(実施形態1)
本実施形態に係る自動収集システム1は、図1に示すように、駅構内3の店舗4A及び自販機4Bで使用される電気(資源)の電力量(物理量)を測定し、その測定結果を無線通信によってサーバ5に収集するシステムである。
以下の説明において、店舗4Aと自販機4Bとを区別しないときは、店舗4A及び自販機4Bをまとめて設備4と記載する。本実施形態では、物理量は、設備4で使用される電気の電力量(電気使用量)であるが、設備4で使用される水道水の水量又はガスのガス量であってもよい。
自動収集システム1は、駅構内3に設置された店舗4A及び自販機4Bと、店舗4A及び自販機4Bの各々に設置された電気メータ6A,6B及び子機7A,7Bと、親機8と、サーバ5と、通信端末10とを含む。電気メータ6A,6Bは、設備4に関する物理量を測定する測定器の一例であり、設備4で使用される電気の電力量を測定する。なお、測定器は、設備4で使用される資源の使用量を測定する装置である。
図1では、駅構内3に店舗4Aが2つ設置され、自販機4Bが1つ設置される場合が例示されるが、店舗4A及び自販機4Bが共に無しである場合を除き、店舗4Aの数及び自販機4Bの数に特に制限はない。また、図1では、親機8が1つ備えられる場合が例示されるが、親機8は複数備えられてもよい。
店舗4Aは、駅構内3に設置されている。店舗4Aは、一例として各種の商品(食料品、日用雑貨又は食料品など)を販売する店である。店舗4Aは、1つ以上の電気機器9を備えている。また、店舗4Aには、上述のように、電気メータ6A及び子機7Bが設置されている。
電気機器9は、電気で作動する機器であり、店舗4A内で使用される各種の機器(例えば照明器具、空調器及び冷蔵庫など)である。店舗4Aは、駅構内3から電源線を引き込んでおり、その電源線から供給される電力を用いて店舗4A内の電気機器9を作動させている。より詳細には、駅構内3から店舗4A内に引き込まれた電源線(主電源線)は、分電盤によって複数の分岐線に分岐され、各分岐線は各電気機器9に接続されている。これにより、主電源線からの電力が店舗4A内の全ての電気機器9に供給されている。
電気メータ6Aは、店舗4Aで使用される電気の電力量を測定する測定器である。電気メータ6Aは、駅構内3から店舗4A内に引き込まれた上記の主電源線を流れる電気の電力量を測定する。電気メータ6Aは、主電源線に流れる電気の電力量を測定することで、店舗4Aで使用される電気の電力量(使用電力量)を測定する。電気メータ6Aは、一定期間(例えば1分、1時間、1日)ごとの使用電力量を測定する。電気メータ6Aは、子機7Aに電気的に接続されており、測定結果を子機7Aに出力する。なお、測定結果には、測定結果が測定された店舗4A(設備4)を識別する設備識別情報が含まれている。この識別情報によって、親機8において、測定結果を設備4ごとに集計可能になる。電気メータ6Aは、例えば、デジタル式誘導型電力量計、電子式電力量計、又はスマートメーターである。電気メータ6Aは、店舗4Aの内部に設置されてもよいし、店舗4Aの外に設置されてもよい。
子機7Aは、親機8との間で無線通信が可能な通信装置である。子機7Aは、電気メータ6Aの測定結果を無線通信で親機8に送信する。子機7Aは、例えば920MHzの周波数帯を用いて、親機8との間で無線通信を行う。920MHzの周波数帯は、電波法施行規則第6条の規定に基づく特定小電力無線局の周波数帯であり、免許不要で使用可能な周波数帯である。
自販機4B(正式には自動販売機)は、通貨等(通貨、貨幣又はそれに代替するカード)が投入されると、自動で商品(例えば飲み物)を提供する装置である。自販機4Bは、駅構内3に設置されている。自販機4Bは、駅構内3からの電源線から供給される電力で作動している。自販機4Bには、上述のように、電気メータ6B及び子機7Bが設置されている。
電気メータ6Bは、自販機4Bで使用される電気の電力量(使用電力量)を測定する測定器である。電気メータ6Bは、駅構内3から自販機4Bに引き込まれた電源線を流れる電気の電力量を測定する。電気メータ6Bは、上記の電源線に流れる電気の電力量を測定することで、自販機4Bで使用される電気の電力量を測定する。電気メータ6Bは、店舗4Aに設置された電気メータ6Aと同じ構成である。電気メータ6Bは、一定期間(例えば1分、1時間、1日)ごとの電力量を測定する。電気メータ6Bは、子機7Bに電気的に接続されており、測定結果を例えば測定ごとに子機7Bに出力する。測定結果には、測定結果が測定された自販機4B(設備4)を特定する設備識別情報が含まれている。電気メータ6Bは、自販機4Bの内部に設置されてもよいし、自販機4Bの外に設置されてもよい。以降、店舗4Aに設置された電気メータ6Aと、自販機4Bに設置された電気メータ6Bとを区別しないときは、電気メータ6と記載する。
子機7Bは、店舗4Aに設置された子機7Aと同じ構成である。子機7Bは、親機8との間で、例えば920MHzの周波数帯を用いて無線通信を行い、電気メータ6Aの測定結果を親機8に送信する。以降、店舗4Aに設置された子機7Aと、自販機4Bに設置された子機7Bとを区別しないときは、子機7と記載する。
各子機7は、マルチホップ通信を行う。すなわち、各子機7は、他の子機7が親機8に送信した送信データ(測定結果)を中継する。したがって、各子機7が送信した送信データは、隣接する他の子機7を経由してデータ転送を繰り返しなら、親機8に送信される。各子機7は、送信データを中継するときも920MHzの周波数帯を用いて中継する。なお、図1の点線M1は、或る店舗4Aに設けられた子機7Aが自販機4Bに設けられた子機7Bの送信データを中継して親機8に送信する様子を図示している。駅構内3は、鉄骨構造で作られた場所が多く、電波を受信し難い場所が多い。上記のように、子機7がマルチホップ通信を行うことで、子機7が受信環境の良くない場所に設置されても、マルチホップ通信により、子機7が送信した測定結果を親機8に受信させることができる。なお、マルチホップ通信は、子機7のうちの少なくとも1つの子機7が実行するようになっていればよい。
親機8は、各子機7との間で無線通信が可能な通信装置であり、子機7と無線通信可能な場所(駅構内3又は駅構外の所定場所)に設置されている。親機8は、各子機7から送信された測定結果を受信する。親機8は、各子機7から受信した測定結果を、測定結果に含まれる設備識別情報に基づいて、設備4ごとに集計する。すなわち、親機8は、各子機7からの測定結果から、設備4ごとに所定期間(例えば1日、1週間、1か月)ごとの使用電力量を算出する。なお、親機8は、設備4とその設備4の運営者(設備運営者)との対応関係を保有し、その対応関係に基づいて、設備運営者ごとに所定期間ごとの使用電力量を算出してもよい。
親機8には、記録媒体(例えばメモリカード)8bを着脱自在に装着するリーダライタ8aが接続されている。リーダライタ8aは、装着された記録媒体8bに対してデータの書き込み及び読み出しを行う。親機8は、各子機7からの測定結果及び親機8による収集結果を、リーダライタ8aに装着された記録媒体8bに保存する。なお、本実施形態では、リーダライタ8aは、親機8に外付けされるが、親機8に内蔵されてもよい。
