以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、一の実施の形態で記載されている技術は他の実施の形態に適用することも可能である。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板等の厚さや領域の大きさ等は、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や積層の順番等を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」等と適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
本明細書等において、「ハイブリッド表示」とは、1つのパネルにおいて、反射光と、自発光や透過光とを併用して、色調または光強度を互いに補完して、文字または画像を表示する方法である。または、ハイブリッド表示とは、同一画素または同一副画素において複数の表示素子から、それぞれの光を用いて、文字及び/または画像を表示する方法である。ただし、ハイブリッド表示を行っているハイブリッドディスプレイを局所的にみると、複数の表示素子のいずれか一を用いて表示される画素または副画素と、複数の表示素子の二以上を用いて表示される画素または副画素と、を有する場合がある。本明細書等において、上記構成のいずれか1つまたは複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。
また、「ハイブリッドディスプレイ」とは、同一画素または同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する自発光素子、光を選択的に透過する透過型素子とが挙げられる。自発光素子と透過型素子を非反射型素子ともいう。なお、反射型素子と、非反射型素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光/透過光のいずれか一方または双方を用いて、文字及び/または画像を表示する機能を有する。
(実施の形態1)
開示される電子機器の例を図1に示す。電子機器(デバイス10)は、少なくとも、タッチ検出機能のあるディスプレイユニット11と、受話器スピーカー12と、フロントカメラ13と、電源ボタン14と、ホームボタン15とを有する携帯端末である。この構成自体は、従来の携帯用電子機器と同じである。
また、デバイス10は、バッテリーに蓄積された電力量あるいは外部から供給される電力量が十分である場合に、ユーザーが操作することにより、起動(Boot)させることができる。また、ユーザーの操作により、シャットダウンされることができる。シャットダウンは、バッテリーに蓄積された電力量が基準を下回った場合、かつ、外部から十分な電力が供給されていない場合に、自動的に実行されることもある。この動作自体は、従来の携帯用電子機器と同じである。
しかし、以下に説明するように、デバイス10は、起動からシャットダウンまでの期間において、従来の電子機器と動作が異なることがある。
従来の電子機器では、電源ボタンを操作することで、ディスプレイが点灯し、ユーザーが必要とする情報が得られる。この状態を、以下では、アクティブ状態という。また、従来の電子機器では、電源ボタンを操作することで、ディスプレイが消灯する。あるいは、一定時間、ユーザーが操作しなかった場合にもディスプレイが消灯する。この状態を、以下では、スリープ状態という。
デバイス10でも、ユーザーは電源ボタン14を操作することで、スリープ状態のデバイス10を、アクティブモードに移行させ、ディスプレイユニット11にその後の操作に必要な情報の表示を開始させることができる。例えば、複数のアプリケーションソフトのアイコンや、電池残量、電波強度等を示す数値や記号がディスプレイユニット11に表示される。また、タッチ検出機能も有効である。この状態は、ユーザーが積極的にデバイス10を使用できる状態である。この点は、従来の電子機器と同じである。ユーザーは、タッチ検出機能を使用して、画面を操作することによって、必要な情報を得ること、あるいは情報を発信することができる。
その後、ユーザーが電源ボタン14を操作して、デバイス10を使用しない意志を示した場合、あるいは、ユーザーが一定期間以上、デバイス10の操作をおこなわなかった場合には、デバイス10は、ユーザーが電子機器を使用していないと判断し、その後の定められた期間あるいは期限を定めずに何らかの情報(例えば、デバイス10の状態やユーザーのプロフィール、最後に表示した画像等)を表示する。また、ディスプレイユニット11のタッチ検出機能は停止する。この状態を、以下では、スタンバイ状態という。情報は、例えば、ユーザーの嗜好やデバイス10の存在する場所にあわせて選定されてもよい。
ユーザーがデバイス10を積極的に使用しない、スタンバイ状態で、デバイス10に情報を表示するには、可能な限り、消費電力が小さいほうが好ましい。そこで、ディスプレイユニット11は、反射型素子を有し、かつ、表示データを頻繁にリフレッシュする必要の無いタイプであることが好適である。例えば、デバイス10は、リフレッシュ周波数を、1Hz以下、例えば、0.1Hz以下にまで極度に低くしたアイドリング・ストップ(IDS)法(後述する)で駆動できるディスプレイを有するとよい。
例えば、特許文献2に記載されているディスプレイのように、マトリクス状に配置した複数の反射型素子とマトリクス状に配置した複数の非反射型素子が積層した構造のディスプレイは、ユーザーが積極的にデバイス10を使用する際には、反射型素子のみを使用する(第1のモード)、あるいは非反射型素子のみを使用する(第2のモード)、あるいは反射型素子と非反射型素子を使用する(第3のモード)、とシチュエーションにあわせて様々に表示モードを選択できる。
また、これら以外に、反射型素子と非反射型素子のいずれにも表示のための信号を供給せず、表示をさせないモード(非表示モード)もある。非表示モードでは表示はおこなわれない。
例えば、アクティブ状態では、第1のモード、第2のモードあるいは第3のモードで表示をおこない、かつ、タッチ検出機能を使用できるようにするとよい。一方、スリープ状態では、非表示モードを使用し、かつ、タッチ検出機能を使用できないようにするとよい。
一方、スタンバイ状態では、第1のモードで表示をおこない、かつ、タッチ検出機能を使用できないようにするとよい。その結果、スタンバイ状態で、ユーザーが不用意にディスプレイユニット11に触れたとしても、デバイス10が不本意な動作を実行することはない。
第1のモードで、かつ、静止画を表示する際には、消費電力を無視できるほど小さくできる。つまり、長時間、情報を表示させたとしても、デバイス10は、プロセッサの待機電力程度しか電力を消費しない。また、スタンバイ状態では、表示が第1のモードで実行されることに加えて、タッチ検出機能も利用できないようにするので、それに関連する回路の消費電力も無くなる。結果として、スタンバイ状態での消費電力は、スリープ状態よりもわずかに多い程度である。
スリープ状態の消費電力とスタンバイ状態の消費電力を比較した場合、後者は、アイドリング・ストップ法で駆動されるので、定期的な画像の書き換えに伴う電力が、前者よりも多くなる。ただ、その差はわずかであるので、スタンバイ状態をスリープ状態に切り替える動機は乏しい。例えば、デバイス10は、起動されてからシャットダウンされるまでの間、スリープ状態とならないように(すなわち、ディスプレイユニットのタッチ検出機能と表示機能がともに無効である状態とならないように)設定されてもよい。
情報は、全くの静止画である必要はなく、消費電力を過剰に消費しない限り、画像が切り替えられてもよい。例えば、アイドリング・ストップ法による駆動であっても、1分に1度はリフレッシュする必要があるので、その際に、別の画像を表示してもよい。
画像は、ディスプレイに付属するフレームメモリ等の記憶装置から、リフレッシュのたびに送信されるような設定でもよい。フレームメモリは、デジタルメモリでもよいが、アナログメモリであると、DA変換が不要であるので、消費電力を低減する上で効果的である。
なお、デバイス10は、ユーザーが使用していない状態であっても、外部と情報の送受信をおこなっているので、例えば、電子メールを受信することがある。その場合は、デバイス10のディスプレイに表示してもよい。また、気象情報やマーケット情報、地域の情報等、ユーザーが関心を有する事項を、適当な間隔で順番に、および/または更新して表示してもよい。このように、ユーザーはスタンバイ状態での表示によって、例えば、時刻やメールの着信やその他の情報を得ることができる。
従来の携帯用電子機器では、このような情報を得るには、必要とするたびに電源ボタンを押して、携帯用電子機器をアクティブ状態とするか、携帯用電子機器をスリープ状態とならないようにする必要があった。前者の方法は、非常な手間を要し、後者の方法は、電力の多大な消費を招いた。
デバイス10のスタンバイ状態での消費電力は、アクティブ状態よりもはるかに少ないので、このような情報を表示させることに困難はない。ユーザーは、机上にデバイス10を放置して、時折、それを覗き込んで情報を確認し、あるいは、そのまま無造作にポケットに押し込んでもよい。時間のあるときにポケットからデバイス10を取り出して、情報を確認すればよいだけであり、電源ボタンを操作する必要は無い。
図2を用いて、デバイス10のディスプレイユニット11に関する主要な処理とステップの流れの例を説明する。いうまでもなく、デバイス10はマルチタスク処理あるいは並列処理が可能であり、以下に説明するプロセスと同時に別の処理が実行されていてもよい。最初に、図2に示される処理とステップについて、簡単に説明する。
<起動処理T01>
デバイス10を起動するための複数のステップを有する処理である。デバイス10が、起動していない状態で、バッテリー残量が規定より多い場合、電源ボタン14を設定された時間以上、押し続けることで処理が開始さえる。
<ホームボタン処理T02>
デバイス10が起動している状態で。ホームボタン15を押すことである。
<電源ボタン処理T03>
デバイス10が起動している状態で。電源ボタン14を押すことである。
<タッチ検出処理T04>
ディスプレイユニット11のタッチ検出機能が有効な状態で。ディスプレイユニット11にタッチすることである。
<シャットダウン処理T05>
