JP6752002B2 - 抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法 - Google Patents

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本発明は、旅客船、漁船、観光船等の船舶分野における抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法に関するものである。
双胴船は、安定した航行ができることで知られ、さらに水中翼を装着して高速航行がはかられることが知られている。
そしてまた、特開平6−263082号公報や特開平9−272488号公報のように水中翼の両側部にフラップ状の補助翼を設けて、ピッチングやローリングの低減をはかって減揺航行することが提案されている。
しかし、上記のように水中翼や補助翼を設けてピッチングやローリングの低減をはかって減揺航行することができるものの、特にピッチングの制御では水中翼の両側部のフラップ状の補助翼を揺動制御しているもので、ピッチングの制御が十分でなかった。
また、従来、一般的に減揺装置は、走航抵抗の増加を招くと考えられていて、水中翼を装着すると走航抵抗となって燃料経済性に劣るものであった。
そのため、出願人らは、特開2011−251596号公報のように双胴船の船尾部間のトンネル状の全幅にわたって水中翼を揺動制御自在に配設して、船尾部を最大の揚力で上下させて、ピッチング制御を行って双胴船の走航抵抗を減少することができ、燃費の向上をはかることを提案している。
特開平6−263082号公報 特開平9−272488号公報 特開2011−251596号公報
しかし、双胴船の船尾部に水中翼を設けてピッチング制御を行なえるものの、双胴船の走航抵抗の低減が十分でなく、高速走航ができて燃費効率のよい双胴船を開発することが課題であった。
本発明は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、双胴船の両側の船体間に水中翼の支持軸を連結して架設して水中翼を所要の傾斜角度に傾転可能に配設するとともに、双胴船の両側の船体の船尾部にトリムタブを配設してそれぞれ所要のトリム角度に傾転自在に形成し、双胴船にジャイロセンサを配設してジャイロセンサの姿勢制御装置の出力をピッチング角速度ω1とし、この数値積分をピッチング角θ1とし、水中翼の制御角度P(t) として、P(t)=A・θ1(t) +B・ω1(t) +C として減揺制御し、ローリング角速度ω2とし、この数値積分をローリング角θ2とし、トリムタブの制御角度T(t) として、T(t)=D・θ2(t) +E・ω2(t) +F として減揺制御して、ここに、A〜Fは定数で、モデル実験、実機の航行時の測定、荒天時での測定を行なって定め、C、Fは走航中の航体トリムを定める値で、静水時の実験での走航抵抗によりトリム角を定めるもので、高速、減揺走航するようにしたことを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法を提供するにある。
また、双胴船の水中翼を−10〜10度に傾転自在のピッチング角、両側の船体の船尾部のトリムタブを−5〜20度に傾転自在として、波長3〜6mに対して双胴船のピッチングに対して水中翼を所要のピッチング角に制御し、双胴船のローリングに対して船尾部のトリムタブを所要のトリム角度として減揺制御して走航することを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法を提供するにある。
さらに、各種の波の状態で制御パラメータを設定して、これらのパラメータにもとづいてCPUでジャイロセンサの姿勢制御装置のデータから瞬時に判断して所要のパラメータに切り換えて、走航抵抗が最小になるようにジャイロセンサの姿勢制御装置を介して、P(t)=F(θ1(t) 、ω1(t) )、T(t)=F(θ2(t) 、ω2(t) )としてファジー制御して揺動制御して双胴船を所要の減揺航行を行なって、波の状態に応じて走航抵抗が最小になるようにピッチングに対してピッチング角を減少させるようにジャイロセンサによって水中翼を傾転制御するとともに、船尾部のトリムタブのトリム角度を加減制御して減揺することを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法を提供するにある。