親機8は、通信回線網(例えば専用回線)11を介してサーバ5と接続されている。親機8とサーバ5との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、それらの組み合わせでもよい。通信回線網11は、本実施形態では専用回線であるが、公衆回線であってもよい。公衆回線は、例えば、3G(3rd Generation)通信規格、4G(4th Generation)通信規格、5G(5th Generation)通信規格、又は無線LAN(例えばWiFi(登録商標))を用いた通信回線網である。本実施形態では、サーバ5は、例えば駅構外の所定場所(例えばサーバ5を管理する管理事業者の拠点)に設置されている。
親機8は、各子機7からの測定結果及び親機8による集計結果を、通信回線網11を介してサーバ5に送信(すなわちアップロード)する。この送信は、親機8による集計ごと又は一定時間ごとに自動的に行われてもよい。なお、親機8は、サーバ5との間でメールの送受信を行うメール機能を有する場合は、メールによって測定結果及び収集結果をサーバ5に送信してもよい。親機8は、メール機能によって、サーバ5だけでなく外部の装置との間でも、メールの送受信を行うことができるように構成されていてもよい。
サーバ5は、通信回線網11を介して親機8と通信可能に接続されており、親機8から送信された測定結果及び集計結果を保存する。より詳細には、サーバ5には、記録媒体(例えばメモリカード)5bを着脱自在に装着するリーダライタ5aが接続されている。リーダライタ5aは、装着された記録媒体8bに対してデータの書き込み及び読み出しを行う。サーバ5は、親機8からの測定結果及び集計結果を、リーダライタ5aに装着された記録媒体5bに保存する。なお、リーダライタ5aは、サーバ5に外付けされるが、サーバ5に内蔵されてもよい。
通信端末10は、サーバ5に保存された測定結果及び集計結果を閲覧可能な通信装置(例えばデスクトップパソコン、タブレット又はノートパソコン)である。通信端末10は、通信回線網11に接続されており、通信回線網11を介してサーバ5と通信可能である。通信端末10は、例えば駅構外の所定場所(例えばサーバ5を管理する管理事業者の拠点)に設置されている。
通信端末10は、表示部10aを有する。通信端末10は、サーバ5に保存された測定結果及び集計結果を表示部10aに表示可能である。これにより、作業者は、通信端末10の表示部10aを介して、各設備4での電気メータ6の測定結果、及び設備4(又は設備運営者)ごとの所定期間(例えば1か月)の使用電力量を確認可能である。これにより、作業者は、電気メータ6の設置場所に行かなくても、各設備4で使用される電気の電力量を確認可能である。
自動収集システム1には、図2に示すように、鉄道事業者A1(事業者)と、設備運営者A2(運営者)と、管理事業者A3(管理者)とが関係する。
鉄道事業者A1は、鉄道及び駅(駅構内3を含む駅)を運営する事業者(例えば鉄道会社)であり、駅構内3に電気を供給する電気事業者A4(例えば電力会社)との間で、駅構内3での電気の使用に関して使用契約を結んでいる。鉄道事業者A1は、駅構内3で使用された電気の電力量に対する使用量料金を電気事業者A4に支払うことになっている。
設備運営者A2は、設備4を運営する運営会社である。本実施形態では、設備4ごとに設備運営者A2が異なることを想定するが、複数の設備4に、設備運営者A2が同じである設備4が含まれてもよい。
管理事業者A3は、例えば管理会社であり、例えば鉄道事業者A1と間の契約により、駅構内3の各設備4で使用された電気の電力量を管理し、その使用電力量に対する使用量料金を鉄道事業者A1に支払うことになっている。より詳細には、管理事業者A3は、駅構内3の設備4で使用された電気の使用電力量に対する使用量料金を、鉄道事業者A1に支払う。そして、管理事業者A3は、設備運営者A2から、管理事業者A3が立て替えて支払った分を支払ってもらう。このため、管理事業者A3は、自動収集システム1を用いて、各設備4に設置された電気メータ6の測定結果を収集し、設備4ごと又は設備運営者A2ごとに測定結果を集計する。管理事業者A3は、その集計結果に基づいて、駅構内3の全ての設備4で使用された電気の使用電力量に対する使用量料金を各設備運営者A2の代わりに鉄道事業者A1に立て替えて支払い、その立て替えて支払った分を各設備運営者A2に支払ってもらう。なお、管理事業者A3は、各子機7、親機8及びサーバ5を管理する管理者である。
なお、管理事業者A3は、サーバ5及び通信装置13(第1通信装置)を有している。鉄道事業者A1は、通信装置14(第2通信装置)を有している。設備運営者A2は、通信装置15(第3通信装置)を有している。電気事業者A4は、通信装置16を有している。鉄道事業者A1、設備運営者A2、管理事業者A3及び電気事業者A4の各々の通信装置13,14,15,16は、互いの間で通信可能な装置である。通信装置13,14,15,16は、有線又は無線による通信回線網(例えば公衆回線網)を介して互いに接続されている。各通信装置13,14,15,16は、パソコン等の通信端末を想定するが、パソコン以外の通信端末であってもよい。なお、本実施形態では、通信装置13,14,15,16は、自動収集システム1の構成要素とするが、構成要素でなくてもよい。
次に図2を参照して、自動収集システム1を用いた測定結果の収集から設備運営者A2の使用電力量の使用量料金の支払いまでの流れ(自動収集方法)を説明する。
まず、鉄道事業者A1は、電気事業者A4から、駅構内3の全体で使用された電気の所定期間(例えば1か月分)の使用電力量に対する使用量料金の請求を受ける(S1)。より詳細には、鉄道事業者A1は、例えば、通信装置14を介して電気事業者A4の通信装置16から送信された上記の請求を受信する。なお、鉄道事業者A1は、上記の請求を郵送で電気事業者A4から受信してもよい。そして、鉄道事業者A1は、電気事業者A4からの上記の請求で指定された使用量料金(電気料金)を電気事業者A4に支払う(S2)。より詳細には、例えば、鉄道事業者A1は、通信装置14を用いて電気事業者A4が指定する銀行の所定の口座にアクセスして、その所定の口座に上記の使用量料金を振り込む。
また、各設備4に設置された電気メータ6の測定結果が、各子機7から親機8に送信される。すなわち、各電気メータ6の測定結果が、各設備4から管理事業者A3に送信される(S3)。親機8は、各子機7からの測定結果を、設備4ごと又は設備運営者A2ごとに、所定期間(例えば1か月分)の使用電力量として集計する。そして、親機8は、測定結果及び集計結果をサーバ5に送信してサーバ5に保存する。
管理事業者A3は、親機8の集計結果を鉄道事業者A1に報告する(S4)。より詳細には、管理事業者A3は、通信装置13を用いて、親機8の集計結果を鉄道事業者A1の通信装置14に送信する。
鉄道事業者A1は、通信装置14を介して管理事業者A3からの上記の報告を受けると、その報告から、設備4ごと又は設備運営者A2ごとの所定期間の使用電力量に対する使用量料金(親機8の集計結果に対する使用量料金)を算出する。そして、鉄道事業者A1は、その算出結果を管理事業者A3に請求する(S5)。より詳細には、鉄道事業者A1は、通信装置14を用いて、上記の算出結果(使用量料金に関する情報)を管理事業者A3の通信装置13に送信する。
