JP6762091B2 - 外部からピックアップされたマイクロホン信号の上に空間聴覚キューを重ね合わせる方法 - Google Patents

外部からピックアップされたマイクロホン信号の上に空間聴覚キューを重ね合わせる方法 Download PDF

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Description

本開示は、聴覚器具において、外部からピックアップされた音響信号に対して空間聴覚キューを重ね合わせる方法の第1の態様に関する。本方法は、外部のマイクロホン構成により外部マイクロホン信号を生成するステップと、第1のワイヤレス通信リンクを経由して第1の聴覚器具のワイヤレス・レシーバに対して外部マイクロホン信号を送信するステップとを含む。さらに、本方法のステップは、外部マイクロホン信号と、第1の聴覚器具の第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の空間合成フィルタにより、外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップとを含む。
聴覚器具または補聴器は、一般的に、音声信号や音楽信号などの入力音の受信のための1つまたは複数のマイクロホンを含んでいるマイクロホン構成を備えている。入力音は、1つまたは複数のあらかじめ設定されたリスニング・プログラム(単数または複数)のパラメータ設定に従って、聴覚器具の制御回路および処理回路の中で増幅され、処理される1つまたは複数の電気マイクロホン信号に変換される。各リスニング・プログラムについてのパラメータ設定は、一般的に、例えば、オーディオグラムの形で表される聴覚障害のある個人に特有の聴覚欠損または聴覚損失から計算されている。聴覚器具の出力増幅器は、ミニチュア・スピーカ、レシーバ、場合によっては電極アレイなどの出力トランスデューサを経由して、処理された、すなわち、聴覚損失が補償されたマイクロホン信号をユーザの外耳道へと送り出す。ミニチュアのスピーカまたはレシーバは、マイクロホン構成と一緒に聴覚器具のハウジングまたはシェルの内側に配列され、あるいは聴覚器具のイヤ・プラグまたはイヤホンの中に別々に配列されることもある。
聴覚障害者は、一般的に、その損失が、問題になっている音の周波数と、音のレベルとの両方に依存している、聴覚感度の損失に悩まされている。それゆえに、聴覚障害者は、正常聴覚者と同様に、ある種の周波数(例えば、低い周波数)を聞くことができるが、他の周波数(例えば、高い周波数)では正常聴覚者と同じ感度で音を聞くことができない可能性がある。同様に、聴覚障害者は、正常聴覚者と同じ強度で、例えば、90dBのSPLよりも大きな音を知覚することができるが、依然として、正常聴覚者と同じ感度で小さい音を聞くことができない可能性がある。したがって、後者の状況では、聴覚障害者は、ある種の周波数において、またはある種の周波数帯域においてダイナミック・レンジの損失に悩まされている。
聴覚障害者についての上記で述べられた周波数依存の聴覚損失と、レベル依存の聴覚損失とに加えて、損失は、多くの場合に、例えば、複数人の同時的な会話および/または雑音音源がある雑音環境において、競合する、または干渉する音源を区別する能力の低減をもたらすこともある。健全な聴覚システムは、そのような悪いリスニング条件の下で、競合する、または干渉する音源の間で区別するために、よく知られているカクテル・パーティ効果を用いる。リスナーの耳における音の信号対雑音比(SNR:signal−to−noise ratio)は、例えば、およそ0dBの近くで、非常に低い可能性がある。カクテル・パーティ効果は、とりわけ、競合する、または干渉する音源の中の空間聴覚キューを用いて、競合する音源の空間ローカライゼーションに基づいて区別を実行する。そのような悪いリスニング条件の下では、聴覚障害のある個人の耳で受信される音のSNRは、非常に低くなり、聴覚障害者は、競合する音源からの異なる音響ストリームを区別するために、空間聴覚キューを検出し、使用することができない可能性がある。これは、正常聴覚対象者に比べて、多数の聴覚障害者にとって、雑音のある音響環境において、音声を聴取し、また理解することに対する重度に悪化された能力である。
非常に多数の先行技術のアナログ補聴器およびデジタル補聴器は、雑音のある音響環境における上記の識別された聴覚欠損を軽減するように設計されている。問題に対処する共通の方法は、強化された指向性を提供するために、様々なタイプの固定されたビーム形成や適応ビーム形成など、補聴器マイクロホン信号(単数または複数)に対してSNR強化技術を適用されている。これらの技術は、ワイヤレス技術に基づいたものであってもなくても、限られた効果を有することしか示されていない。ワイヤレスの補聴器の技術およびアクセサリが導入されると、ある種のリスニング状況において、ターゲットの音源の近くに、またはターゲットの音源上に、すなわち、ベルト・クリップまたはシャツ・クリップを経由して、外部マイクロホン構成を配置することが可能になる。外部マイクロホン構成は、例えば、教室環境の中の教師などの話者の近くに配置されるポータブル・ユニットの中に収容されてもよい。ターゲットの音源に対してマイクロホン構成を近づけることによって、聴覚器具のマイクロホン(単数または複数)で記録され/受信される同じターゲットの音響信号のSNRよりもかなり高いSNRを有するターゲットの音響信号を有する外部マイクロホン信号を生成することが可能である。外部マイクロホン信号は、適切な1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを経由して、左耳および/または右耳の聴覚器具(単数または複数)のワイヤレス・レシーバに送信される。1つまたは複数のワイヤレス通信リンクは、独占所有権のある、またはブルートゥースなどの業界標準ワイヤレス技術に基づいていてもよい。1つまたは複数の聴覚器具は、その後に、適切なプロセッサと、出力トランスデューサとを経由して、SNRが改善されたターゲットの音響信号を有する外部マイクロホン信号を補聴器のユーザの耳に対して再び生成する。
しかしながら、そのような先行技術の外部マイクロホン構成によって生成される外部マイクロホン信号は、音場におけるその離れた位置、またはリモート位置のために、空間聴覚キューを欠いている。この離れた位置、またはリモート位置は、一般的に、例えば、5メートルまたは10メートル以上離れて、補聴器のユーザの頭および耳からずっと遠くにある。1つまたは複数の聴覚器具における、外部マイクロホン信号の再生成中のこれらの空間聴覚キューの欠如は、ターゲットの音源の人工的で不愉快な知覚をもたらす。音源は、補聴器のユーザの頭の内側に配置されているように見える。それゆえに、より自然な音響知覚を補聴器のユーザまたは患者に提供する適切な空間キューで、外部で記録され、またはピックアップされた音響信号を再生成することができる信号処理方法、聴覚器具および補聴器システムを提供することが有利である。この問題は、聴覚器具でリモートにピックアップされたマイクロホン信号の再生成に関連して、リモートに記録され、またはピックアップされたマイクロホン信号の上に適切な空間聴覚キューを生成すること、および重ね合わせることにより、本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態によって対処され、また解決されている。
第1の態様は、聴覚器具において外部からピックアップされた音響信号に対して空間聴覚キューを重ね合わせる方法であって、
a)衝突音に応じて、音場の中に配置される外部マイクロホン構成により、外部マイクロホン信号を生成するステップと、
b)第1のワイヤレス通信リンクを経由して、第1の聴覚器具のワイヤレス・レシーバに外部マイクロホン信号を送信するステップと、
c)外部マイクロホン信号を受信することと同時に、第1の聴覚器具のマイクロホン構成により、第1の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第1の聴覚器具は、ユーザの左または右の耳に、または耳の中で音場の中に配置される、第1の補聴器マイクロホン信号を生成するステップと、
d)外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、
e)第1の聴覚器具において、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと
