<パチンコ遊技機>
はじめに、図面を参照しつつ、パチンコ遊技機について詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞または第2始動入賞の発生に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第1特図ゲームまたは第2特図ゲームや画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。
また、第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞または第2始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25A及び第2保留表示器25Bは、いずれも例えば4個のLEDを含んで構成され、点灯させるLEDの数によって、保留データ(第1特図保留情報及び第2特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数(第1特図ゲーム及び第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示及び第2保留表示が行われる。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲームとも称する。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄が配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示(導出表示)される。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部などとも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間が配置されている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示の周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像などのアクティブ表示に応じた情報などが特別画像によって表示される。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、何れの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して奥・手前・左・右方向に傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音(エラー音)を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声などである。また、演出音には、遊技球が入賞口に入賞したときに出力される入賞音や、保留変化があったときに出力される保留変化音などが含まれる。入賞音は検出音の一種であり、保留変化音は報知音の一種である。入賞音及び保留変化を発生させるための条件や手順等については後に説明する。
警告音(エラー音)の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときの皿満タンエラー時に出力される警告音である皿満タンエラー音、ガラス扉(非図示)が開放しているときの扉開放エラー時に出力される警告音である扉開放エラー音、遊技機に磁気が近づけられているときの磁気エラー時に出力される警告音である磁気エラー音などが挙げられる。これらの皿満タンエラー音、扉開放エラー音、磁気エラー音などは、同一の音であってもよいし異なる音であってもよい。また、エラーの重要度に応じて異なる音となるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1の遊技を継続しても大きな支障はないが、なるべく早く解消したいいわば軽エラーと、遊技を継続すると大きな支障が生じる可能性があるいわば重エラーとで異なる音となるようにしてもよい。上記の各エラーの内、皿満タンエラーは軽エラーに相当し、扉開放エラーや磁気エラーは、不正に遊技球を抜き取られる可能性がある重エラーに相当する。軽エラーが発生している際の軽エラー音は、小さい目立ちにくい音とし、重エラーが発生している際の重エラー音は、大きく目立ちやすい音としてもよい。
遊技機用枠3の遊技領域の内部には、可動役物173が設けられている。可動役物173は演出動作として遊技機用枠3の領域内において上下動作を行うものとする。図1は可動役物173が原点位置にある場合を示している。可動役物173は、演出動作として、原点位置から下降して、画像表示装置5の表示画面中央部を動作端として停止して画像表示装置5の表示画面の一部を隠し、再び原点位置に戻る動作を行う。また、可動役物173は、演出動作として、原点位置から下降して、動作端まで下降せずに画像表示装置5の上部で停止して、再び原点位置に戻る動作を行う。可動役物173は、演出動作として、激しく上下動作を繰り返したり、回転したりしてもよい。また、可動役物173が動作するときには、後述する発光部材9CCを点灯する演出動作を行ってもよい。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
パチンコ遊技機1は、第1始動入賞または第2始動入賞が発生して第1始動条件または第2始動条件が成立した場合には、入賞音の出力(発生)の制限をしないときに、演出音として入賞音を出力する(発生させる)。なお、第1始動入賞が発生したものの、第1特図保留記憶数が上限値(例えば4個)となっていて第1始動条件が成立しない場合でも、第1始動入賞の発生によって入賞音を出力するようにしてもよい。同様に、第2始動入賞が発生したものの、第2特図保留記憶数(例えば4個)が上限値となっていて第2始動条件が成立しない場合でも、第2始動入賞の発生によって入賞音を出力するようにしてもよい。または、第1始動入賞または第2始動入賞が発生して第1始動条件または第2始動条件が成立した場合には入賞音を出力せず、第1始動入賞または第2始動入賞が発生したものの、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が上限値(例えば4個または8個)となっていて第1始動条件または第2始動条件が成立しない場合に、第1始動入賞または第2始動入賞の発生によって入賞音を出力するようにしてもよい。
入賞音は、第1始動条件または第2始動条件が成立し、入賞音の出力の制限をしない場合には常に出力するようにしてもよいし、第1始動条件または第2始動条件が成立し、入賞音の出力の制限をしない場合であって、さらに所定の条件、例えば所定の割合で入賞音を出力するか否かの決定(抽選)を行い、この決定(抽選)によって入賞音を出力するとして所定の条件を満たしたときに出力するようにしてもよい。また、第1始動条件が成立した場合、入賞音の出力の制限をしないときには入賞音を常に発生させ、第2始動条件が成立した場合、入賞音の出力の制限をしないときには、さらに所定の条件を満たしたときに入賞音を出力するようにしてもよい。あるいは、第2始動条件が成立した場合、入賞音の出力の制限をしないときには入賞音を常に発生させ、第1始動条件が成立し場合、入賞音の出力の制限をしないときには、さらに所定の条件を満たしたときに入賞音出力するようにしてもよい。また、第1始動条件が成立した場合の入賞音と、第2始動条件が成立した場合の入賞音は、共通の音でもよいし異なる音でもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。
パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、その後、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態に維持し、1回のラウンドを終了させる。
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、の何れかとなるまでの期間、開放状態に維持される。
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。
以上から、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、例えば、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したり、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを16回実行したり、大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)→開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを2回実行したりすることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、通常開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、短期開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。
以上のように、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、夫々の大当り遊技状態において遊技者が得る価値、即ち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))を夫々異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが導出表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出の何れが実行されるかに応じて、即ち、何れのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの何れか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
擬似連演出における再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの初回可変表示の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の最終可変表示の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。なお、初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、…と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。
なお、先読予告演出(事前判定予告演出)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示や第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様による保留演出が用意されている。保留演出には、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出である保留変化演出がある。保留変化演出を実行するにあたり、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化する際には、演出音として保留変化音を出力する。また、保留演出には、第1始動入賞の発生時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する第1保留表示や第2始動入賞の発生時に第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する第2保留表示を予告態様で表示する演出(追加時保留演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、保留作用演出が実行されたときには、作用対象である第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化するが、保留作用ガセ演出が実行されたときには、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化しない。これらの追加時保留演出、保留作用演出、保留作用ガセ演出を実行する際に、それぞれ追加時保留音、保留作用音、保留作用ガセ音などを出力するようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」となる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」となる。「大当り」における、「8R確変大当り」、「16R確変大当り」、「2R確変大当り」の別は、「大当り種別」と称する。
16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが16回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。また、8R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われる。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常の遊技状態である。パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御が何れも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
また、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、8回目のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、8回目のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが16R確変大当りであることを報知するラウンド数昇格演出が実行されてもよい。なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された場合も同様である。
また、本実施形態では通常大当りを設けないが、通常大当りを設けたときに通常大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、最終のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、最終のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが確変大当りであることを報知する確変昇格演出が実行されてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。さらに、主基板11は、パチンコ遊技機1に発生する異常の判定(エラー判定)を行う機能も備えている。エラー判定によってエラーがあると判定した場合に、不正による不具合を防止するため、警告音を発生させたり、払出制御基板による遊技球の払出しを中断させたりする。エラーが無いと判定した場合は、エラー解除中であるとしてパチンコ遊技機1による遊技を可能な状態としておく。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から演出音等の音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。例えば、音声制御基板13は、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技球が入賞口に入賞したときの入賞音や、保留変化があったときに保留変化音をスピーカ8に出力させる。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
演出制御コマンドには、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、図柄確定コマンド、遊技状態指定コマンド、客待ちデモ指定コマンド、停電復旧指定コマンド、エラーコマンド、当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)、大入賞口開放中通知コマンド、大入賞口開放後通知コマンド、当り終了指定コマンド、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンド)、時短回数指定コマンド、確変回数指定コマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)、初期化指定コマンド、等のコマンドがある。このうち、遊技状態指定コマンドには、遊技状態が確変状態であるときの確変状態コマンドや遊技状態が時短状態であるときの時短状態コマンドが含まれる。なお、これらのコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」などが含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブル、変動カテゴリ決定テーブル、変動パターン決定テーブルなどの各種のテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
表示結果決定テーブルは、例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。また、表示結果決定テーブル130Aは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブルでは、遊技状態が高確状態であるときに、遊技状態が低確状態であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、低確状態では所定個数(具体的には190個)の決定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。一方、高確状態では所定個数よりも多い個数(具体的には819個)の決定値「8000」〜「8818」が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、夫々の大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)に割り当てられている。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12には、可動役物制御装置17が接続されている。可動役物制御装置17は、演出制御用CPU120からの指示に従い、可動役物173の動作を制御する。可動役物制御装置17は、原点センサ171A、動作端センサ171B、及びアクチュエータ172が接続されている。
原点センサ171Aは、可動役物173が原点位置にあることを検出して検出信号を出力するセンサである。動作端センサ171Bは、可動役物173が動作端の位置にあることを検出して検出信号を出力するセンサである。原点センサ171A及び動作端センサ171Bは、可動役物を検出したときに検出信号をオフ状態からオン状態にするものとする。原点センサ171A及び動作端センサ171Bは、近接スイッチ、赤外線センサ等を用いることができる。
アクチュエータ172は、例えばモータ、電磁ソレノイド等である。アクチュエータ172がモータであり、可動役物173を動作させる。本実施形態では、可動役物173は、図1で説明したとおり、上下方向の動作を行うものとする。すなわち、アクチュエータ172は、可動役物173を上下方向に動作させる。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