管理事業者A3は、通信装置13を介して鉄道事業者A1からの上記の請求を受けると、その請求に基づいて、各設備4又は各設備運営者A2の所定期間の使用電力量に対する使用量料金の合計額(すなわち駅構内3の設備4の全体の電気の使用量料金)を算出し、その合計額を鉄道事業者A1に支払う(S6)。より詳細には、例えば、管理事業者A3は、通信装置13を用いて鉄道事業者A1が指定する銀行の所定の口座にアクセスして、上記の合計額を所定の口座に振り込む。
そして、管理事業者A3は、鉄道事業者A1からの上記の請求に基づいて、各設備運営者A2の所定期間の使用電力量に対する使用量料金を各設備運営者A2に請求する(S7)。より詳細には、管理事業者A3は、通信装置13を用いて、上記の使用量料金の情報を各設備運営者A2の通信装置15に送信する。
各設備運営者A2は、通信装置15を介して管理事業者A3からの上記の請求を受けると、その請求に基づいて、設備運営者A2自身の使用量料金を管理事業者A3に支払う(S8)。より詳細には、例えば、各設備運営者A2は、通信装置15を用いて管理事業者A3が指定する銀行の所定の口座にアクセスして、上記の使用量料金を所定の口座に振り込む。
以上、本実施形態に係る自動収集システム1によれば、電気メータ6(測定器)の測定結果が子機7から親機8に送信される。このため、作業者が電気メータ6の設置場所に行かなくても、電気メータ6の測定結果を親機8に収集できる。したがって、作業者による電気メータ6の測定結果の収集作業の負担を軽減できる。また、子機7は、親機8との間で例えば920MHzの周波数帯を用いて無線通信を行うため、子機7と親機8との間の通信が、駅構内3の他の設備(鉄道設備など)で既に使用されている周波数帯と干渉することを防止できる。
(変形例)
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態1の変形例及び他の実施形態を列挙する。以下に説明する変形例及び他の実施形態は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例及び他の実施形態では、実施形態1と異なる点を中心に説明し、実施形態1と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。さらに、上記の実施形態に係る態様は、自動収集システム1で具現化されることに限らない。例えば、自動収集方法で、上記の実施形態に係る態様が具現化されてもよい。
上記の自動収集方法は、第1工程と、第2工程とを含む。第1工程では、駅構内3に設置された設備4で使用される電気(資源)の電力量(物理量)を電気メータ6(測定器)で測定する。第2工程では、電気メータ6の測定結果を子機7から親機8に920MHzの周波数帯を用いて無線通信で送信する。
また、上記の自動収集方法は、第3工程と、第4工程(S4)と、第5工程(S5)と、第6工程(S6)と、第7工程(S7)と、第8工程(S8)と、を含む。第3工程では、親機8が、設備4ごと又は設備運営者A2(運営者)ごとに上記の測定結果を収集する。第4工程(S4)では、親機8の収集結果を通信装置13(第1通信装置)から通信装置14(第2通信装置)に送信する。第5工程(S5)では、上記の収集結果に対する使用量料金に関する情報を通信装置14(第2通信装置)から通信装置13(第1通信装置)に送信する。第6工程(S6)では、管理事業者A3(管理者)が、通信装置13(第1通信装置)を用いて、鉄道事業者A1が指定する銀行の所定の口座に、設備4ごと又は設備運営者A2(運営者)ごとの使用量料金の合計額を振り込む。第7工程(S7)では、上記の情報を、通信装置13(第1通信装置)から通信装置15(第3通信装置)に送信する。第8工程(S8)では、設備運営者A2(運営者)が、通信装置15(第3通信装置)を用いて、管理事業者A3(管理者)が指定する銀行の所定の口座に、設備運営者A2(運営者)が運営する設備4で使用した電気の電力量(物理量)の使用量料金を振り込む。
(変形例1)
実施形態1では、測定器が測定する物理量は、設備4で使用される電気の電力量であるが、測定器が測定する物理量は、設備4で使用される電流の電力量に限定されない。例えば、設備4でガスが使用される場合は、測定器が測定する物理量は、設備4で使用されるガスのガス量であってもよいし、設備4で水道水が使用される場合は、測定器が測定する物理量は、設備4で使用される水道水の水量であってもよい。なお、測定器は、設備4で使用されるガスのガス量を測定する場合は、ガスメータとなる。また、測定器は、設備4で使用される水道水の水量を測定する場合は、水道メータとなる。
(変形例2)
実施形態1では、設備4に1種類の測定器(例えば電気メータ6A)を設置して1種類の物理量(例えば電力量)を測定するが、設備4に2種類以上の測定器を設置して2種類以上の物理量を測定してもよい。例えば、設備4に電気メータ、ガスメータ及び水道メータを設置して、設備4で使用される電気、ガス及び水道水の各々の使用量を測定してもよい。
(変形例3)
実施形態1では、1つの設備4に1つの測定器が設置されるが、複数の設備4に1つの測定器が設置されてもよい。この場合は、1つの測定器で複数の設備4で使用される物理量の全体が測定される。この場合は、複数の設備4は、同じ設備運営者A2であることが望ましい。
(変形例4)
実施形態1では、管理事業者A3は、設備4ごと又は設備運営者A2ごとの所定期間の使用電力量を鉄道事業者A1に報告する。ただし、管理事業者A3は、設備4ごと又は設備運営者A2ごとの所定期間の使用電力量の合計(合計使用電力量)を鉄道事業者A1に報告してもよい。この場合は、鉄道事業者A1は、上記の合計使用電力量に対する使用量料金を算出し、その算出結果を管理事業者A3に請求する。管理事業者A3は、合計使用電力量に対する使用量料金から、設備運営者A2ごとの使用量料金を算出し、その算出結果を各設備運営者A2に請求する。
(変形例5)
実施形態1では、管理事業者A3が、各設備4の使用電力量に対する使用量料金の合計額を鉄道事業者A1に支払った後、各設備運営者A2から設備運営者A2自身の使用電力量に対する使用量料金を支払ってもらうが、管理事業者A3の鉄道事業者A1への支払いと設備運営者A2の管理事業者A3への支払いの順序はこの順序に限定されない。例えば、管理事業者A3は、先に各設備運営者A2から設備運営者A2自身の使用電力量に対する使用量料金の支払いを受け、その後に、各管理事業者A3から支払われた使用量料金の合計額を鉄道事業者A1に支払ってもよい。
(変形例6)
実施形態1では、子機7と親機8との間の通信は、特定小電力無線局の周波数帯の一例として920MHzの周波数帯を用いるが、特定小電力無線局の周波数帯の別の例として429MHzの周波数帯を用いてもよい。なお、429MHzの周波数帯を用いた無線通信では、920MHzの周波数帯を用いた無線通信よりも通信速度が遅くなるが、無線通信で用いる電波がより回折し易くなるため、920MHzの周波数帯を用いる場合よりも、子機7からの電波が親機8に届き易くなる。また、特定小電力無線局の周波数帯以外の通信として、3G通信を用いてもよいし、4G通信を用いてよいし、5G通信を用いてもよいし、2.4GHz及び5GHzの何れかの周波数帯の無線LAN(例えばWi-Fi(登録商標))を用いてもよい。
(変形例7)