を含む方法に関する。
本開示は、第1の補聴器または聴覚器具のマイクロホン構成を通する代わりに、離れて配置された外部マイクロホン構成を経由して再生成されるときに、ターゲットの音源の人工的で不愉快な内在された知覚を有するという上記で考察された先行技術の問題に対処し、また問題を解決する。いくつかの実施形態に従って周波数応答特性または第1の空間合成フィルタの等価的なインパルス応答特性の決定は、適切な空間聴覚キューが、受信された外部マイクロホン信号に対して追加され、または重ね合わされることを可能にする。これらの空間聴覚キューは、第1の聴覚器具が、配列される聴取しているユーザの頭に対して、ターゲットの音源の真の空間位置から伝搬する音によって生成されるであろう聴覚キューに大いに対応している。外部マイクロホン構成とターゲットの音源とが近接することによって、ターゲットの音響信号が、一般的に、第1の補聴器マイクロホン信号のマイクロホン構成によってピックアップされるターゲットの音よりもかなり高い信号対雑音比を有することを保証する。第1の聴覚器具のマイクロホン構成は、このマイクロホン構成が、場合によっては、補聴器のユーザの左または右の耳にまたは耳の中に配置されるように、第1の聴覚器具のハウジングまたはシェルの内部に収容されることが好ましい。当業者なら、第1の聴覚器具が、いわゆるBTEタイプ、ITEタイプ、CICタイプ、RICタイプなど、異なるタイプの聴覚器具を備えていてもよいことが理解できるであろう。それゆえに、第1の聴覚器具のマイクロホン構成は、ユーザの耳殻の背後、ユーザの外耳の内側、ユーザの外耳道の内側など、ユーザの耳にまたはユーザの耳の中の様々なロケーションに位置している可能性がある。
第1の空間合成フィルタが、ユーザの他の耳においてピックアップされる第2の補聴器マイクロホン信号なしに、ただ、第1の補聴器マイクロホン信号と、外部マイクロホン信号とから決定され得ることが、重要な利点である。それゆえに、第1のまたは左耳の聴覚器具と、第2のまたは右耳の聴覚器具との間の第1の補聴器マイクロホン信号と第2の補聴器マイクロホン信号とについてのバイノーラル方式の通信についての必要性は存在していない。第1の聴覚器具と第2の聴覚器具との間のこのタイプの直接通信は、問題になっている聴覚器具の増大させられた消費電力と複雑さとをもたらす第1の聴覚器具と、第2の聴覚器具とのうちの少なくとも一方において、ワイヤレス・トランスミッタの存在を必要とするであろう。
本方法は、
f)第1の聴覚器具の第1の聴覚損失補償された出力信号を生成するために、ユーザの個別の聴覚損失データに従って、第1の補聴器信号プロセッサにより、第1の合成されたマイクロホン信号を処理するステップと、
g)第1の出力トランスデューサを通してユーザの左耳または右耳に対して、第1の聴覚損失補償された出力信号を再生成するステップと、
をさらに含むことが好ましい。第1の出力トランスデューサは、第1の聴覚器具のハウジングまたはシェルの内側に配列され、あるいは第1の聴覚器具のイヤ・プラグまたはイヤホンの中に別々に配列されるミニチュアのスピーカまたはレシーバを備えていてもよい。第1の補聴器信号プロセッサの特性は、以下で考察される。
本方法の別の実施形態は、左耳または第1の聴覚器具と、右耳または第2の聴覚器具とのためにリモートにピックアップされた音響信号に対してそれぞれの空間聴覚キューを重ね合わせるステップを含んでいる。この実施形態は、ターゲットの音源のターゲットの音など、音場の中で伝搬する音響学信号のバイノーラル方式の処理に関連する利点を活用するために、聴覚障害のある個人に対してバイノーラル方式の空間聴覚キューを生成してもよい。リモートにピックアップされた音響信号に対して空間聴覚キューを重ね合わせるこのバイノーラル方式の方法は、
b1)第2のワイヤレス通信リンクを経由して第2の聴覚器具のワイヤレス・レシーバに外部マイクロホン信号を送信するステップと、
c1)外部マイクロホン信号を受信することと同時に第2の聴覚器具のマイクロホン構成により、第2の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第2の聴覚器具は、ユーザの他の耳にまたはユーザの他の耳の中de音場の中に配置される第2の補聴器マイクロホン信号を生成するステップと、
d1)外部マイクロホン信号と第2の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、
e1)第2の聴覚器具において、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第2の空間合成フィルタを用いて、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと、
をさらに含む。このバイノーラル方式の方法は、
f1)第2の聴覚器具の第2の聴覚損失補償された出力信号を生成するために、ユーザの個別の聴覚損失データに従って、第2の聴覚器具の第2の補聴器信号プロセッサにより、第2の合成されたマイクロホン信号を処理するステップと、
g1)第2の出力トランスデューサを通して、ユーザの他の耳に対して、第2の聴覚損失補償された出力信号を再生成するステップと、
のさらなるステップを実行することを含むことができる。
本方法の一実施形態においては、第1の合成されたマイクロホン信号を処理するステップは、
聴覚損失補償された出力信号を生成するために、第1の比率で、第1の合成されたマイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを混合するステップ
を含んでいる。そのような一実施形態によれば、第1の合成されたマイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号との混合するステップは、第1のマイクロホン信号の信号対雑音比に依存して、第1の合成されたマイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号との間の比率を変化させるステップを含んでいる。第1の合成されたマイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とのこの混合に関連するいくつかの利点は、添付の図面に関連して以下で詳細に考察される。
当業者なら、上記のステップd)および/またはステップd1)に従って、第1の空間合成フィルタの応答特性について決定するために、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づける非常に多数の方法が存在することを理解するであろう。本方法の一実施形態において、外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号との相関に基づいて、これらの信号の間の時間遅延を決定する。この実施形態は、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との相互の相関に基づいて外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間のレベル差を決定するステップと、決定された時間遅延と、決定されたレベル差とを乗算することにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップとをさらに含む。
外部マイクロホン信号、s(t)、と、第1の補聴器マイクロホン信号、s(t)、との相互相関は、以下の数式に従って、実行されてもよい。
Figure 0006762091
外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の時間遅延τは、相互相関r(t)から、すなわち以下の数式から決定される。
Figure 0006762091
外部マイクロホン信号s(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)との間のレベル差、A、を決定するステップは、以下の数式に従って、実行されてもよい。
Figure 0006762091
最終的に、第1の空間合成フィルタの応答特性を表す第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)は、以下の数式に従って、決定されてもよい。
Figure 0006762091
