JP6760574B2 - 加温装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用の加温装置に関する。
近年、病院などの医療施設において、手術時における低体温の防止を目的として患者を加温するための様々な対策が施されている(例えば、特許文献1、2を参照)。従来の加温方法としては、主に温風式、温水式、電気式などが挙げられる。
特表2012−517883号公報 特許第5543034号公報
例えば、患者にブランケットを着用させて、ブランケット内に温風または温水を環流させることにより患者を加温する場合は、ブランケット内に温風または温水の流路を確保するためのスペースが必要となる。このため、ブランケットの表面において、流路が設けられる箇所と設けられない箇所とがあることにより起伏が生じる。また、手術台にマットを配置し、患者をマットの上に移動させてマットを電気的に加熱することにより患者を加温する場合は、マット内にカーボンヒーターやニクロム線などが設けられることでマットに厚みがあるため、マットと手術台との間に段差が生じる。
このため、全身麻酔などにより患者の筋肉を弛緩させた状態で手術が行われる場合や患者の姿勢を変えずに手術が行われる場合、従来の加温方法では、ブランケットの表面の起伏やマットを設置することにより生じる段差などが原因で患者の体に圧迫痕が残る可能性がある。
本件開示の技術は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、手術台において患者の体に与える影響を抑えつつ患者を加温することができる加温装置を提供することである。
本件開示の一側面における加温装置は、患者と患者を載せる手術台との間に配置されて患者を加温する加温装置であって、発熱用の導電糸が編み込まれて平面状に形成された布地と、布地の一端に間隔を空けて設けられる2つの電極部と、を有し、布地には、2つの電極部の間に一端から他端に所定長さだけ延伸する所定幅の電気的な絶縁部が設けられており、布地の一端から他端までの幅は、手術台の幅と略同じである。これにより、従来の加温装置に比べて患者の加温部(布地)を薄くできるため、手術台と患者との間に本加温装置を載置したときに、加温部と手術台との間に段差が生じて患者の体に圧迫痕が残る可能性を低減することができる。さらに、電極部は布地の端部に設けられているため、電極部により生じる起伏が患者の体と重なって、患者の体に圧迫痕が残る懸念もない。
また、布地は複数並置されており、各布地の間には平面状の絶縁部材が設けられ、絶縁部材の上面側に一方の布地の一端が配置され、絶縁部材の下面側に他方の布地の一端が配置され、一方の布地の一端と他方の布地の一端とは互いに重なり合わないように配置されている構成としてもよい。これにより、患者の加温部の表面にできるだけ起伏を生じさせ
ずに隙間なく配置することが可能になるため、患者の体に圧迫痕が残る可能性を抑えつつ患者の体をできるだけ均一に加温することができる。
さらに、布地の他端に電極部が設けられていてもよい。また、上記2つの電極部の間に電圧が印加されることにより、2つの電極部の一方の電極部から他方の電極部に他端に設けられた電極部を経由して電流が流れるように加温装置を構成してもよい。これにより、より確実に布地全体に電流を流すことができる結果、布地全体が均一に発熱し、患者の体をできるだけ均一に加温することができる。
本件開示の技術によれば、手術台において患者の体に与える影響を抑えつつ患者を加温することができる加温装置を提供することができる。
一実施形態における加温装置の使用例を示す図である。 一実施形態における加温装置の使用例を示す図である。 一実施形態における加温装置の本体部の概略構成を示す図である。 一実施形態における加温装置の本体部の概略構成を示す図である。 一実施形態における加温装置の布地における導電糸の編み目を例示する図である。 一実施形態における加温装置の布地における導電糸と繊維糸を用いたリバーシブル編みを例示する図である。 一実施形態における加温装置の布地において電極糸が片面飾り縫いされた状態を例示する図である。 一実施形態における加温装置の布地において片面飾り縫いされた電極糸を維持する下糸の状態を例示する図である。 一実施形態における加温装置の布地の配置を例示する部分断面図である。 一実施形態における加温装置の本体部のカバーを例示する図である。 一実施形態における加温装置の使用例を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の構成は以下に開示されるものに限定されない。
