JP6759016B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、フリーホイール機能を備えた動力伝達装置に関する。
4輪駆動車においては、例えば、特許文献1に示すように、2輪駆動状態と4輪駆動状態を切り替え可能とし、2輪駆動状態において、従動側車輪を従動側車軸から切断されたフリー状態とし、従動側車輪から受ける走行抵抗を遮断する一方で、4輪駆動状態において、従動側車輪と従動側車軸をロック状態とし、従動側車輪にエンジンからの駆動力を伝達可能とした、フリーホイール機能を備えた動力伝達装置が採用されることがある。
このタイプの動力伝達装置は、例えば、図2に示す4輪駆動車に採用される。この4輪駆動車は、エンジン1と、変速機2と、トランスファレバー3によって切替機構4を作動させて2輪駆動状態と4輪駆動状態を切り替えることが可能なトランスファ5を備えている。2輪駆動状態においては、トランスファ5から後側プロペラシャフト6b、後側ディファレンシャル7b、及び、後側車軸8bを介して後輪9bに駆動力が伝達される一方で、切替機構4の作用によって、トランスファ5から前側プロペラシャフト6aへの駆動力の伝達が遮断される。その一方で、4輪駆動状態においては、2輪駆動状態のときと同様に、後輪9bに駆動力が伝達されるとともに、トランスファ5から前側プロペラシャフト6a、前側ディファレンシャル7a、前側車軸8a(シャフト11)、及び、動力伝達装置100を介して、前輪9aにも駆動力が伝達される。
この動力伝達装置100は、図8及び図9に示すように、エンジン1からの駆動力によって軸周りに回転するシャフト101と、車輪9a(図2参照)とともに軸周りに回転するハブ102と、シャフト101とハブ102との間の回転伝達を接続・遮断可能な伝達遮断機構103を主要な構成要素としている。シャフト101及び伝達遮断機構103は、ハブ102及びこのハブ102と一体に設けられたカバー104及びスピンドル105の内部に収納されている。シャフト101には、スライドギア106が軸方向に相対移動可能かつ軸周りに一体回転可能に設けられている。ハブ102には、スライドギア106と係合可能なアウタギア107が軸周りに一体回転可能に設けられている。
伝達遮断機構103は、スライドギア106をシャフト101に対して軸方向に相対移動させて、スライドギア106とアウタギア107を係合させて、シャフト101とハブ102との間の回転伝達を可能とする一方で、スライドギア106とアウタギア107の係合を解除して、前記回転伝達を遮断する機能を有している。
伝達遮断機構103には、この伝達遮断機構103の内部空間(負圧室)を2輪駆動負圧室108と4輪駆動負圧室109に仕切るダイヤフラム110が設けられている。2輪駆動負圧室108は、2輪駆動負圧経路111を介して2輪駆動負圧ポート112に、4輪駆動負圧室109は、4輪駆動負圧経路113を介して4輪駆動負圧ポート114にそれぞれ接続されている。ダイヤフラム110の2輪駆動負圧室108側には磁性材料からなる円板状の受圧板115が、4輪駆動負圧室109側にはピストン116がそれぞれ併設されている。ダイヤフラム110、受圧板115、及び、ピストン116は、リベット117で一体化されており、ダイヤフラム110の軸方向の移動に伴って、受圧板115及びピストン116は軸方向に移動するようになっている。
カバー104の内部には、磁性材料からなるヨーク118が固定されており、このヨーク118の内周端部に、受圧板115に臨むように起立する円筒状の吸着部118aが形成されている。ヨーク118には磁石119が併設されており、この磁石119によってヨーク118(吸着部118a)には磁性が付与されている。ヨーク118と受圧板115との間には、コイルばね120が介装されている。このコイルばね120は、受圧板115(ダイヤフラム110、ピストン116)をヨーク118と離間させる方向に付勢している。ピストン116の外周縁側には、スライドギア106が軸方向に一体移動可能に設けられており、ピストン116の軸方向への移動に伴って、スライドギア106も同方向に移動する。
