1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図9参照)とを備えている。遊技機枠50は、図2に示すように、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前扉部)53は、外枠51及び内枠52の前面側を覆う縦長方形状のものである。遊技機枠50を外装体ともいい、遊技機枠50の前面側を構成する部分(本形態では前枠53)を前側装飾部ともいう。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部53aが形成されていて、開口部53aには後述の遊技領域(所定の領域)3を遊技者が視認できるように透明のガラス板55が取付けられている。なお、開口部53aに取り付けられたガラス板55のうち開口部53aの内側に位置する部分は、遊技領域3を視認可能な「窓部」を構成する。ガラス板55の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。すなわち窓部は、前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53は、図3に示すように、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備え、後側に上側装飾ユニット200と左側装飾ユニット210と右側装飾ユニット220と操作機構ユニット230とを組付けるベース部材240を備えている。ベース部材240の左右上側には、音を出力するスピーカ67がそれぞれ設けられている。また、ベース部材240の下側には、遊技球(遊技媒体)を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。
なお、図3中では打球供給皿61はベース部材240に付いているが、操作機構ユニット230にユニット化されているものである。打球供給皿61を含めた操作機構ユニット230を、「遊技媒体貯留皿部」と称することとする。なお、遊技媒体貯留皿部は、打球供給皿61を除いた操作機構ユニット230にて構成されるものでもよい。
操作機構ユニット230には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60と、ハンドル60の回転角度を変えることなく遊技球の発射を停止させるための発射停止ボタン60a(図5参照)と、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62とが設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字キー)64が設けられている。なおセレクトボタン64は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。更に操作機構ユニット230の左方側には、図4(A)に示すように、ホール(遊技場)の従業員を呼び寄せるための呼び出しスイッチ180(操作手段に相当、呼出操作手段や呼出操作部ともいう)が設けられている。なお演出ボタン63やセレクトボタン64を非呼出用操作手段や非呼出用操作部ともいう。
呼び出しスイッチ180の押下は、フォトセンサである呼び出しセンサ181(図12参照)により検知される。呼び出しスイッチ180は、外表面側にスモークレンズ175を有するとともに、スモークレンズ175から見て内側に名称表示部材176および発光部材182(以下「呼び出し用LED182」という、図13参照)を有している。名称表示部材176は、「呼び出しスイッチ」の文字部分だけが赤色カラーフィルタになっているシール部材177を、シール台座178に貼付したものである。呼び出し用LED(発光体に相当)182は、名称表示部材176の下方に配されていて、上方に向かって光を照射可能なものである。シール部材177及びシール台座178はともに光透過性を有する部材からなる。またスモークレンズ175は、光透過性を有する灰色(暗い灰色)の合成樹脂部材からなる。
名称表示部材176は灰色のスモークレンズ175の内側に配されているため、名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字は、呼び出し用LED182が非発光状態(消灯状態)にあるときには図4(B)に示すように遊技者から視認し難い。しかし、呼び出し用LED182が発光状態(点灯状態)にあれば、呼び出し用LED182の放つ光が名称表示部材176およびスモークレンズ175を通って遊技者に届くため、図4(A)に示すように名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字が赤色の文字として遊技者からはっきりと視認可能となる。なお本形態では、スモークレンズ175、名称表示部材176、及び呼び出し用LED182は、使用可否示唆手段を構成する。また、呼び出しスイッチ180は、呼び出し用LED182が点灯状態にあるときに「呼び出しスイッチ」の文字がほとんど視認できないものであってもよいし、全く視認できないものであってもよい。
上側装飾ユニット(上部装飾部)200は、図5及び図6に示すように、上側が開放した箱状の収容部290と、この収容部290に収容された左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rとを備えている。収容部290の左右方向の中央には前後方向に延びる回転軸441が取付けられていて、回転軸441は前方に向かって下方に傾斜している。左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、回転軸441に対して回転可能に取付けられている。
左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、初期状態では、図5に示す収納位置(待機位置)にある。そして、所定の演出時(SPリーチ演出や大当たり演出の実行時)には、左側枠可動体600Lは収納位置から回転軸441周りに時計方向に90度回転して、図7に示す突出位置(動作位置)になる。同時に、右側枠可動体600Rは収納位置から回転軸441周りに反時計方向に90度回転して、図7に示す突出位置(動作位置)になる。左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rは、枠可動体駆動モータ600a(図13参照)によって駆動される。なお以下では、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rをまとめて「枠可動体600」と呼ぶことにする。枠可動体600は可動部材に相当する。
このように本形態では、枠可動体600は、収納位置にあるときには図5に示すように、遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方にある。そして枠可動体600が、突出位置に移動すると図7に示すように、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出する。これにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能である。なお図5及び図7に示すように、遊技機枠50の外縁部分である枠縁50Wは、上側の上縁50Uと下側の下縁50Dと左側の左縁50Lと右側の右縁50Rとで構成されている。
また本形態では図6に示すように、上側装飾ユニット200の前端位置P1は、操作機構ユニット230の前端位置P2よりも前方にある。つまり、上側装飾ユニット200が、遊技機枠50(前枠53)のうちどのユニット(部材)よりも前方に突出している。そのため本形態の遊技機枠50では、上側装飾ユニット200が遊技者に向かって迫り出すようになっていて、形状面においてインパクトを与えることが可能である。なお上側装飾ユニット200が前方に大きく突出していることで、収容部290が大きくなって、枠可動体600を大きく構成することが可能になっている。
また図5に示すように、上側装飾ユニット200の前壁部には、枠ランプ66が設けられている。具体的に枠ランプ66は、左側から右側に向かって順番に、「L」字形状の第1発光部と、「O」字形状の第2発光部と、「G」字形状の第3発光部と、「O」字形状の第4発光部とにより構成されている。こうして枠ランプ66は「LOGO」から成る一連の意味ある文字列を形成している。「LOGO」とは、本パチンコ遊技機1の機種名の略称(「ロゴ」)であると共に、主人公キャラの名称を意味している。
ところで本パチンコ遊技機1の上方には、図5及び図6に示すように、データ表示器160が設置されている。データ表示器160は、接続されている本パチンコ遊技機1の動作状況に関する表示を行うものである。このデータ表示器160は、垂直壁面SHに固定されている固定装置161と、この固定装置161に対して前後に傾動可能に取付けられている表示装置162と、ホールの従業員を呼び寄せるための呼び出しボタン163と、当該データ表示器160が呼出状態(呼び出し中)であることを示すことが可能な装飾ランプ164とを備えている。
呼び出しボタン163を押下操作すると、データ表示器160から、後述するホールコンピュータ170(図12参照)や他の機器に呼出用の信号が送信される。これにより、ホールコンピュータ170は、データ表示器160が呼出状態になっているのを把握することが可能である。また、データ表示器160からの信号に基づいて、ホール内の島毎に設けられた島ランプ(呼出ランプ、不図示)を点灯させれば、この点灯によってホールの従業員は呼び出されていることを認識できる。この場合、ホールの従業員は呼び出しボタン163が押下操作されたパチンコ遊技機1に向かうことになる。またこのときには、呼び出しボタン163の押下操作に基づいて、装飾ランプ164が呼び出し中であることを示す発光態様で発光し続ける。これにより、遊技者や周りの従業員等にデータ表示器160が呼出状態になっているのを示すことになる。
そして、データ表示器160が呼出状態であるときに、遊技者や呼び寄せられたホールの従業員が呼び出しボタン163を押下操作すると、当該データ表示器160からホールコンピュータ170や他の機器に対する呼出用の信号の送信が停止される。これにより、ホールコンピュータ170は、データ表示器160が非呼出状態(通常状態)に切替わったのを把握することが可能である。また、データ表示器160からの信号の停止に基づいて、島ランプが消灯する。またこのときには、呼び出しボタン163の押下操作に基づいて、装飾ランプ164が呼出用の発光態様から別の態様(例えば消灯態様)に切替わる。これにより、遊技者や周りの従業員等にデータ表示器160の呼出状態が解除されたのを示すことになる。
表示装置162には、後述するように、特別図柄が変動表示された回数を示すスタート回数表示部165(図12参照)や、今日の大当たりの当選回数を示す大当たり回数表示部166(図12参照)、賞球数(獲得出玉数)を示す賞球数表示部(図示省略)が設けられている。なお表示装置162に設けられている表示部は、スタート回数表示部165、大当たり回数表示部166、賞球数表示部に限られるものではなく、高確率状態の発生回数を示す高確発生回数表示部や、前日の大当たりの当選回数を示す前日大当たり回数表示部等が設けられていても良く、適宜変更可能である。
表示装置162は、図6に示すように、固定装置161に対する前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。このように表示装置162が前傾姿勢になることで、座っている遊技者にとっては表示装置162が見え易くなる。しかしながら上述したように、枠可動体600が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出すると、枠可動体600が表示装置162に干渉する可能性が出てくる。
そこで本形態では枠可動体600が、図8に示すように側面視で、斜め前方に向かって突出することで、枠可動体600と表示装置162との干渉を回避している。その結果、枠可動体600が突出位置にあるときには、枠可動体600の前端位置P3が、上側装飾ユニット200の前端位置P1よりも前方に位置している。つまり、突出位置にある枠可動体600が、前方に突出している上側装飾ユニット200よりも更に前方に飛び出ている。よって、突出位置にある枠可動体600が遊技者に対してより接近することなり、遊技者に与えるインパクトを強めることが可能である。なお枠可動体600が突出位置にあるときに、枠可動体600の垂直壁面SHに対する前傾角度φ(図8参照)は25度である。
ちなみに枠可動体600が突出位置にあるときには、データ表示器160の呼び出しボタン163は、枠可動体600の後方に位置することになる(図7参照)。よって、呼び出しボタン163の操作のし易さは、枠可動体600が収納位置にあるときに比べて低下してしまう。枠可動体600を避けるようにして手を伸ばす必要があるからである。そこで本形態ではパチンコ遊技機1に呼び出しスイッチ180(図4参照)を設け、これを操作することでホールの従業員の呼出を可能としている。なお、この点については後に詳述する。
次に、図9に基づいて遊技盤2について説明する。図9に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図13参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。また遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示部)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図11参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図11参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43b(図11参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が設けられている。盤可動体15は初期状態において、図9に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図13参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(入球口開閉部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図12参照)により駆動される。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図12参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図12参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図10(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図10(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図10(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図10(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図10(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図9に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、ゲート28と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2大入賞口35、第1大入賞口30、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。
また図9に示すように、遊技盤2の右上部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図11に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部85(図12参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図12参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図12参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図11参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図12参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図12及び図13に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図12及び図13に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110はそれぞれ、遊技の結果に影響を及ぼす制御処理を実行可能な主基板に相当する。主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、枠可動体600、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路191が設けられている。バックアップ電源回路191は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ195が接続されている。電源スイッチ195のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板190には、主制御基板80のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ192が実装されている。電源基板190を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場(ホール)の従業員等でなければ、電源スイッチ195やRAMクリアスイッチ192を操作することはできない。すなわち、電源スイッチ195やRAMクリアスイッチ192は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作部といえる。RAMクリアスイッチ192の操作に基づく信号は、電源基板190から主制御基板80に出力され、主制御基板80のCPU82によって読み取られる。なおRAMクリアスイッチ192は、主制御基板80に実装されていてもよい。
図12に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を行う払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)151を実装している。払出制御用マイコン151には、払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM153、ワークメモリとして使用されるRAM154、ROM153に記憶されたプログラムを実行するCPU152、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)157が含まれている。なお、ROM153は外付けであってもよい。
払出制御用マイコン151は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知されて、賞球センサ122による検知信号が払出制御基板110に出力される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知されて、球貸センサ132による検知信号が払出制御基板110に出力される。
なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。また、発射停止ボタン60a(図5参照)の押し込み操作があった場合には、この操作を単発打ちスイッチ116が検知する。この単発打ちスイッチ116の検知信号に基づいて発射制御回路111は発射モータ113の駆動を停止させる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図13に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、発光状態設定記憶部95及び枠可動体駆動設定記憶部96が設けられている。発光状態設定記憶部95は、呼び出し用LED182の発光状態に関する設定情報を記憶する記憶領域である。また、枠可動体駆動設定記憶部96は、枠可動体600の駆動の有無に関する設定情報を記憶する記憶領域である。上述したようにRAM94には、パチンコ遊技機1の電断時であってもバックアップ電源回路191によって電力が供給される。よって、発光状態設定記憶部95および枠可動体駆動設定記憶部96に記憶されている設定情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。また、呼び出しスイッチ180に内蔵されている呼び出し用LED182の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠可動体600、盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠可動体600、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体駆動モータ600a、盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図4参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図4参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図12及び図13は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図12及び図13に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図12又は図13に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図12又は図13に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
