以下、実施形態の一例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図4を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図4を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図4を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図4を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを「特別図柄」と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを「特別図柄表示器(可変表示部)」と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して「始動入賞口」または「始動口」ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、この形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、この形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の右方には、入賞役物50が設けられている。図2は、入賞役物50を説明するための説明図である。図2に示すように、入賞役物50の上部には、遊技球が進入可能な開口部50aが設けられ、開口部50aには、普通入賞ゲート33が設けられている。普通入賞ゲート33を通過した遊技球は入賞ゲートスイッチ33aで検出される。この実施の形態では、遊技球が普通入賞ゲート33を通過し入賞ゲートスイッチ33aで検出されると、3個の賞球が払い出される。
入賞役物50内において、普通入賞ゲート33の下方には、可変入球装置22が設けられている。可変入球装置22は、遊技機1の正面から見て前後方向にスライド動作可能な開閉部材24を備え、ソレノイド17によって開閉部材24が遊技機1の正面から見て後方(奥側)にスライド動作することによって、可変入球装置22が開放状態に制御され、可変入球装置22に遊技球が入球可能になる。従って、この実施の形態では、可変入球装置22は、特別可変入賞球装置20と類似の態様で開放状態に制御可能である。なお、可変入球装置22と特別可変入賞球装置20とをともに開閉板の開放動作によって開放状態に制御したり、ともにスライド動作によって開放状態に制御したりすることによって、全く同様の態様で開放状態に制御可能に構成してもよい。
また、可変入球装置22には、入球口LED22aが設けられており、この実施の形態では、可変入球装置22が開放状態に制御されると入球口LED22aが点灯され、可変入球装置22が開放状態に制御されていることが認識しやすくなるようにしている。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、可変入球装置22が開放状態に制御されると、演出表示装置9の表示画面上に可変入球装置22が開放状態に制御されたことを示す表示(例えば、可変入球装置22が開放状態に制御されていることを示す文字表示や、可変入球装置22を示す矢印表示)を表示したり、スピーカ27から所定の演出音を出力したりすることによって、可変入球装置22が開放状態に制御されていることが認識しやすくなるようにしてもよい。
図2(A)は、入賞役物50において可変入球装置22が閉鎖状態に制御されている状態を示している。図2(A)に示すように、可変入球装置22が閉鎖状態に制御されている場合には、入賞役物50の開口部50aから進入した遊技球は、普通入賞ゲート33を通過するものの可変入球装置22内には入球できない。そして、可変入球装置22上部の開閉部材24は右方から左方に向かって若干低くなる態様で斜めに形成されているので、可変入球装置22上部の開閉部材24に落下した遊技球は、図2(A)に示すように、開閉部材24上を左方に導かれる。入賞役物50の左方内部には、後述する第1アウト口26とは異なる第2アウト口25が設けられており、図2(A)に示すように、開閉部材24上を左方に導かれた遊技球は、入賞役物50の左方の側壁に設けられた開口部25aから第2アウト口25に導かれ、遊技機1内に排出される。なお、第2アウ口25は遊技機1正面から見て視認不能な態様で入賞役物50内部に設けられ、開口部25aは入賞役物50の側壁に設けられ遊技機1正面に対して直角方向となり正面方向からは見えにくいので、第2アウト口25から遊技球が排出されるのが認識しにくくなるように構成されている。
図2(B)は、入賞役物50において可変入球装置22が開放状態に制御されている状態を示している。図2(B)に示すように、可変入球装置22が開放状態に制御されている場合には、入賞役物50の開口部50aから進入した遊技球は、普通入賞ゲート33を通過した後、さらに可変入球装置22に入球可能である。可変入球装置22に入球した遊技球は入球検出スイッチ19で検出される。ただし、この実施の形態では、遊技球が可変入球装置22に入球し入球検出スイッチ19で検出されても、後述するように普通入賞獲得表示が実行されるのみで、賞球の払い出しは行われない。
この実施の形態では、後述するように、大当り遊技中に特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されるのと同じタイミングで可変入球装置22も開放状態に制御される。従って、この実施の形態では、大当り遊技中に可変入球装置22が開放状態となって入球可能となる場合があり、可変入球装置22に遊技球が入球すると普通入賞獲得表示が行われて、大入賞口への入賞に対する賞球とは別に普通入賞が発生して賞球が得られたこをと報知する(正確には普通入賞ゲート33の通過にもとづいて普通入賞が発生しているのであるが、あたかも可変入球装置22への入球にもとづいて普通入賞が発生したかのような報知を行う)。従って、この実施の形態では、大当り遊技中である場合には、遊技領域7の右方を狙って発射操作を行った方が大入賞口への入賞に加えて普通入賞獲得表示が行われるので、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
なお、この実施の形態では、賞球自体は可変入球装置22への入球で生じるのではなく普通入賞ゲート33の通過で生じるのであるから、大当り遊技中に制御されていないときに遊技領域7の右方を狙って発射操作を行えば、普通入賞ゲート33を遊技球が通過してある程度の賞球が得られてしまう(可変入球装置22に入球することはないので、普通入賞獲得表示が行われず、遊技者が賞球が得られることを認識しにくいだけである)。そのため、例えば、遊技領域7の右方にセンサなどを設けて、大当り遊技中に制御されていないときに右打ち操作していることを検出したら、警告表示を行ったり、左打ち操作を示唆する左打ち報知を行ったりすることによって、遊技者に左打ち操作を促すように構成することが望ましい。
図2(特に、図2(A))を用いて説明したように、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を遊技球が通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった場合には、その遊技球が可変入球装置22の近傍に配置された第2アウト口25から排出され、遊技球が排出されるのが認識しにくくなるように構成されている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制するようにしている。具体的には、例えば、普通入賞ゲート33を通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった遊技球がそのまま下方に落下して通常の第1アウト口26から排出されるように構成してしまったのでは、第1アウト口26までの経路も長く、第1アウト口26は正面から見て視認しやすいように開口部が設けられているのであるから、遊技球が入球せずに排出されてしまうことを遊技者に認識されてしまう。しかしながら、既に普通入賞ゲート33を遊技球が通過していることにより3個の賞球が払い出されているのであるから実際には遊技者には損は生じていない。従って、このように普通入賞ゲート33を通過した遊技球がアウト口から排出されるのを認識されてしまったのでは、通常の第1アウト口26から排出される遊技球の数が多く見えてしまい、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を通過したが可変入賞球装置22に入球しなかった遊技球については、視認しにくい第2アウト口25から排出されるように構成することによって、通常の第1アウト口26から排出される遊技球と混同されることを防止し、そのように遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制できるようにしている。
なお、第2アウト口25の態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第1アウト口26と比較して可変入球装置22に近い位置であれば、例えば、可変入球装置22の下方の入賞役物50の底面部分に第2アウト口を設け、その入賞役物50の底面部分に設けられた第2アウト口から遊技球が排出されるようにしてもよい。そのように構成しても、第2アウト口が入賞役物50の底面部分に設けられていれば、遊技機1正面に対して直角方向となり正面方向からは見えにくいので、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識しにくくすることができる。
また、例えば、第2アウト口の手前に装飾部材を設けることによって第2アウト口を見えにくくすることにより、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識しにくくするようにしてもよい。また、例えば、第1アウト口と比較して第2アウト口の開口部の大きさを小さくすることにより、第2アウト口から遊技球が排出されるのを認識しにくくするようにしてもよい。そのように何らかの形式で第1アウト口と比較して第2アウト口の方が遊技者から視認しにくい態様に構成されているものであればよい。
また、可変入球装置22に入球した遊技球を遊技盤6の盤面の裏側に排出するための排出経路と、第2アウト口25に進入した遊技球を遊技盤6の盤面の裏側に排出するための排出経路とは、遊技盤6の盤面の裏側で接続されて共通化されていてもよいし、別個独立の排出経路として設けられていてもよい。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれる第1アウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞ゲートスイッチ33aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28および可変入球装置22に設けられている入球口LED22aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、可変入球装置22に遊技球が入球したことを示す入球検出スイッチ19からの検出信号を、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してソレノイド17に駆動信号を出力することにより、可変入球装置22を開放状態に制御する。
なお、この実施の形態では、入球検出スイッチ19からの検出信号を演出制御用マイクロコンピュータ100側に入力する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、遊技制御用マイクロコンピュータ560側に入力するように構成してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力すると、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力したことを示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドを受信したことにもとづいて、後述する普通入賞獲得表示を表示するように制御してもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や入球口LED22aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図6は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞ゲートスイッチ33a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞ゲートスイッチ33aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞ゲートスイッチ33aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
なお、この形態では、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aがオンした場合には、賞球個数として1個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、1個の賞球を払い出すものである。また、カウントスイッチ23がオンした場合には、賞球個数として15個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、15個の賞球を払い出すものである。また、入賞ゲートスイッチ33aがオンした場合には、賞球個数として3個が設定された払出制御コマンドが出力され、該払出制御コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータは、3個の賞球を払い出すものである。
なお、この形態では、所定期間(例えば、29.5秒)が経過するか、または10球の遊技球の大入賞口への入賞を検出した場合に、一のラウンドを終了する(すなわち、大入賞口を閉鎖状態とする)ものであり、上述したように、大入賞口へ遊技球が入賞した場合には15個の賞球が払い出されるのであるから、一のラウンドでは150個の賞球の払い出しが可能である。つまり、15R確変大当りである場合には2250個の賞球の払い出しが可能であり、8R確変大当りである場合には1200個の賞球の払い出しが可能ある。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図7に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、8R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、8R確変大当り)にすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で15R確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている(40分の30の割合で15R確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「8R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび8ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「8R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」および「8R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンド1を開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは8R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「8R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは8R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S83,S97,S95またはS96の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96,S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS105)。セットされていない場合には、ステップS109に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「8R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S108)。なお、「8R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS105のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。
また、CPU56は、時間計測タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値(例えば、5.0秒)を設定する(ステップS134)。また、CPU56は、ラウンド数カウンタに大当り種別に応じたラウンド数(例えば、「15R確変大当り」の場合には「15」。「8R確変大当り」の場合には「8」。)をセットする(ステップS135)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS137)、セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合にはステップS141へ移行する。確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS138)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS139)。0となっていない場合はステップS141へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS140)、ステップS141へ移行する。これにより、所定回数(50回)の変動をおこなうことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。ステップS141において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS141)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、時間計測タイマの値を−1する(ステップS1401)。なお、ラウンド1の開始前である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、特別図柄停止処理のステップS134でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、ラウンド1の開始前の大当り表示時間(ファンファーレ期間)が計測されることになる。また、ラウンド1以降である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、後述する大入賞口開放中処理のステップS1469でセットした時間計測タイマの値が計測されることにより、各ラウンド後(最終ラウンド後を除く)のインターバル期間が計測されることになる。
なお、この実施の形態では、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを共通の時間計測タイマを用いて計測する場合を示しているが、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを別々のタイマを用いて時間を計測するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1403)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1403のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1404)。そして、ステップS1411に移行する。
時間計測タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS1411)、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1412)。
次いで、CPU56は、大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1413)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1414)。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にする。
次いで、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1415)。この形態では、いずれの種別の大当りであっても、全てのラウンドにおける大入賞口の開放時間は29.5秒であるため、ステップS1415では、CPU56は、開放時間タイマに29.5秒に相当する値をセットする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1416)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1452)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1452のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1453)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1454)。そして、ステップS1462に移行する。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する(ステップS1462)。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、ステップS1465に移行する。従って、この実施の形態では、大入賞口の開放期間(例えば、29.5秒)が経過する前であっても、大入賞口への入賞数が10個に達した場合には、ステップS1462でYと判定されてステップS1465に移行し、大入賞口を閉鎖状態に制御してそのラウンドを終了する場合がある。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば(ステップS1462のN)、CPU56は、開放時間タイマを1減算し(ステップS1463)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1464)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1465)。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して特別可変入賞球装置20の開閉板を閉状態にする。また、CPU56は、現在のラウンド数をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1466)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を1減算する(ステップS1467)とともに、減算後のラウンド数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1468)。ラウンド数カウンタの値が0となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンド(15R確変大当りの場合にはラウンド15。8R確変大当りの場合にはラウンド8。)が終了している場合)には、CPU56は、時間計測タイマに最終ラウンド後のインターバル演出を行う期間に相当する値(本例では、2.0秒)を設定する(ステップS1471)。そして、CPU56は、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1472)。
ラウンド数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、時間計測タイマにインターバル期間(最終ラウンド後以外のインターバル演出を行う期間に相当)に相当する値(本例では、0.1秒)を設定する(ステップS1469)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1470)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS168に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU56は、時間計測タイマの値を1減算する(ステップS161)。
次いで、CPU56は、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS162)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS162のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS163)。そして、ステップS164に移行する。
ステップS162〜S163の処理が実行されることによって、大当り遊技の最終のラウンド期間を終了した後のインターバル期間であっても、大入賞口への入賞を検出して大入賞口入賞指定コマンドを送信することが可能である。
次いで、CPU56は、減算後の時間計測タイマの値が0となったか否かを確認する(ステップS164)。時間計測タイマの値が0となっていれば(すなわち、最終ラウンド後のインターバル期間を経過していれば)、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS165)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS166)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値(例えば、3.0秒間に相当する値)を設定し(ステップS167)、処理を終了する。
ステップS168では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS168)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS169)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS169のY)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS173)。また、CPU56は、確変回数カウンタに所定回数(例えば50回)をセットする(ステップS174)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図25は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図26および図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、この実施の形態では、ステップS624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。また、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS629)。また、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大入賞口に遊技球が入賞したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図31は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図31に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「8R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。すなわち、停止図柄にもとづいては、いずれの大当りとなるのかを遊技者は認識できない構成となっている。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄を「はずれ図柄」という。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
ステップS8003の後、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出や報知演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。
ステップS8006の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、賞球報知演出を開始するための賞球報知開始処理を実行する(ステップS868A)。
「賞球報知演出」とは、払い出しを予定している賞球数をファンファーレ期間において表示する「賞球報知」と、賞球報知に対応する値を表示し、遊技球が大入賞口へ入賞する毎に、払い出される賞球の数だけ減算して表示する「状態表示」とを含む演出である。例えば、この形態では、大入賞口へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数は「15」であるから、賞球報知として2250個の賞球の払い出しを予定していることを示す「2250 GET」が表示された場合、状態表示としては、遊技球が1個入賞する毎に「2235」、「2220」、「2205」・・・と切り替えて表示されるものである。
この形態では、15R確変大当りである場合、賞球報知演出における報知パターンとしては、賞球報知として「2250 GET」を表示して状態表示を行うパターンと、賞球報知として「1200 GET」を表示するとともに状態表示を行い、ラウンド9において「1050 GET」を上乗せ報知するパターンとが設けられている。また、8R確変大当りである場合、賞球報知演出における報知パターンとしては、賞球報知として「1200 GET」を表示するパターンのみが設けられている。
また、この形態では、ファンファーレ期間においてボタン演出を実行可能である。ボタン演出とは、遊技者にプッシュボタン120への操作を促すとともに、所定の有効期間中にプッシュボタン120への操作を受け付けた場合に、賞球報知として表示した値を切り替え可能な演出である。具体的に、15R確変大当りであり、賞球報知として「1200 GET」が表示され、ボタン演出においてプッシュボタン120への操作を受け付けた場合、賞球報知の値を「1200」から「2250」へ切り替え可能である。なお、8R確変大当りであっても、ボタン演出が実行されることがあるが、有効期間中にプッシュボタン120への操作を受け付けた場合であっても、賞球報知の値は切り替わることがない。なお、ボタン演出の実行可能回数は1回に限られず、ファンファーレ期間中や大当り遊技中に複数回のボタン演出を実行可能である(すなわち、払い出す予定の賞球数として表示する値を複数回切り替え可能である)こととしてもよい。
また、この形態では、15R確変大当りとなった場合と、8R確変大当りとなった場合とで、共通の演出を実行することにより、いずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させにくくすることがある。その場合、ラウンド8において、昇格演出(例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦闘するバトル演出)を行い、成功(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利)することによりラウンド9以降も大当りが継続することを報知する一方、失敗(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北)することによりラウンド8にて大当りが終了することを報知するものである。以下、成功する昇格演出を「昇格成功演出」、失敗する昇格演出を「昇格失敗演出」ということがある。すなわち、15R確変大当りとなった場合には、ラウンド7まではいずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させにくい演出を行い、ラウンド8において昇格成功演出を実行可能である。一方、8R確変大当りとなった場合には、ラウンド7まではいずれの大当り種別となったのかを遊技者に認識させにくい演出を行い、ラウンド8において昇格失敗演出を実行可能である。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS869)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS870)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS870A)。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
図34は、賞球報知開始処理を示すフローチャートである。賞球報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、賞球報知演出における報知パターンを決定するための報知パターン決定抽選を実行する(ステップS3301)。具体的には、図35に示す報知パターン決定抽選テーブルを用いて賞球報知演出における報知パターンを決定する。
図35は、報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。図35に示す各報知パターン決定抽選テーブルには報知パターンに対応する判定値が割り当てられているが、図35に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、報知パターン決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