2輪駆動状態(図8参照)においては、2輪駆動負圧室108が負圧状態とされて、ダイヤフラム110が2輪駆動負圧室108側に移動する。この移動に伴って、スライドギア106とアウタギア107の係合が解除されて、シャフト101とハブ102との間の回転力の伝達が遮断された2輪駆動状態に切り替えられるとともに、図10に示すように、受圧板115が磁性を有するヨーク118の吸着部118aに磁力によって吸着される。2輪駆動状態への切り替えが完了すると、2輪駆動負圧室108は大気開放され、ヨーク118の吸着力のみによって2輪駆動状態が維持される。
その一方で、4輪駆動状態(図9参照)においては、4輪駆動負圧室109が負圧状態とされて、ダイヤフラム110が4輪駆動負圧室109側に移動する。この移動に伴って、スライドギア106とアウタギア107が係合して、シャフト101からハブ102への回転力の伝達が可能な4輪駆動状態に切り替えられる。4輪駆動状態への切り替えが完了すると、4輪駆動負圧室109が大気開放され、コイルばね120の付勢力のみによって4輪駆動状態が維持される。
このように、2輪駆動状態又は4輪駆動状態への切り替えとともに、各負圧室108、109を大気開放することによって、各負圧室108、109の気密を確保するシール材121、122、123に常に負荷がかかって、その劣化が進行したり、負圧によって装置内部に泥水が吸い込まれたりするのを防止している。
特開平10−278621号公報
特許文献1(及び図8)に係る構成に採用されるヨークは、併設された磁石によって磁化される磁性材料であり、その加工工程で磁性が変化すると、ヨークとしての機能を発揮することができない。このため、ヨークの加工は、旋削加工ではなく、磁性に比較的影響を与えにくいプレス加工によって行なわれる。ところが、プレス加工は、旋削加工と比較して高い加工精度を確保しにくく、受圧板を吸着するヨークの吸着部の加工精度が不十分となることがある。この場合、受圧板と吸着部が軸方向に相対的に傾斜して、円環状の吸着部の全周に亘って受圧板を吸着することができず、2輪駆動状態を安定的に維持することができない虞がある。
そこで、この発明は、4輪駆動車の駆動切替状態を安定的に維持することを課題とする。
この課題を解決するために、この発明においては、スライドギアが軸方向に相対移動可能かつ軸周りに一体回転可能に設けられた、駆動源からの駆動力によって軸周りに回転するシャフトと、前記スライドギアと係合可能なアウタギアが軸周りに一体回転可能に設けられた、車輪とともに軸周りに回転するハブと、前記スライドギアを前記シャフトに対して軸方向に相対移動させて、前記スライドギアと前記アウタギアを係合させて、前記シャフトと前記ハブとの間の回転伝達を可能とする一方で、前記スライドギアと前記アウタギアの係合を解除して、前記回転伝達を遮断する伝達遮断機構と、を備え、前記伝達遮断機構が、前記シャフト側又は前記ハブ側の一方側に設けられ、磁石によって磁力を付与されるヨークと、前記シャフト側又は前記ハブ側の他方側に設けられ、前記係合の解除の際に前記ヨークに吸着される吸着部材と、前記ヨークへの前記吸着部材の吸着力によって変形して、前記ヨークと前記吸着部材の軸方向の相対的な傾斜を補正して、前記ヨークの吸着部全体で均等に前記吸着部材を吸着させる傾斜補正機構と、を有する動力伝達装置を構成した。
このように、ヨークと吸着部材の軸方向の相対的な傾斜を補正することによって、ヨークで吸着部材を確実に吸着することができる。このため、4輪駆動車の駆動切替状態(4輪駆動状態又は2輪駆動状態)を安定的に維持することができる。
前記構成においては、前記伝達遮断機構が、前記吸着部材を軸方向に駆動する際に負圧とする負圧室を、前記係合の際に負圧とする係合負圧室と、前記係合の解除の際に負圧とする解除負圧室に仕切るダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを係合負圧室側に付勢する付勢部材と、前記ダイヤフラムとともに軸方向に移動する、固定部材と、をさらに有する構成とするのが好ましい。このように、ダイヤフラムで解除負圧室及び係合負圧室を形成し、負圧で係合状態と係合解除状態を切り替えることにより、その切り替えを簡便に行うことができる。
上記のように伝達遮断機構を構成した場合においては、前記傾斜補正機構が、前記吸着部材と前記固定部材との間に介装された弾性部材である構成とするのが好ましい。このように弾性部材を用いることにより、傾斜補正機構の機能を確実に発揮させることができる。
前記弾性部材を採用した構成においては、この弾性部材が、波ばね又は皿ばねである構成とするのが好ましい、これらのばねは、構造が単純であって不具合が生じにくく信頼性が高いため、傾斜補正機構の機能を確実に発揮させるとともに、低コスト化を図ることができる。