また図12に示すように、パチンコ遊技機1は外部端子板140を備えている。外部端子板140は、払出制御基板110に接続されていて、払出制御用マイコン151により出力された信号に基づいて、各種の信号をデータ表示器160やホールコンピュータ170といった本パチンコ遊技機1の外部に配された外部装置に出力する。また外部端子板140は、払出制御基板110を介して主制御基板80に接続されていて、遊技制御用マイコン81により出力された信号に基づいて、各種の信号をデータ表示器160やホールコンピュータ170に出力する。なお遊技制御用マイコン81により出力された信号は、払出制御用マイコン151により外部端子板140への信号としてまとめられて外部端子板140に出力されてもよいし、払出制御用マイコン151を介さずに外部端子板140へ出力されてもよい。
外部端子板140には、外部出力用の複数のチャネルが設けられている。各チャネルに対応するコネクタと、データ表示器160側のコネクタとは、ケーブルによって接続されている。そして各コネクタからそれぞれ1つの信号が外部に出力されるようになっている。
外部端子板140は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから図柄確定信号を出力可能である。図柄確定信号は、変動表示されていた特別図柄が停止表示したことを示す信号である。また外部端子板140は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから大当たり信号を出力可能である。大当たり信号は、大当たり遊技の実行中であることを示す信号である。また外部端子板140は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから賞球情報信号を出力可能である。賞球情報信号は、所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号である。また外部端子板140は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから呼出信号を出力可能である。呼出信号は、呼び出しスイッチ180が押下操作されたことを示す信号である。外部端子板140は、呼出信号出力手段に相当する。また、呼び出しスイッチ180の押下操作は呼出操作に相当する。
なお上述した信号の他にも、外部端子板140は、例えば遊技機枠50が開放されていることを示す枠開放信号や、電チュー22や大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の未作動時にこれらの装置に係る入賞口に入賞があったことを示すセキュリティ信号、第1始動口20又は第2始動口21への入賞があったことを示す始動口信号、後述する高確率状態中であることを示す高確状態信号を各チャネルから出力できるようになっている。また上述した大当たり信号に加えて、大当たり遊技の実行中又は後述する電サポ制御状態中であることを示す信号(大当たり電サポ信号)等を出力可能に構成しても良く、外部端子板140から出力される信号の種類は適宜変更可能である。
本形態では、払出制御用マイコン151が外部端子板140に対して出力する信号(外端出力信号(外端基板向け信号))や、遊技制御用マイコン81が外部端子板140に対して出力する信号(外端出力信号)は、それぞれ別個の信号(パラレルデータ)になっていて、パラレルデータのまま外部端子板140に入力される。パラレルデータが外部端子板140に入力されると、各チャネルに対応して設けられているフォトリレーやフォトカプラ等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通状態/非導通状態を切替える。その結果、信号伝達素子が導通状態になったチャネルから、外部出力信号(図柄確定信号、大当たり信号、賞球情報信号、呼出信号等)が出力されることになる。
なお、払出制御用マイコン151が外部端子板140に対して出力する信号や、遊技制御用マイコン81が外部端子板140に対して出力する信号を、複数ビットの情報量を持つシリアルデータとしても良い。この場合には、シリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、パラレルデータとして外部端子板140に入力されることになる。
データ表示器160は、図柄確定信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて特別図柄の変動表示が行われた回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160のスタート回数表示部165に表示する。即ち、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aが入球を検出すると、検出信号が中継基板88を介して主制御基板80に入力される。これにより遊技制御用マイコン81は、後述する大当たり乱数等の各種乱数値(図17(A)参照)を取得し、大当たりか否かを判定する。そして遊技制御用マイコン81は、大当たりか否かの判定結果を示す特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を変動表示させたあと、停止表示(確定表示)する。このとき(停止表示されたタイミングにて)遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確定表示を示す外端出力信号を払出制御基板110に出力する。そして、払出制御用マイコン151は、入力した特別図柄の確定表示を示す外端出力信号を外部端子板140に出力する。これにより外部端子板140は、図柄確定信号をデータ表示器160に出力する。その結果データ表示器160は、スタート回数表示部165にて、特別図柄の変動表示が行われた回数を1だけ増加させて表示するようになっている。
またデータ表示器160は、大当たり信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて大当たりの発生回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160の大当たり回数表示部166に表示する。即ち、上述したように遊技制御用マイコン81が、取得した大当たり乱数に基づいて大当たりか否かを判定し、判定結果が大当たり当選である場合、大当たり当選であることを示す特別図柄を変動表示したあと、停止表示する。そして遊技制御用マイコン81は、大当たり当選であることを示す特別図柄の停止表示が終了すると、大当たり遊技(オープニング遊技、ラウンド遊技、エンディング遊技)の実行中であることを示す外端出力信号を払出制御基板110に出力する。なお、大当たり遊技の実行中であることを示す外端出力信号は、エンディング遊技が終了するまで出力され続ける。そして、払出制御用マイコン151は、入力した大当たり遊技の実行中を示す外端出力信号を外部端子板140に出力する。これにより外部端子板140は、大当たり信号をデータ表示器160に出力する。その結果データ表示器160は、大当たり回数表示部166にて、大当たりの発生回数を1だけ増加させて表示するようになっている。
またデータ表示器160は、賞球情報信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて賞球数が10球増加するようにカウントし、そのカウント値をデータ表示器160の賞球数表示部(図示省略)に表示する。即ち、遊技球が第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、又は普通入賞口27に入賞した後に、賞球センサ122が実際に払い出された遊技球を検出すると、検出信号が払出制御基板110に入力される。これにより払出制御用マイコン151は、払い出した遊技球が10球に到達したと判定すると、賞球表示の増加を示す外端出力信号を外部端子板140に出力する。なお払出制御用マイコン151は、払い出した遊技球が10球に到達したと判定しなければ、賞球表示の増加を示す外端出力信号を出力しない。こうして、賞球表示の増加を示す外端出力信号を入力した外部端子板140は、賞球情報信号をデータ表示器160に出力する。その結果データ表示器160は、図示しない賞球数表示部にて、賞球数を10だけ増加させて表示するようになっている。なおデータ表示器160が、外部端子板140から呼出信号を受信した場合については、後に説明する。
ホールコンピュータ170は、本パチンコ遊技機1を含め、ホール内に設置された各パチンコ遊技機の動作状況等の情報を集計して、営業管理や遊技管理等を行うための装置である。このホールコンピュータ170は、ホールの管理室等に設置されていて、データ表示器160を介してパチンコ遊技機1に接続されている。そのためホールコンピュータ170にも、上記した各種の外部出力信号(図柄確定信号、大当たり信号、賞球情報信号、呼出信号等)が入力される。なおホールコンピュータ170は、データ表示器160を介さずに外部端子板140に接続されていても良い。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図12に示すように、呼び出しスイッチ180の押下操作を検出する呼び出しセンサ181が、払出制御基板110を介して外部端子板140に接続されている。但し、呼び出しセンサ181による検出信号は、払出制御基板110に入力されるものの、払出制御用マイコン151による処理に用いられることはなく、そのまま外部端子板140に出力される。つまり、払出制御基板110は、呼び出しスイッチ180と外部端子板140との間の基板として、単なる中継基板の役割を果たすものに過ぎない。
ここで呼び出しセンサ181と外部端子板140との接続を図14に基づいて詳しく説明する。図14に示すように、呼び出しセンサ181は払出制御基板110を介して外部端子板140に接続されている。呼び出しセンサ181から外部端子板140に至る信号ライン上には、フォトカプラPC1、第1の集積回路IC1、第2の集積回路IC2が配されている。
呼び出しセンサ181は、発光部と受光部とを有するフォトセンサである。呼び出しスイッチ180が押下されていないときと、押下されているときとでは、受光部の受光状態(発光部が放つ光を受けるか受けないか)が切り替わる。これにより、呼び出しセンサ181から払出制御基板110に対して入力される検出信号のレベル(「H」か「L」か)が切り替わる。そしてこの切り替わりに応じて、払出制御基板110から外部端子板140に入力される信号のレベルも切り替わる。従って、外部端子板140上のフォトカプラPC2の受光素子側に接続されたコネクタCNからの呼出信号の出力状態が変わることとなる。
具体的には、図15の遊技機側のタイミングチャートに示すように、呼び出しスイッチ180が押下操作されているときだけ、外部端子板140から呼出信号が出力される(つまり所定の出力レベルの信号として出力される)こととなる。そして同図のホール設備側のタイミングチャートに示すように、データ表示器160は呼出信号を1パルス認識する度に、呼出状態と非呼出状態とを切り替える。データ表示器160は、呼出状態では装飾ランプ164を呼出用の発光態様で点灯させたり、他のホール設備(島設備)としての呼出ランプ(島ランプ)を点灯させるための信号を出力したりする。なお、非呼出状態では装飾ランプ164を呼出用の発光態様とは異なる発光態様で点灯させており、呼出ランプを点灯させるための信号を出力していない。よって、遊技者は呼び出しスイッチ180を一度押すことでデータ表示器160を呼出状態にすることができ(つまりホールの従業員の呼出ができ)、データ表示器160が呼出状態中のときに呼び出しスイッチ180をもう一度押すことで呼出状態を解除することができる。
なお、データ表示器160に備え付けられている呼び出しボタン163を押しても、データ表示器160の呼出状態と非呼出状態との切り替えが行われる(図15中のタイミングt7及びt8参照)。よって、遊技者に呼び出されたホールの従業員が、データ表示器160の呼び出しボタン163を押せば、遊技者が呼び出しスイッチ180をもう一度押さなくても、呼出状態を解除することが可能である。
ちなみに、払出制御基板110に実装されている第1の集積回路IC1(図14参照)は、バッファとXOR回路とを有し、本形態では入力端子A1に「L」レベルの信号(下側基準電圧(例えば0.8V)よりも低い電圧(例えば0.5V)の信号)が入力されると出力端子Y1から「L」レベルの信号を出力し、入力端子A1に「H」レベルの信号(上側基準電圧(例えば2.5V)よりも高い電圧(例えば3V)の信号)が入力されると出力端子Y1から「H」レベルの信号を出力する。また、第2の集積回路IC2は、インバータを有し、入力端子I4に「L」レベルの信号が入力されると出力端子O4から「H」レベルの信号を出力し、入力端子I4に「H」レベルの信号が入力されると出力端子O4から「L」レベルの信号を出力する。
払出制御基板110では、呼び出しセンサ181からの検出信号のレベルに応じて、フォトカプラPC1の4番ピンの電位が変わる。よって、この4番ピンと接続されている第1の集積回路IC1の入力端子A1に対する入力信号のレベル、第1の集積回路IC1の出力端子Y1からの出力信号のレベル、第2の集積回路IC2の入力端子I4に対する入力信号のレベル、第2の集積回路IC2の出力端子O4からの出力信号のレベルが変わることとなる。
また図14に示すように払出制御基板110には、呼び出しセンサ181からの検出信号のフォトカプラPC1への入力状態を切り替えるためのスイッチング素子185(呼出操作不能化手段の一例)が実装されている。本形態ではスイッチング素子185は、単極単投のトグルスイッチである。なおスイッチング素子は、スライドスイッチやプッシュスイッチなど他の種類のスイッチであってもよい。払出制御基板110は遊技盤2の裏面側(後面側)に配されているため、スイッチング素子185は遊技者が操作できるものではない。スイッチング素子185を操作できる者は、ホールの従業員などに限られる。
スイッチング素子185が呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを導通状態にしているときには、呼び出しスイッチ180の操作に応じて外部端子板140からの呼出信号の出力状態が変わる(図15参照)。これに対して、スイッチング素子185が呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを非導通状態にしているとき(切断しているとき)には、呼び出しスイッチ180が操作されても呼出信号の出力状態は変わらない。よって、ホールが利用しているデータ表示器がパチンコ遊技機1からの呼出信号に対応していない仕様である場合、つまり、データ表示器が外部端子板140からの呼出信号の受信に基づいて、データ表示器自身の呼び出しボタンが操作されたときと同じように呼出に関する処理を行う仕様でない場合には、スイッチング素子185により信号ラインを切断しておくことで、無駄に外部端子板140から呼出信号が出力されないようにすることが可能である。なお本パチンコ遊技機1の工場出荷時には、スイッチング素子185は呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを導通状態にしているものとする。スイッチング素子185が呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを導通させている設定は呼出操作有効設定に相当し、切断している設定は呼出操作無効設定に相当する。
次に本形態の技術的意義について説明する。本形態では図6に示すように、上側装飾ユニット200の前端位置P1は、操作機構ユニット230の前端位置P2よりも前方にあるため、遊技者から見れば上側装飾ユニット200が迫り出すように見えて、上側装飾ユニット200を強調して見せることが可能である。しかしながら、座りながら遊技を行っている遊技者にとっては、前方に突出する上側装飾ユニット200により、パチンコ遊技機1の上方に設置されているデータ表示器160の視認性及び操作性が悪化する。特に、図7に示すように、枠可動体600が突出位置にあるときには、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方にあるため、データ表示器160の呼び出しボタン163に手が届き難くなる。加えて、図8に示すように、枠可動体600の前端位置P3が、前方に突出している上側装飾ユニット200よりも更に前方に飛び出ているため、背の低い遊技者では座った状態で呼び出しボタン163を押下操作するのは、ほぼ不可能である。
そこで本形態では、パチンコ遊技機1自体に呼び出しスイッチ180が設けられている。そのため、遊技中に不具合又は故障が生じたとき、背の低い遊技者でも呼び出しスイッチ180を押下操作することで、座った状態でホールの従業員を呼び寄せることが可能である。また本形態の呼び出しスイッチ180では、図4(A)に示すように、呼び出し用LED182の発光により、「呼び出しスイッチ」の文字が赤色の文字として視認可能になっている。従って、パチンコ遊技機1に呼び出しスイッチ180が設けられているのを知らない遊技者に対して、呼び出しスイッチ180が利用可能であることを分かり易くしている。
また本形態では、図4(A)に示すように、呼び出しスイッチ180が、操作機構ユニット230に設けられている。その理由は、以下に基づく。即ち、操作機構ユニット230は、上側装飾ユニット200、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220よりも遊技者の手に近い。そして、操作機構ユニット230には、演出ボタン63やセレクトボタン64のように、遊技者による操作が可能な操作部が配置され易いという印象がある。よって本形態では、遊技者の操作性の観点、及び操作部としての把握し易さの観点から、呼び出しスイッチ180が操作機構ユニット230に設けられている。
なお本形態では上側装飾ユニット200の枠可動体600を用いた駆動演出が実行される。よって、上側装飾ユニット200には遊技中に遊技者の視線が向けられることがある。このような場合であっても、呼び出しスイッチ180が操作機構ユニット230に設けられていれば、遊技者の視界に入らない。従って、呼び出しスイッチ180があることに意識をとられて、枠可動体600の駆動演出の演出効果が低下することがない。
また本形態では、図4(A)に示すように、呼び出しスイッチ180が、操作機構ユニット230のうち左右方向の中央よりも左方側に配されている。これは、操作機構ユニット230の右方側に、ハンドル60が配されているため、遊技者が右手でハンドル60を回転操作しつつ、左手で呼び出しスイッチ180の押下操作を行い易くするためである。つまり、遊技中の遊技者がハンドルの回転操作を中止しないで、左手で呼び出しスイッチ180の押下操作を可能にするためである。
また本形態では、図12に示すように、呼び出しセンサ181による検出信号が、払出制御基板110に入力されるものの、払出制御用マイコン151を介さずに、外部端子板140に出力される。よって、払出制御用マイコン151には払い出しに係る制御処理だけを実行させることができる。つまり、払出制御用マイコン151に呼び出しセンサ181の検出信号に基づく処理を実行させないでおくことができる。更に本形態では、呼び出しセンサ181による検出信号が、主制御基板80や遊技制御用マイコン81に入力されることもない。従って、既存の遊技制御用マイコン81の制御処理を全く変更する必要がなく、既存の主制御基板80をそのまま用いることが可能である。なお、呼び出しセンサ181による検出信号は、サブ制御基板90や演出制御用マイコン91に入力されることもない。こうして本形態は、既存のパチンコ遊技機に対して、呼び出しスイッチ180と払出制御基板110と外部端子板140の変更だけで実施することが可能である。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図16に示す通りである。図16に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。また、特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図10(B)参照)から第1の状態(図10(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は15Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過がほぼ不可能となっている。特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図16に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が80%、Vショート大当たり(通常大当たり)が20%となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図17(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す装飾図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の装飾図柄のうち変動表示されている装飾図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている装飾図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す装飾図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている装飾図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図17(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図18(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図19参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図18(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では4秒であるが、時短状態では1秒である(図18(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図20参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図20参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図9参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図9参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図21〜図29に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図21に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。