さらに、双胴船の両側の船体のキール間に水中翼を支持軸を連結して架設したことを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法を提供するにある。
またさらに、双胴船の両側の船体の船尾部のトリムタブを空洞状態に形成したことを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法を提供するにある。
本発明の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法は、双胴船の両側の船体間に水中翼の支持軸を連結して架設して水中翼を所要の傾斜角度に傾転可能に配設するとともに、双胴船の両側の船体の船尾部にトリムタブを配設してそれぞれ所要のトリム角度に傾転自在に形成し、双胴船にジャイロセンサを配設してジャイロセンサの姿勢制御装置の出力をピッチング角速度ω1とし、この数値積分をピッチング角θ1とし、水中翼の制御角度P(t) として、P(t)=A・θ1(t) +B・ω1(t) +C として減揺制御し、ローリング角速度ω2とし、この数値積分をローリング角θ2とし、トリムタブの制御角度T(t) として、T(t)=D・θ2(t) +E・ω2(t) +F として減揺制御して、ここに、A〜Fは定数で、モデル実験、実機の航行時の測定、荒天時での測定を行なって定め、C、Fは走航中の航体トリムを定める値で、静水時の実験での走航抵抗によりトリム角を定めるもので、高速、減揺走航するようにしたことによって、双胴船を両側の船体間に支持軸を連結して架設した水中翼を波の状態に応じて走航抵抗が最小にピッチングに対してピッチング角を減少させるようにジャイロセンサによって水中翼を傾転制御するとともに、船尾部のトリムタブのトリム角度を加減制御して減揺し、双胴船の高速走航による燃費の向上、乗り心地の向上をはかれる。

たとえば、走航時、向い波の場合は船首を下げ、追い波の場合は船首を上げ、さらに波が高い場合は加速度センサ等の姿勢制御装置にもとづいて水中翼の傾転角度を高めにするなどとし、波高や向い波、追い波等の波の状態に応じて、走航抵抗が最小になるように姿勢制御し、また実機の航行時の測定、荒天時での測定試験にもとづいて、走航中の航体トリム値、静水時の走航抵抗が最中になるトリム角で、走航抵抗が最小になるように前方の水中翼と船尾部の両側のトリムタブをバランスよく配設して、ピッチング、ローリングの減揺制御して航行するようにでき、乗り心地のよい、燃費を向上できる高速の双胴船を実現することができる。

このように本発明の双胴船では、前方の船首部の水中翼を所定の傾斜角度として、従来と比較してほぼ10〜20%の高速化がピッチング制御とともに可能になり、また船尾部の両側に左右対称状に配設したトリムタブによる浮力、揚力の向上および、トリム角度の傾転制御のローリング制御で、船体の走航トリムを抵抗が少ない状態に制御でき、走航抵抗を減少できて、乗り心地のよい燃費を向上できる高速の双胴船を実現することができるものである。
そして、双胴船の水中翼を−10〜10度に傾転自在のピッチング角、両側の船体の船尾部のトリムタブを−5〜20度に傾転自在として、波長3〜6mに対して双胴船のピッチングに対して水中翼を所要のピッチング角に制御し、双胴船のローリングに対して船尾部のトリムタブを所要のトリム角度として減揺制御して走航することによって、波長3〜6mに対して水中翼、トリムタブをそれぞれ所要のピッチング角、トリム角度として双胴船の船体の走行姿勢を制御し、走航抵抗の低減して燃料費の低減と高速化を同時に達成することができる。
さらに、各種の波の状態で制御パラメータを設定して、これらのパラメータにもとづいてCPUでジャイロセンサの姿勢制御装置のデータから瞬時に判断して所要のパラメータに切り換えて、走航抵抗が最小になるようにジャイロセンサの姿勢制御装置を介して、P(t)=F(θ1(t) 、ω1(t) )、T(t)=F(θ2(t) 、ω2(t) )としてファジー制御して双胴船を所要の減揺航行を行なって、波の状態に応じて走航抵抗が最小になるようにピッチングに対してピッチング角を減少させるように中翼を傾転制御するとともに、船尾部のトリムタブのトリム角度を加減制御して減揺することによって、各種の波の状態に対応できて、各種のデータから瞬時に判断して所要のパラメータに切り換えて、走航抵抗が最小になるようにジャイロセンサの姿勢制御装置を介して揺動制御して双胴船を所要の減揺航行を行なうようにできる。
さらに、双胴船の両側の船体のキール間に水中翼を支持軸を連結して架設したことによって、水中翼およびそのストラットが船体横断面のおいて船体強度を増加させ、船体のねじれを抑え、船体のクラックの発生を低減するようにできる。