この発明に係る動力伝達装置は、シャフトとハブとの間の回転伝達を接続又は遮断する伝達遮断機構に、ヨークと吸着部材との間の軸方向の相対的な傾斜を補正する傾斜補正機構を採用したので、ヨークで吸着部材を確実に吸着することができる。このため、4輪駆動車の駆動切替状態を安定的に維持することができる。
この発明に係る動力伝達装置の一実施形態を示す縦断面図 図1に示す動力伝達装置を採用した4輪駆動車の一例を示す全体構成図 傾斜補正機構の要部を示す縦断面図であって、弾性部材として(a)は波ばねを採用した場合、(b)は皿ばねを採用した場合 図1に示す動力伝達装置の要部を示す縦断面図(2輪駆動状態) 図1に示す動力伝達装置の要部を示す縦断面図(4輪駆動状態) 傾斜補正機構の要部を示す縦断面図(ヨークと受圧板との間の軸方向の相対的な傾斜がない場合) 傾斜補正機構の要部を示す縦断面図(ヨークと受圧板との間の軸方向の相対的な傾斜がある場合) 従来技術に係る動力伝達装置の一例(2輪駆動状態)を示す縦断面図 従来技術に係る動力伝達装置の一例(4輪駆動状態)を示す縦断面図 図8に示す動力伝達装置の要部を示す縦断面図
この発明に係る動力伝達装置10の一実施形態を図1に示す。この動力伝達装置は、例えば、図2に示す4輪駆動車に採用される。この4輪駆動車は、上記において説明したように、エンジン1と、変速機2と、トランスファレバー3によって切替機構4を作動させて2輪駆動状態と4輪駆動状態を切り替えることが可能なトランスファ5を備えている。
2輪駆動状態においては、トランスファ5から後側プロペラシャフト6b、後側ディファレンシャル7b、及び、後側車軸8bを介して後輪9bに駆動力が伝達される一方で、切替機構4の作用によって、トランスファ5から前側プロペラシャフト6aへの駆動力の伝達が遮断される。その一方で、4輪駆動状態においては、2輪駆動状態のときと同様に、後輪9bに駆動力が伝達されるとともに、トランスファ5から前側プロペラシャフト6a、前側ディファレンシャル7a、前側車軸8a(シャフト11)、及び、動力伝達装置10を介して、前輪9aにも駆動力が伝達される。
この動力伝達装置10は、駆動源1としてのエンジン(以下において、駆動源1と同じ符号を付する。)の駆動力によって軸周りに回転するシャフト11と、車輪9a(図2参照)とともに軸周りに回転するハブ12と、シャフト11とハブ12との間の回転伝達を接続・遮断可能な伝達遮断機構13を主要な構成要素としている。シャフト11及び伝達遮断機構13は、ハブ12及びこのハブ12と一体に設けられたカバー14及びスピンドル15の内部に収納されている。ハブ12とカバー14は、ボルト16によって一体に締結されている。ハブ12とスピンドル15の間には、軸受17が介在して設けられており、ハブ12とスピンドル15は、軸周りに相対回転可能となっている。また、シャフト11にはブッシュ18が設けられており、このシャフト11がスピンドル15に対してスムーズに軸周りに回転し得るようになっている。
シャフト11には、スライドギア19が設けられている。シャフト11にはガイド溝11aが、スライドギア19にはこのガイド溝11aによってガイドされるガイド突起19aが形成されており、スライドギア19はシャフト11に対して軸方向に相対移動可能かつ軸周りに一体回転可能となっている。ハブ12には、スライドギア19と係合可能なアウタギア20が、このハブ12と軸周りに一体回転可能に設けられている。
伝達遮断機構13は、スライドギア19をシャフト11に対して軸方向に相対移動させることによって、スライドギア19とアウタギア20を係合し、シャフト11とハブ12との間の回転伝達を可能とする一方で、スライドギア19とアウタギア20の係合を解除して、前記回転伝達を遮断する機能を有している。
伝達遮断機構13には、この伝達遮断機構13の内部空間(負圧室)を、スライドギア19とアウタギア20の係合を解除する際に負圧となる解除負圧室21としての2輪駆動負圧室(以下において、解除負圧室21と同じ符号を付する。)と、スライドギア19とアウタギア20を係合させる際に負圧となる係合負圧室22としての4輪駆動負圧室(以下において、係合負圧室22と同じ符号を付する。)に仕切るダイヤフラム23が設けられている。