デバイス10をシャットダウンするための複数のステップを有する処理である。バッテリー残量を判定するステップを有してもよい。バッテリー残量低下により、シャットダウン処理T05に移行した場合には、確認画面が表示されず、自動的にシャットダウンが実行されることがある。電源ボタン14の操作によりシャットダウン処理T05に移行した場合には、確認画面が表示されることがある。ユーザーは確認画面から次に進むステップを選択でき、結果的にシャットダウンが実行されないこともある。なお、確認画面を表示するために、ディスプレイユニット11を動作させるための回路や機能を有効化するステップを有してもよい。
あるいは、例えば、ディスプレイユニット11のタッチ検出機能が有効である場合は、確認画面を表示するステップを設け、そうでない場合は、確認画面を表示しないで、シャットダウンを実行するように設定されてもよい。
<初期化ステップS01>
ディスプレイユニット11を作動させるための回路や機能を使用可能な状態とするためのステップである。
<時間計数ステップ(アクティブ状態)S02および時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06>
時間を計数するステップであり、設定された時間となると次のステップに進む。
<バッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03およびバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07>
バッテリーの残量が設定された値以下であるか否かを判定するステップである。なお、バッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03およびバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07では、判定基準のバッテリー残量が異なってもよい。
<アイドリング・ストップ開始ステップS04>
タッチ検出機能と非反射型素子(EL素子等)の表示機能を無効化するステップである。このステップでは、反射型素子でのアイドリング・ストップ法による表示機能は停止されない。具体的には、タッチコントローラ、ELディスプレイ(ELD)のディスプレイドライバ(ELDドライバ)への電源供給を停止し、タイミングコントローラ、LCディスプレイ(LCD)のディスプレイドライバ(LCDドライバ)、ディスプレイコントローラへの周期的な電力の供給を開始する。また、プロセッサ101やその他の回路も待機モードとなる。
<表示開始ステップS05>
情報を読み出して、反射型素子でアイドリング・ストップ法によって表示を開始するステップである。アイドリング・ストップ法による駆動は、初期化ステップS01、あるいは、後述する表示停止ステップS11等で解除される。
<アクティブ状態判定ステップS08>
デバイス10の状態が、アクティブ状態M01であるか否かを判定するステップである。
<シャットダウン移行判定ステップS09>
電源ボタン14を押す時間TPがシャットダウン確認時間t0以上であるか否かを判定するステップである。
以下、図2に示される流れについて説明する。起動(Boot)後、何の割り込み処理も発生しない場合について最初に説明する。起動処理T01後、デバイス10は、ディスプレイユニット11に関するコントローラ等の初期化をおこなう(初期化ステップS01)。このステップでは、それまでの処理で無効化されていた回路や機能が存在する場合、それらが有効化され、セッションが開始される。
その後、時間を計数する(時間計数ステップ(アクティブ状態)S02)。ここでは、タイマーが計数を開始してから所定の値(例えば、2分)になると、次のステップに進む。所定の値は、ユーザーが設定できる。時間が所定の値となると、バッテリーの残量を判定する(バッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03)。ここでは、バッテリーの残量が基準以下か否かが判定される。バッテリーの残量が基準以下であれば、デバイス10はシャットダウン処理T05に進む。初期化ステップS01からバッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03までは、アクティブ状態M01、という。
バッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03で、バッテリーの残量が基準以下でなければ、タッチ検出機能と非反射型素子の表示機能が停止する(アイドリング・ストップ開始ステップS04)。一方、反射型素子の表示機能は有効である。反射型素子では、アイドリング・ストップ法で表示が実行される。次に、情報を表示する(表示開始ステップS05)。
続いて、時間を計数する(時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06)。ここでは、タイマーが計数を開始してから所定の値(例えば、2分)になると、次のステップに進む。所定の値は、ユーザーが設定できる。時間が所定の値となると、バッテリーの残量を判定する(バッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07)。
バッテリーの残量が基準以下であれば、デバイス10はシャットダウン処理T05に進む。そうでなければ、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06に戻る。つまり、バッテリーの残量が十分である限り、デバイス10は、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06とバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07のいずれかにある。バッテリーの残量が基準以下となると、デバイス10は、自動的にシャットダウン処理T05に移行する。
アイドリング・ストップ開始ステップS04からバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07までは、スタンバイ状態M02、という。スタンバイ状態M02では、ディスプレイユニット11の表示は、反射型素子によるものに限られ、また、タッチ検出機能は無効である。
以上、起動後、何の割り込み処理も無かった場合であり、この状態では、デバイス10は、起動後、しばらくすると、アクティブ状態M01からスタンバイ状態M02に移行し、バッテリーの残量が基準以下になるまで。スタンバイ状態M02を維持し、その後、自動的にシャットダウンする。
デバイス10に備えられている各種のボタンやタッチ検出機能によって、割り込み処理を実行することができる。例えば、電源ボタン14やホームボタン15を押すこと、あるいは、タッチ検出機能が有効である場合にディスプレイユニット11にタッチすることで、割り込み処理を実行させ、デバイス10の状態を所定のものとすることができる。
例えば、ホームボタン処理T02では、デバイス10が、初期化ステップS01からバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07のいずれの状態にあろうとも、初期化ステップS01を実行するように設定される。
また、デバイス10が、時間計数ステップ(アクティブ状態)S02とバッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03のいずれかの状態にある場合は、ディスプレイユニット11のタッチ検出機能が有効であるので、タッチ検出処理T04により、時間計数ステップ(アクティブ状態)S02に戻り、時間の計数を開始する。例えば、デバイス10が、時間計数ステップ(アクティブ状態)S02を実行中で、39秒まで計数した状態で、タッチ検出処理T04が実行されると、時間計数ステップ(アクティブ状態)S02の最初から実行される。すなわち、それまでに計数された39秒は無効となり、再度、0秒から計数をおこなう。
電源ボタン処理T03でも割り込み処理を実行できるが、デバイス10の状態、および、電源ボタン14を押す時間TPの値によって結果が異なる。
電源ボタン処理T03では、最初に、デバイス10がアクティブ状態M01にあるか否か、が判定される(アクティブ状態判定ステップS08)。すなわち、アクティブ状態M01でない状態で、電源ボタン14が押された場合は、デバイス10は、初期化ステップS01を開始する。
アクティブ状態M01で、電源ボタン14が押された場合は、時間TPが、設定された値(シャットダウン確認時間t0)より大きいか否かが判定される(シャットダウン移行判定ステップS09)。時間TPがシャットダウン確認時間t0より大きい場合は、デバイス10はシャットダウン処理T05に進む。そうでない場合は、デバイス10はアイドリング・ストップ開始ステップS04に進む。
上記において、スタンバイ状態の際に表示される情報は広告でもよい。広告は、例えば、ユーザーが積極的にデバイス10を使用できる状態にあるとき、あるいは、デバイス10が、ユーザーは電子機器を使用していないと判断した後に、広告を提供する事業者から受信することができる。広告はユーザーの嗜好やデバイス10の存在する場所にあわせて選定されてもよい。
図3には、広告を表示している、スタンバイ状態のデバイス10の例を示す。ディスプレイユニット11の上部には、ステータスバー21が表示される。ステータスバー21は、例えば、電子メールの着信があるかどうか、デバイス10の電波状態、バッテリー残量等の状態や、現在のデバイス10の表示の状態を表示する。図中の灰色の電源ボタンのマークは、スタンバイ状態を意味している。
ディスプレイユニット11のその他の部分では、広告が表示されている。例えば、広告する製品の写真26とその説明の文章、広告に関連するウェブサイトへのアクセスのための二次元バーコード27が表示されている。
スタンバイ状態では、ディスプレイユニット11は、第1のモードでの表示をおこなうが、タッチ検出機能は無効になっている。したがって、ユーザーがデバイス10を操作して、広告に関連するウェブサイトにアクセスするためには、電源ボタン14あるいはホームボタン15を操作する必要がある。
ユーザーは、広告を見て、より詳細な情報を知るために、関連するウェブサイトにアクセスしたいと思うかもしれない、スタンバイ状態では、ディスプレイユニット11は、第1のモードでの表示をおこなうが、タッチ検出機能は無効になっている。したがって、ユーザーがデバイス10を操作して、関連するウェブサイトにアクセスするためには、電源ボタン14あるいはホームボタン15を操作する必要がある。
