JP6755012B2 - コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物 - Google Patents

コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6755012B2
JP6755012B2 JP2016156299A JP2016156299A JP6755012B2 JP 6755012 B2 JP6755012 B2 JP 6755012B2 JP 2016156299 A JP2016156299 A JP 2016156299A JP 2016156299 A JP2016156299 A JP 2016156299A JP 6755012 B2 JP6755012 B2 JP 6755012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adjuvant
composition
glycyrrhizin
antigen
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016156299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018024594A (ja
Inventor
山田 亮
亮 山田
加容子 和氣
加容子 和氣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurume University
Original Assignee
Kurume University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurume University filed Critical Kurume University
Priority to JP2016156299A priority Critical patent/JP6755012B2/ja
Publication of JP2018024594A publication Critical patent/JP2018024594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6755012B2 publication Critical patent/JP6755012B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

本発明は、コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物に関する。
がんや感染症などに対する免疫療法において、疾患の予防または治療に十分な免疫応答を得るには、抗原とともにアジュバントを用いる必要がある。現在、がんワクチンの臨床試験のほとんどで、不完全フロイントアジュバントであるMontanide ISA51VGが使用されている。しかしながら、多くのがん患者が免疫抑制状態にあり、その効果は十分でない。また、近年、Toll様受容体(TLR)など自然免疫レセプターのアゴニストがアジュバントとして開発されているが、免疫増強作用とともに強い炎症反応を伴うため、臨床応用は限定的である。それゆえ、新規なアジュバント、コアジュバント、免疫調節剤が望まれている。
国際公開第2015/079952号公報
Vasilakos JP, Tomai MA. The use of Toll-like receptor 7/8 agonists as vaccine adjuvants. Expert Rev Vaccines. 2013 Jul;12(7):809-19 Baxevanis CN, Voutsas IF, Tsitsilonis OE. Toll-like receptor agonists: current status and future perspective on their utility as adjuvants in improving anticancer vaccination strategies. Immunotherapy. 2013 May;5(5):497-511
ある態様において、本発明は、HMGB1阻害剤を含むコアジュバント組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、抗原、アジュバントおよび前記コアジュバント組成物を含むワクチン組成物を提供する。
図1は、アジュバントとしてイミキモドを用いたOT-I CD8 T細胞の抗原誘発増殖に対するグリチルリチンの効果を示す。イミキモド塗布処理をしたB6マウスにおいて、グリチルリチンの併用により、OVA257-264ペプチド刺激によるCFSE標識OT-I CD8 T細胞の増殖が増強された。左:増殖した全OT-I CD8 T細胞(上)および3回以上増殖した細胞(下)の割合を示す。右:各群の代表的なFACS解析のデータを示す。増殖した全OT-I CD8 T細胞をボックス内に示した。GR, グリチルリチン; IMQ, イミキモド; n.s., 有意差なし。 図2は、各種アジュバントを用いたOT-I CD8 T細胞の抗原誘発増殖に対するグリチルリチンの効果を示す。イミキモド以外のアジュバントを用いて免疫されたB6マウスにおいても、グリチルリチンの併用により、OVA257-264ペプチド刺激によるCFSE標識OT-I CD8 T細胞の増殖増強効果が観察された。上:各アジュバント処置群において、グリチルリチンを併用した場合(GR+)および併用しなかった場合(GR-)に増殖した全OT-I CD8 T細胞の割合を示す。下:各群の代表的なFACS解析のデータをドットブロットで示す。増殖した全OT-I CD8 T細胞をボックス内に示した。GR, グリチルリチン; IMQ, イミキモド; ISA51, Montanide ISA51VG; CpG, CpG-ODN (ODN2395); MPL, モノホスホリルリピドA; n.s., 有意差なし。 図3は、アジュバントとしてイミキモドを用いたOT-I CD8 T細胞の抗原誘発増殖に対する各種HMGB1阻害剤の効果を示す。イミキモド塗布処理をしたB6マウスにおいて、グリチルリチン以外のHMGB1阻害剤の併用によっても、OVA257-264ペプチド刺激によるCFSE標識OT-I CD8 T細胞の増殖増強効果が観察された。上:増殖した全OT-I CD8 T細胞(左)および3回以上増殖した細胞(右)の割合を示す。下:各群の代表的なFACS解析のデータを示す。増殖した全OT-I CD8 T細胞をボックス内に示した。マウス一匹あたり200μgのHMGB1阻害剤を投与した。IMQ, イミキモド; GM, ガベキサートメシル酸塩; NM, ナファモスタットメシル酸塩; SV, シベレスタットナトリウム水和物。統計解析はANOVAを用いて行った。*は有意差レベルが0.05より小さいことを示し、n.s.は有意差なしを意味する。 図4は、インビボでの抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)誘導に対するグリチルリチンの効果を示す。イミキモド塗布処理をし、OVA257-264ペプチドにより1週間隔で2回免疫したB6マウスにおいて、抗原特異的CTLの誘導がグリチルリチンにより増強された。抗原特異的CTLの誘導はIFN-γ ELISPOTアッセイにより解析した。抗原特異的なIFN-γスポット数は、18時間の時点でインビトロで抗原刺激をした細胞におけるスポット数(OVA+)から、抗原刺激していない細胞(OVA-)のスポット数を引き、補正を行った。OVA257-264ペプチド単独群の平均値+2標準偏差(SD)である8.58スポットより高い値を示した個体を、増強効果ありと定義した。