図1、2に本実施形態に係る加温装置1の使用例を示す。図1、2に示すように、加温装置1は、本体部2、コントローラー3、電源ユニット4を有する。本体部2は、導電糸が面状に編み込まれた布地に電極が設けられた布ヒーターを、表面カバーおよび裏面カバーの間に挟み込んだものである。本実施形態において、布ヒーターとしては、株式会社三機コンシス製の布ヒーター「MildWarmer」を用いるのが好適である。本体部2は、布地に電流が供給されることにより発熱する。本体部2は、本体部2への電流供給を制御するコントローラー3に接続されている。また、コントローラー3は電源ユニット4と接続されている。電源ユニット4は、図示しないコンセントに接続され、交流を直流に変換して電流をコントローラー3を経由して本体部2に送る。なお、加温装置1の構成の詳細については後述する。
図1、2において、加温装置1の本体部2は、手術台5の上に載置されている。そして、患者6は、上半身が本体部2と重なるように手術台5の上に横たわっている。術者は、本体部2および手術台5に対する患者6の配置が完了したら、コントローラー3を操作して本体部2に対する電流供給を開始する。本体部2は、コントローラー3を経由して供給される電流により発熱する。そして、本体部2が発熱することにより、患者6が加温され
る。
図3に、加温装置1の本体部2の構成を概略的に示す。図3に示すように、本体部2は、布ヒーターを構成する2枚の布地10、20、表面カバー30、裏面カバー40を有する。布地10、20の数はこれに限られない。なお、図3には、本体部2における配線などは図示を省略している。また、布地10、20の構成の詳細については後述する。布地10、20は、表面カバー30および裏面カバー40に挟み込まれている。表面カバー30および裏面カバー40は、撥水性および電気絶縁性を有する繊維素材により作製される。
布地10、20のそれぞれの縦幅および横幅は、表面カバー30および裏面カバー40のそれぞれの縦幅および横幅より小さい。また、表面カバー30の縦幅および横幅と裏面カバー40の縦幅および横幅は、それぞれ同じ長さである。このため、表面カバー30と裏面カバー40で布地10、20を挟んだ状態で、表面カバー30と裏面カバー40を重ね合わせると、布地10、20はその全体が表面カバー30および裏面カバー40に覆われる。表面カバー30と裏面カバー40とは、端部において互いに縫い合わされてパイピング処理されている。また、布地10、20は裏面カバー40に接着テープなどにより固定されている。なお、表面カバー30と裏面カバー40の接合方法や布地10、20の裏面カバー40への固定方法はこれに限られない。また、本実施形態では、本体部2の横幅、すなわち図4において紙面左右方向の幅は、手術台5の幅と略同一である。
図4に、加温装置1の本体部2の内部構成を概略的に示す。また、図4には、患者6の位置を点線にて示す。布地10、20は裏面カバー40に接着固定されている。また、布地10と布地20とは、裏面カバー40上において互いに隣接して配置されている。ただし、図4には図示していないが、後述するように、実際は布地10、20の間には絶縁テープが配されており、布地10と布地20との間に隙間が生じないように構成されている。
図4に示すように、布地10の略中央には、布地10の一端から他端に向かって延伸する電気的な絶縁部51が設けられている。本実施形態では、一例として絶縁部51は、布地10に設けられた間隙部である。絶縁部51は、布地10の一端から他端に至る手前の位置まで延伸している。なお、布地10の一端から他端に至る手前の位置までの長さが、本願でいう「所定長さ」の一例に相当する。また、布地10の一端には、電極部61、62が、他端には電極部63がそれぞれ布地10の縁に沿って延伸するように設けられている。本実施形態では、本体部2の横幅、すなわち電極部61、62が設けられている布地10の一端側から電極部63が設けられている布地10の他端側に亘る方向における本体部2の幅が、手術台5の幅と略同一である。このため、本体部2を手術台5に幅に合わせて載置したときに、電極部61〜63を設けることにより本体部2の表面に生じる起伏が患者6の体に当たって圧迫痕を残す可能性は低いと言える。なお、布地20も、布地10と同様に電極部61、62に対応する電極部64、65、電極部63に対応する電極部66、絶縁部51に対応する絶縁部52をそれぞれ有する。