第1の合成されたマイクロホン信号は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を用いて外部マイクロホン信号を畳み込む、さらなるステップにより、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)からタイム・ドメインに生成されることもある。当業者であれば、第1の合成されたマイクロホン信号が、例えば、第1の空間合成フィルタのDFT表現またはFFT表現と、外部マイクロホン信号とにより、第1の空間合成フィルタの対応する周波数応答と、外部マイクロホン信号の周波数ドメイン表現とから生成されることもあることを理解するであろう。
本方法の代替的な一実施形態においては、上記のステップd)および/またはステップd1)に従って、第1の空間合成フィルタの応答特性について決定するために、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との相関は、以下の数式に従って、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を決定するステップを含んでおり、そこでは、g(t)は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を表している。
Figure 0006762091
後者の実施形態の重要な利点は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)が、第1の聴覚器具、および/または第2の空間合成フィルタについての第2の聴覚器具の適切に構成され、またはプログラムされた信号プロセッサにより、対応する適応フィルタとしてリアル・タイムに計算され得ることである。g(t)の問題解決手法は、適応フィルタの出力として第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の適応フィルタによって外部マイクロホン信号に適応的にフィルタをかけるステップと、エラー信号を生成するために、第1の補聴器マイクロホン信号から、第1の適応フィルタによって出力される第1の合成されたマイクロホン信号を差し引くステップとを含んでいてもよく、エラー信号を最小にするために、所定の適応アルゴリズムに従って、第1の適応フィルタのフィルタ係数を適応させている。第1の空間合成フィルタのこれらの適応フィルタ・ベースの実施形態は、添付図面に関連して、以下で詳細に考察される。
第2の態様は、第1の聴覚器具と、ポータブル外部マイクロホン・ユニットとを備えている補聴器システムに関する。ポータブル外部マイクロホン・ユニットは、
衝突音に応じて、外部マイクロホン信号についての音場の中の配置と、生成とのためのマイクロホン構成と、
第1のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を送信するように構成された第1のワイヤレス・トランスミッタと
を備えている。補聴器システムの第1の聴覚器具は、
ユーザの左耳または右耳に、またはユーザの左耳または右耳の中の配置のように構成された補聴器のハウジングまたはシェルと、
第1のワイヤレス通信リンクを経由して、外部マイクロホン信号を受信するように構成された第1のワイヤレス・レシーバと、
外部マイクロホン信号の受信と同時に、音響に応じて第1の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第1の補聴器マイクロホンと、
外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第1の信号プロセッサとを備えている。第1の信号プロセッサは、さらに、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の空間合成フィルタによって受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている。
上記で考察されるように、補聴器システムは、第1の聴覚器具が、ユーザの左耳または右耳に、またはユーザの左耳または右耳の中に配列され、また第2の聴覚器具が、ユーザの他の耳に、またはユーザの他の耳の中に配置されるように、外部マイクロホン信号のバイノーラル方式の使用と、処理とのために構成されていることもある。それゆえに、補聴器システムは、
ユーザの他の耳における、またはユーザの他の耳の中の配置のために構成された第2の補聴器のハウジングまたはシェルと、
第2のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するように構成された第2のワイヤレス・レシーバと、
外部マイクロホン信号の受信と同時に、音響に応じて第2の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第2の補聴器マイクロホンと、
外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第2の信号プロセッサと
を備えている第2の聴覚器具を備えていることができ、そこでは、第2の信号プロセッサは、さらに、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第2の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている。
第1および/または第2の信号プロセッサのおのおのについての信号処理機能は、専用のデジタル・ハードウェアにより、あるいはソフトウェア・プログラマブルな1つまたは複数の信号プロセッサの上で実行される、1つまたは複数のコンピュータ・プログラムと、プログラム・ルーチンと、実行のスレッドとにより、実行され、または実施されることもある。コンピュータ・プログラムと、ルーチンと、実行のスレッドとのうちのおのおのは、複数の実行可能なプログラム命令を含んでいてもよい。代わりに、信号処理機能は、ソフトウェア・プログラマブルな1つまたは複数の信号プロセッサの上で実行される専用のデジタル・ハードウェアと、コンピュータ・プログラム、ルーチンおよび実行のスレッドとの組合せによって実行されてもよい。外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づける上記で述べられた方法のうちのおのおのは、プログラマブルなデジタル信号プロセッサなど、適切なソフトウェア・プログラマブルなマイクロプロセッサの上で実行可能なコンピュータ・プログラム、プログラム・ルーチン、または実行のスレッドによって実行されてもよい。マイクロプロセッサおよび/または専用のデジタル・ハードウェアは、ASICの上に集積化されても、またはFPGAデバイスの上に実施されてもよい。同様に、第1の空間合成フィルタによる、受信された外部マイクロホン信号のフィルタリングは、プログラマブルなデジタル信号プロセッサなど、適切なソフトウェア・プログラマブルなマイクロプロセッサの上で実行可能なコンピュータ・プログラム、プログラム・ルーチン、または実行のスレッドによって実行されてもよい。ソフトウェア・プログラマブル・マイクロプロセッサおよび/または専用のデジタル・ハードウェアは、ASICの上に集積化されても、またはFPGAデバイスの上に実施されてもよい。
第1のワイヤレス通信リンクと、第2のワイヤレス通信リンクとのうちのおのおのは、第1および/または第2の聴覚器具に対して外部マイクロホン信号のRF信号送信に、例えば、ブルートゥースLEプロトコルや他の標準化されたRF通信プロトコルなどの、例えばブルートゥース規格に準拠したアナログFM技術や様々なタイプのデジタル送信技術に基づいたものとすることができる。代替案においては、第1のワイヤレス通信リンクと、第2のワイヤレス通信リンクとのうちのおのおのは、光信号送信に基づいたものとすることができる。同じタイプのワイヤレス通信技術を第一のワイヤレス通信リンクと、第2のワイヤレス通信リンクとのために使用して、システムの複雑さを最小にすることが、好ましい。
聴覚器具で外部からピックアップされた音響信号に空間聴覚キューを重ね合わせる方法であって、第1のワイヤレス通信リンクを経由して、音場の中に配置される外部マイクロホンから外部マイクロホン信号を受信するステップであって、第1の聴覚器具のワイヤレス・レシーバを使用して実行される、受信するステップと、第1の聴覚器具のマイクロホン・システムにより、第1の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第1の聴覚器具は、ユーザの左耳または右耳に、あるいはユーザの左耳または右耳の中に配置される、生成するステップと、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、第1の聴覚器具で、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと、を含む方法。