OVA257-264ペプチド単独群と比較して増強効果を有するかは、Fisherの正確検定を用いて解析した。*は有意差レベルが0.05より小さいことを示す。IFN-γ ELISPOTアッセイにおける陽性(増強有)結果と陰性(増強無)結果の代表例を下段に示す。 図5aは、治療用ワクチンモデルにおけるイミキモドおよびグリチルリチン併用時の抗腫瘍効果を示す。B6マウスにEG.7腫瘍細胞(OVA陽性)を皮下移植し、7、14、21日後にOVA257-264ペプチドを投与した。腫瘍のサイズ(長径 x 短径)を2-3日間隔で35日目まで測定し、60日目まで生存を観察した。腫瘍細胞移植後14日目から26日目までにおける腫瘍細胞の成長変化をANOVA(one-sided test)で解析した。GR, グリチルリチン; IMQ, イミキモド; MST, 全生存期間中央値; NR, 未到達。 図5bは、治療用ワクチンモデルにおけるイミキモドおよびグリチルリチン併用時の抗腫瘍効果の抗原特異性を示す。B6マウスにEG.7細胞または親株のEL4細胞 (OVA陰性)を皮下移植し、図5aと同様に実験を行った。OVA257-264ペプチド投与による腫瘍増殖阻害はEG.7移植マウスにおいてのみ観察され、EL4移植マウスでは観察されなかった。GR, グリチルリチン; IMQ, イミキモド; MST, 生存期間中央値; NR, 未到達。 図6は、ワクチン投与後早期の皮膚組織おける免疫関連遺伝子の発現に対するグリチルリチンの効果を示す。OVA257-264ペプチド投与後6時間、12時間、24時間で投与部位の皮膚組織を回収し、各遺伝子の相対的mRNA発現レベルをリアルタイムPCRで解析した。無処置のマウスにおけるハウスキーピング遺伝子GAPDHの発現レベルを1としてRQ値を補正した。 図7は、OT-I CD8 T細胞の抗原誘発増殖に対するHMGB1阻害剤の投与経路の影響を示す。増殖した全OT-I CD8 T細胞(右)および3回以上増殖した細胞(左)の割合を示す。sc mix: OVA257-264ペプチドとグリチルリチンとを混合して皮下投与、sc proximal: OVA257-264ペプチドとグリチルリチンとを近接する位置で別々に皮下投与、ip: OVA257-264ペプチドを皮下投与、グリチルリチンを腹腔内投与。GR, グリチルリチン; IMQ, イミキモド。
本明細書において「アジュバント」とは、抗原に対する免疫応答を増強する効果を有する物質を意味する。本明細書における「コアジュバント組成物」なる用語は、アジュバントの効果を増強する組成物を意味する。本明細書において、アジュバント効果または活性とは、抗原に対する免疫応答を増強する効果または活性を意味し、コアジュバント効果または活性とは、アジュバントの効果を増強する効果または活性を意味する。コアジュバント組成物は、アジュバントの効果を増強することにより、免疫応答の増強に寄与する。
HMGB1(High Mobility Group Box 1)は、樹状細胞やマクロファージなどの免疫細胞から分泌され、また損傷細胞から受動的に放出される、約30 kDaの核タンパク質である。HMGB1は、Toll様受容体(TLR)2/4やRAGEを介して炎症や自然免疫を誘導することが知られている。本明細書において、HMGB1阻害剤には、HMGB1とその受容体との結合を阻害する物質(例えば、HMGB1またはその受容体に結合して、HMGB1と受容体との結合を阻害する物質)およびHMGB1の発現および/または放出を抑制する物質(例えばLPS等の刺激により誘導されるサイトカイン産生の抑制を介して、あるいは直接的に、HMGB1の発現および/または放出を抑制する物質)が含まれる。HMGB1阻害剤としては、グリチルリチン(glycyrrhizin)(グリチルリチン酸(glycyrrhizic acid)とも称される)、カルベノキソロン(carbenoxolone)、タンシノンIIAスルホン酸エステル(tanshinone IIA sodium sulfonate)、エピガロカテキン-3-ガラート(epigallocatechin-3-gallate)、ケルセチン(quercetin)、リコピン(lycopene)、ガベキサート(gabexate)、ナファモスタット(nafamostat)、シベレスタット(sivelestat)、シンバスタチン(simvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)およびメトトレキサート(methotrexate)もしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物が例示される。
医薬上許容される塩としては、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等を含む)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N-メチル-D-グルカミン等)の塩、酸付加物塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;および、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸(メシル酸)塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等の有機酸塩を含む)が挙げられる。本明細書における水和物には、かかる医薬上許容される塩の水和物も含まれる。
好ましくは、HMGB1阻害剤は、グリチルリチン、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択される。より好ましくは、HMGB1阻害剤は、グリチルリチン酸一アンモニウム(monoammonium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸二カリウム(dipotassium glycyrrhizinate)、ガベキサートメシル酸塩(gabexate mesilate)、ナファモスタットメシル酸塩(nafamostat mesilate)およびシベレスタットナトリウム水和物(sivelestat sodium hydrate)からなる群から選択される。ある態様において、HMGB1阻害剤は、グリチルリチン酸一アンモニウム、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択される。
コアジュバント組成物は、アジュバントとともに用いられる。好ましい態様において、コアジュバント組成物は、抗原およびアジュバントとともに用いられる。
アジュバントは、限定はされないが、自然免疫を活性化する物質である。アジュバントは、好ましくは自然免疫レセプターのアゴニストである。自然免疫レセプターアゴニストとしては、TLRアゴニスト(例えば、TLR2アゴニスト、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR9アゴニスト)、RLR(retinoic acid-inducible gene I (RIG-1)-like receptors)アゴニスト、STING(stimulator of Interferon genes)アゴニスト、NLR(nucleotide-binding oligomerization domain (NOD)-like receptors)アゴニスト、CLR(C-type lectin receptors)アゴニストなどが例示される。TLRアゴニストとしては、例えば、リポペプチド、Poly IC RNA、イミキモド、レシキモド、モノホスホリルリピドA (MPL)、CpG-ODNなどが挙げられる。RLRアゴニストとしては、pppRNA、Poly IC RNAなど、STINGアゴニストとしてはcGAMP、c-di-AMP、c-di-GMPなど、NLRアゴニストとしてはiE-DAP、FK565、MDP、ムラブチドなど、CLRアゴニストとしてはベータグルカン、トレハロース6、6’-ジミコレートなどが挙げられる。アジュバントは、好ましくはTLRアゴニストであり、より好ましくはTLR4アゴニスト、TLR7アゴニストまたはTLR9アゴニストであり、さらにより好ましくはイミキモド、レシキモド、MPLまたはCpG-ODNである。ある態様において、アジュバントは、イミキモド、MPLまたはCpG-ODNである。