図4には、ユーザーが電源ボタン14を操作して、スタンバイ状態からアクティブ状態に移行した際の画面の例を示す。アイコン28の列に重なって、ポップアップウインドウ29が表示されている。ポップアップウインドウ29は、広告に関連するウェブサイトにユーザーを導くもので、ユーザーは、そのウェブサイトを訪問したいと思えば、「Yes」をタッチし、そうでなければ、「No」をタッチする。
アクティブ状態(ステータスバー21の電源ボタンが黒くなって、デバイス10がアクティブ状態であることがわかる)では、ディスプレイユニット11のタッチ検出機能が、有効であるので、デバイス10は、ユーザーのタッチに反応し、「Yes」にタッチされると、ディスプレイユニット11に表示される画面が広告に関連するウェブサイトのものに切り替わり、「No」にタッチされると、ポップアップウインドウ29は消える。
すなわち、デバイス10がアクティブ状態にあって、ユーザーが積極的にデバイス10を使用していないと判断される場合には、デバイス10は自動的にスタンバイ状態に移行し、事前に取得していた広告(製品の写真26、二次元バーコード27等)を表示する。また、デバイス10がアクティブ状態にあって、広告を表示している時に、ユーザーが電源ボタン14やホームボタン15を操作して、デバイス10を使用する意図を示した場合、デバイス10はアクティブ状態に移行し、広告に関連するウェブサイトに前記ユーザーを導くようなポップアップウインドウ29を表示する。
このようなデバイス10の動作は、デバイス10にインストールされているオペレーティングシステム、アプリケーションソフトウェア等のコンピュータプログラムを用いて実行できる。なお、デバイス10、コンピュータプログラム、あるいは広告を提供する事業者は、コンピュータプログラムをインストールされたデバイス10に広告に関連する情報を送信し、デバイス10がスタンバイ状態となった際に広告(製品の写真26、二次元バーコード27等)を表示させ、デバイス10がアクティブ状態となった際にポップアップウインドウ29を表示させることができる。
上記のようにスタンバイ状態での消費電力は、スリープ状態よりもわずかに多い程度である。このため、広告がディスプレイに表示されるとしても、ユーザーにとっては、電子端末のバッテリーの消耗による不利益はほとんどない。また、上記の広告は、ユーザーがデバイス10を積極的に使用する状態では表示されないので、ユーザーが煩わしさを感じることもない。
デバイス10の所有者であるユーザーは、広告を表示するように設定した事業者から、広告表示の対価として、現金、(ポイント等の)有価証券、物品、サービス等を授与されると、ユーザーは広告を表示することを積極的に受け入れる。
ユーザーが、自身が使用していないデバイス10に表示される広告を見て、購買意欲を喚起させられることがあるかもしれないし、ユーザー以外の第三者が、ユーザーの所有しているデバイス10に表示される広告を見て、購買意欲を喚起させられることがあるかもしれない。
広告を提供する事業者は、デバイス10に広告に関連する情報を送信し、また、デバイス10から稼働状況(例えば、広告を表示していた期間)や位置情報等の情報を得る。例えば、デバイス10からディスプレイユニット11に広告が表示されていた期間に関する情報を受信する。広告を提供する事業者は、広告の掲載を依頼している事業者(広告主)より、広告が表示されていた期間に応じた額、あるいは、事前に定められた額の広告料金を得ることができる。
広告主の商品がインターネット上でユーザーにより購入された場合には、デバイス10に表示された広告と広告主の売り上げの因果が明確であるので、成功報酬的な意味合いの広告料金を得ることもできる。広告を提供する事業者は、広告料金を、デバイス10の維持費の値引きに提供して、デバイス10の所有者に還元することができる。あるいは、予め、広告による利益を勘案して、デバイス10の販売価格を低くしておいてもよい。あるいは、広告が表示されていた期間に応じて、デバイス10の所有者に報奨対価を付与してもよい。
広告の表示は、例えば、環境光に応じて、停止されてもよい。例えば、デバイス10の周囲が十分に暗く、ユーザーも含めて誰も広告を見ることができない、と判断される状況では、デバイス10は広告の表示を停止する。
ユーザーが、自身が使用していないデバイス10に表示される広告にどれほどの関心を示すか疑問が呈されるかもしれない。ユーザーがデバイス10を使用して積極的に情報を得ようとしているときに、何らかの広告を目にすることは、わずらわしいもの以外の何ものでもない。
しかしながら、ユーザーがデバイス10を使用していない状態で、デバイス10に勝手に表示される広告は少なくとも煩わしいものではなく、そう感じることがあれば無視して、他のことに集中すればよいだけのことである。そして、人間は、自分が集中していることとは別の世界のことに、しばしば注意を奪われてしまう。
したがって、例えば、ユーザーが、デバイス10を傍らに置いたまま、テレビを見ていて、ふと、目にした、デバイス10上の広告が気になることはあり得ないことではない。ユーザーは、デバイス10の電源ボタン14を操作して、広告の詳細を知りたいと思うかもしれない。
そこで、例えば、広告表示中にユーザーが電源ボタン14を操作する等して、積極的にデバイス10を使用する意志を示した場合には、広告の表示は停止するものの、広告に関連するインターネットサイト等にユーザーを導くような画面を表示させるとよい。これは、例えば、画面の一部を使用するウィンドウのようなものでもよい。広告の停止と広告に関連するインターネットサイト等へのアクセスの情報は、デバイス10から広告を提供する事業者に送られる。この情報は、広告が顧客を誘引した証左となるので、広告主に特別な広告料を請求する理由ともなる。
おそらく、他人は、ユーザー以上にデバイス10に表示される広告に関心を示すであろう。なぜなら、人間は、他人の持ち物にはひときわ興味があるからだ。ただし、製品の写真26だけでは、広告に関連するウェブサイト等へのアクセスは容易ではない。しかし、二次元バーコード27(あるいは、それと同等な機能を有する符号)が製品の写真26に添えられてあれば、ウェブサイトへのアクセスは容易となる。
ここで、デバイス10の所有者以外の者がデバイス10に表示されている広告を見て、広告に関連するインターネットサイト等へアクセスしたか否かを判別するには、例えば、二次元バーコード27に、表示された広告を特定するための文字列を付与しておけばよい。
例えば、二次元バーコード27には、http://www. terrible−advertisement.com/XYZ123abc201608161344、という文字列に相当する記号が表示されている。ここで、“XYZ123abc201608161344”が表示された広告と表示された時間を特定するための文字列である。同じ時間の同じ内容の広告であっても、デバイス10以外の他の携帯端末に表示される広告に添えられる文字列は異なる。
二次元バーコード27を読み取った人物の携帯端末は、二次元バーコード27の情報を元に、最初に、http://www.terrible−advertisement.com/XYZ123abc201608161344、にアクセスする。これは、すぐに、広告に関連するインターネットサイト、http://www.terrible−advertisement.com/home.html、に転送される。一方で、その人物が、http://www.terrible−advertisement.com/XYZ123abc201608161344、にアクセスした記録は今後の商業活動に利用できる資源となる。その人物の携帯端末は、そのときの位置情報も提供するかもしれない。その人物の携帯端末が位置情報を提供しなくても、http://www.terrible−advertisement.com/XYZ123abc201608161344、はデバイス10の広告に基づくものであるので、広告を提供する事業者はデバイス10に位置情報の提供を求めてもよい。
デバイス10の所有者は、デバイス10に表示された広告が、デバイス10の所有者以外の者に利用されたことについての情報を求めれば、広告を提供する事業者は、デバイス10の所有者にその履歴を開示することができる。
また、デバイス10に表示された広告に基づいたアクセスがあった後に、さらに、同じ広告を表示し続ける必要はないかもしれない。そこで、例えば、デバイス10に表示された広告に基づいたアクセスがあった後は、デバイス10に別の広告を表示させるように広告を提供する事業者が操作してもよい。詳細は、後述する変形例1を参照すればよい。
<変形例>
バッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07のあと、バッテリーの残量が基準以下ではないと判定された後、広告を差し替えることも可能である。すなわち、図5(A)のスタンバイ状態M02aのように、バッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07と表示開始ステップS05の間に、広告差し替えステップS21を設ける。
この場合、一度、表示された広告は、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06とバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07と広告差し替えステップS21が終了するまで表示される。この期間のほとんどは、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06で示されているので、広告の差し替え間隔は、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06で設定されている時間で調整できる。
なお、例えば、表示していた広告に誰か(上記の例では、Mr.A)がアクセスした場合にのみ広告を差し替えてもよい。この場合は、図5(B)のスタンバイ状態M02bのように、バッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07と広告差し替えステップS21の間に、さらに、アクセス判定ステップS22を設ける。
アクセス判定ステップS22では、表示していた広告に関連するウェブサイトに、二次元バーコード27を経由してアクセスがあったかどうかを判定する。これは、広告を提供する事業者からの情報によって判定できる。アクセスがあった場合には、広告差し替えステップS21に進み、そうでなかった場合には、時間計数ステップ(スタンバイ状態)S06に進む。
(実施の形態2)
本実施の形態では、さらに、スリープ状態にも移行できるシステムについて、図6を用いて説明する。最初に、図6に示されるステップについて、簡単に説明する。