オプションとして、マイクロホン・システムは、1つまたは複数のマイクロホンを含むことができる。
選択的に、上記の方法は、さらに、第1の聴覚器具の第1の聴覚損失補償された出力信号を生成するために、ユーザの個別の聴覚損失データに従って、第1の信号プロセッサにより、第1の合成マイクロホン信号を処理するステップと、第1の出力トランスデューサを通して、ユーザの左耳または右耳に対して第1の聴覚損失補償された出力信号を提示するステップとを含む。
選択的に、上記の方法は、さらに、第2のワイヤレス通信リンクを経由して、外部マイクロホン信号を受信するステップであって、第2のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するステップは、第2の聴覚器具のワイヤレス・レシーバを使用して実行される、受信するステップと、外部マイクロホン信号が、第2の聴覚器具によって受信されるときに、第2の聴覚器具のマイクロホン・システムにより、第2の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第1の聴覚器具と、第2の聴覚器具とは、それぞれ左耳と右耳とに、または左耳と右耳との中に、あるいはその逆に配置される、生成するステップと、外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、第2の聴覚器具において、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成マイクロホン信号を生成するために、第2の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと、をさらに含む。
選択的に、第1の合成マイクロホン信号を処理するステップは、聴覚損失補償された出力信号を生成するために、第1の比率で、第1の合成マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを混合するステップを含む。
選択的に、信号対雑音比に依存して、第1の合成マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の比率を変化させるステップをさらに含む。
選択的に、応答特性を決定するステップは、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の時間遅延を決定するために、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に相関づけるステップと、相互に相関づけるステップからの結果に基づいて、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間のレベル差を決定するステップと、決定された時間遅延と、決定されたレベル差とを乗算することにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、を含む。
選択的に、外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に相関づけるステップは、以下の数式に従って、r(t)を決定するステップを含んでいる。
Figure 0006762091
(t)は、外部マイクロホン信号を表しており、またs(t)は、第1の補聴器マイクロホン信号を表しており、
外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の時間遅延は、以下の数式に従って、決定され、τは、時間遅延を表している。
Figure 0006762091
外部マイクロホン信号s(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)との間のレベル差を決定するステップは、以下の数式に従って、実行され、Aは、レベル差を表している。
Figure 0006762091
応答特性を決定するステップは、以下の数式に従って、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を決定するステップを含んでいてもよい。
Figure 0006762091
選択的に、第1の合成されたマイクロホン信号は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を用いて外部マイクロホン信号を畳み込むことによっても生成される。
選択的に、応答特性を決定するステップは、以下の数式に従って、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を決定するステップを備えている。
Figure 0006762091
(t)は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を表しており、s(t)は、外部マイクロホン信号を表しており、s(t)は、第1の補聴器マイクロホン信号を表している。
選択的に、エラー信号を生成するために、第1の補聴器マイクロホン信号から第1の合成されたマイクロホン信号を差し引くステップと、エラー信号を最小にするために、所定の適応アルゴリズムに従って、第1の適応フィルタのためのフィルタ係数を決定するステップと、さらに含む。
選択的に、第1の補聴器マイクロホン信号は、外部マイクロホン信号が、外部マイクロホンから受信されるときに、第1の聴覚器具のマイクロホン・システムによって生成される。
第1の聴覚器具と、ポータブル外部マイクロホン・ユニットとを備えている補聴器システムであって、ポータブル外部マイクロホン・ユニットは、音場の中に配置され、外部マイクロホン信号を生成するためのマイクロホンと、第1のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を送信するように構成された第1のワイヤレス・トランスミッタとを備えており、第1の聴覚器具は、ユーザの左耳または右耳に、あるいはユーザの左耳または右耳の中に配置するように構成された補聴器のハウジングまたはシェルと、第1のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するように構成された第1のワイヤレス・レシーバと、外部マイクロホン信号が第1のワイヤレス・レシーバによって受信されているときに、音響に応じて第1の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第1の補聴器マイクロホンと、外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第1の信号プロセッサとを備えており、第1の空間合成フィルタは、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている。
選択的に、第2の聴覚器具をさらに備えており、第2の聴覚器具は、第2の補聴器のハウジングまたはシェルと、第2のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するように構成された第2のワイヤレス・レシーバと、外部マイクロホン信号が、第2のワイヤレス・レシーバによって受信されているときに、第2の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第2の補聴器マイクロホンと、外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とに基づいて、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第2の信号プロセッサとを備えており、第2の空間合成フィルタは、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成されたマイクロホン信号を生成するために、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている。
他の特徴と、実施形態と、利点とは、以下に詳細な説明の中で説明されるであろう。