コアジュバント組成物は、抗原および/またはアジュバントと、別の製剤に含まれていても、同じ製剤に含まれていてもよい。すなわち、コアジュバント組成物、抗原およびアジュバントがいずれも別の製剤に含まれていてもよく、コアジュバント組成物、抗原およびアジュバントから選択される2以上が一つの製剤に含まれていても良い。コアジュバント組成物、抗原およびアジュバントから選択される2以上が一つの製剤に含まれる場合としては、(1)抗原とアジュバントが同じ製剤に含まれ、コアジュバント組成物が別の製剤に含まれる場合、(2)抗原とコアジュバント組成物が同じ製剤に含まれ、アジュバントが別の製剤に含まれる場合、(3)アジュバントとコアジュバント組成物が同じ製剤に含まれ、抗原が別の製剤に含まれる場合、および(4)抗原、アジュバントおよびコアジュバント組成物が同じ製剤に含まれる場合、がある。本明細書における「コアジュバント組成物」なる用語は、抗原および/またはアジュバントと同じ製剤に含まれる組成物も、別の製剤に含まれる組成物も包含する。
コアジュバント組成物が抗原および/またはアジュバントと別の製剤に含まれる場合、それぞれの製剤を別々に投与してもよく、使用前に混合して投与してもよい。
コアジュバント組成物は、抗原および/またはアジュバントと、同じ投与部位に投与しても別の投与部位に投与してもよく、また、同じ投与経路で投与しても別の投与経路で投与してもよい。投与経路としては、経口投与、および静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経皮投与、腹腔内投与、経鼻投与などの非経口投与が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、(1)抗原、アジュバントおよびコアジュバント組成物を経皮投与する、(2)抗原、アジュバントおよびコアジュバント組成物を皮下投与する、(3)抗原およびコアジュバント組成物を皮下投与し、アジュバントを経皮投与する、(4)抗原およびアジュバントを皮下投与し、コアジュバント組成物を静脈内投与する、(5)抗原およびアジュバントを皮下投与し、コアジュバント組成物を経口投与する、などが考えられる。例えば、経皮投与は軟膏剤、クリーム剤、ローション剤などの塗布により、皮下投与および静脈内投与は注射により、行うことができる。コアジュバント組成物は、抗原および/またはアジュバントと、同時に投与してもよく、別の時点で投与してもよい。
ある態様において、コアジュバント組成物は、抗原またはアジュバントとは別の投与部位に投与される。
ある態様において、コアジュバント組成物は、抗原またはアジュバントとは別の投与経路で投与される。
ある態様において、コアジュバント組成物は、抗原またはアジュバントとは別の時点で投与される。
コアジュバント組成物が抗原および/またはアジュバントと別の製剤に含まれる場合、各製剤は別々に提供してもよく、2以上の製剤をまとめてキットとして提供してもよい。一例として、抗原、アジュバントおよびコアジュバント組成物をそれぞれ含む製剤を含むキットが挙げられる。
コアジュバント組成物の投与量は、HMGB1阻害剤の種類、併用される抗原またはアジュバント、剤形、投与方法などにより適宜調節される。コアジュバント組成物に含まれるHMGB1阻害剤が臨床応用されている場合、その臨床用量を参考に決定することもできる。
コアジュバント組成物の剤形としては、液状、粉末状(凍結乾燥粉末、乾燥粉末)、カプセル状、錠剤などが例示されるが、これらに限定されない。
コアジュバント組成物は、HMGB1阻害剤に加えて、医薬上許容される担体を含んでもよい。医薬上許容される担体としては、水、緩衝液、デキストロース、グリセロールなどが挙げられる。さらに、抗酸化剤、保存剤、安定剤、等張化剤、緩衝剤、溶解補助剤などの添加剤を含むことができる。
コアジュバント組成物として、市販されているHMGB1阻害剤を含む製剤を用いても良い。
コアジュバント組成物は、ヒトおよび他の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、トリ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ)、例えば家畜、ペット、および野生動物に用いることができる。
コアジュバント組成物は、免疫応答の誘導を介する、疾患の治療または予防に用いることができる。疾患としては、感染症、がん、アレルギー疾患、自己免疫疾患、神経疾患、循環器疾患などが例示されるが、これらに限定されない。
感染症としては、ウイルス、真菌、細菌などの病原体による感染症が例示される。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、RSウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、ロタウイルス、日本脳炎ウイルス、水痘ウイルス、アデノウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルスなどが例示される。細菌としては、ジフテリア菌、破傷風菌、百日咳菌、インフルエンザ菌、結核菌、肺炎球菌、ヘリコバクター・ピロリ、炭疽菌、腸チフス菌、髄膜炎菌、赤痢菌、コレラ菌などが挙げられる。真菌としては、カンジダ真菌、ヒストプラズマ真菌、クリプトコッカス真菌、アスペルギルス真菌などが例示される。
がんとしては、白血病、リンパ腫、メラノーマ、肺癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、腎臓癌、乳癌、子宮頸癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、骨腫瘍、脳腫瘍、甲状腺癌などが例示される。
アレルギー疾患としては、花粉、イエダニ、動物由来抗原などに対するアレルギー、気管支喘息などが例示される。自己免疫疾患としては、糖尿病、関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスなどが例示される。神経疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病などが例示される。循環器疾患としては、動脈硬化症、高血圧症などが例示される。コアジュバント組成物は、疾患関連抗原としては、インスリン、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)、アセチルコリン受容体、アミロイドβ、αシヌクレイン、プリオン、アンジオテンシンIおよびII、ApoB100、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)などが挙げられる。
ある態様において、コアジュバント組成物は、ワクチンと併用される。ワクチンは、例えば、感染症、がん、アレルギー疾患、自己免疫疾患、神経疾患、循環器疾患などの疾患の治療または予防を目的とするワクチンである。ある態様において、ワクチンは、感染症またはがんに対するワクチンである。
