JP6755256B2 - 骨折リスクの低減におけるPTHrPアナログの使用 - Google Patents

骨折リスクの低減におけるPTHrPアナログの使用 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、図面を含むそれらの全体において参照により本明細書に援用される2015年3月3日に出願された米国仮特許出願第62/127,729号、2015年5月22日に出願された米国仮特許出願第62/165,841号、2015年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/201,564号、2015年10月9日に出願された米国仮特許出願第62/239,733号および2016年1月14日に出願された米国仮特許出願第62/278,762号の優先権を主張する。
背景
我々の人口が年を取るにつれて、骨粗鬆症骨折は、我々の人口の健康に対して高い影響を有することが予想される。今日、2千万人を超える米国人が骨粗鬆症に罹患していると推定され、米国では毎年150万件の骨粗鬆症骨折が起こっている(1)。確立された骨粗鬆症を有する患者において、現在利用可能な医療は、臨床的な非脊椎骨折のリスクを適度に低下させ得ることだけである(2、3)。現在、骨粗鬆症治療の主軸は、経口および静脈内のビスホスホネートの使用である。これらの薬物は、骨吸収を抑制して機能するが、骨形成も低下させる(4)。テリパラチド(TPTD、hPTH(1-34))は、現在利用可能な唯一の同化作用性薬剤であり、新規の骨形成の刺激(吸収を伴う)および内部の骨微小構造の再構築を含む機構により作用する(5〜7)。骨密度(BMD)に対するテリパラチドの効果は、脊椎では骨吸収抑制剤よりも優れているが、股関節部での効果はより緩やかであり、しばしば2年コースの治療の2年目まで遅延する(8、9)。股関節部骨折は、骨粗鬆症患者において特に一般的であり、骨粗鬆症患者におけるBMDの向上および股関節部骨折のリスクの低下のために、新規の治療を開発する必要がある。
さらに、高い皮質骨多孔率を有する患者は、わずかに低いかまたは正常なBMDであっても、より高い骨折のリスクを有することがある(10)。そのため、BMDを向上するだけでなく、骨の微小構造を向上して骨折リスクを低減するための新規の治療を開発することも必要である。
概要
PTHrPまたはそのアナログの治療有効量を、骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において骨折を予防または低減するための方法が本発明において提供される。特定の態様において、PTHrPアナログは、配列番号:1に記載されるアミノ酸配列:
Ala Val Ser Glu His Gln Leu Leu His Asp Lys Gly Lys Ser Ile Gln Asp Leu Arg Arg Arg Glu Leu Leu Glu Lys Leu Leu Aib Lys Leu His Thr Alaを有するアバロパラチド(abaloparatide)([Glu22,25, Leu23,28,31, Aib29, Lys26,30]hPTHrP(1-34)NH2)である。Aibは、α-アミノイソ酪酸すなわち2-アミノイソ酪酸である。
特定の態様において、被験体は糖尿病(例えば、二型糖尿病)を有する。特定の態様において、被験体は骨粗鬆症を有する。
特定の態様において、該方法は、被験体に治療有効量の骨吸収抑制剤(例えば、アレンドロネート)を投与する工程をさらに含む。
PTHrPまたはそのアナログの治療有効量を、非脊椎骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において非脊椎骨折を予防または低減するための方法が本発明において提供される。特定の態様において、PTHrPアナログはアバロパラチドである。特定の態様において、非脊椎骨折は、股関節部または手首の骨折である。特定の態様において、該方法はさらに、被験体に治療有効量の骨吸収抑制剤(例えば、アレンドロネート)を投与する工程を含む。
PTHrPまたはそのアナログの治療有効量を、脊椎骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において脊椎骨折を予防または低減するための方法が本発明において提供される。特定の態様において、PTHrPアナログはアバロパラチドである。特定の態様において、該方法はさらに、被験体に治療有効量の骨吸収抑制剤(例えば、アレンドロネート)を投与する工程を含む。
PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を、BMDおよび/または海綿骨スコア(TBS)の向上を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体においてBMDおよび/または海綿骨スコア(TBS)を向上するための方法が本発明において提供される。
図1〜4:プラシーボ、アバロパラチドまたはテリパラチドで18ヶ月間治療される患者群における骨折。治療の18ヶ月後の1ヶ月追跡訪問後、プラシーボ群およびアバロパラチド群は続けてアレンドロネートでさらに6ヶ月間治療し、治療の最初から開始して合計25ヶ月の試験となった。図1:全ての患者群における主要な骨粗鬆症骨折。A:18ヶ月の治療終了時の全ての患者群における主要な骨粗鬆症骨折。 B:18ヶ月の治療中の全ての患者群における主要な骨粗鬆症骨折のカプラン-マイヤー曲線。 C: 25ヶ月の試験終了時のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における主要な骨粗鬆症骨折。 D:25ヶ月の試験中のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における主要な骨粗鬆症骨折のカプラン-マイヤー曲線。 E:アレンドロネートの6ヶ月の治療中のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における主要な骨粗鬆症骨折。 図2:全ての患者群における臨床的な骨粗鬆症骨折。A:18ヶ月の治療終了時の全ての患者群における臨床的な骨粗鬆症骨折。 B:18ヶ月の治療中の全ての患者群における臨床的な骨粗鬆症骨折のカプラン-マイヤー曲線。 C:25ヶ月の試験の終了時のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における臨床的な骨粗鬆症骨折。 D:アバロパラチドおよびアレンドロネートまたはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における25ヶ月の試験中の臨床的な骨粗鬆症骨折のカプラン-マイヤー曲線。 図3:全ての患者群における新規の脊椎骨折。A:18ヶ月治療の終了時の新規の脊椎骨折。B:アレンドロネートの6ヶ月の治療中のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における新規の脊椎骨折。 図4:全ての患者群における非脊椎骨折。A:18ヶ月の治療の終了時の全ての患者群における非脊椎骨折。 B:18ヶ月の治療中の全ての患者群における非脊椎骨折のカプラン-マイヤー曲線。 C:25ヶ月の試験の終了時のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における非脊椎骨折。 D:25ヶ月の試験中のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における非脊椎骨折のカプラン-マイヤー曲線。 E:アレンドロネートの6ヶ月の治療中のアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療による患者群における非脊椎骨折。 図5:全ての患者群における手首BMDおよび手首骨折の低減に対するアバロパラチドの効果。(A):18ヶ月にわたる全ての患者群における手首BMDの変化:プラシーボで治療した患者(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)。 図6:18ヶ月にわたるすべての患者群における骨代謝回転マーカー(CTXおよびP1NP)の変化:プラシーボで治療した患者(ひし形) アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)。A:全ての患者群におけるP1NPの変化。 B:全ての患者群におけるCTXの変化。*:プラシーボに対してp<0.001。#:テリパラチドに対してp<0.01。 図7:18ヶ月にわたる全ての患者群における脊椎でのBMDの変化:プラシーボで治療した患者(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)。 図8:18ヶ月にわたる全ての患者群における非脊椎部位におけるBMDの変化:プラシーボで治療した患者(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)。(A):総股関節部BMD。(B):大腿骨頸部BMD。 図9:脊椎、股関節部および大腿骨頸部でのアバロパラチドおよびアレンドロネートでの治療(白抜き)またはプラシーボおよびアレンドロネートでの治療(黒塗り)での治療後25ヶ月における平均BMD増加。該特許は、プラシーボまたはアバロパラチドで18ヶ月間治療され、その後アレンドロネートでさらに6ヶ月間治療された。 図10:ベースラインでの主要な骨粗鬆症骨折確率の範囲にわたりハザード比(HR)で表される任意の臨床的骨折に対するプラシーボと比較したアバロパラチドの効果。実線はハザード比を表し、点線はハザード比についての変動/信頼区間を表す。 図11〜16:そうではないと特定されなければ、ABLはアバロパラチドを表し、TPTDはテリパラチドを表し、PBOはプラシーボを表し、Vehはビヒクルを表す。図11:実施例3についての被験体素因。 図12:24週にわたる全ての患者群における脊椎でのBMDの変化(平均パーセント変化±SE):プラシーボで治療した患者(正方形)、20μgのアバロパラチドで治療した患者(三角形)、40μgのアバロパラチドで治療した患者(逆三角形)、80μgのアバロパラチドで治療した患者(ひし形)およびテリパラチドで治療した患者(黒塗りの丸)。A:PA脊椎BMD。B:大腿骨頸部BMD。C:総股関節部BMD。*:プラシーボに対してp<0.01。%:プラシーボに対してp<0.05。&:テリパラチドに対してp<0.05。 図13:24週間の治療後に>3%のBMDの増加を有する全ての治験来院(study visit)を完了した被験体のパーセンテージ。*:プラシーボに対してp<0.01。&:テリパラチドおよびプラシーボに対してp<0.05。 図14:24週間にわたる全ての患者群における骨代謝回転マーカー(CTX、P1NPおよびオステオカルシン(osteocalcin))の変化:プラシーボで治療した患者(正方形)、20μgのアバロパラチドで治療した患者(三角形)、40μgのアバロパラチドで治療した患者(逆三角形)、80μgのアバロパラチドで治療した患者(ひし形)およびテリパラチドで治療した患者(黒塗りの丸)。A:CTX。B:P1NP。C:オステオカルシン。a:24週でプラシーボに対してp<0.002。b:24週でテリパラチドに対してp<0.003。 図15:卵巣摘出手術をした(OVX)骨減少症(osteopenic)ラットでのBMDに対するアバロパラチドの効果。(A):腰椎(lumbar spine)でのベースラインからのBMD変化。(B):腰椎BMD。(C):総大腿骨(total femur)でのベースラインからのBMD変化。(D):総大腿骨BMD。(E):大腿骨幹軸(femoral shaft)の皮質骨でのベースラインからのBMD変化。(F):大腿骨中央幹軸(femur midshaft)BMD。 図16:OVXラットにおける海綿骨微小構造でのアバロパラチド処理の効果。(A):腰椎(L4)。(B):遠位大腿骨(distal femur)。
詳細な説明
本発明の以下の説明は、単に、本発明の種々の態様を例示することを意図する。このように、記載される具体的な変更は、本発明の範囲についての限定とは考えられない。種々の均等物、変化および変更が本発明の範囲を逸脱することなくなされ得ることが当業者に明らかであり、かかる均等な態様が本発明に含まれることが理解される。
用語「副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)」は、本明細書で使用される場合、天然のヒトPTHrP (hPTHrP)およびその断片をいう。天然のhPTHrP(1-34)の配列は:
Ala Val Ser Glu His Gln Leu Leu His Asp Lys Gly Lys Ser Ile Gln Asp Leu Arg Arg Arg Phe Phe Leu His His Leu Ile Ala Glu Ile His Thr Ala (配列番号:2)である。PTHrPは、同じGタンパク質結合受容体に結合するアミノ末端で、PTHと相同性を有するタンパク質である。共通の受容体(PTHR)にかかわらず、PTHは主に、カルシウム恒常性の内分泌調節因子として働き、PTHrPは、軟骨内骨発生の媒介において重要なパラクラインの働きをする(11)。これらのタンパク質の異なる効果は、異なる組織発現だけでなく、異なる受容体結合特性にも関連し得る(12〜14)。過去数年にわたり、PTHrPは骨粗鬆症の有力な治療として研究されてきた。これらの研究の結果は組み合わされて、いくつかは、高用量のPTHrPの断続的な投与により、同時に骨吸収を刺激することなく骨形成が増加されることを示唆し、他のものは、骨吸収の適度な刺激および有意な高カルシウム血症を報告している(15〜17)。
hPTHrPの「断片」は、hPTHrPに見られるアミノ酸の完全よりも低い相補性を含む配列を有するが、同様の生物学的応答を誘発するポリペプチドをいう。典型的に、本発明において提供される方法および組成物における使用のための断片は、C末端が切断され、30〜40残基長の範囲にある。特に、hPTHrP(1-34)、および1〜15の置換を有するそのアナログは、本発明の方法および組成物において有用である。
本明細書で使用される場合、PTHrPの「アナログ」は、合計20の置換、付加および挿入の組合せは超えない、PTHrPに対して(すなわち、hPTHrPまたはその断片に対して)約1〜約20、約1〜約15または約1〜約10の当該技術分野で受容される置換、付加もしくは挿入、またはその組合せを有するポリペプチドをいう。本明細書で使用される場合、「挿入」は、ペプチド鎖中の2つの存在するアミノ酸の間のアミノ酸の挿入を含む。本明細書で使用される場合、「付加」は、ペプチド鎖のN末端またはC末端へのアミノ酸の付加を意味する。本明細書で使用される場合、「置換」は、ペプチド鎖中の存在するアミノ酸についてのアミノ酸の置換を意味する。本明細書で使用される場合、「当該技術分野で受容される(art-accepted)」置換、挿入または付加は、ペプチドの生物学的および/またはホルモン活性を維持または増加し、ペプチドの生物学的活性に有害に作用しないことを当業者が予測するものである。当該技術分野で受容される置換は、例えば、1つのアミノ酸と、化学的または生物学的に同様なアミノ酸の置換、例えば1つの疎水性アミノ酸を別の疎水性アミノ酸に置換することを含む。PTHrPアナログは、hPTHrPの天然の配列由来のその変形に関して記載される。
PTHrPアナログの例としては、限定されないが、アバロパラチドが挙げられる。アバロパラチドは、低下した骨吸収、低いカルシウム動員能力および向上した室温安定性を有する潜在的な同化作用活性を保持するように選択された(18)。動物においてなされた研究は、PTHrPアナログアバロパラチドについて著しい骨同化作用活性を示し、卵巣摘出手術誘導骨減少症のラットおよびサルにおいて骨消失とは全く逆を示した(19、20)。
以下の実施例に記載されるように、アバロパラチドで治療された被験体は、プラシーボまたはテリパラチドで治療された被験体と比較して、特定の骨折の有意な減少を示した。
プラシーボで治療された被験体と比較した場合、アバロパラチドで治療された被験体は、予期されずに、18ヶ月の試験において主要な骨粗鬆症骨折、臨床的な骨折、新規の脊椎骨折および非脊椎骨折の統計的に有意な減少を示した(例えば、実施例1、表1参照)。
テリパラチドで治療された被験体は、プラシーボ群と比較して、新規の脊椎骨折の統計的に有意な低減を示した。テリパラチドで治療された被験体と比較して、アバロパラチドで治療された被験体は、予期されずに、主要な骨粗鬆症骨折の統計的に有意な減少を示した。
アバロパラチドで治療された被験体はまた、予期されずに、非脊椎骨折(例えば、手首骨折)、および臨床的な骨折のリスクの有意な減少を示した(例えば、実施例1、表1参照)。アバロパラチドはさらに、閉経後の女性において、骨折リスク評価ツール(Fracture Risk Assessment Tool)(FRAX)を使用して、ベースライン骨折確率とは関係なく、主要な骨粗鬆症骨折および任意の臨床的な骨折のリスクを有意に低下することが見出された。
アバロパラチドで治療された被験体は、BMDだけでなくTBSにおいても有意な増加を示した(例えば、実施例4参照)。TBSは、海綿骨微小構造および骨強度(bone strength)に関連することが示されている脊椎DXA画像に適用されるグレースケールテクスチャー(grey-scale textural)分析である。TBSはまた、BMDおよび他の主要な臨床的リスク因子とは別の、閉経後の女性における脊椎および股関節部の骨折脆弱性の予測因子である。このように、TBSは、BMD単独では見過ごされる骨折のリスクを有するさらなる患者を捕捉し(35)、BMDと共に、さらに正確に骨強度を捕捉する。
より低いBMDは通常、より高い骨折のリスクに関連するが、正常または正常よりもわずかに高いBMDが必ずしもより低い骨折のリスクを示すとは限らない。例えば、二型糖尿病を有する被験体は、より高いBMDに関わらず、(特に股関節部および/または手首において)高い骨折のリスクを有することがある(21)。比較的正常なBMDと高い骨折リスクの間の不一致の背後にある1つの因子は、糖尿病(例えば、二型糖尿病)を有する被験体のより高い皮質骨多孔率であり得る。例えば、二型糖尿病を有する被験体は、対照の2倍までの皮質骨多孔率を有し得る(21)。特定の態様において、本発明において提供される治療方法は、糖尿病を有する被験体および/またはより高い皮質骨多孔率を有する被験体に対して有利であり得る。
アバロパラチドで18ヶ月間治療された被験体は、予期されずに、テリパラチドで治療された被験体に対して、総股関節部および大腿骨頸部において、有意なBMDの増加を示した(例えば、実施例1、表4〜5参照)。アバロパラチドは、テリパラチドに対して6ヶ月および12ヶ月で、腰椎BMDにおいて統計的に有意な増加、および18ヶ月で統計的でない有意なBMDの増加を示した(例えば、実施例1、表4〜5参照)。なんら理論に拘束されることを望まないが、テリパラチドで治療された被験体と比較して、アバロパラチドで治療された被験体における骨形成マーカーP1NPのより早期の増加は、BMDに対するアバロパラチドのより早い効果に寄与し得る(例えば、実施例1、図6A、および実施例3、図14B参照)。CTXマーカー(骨吸収)について、アバロパラチドで治療された被験体は、テリパラチドで治療された被験体と比較して、18ヶ月で、より早期のベースラインへの戻りを示した(例えば、実施例1、図6B参照).