そして、電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図17に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図22に示すように電源投入時処理(S001)では、まずRAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ192が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ192がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図29参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図29のステップS2902参照)と比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、RAM84の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時におけるRAM84の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
また、ステップS018では、RAM84に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板90に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図23に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図12参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次にセキュリティ制御処理(S103)を実行する。セキュリティ制御処理(S103)については後述する。続いて普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)は、図21の主制御メイン処理で行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図17に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S104)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S105)を行い、続いて普通動作処理(S106)を行う。普通動作処理(S106)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図18(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図20参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に遊技制御用マイコン81は、後述する特別動作処理(S107)を行い、続いて特定領域センサ検出処理(S108)を行う。特定領域センサ検出処理(S108)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(図28参照)におけるステップS2206で設定される期間である。また、この特別電動役物処理における遊技状態設定処理(ステップS2221)では、VフラグがONであれば、確変フラグをONにする。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
次に遊技制御用マイコン81は、外部端子出力処理(S109)を行う。外部端子出力処理(S109)では、後述する外部端子設定処理(S1306,S1309,又はS1311)で設定された信号を、払出制御基板110を介して外部端子板140に出力する(図12参照)。
続いて遊技制御用マイコン81は、後述する電源断監視処理(S110)を行う。その後、その他の処理(S111)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S111)では、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図21参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[セキュリティ制御処理]図24に示すように、セキュリティ制御処理(S103)ではまず、普通電役不正入賞処理(S120)を行う。この処理では、電チュー22(つまり普通電役)への不正な入賞の有無を検知して、不正入賞が検知されればその旨を報知するための異常入賞報知と、異常が検出されたことを示す異常検出の設定とを行う。続いて、第1大入賞口不正入賞処理(S121)を行う。この処理では、第1大入賞口30への不正な入賞の有無を検知する。不正入賞が検知されれば異常入賞報知と、異常検出の設定とを行う。次いで、第2大入賞口不正入賞処理(S122)を行う。この処理では、第2大入賞口35への不正な入賞の有無を検知する。不正入賞が検知されれば異常入賞報知と、異常検出の設定とを行う。
続いて、特定領域不正通過処理(S123)を行う。この処理では、特定領域39への不正な通過の有無を検知する。不正通過が検知されれば異常通過報知と、異常検出の設定とを行う。次いで、第2大入賞口排出確認処理(S124)を行う。この処理では、第2大入賞口35からの不正な排出の有無を検知する。不正排出が検知されれば、異常排出報知と、異常検出の設定とを行う。
その後、磁気検出処理(S125)を行う。磁気検出処理(S125)では、磁気を利用した不正行為を検知するための磁気検知センサ(不図示)からの入力信号を読み取り、磁気による不正行為がなされたと判定されると、不正行為の検出報知及び異常検出の設定を行う。なお、磁気による不正行為が検出された場合には、以後、電源の再投入がなされるまで遊技は停止される。続いて、扉開放処理(S126)を行う。扉開放処理(S126)では、前枠53や内枠52の開放を検知する扉開放検知センサ(不図示)からの入力信号を読み取り、前枠53又は内枠52が開放されていると判定されると、扉開放の報知を行う。
次いで、不正電波検出処理(S127)を行う。不正電波検出処理(S127)では、電波を利用した不正行為を検知するための電波検知センサ(不図示)からの入力信号を読み取り、電波による不正行為がなされたと判定されると、不正行為の検出報知及び異常検出の設定を行う。その後、衝撃検出処理(S128)を行って、セキュリティ制御処理を終える。衝撃検出処理(S128)では、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知するための振動検知センサ(不図示)からの入力信号を読み取り、振動による不正行為がなされたと判定されると、不正行為の検出報知及び異常検出の設定を行う。
[始動口センサ検出処理]図25に示すように、始動口センサ検出処理(S105)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。ゲート通過処理(S202)では、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている普通図柄乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図17(B)参照)を取得し、普図保留記憶部86に格納する。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図17(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S105)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図17(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[特別動作処理]図26に示すように特別動作処理(S107)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお特別動作ステータスの値は、初期設定では「1」である。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、続いて外部端子出力選択処理(S1303)を行う。
特別図柄待機処理(S1302)では、始動口センサ検出処理(図25参照)にて取得した大当たり乱数等の乱数値を所定の判定テーブル(図16,図18(A),(B),図19参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の変動表示を開始して、特別動作ステータスを「2」にセットする。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。また、外部端子出力選択処理(S1303)では、大当たりの当選/非当選の判定結果に基づいて、大当たり信号の出力態様(外部出力するかしないか)を選択する。
「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1304でYES)、特別図柄変動中処理(S1305)を行い、続いて外部端子設定処理(S1306)を行う。
特別図柄変動中処理(S1305)では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したら特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。
また特別図柄変動中処理(S1305)に続く外部端子設定処理(S1306)では、特別図柄の停止表示に際して、特別図柄を停止表示させたことを示す図柄確定信号の出力態様をON態様(出力する態様)に設定する。ここで設定された信号が、外部端子出力処理(S109)にて外部端子板140に出力されると、これを受信した外部端子板140は、極短時間(0.1秒程度)にわたって図柄確定信号をデータ表示器160に出力する。
「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1304で共にNO、S1307でYES)、特別図柄確定処理(S1308)を行い、続いて外部端子設定処理(S1309)を行う。
特別図柄確定処理(S1308)では、停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、特別電動役物処理を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする。このときに大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1308)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば確変フラグをOFFする。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば時短フラグをOFFする。また、特別動作ステータスを「4」にする際に、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
また特別図柄確定処理(S1308)に続く外部端子設定処理(S1309)では、上述の外部端子出力選択処理(S1303)における選択結果に基づいて、大当たり遊技の実行中であることを示す大当たり信号の出力態様をON態様(出力する態様)に設定する。ここで設定された信号が、外部端子出力処理(S109)にて外部端子板140に出力されると、これを受信した外部端子板140は、大当たり信号をデータ表示器160に出力する。なお外部端子設定処理(S1309)では、時短フラグがONであるかOFFであるかに応じて、大当たり遊技中又は電サポ制御状態中であることを示す大当たり電サポ信号の出力態様を設定してもよい。
「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1304,S1307の全てがNO)、特別電動役物処理(S1310)を行い、続いて外部端子設定処理(S1311)を行う。
特別電動役物処理(S1310)では、当選した大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図16参照)に従って第1大入賞口30及び第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。特別電動役物処理(S1310)については後に詳述する。
また特別電動役物処理(S1310)に続く外部端子設定処理(S1311)では、大当たり遊技の実行中であることを示す大当たり信号の出力態様をOFF態様(出力しない態様)に設定する。ここで設定された信号が、外部端子出力処理(S109)にて外部端子板140に出力されると、これを受信した外部端子板140は、大当たり信号のデータ表示器160に対する出力を停止する。なお外部端子設定処理(S1311)では、時短フラグがONであるかOFFであるかに応じて、大当たり遊技中又は電サポ制御状態中であることを示す大当たり電サポ信号の出力態様を設定してもよい。
[特別図柄待機処理]図27に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。
特図2大当たり判定処理(S1402)では、大当たり乱数値を読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図18(A)参照)に基づいて、大当たりの当否判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、当たり種別乱数値を読み出して、当たり種別判定テーブル(図16参照)に基づいて当たり種別を判定する。そして、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図16参照)をRAM84に設けた特図バッファにセットする。当否判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットする。
特図2変動パターン選択処理(S1403)では、変動パターン乱数値を読み出して、特図変動パターン判定テーブル(図19参照)に基づいて変動パターンを選択する。選択した変動パターンの情報はRAM84の所定の記憶領域に格納する。なおこの処理では、上述した当否判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(図18(B)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの変動パターンにするのかを決定する。
なお図19に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図19の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチには、弱SPリーチA、弱SPリーチB、及び強SPリーチの3種類がある(図19の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記の3種類のSPリーチは、互いに大当たり期待度が異なっている。具体的には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなっていく。つまり本パチンコ遊技機1では、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
図27に戻り、特図2変動パターン選択処理(S1403)に続いて遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。特図1大当たり判定処理(S1408)は、特図2大当たり判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン選択処理(S1409)は、特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図16参照)。
[特別電動役物処理]図28に示すように、特別電動役物処理(S1310)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第16ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、第16ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図28)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。なお、ラウンドカウンタは、ラウンド遊技の実行回数をカウントするためのカウンタであり、大当たり遊技の実行開始時に「16」にセットされるものとする。
一方ステップS2213でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図26)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
遊技状態設定処理(S2221)では、VフラグがONか否かを判定し、ONであれば確変フラグ及び時短フラグをONするとともに、VフラグをOFFする。そして、確変カウンタ及び時短カウンタに「160」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる。一方、VフラグがONでなければ、時短フラグをONするとともに、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確高ベース状態になる。
[電源断監視処理]図29に示すように、電源断監視処理(S110)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)この処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン81に入力される信号である。ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、チェックサムを算出してRAM84の所定の記憶領域に格納するとともに(S2902)、電源断フラグをONする(S2903)。そして、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図23)に戻ることなくループ処理をする。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図30〜図40に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONにされるフラグ)がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであってもRAM94内容が正常でない場合には、RAM94の初期化をして(S4002)、ステップS4005に進む。
一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4003)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4003でYES)、主制御基板80のRAM84はクリアされている。そのため、RAMクリアフラグをONするとともに(S4004)、サブ制御基板90のRAM94をクリアして(S4002)、ステップS4005に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4003でNO)、ステップS4004及びS4002を実行せずにステップS4005に進む。
ステップS4005では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS4006では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4007)。乱数更新処理(S4007)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4007)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15や枠可動体600を駆動させたりする。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006〜S4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4010)では、図31に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4305)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。また、電源投入後の初回のランプデータ出力処理(S4202)では、呼び出し用LED182の発光制御を行う。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、画像演出等の演出に合うタイミングで盤可動体15や枠可動体600を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15や枠可動体600の駆動のためのデータ)を作成したり、サブ駆動基板107に出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、盤可動体15や枠可動体600を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4012)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述する機能設定処理(S4303)を行う。そして、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]図34に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理(S4410)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する客待ち処理(S4411)を実行する。次いで演出制御用マイコン91は、RAMクリアフラグ(電源投入時にRAMクリアがあったことを示すフラグ)がONか否かを判定する(S4412)。RAMクリアフラグがONでなければ、ステップS4415に進む。一方、RAMクリアフラグがONであれば、機能設定期間の計測を開始して(S4413)、RAMクリアフラグをOFFする(S4414)。機能設定期間とは、ホールの従業員等が機能設定画面(図41(B)参照)を表示させることが可能な期間である。言い換えれば、機能設定期間とは、演出制御用マイコン91が機能設定画面の表示指示を受け付けている期間である。本形態では、この設定期間は、30秒に設定されている。勿論、機能設定期間の長さは適宜変更可能である。
ステップS4415では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