<スリープ移行判定ステップS10>
電源ボタン14を押す時間TPがスリープ確認時間t1以上であるか否かを判定するステップである。
<表示停止ステップS11>
ディスプレイユニット11のタッチ検出機能と表示機能を無効化するステップである。ディスプレイコントローラ、タッチコントローラ、タイミングコントローラ、LCDドライバ、ELDドライバ等への電力の供給が停止される。また、プロセッサ101やその他の回路も待機モードとなる。
<時間計数ステップ(スリープ状態)S12>
スリープ状態での時間を計数するステップであり、設定された時間となると次のステップに進む。
<バッテリー残量判定ステップ(スリープ状態)S13>
スリープ状態でのバッテリーの残量が設定された値以下であるか否かを判定するステップである。なお、バッテリー残量判定ステップ(アクティブ状態)S03あるいはバッテリー残量判定ステップ(スタンバイ状態)S07とは、判定基準のバッテリー残量が異なってもよい。
図6に示される流れについて説明する。図6に示される流れでは、電源ボタン処理T03により、アクティブ状態M01から、スタンバイ状態M02あるいはスリープ状態M03に、また、スタンバイ状態M02あるいはスリープ状態M03からアクティブ状態M01に移行できる。
起動処理T01、ホームボタン処理T02、タッチ検出処理T04等により、デバイス10がアクティブ状態M01となることは、実施の形態1で説明したとおりである。また、デバイス10が、所定の時間経過後、アクティブ状態M01からスタンバイ状態M02に自動的に移行することも、実施の形態1で説明したとおりである。また、デバイス10が、バッテリー残量の低下によって、スタンバイ状態M02から自動的にシャットダウン処理に移行することも、実施の形態1で説明したとおりである。
さらに、実施の形態1で説明したとおり、アクティブ状態M01でない状態での電源ボタン処理T03により、デバイス10がアクティブ状態M01に移行する。なお、「アクティブ状態M01でない」状態には、スタンバイ状態M02とスリープ状態M03が含まれる。
一方、デバイス10がアクティブ状態M01にある場合は、電源ボタン14を押す時間TPの値によって結果が異なる。最初に、時間TPがスリープ確認時間t1より大きいか否かが判定される(スリープ移行判定ステップS10)。時間TPがスリープ確認時間t1より大きくない場合は、デバイス10はスタンバイ状態M02に進む。時間TPがスリープ確認時間t1より大きい場合は、デバイス10はシャットダウン移行判定ステップS09に進む。
シャットダウン移行判定ステップS09では、時間TPがシャットダウン確認時間t0より大きいか否かが判定される。時間TPがシャットダウン確認時間t0より大きい場合は、デバイス10はシャットダウン処理T05に進む。そうでない場合は、デバイス10は表示停止ステップS11に進む。
続いて、時間を計数する(時間計数ステップ(スリープ状態)S12)。ここでは、タイマーが計数を開始してから所定の値になると、次のステップに進む。時間が所定の値となると、バッテリーの残量を判定する(バッテリー残量判定ステップ(スリープ状態)S13)。バッテリーの残量が基準以下であれば、デバイス10はシャットダウン処理T05に進む。そうでなければ、時間計数ステップ(スリープ状態)S12に戻る。
表示停止ステップS11からバッテリー残量判定(スリープ状態)S13までは、スリープ状態M03、という。スリープ状態M03では、ディスプレイユニット11は表示機能もタッチ検出機能は無効である。これらに関与する回路の電源を供給する必要が無いので、さらにデバイス10の消費電力を低減できる。
図6に示す流れでは、電源ボタン14を短く押すと、デバイス10は、スタンバイ状態M02あるいはスリープ状態M03にある場合はアクティブ状態M01に移行し、アクティブ状態M01にある場合は、スタンバイ状態M02に移行する。アクティブ状態M01で電源ボタン14を少し長く押すと、デバイス10はスリープ状態M03に移行し、さらに長く押すと、シャットダウン処理T05に移行する。このように、ユーザーは、電源ボタン14を操作することで、デバイス10の状態を変更できる。
スタンバイ状態M02がスリープ状態M03と遜色の無い低消費電力であることを考慮すると、ユーザーはアクティブ状態M01でない状態として、もっぱらスタンバイ状態M02を選択する。むしろ、スリープ状態M03を選択する理由は、スタンバイ状態M02で表示される画面を他人に見られたくない場合に限られる。したがって、通常のユーザーにとってはスタンバイ状態M02とアクティブ状態M01との間での移行が主となるので、電源ボタン14の単純なオンオフで一方から他方へ移行できるメリットは大きい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、デバイス10の構成例について説明する。図7に示されるように、デバイス10はプロセッサ101、メモリ102、無線通信モジュール103、ディスプレイコントローラ104、オーディオコントローラ105、カメラコントローラ106、GPSモジュール107、タッチコントローラ108を有する。これらは、バス100によって、相互にデータの送受信が可能である。また、デバイス10はディスプレイユニット11を有する。
オーディオコントローラ105には、マイクロフォン16より音響信号が入力可能であり、オーディオコントローラ105からは、受話器スピーカー12に音響信号が出力される。
ディスプレイコントローラ104は、ディスプレイユニット11に画像信号を送信する。ディスプレイユニット11では、性質の異なる表示層が積層されている。例えば、反射型表示層と非反射型表示層が積層されていてもよい。
反射型表示層としては、反射層を内部あるいは外部に伴う液晶層、反射層を内部あるいは外部に伴う微小電気機械システム(MEMS)、エレクトロニックインク層等を用いることができる。非反射型表示層としては、EL層、バックライト等の光源を伴う液晶層、微小な発光ダイオード(マイクロLED)の層等を用いることができる。いずれにしても、それらを用いて表示をおこなわせるための能動素子、受動素子が近接して設けられていてもよい。
以下では、ディスプレイユニット11はタッチセンサ11aと液晶層11bとEL層11cとが積層された構造を有する例を示す。ここで、液晶層11bとEL層11cの間には、反射層が設けられている。反射層には、複数の開口が設けられ、EL層11cから放射された光が、開口を通して、液晶層11bに到達することが可能である。液晶層11b、EL層11cには、表示に用いる信号を制御するためのトランジスタや配線、電極、容量素子等が設けられていてもよい。なお、液晶層11bを含む特定の領域を反射型液晶表示層、EL層11cを含む特定の領域をEL表示層、とも称する。ディスプレイユニット11の詳細は後述される。
タッチコントローラ108とタッチセンサ11aとの間にも信号のやり取りがある。例えば、タッチコントローラ108からタッチセンサ11aにドライブ信号が送信され、また、タッチセンサ11aからタッチコントローラ108に、検出信号が入力される。タッチセンサ11aが静電容量式の場合、タッチセンサのドライブラインは、センスラインと交差し、ドライブ信号は、ドライブラインに入力される。ドライブラインとセンスラインとの間の容量結合により、センスラインの電位(検出信号)は、ドライブ信号に応じて、変化するが、ライブラインとセンスラインとの交差部に導電性の材料があると、その変化の度合いが変動する。
図8は、ディスプレイコントローラ104、タッチコントローラ108、タッチセンサ11a、液晶層11bとEL層11cとそれらの周辺の回路(タイミングコントローラ112、LCディスプレイ(LCD)のディスプレイドライバ(LCDドライバ113)、ELディスプレイ(ELD)のディスプレイドライバ(ELDドライバ114))を示す。タイミングコントローラ112は、LCDドライバ113、ELDドライバ114等で使用するタイミング信号を生成する機能を有する。
ディスプレイコントローラ104は、インターフェース109、メモリ110a、メモリ110b、画像処理部111を有する。なお、「メモリ110a」、「メモリ110b」は、機能的な表現であり、必ずしも個別に存在しているものではない。例えば、1つのメモリマトリクスのある部分が、ある時間では、メモリ110aとして機能していても、別の時間では、メモリ110bとして機能することがある。したがって、メモリ110a、メモリ110bをまとめてメモリ110と表現することもある。
ディスプレイコントローラ104は、インターフェース109を介して、バス100とデータの送受信をおこなう。例えば、プロセッサ101等、信号を供給する回路やモジュール(以下、ホストを称する)からディスプレイユニット11に表示すべきデータが、バス100を介してインターフェース109に入力される。インターフェース109を通過したデータはメモリ110aあるいはメモリ110bに送られる。
例えば、ここでは、デバイス10の外部より送信された仮想空間の画像(例えば、パリのエトワール凱旋門付近の地図)を、液晶層11bを用いて、カメラコントローラ106より送信された現実空間の画像(例えば、デバイス10付属のカメラで撮影したエトワール凱旋門の写真あるいは動画)を、EL層11cを用いて、それぞれ表示する場合を考える。
いずれもプロセッサ101を経由して、ディスプレイコントローラ104に送信される。また、仮想空間の画像、現実空間の画像以外に、例えば、それぞれの画像を液晶層11b、EL層11cのどの部分に表示するかというデータもディスプレイコントローラ104に送信される。ディスプレイコントローラ104では、これらのデータはインターフェース109を介して受信される。
仮想空間の画像は、ディスプレイコントローラ104に入力された段階では、暗号化され、圧縮されている。暗号化され、圧縮された仮想空間の画像を第1のデータと呼ぶ。また、カメラコントローラ106より送信された現実空間の画像は、ディスプレイコントローラ104に入力された段階では、圧縮されていてもよい。データは圧縮することにより、送信量を低減でき、消費電力を低減できる。圧縮されている状態の現実空間の画像を第2のデータと呼ぶ。