2輪駆動負圧室21は、2輪駆動負圧経路24を介して2輪駆動負圧ポート25に、4輪駆動負圧室22は、4輪駆動負圧経路26を介して4輪駆動負圧ポート27にそれぞれ接続されている。2輪駆動負圧経路24及び4輪駆動負圧経路26には、タイマ制御される遮断弁(図示せず)が設けられている。この遮断弁は、2輪駆動負圧経路24又は4輪駆動負圧経路26の負圧が、予めタイマ設定した所定時間を経過したときに作動して、負圧状態の2輪駆動負圧室21又は4輪駆動負圧室22を大気開放するようになっている。
ダイヤフラム23の2輪駆動負圧室21側には受圧板28が、4輪駆動負圧室22側にはピストン29がそれぞれ併設されている。受圧板28の2輪駆動負圧室21側には、周方向断面がS字形の固定部材30が設けられている。この固定部材30の外周方向端部側には、スライドギア19とアウタギア20の係合の解除の際に後述するヨーク31に吸着される吸着部材32が設けられている。
固定部材30と吸着部材32との間には、傾斜補正機構33として機能する弾性部材(以下において、傾斜補正機構33と同じ符号を付する。)が介装されている。すなわち、吸着部材32は、弾性部材33によって、固定部材30に対しフローティング固定(外力が作用することによって、固定部材30に対して傾斜可能な固定)されている。この弾性部材33として、図3(a)に示す波ばね33aを採用することができる。あるいは、波ばね33aの代わりに、図3(b)に示す皿ばね33bを採用することもできる。この波ばね33aや皿ばね33bは、構造が単純であって不具合が生じにくく信頼性が高いため、傾斜補正機構33としての機能を確実に発揮させるとともに、低コスト化を図ることができる。
ダイヤフラム23、受圧板28、ピストン29、及び、固定部材30は、リベット34で一体化されており、ダイヤフラム23の軸方向の移動に伴って、受圧板28、ピストン29、固定部材30、及び、この固定部材30に設けられた弾性部材33と吸着部材32は軸方向に一体に移動するようになっている。
カバー14の内部には、磁性材料からなるヨーク31が固定されており、このヨーク31の内周端部に、受圧板28に臨むように起立する円環状の吸着部31aが形成されている。ヨーク31には磁石35が併設されており、この磁石35によってヨーク31(吸着部31a)には磁性が付与されている。ヨーク31と受圧板28との間には、付勢部材36としてのコイルばね(以下において、付勢部材36と同じ符号を付する。)が介装されている。このコイルばね36は、受圧板28(ダイヤフラム23、固定部材30、弾性部材33、吸着部材32、及び、ピストン29)をヨーク31と離間させる方向に付勢している。ピストン29の外周縁側には、スライドギア19が軸方向に一体移動可能に設けられており、ピストン29の軸方向の移動に伴って、スライドギア19も同方向に移動する。
2輪駆動負圧室21を負圧状態とすると、図4に示すように、ダイヤフラム23が2輪駆動負圧室21側に移動する。この移動に伴って、スライドギア19とアウタギア20の係合が解除されて、シャフト11とハブ12との間の回転力の伝達が遮断された2輪駆動状態に切り替えられる。この切り替え後に所定時間が経過すると、2輪駆動負圧経路24に設けられたタイマが作動し、2輪駆動負圧室21は大気開放される。そして、吸着部材32が磁性を有するヨーク31の吸着部31aに磁力によって吸着され、この吸着力のみによって2輪駆動状態が維持される。
その一方で、4輪駆動負圧室22を負圧状態とすると、図5に示すように、ダイヤフラム23が4輪駆動負圧室22側に移動する。この移動に伴って、スライドギア19とアウタギア20が係合して、シャフト11からハブ12への回転力の伝達が可能な4輪駆動状態に切り替えられる。この切り替え後に所定時間が経過すると、4輪駆動負圧経路26に設けられたタイマが作動し、4輪駆動負圧室22は大気開放される。そして、コイルばね36の付勢力のみによって4輪駆動状態が維持される。
このように、2輪駆動状態又は4輪駆動状態への切り替えとともに、2輪駆動負圧室21及び4輪駆動負圧室22を大気開放することによって、各負圧室21、22の気密を確保するシール材37、38、39に常に負荷がかかって、その劣化が進行したり、負圧によって装置内部に泥水が吸い込まれたりするのを極力防止することができる。