報知パターンには、パターン名(Pt1〜Pt6)、ファンファーレ期間における賞球包囲の表示態様(ファンファーレ表示)、ボタン演出の有無(「○」であれば実行し、「×」であれば実行しない)、および昇格演出(「成功」であれば昇格成功演出を実行し、「失敗」であれば昇格失敗演出を実行する)についての情報が含まれている。なお、ボタン演出を実行する報知パターンにおけるファンファーレ表示としては、ボタン演出の前後の報知態様を示している。例えば、Pt2の場合にはボタン演出実行前に「1200」を表示し、ボタン演出実行後に「2250」に切り替えることを示している。また、例えば、Pt4,Pt6の場合にはボタン演出実行前に「1200」を表示し、ボタン演出実行後にも「1200」を表示する(すなわち、ボタン演出においてプッシュボタン120への操作を受け付けた場合であっても賞球報知の値を変化させない)ことを示している。
なお、Pt1〜Pt4は、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択される報知パターンである。Pt5,Pt6は、大当り種別が8R確変大当りである場合に選択される報知パターンである。
具体的に、Pt1は、賞球報知として「2250 GET」を表示することにより、15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt2は、ボタン演出後の賞球報知が「2250 GET」に切り替えて表示することにより、15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt3は、ボタン演出を行うことなく賞球報知として「1200 GET」を表示することにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格成功演出を行うことにより15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt3は、ボタン演出を行っても賞球報知が「1200 GET」から切り替わらないことにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格成功演出を行うことにより15R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt5は、ボタン演出を行うことなく賞球報知として「1200 GET」を表示することにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格失敗演出を行うことにより8R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。Pt6は、ボタン演出を行っても賞球報知が「1200 GET」から切り替わらないことにより8R確変大当りである可能性を示唆した後に、昇格失敗演出を行うことにより8R確変大当りとなったことを報知する報知パターンである。
図35(a)は、15R確変大当りである場合に用いられる第1報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。例えば、15R確変大当りである場合、報知パターンとしてPt1が40%の割合で、Pt2が30%の割合で、Pt3が20%の割合で、Pt4が10%の割合で、決定されるものである。
図35(b)は、8R確変大当りである場合に用いられる第2報知パターン決定抽選テーブルを示す説明図である。例えば、8R確変大当りである場合、報知パターンとしてPt5が30%の割合で、Pt6が70%の割合で、決定されるものである。
このように、15R確変大当りである場合にはPt3が選択されにくい構成とすることにより、ボタン表示が行われずにファンファーレ期間における賞球報知の値が「1200」である場合には、15R確変大当りに対する信頼度が低い構成となっている。
また、15R確変大当りである場合にはPt4が選択されにくく、8R確変大当りである場合にはPt6が選択されにくい構成とすることにより、ボタン表示が行われてもファンファーレ期間における賞球報知の値が「1200」である場合には、15R確変大当りに対する信頼度が低い構成となっている。
ステップS3301の後、演出制御用CPU101は、決定された報知パターンがPt1であるか否かを判定し(ステップS3302)、Pt1であれば、賞球報知数Sに「2250」をセットし(ステップS3303)、ステップS3304Aへ移行する。賞球報知数Sとは、払い出しを予定している残余賞球数として表示する値(すなわち、賞球報知および状態表示において表示する値)である。ステップS3302において、Pt2〜Pt6のいずれかであれば、演出制御用CPU101は、賞球報知数Sに「1200」をセットし(ステップS3304)、ステップS3304Aへ移行する。
ステップS3304Aにおいては、演出制御用CPU101は、賞球報知数Sにもとづいた賞球報知を実行する(ステップS3304A)。具体的には、賞球報知数Sが「2250」であれば「2250 GET」といった表示を、賞球報知数Sが「1200」であれば「1200 GET」といった表示を行う。なお、賞球報知数Sが最大値(この形態では「2250」)である場合には、具体的な値を含まない表示(例えば、「MAX
GET」といった表示)を行うものであってもよい。
なお、この形態では、ボタン演出においてプッシュボタン120への操作を検出しないまま有効期間が終了した場合であっても、賞球報知の表示を切り替え可能な構成としたが、これに限るものではなく、有効期間が終了するまでプッシュボタン120への操作を検出しなかった場合には賞球報知の表示の切り替えを行わない構成としてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、決定した報知パターンがPt2,Pt4,Pt6のいずれかであるか否かを判定し(ステップS3305)、Pt2,Pt4,Pt6のいずれかでなければ、そのまま賞球報知開始処理を終了する。Pt2,Pt4,Pt6のいずれかであれば、プッシュボタン120への操作の有効期間であることを示す有効期間フラグをセットし(ステップS3306)、プッシュボタン120への操作を促す操作指示報知を開始し(ステップS3307)、賞球報知開始処理を終了する。操作指示報知としては、この形態では、演出表示装置9にプッシュボタン120の操作を促す旨を示す画像を表示することとするが、これに限るものではなく、スピーカ27から所定の音声を出力したり、プッシュボタン120に内蔵された発光部材を発光させたりすることとしてもよい。また、この形態では、ファンファーレ期間の開始時からボタン演出の有効期間が開始されることとしたが、これに限るものではなく、ファンファーレ期間が開始されて所定期間が経過した後であっても、ファンファーレ期間が開始されるより前(例えば、変動中)であっても、ラウンド1が開始されるタイミングであっても、ラウンド1が開始された後の所定のタイミングから有効期間が設けられていることとしてもよい。
図36は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3501)、セットされていなければ、ステップS1902へ移行する。
有効期間フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120への操作を受け付けたか(ステップS3502のY)、または有効期間終了タイミング(例えば、ファンファーレ期間が開始されてから3.0秒後。具体的には、有効期間フラグをセットしたときにタイマに3.0秒に相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトした場合に有効期間終了タイミングになったと判定する。)である場合(ステップS3502のN,S3503のY)、有効期間フラグをリセットし(ステップS3504)、報知パターンがPt2であるか否かを判定する(ステップS3505)。Pt2でなければ、ステップS1902へ移行する。Pt2であれば、賞球報知数Sに「2250」をセットし(ステップS3506)、賞球報知数Sにもとづいた賞球報知を実行する(ステップS3507)。具体的には、「2250 GET」といった表示、または具体的な値を含まない表示(例えば、「MAX GET」といった表示)を行う。これにより、賞球報知の表示が「1200 GET」から「2250 GET」に切り替わることとなる。
このように、この形態では、大当り表示処理においてボタン演出を実行可能であることとしたが、演出図柄変動停止処理(ステップS803)においてボタン演出を実行可能であることとしてもよい。
ステップS1902では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。プロセスデータnとは、ステップS869において選択されたファンファーレ演出のプロセステーブルにおけるデータであり、プロセスタイマがタイムアウトする毎にステップS1905において切り替えられたデータである。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、賞球報知を終了するとともに、賞球報知数Sにもとづいた状態表示を開始する(ステップS1907A)。具体的には、演出表示装置9の略右下に賞球報知数Sの値を表示することにより状態表示を行う。賞球報知数Sは大入賞口への入賞が発生することにもとづいて変化する値であるため、賞球報知数Sが変化したことにもとづいて状態表示も変化するものとなっている。その後、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。
次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1908)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1910)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞カウンタを初期化する(ステップS1911)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
次いで、演出制御用CPU101は、ソレノイド17を駆動して可変入球装置22を開放状態に制御する(ステップS1912)。また、演出制御用CPU101は、入球口LED22aの点灯を開始する制御を行う(ステップS1913)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1914)。
図37は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2901)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS2901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2903)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS2905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2906)。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2907)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグをリセットする(ステップS2908)。また、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2909)。また、演出制御用CPU101は、賞球報知数Sから「15」を減算し(ステップS2910)、賞球報知数Sにもとづいて状態表示を変化させる(ステップS2910A)。具体的には、状態表示として表示している値を、減算された後の賞球報知数Sの値に更新する。
その後、演出制御用CPU101は、賞球報知数Sが「0」であるか否かを判定し(ステップS2911)、「0」でなければステップS2913に移行する。「0」であれば、スピーカ27から特定の音声を出力する特別演出を実行する(ステップS2912)。これにより、遊技者に高揚感を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。また、特別演出として音による演出を実行することにより、表示による演出を実行する場合と比較して処理負担を低減することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、入球検出スイッチ19がオンとなっているか否かを確認する(ステップS2913)。入球検出スイッチ19がオンとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において普通入賞獲得表示を表示する制御を行う(ステップS2914)。例えば、演出表示装置9において「+3」などの表示を行い、普通入賞ゲート33の遊技球の通過によって3個の賞球が得られたことを報知する表示を行う。
なお、図37に示すフローチャートでは処理を簡略化して記載しているが、より具体的には、ステップS2914の普通入賞獲得表示を表示する処理として、入球検出スイッチ19のオンを1回検出したことにもとづいて、例えば、普通入賞獲得表示を所定期間(例えば、2秒)表示する制御を行う。具体的には、入球検出スイッチ19のオンを検出したときに演出表示装置9において普通入賞獲得表示の表示を開始するとともに所定のタイマに所定期間(例えば、2秒)に相当する値をセットし、その後、その所定のタイマがタイムアウトしたときに演出表示装置)において普通入賞獲得表示を消去するように制御すればよい。
ステップS2901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2920)。
次いで、演出制御用CPU101は、インターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS2921)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2922)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS2923)。
次いで、演出制御用CPU101は、ソレノイド17の駆動を停止して可変入球装置22を閉鎖状態に制御する(ステップS2924)。また、演出制御用CPU101は、入球口LED22aの点灯を終了する制御を行う(ステップS2925)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2926)。
図38〜図40は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3904)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3917)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)、演出制御用CPU101は、大入賞口入賞フラグをリセットする(ステップS3918)。また、演出制御用CPU101は、入賞カウンタの値を1加算し(ステップS3919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(ステップS3920)。加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていなければ、ステップS3924に移行する。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、例えば、この実施の形態では、大当り遊技中におけるラウンドごとの大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例では、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて大入賞口に遊技球が入賞することである。例えば、この実施の形態では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間(例えば、29.5秒間)が経過する前であっても、大入賞口への10個目の入賞を検出すれば大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生していれば)、演出制御用CPU101は、既にオーバー入賞の発生を報知したことを示す報知済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3921)、セットされていれば、そのままラウンド後処理を終了する。また、報知済フラグがセットされていなければ、オーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知を行い(ステップS3922)、報知済フラグをセットし(ステップS3923)、ラウンド後処理を終了する。ステップS3922では、具体的に、枠LED28を発光させることによりオーバー入賞の発生を報知することとするが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置9、スピーカ27、または大入賞口に内蔵された発光部材を用いてオーバー入賞の発生を報知することとしてもよい。また、オーバー入賞ではない大入賞口への入賞が発生した場合には所定のLEDを白色に発光させるとともに、オーバー入賞が発生した場合には該所定のLEDをレインボー発行させる(例えば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)こととしてもよい。ステップS3920〜S3923を行うことにより、2球以上のオーバー入賞が発生した場合であっても、1回しかオーバー入賞報知を行わないこととしている。これにより、遊技者に煩わしさを感じさせることなくオーバー入賞報知を行うことができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞でない場合)、演出制御用CPU101は、賞球報知数Sから「15」を減算し(ステップS3924)、減算後の賞球報知数Sにもとづいた値に状態表示を変化させる(ステップS3924A)。そして、賞球報知数Sが「0」であるか否かを判定し(ステップS3925)、「0」でなければそのままラウンド後処理を終了する。「0」であれば、スピーカ27から特定の音声を出力する特別演出を実行する(ステップS3926)。これにより、賞球報知演出において報知する値が「0」になったことを遊技者に示唆することができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、この形態では、ラウンドが終了した後に大入賞口への入賞を検出し、該入賞がオーバー入賞でない場合には状態表示を変化させるとともに、賞球報知数Sが「0」であれば特別演出を実行することとしたが、これに限るものではなく、ラウンド後に入賞を検出した場合には、オーバー入賞であるか否かにかかわらず状態表示の変化および特別演出を実行しない(ステップS3924〜S3926の処理を実行しない)ものであってもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことにもとづいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかにもとづいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、セットされていれば報知済フラグをリセットし(ステップS3931)、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3932)。
次いで、演出制御用CPU101は、次に開始するラウンドがラウンド8であるか否かを確認する(ステップS3932)。なお、ラウンド8であるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドがラウンド8であれば、演出制御用CPU101は、報知パターンがPt3〜Pt6のいずれかであるか否かを判定する(ステップS3934)。Pt3〜Pt6のいずれかであれば、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3935)。その際、報知パターンがPt3またはPt4であれば昇格成功演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し、報知パターンがPt5またはPt6であれば昇格失敗演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択するものである。ステップS3933においてラウンド8でなければ、またはステップS3934において報知パターンがPt1またはPt2であれば、演出制御用CPU101は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3936)。
なお、この実施の形態では、例えば、昇格演出として演出表示装置9において味方キャラクタが敵キャラクタと戦闘する表示を行う。そして、昇格成功演出においては味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する表示を行う一方で、昇格失敗演出においては味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する表示を行う。すなわち、昇格演出において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すればラウンド9以降も大当りが継続することが報知される(すなわち、上乗せされる)一方で、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すればラウンド8にて大当りが終了することが報知されるものである。
ステップS3935またはステップS3936の後、演出制御用CPU101は、次に開始するラウンドがラウンド9であるか否かを確認する(ステップS3937)。なお、ラウンド9であるか否かは、例えば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドがラウンド9であれば、演出制御用CPU101は、報知パターンがPt3またはPt4であるか否かを判定する(ステップS3938)。Pt3またはPt4のいずれかであれば、賞球報知数Sに「1050」をセットし(ステップS3939)、新たな賞球報知数Sにもとづいた賞球報知演出を実行するとともに、新たな賞球報知数Sにもとづいた状態表示を開始する(ステップS3939A)。具体的には、賞球報知として「1050 GET」といった表示を行うとともに、状態表示として演出表示装置9の略右下に「1050」を表示する。
なお、報知パターンとしてPt3またはPt4が選択されている場合、ラウンド1〜ラウンド8の間の各ラウンドにおいて10回以上の入賞が発生していれば、ラウンド8の終了時には状態表示として「0」が表示されていることとなる。そこで、ラウンド9においてステップS3939Aを行うことにより、状態表示が「0」から「1050」に上乗せされたように遊技者に見せることができる。
なお、この形態では、昇格成功演出を行った次のラウンドであるラウンド9において、上乗せした賞球報知数Sにもとづいた賞球報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、昇格成功演出を行うラウンド8において「1050 GET」といった賞球報知を行うこととしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3940)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS3941)。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞カウンタを初期化する(ステップS3943)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
次いで、演出制御用CPU101は、ソレノイド17を駆動して可変入球装置22を開放状態に制御する(ステップS3944)。また、演出制御用CPU101は、入球口LED22aの点灯を開始する制御を行う(ステップS3945)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS3946)。
ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、セットされていれば報知済フラグをリセットし(ステップS3951)、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3952)。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS3953)。また、演出制御用CPU101は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値(例えば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(ステップS3954)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3955)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS3956)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS3957)。
なお、この実施の形態では、図36に示す大当り表示処理、図37に示すラウンド中処理、および図38〜図40に示すラウンド後処理において、大入賞口開放中フラグがセットされたこと(特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されたこと)にもとづいて可変入球装置22が開放状態に制御され(ステップS1901のY,S1912およびS3902のY,S3944参照)、大入賞口開放後フラグがセットされたこと(特別可変入賞球装置20が閉鎖状態に制御されたこと)にもとづいて可変入球装置22が閉鎖状態に制御される(ステップS2901のY,S2924参照)。従って、この実施の形態では、可変入球装置22は、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御される周期と全く同様の周期により開放状態に制御される。
また、この実施の形態では、図21に示す大入賞口開放中処理で示したように、大当り遊技のラウンド中に特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達すると特別可変入賞球装置20を閉鎖状態に制御する(ステップS1462のY,S1465参照)のに対して、図37に示すラウンド中処理ではそのような処理は行わず、可変入球装置22に入球した遊技球が所定数に達しても可変入球装置22を閉鎖状態に制御する処理は行わない。そのような構成により、この実施の形態では、可変入球装置22への遊技球の入球数には制限がないので、遊技に対する興趣を向上できるようにしている。
なお、必ずしも可変入球装置22と特別可変入賞球装置20とが開放状態に制御される周期を全く同じ周期としなくてもよい。例えば、大当り遊技中の全てのラウンドで可変入球装置22を開放状態に制御するのではなく、一部のラウンドのみ可変入球装置22を開放状態に制御する開放パターンを設けるなど複数種類の開放パターンを設けるように構成してもよい。また、例えば、インターバル期間中も可変入球装置22の開放状態を維持して大当り遊技中にわたって継続して可変入球装置22を開放状態に制御する開放パターンを設けるように構成してもよい。
また、例えば、大当り遊技中に、保留記憶の中に大当りとなるものがあるか否かを判定して大当り遊技中の先読み予告演出を実行するように構成した遊技機において、大当り遊技中にわたって継続して可変入球装置22を開放状態に制御する開放パターンで可変入球装置22を開放状態に制御することによって、保留記憶の中に大当りとなるものがあることを予告するように構成してもよい。また、例えば、可変入球装置22の開放パターンを複数種類設けるように構成した場合には、いずれの開放パターンで可変入球装置22が開放状態に制御されたかによって、保留記憶の中に大当りとなるものがある期待度が異なるように構成してもよい。また、例えば、保留記憶の中に大当りとなるものがある期待度に応じて、可変入球装置22の開放中に実行する演出を異ならせるように構成してもよい。
図41は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS971)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理(ステップS806参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS978)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS980)。
図42は、演出表示装置9の表示例を示す説明図である。図42に示す表示例は、15R確変大当りが発生し、報知パターンがPt1である場合の表示例について示している。例えば、大当り変動が終了すると、図42(A)に示すように、ファンファーレ演出が実行されるとともに、賞球報知410が開始され「2250 GET」が表示される。ラウンド1が開始されたときには、図42(B)に示すように状態表示412が「2250」から開始される。そして、大入賞口への遊技球の入賞が発生する度に状態表示412が更新され、9回の入賞が発生した場合には、図42(C)に示すように状態表示412が「2115」に変化される。その後、ラウンド1としての大入賞口の開放中に2個の遊技球が入賞した場合、1個目の遊技球の入賞にもとづいて状態表示412が「2100」に変化されるとともに、2個目の遊技球の入賞(ラウンド1としては11個目の遊技球の入賞であり、オーバー入賞)にもとづいては状態表示412が変化されないまま、ラウンド1が終了する(ステップS3920〜S3924Aを参照)。この場合、図42(D)に示すように、状態表示412が「2100」として表示された状態でラウンド2が開始されることとなる。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に、賞球報知に加えて、入賞役物50の普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置22に遊技球が入球した場合に、普通入賞獲得表示が表示される場合がある。図43は、普通入賞獲得表示の表示例を示す説明図である。図43に示すように、大当り遊技中に、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置22に遊技球が入球すると、演出表示装置9において普通入賞獲得表示500が表示される(ステップS2914参照)。図43に示す例では、普通入賞獲得表示として「+3」が表示され、大入賞口への入賞によって得られる賞球とは別に3個の賞球が得られたことを報知する表示が行われる。
なお、この実施の形態では、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置22に遊技球が入球したことにもとづいて「+3」などの普通入賞獲得表示を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、可変入球装置22に遊技球が入球するごとにスピーカ27から所定の入賞音を出力するように構成してもよい。また、例えば、演出表示装置9において所定のメータ表示を行い、可変入球装置22への遊技球の入球に応じてメータの目盛が徐々に増加するような表示を行ってもよい。
また、例えば、普通入賞ゲート33を遊技球が通過し可変入球装置22に遊技球が入球するごとに賞球数の累積数を表示するように構成してもよい。また、例えば、普通入賞ゲート33を通過し可変入球装置22に入球した遊技球の数を計数して表示するように構成してもよい。
また、例えば、可変入球装置22に遊技球が入賞したことにもとづいて、賞球報知410の状態表示412に示される数値を3減算した数値に更新して表示するように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過可能な所定領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)と、遊技媒体が通過可能な所定領域とは異なる特殊領域(本例では、普通入賞ゲート33)と、遊技媒体が特殊領域を通過した後に進入可能な特殊進入部(本例では、可変入球装置22)とを備える。また、所定領域は、遊技媒体が通過することによって可変表示が開始されるとともに遊技媒体が付与される(本例では、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への入賞にもとづいて第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、1個の賞球が払い出される)。また、特殊領域は、遊技媒体が通過しても可変表示は開始されない一方で、遊技媒体が通過することによって遊技媒体が付与される(本例では、普通入賞ゲート33の遊技球の通過にもとづいて3個の賞球が払い出されるが、図柄変動の開始契機とはならない)。そして、特殊領域を通過したが特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域(本例では、第2アウト口25)を備える。そのため、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。具体的には、通常の第1アウト口26から排出される遊技球と混同されることを防止し、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、「遊技媒体が通過」とは、例えば、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14のように遊技球が入賞するもの(入賞口に遊技球が入ってそのまま遊技機内に取り込まれ、賞球が払い出される)と、普通入賞ゲート33のように遊技球が通過するもの(ゲートを遊技球が通過するだけで遊技機内には取り込まれないが、賞球が払い出される)との両方を含む概念である。また、「遊技媒体が進入」とは、例えば、可変入球装置22のように遊技球が入球するものの賞球が払い出されないものを示す概念である。