実施形態は、添付の図面に関連して、より詳細に説明されるであろう。
第1の実施形態に従って、ワイヤレス通信リンクを経由して、外部マイクロホン構成と通信する左耳の聴覚器具と、右耳の聴覚器具とを備えている補聴器システムの概略ブロック図である。 左耳の聴覚器具または右耳の聴覚器具についての第1の空間合成フィルタのフィルタ係数についてのリアルタイムの適応計算のための適応フィルタの問題解決手法を示す概略ブロック図である。
様々な実施形態が、図面を参照して、以下に説明される。同様な参照番号は、全体を通して、同様な要素を意味している。同様な要素は、それゆえに、各図の説明に関して、詳細には説明されないであろう。図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも注意すべきである。それらは、請求項に係る本発明についての網羅的な説明としては、または請求項に係る本発明についての範囲に対する限定としては、意図されてはいない。さらに、例示された一実施形態は、すべての態様または利点を示している必要はない。特定の一実施形態に関連して説明される一態様または利点は、必ずしもその実施形態だけに限定されるものとは限らず、たとえそのように例示されていないとしても、あるいは明示的に説明されていないとしても、他の任意の実施形態において実行される可能性がある。
図1は、劣悪な音響、またはリスニング環境において動作する第1の実施形態の補聴器システムの概略図である。補聴器システム101は、ポータブル外部マイクロホン・ユニット105のポータブル・ハウジング構造の内部に搭載された外部マイクロホン構成を備えている。外部マイクロホン構成は、1つまたは複数の別々の無指向性マイクロホンまたは指向性マイクロホンを備えていてもよい。ポータブル・ハウジング構造105は、1つまたは複数の分離したマイクロホンに対して電力を供給し、またデジタル制御ロジック、ユーザにより読取り可能なスクリーンまたはディスプレイ、ワイヤレス・トランシーバ(図示されず)など、様々な電子回路に電力を供給する再充電可能なバッテリ・パッケージを備えていてもよい。外部マイクロホン構成は、スパウズ・マイクロホン、クリップ・マイクロホン、会議用マイクロホン、あるいはスマートフォンまたは携帯電話の一部を備えていてもよい。
補聴器システム101は、聴覚障害のある個人の右耳または左耳に、あるいは聴覚障害のある個人の右耳または左耳の中に搭載された第1の聴覚器具または補聴器107と、その聴覚障害のある個人の他の耳に、あるいはその中に搭載された第2の聴覚器具または補聴器109とを備えている。それゆえに、聴覚障害のある個人102は、聴覚損失補償された出力信号が、左耳と右耳との両方に提供されるように、本例示の実施形態において補聴器とバイノーラル方式で適合させられる。当業者なら、いわゆるBTEタイプ、ITEタイプ、CICタイプなど、異なるタイプの聴覚器具が、聴覚障害のある個人の聴覚損失の程度、個人的な好み、処理能力などの要因に応じて、利用され得ることを理解するであろう。
第1および第2の聴覚器具107、109のそれぞれは、各聴覚器具が、ワイヤレスの信号またはデータ、とりわけ、上記で考察されたポータブル外部マイクロホン・ユニット105から送信される外部マイクロホン信号を受信することを可能にするワイヤレスのレシーバまたはトランシーバ(図示されず)を備えている。外部マイクロホン信号は、ワイヤレス通信リンク104を経由して、アナログ信号として、またはデジタル技術で符号化された信号として、変調され、また送信されてもよい。ワイヤレス通信リンクは、例えば、FM技術またはデジタル送信技術に準拠したブルートゥース規格または他の標準化されたRF通信プロトコルとして例示されるRF信号送信に基づいていてもよい。代替案においては、ワイヤレス通信リンク10は、光信号送信に基づいていてもよい。
聴覚障害のある個人102は、後者の正中面の外側で、聴覚障害のある個人102から離れている特定の話者であるターゲットの音源103からの音を受け取ることを望む。干渉する雑音音響VL,R(t)によって概略的に示されるように、聴覚障害のある個人102を取り巻く音響環境は、第1および第2の聴覚器具107、109のそれぞれのマイクロホンにおいて、低いSNRで劣悪である。干渉する雑音音響VL,R(t)は、実際には、言い争う話者、モーターが取り付けられた乗り物、風切り音、バブル雑音、音楽など、多数の異なるタイプの共通の雑音のメカニズムまたは音源を含んでいてもよい。干渉する雑音音響VL,R(t)はまた、様々な雑音源からの直接雑音音響成分に加えて、聴覚障害のある個人102がいる部屋110の壁、床、天井など、部屋の境界からの様々な境界反射を含んでもいる。それゆえに、雑音源は、多くの場合に、聴覚障害のある個人の耳において、複数の空間の方向から雑音音響成分を生成し、外部マイクロホン構成からの支援なしで、ターゲットの話者103のスピーチを理解するのに、部屋110の中の音場を非常に厳しいものにしている。
ターゲットの話者103と第1の聴覚器具107との間の第1の線形伝達関数は、破線h(t)によって概略的に示され、またターゲットの話者103と、第2の聴覚器具109との間の第2の線形伝達関数は、第2の破線h(t)によって同様に概略的に示される。第1および第2の伝達関数h(t)およびh(t)は、フーリエ変換の等値性に起因してそれらのそれぞれの周波数応答により、またはそれらのそれぞれのインパルス応答により、表されていてもよい。第1および第2の線形伝達関数は、ターゲットの話者または話す人103から、第1/右の聴覚器具と、左/第2の聴覚器具のそれぞれの左右のマイクロホンに対する音響伝搬を説明している。
以下において、第1の聴覚器具のマイクロホン107によってピックアップされる音響学信号または音響信号は、s(t)と示される第1の補聴器マイクロホン信号を生成し、右耳の聴覚器具のマイクロホン109によってピックアップされる音響学信号または音響信号は、s(t)と示される第2の補聴器マイクロホン信号を生成する。以下において、右の聴覚器具のマイクロホン109における雑音音響信号は、v(t)で示され、左の聴覚器具のマイクロホン107における雑音音響信号は、v(t)と示される。ターゲットの話者103によって生成されるターゲットのスピーチ信号は、以下においてx(t)と示される。さらに、補聴器マイクロホン107、109のおのおのが、線形変換を受けているターゲット・スピーチ信号x(t)の雑音のあるバージョンをピックアップするという仮定に基づいて、本発明者等は、以下の式に表すことができる。
Figure 0006762091
Figure 0006762091
上記の式において、×を○で囲んだ記号は畳み込みオペレータである。
同時に、ターゲットのスピーチ信号の雑音の影響を受けた、または汚染されたバージョンは、左右の聴覚器具マイクロホンとにおいて受信され、ターゲットのスピーチ信号x(t)は、外部マイクロホン構成において記録され、または受信され、すなわち、以下の式で表され、v(t)は、外部マイクロホンにおける雑音音響信号である。
Figure 0006762091
さらに、外部マイクロホン構成によってピックアップされる外部マイクロホン信号のターゲットのスピーチ成分は、ターゲットのスピーチ信号の電力が、雑音音響信号の電力よりも非常に大きくなるように、すなわち、以下の式となるように、支配的であることが、仮定される。
Figure 0006762091
左耳の聴覚器具と右耳の聴覚器具とのそれぞれの中のポータブル外部マイクロホン・ユニット105の外部マイクロホン構成によってピックアップされる外部マイクロホン信号上に空間聴覚キューを導き出し、また重ね合わせる方法の本実施形態は、
1)聴覚空間キューの推定、
2)聴覚空間キュー・シンセサイザ、および、オプションとして
3)信号混合
についてのステップを含むことが好ましい。
本方法のそのような一実施形態によれば、聴覚空間キューの決定または推定は、時間遅延推定器と、信号レベル推定器とを備えている。第1のステップは、以下の式に従う。
Figure 0006762091
Figure 0006762091
第1または第2の補聴器マイクロホン信号のそれぞれを用いて外部マイクロホン信号s(t)を相互に関連づけるステップを含んでおり、右のマイクロホン信号s(t)と、左のマイクロホン信号s(t)の時間遅延は、以下の式によって決定される。
Figure 0006762091
Figure 0006762091