実施形態1では、親機8は、子機7を介して電気メータ6の測定結果を受け取るが、子機7を介さずに直接、電気メータ6の測定結果を受け取ってもよい。
(変形例8)
本実施形態1では、自販機4Bは、無人機の一例であるが、無人機の他の例として、照明写真機(照明写真ボックス)、現金自動預け払い機(ATM:automatic teller machine)、コインロッカー、又は公衆電話であってもよい。すなわち、設備4は、店舗4A及び自販機4Bの他に、自販機4B以外の無人機を含んでもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る自動収集システム1は、図3に示すように、実施形態1において電源通信一体ユニット20(通信ユニット)を更に備える。電源通信一体ユニット20は、筐体21(図4参照)と、電気メータ6(測定器)と、子機7と、分電回路22(分配装置)とを備えている。この電源通信一体ユニット20は、電気メータ6、子機7及び分電回路22をユニット化した装置である。
分電回路22は、駅構内3からの電源線31から供給される電気(資源)を複数(例えば5つ)に分電(分配)して、複数(例えば5つ)の設備4(図1参照)に供給可能な回路である。分電回路22は、主電路22aと、複数(例えば5つ)の分岐電路22bと、複数(例えば5つ)の遮断スイッチ22cと、電源入力コンセント22d(電源入力部)と、複数(例えば5つ)の電源出力コンセント22e(電源出力部)とを備える。
複数(例えば5つ)の分岐電路22bは、主電路22aの一端部から分岐されている。電源入力コンセント22dは、駅構内3からの電源線31の端部の電源プラグ31a(接続部)が着脱可能に接続される部分である。電源入力コンセント22dは、主電路22aの他端部に接続されている。複数の電源出力コンセント22eは、設備4からの電源線41の端部の電源プラグ41a(接続部)が着脱可能に接続される部分である。電源出力コンセント22eの数だけ、複数の設備4からの電源線41を分電回路22に接続可能である。複数の電源出力コンセント22eはそれぞれ、複数の分岐電路22bの端部に接続されている。複数の電源出力コンセント22eは、電源入力コンセント22dに入力された電力であって複数の分岐電路22bによって分電されて電力を出力する。複数の遮断スイッチ22cはそれぞれ、複数の分岐電路22bに接続されている。遮断スイッチ22cは、分岐電路22bに所定電流値未満の電流が流れる場合は、分岐電路22bを導通し、分岐電路22bに所定電流値以上の電流が流れる場合は、分岐電路22bを遮断する。遮断スイッチ22cは、手動で遮断状態を導通状態に切り替えることが可能である。遮断スイッチ22cは、一例として、分岐電路22bに所定電流値以上の漏れ電流が流れると、分岐電路22bを電気的に遮断する漏電遮断器であるが、分岐電路22bに契約電流値以上の電流が流れると、分岐電路22bを電気的に遮断するブレーカーであってもよい。
電気メータ6は、実施形態1の電気メータ6と同じ構成である。電気メータ6は、分電回路22の主電路22aに流れる電流(すなわち電源入力コンセント22dに流れる電流)の電力量を測定する。これにより、電気メータ6は、駅構内3から、電源通信一体ユニット20に接続された各設備4に供給された電気(資源)の電力量(供給量)の合計を測定する。なお、本実施形態では、電源通信一体ユニット20から電力供給される各設備4は、同じ設備運営者であることを想定している。電気メータ6は、表示部6aを有してもよい。表示部6aは、電気メータ6の測定結果を表示する。表示部6aは、例えばデジタル表示で測定結果を表示する。表示部6aは、例えば蛍光表示管で構成されている。
子機7は、実施形態1の子機7と同じ構成である。筐体21は、回路部品(電気メータ6、子機7、分電回路22)を収容する。筐体21は、図4に示すように、金属によって直方体形の箱状に形成されている。筐体21は、6つの壁(上壁21U、下壁21D、右壁21R、左壁21L、前壁21F及び後壁21B)を有する。
筐体21の前面(前壁21F)には、図5に示すように、2つの窓孔21a,21bが設けられている。一方の窓孔21aは、例えば略正方形状であり、透明性を有する板21cで塞がれている。一方の窓孔21aの後側には、電気メータ6の表示部6aが配置されている。これにより、表示部6aは、一方の窓孔21aを介して外部から視認可能である。他方の窓孔21bは、例えば横長矩形状であり、例えば透明性を有する蓋部21dによって開閉可能に塞がれている。蓋部21dは、手動で開閉可能である。他方の窓孔21bの後側には、複数の遮断スイッチ22cが配置されている。これにより、蓋部21dを開けた状態で、複数の遮断スイッチ22cを、他方の窓孔21bを介して外部から操作可能である。筐体21の前面には、複数の電源出力コンセント22eが配置されている。これにより、各設備4からの電源線41の端部の電源プラグ41aを、電源通信一体ユニット20の外部から各電源出力コンセント22eに接続可能である。また、筐体21の前面の左右両縁には、取っ手22fが設けられている。
筐体21の後面(後壁21B)は、図6に示すように、開口部22gを有する。開口部22gは、一例として筐体21の後面の4つの角部の付近に設けられている。電源入力コンセント22d(図3参照)は、筐体21の内部に配置されている。駅構内3からの電源線31の端部の電源プラグ31aは、何れかの1つの開口部22gを介して筐体21内に取り込まれて電源入力コンセント22dに接続される。なお、開口部22gは、軽量化に役立つが無くてもよい。この場合、筐体21には、電源線31を挿通する挿通孔が設けられる。そして、その挿通孔を通して電源線31が筐体21内に取り込まれる。
電源線31の途中には、配線用の遮断器32が設けられている(図3参照)。遮断器32は、電源線31に過電流が流れると自動的に電源線31を電気的に遮断する。遮断器32は、手動で導通状態又は遮断状態に切替可能である。遮断器32は、筐体21の外に配置されている。遮断器32は、導通状態では、電源線31を導通させ、遮断状態では、電源線31を電気的に遮断して非導通にする。本実施形態では、遮断器32を導通状態から遮断状態に切り替えた状態で、電源通信一体ユニット20を設置する。すなわち、遮断器32を導通状態から遮断状態に切り替えた状態で、駅構内3からの電源線31の電源プラグ31aを電源入力コンセント22dに接続すると共に、各設備4からの電源線41の電源プラグ41aを各電源出力コンセント22eに接続する。そして、電源プラグ31a,41aのコンセント22d,22eへの接続後に、遮断器32を遮断状態から導通状態に切り替える。このような手順で電源通信一体ユニット20を設置することで、電源通信一体ユニット20の設置作業を容易に行える。電源通信一体ユニット20を交換するときも、遮断器32を導通状態から遮断状態に切り替えた状態で、電源通信一体ユニット20を交換する。
筐体21は、図7に示すように、6つの壁(上壁21U、下壁21D、右壁21R、左壁21L、前壁21F及び後壁21B)のうち、少なくとも1つの壁(例えば上壁21U及び後壁21B)は、残りの壁から取り外し可能である。より詳細には、上壁21U及び後壁21Bは、例えばねじで隣接する壁に固定されており、ねじを外すことで、残りの壁から取り外し可能である。上壁21U又は後壁21Bは外した状態で、筐体21の内部に上記の回路部品が収容可能である。
