JP6757070B2 - 関節モーメントの解析装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、関節モーメントの解析装置及び方法に関するものである。
関節モーメントは身体に加わる外力が関節を回転させようとするモーメントに対抗して身体内部の力が発生する力のモーメントであり(非特許文献1)、関節モーメントを計算することによって関節に加わる負荷を想定することができる。関節モーメントを算出する試みは色々行われており(非特許文献2、特許文献1、2)、関節モーメントを幾何学的に解析することも行われている(非特許文献3、4)。
被験者が接地している場合には、被験者に作用する外力は主として床反力であることから、床反力は関節モーメントに大きな影響を与える。しかしながら、関節モーメントの計算には様々な要素ないしパラメータが関わっており、床反力がどのように関節モーメントに影響を与えるかについて定量的に解析することは簡単ではない。
本発明者は、関節モーメントに影響を与える様々な要素ないしパラメータにおいて、床反力の傾き(床反力のベクトルの方向)に起因する影響、及び、床反力の作用点(COP座標)の変位に起因する影響に着目した。
特開2004−329280 特開2006−75456
身体運動のバイオメカニクス、山本 澄子、国際医療福祉大学、理学療法科学 18(3),109-114,2003 Relationship Between Gait and Clinical Results After High Tibial Osteotomy, Wada, Makoto MD; Imura, Shinichi MD; Nagatani, Kenji MD; Baba, Hisatoshi MD; Shimada, Seiichiro RPT; Sasaki, Shinichi RPT, Clinical Orthopaedics & Related Research Number 354, pp 180-188 Lateral wedge insoles for medial knee osteoarthritis: Effects on lower limb frontal plane biomechanics, Rana S. Hinman et.al. Clinical Biomechanics 27 (2012) 27-33 Effect of Laterally Wedged Insoles on the External Knee Adduction Moment across Different Reference Frames, Yamaguchi S, et. al. PLOS ONE|DOI:10.1371/journal.pone.0138554 September 23, 2015
本発明は、床反力が関節モーメントに与える要因を、床反力の傾きに起因する要因と床反力の作用点の変位に起因する要因に分けて捉えることで、関節に対する負荷の要因を評価することを目的とする。
本発明が採用した技術手段は、
入力部と、解析部と、出力部を備え、
前記入力部には、被験者の関節の座標値、床反力ベクトル、COP座標値が入力され、
前記解析部は、
関節モーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分と、床反力の作用点の位置に起因する第2関節モーメント成分の合計として規定し、
被験者の3次元姿勢について任意の解析面を設定し、前記解析面において、前記関節座標値と、前記床反力ベクトルの傾きと、前記COP座標値を用いて、前記第1関節モーメント成分、及び、前記第2関節モーメント成分を取得する関節モーメント成分取得手段と、
前記取得した第1関節モーメント成分及び前記第2関節モーメント成分を用いて、前記関節モーメントにおける前記第1関節モーメント成分、および/あるいは、前記第2関節モーメント成分の寄与の指標値を算出する指標値算出手段と、
を備え、
前記出力部は、前記指標値を出力する、
関節モーメントの解析装置、である。
1つの態様では、前記解析面は、前額面、矢状面、水平面のいずれかであるが、これらの面以外に解析面を設定してもよい。
1つの態様では、前記関節は、膝関節、足関節、股関節、腰部を含む脊柱関節から選択されるが、これらの関節以外(例えば、首関節や上肢関節)について本発明に係る関節モーメントの解析を適用してもよい。
1つの態様では、前記指標値には、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分の比、前記モーメントアームにおける前記第1関節モーメント成分の割合、前記モーメントアームにおける前記第2関節モーメント成分の割合の1つあるいは複数が含まれる。