また、この実施の形態によれば、特殊排出領域とは異なる通常の排出領域(本例では、第1アウト口26)を備える。そして、特殊排出領域は、通常の排出領域と比較して特殊進入部の近傍に配置されている(本例では、図2に示すように、遊技領域7の下方に設けられた第1アウト口26と比較して、可変入球装置22に近い入賞役物50内部に設けられた第2アウト口25から排出される)。そのため、可変入球装置22に入球しなかった遊技球が排出されるまでの期間を短くして、入球せずに排出されることが認識されにくくすることにより、遊技者に対して損をしていないように見せることができる。
また、この実施の形態によれば、特殊進入部は、所定状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されているときに遊技媒体が進入可能な状態(本例では、開放状態)に変化可能な可変進入装置(本例では、可変入球装置22)として形成されている。そのため、所定状態に制御されているときにおける興趣を向上させることができる。
特に、この実施の形態では、所定状態として大当り遊技状態中に可変入球装置22が開放状態に制御されるので、特別可変入賞球装置20への入賞により得られる賞球に加えて、可変入球装置22に入球したときにも賞球が得られる(正確には普通入賞ゲート33を通過したことにより賞球が得られるのであるが)ようにみせることができ、大当り遊技中において賞球が得られることに対する高揚感をさらに高めることができる。
なお、この実施の形態では、所定状態が大当り遊技状態である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変状態や時短状態、高ベース状態など他の遊技状態を所定状態としてもよい。すなわち、例えば、確変状態に制御されているときに可変入球装置22を開放状態に制御するように構成したり、時短状態に制御されているときに可変入球装置22を開放状態に制御するように構成したりしてもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技媒体が入賞可能な第1状態(本例では、開放状態)と遊技媒体が入賞困難または不可能な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置20)を備え、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されているときに可変入賞手段を第1状態に変化させる。また、特殊進入部(本例では、可変入球装置22)を遊技媒体が進入可能な状態(本例では、開放状態)に変化させ、可変入賞手段を第1状態に変化させる周期と同様の周期により特殊進入部を遊技媒体が進入可能な状態に変化させる。そのため、特殊進入部が遊技媒体が進入可能な状態に変化する周期を遊技者に認識しやすくすることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置20)を第1状態(本例では、開放状態)に変化させた後、少なくとも可変入賞手段に遊技媒体が所定数(本例では、10個)入賞することにもとづいて可変入賞手段を第2状態(本例では、閉鎖状態)に制御可能である。一方で、特殊進入部(本例では、可変入球装置22)を遊技媒体が進入可能な状態(本例では、開放状態)に変化させた後、特殊進入部に遊技媒体が所定数進入しても特殊進入部を遊技媒体が進入不能な状態(本例では、閉鎖状態)に変化させる制御を行わない。そのため、特殊進入部への遊技媒体の進入数には制限がないので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力して可変入球装置22への入球を検出したり、ソレノイド17を駆動して可変入球装置22を開放状態に制御したりする場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、入球検出スイッチ19からの検出信号を入力して可変入球装置22への入球を検出したり、ソレノイド17を駆動して可変入球装置22を開放状態に制御したりするように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可変入球装置22は演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される部品であり、一種の演出用の役物として機能するものともいえる。そのため、可変入球装置22と同様または類似の遊技球が入球可能な可変入球装置を遊技盤6の盤面上に複数配置するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技媒体(本例では、遊技球)が入賞可能な第1状態(本例では、開放状態)と遊技媒体が入賞困難または不可能な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(本例では、大入賞口)と、所定期間(本例では、29.5秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(本例では、10球)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(本例では、ラウンド)を所定回数(本例では、15R確変大当りであれば15回、8R確変大当りであれば8回)実行する有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560における、ステップS305〜S307を実行する部分)と、可変入賞手段に遊技媒体が入賞した場合に、所定の価値を付与する価値付与手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS32を実行する部分と、払出制御用マイクロコンピュータにおける賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する部分)と、有利状態において付与可能な価値に対応した報知を行う報知手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3304A,S3507,S3939Aを実行する部分)と、報知に対応した特定状態(本例では、「0」表示)へ向けて、可変入賞手段へ遊技媒体が入賞した場合に変化する状態表示を実行可能な状態表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS2910A,S3924A,S3939Aを実行する部分)とを備え、状態表示手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞した場合、状態表示の変化を制限する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3920のYであるとき、状態表示の変化を行わない)こととした。これにより、可変入賞手段へ遊技媒体が所定数より多い特定数入賞した場合に変化を制限するため、付与可能であるものとして報知した価値の大きさと、実際に付与されたものとして報知した価値の大きさとで矛盾(例えば、オーバー入賞が発生した場合にも状態表示を変化させた場合には、付与可能であるものとして報知した価値の大きさよりも、実際に付与されたものとして報知した価値の大きさの方が大きくなってしまうことがある)が生じることを防止することができる。
なお、この形態では、「状態表示」として、これから払い出す予定の賞球数(以下、「予定賞球数」ということがある)の値を表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、既に払い出しを行った賞球数(以下、「払出済賞球数」ということがある)の値を「状態表示」として表示することとしてもよく、その場合には、値をカウントアップすることにより、状態表示を変化させることとなる。また、賞球数の値そのものではなく、賞球数の値を示すメータを「状態表示」として表示することとしてもよい。その場合も、予定賞球数の値を示すメータのゲージを減少させる変化を行うものであってもよいし、払出済賞球数の値を示すメータのゲージを増加させる変化を行うものであってもよい。また、賞球報知において表示した値を分母とし、予定賞球数の値または払出済賞球数の値を分子とした値の表示を増減させることにより「状態表示」の変化として行うこととしてもよい。また、キャラクタの表示態様が変化(例えば、キャラクタ自体の変化、キャラクタの模や色の変化)することを「状態表示」の変化として実行することとしてもよい。
また、この形態では、予定賞球数の値を「状態表示」として表示することとしたため「特定状態」が「0」表示であることとなったが、払出済賞球数の値を「状態表示」として表示することとした場合には「特定状態」が「2250」や「1200」といった表示となるものである。また、ゲージが減少するメータを「状態表示」として表示する場合には、該メータのゲージが最小値を示す状態が「特定状態」であり、ゲージが増加するメータを「状態表示」として表示する場合には、該メータのゲージが最大値を示す状態が「特定状態」である。
また、この形態では、ファンファーレ期間中に賞球報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、変動中(例えば、大当りとなることが示された後)や、大当り遊技状態におけるラウンドが開始された後に賞球報知を行うものであってもよい。
また、この形態では、報知手段は、付与可能な価値が最大であった場合には特定報知を行う(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3303をおこなった場合、ステップS3304において「2250 GET」といった表示を行う。具体的な値を含まない表示(例えば、「MAX GET」といった表示)を行うこととしても。)こととした。これにより、最大の価値が付与されることを遊技者が認識可能であるため、興趣の向上を図ることができる。
なお、この形態では、演出表示装置9において特定報知を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、スピーカ27や所定の発光部材を用いて特定報知を行うこととしてもよい。
また、この形態では、状態表示が特定状態に変化したときに特別演出を実行する特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS2912,S3926を実行する部分)を備えたこととした。これにより、遊技者に高揚感を与えることができ、興趣を向上させることができる。
なお、この形態では、「特別演出」として、スピーカ27から特定の音声を出力することとしたが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置9や所定の発光部材を用いた演出を「特別演出」として実行することとしてもよい。
また、この形態では、報知手段は、報知内容の異なる複数種類の報知(本例では、「2250 GET」、「1200 GET」)を、それぞれ異なるタイミング(本例では、ファンファーレ期間開始タイミング、ファンファーレ期間中の所定のタイミング)において実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ期間開始タイミングにステップS3304Aを実行するとともに、ファンファーレ期間中の所定のタイミング(ボタン操作を受け付けたとき、または有効期間が終了したタイミング)にステップS3507を実行可能である)こととした。これにより、興趣を向上させることができる。
なお、報知タイミングについては、ファンファーレ期間中に限るものではない。例えば、変動中(例えば、大当りとなることが示された後)や、大当り遊技状態におけるラウンドが開始された後の所定のタイミングを報知タイミングとするものであってもよい。また、予め定められたタイミングにおいて報知を行うこととしてもよいし、状態表示が所定の態様(例えば、「0」表示)となったタイミングにおいて報知を行うこととしてもよい。
また、この形態では、1の単位遊技において、遊技媒体が所定数を超えて可変入賞手段に入賞(本例では、オーバー入賞)したことに基づいて、特定演出を実行可能な特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3922を実行する部分)を備え、特定演出実行手段は、所定数目の入賞(本例では、10個目の入賞)と所定数目の入賞の後の入賞(本例では、11個目の入賞や12個目の入賞や13個目の入賞)とが特定期間内(本例では、ラウンドが終了(大入賞口が閉鎖)されてから次のラウンドが開始されるまでの期間内、またはエンディング期間が開始されるまでの期間。所定の時間をタイマにセットし、該タイマがタイムアウトするまでの期間であってもよい。)において連続したときに、特定演出の実行を制限する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、既にオーバー入賞の発生を報知したことを示す報知済フラグがセットされているときには(ステップS3921のY)、ステップS3922を実行しない)こととしてもよい。そのような構成によれば、興趣の低下を防止することができる。
この形態では、2回目以降のオーバー入賞についてはオーバー入賞報知を実行しないことにより、「特定演出の実行を制限」することとしたが、具体的な制限態様についてはこれに限るものではない。例えば、2回目以降のオーバー入賞を検知した場合に、一部のオーバー入賞報知を実行したり、出力の程度を抑えて該オーバー入賞報知を実行したり、1回目のオーバー入賞報知よりも消極的なオーバー入賞報知を行うこととしてもよい。具体的には、1回目のオーバー入賞発生時には発光部材をレインボー発光(例えば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)制御を行う一方で、2回目以降のオーバー入賞発生時には発光部材を単色発光(例えば、黄色に発光させる)制御を行うこととしてもよい。
また、この形態では、報知手段は、状態表示が特定状態に変化された後、さらに付与可能な価値に対応した特別報知(本例では、「1050 GET」)を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3937〜S3939Aを行うことにより、ラウンド8までの各ラウンドで所定数(10球)以上ずつの入賞が発生することにより状態表示が「0」となった後に、残りの7ラウンド分の賞球報知として「1050 GET」を表示する)こととした。これにより、特定状態へ変化した場合であっても期待感を持続させることができる。
また、この形態では、「特別報知」として、付与可能な残り全ての価値を報知する(ラウンド9(残りラウンドが「7」であり、各ラウンドにおいて10個ずつ大入賞口に入賞した場合に「1050」の賞球を付与可能である状態)において「1050 GET」を上乗せ報知する)こととしたが、これに限るものではない。例えば、さらに10R確変大当りが設けられているものであれば、15R確変大当りまたは10R確変大当りであればラウンド9において「300 GET」(ラウンド10までの残り2ラウンドにおける予定賞球数)を特別報知として表示し、15R確変大当りであればラウンド11において更に「750 GET」を特別報知として表示するものであってもよい。なお、特別報知を行うタイミングについては、昇格成功演出を実行する次のラウンド開始時に限るものではなく、例えば、他のラウンド開始時であってもよいし、ラウンド中の所定のタイミングであってもよい。
また、この形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側が大当り種別にもとづいて報知パターンを選択することとしたが、これに限るものではない。例えば、大当りにおける大入賞口の開放態様と報知パターンとが対応付けられた大当り種別が遊技制御用マイクロコンピュータ560側によって選択され、演出制御用マイクロコンピュータ100側が選択された大当り種別に対応付けられた報知パターン(例えば、15R確変大当りAであればPt1、15R確変大当りBであればPt2、15R確変大当りCであればPt3、8R確変大当りAであればPt4、8R確変大当りBであればPt5、15R確変大当りAであればPt6)にもとづいて賞球報知および状態表示を行うこととしてもよい。
また、この形態では、オーバー入賞が発生した場合には状態表示を変化させないことにより、賞球報知により報知を行った値と矛盾が生じないようにしたが、オーバー入賞が発生した場合にも状態表示を変化させ、賞球報知により予め報知した賞球数を状態表示が超えた場合(例えば、状態表示が「0」となった状態で更に入賞が発生した場合)、所定の表示を行うことにより矛盾が生じないようにしてもよい。例えば、「∞」を表示したり、特殊な表示を行ったりすることとしてもよい。
また、この形態では、報知パターンとしてPt2が選択された場合には、有効期間中に1回の操作を検出したことにもとづいて賞球表示の値を「1200」から「2250」へ切り替え可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、2回以上の所定回の操作を検出したことにもとづいて賞球表示の値を「1200」から「2250」へ切り替えることとしてもよいし、1回の操作を検出する度に賞球表示を切り替えていくもの(例えば、プッシュボタン120への1回の操作を検出する度に賞球報知の値が所定値(例えば、「150」)ずつ増加してくもの。その場合、7回の操作を受け付けることにより「2250」に変化することとなる。)であってもよい。また、ボタン演出は設けられていないものであってもよい。
また、所定の演出(例えば、大当り図柄として「7」や奇数図柄を停止表示、またはプレミア演出)が発生した場合に特定の大当り(例えば、15R確変大当り)となる遊技機であれば、該所定の演出を実行した場合にはボタン演出を行わずに、付与する価値が最大である旨を示す特定報知(例えば、「2250 GET」、「MAX GET」)を行うこととしてもよい。
また、具体的な演出例としては、ファンファーレ期間中にポイントが付された敵キャラクタ(例えば、賞球数に対応するポイントがそれぞれ付された複数のゾンビ)を表示することを「報知」として実行し、入賞が発生する毎に該敵キャラクタを撃破してポイントが付与されることを「状態表示の変化」として実行することとしてもよい。また、ファンファーレ期間中におけるボタン演出として、操作を検出する毎に敵キャラクタを撃破してポイントが付与されることとしてもよい。また、付されているポイントが異なる複数の敵キャラクタが設けられていることとしてもよい。例えば、15ポイントが付されているキャラクタAと、300ポイントが付されているキャラクタBとが設けられており、キャラクタAは1個の遊技球の入賞により撃破可能であり、キャラクタBは20個の遊技球の入賞により撃破可能(この形態のように10個の遊技機の入賞を契機にラウンドを終了するものであれば、2回のラウンド分の入賞により撃破可能)であることとしてもよい。
また、この形態では、一のラウンドにおいて大入賞口を1回のみ開放可能であることとしたが、複数回開放可能であることとしてもよい。また、大入賞口の開放態様については、ラウンド毎に異なることとしてもよい。例えば、ラウンド1〜ラウンド8においては大入賞口を29.5秒に亘り1回だけ開放し、ラウンド9〜ラウンド15においては大入賞口を0.1秒に亘り2回開放することとしてもよい。
また、この形態では、単一の大入賞口を設けることとしたが、複数の大入賞口を設けることとしてもよい。例えば、大入賞口Aと大入賞口Bとを備え、大当りにおけるラウンド毎にいずれか一方の大入賞口を開放状態とすることとしてもよい。
また、この形態では、1種類の賞球報知および状態表示が設けられていることとしたが、複数種類の賞球報知および状態表示が設けられていることとしてもよい。例えば、停止表示する大当り図柄毎に、賞球報知および状態表示の種類が異なることとしてもよい。
また、ボタン演出における有効期間の残り時間を報知するものであってもよい。例えば、「残り3秒」といった表示を行うこととしてもよいし、有効期間の残り時間を示すメータが減少していく表示を行うこととしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、大当り種別として15R確変大当りや8R確変大当りなど確変大当りのみを備える場合(図9(B),(C)参照)を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り遊技の終了後に時短状態(高ベース状態)にのみ制御され、確変状態には制御されない通常大当り(この場合、大当り遊技終了後に所定回数の変動表示を終了したことにもとづいて時短状態(高ベース状態)を終了するようにすればよい)を大当り種別として備えた遊技機に、上記の実施の形態で示した構成を適用してもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、この形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特別領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特別領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特別領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特別領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特別領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特別領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
遊技媒体(例えば、遊技球)が通過可能な所定領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)と、
遊技媒体が通過可能な所定領域とは異なる特殊領域(例えば、普通入賞ゲート33)と、
遊技媒体が前記特殊領域を通過した後に進入可能な特殊進入部(例えば、可変入球装置22)と、
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図56の時刻t1)から所定期間(例えば、図56の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図56:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力し、
前記所定領域は、遊技媒体が通過することによって可変表示が開始されるとともに遊技媒体が付与され(例えば、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への入賞にもとづいて第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、1個の賞球が払い出される)、
前記特殊領域は、遊技媒体が通過しても可変表示は開始されない一方で、遊技媒体が通過することによって遊技媒体が付与され(例えば、普通入賞ゲート33の遊技球の通過にもとづいて3個の賞球が払い出されるが、図柄変動の開始契機とはならない)、
前記特殊領域を通過したが前記特殊進入部に進入しなかった遊技媒体を排出するための特殊排出領域(例えば、第2アウト口25)を備えたことを特徴とする遊技機が挙げられる。
そのような構成によれば、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。また、電子部品の動作不具合を回避することができるため、電子部品をより安定して制御することができる。特に、上記遊技機は、電子部品の動作不具合を回避できるので、意図しない動作等の発生を高いレベルで抑制できるので、全体の信頼性に優れる。例えば、ソレノイドを用いて板等の開閉動作を行う場合、所望のタイミングで、優れた信頼性で開閉動作を行うことが可能である。図2で示す入賞役物50の場合、開閉部材24を備え、ソレノイド17によって開閉部材24が遊技機1の正面から見て後方(奥側)にスライド動作することによって可変入球装置22が開放状態に制御されるが、このような動作の信頼性に優れる。また、V入賞に関連する領域を有する遊技機において、この領域への通過(進入)を開閉部材によって制御する場合、この開閉部材の開閉動作の信頼性に優れる。上記のような動作の信頼性の向上は、遊技者に損をしたと誤解を与えてしまうことを抑制するという効果のさらなる向上につながる。
さらに、遊技機に設けられた電子部品をより安定して動作させることが可能な遊技機の一例として、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図56の時刻t1)から所定期間(例えば、図56の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図56:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力する
ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例としての遊技機の一例を説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図44は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図45は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機(以下、「遊技機」と略記する場合がある)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902の所定位置(図44に示す例では、遊技領域9010の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域9010の中央付近には、表示手段としての演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を「導出表示」(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上方位置に、第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aおよび第2保留表示器9025Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
演出表示装置905の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uが設定されている。第1保留表示エリア905Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア905Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア905Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア905Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア905Dおよび第2保留表示エリア905Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、「アクティブ画像」または「アクティブ表示」と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア905Dまたは第2保留表示エリア905Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置905における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
第1保留表示エリア905Dおよび第2保留表示エリア905Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され(青色が最も低い選択割合)、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される(赤色が最も低い選択割合)。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図45に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図45に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域9010の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L,908Rが設けられており、さらに遊技領域9010の周辺部には、演出用LED909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域9010における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域9010に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域9010の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
演出表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置905の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、「リーチ演出表示」(あるいは単に「リーチ演出」)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L,908Rによる音声出力動作や、演出用LED909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が予め定められた通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置906Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、予め定められた確変大当り図柄が停止表示される場合には、大当り遊技状態の終了後に、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図45に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、第1ランプ基板90210、第2ランプ基板90220といった各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015、演出制御基板9012からの信号を中継する中継基板9019なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205、駆動機構90201といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、演出表示装置905における表示動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205などにおける点灯/消灯動作、駆動機構90201の動作を行わせる機能、つまり、演出用の電気部品を制御して所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
さらに、パチンコ遊技機901は、第1ランプ駆動部9014を備える。第1ランプ駆動部9014は、演出制御基板9012からの制御信号に基づいて第1ランプ部909の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第1ランプ駆動部9014と第1ランプ部909とは、同じ基板(中継基板9019とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
さらに、パチンコ遊技機901は、第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094、第5ランプ駆動部9095を備える。第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094は、第1ランプ基板90210に実装されている。第5ランプ駆動部9095は、第2ランプ基板90220に実装されている。
第2ランプ駆動部9092は、演出制御基板9012から中継基板9019を介して供給される制御信号に基づいて第2ランプ部90202の各LED90202A(図60参照)に駆動信号を供給し、各LED90202Aを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第3ランプ駆動部9093は、演出制御基板9012から中継基板9019および第3ランプ駆動部9093を介して供給される制御信号に基づいて第3ランプ部90203の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第4ランプ駆動部9094は、演出制御基板9012から中継基板9019を介して供給される制御信号に基づいて第4ランプ部90204の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第5ランプ駆動部9095は、演出制御基板9012から中継基板9019および第4ランプ駆動部9094を介して供給される制御信号に基づいて第5ランプ部90205の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。
さらに、パチンコ遊技機901は、役物駆動部9091を備える。役物駆動部9091は、演出制御基板9012からの制御信号に基づいて駆動機構90201のステッピングモータなどに駆動信号を供給し、駆動機構90201を動作させるように構成されている。役物駆動部9091と駆動機構90201におけるステッピングモータなどとは、同じ基板(中継基板9019とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図46(A)は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図46(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1でもよく、3以上の複数でもよい。