さらに、アバロパラチドで18ヶ月間、その後骨吸収抑制剤(例えば、アレンドロネートで6ヶ月)治療された被験体は、プラシーボで18ヶ月、その後同様の骨吸収抑制剤療法で治療された被験体に対して、骨折リスクの有意な減少を示した(例えば、実施例1、表2参照)。
骨折の予防もしくは低減、BMSの向上および/またはTBSの向上を必要とする被験体において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)を使用して、骨折を予防もしくは低減するため、BMSを向上するためおよび/またはTBSを向上するための方法、組成物およびキットの形態のこれらの所見の実施適用が、本発明において提供される。
本開示の一局面は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を、骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において骨折を予防または低減するための方法に関する。骨折リスクの低下を示し得る例示的な骨折としては、限定されることなく、主要な骨粗鬆症骨折(臨床的な脊椎、大腿、股関節部または肩の、例えば、高または低外傷臨床的骨折)、非脊椎骨折(例えば、手首、股関節部など)、臨床的骨折(例えば、x線スキャン、放射線学者の報告、緊急治療室/緊急ケアレポート(urgent care report)、病院の退院報告、手術レポート、病院もしくは診療所のメモ書き、または他の医学的確認により確認される高い外傷ありまたはなしの骨折)、および新規の脊椎骨折が挙げられる。
本開示の別の局面は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を、非脊椎骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において非脊椎骨折を予防または低減するための方法に関する。
本開示の別の局面は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を、脊椎骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において脊椎骨折を予防または低減するための方法に関する。
本開示の別の局面は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を、BMDおよび/またはTBSの向上を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体においてBMDおよび/またはTBSを向上するための方法に関する。投与後にBMDおよび/またはTBSの向上を示し得る骨の例としては、限定されることなく、被験体における腰椎骨、総寛骨、手首骨、大腿骨、大腿骨の皮質骨(大腿骨幹)、および/または大腿骨頸部が挙げられる。
特定の態様において、本発明において提供される治療方法はさらに、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)を用いた延長された時間の治療後に、骨吸収抑制剤療法を施す工程を含む。例えば、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を一定期間被験体に投与し、その後骨吸収抑制剤の治療有効量を被験体に投与する工程を含む、被験体においてBMDおよび/または海綿骨スコアTBSを向上するための方法が本発明において提供される。投与後にBMDおよび/またはTBSの向上を示し得る骨の例としては、限定されることなく、被験体における腰椎骨、総寛骨、手首骨、大腿骨、大腿骨の皮質骨(大腿骨幹)および/または大腿骨頸部が挙げられる。また、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量を一定期間被験体に投与し、続いて骨吸収抑制剤の治療有効量を被験体に投与する工程を含む、被験体において骨折を予防または低減するための方法が本発明において提供される。骨折リスクの低減を示し得る例示的な骨折としては、限定されることなく、主要な骨粗鬆症骨折、非脊椎骨折(例えば、手首、股関節部)、臨床的骨折および新規の脊椎骨折が挙げられる。PTHrPアナログの投与後に骨吸収抑制剤の投与を含む本発明において提供されるこれらの方法において、PTHrPアナログおよび骨吸収抑制剤の投与は、ある程度の時間重複し得、すなわち骨吸収抑制剤の投与は、被験体が依然としてPTHrPアナログを受けている際に開始され得る。
本願に開示される局面および態様のために適切な骨吸収抑制剤療法を選択することは、当業者の範囲内にある。いくつかの態様において、骨吸収抑制治療剤としては、ビスホスホネート、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)、カルシトニン、カテプシンK阻害剤およびデノスマブなどのモノクローナル抗体が挙げられる。特定の態様において、骨吸収抑制治療剤は、アレンドロネートなどのビスホスホネートであり得る。
本明細書において使用される場合、用語「その必要のある被験体」は、哺乳動物被験体、例えばヒトをいう。特定の態様において、その必要のある被験体は、正常よりも高い骨折のリスクを有する。特定の態様において、その必要のある被験体は、低BMDおよび高皮質骨多孔率からなる群より選択される1つ以上の状態を有する。BMDは、デジタルX線画像分析(digital x-ray radiogrammetry) (DXR)または当該技術分野において公知の他の方法により測定され得る。本明細書において使用される場合、用語「低BMD」は、例えば、脊椎(例えば、腰椎)、股関節部(例えば、総股関節部または大腿骨頸部)および手首からなる群より選択される1つ以上の部位での≦約2または≦約-2.5のBMD Tスコアを意味する。本明細書において使用される場合、用語「皮質骨多孔率」は、骨が占めない皮質骨体積の画分を意味する。皮質骨多孔率は、外部領域から開始される再帰(クライミング(climbing))アルゴリズムを使用して、皮質骨領域中の局所的な最小強度(「ホール(holes)」)の推定値を提供するために、DXRまたは他の当該技術分野で公知の方法により測定され得る(10)。組み合された多孔率測定値は、含まれる骨全体の平均をとり、突出した領域よりもむしろ体積比を反映するように調整する(scaling)ことにより、皮質面積全体に対する皮質部中に見られるホールの面積パーセンテージから導き出される。「高皮質骨多孔率」は、対照としての同じ年齢群の健常な被験体よりも約10%高い、約15%高い、約20%高い、約50%高い、約100%高いまたは約150%高い多孔率を意味する。例えば、被験体は約0.01256の皮質骨多孔率を有し得、対照群は約0.01093の皮質骨多孔率を有し得る(10)。高皮質骨多孔率を有する被験体は、わずかに低いBMD、正常なBMDまたは正常BMDよりもわずかに高いBMD、例えば少なくとも約-2、少なくとも約-1.5、少なくとも約-1、少なくとも約-0.5、少なくとも約-0.25、少なくとも約-0.2、少なくとも約-0.1、少なくとも約0、約-2〜約3、約-2〜約2.5、約-2〜約2、約-2〜約1.5、約-2〜約1、約-2〜約0.5、約-2〜約0.25、約-2〜約0.2、約-2〜約0.1または約-2〜約0のBMD Tスコアを有し得る。例えば、二型糖尿病を有する被験体は、正常または正常BMDよりもわずかに高いBMDを有しながら、対照の2倍までの皮質骨多孔率を有し得る(21)。適切なその必要のある被験体の例としては、限定されることなく、女性、骨粗鬆症および/または糖尿病(例えば、一型または二型糖尿病)を有する女性、閉経後の女性、骨粗鬆症および/または糖尿病(例えば、一型または二型糖尿病)を有する閉経後の女性ならびに骨粗鬆症および/または糖尿病(例えば、一型または二型糖尿病)を有する男性が挙げられる。
本明細書において使用される場合、用語「治療有効量」は、特定の治療的文脈が必要とし得る場合に、必要とされるかまたは所望な治療的および/または予防的応答を発揮するのに十分な化合物または薬剤の量をいう。特定の態様において、治療有効量は、最大治療効果を生じる組成物の量である。他の態様において、治療有効量は、最大治療効果よりも低い治療効果を生じる。例えば、治療有効量は、最大の治療効果を生じる用量に関連する1つ以上の副作用を回避しながら、治療効果を生じる量であり得る。特定の組成物についての治療有効量は、限定されないが、治療組成物の特性(例えば、活性、薬物動態学、薬力学およびバイオアベイラビリティ)、被験体の生理学的状態(例えば、年齢、体重、性別、疾患の種類および段階、医療歴、一般的な身体的状態、所定の用量に対する応答性および他の存在する医薬)、組成物中の任意の薬学的に許容され得る担体の性質および投与経路を含む種々の要因に基づいて変化する。臨床および薬学的分野の従事者は、通常の実験により、つまり組成物の投与に対する被験体の応答をモニタリングすることおよび用量を調整することにより治療有効量を決定し得る。さらなるガイダンスについては、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第22版、Pharmaceutical Press, London, 2012およびGoodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第12版、McGraw-Hill, New York, NY, 2011(それらの全開示は参照により本明細書に援用される)を参照。
PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量の例としては、限定されることなく、約10μg〜約250μg、約50μg〜約200μg、約50μg〜約150μg、約70μg〜約100μg、約70μg〜約90μg、約75μg〜約85μg、約20μg、約40μg、約60μg、約80μg、約100μg、約120μg、約150μg、約200μgまたは約250μgも挙げられる。PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療有効量の他の例としては、限定されることなく、約5μg/kgまたは約20μg/kgが挙げられ得る。特定の骨吸収抑制剤に応じて、当業者は、骨吸収抑制剤の治療有効量を選択し得る。骨吸収抑制剤の量は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の治療と併用されるまたはそれに続いて使用される場合、さらに最適化され得る。
特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)は、皮下注射または経皮投与により投与される。
特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)は固定された期間に投与される。他の態様において、投与は、特定の治療水準点が達成される(例えば、脊椎骨、寛骨および/または大腿骨頸部などの骨で、BMDは約3%以上増加する)まで行われる。投与についての適切な時間枠の例としては、限定されることなく、6週、12週、3ヶ月、24週、6ヶ月、48週、12ヶ月、18ヶ月または24ヶ月が挙げられる。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)は、1日に1回、1日に2回、1日に3回または1日に3回よりも多くで投与される。他の態様において、投与は、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、1週間に1回、または1ヶ月に1回でなされ得る。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)は18ヶ月間にわたり1日に1回投与される。
特定の態様において、骨吸収抑制剤は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)を延長した期間にわたり受けている被験体に投与され得る。PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)による治療に続いて、骨吸収抑制剤は、6週、12週、3ヶ月、24週、6ヶ月、48週、12ヶ月、18ヶ月および24か月などの固定された期間にわたり被験体に投与される。特定の態様において、骨吸収抑制剤は、1日に1回、1日に2回、1日に3回または1日に3回よりも多く投与される。他の態様において、投与は、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回または1年に1回なされ得る。特定の態様において、骨吸収抑制剤は、6ヶ月、9ヶ月または12ヶ月にわたり1日に1回投与される。特定の態様において、PTHrPアナログおよび骨吸収抑制剤の投与は、ある程度の期間重複し得、すなわち骨吸収抑制剤の投与は、被験体が依然としてPTHrPアナログを受けている間に開始され得る。
本明細書において開示されるように、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療される被験体は、治療を受けない被験体またはプラシーボで治療される被験体と比較して、骨折の有意な減少を示す。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療される被験体は、治療されない被験体またはプラシーボで治療される被験体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または約100%の骨折の減少を示し得る。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、治療されない被験体またはプラシーボで治療された被験体と比較した場合、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の手首の骨折リスクを、約40%〜約70%、約50%〜約65%、約55%〜約60%または少なくとも約58%低減する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の手首の骨折のリスクは、テリパラチドで治療された被験体と比較して、約40%〜約80%、約50%〜約75%、約60%〜約75%、約65%〜約75%、約70%〜約75%または少なくとも約72%減少される。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の主要な骨粗鬆症骨折リスクを、プラシーボで治療された被験体と比較して、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約75%、約60%〜約75%、約65%〜約75%、約70%〜約75%、約58%または少なくとも約71%減少する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の主要な骨粗鬆症骨折リスクは、テリパラチドで治療された被験体と比較して、約40%〜約70%、約50%〜約65%、約55%〜約60%または少なくとも約57%減少される。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の臨床的な骨折リスクを、治療されない被験体またはプラシーボで治療された被験体と比較して、約30%〜約70%、約35%〜約65%、約40%〜約60%、約40〜約50%または少なくとも約45%減少する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の臨床的な骨折リスクは、テリパラチドで治療された被験体と比較して、約15%〜約40%、約20%〜約35%、約20%〜約30%、約20%〜約25%または少なくとも約23%減少される。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の新規の脊椎骨折リスクを、治療されない被験体またはプラシーボで治療された被験体と比較して、約50%〜約95%、約60%〜約95%、約70%〜約90%、約80〜約88%、少なくとも約87%または少なくとも約86%減少する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体は、テリパラチドで治療された被験体に対して、約15%〜約45%、約20%〜約40%、約25%〜約35%または少なくとも約30%減少される脊椎骨折リスクを示す。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の非脊椎骨折のリスクを、治療されない被験体またはプラシーボで治療された被験体と比較した場合、約30%〜約70%、約35%〜約65%、約40%〜約60%、約40〜約50%、約51%または少なくとも約45%減少する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の非脊椎骨折リスクは、テリパラチドで治療された被験体と比較して、約15%〜約40%、約20%〜約35%、約20%〜約30%、約20%〜約25%または少なくとも約24%減少される。