1つの態様では、前記関節モーメント成分取得手段は、幾何学計算によって、前記第1関節モーメント成分、及び、前記第2関節モーメント成分を取得する。
1つの態様では、前記解析面は、第1軸と第2軸によって形成される平面であり、
前記モーメントアームは、前記解析面上の床反力ベクトルの先端と関節座標を結ぶ線分として規定され、前記モーメントアームは当該線分上の点において、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分に分割され、
前記関節モーメント成分取得手段は、
床反力ベクトルが斜辺、床反力ベクトルの第1軸上の第1成分が対辺、第2軸上の第2成分が隣辺であり、前記斜辺と前記隣辺の角度θが前記床反力ベクトルの傾きである第1直角三角形と、
前記第1関節モーメント成分が対辺であり、斜辺と隣辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが、前記関節座標の第2軸上の第2成分である、第2直角三角形と、
前記第2関節モーメント成分が隣辺であり、隣辺と斜辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが前記関節座標の第1軸上の第1成分と前記COP座標の第1軸上の第1成分の差である、第3直角三角形
を設定し、
前記第1直角三角形を用いて床反力ベクトルの傾きを算出し、
前記第2直角三角形を用いて前記第1関節モーメント成分を算出し、
前記第3直角三角形を用いて前記第2関節モーメント成分を算出する。
本発明は、関節モーメントを解析するために、コンピュータを請求項1〜5いずれかに記載の入力部、関節モーメント成分取得手段及び指標値算出手段を備えた解析部、出力部として機能させるためのコンピュータプログラムとして規定され得る。
本発明は、被験者の関節の座標値、床反力ベクトル、COP座標値を入力とし、
関節モーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分と、床反力の作用点の位置に起因する第2関節モーメント成分の合計として規定し、
被験者の3次元姿勢について任意の解析面を設定し、前記解析面において、前記関節座標値と、前記床反力ベクトルの傾きと、前記COP座標値を用いて、前記第1関節モーメント成分、及び、前記第2関節モーメント成分を取得し、
前記取得した第1関節モーメント成分及び前記第2関節モーメント成分を用いて、前記関節モーメントにおける前記第1関節モーメント成分、および/あるいは、前記第2関節モーメント成分の寄与の指標値を算出する、
関節モーメントの解析方法、として規定され得る。
本発明では、関節モーメントに及ぼす床反力の影響には、床反力の作用点の位置(COP位置)による影響と床反力の傾きという2つの要素があり、これらを分解して理解することによって、関節モーメントがどのような原因で生じているかということを解析することができる。本発明では、関節モーメントに及ぼす床反力の影響を2つの要素から捉えることで、床反力における2つの要素が関節モーメントにどのように影響しているかを解析することができる。すなわち、床反力による影響を、関節の位置からのずれの影響と、体重心方向への傾きによる影響に分解することによって、関節に対する負荷がどちらによって生じているかを定量的に評価することができる。
本実施形態に係る関節モーメントの解析装置の全体図である。 本発明を膝関節の関節モーメントの解析に適用した場合の概略図である。 本発明を膝関節の関節モーメントの解析に適用した場合の解析方法を説明する概念図である。 図3と類似の図であって、関節モーメント解析手法における各要素を詳細に示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る関節モーメント解析装置は、3次元動作取得装置(関節座標値取得手段)と、床反力計と、データ処理装置とからなる。3次元動作取得装置によって、被験者の所定の関節K(Kx, Ky, Kz)の時系列データを取得し、床反力計によって、被験者のCOP座標値(COPx, COPy, COPz)の時系列データ及び床反力ベクトルF(Fx, Fy, Fz)の時系列データを取得する。3次元動作取得装置と床反力計の3次元座標系は一致させてあり、3次元動作取得装置により取得されるデータと床反力計により取得されるデータは同期されている。3次元座標系の一致及びデータの同期については、当業者において幾つかの手法が知られているので、詳細な説明は省略する。