図46(A)に示す例において、コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図46(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、を備えて構成される。
図47は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図47に示すように、この実施形態では、主基板9011の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3´、普図表示結果決定用の乱数値MR4´、変動パターン決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR5´の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えば図51に示す遊技制御カウンタ設定部90154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより各種の数値データを更新することで、乱数値MR1´〜MR5´の一部を示す数値データをカウントしてもよい。
図48は、変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図45に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図48に示すようなテーブルを構成するデータ等が記憶されている。
図49は、ROM90101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図49(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル90130Aと、図49(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル90130Bとが予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル90130Aは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル90130Bは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
図50は、ROM90101に記憶される大当り種別決定テーブル90131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル90131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル90131では、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられている。
図45に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によりバックアップされているバックアップRAMであればよい。RAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図51に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図51に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155と、を備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データ等を保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データ等を保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部で保留番号と対応付けて記憶してもよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021により検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4´を示す数値データ等を保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
また、この実施の形態では、演出表示装置905は遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9051が設けられている。また、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間には演出ユニット90300が設けられており、演出制御基板9012には、この演出ユニット90300に設けられる駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204等の複数の電子部品が接続されている。なお、図45において、これら電子部品のうち駆動機構90201、第5ランプ部90205以外の図示は省略している。
演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU90120からの表示制御指令などに基づき)、演出表示装置905において表示する演出画像の映像信号を出力し、演出表示装置905に演出画像を表示する。一例として、表示制御部90123には、VDP(Video Display Processor)90123A(図54参照)、CGROM(Character Generator ROM)90123B(図54参照)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。例えば、演出制御用CPU90120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、演出表示装置905の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部90123に送信する。表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータを用いて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU90120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、演出表示装置905に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板9012の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O90125の出力ポートからは、演出表示装置905へと伝送される映像信号や、音声制御基板9013へと伝送される制御信号(効果音信号)、第1ランプ駆動部9014へと伝送される制御信号、中継基板9019を介して第2ランプ駆動部9092(又は第3ランプ駆動部9093)、第4ランプ駆動部9094(又は第5ランプ駆動部9095)、役物駆動部9091とのそれぞれへと伝送される制御信号などが出力される。なお、制御信号は、シリアル信号として供給される。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図45に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
例えば、ROM90121には、第1保留表示エリア905Dに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM90121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様のそれぞれに、第1保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、例えば、ROM90121には、第2保留表示エリア905Uに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM90121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第2保留表示の表示態様のそれぞれに、第2保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、ROM90121には、保留演出(「作用演出」、「保留変化演出」とも称する)の実行有無を決定するために参照される保留演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的に、保留演出実行有無決定テーブルには、保留演出の実行なし及び実行ありのそれぞれに、保留演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。この実施形態において、保留演出とは、第1保留表示エリア905Dに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出と、第2保留表示エリア905Uに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出とである。なお、保留演出には複数種類が存在し、演出表示装置905の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出も存在する。当該保留変化演出には、演出表示装置905の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用するが保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出も存在する。
また、ROM90121には、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出(成功演出)の実行有無を決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的には、アクティブ表示変化実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行なし及び実行ありのそれぞれに、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。
この実施形態において、アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像等)等を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。アクティブ表示変化演出には、上述の如く、共通演出と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させるときに実行される成功演出(アクティブ表示変化演出とも称される)と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させないときに実行される失敗演出(アクティブ表示変化ガセ演出とも称される)とが含まれる。成功演出は、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用して特別画像の表示態様を変化させる演出である。一方、失敗演出は、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用しないことにより特別画像の表示態様を変化させない演出、または、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用するが特別画像の表示態様を変化させない演出である。
また、アクティブ表示変化演出には、特別画像の態様を第1系統の変化であって複数の態様のうちのいずれかに変化させる第1系統変化演出と、特別画像の態様を第2系統の変化であって複数の態様のうちのいずれかに変化させる第2系統変化演出とが含まれる。第1系統変化演出には、当該第1系統変化演出に応じた、共通演出と、成功演出と、失敗演出とが存在し、第2系統変化演出には、当該第2系統変化演出に応じた、共通演出と、成功演出と、失敗演出とが存在する。なお、第1系統変化演出は、特別画像内のアクティブ表示(特別画像として表示されるアクティブ表示)の表示態様を変化させる演出とし、第2系統変化演出は、特別画像内のアクティブ表示枠(特別画像として表示されるアクティブ表示枠)の表示態様を変化させる演出としている。
また、ROM90121には、アクティブ表示変化演出の一つである第1系統変化演出の実行タイミング(当該変動におけるいずれのタイミングで実行するか等のタイミング)を決定するために参照される第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルが記憶されていている。この第1系統変化演出は、第1系統変化演出の実行タイミングにより、第1系統変化演出に係る成功演出が実行される割合が異なる。また、ROM90121には、当該第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の第1系統変化演出の演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。この第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングのそれぞれに、第1系統変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。また、複数の第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、ROM90121には、アクティブ表示変化演出の一つである第2系統変化演出の実行タイミング(当該変動におけるいずれのタイミングで実行するか等のタイミング)を決定するために参照される第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルが記憶されていている。この第2系統変化演出は、第2系統変化演出の実行タイミングにより、第2系統変化演出に係る成功演出が実行される割合が異なる。また、ROM90121には、当該第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の第2系統変化演出の演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。この第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングのそれぞれに、第2系統変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。また、複数の第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
演出表示装置905は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU90120の制御に基づいて表示制御部90123からI/O90125を介して演出表示装置905に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、演出表示装置905には、各種の演出画像が表示されることになる。
なお、表示制御部90123は、演出表示装置905への制御の他、演出制御用CPU90120による制御のもとで、第1ランプ部909や第2ランプ部90202などの制御も行う。ここで、駆動機構90201に対する駆動制御や、第1ランプ部909、第2ランプ部90202などに対する発光制御の流れの詳細については後述する。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、第1ランプ駆動部9014に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線、中継基板9019に対する指令を示す情報信号を伝送するための配線等が接続されている。さらに、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。
[演出ユニットの構造]
次に、図52および図53に基づいて、演出ユニット90300について説明する。図52は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図53は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。
図44、図52および図53に示すように、演出ユニット90300は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部90301と、該ベース部90301に対し回動可能に設けられた可動部90302と、可動部90302を横向きに傾倒する傾倒位置(図53(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図53(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ90303と、を有する。
ベース部90301には、軸受孔90310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔90310の周辺には、軸受孔90310を中心とする円弧形状をなすガイド溝90311が形成されている。ベース部90301の背面における軸受孔90310の右下方位置には、可動部90302を回動させる第1演出用モータ90303が背面に固設されており、ベース部90301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤90312が固着されている。第1演出用モータ90303は、駆動機構90201の一部である。
回転盤90312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材90313が突設されており、該軸部材90313には、リンク部材90314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤90312の周縁における軸部材90313の反対側には検出片90315が突設されており、該検出片90315が回転盤90312の下方に設けられた位置検出センサ90316により検出されることで、演出制御用CPU90120は可動部90302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部90302は、回動部材90320と、回動部材90320の前面側に該回動部材90320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材90321と、回動部材90320の背面側にて可動部材90321と一体に移動するラックギヤ90322と、を有する。可動部材90321は、回動部材90320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸90325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU90120は、可動部90302が起立位置にあるときに、可動部材90321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動演出を実行するようになっている。また、可動部材90321は、第1位置にあるときには演出表示装置905の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置905の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図44参照)。
回動部材90320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔90310に後側から挿入されることで回動軸90325と、回動軸90325の左側に突設されガイド溝90311に後側から挿入される第1ガイド軸90326と、回動軸90325の右上に突設されガイド溝90311に後側から挿入される第2ガイド軸90327と、が突設されている。
ガイド溝90311を挿通してベース部90301の前面側に突出した第2ガイド軸90327の先端には、リンク部材90314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤90312と回動部材90320とはリンク部材90314を介して連結されている。また、回動軸90325の外周には、回動部材90320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ90328が設けられている。
第1ガイド軸90326の左側には、可動部材90321を左右方向に案内する直線状のスライド溝が左右方向に向けて延設されている。回動部材90320の前面におけるスライド溝の上方には、可動部材90321をスライドさせるための第2演出用モータ90330が固設されており、ベース部90301を貫通して後側に突出した駆動軸の先端には、ラックギヤ90322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。なお、この実施の形態では、第2演出用モータ90330としてステッピングモータが適用されている。第2演出用モータ90330は、駆動機構90201の一部である。
回動部材90320の左側の背面には、ラックギヤ90322を付勢するための引張バネ90323の左端が係止されるフックが後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ90322の右端に形成された検出片を検出する位置検出センサ90333が設けられており、該検出片が位置検出センサ90333により検出されることで、演出制御用CPU90120は可動部材90321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材90321は、円盤状の発光部90321Aと、発光部90321Aから右側に延びる取付部90321Bと、を有する。発光部90321Aは、内部に図示しない第5ランプ部90205が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部90321Bの背面に2つのボスを設け、該ボスを回動部材90320のスライド溝に挿入して、ラックギヤ90322と固定することで、回動部材90320前側に配置された可動部材90321と回動部材90320の後側に配置されたラックギヤ90322とが一体化されている。
一体化された可動部材90321とラックギヤ90322とは、2つのボスがスライド溝に挿入されていることで、回動部材90320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ90322の右側には、左端が回動部材90320のフック90332に係止された引張バネ90323の右端が係止されるフック90335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ90323は、一端が回動部材90320のフック90332に係止され、他端がラックギヤ90322のフック90335に係止されていることで、可動部材90321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット90300の可動部90302は、駆動初期状態において、図53(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ90303により回転盤90312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材90314により第2ガイド軸90327が下方に引かれることで、回動軸90325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図53(B)に示す起立位置まで回転する。なお、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ90328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ90303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ90303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
[発光制御および駆動制御の詳細]
ここでは、図56を参照しながら、駆動機構90201に対する駆動制御や、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等に対する発光制御の流れなどを説明する。
第1ランプ駆動部9014は、シリアル信号として供給される制御信号を、第1ランプ部909の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9014B(以下、「変換IC9014B」ともいう。)を備える。変換IC9014Bは、駆動対象であるLEDの数に応じて複数設けてもよい。変換IC9014Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述の変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。変換IC9014Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125を介して変換IC9014Bに供給される。第1ランプ駆動部9014で駆動する第1ランプ部909の各LEDは、例えば、遊技領域9010における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲に設けられた装飾用LEDとして機能する。なお、演出制御基板9012および第1ランプ駆動部9014が設けられる基板とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
第2ランプ駆動部9092は、演出制御基板9012から中継基板9019を介してシリアル信号として供給される制御信号を、第2ランプ部90202の各LED90202A(図60参照)を個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9092B(以下、「変換IC9092B」ともいう。)を備える。変換IC9092Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述のシリアル・パラレル変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。変換IC9092Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9092Bに供給される。なお、演出制御基板9012および中継基板9019と、中継基板9019および第1ランプ基板90210とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
第3ランプ駆動部9093は、シリアル信号として供給される制御信号を、第3ランプ部90203の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9093B(以下、「変換IC9093B」ともいう。)を備える。変換IC9093Bには、固有のアドレスが設定されている(詳しくは後述)。
当該制御信号は、アドレスを指定する部分を含む。変換IC9092Bと変換IC9093Bとは接続されており、変換IC9092Bは、供給された制御信号が指定するアドレスが自己のアドレスと同じでない場合(ここでは、当該アドレスが変換IC9093Bを指定するものになっている場合)には、当該制御信号をそのまま変換IC9093Bに供給するようになっている。このように、変換IC9093Bは、その前段に位置する変換ICである変換IC9092Bを介して制御信号を受け取る。このような構成によって、制御信号は、当該制御信号が指定するアドレスを有する変換ICに精度良く供給される。なお、変換IC9092Bや変換IC9093Bに供給される制御信号は、演出制御用CPU90120からI/O90125及び中継基板9019を介して、第2ランプ駆動部9092の変換IC9092Bに供給される。
第4ランプ駆動部9094は、シリアル信号として供給される制御信号を、第4ランプ部90204の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9094B(以下、「変換IC9094B」ともいう。)を備える。変換IC9094Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC9093Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC9094Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9094Bに供給される。第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094でそれぞれ駆動する第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204の各LEDは、例えば、遊技領域9010の周辺部に設けられている演出用LED909の一部として機能する。そのため、第1ランプ基板90210は、遊技領域9010の周辺部に設けられている。
第5ランプ駆動部9095は、シリアル信号として供給される制御信号を、第5ランプ部90205の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9095B(以下、「変換IC9095B」ともいう。)を備える。変換IC9095Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC9093Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC9095Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9094Bに供給される。第5ランプ駆動部9095で駆動する第5ランプ部90205の各LEDは、図52(A)に示した発光部90321Aに設けられている。第2ランプ基板90220自体も、発光部90321Aに設けられており、第4ランプ駆動部9094からの制御信号が図52に示した配線90361を介して供給される。
VDP90123Aが変換IC9014Bや変換IC9092Bや変換IC9094Bにどのような制御信号を出力するかは、CGROM90123Bに格納されている点灯データ(LEDの点灯パターンや、どのLEDを点灯させるかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データは、圧縮されてCGROM90123Bに格納されている。これは、VDP90123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
VDP90123Aは、演出制御用CPU90120の制御のもと、点灯データに従った制御信号を、変換IC9014B、および変換IC9092Bや変換IC9094Bに供給する(供給先のICのアドレスを指定する制御信号を供給する)。変換IC9014B、変換IC9092Bおよび変換IC9094Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、各駆動対象(LED)それぞれに、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、点灯データに従った態様(発光色、発光期間)で第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205が発光する。
なお、第2ランプ部のLED90202A(およびLED90202B)は、後述のようにRGBの各LEDを有する。なお、他のランプ部のLEDについても同様である。また、駆動信号はRGBそれぞれのLEDに対応して生成され、RGBそれぞれのLEDに個別に入力される。この実施の形態では、Low信号によってLEDがオン(発光)する。駆動信号は、制御信号が供給されるごとに繰り返し出力されるので、Low信号が連続して出力されたときにはLow信号の供給期間が長くなる。Low信号の供給期間(Low信号が出力される回数)が長いと、LEDの発光期間も長くなり、その分、LEDは明るく発光して見える。このように、繰り返し出力される駆動信号は、Low信号の回数によってPWM制御され、各LEDの発光輝度(各色の発光輝度)はPWM制御による発光期間(つまり、Low信号の期間)によって階調制御される。このため、各LED90202Aは、繰り返し供給される制御信号に応じて個別にカラー発光が可能となっている(RGBの各LEDの輝度(発光期間)を調整することで、種々の色を表現可能となっている)。
役物駆動部9091は、シリアル信号として供給される制御信号を、駆動機構90201が有する各ステッピングモータ(通常複数)を個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9091B(以下、「変換IC9091B」ともいう。)と、駆動信号に応じた駆動電流を駆動機構90201に供給する駆動ドライバ9091Cとを備える。変換IC9091Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述の変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。駆動機構90201は、図52に示した第1演出用モータ90303や第2演出用モータ90330である。役物駆動部9091自体は、遊技盤902に設けられており、役物駆動部9091の駆動ドライバ9091Cからのモータ制御信号が配線を介して第1演出用モータ90303や第2演出用モータ90330に供給される。なお、演出制御基板9012および役物駆動部9091が設けられる基板とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