さらにまた、双胴船の両側の船体の船尾部のトリムタブを空洞状態に形成したことによって、双胴船の船尾部のトリムタブの浮力を高めて船尾部を浮上させ、双胴船の高速化、燃費の向上をはかることができる。
本発明の双胴船の一実施例の一部省略した概略側面図、 同上の概略平面図、 同上のやや拡大した概略正面図、 同上の水中翼部の説明用側面図、 同上の船尾部のやや拡大した概略側面図、 同上の水中翼の仰角と走行抵抗との関係図、 同上の水中翼、トリムタブの制御ブロック図、 同上の波長に対する水中翼の固定、翼制御、翼なし状態のピッチング角度説明図、 同上のトリムタブ制御によるローリング揺動制御特性図、 同上のトリムタブのトリム角度と速力の実験関係図。
本発明の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法およびその双胴船は、双胴船の両側の船体間に水中翼の支持軸を連結して架設して水中翼を所要の傾斜角度に傾転可能に配設するとともに、双胴船の両側の船体の船尾部にトリムタブを配設してそれぞれ所要のトリム角度に傾転自在に形成し、双胴船にジャイロセンサを配設してジャイロセンサの姿勢制御装置の出力をピッチング角速度ω1とし、この数値積分をピッチング角θ1とし、水中翼の制御角度P(t) として、P(t)=A・θ1(t) +B・ω1(t) +C として減揺制御し、ローリング角速度ω2とし、この数値積分をローリング角θ2とし、トリムタブの制御角度T(t) として、T(t)=D・θ2(t) +E・ω2(t) +F として減揺制御して、ここに、A〜Fは定数で、モデル実験、実機の航行時の測定、荒天時での測定を行なって定め、C、Fは走航中の航体トリムを定める値で、静水時の実験での走航抵抗によりトリム角を定めるもので、高速、減揺走航するようにしたことを特徴としている。
高速走航の双胴船1は、主としてアルミニウム合金による軽量材で、図1〜図3のように船本体2として左右対称状に船体3を設けていて、このクロスデッキ下の両側の船体3間のトンネル状部に船首部4側から船尾部5側に水流をスクリュー6を介して送給して走航するようにしている。
特に、双胴船1の中心部または重心部より前方部の船体3間に、水中翼7を船体3の底部8分を膨出状態としたキール9間に軸支して水中翼7によるモーメントに作用を大きくしているとともに、水没状態の水中翼7の上端部側を油圧駆動によるリンク機構の水中翼傾転装置10を介して図4のように−10〜+10度の所要の角度にわたって傾転可能として、水中翼7でより有効にピッチング制御できるようにしている。また、水中翼7の軸部で船体3の底部8のキール9間を結合状態として、水中翼7およびそのストラットが船体3横断面のおいて船体強度を増加させ、船体3のねじれを抑え、船体3のクラックの発生を低減するようにできる。
そして、図1、図2のように上記双胴船1の両側の船体3の船尾部5にそれらの全幅にわたってそれぞれトリムタブ11を対称状に配設し、図5のようにこのトリムタブ11を油圧駆動のトリムタブ傾転装置12でそれぞれ−5〜20度、好ましくは4〜9度の俯角(下向)状態に傾転制御してローリング制御して減揺するようにしている。
上記トリムタブ11は、アルミニウム合金の所定厚の板材を溶接した、船尾部5の重量に対応した所要容量の空洞状態の薄箱状とし、そのトリムタブ11を船尾部5の揺動軸部13に軸着して、トリムタブ11を水平に転倒したときにその下面が船尾部5の船底14と同一面上となるように設置して、トリムタブ11による走航時の流体抵抗をできるだけ軽減するとともに船尾部5の浮力を増加させるようにしている。そのため、双胴船1の低速時のトリム抑制、ローリング減揺がはかれ、かつ走航抵抗を少なくして高速化をはかることができる。停船時や低速時に船尾部5の浮力を増加できて、安全性を高められる。
そして、特にトリムタブ11を4〜9度の下方側に傾転した俯角状態に設定することで、船体3の走航抵抗の低減をはかり、燃料消費の増加を招くことなく高速走航することを可能にしている。