ある態様において、感染症に対するワクチンは、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、RSウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、ロタウイルス、日本脳炎ウイルス、水痘ウイルス、アデノウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルスなどのウイルス;ジフテリア菌、破傷風菌、百日咳菌、インフルエンザ菌、結核菌、肺炎球菌、ヘリコバクター・ピロリ、炭疽菌、腸チフス菌、髄膜炎菌、赤痢菌、コレラ菌などの細菌;またはカンジダ真菌、ヒストプラズマ真菌、クリプトコッカス真菌、アスペルギルス真菌などの真菌に由来する抗原を含む。
ある態様において、がんに対するワクチン(本明細書中、がんワクチンとも記載する)は、がん抗原タンパク質、前記タンパク質由来のペプチド(本明細書中、がん抗原ペプチドとも記載する)、またはこれらをコードする核酸を含む。がん抗原タンパク質としては、PSA(Prostate-specific antigen)、PSMA(Prostate-specific membrane antigen)、PTH−rP(Parathyroid hormone-related protein)、SART2(Squamous cell carcinoma antigen recognized by T cells 2)、SART3(Squamous cell carcinoma antigen recognized by T cells 3)、CypB(Cyclophilin B)、LCK(LCK proto-oncogene, Src family tyrosine kinase)、EGFR(Epidermal growth factor receptor)、EZH2(Enhancer of zeste homolog 2)、UBE2V(Ubiquitin-conjugating enzyme E2 variant 1)、WHSC2(Wolf-Hirschhorn Syndrome Candidate 2)、HNRPL(Heterogeneous nuclear ribonucleoprotein L)、WT−1(Wilms tumor suppressor gene 1)、HER2/neu(Human EGFR related 2)、MAGE(Melanoma-associated Antigen)などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、がんワクチンは、がん抗原ペプチドを含む。
別の態様において、ワクチンは、花粉、イエダニ、動物由来抗原などのアレルギー抗原、インスリン、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)、アセチルコリン受容体、アミロイドβ、αシヌクレイン、プリオン、アンジオテンシンIおよびII、ApoB100、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)などの疾患関連抗原を含む。
ある態様において、コアジュバント組成物は、細胞免疫療法において用いられる。細胞免疫療法としては、がん患者から採取した末梢血単核細胞からインビトロでがん反応性細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導して患者の体内に戻す養子免疫療法、がん患者から採取した末梢血単核細胞からインビトロでがん抗原ペプチドを提示する樹状細胞を誘導して患者の体内に戻す樹状細胞療法が例示される。コアジュバント組成物は、インビトロでのCTLまたは樹状細胞の誘導を改善しうる。
コアジュバント組成物は、疾患の治療または予防のみならず、アジュバントの効果増強が望まれるあらゆる操作において使用することができる。例えば、ある態様において、コアジュバント組成物は、抗体または抗血清の製造に用いられる。抗原およびアジュバントとともにコアジュバント組成物を用いて動物を免疫することで、効果的に抗体を誘導することができる。免疫動物の血清は抗血清として使用することができ、また、免疫動物のリンパ球を用いてモノクローナル抗体を作成することもできる。
ある態様において、本発明は、抗原、アジュバント、およびコアジュバント組成物を含むワクチン組成物を提供する。
抗原は、免疫応答を誘導するものであればよく、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質などが挙げられるが、これらに限定されない。抗原としては、上記のワクチンについて記載の抗原が例示される。アジュバントはコアジュバント組成物と併用されるアジュバントについて記載のとおりである。
ある態様において、本願のコアジュバント組成物およびワクチン組成物は、両親媒性物質、具体的には、炭素数10〜12のホスファチジルコリン、炭素数12〜18のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、炭素数16〜18のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびα−トコフェロールからなる群から選択される両親媒性物質を含まず、および/または、前記両親媒性物質と併用されない。
ある態様において、コアジュバント組成物に含まれるHMGB1阻害剤は、グリチルリチンもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物ではない。ある態様において、HMGB1阻害剤は、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択される。さらなる態様において、HMGB1阻害剤は、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択される。
本開示は、例えば、以下を提供する。
1.HMGB1阻害剤を含む、コアジュバント組成物。
2.HMGB1阻害剤が、グリチルリチン、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択される、前記1に記載の組成物。
3.HMGB1阻害剤が、グリチルリチン酸一アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択される、前記1または2に記載の組成物。
4.自然免疫レセプターアゴニストと併用される、前記1〜3のいずれかに記載の組成物。
5.自然免疫レセプターアゴニストが、TLRアゴニスト、RLRアゴニスト、STINGアゴニスト、NLRアゴニストまたはCLRアゴニストである、前記1〜4のいずれかに記載の組成物。
6.自然免疫レセプターアゴニストがTLRアゴニストである、前記5に記載の組成物。
7.TLRアゴニストがイミキモド、レシキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNからなる群から選択される、前記6に記載の組成物。
8.TLRアゴニストがイミキモドまたはレシキモドである、前記7に記載の組成物。
9.アジュバントと別の製剤に含まれる、前記1〜8のいずれかに記載の組成物。
10.抗原と別の製剤に含まれる、前記1〜9のいずれかに記載の組成物。
11.アジュバントと別の投与経路で投与される、前記1〜10のいずれかに記載の組成物。
12.抗原と別の投与経路で投与される、前記1〜11のいずれかに記載の組成物。
13.アジュバントと別の投与部位に投与される、前記1〜12のいずれかに記載の組成物。
14.抗原と別の投与部位に投与される、前記1〜13のいずれかに記載の組成物。
15.ワクチンと併用される、前記1〜14のいずれかに記載の組成物。
16.ワクチンががんワクチンである、前記15に記載の組成物。
17.ワクチンががん抗原ペプチドを含む、前記16に記載の組成物。
18.細胞免疫療法において用いられる、前記1〜10のいずれかに記載の組成物。