また外部マイクロホン信号と、左のマイクロホン信号s(t)および右のマイクロホン信号s(t)のそれぞれとの間のレベル差A、Aは、以下の数式に従って、決定される。
Figure 0006762091
Figure 0006762091
第2のステップでは、左の聴覚器具の中で適用するための左の空間合成フィルタのインパルス応答と、右の聴覚器具の中で適用するための右の空間合成フィルタのインパルス応答とは、
(t)=Aδ(t−τ) (8a)
(t)=Aδ(t−τ) (8b)
のように導き出される。
左の聴覚器具においては、左の空間合成フィルタの計算されたインパルス応答g(t)を使用して、以下に数式に従って、重ね合わされた、または加えられた第1の空間聴覚キューを伴う第1の合成されたマイクロホン信号y(t)を生成する。
Figure 0006762091
右の聴覚器具では、右の空間合成フィルタの計算されたインパルス応答g(t)を対応するやり方で使用して、以下の数式に従って、重ね合わされた、または加えられた第2の空間聴覚キューを伴う第2の合成されたマイクロホン信号y(t)を生成する。
Figure 0006762091
結果として、第1の合成されたマイクロホン信号y(t)は、ワイヤレス通信リンク104を経由して左の聴覚器具によって受信される外部マイクロホン信号s(t)を用いて左の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を畳み込むことによって生成される。関数r(t)、A、g(t)およびy(t)についての上述した計算は、左の聴覚器具の第1の信号プロセッサによって実行されることが好ましい。第1の信号プロセッサは、例えば、ハード・ワイヤード・デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)を備えている専用のデジタル・コンピュータによるハードウェアおよび/またはマイクロプロセッサを備えていることができる。代替案においては、第1の信号プロセッサは、ソフトウェア・プログラマブルなDSP、または専用のデジタル・コンピュータによるハードウェアと、ソフトウェア・プログラマブルなDSPとの組合せを備えていることができる。ソフトウェア・プログラマブルなDSPは、おのおのが、聴覚器具の不揮発性メモリ・デバイスに記憶される1組の実行可能なプログラム命令を含む、適切なプログラム・ルーチンまたはスレッドにより、上記で述べられた計算を実行するように構成されていてもよい。第2の合成マイクロホン信号y(t)は、ワイヤレス通信リンク104を経由して、右の聴覚器具によって受信される外部マイクロホン信号s(t)を用いて右の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を畳み込むことにより対応する方法で生成され、また左の聴覚器具における信号処理へと対応する方法で進んでいる。
当業者であれば、左の聴覚器具と右の聴覚器具において上述したマイクロホン信号とインパルス応答とのそれぞれは、関数r(t)、A、g(t)およびy(t)を生成するコンピュータによるオペレーションが、上記で考察されたタイプのデジタル信号プロセッサにより、デジタル信号の上で数値的に実行されるように、デジタル・ドメインにおいて表されることが好ましいことを理解するであろう。第1の合成マイクロホン信号y(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)と外部マイクロホン信号s(t)とのそれぞれが、例えば、16kHzと48kHzとの間のサンプリング周波数においてサンプリングされるデジタル信号であってもよい。
第1の合成マイクロホン信号は、聴覚障害のあるユーザの左耳の個別の聴覚損失プロファイルに合わせて、聴覚損失補償された出力信号の特性を適応させるように第1の補聴器信号プロセッサによってさらに処理されることが好ましい。当業者であれば、このさらなる処理は、マルチ・バンド・ダイナミック・レンジ圧縮、雑音低減など、非常に多数のタイプの通常の、またよく知られている信号処理機能を含んでいてもよいことを理解するであろう。このさらなる処理を受けた後に、第1の合成マイクロホン信号は、第1の出力トランスデューサを経由して、聴覚損失補償された出力信号として聴覚障害者の左耳に対して再生成される。第1の(および第2の)出力トランスデューサは、ミニチュア・スピーカ、レシーバ、あるいは場合によっては、人工内耳移植補聴器のための移植可能な電極アレイを備えていてもよい。第2の合成マイクロホン信号は、第2の合成されたマイクロホン信号を生成するように、第2の聴覚器具の信号プロセッサにより、対応する方法で処理されていてもよく、聴覚障害者の右耳に対しても同じ信号を再生成している。
その結果として、ポータブル外部マイクロホン・ユニット105に収容されるリモート・マイクロホン構成によってピックアップされる外部マイクロホン信号は、リスニング・ルームの中の彼または彼女の実際の位置においてターゲットの話者103によって生成されるターゲットのスピーチ信号が、聴覚器具の左耳のマイクロホン109と、右耳のマイクロホン107とに音響的に伝達された場合には、補聴器マイクロホン信号の中に存在していることになる空間キューに対応する適切な空間聴覚キューが、聴覚障害者の左耳と右耳とに提示される。この機能は、先行技術の補聴器システムにおけるリモートにピックアップされたマイクロホン信号の再生成に関連して、補聴器のユーザの頭の内側のターゲットの音源の人工的な、また内在された知覚に関連する上記で考察された問題を解決する。
本方法の一実施形態によれば、第1の聴覚損失補償された出力信号は、第1の合成マイクロホン信号を排他的に含んでいないが、これらの異なるマイクロホン信号の混合信号が、聴覚障害のある個人の左耳に提示されるように、第1の1つまたは複数の補聴器マイクロホンによって記録される第1の補聴器マイクロホン信号の成分を含む。後者の実施形態によれば、第1の合成されたマイクロホン信号y(t)を処理するステップは、左の聴覚損失補償された出力信号z(t)を生成するために、第1の比率で第1の合成マイクロホン信号y(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)とを混合するステップを含む。
第1の合成マイクロホン信号y(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)とを混合するステップは、例えば、
(t)=bs(t)+(1−b)y(t) (10)
に従って、実行されることもあり、bは、混合比を制御する0と1の間の小数である。
混合機能を活用して、左の聴覚損失補償された出力信号のSNRが、調整され得るように、「生の」または未処理のマイクロホン信号と、外部マイクロホン信号との相対レベルを調整してもよい。左の聴覚損失補償された出力信号z(t)に第1の補聴器マイクロホン信号s(t)のある種の成分を含めることが、多数の状況において、有利である。第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の成分または部分の存在は、有利な量の「環境認識度(enviromental awareness)」を聴覚障害者に供給し、ここでは、ターゲットの話者以外の興味のある可能性がある他の音源が、聞こえるようになる。興味のある他の音源は、例えば、聴覚障害者の隣に位置している別の人、またはポータブル通信デバイスを含み得る。
さらなる有利な一実施形態においては、第1の合成マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号s(t)との間の比率は、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比に依存して変化される。第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比は、例えば、外部マイクロホン信号s(t)から導き出されるある種のターゲットの音響データに基づいて推定されることもある。後者のマイクロホン信号は、ターゲットの音源により、例えば、上記で考察されたターゲットのスピーチにより、主として、または完全に支配されることが仮定され、それゆえに、後者のマイクロホン信号を使用して、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)に存在するターゲットのスピーチのレベルを検出するために使用され得る。上記の式(10)による混合機能は、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比が、高いときに、bが1に近くなり、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比が低いときに、bが0に近づくように、実施される可能性がある。第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比が、10dBよりも大きいときに、bの値は、例えば、0.9よりも大きくなってもよい。逆の音響状況においては、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)の信号対雑音比が、3dBまたは0dBよりも小さいときに、bの値は、例えば、0.1よりも小さくなってもよい。
