかの実施形態に従う、ドッキングピンスリーブの内部のドッキングピンを図示する。ヘッド部分とねじ付きシャフトとを備えることができるドッキングピン950は、ドッキングピンスリーブ920を通って挿入され得る。ドッキングピン950は、ドッキングピンスリーブ920に滑り込むことができ、開創器ブレードを骨に係留させるために椎体に螺入され得る。
図42〜46は、ブレードに滑り込むことができ、それによってブレードの先端部を広げる摺動可能な延長シムを示す。延長シムは、組織クリープが発生することを防止するためにブレードの先端部を広げるように有利に働く。いくつかの例示の実施形態では、図42〜46に示すように、延長シムは、ブレード内に提供され得る。例えば、ブレード1010は、開創器システムのフレームに装着されるであろうブレードアーム1000から延伸することができる。
スロット1020は、開創器システムの設置中及び設置後の種々の手技で使用するための器具のスロットへの滑り込みのために、ブレード1010内に提供され得る。いくつかの実施形態では、延長シム1030は、ブレード1010内に提供され得る。延長シム戻り止めタブ1040(図44に図示)は、開創器アーム1000から延伸する延長シム1030の高さを調節するために、延長シム1030上に設けられ得る。いくつかの例示の実施形態では、1つ以上の戻り止め停止部1050(図44に図示)は、延長シム1030の高さを調節するために、延長シム戻り止めタブ1040に係合するようにブレード1010内に提供され得る。任意の個数の戻り止め停止部1050は、任意の固定の増分位置で提供することができ、本開示は、戻り止め停止部1050の任意の特定の個数またはそれらの間の距離に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、4つの戻り止め停止部1050は、2.5ミリメートルの増分で設けられ得、ここでは、上部戻り止め停止部1050は、延長シム1030及びブレード1010を開創器アームの底部とぴったりと重なるように維持するであろうし、底部戻り止め停止部1050は、延長シム1030及びブレード1010を10ミリメートルの距離で開創器アーム1000の下に延在させるであろう。言い換えれば、延長シム1030は、停止部間で走行される距離が、延長シム1030がブレードの下を走行することができる距離として機能する状態で、漸増式に(例えば、ミリメートルで)移動することができる。延長シム1030は、ブレード1040の先端部を漸増式に有利に広げることができ、ブレード1010の下の組織クリープを防止することができる。延長シム取り外し孔1060は、取り外し工具を使用して、延長シム戻り止めタブ1040を戻り止め停止部1050から係脱させるために提供され得る。
図47及び48は、ブレードに滑り込むことができ、それによってブレードの幅を広げる摺動可能な拡幅シムを示す。拡幅シムは、組織クリープが発生することを防止するためにブレードの幅を広げるように有利に働く。いくつかの例示の実施形態では、図47及び48に示すように、拡幅シムは、ブレード内に提供され得る。例えば、拡幅シム1110は、1つ以上のブレードの下に配送することができる。拡幅シムは、特にこれらが開放構成にあるとき、組織が隣接するブレード間でクリープすることを防止する。拡幅シム1110は、ブレード1100内に形成されたスロット1120の下に摺動可能に提供され得る。拡幅シムは、任意の長さとすることができ、いくつかの実施形態では、1〜2インチである。いくつかの例示の実施形態では、1つ以上の戻り止め停止部は、ブレード1100の幅に沿って設けられ、1つ以上の拡幅シム戻り止めタブに係合して、拡幅シム1110を調節することができる。任意の個数の戻り止め停止部は、任意の固定の増分位置で提供することができ、本開示は、戻り止め停止部の任意の特定の個数またはそれらの間の距離に限定されない。例えば、いくつかの例示の実施形態では、10個の戻り止め停止部を1ミリメートルの増分で設けられ得、拡幅シム1110を、ブレード縁部を超えて合計で10ミリメートル延ばすことを可能にする。いくつかの実施形態では、拡幅シム1110は、ブレード1100の側部の周辺の下の組織クリープを有利に防止かつブロックすることができる。拡幅シム取り外し孔は、取り外し工具を使用して、拡幅シム戻り止めタブを戻り止め停止部から係脱させるために提供され得る。
図47に示すように、開創器1160が設置されると、ブレード1162、1164は、閉鎖から開放(または開創)位置まで移動することができる。間隙1170が、隣接するブレード1162、1164間に存在し得る。拡幅シム1110は、ブレード1162に滑り込むことができる。拡幅シム1110は、間隙1170の間で延伸する壁を含み、それによって、クリープが間隙1170内で発生することを防止する。いくつかの実施形態では、拡幅シムはまた、ブレード1164内にも設けられ、アーム1162内でブレードに向かって延伸することができる。例えば、開創器が開放されるとき、拡幅シム1110よりも大きい距離が、ブレード1162で延伸することができ、ブレード1164の第2の拡幅シムは、ブレード1162を過ぎてブレード1162に向かって伸びることができる。いくつかの例示の実施形態では、神経モニタリングのために、エッチング領域1150をブレード先端部1140に沿って提供され得る。