19.HMGB1阻害剤が、グリチルリチンもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物ではない、前記1〜18のいずれかに記載の組成物。
20.HMGB1阻害剤が、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択される、前記1〜19のいずれかに記載の組成物。
21.HMGB1阻害剤が、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択される、前記1〜20のいずれかに記載の組成物。
22.炭素数10〜12のホスファチジルコリン、炭素数12〜18のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、炭素数16〜18のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびα−トコフェロールからなる群から選択される両親媒性物質を含まない、前記1〜21のいずれかに記載の組成物。
23.炭素数10〜12のホスファチジルコリン、炭素数12〜18のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、炭素数16〜18のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびα−トコフェロールからなる群から選択される両親媒性物質と併用されない、前記1〜22のいずれかに記載の組成物。
本開示はさらに、例えば、以下を提供する。
1’.抗原、アジュバント、および前記1に記載のコアジュバント組成物を含む、ワクチン組成物。
2’.コアジュバント組成物が、グリチルリチン、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択されるHMGB1阻害剤を含む、前記1’に記載のワクチン組成物。
3’.コアジュバント組成物が、グリチルリチン酸一アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択されるHMGB1阻害剤を含む、前記1’または2’に記載のワクチン組成物。
4’.アジュバントが自然免疫レセプターアゴニストである、前記1’〜3’のいずれかに記載の組成物。
5’.自然免疫レセプターアゴニストが、TLRアゴニスト、RLRアゴニスト、STINGアゴニスト、NLRアゴニストまたはCLRアゴニストである、前記1’〜4’のいずれかに記載の組成物。
6’.自然免疫レセプターアゴニストがTLRアゴニストである、前記5’に記載の組成物。
7’.TLRアゴニストがイミキモド、レシキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNからなる群から選択される、前記6’に記載の組成物。
8’.TLRアゴニストがイミキモドまたはレシキモドである、前記7’に記載の組成物。
9’.抗原ががん抗原ペプチドである、前記1’〜8’のいずれかに記載の組成物。
10’.HMGB1阻害剤が、グリチルリチンもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物ではない、前記1’〜9’のいずれかに記載の組成物。
11’.HMGB1阻害剤が、ガベキサート、ナファモスタットおよびシベレスタットもしくはその医薬上許容される塩、またはこれらの水和物からなる群から選択される、前記1’〜10’のいずれかに記載の組成物。
12’.HMGB1阻害剤が、ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物からなる群から選択される、前記1’〜11’のいずれかに記載の組成物。
13’.炭素数10〜12のホスファチジルコリン、炭素数12〜18のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、炭素数16〜18のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびα−トコフェロールからなる群から選択される両親媒性物質を含まない、前記1’〜12’のいずれかに記載の組成物。
14’.炭素数10〜12のホスファチジルコリン、炭素数12〜18のポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、炭素数16〜18のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびα−トコフェロールからなる群から選択される両親媒性物質と併用されない、前記1’〜13’のいずれかに記載の組成物。
本開示はさらに、例えば、以下を提供する。
1’’.アジュバントの効果を増強する方法であって、HMGB1阻害剤を対象に投与することを含む方法。
2’’.免疫応答を増強する方法であって、HMGB1阻害剤をアジュバントともに対象に投与することを含む方法。
3’’.アジュバントの効果の増強に使用するための、HMGB1阻害剤。
4’’.免疫応答の増強に使用するための、アジュバントと併用される、HMGB1阻害剤。
5’’.コアジュバント組成物の製造のための、HMGB1阻害剤の使用。
1.方法
マウスおよび腫瘍細胞
8-12週齢の雌C57BL/6J (B6) マウス(CLEA Japan (Tokyo, Japan))を全ての実験で使用した。OT-I T細胞受容体トランスジェニックマウスは、Taconic (Hudson, NY) より入手た。E.G7-OVA (本明細書中、E.G7とも記載する) はATCC (Manassas, VA)より入手し、高グルコースRPMI1640(50μM 2-メルカプトエタノール (2-ME)、0.4 mg/mL G418および10% ウシ胎児血清 (FBS; TRACE Scientific, Melbourne, Australia)含有)で維持した。EL-4はJCRB Cell Bank (Osaka, Japan)より入手し、10% FBS含有RPMI1640(2-MEおよびG418不含、通常濃度のグルコース)で維持した。
試薬
オボアルブミン由来のH-2Kb拘束性CTLエピトープペプチドであるSIINFEKL (OVA257-264)(配列番号1)は、American Peptide (Sunnyvale, CA)より購入した。グリチルリチン (Neo-Minophagen C, Eisai, Tokyo, Japan、成分:グリチルリチン酸一アンモニウム、グリシン、L-システイン塩酸塩水和物)、ガベキサートメシル酸塩 (Reminaron, Alfresa, Osaka, Japan)、ナファモスタットメシル酸塩 (Nafamostat, Shionogi, Osaka, Japan)、およびシベレスタットナトリウム水和物 (Elaspol, Ono Pharmaceutical, Osaka, Japan)をHMGB1阻害剤として使用した。5%イミキモド含有ベセルナクリーム(Mochida Pharmaceuticals, Tokyo, Japan)、CpG-ODN (ODN2395) (InvivoGen, San Diego, CA)、モノホスホリルリピドA (MPL) (InvivoGen) 、およびMontanide ISA51VG (Seppic, Paris, France)をアジュバントとして使用した。
免疫化プロトコール
免疫の1〜3日前に、B6マウスの背側皮膚の毛を剃った。5%イミキモド (ベセルナクリーム; 約25 mg/匹) を、麻酔下でマウス背側皮膚に局所的に塗布した。30分後、OVA257-264を含む抗原溶液 (CFSE増殖アッセイでは0.3μg、その他のアッセイでは5μg)を、グリチルリチン(20μg/匹)または他のHMGB1阻害剤(200μg/匹)とともに、全量0.1 mLで同じ領域に皮下注射した。