また、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに既に表示されている第1保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第1保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちの何れの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第1保留変化態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM121には、他の表示態様への変化あり、他の表示態様への変化なしの決定割合が互いに異なる複数の第1保留変化有無決定テーブルや、当該第1保留変化態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化態様決定テーブルが記憶されている。夫々の第1保留変化有無決定テーブルには、変化あり、変化なしの夫々に、変化有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられている。夫々の第1保留変化態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、変化後の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられている。なお、複数の第1保留変化有無決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化有無決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化有無決定テーブルをROM121に記憶してもよい。また、複数の第1保留変化態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに既に表示されている第2保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第2保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちの何れの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第2保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するか、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動表示された飾り図柄が停止表示され、さらに変動表示を開始されて保留表示がシフトする保留シフト時と始動入賞口に遊技球が入賞して保留表示が追加される入賞時とのいずれかに実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。夫々の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングの夫々に、第1保留変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。また、複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第2保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、第1保留表示態様決定テーブル、第1保留変化有無決定テーブル、第1保留変化態様決定テーブル、第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルのうちの2以上のテーブルの情報を含む、テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させると決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用演出に関するテーブルとして、保留作用演出を実行するか否かを決定するために参照される作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の作用演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしの夫々に、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用演出の演出態様が複数あるときには、保留作用演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちの何れの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用演出の演出態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留作用演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の保留作用演出演出態様決定テーブルには、演出態様の夫々に、保留作用演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させないと決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用ガセ演出に関するテーブルとして、保留作用ガセ演出を実行するか否かを決定するために参照される作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の作用ガセ演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしの夫々に、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用ガセ演出の演出態様が複数あるときには、保留作用ガセ演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちの何れの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用ガセ演出の演出態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルには、演出態様の夫々に、保留作用ガセ演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出など)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
具体的に、演出制御パターンには、音声制御データが含まれている。また、演出制御パターンには、音声制御データの他、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、可動役物制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データが含まれている。
音声制御データには、第1始動条件または第2始動条件が成立した場合にスピーカ8から出力される入賞音に関するデータ及び保留表示が予告態様に変化する保留変化が生じる際にスピーカ8から出力される保留変化音に関するデータが含まれている。また、音声制御データには、その他、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。
また、図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部と、を備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。演出制御タイマ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータ及び時短回数および確変回数の一方または両方を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。演出制御バッファ設定部には、例えば、第1始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータ、第2始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータ、第1先読予告バッファを構成するデータ、及び第2先読予告バッファを構成するデータが記憶される。
第1始動入賞時受信コマンドバッファには、主基板11から始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)とともに送信された図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンド等が記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファには、主基板11から始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)とともに送信された図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンド等が記憶される。
第1先読予告バッファには、第1始動入賞時受信コマンドバッファを構成する各データに対応した格納領域が設けられている。第1先読予告バッファには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが記憶される。第2先読予告バッファには、第1始動入賞時受信コマンドバッファを構成する各データに対応した格納領域が設けられている。第2先読予告バッファには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが記憶される。
また、RAM122には、パチンコ遊技機1において発生したエラーを報知するために用いられる各種データを保持するエラー情報記憶領域としてが設けられている。エラー情報記憶領域には、主基板11から送信されるエラーコマンドが記憶される。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
パチンコ遊技機1における主基板11におけるCPU103は、初期設定などを含むメイン処理と、一定時間ごとに繰り返される遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。主基板11におけるCPU103は、これらのメイン処理及び遊技制御用タイマ割込み処理において、特別図柄の変動表示に関する特図ゲームや遊技球の払い出しに関する払出制御などを実行する。CPU103は、メイン処理や遊技制御用タイマ割込み処理の過程において、特図ゲームに関するコマンドなどの各種制御信号(制御信号、演出制御コマンド等)を演出制御基板12に送信する。また、主基板11は、タイマ割込みにおいてパチンコ遊技機1の異常診断を行い、異常が検出された場合には、検出された異常に応じたエラーコマンドを演出制御基板12に送信するとともに、検出された異常に応じた警告音(エラー音)をスピーカ8に出力させる。
演出制御基板12は、コマンド解析制御や演出制御プロセス処理を含む演出制御メイン処理等を実行する。以下、演出制御基板12で実行される演出制御プロセス処理について説明する。図3は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞通知コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、各種の演出に関して決定する処理などが実行される。入賞時演出決定処理の詳細は後述する。
入賞時演出決定処理(ステップS150)に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜ステップS177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。可変表示開始待ち処理では、飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには(即ち、変動パターン指定コマンド等を受信したときには)、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を行うための設定(例えば、変動パターン(特図変動時間)に対応する演出制御パターンや変動時間タイマの値の設定等)を行う処理や、保留表示、アクティブ表示などの表示動作を行うための設定(例えば、当該表示動作に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理では、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、可変表示開始設定処理(ステップS171)にて設定した変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5における飾り図柄の可変表示開始後の経過時間が特図変動時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。可変表示中演出処理では、変動時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、確定飾り図柄が「ハズレ」である場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する変動時遊技状態設定処理や、確定飾り図柄が「大当り」である場合に実行する処理としてファンファーレ演出を行うための設定(例えば、ファンファーレ演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。特図当り待ち処理では、確定飾り図柄が「ハズレ」であるときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、確定飾り図柄が「大当り」であるときには、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開始処理は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。大当り開始処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。ラウンド中処理は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放後通知コマンドを受信した場合に実行する処理として閉鎖中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が閉鎖状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、閉鎖中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド中処理では、大入賞口開放後通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。ラウンド後処理は、大入賞口開放中通知コマンドや当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理や、当り終了指定コマンドを受信した場合に実行する処理としてエンディング演出を行うための設定(例えば、エンディング演出に対応する演出制御パターンやエンディング演出実行時間タイマの値の設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド後処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新し、当り終了指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了後処理は、ラウンド後処理(ステップS176)にて設定したエンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5におけるエンディング演出の実行開始後の経過時間が設定時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。大当り終了後処理では、エンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図4は、入賞時演出決定処理(S150)の一例を示すフローチャートである。図4に示した入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし(ステップS151)、続いて、保留演出等決定処理を実行する(ステップS153)。ステップS153の保留演出等決定処理には、保留演出、アクティブ表示演出、作用演出(保留作用失敗演出、保留作用失敗演出等)等について決定する処理が含まれている。
保留演出等決定処理に続いて、入賞音決定処理を行う(ステップS154)。入賞音決定処理は、演出音としての入賞音を発生させるか否か、また入賞音を発生させる場合の音量を決定する処理等が含まれる。入賞音決定処理の詳細は後述する。入賞音決定処理(ステップS154)を実行した後には、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理の決定内容及び入賞音の決定内容を記憶する(ステップS155)。ステップS155の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS155において記憶した決定内容に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに新たな保留表示を追加する(ステップS156)。ステップS154で入賞音を発生させると決定した場合には、保留表示を追加する際に、入賞音決定処理で決定された音量で入賞音を発生させる。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
図5は、入賞音決定処理(ステップS154)の一例を示すフローチャートである。図5に示す入賞音決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞音を発生させるか否かを判断する(ステップS201)。入賞音を発生させるか否かは、第1始動条件または第2始動条件が成立しているか否かに基づいて判断し、第1始動条件または第2始動条件が成立しているときには、入賞音を発生させると判断し第1始動条件及び第2始動条件のいずれも成立していないときには、入賞音を発生させないと判断する。第1始動条件及び第2始動条件の成立は、主基板11から送信される演出制御コマンドのうちの始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンド)及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)を参照して判断する。
ステップS201の判断の結果、入賞音を発生させない場合(ステップS201;NO)には、そのまま入賞音決定処理を終了する。また、入賞音を発生させる場合(S201;YES)には、エラー音が発生中であるか否かを判断する(ステップS202)。エラー音が発生中であるか否かは、RAM122のエラー情報記憶領域にエラーコマンドが記憶されているか否かに基づいて判断する。その結果、エラー音が発生中である場合(ステップS202;YES)には、入賞音の出力を制限するために入賞音音量を0にセットして(ステップS205)、入賞音決定処理を終了する。
ステップS202の判断の結果、エラー音が発生中でない場合(ステップS202;NO)には、遊技状態が高ベース中であるか否かを判断する(ステップS203)。遊技状態が高ベース中であるか否かは、主基板11から送信される遊技状態コマンドとして、時短状態コマンドが送信されているか否かに基づいて判断する。その結果、遊技状態が高ベース中でない場合(ステップS203;NO)には、入賞音音量を規定値(>0)にセットして(ステップS206)、入賞音決定処理を終了する。なお、入賞音音量の規定値は、一定の値である。
また、ステップS203の判断の結果、遊技状態が高ベース中であると判断した場合(ステップS203;YES)には、保留変化音が発生中であるか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204において、保留変化音が発生中であると判断した場合(ステップS204;YES)には、入賞音の出力を制限するために入賞音音量を0にセットして(ステップS205)、入賞音決定処理を終了する。また、保留変化音が発生中でないと判断した場合(ステップS204;NO)には、入賞音音量を規定値(>0)にセットして(ステップS206)、入賞音決定処理を終了する。