本方法のさらに別の実施形態によれば、聴覚空間キューの推定または計算は、ターゲットの音源と左耳および右耳の補聴器マイクロホンとの間の線形伝達関数をそれぞれ記述し、またはモデル化する左の空間合成フィルタg(t)、および/または右の空間合成フィルタg(t)のインパルス応答の直接、またはオンラインの推定を含む。
このオンライン推定手順によれば、第1の、または左の耳の空間合成フィルタについてのインパルス応答の計算または推定は、以下の最適化の問題または式を解くことにより達成されることが、好ましい。
Figure 0006762091
当業者であれば、外部マイクロホン信号s(t)が、(外部マイクロホン構成と、ターゲットの音源とが近接しているために)ターゲットの音響信号によって支配されることが、合理的に想定され得ることを理解するであろう。この仮定は、式(11)のエラー(および、それに応じた以下の式(12)のエラー)を最小にする唯一のやり方が、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)からターゲットの音響信号または成分を完全に取り除くことであることを意味している。これは、ターゲットの音源または話者103と、第1の聴覚器具107との間の第1の線形伝達関数h(t)をマッチさせるためにフィルタg(t)の応答を選択することにより、達成される。この推論は、ターゲットの音響信号が、干渉する雑音音響VL,R(t)と相互に関連づけられないという仮定に基づいたものである。経験によって、これが、一般に、非常に多数の実生活の音響環境における有効な仮定であることが表れている。
それゆえに、第2または右の耳の空間合成フィルタについてのインパルス応答の計算または推定は、同様にして、以下の最適化の問題、または式を解くことにより、達成されることが好ましい。
Figure 0006762091
(t)とg(t)の計算のそれぞれは、最小二乗平均(LMS:Least Mean Square)や再帰的最小二乗(RLS:Recursive Least Square)など、効率的な適応アルゴリズムを適用することによりリアル・タイムに達成される可能性がある。この問題解決手法は、どのようにして上述された最適化の式(11)が、適応フィルタ209を使用した概略的に示された左の聴覚器具200の信号プロセッサにおいて、リアル・タイムに解かれ得るかについての簡略化された概略ブロック図を示している図2によって示される。対応する問題解決手法は、もちろん、対応する左右の聴覚器具(図示されず)の中で適用される可能性がある。
外部マイクロホン信号s(t)は、上記で考察されたワイヤレス・レシーバ(図示されず)によって受信され、復号され、また場合によってはアナログ・フォーマットで受信される場合に、デジタル・フォーマットへと変換される。デジタル外部マイクロホン信号s(t)は、適応フィルタ209の入力に印加され、適応フィルタの出力において第1の合成されたマイクロホン信号y(t)を生成するために、適応フィルタ209の現在の伝達関数/インパルス応答によってフィルタをかけられる。第1の補聴器マイクロホン信号s(t)は、実質的に同時に減算器204または減算機能204の第1の入力に印加される。第1または左の耳の合成マイクロホン信号y(t)は、後者が、y(t)とs(t)の間の差を表す信号線206の上にエラー信号εを生成するよう、減算器204の第2の入力に印加される。エラー信号εは、適応フィルタのフィルタ係数が、適応フィルタ209によって実施される特定の適応アルゴリズムに従って、エラー信号εを最小にするように、調整されるように、従来の手法で、信号線206を経由して適応フィルタ209の適応制御入力に印加される。それゆえに、第1または左の耳の空間合成フィルタは、フィルタ係数g(t)についてのリアル・タイムの適応計算を行う適応フィルタ209によって形成される。
全体としては、デジタル外部マイクロホン信号s(t)は、次には左耳の空間合成フィルタを表している適応フィルタ209の適応伝達関数によってフィルタをかけられて、第1の空間聴覚キューを含む左耳の合成されたマイクロホン信号y(t)を生成する。適応フィルタ209の適応伝達関数によるデジタル外部マイクロホン信号s(t)のフィルタ作用は、適応フィルタ係数g(t)と、デジタル外部マイクロホン信号s(t)のサンプルとの間の離散的時間畳み込みとして実行されることもあり、すなわち、上記の式(9a)によって指定される畳み込みオペレーション、すなわち、以下の数式を直接に実行している。
Figure 0006762091
左の聴覚器具200は、聴覚障害者の鼓膜に送信するために信号プロセッサ208によって生成される聴覚損失補償された出力信号を聞こえる音響へと変換する、上記で考察されたミニチュアのレシーバまたはラウドスピーカ211をさらに備えている。信号プロセッサ208は、ミニチュアのレシーバまたはラウドスピーカ211を駆動するための適切な出力増幅器を、例えば、クラスDの増幅器を備えていてもよい。
当業者であれば、右耳の聴覚器具の特徴および機能は、補聴器のユーザに対してバイノーラル方式の信号を生成する左の聴覚器具200の上記で考察された特徴および機能と同一であってもよいことができることを理解するであろう。
左と、右との聴覚損失補償された出力信号zL,R(t)を生成するための、第1の比率における第1の合成マイクロホン信号y(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)との間のオプションとしての混合と、第2の比率における、第2の合成されたマイクロホン信号y(t)と、第2の補聴器マイクロホン信号s(t)との間の類似したオプションとしての混合とは、それぞれ、上記で考察されるように、すなわち、
L,R(t)=bsL,R(t)+(1−b)yL,R(t) (14)
に従って、実行されることが好ましい。
混合係数bは、固定値であってもよく、ユーザにより操作されてもよい。混合係数bは、代わりに、補聴器マイクロホン信号に存在する外部マイクロホンによって測定されるターゲットの信号成分の寄与を比較し、雑音成分とターゲットの信号成分のレベルを比較することにより、SNRを監視する別個のアルゴリズムによって制御されてもよい。SNRが高いときに、bは1へと進むことになり、またSNRが、低いときに、bは0に近づく。
特定の特徴が、示されており、また説明されてきているが、それらは、請求項に係る本発明を限定することを意図してはいないことが、理解されることになり、また様々な変更および修正が、請求項に係る本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、行われ得ることが、当業者には明らかにされるであろう。明細書と図面とは、それに応じて、限定的な意味ではなくて、例証的な意味で考えられるべきである。請求項に係る本発明は、すべての代替形態と、修正形態と、同等形態とを対象として含むことを意図している。

Claims (13)

  1. 聴覚器具で外部からピックアップされた音響信号に空間聴覚キューを重ね合わせる方法であって、
    第1のワイヤレス通信リンクを経由して、音場の中に配置される外部マイクロホンから外部マイクロホン信号を受信するステップであって、第1の聴覚器具のワイヤレス・レシーバを使用して実行される、受信するステップと、
    第1の聴覚器具のマイクロホン・システムにより、第1の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第1の聴覚器具は、ユーザの左耳または右耳に、あるいはユーザの左耳または右耳の中に配置される、生成するステップと、
    外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、