また、船本体2の中心部または重心部、若しくは適宜の場所に船体制御部15のジャイロセンサや傾斜センサ、加速度センサ等の姿勢制御装置16を設置し、図6のように操作パネル17の操作によってCPU18を作動し、ディスプレイ19に表示するとともに、インバータ等の減揺装置20を介して油圧ポンプ21を駆動制御し、コントローラ・比例制御弁やサーボ弁等の制御器22で上記水中翼傾転装置10の油圧シリンダーの揺動駆動装置23を駆動制御するとともに水中翼7の傾転角度を水中翼センサーで検出し、また同様に左右舷のトリムタブ11についてもインバータ等の減揺装置24を介して油圧ポンプ25を駆動制御し、コントローラ・比例制御弁やサーボ弁等の制御器26で上記トリムタブ傾転装置12の油圧シリンダーの揺動駆動装置27を駆動制御するとともに左右舷のトリムタブ11の傾転角度をトリムタブセンサーで検出し、そしてこれらの出力値を船体制御部15にフィードバックし、サーボモータを介してPID制御、ファジー制御、ロバスト制御等による多次元制御をして、水中翼7、船尾部5のトリムタブ11を所要の角度に駆動制御をしてピッチング、ローリングを抑制制御するようにしている。
たとえば、走航時、向い波の場合は船首を下げ、追い波の場合は船首を上げ、さらに波が高い場合は加速度センサ等の姿勢制御装置16にもとづいて水中翼7の傾転角度を高めに設定するなどとし、波高や向い波、追い波等の波の状態に応じて、走航抵抗が最小になるように姿勢制御装置16を介して船尾部5のトリムタブ11を揺動制御し、このように多次元制御して走航抵抗が最小になるように前方の水中翼7と船尾部5の両側のトリムタブ11をバランスよく配設して、ピッチング、ローリングの減揺制御して航行するようにできる。
上記双胴船1について、実験モデルで、ジャイロセンサの姿勢制御装置16の出力をピッチング角速度ω1とし、この数値積分をピッチング角θ1とし、水中翼7の制御角度P(t) として、P(t)=A・θ1(t) +B・ω1(t) +C として減揺制御でき、またローリング角速度ω2とし、この数値積分をローリング角θ2とし、トリムタブ11の制御角度T(t) として、T(t)=D・θ2(t) +E・ω2(t) +F として減揺制御できる。
ここに、A〜Fは定数で、モデル実験、実機の航行時の測定、荒天時での測定などの試験を行なって定め、C、Fは走航中の航体トリムを定める値で、静水時の実験での走航抵抗が最中になるトリム角を定めておくものである。
各種の波の状態で制御パラメータを設定して、これらのパラメータにもとづいてCPU18でジャイロセンサの姿勢制御装置16のデータから瞬時に判断して所要のパラメータに切り換えて、走航抵抗が最小になるようにジャイロセンサの姿勢制御装置16を介して揺動制御して双胴船1を所要の減揺航行を行なうようにできる。なお、上記した本発明の趣旨にもとづいて、P(t)=F(θ1(t) 、ω1(t) )、T(t)=F(θ2(t) 、ω2(t) )等としてファジー制御、ロバスト制御等の制御方法でも実施することができる。
図1以下は、本発明の一実施例を示すものである。双胴船1は、主としてアルミニウム合金で、図1〜図3のように船本体2として左右対称状に船体3を設け、このクロスデッキ下の両側の船体3間のトンネル状部に船首部4側から船尾部5側にわたってスクリュー6で水流を押し出して高速走航するようにしている。
そして、この双胴船1の重心部より前方部の船体3間に、図1〜図3のように水中翼7を船体3のキール9間に軸支し、上記したように水中翼7を油圧駆動によるリンク機構の水中翼傾転装置10を介して−10〜+10度の所定の角度にわたって傾転可能としてピッチング制御するようにしている。
また、図1、図2、図5のように上記双胴船1の両側の船体3の船尾部5にそれらの全幅にわたってそれぞれトリムタブ11を左右対称状に配設し、上記したようにトリムタブ11を油圧駆動のトリムタブ傾転装置12でそれぞれ−5〜20度のトリム角度に傾転制御してローリング減揺するようにしている。上記トリムタブ11は、アルミニウム合金の板材を溶接して所要容量の空洞状態の薄箱として、船尾部5に揺動軸部13を介して軸着し、トリムタブ11を水平に転倒したときにその下面が船尾部5の船底14の同一面上となるように設置し、特にトリムタブ11を4〜9度の下方側に傾転した俯角状態として、双胴船1の船体3の船尾部5側の浮力、揚力を増大するようにして走航するようにしている。
図7は模型実験による水中翼7の仰角0〜11度に対する走航抵抗の関係を示し、図8も模型実験の結果で、波長3〜6mに対するピッチング角度の関係を示し、仰角2〜4度、ピッチング角度2度位で走航抵抗を減少できるものである。
図9はトリムタブ11を制御ON、OFFした場合のローリング角度の関係を示したもので、トリムタブ11を減揺制御して走航抵抗を減少できて、ローリング角度を軽減でき、図10のようにトリムタブ11をローリング制御することによってローリングを著しく減少できて、走行速度を高められる。