図6は、可変表示開始設定処理(S171)の一例を示すフローチャートである。図6に示した可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」であると判定したときには(ステップS522;YES)、演出制御用CPU120は、ハズレ組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される乱数値(例えば、左確定図柄決定用の乱数値、右確定図柄決定用の乱数値、中確定図柄決定用の乱数値等)を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の図柄決定テーブル(例えば、左確定図柄決定テーブル、右確定図柄決定テーブル、中確定図柄決定テーブル等)を参照することなどにより、ハズレ組合せを構成する確定飾り図柄の組合せとして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々に最終的に停止表示される飾り図柄を決定する。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」でないと判定したときには(ステップS522;NO)、即ち、特図表示結果が「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」であるときには、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される乱数値(例えば、大当り確定図柄決定用の乱数値等)を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の図柄決定テーブル(例えば、大当り確定図柄決定テーブル等)を参照することなどにより、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せとして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々に最終的に停止表示される飾り図柄を決定する。なお、演出制御用CPU120は、大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)がいずれであるかや、昇格演出の有無などに応じて、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せを決定してもよい。
ステップS524の処理又はステップS528の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS530)。具体的には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示をアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)させるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには、夫々について左側に移動させる。
ステップS530の保留消化処理を実行後、演出制御用CPU120は、保留変化音決定処理を実行する(ステップS531)。保留変化音決定処理は、演出音としての演出変化音を発生させるか否か、また演出変化音を発生させる場合の音量を決定する処理等が含まれる。保留変化音決定処理の詳細は後述する。
ステップS531の処理を実行後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンセットの処理を実行する(ステップS532)。例えば、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。即ち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンを使用パターンとしてセットする。
ステップS532の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS532においてセットした演出制御パターンのプロセスデータの演出制御プロセスタイマの初期値を設定し(ステップS534)、演出制御プロセスタイマをスタートさせて(ステップS535)、プロセスデータの内容に従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS536)。このとき、ステップS532でセットされた演出制御パターンが保留変化演出を含む先読予告演出の演出制御パターンである場合には、保留変化演出を実行する際に、保留変化決定処理で決定された音量で保留変化音を発生させる演出が行われる。続いて、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS537)。
続いて、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドを消化する(ステップS538)。具体的には、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。また、ステップS538の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる先読予告バッファに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS539)、可変表示開始設定処理を終了する。
図7は、保留変化音決定処理(ステップS531)の一例を示すフローチャートである。図7に示す保留変化音決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、保留変化音を発生させるか否か判断する(ステップS551)。この判断については、第1先読予告バッファ及び第2先読予告バッファとして記憶されたデータに保留変化演出に対応するデータが含まれており、保留変化演出を実行する時期であるか否かによって行われる。その結果、保留変化音を発生させないと判断した場合(ステップS551;NO)には、そのまま保留変化音決定処理を終了する。
ステップS551において、保留変化音を発生させると判断した場合(ステップS551;YES)には、エラー音が発生中である否かを判断する(ステップS552)。この判断は、図5のステップS202と同様にして行われる。その結果、エラー音が発生中であると判断した場合(ステップS552;YES)には、保留変化音の出力を制限するために保留変化音音量を0にセットして(ステップS555)、保留変化音決定処理を終了する。
ステップS552において、エラー音が発生中でないと判断した場合(ステップS552;NO)には、遊技状態が高ベース中であるか否かを判断する(ステップS553)。この判断は、図5のステップS203と同様にして行われる。その結果、遊技状態が高ベース中であると判断した場合(ステップS553;YES)には、保留変化音音量を規定値(>0)にセットして(ステップS556)、保留変化音決定処理を終了する。なお、保留変化音音量の規定値は、一定の値である。
ステップS553において、遊技状態が高ベース中でないと判断した場合(ステップS553;NO)には、入賞音が発生中であるか否かを判断する(ステップS554)。その結果、入賞音が発生中であると判断した場合(ステップS554;YES)には、保留変化音の出力を制限するために保留変化音音量を0にセットして(ステップS555)、保留変化音決定処理を終了する。また、入賞音が発生中でないと判断した場合(ステップS554;NO)には、保留変化音音量を規定値(>0)にセットして(ステップS556)、保留変化音決定処理を終了する。
パチンコ遊技機1では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生して第1始動条件や第2始動条件が成立したとき、第1特図ゲームや第2特図ゲームが実行される。また、第1特図ゲームや第2特図ゲームの実行中には、図8(A)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに飾り図柄の変動表示が行われる。第1特図ゲームや第2特図ゲームの実行中に第1始動条件が成立すると、図8(B)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が増加する。図8(B)に示す例では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が2から3に増加する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が増加するときに、スピーカ8から入賞音が出力される。また、第1特図ゲームや第2特図ゲームの実行中に第2始動条件が成立すると、第2始動入賞記憶表示エリア5HR(図1参照)における第2保留表示の数が増加し、スピーカ8から入賞音が出力される。
また、パチンコ遊技機1では、ある遊技球の入賞によって先読予告演出としての保留変化演出(保留演出)が実行されることがある。例えば、図9(A)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が3であるときに保留変化演出が実行される例では、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに飾り図柄が変動表示された後、図9(B)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに飾り図柄が停止表示されて、1回の特図ゲームが終了する。続いて、図9(C)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される飾り図柄が再度変動表示を開始する。この変動表示が開始されて保留表示がシフトする保留シフト時に保留変化演出が実行される。保留変化演出では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が3から2に減少するとともに、第1保留表示の1つが丸い形状から星の形状に変化する。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の数が3から2に減少するときに、スピーカ8から保留変化音が出力される。
次に、入賞音や保留変化音などの演出音が出力される際の演出音出力の時間変化の例を数例説明する。図10〜図18は、演出音出力の時間変化の一例を示すタイムチャートである。なお、以下の例では、第1始動入賞と第2始動入賞のいずれかを始動入賞とし、第1始動条件と第2始動条件のいずれかを始動条件とし、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bを始動スイッチとして説明する。
図10に示す例のように、時間T11で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、音声制御基板13は、時間T11〜時間T12まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、時間T13で保留変化演出が開始されて保留表示が変化したとすると、音声制御基板13は、時間T13〜時間T14まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。図10に示す例では、入賞音や保留変化音の出力の制限は行われていない。
図11に示す例は、保留変化演出が実行されているときには、入賞音の出力が制限される例である。入賞音の出力の制限は、高ベース状態であるときに実行される。図11に示すように、高ベース状態であるときに、時間T21で保留変化演出が開始されて保留表示が変化したとすると、音声制御基板13は、時間T21〜時間T23まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、保留変化音の出力中の時間T22で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、入賞音を出力させるが、入賞音の出力を制限し、入賞音音量を0にする。こうして、入賞音を実質的に聞こえないようにすることにより、保留変化音を聞きやすくすることができる。
図12に示す例は、入賞音の出力中に保留変化演出が開始された場合に、保留変化音の出力が実行され、入賞音の出力が制限される例である。ここでの入賞音の出力の制限は、高ベース状態であるときに実行される。図12に示すように、高ベース状態であるときに、時間T31で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、入賞音の出力は制限されていないので、音声制御基板13は、時間T31から入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。入賞音の出力中である時間T32に保留変化が開始されると、音声制御基板13は、時間T32〜時間T34まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、保留変化が開始されなかった場合には、音声制御基板13は、時間T31〜時間T33まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる予定であったが、保留変化が開始されたので、保留変化が開始された時間T32から入賞音の出力を制限し、入賞音音量を0にする。こうして、入賞音を実質的に聞こえないようにすることにより、保留変化音を聞きやすくすることができる。
図13に示す例は、本発明の変形例であり、保留変化音が保留変化音の規定値で出力された後の第1待機時間L1の間は、入賞音の出力が制限される例である。ここでの入賞音の出力の制限は、高ベース状態であるときに実行される。図13に示すように、高ベース状態であるときに、時間T41で保留変化演出が開始されて保留表示が変化したとすると、音声制御基板13は、時間T41〜時間T42まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、保留変化音の出力が終了した時間T42〜時間T44までの一定の待機時間、ここでは第1待機時間L1の間における時間T43で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、入賞音を出力させるが、入賞音の出力を制限し、入賞音音量を0にする。こうして、入賞音を実質的に聞こえないようにすることにより、保留変化音に入賞音が紛れてしまいにくくすることができる。なお、第1待機時間L1は、適宜の長さに設定してもよく、例えば、0.5秒、1秒、2秒、あるいはそれ以外の長さとしてもよい。
図14に示す例は、エラー音が出力されているときに、入賞音及び保留変化音の出力が制限される。入賞音及び保留変化音の出力の制限は、高ベース状態であるときとないときのいずれにおいても実行される例である。図14に示すように、時間T51で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、時間T51から入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。入賞音の出力中である時間T52でエラー音がエラー判定によってエラーがあると判定され、エラー中となったとした場合、音声制御基板13は、時間T52からエラー音を出力させる。音声制御基板13は、時間T51〜時間T53まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる予定であったが、時間T52の時点で入賞音の出力を制限し、入賞音音量を0にする。こうして、入賞音を実質的に聞こえないようにすることにより、エラー音を聞きやすくすることができる。その結果、遊技者の意識をエラー音によるエラー報知に向かせることができる。
また、エラー音の出力中である時間T54で保留変化演出が開始されて保留表示が変化した場合、音声制御基板13は、時間T54の時点では、保留変化音音量を0として、保留変化音を実質的に聞こえないようにする。このようして、エラー音を聞きやすくすることができる。また、時間T54から、本来保留変化音を発生させる時間T56までの間における時間T55でエラーが解除されてエラー音の出力が終了したとする。この場合、エラー音の出力が終了した時間T55から保留変化音の出力を開始する。こうして、エラー音が聞こえにくくならないようにしながら、演出音によって演出を楽しませることができる。
なお、図14には示さないが、保留変化音の出力中にエラー音を出力する場合に、保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。また、エラー音の出力によって入賞音の出力を制限しているときにエラーが解除された場合には、エラー音の出力の停止とともに入賞音の出力を開始するようにしてもよい。
図15に示す例は、入賞音が出力されているときには保留変化音の出力が制限される例である。保留変化音の出力の制限は、高ベース状態でないとき(低ベース状態であるとき)に実行される。図15に示すように、高ベース状態でないときに、時間T61で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、音声制御基板13は、時間T61〜時間T63まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、入賞音の出力中の時間T62で保留変化演出が開始されて保留表示が変化した場合、保留変化音を出力させるが、保留変化音の出力を制限し、保留変化音音量を0にする。こうして、保留変化音を実質的に聞こえないようにすることにより、入賞音を聞きやすくすることができる。
図16に示す例は、保留変化音の出力中に遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立した場合に、入賞音の出力が実行され、保留変化音の出力が制限される例である。ここでの保留変化音の出力の制限は、高ベース状態でないときに実行される。図16に示すように、高ベース状態でないときに、時間T71で保留変化演出が開始されたとする。この場合、保留変化音の出力は制限されていないので、音声制御基板13は、時間T71から保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。保留変化音の出力中である時間T72に遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立すると、音声制御基板13は、時間T72〜時間T74まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、始動条件が成立しなかった場合には、音声制御基板13は、時間T71〜時間T73まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる予定であったが、始動条件が成立したので、始動条件が成立して入賞音を発生させる時間T73から保留変化音の出力を制限し、保留変化音音量を0にする。こうして、保留変化音を実質的に聞こえないようにすることにより、入賞音を聞きやすくすることができる。
図17に示す例は、本発明の変形例であり、入賞音が入賞音の規定値で出力された後の第2待機時間L2の間は、保留変化音の出力が制限される例である。ここでの保留変化音の出力の制限は、高ベース状態でないときに実行される。図17に示すように、高ベース状態でないときに、時間T81で遊技球が始動入賞口に入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。この場合、音声制御基板13は、時間T81〜時間T82まで入賞音を入賞音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、入賞音の出力が終了した時間T82〜時間T84までの一定の待機時間、ここでは第2待機時間L2の間における時間T83で保留変化演出が開始された保留表示が変化したとする。この場合、保留変化音を出力させるが、保留変化音の出力を制限し、保留変化音音量を0にする。こうして、保留変化音を実質的に聞こえないようにすることにより、入賞音に保留変化音が紛れてしまいにくくすることができる。なお、第2待機時間L2は、適宜の長さに設定してもよく、例えば、0.5秒、1秒、2秒、あるいはそれ以外の長さとしてもよい。また、第1待機時間L1と第2待機時間L2は、同じ時間でもよいし異なる時間でもよい。
図18に示す例は、本発明の変形例であり、保留変化演出が実行されているときに入賞音の出力が制限される例である。入賞音の出力の制限は、高ベース状態であるときに実行される。また、この変形例では、保留変化演出が実行されているときに複数、ここでは2つの遊技球が始動入賞口に入賞し、2つの始動入賞が発生して2つの始動条件が成立した場合の例である。