また、電極部61、62、64、65は、リード線71、72、72、73にそれぞれ接続されている。リード線71〜73は、コネクタ90を介してコントローラー3に接続されている。なお、電極部62、64は共通のリード線72に接続されている。したがって、電極部61と電極部62を通電させる際に、例えばコントローラー3からリード線71に供給される電流が、電極部61から布地10および電極部63を経由して電極部62に流れ、リード線72を経由してコントローラー3に戻る。また同様に、コントローラー3からリード線73に供給される電流が、電極部65から布地20および電極部66を経由して電極部64に流れ、リード線72を経由してコントローラー3に戻る。
次に、布ヒーターを構成する布地10、20について説明する。布地10、20の形態としては、導電糸のみを編み込んで布地として形成したものと、導電糸が布地の一面側に編み込まれると共に、繊維で形成された糸(以下、「繊維糸」という。)が他面側にのみ現れるリバーシブル編みによって編み込まれて一枚に形成されているものとを挙げることができる。以下、導電糸が一面側に編み込まれると共に、繊維糸が他面側にのみ現れるリバーシブル編みによって編み込まれて一枚に形成されている布地を、布地10、20の一例として以下に説明する。なお、以下の説明では布地10について説明するが、布地20にも同様に当てはまる。
布地10において、導電糸11は、図5に示すように、布地10の一面10a側に一定間隔を空けて複数配されており、各導電糸11は、その長さ方向の一定ピッチごとに、図中上側に位置する導電糸11に向けてループ12が形成されている。各導電糸11は、このループ12同士を互いに絡み合わせて編み込まれている。
なお、導電糸11の編み方は、特に限定がなく、横編みで導電糸11を編み込んでもよいし、縦編みで導電糸11を編み込んでもよい。横編みとしては、例えば、天竺編み、リブ編み(フライス編みまたはゴム編みともいう。)およびパール編み(リンクス編みまたはガーター編みともいう。)を挙げることができる。縦編みとしては、例えば、トリコット編みおよびアトラス編みを挙げることができる。導電糸11の編み方は適宜選択すればよい。
繊維糸50は、図6に示すように、他面10b側に編み込まれている。繊維糸50は、他面10b側にのみ現れるようにリバーシブル編みされている。繊維糸50は、複数の導電糸11が編まれる方向と直交する方向に、一定間隔ごとに複数のループ51を備えている。これらのループ51は、導電糸11に形成されているループ51に絡められることによって、導電糸11と一体になるように編み込まれている。なお、ここでいう「リバーシブル編み」とは、一方の面に現れる糸と、他方の面に現れる糸とが異なるように編み込む編み方のことをいう。
具体的には、導電糸11を上糸に使用すると共に、繊維糸50を下糸に使用して導電糸11と繊維糸50とを編み込む場合、繊維糸50のループ51を編み針で導電糸11に向けて上昇させて導電糸11よりも図中上側に移動し、その後に再び編み針で導電糸11よりも下側に降下させる。繊維糸50のループ51は、このときに導電糸11のループ51に絡められる。この工程が繰り返されることによって、ループ51が導電糸11に順次に繋がれ、繊維糸50の面が他面10b側に形成される。
繊維糸50は、合成繊維、天然繊維および合成繊維と天然繊維との混合繊維のいずれをも用いることができる。繊維糸50を合成繊維で形成する場合、繊維糸50は、ポリアミドまたはポリエステルで形成することができる。ポリアミドとしては、例えば、ナイロン、ケプラー(登録商標)およびテクニール(登録商標)を挙げることができる。ポリエステルとしては、例えば、テトロン(登録商標)を挙げることができる。こうした繊維糸50は、例えば、30デニールの太さに形成された糸が使用されるが、用途に応じて好適な太さの糸が選定される。
次に、布ヒーターを構成する電極部61〜66について説明する。以下の説明では、電極部61について説明するが電極部62〜66も同様に構成される。電極部61は、布地10に電極糸を縫い込んで形成する形態、あらかじめ所定の形状に形成された電極部を布地10に接着剤で貼り付けたり、ホチキス等の結合部材で結合させたりする形態、および布地10を編み込む工程で電極糸を布地10に部分的に編み込んで形成する形態等の中か
ら必要に応じて選択することができる。以下、布地10に電極糸を縫い込んで形成する形態を例にして電極部61を説明する。