[機能設定処理]図35に示すように、機能設定処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン91は、設定画面表示中フラグがONか否かを判定する(S5001)。設定画面表示中フラグは、図41(B)に示す「機能設定メニュー」の画面や図41(C)に示す「呼び出し用LED発光設定」の画面、図41(D)に示す「枠可動体駆動設定」の画面といった設定画面の表示中であることを示すフラグであり、後述のステップS5005でONにされるフラグである。なお本形態では、電源投入後にはまず、表示画面7aに図41(A)に示す初期画面の画像G1が表示されるものとする。
設定画面表示中フラグがONでなければ(S5001でNO)、続いて、RAMクリア後の所定期間(機能設定期間)中か否かを判定する(S5002)。上述した通り、本形態ではこの期間は30秒に設定されている。RAMクリア後の所定期間内でなければ(S5002でNO)、直ちに本処理を終える。一方、RAMクリア後の所定期間内であれば(S5002でYES)、続いて、所定の設定画面表示操作がなされたか否かを判定する(S5003)。本形態では、設定画面表示操作は、演出ボタン63を連続して5回押下する操作である。この操作は、図41(A)に示す初期画面においてホールの従業員等に通知される。勿論、設定画面表示操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
ステップS5003において設定画面表示操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、設定画面表示操作がなされていれば(S5003でYES)、機能設定画像表示処理(S5004)を行う。機能設定画像表示処理(S5004)では、表示画面7aを図41(B)に示す「機能設定メニュー」の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。その後、演出制御用マイコン91は、設定画面表示中フラグをONにして(S5005)、本処理を終える。
なお、ステップS5004でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図41(B)に示す機能設定画像G2を表示させる。図41(B)に示す機能設定画像G2(機能設定メニューの画像)が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、複数の設定項目の中から任意の設定項目を選択することが可能である。この設定項目の中には、呼び出し用LED182の発光に関する設定をするための「呼び出し用LED発光設定」の項目と、枠可動体600の駆動に関する設定をするための「枠可動体駆動設定」の項目とが含まれている。
機能設定処理(図35)のステップS5001において設定画面表示中フラグがONであれば、図36に示すように、「呼び出し用LED発光設定」の項目が選択されたか否かを判定する(S5006)。つまり、図41(B)に示す機能設定メニュー画面の表示中に「呼び出し用LED発光設定」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。この選択操作は、セレクトボタン64の上ボタン又は下ボタンの操作によりカーソル画像を移動させて、「呼び出し用LED発光設定」の「設定画面へ切替」の選択欄の画像(選択用アイコン)にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5006において選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5008に進む。一方、なされていれば(S5006でYES)、呼び出し用LED発光設定画像表示処理(S5007)を行って、ステップS5008に進む。呼び出し用LED発光設定画像表示処理(S5007)では、表示画面7aを図41(C)に示す呼び出し用LED発光設定の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5007でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図41(C)に示す画像G3を表示させる。
図41(C)に示す呼び出し用LED発光設定の画像G3が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、呼び出し用LED182の発光に関する設定を行うことが可能である。具体的には、呼び出し用LED発光設定は、呼び出し用LED182を点灯させるか、消灯させるかの設定であり、「点灯」に設定すれば呼び出し用LED182は点灯状態に制御され、「消灯」に設定すれば呼び出し用LED182は消灯状態に制御されることになる。なお「点灯」の設定は、呼び出しスイッチ180を遊技者に利用させる場合の設定として設けられており、「消灯」の設定は、呼び出しスイッチ180を遊技者に利用させない場合の設定として設けられている。
図36のステップS5008では、呼び出し用LED182の点灯設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図41(C)に示す呼び出し用LED発光設定画面の表示中に「点灯」を選択する操作(点灯選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「点灯」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5008において点灯選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5011に進む。これに対して、なされていれば、呼び出し用LED182を点灯させる設定(点灯設定、第1設定に相当)となっていることを示すLED点灯設定情報を発光状態設定記憶部95(図13参照)にセットする(例えば発光状態設定フラグの値を「0」にセットする)とともに(S5009)、呼び出し用LED182を点灯させるためのランプデータ(呼び出し用LED点灯データ)をセットして(S5010)、ステップS5011に進む。ここでセットされた点灯データはランプデータ出力処理(S4202)にて出力される。これにより、呼び出し用LED182は点灯状態に制御される。よって、呼び出しスイッチ180は、遊技者から「呼び出しスイッチ」の文字がはっきりと視認可能な状態となる(図4(A)参照)。このように本形態では、点灯設定となっている場合には原則として、呼び出し用LED182は点灯し続ける発光態様に制御される。呼び出し用LED182が点灯している態様は、本形態では呼び出しスイッチ180の役割を認識させ得る態様、すなわち「呼び出しスイッチ」の文字がはっきりと視認される態様でもあり(図4(A)参照)、第1態様に相当する。この第1態様は、呼び出しスイッチ180が使用可能であることを遊技者に想起させ得る態様でもある。
ステップS5011では、呼び出し用LED182の消灯設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図41(C)に示す呼び出し用LED発光設定画面の表示中に「消灯」を選択する操作(消灯選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「消灯」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5011において消灯選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5014に進む。これに対して、なされていれば、呼び出し用LED182を消灯させる設定(消灯設定、第2設定に相当)となっていることを示すLED消灯設定情報を発光状態設定記憶部95(図13参照)にセットする(例えば発光状態設定フラグの値を「1」にセットする)とともに(S5012)、呼び出し用LED182を消灯させるためのランプデータ(呼び出し用LED消灯データ)をセットして(S5013)、ステップS5014に進む。ここでセットされた消灯データはランプデータ出力処理(S4202)にて出力される。これにより、呼び出し用LED182は消灯状態に制御される。よって、呼び出しスイッチ180は、遊技者から「呼び出しスイッチ」の文字が視認し難い状態となる(図4(B)参照)。このように本形態では、消灯設定となっている場合には、呼び出し用LED182は消灯状態に制御される。呼び出し用LED182が消灯している態様は、呼び出しスイッチ180の役割を第1態様よりも認識させ難い態様、すなわち「呼び出しスイッチ」の文字が視認され難い態様でもあり(図4(B)参照)、第2態様に相当する。この第2態様は、呼び出しスイッチ180が使用可能でないことを遊技者に想起させ得る態様でもある。
なお本形態では、電源の投入時に演出制御用マイコン91は発光状態設定記憶部95から設定情報を読み出して、その設定情報がLED点灯設定情報であれば、呼び出し用LED点灯データを出力し、LED消灯設定情報であれば、呼び出し用LED点灯データを出力しないものとする。よって一旦、呼び出し用LED182の発光状態を設定すれば、その設定を変更しない限り、電源投入時にはその設定内容が反映されることとなる。
ステップS5014では、「枠可動体駆動設定」の項目が選択されたか否かを判定する。つまり、図41(B)に示す機能設定メニュー画面の表示中に「枠可動体駆動設定」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。この選択操作は、セレクトボタン64の上ボタン又は下ボタンの操作によりカーソル画像を移動させて、「枠可動体駆動設定」の「設定画面へ切替」の選択欄の画像(選択用アイコン)にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5014において選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5016に進む。一方、なされていれば(S5014でYES)、枠可動体駆動設定画像表示処理(S5015)を行って、ステップS5016に進む。枠可動体駆動設定画像表示処理(S5015)では、表示画面7aを図41(D)に示す枠可動体駆動設定の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5015でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図41(D)に示す画像G4を表示させる。
図41(D)に示す枠可動体駆動設定の画像G4が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、枠可動体600の駆動に関する設定を行うことが可能である。具体的には、枠可動体駆動設定は、枠可動体600を用いた駆動演出が実行され得る状態にするか、実行されることがない状態にするかの設定である。「ON」に設定すれば本パチンコ遊技機1は枠可動体600の駆動演出を行い得る状態(駆動有り状態)となり、「OFF」に設定すれば本パチンコ遊技機1は枠可動体600の駆動演出を全く行わない状態(駆動無し状態)となる。
図36のステップS5016では、枠可動体600の駆動ON設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図41(D)に示す枠可動体駆動設定画面の表示中に「ON」を選択する操作(駆動ON選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「ON」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5016において駆動ON選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5018に進む。これに対して、なされていれば、枠可動体600の駆動演出が実行され得る駆動有り設定(駆動ON設定)となっていることを示す枠可動体駆動ON設定情報(以下単に「駆動ON設定情報」ともいう)を枠可動体駆動設定記憶部96(図13参照)にセットして(S5017)、ステップS5018に進む。駆動ON設定情報を枠可動体駆動設定記憶部96にセットするとは、例えば駆動無しフラグの値を「0」にセットすることである。
ステップS5018では、枠可動体600の駆動OFF設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図41(D)に示す枠可動体駆動設定画面の表示中に「OFF」を選択する操作(駆動OFF選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「OFF」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5018において駆動OFF選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5020に進む。これに対して、なされていれば、枠可動体600の駆動演出が一切実行されない駆動無し設定(駆動OFF設定)となっていることを示す枠可動体駆動OFF設定情報(以下単に「駆動OFF設定情報」ともいう)を枠可動体駆動設定記憶部96(図13参照)にセットして(S5019)、ステップS5020に進む。駆動OFF設定情報を枠可動体駆動設定記憶部96にセットするとは、例えば駆動無しフラグの値を「1」にセットすることである。
なお上述したように、発光状態設定記憶部95および枠可動体駆動設定記憶部96には、本パチンコ遊技機1の電断時であっても電力が供給される。従って、電断時においても発光状態設定記憶部95および枠可動体駆動設定記憶部96に格納された設定情報は保持される。また本形態では、図41(C)に示す「呼び出し用LED発光設定」の画面や、図41(D)に示す「枠可動体駆動設定」の画面にて選択操作を行うと、再び図41(B)に示す「機能設定メニュー」の画面が表示されるものとする。
ステップS5020では、機能設定メニュー画面の表示を終了させる設定終了操作が行われたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の上ボタン又は下ボタンの操作によりカーソル画像を図41(B)に示す「設定終了」の欄に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5020において設定終了操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、なされていれば、機能設定画面終了処理(S5021)を行うとともに、設定画面表示中フラグをOFFして(S5022)、本処理を終える。機能設定画面終了処理(S5021)では、図41(B)に示す機能設定メニューの画像の表示を終了させるための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5021でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、機能設定メニューの画像表示を終了して、通常の遊技演出の画像を表示画面7aに表示させる。
なお本形態において、呼び出し用LED発光設定画面(図41(C)参照)を表示させて、点灯選択操作又は消灯選択操作を行う操作は、発光状態設定操作、及び、示唆状態設定操作に相当する。また、枠可動体駆動設定画面(図41(D)参照)を表示させて、駆動ON選択操作又は駆動OFF選択操作を行う操作は、駆動設定操作に相当する。
[変動演出開始処理]図37に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S6001)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(ステップS1403又はS1409)でセットされた変動パターンの情報や、大当たり判定処理(ステップS1402又はS1408)でセットされた特図停止図柄データの情報が含まれている。なお、これらの情報を別々のコマンドで取得する構成としてもよい。また、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S6002)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図19のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、枠可動体600の駆動演出の実行の有無や、その実行タイミングといった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、装飾図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、装飾図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。なお本形態では、強SPリーチの変動パターン(図19参照)が指定されているときに、枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンが選択されることがあるものとする。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの選択を行う(S6003)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、装飾図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される装飾図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S6004)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6005)、ステップS6006に進む。ステップS6005でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
ステップS6006では、枠可動体駆動ON設定情報が枠可動体駆動設定記憶部96にセットされているか否かを判定する。駆動ON設定情報がセットされていれば(S6006でYES)、続いて、ステップS6002において選択した変動演出パターンが、枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンであるか否かを判定する(S6007)。枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンでなければ(S6007でNO)、直ちに本処理を終えるが、枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンであれば(S6007でYES)、枠可動体600を待機位置から動作位置に移動させるための駆動データ(枠可動体出現データ)を所定の駆動データバッファにセットして(S6008)、本処理を終える。
一方、ステップS6006において駆動ON設定情報がセットされていない場合(S6006でNO)、つまり駆動OFF設定情報がセットされている場合には、ステップS6007に進まず、直ちに本処理を終える。よって、駆動OFF設定情報がセットされている場合には、枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンが選択されたとしても、枠可動体600の駆動演出は実行されない。
ステップS6008でセットされた枠可動体出現データは、駆動制御処理(S4203)において所定のタイミング(本形態ではノーマルリーチからSPリーチへの発展のタイミング)で、サブ駆動基板107に出力される。これにより、枠可動体600は待機位置から動作位置に移動する。なお本形態では、枠可動体600の動作位置から待機位置への復帰タイミングは、原則として変動演出の終了時とする。但し、大当たり当選の変動演出にて枠可動体600の駆動演出が実行された場合には、変動演出が終了しても枠可動体600は動作位置に位置し続けるものとする。
[オープニング演出選択処理]図38に示すように、オープニング演出選択処理(S4406)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S6101)。続いて、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S6102)。そして、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S6103)。
続いて演出制御用マイコン91は、枠可動体駆動ON設定情報が枠可動体駆動設定記憶部96にセットされているか否かを判定する(S6104)。駆動ON設定情報がセットされていれば(S6104でYES)、続いて、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、当選した大当たりの種類が特定大当たり(Vロング大当たり)であるか否かを判定する(S6105)。特定大当たりに当選していれば(S6105でYES)、枠可動体600を待機位置から動作位置に移動させるための駆動データ(枠可動体出現データ)を所定の駆動データバッファにセットして(S6106)、本処理を終える。一方、特定大当たりでなければ(S6105でNO)、通常大当たりに当選しているため、枠可動体600を動作位置から待機位置に移動させるための駆動データ(枠可動体退避データ)を所定の駆動データバッファにセットして(S6107)、本処理を終える。
ステップS6106でセットされた枠可動体出現データに従って駆動制御処理(S4203)が実行されると、待機位置にある枠可動体600は動作位置に移動する。また、ステップS6107でセットされた枠可動体退避データに従って駆動制御処理(S4203)が実行されると、動作位置にある枠可動体600は待機位置に移動する。つまり本形態では、当選した大当たりの種類が特定大当たり(Vロング大当たり)であり、まだ枠可動体600が待機位置にある場合には、大当たりのオープニングの開始に伴って枠可動体600を動作位置に移動させる。これに対して、当選した大当たりの種類が通常大当たり(Vショート大当たり)であり、枠可動体600が動作位置にある場合には、大当たりのオープニングの開始に伴って枠可動体600を待機位置に移動させる。
ステップS6104において駆動ON設定情報がセットされていない場合(S6104でNO)、つまり駆動OFF設定情報がセットされている場合には、ステップS6105に進まず、直ちに本処理を終える。よって、駆動OFF設定情報がセットされている場合には、特定大当たりに当選していたとしても、枠可動体600の駆動演出(待機位置から動作位置への移動)は行われない。