特定の態様において、本発明において提供される方法は、腰椎、大腿骨頸部および総股関節部においてBMDの有意な増加を生じる。特定の態様において、本明細書に開示される方法は、テリパラチドで治療された被験体と比較して、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)の最初の投与後の1年目以内に、腰椎、大腿骨頸部および総股関節部において有意なBMDの増加を生じる。特定の態様において、本明細書に開示される方法は、テリパラチドで治療された被験体と比較して、大腿骨頸部および総股関節部において有意なBMDの増加を生じる。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の腰椎でのBMDは、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約5.2%、少なくとも約6%、少なくとも約6.7%、少なくとも約12.8%、約2%〜約8%、約6%〜約8%、約2%〜約7%、約6%〜約7%、約5.8%〜約7%、約2%〜約15%、約6%〜約15%、約2%〜約14%、約6%〜約14%、約2%〜約13%、約6%〜約13%、約2%〜約12.8%、約6%〜約12.8%または約5.8%〜約12.8%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の大腿骨頸部でのBMDは、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.7%、少なくとも約3%、少なくとも約3.1%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、約1.5%〜約4%、約2%〜約4%、約2.5%〜約4%、約2%〜約3.5%、約1.5%〜約6%、約2%〜約6%、約2.5%〜約6%、約1.5%〜約5%、約2%〜約5%、約2.5%〜約5%、約1.5%〜約4.5%、約2%〜約4.5%または約2.5%〜約4.5%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の総股関節部のBMDは、少なくとも約1.4%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.6%、少なくとも約3%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約5.5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、約0.6%〜約3%、約1%〜約3%、約1.5%〜約3%、約0.6%〜約3.5%、約1%〜約3.5%、約1.5%〜約3.5%、約0.6%〜約4%、約1%〜約4%、約1.5%〜約4%、約2%〜約4%、約0.6%〜約4.5%、約1%〜約4.5%、約1.5%〜約4.5%、約2%〜約4.5%、約0.6%〜約5%、約1%〜約5%、約1.5%〜約5%、約2.0%〜約5%、約0.6%〜約5.5%、約1%〜約5.5%、約1.5%〜約5.5%、約2%〜約5.5%、約0.6%〜約6%、約1%〜約6%、約1.5%〜約6%、約2%〜約6%、約0.6%〜約6.5%、約1%〜約6.5%、約1.5%〜約6.5%、約2.0%〜約6.5%、約0.6%〜約7%、約1%〜約7%、約1.5%〜約7%または約2%〜約7%増加し得る。
特定の態様において、被験体は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)を24週間にわたり20μg、40μgまたは80μgの日用量で投与される。特定の態様において、この投与により、腰椎、大腿骨頸部および総股関節部において有意なBMDの増加を生じる(例えば、図12参照)。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体についての腰椎でのBMDは、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約5.2%、少なくとも約6%、約6.7%、少なくとも約2%〜約8%、少なくとも約6%〜約8%、少なくとも約6%〜約7%または約5.8%〜約7%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の大腿骨頸部でのBMDは、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.7%、少なくとも約3.1%、約2%〜約4%、約1.5%〜約4%、約2.5%〜約4%または約2%〜約3.5%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の総股関節部のBMDは、少なくとも約1.4%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.6%、約1%〜約3%、約0.6%〜約3.5%、約1%〜約3.5%または約1.5%〜約3%増加し得る。
特定の態様において、被験体は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)を、18ヶ月にわたり、20μg、40μgまたは80μgの日用量で投与され、その後6ヶ月にわたり、10mg/日または70mg/週(例えば、経口)、5mg/日または35mg/週(例えば、経口)、15mg/日または105mg/週(例えば、経口)、20mg/日または140mg/週(例えば、経口)、約5〜約20mg/日または約35〜約140mg/週(例えば、経口)、約5〜約15mg/日または約35〜約105mg/週(例えば、経口)、約5〜約10mg/日または約35〜約70mg/週(例えば、経口)または約10〜約20mg/日または約70〜約140mg/週(例えば、経口)の用量でアレンドロネートを投与される。 特定の態様において、これにより、腰椎、大腿骨頸部および総股関節部において有意なBMDの増加が生じる(例えば、図12参照)。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の腰椎でのBMDは、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約5.2%、少なくとも約6%、少なくとも約6.7%、少なくとも約12.8%、約2%〜約8%、約6%〜約8%、約2%〜約7%、約6%〜約7%、約5.8%〜約7%、約2%〜約15%、約6%〜約15%、約2%〜約14%、約6%〜約14%、約2%〜約13%、約6%〜約13%、約2%〜約12.8%、約6%〜約12.8%または約5.8%〜約12.8%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の大腿骨頸部でのBMDは、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.7%、少なくとも約3%、少なくとも約3.1%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、約1.5%〜約4%、約2%〜約4%、約2.5%〜約4%、約2%〜約3.5%、約1.5%〜約6%、約2%〜約6%、約2.5%〜約6%、約1.5%〜約5%、約2%〜約5%、約2.5%〜約5%、約1.5%〜約4.5%、約2%〜約4.5%または約2.5%〜約4.5%増加し得、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で治療された被験体の総股関節部のBMDは、少なくとも約1.4%、少なくとも約2.0%、少なくとも約2.6%、少なくとも約3%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約5.5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、約0.6%〜約3%、約1%〜約3%、約1.5%〜約3%、約0.6%〜約3.5%、約1%〜約3.5%、約1.5%〜約3.5%、約0.6%〜約4%、約1%〜約4%、約1.5%〜約4%、約2%〜約4%、約0.6%〜約4.5%、約1%〜約4.5%、約1.5%〜約4.5%、約2%〜約4.5%、約0.6%〜約5%、約1%〜約5%、約1.5%〜約5%、約2.0%〜約5%、約0.6%〜約5.5%、約1%〜約5.5%、約1.5%〜約5.5%、約2%〜約5.5%、約0.6%〜約6%、約1%〜約6%、約1.5%〜約6%、約2%〜約6%、約0.6%〜約6.5%、約1%〜約6.5%、約1.5%〜約6.5%、約2.0%〜約6.5%、約0.6%〜約7%、約1%〜約7%、約1.5%〜約7%または約2%〜約7%増加し得る。
特定の態様において、被験体は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)により12〜24週間、20μg、40μgまたは80μgの日用量で治療される。アバロパラチドのこの投与養生法は、治療された被験体におけるTBSを有意に増加することが本明細書に示され、海綿骨微小構造の向上が示唆される。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で12週間治療された被験体のTBSは、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.9%、約1%〜約2.5%、約1%〜約2%、約1.6%〜約2.5%、約1.7%〜約2.5%、約1.6%〜約2%または約1.7%〜約2%増加する。特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)で24週間治療された被験体のTBSは、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.7%、少なくとも約3.6%、約2%〜約4.5%、約2%〜約4%、約2.7%〜約4.5%、約2.7%〜約4%、約3%〜約4.5%または約3%〜約4%増加する。
本明細書に開示される方法の特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)は、例えばアレンドロネート治療を含む1つ以上のさらなる骨粗鬆症治療と組み合わせて投与される。これらの態様において、さらなる骨粗鬆症治療は、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)での治療の前、その間またはその後に投与され得る。PTHrPまたはそのアナログおよびさらなる骨粗鬆症治療は、別々にまたは同じ組成物の一部として投与され得る。2つの薬剤の投与は、同じ時期に、もしくは同じ時期の周囲に、例えば同時になされ得るか、または2つの薬剤は異なる時点で投与され得る。
特定の態様において、PTHrPまたはそのアナログ(例えば、アバロパラチド)および/またはさらなる骨粗鬆症治療は、有効成分(1つまたは複数)として医薬組成物中で投与される。かかる医薬組成物はさらに、薬学的に許容され得る担体を含み得る。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容され得る担体」は、身体の1つの組織、器官または部分から身体の別の組織、器官または部分への目的の化合物または分子の運搬または輸送に関与する薬学的に許容され得る材料、組成物またはビヒクルをいう。薬学的に許容され得る担体は、限定されないが、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、緩衝剤、封入材料、界面活性物質、安定化剤、充填剤もしくは色素、またはそれらのいくつかの組合せを含む種々の成分を含み得る。担体のそれぞれの成分は、組成物の他の成分と適合性でなければならないように「薬学的に許容され得」なければならず、出くわし得る身体の任意の組織、器官また部分との接触について適切でなければならず、該成分が、その治療的利益に対して過度に影響を及ぼす毒性、刺激性、アレルギー応答、免疫原性または任意の他の合併症のリスクを保有してはならないことを意味する。
本発明において提供される組成物と併用され得る薬学的に許容され得る担体の例としては、限定されないが、(1)糖、例えばラクトース、グルコース、スクロースまたはマンニトール、(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン、(3)セルロースおよびその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えばラッカセイ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)崩壊剤、例えば寒天または炭酸カルシウム、(14)緩衝剤またはpH調整剤、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カルシウムおよびリン酸緩衝液、(15)アルギン酸、(16)発熱原非含有水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)アルコール、例えばエチルアルコールおよびプロパンアルコール、(20)パラフィン、(21)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコールまたはラウリル硫酸ナトリウム、(22)着色剤または色素、(23)滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルクおよびデンプンまたは三塩基リン酸カルシウム、(24)医薬組成物に使用される他の非毒性の適合性物質、例えばアセトン、ならびに(25)それらの組合せが挙げられる。
特定の態様において、アバロパラチドは、約2〜約7、約4.5〜約5.6または約5.1の範囲のpHを有する医薬組成物として投与される。
本明細書において使用される場合、用語「約」は、記載される値または値の範囲の10%以内であることを意味する。
当業者は、本明細書に記載される種々の態様を組み合わせ得ることを理解する。例えば、本明細書に開示される治療の種々の方法の工程は、満足のいくまたは向上される治療のレベルを達成するために組み合され得る。
以下の実施例は、特許請求される発明をよりよく説明するために提供され、発明の範囲の限定を意図しない。具体的な材料が記載される程度にまで、単に例示目的であり、発明を限定することを意図しない。当業者は、過度な発明能力を有することなく、かつ発明の範囲から逸脱することなく、均等な手段または反応体を開発し得る。依然として本発明の範囲内にある本明細書に記載される手法において、多く変形がなされ得ることが理解される。かかる変形が本発明の範囲に含まれることが本発明の意図である。
実施例
実施例1. 骨粗鬆症を有する閉経後の女性における骨折の減少における使用のためのPTHrPアナログアバロパラチドの評価。
骨粗鬆症を有するかそうでなければ健常な閉経後の女性において、アバロパラチドのACTIVEフェーズ3骨折予防試験を行った。含まれる被験体を、80マイクログラム(μg)のアバロパラチド、適合するプラシーボまたは承認された日用量20μgのテリパラチドで18ヶ月間治療した。全ての患者群において、ACTIVE試験により、骨折の割合、骨折リスク、BMDおよび骨代謝回転バイオマーカー(例えばCTXおよびP1NP)を評価した。アバロパラチド治療群およびプラシーボ治療群における適格被験体は延長試験を続け(ACTIVExtend)、この試験で被験体は、骨粗鬆症管理について承認されたアレンドロネート治療を6ヶ月受け、骨折発生率が評価された。
骨折リスクの減少およびハザード比(HR)はカプラン-マイヤー(KM)曲線から得た。アバロパラチド治療群は、非脊椎骨折(例えば、手首)および臨床的な骨折(指、つま先、胸骨、膝蓋骨、頭蓋骨および顔面骨を除く)のリスクにおいて有意な減少を示した。プラシーボ群と比較すると、アバロパラチド治療群は、主要な骨粗鬆症骨折、臨床的な骨折、新規の脊椎骨折および非脊椎骨折において、ACTIVE試験およびACTIVEExtend試験の両方の間に統計的に有意な減少を示した(表1および2)。プラシーボで治療した被験体と比較すると、テリパラチドで治療した被験体は、新規の脊椎骨折のみにおいて統計的に有意な骨折の減少を示したが、主要な骨粗鬆症骨折、臨床的な骨折または非脊椎骨折においては統計的に有意な減少を示さなかった(表1)。さらに、アバロパラチドは、テリパラチドに対して、主要な骨粗鬆症骨折および手首の骨折において統計的に有意な減少を示した。実際に、テリパラチド群は、手首の骨折についてはプラシーボ群よりも高い骨折リスクを示した。
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BMDおよび骨代謝回転バイオマーカー(CTXおよびP1NP)も、アバロパラチド 対 テリパラチドの効果を比較するために全ての患者群において評価した。
脊椎(例えば、腰椎)、股関節部および大腿骨頸部を含む試験した全ての部位で、アバロパラチドで18ヶ月間治療してその後アレンドロネートで6ヶ月間治療した患者は、有意なBMDの増加を示した(図9)。アバロパラチド治療群においては、プラシーボ群よりも多くの患者が表7に示されるようにBMD閾値応答を達成した。