図18に示すように、高ベース状態であるときに、時間T91で保留変化演出が開始されて保留表示が変化したとすると、音声制御基板13は、時間T91〜時間T94まで保留変化音を保留変化音音量の規定値でスピーカ8に出力させる。また、保留変化音の出力中の時間T91〜時間T94の間において、2個の遊技球が始動入賞口にそれぞれ時間T92及び時間T93で入賞し、始動入賞が発生して始動条件が成立したとする。短時間で連続して複数の遊技球の始動入賞口に対する入賞は、例えば高ベース状態であって、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態となっているときに発生することが多い。
この場合、時間T92では入賞音を出力させるが、入賞音の出力を制限し、入賞音音量を0にする。その一方、時間T93では、入賞音を出力させ、その入賞音音量を規定値とする。こうして、先の入賞(時間T92の入賞)では、入賞音を実質的に聞こえないようにすることにより、保留変化音を聞きやすくすることができる。保留変化音の出力中の時間T91〜時間T94の間に複数の遊技球が始動入賞口に入賞したときには、2個目以降の遊技球の入賞によって入賞音が発生するので、入賞音の発生を楽しませることができる。なお、時間T93で出力する入賞音は、保留変化音を出力しているときに、制限を受けることなく出力される入賞音であり、その他のタイミングで出力される入賞音とは異なる態様で出力されるようにしてもよい。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、高ベース状態であるとき(低ベース状態でないとき)において、保留変化音が出力されているときには入賞音の出力を制限している。また、高ベース状態でないとき(低ベース状態であるとき)において、入賞音が出力されているときには、保留変化音の出力を制限している。このため、入賞音と保留変化音が重複して出力される機会を抑制しているので、入賞音と保留変化音とを聞き分けやすくなり、演出効果の低下を抑制することができる。
また、高ベース状態では、始動入賞口に対する遊技球の入賞が容易となっているので、高ベース状態にないときよりも、遊技球が始動入賞口に入賞する機会が多くなる。このため、遊技者における始動入賞口への遊技球の入賞に対する注目度と保留変化に対する注目度を比較すると、高ベース状態では、低ベース状態よりも保留変化に対する注目度が大きくなると考えられる。したがって、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、高ベース状態では、保留変化音が出力されているときに入賞音の出力を制限することにより、遊技者の興味をよりひきつけることができる。
また、低ベース状態では、始動入賞口に対する遊技球の入賞が容易となっておらず、始動入賞口に対する遊技球に入賞に対して、遊技者は高い関心を有していることが多い。このため、遊技者における始動入賞口への遊技球の入賞に対する注目度と保留変化に対する注目度を比較すると、低ベース状態では、高ベース状態よりも始動入賞口への遊技球の入賞に対する注目度が大きくなると考えられる。したがって、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、低ベース状態では、入賞音が出力されているときに保留変化音の出力を制限することにより、遊技者の興味をよりひきつけることができる。
また、高ベース状態では、保留変化音の出力中に入賞音を出力する場合でも、入賞音の出力中に保留変化音を出力する場合でも、入賞音の出力を制限するようにしている。また、低ベース状態では、入賞音の出力中に保留変化音のを出力する場合でも、保留変化音の出力中に入賞音を出力する場合での、保留変化音の出力を制限するようにしている。このため、いずれの場合でも演出効果の低下を防ぐことができる。
また、図13に示す変形例では、保留変化音の出力が終了した後、第1待機時間L1が経過するまでは入賞音の出力を制限している。さらに、図17に示す変形例では、入賞音の出力が終了した後、第2待機時間L2が経過するまでは保留変化音の出力を制限している。このため、入賞音と保留変化音が連続して出力される機会を抑制しているので、入賞音と保留変化音とを聞き分けやすくなり、演出効果の低下を抑制することができる。
以上、パチンコ遊技機1について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、上記の実施形態において、保留変化演出は、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される飾り図柄が変動表示を開始するタイミングで実行されるが、保留変化演出は、他のタイミングで実行されてもよい。例えば、保留変化演出は、始動条件が成立し、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が追加されるタイミングで実行される追加時保留演出でもよい。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される飾り図柄の変動表示中における任意のタイミングで実行されるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、保留変化演出が実行される際には保留変化音を出力するようにしているが、保留変化演出が実行されるときに、保留変化音を出力する場合と出力しない場合とがあるようにしてもよい。この場合、例えば保留変化音を出力したときには、保留変化音を出力しないときよりも大当り遊技状態への移行に対する期待度が高くなるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、パチンコ遊技機1にエラーが発生してエラー音(警告音)を出力する際には、入賞音及び保留変化音の出力を制限して、それぞれの音量を0としているが、パチンコ遊技機1に発生したエラーの種類に応じて、入賞音及び保留変化音の出力の制限の態様を変えるようにしてもよい。
例えば、エラー音、入賞音、保留変化音のそれぞれが6段階の音量を有しているとして(最大値:5、最小値0)、皿満タンエラー等の軽エラーのエラー音量を5、軽エラーが発生しているときの入賞音音量及び保留変化音音量を2などとし、扉開放エラーや磁気エラー等の重エラーのエラー音量を5、重エラーが発生しているときの入賞音及び保留変化音の音量を2としてもよい。また、軽エラーが発生してエラー音量5のエラー音が出力されているときに入賞音及び保留変化音を出力する場合に、高ベース中は保留変化音音量を2、入賞音音量を0とし、低ベース中は、保留変化音音量を0、入賞音音量を2とするなどとしてもよい。
また、上記の実施形態では、保留変化音と入賞音を出力する際、高ベース中は入賞音の出力を制限し、低ベース中は保留変化音の出力を制限しているが、その他の態様で保留変化音または入賞音を制限するようにしてもよい。例えば、保留記憶数に応じて制限する音を調整してもよい。例えば、確変状態中は入賞音の出力を制限し、非確変状態中は保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。または、その逆のパターンとしてもよい。
また、保留記憶数に応じて保留変化音または入賞音の出力のいずれを制限するかを決定し、例えば、保留記憶数が1のときには保留変化音の出力を制限し、2または3のときには入賞音の出力を制限するようにしてもよい。保留記憶数が少ないときには、始動入賞口への入賞に対する期待感が大きいことが多いので、保留記憶数が少ないときに入賞音ではなく保留変化音を制限することにより、興趣の低下を抑制できる。あるいは、その他の条件で保留変化音及び入賞音のいずれの出力を制限するかを決定してもよい。例えば、演出制御基板12RTCを設けて、保留変化音優先時間及び入賞音優先時間を計測し、保留変化音優先時間では入賞音の出力を制限し、入賞音優先時間では保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、入賞音及び保留変化音の制限の態様として、入賞音及び保留変化音の音量を0にするようにしているが、他の態様で制限してもよい。例えば、制限される入賞音及び保留変化音の音量を0ではなく規定値よりも小さい所定の数とするようにしてもよい。あるいは、音量を0にする代わりに、入賞音または保留変化音の出力を中止する(出力をしない)ことによって出力の制限を行うようにしてもよい。また、入賞音または保留変化音を出力するスピーカ8の数を少なくしてもよい。また、入賞音を制限する際に、入賞音以外の音、例えば保留変化音の音量を大きくしたり、出力するスピーカ8の数を多くしたりしてもよい。同様に、保留変化音を制限する際に、保留変化音以外の音、例えば入賞変化音の音量を大きくしたり、出力するスピーカ8の数を多くしたりしてもよい。
また、上記の実施形態では、入賞音音量及び保留変化音音量の規定値を一定値としているが、入賞音音量及び保留変化音音量の規定値を可変としてもよい。入賞音音量及び保留変化音音量の規定値を可変とする際、入賞音音量及び保留変化音音量の規定値を設定する設定手段(例えばダイヤルなど)をパチンコ遊技機1の裏側に設けてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1における遊技者が操作可能となる位置に設定手段を設けてもよい。設定手段をパチンコ遊技機1の裏側に設けることにより、パチンコ遊技機1を設置する遊技場において、規定値を設定することができる。また、設定手段をパチンコ遊技機1における遊技者が操作可能となる位置に設けることにより、遊技者の嗜好に応じた音量で入賞音及び保留変化音を楽しむことができる。また、設定手段は、パチンコ遊技機1の裏側及びパチンコ遊技機1における遊技者が操作可能となる位置の両方に設けてもよい。
また、上記の実施形態では、保留変化演出として、保留表示がシフトする保留シフト時に実行される保留変化演出(以下「シフト時保留変化演出」という)を実行するが、保留変化演出としては、遊技球が始動入賞口に入賞して保留表示が追加される入賞時に実行される保留変化演出(以下「入賞時保留変化演出」という)を実行するようにしてもよい。シフト時保留変化演出と入賞時保留変化演出の両方が行われるようにしてもよい。シフト時保留変化演出と入賞時保留変化演出の両方が行われる場合、シフト時保留変化演出と入賞時保留変化演出の両方が同一変動中に行われるようにしてもよい。
シフト時保留変化演出と入賞時保留変化演出の両方が同一変動中に行われる場合、シフト時保留変化演出による保留変化音を出力するとともに、入賞時保留変化演出による保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。また、シフト時保留変化演出と入賞時保留変化演出の両方が同一変動中に行われる場合、入賞時保留変化演出による保留変化音の出力を制限しないようにしてもよい。入賞時保留変化演出による保留変化音の出力を制限しない場合には、例えば、シフト時保留変化演出による保留変化音と入賞時保留変化演出による保留変化音の音の態様を変えたり、出力するスピーカ8を分けたりして、両方の保留変化音を区別しやすくしてもよい。さらには、シフト時保留変化演出が実行される場合には、入賞時保留変化演出の実行を制限、例えば入賞時保留変化演出を中止したりしてもよい。
また、高ベース状態において、追加時保留演出によって追加時保留音を出力する際に、入賞音を制限するようにしてもよい。例えば、第1始動入賞口に遊技球が入賞して追加時保留演出が実行され、その直後であって追加時保留演出が実行され追加時保留音が出力されている間に、例えば第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞して入賞音を出力する状況が生じることがある。この場合、第2始動入賞口への入賞による入賞音の出力を制限してもよい。
逆に、第1始動入賞口に遊技球が入賞して追加時保留演出が実行され、その直後であって追加時保留演出が実行され追加時保留音が出力されている間に、例えば第1始動入賞口に遊技球が入賞して入賞音を出力する状況が生じることがある。また、第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bには、複数の遊技球がほぼ同時に入賞可能であるので、追加時保留演出が実行され追加時保留音が出力されている間に、さらに第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞して入賞音を出力する状況が生じることがある。これらの追加時保留演出が実行され追加時保留音が出力されている間における入賞音の出力を制限してもよい。
同様に、高ベース状態において、入賞時保留変化演出によって保留変化音を出力する際に、追加時保留演出が実行され追加時保留音が出力されている間における入賞音の出力を制限する場合と同様に、入賞音を制限するようにしてもよい。例えば、第1始動入賞口に遊技球が入賞して入賞時保留変化演出が実行され、その直後であって入賞時保留変化演出が実行されている間に第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞して入賞音を出力する状況が生じることがある。この場合、第2始動入賞口への入賞による入賞音の出力を制限してもよい。
また、低ベース状態においても、高ベース状態のときと同様、追加時保留演出によって追加時保留音を出力する際に、入賞音を制限するようにしてもよいし、入賞時保留変化演出によって保留変化音を出力する際に、入賞音を制限するようにしてもよい。特に、低ベース状態において、一定の割合、1/100程度の割合で「普図当り」が発生し、「普図当り」で例えばで第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bをある程度の時間、例えば5秒間継続して開放させて、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞し易くするようにしていもよい。このときに、追加時保留演出によって追加時保留音を出力する際に、入賞音を制限するようにしてもよいし、入賞時保留変化演出によって保留変化音を出力する際に、入賞音を制限するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、保留変化演出は1種類のみが設けられているが、複数の種類の保留変化演出が設けられていてもよい。例えば、保留変化演出として、始動入賞記憶エリアに表示される保留表示の色が変化する演出が設けられており、保留表示が変化した色に応じて大当り遊技状態への期待度が異なるようにしてもよい。この場合に、保留変化音は、保留表示の変化の態様に応じて異なるようにしてもよい。例えば、保留変化演出が実行された後における保留表示の色として、青、黄、緑、赤、金、が設定されている場合、青<黄<緑<赤<金の順で大当り遊技状態に移行する可能性が高くなるようにしてもよい。そして、保留変化音は、保留変化演出後の保留表示の色に応じた音となるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態への移行の期待度が高いほど、音量が大きく派手な保留変化音が出力されるようにしてもよい。
また、保留変化演出前の保留表示の色と保留変化演出後の保留表示の色や種類に応じて、保留変化音が異なるようにしてもよいし、保留変化演出前の保留表示の色に応じて、保留変化音が異なるようにしてもよい。また、保留変化演出によって変化する色と保留変化音に一定の対応関係を持たせておき、この対応関係が崩れたときには、大当り遊技状態に移行する期待度がさらに高くなり、例えば100%となるようにしてもよい。このように保留変化演出における保留表示の変化と保留変化音との関係を設定することにより、興趣の向上を図ることができる。
また、保留変化演出後の保留表示の色が強い(大当り遊技状態への移行の期待度が高い)場合には、低ベース中における保留変化音の制限を弱めるようにしてもよい。例えば、入賞音が出力されているときに保留変化演出が実行される際には、保留変化演出後の保留表示の色が青または黄である場合には保留変化音の出力が制限され、保留変化演出後の保留表示の色が緑、赤、または金である場合には、保留変化音の出力を制限しないか、制限の度合いを弱めるようにしてもよい。制限の度合いを弱める態様としては、例えば、制限の度合いを弱めない出力の制限では、保留変化音音量を5から0にするのに対して、制限の度合いを弱める出力の制限では、音量を5から2にするなどとすればよい。
また、保留変化演出後の保留表示の色が弱い(大当り遊技状態への移行の期待度が高くない)場合には、高ベース中における入賞音の制限を弱めるようにしてもよい。例えば、保留変化音が出力されているときに始動条件が成立した場合には、保留変化演出後の保留表示の色が青または黄である場合には入賞音の出力を制限せず、保留変化演出後の保留表示の色が緑、赤、または金である場合には、保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。このように、保留変化演出の内容に応じて、保留変化音及び入賞音の出力の制限を異ならせるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、入賞音は1種類のみが設けられているが、複数の種類の入賞音が設けられていてもよい。このとき、入賞音の種類に応じて大当り遊技状態への期待度が異なるようにしてもよい。例えば、入賞音として、通常入賞音、僅強入賞音、強入賞音、最強入賞音が設定されている場合、通常入賞音<僅強入賞音<強入賞音<最強入賞音の順で大当り遊技状態に移行する可能性が高くなるようにしてもよい。
また、入賞音が強い(大当り遊技状態への移行の期待度が高い)場合には、高ベース中における入賞音の制限を弱めるようにしてもよい。例えば、保留変化音が出力されているときに始動条件が成立した場合には、入賞音が通常入賞音または僅強入賞音である場合には入賞音の出力が制限され、入賞音が強入賞音または最強入賞音である場合には、入賞音の出力を制限しないか、制限の度合いを弱めるようにしてもよい。制限の度合いを弱める態様としては、例えば、制限の度合いを弱めない出力の制限では、入賞音音量を5から0にするのに対して、制限の度合いを弱める出力の制限では、音量を5から2にするなどとすればよい。
また、保留変化演出後の保留表示の色が弱い(大当り遊技状態への移行の期待度が高くない)場合には、低ベース中における保留変化音の制限を弱めるようにしてもよい。例えば、入賞音が出力されているときに保留変化演出が実行される際には、入賞音が通常入賞音または僅強入賞音である場合には保留変化音の出力を制限せず、入賞音が強入賞音または最強入賞音である場合には、保留変化音の出力を制限するようにしてもよい。このように、入賞音の内容に応じて、保留変化音及び入賞音の出力の制限を異ならせるようにしてもよい。
また、エラー音、入賞音、及び保留変化音のうちの2つ以上を0より大きい音量で同時に出力する場合、演出制御用CPU120は、出力する音が優先度の高い第1音か優先度の低い第2音かを判定するようにしてもよい。出力する音の優先度は、出力の制限があるかによっては判定すればよい。例えば、エラー音は、常に入賞音及び保留変化音よりも優先度が高く、高ベース状態では、保留変化音は入賞音よりも優先度が高く、低ベース状態では入賞音は保留変化音よりも優先度が高くなるようにしてもよい。
この場合、演出制御用CPU120は、第2音の周波数帯域のうち、第1音に対応する周波数帯域の一部周波数帯域を減衰させる減衰処理を施してもよい。減衰処理は、例えば、フィルタリング処理によって行えばよい。このように、一部周波数帯域を減衰させる減衰処理を施すことにより、第2音によるマスキングを抑制し、遊技者等の聴取者に聞かせたい第1音を的確に聴取させることができる。また、第1音と異なる周波数帯域については第2音も聴取させることができる。