演出制御用CPU90120がどのような制御信号を出力するかは、ROM90121に格納されている演出制御パターンなどに含まれる駆動データ(駆動機構90201のモータなどをどのように動かすかや、どのモータを動かすかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データや駆動データは、非圧縮でROM90121に格納されている。これは、演出制御用CPU90120が非圧縮のデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。
演出制御用CPU90120は、駆動データに従った制御信号を、中継基板9019を介して変換IC9091Bに供給する。変換IC9091Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、駆動対象(各ステッピングモータ)に、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、駆動データに従った態様で駆動機構90201が動作し、可動部材90321を駆動する。
なお、音声制御基板9013を介した音声出力は、演出制御用CPU90120によって行うが、表示制御部90123によって行ってもよい。また、演出制御用CPU90120の制御のもとで、VDP90123Aは、CGROM90123Bが記憶する画像データに従って、映像信号を生成して、演出表示装置905に供給し、演出画像を表示させる。画像データは、圧縮されてCGROM90123Bに格納されている。これは、VDP90123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
演出制御基板9012は、中継基板9019を介して第2ランプ駆動部9092に電力を供給するとともに、第2ランプ駆動部9092を介して第2ランプ部90202に電力を供給する。例えば、演出制御基板9012は、第2ランプ駆動部9092の変換IC9092B用にVCCを出力し、第2ランプ部90202のLED90202A用にVCL1を出力し、LED90202B用にVCL2を出力する。これらは別個のラインで変換IC9092B及びLED90202A,90202Bそれぞれに供給される(つまり、電力は、別々の供給ラインで供給される)。演出制御基板9012は、中継基板9019を介して第1ランプ駆動部9014に電力を供給するとともに、第1ランプ駆動部9014を介して第1ランプ部909に電力を供給する。例えば、演出制御基板9012は、第1ランプ駆動部9014の変換IC9014B用にVCCを出力し、第1ランプ部909のLED用にVCL1を出力する。これらは別個のラインで変換IC9014B及びLEDそれぞれに供給される。なお、演出制御基板9012は、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094、第5ランプ駆動部9095についても、第2ランプ駆動部9092と同様に電力を供給する。
なお、各変換ICや各LEDに供給される各VCCや各VCL1(または各VCL2)は、互いに独立して生成され、別個の供給ラインで供給されてもよいし、少なくとも一部を共通の電圧とするようにしてもよい。
演出制御基板9012は、中継基板9019を介して役物駆動部9091に電力を供給する。役物駆動部9091は、演出制御基板9012からの電力に基づいて駆動機構90201に電力を供給して駆動機構90201を動作させる(駆動信号の形で電力を供給してもよい。)。例えば、演出制御基板9012は、駆動機構90201のステッピングモータの駆動に必要な電圧としてVDDを出力し、当該VDDは、最終的に駆動機構90201のステッピングモータに供給される。
また、演出制御基板9012は、変換ICの駆動に必要な電圧として5V(VCC)を出力し、当該VCCは、役物駆動部9091の変換IC9091Bに供給される。例えば、演出制御基板9012は、駆動機構90201の駆動に必要な電圧として5V(VCC)を変換IC9091Bに出力する。
なお、駆動機構90201に設けられた回転位置センサからの検出信号(可動部材90321を移動させるモータの初期位置を検出した信号)は、演出制御用CPU90120にフィードバックされる。
なお、各シリアル・パラレル変換IC(変換IC9014B、9091B〜9095B)は、駆動対象(制御対象)(ステッピングモータやLEDなど)の数や端子数に応じて複数設けられてもよい(例えば、役物駆動部9091において変換IC9091Bの他、同じ種類の他の変換ICを1以上設けるなど)。この場合、複数の変換IC(同じ種類の変換IC)は、直列的に接続され、かつ、個々には固有のアドレスが設定される。演出制御用CPU90120やVDP90123Aは、駆動対象に接続された変換ICのアドレスを指定する制御信号を出力する。制御信号が出力されると、直列的に接続された変換ICのうち最初の変換ICがまず制御信号を受け取る。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定している場合、当該最初の変換ICは当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力する。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定していない場合(後続の変換ICを指定している場合)、当該最初の変換ICは当該制御信号をそのまま2番目に接続された変換ICに出力する。2番目に接続された変換ICは、前記最初の変換ICからの制御信号が、自身のアドレスを指定するものである場合には、当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力するが、自身のアドレスを指定するものでない場合には、前記と同様次に接続された変換ICに当該制御信号を供給する。このようなことによって、所望の変換ICに制御信号を伝送することができる。なお、変換IC9092Bが複数あるときには、変換IC9093Bのアドレスを指定する制御信号は、複数の変換IC9092Bそれぞれを通過して変換IC9093Bに供給される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU90120は、音声制御基板9013を介してスピーカ908L,908Rを制御して音声を出力させたり、表示制御部90123や第1ランプ駆動部9014を介して第1ランプ部909を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第2ランプ駆動部9092を介して第2ランプ部90202を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第3ランプ駆動部9093を介して第3ランプ部90203を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第4ランプ駆動部9094を介して第4ランプ部90204を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第5ランプ駆動部9095を介して第5ランプ部90205を点灯/消灯させたり、役物駆動部9091を介して駆動機構90201を動作させ、可動部材90321を動かしたり、表示制御部90123を介して演出表示装置905の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
次に、演出制御基板9012から出力される制御信号の出力方式(タイミング)について説明する。上述したように、変換IC9091B〜9095Bは、演出制御基板9012から出力される制御信号に基づいて、駆動対象の電子部品(駆動機構90201、LEDなど)を駆動させるための駆動信号を出力する。電子部品を継続して駆動するための方法としては、例えば、変換ICが、駆動信号を出力させるための制御信号(ON信号)の入力を受けた場合には、駆動信号の出力を停止させるための制御信号(OFF信号)の入力を受けるまでは、駆動信号を出力し続けるという方法が考えられる。
図55は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートの一例を示す図である。図55を参照して、時刻t1に制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力し続ける。この場合、LEDは、点灯状態を維持することになる。なお、上述したように、LED駆動信号はPWM信号で出力されるが、図55では説明のため簡略化している。
しかし、上記構成によると、例えば、各変換ICが制御信号(ON信号)の入力を受けとって電子部品を駆動している状態で、その後、演出制御基板9012と各変換ICとを接続する配線の一部が断線又は短絡してしまった場合、各変換ICは制御信号(OFF信号)の入力を受けることができないため、電子部品を意図せず常時駆動し続けてしまう。そのため、電子部品が損傷(例えば、駆動機構90201のモータが損傷)してしまうという事態を招きかねない。
そこで、この実施の形態では、変換IC9091B〜9095Bとして、制御信号の入力を受けてから所定期間経過後に駆動信号の出力を停止可能な機能(タイムアウト機能)を有する変換ICを利用している。ここで、タイムアウト機能を有する変換ICを利用する場合に電子部品を継続して駆動するための方法について説明する。
図56は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートの他の例を示す図である。図56を参照して、時刻t1に、演出制御基板9012から制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力する。次に、変換ICは、制御信号の入力を受けて(例えば、時刻t1)から所定期間T(例えば、1秒)が経過した後(時刻t2)に駆動信号の出力を停止する。なお、演出制御基板9012から制御信号が出力されるタイミングと、変換ICが当該制御信号の入力を受けるタイミングとは無視できるほど小さいため、ここでは当該タイミングを時刻t1としている。そのため、時刻t1〜時刻t2まではLEDは点灯状態となるが、変換ICが制御信号の入力を受けるまで(時刻t3)はLEDは消灯状態となる。
次に、時刻t3に、演出制御基板9012から制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力する。そして、LEDを継続して点灯状態にするため(すなわち、LEDを所定期間Tを超えて電子部品を継続して駆動するため)に、演出制御基板9012は、制御信号を出力した時刻t3から所定期間Tが経過する前の時刻t4に、再度、制御信号を出力する。変換ICは、制御信号の入力を受けた時刻t3から所定期間Tが経過する前の時刻t4に制御信号を受けるため、駆動信号の出力を停止することなく、出力を継続する。同様に、演出制御基板9012は、前の制御信号を出力した時刻t5(時刻t6,時刻t7)から所定期間Tが経過する前の時刻t6(時刻t7,時刻t8)に次の制御信号を出力するため、LEDは時刻t3以降継続して点灯状態を保つことができる。
なお、図56の例では、演出制御基板9012が制御信号を出力してから、次の制御信号を出力するまでの各時間間隔(例えば、時刻t3〜時刻t4、時刻t4〜時刻t5等)が同一である構成について説明したが、当該構成に限られない。具体的には、演出制御基板9012は、LEDを継続して駆動させる場合、制御信号を出力してから所定期間Tが経過するまでの間に、再度、制御信号を出力するという条件を満たしていれば、各時間間隔が同一でない場合であってもよい。
このように、タイムアウト機能を有する変換ICを利用する場合に電子部品を継続して駆動するためには、当該変換ICへの制御信号(ON信号)の出力が途切れないようにすることが重要となる。そこで、演出制御基板9012は、制御信号を出力する演出制御用CPU90120やVDP90123Aがハングアップなどにより制御信号を出力することができなくなった場合に備えて、補完的に制御信号を出力するための出力回路(または、ソフトウェアプログラム)を設けておいてもよい。例えば、この出力回路は、RAM90122の出力バッファに格納されている制御信号を出力し続ける機能を有している。
なお、このタイムアウト機能は、有効または無効に設定可能に構成されていてもよい。具体的には、各変換ICの所定端子が接地されている場合にはタイムアウト機能が有効に設定され、当該所定端子が抵抗を介して接地されている場合には当該機能が無効に設定される。なお、このようにハードウェアとして固定して設定される構成に限られず、例えば、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120、VDP90123A)からの指令(タイムアウト機能の有効または無効の設定指令、例えば、当該端子の入力がHレベルかLレベルか)に従って、各変換ICが当該機能を有効または無効に設定する構成であってもよい。
図57は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートのさらに他の例を示す図である。図57を参照して、時刻t1〜時刻t4までは、VDP90123Aから制御信号(ON信号)が一定間隔で出力されているため、この期間、LEDは点灯状態を維持している。ここで、時刻t4に、VDP90123Aが制御信号を出力した後、ハングアップしてしまい制御信号を出力することができなくなったとする。この場合、出力回路は、時刻t5以降において、出力バッファに残っている制御信号(ON信号)をバッファ信号として出力し続ける。具体的には、出力回路は、バッファ信号を出力してから所定期間Tが経過するまでの間に、再度、バッファ信号を出力する。これにより、メインで制御信号を出力するVDP90123Aがハングアップしてしまった場合であっても、LEDの点灯状態を維持することができる。なお、出力回路は、VDP90123Aがハングアップしたことを検出する機能を有するものとする。
次に、ある変換ICから別の変換ICに、制御信号及びクロック信号を供給(出力)する場合の信号の出力波形形状の設定方式について説明する。上述したように、中継基板9019と直接接続されていない変換IC9093Bおよび変換IC9095Bは、それぞれ変換IC9092Bおよび変換IC9094Bを介して制御信号及びクロック信号を受ける。
ここで、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bは、同一基板(第1ランプ基板90210)に設けられているが、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bは、それぞれ異なる基板(第1ランプ基板90210および第2ランプ基板90220)に設けられている。すなわち、変換IC9092Bと変換IC9093Bとは同一基板内で電気的に接続されており、変換IC9094Bと変換IC9095Bとは、基板外で電気的に接続されている。具体的には、第1ランプ基板90210と第2ランプ基板90220は、ケーブルなどの配線部材で接続されている。変換IC同士が基板内で接続される場合には、基板外(ケーブルなどを介して)で接続される場合よりも波形の減衰率が小さく外来ノイズ耐性が高い。このことから、不要な放射ノイズの低減を図るため、図58に示すように、基板内接続と基板外接続とで波形形状を変更する。
図58は、信号の出力波形のイメージ図である。図58を参照して、各変換ICは、入力を受けた制御信号及びクロック信号を他の変換ICに出力する場合の出力波形を、通常スルーレート(図58(a))または低スルーレート(図58(b))に設定可能である。各変換ICには、出力するクロック信号のスルー出力、および出力する制御信号のスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子SE(図60,図62参照)が設けられている。設定端子SEをL(ロー)に設定(図60参照)するとクロック信号および制御信号のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、設定端子SEをH(ハイ)に設定(図62参照)するとクロック信号および制御信号のスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
通常スルーレートの出力波形とは、入力を受けた信号(制御信号及びクロック信号)と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる出力波形である。具体的には、通常スルーレートに設定されている場合には、他の変換ICに出力する信号の立ち上がり部分の傾き(単位時間あたりの電圧変化量)が、入力を受けた信号の立ち上がり部分の傾き以上となる。また、低スルーレートの出力波形とは、通常スルーレートの出力波形よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる出力波形である。具体的には、低スルーレートに設定されている場合には、他の変換ICに出力する信号の立ち上がり部分の傾きが、入力を受けた信号の立ち上がり部分の傾き未満となる。
高スルーレートの出力波形は、OFF信号からON信号へ、ON信号からOFF信号へと急激に信号が切り替わり、この瞬間に変換ICなどにスパイク状の電流が流れることになる。このような電流の急激な変化は、変換ICなどの回路が持つ寄生インダクタンスに応じて、誘導電圧を生じノイズを発生させる原因となる。一方、低スルーレート出力波形は、高スルーレート出力波形に比べ、OFF信号からON信号へ、ON信号からOFF信号へ切り替わりが緩やかで、この瞬間に変換ICなどに流れる電流を小さくすることができる。そのため、低スルーレート出力波形は、高スルーレート出力波形に比べ、ノイズの発生を抑えることができる、また、低スルーレート出力波形のように信号の立ち上がりが遅い方が、高調波のレベルを小さくすることができる。ただし、信号が外部からノイズの影響を受けたとき、低スルーレート出力波形では、当該ノイズの影響を受けてON信号が変換ICなどで認識できない可能性がある。しかし、高スルーレート出力波形であれば、低スルーレート出力波形に比べ、ノイズの影響を受けてもON信号を変換ICなどで認識することができる可能性が高い。つまり、低スルーレート出力波形は、ノイズを外部に放射しにくいが、外部からのノイズに弱いという特徴がある。一方、高スルーレート出力波形は、ノイズを外部に放射しやすいが、外部からのノイズに強いという特徴がある。
したがって、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bのように基板内で接続されており、波形の減衰が小さく外部ノイズ耐性が高い場合、変換IC9093Bに制御信号を出力する変換IC9092Bを、低スルーレートの波形を出力するように設定することにより、信号の立ち上がりに起因して生じる高周波のノイズの発生量を低下させることができる。一方、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bのように基板外で接続されており、波形の減衰が大きく外部ノイズの影響を受け易い場合、変換IC9095Bに制御信号を出力する変換IC9094Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
ここで、各変換ICは、入力した制御信号及びクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えてもよい。すなわち、一般に演出制御基板9012などから出力されたクロック信号および制御信号は、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、各変換ICに到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号や制御信号が入力される場合がある。そこで、変換ICは、単に入力したクロック信号や制御信号をそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号や制御信号を本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備えてもよい。この場合、設定端子SEの設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。
他方で、設定端子SEの設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、変換ICの外部に増幅回路等を設けて、変換ICの外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
なお、変換IC同士が基板内で接続される場合であっても、例えば、図59に示すように、中継基板9019を介して制御信号の入力を受けた変換ICから、当該制御信号が他の複数の変換ICに分岐して出力される場合には、当該制御信号の入力を受けた変換ICは、通常スルーレートの波形を出力するように設定される。図59は、変換IC同士の接続の変形例を示す図である。
図59(a)を参照して、変換IC9092Bは、変換IC9093Bおよび変換IC9094Bと、同一基板(第1ランプ基板90210)に設けられている。しかし、図54の例とは異なり、変換IC9092Bは、基板内で、変換IC9093Bおよび変換IC9094Bと電気的に接続されている。より具体的には、変換IC9092Bは、制御信号を分岐して変換IC9093Bおよび変換IC9094Bに供給する。そのため、分岐損失により、変換IC9092Bから出力される制御信号の波形が減衰し易くなるため、外部ノイズの影響を受け易くなる。そのため、このような場合には、変換IC9092Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
図59(b)を参照して、変換IC9092Bは、変換IC9093Bと同一基板(第1ランプ基板)に設けられ、変換IC9094Bは第3ランプ基板230に設けられている。ここで、変換IC9092Bは、基板内で変換IC9093Bと電気的に接続されているものの、基板外で変換IC9094Bと電気的に接続されている。より具体的には、図59(a)の場合と同様に、変換IC9092Bは、制御信号を分岐して変換IC9093Bおよび変換IC9094Bに供給する。そのため、この場合にも、変換IC9092Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
なお、図59(a)において、例えば、変換IC9092Bが変換IC9093Bに接続され、変換IC9093Bに変換IC9094Bが接続されるような構成(各変換ICがそれぞれ直列接続される構成)の場合には、制御信号の波形が減衰し難く外部ノイズの影響を受けにくいため、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bを低スルーレートの波形を出力するように設定にしてもよい。
次に第2ランプ駆動部9092および第2ランプ部90202の具体的な回路構成例について説明する。上述のように第2ランプ駆動部9092は、シリアル・パラレル変換IC9092Bを備えるが、これらの回路構成例を図60に示す。
第2ランプ駆動部9092は、コネクタ9017Aを備え、コネクタ9017Aによって外部と接続される。コネクタ9017Aは、8端子を備える。1番端子及び4番端子は接地されている。2番端子は、制御信号が供給される外部のデータラインに接続されている。3番端子は、制御信号の同期を取るためのクロック信号が供給される外部のクロックラインに接続されている。各ラインは、第2ランプ駆動部9092のシリアル・パラレル変換IC9092Bにおける制御信号及びクロック信号(演出制御基板9012から供給される同期信号)の出力端子に接続されている。5番端子及び6番端子は、外部の電源ライン(中継基板9019経由のラインでもよいし、演出制御基板9012からのラインでもよい。)に接続されており、VDD(12V)の電圧が印加される。つまり、電力供給には、2つの端子(接地される端子も必要なので、合計では4つの端子)が使用される。通常、接続端子に流すことができる電流の電流値が決まっているが(例えば、1つ1Aまで)、第2ランプ部90202のLED90202Aを駆動する電流の電流値は大きいので(例えば、1.5A)、2つの端子を確保してLED90202Aを駆動する電流の電流値を確保している。7番端子はVCC(シリアル・パラレル変換IC9092Bなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、8番端子は、接地される。VCLとVCCとは別系統で供給され、共通化されることはない(つまり、LED90202Aに電力を供給する電源ラインとシリアル・パラレル変換IC9092Bに電力を供給する電源ラインとが別々になっている)。このためLED90202Aに大きな電流が流れてもVCLに影響することがないため、抵抗R2の抵抗値を抵抗R1よりも小さくすることができ、LED90202Aの発光輝度を大きくできる。もちろん、VCLとVCCとを別系統で供給せずに、共通化してもよい。
5番端子及び6番端子は、電源ラインL1に接続される。電源ラインL1は、5番端子及び6番端子を介して供給されるVDD(12V)を電源IC541CでVCC(5V)に降圧しVCL1として第2ランプ駆動部9092内(シリアル・パラレル変換IC9092Bなど)やLED90202Aに供給する出力と、電源IC541Cで降圧せずにVCL2としてLED90202Bに供給する出力と、に分岐する。つまり、電源IC541Cで供給する出力を分離することで異なる電圧で駆動するLED(LED90202A、LED90202B)を第2ランプ部90202に設けることができる。
ここで、図60に示す回路構成では、VCL1(5V)で駆動されるLED90202AとVCL2(12V)で駆動されるLED90202Bとが併用されるシリアル・パラレル変換IC9092Bを用いている。そのため、シリアル・パラレル変換IC9092Bは、ESD(Electro-Static Discharge)保護端子SCRに高い駆動電圧のVCL2(12V)と接続する。これにより、当該回路構成では、12V以上の電圧をシリアル・パラレル変換IC9092BをESD保護端子SCRに流すことが可能になるため、静電気放電による高電圧による回路破損を回避することができる。
電源IC541CのVCL1の出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCL1の出力の途中は、コンデンサC1の一端に接続され、コンデンサC1の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCL1の電位の安定化が図られている。
電源IC541CのVCL2の出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCL2の出力の途中は、コンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC2の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCL2の電位の安定化が図られている。
VCCの出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、VCCの出力の途中は、コンデンサC3の一端に接続され、コンデンサC3の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCCの電位の安定化が図られている。
第2ランプ駆動部9092は、シリアル・パラレル変換IC9092Bを備える。シリアル・パラレル変換IC9092BのDATA端子及びCLK端子は、データラインL4とクロックラインL5とによって、コネクタ9017Aの2番端子及び3番端子それぞれに接続されている。これによって、制御信号は、コネクタ9017Aの2番端子からデータラインL4を介してシリアル・パラレル変換IC9092BのDATA端子に入力され、クロック信号は、コネクタ9017Aの3番端子からクロックラインL5を介してシリアル・パラレル変換IC9092BのCLK端子に入力される。なお、データラインL4及びクロックラインL5それぞれの途中には、増幅器A1及びA2がそれぞれ接続され、また、プルアップ抵抗R5及びR6がそれぞれ接続される。これによって、制御信号及びクロック信号としてのHigh信号又はLow信号を的確にシリアル・パラレル変換IC9092Bに伝達することができる。なお、データラインL4及びクロックラインL5には、保護回路HKも接続されている。保護回路HKは、静電気放電から第2ランプ駆動部9092を保護する回路であり、ダイオードアレイなどを含む保護素子S1を備える。保護素子S1にも、VCL2(12V)が印加される。保護回路HKは、VCL2とグラウンドとの間かつ保護素子S1に接続されたコンデンサC5も有する。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子ADR0〜ADR4は、当該シリアル・パラレル変換IC9092Bのアドレスを設定するための端子である。ここでは、端子ADR0〜ADR4が全て接地されているため、アドレスとして「00000」が設定されている。ADR0〜ADR4の少なくともいずれかをLDO端子などに接続することで、その端子に対応する部分が「1」に設定される。このようにすることで、アドレスが設定される(例えば、端子ADR0がLDO端子などに接続されている場合には、アドレスは「10000」となる。)。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子Q0〜Q23からは、制御信号を変換した駆動信号を出力する。端子Q0〜Q20は、LED90202Aが備えるRGBのLEDそれぞれのカソードに接続されている。LED90202Aが備えるRGBのLEDそれぞれのアノードは、電源IC541Cの出力に接続され、VCL1が印加される。このため、駆動信号として、Low信号が出力されたときには、当該Low信号が出力された端子に接続されたLEDに電流が流れ、当該LEDが発光する。端子Q21〜Q23は、LED90202Bが備えるRGBのLEDそれぞれのカソードに接続されている。LED90202Bが備えるRGBのLEDそれぞれのアノードは、電源IC541Cの出力に接続され、VCL2が印加される。このため、駆動信号として、Low信号が出力されたときには、当該Low信号が出力された端子に接続されたLEDに電流が流れ、当該LEDが発光する。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子LDOと端子DVDDとは、所定の電圧を出力する。端子LDOと端子DVDDは、コンデンサC5及びC6を介して接地されている。また、端子R_Irefは、抵抗R1を介して接地され、かつ、コンデンサC5及びC6に接続されている。この実施の形態で使用されているシリアル・パラレル変換IC9092Bでは、端子Q0〜Q23の少なくともいずれかに駆動信号としてLow信号が出力されたときにLEDに流れる電流(複数のLEDが発光するときには、複数のLEDそれぞれに流れる電流の合計)が、端子R_Irefから抵抗R1を介してグラウンドに流れるようになっている。当該電流の電流値(個々のLEDに流れる電流)は、抵抗R1の抵抗値による。従来、端子R_Irefを直接接地していた。しかし、端子R_Irefを直接接地する場合、シリアル・パラレル変換IC9092Bの内部抵抗をリファレンス抵抗として用いてLEDを定電流で駆動するので、出力電流を20mAに固定した場合、内部抵抗のバラツキにより約30%程度の電流値の誤差が生じており、LEDの発光がまばらになる可能性があった。そこで、端子R_Irefに抵抗R1を接続して、抵抗R1をリファレンス抵抗として用いてLEDを定電流で駆動するので、出力電流を20mAに固定した場合、抵抗R1の抵抗値を可変することで約3%程度の誤差に抑えることができ、LEDの発光を安定させることが可能となる。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの各端子VDDは、コネクタ9017Aの7番端子の出力に接続され、VCC1が印加される。端子VREFは、コンデンサC7を介して接地される。各端子VDDは、コンデンサC8〜C11を介して接地もされている(これによって、各端子VDDに印加される電圧を安定化させている。)。端子GNDは、接地されている。
端子DATA0は、制御信号の供給ルートに沿って直列的に接続された次の変換IC(例えば、図54に示す第3ランプ駆動部9093のシリアル・パラレル変換IC9093B)の端子DATAに接続され、制御信号(アドレスがシリアル・パラレル変換IC9092Bを指定していない場合)が次の変換ICに供給される。端子CLKは、前記次の変換ICの端子CLKに接続され、クロック信号が次の変換ICに供給される。その他の端子は、接地されている。
また、シリアル・パラレル変換IC9092Bは、端子CLKから供給されるクロック信号に従って動作するとともに、端子CLK0からクロック信号を次の変換ICに供給する。シリアル・パラレル変換IC9092Bは、端子DATAから供給される制御信号が自身のアドレスを指定する場合には、当該制御信号が示す24ビットの情報(High信号又はLow信号)を1ビットずつラッチし、端子Q0〜Q23からラッチした情報を駆動信号(High信号又はLow信号)として出力する。また、繰り返し供給される制御信号ごとに駆動信号が出力されるので、Low信号が供給される回数に応じてRGBのLEDの発光輝度が調整される(発光輝度がPWM制御によって制御される)。なお、High信号が供給されるときには、LEDは消灯する。RGBの発光輝度や発光の有無に応じて各LED90202Aの発光色や発光輝度が調整される。所定の制御信号を調整することによって、各LED90202Aを所望の発光色かつ発光輝度で発光させたり消灯させたりすることができる。発光時にLED90202Aを流れた電流(各LEDに流れる電流の総和)は、抵抗R1を介してグラウンドに流れる。なお、LED90202Aに流れる電流の電流値は、抵抗R1に依存するので、抵抗R1が大きければ電流値が小さくなり、LED90202Aの発光輝度が小さくなる。この実施の形態では、VCL1とVCL2との電源ラインが共通化されているため、LED90202Aに大きな電流が流れたときにVCL2の電位が安定しないことがある(特に下がってしまうことがある)。このため、抵抗R1の抵抗値を大きく設定し(ここでは、抵抗R1の抵抗値を6kΩとしているが、他の抵抗値であってもよい。)、LED90202Aの発光輝度(1回の駆動信号によって発光したときの発光輝度)を低くする代わりにLED90202Aに流れる電流を小さくし、VCL1の電位を安定させるとよい(これによって、シリアル・パラレル変換IC9092Bの動作を安定させることができる。)。なお、この実施の形態では、電源ラインL1を電源IC541Cで出力を分岐させ、VCL1を供給する電源ラインにコンデンサC1を接続し、VCL2を供給する電源ラインにコンデンサC2を接続することで、各コンデンサによって、VCL1やVCL2の電位を安定化させることができる(特にVCL1の電位を安定させ、シリアル・パラレル変換IC9092Bの動作を安定させることができる。)。