筐体21の内部には、図7に示すように、内部の前側のスペースに分電回路22及び電気メータ6が配置され、内部の後側のスペースに子機7などの通信装置が配置されている。
この電源通信一体ユニット20は、図8及び図9に示すように、自販機4Bの周囲に設置されたトラッシュボックス50内に設置可能である。トラッシュボックス50とは、空き缶等を捨てるゴミ箱を収容するボックスである。トラッシュボックス50は、ボックス本体51と、開閉扉52とを有する。ボックス本体51は、縦長の直方体形の箱状で前面が開口している。ボックス本体51の内部は、上下方向に複数(図9では2つ)の棚が設けられている。開閉扉52は、ボックス本体51の前面開口を開閉可能に塞ぐ部材である。開閉扉52は、ボックス本体51の前面において、例えば横開き可能に取り付けられている。電源通信一体ユニット20は、例えば、ボックス本体51の内部において複数の棚の一番上の棚に配置されている。なお、ボックス本体51の内部の一番下の空間に、ゴミ箱が収容されている。
開閉扉52には、窓孔52aが設けられている。窓孔52aは、開閉扉52において、開閉扉52が閉じられた状態で、トラッシュボックス50内の電源通信一体ユニット20の窓孔21aに対向する箇所に設けられている。窓孔52aは、透明性を有する板で塞がれている。窓孔52aにより、開閉扉52が閉じられた状態でも、窓孔52aを通じて、電源通信一体ユニット20の窓孔21aの後側に配置された電気メータ6Aを、トラッシュボックス50の外部から視認可能である。なお、窓孔52aは、無くてもよい。
このように、電源通信一体ユニット20がトラッシュボックス50内に配置される場合は、電源通信一体ユニット20から電力供給を受ける設備4として、例えば、トラッシュボックス50の周囲の各自販機4Bからの電源線41の電源プラグ41aが電源通信一体ユニット20の電源出力コンセント22eに接続可能である。これにより、各自販機4Bは、電源通信一体ユニット20から供給される電力で作動する。この場合、電源通信一体ユニット20には、最大5つの自販機4Bを接続可能であり、それら自販機4Bに供給される電気の電力量の全体が電気メータ6で測定される。
以上、本実施形態に係る電源通信一体ユニット20によれば、電気メータ6(測定器)、子機7及び分電回路22(分配装置)がユニット化されているため、電気メータ6、子機7及び分電回路22の保守点検が容易になる。特に、電源通信一体ユニット20全体を交換することで、電気メータ6、子機7及び分電回路22の交換が容易に行える。また、ユニット化することで、省スペース化でき、かつ、電気メータ6、子機7及び分電回路22の設置状態の美観を向上できる。特に、電源通信一体ユニット20を駅のプラットホームに設置するとき、ユニット化によって電気メータ6、子機7及び分電回路22の保守点検を行う際の安全対策のための作業を軽減できる。
(実施形態2の変形例)
(変形例1)
実施形態2では、電気メータ6は、主電路22aに設けられて、電源入力コンセント22dに流れる電気の電力量を測定するが、複数の分岐電路22bの各々に設けられて、複数の電源出力コンセント22eの各々に流れる電気の電力量を個別に測定してもよい。これにより、複数の電源出力コンセント22eに接続された複数の設備4で個別に使用される電気の電力量を測定できる。
(変形例2)
実施形態2では、設備4で使用される資源の物理量として電気の電力量を測定するが、電気の電力量以外にガスのガス量又は水道水の水量を測定してもよい。
(変形例3)
実施形態2では、電源通信一体ユニット20は、子機7を備えるが、図10に示すように、子機7の代わりに親機8を備えてもよい。図10の例では、親機8は、電源通信一体ユニット20内の電気メータ6の測定結果を入力されると共に、自動収集システム1の各子機7から送信される測定結果も受信して入力される。すなわち、親機8は、各子機7からの測定結果と、電源通信一体ユニット20内の電気メータ6からの測定結果とをまとめて集計する。また、電源通信一体ユニット20の電源出力コンセント22eに接続された設備4(第2設備)は、子機7が設置された設備4(第1設備)とは別の設備(すなわち子機7が設置されていない設備4)である。より詳細には、自動収集システム1の複数の設備4は、第1設備と第2設備とを含む。第1設備は、電気メータ6によって電気の使用電力量が測定されて測定結果が子機7によって親機8に送信される設備である。第2設備は、別の電気メータ6(別の電流メータ)によって電気の使用電力量が測定されて測定結果が、子機7を介さずに直接、親機8に出力される設備である。分配装置22は、駅構内3から供給される電気を分配し、分配した電気を第2設備である設備4に供給する。別の電気メータ6は、分電回路22の主電路22aを流れる電流の電力量(すなわち駅構内3から電源通信一体ユニット20に供給される電気の供給量)を測定する。
また、図10の例では、親機8は、3G通信装置23を介して通信回線網11に接続されている。すなわち、親機8は、3G通信規格でサーバ5との間で通信を行う。なお、親機8は、3G通信装置の代わりに4G通信装置、5G通信装置又は無線LAN(例えばWiFi(登録商標))通信装置を介して、通信回線網11に接続してもよい。この変形例において、分電回路22を省略してもよい。なお、本変形例では、物理量として電気の電力量を測定するが、ガス又は水導水の使用量を測定してもよい。
なお、本変形例の電源通信一体ユニット20(すなわち親機8を備えた電源通信一体ユニット20)は、例えば、駅員の居ない無人駅に設置可能である。
(実施形態3)
実施形態1では、測定器は、設備4で使用される電気の電力量の検針のために用いられるが、本実施形態では、測定器は、店舗4A内に設置された冷蔵庫の故障を検出するために用いられる。この場合、測定器は、冷蔵庫内に設置され、冷蔵庫内の温度を測定する温度センサである。この場合、サーバ5は、親機8から送信される測定結果に基づいて、監視対象の冷蔵庫の温度を監視する。すなわち、サーバ5は、監視対象の冷蔵庫の温度が所定温度以下であるか否かの判定を行う。そして、サーバ5は、監視対象の冷蔵庫の温度が所定温度以上になると、冷蔵庫の故障と判定し、この異常を、周囲の作業者に報知してもよいし、通信回線11を介して通信端末10に通知してもよい。これにより、冷蔵庫の故障の発生の有無を店舗4Aから離れた場所(管理事業者A3の拠点)で監視できる。
なお、本実施形態では、冷蔵庫の故障の監視を例示するが、冷蔵庫以外の電気機器の故障の監視に適用してもよい。冷蔵庫以外の電気機器の場合、電気機器の温度は、電気機器の周囲温度でもよい。
また、本実施形態では、冷蔵庫の温度が所定温度(第1温度)以上になると冷蔵庫の異常と判定するが、冷蔵庫の温度が第2温度以下になると冷蔵庫の異常と判定してもよい。また、冷蔵庫の温度が所定範囲から外れると冷蔵庫の異常と判定してもよい。
また、本実施形態では、冷蔵庫の温度を監視するが、冷蔵庫の温度以外の物理量(冷蔵庫に流れる電気の電気変動)を監視してもよい。
(実施形態4)