[エンディング演出選択処理]図39に示すように、エンディング演出選択処理(S4410)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S6201)。次いで演出制御用マイコン91は、いま終了させようとしている大当たり遊技が、「初当たり」としての大当たり遊技であるか否かを判定する(S6202)。なお、本形態における「初当たり」とは、通常遊技状態にて当選した大当たりのことである。大当たり当選時の遊技状態の情報は、エンディングコマンドに含まれているものとする。ステップS6202において初当たりであると判定した場合には、続いて呼び出し用LED点灯設定情報が発光状態設定記憶部95にセットされているか否かを判定する(S6203)。呼び出し用LED点灯設定情報がセットされていれば(S6203でYES)、エンディング演出のパターン(内容)として、特別エンディング演出の演出パターンを選択して(S6204)、ステップS6206に進む。
特別エンディング演出とは、呼び出しスイッチ180の操作説明を含むエンディング演出である。具体的には図42に示すように、一連のエンディング演出(図42(A)〜(E))の一部に呼び出しスイッチ180の操作説明のための動画(図42(B)〜(E))が含まれているエンディング演出である。操作説明のための動画は、呼び出しスイッチ180の押下操作によって、データ表示器160の呼び出しボタン163を操作した場合と同様、ホールの従業員の呼出を行えることを説明する動画(図42(B)及び(C))と、呼出状態中に呼び出しスイッチ180を押下操作することによって、呼出状態をキャンセルできることを説明する動画(図42(D)及び(E)参照)とを含んでいる。このような特別エンディング演出によって、遊技者は呼び出しスイッチ180の意義および操作方法を理解することが可能である。
一方、ステップS6202において初当たりでないと判定した場合(S6202でNO)、及び、ステップS6203において呼び出し用LED点灯設定情報がセットされていない、つまり、呼び出し用LED消灯設定情報がセットされていると判定した場合(S6203でNO)には、呼び出しスイッチ180の操作説明のない通常エンディング演出の演出パターンを選択して(S6205)、ステップS6206に進む。このように本形態では、「初当たり」のエンディングに限って、呼び出しスイッチ180の操作説明が行われるようにしている。これにより、所謂連チャン中に呼び出しスイッチ180の操作説明を何度も見せられる煩わしさを遊技者に与えないようにしている。また、呼び出し用LED消灯設定情報がセットされている場合には、そもそも呼び出しスイッチ180が遊技者に利用されることをホール側が想定していないため、呼び出しスイッチ180の操作説明を遊技者に見せる必要がない。よって、このような場合には呼び出しスイッチ180の操作説明を遊技者に見せないようにすることで、利用できない呼び出しスイッチ180の操作説明によって遊技者が困惑してしまうのを防止するようにしている。
ステップS6206では、ステップS6204又はS6205で選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットする。エンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
具体的には、特別エンディング演出の演出パターンが選択されていた場合には、画像制御基板100のCPU102は、図42に示すような呼び出しスイッチ180の操作説明を含むエンディング演出の画像を表示画面7aに表示させる。なお、図42(B)〜(E)に示す画像の表示は、役割報知に相当する。
ステップS6206に続いて演出制御用マイコン91は、枠可動体駆動ON設定情報が枠可動体駆動設定記憶部96にセットされているか否かを判定する(S6207)。駆動ON設定情報がセットされていれば(S6207でYES)、枠可動体600を動作位置から待機位置に移動させるための駆動データ(枠可動体退避データ)を所定の駆動データバッファにセットして(S6208)、本処理を終える。
ステップS6208でセットされた枠可動体退避データに従って駆動制御処理(S4203)が実行されると、動作位置にある枠可動体600は待機位置に移動する。つまり本形態では、大当たり遊技の終了時(エンディングの開始時)に枠可動体600が動作位置にある場合には、枠可動体600を待機位置に移動させる。なお本形態では、ステップS6208の実行の際に既に枠可動体600が待機位置にある場合であっても枠可動体退避データをセットするが、この場合には別段、枠可動体600が動作することはない。ちなみに枠可動体600が待機位置にあるか否かを確認し、あればステップS6208の処理を行わないようにしてもよい。
ステップS6207において駆動ON設定情報がセットされていない場合(S6207でNO)、つまり駆動OFF設定情報がセットされている場合には、ステップS6208の処理を行わず、直ちに本処理を終える。駆動OFF設定情報がセットされている場合には、枠可動体600が動作位置に位置することはないからである。
[客待ち処理]図40に示すように、客待ち処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(S6501)。客待ちコマンドを受信していれば、客待ち演出を実行するまでの待機時間の計測を開始するとともに(S6502)、客待ち計測フラグをONにして(S6503)、ステップS6505に進む。
一方、受信していなければ、続いて、客待ち計測フラグがONか否かを判定する(S6504)。客待ち計測フラグがONでなければ、客待ち演出実行までの待機時間の計測中ではないため、客待ち処理を終了する。これに対して、客待ち計測フラグがONであれば、続いて、タイムアップか否か、すなわち、計測中の待機時間が経過して客待ち演出の実行開始時間となったか否かを判定する(S6505)。そして、タイムアップでなければ、本処理を終えるが、タイムアップであれば、客待ち計測フラグをOFFするとともに(S6506)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6507)、本処理を終える。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1では、呼び出しスイッチ180の押下操作(呼出操作)に基づいて、外部端子板140はパチンコ遊技機1の外部に呼出信号を出力する。よって、呼出信号を受信するデータ表示器160等の外部装置に、呼び出しボタン163が操作されたときと同じ処理を行わせることが可能となっている。具体的には例えば、データ表示器160が有する装飾ランプ164を発光させたり、データ表示器160を経由して別の島設備としての呼出ランプを発光させたりする等の処理を行わせることが可能となっている。しかも、呼び出しスイッチ180は、操作機構ユニット230におけるセレクトボタン64の左方に設けられている(図4参照)。従って、データ表示器160の呼び出しボタン163を押すために腕を伸ばしたり腰を浮かせたりする必要がなくなり、ホールの従業員の呼出を小さい動きで楽に行うことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、枠可動体600を遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置させる演出によって遊技興趣を高めることが可能となっているが(図7及び図8参照)、枠可動体600が動作位置にあるときにはどうしてもデータ表示器160の操作がしにくくなってしまう。しかし本パチンコ遊技機1には呼び出しスイッチ180が設けられているため、そのような場合でも楽にホールの従業員の呼出を行うことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、呼び出しスイッチ180が操作機構ユニット230に設けられているため、上側装飾ユニット200における電気部品の配置スペースを呼び出しスイッチ180に関する部品で奪うことがない。よって、枠可動体600の駆動演出に必要な電気部品(枠可動体駆動モータ600a、枠可動体600の位置を検知するためのセンサ、枠可動体600を光らせるためのLED、及びこれらの駆動基板等)を、上側装飾ユニット200に十分に設けることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、呼び出しスイッチ180が操作機構ユニット230に設けられているため、枠可動体600の駆動演出時に上側装飾ユニット200に遊技者の注意が向けられても、呼び出しスイッチ180が遊技者の目に入ることはない。よって、遊技者の関心を枠可動体600に集め、意図通りの演出効果を発揮させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、上側装飾ユニット200が操作機構ユニット230よりも前方に突出しており、さらに枠可動体600が動作位置では上側装飾ユニット200の前端よりも前方に位置する。よって、遊技者側に迫る迫力のある枠可動体600の駆動演出を実行することが可能となっている。但し本形態ではこのような構成のため、枠可動体600が動作位置にあるときのデータ表示器160に対する操作がどうしてもしにくくなる。そこで本形態では呼び出しスイッチ180を搭載し、この呼び出しスイッチ180の操作によってホールの従業員の呼出を楽に行うことができるようにしている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、呼び出しスイッチ180が有する呼び出し用LED182の発光状態に関する設定を行うことが可能となっている(図41(C)参照)。よって、点灯設定に設定しておくことで、呼び出し用LED182を点灯させておくことが可能である。従って、呼出用の操作手段の配置位置としては遊技者が慣れ親しんだ位置とは言えない操作機構ユニット230に呼び出しスイッチ180が設けられていても、この呼び出しスイッチ180の存在を遊技者に気付かれ易くすることが可能となっている。
また呼び出し用LED182が点灯していることによって、呼び出しスイッチ180が使用可能であることを遊技者に示すことが可能となっている(図4(A)参照)。従って、ホール内の外部装置の仕様が本パチンコ遊技機1の呼出信号を受信可能な仕様である場合に点灯設定にすることで、呼び出しスイッチ180の利用を遊技者に促すことが可能となっている。
特に本形態では、呼び出し用LED182が点灯すると名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字がスモークレンズ175越しであってもはっきりと視認可能となる。よって、呼び出しスイッチ180の役割(つまりホールの従業員の呼出のための操作手段であること)を遊技者に示すことが可能である。従って、遊技機枠50に呼び出しスイッチ180が設けられていることに慣れていない遊技者に対して、呼び出しスイッチ180が何のためのものであるかを確実に認識させることが可能である。
また逆に、消灯設定に設定しておくことで、呼び出し用LED182を消灯させておくことが可能である。従って、呼び出しスイッチ180の存在を遊技者に気付かれ難くすることが可能である。また、呼び出しスイッチ180が使用可能でないことを遊技者に示すことが可能である(図4(B)参照)。よって、ホール内の外部装置の仕様が本パチンコ遊技機1の呼出信号を受信可能な仕様ではない場合に消灯設定にすることで、利用できない呼び出しスイッチ180があることによる遊技者の困惑のおそれを低減することが可能となっている。
特に本形態では、呼び出し用LED182が消灯すると名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字がスモークレンズ175越しでは視認し難くなる。よって、呼び出しスイッチ180の役割が示されないため、利用できない呼び出しスイッチ180があっても遊技者を困惑させるおそれが少ない。
また本形態のパチンコ遊技機1では、初当たり時のエンディング演出において呼び出しスイッチ180の操作説明(役割の報知)が行われる(図42(B)〜(E)参照)。そのため、呼出用の操作手段の配置位置としては遊技者が慣れ親しんだ位置とは言えない操作機構ユニット230に呼び出しスイッチ180が設けられていても、呼び出しスイッチ180の役割を遊技者にわかりやすく認識させることが可能である。
しかも、呼び出しスイッチ180の操作説明を含むエンディング演出は、呼び出し用LED182に関する設定が点灯設定であるときに行われ、消灯設定にあるときには行われない(図39参照)。よって、呼び出しスイッチ180が使用できず呼び出し用LED182を消灯させているときにも、呼び出しスイッチ180の役割の報知が行われてしまい遊技者が困惑するのを防止可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、枠可動体600の駆動演出が一切行われない駆動無し設定に設定することが可能である(図41(D)参照)。そのため、仮にホールに設置されているデータ表示器が、枠可動体600と衝突のおそれのあるサイズである場合や設置位置にある場合には、駆動無し設定に設定することで、衝突を防止することが可能となっている。そして、駆動無し設定に設定した場合には、枠可動体600が動作位置にあることでデータ表示器160の呼び出しボタン163が操作し難くなるということがないため、遊技機枠50に設けられた呼び出しスイッチ180の必要性が低下する。よって、このような場合には呼び出し用LED182の発光状態に関する設定を消灯設定に設定して、呼び出し用LED182を発光させないようにすれば、遊技者に対して呼び出しスイッチ180を必要以上に目立たせないようにすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、スイッチング素子185(図14参照)によって呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを切断することで、呼び出しスイッチ180が押されても外部端子板140から呼出信号が出力されないようにすることが可能である。よって、ホール側の意向に応じて、呼び出しスイッチ180を遊技者が利用可能な状態にするか、利用不可能な状態にするかを設定することが可能である。従って例えば、ホール内の外部装置の仕様が本パチンコ遊技機1の呼出信号を受信可能な仕様ではない場合に、スイッチング素子185を非導通状態にしておくことで、いたずらにパチンコ遊技機1の外部に呼出信号が出力されるのを防止することが可能となっている。
なお、スイッチング素子185が導通状態であるとき、つまり呼び出しスイッチ180が利用可能な状態であるときには、呼び出し用LED182を点灯させて、遊技者に使用可能であること及び呼出のための操作手段であることを認識させた方がよい。また、スイッチング素子185が非導通状態であるとき、つまり呼び出しスイッチ180が利用不可能な状態であるときには、呼び出し用LED182を消灯させて、遊技者に使用不可能であることを認識させた方がよい。このようにすれば、遊技者を困惑させることが少ないからである。
8.変更例
次に、変更例(第2形態〜第5形態とその他の変更例)について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
〈第2形態〉
第2形態のパチンコ遊技機について図43〜図47に基づいて説明する。第2形態のパチンコ遊技機は第1形態のパチンコ遊技機1とは次の点が異なる。すなわち、第2形態のパチンコ遊技機では、図43に示すように、呼び出しスイッチ180の呼び出しセンサ181が主制御基板80に接続されている。また外部端子板140が主制御基板80に接続されている。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、呼び出しセンサ181からの検出信号を読み込み、この検出信号に基づいて外端出力信号(外端基板向け信号)を生成して、払出制御基板110を介さずに外部端子板140に出力する。
なお賞球情報信号のための外端出力信号は、払出制御基板110によって生成され、主制御基板80を介して外部端子板140に出力される。この信号は、主制御基板80の遊技制御用マイコン81に入力されずに外部端子板140に出力されてもよいし、入力されて遊技制御用マイコン81から外部端子板140に出力されてもよい。さらには、払出制御基板110から外部端子板140に対する信号は、主制御基板80を介さずに入力されてもよい。
また第2形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は図44に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。第2形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(図44)は、特定領域センサ検出処理(S108)に続いて、呼び出しスイッチ設定処理(S191)と呼び出しセンサ検出処理(S192)とを行ってから外部端子出力処理(S109)に進む点が、第1形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(図23)と異なる。
呼び出しスイッチ設定処理(S191)は、呼び出しスイッチ180を遊技者が利用できる状態にする有効設定(呼出操作有効設定)と、呼び出しスイッチ180を遊技者が利用できない状態にする無効設定(呼出操作無効設定)とを、主制御基板80によって切り替えるための処理である。よって第2形態のパチンコ遊技機には、第1形態のパチンコ遊技機1が備えているスイッチング素子185(図14)を設ける必要はない。
具体的には呼び出しスイッチ設定処理(S191)では、遊技制御用マイコン81は図45に示すように、まずRAMクリア後の所定期間(本形態ではRAMクリアから30秒が経過するまでの期間)内か否かを判定する(S7001)。この期間内でなければ本処理を終える。一方この期間内であれば(S7001でYES)、続いて「無効設定操作」があったか否かを判定する(S7002)。無効設定操作は、呼び出しスイッチ180を遊技者が利用できない状態にするための操作(呼出操作無効設定にするための操作)であり、本形態では特定領域センサ39aに遊技球を検知させる操作である。
無効設定操作がなければ本処理を終えるが、無効設定操作があれば(S7002でYES)、呼び出しスイッチ無効設定情報をRAM84の所定の記憶領域にセットして(S7003)、本処理を終える。呼び出しスイッチ無効設定情報をセットするとは、例えば無効設定フラグをONにすることである。このように本形態では、RAMクリア後の30秒間の間にホールの従業員等が第2大入賞口35を開けて特定領域39に遊技球を通すことで、呼び出しスイッチ180を利用できない無効設定にすることが可能となっている。
なお、無効設定操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。例えば、第1始動口センサ20aやゲートセンサ28a、第2大入賞口センサ35aといった他のセンサに遊技球を検知させる操作を無効設定操作としてもよい。また、発射停止ボタン60aを5回連続して押す操作や、ハンドル60を5秒以上握る操作を無効設定操作としてもよい。なおこの構成とした場合には、発射装置112の単発打ちスイッチ180やタッチスイッチ114からの信号の入力情報を、発射制御回路111及び払出制御基板110を介して主制御基板80が取得できるように構成する。また、カードユニット135に設けられている各種の操作部を利用した所定の操作を無効設定操作としてもよい。なおこの構成とした場合には、カードユニット135からの信号の入力情報を、払出制御基板110を介して主制御基板80が取得できるように構成する。
次に図46に基づいて呼び出しセンサ検出処理(S192)について説明する。呼び出しセンサ検出処理(S192)は、呼び出しセンサ181からの検出信号に基づいて外端出力信号を設定するための処理である。本処理では、呼び出しスイッチ180について無効設定がなされていない場合にのみ、呼び出しセンサ181の検出信号の読み込みを行う(ステップS7101及びS7102参照)。また、呼び出しセンサ181がONの場合でも、所定の呼出操作有効期間(強SPリーチに係る図柄変動中および大当たり遊技の実行中)のときだけ、呼出信号の出力態様をON態様(出力する態様)に設定する(ステップS7102〜S7105)。なお呼出操作有効期間でない期間を呼出操作無効期間と称することとする。
具体的には図46に示すように、呼び出しセンサ検出処理(S192)では遊技制御用マイコン81はまず、呼び出しスイッチ無効設定情報がRAM84にセットされているか否かを判定する(S7101)。呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされていない場合には(S7101でNO)、続いて、呼び出しセンサ181がONか否かを判定する(S7102)。呼び出しセンサ181がONである場合には(S7102でYES)、続いて、強SPリーチの変動パターン(図19に示す変動パターンP1,P11,P31,P41)がセットされているか否か、つまり強SPリーチに係る特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S7103)。強SPリーチの変動パターンがセットされていない場合には(S7103でNO)、続いて、特別動作ステータスの値が「4」であるか否か、つまり大当たり遊技の実行中であるか否かを判定する(S7104)。特別動作ステータスの値が「4」でない場合には(S7104でNO)、本処理を終える。
一方、強SPリーチの変動パターンがセットされている場合(S7103でYES)又は特別動作ステータスの値が「4」である場合(S7104でYES)には、呼出信号の出力態様をON態様に設定する外部端子設定処理を行う(S7105)。ここで設定された信号が外部端子出力処理(S109)にて外部端子板140に出力されると、外部端子板140は呼出信号を出力する。このように本形態では、呼び出しセンサ181がONになっても(つまり呼び出しスイッチ180が押されても)、強SPリーチの変動パターンに係る特別図柄の変動表示中か、大当たり遊技の実行中でなければ、外部端子板140からの呼出信号の出力はなされない(図47(a),(c),(d)のタイミングチャート参照)。これは次の理由による。
すなわち、本形態では強SPリーチの変動パターンに係る特別図柄の変動表示中や、大当たり遊技の実行中には、枠可動体600が動作位置に位置している場合がある(図47(a),(b)のタイミングチャート参照)。よって、データ表示器160の呼び出しボタン163が遊技者から操作し難くなっている可能性がある。そこで本形態では、このような可能性がある場合に限って、外部端子板140から呼出信号が出力されるようにしている。言い換えれば本形態では、呼び出しスイッチ180を遊技者が有効に操作できる期間(呼び出しスイッチ180の有効期間)を、枠可動体600が動作位置に位置している可能性がある期間に限定している。これによれば、呼び出しスイッチ180を利用する意義がそれほど大きくないときには、従来通りデータ表示器160の呼び出しボタン163の操作にてホールの従業員の呼出を行わせる一方で、呼び出しスイッチ180を利用する意義が特に大きい場合にだけ、呼び出しスイッチ180を利用させることで、ホールの従業員の呼出についての操作性を最低限保障しつつ、呼び出しスイッチ180が誤って操作されたり、いたずらとして操作されたりすることによってホールの従業員が呼び出される可能性を低減させることが可能となっている。