さらに、シリアル・パラレル変換IC9092Bでは、端子Q0〜Q23から出力する駆動信号を、内蔵CR発振回路を用いて変化タイミングを分散させている。具体的に、図61は、シリアル・パラレル変換が出力する駆動信号の位相分離を説明するための図である。図61に示す内蔵CR発振回路は6MHzのクロック信号を発信しているので、駆動信号を1MHzのPWMクロック信号として6層に分離し、シリアル・パラレル変換IC9092Bの24ch(端子Q0〜Q23)の出力端子、1グループ4chの6グループに分け、駆動信号の変化タイミシグを分散する。
グループ1が端子Q0〜Q3から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ2が端子Q4〜Q7から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ3が端子Q8〜Q11から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ4が端子Q12〜Q15から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ5が端子Q16〜Q19から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ6が端子Q20〜Q23から出力する駆動信号のPWMクロック信号にそれぞれ対応する。それぞれのグループのPWMクロック信号は、1MHzずつ周期がずれている。シリアル・パラレル変換IC9092Bは、シリアル信号からパラレル信号に変換する際に、パラレル信号の出力周期をグループ単位でずらして、シリアル・パラレル変換IC9092Bから外部への電波放射(ノイズ発生)を抑えることができる機能を内蔵したICである。
ただし、モータなどを駆動する場合、モータ回転時に周期がずれると制御精度が低下するため、同じ周期に属するグループの端子(例えば、端子Q0〜Q3)に限定して接続する必要がある。一方、LEDのように動作を伴わないデバイスについては、モータ等の駆動制御に比べて周期ズレの影響が小さいので、使用するグループの端子を限定することなく自由に使用することが可能である。また、シリアル・パラレル変換IC9092Bの出力端子が24ch(端子Q0〜Q23)ではなく、12ch(端子Q0〜Q11)の場合であれば、1グループを4chとして3グループに分ければよい。
次に役物駆動部9091の回路構成例を図62に示す。役物駆動部9091は、図62に示す回路構成を有する。なお、図62の回路構成は、図60の回路構成と基本的には同じであるので、異なる部分について説明する。シリアル・パラレル変換IC9092Bとシリアル・パラレル変換IC9091Bとは同じものを使用でき、LED90202Aに代えて駆動ドライバ9091Cおよび駆動機構(例えば、モータなど)201を使用する。図60と図62とでは、外部と接続されるコネクタが同じである。つまり、役物駆動部9091は、コネクタ9017Aを備え、コネクタ9017Aによって外部と接続される。コネクタ9017Aは、8端子を備える。5番端子及び6番端子はVCL(駆動ドライバ9091Cなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、7番端子はVCC(シリアル・パラレル変換IC9091Bなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、8番端子は、接地される。図62では、VCLとVCCとが別系統で供給され、共通化されることはない(つまり、駆動ドライバ9091Cに電力を供給する電源ラインとシリアル・パラレル変換IC9091Bに電力を供給する電源ラインとが別々になっている)。このため、駆動ドライバ9091Cに大きな電流が流れてもVCLに影響することがないため、抵抗R2の抵抗値を抵抗R1よりも小さくすることができ、駆動ドライバ9091Cに供給する電流量を大きくできる。
役物駆動部9091は、シリアル・パラレル変換IC9091Bでシリアル信号として供給される制御信号を、駆動機構90201が有する各ステッピングモータ(通常複数)を個別に駆動する各駆動信号に変換し、当該駆動信号に基づき駆動機構90201を駆動する出力電圧を駆動ドライバ9091Cが駆動機構90201に供給する。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図63のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図64は、特別図柄プロセス処理として、図63に示すS9015で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S90101)。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図65のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図65に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S9072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S9072;No)、S9072の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取込む。
このとき取込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S9072でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S9072;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S9073)、コマンド解析処理を実行する(S9074)。S9074で実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
S9074でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S9075)。S9075の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、第1ランプ部909における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
S9075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S9076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによりカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、S9072の処理に戻る。S9076で更新され、演出制御に用いられる各種の乱数値としては、後述する確定図柄決定用の乱数値の他、MR6´〜MR12´等の各種乱数値が含まれる。
図65のS9074では、コマンド解析処理として図66に示すフローチャートの処理を実行する。図67は、演出制御プロセス処理として、図65のS9075で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図67に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(S90150)。
まず、第1保留表示エリア905Dに追加表示させる際の保留表示の表示態様を決定する決定処理について説明する。図68は、保留表示の表示態様の決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM90121には、変動カテゴリに応じた7種類の保留表示態様決定テーブルが記憶されているものとする。図68(A)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA1´(短縮・非リーチハズレ)」、又は、変動カテゴリ「PA2´(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H―TBL1)である。図68(B)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA3´(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL2)である。図68(C)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA4´(スーパーリーチα(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL3)である。
図68(D)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA5´(スーパーリーチβ(ハズレ)」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H―TBL4)である。図68(E)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB3´(ノーマルリーチ(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL5)である。図68(F)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB4´(スーパーリーチα(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL6)である。図68(G)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB5´(スーパーリーチβ(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL7)である。
図68によれば、(A)〜(G)の各テーブルによって、保留表示の表示態様が決定されるが、決定される表示態様の種類は、通常表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つに大別される。通常表示態様は「球体」である。第1特定表示態様は、「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)である。第2特定表示態様は、「人型キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(「キャラクタアイコン」とも呼ぶ)である。「球体」の例は図44に示される。「文字アイコン」の例は図72および図74に示される。「キャラクタアイコン」の例は図72および図75に示される。「文字アイコン」および「キャラクタアイコン」のようなアイコン状の保留表示は、一般的な「球体」による通常表示態様とは異なる種別の特定表示態様の保留表示として演出に用いられる。
「球体」の保留表示は、図68の各テーブルにおいて「赤色球」「黄色球」「青色球」「白色球」と表示されている。「球体」の保留表示は、例えば、リーチとなる場合には非リーチとなる場合に比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色(初期色)が決定され難くなっている。また、リーチとなる場合においては熱いリーチ(例えば、スーパーリーチ)となるときには熱くないリーチ(例えば、ノーマルリーチ)となるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。あるいは、図48及び図68によれば、特図表示結果が「大当り」であるときには特図表示結果が「ハズレ」であるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。換言すれば、赤色や黄色の表示態様は青色や白色の表示態様に比べて、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。より詳細には、赤色、黄色、青色、白色の順に、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。
文字アイコンの保留表示の表示態様は、図68の各テーブルにおいて「文字」と表示されている。「文字」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示が文字アイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
キャラクタアイコンの保留表示の表示態様は、図68の各テーブルにおいて「キャラクラ」と表示されている。「キャラクタ」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示がキャラクタアイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
図68のテーブルによれば、乱数値MR6´の決定割合を参照して理解されるように、大当りの期待度が高い変動表示である程、文字アイコンによる保留表示またはキャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。この例では、また、大当りとなる期待度が高い程、文字アイコンによる保留表示よりも、キャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。
図67に示したS90150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部90191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS90170〜90177の処理の何れかを選択して実行する。
S90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を受信したか否かに基づき、演出表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
S90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、演出表示装置905における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理、各種の演出や各種演出の演出態様(例えば、主予告演出であるアクティブ表示変化演出や、当該アクティブ表示変化演出の演出態様)を決定する処理等を含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
S90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU90120は、読出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を演出表示装置905に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板9013に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号を第1ランプ駆動部9014に出力して第1ランプ部909を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
S90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S90174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S90175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図69は、可変表示開始設定処理として、図67のS90171で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図69に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S90522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がされたときには(S90522;Yes)、例えば主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図48の「PA1´−1」「PA2´−1」「PA2´−2」「PA2´−3」)であるか否かを判定する(S90523)。
S90523で非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S90523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90524)。一例として、S90524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
次に、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときは、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、S90524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
S90523で非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S90523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90525)。一例として、S90525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rで揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cで停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
S90522で特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S90522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S90526)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(S90526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90527)。この場合には、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照すること等により、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S90526で「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(S90526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90528)。一例として、S90528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193のランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121等に予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、演出表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無等に応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われてもよい。
図66のコマンド解析処理におけるS90513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S90155:NO)、S90524、S90525、S90527、S90528の処理の何れかを実行した後には、保留消化処理を実行する(S90531)。具体的には、当該変動に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。より詳細には、演出制御用CPU90120は、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。なお、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示は、保留表示と同じ態様で表示してもよく、保留表示に対応するが保留表示とは異なる表示態様で表示されてもよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、S90531の処理では、演出制御用CPU90120は、第1保留表示エリア905Dにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1保留表示エリア905Dにおいてシフトし、第2保留表示エリア905Uにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2保留表示エリア905Uにおいてシフトする。
S90531の処理を実行した後には、演出実行設定処理を実行する(S90532)。演出実行設定処理(S90532)には、保留表示が「球体」に決定されたときにおいて、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定する処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等が含まれている。
また、演出実行設定処理(S90532)には、新たに出現表示された保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等がさらに含まれている。
表示態様変化演出実行タイミング選択処理は、文字アイコンまたはキャラクタアイコンのアイコン形状で保留表示がされた保留記憶に対応する表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の実行タイミングを選択決定する処理である。図70(B),(C)等に示すように、このような保留表示の実行タイミングは、例えば当該保留記憶に対応する保留表示が出現した後の1回目の保留表示シフト後における保留表示中のタイミングと、当該保留記憶に対応するアクティブ表示中のタイミングとのいずれかに選択決定される。
表示態様変化演出種類選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の種類を選択決定する処理である。図70(D),(E)等に示すように、このような表示態様変化演出の種類は、第1変化演出〜第4変化演出のいずれかに選択決定される。
変化態様選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の保留表示またはアクティブ表示の演出態様を選択決定する処理である。図70(F)〜(M)等に示すように、文字アイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とのいずれかに選択決定される。キャラクタアイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「2人」表示と「3人」表示とのいずれかに選択決定される。
S90532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S90533)。一例として、S90533の処理では、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行ってもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音等である。大当り告知発光の一例は、フラッシュランプの発光等である。また、S90533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、第1ランプ部909が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
S90533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S90534)。続いて、演出表示装置905における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(S90535)。例えば、S90532の演出実行設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により演出表示装置905の画面上で飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板9013に伝送すること等によりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号を第1ランプ駆動部9014に対して伝送させること等により第1ランプ部909における発光を開始させるための設定を行う。
S90535の処理を実行した後には、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ90194Bに格納されているコマンドを消化する(S90536)。具体的には、演出制御用CPU90120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。
また、S90536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM90122等に設けられる第1先読予告バッファ90194Cまたは第2先読予告バッファ90194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S90537)、可変表示開始設定処理を終了する。
ここで、演出実行設定処理(S90532)について詳述する。まず、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、およびアクティブ表示変化演出を実行すると決定したときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理(どのアクティブ表示変化演出を実行するかを決定する処理)について説明する。
図70は、保留選択時演出パターンテーブルを示す図である。特に、図70(A)は、アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルによる決定割合の設定例を示す。また図70(B)〜(M)は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
詳細には、図70(A)の設定例は、保留表示の表示態様が「球体」に決定されたときに、アクティブ表示変化演出を実行するか否かや、アクティブ表示変化演出の種類(どのアクティブ表示変化演出を実行するか)を実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様の決定割合の設定例である。アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が、「実行有」と、「実行無」とのそれぞれに、図70に示すような決定割合で割当てられている。また、このアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルの「実行有」には、決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が、「第1系統変化演出」と、「第2系統変化演出」と、「第1系統変化演出および第2系統変化演出」とのそれぞれに、図70(A)に示すような決定割合で割当てられている。また、第1系統変化演出には、演出態様が類似する複数種類の演出態様が含まれる。第2系統変化演出には、演出態様が類似する複数種類の演出態様が含まれる。具体的には、第1系統変化演出は、アクティブ表示の表示態様に作用する演出であり、第2系統変化演出は、アクティブ表示枠の表示態様に作用する演出であり、第1系統変化演出と第2系統変化演出とで作用する対象が異なる。
なお、「実行有」「第1系統変化演出」は、第1系統変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表し、「実行有」「第2系統変化演出」は、第2系統変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表し、「実行有」「第1系統変化演出および第2系統変化演出」は、第1系統変化演出と第2系統変化演出との両方の変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表す。また、「実行無」は、アクティブ表示変化演出を行わない旨を表している。また、変動パターン1´−Xは、図48に示す変動パターンPA1´−1を表し、変動パターンPA2´−Xは、図48に示す変動パターンPA2´−1、PA2´−2、PA2´−3のいずれかを表し、変動パターンPA3´−Xは、図48に示す変動パターンPA3´−1、PA3´−2のいずれかを表し、変動パターンPA4´は、図48に示す変動パターンPA4´−1、PA4´−2、PA4´−3、PA4´−4のいずれかを表す。変動パターンPA5´−X、PB4´−X、PB5´−Xについても同様である。
ここで、再び、図69に戻り、可変表示開始設定処理を引き続き説明する。演出実行設定処理(S90532)においては、演出制御用CPU90120は、新たに出現表示された保留表示として、図68の保留表示態様決定テーブルにより文字アイコンまたはキャラクタアイコンによる保留表示が選択されたものがあるときに、例えば、図70(B)〜(M)を用いて説明したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実現するための処理を実行する。例えば、図70(B)または図70(C)により表示態様変化演出タイミングが保留表示中として選択決定されたときには、これから開始される変動表示において、保留消化に応じて保留表示がシフトした後に、前述したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実行するための設定処理をする。
一方、演出実行設定処理(S90532)において、図70(B)または図70(C)により表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定されたときには、演出対象となる保留記憶に対応するアクティブ表示が実行されるときまで、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、演出対象となる保留記憶に対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aにおけるバッファ番号のデータに対応付けて、表示態様変化演出を実行することを指定するアクティブ表示中変化演出指定データを記憶しておくとともに、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、RAM90122に設けられた表示態様変化演出記憶領域に記憶しておく。そして、演出制御用CPU90120は、演出実行設定処理のS90532において、これから開始される変動表示が、アクティブ表示中変化演出指定データにより指定された演出対象の保留記憶に対応する変動表示であるか否かを判定し、演出対象の保留記憶に対応する変動表示であると判定されたときに、表示態様変化演出記憶領域に記憶された演出内容を特定するデータに基づいて、アクティブ表示中において表示態様変化演出を実行させる。
以上に説明したような処理が実行されることにより、演出実行設定処理(S90532)において、文字アイコンまたはキャラクタアイコンにより保留表示の表示態様が選択され、表示態様変化演出を実行するときには、当該表示態様変化の対象となる保留表示が出現した後の最初の保留表示中、または、当該保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が実行されるときのアクティブ表示中において、演出実行設定処理(S90532)における演出設定に基づいて、表示態様変化演出が実行されることとなる。
また、演出実行設定処理(S90532)において、演出制御用CPU90120は、「球体」で表示された保留表示について、アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルとアクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´と、変動パターン指定コマンドにより指定された当該変動(当該可変表示)の変動パターン(可変表示パターン)とにより、アクティブ表示変化演出を実行するか否か、アクティブ表示変化演出を実行する場合には、複数のアクティブ表示変化演出の演出態様のうち、いずれのアクティブ表示変化演出を実行するかを決定する。
なお、演出制御用CPU90120は、先ずアクティブ表示変化演出の実行有無を決定し、「実行有」と決定したときには「第1系統変化演出」か「第2系統変化演出」か「第1系統変化演出および第2系統変化演出」の何れかを決定してもよい。