CFSE増殖アッセイ
抗原誘発T細胞増殖は、OT-I細胞のトランスフェクションにより評価した。OT-Iマウスの脾臓細胞を、5μMのCSFE (5- or 6-(N-Succinimidyloxycarbonyl) fluorescein 3',6'-diacetate) (Molecular Probes, Eugene, OR)と37℃で15分間インキュベートして標識した。細胞を2回洗浄した後、3 x 106 細胞 (0.2 mL) を各B6マウスの静脈内へ注入した(3-4マウス/群)。注入の1日後、OT-I細胞注入B6マウスを、OVA257-264と各種アジュバントおよびHMGB1阻害剤とで免疫した。イミキモドは前記のとおり投与し、他のアジュバント(100μg/匹 CpG-ODN (ODN2395)、2μg/匹 MPL、50μL/匹 Montanide ISA51VG)は抗原ペプチドと共に、全量0.1 mLで皮下注射した。ワクチン投与の3日後、ワクチン投与したB6マウス由来の脾臓細胞を回収し、抗マウスCD8a-PerCP/Cy5.5 (BioLegend, San Diego, CA)で染色し、OT-I CD8 T細胞の増殖をFACS CantoII system (BD Biosciences, Franklin Lakes, NJ)により解析した。
ELISPOTアッセイ
CTL応答は、IFN-γ ELISPOTアッセイにより評価した。各処理群につき5匹のマウスを、1週間隔で2回免疫した。ワクチン投与したB6マウスから、最終ワクチン投与の1週間後に脾臓細胞を回収し、RBC溶解バッファーに再懸濁し、次いで107 細胞/mLにてX-VIVO 15 (Lonza, Walkersville, MD) (10 mM HEPES、2 mM GlutaMax、および0.05 mM 2-ME含有)に再懸濁した。106 細胞の脾臓細胞 (0.1 mL)を、抗マウスIFN-γ抗体 (AN18) (Mabtech, Nacka Strand, Sweden)でコートした96ウェルプレート (Multi-Screen Filter Plate (MSHAS4510)) (Merck Millipore, Darmstadt, Germany)に播種した。等量のX-VIVO 15(20μg/mL OVA257-264含有またはOVA257-264不含)を各ウェルに添加した。37℃で18時間インキュベートした後、プレートをビオチン結合抗マウスIFN-γ (R4-6A2) (Mabtech)と室温で2時間インキュベートし、その後、ExtrAvidin-Alkaline Phosphatase (Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)と室温で1時間インキュベートした。IFN-γスポットは、SIGMAFAST BCIP/NBT (Sigma-Aldrich)で可視化した。ELISPOTプレートは、ImmunoCapture version 6. 4 (Cellular Technology, Ltd., Shaker Heights, OH)により解析した。
移植腫瘍に対する治療用ワクチンモデル
E.G7 細胞 (1 x 106 細胞、0.1 mL中) を剃毛したB6マウスの左背側皮膚に皮下注射した。腫瘍塊が直径7-8 mmに達した時にワクチン投与を開始した。イミキモド塗布処理をした後、OVA257-264 (5μg)をグリチルリチンとともに全量0.1 mLでマウス背側皮膚に皮下投与した。ワクチン投与は1週間隔で3回行った。腫瘍の増殖は2日または3日毎に測定した。腫瘍サイズは以下のように表した:腫瘍サイズ (mm2) = 長径 (mm) x 短径 (mm)。
リアルタイムPCR
各種免疫関連遺伝子のレベルをリアルタイムPCRにより測定した。ワクチン投与部位の皮膚 (10 mm x 15 mm) および脾臓標本を、ワクチン投与の6、12、および24時間後にマウスから得た。これら標本をRNAlater (Ambion, Austin, TX)に浸漬し、4℃で保存した。RNAの抽出および精製は、RNeasy Plus Universal Mini KitをTissueRuptorシステム (Qiagen, Hilden, Germany) とともに製造元の推奨にしたがい使用して行った。cDNAは、500 ngのトータルRNAからReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover (Toyobo, Osaka, Japan)を用いて合成した。リアルタイムPCRは、THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix (Toyobo) を用いてStepOnePlus (Applied Biosciences, Foster City, CA)で行った。
統計学的解析
統計学的解析は、JMP version 11 software (SAS Institute, Cary, NC)を用いて行った。
2.結果
OT-I T細胞の抗原誘発増殖に対するグリチルリチンの効果
OT-Iマウス由来のCFSE標識脾臓細胞をB6マウスに移植し、1日後、アジュバントとしてTLR7アゴニストであるイミキモドを局所投与し、同じ領域にOVA257-264ペプチドとグリチルリチンとを混合して皮下注射した。OT-I CD8 T細胞の増殖を免疫の2日または3日後にFACS解析により評価した(図1)。本実験において、OVA257-264+イミキモド投与群で大部分のOT-I CD8 T細胞の増殖が誘導され、OVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群と比較して全増殖細胞数に相違は見られなかった。一方、3回以上増殖した細胞の数を比較すると、グリチルリチンはOVA257-264およびイミキモドの免疫による効果を有意に増強した。このグリチルリチンの増強効果は、イミキモドを用いずにOVA257-264を免疫した群では観察されなかった。これらの結果は、グリチルリチンは、単独ではアジュバント効果を示さないが、コアジュバント効果を有することを示す。
グリチルリチンがイミキモドとは異なるアジュバント系であるMPL、CpG-ODN (ODN2395)および不完全フロイントアジュバント(Montanide ISA51VG)において抗原誘発T細胞増殖を増強するかを調べた(図2)。MPLはTLR4アゴニスト、CpG-ODNはTLR9アゴニストである。不完全フロイントアジュバントは、抗原ペプチドとアジュバントとの混合物の油中水型エマルジョンから抗原ペプチドがゆっくりと放出される、抗原貯蔵システムの一種である。グリチルリチンの効果は、MPLおよびCpG-ODNでは観察されたが、不完全フロイントアジュバントでは観察されなかった。
HMGB1阻害剤のコアジュバント効果
グリチルリチンはHMGB1の選択的阻害剤である。それゆえ、次に、OVA257-264誘発T細胞増殖に対するグリチルリチンの効果が他のHMGB1阻害剤(ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩およびシベレスタットナトリウム水和物)で観察されるかを検討した。図3に示すように、ガベキサートメシル酸塩およびナファモスタットメシル酸塩はOVA257-264誘発OT-I CD8 T細胞増殖を有意に増強し、シベレスタットナトリウム水和物も、統計学的に有意ではないものの増強する傾向を示した。ガベキサートメシル酸塩およびナファモスタットメシル酸塩はセリンプロテアーゼ阻害活性を有し、シベレスタットナトリウム水和物は好中球エラスターゼ阻害活性を有するが、グリチルリチンはかかる活性を有さない。これらの結果は、グリチルリチンで観察された増強効果が他のHMGB1阻害剤でも観察されることを示す。