3次元動作取得装置としては、光学式モーションキャプチャ(典型的には、赤外線反射方式が採用される)が良く知られている。光学式モーションキャプチャでは、一般に、複数の光学マーカー(赤外線反射マーカー)を被験者の所定部位に取り付け、複数のカメラで被験者の動作を撮影することで、光学マーカーの移動軌跡から被験者の動作を計測する。本実施形態では、3次元動作取得装置の目的は所定の関節座標の時系列データを取得することなので、例えば、ある1個の光学マーカーの座標と所定の関節座標との関係が既知であれば、この光学マーカーの座標の時系列データから所定の関節座標の時系列データを取得することができる。また、加速度センサやジャイロスコープ等の慣性センサ(6軸センサや9軸センサを含む)を用いて動作計測を行うことも知られており、慣性センサを用いた3次元動作取得装置を用いて、関節座標値を取得してもよい。
本実施形態に係る床反力計は、床反力を3分力で計測する3次元フォースプレートである。床反力計は、踏み台と、踏み台の所定箇所の下方に位置して配置された複数個のロードセル(荷重検知センサ)と、を備えている。ロードセルは3分力センサで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の荷重情報を検出する。複数個の荷重センサで取得された値から、荷重の作用中心点(COP:Center of Pressure)すなわちCOP座標値(COPx, COPy, COPz)の時系列データ、及び、床反力ベクトルF(Fx, Fy, Fz)の時系列データを取得する。
3次元動作取得装置及び床反力計における各種計算は、コンピュータによって実行される。具体的には、カメラによって取得された画像情報を取り込む画像入力部、取り込まれた画像情報および画像処理部で計算された情報を記憶する記憶部、該画像情報や測定結果、分析結果を表示する表示部、該画像情報に対して画像処理を施すための画像処理部、マーカーの三次元位置の時系列データを計算する演算部を備えている。計測された各種データを用いてデータ処理を行う処理部や入力されたカメラ画像や処理結果を表示する表示部は、汎用コンピュータ(データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、データを表示する表示装置、主としてCPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、これらを接続するバス、コンピュータに所定の処理を実行させるために記憶装置に格納された所定のプログラム、等を備えている)から実現することができる。
データ処理装置は、関節モーメント解析装置の主要部を構成し、入力部と、解析部と、出力部を備えている。入力部には、3次元動作取得装置及び床反力計から得られたデータ、具体的には、被験者の関節座標値、床反力ベクトル(方向及び大きさ)、COP座標値が入力される。これらのデータは、3次元動作取得装置とフォースプレートの座標系を一致させて、同期して取得された時系列データであり、上記コンピュータの記憶部に格納されている。
解析部は、関節のモーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分R0と、床反力の作用点(COP座標)の位置(関節座標Kに対する変位ないし水平移動距離)に起因する第2関節モーメント成分R1の合計として規定し、被験者の3次元姿勢について任意の解析面(本実施形態では前額面)を設定し、前記解析面(yz面)において、関節の2次元座標値(Ky, Kz)と、床反力ベクトルの傾き(θ)と、COPの2次元座標値(COPy, COPz)を用いて、幾何学計算によって、第1関節モーメント成分R0、及び、第2関節モーメント成分R1を取得する関節モーメント成分取得手段を備えている。
解析部は、さらに、取得した第1関節モーメント成分R0及び第2関節モーメント成分R1を用いて、関節モーメントに係わるモーメントアームにおいて、第1関節モーメント成分R0、および/あるいは、第2関節モーメント成分R1の寄与の程度を示す指標値を算出する指標値算出手段を備えており、算出された指標値は、出力部から出力される。
データ処理装置は、コンピュータを主体として構成されている。コンピュータは、汎用コンピュータ(データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、データを表示する表示装置、主としてCPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、これらを接続するバス、コンピュータに所定の処理を実行させるために記憶装置に格納された所定のプログラム、等を備えている)から実現することができる。なお、3次元動作取得装置及び床反力計における各種計算を、データ処理装置と同じコンピュータから兼用してもよい。