図49〜51は、ブレードに滑り込むことができる摺動可能な椎板シムを示す。いくつかの実施形態では、椎板シムが設けられ、開創器の後部ブレードが椎間腔内に係留されることを補助する。これは、開創器のさらなる安定化及び開創器の初期標的から移動する低い可能性を提供し得る。例えば、図49〜51を参照すると、椎板シム1210は、上部1225とより狭い下部1215とを有し得る。より狭い下部1215は、後部ブレード1220のスロット1230内に挿入され得、上部は、後部ブレード1220の縁部の周りにそれを定位置に維持するために巻き付くことができる。図51に示すように、椎板シム1210が後部ブレード1220に椎体まで滑り込むと、係止タブ1260が後部ブレード1220の外縁部上に設けられ、椎板シム1210の上部1225に係合して、椎板シム1210が完全に拡幅されると椎板シム1210を定位置に係止することができ、椎板シム1210が上方に移動することを防止することができる。さらに、停止部1270は、椎板シム1210の上部1225に係合し得る後部ブレードの外縁部に沿って提供することができ、椎板シム1210がブレード1220の先端部1235をはるかに超えて遠位方向に下方に進行することを防止することができる。より狭い下部1215は、後部ブレード1220が椎間腔内に係留されることを可能にし得る。いくつかの例示の実施形態では、椎板シム1210は、取り外し工具を用いることによって、椎板シム1210の縁部を外向きに変位させるスロットを有し得る。取り外し工具は、椎板シム1210に螺入されて係止タブ1260を係脱させ、椎板シム1210を容易に取り外させる。
開創器及びシムの種々の構成が企図され、図面を参照して記述された実施形態によって限定されない。例えば、開創器及びシムの種々のサイズ、形状、及びタイプが企図され、種々の材料が種々の部品を構築するために使用することができる。例えば、開創器100及びその構成の構成要素は、十分な強度、耐性、及び生体適合性を有する金属、ポリマー、炭素繊維もしくは他の合成物、天然材料、または任意の他の材料のうちの任意の1つ以上または組み合わせから製造され得る。選択される材料は、要望に応じて、放射線透過性または放射線不透過性であり得る。本開示の例示の実施形態は、開創器のブレードの安定性を提供すること、開創器を固定すること、及び組織クリープを防止することなど、種々の利点を提供する。
本明細書に引用されるすべての参照は、それらの全体が、参照により本明細書に明らかに組み込まれる。本発明は、上記本明細書内に具体的に示され、記載されているものに限定されないことが、当業者により理解されるものとする。加えて、上記で別の記述がない限り、添付の図面のすべては、縮尺通りでないことに留意されたい。本発明に対する多くの異なる機能が存在し、これらの機能は、一緒または別個に使用され得ることが企図される。したがって、本発明は、機能の任意の特定の組み合わせ、または本発明の特定の用途に限定されるものではない。さらに、本発明の趣旨及び範囲内の変形及び修正が生じ得ることが、本発明が関連する当業者には理解されたい。したがって、本発明の範囲及び趣旨内にある、本明細書内に明記される開示から当業者により容易に達成可能なすべての便宜的な修正は、本発明のさらなる実施形態として含まれるものとする。
本開示の外科用開創器ブレードホルダを図示するものであり、ブレードは、カニューレに準じた構成で保持される。
図1の開創器を図示するものであり、ブレードは、治療手技において身体の組織を開創するように動作的な様式で相対的に分離される。
本開示の開創器を図示するものであり、開創器のブレードを分離するための手動で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
図3の開創器を図示するものであり、ブレードは開放構成にある。
本開示の代替的な開創器を図示するものであり、工具で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
図5の開創器を図示するものであり、ブレードは開放構成にある。
本開示の代替的な開創器を図示するものであり、本開示の関節運動ブレード保持アーム、及び複数のフレームマウントを含む。
図7の開創器の上面図を図示する。
図7の開創器の上面図を図示するものであり、ブレードは開放位置にある。
本開示の開創器の代替的な実施形態を図示するものであり、サムホイール操作式のラックアンドピニオン調節機構を例証する。
本開示のブレード取り付け構成を図示する。