アバロパラチドはまた、総股関節部BMDおよび大腿骨頸部BMDにおいて、18ヶ月間のACTIVE試験を通して、テリパラチドに対して統計的に有意なBMD増加を示した(表4〜5)。アバロパラチドは、6ヶ月目および12ヶ月目で、腰椎においてテリパラチドに対して統計的に有意なBMD増加を示し、18ヶ月目ではBMD増加は統計的に有意ではなかった(表4〜5)。
アバロパラチド群(正方形)は、テリパラチド群(三角形)と比較して、P1NPマーカー(骨形成)においてより速い増加(約1ヶ月)を示した(図6A)。CTXマーカー(骨吸収)について、アバロパラチド(正方形)は、テリパラチド群(三角形)と比較して、より速い戻りを示した(図6B)。
試験設計:
PTHrPアナログアバロパラチドについてのACTIVE中枢フェーズ3骨折予防試験、試験BA058-05-003(ClinicalTrials.gov参照)は、80マイクログラム(μg)のアバロパラチド、適合したプラシーボまたは承認された日用量20μgのテリパラチドの1つの18ヶ月間の日用量を受けることについて無作為化された閉経後骨粗鬆症女性における無作為化した、二重盲検、プラシーボ対照試験であった。80μgの日用量でのアバロパラチドまたはプラシーボによる治療は、試験の間中全ての群(party)について盲検のままであった。使用したテリパラチドは、特許された予め充填された薬物であり、再度包装できないデバイスの組合せであった。そのため、その同一性は、治療する医師および患者に対して、いったん使用が開始されると盲検にはできなかった。試験医薬は、最大で18ヶ月間皮下注射により毎日自己投与された。全ての含まれる患者は、試験に含まれた時から治療期間の終了時点までカルシウムおよびビタミンDの補充も受けた。一月の追跡期間中もこれらの補充を続けることが患者に推奨された。
試験は、米国、欧州、南アメリカおよびアジアの10カ国の28の医療センターで2463名の患者により2013年3月に登録が完了した。選択された患者のベースライン特性の詳細を以下の表3に示す。
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少なくとも5年間閉経でいる49〜86歳(端を含む)の年齢の試験に含まれるかそうでなければ健常な歩行する女性は、試験登録基準に同意し、書面でのインフォームドコンセントを受けた。試験に含まれる女性は、腰椎または股関節部(大腿骨頸部)で、二重エネルギーX線吸収測定法(dual-energy X-ray absorptiometry) (DXA)により≦-2.5のBMD Tスコア、2以上の軽症または1以上の中程度の腰椎または胸部脊椎骨折の放射線医学的な証拠、または過去5年間に軽度の外傷的前腕、上腕、仙椎、骨盤、股関節部、大腿または脛骨の骨折の病歴を有した。前述の骨折基準を満たすが<-2.0のTスコアを有する65歳を超える閉経後の女性も含まれた。骨折基準を満たさない65歳上の女性も、Tスコアが<-3.0の場合は含まれ得た。全ての患者は、病歴、医師の検査(生命徴候を含む)および臨床的な実験室試験により決定されるように一般的な健康において良好であった。この試験集団は、専門医が実際的な治療を求める重度の骨粗鬆症患者の種類を反映する患者集団を含んだ。
ACTIVEプロトコルに記載されるように、主な有効性終点は、プラシーボを受けた患者と比較して、治療の終了時点で発生(incident)脊椎骨折を有するアバロパラチドで治療された患者の数であった。あらかじめ特定された第2の有効性パラメーターは、他の終点の中に、非脊椎骨折の発生率/リスクの減少、DXAで評価してテリパラチドと比較した際のベースラインから治療の終了までの脊椎、股関節部および大腿骨頸部のBMDの変化、ならびに治療の終了時点でのテリパラチドと比較した際のアバロパラチド治療患者中の高カルシウム血症事象の数を含んだ。
ACTIVE試験において行った安全性評価には、医師の検査、生命徴候、12の先行する心電図またはECG、または臨床的実験室試験、ならびに有害事象のモニタリングおよび記録が含まれた。具体的な安全性評価には、血清カルシウムの投与前および投与後(4時間)の決定、クレアチニンクリアランスの決定、選択された訪問での投与後ECG評価、ならびに選択された臨床訪問での体位性低血圧(投与後60分)の評価が含まれた。
フェーズ3 ACTIVE試験におけるアバロパラチド80μgおよびプラシーボ群の患者のそれぞれは、延長試験(ACTIVExtend)を継続するのに適格であり、この試験中患者らは、骨粗鬆症管理について承認されたアレンドロネート治療を受けている。アバロパラチド開発プログラムのための重要な終点は、アバロパラチド治療およびプラシーボ治療患者を含む全ての無作為化された患者における24ヶ月までの発生的な脊椎および非脊椎骨折の減少であり、患者の全ては、ACTIVExtendにおいてアレンドロネートで治療される。
ACTIVExtend試験には、患者への6ヶ月間のアレンドロネート(10mg/日または70mg/週、経口)の投与、その後18ヶ月間のアバロパラチド80μg/日での治療が含まれた(N=558)。25ヶ月目にデータを集めた。プラシーボ群についても、同じ期間、アレンドロネートで治療した(N=581)。
結果
骨折リスク低減
プラシーボと比較した第2の終点において、アバロパラチドにより、決定された(adjudicated)患者の非脊椎骨折サブセット(プラシーボ群:n=33、骨折率4.0%;およびアバロパラチド群:n=18、骨折率2.2%)において43%の統計的に有意な骨折リスクの減少(p=0.0489、95% CI=0.32〜1.00)が達成され(図4A)、脊椎骨折および非脊椎骨折の両方を含む決定された臨床的骨折群(プラシーボ群:n=49、骨折率6.0%;およびアバロパラチド群:n=27、骨折率3.3%)において43%の統計的に有意な減少(p=0.0165、95% CI=0.35〜0.91)が達成され(図2A)、決定された非脊椎骨折(図4B)および臨床的骨折の患者サブセット(図2B)の両方で、最初の発生非脊椎骨折までの時間に統計的に有意な差が達成された。 オープンラベルテリパラチド[rDNA起点]注射治療群は、プラシーボと比較して、決定された患者の非脊椎骨折サブセット(図4A)において28%の骨折リスクの減少(p=0.2157、95% CI=0.42〜1.22)、および決定された臨床的骨折群(図2A)において29%の減少(95% CI=0.46〜1.09)が達成された。アバロパラチド治療群において観察される骨折リスクの減少は、オープンラベルテリパラチドと比較して、統計的に有意ではなかった(図2Aおよび4A、ならびに表1)。
代替的に、脊椎骨折の悪化を除き、新規の脊椎骨折のみを含む発生脊椎骨折減少の主な終点を実施した(図3Aおよび3B)。この分析を使用して、新規の脊椎骨折の減少の主な終点において(悪化を除く)、アバロパラチド(N=690、n=4、骨折率0.58%)は、プラシーボ治療群(N=711、n=30、骨折率4.22%)と比較して、統計的に有意な86%の減少を達成した(*:p<0.0001)(図3A)。オープンラベルテリパラチド注射治療群(N=717、n=6、骨折率0.84%)は、プラシーボ治療群と比較して、新規の脊椎骨折(悪化を除く)の統計的に有意な80%の減少を示した(*:p<0.0001)(図3A)。
図1Aおよび1Bに示されるように、治療の18ヶ月後、アバロパラチドは予期されずに、プラシーボと比較して主要な骨粗鬆症骨折のリスクの70%の有意な減少(95% CI=0.15〜0.61)を示し(図1A、*:p=0.0004、アバロパラチド 対 プラシーボ)、テリパラチド群と比較して主要な骨粗鬆症骨折のリスクにおいて55%の有意な減少を示した(図1A、†:p=0.0309、アバロパラチド 対 テリパラチド)。しかしながら、テリパラチドで治療した群における主要な骨粗鬆症骨折のリスクは、プラシーボと比較して33%の統計的に有意でない減少を示した(p=0.135、95% CI=0.39〜1.14)。主要な骨粗鬆症骨折のリスクは、テリパラチドよりもアバロパラチドによって有意に減少した(HR 0.45、p=0.0309、95% CI=0.21〜0.95)。アバロパラチドはまた、18ヶ月目で、テリパラチドと比較して、主要な骨粗鬆症骨折に対して有意に向上した効果を示した。図1Cおよび1Dに示すように、25ヶ月目に、アバロパラチドで18ヶ月治療しその後6ヶ月間アレンドロネートで治療した患者(N=558)は、アバロパラチドでの先行治療なしでアレンドロネートのみで治療したプラシーボ(N=581)と比較して、主要な骨粗鬆症骨折のリスクにおいて58%の有意な減少を示した(p=0.0122)。図1Eには、アレンドロネート治療の6ヶ月間、アバロパラチドで予め18ヶ月間治療された患者(N=558)は、アバロパラチドの先行治療なしでアレンドロネートのみで治療されたプラシーボ(N=581、n=4)と比較して、主要な骨粗鬆症骨折(n=2)のリスクを減少したことが示される。
図2Aおよび2Bに示されるように、18ヶ月目に、アバロパラチドは予期せずに、プラシーボと比較して、臨床的骨折のリスクにおいて43%の有意な減少を示した(p=0.0165)。アバロパラチドはまた、18ヶ月目でテリパラチドと比較して、臨床的骨折に対して向上した効果を示した。図2Cおよび2Dに示されるように、25ヶ月目に、アバロパラチドで18ヶ月間治療し、その後6ヶ月間のアレンドロネート治療を受けた患者は、アバロパラチドの先行治療なしでアレンドロネートのみで治療したプラシーボと比較して、臨床的骨折のリスクにおいて45%の有意な減少を示した(p=0.0210).
図3Aおよび3Bに示されるように、18ヶ月目に、アバロパラチドは予期されずに、プラシーボと比較して、新規の脊椎骨折の発生率において、86%の有意な減少を示した(p<0.0001)。アバロパラチドはまた、18ヶ月目で、テリパラチド(80%減少)と比較して、新規の脊椎骨折に対して向上した効果を示した(p<0.0001)。図3Bにはさらに、アバロパラチドで治療された患者は、6ヶ月のアレンドロネート治療期間中に脊椎骨折を有さなかったことが示される。
図4Aおよび4Bに示されるように、18ヶ月目に、アバロパラチドは、予期されずに、プラシーボと比較して、非脊椎骨折のリスクにおいて、43%の有意な減少を示した(p=0.0489)。テリパラチドは、プラシーボと比較して、非脊椎骨折のリスクにおいてNS減少(28%)を示した(p=0.2157)。アバロパラチドはまた、18ヶ月目に、テリパラチドと比較して、非脊椎骨折に対して向上した効果を示した。図4Cおよび4Dに示されるように、25ヶ月目に、アバロパラチドで18ヶ月間治療し、その後アレンドロネート治療をさらに6ヶ月間続けた患者は(N=558)、アバロパラチドの先行治療なしでアレンドロネートのみで治療したプラシーボ(N=581)と比較して、非脊椎骨折のリスクにおいて52%の有意な減少を示した(p=0.0168)。図4Eには、アレンドロネート治療の6ヶ月の間に、予めアバロパラチドで18ヶ月間治療された患者は(N=558)、アバロパラチドの先行治療なしでアレンドロネートのみで治療したプラシーボと比較して、非脊椎骨折(n=3)のリスクを減少した(N=581、n=7)ことが示される。
BMDおよび骨代謝回転バイオマーカー
図5Aには、全ての患者群:プラシーボ(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)、およびテリパラチドで治療した患者(三角形)における手首BMDの変化を示した。テリパラチドとの比較において、アバロパラチドは、予期されずに、遠位(ultra-distal)橈骨において18ヶ月目にBMD維持の有意な向上を示した。
図6Aおよび図6Bには、全ての患者群:プラシーボ(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)における骨代謝回転マーカー:CTX(骨吸収)およびP1NP(骨形成)の変化を示した。図6Aおよび図6Bには、P1NPマーカー(骨形成)について、テリパラチド(三角形)と比較して、アバロパラチド(正方形)が約1ヶ月のより速い上昇を示し、CTXマーカー(骨吸収)について、テリパラチド(三角形)と比較して、アバロパラチド(正方形)が18ヶ月でより速い戻りを示したことが示される。
アバロパラチド 対 テリパラチドの比較分析は、以下の表4に示される反復測定についての混合効果モデル(Mixed-Effect Model for Repeated Measures) (MMRM)法を使用した以下のBMD二次終点後に完了した:
Figure 0006755256
PTHrPアナログアバロパラチドおよびテリパラチド比較分析は、以下の表5に示されるANCOVAアプローチを使用した以下のBMD二次終点後に完了した:
Figure 0006755256
骨吸収:骨吸収の変化は、アバロパラチドで治療した患者とテリパラチドで治療した患者の間に有意な差を示した。全ての時点で、CTXは、アバロパラチドで治療した群よりもテリパラチド群において有意に増加した。アバロパラチドはプラシーボと比較して、CTXの一過的な上昇レベルを示したが、テリパラチドは、プラシーボと比較して、CTXの持続的な上昇レベルを示した。アバロパラチド群とテリパラチド群のCTXレベルの差は、2つの治療の間の異なる「同化作用窓(anabolic windows)」を示し得る。18ヶ月目に、アバロパラチドで治療した群におけるCTXレベルは、プラシーボと比較して統計的に有意であり、一方でテリパラチドはプラシーボと比較して高いレベルを示した。
骨形成:骨代謝回転の変化は、骨吸収の変化とは異なるパターンを示した。テリパラチド群のP1NPレベルは、アバロパラチドで治療した群のものよりも高かったが、P1NPレベルの差は、CTXレベルの差ほど有意ではなかった。両方の治療群のP1NPレベルは、全ての時点でプラシーボのものよりも有意に高かった。
図7には、全ての患者群:プラシーボ(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)における脊椎でのBMDの変化を示す。アバロパラチドは、テリパラチドと比較して、6ヶ月および12ヶ月で腰椎において有意に大きいBMD増加を示した。
図8には、全ての患者群:プラシーボ(ひし形)、アバロパラチドで治療した患者(正方形)およびテリパラチドで治療した患者(三角形)における、非脊椎部位(総股関節部および大腿骨頸部)でのBMDの変化を示す。全ての時点で、アバロパラチドおよびテリパラチドは、プラシーボと比較して、有意に大きいBMD増加を示した。アバロパラチドは、テリパラチドと比較して、6、12および18ヶ月で、総股関節部および大腿骨頸部において有意に大きいBMD増加を示した。さらに、アバロパラチドで治療した群と比較してテリパラチド群では、総股関節部および大腿骨頸部で同じレベルのBMD増加を達成するために、約6ヶ月の遅延があった。そのため、アバロパラチドは迅速なBMD応答において有意な結果を達成した。
6ヶ月目に、アバロパラチドで治療した被験体の19.1%は、プラシーボ群について0.9%およびテリパラチド群についての6.5%と比較して、全ての3つの部位(腰椎、総股関節部および大腿骨頸部)で、>3%のBMDの増加を示した。12ヶ月目に、アバロパラチド治療群の33.2%は、プラシーボ群(1.5%)またはテリパラチド群(19.8%)と比較して、>3%のBMDの増加を有した。18ヶ月目に、アバロパラチド治療群の44.5%は、プラシーボ群(1.9%)またはテリパラチド群(32.0%)と比較して、>3%のBMDの増加を有した。差の全ては統計的に有意であった、p<0.0001。
図9には、脊椎(例えば、腰椎)、股関節部および大腿骨頸部を含む試験した全ての部位で、アバロパラチドで18ヶ月間治療して、その後アレンドロネートで6ヶ月間治療した患者は、有意なBMD増加を示したことが示される。
さらに、表6には、25ヶ月目で脊椎、股関節部および大腿骨頸部においてBMD増加を有する患者のパーセンテージを示す。アバロパラチド治療群において、より多くの患者がBMD閾値応答を達成した。
Figure 0006755256
効果:
図4Bには、治療対象(intent-to-treat)集団における治療群による第1の発生非脊椎骨折(指、趾、胸骨、膝蓋骨、頭蓋骨および顔面骨を除く)に対する時間のカプラン-マイヤー曲線を示す。図2Bには、治療対象集団における治療群による第1の発生臨床的骨折(指、趾、胸骨、膝蓋骨、頭蓋骨および顔面骨を除く)に対する時間のカプラン-マイヤー曲線を示す。カプラン-マイヤー曲線は、アバロパラチドで治療した群における非脊椎骨折および臨床的骨折のリスクの有意な減少を示す。
安全性:
ACTIVE試験により、血液カルシウムレベル、起立性低血圧、悪心、めまいおよび注射部位反応を含むいくつかの潜在的な安全性測定も評価した。任意の治療群において≧5%で報告された有害事象(AE)を、プラシーボ、アバロパラチドおよびテリパラチドのそれぞれで治療した群について以下の表7にまとめた。
Figure 0006755256
アバロパラチド群およびテリパラチド群のそれぞれは、プラシーボ群と比較して、統計的に有意に高い高カルシウム血症事象割合を有し、アバロパラチド群は、テリパラチド群と比較して、統計的に有意に低い高カルシウム血症事象割合を有した(p=0.006).