このヨーク31は、併設された磁石35によって磁化される磁性材料であり、その加工工程で磁性が変化すると、ヨーク31としての機能を発揮することができない。このため、ヨーク31の加工は、旋削加工ではなく、磁性に比較的影響を与えにくいプレス加工によって行なわれる。プレス加工の加工精度が十分あれば、図6に示すように、2輪駆動状態において、ヨーク31の吸着部31aの周方向全体で吸着部材32を吸着することができる。ところが、プレス加工は、旋削加工と比較して高い加工精度を確保しにくく、ヨーク31の吸着部31aの加工精度が不十分となることがあり、ヨーク31と吸着部材32が、それぞれ軸方向にリジッドに設けられていると、安定した吸着状態が得られない虞がある。
これに対し、本実施形態に係る構成のように、固定部材30と吸着部材32の間に弾性部材33を介装することによって、図7に示すように、ヨーク31と吸着部材32との間の吸着力によって弾性部材33が変形し、ヨーク31と吸着部材32との間の軸方向の相対的な傾斜が補正され、ヨーク31で吸着部材32を確実に吸着することができる。このため、駆動機構の切り替え状態(この構成においては、2輪駆動状態)を安定的に維持することができる。
上記の実施形態に係る動力伝達装置10はあくまでも例示であって、4輪駆動車の駆動切替状態(2輪駆動状態又は4輪駆動状態)を安定的に維持する、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部材の形状、配置等を適宜変更することができる。
1 駆動源(エンジン)
9(9a) 車輪(前輪)
11 シャフト
12 ハブ
13 伝達遮断機構
19 スライドギア
20 アウタギア
21 解除負圧室(2輪駆動負圧室)
22 係合負圧室(4輪駆動負圧室)
23 ダイヤフラム
30 固定部材
31 ヨーク
31a 吸着部
32 吸着部材
33 傾斜補正機構(弾性部材)
33a 波ばね
33b 皿ばね
35 磁石
36 付勢部材(コイルばね)

Claims (4)

  1. スライドギア(19)が軸方向に相対移動可能かつ軸周りに一体回転可能に設けられた、駆動源(1)からの駆動力によって軸周りに回転するシャフト(11)と、
    前記スライドギア(19)と係合可能なアウタギア(20)が軸周りに一体回転可能に設けられた、車輪(9)とともに軸周りに回転するハブ(12)と、
    前記スライドギア(19)を前記シャフト(11)に対して軸方向に相対移動させて、前記スライドギア(19)と前記アウタギア(20)を係合させて、前記シャフト(11)と前記ハブ(12)との間の回転伝達を可能とする一方で、前記スライドギア(19)と前記アウタギア(20)の係合を解除して、前記回転伝達を遮断する伝達遮断機構(13)と、
    を備え、前記伝達遮断機構(13)が、
    前記シャフト(11)側又は前記ハブ(12)側の一方側に設けられ、磁石(35)によって磁力を付与されるヨーク(31)と、
    前記シャフト(11)側又は前記ハブ(12)側の他方側に設けられ、前記係合の解除の際に前記ヨーク(31)に吸着される吸着部材(32)と、
    前記ヨーク(31)への前記吸着部材(32)の吸着力によって変形して、前記ヨーク(31)と前記吸着部材(32)の軸方向の相対的な傾斜を補正して、前記ヨーク(31)の吸着部(31a)全体で均等に前記吸着部材(32)を吸着させる傾斜補正機構(33)と、
    を有する動力伝達装置。
  2. 前記伝達遮断機構(13)が、
    前記吸着部材(32)を軸方向に駆動する際に負圧とする負圧室を、前記係合の際に負圧とする係合負圧室(22)と、前記係合の解除の際に負圧とする解除負圧室(21)に仕切るダイヤフラム(23)と、
    前記ダイヤフラム(23)を係合負圧室(22)側に付勢する付勢部材(36)と、
    前記ダイヤフラム(23)とともに軸方向に移動する、固定部材(30)と、
    をさらに有する請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記傾斜補正機構(33)が、前記吸着部材(32)と前記固定部材(30)との間に介装された弾性部材(33)である請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記弾性部材(33)が、波ばね(33a)又は皿ばね(33b)である請求項3に記載の動力伝達装置。
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