第1のデータは、デバイス10で受信された後、ディスプレイコントローラ104に入力され、メモリ110aに一時保存される。また、第2のデータはメモリ110bに一時保存される。その後、画像処理部111で、復号、解凍等の変換処理と、ガンマ補正、調色・調光等の画像補正を施される。そして、それぞれ、LCDドライバ113、ELDドライバ114にタイミングコントローラ112で生成されるタイミング信号に合わせて送出され、液晶層11b、EL層11cの面内に電気的な作用(偏光の程度や発光の強弱)を及ぼす。これらの作用は、直接あるいは間接に視認することが可能である。その結果、ディスプレイユニット11では仮想空間の画像と現実空間の画像を重なって視認できる。
また、タッチセンサ11aで取得された信号は、タッチコントローラ108、バス100を介して、ホストに送信され、現実空間の画像もしくは仮想空間の画像に関する情報に反映される。あるいは、ディスプレイコントローラ104に送信され、現実空間の画像もしくは仮想空間の画像、その他の画像に反映することも可能である。
また、環境光に関する情報を、光センサを用いて取得し、調色処理・調光処理のパラメータを設定してもよい。光センサの代わりにフロントカメラ13を用いてもよい。このような例を、図9を用いて説明する。図9に示すシステムは、さらに、レジスタユニット116を有する。なお、図9では、タッチコントローラ108、タッチセンサ11aは記載されていないが、図8と同様に動作する。
レジスタユニット116は、ディスプレイコントローラ104やタイミングコントローラ112、その他の回路の動作に用いられるデータを格納する。レジスタユニット116が格納するデータには、画像処理部111が補正処理を行うために使用するパラメータ、タイミングコントローラ112が各種タイミング信号の波形生成に用いるパラメータ等がある。
図8と同様に、ディスプレイコントローラ104は、インターフェース109、メモリ110、画像処理部111を有する。画像処理部111は、ガンマ補正回路117、調光回路118、調色回路119、EL補正回路120を有する。ガンマ補正回路117、調光回路118、調色回路119、EL補正回路120は、米国特許公開2015/0325282号明細書に開示されたメモリを有してもよい。
EL補正回路120は、ELDドライバ114にEL層11cを流れる電流を検出する電流検出回路を備えている場合に設けられる。EL補正回路120は、ELDドライバ114の電流検出回路から送信される信号に基づいて、EL層11cの輝度を調節する機能をもつ。
カメラコントローラ106はセンサコントローラ115を有する。センサコントローラ115には、フロントカメラ13が電気的に接続されている。フロントカメラ13は環境光の強度、色調を検知し、検知信号を生成する。センサコントローラ115は検知信号を基に、制御信号を生成する。センサコントローラ115で生成される制御信号は、カメラコントローラ106から、例えば、画像処理部111やレジスタユニット116に出力される。また、画像処理部111やレジスタユニット116からの信号も、カメラコントローラ106に送られる。
例えば、画像処理部111は、センサコントローラ115から送信される制御信号が環境光の明るさに関する情報を含む場合、環境光の明るさに関する情報に応じて、LCDドライバ113とELDドライバ114に出力する信号を個別に調整することができる。この調整を調光、あるいは調光処理と呼び、調光回路118で実行される。
例えば、晴天の日中に太陽光の下でデバイス10を使用する場合、EL層11cを光らせる必要はない。したがって、LCDドライバ113に、より液晶層11bの透過率が高まるような信号を出力し、ELDドライバ114に、よりEL層11cの発光が弱まるような信号を出力する。逆に、夜間や暗所でデバイス10を使用する場合、EL層11cを光らせて表示を行う。したがって、LCDドライバ113に、より液晶層11bの透過率が下がるような信号を出力し、ELDドライバ114に、よりEL層11cの発光が強まるような信号を出力する。
このように、環境光の強度に応じて、画像処理部111は、液晶層11bのみを用いて表示を行う画像データを作成、もしくはEL層のみを用いて表示を行う画像データを作成、もしくは液晶層11bとEL層11cの双方を用いて表示を行う画像データを作成することができる。明るい環境においても、暗い環境においても、デバイス10は良好な表示を行うことができる。さらに、明るい環境においては、EL層11cを光らせない、もしくはEL層11cの輝度を低くすることで、消費電力を低減することができる。
また、液晶層11bを用いた表示に、EL層11cを用いた表示を組み合わせることで、色調を補正することができる。このような色調補正のためには、センサコントローラ115から送信される制御信号に、環境光の色調を含む情報を追加すればよい。例えば、夕暮れ時の赤みがかった環境においてデバイス10を使用する場合、液晶層11bのみを用いた表示では青成分が足りない(赤っぽく見える)。制御信号に、環境光の色調が赤っぽいという情報が含まれていれば、EL層11cで青(B)や緑(G)をより強く発光させることで、色調を補正することができる。この補正を調色、あるいは調色処理と呼び、調色回路119で実行される。
画像処理部111は、デバイス10の仕様によって、RGB−RGBW変換回路等、他の処理回路を有している場合がある。RGB−RGBW変換回路とは、RGB(赤、緑、青)画像データを、RGBW(赤、緑、青、白)画像信号に変換する機能をもつ回路である。すなわち、ディスプレイユニット11がRGBW4色の画素を有する場合、画像データ内のW(白)成分を、W(白)画素を用いて表示することで、消費電力を低減することができる。なお、RGB−RGBW変換回路はこれに限らず、例えば、RGB−RGBY(赤、緑、青、黄)変換回路等でもよい。
ガンマ補正、調光、調色等の画像補正処理は、入力の画像データXに対して出力の補正データYを作成する処理に相当する。画像処理部111が使用するパラメータは、画像データXを、補正データYに変換するためのパラメータである。
パラメータの設定方式には、テーブル方式、関数近似方式がある。あらゆる画像データに対して自由に補正データを生成したい場合には、テーブル方式を採用するとよい。テーブル方式では、対応するパラメータを格納するため大容量のメモリを必要とするが、補正の自由度が高い。一方、あらかじめ経験的に画像データに対する補正データを決められる場合には、関数近似方式を採用する構成が有効である。関数近似方式では、区間毎に線形近似する方法、非線形関数で近似する方法、等が可能である。関数近似方式では、補正の自由度は低いが、関数を定義するパラメータを格納するメモリが少なくて済む。
タイミングコントローラ112の各種タイミング信号の波形調整に用いるパラメータは、基準となる信号に対して、“H”もしくは“L”となるタイミングをクロック何周期分かを示すパラメータを格納する。
これらの補正のためのパラメータは、レジスタユニット116に格納することができる。また、上記以外にレジスタユニット116に格納できるパラメータとしては、EL補正回路120のデータ、ユーザーが設定した輝度、色調、省エネルギー設定(表示を暗くする、または表示を消す、までの時間)、タッチセンサ11aの感度等がある。
送られる画像データに変化がない場合、ディスプレイコントローラ104内(および/またはその周辺の回路)(の一部)の電力供給を停止することができる。このような選択的な電力供給の停止をパワーゲーティングという。具体的には、例えば、メモリ110、画像処理部111、タイミングコントローラ112、LCDドライバ113、ELDドライバ114、レジスタユニット116の電源供給を停止することができる。電源供給の停止は、例えば、プロセッサ101の指示で実行される。
上記の回路は、画像データに関する回路と、ディスプレイユニット11を駆動するための回路であるため、画像データに変化がない場合は、一時的に電源供給を停止することができる。なお、電源供給を停止する期間は、画像データに変化がない場合でも、ディスプレイユニット11に使用されるトランジスタがデータを保持できる時間(アイドリング・ストップが可能な時間、米国特許公開2014/0368488号明細書参照)、および液晶層11bの焼き付き防止のため行われる反転駆動の時間を考慮して決定してもよい。
なお、メモリ110に画像データを保存しておき、反転駆動時に、LCDドライバ113に供給する画像データとすることが可能である。このようにすることで、ディスプレイコントローラ104外部(ホスト等)から画像データを送信することなく反転駆動が実行できる。したがって、データ送信量を低減でき、デバイス10全体の消費電力を低減することができる。
また、スタンバイ状態では、上記に加えて、タッチコントローラ108への電源供給も停止できる。スタンバイ状態では、アイドリング・ストップ法により、周期的に画像のリフレッシュがおこなわれるため、その都度、ディスプレイコントローラ104やタイミングコントローラ112、LCDドライバ113に電源が供給されるが、タッチコントローラ108への電源供給は不要である。スリープ状態では、リフレッシュもおこなわれないので、タッチコントローラ108への電源供給に加えて、ディスプレイコントローラ104への電源の供給も全面的に不要である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記のディスプレイユニット11に用いることのできる表示装置について、図10乃至図15を用いて説明する。本実施の形態の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とを有する。
例えば、ディスプレイユニット11は、液晶層11b中あるいはその近傍にマトリクス状の第1の表示素子と、EL層11c中あるいはその近傍にマトリクス状の第2の表示素子を有する。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子が反射する光と、第2の表示素子が発する光のうち、いずれか一方または双方により、画像を表示する機能を有する。
第1の表示素子には、環境光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式等を適用した素子等を用いることができる。
第2の表示素子には、発光素子を用いることが好ましい。このような表示素子が発する光は、その輝度や色度が環境光に左右されることが少ないため、色再現性が高く(色域が広く)、コントラストの高い、鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザ等の自発光性の発光素子を用いることができる。なお、第2の表示素子には、自発光性の発光素子を用いることが好ましいが、これに限定されず、例えば、バックライト、またはサイドライト等の光源と、液晶素子とを組み合わせた透過型の液晶素子を用いてもよい。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子を用いて画像を表示する第1のモードと、第2の表示素子を用いて画像を表示する第2のモードと、第1の表示素子及び第2の表示素子の双方を用いて画像を表示する第3のモードと、を有し、第1乃至第3のモードを自動または手動で切り替えることができる。以下では、第1乃至第3のモードの詳細について説明する。