    第1の聴覚器具で、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、第1の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと
    を含む方法。
  2. 第1の聴覚器具の第1の聴覚損失補償された出力信号を生成するために、ユーザの個別の聴覚損失データに従って、第1の信号プロセッサにより、第1の合成マイクロホン信号を処理するステップと、
    第1の出力トランスデューサを通して、ユーザの左耳または右耳に対して第1の聴覚損失補償された出力信号を提示するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第2のワイヤレス通信リンクを経由して、外部マイクロホン信号を受信するステップであって、第2のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するステップは、
    第2の聴覚器具のワイヤレス・レシーバを使用して実行される、受信するステップと、
    外部マイクロホン信号が、第2の聴覚器具によって受信されるときに、第2の聴覚器具のマイクロホン・システムにより、第2の補聴器マイクロホン信号を生成するステップであって、第1の聴覚器具と、第2の聴覚器具とは、それぞれ左耳と右耳とに、または左耳と右耳との中に、あるいはその逆に配置される、生成するステップと、
    外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと、
    第2の聴覚器具において、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成マイクロホン信号を生成するために、第2の空間合成フィルタにより、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 第1の合成マイクロホン信号を処理するステップは、聴覚損失補償された出力信号を生成するために、第1の比率で、第1の合成マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを混合するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 信号対雑音比に依存して、第1の合成マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の比率を変化させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 応答特性を決定するステップは、
    外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の時間遅延を決定するために、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に相関づけるステップと、
    相互に相関づけるステップからの結果に基づいて、外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間のレベル差を決定するステップと、
    決定された時間遅延と、決定されたレベル差とを乗算することにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に相関づけるステップは、
    Figure 0006762091
    に従って、r(t)を決定するステップを含んでおり、s(t)は、外部マイクロホン信号を表しており、またs(t)は、第1の補聴器マイクロホン信号を表しており、
    外部マイクロホン信号と、第1の補聴器マイクロホン信号との間の時間遅延は、
    Figure 0006762091
    に従って、決定され、τは、時間遅延を表しており、
    外部マイクロホン信号s(t)と、第1の補聴器マイクロホン信号s(t)との間のレベル差を決定するステップは、
    Figure 0006762091
    に従って、実行され、Aは、レベル差を表しており、また
    応答特性を決定するステップは、
    Figure 0006762091
    に従って、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 第1の合成されたマイクロホン信号は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を用いて外部マイクロホン信号を畳み込むことによっても生成される、請求項1に記載の方法。
  9. 応答特性を決定するステップは、
    Figure 0006762091
    に従って、第1の空間合成フィルタのインパルス応答g(t)を決定するステップを備えており、g(t)は、第1の空間合成フィルタのインパルス応答を表しており、s(t)は、外部マイクロホン信号を表しており、s(t)は、第1の補聴器マイクロホン信号を表している、請求項1に記載の方法。
  10. エラー信号を生成するために、第1の補聴器マイクロホン信号から第1の合成されたマイクロホン信号を差し引くステップと、
    エラー信号を最小にするために、所定の適応アルゴリズムに従って、第1の適応フィルタのためのフィルタ係数を決定するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 第1の補聴器マイクロホン信号は、外部マイクロホン信号が、外部マイクロホンから受信されるときに、第1の聴覚器具のマイクロホン・システムによって生成される、請求項1に記載の方法。
  12. 第1の聴覚器具と、
    ポータブル外部マイクロホン・ユニットと
    を備えている補聴器システムであって、
    ポータブル外部マイクロホン・ユニットは、
    音場の中に配置され、外部マイクロホン信号を生成するためのマイクロホンと、
    第1のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を送信するように構成された第1のワイヤレス・トランスミッタと
    を備えており、
    第1の聴覚器具は、
    ユーザの左耳または右耳に、あるいはユーザの左耳または右耳の中に配置するように構成された補聴器のハウジングまたはシェルと、
    第1のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するように構成された第1のワイヤレス・レシーバと、
    外部マイクロホン信号が第1のワイヤレス・レシーバによって受信されているときに、音響に応じて第1の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第1の補聴器マイクロホンと、
    外部マイクロホン信号と第1の補聴器マイクロホン信号とを相互に関連づけることにより、第1の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第1の信号プロセッサと
    を備えており、
    第1の空間合成フィルタは、第1の空間聴覚キューを含む第1の合成されたマイクロホン信号を生成するために、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている、補聴器システム。
  13. 第2の聴覚器具をさらに備えており、第2の聴覚器具は、
    第2の補聴器のハウジングまたはシェルと、
    第2のワイヤレス通信リンクを経由して外部マイクロホン信号を受信するように構成された第2のワイヤレス・レシーバと、
    外部マイクロホン信号が、第2のワイヤレス・レシーバによって受信されているときに、第2の補聴器マイクロホン信号を生成するように構成された第2の補聴器マイクロホンと、
    外部マイクロホン信号と、第2の補聴器マイクロホン信号とに基づいて、第2の空間合成フィルタの応答特性を決定するように構成された第2の信号プロセッサと
    を備えており、
    第2の空間合成フィルタは、第2の空間聴覚キューを含む第2の合成されたマイクロホン信号を生成するために、受信された外部マイクロホン信号にフィルタをかけるように構成されている、請求項12に記載の補聴器システム。
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