また、上記の実施形態では、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立したときに入賞音を出力しているが、遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のどちらに入賞したかによって入賞音の出力に差を設けてもよい。例えば、低ベース状態で第2始動入賞口の普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞し、または高ベース状態で第1始動入賞口の普通入賞球装置6Aに遊技球が入賞して始動条件が成立しても入賞音を出力しないようにしてもよい。さらには、低ベース状態では、第2始動入賞口への遊技球の入賞に関する一切の音の出力を制限していもよい。また、高ベース状態では、第1始動入賞口への遊技球の入賞に関する一切の音の出力を制限していもよい。また、入賞音及び保留変化音の出力制限について、遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のどちらに入賞したかによって差を設けていないが、入賞音及び保留変化音の出力制限について、遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のどちらに入賞したかによって差を設けてもよい。例えば、高ベース状態で保留変化音が出力されているときに第1始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立したときには、入賞音の出力制限を行わず、第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立したときには、入賞音の出力制限を行うようにしてもよい。また、低ベース状態で保留変化音が出力されているときに第1始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立したときには、保留変化音の出力制限を行い、第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件が成立したときには、保留変化音の出力制限を行わないようにしてもよい。
また、例えば、保留変化演出の前に、特定演出として、キャラクタが保留表示に向けてカラーボールを投げる演出を行ってもよい。特定演出では、キャラクタが投げたカラーボールが保留表示に衝突して保留表示の色が変わる保留作用演出(成功パターン)と、キャラクタが投げたカラーボールが保留表示に衝突せず保留表示の色が変わらない保留作用ガセ演出(失敗パターン)とが用意されていてもよい。特定演出としては、例えば、キャラクタが投げたカラーボールが保留表示の近づく過程で、定速で移動していたカラーボールが途中から減速し、最終的に保留表示に衝突する保留作用演出と最終的に保留表示に衝突しない保留作用ガセ演出のいずれかが実行される。高ベース状態において、保留変化演出が行われるにあたり、特定演出が開始された後、カラーボールが減速するまでの間は入賞音の制限を行わず、カラーボールが減速した後は入賞音の制限を行うようにしてもよい。カラーボールが減速した後に入賞音の制限を行うことにより、保留変化音に入賞音が混じりにくくなり、保留変化音を聞きやすくすることができる。
カラーボールが減速した後に入賞音の制限を行うにあたり、保留作用演出(成功パターン)において保留作用音が出力されているときには入賞音の制限を行い、保留作用ガセ演出(失敗パターン)において保留作用ガセ音が出力されているときには入賞音の制限を行わないようにしてもよい。保留作用ガセ演出の後は保留変化演出が行われないので、入賞音の制限を行わないようにすることにより、興趣を高めることができる。なお、保留作用ガセ演出(失敗パターン)では、その後に保留変化演出が行われず、保留変化音が出力されないので、無駄な入賞音の制限をしないで済ませることができる。また、カラーボールが減速した後に入賞音の制限を行うにあたり、保留作用演出(成功パターン)及び保留作用ガセ演出(失敗パターン)のいずれにおいても入賞音の制限を行うようにしてもよい。入賞音の有無によって特定演出が成功パターンであるか失敗パターンであるかを、特定演出が終了する前に遊技者が判別してしまうことを抑制することができる。また、保留作用ガセ演出では、カラーボールを減速した後に入賞音の制限を行ったり行わなかったりしてもよい。
また、例えば、本実施形態を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本実施形態を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
また、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、本実施形態において、「割合」とは、例えば、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係であり、割合が異なる場合には、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なる場合(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるような場合)も含む。
また、パチンコ遊技機1は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与すると共に、付与された遊技得点、又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機であってもよい。
また、パチンコ遊技機1は、所定数の景品として遊技媒体を払い出す遊技機であったが、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機であってもよい。
また、本実施形態では、確変大当りに決定されたことに基づいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことに基づいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機であってもよい。
また、本実施形態では、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機を示したが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機であってもよい。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、本実施形態では、各々が識別可能な複数種類の特別図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する特別図柄と、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄が含まれていなくてもよい。
また、本実施形態では、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する飾り図柄と、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の飾り図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄が含まれていなくてもよい。
また、本実施形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲーム(遊技)を実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)であってもよい。
例えば、動作を行う可動役物と、前記可動役物の動作に対応して、予め定められた演出条件が達成されたことを報知(例えば、スロット機が備える液晶画面への報知等)する報知手段とを備え、前記可動役物が演出動作(例えば、ボーナス等になることに対応して実行される動作、ボーナス等になる可能性が高いことに対応して実行される動作、ボーナス等になることに対応して又は対応せずに液晶画面の表示に対応して実行される動作等の、予め設定された動作等)とは異なる動作をした場合に、前記報知を制限する制限手段をさらに備える、スロット機であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、可変表示に対応する特定表示(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HL及び第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示される第1保留表示及び第2保留表示等)を表示可能な特定表示手段(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HL及び第2始動入賞記憶表示エリア5HRが設けられた画像表示装置5等)と、前記特定表示が表示されることに伴って所定音(例えば、入賞音等)を出力可能な所定音出力手段(例えば、入賞音を出力するスピーカ8等)と、前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出(例えば、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化する保留変化演出等)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、前記変化演出による前記特定表示の変化に伴って特定音(例えば、保留変化音等)を出力可能な特定音出力手段(例えば、保留変化音を出力するスピーカ8等)と、を備え、前記特定音出力手段は、前記特定音を出力するときに、前記所定音の出力を制限し(例えば、保留変化音を出力するときには、入賞音の出力を制限する等)、さらに、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御されることを報知する報知演出(バトル演出等)を実行する報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)と、遊技者が操作可能な操作手段(プッシュボタン90120等)と、前記操作手段の状態を第1状態(通常状態等)と第2状態(振動状態等)とに制御可能な状態制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、前記状態制御手段は、前記操作手段の状態を前記報知演出が開始された後の第1タイミング(図31に示すライフゲージ0となる第1タイミング等)において前記第1状態(通常状態等)から前記第2状態(振動状態等)に制御し、特定期間経過後(図31に示す連打有効期間および必須振動期間の経過後等)に前記第2状態(振動状態等)から前記第1状態(通常状態等)に制御し、前記第1状態(通常状態等)となった後の第2タイミング(図31に示す敵にヒットする第2タイミング等)において前記第2状態(振動状態等)に制御可能である遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、演出効果の低下を防ぐことができる。また、遊技者にとって有利な有利状態を報知する報知演出の際に、操作手段の状態を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、報知演出と操作手段を第2状態にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
また、上記遊技機において、報知演出の実行中は、所定音や特定音の出力を制限する(例えば、音を出力しない、または音量を下げるなど)ようにしてもよい。このような構成によれば、報知演出の演出効果の低下を防ぐことができる。また、報知演出による演出音の出力よりも、所定音や特定音の出力を優先して行う(例えば、所定音や特定音の音量を高くする、または報知演出による演出音の音量を下げるなど)ようにしてもよい。このような構成によれば、所定音や特定音による演出効果の低下を防ぐことができる。
さらに、演出効果の低下を防ぐことができ、また、遊技者にとって有利な有利状態を報知する報知演出の際に、操作手段の状態を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、前記有利状態に制御されることを報知する報知演出(バトル演出等)を実行する報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)と、遊技者が操作可能な操作手段(プッシュボタン90120等)と、前記操作手段の状態を第1状態(通常状態等)と第2状態(振動状態等)とに制御可能な状態制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、前記状態制御手段は、前記操作手段の状態を前記報知演出が開始された後の第1タイミング(図31に示すライフゲージ0となる第1タイミング等)において前記第1状態(通常状態等)から前記第2状態(振動状態等)に制御し、特定期間経過後(図31に示す連打有効期間および必須振動期間の経過後等)に前記第2状態(振動状態等)から前記第1状態(通常状態等)に制御し、前記第1状態(通常状態等)となった後の第2タイミング(図31に示す敵にヒットする第2タイミング等)において前記第2状態(振動状態等)に制御可能である遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図19はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図22参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図22参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図22参照)が設けられていればよい。図19に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図22参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図22参照)が内蔵されている。ここで、後述する報知演出等が実行されるときには、バイブレータ用モータ90126によりプッシュボタン90120やスティックコントローラ90122が振動する演出が実行される。また、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122の振動は、打球操作ハンドル905まで伝わる構造となっている。このようにすれば、報知演出と打球操作ハンドル905まで伝わる振動との組合せにより演出効果を一層高めることができる。なお、打球操作ハンドル905までより振動が伝わるように、打球操作ハンドル905の近傍(あるいは打球操作ハンドル905内部)にバイブレータ用モータ90126等の振動を発生させるための機構を設けるようにしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図19に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、遊技枠の上部には、遊技枠に設けられた軸90290(図20参照)に対して回転することで当該遊技枠から突出可能な可動体としての第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rが設けられている。遊技者から向かって左側の第1上部役物9029Lは、第1上部役物モータ9030L(図22参照)によって回転動作することが可能であり、遊技者から向かって右側の第2上部役物9029Rは、第2上部役物モータ9030R(図22参照)によって回転動作することが可能である。以下では、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとを上部役物と総称することがある。
第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、回転角度を段階的に調整可能である。また、第1上部役物9029Lの内部には第1上部LED9029Aが設けられており、第1上部役物9029Lの回転角度によらず同一の輝度で発光する。また、第2上部役物9029Rの内部には第2上部LED9029Bが設けられており、第2上部役物9029Rの回転角度によらず同一の輝度で発光する。このように、発光手段としての第1上部LED9029A,第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するので、発光手段の制御の複雑化を防止することができる。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図20は上部役物の動作を説明するための図である。図20においては、遊技者から向かって右側面におけるパチンコ遊技機901の様子を示している。第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転角度を段階的に調整可能である。たとえば、図20(a)〜(d)に示すように、上部役物の回転角度は、0度、45度、60度、90度の4段階に調整可能である。上部役物の動作は、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。たとえば、回転角度が45度に設定されている場合には、後述する上部役物演出の実行時に、0度から45度に向けて上部役物が動作し、上部役物演出が終了すると上部役物が最初の0度の位置に戻る。また、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するように、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。
図20(a)は、遊技枠に対して上部役物が全く突出しない回転角度である0度に設定されているときの様子を示している。図20(a)では、上部役物の回転角度が0度に設定されているため、上部役物が動作することはなく、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者へ届くこともない。なお、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技枠の隙間から漏れるような演出を実行してもよい。また、上部役物の回転角度がある0度の場合には、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bが発光しないように制御してもよい。
図20(b)は、遊技枠に対して上部役物が45度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者に届くが、輝度が同じであっても発光面が少ないので遊技者に届く光は、60度や90度の場合と比べて少ない。図20(c)は、遊技枠に対して上部役物が60度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bから遊技者に届く光は、45度の場合と比べて多い。
図20(d)は、上部役物が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度に設定されているときの様子を示している。このとき、発光面が最も大きくなるので、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからは最も多くの光が届く。
図20に示すように、上部役物の回転角度を段階的に調整可能であるので、上部役物の回転角度を無段階で調整することによる制御の複雑化を防止することができる。
ここで、図20(b)〜(d)において、上部役物の回転角度によって上部役物の動作速度は異なるように制御される。具体的には、上部役物の回転動作は、45度<60度<90度の順に回転速度が速くなる。このように、上部役物の回転角度によって回転速度を異ならせることにより上部役物が動作されるときに実行される演出の演出時間を共通化することができる。
図21は当り種別表である。図21の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図21に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図22は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図22には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第1上部役物モータ9030Lを駆動して第1上部役物9029Lを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第2上部役物モータ9030Rを駆動して第2上部役物9029Rを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、ランプドライバ基板9035を介して遊技枠の上部に設けられた第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bの表示制御を行なう。なお、演出制御用CPU90101は、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとについて同じ制御をするのではなく、別々の制御をするようにしてもよい。たとえば、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとの回転角度や光量を別々に変更できるようにしてもよい。また、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとを交互に動作させたり、交互に光らせたりする演出を実行してもよい。