インビボでの抗原特異的CTL誘導に対するグリチルリチンの効果
B6マウスにおけるOVA257-264誘発CTL誘導をELISPOTアッセイにより解析した。B6マウスに、イミキモドの局所投与後、グリチルリチンと混合したOVA257-264または混合してないOVA257-264を皮下注射により1週間隔で2回投与して免疫した。最終免疫の1週間後に脾臓細胞を得て、インビトロでの抗原特異的T細胞の増殖は行わず、IFN-γ ELISPOTアッセイに供した。各マウスにおける、OVA257-264に応答するIFN-γ産生細胞の数を図4に示す。OVA257-264単独で免疫したマウスのIFN-γ産生細胞数の平均+2SDより値が高かった場合に、応答が増強されたと判定し、全マウスに対する増強率を示した。増強されたマウスの割合は、OVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群においてのみ、OVA257-264単独投与群より有意に高かった (4/5と0/5、p<0.05)。かかるグリチルリチンの増強効果は、イミキモドを用いずにOVA257-264のみで免疫した群では観察されなかった。
ペプチドワクチン投与により誘導されるインビボでの抗腫瘍効果のグリチルリチンによる増強
グリチルリチンのコアジュバント効果を、治療用ワクチンモデルを用いて更に検討した。E.G7腫瘍細胞を、B6マウスに皮下注射により移植した。移植したE.G7細胞が固形腫瘍塊を形成したことを確認した後、イミキモドおよび/またはグリチルリチンを用いて、あるいはこれらを用いずに、OVA257-264によりマウスを免疫した。各群のマウスの腫瘍増殖および全生存期間を図5aに示す。OVA257-264+イミキモド投与群またはOVA257-264単独投与群と比較して、OVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群では腫瘍増殖が抑制されているようであった。OVA257-264+イミキモド投与群およびOVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群の14日目から26日目の各マウスの腫瘍増殖のプロットにより、この2つの群の腫瘍増殖が有意に異なることが明らかとなった。次いで、腫瘍特異性について検討した。E.G7細胞または親株のEL4細胞 (OVA陰性)をB6マウスに移植し、腫瘍塊の形成後、OVA257-264ワクチン投与とともに、またはOVA257-264を投与せずに、イミキモドおよびグリチルリチンの処理を開始した。図5bに示すように、OVA257-264投与による腫瘍増殖阻害はEG.7移植マウスにおいてのみ観察され、EL4移植マウスでは観察されなかった。すなわち、本実験で観察された腫瘍増殖阻害は抗原特異的であった。
免疫関連遺伝子の発現に対するグリチルリチンの効果
ワクチン投与部位の皮膚組織における免疫6-24時間後の各種免疫関連遺伝子のmRNA発現レベルをリアルタイムPCRにより解析した(図6)。グリチルリチン非処理のOVA257-264+イミキモド投与群と比較して、OVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群では、IL-1β、IL-6、IL-10、COX-2、INF-αおよびTNF-αの発現が皮膚免疫部位において低下していた。Arg1の発現はイミキモドにより抑制され、OVA257-264+イミキモド+グリチルリチン投与群の発現レベルも、OVA257-264単独投与群より低かった。グリチルリチン単独では、これら免疫関連サイトカインのレベルは変化しなかった(データ非提示)。これらの結果は、HMGB1阻害剤が自然免疫レセプターを介して誘導される炎症反応を抑制することを示す。
HMGB1阻害剤の投与経路の検討
OT-I T細胞の抗原誘発増殖に対するHMGB1阻害剤の投与経路を検討した。OT-Iマウス由来のCFSE標識脾臓細胞をB6マウスに移植し、1日後に、イミキモドを背側皮膚に局所投与した。30分後、イミキモドと同じ領域にOVA257-264とグリチルリチンとを混合して皮下投与(sc mix群)、もしくはOVA257-264とグリチルリチンとを近接する位置で別々に皮下投与(sc proximal群)するか、または、OVA257-264をイミキモドと同じ領域に皮下投与し、グリチルリチンを腹腔内投与(ip群)した。OT-I CD8 T細胞の増殖を免疫の3日後にFACS解析により評価した(図7)。いずれの投与経路によっても、グリチルリチンの併用により、OT-I CD8T 細胞の増殖が増強された。これらの結果は、HMGB1阻害剤が、抗原またはアジュバントとの同時混合投与のみならず、別の投与部位または投与経路によっても投与可能であることを示す。

Claims (16)

  1. HMGB1阻害剤を含む、コアジュバント組成物であって、
    アジュバントおよびがん抗原ペプチドと併用され、
    HMGB1阻害剤が、グリチルリチン、ガベキサート、およびナファモスタットもしくはその医薬上許容される塩またはこれらの水和物から選択され、
    アジュバントが、イミキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNから選択される、組成物
  2. アジュバントと別の製剤に含まれる、請求項に記載の組成物。
  3. アジュバントと別の投与経路で投与される、請求項1または2に記載の組成物。
  4. アジュバントと別の投与部位に投与される、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  5. がん抗原ペプチドと別の製剤に含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. がん抗原ペプチドと別の投与経路で投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. がん抗原ペプチドと別の投与部位に投与される、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. がん抗原ペプチド、アジュバント、およびHMGB1阻害剤を含む、ワクチン組成物であって、
    HMGB1阻害剤が、グリチルリチン、ガベキサート、およびナファモスタットもしくはその医薬上許容される塩またはこれらの水和物から選択され、
    アジュバントが、イミキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNから選択される、組成物
  9. HMGB1阻害剤を含む、コアジュバント組成物であって、
    アジュバントおよびCTLエピトープペプチドと併用され、
    HMGB1阻害剤が、グリチルリチン、ガベキサート、およびナファモスタットもしくはその医薬上許容される塩またはこれらの水和物から選択され、
    アジュバントが、イミキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNから選択される、組成物
  10. アジュバントと別の製剤に含まれる、請求項9に記載の組成物。
  11. アジュバントと別の投与経路で投与される、請求項9または10に記載の組成物。
  12. アジュバントと別の投与部位に投与される、請求項9〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. CTLエピトープペプチドと別の製剤に含まれる、請求項9〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. CTLエピトープペプチドと別の投与経路で投与される、請求項9〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. CTLエピトープペプチドと別の投与部位に投与される、請求項9〜14のいずれかに記載の組成物。