本開示の開創器に接合された、図11のブレード取り付け構成を図示するものであり、開創器は本開示の代替的なフレームマウントと共に構成される。
本開示のブレードホルダによって保持される光源を図示する。
本開示の代替的なブレードタイプ及び代替的なブレード取り付け構成を図示する。
本開示の代替的なブレードピッチ機構を図示する。
本開示に従う関節運動ブレード保持アームを図示する。
開放構成にある、図1〜2の開創器の操作構成の図である。
閉鎖構成にある、図17の開創器を図示する。
開放構成にある、本開示の代替的な開創器の図である。
閉鎖構成にある、図19の開創器を図示する。
開放構成にある、本開示の別の代替的な開創器の図である。
閉鎖構成にある、図21の開創器を図示する。
いくつかの実施形態に従う、閉鎖構成にある代替的な開創器システムを図示する。
いくつかの実施形態に従う、開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
いくつかの実施形態に従う、その後部ブレードが移動された状態の開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
いくつかの実施形態に従う、その頭方尾方ブレードが移動された状態で開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
いくつかの実施形態に従う、その後部及び頭方尾方ブレードが移動された状態で開放構成にある図23の開創器システムを図示する。
いくつかの実施形態に従う、図23の開創器システムの上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、固定プレートが取り外された状態の図23の開創器システムの上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、その構成要素が互いに分離されている状態の図23の開創器システムの上面斜視図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、その構成要素が互いに分離されている状態の図23の開創器システムの異なる上面斜視図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある三ブレード開創器システムの一部の上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、一部が取り外されており、嵌合可能なブレード特徴部を示している状態の図32の開創器システムの上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある三ブレード開創器システムの一部の正面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある二ブレード開創器システムの一部の上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、一部が取り外されて、嵌合可能なブレード特徴部を示している状態の図35の開創器システムの上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、閉鎖または非開創位置にある二ブレード開創器システムの一部の正面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、ドッキングピンスリーブを有するブレードを図示する。
図38の線A−Aに沿って取られた断面図を図示する。
図38の線B−Bに沿って取られた断面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、ドッキングピンスリーブの内部のドッキングピンを図示する。
いくつかの実施形態に従う、延長シムを有するブレードを図示する。
図42の線A−Aに沿って取られた断面図を図示する。
図42の線B−Bに沿って取られた断面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを図示する。
図45の拡幅シムを有するブレードの上面斜視図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを含む開創器システムの一部の上面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、拡幅シムを有するブレードを含む開創器システムの一部の側面図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、椎板シムを含むブレードの一部の斜視図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、椎板シムから分離されたブレードの図を図示する。
いくつかの実施形態に従う、椎板シムを有するブレードの正面図を図示する。