図23は、各乱数を示す説明図である。図23においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図24は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図24(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図24(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図24(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図24(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図24(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図24(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図24(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図24(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図24(B)、および、図24(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図24(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図24(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図24(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図24(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図24(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図24(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図24(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図24(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図24(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図25を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図25は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図25には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図25(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図25に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図25の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図25の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図25(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図25のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図25(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図25(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図25のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図25(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図25(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図25(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図25(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図25(a),図25(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図25(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図25(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図25(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図25(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図25(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図25(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図25(a)および図25(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図25(c)および図25(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図25(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図25(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図26は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図26に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図26のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図25に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(RAMクリアによる初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(RAMクリアではない停電等による再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理時(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図27は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図27に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図28は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図29は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。その後、遊技枠の上部に取り付けられた上部役物の動作態様を設定する上部役物設定処理を実行する(S90708)。そして、S90702の処理へリターンする。上部役物設定処理は、電源投入後、S90701からS90707の処理後に、演出制御用CPU90101によって実行される処理であり、遊技枠上部に取り付けられた第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度(開閉角度)を設定する処理である。上部役物の回転角度は複数段階(たとえば、0度、45度、60度、90度など)設けられており、その中から任意に選択した一つの角度を設定できるようになっている。
ここで、初期状態(最初に電源投入した場合やRAMクリアによる電源投入の場合)においては、上部役物の回転角度が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度よりも突出しない角度(たとえば、45度)になるように制御される。このようにすれば、調整をしていない場合であっても上部役物が他の物体と当接することを防ぐことができる。
上部役物の角度を設定する設定画面は、RAM9055をクリアしたときの電源投入が実行され、動作確認のための初期動作として各役物のイニシャル動作が実行された後に表示される。演出制御用CPU90101は、イニシャル動作を実行する際に、各役物の近くに設けられた検出手段としての役物用センサからの検出信号に各役物が初期位置に存在するか否かを判定する。一方、RAM9055をクリアせずに電源を投入した場合には、上部役物の設定はなされない。したがって、演出制御用CPU90101は、図26に示された初期化指定コマンドを受信した場合には、上部役物設定期間であると判定し、初期化指定コマンドを受信していない場合(停電復旧指定コマンドを受信した場合)には、上部役物設定期間ではないと判定する。
上部役物設定処理においては、設定された角度に応じて、第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度・回転速度が設定されるので、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転する上部役物を動作させつつ、上部役物が遊技機に隣接する別の遊技機の遊技枠や上部に配置されるデータランプ等の他の物体と当接することを防ぐことができる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、第1上部役物9029L,第2上部役物9029R、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図30は、図29に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[報知演出について]
次に、この実施の形態で実行される各種の演出について説明する。この実施の形態では、演出制御用CPU90101によって遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御されることを報知する報知演出が実行される。報知演出には、キャラクタ同士が戦って味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると大当りとなることが報知されるバトル演出、所定のストーリーが継続して最終段階まで到達すると大当りとなることが報知されるストーリー演出、所定のキャラクタにより大当りとなることが報知されるキャラクタ演出がある。なお、報知演出にはこれら以外の演出が設けられていてもよく、各演出が複数種類設けられていてもよい。
以下では、報知演出の中でも特にバトル演出について具体的に説明する。また、バトル演出において、味方キャラクタが勝利することで大当り表示結果となることが確定し、味方キャラクタが敗北(敵キャラクタが勝利)することではずれ表示結果となることが確定する。以下、図31,図32においては、味方キャラクタが勝利する大当りとなる場合について説明する。また、このようなバトル演出等の報知演出は、確変状態中において実行される。なお、報知演出が確変状態中ではなく通常の遊技状態中に実行されるようにしてもよい。
[ボタンの態様について]
バトル演出が実行される際に、演出制御用CPU90101によって遊技者が操作可能な操作手段としてのプッシュボタン90120(以下、単にボタンとも称する)の状態が変化する。演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120は、バイブレータ用モータ90126を制御することにより、プッシュボタン90120の状態を第1状態と第2状態とに変化させる。第1状態はプッシュボタン90120が停止している通常状態を示し、第2状態はプッシュボタン90120が振動している振動状態を示している。バトル演出中には、プッシュボタン90120の状態が通状状態と振動状態とに変化する。たとえば、バトル演出では、プッシュボタン90120が通常状態から振動状態に変化するタイミングとして、第1タイミング、第2タイミング、第3タイミングの3つのタイミングが設けられている。
[報知演出とボタンの態様との関係について]
図31は、報知演出とボタンの態様との関係を示すタイミングチャートである。報知演出としてのバトル演出は、変動表示が開始されリーチとなった後のタイミングで実行される。図31では、バトル演出における各演出の実行タイミングおよびボタンの態様が示されている。バトル演出の開始タイミングである時刻t1では、ボタンの態様は通常態様である。時刻t1からプッシュボタン90120への連打操作が有効に検出される連打有効期間が最大で10秒設定されている。
遊技者が連打有効期間内に連打操作を実行した回数が所定回数に到達すると、時刻t2において敵キャラクタのライフゲージが0となる。このライフゲージが0となる第1タイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態に制御される。振動状態は、敵キャラクタに最後の一撃を与える最後の一撃演出が実行される時刻t3まで継続する。連打有効期間内に連打操作の回数が所定回数に到達しなかった場合や連打操作を実行しなかった場合であっても、最後の一撃演出の3秒前からは必須振動期間として3秒間プッシュボタン90120が通常状態から振動状態に制御される。
振動状態となっていたプッシュボタン90120は、時刻t3となった後に、2秒間通常状態に制御される。その後、時刻t4となる敵に攻撃がヒットする第2タイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態に制御される。ここで、最後の一撃演出の時刻t3から敵に攻撃がヒットするまでの時刻t4の間は、遊技者のプッシュボタン90120への操作が検出される操作有効期間である。この操作有効期間中に遊技者の動作が検出されたとしても、プッシュボタン90120の状態は振動状態とはならず、演出画面上で敵に攻撃がヒットする第2タイミングにおいて振動状態となる。また、操作有効期間中にプッシュボタン90120が操作されなかった場合には、時刻t4において図32(d)から図32(e)へと画面が切り替わるとともにプッシュボタン90120が振動状態となる。このようなプッシュボタン90120の振動状態は、時刻t4から5秒間継続する。その後、時刻t5となる敵が倒れるタイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が振動状態から通常状態に制御される。プッシュボタン90120の通常状態は時刻t5から3秒間継続する。
その後、時刻t6となる勝利表示がされる第3タイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態に制御される。プッシュボタン90120の振動状態は時刻t6から5秒間継続する。時刻t6となる勝利表示のタイミングでプッシュボタン90120の状態を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることが再度報知される。そして、時刻t7となる変動表示の停止タイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態から通常状態に制御される(図示省略)。また、時刻t7の後に遊技状態が大当り遊技状態へと制御される。
このように、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態を報知する報知演出の1つであるバトル演出の際に、プッシュボタン90120の状態が多様なタイミングで変化することで、プッシュボタン90120を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、バトル演出とプッシュボタン90120を振動状態にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
また、第1タイミング経過後と第2タイミング経過後とでは、振動状態に制御される期間が異なる。よって、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
また、図31に示す連打有効期間および必須振動期間のうち連打有効期間は、最大10秒間の間で可変する期間である。また、図31に示すように、敵にヒットするタイミングの第2タイミングにおいて振動状態に制御された後の期間は、5秒の不可変の期間である。このように、バトル演出において、可変する期間と不可変の期間とを備えることで、演出の幅を広げることができる。
また、図31に示すように、第1タイミング経過後の振動期間と必須振動期間3秒とを合わせた期間振動状態に制御され、第2タイミング経過後の5秒の期間振動状態に制御される。また、第2タイミングから5秒の振動期間経過後にプッシュボタン90120の状態を通常状態に制御し、通常状態となった後の勝利表示の第3タイミングにおいて振動状態に制御する。また、第3タイミングにおいてプッシュボタン90120の状態を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることを報知する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間およびタイミングとの組合せにより、好適に演出を実行させることができる。また、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知することができる。
次に、図31において説明した報知演出とボタンの態様との関係について、報知演出であるバトル演出が実行されるときの演出表示装置909の表示画面により説明する。図32は、報知演出とボタンの態様との関係を示す演出図面である。図32(a)〜(h)に示すように、バトル演出はこの順番に実行され、時刻t1〜t7は、図31の時刻t1〜t7に対応するタイミングにおける演出画面を示している。また、図32(a)〜(h)の各図面の右側の表示は、各演出画面でのプッシュボタン90120の状態を示す図である。
演出表示装置909において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄9091〜9093は、画面中央部で変動表示が開始される。変動表示においてバトル演出が実行されるときには、図32(a)に示すように、演出図柄がリーチ表示態様(左,右演出図柄が同じ図柄で揃い、中演出図柄が変動中である表示態様)となったタイミングで、演出図柄9091〜9093が画面隅部に移動して縮小表示され、バトル演出が開始される。
図32(a)に示すように、時刻t1においてバトル演出が開始されるときには、味方キャラクタ9094と敵キャラクタ9095とが登場し、「バトル」というような、バトル演出を特定する文字が表示される。また、画面の右側に敵キャラクタ9095のライフ(耐久力)をレベル表示するライフゲージ9099が表示される。また、遊技者によるプッシュボタン90120の操作を促進する操作促進演出として、プッシュボタン90120を模したボタン画像9098が表示されるとともに、ボタン画像9098に対応して「連打」という文字により連打操作を実行することが示唆される。バトル演出が開始されるときのプッシュボタン90120の態様は通常状態である。