図10は、118トンの双胴船1について、出力を一定としてトリムタブ11を−1〜9度で速力を計測したものである。トリム角度−1〜2度では速力が24.3ノット程度で走航抵抗が大きいことを示している。一方、トリム角度が8度付近では速力が25.7ノット程度に向上しており、走航抵抗の減少が極めて明らかである。これは、トリムタブ11の揚力によって船体3の走航姿勢が最適状態となり、抵抗の減少によって速度が増加したものと考えられる。通常、速度の増加にはエンジン出力の増加が不可欠で、燃料経済性に著しい悪影響が出てくるが、本実験ではエンジン出力一定で測定が行なわれており、抵抗の減少のみによって速度増加が得られたものである。言い換えれば、必要な速度が一定の場合には、抵抗の減少によってエンジン出力を下げることが可能で、燃料経済性の大きな効果が期待される。
このように本発明の双胴船1は、前方の船首部4の水中翼7を所定の傾斜角度として、従来と比較してほぼ10〜20%の高速化がピッチング制御とともに可能になり、また船尾部5の両側に左右対称状に配設したトリムタブ11による浮力、揚力の向上および、トリム角度の傾転制御のローリング制御で、船体3の走航トリムを抵抗が少ない状態に制御でき、走航抵抗を減少できて、乗り心地のよい燃費を向上できる高速の双胴船を実現することができるものである。
本発明は、旅客船、漁船、観光船等の船舶分野における双胴船に利用できるものである。
1…双胴船 3…船体 5…船尾部 7…水中翼 11…トリムタブ

Claims (5)

  1. 双胴船の両側の船体間に水中翼の支持軸を連結して架設して水中翼を所要の傾斜角度に傾転可能に配設するとともに、双胴船の両側の船体の船尾部にトリムタブを配設してそれぞれ所要のトリム角度に傾転自在に形成し、
    双胴船にジャイロセンサを配設してジャイロセンサの姿勢制御装置の出力をピッチング角速度ω1とし、この数値積分をピッチング角θ1とし、水中翼の制御角度P(t) として、P(t)=A・θ1(t) +B・ω1(t) +C として減揺制御し、

    ローリング角速度ω2とし、この数値積分をローリング角θ2とし、トリムタブの制御角度T(t) として、T(t)=D・θ2(t) +E・ω2(t) +F として減揺制御して、

    ここに、A〜Fは定数で、モデル実験、実機の航行時の測定、荒天時での測定を行なって定め、C、Fは走航中の航体トリムを定める値で、静水時の実験での走航抵抗によりトリム角を定めるもので、

    高速、減揺走航するようにしたことを特徴とする抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法。
  2. 双胴船の水中翼を−10〜10度に傾転自在のピッチング角、両側の船体の船尾部のトリムタブを−5〜20度に傾転自在として、波長3〜6mに対して双胴船のピッチングに対して水中翼を所要のピッチング角に制御し、双胴船のローリングに対して船尾部のトリムタブを所要のトリム角度として減揺制御して走航することを特徴とする請求1に記載の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法。
  3. 各種の波の状態で制御パラメータを設定して、これらのパラメータにもとづいてCPUでジャイロセンサの姿勢制御装置のデータから瞬時に判断して所要のパラメータに切り換えて、走航抵抗が最小になるようにジャイロセンサの姿勢制御装置を介して、P(t)=F(θ1(t) 、ω1(t) )、T(t)=F(θ2(t) 、ω2(t) )としてファジー制御して双胴船を所要の減揺航行を行なって、波の状態に応じて走航抵抗が最小になるようにピッチングに対してピッチング角を減少させるように水中翼を傾転制御するとともに、船尾部のトリムタブのトリム角度を加減制御して減揺することを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法。
  4. 双胴船の両側の船体のキール間に水中翼を支持軸を連結して架設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法。
  5. 双胴船の両側の船体の船尾部のトリムタブを空洞状態に形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の抵抗低減、安定性向上の双胴船の減揺走航方法。
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