本実施形態に係る関節モーメントの解析について説明する。ある時刻tにおいて、被験者の膝関節に作用する関節モーメントについて解析するものとする。時刻tにおける被験者の3次元の姿勢に基づく任意の面について考える。ここでは、前額面(yz面)について考える(図2参照)。
本実施形態では、前額面(yz面)を解析面とすることで、時刻tにおいて、図3、図4に示すように、関節座標値K(Kx, Ky, Kz)から関節座標値K(Ky, Kz)が得られ、COP座標値(COPx, COPy, COPz)からCOP座標値(COPy, COPz)が得られ、床反力ベクトルF(Fx, Fy, Fz)から床反力ベクトルF(Fy, Fz)が得られる。
図4に示すように、前額面における、床反力ベクトルF(Fy, Fz)の傾き(垂直方向に対する)をθとすると、ベクトルFを斜辺とし、ベクトルFのY軸方向の成分Fyを対辺とし、Z軸方向の成分Fzを隣辺とし、成分Fy(対辺)と成分Fz(隣辺)が直角に交わり、ベクトル(斜辺)FとFz成分(隣辺)が角度θで交わる第1直角三角形T1が設定され、この第1直角三角形T1から、
が成り立ち、ここから、床反力ベクトルの傾きθは、
で計算することができる。Fy及びFzの値は、床反力計によって取得される。
図4に示すように、前額面において、床反力ベクトルFの先端座標P1と関節座標Kを結ぶ第1線分L1、関節座標Kからz軸に平行に延びる線であり、関節座標Kと座標(Ky, 0)を結ぶ第2線分L2、座標(Ky, 0)を通り、z軸に対する傾きθ(ベクトルFと平行)の線であり、当該線と第1線分L1の交点P2と座標(Ky, 0)を結ぶ第3線分L3、床反力ベクトルFの先端座標P1からY軸に平行に延びる線であり、当該線と第3線分との交点P3と先端座標P1とを結ぶ第4線分L4が設定される。
第1線分L1は、いわゆるモーメントアームである。第1線分L1は、第3線分L3と交点P2で直交することによって、関節座標Kと交点P2の間の第1成分R0と、床反力ベクトルの先端座標P1と交点P2の間の第2成分R1との和によって規定される。
第1線分L1と第3線分L3は直交しており、第1線分の第1成分R0と、第2線分L2と、第3線分L3から、第2線分L2を斜辺とし、第1線分の第1成分R0を対辺とし、第3線分L3を隣辺とし、第2線分(斜辺)L2(=Kz)と第3線分L3(隣辺)が角度θで交わる第2直角三角形T2が設定され、この第2直角三角形T2から、
が成り立ち、ここから、第1線分L1の第1成分R0は、
で計算することができる。Kzは関節座標値から得られ、θは上述のように計算によって取得される。
第1線分L1と第3線分L3は直交しており、第1線分L1の第2成分R1と、第3線分L3の部分(第3線分L3と第1線分L1の交点P2と、第3線分L3と第4線分L4の交点P3の間の部分)と、第4線分L4とから、第4線分L4を斜辺とし、第1線分L1の第2成分R1を隣辺とし、交点P2と交点P3を結ぶ線分を対辺とし、第1線分L1の第2成分(隣辺)R1と第4線分(斜辺)L4(=|Ky-COPy|)が角度θで交わる第3直角三角形T3が設定され、この第3直角三角形T3から、
が成り立ち、ここから、第1線分L1の第2成分R1は、
で計算することができる。Kyは関節座標値から得られ、COPyは床反力計から得られ、θは上述のように計算によって取得される。
第1線分L1の長さ、すなわち、モーメントアームは、
によって取得することができる。関節モーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分R0と、関節に対するCOPの変位に起因する第2関節モーメント成分R1の合計として規定することができる。
第1関節モーメント成分R0及び第2関節モーメント成分R1を用いて、関節モーメントにおける第1関節モーメント成分R0、および/あるいは、第2関節モーメント成分R1の寄与の指標値を算出する。指標値によって、関節モーメントに対する床反力の影響について、床反力の傾きによる影響と、床反力の作用点の位置による影響を定量的に評価することができる。関節モーメントに対する床反力の影響を2つの要素から捉えることで、床反力における2つの要素が関節モーメントにどのように影響しているかを解析することができる。
より具体的には、指標値としては、以下の値を例示することができる。
(ア)第1関節モーメント成分R0と第2関節モーメント成分R1の比、すなわち、R0/R1、R1/R0
(イ)モーメントアーム(R0+R1)における第1関節モーメント成分R0の割合、すなわち、R0/R0+R1
(ウ)モーメントアーム(R0+R1)における第2関節モーメント成分R1の割合、すなわち、R1/R0+R1