またステップS7102において呼び出しセンサ181がONでないと判定した場合には、呼出信号の出力態様をOFF態様(出力しない態様)に設定する外部端子設定処理を行う(S7106)。これにより、呼び出しスイッチ180が押下されていないときには、呼出信号が出力されないこととなる。また、呼び出しスイッチ180の押下をやめたときには、呼出信号の出力が停止されることとなる。
またステップS7101において呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされている場合にも、ステップS7106の処理が行われる。よって、スイッチ無効設定情報がセットされている場合には、呼び出しスイッチ180が押下されたとしても、外部端子板140から呼出信号が出力されないこととなる。
以上説明したように、第2形態のパチンコ遊技機によれば、第1形態の説明において説明済みの効果の他、次の効果を奏する。すなわち、第2形態のパチンコ遊技機によれば、呼出操作有効期間内のみ呼び出しスイッチ180を用いた有効な呼出操作が可能となっている。よって、遊技中などに誤って呼出操作がなされたり、いたずらで呼出操作がなされたりする可能性を減らすことが可能となり、ホールの従業員の負担が増加するのを抑制することが可能となっている。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、少なくとも枠可動体600が動作位置に位置している間は、呼び出しスイッチ180を用いた呼出操作が有効な操作として機能する。従って、枠可動体600が動作位置に位置することによりデータ表示器160の呼び出しボタン163が操作し難くなっても、呼び出しスイッチ180を用いた呼出操作によって、楽にホールの従業員の呼出を行うことが可能となっている。
なお第2形態では、呼び出しスイッチ無効設定情報をセットするための呼び出しスイッチ設定処理(S191)と、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされているときには呼出信号を出力しないための処理(S7101,S7106)とを行う遊技制御用マイコン81が呼出操作不能化手段を構成する。
〈第3形態〉
第3形態のパチンコ遊技機について図48〜図51に基づいて説明する。第3形態のパチンコ遊技機は第1形態のパチンコ遊技機1とは次の点が異なる。すなわち、第3形態のパチンコ遊技機では図48に示すように、呼び出しスイッチ180の呼び出しセンサ181が主制御基板80に接続され、外部端子板140が主制御基板80に接続されている。但し、呼び出しセンサ181からの検出信号が主制御基板80に入力されるものの、遊技制御用マイコン81に入力されることはなく、主制御基板80から外部端子板140に出力される。つまり、主制御基板80は外部端子板140と呼び出しセンサ181とを単なる中継基板として接続しているに過ぎない。
呼び出しセンサ181から外部端子板140までの間の回路は、図49に示す通りである。この回路は、基本的には第1形態における払出制御基板110上の回路(図14参照)と同様であるが、スイッチング回路187(呼出操作不能化手段の一例)がフォトカプラPC1の4番ピンと第1の集積回路IC1の入力端子A1との間に設けられている点が異なっている。なお、第3形態のパチンコ遊技機には、第1形態のパチンコ遊技機1が備えていたスイッチング素子185(図14)が設けられていない。
スイッチング回路187は、呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインの導通状態を遊技制御用マイコン81からのセレクト信号(SEL信号)に基づいて切り替えるものである。具体的には、スイッチング回路187は、P型のMOSFET(TR1)と、N型のMOSFET(TR2)と、インバータ(INV)とを図49に示すように接続した回路である。スイッチング回路187に遊技制御用マイコン81から「H」レベルのSEL信号が入力されると、P型のMOSFET(TR1)のゲート端子にはインバータ(INV)によって反転された「L」レベルの信号が入力され、N型のMOSFET(TR2)のゲート端子には「H」レベルの信号が入力される。よって、P型のMOSFET(TR1)のドレイン―ソース間、及び、N型のMOSFET(TR2)のドレイン―ソース間に電流が流れる。つまりスイッチング回路187は、呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを導通状態とする。
これに対して、スイッチング回路187に遊技制御用マイコン81から「L」レベルのSEL信号が入力されると、P型のMOSFET(TR1)のゲート端子にはインバータ(INV)によって反転された「H」レベルの信号が入力され、N型のMOSFET(TR2)のゲート端子には「L」レベルの信号が入力される。よって、P型のMOSFET(TR1)のドレイン―ソース間、及び、N型のMOSFET(TR2)のドレイン―ソース間に電流は流れない。つまりスイッチング回路187は、呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインを非導通状態(切断状態)とする。
こうして本形態では、スイッチング回路187が遊技制御用マイコン81からのSEL信号のレベルに応じて、呼び出しセンサ181と外部端子板140との導通/非導通を切り替えることが可能となっている。よって第3形態では、スイッチング回路187が呼び出しセンサ181から外部端子板140への信号ラインを導通状態にしているときだけ、呼び出しスイッチ180の押下操作に応じて外部端子板140が呼出信号を出力することとなる。なお、スイッチング回路187の構成はこれに限定されるものではなく、遊技制御用マイコン81からの信号に応じて呼び出しセンサ181と外部端子板140との導通/非導通を切り替えることが可能であれば、JFET等の他の電子素子を用いた構成としてもよい。
このようなスイッチング回路187を備える第3形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は図50に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。第3形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(図50)は、特定領域センサ検出処理(S108)に続いて、呼び出しスイッチ設定処理(S191)とSEL信号出力処理(S195)とを行ってから外部端子出力処理(S109)に進む点が、第1形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(図23)と異なる。なお呼び出しスイッチ設定処理(S191)は、第2形態における同処理(図45)と同じであるため説明を省略する。つまり第3形態のパチンコ遊技機は、第2形態のパチンコ遊技機と同様、主制御基板80による呼び出しスイッチ180についての無効設定が可能な遊技機である。
SEL信号出力処理(S195)は、スイッチング回路187に入力するSEL信号のレベルの設定及び出力を行う処理である。本処理では、呼び出しスイッチ180について無効設定がなされていない場合であって、所定の呼出操作有効期間(強SPリーチに係る図柄変動中および大当たり遊技の実行中)にあたるときだけ、「H」レベルのSEL信号(スイッチング回路187を導通状態にする信号)を出力する。
具体的には図51に示すように、SEL信号出力処理(S195)では遊技制御用マイコン81はまず、呼び出しスイッチ無効設定情報がRAM84にセットされているか否かを判定する(S7301)。呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされていない場合には(S7301でNO)、続いて、強SPリーチの変動パターン(図19に示す変動パターンP1,P11,P31,P41)がセットされているか否か、つまり強SPリーチに係る特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S7302)。強SPリーチの変動パターンがセットされていない場合には(S7302でNO)、続いて、特別動作ステータスの値が「4」であるか否か、つまり大当たり遊技の実行中であるか否かを判定する(S7303)。
強SPリーチの変動パターンがセットされている場合(S7302でYES)又は特別動作ステータスの値が「4」である場合(S7303でYES)には、SEL信号の出力レベルを「H」に設定して(S7304)、「H」レベルのSEL信号をスイッチング回路187に出力する(S7305)。スイッチング回路187に「H」レベルのSEL信号が入力されている間は、スイッチング回路187は導通状態にあるため、呼び出しスイッチ180の押下操作に応じて外部端子板140から呼出信号が出力される。
これに対して、強SPリーチの変動パターンがセットされておらず、且つ特別動作ステータスの値が「4」でない場合(S7302及びS7303で共にNOの場合)には、SEL信号の出力レベルを「L」に設定して(S7306)、「L」レベルのSEL信号をスイッチング回路187に出力する(S7305)。スイッチング回路187に「L」レベルのSEL信号が入力されている間は、スイッチング回路187は非導通状態にあるため、呼び出しスイッチ180が押下操作されても外部端子板140から呼出信号が出力されない。
このように第3形態のパチンコ遊技機では、第2形態のパチンコ遊技機と同様、呼び出しスイッチ180が押されても、強SPリーチの変動パターンに係る特別図柄の変動表示中か、大当たり遊技の実行中でなければ、外部端子板140からの呼出信号の出力はなされない。
またステップS7301において呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされている場合にも、遊技制御用マイコン81は、SEL信号の出力レベルを「L」に設定して(S7306)、「L」レベルのSEL信号をスイッチング回路187に出力する(S7305)。よって、スイッチ無効設定情報がセットされている場合には、呼び出しスイッチ180が押下されたとしても、外部端子板140から呼出信号が出力されないこととなる。
以上説明した第3形態のパチンコ遊技機によれば、上記した第1形態や第2形態の遊技機と同様の効果を奏する。
なお第3形態では、呼び出しスイッチ無効設定情報をセットするための呼び出しスイッチ設定処理(S191)と、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされているときには「L」レベルのSEL信号を出力するための処理(S7301,S7306,S7305)とを行う遊技制御用マイコン81、及び、スイッチング回路187(図49)が呼出操作不能化手段を構成する。
〈第4形態〉
第4形態のパチンコ遊技機について図52〜図54に基づいて説明する。第4形態のパチンコ遊技機は第1形態のパチンコ遊技機1とは次の点が異なる。すなわち、第4形態のパチンコ遊技機では図52に示すように、呼び出しスイッチ180の呼び出しセンサ181がサブ駆動基板107を介してサブ制御基板90に接続されている。また、払出制御基板110だけでなくサブ制御基板90も外部端子板140に接続されている。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、例えば10msタイマ割り込み処理(図33)にて呼び出しセンサ181からの検出信号を読み込み、この検出信号に基づいて外端出力信号(呼出信号の出力/非出力を指示する信号)を生成して、外部端子板140に出力する。外部端子板140は、サブ制御基板90から呼出信号を出力することを指示する外端出力信号(外端基板向け信号)を受けている間は、呼出信号を出力し、サブ制御基板90から呼出信号を出力しないことを指示する外端出力信号を受けている間は、呼出信号を出力しない。
なお第4形態のパチンコ遊技機において、枠可動体600が動作位置にある場合に限って、演出制御用マイコン91が呼び出しセンサ181からの検出信号を読み込むように構成するとよい。上述した第2形態や第3形態と同様、呼び出しスイッチ180の利用をその必要性が特に高い場合に限ることで、ホールの従業員がむやみに呼び出されるおそれを低減することが可能であるからである。枠可動体600が動作位置にあるか否かは、フォトセンサによる位置検知など、公知の検知方法に基づいて判定すればよい。
また第4形態のパチンコ遊技機では、サブ制御基板90が呼び出しスイッチ180についての有効設定と無効設定とを切り替えることが可能となっている。具体的には第4形態では、演出制御用マイコン91は、機能設定処理(図35及び図36)におけるステップS5006〜S5013の処理(図36)に代えて、図53のステップS5091〜S5096に示す処理を行う。なお第4形態では、図35の機能設定画像表示処理(S5004)に基づいて、図54(B)に示す機能設定画像G10が表示される。この機能設定画像G10は、「呼び出しスイッチ有効設定」の項目があり、「呼び出し用LED発光設定」の項目がない点が第1形態における機能設定画像G2(図41(B)参照)とは異なっている。なお、初期画面の画像G1(図54(A)参照)および枠可動体駆動設定の画像G4(図54(D)参照)は第1形態の画像と同様である。
図53に示すように第4形態の演出制御用マイコン91は、設定画面表示中フラグがONである場合には(S5001でYES)、続いて、「呼び出しスイッチ有効設定」の項目が選択されたか否かを判定する(S5091)。つまり、図54(B)に示す機能設定メニュー画面の表示中に「呼び出しスイッチ有効設定」の設定項目を選択する操作がなされたか否かを判定する。この選択操作は、セレクトボタン64の上ボタン又は下ボタンの操作によりカーソル画像を移動させて、「呼び出しスイッチ有効設定」の「設定画面へ切替」の選択欄の画像(選択用アイコン)にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5091において選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5093に進む。一方、なされていれば(S5091でYES)、呼び出しスイッチ有効設定画像表示処理(S5092)を行って、ステップS5093に進む。呼び出しスイッチ有効設定画像表示処理(S5092)では、表示画面7aを図54(C)に示す呼び出しスイッチ有効設定の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。なお、ステップS5092でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図54(C)に示す画像G11を表示させる。
図54(C)に示す呼び出しスイッチ有効設定の画像G11が表示画面7aに表示されているときには、遊技場の従業員等の設定者は、呼び出しスイッチ180の有効性に関する設定を行うことが可能である。具体的には、呼び出しスイッチ有効設定は、呼び出しスイッチ180を利用可能な状態とするか、利用不可能な状態にするかの設定であり、「有効」に設定すれば呼び出しスイッチ180は利用可能な状態に制御され、「無効」に設定すれば呼び出しスイッチ180は利用不可能な状態に制御されることになる。
図53のステップS5093では、呼び出しスイッチ180の有効設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図54(C)に示す呼び出しスイッチ有効設定画面の表示中に「有効」を選択する操作(有効選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「有効」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5093において有効選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5095に進む。これに対して、なされていれば、呼び出しスイッチ180を利用可能な状態とする設定(呼出操作有効設定)となっていることを示す呼び出しスイッチ有効設定情報(以下単に「スイッチ有効設定情報」ともいう)をRAM94の所定の記憶領域にセットして(S5094)、ステップS5095に進む。スイッチ有効設定情報をセットするとは、例えばスイッチ無効設定フラグの値を「0」にセットすることである。なおこの処理とともに、呼び出し用LED182を点灯させるためのランプデータ(呼び出し用LED点灯データ)をセットするとよい。この点灯データがランプデータ出力処理(S4202)にて出力されれば、呼び出し用LED182は点灯状態に制御されるため、呼び出しスイッチ180は、遊技者から「呼び出しスイッチ」の文字がはっきりと視認可能な状態(図4(A)参照)となるからである。
ステップS5095では、呼び出しスイッチ180の無効設定が選択されたか否かを判定する。つまり、図54(C)に示す呼び出しスイッチ有効設定画面の表示中に「無効」を選択する操作(無効選択操作)がなされたか否かを判定する。この操作は、セレクトボタン64の左ボタン又は右ボタンの操作によりカーソル画像を「無効」の画像に合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。
ステップS5095において無効選択操作がなされていなければ、直ちにステップS5014に進む。これに対して、なされていれば、呼び出しスイッチ180を利用不可能な状態とする設定(呼出操作無効設定)となっていることを示す呼び出しスイッチ無効設定情報(以下単に「スイッチ無効設定情報」ともいう)をRAM94の所定の記憶領域にセットして(S5096)、ステップS5014に進む。スイッチ無効設定情報をセットするとは、例えばスイッチ無効設定フラグの値を「1」にセットすることである。なおこの処理とともに、呼び出し用LED182を消灯させるためのランプデータ(呼び出し用LED消灯データ)をセットするとよい。この消灯データがランプデータ出力処理(S4202)にて出力されれば、呼び出し用LED182は消灯状態に制御されるため、呼び出しスイッチ180は、遊技者から「呼び出しスイッチ」の文字が視認し難い状態(図4(B)参照)となるからである。
なお第4形態では、電源の投入時に演出制御用マイコン91はRAM94の所定の記憶領域から呼び出しスイッチ180の有効性に関する設定情報を読み出して、その設定情報がスイッチ有効設定情報であれば、呼び出し用LED点灯データを出力し、スイッチ無効設定情報であれば、呼び出し用LED点灯データを出力しないものとする。よって一旦、呼び出しスイッチ180の有効性に関する設定をすれば、その設定を変更しない限り、電源投入時にはその設定内容が反映されることとなる。
そして第4形態では、スイッチ有効設定情報がセットされている場合に限って、演出制御用マイコン91が呼び出しセンサ181からの検出信号を読み込むものとする。よって第4形態では、スイッチ有効設定情報がセットされているときには、呼び出しスイッチ180が押下されると外部端子板140から呼出信号が出力され得るが、スイッチ無効設定情報がセットされているときには、呼び出しスイッチ180が押下されても外部端子板140から呼出信号が出力されることはない。
また第4形態では、エンディング演出選択処理(図39)におけるステップS6203の処理として、スイッチ有効設定情報がセットされているか否かを判定するものとする。よって第4形態では、スイッチ有効設定情報がセットされているときには、初当たり時のエンディング演出として呼び出しスイッチ180の操作説明の動画(図42参照)が表示される(ステップS6204が実行される)が、スイッチ無効設定情報がセットされているときには、初当たり時のエンディング演出であっても呼び出しスイッチ180の操作説明の動画は表示されない(ステップS6204は実行されない)。
以上説明したように、このように第4形態のパチンコ遊技機によれば、呼び出しスイッチ180の役割の報知を含む特別エンディング演出(図42参照)は、呼出操作無効設定に設定されている場合には行われない。そのため、呼出操作無効設定に設定されていて呼び出しスイッチ180を利用できないにもかかわらず呼び出しスイッチ180の役割報知によって呼出操作が可能であると誤解させてしまうのを防止することが可能となっている。なお第4形態のパチンコ遊技機は、上記した第1形態〜第3形態の説明において説明済みの効果も奏し得る。
なお第4形態では、ステップS5091〜S5096等の処理を実行する演出制御用マイコン91が、呼出操作不能化手段、及び、示唆状態設定手段を構成する。また第4形態では、呼び出しスイッチ有効設定画面(図54(C)参照)を表示させて、有効選択操作又は無効選択操作を行う操作は、発光状態設定操作、及び、示唆状態設定操作に相当する。また第4形態では、スイッチ有効設定情報がセットされていればS6204を行い、スイッチ無効設定情報がセットされていればS6204を行わない演出制御用マイコン91が役割報知実行手段を構成する。
〈第5形態〉
次に、図55および図56に基づいて第5形態の遊技機について説明する。第5形態の遊技機は、スロットマシン(回胴式遊技機)である。図55および図56に示すように、スロットマシン900は、前面が開口する筐体910と、この筐体910の側端に回動自在に取り付けられた前面扉920(前扉部に相当)とを備えている。なお、筐体910における上下左右の壁部910aは、枠状の基枠部に相当する。本形態では、筐体910と前面扉920により遊技機枠が構成されている。
筐体910の内部には、外周面に複数種類の図柄が配列されたリール930L,930C,930R(以下、左リール930L、中リール930C、右リール930Rとも言う)が左右方向に並設されている。各リール930には、それぞれ、各リール930を駆動する駆動モータ(図示せず)と、各リール930の回転位置および停止位置を検出する位置検出器(図示せず)が取り付けられている。なお、リール930L,930C,930Rは、図柄表示部を構成する。
前面扉920の上下方向の略中央に配置されている前面パネル921には、透明の樹脂パネルで形成されたリール窓部922が設けられている。リール窓部922は、各リール930の外周面に描かれた複数種類の図柄(実施形態では各リールそれぞれ21個)のうち連続する複数の図柄(実施形態では各リールそれぞれ3個)を、正面から視認可能としている。なお本形態では、筐体910内部のリール930L,930C,930Rが配されている領域(リール配置領域)が、所定の領域に相当する。このスロットマシン900では、リール930に加えて又はリール930に代えて、液晶表示装置等の画像表示装置を配してもよい。リール930に代えて画像表示装置(画像表示部)を配する場合には、画像表示装置の表示画面に図柄を表示すればよい。