  16. CTLエピトープペプチド、アジュバント、およびHMGB1阻害剤を含む、ワクチン組成物であって、
    HMGB1阻害剤が、グリチルリチン、ガベキサート、およびナファモスタットもしくはその医薬上許容される塩またはこれらの水和物から選択され、
    アジュバントが、イミキモド、モノホスホリルリピドAおよびCpG-ODNから選択される、組成物。
JP2016156299A 2016-08-09 2016-08-09 コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物 Active JP6755012B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016156299A JP6755012B2 (ja) 2016-08-09 2016-08-09 コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016156299A JP6755012B2 (ja) 2016-08-09 2016-08-09 コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018024594A JP2018024594A (ja) 2018-02-15
JP6755012B2 true JP6755012B2 (ja) 2020-09-16

Family

ID=61193604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016156299A Active JP6755012B2 (ja) 2016-08-09 2016-08-09 コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6755012B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023092153A3 (en) * 2021-11-22 2023-09-14 The Texas A&M University System Methods and compositions targeting nucleus accumbens-associated protein-1 for treatment of autoimmune disorders and cancers

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023092153A3 (en) * 2021-11-22 2023-09-14 The Texas A&M University System Methods and compositions targeting nucleus accumbens-associated protein-1 for treatment of autoimmune disorders and cancers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018024594A (ja) 2018-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11559570B2 (en) Prime-boost regimens involving administration of at least one mRNA construct
US10729766B2 (en) Method for improving the efficacy of a survivin vaccine in the treatment of cancer
ES2298418T3 (es) Procedimiento para la preparacion de una libreria de arnm de antigenos tumorales.
US9724403B2 (en) Therapeutic agent for cancer
US8728465B2 (en) Use of toll-like receptor ligands as adjuvants to vaccination therapy for brain tumors
JP2022092001A (ja) 樹状細胞免疫療法
WO2023006920A1 (en) Compositions and methods for treatment of melanoma
KR20200096800A (ko) I형 인터페론 유전자를 자극시키기 위한 양이온성 지질을 포함하는 방법 및 조성물
WO2020123912A1 (en) Inhibition of asph expressing tumor growth and progression
KR20140131925A (ko) 자가 암 세포 백신
JP6755012B2 (ja) コアジュバント組成物およびこれを含むワクチン組成物
Naylor et al. IRX-2 increases the T cell-specific immune response to protein/peptide vaccines
Zhang et al. Comparison of fusion protein and DC vaccine in inhibition of mouse B16F10 melanoma tumor
US20220409708A1 (en) Small lipid nanoparticles, and cancer vaccine including same
US11945851B2 (en) MAGE-A vaccines and methods of treatment using the same
KR20210151788A (ko) 백신 보조제 및 제형
CA3028168C (en) Compositions and methods for activating antigen presenting cells with chimeric poliovirus
WO2023211279A1 (en) Adjuvant combinations for neopeptide vaccines
KR102425028B1 (ko) 작은 지질 나노 입자 및 이를 포함하는 암 백신
TWI398262B (zh) 腫瘤相關抗原之免疫性肽類及其於癌症治療上的用途
EP4115901A1 (en) Live-pathogen-mimetic nanoparticles based on pathogen cell wall skeleton, and production method thereof
US20160136251A1 (en) CD4 T Cell Vaccine and Use Thereof
CN117979990A (zh) 用于治疗黑素瘤的组合物和方法
JP2024520477A (ja) ペプチドに基づくネオ抗原ワクチンの多成分化学組成物
Jeon Role of Toll-Like Receptor Agonists as Cancer Vaccine Adjuvants

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160819

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6755012

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250