導電糸11が一面10a側に編み込まれると共に、繊維糸50が他面側10bにのみ現れるリバーシブル編みによって編み込まれて一枚に形成されている布地10の場合、電極部61は、導電糸11が現れている一面10a側に飾り部が形成される片面飾りによって形成するとよい。飾り縫いをする際には、複数の針、例えば、2〜4本の針を使用して行う。なお、導電糸11のみを編み込んで形成する布地の場合、飾り縫いの形態は、飾り部が布地の両面に現れる形態の飾り縫い、および片面だけに現れる形態の飾り縫いのどちらの形態も利用することができる。
電極部61の上糸に使用される第1電極糸61a(以下、単に電極糸61aという。)および下糸に使用される第2電極糸61e(以下、単に電極糸61eという。)は、繊維からなる芯線(図示しない)の外周に銅線(図示しない)を撚糸して形成されている。電極糸61aは線径が相対的に細い銅線を芯線の外周に撚糸して形成され、電極糸61eは線径が相対的に太い銅線を芯線の外周に撚糸して形成されている。具体例として、電極糸61aは芯線の外周に外径が0.05mm以下の銅線を撚糸することによって形成され、電極糸61eは芯線の外周に外径が0.08mm以上の銅線を撚糸して形成されている。電極糸61aは、布地10との間の電気的密着性を向上させると共に、電極部61に柔軟性をもたらす。一方、電極糸61eは、布地10に供給する電流を確保することによって電圧降下を防止している。
電極糸61aおよび電極糸61eを構成する芯線は、合成繊維、天然繊維および合成繊維と天然繊維との混合繊維のいずれをも用いることができる。芯線を合成繊維で形成する場合、芯線は、ポリアミドまたはポリエステルで形成することができる。ポリアミドとしては、例えば、ナイロン、ケプラーおよびテクニールを挙げることができる。ポリエステルとしては、例えば、テトロンを挙げることができる。
ただし、電極糸61a、61eは、繊維からなる芯線に導線を撚糸したもの以外にも、銅線および銅合金線等、導電性を有する線の表面に耐食めっき皮膜が形成されたものを使用することもできる。この耐食めっき皮膜の形成材料は、銀、錫、ニッケルまたはその合金等の耐食性を有する材料である。なお、用途に応じて耐食めっき皮膜を施さずに、銅線や銅合金線だけで構成してもよい。
こうした電極糸61a、61eによって構成された電極部61について、図7および図8を参照して、2本の針を使用して形成された電極部61について説明する。電極部61は、電極糸61aが上糸として使用され、電極糸61eが下糸として使用されている。上糸である電極糸61aは、図7に示すように、導電糸11が編み込まれている一面10a側で、アルファベットのZの文字が連なるように布地10に縫い込まれる。縫い込まれた電極糸61aは、相互に平行をなす部分61aと、両側の平行をなす部分61bと直交し、かつ、両側の平行をなす部分61b同士を連絡する部分61cと、両側の平行をなす部分61bを斜めに横切るようにして、両側の平行をなす部分61b同士を連絡する部分61dとから構成される。縫い込まれた電極糸61aは、平行をなす部分61bで、縫製方向の一定間隔毎に下糸である電極糸61eに固定されることによって、縫い込まれた形状が維持されている。
下糸である電極糸61eは、2本使用されている。電極糸61eは、図8に示すように、繊維糸50が編み込まれた他面10b側で、電極糸61aの平行をなす部分61bに対応する位置に破線をなすように平行をなして縫製方向に延びている。
こうした電極部61は、電極糸61a、61eが片面飾り縫いされて形成されるので、布地10の伸縮に対応して電極部61自体も伸縮する。ただし、電極糸61aと電極糸61eとを用いた電極部61は、導電糸11が一面10a側に編み込まれると共に、繊維糸50が他面10b側にのみ現れるリバーシブル編みによって編み込まれて一枚に形成されている布地10に適用する場合には限定されない。電極糸61aと電極糸61eとを用いた電極部61は、導電糸11だけを編み込んで形成した布地に適用することもできる。
なお、電極部61は、上糸に電極糸を使用し、下糸に繊維からなる糸を使用して形成してもよい。その場合の電極部は、上記の電極部61の構造と同様に構成すればよい。なお、電極部61、62、64、65はリード線71、72、72、73にそれぞれ接続されている。