図32(b)に示すように、操作有効期間内(10秒間)に遊技者によるプッシュボタン90120の連打操作がプッシュセンサにより検出されると、味方キャラクタ9094が敵キャラクタ9095に対して攻撃する演出が実行される。そして、味方キャラクタ9094の攻撃に伴って敵キャラクタ9095のライフゲージ9099が減少する。連打有効期間中のプッシュボタン90120の態様は通常状態である。なお、有効期間の始めは少ない回数(たとえば2回)の連打操作によりライフが減少するが、有効期間が後になるに連れて多い回数(たとえば3回)を連打操作しなければライフが減少しないようにすればよい。このようにすれば、連打操作によりすぐにライフゲージ9099が0となってしまうことを防ぐことができる。
次いで、図32(c)に示すように、連打操作が規定回数(たとえば30回)に到達した時刻t2においてライフゲージ9099が0となる。また、ライフゲージ9099が0となるときに敵キャラクタ9095が味方キャラクタ9094の攻撃により飛び上がる演出が実行される。そして、ライフゲージ9099が0となるときにプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。このような図32(c)に示すライフゲージ9099が0となる態様となる第1タイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることによって、大当りが確定したことが報知される。プッシュボタン90120は、連打有効期間の残りの期間および必須振動期間である3秒の間、継続して振動状態となる。なお、図32(b)に示す有効期間内に連打操作が実行されなかった場合や連打操作が有効期間内に規定回数まで到達しなかった場合には、有効期間の経過後に図32(c)の画面となる。そして、図32(c)の画面となったタイミングにおいて、必須振動期間である3秒間の間、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。
必須振動期間3秒が経過後の時刻t3において図32(d)に示す、最後の一撃演出が実行される。最後の一撃演出では、「一撃で決めろ」の文字とともにボタン画像9098に対応して「一撃」という文字によりプッシュボタン90120を1回押す操作を実行することが示唆される。一撃演出中のプッシュボタン90120の態様は通常状態である。一撃演出中にプッシュボタン90120を押すと味方キャラクタ9094が最後の一撃を敵キャラクタ9095に浴びせる演出が実行される(図示省略)。最後の一撃演出が実行される2秒間は、プッシュボタン90120の態様が通常状態に保たれる。
最後の一撃が敵にヒットする図32(e)に示す時刻t4のタイミングにおいて画面が激しく光る演出が実行されるとともにプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。このとき画面上ではボタン画像9098が表示されていないがプッシュボタン90120は振動状態に制御される。プッシュボタン90120の振動状態は、5秒間継続する。その後、振動状態が5秒間経過後の時刻t5において、敵キャラクタ9095が倒れる演出が実行される。このとき、プッシュボタン90120の態様が振動状態から通常状態へと変化する。プッシュボタン90120の通常状態は、3秒間継続する。なお、時刻t4のタイミングにおいてボタン画像9098が表示されているようにしてもよい。
時刻t5においてプッシュボタン90120が3秒間通常状態に制御された後は、図32(g)に示すように、味方キャラクタがピースをして敵キャラクタに勝利したことを示す勝利表示の画面が表示される。このとき画面上ではボタン画像9098が表示されていないが、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。プッシュボタン90120の振動状態は、5秒間継続する。このような勝利表示と振動状態とにより大当りとなることが再度報知される。そして、振動状態が5秒間継続した後、図32(h)に示すように、左,中,右の演出図柄9091〜9093が、画面中央部で大当り表示結果の組合せで変動表示を停止する。変動表示を停止するタイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が振動状態から通常状態へと変化する。その後、遊技状態が大当り遊技状態へと移行する。
図32(c)に示すように、敵のライフゲージ9099が0となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることで大当りとなることが報知される。また、図32(e)に示す敵にヒットする態様となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となる。このようにすれば、大当り遊技状態となることを報知した後に、さらにバトル演出の演出展開に合わせてプッシュボタン90120を振動状態となる。よって、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知し、バトル演出の演出効果を一層高めることができる。
また、図32(c)に示すように、第1タイミングにおいては、ボタン画像9098の表示中にプッシュボタン90120を連打することにより、プッシュボタン90120を振動状態に制御する。また、図32(e)に示すように、第2タイミングにおいては、ボタン画像9098が表示されることなくプッシュボタン90120を振動状態に制御する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することとボタン画像9098との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
また、図32(c),(e),(g)に示すように、画面上で実行される演出に対応してプッシュボタン90120の状態が振動状態に変化するため、演出の実行タイミングと振動状態へ変化するタイミングとにより、遊技を実行したときの気持ち良さを向上させることができる。また、演出の実行タイミングと振動状態へ変化するタイミングとによりメリハリのついた演出とすることができる。
なお、操作手段としてのプッシュボタン90120の内部に発光手段としてのLEDを設けてもよい。そして、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120を振動状態に制御することともに、LEDの発光の制御を行なってもよい。たとえば、図32(a),(b),(d)の通常状態では、LEDを白色や赤色(白色は通常の色、赤色はボタン操作を促す色等)に発光させる制御を行ない、図32(c),(e),(g)の振動状態では、振動に合わせてLEDを虹色に発光させる制御を行なうことで、大当り遊技状態に制御されることを報知するようにしてもよい。このように、操作手段の振動状態によって発光手段の発光態様が異なるようにすることで興趣を向上させることができる。なお、振動と発光の態様のタイミングは必ずしも同じでなくともよく、大当り期待度により振動と発光とのタイミングが異なるようにしてもよい。
次に、報知演出の内容を決定するためのテーブルおよびバトル演出が実行されるときのフローチャートについて説明する。
図33は、報知演出決定テーブルを示す図である。報知演出決定テーブルでは、報知演出の内容を、バトル演出、ストーリー演出、キャラクタ演出のいずれにするかが決定される。報知演出決定テーブルには、図33(A)の大当り時報知演出決定テーブルと、図33(B)のはずれ時報知演出決定テーブルとが含まれている。これら報知演出決定テーブルは、ROM90102に記憶されている。
図33(A)の大当り時報知演出決定テーブルは、現在の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすることが決定されたときに用いられる。一方、図33(B)のはずれ時報知演出決定テーブルは、現在の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすることが決定されたときに用いられる。
図33(A),(B)の報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、バトル演出の決定と、ストーリー演出の決定と、キャラクタ演出の決定とに割り振られている。そして、図33では、各演出に割り振られた乱数値の個数がSR2´に示されている。
図33(A)の大当り時報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´の値によって、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図33(B)のはずれ時報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´の値によって、「キャラクタ演出>ストーリー演出>バトル演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図33に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という大小関係の選択割合となるように演出内容が決定される。よって、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という順で大当り期待度が高くなる。
図34は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理とは、演出制御用CPU90101が演出図柄変動開始処理(S90801)の処理の中で実行する一処理である。
演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中であるか否かを判定する(S90901)。S90901において、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内に確変状態指定コマンドがあるか否かに基づいて、現在の遊技状態が確変状態中であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中である場合には(S90901でY)、S90902へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中でない場合には(S90901でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90902では、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチである場合には(S90902でY)、抽出したSR2´の抽出値と表示結果に基づく報知演出決定テーブルとにより実行する報知演出を決定し(S90903)、S90904へ移行する。S90903において、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内の表示結果指定コマンドに基づいて、今回実行される変動の表示結果を判定する。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチでない場合には(S90902でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90904において、演出制御用CPU90101は、S90903で決定された内容によりバトル演出が実行されるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、バトル演出が実行される場合には、(S90904でY)、S90905へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、バトル演出が実行されない場合には(S90904でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90905では、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内に大当りに関する表示結果指定コマンドがあるか否かに基づいて、今回実行される変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りである場合には(S90905でY)、勝利用の演出およびボタン態様に決定する(S90906)。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りでない場合(はずれの場合)には(S90905でN)、敗北用の演出およびボタン態様に決定する(S90907)。S90906またはS90907の後は、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
図34においては、現在の遊技状態が確変状態中においてバトル演出が実行される場合を示したが、バトル演出は通常の遊技状態中に実行されるようにしてもよい。また、図31,図32では、大当り表示結果となる場合について説明したが、S90907においてはずれ表示結果となる場合の敗北用の演出について説明する。味方キャラクタが敗北するときには、バトル演出開始後、連打有効期間内にいくら連打を実行してもライフゲージ9099が0となることはない。また、プッシュボタン90120は、通常状態のままで振動状態となることはない。そして、連打有効期間経過後に「敗北」の文字が表示されるとともにその後、左,中,右の演出図柄9091〜9093が、画面中央部ではずれ表示結果の組合せで変動表示を停止する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態として、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合の各種構成を説明する。オート連打機能とは、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ90100の機能として、プッシュボタン90120の長押し操作が、たとえば4秒間のような第1期間に亘り継続されたことにもとづいてオート連打の機能による操作の検出が開始され、1.0秒のような第2期間が経過するごとに操作回数を1つずつカウントして、あたかもプッシュボタン90120の連打が行なわれているものとして検出が行なわれる機能である。このようなオート連打機能が図32(b)に示す連打有効期間に実行可能であってもよい。
[遊技者動作の検出に関する第1変形例]
第1変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、検出有効期間よりも前から動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段をさらに備える例を説明する。
第1変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を設けた場合において、検出有効期間よりも前から動作検出手段が遊技者のプッシュボタン90120の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする制御を実行する無効化処理を実行する。このような制御を行なえば、適切に遊技者の所定演出への参加を促すことができる。
[遊技者動作の検出に関する第2変形例]
第2変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての検出を行なうか否かを設定可能(設定メニュー画面での設定等)な設定手段をさらに備える例を説明する。
第2変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を設けた場合において、たとえば、客待ちデモンストレーション表示中である期間のような演出図柄の変動表示中でない期間に、オート連打の機能を有効とするか無効とするかの設定を可能とする設定処理を実行可能とする。このような設定を可能とすれば、意図しないタイミングで連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての検出が行なわれてしまうことを防止し、遊技に対する興趣が低下することを抑止することができる。
[遊技者動作の検出に関する第3変形例]
第3変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合に、状況に応じて異なる間隔により連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとする例を説明する。
第3変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を用いる場合において、たとえば、演出内容が異なる動作演出Aと動作演出Bとが選択的に実行可能なときに、動作演出Aの実行中に、オート連打による検出中は1.0秒が経過するごとにプッシュボタン90120による操作回数が1回ずつ増加したものとして扱い、動作演出Bの実行中に、オート連打による検出中は0.5秒が経過するごとにプッシュボタン90120による操作回数が1回ずつ増加したものとして扱う処理を実行する。このような処理を行なえば、状況に合せた動作演出を行なうことができる。
[遊技者動作の検出に関する第4変形例]
第4変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、変動表示中でないときに、動作検出手段によって遊技者の動作が検出されたか否かを判定する判定手段をさらに備え、判定手段が、遊技者の一の動作が継続して行なわれているときであっても、連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての判定を行なわない例を説明する。
第4変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を用いる場合に、オート連打の機能の有効または無効の設定が可能な構成において、たとえば、オート連打の機能の有効または無効の再度の設定を行なう際に、プッシュボタン90120を一旦操作してオート連打の機能の有効または無効を切り替えた後、プッシュボタン90120の操作を一旦止めて、改めてプッシュボタン90120を操作しなければ、再度オート連打の機能の有効または無効の切り替えを行なえないように制限する制御を実行する。このような制御を行なえば、意図しない動作の検出が行なわれてしまうことを防止することができる。
[オート連打演出の演出制御タイミング例]
次に、連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングの一例を説明する。図35は、連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。
図35に示すように、連打演出においては、連打操作の有効期間が、たとえばリーチ状態の開始時のような第1タイミングから、変動表示終了直前時のような第2タイミングまでのような所定期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。このような所定期間は、図32(b)に示す連打有効期間として設定されていてもよい。
自力連打開始可能期間は、連打操作の有効期間の全期間に対応して設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から予め定められた期間(たとえば、0.5秒間)経過時から開始され、特定期間(たとえば、連打操作の有効期間における前半期間)経過時までの期間が設定されている。なお、オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から開始されてもよい。オート連打開始不可能期間としては、連打操作の有効期間中におけるオート連打開始可能期間の経過後の期間が設定されている。