[第1のモード]
第1のモードでは、第1の表示素子と環境光とを用いて画像を表示する。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力なモードである。例えば、表示装置に環境光が十分に入射されるとき(明るい環境下等)は、第1の表示素子が反射した光を用いて表示を行うことができる。例えば、環境光が十分に強く、かつ環境光が白色光またはその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、文字を表示することに適したモードである。また、第1のモードは、環境光を反射した光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。なお、第1のモードを、反射した光を用いて表示を行うため、反射型の表示モード(Reflection mode)と呼称してもよい。
[第2のモード]
第2のモードでは、第2の表示素子による発光あるいは透過光を利用して画像を表示する。そのため、照度や環境光の色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内等、照度が極めて低い場合等に有効である。また、周囲が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。これにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像(静止画及び動画)等を表示することに適したモードである。なお、第2のモードのうち、発光、すなわち放射した光を用いて表示を行うものを、放射型の表示モード(Emission mode)と呼称してもよい。
[第3のモード]
第3のモードでは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光との双方を利用して表示を行う。なお、第1の表示素子と第2の表示素子とを、それぞれ独立に駆動させ、且つ第1の表示素子と第2の表示素子とを、同一期間内で駆動させることで、第1の表示素子と、第2の表示素子とを組み合わせた表示を行うことができる。なお、本明細書等において、第1の表示素子と、第2の表示素子とを組み合わせた表示、すなわち、第3のモードをハイブリッド表示モード(HB表示モード)と呼称することができる。または、第3のモードのうち、放射型の表示モードと、反射型の表示モードとを組み合わせた表示モード(ER−Hybrid mode)と呼称してもよい。
第3のモードで表示を行うことで、第1のモードよりも鮮やかな表示とし、且つ第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯等、比較的照度が低い場合、環境光の色度が白色ではない場合等に有効である。また、反射光と発光とを混合させた光を用いることで、まるで絵画を見ているかのように感じさせる画像を表示することが可能となる。
<第1乃至第3のモードの具体例>
ここで、上述した第1乃至第3のモードを用いる場合の具体例について、図10及び図11を用いて説明する。
なお、以下では、第1乃至第3のモードが照度に応じて自動に切り替わる場合について説明する。なお、照度に応じて自動で切り替わる場合、例えば、表示装置に照度センサ等を設け、当該照度センサからの情報をもとに表示モードを切り替えることができる。
図10(A)(B)(C)は、本実施の形態の表示装置が取り得る表示モードを説明するための画素の模式図である。
図10(A)(B)(C)では、第1の表示素子201、第2の表示素子202、開口部203、第1の表示素子201から反射される反射光204、及び第2の表示素子202から開口部203を通って射出される透過光205が明示されている。なお、図10(A)が第1のモードを説明する図であり、図10(B)が第2のモードを説明する図であり、図10(C)が第3のモードを説明する図である。
なお、図10(A)(B)(C)では、第1の表示素子201として、反射型の液晶素子を用い、第2の表示素子202として、自発光素子のOLEDを用いる場合とする。
図10(A)に示す第1のモードでは、第1の表示素子201である、反射型の液晶素子を駆動して反射光の強度を調節して階調表示を行うことができる。例えば、図10(A)に示すように、第1の表示素子201である、反射型の液晶素子が有する反射電極で、反射光204の強度を液晶層で調節することで階調表示を行うことができる。
図10(B)に示す第2のモードでは、第2の表示素子202である、OLEDの発光強度を調節して階調表示を行うことができる。なお、第2の表示素子202から射出される光は、開口部203を通過し、透過光205として外部に取り出される。
図10(C)に示す第3のモードは、上述した第1のモードと、第2のモードとを組み合わせた表示モードである。例えば、図10(C)に示す第1の表示素子201である、反射型の液晶素子と、第2の表示素子202である、OLEDと例えば、第1の表示素子201である、反射型の液晶素子が有する反射電極で、反射光204の強度を液晶層で調節し階調表示を行う。また、第1の表示素子201の駆動する期間と、同じ期間内に、第2の表示素子202である、OLEDの発光強度、ここでは透過光205の強度を調整し階調表示を行う。
<第1乃至第3のモードの状態遷移>
次に、第1乃至第3のモードの状態遷移について、図10(D)を用いて説明を行う。図10(D)は、第1のモード、第2のモード、及び第3のモードの状態遷移図である。図10(D)に示す、状態C1は第1のモードに相当し、状態C2は第2のモードに相当し、状態C3は第3のモードに相当する。
図10(D)に図示するように、状態C1から状態C3までは照度に応じていずれかの状態の表示モードを取り得る。例えば、屋外のように照度が大きい場合には、状態C1を取り得る。また、屋外から屋内に移動するような照度が小さくなる場合には、状態C1から状態C2に遷移する。また、屋外であっても照度が低く、反射光による階調表示が十分でない場合には、状態C2から状態C3に遷移する。もちろん、状態C3から状態C1への遷移、状態C1から状態C3への遷移、状態C3から状態C2への遷移、または状態C2から状態C1への遷移も生じる。
なお、図10(D)では、第1のモードのイメージとして太陽のシンボルを、第2のモードのイメージとして、月のシンボルを、第3のモードのイメージとして、雲のシンボルを、それぞれ図示してある。
なお、図10(D)に図示するように、状態C1乃至状態C3において、照度の変化がない、または照度の変化が少ない場合には、他の状態に遷移せずに、続けて元の状態を維持すればよい。
以上のように照度に応じて表示モードを切り替える構成とすることで、消費電力が比較的大きい発光素子の光の強度による階調表示の頻度を減らすことができる。そのため、表示装置の消費電力を低減することができる。また、表示装置は、バッテリーの残容量、表示するコンテンツ、または周辺環境の照度に応じて、さらに動作モードを切り替えることができる。なお、上記の説明においては、照度に応じて表示モードが自動で切り替わる場合について例示したがこれに限定されず、使用者が手動で表示モードを切り替えてもよい。
<動作モード>
次に、第1の表示素子で行うことができる動作モードについて、図11を用いて説明を行う。
なお、以下では、通常のフレーム周波数(代表的には60Hz以上240Hz以下)で動作する通常動作モード(Normal mode)と、低速のフレーム周波数で動作するアイドリング・ストップ(IDS)駆動モードと、を例示して説明する。
なお、アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードとは、画像データの書き込み処理を実行した後、画像データの書き換えを停止する駆動方法のことをいう。一旦画像データの書き込みをして、その後、次の画像データの書き込みまでの間隔を延ばすことで、その間の画像データの書き込みに要する分の消費電力を削減することができる。アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードは、例えば、通常動作モードの1/100乃至1/10程度のフレーム周波数とすることができる。
図11(A)(B)(C)は、通常駆動モードとアイドリング・ストップ(IDS)駆動モードを説明する回路図及びタイミングチャートである。なお、図11(A)では、第1の表示素子201(ここでは液晶素子)と、第1の表示素子201に電気的に接続される画素回路206と、を明示している。また、図11(A)に示す画素回路206では、信号線SLと、ゲート線GLと、信号線SL及びゲート線GLに接続されたトランジスタM1と、トランジスタM1に接続される容量素子Csとを図示している。
トランジスタM1としては、半導体層に金属酸化物を有するトランジスタを用いることが好ましい。金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)または酸化物半導体(oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。以下、トランジスタの代表例として、酸化物半導体を有するトランジスタ(OSトランジスタ)を用いて説明する。OSトランジスタは、非導通状態時のリーク電流(オフ電流)が極めて低いため、OSトランジスタを非導通状態とすることで液晶素子の画素電極に電荷の保持をすることができる。
図11(B)は、通常駆動モードでの信号線SLおよびゲート線GLにそれぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。通常駆動モードでは通常のフレーム周波数(例えば60Hz)で動作する。1フレーム期間を第1サブフレームT1、第2サブフレームT2、第3サブフレームT3で表すと、各フレーム期間でゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLからデータDpを書き込む動作を行う。この動作は、第1サブフレームT1から第3サブフレームT3までで同じデータDpを書き込む場合、または異なるデータを書き込む場合でも同じである。