安全性測定は、ACTIVExtend試験中にアレンドロネートで治療した1133名の患者の集団中でも行った。アレンドロネートで治療した患者の有害事象を以下の表8に詳述する。アバロパラチドは、良好に許容された好ましい安全性プロフィールを示した。
Figure 0006755256
実施例2. 主要な骨粗鬆症骨折または任意の骨折の予防のためのPTHrPアナログアバロパラチドの効果。
この実施例は、FRAXツールを使用したベースライン骨折リスクに対するPTHrPアナログアバロパラチドの効果を示す。
骨折リスク評価およびFRAXは具体的に、当該技術分野で周知である(例えば、Unnanuntana et al., 「Current Concepts Review: The Assessment of Fracture Risk」, J. Bone Joint Surg Am. 92: 743-753 (2010) (その内容は全体において参照により援用される)参照)。簡潔に、FRAXは、大腿骨頸部BMDに加えてまたは代替的に、非BMD臨床リスク因子、例えば年齢、性別、体重、身長、以前の骨折、両親の股関節部の骨折、現在の喫煙、アルコール、またはグルココルチコイド、関節リウマチ、および続発性骨粗鬆症を一体化することによる個人の骨折のリスクを評価するための予測ツールである。FRAXは、国別の10年間の股関節部骨折の可能性および10年間の主要な骨粗鬆症骨折(臨床的な脊椎、前腕、股関節部または肩の骨折)を推定し得る。
ベースライン臨床リスク因子(例えば、年齢、BMI、以前の骨折、グルココルチコイドの使用、関節リウマチ、喫煙および母方の股関節部骨折の病歴)を、国別のFRAXモデルに入力し、大腿骨頸部BMDを含むかまたは含まないで主要な骨粗鬆症骨折の10年間の可能性を計算した。主要な骨粗鬆症骨折の可能性と治療有効性の間の相互作用をポワゾン回帰により調べた。
821名のプラシーボ群に対して無作為化した女性および824名のアバロパラチドにおける女性を2年間まで追跡した。ベースラインで、主要な骨粗鬆症骨折の10年間の可能性は(BMDと共に)2.3〜57.5%の範囲であった。アバロパラチドでの治療は、プラシーボ治療と比較して主要な骨粗鬆症骨折(MOF)において69%の低下を伴った(95% CI:38〜85%)。任意の臨床的骨折(AF)のリスクは43%低下した(95% CI:9〜64%)。骨折結果に対するアバロパラチドの効果についてのハザード比は、骨折可能性が増加して、有意には変化しなかった(MOFについてp>0.30およびAFについてp=0.11(図10))。BMDを含むことなくFRAX可能性を計算した場合、相互作用について同様の結果が見られた。
そのため、アバロパラチドは、ベースライン骨折可能性に関係なく、閉経後の女性において主要な骨粗鬆症骨折および任意の臨床的骨折のリスクを有意に低下させた。
実施例3. 骨粗鬆症を有する閉経後の女性における腰椎、総股関節部および大腿骨頸部でのBMDに対するPTHrPアナログアバロパラチドの効果。
患者および方法
試験被験体
健常な閉経後の55〜85歳の女性(無月経およびFSHの血清レベルの上昇の5年歴に基づく)を、骨粗鬆症の以下の定義の1つを満たす場合に試験に登録した。
1) 腰椎または大腿骨頸部または総股関節部でのDXA由来BMD Tスコア≦-2.5。
2) 過去5年の以前の低い外傷の前腕、上腕骨、脊椎骨、頭蓋骨、骨盤、股関節部、大腿骨または脛骨の骨折の病歴を有するDXA由来BMD Tスコア≦-2.0。
3) さらなる骨粗鬆症リスク因子、例えば65歳以上の年齢または骨粗鬆症の強い母方の病歴(BMD基準により決定される骨粗鬆症に関する骨折または骨粗鬆症自体として定義される)を有するDXA由来BMD Tスコア≦-2.0。
女性は、18.5〜33kg/m2のボディマス指数(BMI)、正常レベルの血清カルシウム、PTH(1-84)、25-ヒドロキシビタミンD、リンおよびアルカリ性ホスファターゼ、および正常な心臓血管パラメーター(正常ECG、収縮期血圧≧100および≦155mmHg、拡張期血圧≧40および≦95mmHg)を有する必要があった。
骨肉腫もしくは他の骨障害(例えば、パジェット病または骨軟化症)、放射線治療、吸収不良、腎石症、尿石症、腎機能不全(血清クレアチニン>1.5mg/dL)、または試験の実行に干渉し得る任意の医学的症状の病歴について女性を除外した。BMDの評価を妨げる脊椎異常を有する女性および両側股関節置換(bilateral hip replacement)を経験した女性も除外した。医薬に関して、過去6ヶ月にカルシトニン、エストロゲン、エストロゲン誘導体、選択的エストロゲン受容体調節因子、チボロン(tibolone)、プロゲスチン、蛋白同化ステロイドまたは毎日のグルココルチコイドで治療された場合、過去5年にビスホスホネートまたはストロンチウムを受けた場合、あるいはこれまでに副甲状腺ホルモンもしくはそのアナログ、フッ化物、硝酸ガリウムまたはデノスマブを受けた場合に被験体を除外した。
試験設計
この試験(clinicaltrial.gov #NCT00542425)は、米国、アルゼンチン、インドおよび英国の30の研究施設で行われた、無作為化、並行群、複数施設、用量所見、二重盲検プラシーボ対照化試験であった。全ての被験体は、何らかの試験手順を開始する前に書面でのインフォームドコンセントを提供された。適格性について被験体をスクリーニングし、以下の24週間の自己投与治療群:毎日のプラシーボ皮下注射、毎日のPTHrPアナログアバロパラチド(20μg、40μgまたは80μg)皮下注射または毎日の20μgのテリパラチド(Forteo(登録商標); Eli Lilly)の皮下注射の1つに対して無作為化した。全ての被験体は、1回の局所的な実施毎に補充カルシウム(500〜1000mg)およびビタミンD(400〜800IU)を受けた。患者および研究者は、試験を通じてアバロパラチドおよびプラシーボでの治療について盲検のままであったが、テリパラチドに無作為化された患者は、市販の薬品および送達デバイスを使用する必要があったために盲検ではなかった。ベースラインおよび治療開始の3および6ヶ月後にDXAによりBMDを評価した。骨代謝回転の生化学マーカー、血清アバロパラチドレベルおよび抗アバロパラチド抗体形成測定値を治療期間中に得た。薬物投与の4時間および24時間後に血液カルシウムレベルを評価した。各訪問での有害事象(AE)および注射部位での局所耐性について被験体をモニタリングした。臨床および実験室安全性パラメーター、心電図もそれぞれの試験訪問で測定した。
測定
二重X線吸収測定法:それぞれの局所部位でDXAスキャンを得て、次いでスキャンが品質管理検討にかけられ、それぞれの製造業者のガイドラインに従って分析される中央画像化読み込み機(BioClinica Inc. Newton, PA)に送信した。ベースラインスキャンに使用されたものと同じ装置により治療期間中に行われるスキャンを取得した。それぞれの試験場所で経時的に装置品質管理(Instrument Quality Control)(装置標準化およびファントム(phantom)補正)を行い、中央読み取り機(central reader)により検討した。
骨代謝回転の生化学的マーカー:朝の絶食時血液試料(テリパラチドを服用した場合は最後の注射の24時間後に採血した)をそれぞれの訪問で得た。血清オステオカルシン(OC)を、1.8%および4.8%のそれぞれのアッセイ内分散係数(CV)を有する電気化学蛍光アッセイ(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)により測定した。血清中の1型プロコラーゲンのアミノ末端プロペプチド(P1NP)を、4.5%および5.5%のそれぞれのアッセイ間およびアッセイ内CVを有するラジオイムノアッセイ(Orion Diagnostica, Espoo, Finland)により測定した。血清中の1型コラーゲンのβ-c末端テロペプチド(CTX)を、3.8%および6.9%のそれぞれのアッセイ間およびアッセイ内CVを有する電気化学蛍光アッセイ(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)により測定した。
統計学的分析
試験薬物の少なくとも1つの用量を受けた全ての無作為化された患者を使用して有効性および安全性を評価した。記述統計を使用してベースライン特性および安全性を要約した。主な有効性終点は、ベースラインから24週までのBMDおよび骨代謝回転マーカーの変化であった。治療群、試験訪問および訪問による治療の相互作用を固定された効果として含んだそれぞれの訪問における変化の混合モデル反復措定分析を使用して有効性終点を分析した。訪問の間の分散-共分散マトリックスは組織化されていない(unstructured)ものとみなした。80mg群から開始して、次いで40mgおよび最後に20mgまでの連続的な様式でこのモデルを使用して、24週でのそれぞれのアバロパラチド用量 対 プラシーボについてのベースラインからの平均変化の比較を評価した。このモデルを同様に使用して、テリパラチド 対 プラシーボの比較を行った。骨マーカーの結果におけるベースラインからのパーセント変化の非対称性(skewedness)のために、中央値および四分位数間領域を報告する。治療の比較のために、混合モデル反復測定分析を行う前に骨マーカーの結果を対数変換した。テリパラチド群を除外する同じモデルを使用した3つのアバロパラチド用量群およびプラシーボ群の線形対比を試験して、アバロパラチドの増加用量と有効性応答の増加の用量応答関係を評価した。ポストホック(post-hoc)分析において、発明者らは、プラシーボ、テリパラチドおよびアバロパラチド80μg群のみにおける治療の24週後に脊椎、大腿骨頸部、総股関節部において>3% BMDを達成した患者数(%)も評価した。3%の95%信頼限界でのBMDにおける最小有意変化(LSC)に対応する約1%のDXAスキャナの正確性に基づいて3%閾値を選択し、以前の応答体分析(responder analysis)を確認した(22〜28)。応答体分析には、ベースラインおよび24週BMD測定の両方を有する患者のみを含んだ(有効性完了体(valid-completers))。治療群の間の応答体の数(%)の差をχ二乗検定で評価した。2面5%有意さレベルで全ての仮説を試験した。これはフェーズIIの用量-応答仮説生成試験であったので、複数の比較についてp値は調整しなかった。統計分析についてSASシステムバージョン8.2 (SAS Institute Inc.)を使用した。
延長試験
試験を進行中にしたまま、補正としてプロトコルに24週の延長を追加した。延長に適格であるために、試験被験体は、最後の治療用量を受けてから2週間以内であることが必要であった。合計69名の患者が延長について適格であり、そのうち55名は治療を48週まで継続した(プラシーボ群n=11、アバロパラチド20μg n=13、アバロパラチド40μg n=10、アバロパラチド80μg n=7、テリパラチド20μg n=14)。48週の訪問でBMDを再度測定した。
結果
図11には、試験被験体の傾向を示す。無作為化された222名の患者のうち、1名を除き全てが少なくとも1用量の試験薬を受け、191名(86%)の患者が12週でBMDの測定を受け、184名(83%)が24週の訪問を通じて試験を完了した。5治療群の被験体は、ベースラインBMD測定および骨代謝回転の生化学的マーカーのレベルを含む人口統計的かつ臨床的な特性に関して同様であった。
骨密度
図12には、種々の治療群:プラシーボで治療された患者(正方形)、20μgのアバロパラチドで治療された患者(三角形)、40μgのアバロパラチドで治療された患者(逆三角形)、80μgのアバロパラチドで治療された患者(ひし形)およびテリパラチドで治療された患者(塗りつぶされた丸)における腰椎(図12A)、大腿骨頸部(図12B)および総股関節部(図12C)のBMDの24週での変化を示す。
腰椎BMD:24週で、腰椎BMD(±SD)は、プラシーボ群において1.6±3.4%、テリパラチド群において5.5±4.1%ならびにアバロパラチド20、40および80μgの群のそれぞれにおいて2.9±2.6%、5.2±4.5%および6.7±4.2%増加した。プラシーボと比較して、40および80μgのアバロパラチド群およびテリパラチド群におけるBMDの増加は統計的に有意であった(p<0.001)。アバロパラチド80μg群およびテリパラチド群の間のBMD増加の差は統計的に有意ではなかった。さらに、腰椎BMDに対するアバロパラチドの効果は、有意な用量応答を示した(直線傾向)(p<0.001)。
大腿骨頸部BMD:24週で、大腿骨頸部のBMDは、プラシーボ群で0.8±4.8%、テリパラチド群で1.1±4.6%、ならびにアバロパラチド20、40および80μgの群のそれぞれで2.7±4.0%、2.2±4.4%および3.1±4.2%増加した。プラシーボと比較すると、80μgの群の大腿骨頸部BMDの増加は統計的に有意であったが(p=0.036)、プラシーボ治療被験体と、テリパラチド、アバロパラチド20μgまたはアバロパラチド40μgのいずれかで治療した被験体の間ではBMD増加の有意差は見られなかった。アバロパラチド80μg群とテリパラチド群における大腿骨頸部BMDの増加の差は統計的に有意ではなかった(p=0.066)。
総股関節部BMD:24週で、総股関節部BMDは、プラシーボ群で0.4±3.1%、テリパラチド群で0.5±3.9%、ならびにアバロパラチド20、40および80μg群のそれぞれで1.4±2.6%、2.0±3.7%および2.6±3.5%増加した。プラシーボと比較すると、総股関節部BMDは、アバロパラチド80μg群のみで増加した(p=0.007)。さらに、総股関節部でのBMDの増加は、アバロパラチド40μgおよびアバロパラチド80μgの群の両方で、テリパラチド群よりも有意に大きかった(それぞれp=0.047およびp=0.006)。
治療に対する応答
応答体分析の結果を図13に示す。腰椎で>3%のBMD増加を有する被験体のパーセンテージは、アバロパラチド群(80μg用量、86%)でプラシーボ群(36%)よりも大きかったが(*p<0.001)、テリパラチド群(70%)より大きくはなかった(p=0.092)(図13A)。さらに、テリパラチド(16%、p<0.02)またはプラシーボ(15%、p<0.04)で治療した女性よりも多くのアバロパラチドで治療した女性が>3%の総股関節部BMD増加(37%)を有した(図13C)。3つの群のいずれかにおいて大腿骨頸部で>3% BMDの増加を経験する女性のパーセントに統計的に有意な差は見られなかった(図13B)。
骨代謝回転の生化学的マーカー