自力連打開始可能期間中においては、自力連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合以下の度合に制御される自力連打低作用設定期間と、自力連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合よりも高い度合に制御される自力連打高作用設定期間とが含まれている。これにより、同じ自力連打開始可能期間中でも、自力連打低作用設定期間と、自力連打高作用設定期間とで、自力連打に対応して実行される作用演出の作用態様(作用度合)が異なる。このように、自力連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間に応じて、作用演出の作用態様が異なるように設定されている。
自力連打開始可能期間と連打操作有効期間とが同じであるので、連打操作有効期間中は、基本的にいつでも自力連打操作をすることが可能であり、その自力連打操作に応じて、前述した作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打低作用設定期間には、自力連打に基づいて低作用の作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打高作用設定期間には、自力連打に基づいて高作用の作用演出が実行可能である。
このように自力連打開始可能期間が、前半部を自力連打低作用設定期間とし、後半部を自力連打高作用設定期間とすることにより、自力連打に応じた作用演出が変動表示結果の導出表示タイミングに対応するように、演出を連携させることができる。たとえば、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打低作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打に応じて、自力連打低作用設定によるゆっくりとした作用演出が進行し、その後、期間経過により自力連打高作用設定期間となったときは、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。たとえば、大当り表示結果を導出表示するときはライフゲージ9099のライフ表示のレベルを導出表示前に「0」にし、はずれ表示結果を導出表示するときはライフゲージ9099のライフ表示のレベルを導出表示直前に「1」以上の特定のレベルにする演出が行なわれる。
また、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打高作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打高作用設定により、自力連打開始当初から、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出をすることが可能とされている。
連打操作有効期間中におけるオート連打開始可能期間中では、オート連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少)の度合が、一定の度合に制御される。これにより、オート連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間によらず、作用演出の作用態様が一定となるように設定されている。
オート連打開始可能期間には、プッシュボタン90120の予め定められた時間(たとえば、1秒間)以上の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなされてオート連打が開始可能であり、そのオート連打操作に応じて、作用演出が実行可能である。連打操作有効期間中におけるオート連打開始不可能期間には、プッシュボタン90120の予め定められた時間以上の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされず、オート連打が開始不可能である。オート連打開始可能期間中においては、オート連打に基づいて、自力連打開始可能期間中とは異なり、一定の作用態様での作用演出が実行可能である。
このようにオート連打開始可能期間に開始可能なオート連打が実行されるときには、オート連打の開始当初から終了までの間において一定の作用態様での作用演出が実行可能であることにより、オート連打に応じて、オート連打作用設定による一定の作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。
なお、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とが同一期間として設定され、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが同一期間として設定されてもよい。また、図35のように、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とを異なる期間に設定する場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。また、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが異なる期間に設定されてもよく、その場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。
なお、以下のような構成を備えるようにしてもよい。
(1) 所定の遊技を行なう遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、
遊技者による動作(プッシュボタン90120の操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124等)と、
前記動作検出手段により検出有効期間において遊技者が複数回の動作を行なう連続動作(プッシュボタン90120の連打操作)が実行されたことに応じて特定演出(連打操作演出)を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、
前記特定演出実行手段は、
遊技者による前記連続動作とは異なる所定動作(プッシュボタン90120の長押し操作)に基づいて、前記連続動作が検出されたとしてみなして前記特定演出を実行可能であり、
前記検出有効期間において、所定期間(図35のオート連打開始可能期間)が経過するまでは前記所定動作に基づいて前記連続動作が実行されたとみなし、当該所定期間が経過した後(図35のオート連打開始不可能期間)に前記所定動作が開始されても前記連続動作が実行されたとみなさない。
このような構成によれば、検出有効期間において所定期間が経過するか否かに基づいて、連続動作が実行されたとみなすか、みなさないかとすることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記特定演出実行手段が実行可能な前記特定演出は、
所定の表示について前記連続動作の実行に応じた作用演出がなされる第1作用演出(自力連打時のライフゲージ9099でのライフ表示のレベルが減少する作用演出)と、
前記所定の表示について前記連続動作の実行とみなされた前記所定動作に応じた作用演出がなされる第2作用演出(オート連打時のライフゲージ9099でのライフ表示のレベルが減少する作用演出)とを含み、
前記第1作用演出と、前記第2作用演出とで、作用演出の作用態様が異なる(ライフ表示のレベルが減少する作用演出態様が自力連打とオート連打とで異なる)。
このような構成によれば、第1作用演出と第2作用演出とで作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(3) 前記(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なる(連打操作有効期間の残り時間が短い方の自力連打高作用設定期間中は、連打操作有効期間の残り時間が長い方の自力連打低作用設定期間中と比べて、作用演出の演出態様(ライフ表示のレベルの減少態様)が異なる)。
このような構成によれば、検出有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(4) 前記(3)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなる(連打操作有効期間の残り時間が短い方の自力連打高作用設定期間が、連打操作有効期間の残り時間が長い方の自力連打低作用設定期間と比べて、作用演出でのライフ表示のレベルの減少量が大きくなる)。
このような構成によれば、検出有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(5) 前記(2)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第2作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り時間にかかわらず、作用演出の作用態様が一定である(オート連打については作用演出でのライフ表示のレベルの減少量が一定)。
このような構成によれば、特定演出のバリエーションが豊富化されて、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態として、第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rが動作する上部役物演出が実行される場合について説明する。上部役物演出では、遊技者にとって有利な状態と制御されることを示唆する演出として、図20に示す上部役物の回転動作および上部役物の発光による演出が実行される。また、上部役物演出では、上部役物が動作するとともに演出表示装置909の表示画面上で上部役物が動作することを報知する第1パターンによる演出と、上部役物は動作するが演出表示装置909の表示画面には上部役物が動作することが報知されない第2パターンによる演出が設けられている。
たとえば、上部役物演出は、図31においてライフゲージ9099が0となる第1タイミングにおいて設定された回転角度により回転動作を実行する。また、このとき上部役物に設けられているLEDが発光する。なお、上部役物演出では、演出表示装置909の画面上でバトル演出が実行されているため、第2パターンによる演出が実行されることが望ましい。
また、上部役物演出は、図31に示すように、プッシュボタン90120が振動状態となるときに突出位置となり、通常状態となるときに収納位置となるようにしてもよい。このようにすれば、プッシュボタン90120の状態に合わせた上部役物の演出を実行することができる。なお、プッシュボタン90120の振動状態に関わらず、期待度の高い演出が実行される場合においては、所定タイミングから期待度の高い演出が終了するまで上部役物が突出位置となるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図31,図32に示すように、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態を報知する報知演出の1つであるバトル演出の際に、プッシュボタン90120の状態が多様なタイミングで変化することで、プッシュボタン90120を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、バトル演出とプッシュボタン90120を振動状態にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
(2) 図31に示すように、第1タイミング経過後と第2タイミング経過後とでは、振動状態に制御される期間が異なる。よって、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
(3) 図32(c)に示すように、第1タイミングにおいては、ボタン画像9098の表示中にプッシュボタン90120を連打することにより、プッシュボタン90120を振動状態に制御する。また、図32(e)に示すように、第2タイミングにおいては、ボタン画像9098が表示されることなくプッシュボタン90120を振動状態に制御する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することとボタン画像9098との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
(4) プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122の振動は、打球操作ハンドル905まで伝わる構造となっている。このようにすれば、報知演出と打球操作ハンドル905まで伝わる振動との組合せにより演出効果を一層高めることができる。
(5) 図32(c)に示すように、敵のライフゲージ9099が0となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることで大当りとなることが報知される。また、図32(e)に示す敵にヒットする態様となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となる。このようにすれば、大当り遊技状態となることを報知した後に、さらにバトル演出の演出展開に合わせてプッシュボタン90120を振動状態となる。よって、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知し、バトル演出の演出効果を一層高めることができる。
(6) 図31に示す連打有効期間および必須振動期間のうち連打有効期間は、最大10秒間の間で可変する期間である。また、図31に示すように、敵にヒットするタイミングの第2タイミングにおいて振動状態に制御された後の期間は、5秒の不可変の期間である。このように、バトル演出において、可変する期間と不可変の期間とを備えることで、演出の幅を広げることができる。
(7) 図31に示すように、第1タイミング経過後の振動期間と必須振動期間3秒とを合わせた期間振動状態に制御され、第2タイミング経過後の5秒の期間振動状態に制御される。また、第2タイミングから5秒の振動期間経過後にプッシュボタン90120の状態を通常状態に制御し、通常状態となった後の勝利表示の第3タイミングにおいて振動状態に制御する。また、第3タイミングにおいてプッシュボタン90120の状態を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることを報知する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間およびタイミングとの組合せにより、好適に演出を実行させることができる。また、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段としてプッシュボタン90120を例に説明した。しかしながら、操作手段は、プッシュボタン90120以外のものであってもよい。たとえば、時間の経過とともに通常位置から突出位置に飛出すボタン、時間の経過とともに形状が変化するボタン等であってもよい。そして、所定のタイミングにおいて、通常位置から突出位置に変化したり、通常の状態から形状が変化するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、第1〜第3の各タイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が振動をしていない通常状態から振動している振動状態へと変化していた。しかしながら、第1〜第3の各タイミングにおいて、プッシュボタン90120の振動状態の強弱を切替えるようにしてもよい。たとえば、第1〜第3の各タイミングにおいて、振動状態を弱から強へと変化させるようにしてもよい。また、ボタンが発光するもの、ボタンが発熱するもの、ボタンの周囲から風が吹くもの等であってもよく、各タイミングにおいて状態が変化するようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り表示結果となる場合にのみプッシュボタン90120が振動状態となっていた。しかしながら、はずれ表示結果となる場合に複数のタイミングでプッシュボタン90120が振動状態となるようにしてもよい。たとえば、期待度の高い演出が実行される場合には、はずれ表示結果となる場合であっても振動状態となるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、報知演出のうちのバトル演出中にプッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態へと複数のタイミングで変化していた。このような通常状態から振動状態への変化は、大当り表示結果となることを報知する報知演出以外で実行されてもよい。たとえば、単なる変動表示中の演出において、プッシュボタン90120が第1状態である通常状態と第2状態である振動状態とに複数のタイミングで変化するようにしてもよい。また、大当り遊技中にプッシュボタン90120の状態が変化するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態へと必ず変化するものではなく、所定の割合で振動状態へと変化するものでもよい。たとえば、所定の抽選により大当り表示結果となる場合には、はずれ表示結果となる場合よりも高い割合で振動状態となるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、ライフゲージ9099が0となるタイミングにおいて、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態へと変化するものについて説明した。しかしながら、プッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態へと変化するタイミングは必ずしもライフゲージ9099が0となるタイミングでなくともよい。たとえば、ライフゲージ9099が0となるよりも前のタイミングから振動状態へと変化してもよいし、ライフゲージ9099が0となった後のタイミングで振動状態へと変化してもよい。また、一回の押下げ操作によりプッシュボタン90120が振動状態となるようにしてもよい。このような場合には、押下げと同時のタイミング、押下げの後のタイミングで振動状態となるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、上部役物や上部役物以外の役物9012等が動作するタイミングに合わせてプッシュボタン90120の状態が通常状態から振動状態へと変化するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、バトル演出のうち第1タイミングから振動状態が継続する期間が可変期間であり、第2タイミングから振動状態が継続する期間が不可変期間であった。しかしながら、両方の期間を可変期間あるいは不可変期間としてもよく、可変期間と不可変期間とを入れ替えてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、バトル演出に複数の種類を設けてもよい。たとえば、勝利期待度が高い味方キャラクタを複数設定して、大当り期待度に応じていずれかのキャラクタに決定されるようにしてもよい。また、大当り期待度の異なる敵キャラクタを複数設定し、大当り期待度に応じていずれかの敵キャラクタに決定されるようにしてもよい。このような場合に、味方キャラクタや敵キャラクタの態様に応じてプッシュボタンが振動状態となるタイミングや期間が異なるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態に示した各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述したバトル演出を実行するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(12) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(13) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(14) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(15) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(16) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。