一方、図11(C)は、アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードでの信号線SLおよびゲート線GLに、それぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。アイドリング・ストップ(IDS)駆動では低速のフレーム周波数(例えば1Hz)で動作する。1フレーム期間を期間TFで表し、その中でデータの書き込み期間を期間TW、データの保持期間を期間TRで表す。アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードは、期間TWでゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLのデータDpを書き込み、期間TRでゲート線GLをローレベルの電圧に固定し、トランジスタM1を非導通状態として一旦書き込んだデータDpを保持させる動作を行う。
アイドリング・ストップ(IDS)駆動モードは、上述した第1のモード、または第3のモードと組み合わせることで、さらなる低消費電力化を図ることができるため有効である。
以上のように、本実施の形態の表示装置は、第1乃至第3のモードを切り替えて表示を行うことができる。したがって、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性の高い表示装置または全天候型の表示装置を実現できる。
また、本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子を有する第1の画素と、第2の表示素子を有する第2の画素とをそれぞれ複数有すると好ましい。また、第1の画素と第2の画素とは、それぞれ、マトリクス状に配置されることが好ましい。
第1の画素及び第2の画素は、それぞれ、1つ以上の副画素を有する構成とすることができる。例えば、画素には、副画素を1つ有する構成(白色(W)等)、副画素を3つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色等)、あるいは、副画素を4つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)の4色、または、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、黄色(Y)の4色等)を適用できる。なお、第1の画素及び第2の画素が有する色要素は、上記に限定されず、必要に応じて、シアン(C)及びマゼンタ(M)等を組み合わせてもよい。
本実施の形態の表示装置は、第1の画素及び第2の画素は、双方とも、フルカラー表示を行う構成とすることができる。または、本実施の形態の表示装置は、第1の画素では白黒表示またはグレースケールでの表示を行い、第2の画素ではフルカラー表示を行う構成とすることができる。第1の画素を用いた白黒表示またはグレースケールでの表示は、文書情報等、カラー表示を必要としない情報を表示することに適している。
<表示装置の斜視概略図>
次に、本実施の形態の表示装置について、図12を用いて説明を行う。図12は、表示装置210の斜視概略図である。表示装置210は、例えば、デバイス10に含まれる。
表示装置210は、基板211と基板212とが貼り合わされた構成を有する。図12では、基板212を破線で明示している。
表示装置210は、ディスプレイユニット214、回路216、配線218等を有する。図12では表示装置210にIC220及びFPC222が実装されている例を示している。そのため、図12に示す構成は、表示装置210、IC220、及びFPC222を有する表示モジュールということもできる。ディスプレイユニット214は、実施の形態1乃至3のディスプレイユニット11に相当する。
回路216としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
配線218は、ディスプレイユニット214及び回路216に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC222を介して外部から、またはIC220から配線218に入力される。
図12では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip on Film)方式等により、基板211にIC220が設けられている例を示す。IC220は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路等を有するICを適用できる。なお、表示装置210には、IC220を設けない構成としてもよい。また、IC220を、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
図12には、ディスプレイユニット214の一部の拡大図を示している。ディスプレイユニット214には、複数の表示素子が有する電極224がマトリクス状に配置されている。電極224は、可視光を反射する機能を有し、液晶素子250(後述する)の反射電極として機能する。
また、図12に示すように、電極224は開口部226を有する。さらにディスプレイユニット214は、電極224よりも基板211側に、発光素子270を有する。発光素子270からの光は、電極224の開口部226を介して基板212側に射出される。発光素子270の発光領域の面積と開口部226の面積とは等しくてもよい。発光素子270の発光領域の面積と開口部226の面積のうち一方が他方よりも大きいと、位置ずれに対するマージンが大きくなるため好ましい。
<構成例1>
図13に、図12で示した表示装置210の、FPC222を含む領域の一部、回路216を含む領域の一部、及びディスプレイユニット214を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図13に示す表示装置210は、基板211と基板212の間に、トランジスタ201t、トランジスタ203t、トランジスタ205t、トランジスタ206t、液晶素子250、発光素子270、絶縁層230、絶縁層231、着色層232、着色層233等を有する。基板212と絶縁層230は接着層234を介して接着される。基板211と絶縁層231は接着層235を介して接着されている。
基板212には、着色層232、遮光層236、絶縁層230、及び液晶素子250の共通電極として機能する電極237、配向膜238b、絶縁層239等が設けられている。基板212の外側の面には、偏光板240を有する。絶縁層230は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層230により、電極237の表面を概略平坦にできるため、液晶層241の配向状態を均一にできる。絶縁層239は、液晶素子250のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。絶縁層239が可視光を透過する場合は、絶縁層239を液晶素子250の表示領域と重ねて配置してもよい。
液晶素子250は反射型の液晶素子である。液晶素子250は、画素電極として機能する電極242、液晶層241、電極237が積層された積層構造を有する。電極242の基板211側に接して、可視光を反射する電極224が設けられている。電極224は開口部226を有する。電極242及び電極237は可視光を透過する。液晶層241と電極242の間に配向膜238aが設けられている。液晶層241と電極237との間に配向膜238bが設けられている。
液晶素子250において、電極224は可視光を反射する機能を有し、電極237は可視光を透過する機能を有する。基板212側から入射した光は、偏光板240により偏光され、電極237、液晶層241を透過し、電極224で反射する。そして液晶層241及び電極237を再度透過して、偏光板240に達する。このとき、電極224と電極237の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板240を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層232によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
図13に示すように、開口部226には可視光を透過する電極242が設けられていることが好ましい。これにより、開口部226と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶層241が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、光が漏れてしまうことを抑制できる。
接続部243において、電極224は、導電層244を介して、トランジスタ206tが有する導電層245と電気的に接続されている。トランジスタ206tは、液晶素子250の駆動を制御する機能を有する。
接着層234が設けられる一部の領域には、接続部246が設けられている。接続部246において、電極242と同一の導電膜を加工して得られた導電層と、電極237の一部が、接続体247により電気的に接続されている。したがって、基板212側に形成された電極237に、基板211側に接続されたFPC222から入力される信号または電位を、接続部246を介して供給することができる。
接続体247としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカ等の粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆する等、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体247として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体247は、図13に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体247と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良等の不具合の発生を抑制することができる。
接続体247は、接着層234に覆われるように配置することが好ましい。例えば接着層234となるペーストを塗布した後に、接続体247を配置すればよい。