図14には、種々の治療群:プラシーボで治療した患者(正方形)、20μgのアバロパラチドで治療した患者(三角形)、40μgのアバロパラチドで治療した患者(逆三角形)、80μgのアバロパラチドで治療した患者(ひし形)、およびテリパラチドで治療した患者(塗りつぶされた丸)における、骨形成(P1NP(図14B)、OC(図14C))および骨吸収(CTX、図14A)の血清生化学的マーカーの24週の変化を示す。a:24週でプラシーボに対してp<0.002。b:24週でテリパラチドに対してp<0.003。
骨形成:40μgおよび80μgのアバロパラチド群(およびテリパラチド群)において、P1NPは1週目に増加し始めた。24週後、P1NPの中央値(四分位数間領域)は、40μgアバロパラチド群で55(-2、160)%、80μgアバロパラチド群で52(0、158)%、およびテリパラチド群で98(21、184)%増加した(全ての変化は20(7、28)%低下したプラシーボとは統計的に有意な差があった、p<0.001)。P1NPは、20μgのアバロパラチド群よりもテリパラチド群においてより大きく増加したが(p<0.001)、2つのより高いアバロパラチドの用量群と比較すると増加は有意には異ならなかった。OCにおける変化のパターンは、一般的にP1NPにおいて観察されるものと同様であった。両方のマーカーについて、アバロパラチドの効果は、有意な用量応答を示した(直線傾き)(p<0.001)。
骨吸収:骨吸収の変化は、12週まで明確に増加しないような骨形成とはわずかに異なるパターンを示した。24週後、CTXの中央値(四分位数間領域)は、40μgアバロパラチド群で32(-13、77)%、80μgアバロパラチド群で23(-9、86)%およびテリパラチド群で76(13、130)%の増加を有した(全ての変化は、7(-19、26)%低下したプラシーボとは統計的に有意に異なった)。CTXは、いずれのアバロパラチド群よりもテリパラチド群において大きく増加した(p<0.003)。骨形成のマーカーとは対照的に、40μgアバロパラチドと80μgアバロパラチド群の間でCTXの漸増は見られなかった。
安全性
24週の治療期間中、221名の患者中164名(74%)で治療突発的AE(TEAE)が報告された。TEAEを経験した患者の割合は、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μgならびにテリパラチド群のそれぞれにおいて71%、72%、74%、76%および78%で、治療群間で同様であった。試験治療に関係がある可能性があるまたはおそらく関係があると研究者に考えられるTEAEは、221名の患者中66名(30%)で、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μgならびにテリパラチド群のそれぞれにおいて27%、21%、35%、38%および29%であると報告された。頭痛の発生率は、プラシーボと比較して、アバロパラチド40μgおよび80μgで数的により高く、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μg群のそれぞれで患者の7%、5%、14%および13%であり、テリパラチドに対しては同様であった(13%)。眩暈も、アバロパラチド80μgで最も高く、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μgならびにテリパラチド群のそれぞれで4%、0%、9%、11%および4%であった。注射部位反応の大部分は、強度において緩やかまたは中程度であり、アバロパラチドおよびテリパラチド治療群で同様であった。TEAEの大部分は重症度において緩やか〜中程度であった。8名の患者(4%)は、24週間の試験中に強度において重症であった少なくとも1つの事象を経験し、重症な事象の発生率は治療群を通じて同様であった。重症な事象には、背部および胸部の疼痛(プラシーボ群)、インフルエンザ、腹水および卵巣上皮癌(アバロパラチド20μg群、治療の14日後に診断された)、頭痛(アバロパラチド40μg群)、消化不良、失神、下痢および上部腹痛(アバロパラチド80μg群)、ならびに関節痛および関節障害(テリパラチド群)が含まれた。重度の1つの事象、アバロパラチド80μg群の患者における失神を、試験治療と関連があり得るものとして評価し、該事象は、1日以内に解消され、治療を必要としないものであると報告された。重度の全ての他の事象は試験治療に関係のないものとして報告された。重大なTEAEは、プラシーボ治療患者において急性気管支炎、アバロパラチド20μgに割り当てられた患者において腹水を伴う卵巣癌およびアバロパラチド80μg群の患者において憩室炎が3名の患者(1%)で報告された。治療に関連があると分類されたものはなく、死亡は報告されなかった。アバロパラチド20μgおよび40μg群において各一人(2%)、アバロパラチド80μg群において3名の患者(7%)およびテリパラチド群において2名の患者(4%)を含む7名の患者(3%)は、AEのために中断された。ECGパラメーターについてのプラシーボおよび活性治療群の間で臨床的に意味のある差は見られなかった。
高カルシウム血症
≧10.5mg/dLの血清カルシウムレベルが、プラシーボ群の1名の患者(2%)、アバロパラチド20μg群の3名の患者(7%)、アバロパラチド40μgの6名の患者(14%)、アバロパラチド80μg群の5名の患者(11%)およびテリパラチド群の18名の患者(40%)において投与の4時間後に観察された。4時間での高カルシウム血症の発生率は、それぞれのアバロパラチド群よりもテリパラチドにおいてより高かった(p<0.01)。最後の注射の24時間後に測定した場合、≧10.5mg/dLの血清カルシウムレベルが、プラシーボ群の1名の患者(2%)、アバロパラチド20μg群の2名の患者(5%)、アバロパラチド40μgの3名の患者(7%)、アバロパラチド80μg群の4名の患者(9%)およびテリパラチド群の7名の患者(16%)で観察された(群の間で有意な差はなかった)。投与の4時間後に全ての患者で得られた最高値は、プラシーボ、アバロパラチド20μg、アバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgおよびテリパラチド群のそれぞれで10.5、11.0、11.2、11.6および12.6mg/dLであった。投与の24時間後の全ての患者で得られた最高値は、プラシーボ、アバロパラチド20μg、アバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgおよびテリパラチド群のそれぞれで10.7、11.3、11.1、10.7および11.2mg/dLであった。
抗体形成
24週後、アバロパラチドを受けた16名(12%)の患者は、陽性の低い(≦1:20)抗アバロパラチド抗体力価を示した。この群のAEの数および種類は、AE全体と同様であった。抗体陽性患者において免疫関連事象は報告されなかった。アバロパラチド40μg群の1名の抗体陽性患者は、24週でインビトロアバロパラチド中和活性の証拠を有したが、この患者における有効性減衰(24週でのすべての分析可能な脊椎BMDにおいて9.3%増加)または関連のある安全性事象の明らかな証拠はなかった。
延長試験
延長集団のベースライン人口統計およびベースライン特性は、全試験コホートのものと同様であり、治療群当たりの被検体数は7〜14名の女性であった。48週で、腰椎BMDは、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μg群ならびにテリパラチド群のそれぞれで0.7%、5.1%、9.8%、12.9%および8.6%増加した。総股関節部BMDは、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μg群ならびにテリパラチド群のそれぞれで0.7%、1.9%、2.1%、2.7%および1.3%増加した。大腿骨頸部BMDは、プラシーボ、アバロパラチド20、40および80μg群ならびにテリパラチド群のそれぞれで1.0%、3.9%、1.8%、4.1%および2.2%増加した。延長試験に小さな数が与えられる場合、プラシーボと比較してアバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgおよびテリパラチド群においてより大きく増加した脊椎BMD以外では、群の間で有意差は見られなかった。
全コホートと同様に、許容性は、プラシーボ、アバロパラチド20μg、40μgおよび80μgならびにテリパラチド群において36%、31%、30%、29%および21%で生じる治療関連TEAEを有する全ての群において同様であった。最も一般的なAEは、関節痛および尿管感染(それぞれ15%)、気管支炎、インフルエンザおよび鼻咽頭炎(それぞれ9%)、ならびに貧血、背部疼痛、めまい、脂質異常症(dyslipidemia)、高カルシウム尿症および注射部位血腫(それぞれ7%)であった。1つのSAEである関節腫脹がプラシーボを受けた患者で報告され、1つのSAEであり治療とは関係のない両側大腿ヘルニアの修復のための通院がアバロパラチド80μgで報告された。アバロパラチド40μg群の1名の患者は、研究者によりアバロパラチドに関連する可能性があるものと分類された中程度の失神のために中断された。
考察
この試験において、24週間のアバロパラチドにより腰椎、大腿骨頸部および総股関節部においてBMDが増加した。これらの増加の規模は、現在利用可能な療法と比較すると大きなものであった。腰椎において、試験用量でのアバロパラチドとBMDの増加の用量応答関係が示された。さらに、股関節部において、40μgおよび80μgの日用量のアバロパラチドにより、現在市販される20μgの日用量のテリパラチドよりも大きくBMDが増加した。さらに、80μg/日のアバロパラチドを受けている女性において、テリパラチド20μgを毎日受けている女性よりも大腿骨頸部および股関節部においてBMD消失は小さかった。最終的に、延長試験に登録される限定された集団中で観察されたBMD変化により、アバロパラチドにより増加したBMDは、治療の最初の一年間は比較的直線的であることが示唆される。
アバロパラチド80μg 対 テリパラチド20μgで観察される異なるBMD効果の生理学的機構は明らかではない。骨形成と骨吸収の両方がアバロパラチド治療により刺激されたが、これらの増加の規模は(試験したより高い用量においても)テリパラチドによるものよりも低かった。注意すべきことに、骨形成マーカーの24週での増加は、アバロパラチド80μg群よりもテリパラチド群で約50%高く、吸収マーカー(CTX)の増加は100%高かった。そのため、アバロパラチド治療女性におけるより高い形成-対-吸収比は、BMDに対するこれら2つの薬剤の異なる効果についての寄与因子であった可能性がある。さらに、以前の試験により、股関節部および橈骨などの皮質部位でのPTHおよびテリパラチドの早期の効果は、皮質骨多孔率の増加をもたらす皮質内骨リモデリングの増加のためであることが示唆されている(29〜32)。PTHrPアナログアバロパラチド治療後の骨吸収速度の増加はPTHと比較してより制限され遅延されるために、より高い割合の皮質骨を有する部位でのBMDのより早期の増加は、より低い皮質骨多孔率のための皮質内吸収の絶対的な低い速度の結果でもあった可能性がある。テリパラチド治療患者における皮質骨に富む解剖学的部位での皮質骨多孔率の増加は、推定骨強度の減少、海綿質微小構造の向上のためであり得るという観察とは関係がないことに注意すべきである(29〜33)。大きな脊椎BMD増加により証明されるような海綿骨における増加を伴った股関節部BMDにおけるアバロパラチド誘導性の増加は、推定骨強度のより高い増加と関連があるかどうかは試験中である。インビボ画像化または骨生検により皮質微小構造および海綿質微小構造を評価する試験は、骨の質に対するアバロパラチドの効果をより良好に規定することに有用であり得る。
テリパラチドとアバロパラチドの間の違いの分子機構は不明であるが、PTHおよびPTHrPにより示されたように、PTHRの特異的コンホメーションに対する2つの薬物の親和性の違いに関係し得る(12〜14)。具体的に、PTHRにおけるPTHrP活性は細胞表面に限定されるが、テリパラチドはPTHRに結合したままであり、Gタンパク質と結合して細胞の内部構造に移動し、持続的で活性な三次元複合体として作用する可能性があることが報告されている。これらの異なる受容体相互作用が、薬学的に使用された場合のPTHとPTHrPの違いに寄与するかどうか、またはアバロパラチドの効果が異なる後PTHR結合生理学によっても影響を受けるかどうかはまだ明らかではない。
AEの発生率は群の間で同様であり、ほとんどの事象は緩やかまたは中程度の強度であった。低い力価(≦1:20)を有する陽性の抗アバロパラチド抗体力価がアバロパラチドによる16名の患者において報告されたが、免疫に関連のある事象は報告されなかった。暴露の最初の24週で抗体を生じた80μgの日用量群における5名の患者中、1名を除くすべてが1:1の抗体力価を有し、延長期間で新たに陽性になった者はいなかった。アバロパラチド治療被験体中で観察された高カルシウム血症の比較的低い発生率も注意すべきことであった。これは、アバロパラチド患者において観察された低い骨吸収速度のためであり得るが、腎臓における異なる効果は排除できない。
要するに、24週間のアバロパラチド、特に80μgの皮下日用量により、潜在的、臨床的に意味のある経路で脊椎および股関節部のBMDが増加した。腰椎BMDにおけるアバロパラチド誘導性の増加は大きなものであり、総股関節部でのBMD増加は、股関節部および大腿骨頸部での患者の応答速度と同様に、プラシーボおよびテリパラチドの両方よりも大きかった。BMDを増加するこの能力は、示される安全性データ、高カルシウム血症の低い発生率およびPTHrPアナログアバロパラチドの室温安定性と共に、閉経後骨粗鬆症のための有望な同化作用治療としてのアバロパラチドの調査の継続を支持する。
実施例4. 骨粗鬆症を有する閉経後の女性における腰椎、総股関節部および大腿骨頸部での海綿骨スコア(TBS)に対するPTHrPアナログアバロパラチドの効果。
TBSにより間接的に評価されるように海綿骨微小構造に対するPTHrPアナログアバロパラチドの効果を評価するために、プラシーボ、アバロパラチド20μg、アバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgまたはテリパラチド(TPTD)20μgの24週間の毎日皮下注射を受けることについて無作為化された222名の閉経後骨粗鬆症女性(55〜85歳)において0、12および24週に盲検様式で、TBS(TBS Calculator v2.2, Medimaps group, Plan-les-Ouates, Geneva, Switzerland)を遡及的に計算した。平均パーセントTBS変化における群間の差を非対称(unpaired)t検定で評価した。