図71は、表示態様変化演出と、当該表示態様変化演出における表示態様変化実行の有無との関係を示すタイミングチャートである。図71(A)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行された例が示されている。図71(B)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行されなかった例が示されている。
図72は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図72(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図72(B)にキャラクタ選択テーブルが示されている。
図72(A)の文字アイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「注意」という文字よりなる文字アイコンと、図70(F)〜(I)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「好機」の文字よりなる文字アイコンと、図70(F)〜(I)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「激熱」の文字よりなる文字アイコンとが選択可能に設定されている。これら文字アイコンの大当りへの期待度は、「注意」<「好機」<「激熱」という関係がある。
図72(B)のキャラクタアイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「1人」のキャラクタアイコンと、図70(J)〜(M)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「2人」のキャラクタアイコンと、図70(J)〜(M)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「3人」のキャラクタアイコンとが選択可能に設定されている。これらのキャラクタアイコンについての大当りへの期待度は、「1人」<「2人」<「3人」という関係がある。
次に、前述した第1変化演出〜第4変化演出の演出パターンを選択するためのデータが設定された変化演出パターンテーブルを説明する。変化演出パターンテーブルは、RAM90122に記憶されている。
図73は、変化演出パターンテーブルを示す図である。変化演出パターンテーブルにおいては、第1変化演出〜第4変化演出の種類別に、保留表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンと、アクティブ表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンとが示されている。保留表示中に変化演出をする選択と、アクティブ表示中に変化演出をする選択とのそれぞれは、図70(B)〜(E)のデータテーブルを用いて行なわれる。
次に、保留表示として文字アイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図74は、演出表示装置905において保留表示として文字アイコン9061を表示したときの演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図68のような保留表示態様決定テーブルを用いて文字アイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図74(A)に示すような通常表示態様である「注意」表示という文字アイコン9061による保留表示を第1保留表示エリア905Dに出現させる表示がされる。
図70(B)の文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「保留表示中」として選択決定され、かつ、図70(D)の文字保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第1変化演出」に選択決定されたときには、「注意」表示がされた文字アイコン9061による保留表示が出現した後の1回目の保留シフト後の保留表示中において、図74(B)に示すように、表示態様変化演出として、青色の矢印が「注意」表示という文字アイコン9061による保留表示に対して下方向に作用する第1変化演出が実行される。
図70(F)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルにより第1変化演出後の表示が「激熱」表示に選択決定されたときは、図74(C)に示すように、第1変化演出による表示態様変化演出の実行後に、第1保留表示エリア905Dにおいて、文字アイコン9061による保留表示が「注意」表示から「激熱」表示に変化させられる。このように、文字アイコン9061による保留表示が変化したときには、その保留表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留表示後のアクティブ表示としてキャラクタアイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図75は、演出表示装置905において保留表示としてキャラクタアイコン9062を表示した後のアクティブ表示の演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図68のような保留表示態様決定テーブルを用いてキャラクタアイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図75(A)に示すような通常表示態様である「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示を第1保留表示エリア905Dに出現させる表示がされる。図75(A)の状態は、「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示が出現表示された後、それ以前の保留表示が消化されて、次回の変動表示をする保留表示として、「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示がされている状態が示されている。
そして、図70(C)のキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「アクティブ表示中」として選択決定され、かつ、図70(E)のキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第4変化演出」に選択決定されたときには、図75(B)に示すような、「1人」表示がされたキャラクタアイコン9062による保留表示に対応するアクティブ表示が、アクティブ表示エリアAHAにおいて、「1人」表示のキャラクタアイコン9062により行なわれ、図75(B)に示すように、表示態様変化演出として、赤色の矢印が「1人」表示のキャラクタアイコン9062によるアクティブ表示に横方向から作用する第4変化演出が実行される。
そして、図70(M)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルにより第3変化演出後の表示が「3人」表示に選択決定されたときは、図75(C)に示すように、第4変化演出による変化演出の実行後に、アクティブ表示エリアAHAにおいて、キャラクタアイコン9062による保留表示が「1人」表示から「3人」表示に変化させられる。このように、キャラクタアイコン9062によるアクティブ表示が変化したときには、今回の変動表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、演出実行設定処理(S90532)に含まれ、図70(B)〜(M)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示をするときの演出を設定するためのアイコン演出設定処理を説明する。
図76は、アイコン演出設定処理を示すフローチャートである。図70(B)〜(M)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出を設定するための処理については、前述した演出実行設定処理(S90532)に関する処理内容に関連して前述したが、図76では、文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出の設定の流れを明確化するために、アイコン演出設定処理の具体的な処理内容を説明する。
図68のテーブルにおいて、文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様が選択決定されたときに、アイコン演出設定処理が実行される。アイコン演出設定処理において、演出制御用CPU90120は、以下のような処理を実行する。まず、乱数値MR10´を抽出し、図68のテーブルにおいて選択された文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様に応じて、図70(B)または図70(C)に示す変化演出タイミング選択テーブルを用いて、「保留表示中」と「アクティブ表示中」とのどちらかを表示態様変化演出の実行タイミングとして選択決定する(S90700)。
次に、乱数値MR11´を抽出し、S90700により選択決定された「保留表示中」または「アクティブ表示中」の変化演出実行タイミングに応じて、図70(D)または図70(E)に示す変化演出種類選択テーブルを用いて、「保留表示中」については、「第1変化演出」または「第2変化演出」を選択決定し、「アクティブ表示中」については、「第3変化演出」または「第4変化演出」を選択決定する(S90701)。
次に、S90701において「第1変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90702)。「第1変化演出」が選択決定されたとS90702により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90703)。「保留表示中」が選択決定されたとS90703により判定されたときは、保留表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(F)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90704)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90703により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(G)の第1変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90705)、処理を終了する。
また、S90701において「第1変化演出」が選択決定されていないとS90702により判定されたときは、S90701において「第2変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90706)。「第2変化演出」が選択決定されたとS90706により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90707)。
「保留表示中」が選択決定されたとS90707により判定されたときは、保留表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(H)の第2変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90708)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90707により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(I)の第2変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90709)、処理を終了する。
また、「第2変化演出」が選択決定されていないとS90706により判定されたときは、S90701において「第3変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90710)。「第3変化演出」が選択決定されたとS90710により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90711)。「保留表示中」が選択決定されたとS90711により判定されたときは、保留表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(J)の第3変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90712)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90711により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(K)の第3変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90713)、処理を終了する。
また、S90701において「第3変化演出」が選択決定されていないとS90710により判定されたときは、S90701において「第4変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90714)。「第4変化演出」が選択決定されたとS90714により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90715)。「保留表示中」が選択決定されたとS90715により判定されたときは、保留表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(L)の第4変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90716)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90715により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図70(M)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90717)、処理を終了する。
以上に説明したアイコン演出設定処理により、文字アイコンまたはキャラクタアイコンを用いた演出が設定され、当該処理での設定に基づいて可変表示中演出処理(S90172)が実行されることにより、例えば図74のような保留表示態様変化演出、および、図75のような変動対応表示態様変化演出が実行されることとなる。
[アイコン表示による表示態様変化演出の変形例]
次に、前述したようなアクティブ表示の演出の各種変形例について説明する。
(a) 前述した実施の形態では、図70(B)〜(M)、図74、図75に示すように、保留表示中の1つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計2つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングで、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、図77に示されるように、保留表示中における表示態様変化演出の実行タイミングが複数のタイミングから選択可能としてもよい。
図77は、保留表示中の表示態様変化演出の実行タイミングを複数のタイミングから選択する演出例を示す説明図である。図77(A)には、表示態様変化演出のタイミングを説明するための第1保留表示エリア905Dおよびアクティブ表示エリアAHAが示されている。図77(B)には、図70(B)に示された文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。図77(C)には、図70(C)に示されたキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。
図77(A)を参照して、この変形例では、保留表示中の2つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計3つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングにおいて、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能である。保留表示中における2つの表示態様変化演出実行タイミングは、たとえば、第1保留表示エリア905Dにおいて、「1」〜「4」の番号が付された保留表示領域のうち、「2」の番号が付された2番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第1保留表示中)と、「1」の番号が付された1番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第2保留表示中)との2つである。
この変形例では、前述したように第1保留表示中、第2保留表示中、および、アクティブ表示中の3つのタイミングから、選択された1つのタイミングで、表示態様変化演出が実行される。この変形例では、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、図77(B)の文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図77(B)のテーブルでは、図70(B)のテーブルと同様に、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。一方、この変形例では、キャラクタアイコン表示で保留表示がされるときには、図77(C)のキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図77(C)のテーブルでは、図70(C)のテーブルと同様に、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。このような設定により、この変形例では、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、このようにすれば、演出がより変化に富んだものとなり、演出の面白みをより一層向上させることができる。
また、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、保留表示が出現した保留表示領域に近い程、選択される割合が高く設定されている。これにより、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、第1保留表示中のタイミングで表示態様変化演出が実行されるときと、第2保留表示中のタイミングで表示態様変化が演出実行されるときとで、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示の選択割合を異ならせてもよい(たとえば選択割合が高い方が「激熱」表示の選択割合が低い等)。
なお、この変形例では、たとえば4つある保留表示領域のうちの一部(2つ)を対象として、保留表示中に、表示態様変化演出が実行可能となる例を示した。しかし、これに限らず、すべての保留表示領域を対象として、保留表示中に、表示態様変化演出が実行可能となるようにしてもよい。また、アクティブ表示については、アクティブ表示の実行が継続される期間を複数の期間に分け、それら複数の期間のそれぞれを表示態様変化演出が実行可能となる期間とし、いずれかの期間を表示態様変化演出を実行する期間として選択可能としてもよい。このようにすれば、演出がより変化に富むものとなり、演出の面白みをより一層向上させることができる。
表示態様変化演出を実行するタイミングは、前述した実施の形態および変形例として説明したものを含み、対象となる保留記憶に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行されるものであれば、どのようなタイミングを設定してもよい。
(b) 前述した実施の形態では、図72等に示すように、保留表示が文字アイコンでされたときは、表示態様変化演出により文字アイコンの表示態様が変化する例を示し、保留表示がキャラクタアイコンでされたときは、表示態様変化演出によりキャラクタアイコンの表示態様が変化する例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出の変化パターンの変形例としては、たとえば、保留表示が文字アイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出により文字アイコンがキャラクタアイコン等のその他のアイコンに変化する演出をしてもよい。また、保留表示がキャラクタアイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出によりキャラクタアイコンが文字アイコン等のその他のアイコンに変化する演出をしてもよい。このような演出をすれば、特定表示の表示態様(アイコンの表示態様)の変化、または、特定表示の種別(アイコンの種別)の変化が生じることに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、この変形例では、変更後のアイコンとして、たとえば、文字アイコン、および、キャラクタアイコンのように、保留表示の出現時に表示可能なアイコン表示を用いてもよく、保留表示の出現時に表示されない、特定のアイコン表示を用いてもよい。
(c) 前述した実施の形態では、図71〜図77に示すような表示態様変化演出を保留表示中とアクティブ表示中とのいずれかの期間において実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出を保留表示中とアクティブ表示中との両方のタイミングで実行可能としてもよい。
(d) 前述した実施の形態では、図71〜図77に示すような表示態様変化演出を保留表示期間中およびアクティブ表示期間中におけるいずれか1回のタイミングで実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出は、表示態様変化演出を保留表示期間中およびアクティブ表示期間中において、複数回のタイミングで段階的に実行可能としてもよい。その場合には、たとえば、アイコン表示の変化態様を複数段階に分けて選択可能とし、アイコン表示が複数回のタイミングで段階的に変化可能なように選択設定してもよい。
(e) 前述した実施の形態では、図71〜図77に示すような表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示が、アイコン形状で表示される例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示は、通常表示の表示態様(たとえば「球体」)と異なる表示態様であればよく、アイコン形状に限られるものではない。したがって、表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示保留表示は、球体であっても、通常表示が取得る形状および色等の表示態様と異なる表示態様(たとえば、大きさが異なる、色が異なる等)であればよい。
(f) 図71〜図77に示すような表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示の種類(たとえば保留出現表示時に選択されるアイコン表示の種類)が複数種類ある場合については、保留表示期間中およびアクティブ表示期間中における複数のタイミングのうち、保留表示期間中には全く表示態様変化演出が実行されない種類が含まれてもよく、アクティブ表示期間中には全く表示態様変化演出が実行されない種類が含まれてもよい。
(g) 前述した実施の形態では、図71〜図77に示すような表示態様変化演出の実行対象となる保留表示について、始動入賞時(保留記憶時)に図68に示すように保留表示の出現表示時の表示態様のみを選択決定する例を示したが、このような始動入賞時(保留記憶時)には、図70(F)〜(M)に示すような保留表示中またはアクティブ表示中における保留表示態様変化演出後の最終的な表示態様(変化なし、「好機」、「激熱」、「2人」、「3人」等)を選択決定してもよい。
(h) 前述した実施の形態では、図71〜図77に示すような表示態様変化演出の実行対象となる保留表示の表示態様については、図68に示すように、キャラクタアイコンとすること、または、文字アイコンとすることを決定するが、前述した「球体」のように、文字アイコンの色、および、キャラクタアイコンの色も選択決定してもよい。つまり、表示態様変化演出の実行対象となる保留表示の表示態様は、アイコンの形状とアイコンの色との組合せを選択決定可能としてもよい。そして、同じアイコンでも、選択される色により大当りに対する期待度が異なるように設定してもよい。
(i) 前述したアイコン表示の表示態様変化演出は、保留個数が3個または4個等の所定数以上であることを条件として実行してもよい。
(j) 保留表示中のアイコン表示とアクティブ表示中のアイコン表示とは、完全に同じアイコン表示である必要はない。例えば、保留表示中のアイコン表示は白色等の第1の色で表示される一方、アクティブ表示中のアイコン表示は、黒色等の第2の色で表示される等、保留表示中のアイコン表示とアクティブ表示中のアイコン表示との表示態様が一部異なるようにしてもよい。また、文字アイコンについては、保留表示中のアイコンの文字が明朝体で表示され、アクティブ表示中のアイコンの文字がブロック体で表示される等、文字は同じであるが書体が異なってもよい。また、キャラクタアイコンについては、保留表示中のアイコンが男性のキャラクタで表示され、アクティブ表示中のアイコンが女性のキャラクタで表示される等、人数は同じであるが性別が異なってもよい。
(k) 前述した実施の形態では、保留表示とアクティブ表示とを同じ表示手段(演出表示装置905)で表示する例を示したが、これに限らず、保留表示とアクティブ表示とを異なる表示手段(例えば、保留表示を第1演出表示装置で表示し、アクティブ表示を第2演出表示装置で表示するように)で表示してもよい。
(l) 前述した実施の形態では、保留表示とアクティブ表示とは、異なる表示領域を用いて表示する例を示したが、これに限らず、同じ表示領域を用いて切替え表示するようにしてもよい(例えば、保留表示を表示しているときはアクティブ表示領域を表示せず、アクティブ表示をしているときには保留表示領域を表示しない表示等)。
(m) 前述した実施の形態では、アイコン表示の表示態様(文字アイコン、キャラクタアイコン)によって、表示態様変化演出の演出態様(種別)が異なるようにしてもよい。たとえば、アイコン表示の表示態様(演出態様)に対応する専用の表示態様変化演出を設けて、当該演出を実行するようにしてもよい。
[可動部材を用いた演出例]
次に、可動部材90321を用いた演出例を説明する。図78は、バトルリーチ演出が実行されるときの演出表示装置905の表示画面図である。図79は、ストーリーリーチ演出が実行されるときの演出表示装置905の表示画面図である。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、演出制御用CPU90120により実行される。バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、リーチ演出のうち、ノーマルリーチと呼ばれる通常のリーチ演出と比べて、大当り表示結果となるときに選択される割合が高く設定された複数種類の特別のリーチ演出(スーパーリーチ演出)のうちに含まれる特定のスーパーリーチ演出である。例えば、図48に示した変動カテゴリ「PB4´」のスーパーリーチα(大当り)で実行されるリーチ演出がバトルリーチ演出で、変動カテゴリ「PB5´」のスーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリで実行されるリーチ演出がストーリーリーチ演出である。さらに、これらスーパーリーチ演出においては、大当り期待度が、たとえば、バトルリーチ演出<ストーリーリーチ演出という関係に設定されている。なお、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との大当り期待度は、この逆の関係でもよい。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のそれぞれは、演出表示装置905の画像表示による演出表示と、可動部材90321の演出動作とが組合せられた演出である。
図78に示すバトルリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示においては、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動表示が一斉に開始され、たとえば、「左」,「右」,「中」というような所定の停止順番に従って、演出図柄表示エリア905L,905R,905Cにおいて演出図柄の変動表示が順次停止されていき、最終的に全演出図柄表示エリアで演出図柄が停止して、表示結果が導出表示されたときに、変動表示が終了する。
演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図78(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア905L,905Rが停止した段階で、同一図柄が停止すると、リーチ状態となる。リーチ状態となるタイミングまでの変動表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとで異ならない、通常変動表示の演出態様で実行される。ノーマルリーチとスーパーリーチとでは、リーチ状態となった後の演出態様が異なる。
リーチ演出としてバトルリーチ演出が実行されるときには、図78(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「バトルリーチ」という文字が示されたメッセージ画像9053が画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出が実行されることが報知される。
バトルリーチ演出においては、図78(C)〜(E)に示すように、味方キャラクタ9061a(遊技者の味方側)と、敵キャラクタ9062a(遊技者の敵側)とが対戦(バトル)する動画像を表示する対戦演出(対戦時の効果音および対戦時の楽曲音の出力も含む演出)が実行される。
バトルリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、図78(E)に示すように味方キャラクタ9061aが勝利する勝利演出画像表示がされ、さらに、図78(D),(E)に示すように勝利演出画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像が表示され、かつ、可動部材90321が起立位置に動作して、演出表示装置905の表示領域の前方に出現する勝利演出が実行される。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、味方キャラクタ9061aが敗北する画像表示をする敗北演出がされ、図78(D),(E)に示すような粒子エフェクト画像9071および可動部材90321を用いた演出が実行されない。
具体的に、対戦演出においては、図78(C)に示すように味方キャラクタ9061aおよび敵キャラクタ9062aが登場する表示がされた後、図78(D)に示すように、味方キャラクタ9061aと敵キャラクタ9062aとが対戦(バトル)する動画像が表示される。たとえば図78(D)では味方キャラクタ9061aが敵キャラクタ9062aを攻撃する場面が示されている。図78(D)に示すように、対戦演出において、味方キャラクタ9061aが攻撃する場面(勝利を示唆する場面)では、演出表示装置905の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての粒子エフェクト画像9071を出現させて、勝利演出表示に重畳表示する粒子エフェクト演出がされる。味方キャラクタ9061aが勝利する場合には、図78(E)に示すように、味方キャラクタ9061aが敵キャラクタ9062aを倒して味方キャラクタ9061aが勝利したことを特定可能な画像が表示される勝利演出が実行される。勝利演出においては、さらに、図78(E)に示すように、可動部材90321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置905の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材90321は、発光させられる。
図78(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材90321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材90321の周囲で、重畳表示する粒子エフェクト画像9071の出現表示数が増加して粒子エフェクト画像9071の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材90321の動作に基づく演出効果を高めるために粒子エフェクト画像9071を用いて実行される演出であり、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材90321の動作態様と、粒子エフェクト画像9071の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図78(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出に遊技者が勝利したこと(大当りとなったこと)が報知される。その後、図78(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図79(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述した敗北演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