ここで、スロットマシン900は、入賞役に当選し、かつ、左リール930Lに描かれた図柄、中リール930Cに描かれた図柄、及び右リール930Rに描かれた図柄が、有効化された入賞ラインL1〜L5に沿って、所定の図柄の組み合わせで揃った場合(以下「入賞」ともいう)に、当選した入賞役に対して設定されている特典(遊技媒体(本形態ではメダル)の払い出しなど)を遊技者に与えるものである。入賞役としては、例えば、大量の遊技媒体が獲得可能なレギュラーボーナス(以下「RB」ともいい、大当たりの一例である)、レギュラーボーナスよりもさらに大量の遊技媒体が獲得可能なビッグボーナス(以下「BB」ともいい、大当たりの一例である)、少量の遊技媒体が付与される小役、新たに遊技媒体の賭数を設定することなく次回の遊技を可能にするリプレイなどがある。
また図55に示すように、前面扉920のリール窓部922の下方側には、メダルを投入可能なメダル投入部940が設けられている。また、クレジット(スロットマシン900に記憶されている遊技者所有のメダルの枚数の記憶)を用いてその範囲内において所定の最大賭数(本形態では「3」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ942、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ(スタートレバー)943、各リール930L,930C,930Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ(ストップボタン)944L,944C,944Rが遊技者により操作可能に設けられている。
また、前面扉920のリール窓部922の下方側であってスタートスイッチ943の左方には、呼び出しスイッチ180が設けられている。呼び出しスイッチ180は後方に向かって押し込み操作が可能なように配されており、その構成は第1形態の呼び出しスイッチ180と同様である。なお第5形態では、この呼び出しスイッチ180の押下操作を検出する呼び出しセンサ181は、スタートスイッチ943や、ストップスイッチ944L、944C、944Rの操作に応じた検知信号が入力される主制御部970(図56参照)に接続されている。また、主制御部970には、スロットマシン900の外部に信号を出力可能な外部端子板972(図56参照)が接続されており、主制御部970は、この外部端子板972に対して呼び出しセンサ181からの検出信号を出力可能である。外部端子板972は、第1形態の外部端子板140(図14参照)と同様、呼び出しセンサ181の検出信号に応じて呼出信号をデータ表示器等の外部装置に出力可能である。
なお図55に示すように、メダル投入部940の上方には、複数桁の7セグメントLED表示器で構成されたクレジット表示部941が設けられている。クレジット表示部941は、クレジットとしてカウントされているメダルの枚数を表示する。
また、前面扉920におけるストップスイッチ944等の下方には、スロットマシン900を装飾する装飾パネル946が設けられている。また、前面扉920の最下部には、メダルが払い出されるメダル払出口950と、メダル払出口950から払い出されたメダルを受けるメダル受皿部952と、ゲームの進行等に伴って音声を出力するスピーカ960が配されている。
また、前面扉920における前面パネル921の上方には、上側装飾ユニット200が取り付けられている。上側装飾ユニット200は、所定のタイミングで待機位置(図55参照)から動作位置(図56参照)に変位する可動体600L,600R(枠可動体600)を備えている。また上側装飾ユニット200の前面200aは、メダル受皿部952の前端952aよりも前方に突出している(図56参照)。この上側装飾ユニット200の構成は、第1形態のものと同様である。
本形態のスロットマシン900においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部940から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ942を操作すればよい。最大賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図55参照)が有効となり、スタートスイッチ943の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ943が操作されると、スタート信号が筐体910内部に配された主制御部970(図56参照)に入力される。スタート信号が主制御部970に入力されると、主制御部970は入賞役の抽選(大当たりの当否判定)を行うとともに、各リール930L,930C,930Rを回転させる。これにより、各リール930L,930C,930Rの図柄が変動表示される。
この状態でいずれかのストップスイッチ944L、944C、944Rが操作されると、主制御部970は対応するリール930L,930C,930Rの回転を所定の停止制御に従って停止させる。これによりリール窓部922に、表示結果が導出表示される。
そして全てのリール930L,930C,930Rが停止されると、1ゲーム終了となる。このとき、有効化されている入賞ラインL1〜L5上に、予め定められた図柄の組み合せが各リール930L,930C,930Rの表示結果として導出表示された場合には、入賞となり、入賞役に応じて定められている枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。つまり、導出表示された図柄によって入賞役の抽選の結果が示される。
なお、クレジットが上限数(本形態では「50」)に達した場合には、メダル払出口950からメダルが払い出される。また、有効化され入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合せが各リール930L,930C,930Rの表示結果として導出表示された場合には、その図柄の組み合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。例えばレギュラーボーナスやビッグボーナスに入賞した場合には、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。
ここで、上側装飾ユニット200に設けられている可動体600L,600Rは、主制御部970による入賞役の抽選の結果、各種の入賞役の中でも特に特典の大きい入賞役(例えばビッグボーナス)に当選した場合に、主制御部970(遊技制御部やメイン制御部ともいう)からの信号を受けたサブ制御部974(図56参照、演出制御部ともいう)によって待機位置から動作位置に駆動制御される。上述したように、この可動体600L,600Rを含む上側装飾ユニット200の構成は、第1形態と同様である。よって、第5形態の遊技機においても、呼び出しスイッチ180は、第1形態のパチンコ遊技機1と同様の効果を奏するものとして機能する。
なお、ここではスロットマシンとして、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機を例として説明したが、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であってもよい。この場合、ARTやAT中の状態を特別遊技状態と称することとする。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることであるが、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。なお第5形態における主制御部970は、外部端子板972からの呼出信号の出力に関して、上記した各形態のメイン制御部(主制御基板80及び払出制御基板110)と同じ機能を担う部分であり、サブ制御部974は、上記した各形態のサブ制御部(サブ制御基板90等)と同じ機能を担う部分である。
〈その他の変更例〉
上記した第1形態では、呼び出しセンサ181と外部端子板140とが払出制御基板110を介して接続されていたが、図57に示すように、呼び出しセンサ181と外部端子板140とが主制御基板80及び払出制御基板110を介して接続されていてもよい。つまり、呼び出しセンサ181からの検出信号の信号ラインが主制御基板80と払出制御基板110とにわたって形成されていてもよい。
また上記した第1形態では、外部端子板140が払出制御基板110に接続されていて、主制御基板80には払出制御基板110を介さずに接続されていない構成とした。また上記した第2形態及び第3形態では、外部端子板140が主制御基板に接続されていて、払出制御基板110には主制御基板80を介さずに接続されていない構成とした。これに対して、外部端子板140が主制御基板80にも払出制御基板110にも互いを介することなく接続されている構成としてもよい。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180を操作機構ユニット230に設けたが、左側装飾ユニット210や右側装飾ユニット220に設けてもよい。また、図58に示すように上側装飾ユニット200に設けてもよい。この場合、呼び出しスイッチ180は、上側装飾ユニット200における左方側に設けるとよい。ハンドル60を右手で操作している遊技者にとって、空いている左手で呼び出しスイッチ180を操作することができ、呼び出しスイッチ180の操作性が良好となるからである。なおこの構成とした場合には、呼び出しスイッチ180を操作機構ユニット230に設けたことによる効果は失われてしまう。しかしながら、ホールの従業員にとっては呼び出しスイッチ180が操作機構ユニット230に設けられている場合よりも呼び出しスイッチ180を操作し易くなる。よって、ホールの従業員もデータ表示器160の呼び出しボタン163を操作しないこととすれば、遊技者がホールの従業員による呼び出しボタン163の操作に基づく呼出の解除に気付かずに、再度呼び出しスイッチ180を押下して、また呼出状態に戻してしまうといった事態の発生を防ぐ抑えることが可能となる。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180を操作機構ユニット230におけるセレクトボタン64の左方に設けたが(図4参照)、遊技機枠50における窓部(ガラス板55のうち開口部53aの内側に位置する部分)の下方側であれば、打球供給皿61よりも下皿62に近い位置等、他の位置に設けてもよい。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180を用いた呼出操作を無効化する手段(呼び出しスイッチ180が押下されても外部端子板140に呼出信号を出力させないための手段)として、スイッチング素子185(図14参照)を設けたが、スイッチング素子185に代えて、呼び出しスイッチ180の押下操作ができないように呼び出しスイッチ180を固定することが可能なロック機構を設けてもよい。つまり、呼び出しスイッチ180を押下操作できない固定状態と、呼び出しスイッチ180を押下操作できる非固定状態とをとることができるロック機構によって、呼び出しスイッチ180を用いた呼出操作自体をできないように構成してもよい。ロック機構としては公知の機構を適宜選択すればよいが、例えば、呼び出しスイッチ180の押し込みを規制する位置と、規制しない位置とに移動可能な規制部材を有する機構を採用することができる。なお規制部材の移動は前枠53を開放させているときにだけ行うことができるようにするとよい。呼び出しスイッチ180を用いた呼出操作の可能/不可能を切り替えることができる者を、ホールの従業員等の遊技者でない者に限るためである。ロック機構は、呼出操作不能化手段に相当する。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180の操作説明をエンディング演出によって行ったが、客待ち演出として行ってもよいし、変動演出に伴う予告演出として行ってもよい。具体的には例えば、図42(B)〜(E)に示す画像を含む客待ち演出を行う構成としたり、図42(B)〜(E)に示す画像を所謂カットイン予告の画像として表示したり、所謂セリフ予告として呼び出しスイッチ180を押すとホールの従業員を呼び出すことができる旨を報知したりしてもよい。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180の操作説明を含む特別エンディング演出(図42参照)を、初当たり時のエンディングに限って行うこととしたが、初当たり時に限らなくてもよい。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180を押下しても呼び出し中であることをパチンコ遊技機1が遊技者に報知することはなかった。これに対して、呼び出しスイッチ180が押下された場合には、呼び出し中である旨の報知をパチンコ遊技機1が行う構成としてもよい。このようにすれば呼び出し中であることを遊技機にてわかりやすく遊技者に伝えることが可能となる。呼び出し中の報知としては、呼び出し用LED182を点滅させたり、呼び出し中の文字を表示画面7aに表示したり、呼び出し中を示す効果音をスピーカ67から出力させたりする構成を採用できる。
具体的には例えば、第2形態の電気的構成(図43)を採用し、呼び出しスイッチ180の押下操作に基づく呼び出しセンサ181の検出信号を遊技制御用マイコン81が取得したときに、そのことを通知するコマンドを演出制御用マイコン91に出力し、このコマンドを受信した演出制御用マイコン91が、呼び出し用LED182を点滅させるなどの報知制御を行えばよい。また、第4形態の電気的構成(図52参照)を採用し、演出制御用マイコン91が呼び出しセンサ181の検出信号に基づいて、呼び出し用LED182を点滅させるなどの報知制御を行えばよい。なお、呼び出し中である旨の報知の終了タイミングは、この報知の実行中に演出制御用マイコン91が呼び出しスイッチ180の操作がなされたことの情報を取得したときとしたり、報知の開始から予め定めた報知時間が経過したときとしたりすればよい。
なおこの構成では、データ表示器160の呼び出しボタン163は遊技者からもホールの従業員からも操作されないことが望ましい。データ表示器160が呼出状態でないのに遊技機が呼び出し中である旨の報知を行っているといったことが生じないようにするためである。勿論、このようなことの発生を防ぐために、データ表示器160からの信号をサブ制御基板90(演出制御用マイコン91)が取得することができる構成とすることも可能である。つまり、データ表示器160の呼び出しボタン163が操作されたことの情報を演出制御用マイコン91が取得し、これに基づいて呼び出し中である旨の報知を終了してもよい。
また上記した第1形態では、呼び出し用LED182をサブ駆動基板107を介してサブ制御基板90に接続したが、主制御基板80や払出制御基板110に接続してもよい。この場合、呼び出しスイッチ180についての有効/無効の設定を第2形態や第3形態で示した構成によって行うとよい。そして、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされている場合には、遊技制御用マイコン81又は払出制御用マイコン151が呼び出し用LED182を消灯状態に制御し、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされていない場合には、遊技制御用マイコン81又は払出制御用マイコン151が呼び出し用LED182を点灯状態に制御するとよい。
また、呼び出し用LED182を主制御基板80に接続する構成において、第2形態で示した電気的構成(図43参照)を採用した場合には、呼び出しセンサ181からの検出信号に応じて遊技制御用マイコン81が呼び出し用LED182の点灯/点滅を切り替えるとよい。点滅状態への切り替えによって、呼び出し中である旨の報知を行うことができるからである。ちなみに、遊技機に対する不正行為のなされ難さを考慮しなければ、データ表示器160などの外部装置からの信号を主制御基板80や払出制御基板110が取得可能な構成とすることも可能である。このように構成すれば、外部装置からの信号に基づいて主制御基板80が呼び出し用LED182による呼び出し中の報知を終了させることが可能となる。
また上記した第2形態や第3形態において、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされた場合には(ステップS7003参照)、このことを通知するためのコマンドを遊技制御用マイコン81が演出制御用マイコン91に出力するとよい。そして、このコマンドを受信した演出制御用マイコン91が、呼び出しスイッチ180が利用できない状態にあることを示す情報をRAM94に格納し、この格納情報に基づいて、呼び出しスイッチ180の操作説明を含む特別エンディング演出(図42参照)を行うか否かを決定するとよい。また、この格納情報に基づいて、呼び出し用LED182の点灯/消灯を制御するとよい。このような構成とした場合には、呼び出し用LED182の発光状態に関する設定を演出制御用マイコン91が行う必要はない。つまり、図36に示すステップS5006〜S5013の処理を行わない構成としてもよい。なおこの構成では、遊技制御用マイコン81からの受信コマンドに基づいて、呼び出しスイッチ180が利用できない状態にあることを示す情報をRAM94に格納する演出制御用マイコン91が、示唆状態設定手段を構成する。
また上記した第1形態では、呼び出しスイッチ180が、スモークレンズ175、名称表示部材176、及び呼び出し用LED182を有し、名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字が、呼び出し用LED182の発光時にははっきりと視認可能となり、呼び出し用LED182の消灯時には視認困難となるように構成した。これに対して、呼び出しスイッチとして、スモークレンズ、名称表示部材、呼び出し用LEDを有していないものを用いてもよい。この場合、呼び出しスイッチ自体又は呼び出しスイッチの近傍に、ドットマトリクス表示装置や液晶表示装置などの表示装置を設けて、この表示装置に「呼出」の文字を表示することで、呼び出しスイッチ180が利用可能であることを示すとよい。この場合、表示装置が使用可否示唆手段を構成し、表示装置が備えるLEDが発光体に相当し、「呼出」の文字を表示している態様が第1態様に相当し、表示していない態様が第2態様に相当する。
また、呼び出しスイッチ自体又は呼び出しスイッチの近傍に「呼出」の文字装飾を施すことでその機能を示し、呼び出しスイッチに内蔵させたLED、又は、呼び出しスイッチの近傍に配置したLEDを発光させることで、呼び出しスイッチが使用可能であることを示してもよい。この場合、「呼出」の文字装飾とLEDとが使用可否示唆手段を構成し、LEDが発光体に相当し、LEDが点灯している態様が第1態様に相当し、LEDが消灯している態様が第2態様に相当する。ちなみに、「呼出」の文字装飾はなくてもよい。呼び出しスイッチの役割(ホールの従業員の呼出のための操作手段であること)を明確に示すことはできなくなるが、LEDの発光と非発光とが切り替われば、遊技者に呼び出しスイッチが使用可能か否かを示唆することは十分可能だからである。この場合、LEDが使用可否示唆手段および発光体に相当し、LEDが点灯している態様が第1態様に相当し、LEDが消灯している態様が第2態様に相当する。
また上記形態では、呼び出し用LED182の発光状態に関する設定が第2設定(消灯設定)となっているときには、呼び出し用LED182を消灯させる構成としたが、第2設定は、第1設定(点灯設定)における発光態様よりも目立ち難い態様で呼び出し用LED182を発光させる設定であってもよい。具体的には例えば、第1設定(点灯設定)における輝度よりも低い輝度で呼び出し用LED182を点灯させる設定であってもよい。
また上記した第1形態では、枠可動体600の2/3以上の部分が動作位置では遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置していたが(図7及び図8参照)、枠可動体は少なくとも一部が動作位置で遊技機枠50の上縁よりも上方に位置するものであればよい。但し、遊技者に対して演出としてのインパクトを強く与えるためには、枠可動体の半分程度が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置することが望ましい。
また上記した第1形態では、枠可動体600は、ホールにおけるデータ表示器160との干渉回避のため、前方に向かって斜め上方に傾斜した仮想前方傾斜面に略沿って変位するよう構成したが(図6及び図8参照)、枠可動体600の大きさ等の条件により、データ表示器160等のホール設置物(上方設置物)との干渉のおそれがない場合には、鉛直方向に沿って移動するものや、待機位置よりも動作位置が後方にあるものでもよい。
また上記した第1形態では、枠可動体600は、前後方向に沿う回転軸441を回転中心として回転することにより待機位置と動作位置との間を移動するものであったが、左右方向に沿う回転軸を回転中心として変位するものであってもよい。また、枠可動体は回転動作によって変位するものでなくてもよく、例えば、スライダ機構等により直動するものであってもよい。また、枠可動体600は、複数の可動体(左側枠可動体600Lと右側枠可動体600R)により構成されたものであったが、単一の可動体(可動部材)から構成されるものであってもよい。
また上記した第1形態では、上側装飾ユニット200の前端位置P1が操作機構ユニット230の前端位置P2よりも前方に位置する構成としたが(図6参照)、上側装飾ユニットの前端が操作機構ユニットの前端の後方にある構成としてもよい。また上記形態では、上側装飾ユニット200に枠可動体600を設けたが、上側装飾ユニットは枠可動体を有するものでなくてもよい。
また上記した第1形態では、強SPリーチの変動パターンが選択された場合、及び、大当たり遊技が実行されている場合に、枠可動体600が動作位置に位置していることがある構成としたが、枠可動体600の駆動タイミングは適宜変更可能である。
また上記した第2形態や第3形態では、強SPリーチに係る特別図柄の変動表示中および大当たり遊技の実行中を呼び出しスイッチ180の有効期間としたが(図47参照)、呼び出しスイッチ180の有効期間は適宜変更可能である。例えば、強SPリーチ以外の種類の変動パターンに係る特別図柄の変動表示中を、呼び出しスイッチ180の有効期間としてもよい。また、客待ち演出の実行期間を除く全期間(客待ち状態中を除く全期間)を、呼び出しスイッチ180の有効期間としてもよい。また、予め定められた種類のエラー(異常)の発生からそのエラーが解消されるまでの期間を、呼び出しスイッチ180の有効期間としてもよい。この場合のエラーの種類としては例えば、図24に示したセキュリティ制御処理に基づいて検出されるエラーのうちのいずれかを採用することができる。