結果:
221名の治療した女性中、77名の女性は、DXAスキャナがTBSソフトウェアと適合しなかったために評価できなかった。5治療群中の被験体(N=145)は、ベースラインBMD測定値および骨代謝回転の生化学的マーカーのレベルを含む人口統計的および臨床的特性に関して同様であった。12週後、TBSは、アバロパラチド20μg、アバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgおよびTPTD群のそれぞれにおいて+1.2%、+1.7%、+1.9%および+1.5%有意に増加し、プラシーボ群(PBO)で-0.2%低下した。アバロパラチド40μgおよびアバロパラチド80μg治療群のTBSの12週平均パーセント増加はプラシーボ群よりも有意に高かった(両方p=0.05)。24週後、TBSは、アバロパラチド20μg、アバロパラチド40μg、アバロパラチド80μgおよびTPTD群において+2.4%、+2.7%、+3.6%および+2.6%増加し、プラシーボ群(PBO)で-1.1%低下した。TBSの24週間の増加は、プラシーボ群の変化と比較して全ての治療群で有意に高かった(p<0.005)。
概要:
アバロパラチドによる24週間の治療により、TBSにより間接的に評価されるように海綿骨微小構造が有意に向上した。BMD対するアバロパラチドの効果と合わせると、これらの結果は閉経後骨粗鬆症における同化作用療法としてのアバロパラチドのさらなる研究を支持する。
実施例5. 卵巣摘出(OVX)骨粗鬆症ラットにおける脊椎および大腿骨BMD、微小構造および強度に対するPTHrPアナログアバロパラチドの効果。
成体卵巣摘出(OVX)骨粗鬆症ラットへのPTHrPアナログアバロパラチドの6週間毎日投与の骨同化効果を評価した。OVX骨粗鬆症ラットにおける骨質量はアバロパラチド処理に応答して顕著な増加を受けた。骨質量の増加は、腰椎および大腿骨における海綿骨画分だけでなく、大腿骨の皮質骨(大腿骨骨幹)においても観察された。これらの用量依存的な骨質量の増加は、骨微小構造の向上および骨生化学的性質の増加と関連した。
材料および方法
動物
全ての手順、プロトコルおよび試験設計は、Radius Healthの施設内ケアおよび使用委員会(Institutional Care and Use Committee)(IACUC)で検討され、承認され、監督された。10週齢の雌Sprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories)を、食餌および水に自由に接触できる通気したポリカーボネートケージ中で個別に飼育した。その環境は、18〜26℃、30〜70%相対湿度および12時間の明/暗周期で維持された。
実験設計
12週齢でSprague-Dawleyラットに、偽手術(Sham)または卵巣摘出手術(OVX)のいずれかを施し、未処理のまま8週間放置した(骨消耗期間(bone depletion period))。骨粗鬆症OVXラット(n=20〜24/群)を、ビヒクル(0.9% NaCl)、アバロパラチド5μg/kgまたはアバロパラチド20μg/kgで6週間皮下注射(SC)により1日1回処理した。Shamラットはビヒクルで処理した(n=24)。試験設計の概略を表9に示す。
Figure 0006755256
骨デンシトメトリー(bone densitometry)(BMD)を、試験のベースラインおよび6週目の終了時に二重エネルギーx線吸収測定法(DXA)によりインビボで測定した。次いで動物を麻酔し、大腿骨およびL4脊椎骨を回収し、エタノール浸漬ガーゼでくるみ、高解像CT(μCT)および生化学的試験のために-20℃で凍結した。
二重エネルギーx線による骨デンシトメトリー
ラットをイソフルランで麻酔し、DXA (PIXImus, GE-Lunar Corporation, Fitchburg, WI)を使用して、第4腰椎(L4)および全大腿骨のインビボ骨密度(BMD)(1平方センチメートル当たりのグラム)を測定した。ベースラインおよび6週投与期間の終了時点でBMDを測定した。
微細コンピューター連続断層撮影(μCT)測定
定量的微細コンピューター連続断層撮影(mCT40μCTスキャナ、Scanco Medical AG, Basserdorf, Switzerland)をエクソビボで使用して、第4腰椎骨および遠位大腿骨骨幹端中の海綿骨形態、および中間大腿骨骨幹での皮質骨幾何学を評価した。
遠位大腿骨骨幹端での海綿骨のためのスキャニングを、成長板(growth plate)の水準の近位で開始し、250スライスまで遠位に伸ばした。成長板の約0.2mm遠位から開始して150スライスで評価を行った。全L4脊椎をスキャンして、頭蓋骨および仙骨の成長板内の海綿骨ならびに皮質骨を評価した。形態パラメーターは、骨体積画分(BV/TV、%)、骨体積(BV、mm3)、総体積(TV、mm3)、海綿骨数(Tb.N、1/mm)、海綿骨厚(Tb.Th、mm)、海綿骨範囲(Tb.Sp、mm)、結合性密度(Conn.D、1/mm3)、構造モデル指数(SMI)および骨密度(BD、mg/mm2)を含む。大腿骨中央軸(midshaft) (皮質骨)において、23枚の横断CTスライスを得て、総体積(TV、mm3)、皮質骨体積(BV、mm3)、骨髄体積(MV、mm3)、皮質厚(Cort.Th、mm)および骨体積画分(BV/TV、%)を計算した。
生体力学的試験
脊椎骨(L4)を圧縮試験により機械的にアッセイした。新鮮な凍結脊椎を室温まで融解し、次いで後部椎弓根、骨棘、ならびに頭蓋骨および仙骨末端を取り出し、2枚の平行な表面を有し高さが約4mmの脊椎体検体を得た。断面積の計算のために頭蓋骨および仙骨末端の中央-側方および前-後方向の幅を測定した。脊椎を2つの板(platens)の間に配置し、Instron Mechanical Testing Instrument (Instron 4465改装5500)における破壊まで6mm/分の一定変形(displacement)速度で荷重をかけた。装置ソフトウェア(Bluehill v2.5, Instron)により荷重変形曲線(load and displacement curve)を記録した。破壊時の最大荷重の位置、剛性および吸収されるエネルギーを荷重変形曲線から手動で選択し、装置ソフトウェア(Bluehill v2.5, Instron)により計算した。固有の性質、最終的な強度、弾性率および靱性を、最大荷重(N)、剛性(N/mm)、吸収されるエネルギー(mJ)、断面積および高さ(mm)から計算した。
Stratec XCT-RMおよび関連するソフトウェア(Stratec Medizintechnik GmbH, Pforzheim, Germany; ソフトウェアバージョン5.40)を使用して切り出した右側大腿骨に対してpQCTを行なった。大腿骨の遠位端からの総大腿骨長さの50%でスキャンを行った。スカウト投影法(scout view)を使用して位置を確認し、大腿骨幹軸の長軸に垂直な1枚の0.5mmスライスをそれぞれの部位から取得した。外部境界の図形(delineation)についての閾値を使用してスキャンを分析した。pQCTスキャンから得られた慣性の軸領域モーメント(axial area moment)を大腿骨幹軸での固有の強度パラメーターの計算に使用した。
大腿骨幹軸の三点曲げ試験について、それぞれの右大腿骨を、Instron Mechanical Testing Instrument (Instron 4465改装5500)に下側で面する前方側で、三点曲げ固定の下部支点上に配置した。2つの下部支点の間隔は14mmに設定した。大腿骨幹軸の中心に上部荷重デバイスを配置した。大腿骨が壊れるまで6mm/分の一定変形速度で荷重をかけた。荷重変形曲線から最大荷重の位置、剛性および吸収されるエネルギーを手動で選択し、装置ソフトウェア(Bluehill v2.5, Instron)により値を計算した。固有の特性、最終的な強度、弾性率および靱性を、最大荷重(N)、剛性(N/mm)、吸収されるエネルギー(mJ)、前-後直径(mm)および慣性のモーメント(mm4)から計算した。
大腿骨頸部の片持ち圧縮試験(cantilever compression test)について、大腿骨の近位の半分を、より大きな転子がその切れ込み切断部(notch cut)につかえる固定プラットフォームにしっかり配置した。Instron Mechanical Testing Instrument (Instron 4465改装5500)を用いて試験を行った。大腿骨幹軸に平行なステンレス鋼探針を用いて、破壊まで6mm/分の一定変形速度で、大腿骨頭部に荷重をかけた。荷重変形曲線から、最大荷重の位置(N)、剛性(N/mm)および吸収されるエネルギー(mJ)を手動で選択し、装置ソフトウェア(Bluehill v2.5, Instron)により計算した。
統計学的分析
結果は平均および標準偏差で表す。ANOVA、その後テューキー多重比較検定(Tukey’s multiple comparison test) (Graphpad Instat, Cary, NC; release 9.1)を使用して統計分析を行った。文脈中で行った全ての比較は、そうではないと記載されなければ統計的に有意である(p<0.05)。
結果
骨密度
骨消耗期間の終了時点で、全大腿骨BMDは、Shamラットと比較してOVXにおいて有意に低下した(11%、Shamに対してp<0.001、データは示さず)。OVX処理対照ラットにおけるBMD値は、処理の6週後にインタクトなshamラットと比較して低下したままであった(14%低下、Shamに対してp<0.001)。
ベースライン(投与開始前)およびビヒクルまたはアバロパラチドの6週間の毎日処理後にDXAにより骨密度(BMD)を測定した。ベースラインと比較して、アバロパラチド5μg/kgまたはアバロパラチド20μg/kgでのOVXラットの処理により、脊椎でBMDの有意な増加が生じた(それぞれ27%および39%、ベースラインに対してp<0.001、図15A)。アバロパラチドによる6週間の処理により、OVX-Vehに対して脊椎BMDの顕著な用量依存的増加がもたらされた(アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgそれぞれについて28%および33%、OVX-Vehに対してp<0.001、図15B)。アバロパラチド処理は、OVX誘導骨損失を修復するだけでなく、アバロパラチド20μg/kgでの処理によりBMDをSham対照値よりも高いレベルまで増加させた(Shamに対してp<0.001)。
全大腿骨BMDは、アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgによりベースラインに対してそれぞれ21%および27%で有意にかつ用量依存的に増加した(ベースラインに対してp<0.001、図15C)。ベースラインからのBMDの同様の増加が大腿骨骨幹において観察された(図15E)。アバロパラチド処理により、OVX-Veh対照ラットおよびSham対照ラットと比較して、総大腿骨および大腿骨中央幹軸(midshaft)についてBMDの有意な用量依存的増加が生じた(OVX-Vehに対してp<0.001、Shamに対してp<0.001、図14Dおよび14F)。まとめると、これらのデータは、アバロパラチド処理に応答した骨質量の顕著な増加を示した。
骨微小構造
BMD測定値と一致して、OVXは、特に海綿骨画分において重大な骨の劣化と関連した(図16、表7および8)。Sham対照ラットと比較して、OVX-Vehラットは、脊椎海綿骨において36%低いBV/TVを有した(図16A、表8、Shamに対してp<0.001)。さらに、Tb.N、Tb.ThおよびBDは、Sham対照ラットと比較して、OVX-Vehラットの脊椎骨におけるより高いTb.Spと一緒になって、より低かった(表10)。
Figure 0006755256
遠位大腿骨の海綿骨画分において、BV/TVは、Shamラットと比較して、OVX-Vehラットで71%低かった(図16B、表9、Shamに対してp<0.001)。Sham対照ラットと比較して、OVX-VehラットのTb.N、Tb.ThおよびConn.Dは低かった(表11)。OVXにより皮質骨も低下し、大腿骨骨幹のBV/TVおよびCt.ThはSham対照ラットよりもOVX-Vehラットにおいて有意に低かった(表13、Shamに対してp<0.01)。
Figure 0006755256
アバロパラチドによる6週間の処理により、OVXラットにおける骨微小構造特性が向上し、OVX誘導骨消失が完全に抑制され、皮質骨および海綿骨のパラメーターが、OVX-VehおよびSham-Veh処理ラット以上のレベルまで向上された。具体的に、アバロパラチド20μg/kg処理動物は、OVX-Veh動物(77%、OVX-Vehに対してp<0.001、図16A、表10)およびSham-Veh動物(14%、OVX-Vehに対してp<0.001、図16A、表10)と比較して、脊椎海綿骨画分において有意に高いBV/TVを有し、アバロパラチド5μg/kg処理により、BV/TVは、OVX-Veh処理に対して56%増加した(OVX-Vehに対してp<0.001)。遠位大腿骨の海綿骨において、アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kg処理により、BV/TVは、OVX-Vehに対してそれぞれ約2.5倍および3.7倍増加した(OVX-Vehに対してp<0.001、図16B、表11)。Tb.Th、Tb.Nは、低いTb.Sp、良好な結合性密度および高い板様構造(SMI)と共に、大腿骨においてビヒクル処理動物と比較して有意に向上した(表11)。また、アバロパラチド20μg/kgでの6週間の処理により、OVX動物において大腿骨中央幹軸特性が向上し、骨体積画分(BV/TV)が、OVX-Veh処理(OVX-Vehに対してp<0.05、表11)およびSham-Veh対照(Shamに対してp<0.001、図16B, 表11)のそれぞれと比較して6%および4%で有意に増加した。
アバロパラチド20μg/kgの処理も、OVXVeh処理と比較して皮質厚の増加をもたらした(p<0.05、表11)。
脊椎および大腿骨強度
L4最大荷重および最終的な強度は、Sham対照ラットと比較して、OVX-Vehラットにおいて約28%低かった(p<0.01、表12)。L4の比較試験により、アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgで処理されたラットは、OVX-Veh処理ラット対照と比較して、最大荷重(170%および180%、OVX-Vehに対してそれぞれp<0.05および0.01、表12)、吸収されるエネルギー(280%および290%、p<0.001)、最終的な強度(170%および180%、p<0.001)および靱性(270%、両方の群、p<0.001)の有意に高い機械的試験値を有することが示された。さらに、Sham対照ラットに対してアバロパラチド20μg/kgで処理したOVXラットにおいてL4脊椎の最大荷重(126%、p<0.05)および靱性(170%、p<0.01)の有意な増加が見られた。