発光素子270は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子270は、絶縁層230側から画素電極として機能する電極248、EL層252、及び共通電極として機能する電極253の順に積層された積層構造を有する。電極248は、絶縁層254に設けられた開口を介して、トランジスタ205tが有する導電層255と接続されている。トランジスタ205tは、発光素子270の駆動を制御する機能を有する。絶縁層231が電極248の端部を覆っている。電極253は可視光を反射する材料を含み、電極248は可視光を透過する材料を含む。電極253を覆って絶縁層256が設けられている。発光素子270が発する光は、着色層233、絶縁層230、開口部226等を介して、基板212側に射出される。
液晶素子250及び発光素子270は、画素によって着色層の色を変えることで、様々な色を呈することができる。表示装置210は、液晶素子250を用いて、カラー表示を行うことができる。表示装置210は、発光素子270を用いて、カラー表示を行うことができる。
トランジスタ201t、トランジスタ203t、トランジスタ205t、及びトランジスタ206tは、いずれも絶縁層257の基板211側の面上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の工程を用いて作製することができる。
液晶素子250と電気的に接続される回路は、発光素子270と電気的に接続される回路と同一面上に形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々の面上に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができる。また、2つのトランジスタを同一の工程で作製できるため、2つのトランジスタを別々の面上に形成する場合に比べて、作製工程を簡略化することができる。
液晶素子250の画素電極は、トランジスタが有するゲート絶縁層を挟んで、発光素子270の画素電極とは反対に位置する。
トランジスタ203tは、画素の選択、非選択状態を制御するトランジスタ(スイッチングトランジスタ、または選択トランジスタともいう)である。トランジスタ205tは、発光素子270に流れる電流を制御するトランジスタ(駆動トランジスタともいう)である。なお、トランジスタのチャネル形成領域に用いる材料には、金属酸化物を用いると好ましい。
絶縁層257の基板211側には、絶縁層258、絶縁層259、絶縁層260等の絶縁層が設けられている。絶縁層258は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層259は、トランジスタ206t等を覆って設けられる。絶縁層260は、トランジスタ205t等を覆って設けられている。絶縁層254は、平坦化層としての機能を有する。なお、トランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、単層であっても2層以上であってもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素等の不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
トランジスタ201t、トランジスタ203t、トランジスタ205t、及びトランジスタ206tは、ゲートとして機能する導電層261、ゲート絶縁層として機能する絶縁層258、ソース及びドレインとして機能する導電層245及び導電層262、並びに、半導体層263を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
トランジスタ201t及びトランジスタ205tは、トランジスタ203t及びトランジスタ206tの構成に加えて、ゲートとして機能する導電層264を有する。
トランジスタ201t及びトランジスタ205tには、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
または、2つのゲートのうち、一方にしきい値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
表示装置が有するトランジスタの構造に限定はない。回路216が有するトランジスタと、ディスプレイユニット214が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路216が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、ディスプレイユニット214が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
基板211の基板212と重ならない領域には、接続部272が設けられている。接続部272では、配線218が接続層273を介してFPC222と電気的に接続されている。接続部272は、接続部243と同様の構成を有している。接続部272の上面は、電極242と同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部272とFPC222とを接続層273を介して電気的に接続することができる。
基板212の外側の面に配置する偏光板240として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、環境光の反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子250に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
なお、基板212の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルム等)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板212の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜等を配置してもよい。
基板211及び基板212には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂等を用いることができる。基板211及び基板212に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。
液晶素子250としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モード等を用いることができる。
液晶素子250には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板240を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
偏光板240よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
<構成例2>
次に、図13に示す表示装置210と異なる態様について、図14を用いて説明する。
図14に示す表示装置210は、トランジスタ201t、トランジスタ203t、トランジスタ205t、及びトランジスタ206tの代わりに、トランジスタ281、トランジスタ284、トランジスタ285、及びトランジスタ286を有する。トランジスタの構成以外については、図13に示す表示装置210と概ね同様の構成である。ただし、一部の構成については、異なる構成もあるため、同様の箇所については説明を省略し、異なる構成について、以下説明を行う。
図14では、絶縁層239及び接続部243等の位置が図13と異なる。絶縁層239は、着色層232の端部に重ねて配置されている。また、絶縁層239は、遮光層236の端部に重ねて配置されている。このように、絶縁層239は、表示領域と重ならない領域(遮光層236と重なる領域)に配置されてもよい。
トランジスタ284及びトランジスタ285のように、表示装置が有する複数のトランジスタは、部分的に積層して設けられていてもよい。これにより、画素回路の占有面積を縮小することが可能なため、精細度を高めることができる。また、発光素子270の発光面積を大きくでき、開口率を向上させることができる。発光素子270は、開口率が高いと、必要な輝度を得るための電流密度を低くできるため、信頼性が向上する。
トランジスタ281、トランジスタ284、及びトランジスタ286は、導電層244、絶縁層258、半導体層263、導電層245、及び導電層262を有する。導電層244は、絶縁層258を介して半導体層263と重なる。導電層262は、半導体層263と電気的に接続される。トランジスタ281は、導電層264を有する。
トランジスタ285は、導電層245、絶縁層259、半導体層263、導電層291、絶縁層259、絶縁層260、導電層292、及び導電層293を有する。導電層291は、絶縁層290及び絶縁層260を介して半導体層263と重なる。導電層292及び導電層293は、半導体層263と電気的に接続される。
導電層245は、ゲートとして機能する。絶縁層294は、ゲート絶縁層として機能する。導電層292はソースまたはドレインの一方として機能する。トランジスタ286が有する導電層245は、ソースまたはドレインの他方として機能する。
<構成例3>
次に、図13及び図14に示す表示装置210と異なる態様について、図15を用いて説明する。図15は、表示装置210のディスプレイユニットの断面図である。
図15に示す表示装置210は、基板211と基板212の間に、トランジスタ295、トランジスタ296、液晶素子250、発光素子270、絶縁層230、着色層232、着色層233等を有する。
液晶素子250では、環境光を電極224が反射し、基板212側に反射光を射出する。発光素子270は、基板212側に光を射出する。液晶素子250及び発光素子270の構成については、構成例1を参照できる。
トランジスタ295は、絶縁層259及び絶縁層260で覆われている。絶縁層256と着色層233は、接着層235によって貼り合わされている。
また、トランジスタ296は、先に示す構成例1及び構成例2と異なる構造である。具体的には、トランジスタ296は、デュアルゲート型のトランジスタである。なお、トランジスタ296の下側のゲート電極を無くし、トップゲート型のトランジスタとしてもよい。
図15に示す表示装置210は、液晶素子250を駆動するトランジスタ295と発光素子270を駆動するトランジスタ296とを、異なる面上に形成するため、それぞれの表示素子を駆動するために適した構造、材料を用いて形成することが容易である。