モーメントアームの成分R0は、床反力の傾きに由来する第1関節モーメント成分であり、成分R1は、床反力におけるCOPの変位に由来する第2関節モーメント成分であり、このような指標値を用いることで、関節に対する負荷が、床反力の傾き(体重心方向への傾きによる影響)、床反力の作用点の位置(関節の位置からのズレの影響)のどちらによって主として生じているかを定量的に評価することができる。例えば、関節モーメントの時系列データに対応して指標値の時系列データを取得することで、関節モーメントが変化した時に、どのような要因で変化したのかを解析することができる。
本発明では、関節モーメントに対する床反力の影響には、COP位置による影響と床反力の傾きという2つの要素があり、これらを分解して理解することによって、関節モーメントがどのような原因で生じているかを解析することができる。関節モーメントが変化した時にどのような影響で変化したのかを解析することができる。例えば、何らかの介入(例えば、各関節の人工関節置換術、リハビリテーションによる非間欠的な訓練補装具・インソール等の装着、歩行指導などによる歩行姿勢の矯正)を行った際にどのような影響が出るかを予測することができる。
本発明は、床反力による影響の解釈方法を提供する。例えば、通常歩行とWide Base(足を広げた歩行)とToe out(つま先を外側に出した歩行)でデータを取得するとそれぞれ関節モーメントに差異が出るが、その解釈が可能となる。より具体的には、足部の位置、足関節の接地状況、体重心の位置、下肢のアラインメントなど様々な要素によって関節モーメントが決定されるが、本発明を用いることで2つのパラメータ(COPの位置に起因する関節モーメント成分、床反力の傾きに起因する関節モーメント成分)での解釈が可能となりデータ解釈が容易になる。
本実施形態では、前額面(yz面)を解析面として説明したが、本発明において、解析面は、前額面(yz面)に限定されるものではなく、例えば、矢状面(xz面)や水平面(xy面)であってもよく、前額面(yz面)についての上記手法を、実質的に変更することなく、矢状面(xz面)や水平面(xy面)に適用し得ることが当業者に理解される。
本実施形態では、膝関節の関節モーメントの解析について説明したが、本発明が適用される関節は、床反力が作用する関節であれば限定されず、例えば、膝関節以外の下肢関節(股関節、足首関節)、腰部を含めた脊柱関節が含まれ、膝関節についての上記手法を、実質的に変更することなく、他の関節に適用し得る(膝関節点に相当する位置が別の関節点に代わる)ことが当業者に理解される。
F(Fy, Fz) 床反力ベクトル
θ 床反力ベクトルの傾き
COP 床反力の作用点
K(Ky, Kz) 膝関節座標値
P1 床反力ベクトルの先端
P2 モーメントアームを第1関節モーメント成分と第2関節モーメント成分に分割する点
L1 第1線分(モーメントアーム)
R0 第1関節モーメント成分(床反力の傾きにに由来する関節モーメント)
R1 第2関節モーメント成分(COPの位置のずれに由来する関節モーメント)
T1 第1直角三角形(斜辺F、対辺Fy、隣辺Fz)
T2 第2直角三角形(斜辺L2、対辺R0、隣辺L3
T3 第3直角三角形(斜辺L4、対辺P2とP3間の線分、隣辺R1)
L2=kz
L4=|Ky-COPy|







Claims (9)

  1. 入力部と、解析部と、出力部を備え、
    前記入力部には、被験者の関節の座標値である関節座標値、床反力ベクトル、COP座標値が入力され、
    前記解析部は、
    関節モーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分と、床反力の作用点の位置に起因する第2関節モーメント成分の合計として規定し、
    被験者の3次元姿勢について任意の解析面を設定し、前記解析面において、前記関節座標値と、前記床反力ベクトルの傾きと、前記COP座標値を用いて、前記第1関節モーメント成分、及び、前記第2関節モーメント成分を取得する関節モーメント成分取得手段と、
    前記取得した第1関節モーメント成分及び前記第2関節モーメント成分を用いて、前記関節モーメントにおける前記第1関節モーメント成分、および/あるいは、前記第2関節モーメント成分の寄与の指標値を算出する指標値算出手段と、
    を備え、
    前記出力部は、前記指標値を出力する、
    関節モーメントの解析装置。
  2. 前記解析面は、前額面、矢状面、水平面のいずれかである、請求項1に記載の関節モーメント解析装置。
  3. 前記関節は、膝関節、足関節、股関節、脊柱関節から選択される、請求項1、2いずれか1項に記載の関節モーメント解析装置。
  4. 前記指標値には、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分の比、前記モーメントアームにおける前記第1関節モーメント成分の割合、前記モーメントアームにおける前記第2関節モーメント成分の割合の1つあるいは複数が含まれる、請求項1〜3いずれか1項に記載の関節モーメント解析装置。