実施形態1では、測定器は、設備4で使用される電気の電力量の検針のために用いられるが、本実施形態では、測定器は、店舗4Aの入口の付近に設置され、店舗4Aに入店する客の入店者数(入場者数)を測定するために用いられる。この場合、測定器は、人の流れを測定する人感センサである。人感センサは、例えば、赤外線などを利用して周囲温度と温度差のあるものが検知範囲内で動いたときに、その温度変化を検知する。この場合、例えば、サーバ5は、親機8から送信される測定結果に基づいて、店舗4Aごとに、所定期間における店舗4Aの売り上げと入店者数との関係(例えばグラフ又は表)を作成する。上記の店舗4Aの売り上げに関する情報は、予めサーバ5に入力されている。サーバ5は、作成結果を、リーダライタ5aに接続された記録媒体5bに保存する。作成結果は、通信端末10から閲覧可能である。
なお、本実施形態では、店舗4Aの入店者数を測定するが、店舗4Aの前を通る人の数(通行者数)を測定してもよい。この場合は、測定器の設置場所は、店舗4Aの入口付近に限定されない。
また、本実施形態では、測定器で店舗4Aの入店者数を測定するが、測定器で自販機4Bの前を通る通行者数を測定してもよい。この場合、サーバ5は、自販機4Bの売り上げと自販機4Bの前を通る通行者数との関係を作成する。
(実施形態5)
本実施形態に係る自動収集システムは、図11に示すように、実施形態1に係る自動収集システムにおいて、設備4ごとに、電力(例えばバックアップ用の電力)を設備4に供給可能な無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)6Cを備えている。無停電電源装置6Cは、例えば、駅構内3内における設備4の外に設置されている。無停電電源装置6Cは、駅構内3から設備4への電力供給に異常が発生したときに、設備4に電力を給電する。上記の異常は、例えば、停電による電力供給の遮断である。より詳細には、無停電電源装置6Cは、駅構内3から店舗4Aへの電力供給に異常が発生したか否かを判定し、電力供給に異常が発生していないと判定した場合は、設備4に電力を供給せず、且つ、上記の異常を知らせる発報信号を子機7に出力しない。また、無停電電源装置6Cは、駅構内3から設備4への電力供給に異常が発生したと判定した場合は、設備4に電力を供給し、かつ、上記の異常を知らせる発報信号を子機7に出力する。
子機7に出力された発報信号(測定器の測定結果)は、実施形態1と同様に、子機7から親機8に送信され、親機8からサーバ5に送信される。サーバ5は、親機8から送信される発報信号に基づいて、各設備4において、駅構内3から設備4への電力供給に異常が発生したか否かの監視を行う。サーバ5は、異常の発生を検知した場合は、その異常を、周囲の作業者に報知してもよいし、通信回線11を介して通信端末10に通知してもよい。
本実施形態によれば、無停電電源装置6Cが上記の異常の発生時に出力する発報信号を子機7に出力し、子機7から親機8に送信し、親機8からサーバに送信することで、無停電電源装置6Cを用いて、駅構内3から設備4への電力供給に異常が発生したか否かをサーバ5で監視できる。
なお、本実施形態の無停電電源装置6Cは、測定器の一例である。この場合の測定器(すなわち無停電電源装置6Cである測定器)は、駅構内3から設備4に供給される電力を測定し、測定した電力に基づいて電力供給に異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したときに出力する発報信号を測定結果として子機7に出力する。
なお、本実施形態は、実施形態1の構成を前提とするため、電気メータ6の測定結果を子機7に出力する場合との組み合わせを想定するが、電気メータ6を省略して無停電電源装置6Cを用いる場合を単独で実施してもよい。
(まとめ)
第1の態様の自動収集システム(1)は、駅構内(3)に設置された設備(4)に関する物理量を収集に送信する。自動収集システム(1)は、測定器(6)と、子機(7)と、親機(8)と、を備えている。測定器(6)は、設備(4)に設置され、物理量を測定する。子機(7)は、測定器(6)の測定結果を送信する。親機(8)は、子機(7)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行い、子機(7)から送信された測定結果を受信する。
この構成によれば、測定器(6)の測定結果が子機(7)から親機(8)に送信される。このため、作業者が測定器(6)の設置場所に行かなくても、測定器(6)の測定結果を親機(8)に収集できる。したがって、作業者による測定器(6)の測定結果の収集作業の負担を軽減できる。また、子機(7)は、親機(8)との間で特定小電力無線局の周波数帯(例えば920MHz又は429MHz)を用いて無線通信を行うため、子機(7)と親機(8)との間の通信が、駅構内(3)の他の設備(鉄道設備など)で既に使用されている周波数帯と干渉することを防止できる。
第2の態様の自動収集システム(1)では、特定小電力無線局の周波数帯は、920MHzの周波数帯である。
この構成によれば、特定小電力無線局の周波数帯として、920MHzの周波数帯を用いることができる。
第3の態様の自動収集システム(1)は、第1又は第2の態様において、子機(7)を複数備える。複数の子機(7)の少なくとも1つは、複数の子機(7)のうちの他の子機(7)が親機(8)に送信した測定結果を中継する。
この構成によれば、子機(7)と親機(8)との間の電波送受信状況が悪くても、測定結果を子機(7)から親機(8)に確実に送信できる。
第4の態様の自動収集システム(1)では、第1〜第3の何れか1つの態様において、測定器(6)は、物理量として、設備(4)で使用される電気、水道又はガスの使用量を測定する。
この構成によれば、物理量として、設備(4)で使用される電気、水道又はガスの使用量を測定することができる。
第5の態様の自動収集システム(1)では、第1〜第4の態様の何れか1つの態様において、設備(4)は、複数設置される。親機(8)は、親機(8)が受信した測定結果を、設備(4)ごと又は設備(4)の運営者(A2)ごとに集計する。
この構成によれば、親機(8)が受信した測定結果を、設備(4)ごと又は設備(4)の運営者(A2)ごとに集計できる。これにより、設備(4)ごと又は設備(4)の運営者(A2)ごとの電気、ガス又は水道の使用量を把握できる。
第6の態様の自動収集システム(1)は、第5の態様において、第1通信装置(13)と、第2通信装置(14)と、第3通信装置(15)と、を備えている。第1通信装置(13)は、親機(8)の管理者(A3)が有する。第2通信装置(14)は、駅構内(3)を含む駅を運営する鉄道事業者(A1)が有する。第3通信装置(15)は、設備(4)の運営者(A2)が有する。第1通信装置(13)は、親機(8)の集計結果を第2通信装置(14)に送信する。第2通信装置(14)は、第1通信装置(13)からの集計結果に対する使用量料金に関する情報を第1通信装置(13)に送信する。第1通信装置(13)は、第2通信装置(14)から受信した情報を第3通信装置(15)に送信する。
この構成によれば、サーバ(5)の管理者(A3)は、駅構内(3)の設備(4)で使用した電気、水道又はガスの使用量に対する使用量料金を鉄道事業者(A1)から知得できる。また、サーバ(5)の管理者(A3)は、知得した使用量料金を設備(4)の運営者(A2)に通知できる。これにより、サーバ(5)の管理者(A3)が設備(4)の運営者(A2)に代わって鉄道事業者(A1)に上記の使用量料金を立て替えて支払い、その後、管理者(A3)が立て替えて支払った分を運営者(A2)が管理者(A3)に支払うことができる。