また上記した第2形態や第3形態では、特別動作ステータスの値が「4」であるときを呼び出しスイッチ180の有効期間に設定したが(図46及び図51参照)、特定大当たりに対応する特図停止図柄データ(11H又は21H、図16参照)が特図バッファにセットされているときを有効期間に設定してもよい。また、遊技制御用マイコン81によって強SPリーチの変動パターンが選択された場合には、演出制御用マイコン91は枠可動体600の駆動演出を伴う変動演出パターンを必ず選択する構成としてもよい。これらの構成を採用すれば、枠可動体600が動作位置に移動していないのに呼び出しスイッチ180の操作が有効となる期間を第2形態や第3形態よりも少なくすることが可能となる。
また上記した第4形態において、枠可動体駆動設定が駆動ON設定であるときには、呼び出しセンサ181からの検出信号に基づく外部端子板140からの呼出信号の出力がなされるが、枠可動体駆動設定が駆動OFF設定であるときには、呼び出しセンサ181からの検出信号に基づく外部端子板140からの呼出信号の出力がなされない構成としてもよい。この場合には、演出制御用マイコン91がステップS5091〜S5096の処理を実行可能である必要はない。またこの場合、ステップS5019等の処理(図53参照)を実行する演出制御用マイコン91が、呼出操作不能化手段を構成する。
また上記した第1形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記した第1形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
なお上記した各形態では、遊技機と接続される外部装置(データ表示器等)が呼出信号に対応して動作できる仕様ではない場合には、外部端子板140の呼出信号のコネクタが外部装置につながれない可能性があるが、このような場合には、呼び出し用LED182を消灯状態にする設定にしておくとよい(ステップS5011〜S5013参照)。遊技者が呼び出しスイッチ180を利用できると誤解するのを防ぐことが可能となるからである。
ちなみに、外部端子板140の呼出信号のコネクタを外部装置につながないことによっても呼び出しスイッチ180を利用できない状態にすることができるため、呼び出しスイッチ180(呼び出しセンサ181)の無効化手段(第1形態のスイッチング素子185や、第2形態や第3形態において遊技制御用マイコン81が行う呼び出しスイッチ設定処理(S191)、第4形態において演出制御用マイコン91が行う呼び出しスイッチ180についての無効設定の処理(ステップS5091〜S5096))を設けることは、呼び出しスイッチ180を遊技機に搭載する上での必須の事項ではない。しかしながら、呼び出しセンサ181の無効化手段を設けておけば、外部装置(データ表示器)と遊技機との接続状態を変えることなく、呼び出しセンサ181の有効/無効を切り替えることができるため、感電のおそれがないことや、電気ノイズが生じ難い等のメリットが生じる。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉
手段1に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51)と、前記基枠部の前面側に位置する前扉部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記前扉部に設けられた窓部(ガラス板55のうち開口部53aの内側に位置する部分)を介して所定の領域(遊技領域3)を視認可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
遊技者による操作が可能な操作手段(呼び出しスイッチ180)と、
前記操作手段を操作する呼出操作に基づいて、前記呼出操作が行われたことを示す呼出信号を当該遊技機の外部に出力する呼出信号出力手段(外部端子板140)と、を備え、
前記操作手段は、前記遊技機枠における前記窓部の下方側に配されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する呼出操作に基づいて、遊技機の外部(データ表示器やホールコンピュータ等の外部装置)に呼出信号を出力可能である。よって、この呼出信号を受け取る外部装置の仕様次第で、データ表示器に設けられている呼び出しボタンが操作されたときと同じ処理を外部装置に行わせることが可能となる。しかも、呼出用の操作手段は、遊技機枠における窓部の下方側に設けられている。従って、従来のようにデータ表示器の呼び出しボタンを押すために腕を伸ばしたり腰を浮かせたりする必要がなくなり、ホールの従業員の呼出を小さい動きで楽に行うことが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記窓部の上方側に、当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾ユニット200)を備え、
前記上部装飾部は、所定の待機位置と動作位置との間で移動可能な可動部材(枠可動体600)を含むものであり、
前記動作位置は、前記可動部材の少なくとも一部が前記遊技機枠の上縁(50U)よりも上方にある位置である(図7参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部装飾部に設けられた可動部材を遊技機枠の上縁よりも上方に位置させる演出によって遊技興趣を高めることが可能となる。但し、可動部材が動作位置にあるときにはデータ表示器が操作し難くなることが懸念される。しかし本発明によれば、遊技機枠に呼出用の操作手段が設けられているため、その懸念を解消可能である。
また、遊技機枠の窓部の下方側に呼出用の操作手段を設けた分、上部装飾部に電気部品の配置スペースを残すことが可能となる。よって、可動部材を用いた演出に必要なモータ、センサ、LED、及びこれらの駆動基板等を、上部装飾部に設け易くすることが可能となる。
また、呼出用の操作手段が遊技機枠における窓部の下方側に設けられているため、可動部材を用いた演出時に遊技機枠の上部装飾部に遊技者の注意が向けられても、呼出用の操作手段が目に障ることがない。よって、遊技者の関心を可動部材に集め、意図通りの演出効果を発揮させることが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記窓部の下方側に、遊技媒体を貯留可能な遊技媒体貯留皿部(操作機構ユニット230)を備え、
前記上部装飾部は、前記遊技媒体貯留皿部の前端よりも前方に突出しているものであり、
前記動作位置は、前記可動部材の少なくとも一部が前記上部装飾部の前端よりも前方にある位置である(図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部装飾部が遊技媒体貯留皿部よりも前方に突出しており、さらに上部装飾部の可動部材が動作位置では上部装飾部の前端よりも前方に位置する。よって、遊技者側に迫る迫力のある可動部材の駆動演出を実行することが可能となる。そしてこの構成では、可動部材が動作位置にあるときのデータ表示器の操作が一層困難になるおそれがあるが、本発明によれば遊技機枠における窓部の下方側にある操作手段に対する呼出操作によって、ホールの従業員の呼出を楽に行うことが可能である。
手段4に係る発明は、
手段1から手段3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記操作手段は、発光体(呼び出し用LED182)を有するものであり、
前記発光体を所定の発光態様(点灯させ続ける態様)で発光させる第1設定(点灯設定)と、前記発光体を発光させない又は前記発光態様よりも目立ち難い態様で発光させる第2設定(消灯設定)とのいずれかの設定に、所定の発光状態設定操作に基づいて設定可能な発光状態設定手段(ステップS5006〜S5009,S5011,S5012等の処理を実行する演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発光状態設定操作によって第1設定に設定しておくことで、呼出用の操作手段が備える発光体を所定の発光態様で発光させることが可能である。よって、遊技者が慣れ親しんだ位置とは言えない遊技機枠の窓部の下方側に呼出用の操作手段があっても、この操作手段の存在を遊技者に気付かれ易くすることが可能となる。
また逆に、発光状態設定操作によって第2設定に設定しておくことで、呼出用の操作手段の存在を遊技者に気付かれ難くすることが可能である。よって、ホール内の外部装置の仕様が本遊技機の呼出信号を受信可能な仕様ではない場合に、利用できない操作手段があることによる遊技者の困惑のおそれを低減することが可能である。
手段5に係る発明は、
手段1から手段4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記操作手段の役割を説明する役割報知(図42(B)〜(E)に示す画像の表示)を所定の演出表示部(画像表示装置7)に行わせる役割報知実行手段(ステップS6204を実行する演出制御用マイコン91)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出表示部にて操作手段の役割の報知が行われるため、遊技者が慣れ親しんだ位置とは言えない遊技機枠の窓部の下方側に呼出用の操作手段があっても、その操作手段の役割を遊技者にわかりやすく認識させることが可能である。
〈B〉
手段6に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51)と、前記基枠部の前面側に位置する前扉部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記前扉部に設けられた窓部(ガラス板55のうち開口部53aの内側に位置する部分)を介して所定の領域(遊技領域3)を視認可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技機枠に設けられ、遊技者による操作が可能な操作手段(呼び出しスイッチ180)と、
前記操作手段を操作する呼出操作に基づいて、前記呼出操作が行われたことを示す呼出信号を当該遊技機の外部に出力する呼出信号出力手段(外部端子板140)と、
前記操作手段が使用可能であることを想起させ得る第1態様と、前記操作手段が使用可能でないことを想起させ得る第2態様とをとり得る使用可否示唆手段(スモークレンズ175、名称表示部材176、及び呼び出し用LED182)と、
前記使用可否示唆手段が前記第1態様(呼び出し用LED182が点灯している態様)に制御される第1設定(点灯設定)と、前記使用可否示唆手段が前記第2態様(呼び出し用LED182が消灯している態様)に制御される第2設定(消灯設定)とのいずれかの設定に、所定の示唆状態設定操作に基づいて設定可能な示唆状態設定手段(ステップS5006〜S5009,S5011,S5012等の処理を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する呼出操作に基づいて、遊技機の外部に呼出信号を出力可能である。よって、この呼出信号を受け取る外部装置(データ表示器やホールコンピュータ等の外部装置)の仕様次第で、データ表示器に設けられている呼び出しボタンが操作されたときと同じ処理を外部装置に行わせることが可能となる。従って、データ表示器に手を伸ばすことなく、楽にホールの従業員の呼出を行うことが可能となる。
またこの構成の遊技機によれば、示唆状態設定操作によって第1設定に設定しておくことで、使用可否示唆手段によって呼出用の操作手段が使用可能であることを遊技者に示すことが可能である。よって、ホール内の外部装置の仕様が本遊技機の呼出信号を受信可能な仕様である場合に第1設定にすることで、呼出用の操作手段の利用を遊技者に促すことが可能となる。
また逆に、示唆状態設定操作によって第2設定に設定しておくことで、使用可否示唆手段によって呼出用の操作手段が使用可能でないことを遊技者に示すことが可能である。よって、ホール内の外部装置の仕様が本遊技機の呼出信号を受信可能な仕様ではない場合に第2設定にすることで、利用できない操作手段があることによる遊技者の困惑のおそれを低減することが可能である。
手段7に係る発明は、
手段6に記載の遊技機であって、
前記第1態様は、前記操作手段の役割を認識させ得る態様(「呼び出しスイッチ」の文字がはっきりと視認される態様、図4(A)参照)であり、
前記第2態様は、前記操作手段の役割を認識させない又は前記第1態様よりも認識させ難い態様(「呼び出しスイッチ」の文字が視認され難い態様、図4(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1態様の使用可否示唆手段によって操作手段の役割を遊技者に示すことが可能である。よって、遊技機枠に呼出用の操作手段が設けられていることに慣れていない遊技者に対して、その操作手段の役割を認識させることが可能である。また、第2態様に制御されているときには使用可否示唆手段によって呼出用の操作手段の役割が示されないため、利用できない操作手段があっても遊技者を困惑させるおそれが少ない。
手段8に係る発明は、
手段6又は手段7に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記窓部の上方側に、当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾ユニット200)を備え、
前記上部装飾部は、所定の待機位置と動作位置との間で移動可能な可動部材(枠可動体600)を含むものであり、
前記動作位置は、前記可動部材の少なくとも一部が前記遊技機枠の上縁(50U)よりも上方にある位置であり、
前記可動部材の駆動を制御する可動部材駆動制御手段(ステップS6008等の処理を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記可動部材駆動制御手段により前記可動部材が駆動され得る駆動有り設定と、前記可動部材駆動制御手段により前記可動部材が駆動されることがない駆動無し設定とのいずれかの駆動設定に、所定の駆動設定操作に基づいて設定可能な駆動有無設定手段(ステップS5014〜S5019等の処理を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部装飾部に設けられた可動部材を遊技機枠の上縁よりも上方に位置させる演出によって遊技興趣を高めることが可能となる。但し、可動部材が動作位置にあるときにはデータ表示器が操作し難くなることが懸念される。しかし本発明によれば、遊技機枠に操作手段が設けられているため、その懸念を解消可能である。
また、データ表示器のサイズ等によっては可動部材を動作位置に位置させるとデータ表示器とぶつかってしまうおそれがあるが、本発明によれば、駆動設定操作によって、可動部材が駆動されない駆動無し設定に設定できるため、データ表示器と可動部材の衝突を防止することが可能である。そして、駆動無し設定に設定した場合には、可動部材が動作位置にあることでデータ表示器の呼び出しボタンが操作し難くなることはないため、遊技機枠に設けられた呼出用の操作手段の必要性が低下する。よって、このような場合には使用可否示唆手段を第2態様に制御させて、呼出用の操作手段が使用可能でないことを想起させるようにすれば、呼出用の操作手段を必要以上に目立たせるのを防ぐことが可能となる。
手段9に係る発明は、
手段6から手段8までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記呼出操作がなされると前記呼出信号出力手段に前記呼出信号を出力させる呼出操作有効設定と、前記呼出操作がなされても前記呼出信号出力手段に前記呼出信号を出力させない、又は前記操作手段に対する前記呼出操作を不可能にする呼出操作無効設定と、を切り替えることが可能な呼出操作不能化手段(例えば第1形態ではスイッチング素子185)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、ホール側の意向に応じて、呼出用の操作手段を遊技者が利用できる状態にするか、利用できない状態にするかを設定することが可能である。従って例えば、ホール内の外部装置の仕様が本遊技機の呼出信号を受信可能な仕様ではない場合に、呼出操作無効設定に設定しておくことで、いたずらに遊技機の外部に呼出信号が出力されるのを防止することが可能となる。
また、呼出操作有効設定に設定されているときには使用可否示唆手段が第1態様(使用可能であることを想起させる態様)に制御される第1設定にし、呼出操作無効設定に設定されているときには使用可否示唆手段が第2態様(使用可能でないことを想起させる態様)に制御される第2設定にすれば、遊技者を困惑させることがない。
手段10に係る発明は、
手段6から手段9までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記操作手段の役割を説明する役割報知(図42(B)〜(E)に示す画像の表示)を所定の演出表示部(画像表示装置7)に行わせる役割報知実行手段(ステップS6204を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記役割報知実行手段は、前記示唆状態設定手段により前記第1設定に設定されている場合には、前記役割報知を前記演出表示部に行わせ得る一方、前記第2設定に設定されている場合には、前記役割報知を行わせない(ステップS6203でYESならS6204を行い、NOならS6204を行わない)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出表示部にて呼出用の操作手段の役割の報知が行われるため、遊技機枠に呼出用の操作手段が設けられていることに慣れていない遊技者に対して、その操作手段の役割をわかりやすく認識させることが可能である。また、使用可否示唆手段についての第1設定は呼出用の操作手段が使用可能な場合に活用されることを予定している設定であり、第2設定は呼出用の操作手段が使用不可能な場合に活用されることを予定している設定であるところ、呼出用の操作手段が使用できない場合にまでその操作手段の役割報知が実行されてしまわないようにすることで、遊技者を困惑させるおそれを低減可能である。
手段11に係る発明は、
手段9に記載の遊技機であって、
前記操作手段の役割を説明する役割報知(図42(B)〜(E)に示す画像の表示)を所定の演出表示部(画像表示装置7)に行わせる役割報知実行手段(ステップS6204を実行する演出制御用マイコン91)を備え、
前記役割報知実行手段は、前記呼出操作有効設定に設定されている場合には、前記役割報知を前記演出表示部に行わせ得る一方、前記呼出操作無効設定に設定されている場合には、前記役割報知を行わせないもの(例えば第4形態では呼び出しスイッチ有効設定情報がセットされていればS6204を行い、呼び出しスイッチ無効設定情報がセットされていればS6204を行わない演出制御用マイコン91)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出表示部にて呼出用の操作手段の役割の報知が行われるため、遊技機枠に呼出用の操作手段が設けられていることに慣れていない遊技者に対して、その操作手段の役割をわかりやすく認識させることが可能である。また、この役割報知は呼出操作無効設定に設定されている場合には行われないため、呼出操作無効設定に設定されていて呼出用の操作手段を利用できないにもかかわらずその操作手段の役割報知によって呼出操作が可能であると誤解させてしまうのを防止することが可能である。
〈C〉
手段12に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51)と、前記基枠部の前面側に位置する前扉部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記前扉部に設けられた窓部(ガラス板55のうち開口部53aの内側に位置する部分)を介して所定の領域(遊技領域3)を視認可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技機枠に設けられ、遊技者による操作が可能な操作手段(呼び出しスイッチ180)と、
前記操作手段を操作する呼出操作に基づいて、前記呼出操作が行われたことを示す呼出信号を当該遊技機の外部に出力する呼出信号出力手段(外部端子板140)と、
前記呼出操作がなされると前記呼出信号出力手段により前記呼出信号が出力される呼出操作有効期間と、前記呼出操作がなされても前記呼出信号出力手段により前記呼出信号が出力されない呼出操作無効期間と、を切り替えることが可能な有効期間設定手段(例えば第2形態では、変動パターンを選択して格納したり、特別動作ステータスの値を変更したりすることによりステップS7103やS7104の判定結果を変える遊技制御用マイコン81)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する呼出操作に基づいて、遊技機の外部(データ表示器やホールコンピュータ等の外部装置)に呼出信号を出力可能である。よって、この呼出信号を受け取る外部装置の仕様次第で、データ表示器に設けられている呼び出しボタンが操作されたときと同じ処理を外部装置に行わせることが可能となる。従って呼出操作有効期間内であれば、データ表示器に手を伸ばすことなく、楽にホールの従業員の呼出を行うことが可能となる。
またこの構成の遊技機によれば、呼出操作有効期間内のみ操作手段を用いた有効な呼出操作が可能となる。よって、遊技中などに誤って呼出操作がなされたり、いたずらで呼出操作がなされたりする可能性を減らすことが可能となり、ホールの従業員の負担が増加するのを抑制することが可能となる。
手段13に係る発明は、
手段12に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記窓部の上方側に、当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾ユニット200)を備え、
前記上部装飾部は、所定の待機位置と動作位置との間で移動可能な可動部材(枠可動体600)を含むものであり、
前記動作位置は、前記可動部材の少なくとも一部が前記遊技機枠の上縁(50U)よりも上方にある位置であり、
前記呼出操作有効期間は、前記可動部材が動作位置に位置している期間(強SPリーチの変動パターンが指定され、枠可動体の駆動演出を伴う変動演出が実行された場合のSPリーチの発展以降の期間、及び、特定大当たりへの当選に基づく大当たり遊技の実行期間)を少なくとも含む期間である(図47参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠の上部装飾部に設けられた可動部材が遊技機枠の上縁よりも上方に位置する演出によって遊技興趣を高めることが可能となる。またこの構成の遊技機によれば、少なくとも可動部材が動作位置に位置している間は、操作手段を用いた呼出操作が有効な操作として機能する。従って、可動部材が動作位置に位置することによりデータ表示器の呼び出しボタンが操作し難くなっても、操作手段を用いた呼出操作によって、楽にホールの従業員の呼出を行うことが可能である。