また、電源部4の一例としては、AC/DCアダプターによって、AC100VまたはAC200Vの交流電源を、例えばDC1.5V以上、DC25V以下の直流電流に変換し、変換された直流電流を出力する定電圧装置が挙げられる。なお、電源は、直流電源と交流電源のいずれも使用することができる。直流電源を使用する場合、電源は、DC1.5V以上、DC25V以下の電圧を出力するものを使用することができる。この場合、電源としては、例えば、DC1.5Vの乾電池、リチウムポリマー電池を挙げることができる。また、電源部4には、交流電源や、パルス電圧を出力する電源を用いることもできる。以下の説明では、電源部4として直流電源を用いた場合を例にして、本体部2の作用について説明する。
次に、布地10、20および電極61〜66からなる布ヒーターを有する本体部2が発熱する原理について、布地10に布地10、20を代表させて説明する。電極部61、62に電圧を印加したとき、布地10の一面10a側に編み込まれた導電糸11が、電極部61と電極部62同士を通電させる。なお、電極部61と電極部62は、電極部63を経由して通電する。布地10は、電極部61と電極部62同士の間に一定の抵抗値を与えている。そのため、電極部61と電極部62同士の間に抵抗値に応じたジュール熱が布地10に発生する。発生するジュール熱は、ジュール熱をP、流れる電流値をI、電極部61と電極部62の間の抵抗値をRとすると、次の式(1)で表すことができる。
P(ワット)=I×I×R・・・・・(1)
本体部2の温度は、布地10から発生するジュール熱によって定まり、コントローラー3によって、指定される温度に応じて電極部61と電極部62の間の抵抗値および電極部30に印加する電圧が決定される。なお、電圧は、コントローラー3によって一定電圧を連続的に印加してもよいし、適宜にオンとオフとを繰り返し行ってもよい。また、繊維糸50が布地10の他面10b側に編み込まれているので、繊維糸50が絶縁体として機能し、他面10b側は電気的に絶縁される。
電極部61、62に電圧が印加されると、本体部2は、短時間で指定された温度まで昇温される。なお、布地10は、導電糸11が編み込まれて構成されており、一端に電極部61、62が設けられ、他端に電極部63が設けられているため、電極部61から電極部63を経由して電極部62までの間の通電領域は、むらなく均等に昇温される。
次に、図9を参照しながら、裏面カバー40上における布地10、20の配置について説明する。図9は、本体部2の部分断面図である。図9には、布地10と布地20との間の構成について示す。本実施形態では、本体部2に触れている患者6の体を均等に加温するため、布地10、20は隙間なく配置することが望ましい。ただし、上記の通り、布地10、20は、導電糸11が編み込まれて形成されているため、布地10、20を単純に隙間なく配置すると、布地10、20の間に電流が流れる。そこで、本実施形態では、布
地10、20の間に絶縁テープ100を介在させる。絶縁テープ100は、布地10、20の一方が絶縁テープ100の下面100a側に配され(図では布地10)、他方が絶縁テープ100の上面100b側に配される(図では布地20)。そして、布地10、20は、絶縁テープ100を挟んで互いに重ならないように配される。
ここで、本体部2の布地10、20が設けられている領域において絶縁テープ100が設けられている部分とそうでない部分との間で本体部2の厚さは異なると考えられる。しかし、絶縁テープ100は布地10と布地20とを互いに絶縁する機能を有すればよい。したがって、絶縁テープ100の厚さを適宜選択することで、図1に示すように患者6が本体部2の上に横たわっているときに当該厚さの違いが原因で患者6の体に圧迫痕が残る懸念は生じないと考えられる。
次に図10、11を参照しながら、本実施形態における加温装置1用の保護カバーについて説明する。本体部2は、布地10、20、表面カバー30、裏面カバー40が一体的に構成されているため、施術中に患者6の体液などが表面カバー30または裏面カバー40に付着した場合、汚損した表面カバー30または裏面カバー40を交換することは現実的ではない。また、表面カバー30または裏面カバー40を洗浄することも、感染症の予防の観点からも望ましいとは言えない。そこで、本実施形態では、加温装置1の本体部2を保護カバー110に収納して使用することも可能である。
保護カバー110は、不織布の袋であり一端に本体部2を挿入する開口110aが設けられている。なお、保護カバー110は単回使用部材であり施術ごとに廃棄される。また、保護カバー110の他端における袋の底部110bの両端には、開口110c、110d(図中、点線にて示す)が設けられている。保護カバー110の横幅および縦幅は、それぞれ本体部2の横幅および縦幅よりも若干大きい。このため、本体部2を保護カバー110に収納すると、本体部2が保護カバー110で覆われた状態となる。さらに、保護カバー110は、コントローラー3と本体部2を接続するコネクタ90を覆うコネクタ保護部110eを有する。コネクタ保護部110eにより、コントローラー3とコネクタ90とを接続する配線の一部も保護される。