第7の態様の自動収集システム(1)は、第1〜第6の態様の何れか1つの態様において、分配装置(分電回路22)と、筐体(21)と、を更に備えている。分配装置(22)は、駅構内(3)から供給される資源を分配し、分配した資源を設備(4)に供給する。筐体(21)は、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)を収容する。測定器(6)は、物理量として、駅構内(3)から供給される資源の供給量を測定する。
この構成によれば、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)がユニット化されているため、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の保守点検が容易になる。特に筐体(21)ごと交換することで、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(22)の交換が容易に行える。また、ユニット化することで、省スペース化でき、かつ、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の設置状態の美観を向上できる。特に、ユニット化された測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)を駅のプラットホームに設置するとき、ユニット化によって測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)を保守点検する際に安全対策のための作業を軽減できる。
第8の態様の自動収集システム(1)は、第1〜第6の態様の何れか1つの態様において、設備(4)は複数設置されている。複数の設備(4)は、第1設備と第2設備とを含む。第1設備は、測定器(6)によって物理量が測定されて測定結果が子機(7)によって親機(8)に送信される設備(4)である。第2設備は、測定器(6)とは別の測定器(6)によって物理量が測定されて測定結果が親機(8)に出力される設備(4)である。自動収集システム(1)は、分配装置(分電回路22)と、筐体(21)とを更に備える。分配装置は、駅構内3から供給される資源を分配し、分配した資源を第2設備に供給する。筐体(21)は、分配装置(分電回路22)、別の測定器(6)及び親機(8)を収容する。別の測定器(6)は、物理量として、駅構内3から供給される資源の供給量を測定する。
この構成によれば、別の測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)がユニット化されているため、別の測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の保守点検が容易になる。特に筐体(21)ごとを交換することで、別の測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の交換が容易に行える。また、ユニット化することで、省スペース化でき、かつ、第2測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の設置状態の美観を向上できる。特に、ユニット化された別の測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)を駅のプラットホームに設置するとき、ユニット化によって別の測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の保守点検を行う際に安全対策のための作業を軽減できる。
第9の態様の自動収集システム(1)では、第7又は第8の態様において、分配装置は、駅構内(3)からの電源線(31)から供給される電力を分電する分電回路(22)である。分電回路(22)は、電源入力部(22d)と、複数の電源出力部(22e)と、を備えている。電源入力部(22d)は、駅構内(3)からの電源線(31)の端部に設けられた接続部(31a)が着脱可能に接続可能である。複数の電源出力部(22e)は、設備(4)からの電源線(41)の端部に設けられた接続部(41a)が着脱可能に接続可能であり、電源入力部(22d)に入力された電力が分電されて出力される。
この構成によれば、駅構内(3)からの電源線(31)の接続部(31a)及び設備(4)からの電源線(41)の接続部(41a)と、分電回路(22)との着脱を容易に行える。
第10の態様の自動収集システム(1)では、第9の態様において、測定器(6)は、電源入力部(22d)を流れる電気の電力量を測定する。
この構成によれば、通信ユニット(20)に接続された設備(4)の全部で使用される電気の電力量を測定できる。
第11の態様の自動収集システム(1)では、第9の態様において、測定器(6)は、電源出力部(22e)ごとに設置され、電源出力部(22e)ごとに流れる電気の電力量を測定する。
この構成によれば、通信ユニット(20)に接続された設備(4)の各々で使用される電気の電力量を個別に測定できる。
第12の態様の自動収集システム(1)では、第7〜第11の態様の何れか1つの態様において、筐体(21)は、測定器(6)を外部に露出する窓孔(21a)を有する。
この構成によれば、筐体(21)の内部から測定器(6)を取り出さなくても、窓孔(21a)を介して筐体(21)の外部から測定器(6)を視認できる。
第13の態様の自動収集システム(1)では、第7〜12の態様の何れか1つの態様において、設備(4)は、自販機(4B)である。前記筐体(21)は、自販機(4B)の周囲に設置されたトラッシュボックス(50)の内部に設置される。
この構成によれば、トラッシュボックス(50)内の空き空間を利用して筐体(21)を設置できる。
第14の態様の自動収集システム(1)では、第1〜第3の態様において、測定器は、無停電電源装置である。無停電電源装置(6C)は、駅構内(3)から設備(4)への電力供給に異常が発生したか否かを判定する。無停電電源装置(6C)は、前記電力供給に異常が発生していないと判定した場合は、予備電力を設備に供給せず且つ前記電力供給に異常が発生した旨の信号を子機(7)に出力しない。無停電電源装置(6C)は、前記電力供給に異常が発生した場合は、予備電力を設備(4)に供給し且つ前記電力供給に異常が発生した旨の信号を子機(7)に測定結果として出力する。
この構成によれば、駅構内(3)から設備(4)への電力供給に異常が発生したとき、その異常が発生した旨の信号を子機(7)を介して親機(8)に送信できる。
第15の態様の自動収集システム(1)は、第1〜第14の態様の何れか1つの態様において、親機(8)との間で通信が可能なサーバ(5)を更に備える。サーバ(5)は、親機(8)が受信した測定結果に基づいて、設備(4)に異常が発生しているか否かを判定する。
この構成によれば、作業者が駅構内(3)の設備(4)を見に行かなくても、設備(4)の異常を検出できる。
第16の態様の自動収集システム(1)では、第1〜第3の態様の何れか1つの態様において、測定器(6)は、設備(4)に入場する入場者数、又は設備(4)の前を通る通行者数を測定する。