次に、図79に示すストーリーリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図79(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止してリーチ状態となった後、リーチ演出としてストーリーリーチ演出が実行されるときには、まず、図79(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「ストーリー前半」という文字が示されたメッセージ画像9054Aが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が実行されることが報知される。
ストーリーリーチ演出は、たとえば特定の物語のようなストーリー性がある動画像(ストーリー動画像)が表示される演出である。この例では、ストーリーリーチ演出が、前半部と後半部との2部構成とされている。ストーリーリーチ演出は、ストーリーが完結せずに途中で演出が終了してはずれ表示結果が導出表示される場合と、ストーリーが最後まで継続し演出が完結して大当り表示結果が導出表示される場合とがある。
なお、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部で終了する演出が実行され、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部から後半部に続き最後まで継続する演出が実行されるようにしてもよい。
また、ストーリーリーチ演出は、最後まで演出が実行された方が、前半部で演出が終了された場合よりも、大当りの期待度が高くなるように、演出が選択される設定がされてもよい。また、ストーリーリーチ演出は、前半部と後半部とに分かれていない1部構成であってもよい。
メッセージ画像9054Aが表示された後、「ストーリー前半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。「ストーリー前半」が終了し、「ストーリー後半」が続いて実行されるときに、図79(C)のように、「ストーリー後半」という文字が示されたメッセージ画像9054Bが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が継続して実行されることが報知される。なお、ストーリーリーチ演出においては、メッセージ画像9054A,9054Bのようなストーリーリーチ演出であることを報知する画像は表示されなくてもよい。
メッセージ画像9054Bが表示された後、「ストーリー後半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。ストーリーリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーが完結したことが特定可能な画像表示として、図79(D)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像が表示され、かつ、図79(E)に示すように、可動部材90321が起立位置に動作して、演出表示装置905の表示領域の前方に出現するストーリー完結演出が実行される。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーが完結しないことが特定可能なストーリー未完結演出がされ、図79(D),(E)に示すような黒画像9072、炎エフェクト画像9073、および、可動部材90321を用いた演出が実行されない。
具体的に、ストーリー完結演出においては、図79(D)に示すように、演出表示装置905の表示領域全体を黒色の黒画像9072に変化させ、演出表示装置905の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての炎エフェクト画像9073を出現させて、黒画像9072に重畳表示する演出がされる。ストーリー完結演出においては、さらに、図79(E)に示すように、可動部材90321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置905の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材90321は、発光させられる。
図79(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材90321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材90321の周囲で、重畳表示する炎エフェクト画像9073の炎が大きくなって炎エフェクト画像9073の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材90321の動作に基づく演出効果を高めるために炎エフェクト画像9073を用いて実行される演出であり、図78の場合と同様に、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材90321の動作態様と、炎エフェクト画像9073の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図79(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が完結したことが報知される。その後、図79(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図79(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
ストーリーリーチ演出においては、バトルリーチ演出と同様にエフェクト画像を表示するが、バトルリーチ演出とは異なり、演出表示装置905の表示領域全体を黒画像とし、その黒画像上にエフェクト画像を重畳表示することにより、エフェクト画像をより一層強調して表示することができ、バトルリーチ演出よりも演出効果が高い画像表示を実行することができる。これにより、バトルリーチ演出よりも大当りへの期待度が高く設定されたストーリーリーチ演出の貴重感(プレミア感)を高めることができる。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述したストーリー未完結演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
なお、可動部材90321は、円盤状の部分が、演出制御用CPU90120により駆動制御されるモータ等の駆動手段により回転動作させることが可能に構成されてもよい。そのように可動部材90321の円盤状の部分を回転制御可能な構成とする場合には、図78(E)または図79(E)のように、可動部材90321が起立位置に動作して演出表示装置905の表示領域の前方に、出現するとき、または、出現したときに、円盤状の部分を回転させる制御をしてもよい。その場合には、可動部材90321の回転動作に合せて、図78(E)の粒子エフェクト画像9071および図79(E)の炎エフェクト画像9073のようなエフェクト画像を動作させる画像を演出表示装置905において表示する演出制御を実行してもよい。そのようにすれば、可動部材90321とエフェクト画像とを用いたことにより得られる演出効果をより高めることができる。
また、可動部材90321は、回転動作に限らず、その構成部材の一部または全部が、演出制御用CPU90120により駆動制御されるソレノイド等の駆動手段により、開閉または収縮する等の変形動作をする構成の可動部材としてもよく、そのような構成とする場合には、特定の演出場面において、演出表示装置905の表示領域の前に位置した可動部材の変形動作に合せて、演出表示装置905に表示するエフェクト画像を動作させる画像を表示する演出制御を実行してもよい。
次に、バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のような特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例をタイミングチャートを用いて説明する。
図80は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例を示すタイミングチャートである。図80(A)には、図78に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。図80(B)には、図79に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。
まず、図80(A)を参照して、演出制御用CPU90120により実行されるバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図78(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置905において実行される。
演出表示装置905においては、リーチ状態が発生すると、図78(B),(C)に示すように、メッセージ画像9053が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。演出表示装置905において図78(D),(E)に示すような、対戦演出の画像表示から勝利演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図78(D),(E)に示すような対戦演出画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像を演出表示装置905において表示する粒子エフェクト演出と、可動部材90321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置905において図78(E),(F)に示すような、可動部材90321が起立位置に移動するとともに、勝利演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図78(E)に示すような勝利演出の画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置905において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置905において図78(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置905において図78(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像9072上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材90321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
次に、図80(B)を参照して、演出制御用CPU90120により実行されるストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。ストーリーリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図79(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置905において実行される。
演出表示装置905においては、リーチ状態が発生すると、図79(B),(C)に示すように、メッセージ画像9054A,9054Bが表示されるとともに、ストーリーリーチ演出に対応するストーリー動画像等の動画像が表示される。演出表示装置905において図79(D),(E)に示すような、ストーリー演出の画像表示からストーリー完結演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図79(D),(E)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像を演出表示装置905において表示する炎エフェクト演出と、可動部材90321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置905において図79(E),(F)に示すような、可動部材90321が起立位置に移動するとともに、ストーリー完結演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図79(E)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置905において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置905において図79(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置905において図79(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材90321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
図78,図80(A)に示すバトルリーチ演出、および、図79,図80(B)に示すストーリーリーチ演出は、具体的に、演出制御用CPU90120において、次のような処理が実行されることにより実現される。
変動パターン指定コマンドとして、スーパーリーチの変動パターン指定コマンドのうち、バトルリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターン指定コマンドが演出制御基板9012において受信されると、演出制御用CPU90120は、可変表示開始設定処理(S90171)において、図78および図80(A)に示すような、バトルリーチ演出をする演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM90122に設定(記憶)する。バトルリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターン指定コマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU90120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動表示を開始し、可変表示中演出処理(S90172)において、バトルリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行ない、図78および図80(A)に示すようなバトルリーチ演出を実行する。
変動パターン指定コマンドとして、スーパーリーチの変動パターン指定コマンドのうち、ストーリーリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターン指定コマンドが演出制御基板9012において受信されると、演出制御用CPU90120は、可変表示開始設定処理(S90171)において、図79および図80(B)に示すような、ストーリーリーチ演出をする演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM90122に設定(記憶)する。ストーリーリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターン指定コマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU90120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動表示を開始し、可変表示中演出処理(S90172)において、ストーリーリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行ない、図79および図80(B)に示すようなストーリーリーチ演出を実行する。
図78および図80(A)に示すバトルリーチ演出と、図79および図80(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
また、図78(E)および図80(A)に示すように、可動部材90321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図78(D),(E)の粒子エフェクト画像9071のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置905のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
また、図79(E)および図80(B)に示すように、可動部材90321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図79(D),(E)の炎エフェクト画像9073のような特定態様の演出効果表示を、黒画像9072のような演出表示装置905の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置905のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、スーパーリーチ以外のリーチ演出において実行してもよく、リーチ演出以外の演出において実行してもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、演出に関する映像の変化の節目となるタイミングで実行する例を示したが、これに限らず、演出の実行開始時から所定時間経過後のタイミング等の演出に関する映像の変化の節目となるタイミング以外のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出における演出効果表示として、粒子エフェクト画像と、炎エフェクト画像とを一例として説明したが、これに限らず、当該演出効果表示としては、光が放射する態様のエフェクト画像等のその他の種類の演出効果表示を用いてもよい。
また、図78および図79に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との2種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とした例を示したが、これに限らず、3種類以上の複数種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能としてもよい。
また、図78および図79に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とのような複数の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とするときに、黒画像9072を表示するか否かにより演出効果表示の態様を異ならせた例を示した。しかし、これに限らず、演出効果表示の態様を異ならせる例としては、どの種類の演出表示も黒画像を表示するが、エフェクト画像のような演出効果表示の種類が異なるようにしてもよい。その場合における演出効果表示の種類が異なるとは、演出効果表示の画像の形状、色、表示範囲、輝度等の演出効果表示の構成要素のいずれかが異なるものであればよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出としては、図78および図79に示すような演出効果表示の画像を先に表示した後に可動体を動作させる演出に限らず、演出効果表示の画像表示と可動体の動作とを同じタイミングで実行する演出を用いてもよく、可動体を先に動作させた後に演出効果表示の画像を表示する演出を用いてもよい。
また、前述したストーリーリーチ演出のように黒画像9072を用いる演出としては、演出表示装置905の表示領域全体に黒画像9072を表示する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、エフェクト画像を表示する領域等の演出表示装置905における一部の表示領域に黒画像9072を表示する制御をしてもよい。
また、前述した可動部材のような可動体とエフェクト画像のような演出効果表示とを連携させる演出として、演出表示の状況が異なる複数種類の演出表示がされるときのそれぞれにおいて可動体を動作させる演出をする場合には、可動体を動作させる演出表示の状況に応じて、異なる種類の演出効果表示としてのエフェクト画像表示を可動体の動作に連係させて表示する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、次のような演出表示の状況において、異なる種類のエフェクト画像表示を実行するようにしてもよい。(a)演出図柄の変動表示中においてリーチ状態となる前に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(b)擬似連における仮停止時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(c)ノーマルリーチの実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(d)スーパーリーチの演出の実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(e)演出内容が発展する発展演出形式のスーパーリーチの実行中における演出の発展時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(f)大当り表示結果となったことを報知した後に再度抽選演出(たとえば、確変大当りとするか非確変大当りとするかを抽選する演出等)をするときに、可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(g)大当り遊技状態の演出中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(h)遊技が行なわれていないときに実行される客待ちデモ表示中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。なお、前述したような複数種類の演出表示の状況において実行するエフェクト画像表示のうち、少なくとも2つが異なっていればよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1)上記実施形態による遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図56の時刻t1)から所定期間(例えば、図56の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図56:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力する。
上記構成によると、電子部品の動作不具合を回避することができるため、電子部品をより安定して制御することができる。
(2) 遊技機において、
前記出力手段は、前記制御手段から出力されるシリアル信号方式の制御信号を、パラレル信号方式の駆動信号に変換する変換手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)を含む。
上記構成によると、制御手段と出力手段との間の通信配線数を削減することができる。
(3) 遊技機において、
前記停止手段を有効または無効に設定する設定手段(各変換ICのタイムアウト機能を有効または無効に設定するための所定端子、演出制御基板9012等)をさらに備える。
上記構成によると、用途に応じて停止手段の機能を有効または無効に設定変更することができるため、部品共通化によるコスト削減が可能となる。
(4) 遊技機において、
前記制御手段が設けられた第1基板(例えば、演出制御基板9012等)と、
前記出力手段が設けられた第2基板(例えば、第1ランプ基板90210等)とをさらに備え、
前記第1基板および前記第2基板は、配線部材(フレキ、ハーネス等)を介して電気的に接続されている。
上記構成によると、別の基板に配置されているので、配線の不具合(断線又は短絡等)により発生し得る制御異常が発生することを抑制することができる。
(5) 遊技機において、
前記出力手段は、駆動信号としてPWM信号を出力することにより、前記電子部品の駆動を制御する(例えば、駆動信号は、Low信号の回数によってPWM制御され、各LEDの発光輝度はPWM制御による発光期間によって階調制御される。)。
上記構成によると、PWM制御により電力効率を高めることができる。
(6) 遊技機において、
前記出力手段は、
入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、図58(a)に示す通常スルーレート設定の出力状態等)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、図58(b)に示す低スルーレート設定の出力状態等)とのいずれかの出力状態に設定可能であり、
当該出力手段と同一基板内に前記他の出力手段が設けられている場合には、前記第2出力状態に設定されている(例えば、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bのように基板内で接続されている場合、変換IC9092Bを低スルーレートの波形を出力するように設定する)。
上記構成によると、同一基板内で出力するときの出力状態が第2出力状態に設定されているので、基板外へのノイズの放射を抑えることができる。
(7) 遊技機において、
前記出力手段は、
入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、図58(a)に示す通常スルーレート設定の出力状態等)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、図58(b)に示す低スルーレート設定の出力状態等)とのいずれかの出力状態に設定可能であり、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材を介して接続された他の基板に前記他の出力手段が設けられている場合には、前記第1出力状態に設定されている(例えば、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bのように基板外で接続されている場合、変換IC9094Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定する)。
上記構成によると、配線部材を介して接続された他の基板に出力するときの出力状態が第1出力状態に設定されているので、制御信号に対する外部からのノイズによる影響を抑えることができる。
(8) 遊技機において、
動作を行う可動部材(例えば、演出ユニット90300等)を更に備え、
前記出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(例えば、図61に示すグループ1〜6に対応する端子Q0〜端子23等)からパラレル通信方式による特定信号を出力し、
前記特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なり(例えば、図61に示すグループ1〜6のPWMクロック信号は、1MHzずつ周期がずれている。)、
前記可動部材を動作させる駆動手段(例えば、駆動機構90201のモータ等)は、前記出力手段の同一グループの前記特定信号出力部(例えば、同じ周期に属するグループの端子(例えば、端子Q0〜Q3))から出力される特定信号にもとづいて駆動される。
上記構成によると、パラレル通信方式による特定信号の出力周期をずらすことで、基板外へのノイズの放射を抑えることができる。
(9) 遊技機において、
前記遊技機は、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能であり、
未だ開始されていない変動表示について、保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部90151A、第2特図保留記憶部90151B、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194A、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B等)と、
前記保留記憶手段が記憶する保留記憶を保留表示(例えば、保留表示等)として表示可能な保留表示手段(例えば、演出表示装置905、RAM90102、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905U等)と、
変動表示の実行中に、当該変動表示に対応する変動対応表示(例えば、アクティブ表示等)を行なうことが可能な変動対応表示手段(例えば、演出制御用CPU90120、図69のS90532等)と、
対象となる保留記憶の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化(例えば、図74の保留表示中変化)と、当該変動表示の実行中に変動対応表示の態様を変化させる変動対応表示態様変化(例えば、図75のアクティブ表示中変化)との少なくともいずれかの表示態様変化を、対象となる保留記憶に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行させることが可能な表示態様変更手段(例えば、演出制御用CPU90120、図69のS90532、図76のアイコン演出設定処理、図67のS90172等)とをさらに備え、
前記表示態様変更手段は、変化対象の表示の種別が、通常表示とは異なる第1特定表示(例えば、図72(A)の文字アイコン表示)と第2特定表示(図72(B)のキャラクタアイコン表示)とのいずれであるかに応じて、前記表示態様変化を実行させるタイミングの選択割合が異なる(図70(B),(C)のように、文字アイコン表示は保留表示中に変化演出実行割合が高く、キャラクタアイコン表示はアクティブ表示中に変化演出実行割合が高い。そして、図70(F)〜(M)のように、変化演出実行時に実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、文字アイコン表示と、キャラクタアイコン表示とのいずれであるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。)。
上記構成によれば、保留表示態様変化と変動対応表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機901の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(2) アクティブ表示エリアAHAに表示されたアクティブ表示の表示態様が特殊態様であるときに、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれかに対して、保留変化演出を実行してもよく、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれかに特殊態様で表示される保留表示がある場合、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれか、またはアクティブ表示に対して保留変化演出またはアクティブ表示変化演出を実行してもよい。
(3) 第1系統変化演出または第2系統変化演出のいずれかがアクティブ表示の表示態様におけるアクティブ表示の色を変化させる演出でもよい。この場合、例えば、形状を変化させる第1系統変化演出やアクティブ表示枠の線の太さを変化させる第2系統変化演出の様に、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905U第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示に表示されていた保留表示の色と比べて大当りの期待度が高い色(例えば、青色で表示されていた保留表示の場合には黄色や赤色等の色)の表示態様となるようにアクティブ表示の表示態様における色を変化させればよい。
(4) 例えば、図70におけるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルによる決定割合の設定例における変動パターン「PA4´−X」のアクティブ表示変化演出の「実行有」と「実行無」と割合の様に、45%(第1系統変化演出15%、第2系統変化演出10%、第1系統変化演出および第2系統変化演出20%の和)対55%の様に「実行有」と「実行無」とのそれぞれに割合が設定されてもよく、図70における変動パターン「PA1´−X」の様に「実行有」と「実行無」との割合が、0%対100%の様に、この実施形態に係る割合とは、複数のうちいずれかが0%として設定されるような割合が設定されてもよい。
(5) 確変制御において、大入賞口内に予め特定領域を設け、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられたことにより、大入賞口内の特定領域に遊技球が進入しやすい遊技状態に制御し、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。
(6) プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行う遊技機(封入式遊技機)にも本発明を適用することができる。
(7) 前述した実施の形態では「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、例えば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値、100%を含む値、0%および100%を含まない値でもよい。
(8) 前述した実施の形態では、確変大当りとして、変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置907における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(9) なお、上述した実施の形態では、演出制御用CPU90120(およびVDP90123A)が制御信号を出力する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、演出制御用CPU90120(およびVDP90123A)とは別に、上述したような制御信号の出力機能を有する専用ICを演出制御基板9012内に設けて、当該専用ICにより出力される構成であってもよい。
(10) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。