また、本体部2に開口110c、110dが設けられているため、カバー110内における本体部2の位置決めが容易になる。開口110c、110dがない場合、術者は、開口110aから手を入れて本体部2の角をカバー110の隅に合わせる手間が生じる。しかし、保護カバー110においては、術者は、本体部2をカバー110に収納する際に、開口110cまたは110dに指を入れて本体部2の角をつまんで引くことで、より容易に本体部2の角をカバー110の隅に合わせることができる。
図11に本体部2にカバー110を取り付けた場合の使用例を示す。図11は図1に対応する図であるため、図1と同じ構成については詳細な説明を省略する。また、図11においては、加温装置1については本体部2のみを示す。術者は、加温装置1の本体部2をカバー110に収納して、本体部2をカバー110とともに手術台5に載置する。そして、術者は、図11に示すように本体部2および手術台5に対して患者6を配置する。本実施形態では、一例として、図11を紙面手前側から見たときに、術者が手術台5および患者6の左側に立つことを想定し、コントローラー3および電源ユニット4も手術台5および患者6の左側に位置するように加温装置1が配置される。したがって、カバー110の底部110bが開口110aに対して患者6の頭部側に位置する。図11に示すように、患者6はカバー110の上に重なるため、施術時に患者6の体液などで本体部2が汚損されるリスクを低減することができる。
以上のように、本実施形態に係る加温装置1によれば、手術台5と略同じ横幅の布地1
0、20の両端縁に沿って電極部61〜66が配置されており、患者6と手術台5との間にリード線71〜73が位置しないように構成されている。これにより、本体部2を手術台5に載置しても本体部2表面の起伏や本体部2と手術台5の間の段差はほとんど生じないため、従来の加温装置に比べて施術時間の経過に伴って患者6の体に圧迫痕が生じる可能性を大幅に低減することができる。
以上が本実施形態に関する説明であるが、上記の加温装置1の構成は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と同一性を失わない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、絶縁部51、52を間隙部として設けている。ただし、絶縁部51を、間隙部の代わりに絶縁部材を設ける構成としてもよい。また、絶縁部51を図9に示すように絶縁テープを用いて布地10の一方を絶縁テープの上面側に、他方を絶縁テープの下面側に配されるように構成してもよい。
1 加温装置
2 本体部
10、20 布地
11 導電糸
61、62、63、64、65、66 電極部
100 絶縁テープ

Claims (3)

  1. 患者と前記患者を載せる手術台との間に配置されて前記患者を加温する加温装置であって、
    発熱用の導電糸が編み込まれて平面状に形成された布地と、
    前記布地の一端に間隔を空けて設けられる2つの電極部と、
    を有し、
    前記布地には、前記2つの電極部の間に前記一端から他端に所定長さだけ延伸する所定幅の電気的な絶縁部が設けられており、
    前記布地の前記一端から前記他端までの幅は、前記手術台の幅と略同じであり、
    前記布地は複数並置されており、
    各布地の間には平面状の絶縁部材が設けられ、
    前記絶縁部材の上面側に一方の布地の一端が配置され、前記絶縁部材の下面側に他方の布地の一端が配置され、前記一方の布地の一端と前記他方の布地の一端とは互いに重なり合わないように配置されている
    ことを特徴とする加温装置。
  2. 前記布地の前記他端に電極部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の加温装置。
  3. 前記2つの電極部の間に電圧が印加されることにより、前記2つの電極部の一方の電極部から他方の電極部に前記他端に設けられた前記電極部を経由して電流が流れることを特徴とする請求項に記載の加温装置。
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