この構成によれば、設備(4)への入場者数、又は設備(4)の前を通る通行者数を測定できる。
第17の態様の通信ユニット(20)は、測定器(6)と、子機(7)と、分配装置(分電回路22)と、筐体(21)と、を備えている。測定器(6)は、駅構内(3)に設置される設備(4)に関する物理量を測定する。子機(7)は、親機(8)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行い、測定器(6)の測定結果を親機(8)に送信する。分配装置(分電回路22)は、駅構内(3)から供給される資源を分配し、分配した資源を設備(4)に供給する。筐体(21)は、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)を収容する。測定器(6)は、物理量として、駅構内(3)に供給される資源の供給量を測定する。
この構成によれば、作業者が測定器(6)の設置場所に行かなくても、測定器(6)の測定結果を親機(8)に収集できる。したがって、作業者による測定器(6)の測定結果の収集作業の負担を軽減できる。また、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)がユニット化されるため、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の保守点検が容易になる。特に筐体(21)ごとを交換することで、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の交換が容易に行える。また、ユニット化することで、省スペース化でき、かつ、測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の設置状態の美観を向上できる。特に、通信ユニット(20)を駅のプラットホームに設置するとき、ユニット化によって測定器(6)、子機(7)及び分配装置(分電回路22)の保守点検を行う際に安全対策のための作業を軽減できる。また、子機(7)は、親機(8)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行うため、子機(7)と親機(8)との間の通信が、駅構内(3)の他の設備(鉄道設備など)で既に使用されている周波数帯と干渉することを防止できる。
第18の態様の通信ユニット(20)は、測定器(6)と、親機(8)と、分配装置(22)と、筐体(21)と、を備える。測定器(6)は、駅構内(3)に設置される設備に関する物理量を測定する。親機(8)は、子機(7)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行うと共に、測定器(6)から出力された測定結果を取得する。分配装置(22)は、駅構内(3)から供給される資源を分配し、分配した資源を設備(4)に供給する。筐体(21)は、測定器(6)、親機(8)及び分配装置(22)を収容する。測定器(6)は、物理量として、駅構内(3)に供給される資源の供給量を測定する。
この構成によれば、作業者が測定器(6)の設置場所に行かなくても、測定器(6)の測定結果を親機(8)に収集できる。したがって、作業者による測定器(6)の測定結果の収集作業の負担を軽減できる。また、測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)がユニット化されるため、測定器(6)、親機(8)及び分配装置(22)の保守点検が容易になる。特に筐体(21)ごとを交換することで、測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の交換が容易に行える。また、ユニット化することで、省スペース化でき、かつ、測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の設置状態の美観を向上できる。特に、通信ユニット(20)を駅のプラットホームに設置するとき、ユニット化によって測定器(6)、親機(8)及び分配装置(分電回路22)の保守点検を行う際に安全対策のための作業を軽減できる。また、子機(7)は、親機(8)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行うため、子機(7)と親機(8)との間の通信が、駅構内(3)の他の設備(鉄道設備など)で既に使用されている周波数帯と干渉することを防止できる。
第19の態様の自動収集方法は、第1工程と、第2工程とを含む。第1工程では、駅構内(3)に設置される設備(4)に関する物理量を測定器(6)で測定する。第2工程は、測定器(6)の測定結果を子機(7)から親機(8)に特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信で送信する。
この構成によれば、作業者が測定器(6)の設置場所に行かなくても、測定器(6)の測定結果を親機(8)に収集できる。したがって、作業者による測定器(6)の測定結果の収集作業の負担を軽減できる。また、子機(7)は、親機(8)との間で特定小電力無線局の周波数帯を用いて無線通信を行うため、子機(7)と親機(8)との間の通信が、駅構内(3)の他の設備(鉄道設備など)で既に使用されている周波数帯と干渉することを防止できる。
第20の態様の自動収集方法では、第19の態様において、サーバ(5)の管理者(A3)が有する通信装置を第1通信装置(13)とする。駅構内(3)に属する駅を運営する鉄道事業者(A1)が有する通信装置を第2通信装置(14)とする。設備(4)の運営者(A2)が有する通信装置を第3通信装置(15)とする。この自動収集方法は、第3工程と、第4工程(S4)と、第5工程(S5)と、第6工程(S6)と、第7工程(S7)と、第8工程(S8)と、を含む。第3工程では、親機(8)が、設備(4)ごと又は設備(4)の運営者(A2)ごとに測定結果を収集する。第4工程(S4)では、親機(8)の収集結果を第1通信装置(13)から第2通信装置(14)に送信する。第5工程(S5)では、上記の収集結果に対する使用量料金に関する情報を第2通信装置(14)から第1通信装置(13)に送信する。第6工程(S6)では、管理者(A3)が第1通信装置(13)を用いて鉄道事業者(A1)が指定する銀行の所定の口座に、設備(4)ごと又は運営者(A2)ごとの使用量料金の合計額を振り込む。第7工程(S7)では、上記の情報を第1通信装置(13)から第3通信装置(15)に送信する。第8工程(S8)では、運営者(A2)が、第3通信装置(15)を用いて、管理者(A3)が指定する銀行の所定の口座に、運営者(A2)が運営する設備(4)で使用した物理量の使用量料金を振り込む。
この構成によれば、サーバ(5)の管理者(A3)は、駅構内(3)の設備(4)で使用した物理量の使用量に対する使用量料金を鉄道事業者(A1)から知得できる。また、サーバ(5)の管理者(A3)は、知得した使用量料金を設備(4)の運営者(A2)に通知できる。これにより、サーバ(5)の管理者(A3)が設備(4)の運営者(A2)に代わって鉄道事業者(A1)に上記の使用量料金を立て替えて支払い、その後、管理者(A3)が立て替えて支払った分を運営者(A2)が管理者(A3)に支払うことができる。