Figure 0006755256
OVX-Vehラットの大腿骨の強度パラメーターは、8%、25%および18%の最大荷重、エネルギーおよび靱性パラメーターで、Shamラットより高い傾向にあり、OVX-Vehラットにおいてより高かった(Shamに対してp<0.05、表13)。
Figure 0006755256
ベースラインの最初の1〜12週で測定されたSham対照よりも高いOVX-Vehラットにおける大腿骨の強度パラメーターは、OVXラットにおいて以前に報告されている(6)。アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kg処理はさらに、OVX対照ラットと比較して、OVX-Veh対照よりも高い最大荷重(110%、OVX-Vehに対してp<0.05、表13)、最終的な強度(158%、OVX-Vehについてp<0.001)および慣性モーメントの軸領域(110%、OVX-Vehに対してp<0.001)を有する大腿骨の機械的特性を向上した。さらに、アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgによる処理は、Sham対照ラットと比較して、OVX-Veh対照よりも高い最大荷重(19%、OVXVehに対してp<0.001、表13)、剛性(13%、OVX-Vehに対してp<0.01)、エネルギー(それぞれ34%および37%、OVX-Vehに対してp<0.001)、最終的な強度(7%、OVX-Vehに対してp<0.05)、靱性(それぞれ22%および29%、OVX-Vehに対してp<0.05)および慣性モーメントの軸領域(15%、OVX-Vehに対してp<0.01)で大腿骨の機械特性を向上した。大腿骨頸部の片持ち圧縮により、許容される最大荷重はOVX-Veh処理ラットにおいて、Shamラットよりも108%低かった(Shamに対してp<0.01、表13)ことが示された。アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgで処理されたOVXラットは、OVX-Veh対照よりも高い最大荷重(それぞれ23%および16%、OVX-Vehに対してp<0.01、表13)およびエネルギー(48%、OVX-Vehに対してp<0.05)で大腿骨頸部の増加された強度を示した。ともに、BMDの増加および骨微小構造と一致して、該データは、アバロパラチド処理によりOVXラットの骨強度パラメーターが向上されたことを示した。
考察
合成PTHrPアナログの例であるアバロパラチドの6週間の毎日投与の骨同化作用効果を、成体卵巣摘出骨粗鬆症ラットにおいて評価した。結果は、アバロパラチド処理は、骨質量の増加を促進し、骨微小構造を修復して、骨消失およびOVX誘導骨減少症に関連する骨機械的特性の悪化を逆転させたことを示した。アバロパラチドによる治療は、OVX-Vehラットと比較して、処理の6週間後に、アバロパラチドで処理したOVXラットにおけるBMD、海綿骨および皮質微小構造、ならびに大腿骨頸部および大腿骨骨幹強度値の増加により示されるように、骨質量を逆転させ、骨の質を修復した。さらに、アバロパラチドでの処理により、Sham-ビヒクル対照群以上の値が生じた。ラットOVX誘導骨粗鬆症モデルにおけるアバロパラチドでの処理後の著しい骨同化活性のこれらの観察は、骨粗鬆症を有する閉経後の女性におけるアバロパラチド治療の効果(例えば実施例1)において見られるBMD増加と一致する。
この試験の結果は、アバロパラチドでの6週間の処理により、OVX-ビヒクル対照ラットと比較して、腰椎(アバロパラチド5μg/kgおよび20μg/kgそれぞれについて28%および33%)および大腿骨(アバロパラチド5μg/kgおよび20μg/kgそれぞれについて17%および23%)での海綿骨画分のBMDの著しい用量依存的な増加が誘導されたことを示す。海綿骨微小構造の評価により、アバロパラチド誘導BMD増加の性質についてのさらなる考察が提供された。脊椎海綿骨(それぞれ57%および78%)および遠位大腿骨の海綿骨(それぞれ145%および270%)での骨体積画分(BV/TV)において、アバロパラチド5μg/kgおよびアバロパラチド20μg/kgについての用量依存的な増加が観察された。
これらの増加は、OVX-ビヒクル処理ラットと比較して、同時の海綿骨分離の低下を伴う海綿骨厚、海綿骨数の増加に関連した。これらの海綿骨画分における骨質量の増加および骨微小構造パラメーターの増加は、生化学的パラメーターの増加と関連した。処理の6週間後、骨質量、微小構造および生体力学は、sham対照と比較してほとんどのパラメーターについて標準化され、多くのパラメーターはShamに対して有意に増加した。これらの所見は、骨粗鬆症を有する女性において、早ければ治療の12週間ほど早くにアバロパラチド治療により腰椎および股関節部においてBMDが増加するという最近報告された臨床試験の結果(例えば、実施例1参照)と一致する。実施例1に示されるように、BMD増加は、12週および24週の時点の両方で、テリパラチド(rhPTH(1-34))により観察されたものよりも大きかった。アバロパラチドによる腰椎BMDの増加は、テリパラチド20μgで観察されたものよりも顕著に大きく、臨床試験において以前報告されたPTH誘導骨増加と同等であった(37)。
アバロパラチド治療の効果は大腿骨の全ての領域において見られ、BMDに対する効果が海綿骨および皮質骨画分の両方に対する正の効果を含み得ることを示唆した。実際に、皮質骨は、OVXラットにおける6週間のアバロパラチド5μg/kgおよび20μg/kg処理後の骨質量において、OVX-ビヒクル処理ラットと比較して、約8%の増加を示した。アバロパラチド処理により観察される皮質骨におけるBMD効果の生理学的機構は完全には明らかになっていない。実施例1には、テリパラチド治療と比較したアバロパラチド治療での総股関節部BMDの有意な増加が示された。アバロパラチド治療女性におけるより高い形成 対 吸収の比は、BMDに対するこれら2つの薬剤の異なる効果についての寄与因子であり得る。以前の研究によりOVXサルにおけるPTHでの治療により上腕骨の皮質骨多孔率が増加したことが報告された(38)。
さらに、臨床的な研究により、皮質部位におけるPTHの早期の効果は、皮質骨内リモデリングを増加させ、皮質骨多孔率の増加をもたらすことであることが示唆された(29、31、32、39、37)。アバロパラチド治療後の骨吸収速度の増加は、PTHと比較して、より制限され遅延されることがさらに示唆され、皮質骨BMDの増加は低い皮質骨多孔率のための皮質骨内吸収速度の絶対的な低下の結果でもある可能性がある。皮質骨多孔率に対するアバロパラチドの効果を評価したさらなる実験的研究により、皮質骨に対する効果のさらなる洞察が提供される。現在の研究によっても、骨強度の増加と関連する海綿骨微小構造パラメーターの増加と共に、アバロパラチド誘導性の皮質骨BMDの増加が示された。要するに、骨パラメーターのこれらの増加は、骨の質に対する正の効果を示唆した。
アバロパラチドがその同化作用を発揮する分子機構は、十分には理解されていないが、親タンパク質PTHrPと何らかの類似性を有し得る。PTHおよびPTHrPは、いくらかの配列相同性を共有し、共通の先祖遺伝子の重複により生じ得るが、それぞれは骨生理学において異なる役割を担う。副甲状腺により分泌されるPTHは、破骨細胞性骨吸収およびカルシウム動員を促進するために古典的な内分泌様式で作用する。対照的に、PTHrPは、骨形成のパラクライン調節因子として機能する。これらの違いに関わらず、PTHとPTHrPは両方、同じPTH/PTHrP受容体1型(PTHR)、Gタンパク質結合受容体(GPCR)を活性化することにより細胞内cAMP濃度を増加させる。しかしながら、PTHの連続投与は、形成を超えた骨吸収をもたらし、一方で連続のPTHrP投与は優先的に、形成を刺激する(40、41)。最近の研究により、骨におけるPTHおよびPTHrPの多様な作用のための基礎が提供されている。具体的に、PTHRでのPTHrP活性は、細胞表面に限定され、短期間の細胞内cAMPバーストを生じる。一方で、PTHに関連するコンホメーションは、受容体へのその結合およびその結合したGタンパク質を安定化させ、細胞の内側の画分へ移動し、持続的なcAMP生成をもたらす(12、14、42、43)。より安定な複合体およびより多くのcAMPを形成するリガンドの重要性は、より大きな異化作用性応答をもたらし、血液カルシウムレベルの上昇を生じる(13)。対照的に、cAMPを一過的に生成し、カルシウムを動員するPTHrPなどのリガンドは、PTHよりも大きな同化作用を生じる。
これらの報告と一致して、最近の研究により、アバロパラチドの、2つの異なるPTHR1コンホメーションへの結合が評価された。この所見は、アバロパラチド処理によりみられる骨同化作用活性の増加は、PTH長期作用性PTH(LA-PTH)またはPTHrPと比較して、RGコンホメーションよりも選択的なR0 PTHR1 への結合により生じ得ることを示唆した(44)。同化作用活性の増加を生じるアバロパラチドの分子機構を解明するためのさらなる研究が必要である。
要するに、OVX骨減少症ラットにおける6週間のアバロパラチド処理は、骨質量および微小構造パラメーターを増加させ、骨強度の増加を生じた。この前臨床モデルにおける骨の質の向上に伴ったBMDを増加するこの能力は、アバロパラチドの骨同化作用活性を強調し、閉経後骨粗鬆症の治療のための有力な療法としてのアバロパラチドの研究の継続を支持する。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]配列番号:1のポリペプチドの治療有効量を、非脊椎骨折の予防または低減を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体において非脊椎骨折を予防また低減するための方法。
[2]配列番号:1のポリペプチドの治療有効量を、骨密度(BMD)および/または海綿骨スコア(TBS)の向上を必要とする被験体に投与する工程を含む、該被験体の非脊椎骨において骨密度(BMD)および/または海綿骨スコア(TBS)を向上するための方法。
[3]非脊椎骨が、手首骨および寛骨からなる群より選択される、[1]または[2]記載の方法。
[4]該被験体に骨吸収抑制剤の治療有効量を投与する工程をさらに含む、[1]〜[3]いずれか一項記載の方法。
[5]配列番号:1のポリペプチドが皮下注射により投与される、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[6]配列番号:1のポリペプチドの治療有効量が80μgである、[5]記載の方法。
[7]被験体が女性である、[1]〜[6]いずれか一項記載の方法。
[8]被験体が骨粗鬆症を有する、[1]〜[6]いずれか一項記載の方法。
[9]被験体が糖尿病を有する、[1]〜[6]いずれか一項記載の方法。
[10]被験体が二型糖尿病を有する、[9]記載の方法。
[11]被験体が閉経後の女性である、[7]〜[10]いずれか一項記載の方法。
[12]被験体が高い皮質骨多孔率を有する、[1]〜[11]いずれか一項記載の方法。
[13]配列番号:1のポリペプチドの治療有効量を、高い皮質骨多孔率を有する被験体に投与する工程を含む、該被験体において非脊椎骨折を予防または低減するための方法。
[14]被験体が正常BMDを有する、[13]記載の方法。
[15]被験体が少なくとも約-1のBMD Tスコアを有する、[13]記載の方法。
[16]被験体が糖尿病を有する、[13]〜[15]いずれか一項記載の方法。
[17]被験体が二型糖尿病を有する、[16]記載の方法。
[18]治療有効量が80μgである、[13]〜[17]いずれか一項記載の方法。
[19]配列番号:1のポリペプチドが、皮下注射または経皮送達により投与される、[1]〜[18]いずれか一項記載の方法。
[20]配列番号:1のポリペプチドが皮下注射により投与される、[6]または[18]記載の方法。
[21]該方法が、脊椎、股関節部および手首からなる群より選択される1つ以上の部位で少なくとも約3%のBMD増加を生じる、[1]、[2]または[13]記載の方法。
参照
以下に挙げられる開示中の全ての参照は、それらの全体において参照により明細書に援用される。
Figure 0006755256
Figure 0006755256
Figure 0006755256
Figure 0006755256
Figure 0006755256

Claims (14)

  1. 折のリスクの減を必要とする被験体においての該減のための医薬の製造における配列番号:1のポリペプチドの使用であって、該医薬が、18ヶ月の第1の期間の間に該被験体に80μgの該ポリペプチドを投与し、その後第2の期間の間にアレンドロネートを投与するためのものである、使用
  2. 被験体が高い皮質骨多孔率を有する、請求項1記載の使用
  3. 該被験体が、骨粗鬆症を有する、請求項1記載の使用。
  4. アレンドロネートが、経口投与される、請求項1記載の使用。
  5. アレンドロネートが、5もしくは10mg/日の用量または70mg/週の用量で投与される、請求項4記載の使用。
  6. 第2の期間が少なくとも6ヶ月である、請求項1記載の使用。
  7. 該被験体において、40%〜60%の非脊椎骨骨折のリスクの低減が生じる、請求項1記載の使用。
  8. 骨粗鬆症が閉経後の骨粗鬆症である、請求項3記載の使用。
  9. 該被験体において、第1の期間の間に該ポリペプチドで治療されずかつ第2の期間の間にアレンドロネートで治療された被験体に比べて、約52%のリスクの低減が生じる、請求項7記載の使用。
  10. 該被験体において、手首の骨折のリスクの低減が生じる、請求項7記載の使用。
  11. 該被験体において、股関節部の骨折のリスクの低減が生じる、請求項7記載の使用。
  12. 該被験体において、2%〜6.5%の総股関節部骨密度の上昇が生じる、請求項1記載の使用。
  13. 該被験体において、少なくとも5.5%の総股関節部BMDの上昇が生じる、請求項1記載の使用。
  14. 該被験体において、少なくとも4.5%の大腿骨頸部BMDの上昇が生じる、請求項1記載の使用。
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