  5. 前記解析面は、第1軸と第2軸によって形成される平面であり、
    前記モーメントアームは、前記解析面上の床反力ベクトルの先端と関節座標を結ぶ線分として規定され、前記モーメントアームは当該線分上の点において、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分に分割され、
    前記関節モーメント成分取得手段は、
    床反力ベクトルが斜辺、床反力ベクトルの第1軸上の第1成分が対辺、第2軸上の第2成分が隣辺であり、前記斜辺と前記隣辺の角度θが前記床反力ベクトルの傾きである第1直角三角形と、
    前記第1関節モーメント成分が対辺であり、斜辺と隣辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが、前記関節座標の第2軸上の第2成分である、第2直角三角形と、
    前記第2関節モーメント成分が隣辺であり、隣辺と斜辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが前記関節座標の第1軸上の第1成分と前記COP座標の第1軸上の第1成分の差である、第3直角三角形
    を設定し、
    前記第1直角三角形を用いて床反力ベクトルの傾きを算出し、
    前記第2直角三角形を用いて前記第1関節モーメント成分を算出し、
    前記第3直角三角形を用いて前記第2関節モーメント成分を算出する、
    請求項1〜4いずれか1項に記載の関節モーメント解析装置。
  6. 被験者の関節の座標値である関節座標値、床反力ベクトル、COP座標値を入力とし、
    関節モーメントに係わるモーメントアームを、床反力の傾きに起因する第1関節モーメント成分と、床反力の作用点の位置に起因する第2関節モーメント成分の合計として規定し、
    被験者の3次元姿勢について任意の解析面を設定し、前記解析面において、前記関節座標値と、前記床反力ベクトルの傾きと、前記COP座標値を用いて、前記第1関節モーメント成分、及び、前記第2関節モーメント成分を取得し、
    前記取得した第1関節モーメント成分及び前記第2関節モーメント成分を用いて、前記関節モーメントにおける前記第1関節モーメント成分、および/あるいは、前記第2関節モーメント成分の寄与の指標値を算出する、
    関節モーメントの解析方法。
  7. 前記指標値には、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分の比、前記モーメントアームにおける前記第1関節モーメント成分の割合、前記モーメントアームにおける前記第2関節モーメント成分の割合の1つあるいは複数が含まれる、請求項に記載の関節モーメント解析方法。
  8. 前記解析面は、第1軸と第2軸によって形成される平面であり、
    前記モーメントアームは、前記解析面上の床反力ベクトルの先端と関節座標を結ぶ線分として規定され、前記モーメントアームは当該線分上の点において、前記第1関節モーメント成分と前記第2関節モーメント成分に分割され、
    床反力ベクトルが斜辺、床反力ベクトルの第1軸上の第1成分が対辺、第2軸上の第2成分が隣辺であり、前記斜辺と前記隣辺の角度θが前記床反力ベクトルの傾きである第1直角三角形と、
    前記第1関節モーメント成分が対辺であり、斜辺と隣辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが、前記関節座標の第2軸上の第2成分である、第2直角三角形と、
    前記第2関節モーメント成分が隣辺であり、隣辺と斜辺が角度θで交わり、前記斜辺の長さが前記関節座標の第1軸上の第1成分と前記COP座標の第1軸上の第1成分の差である、第3直角三角形
    を設定し、
    前記第1直角三角形を用いて床反力ベクトルの傾きを算出し、
    前記第2直角三角形を用いて前記第1関節モーメント成分を算出し、
    前記第3直角三角形を用いて前記第2関節モーメント成分を算出する、
    請求項6、7いずれか1項に記載の関節モーメント解析方法。
  9. 関節モーメントを解析するために、コンピュータを請求項1〜5いずれかに記載の入力部、関節モーメント成分取得手段及び指標値算出手段を備えた解析部、出力部として機能させるためのコンピュータプログラム。
JP2017233862A 2017-12-06 2017-12-06 関節モーメントの解析装置及び方法 Active JP6757070B2 (ja)

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