JP6751575B2 - 太陽光発電システムを利用した負荷駆動システム - Google Patents
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Description
その中でも、当該太陽光発電システムに於ける一番の技術的問題とされている事項は、当該太陽光発電装置は、日中の太陽光が十分に得られている環境のいては、例えば、200V前後の安定した、且つハイレベルの出力電力を得る事が可能である為、商業電源が利用できない地域に於いては、所望の負荷を駆動する為の電源として貴重な存在となっている一方で、電力の自由化を前提として既存の電力会社に対し、原子力や化石燃料を利用した既存の発電システムに対し、環境保全に優れ、安価で経済的な再生エネルギーとし売電の対処とする電源としも注目されている。
つまり、当該従来の太陽光発電システムに於いては、例えば、夜間とか雨の日或いは曇天の場合で、太陽光がないか、あっても、太陽光の日照量が十分でない時間帯、例えば明け方及び夕方等では、当該太陽光発電システムで発電される電力量は全く無いか、或は当該電力量が出力されたとしても、僅かな量に過ぎない為、所望の負荷機器(例えば、照明機器、モーター等の駆動源、ソレノイド内蔵機器、テレビ、パソコン等を含む家電製品等)を正常に駆動させることが不可能となる事が多い。
係る状況を改善する為に、従来から種々の改良技術が提案されて来ているが、その中でも、最も多い改良技術としては、例えば、特開平8−223816号公報(特許文献1)や、特開2006−254694号公報(特許文献2)に示されている様に、当該太陽光発電システムで発電した電力を一時的にバッテリーに貯蔵する技術である。
又、太陽光発電システムを使用して、所望の負荷機器を昼夜を問わず連続駆動させる場合に、当該太陽光発電システムと当該商用電源システムとを併用し、且つその場合の当該太陽光発電システムを有効的に利用出来る技術に関しては、具体的は技術の提案はこれまでになされていないのが実情である。
従って、係る従来の技術的課題や問題点を解決する技術が求められている。
又、そのため当該負荷機器がLED照明であれば、安全灯が点灯している場合を含めて、昼夜を問わず消灯することがないし、また、太陽電池のその時点の発電電力をすべて使用することができるため商用電力を削減できる。
尚、以下に示す本発明の具体例に付いては、当該太陽光発電システムから出力される電圧を検出し、当該電圧のデータに基づいて、当該負荷駆動を行う方法について説明するが、本発明に於いては上記した通り、当該電圧情報のみに限定されるものではなく、当該太陽光発電システムから出力される電流若しくは電力のデータを制御情報として利用して、本発明の目的と同一の効果を得る事が可能である事は言うまでもない。
本発明に於いて使用される当該商用電源システム1は特に限定されるものではなく、通常の一般的な買電で利用出来る全ての交流電源が使用可能である。
更に、本発明に於いて使用対象となる当該負荷機器3も特に限定されるものではなく、一般的な家庭や工場、事務所、商店等で通常使用されている負荷機器、例えば、照明機器、モーター等の駆動源、ソレノイド内蔵機器、テレビ、パソコン等を含む家電製品等が全て対象となり、それらの駆動源が交流で有ろうと直流で有ろうとも制限はない。
つまり、当該コネクタ―回路部7の双方の入力端子部71と72の入力電圧値が同じレベルで有れば、双方の入力端子部71、72からは、必要な電力量の50%がそれぞれ入力される事になるが、当該太陽光発電システム2側の入力端子72に於ける入力電圧値V2を、当該商用電源システム1側の入力端子71に於ける入力電圧値V0よりも高く設定することにより、当該太陽光発電システム2から出力される電力を、当該商用電源システム1から出力される電力に対して優先的に当該負荷機器3に供給する事が可能となる。
一方、夜間に於いては、当該太陽光発電システム2からの出力電力は全く無いので、略100%の比率で、当該商用電源システム1からの出力電力が当該負荷機器3に供給される事になる。
本発明に於いて使用される当該電圧変更調整回路4の構成や機能は特に限定されるものではなく、従来公知の昇圧処理回路或は降圧処理回路等が使用可能である。
係る処理を実行する事によって、出来るだけ当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72の入力電圧V2を高いレベルとなる様に設定し、それが高いレベルにならない場合でも、当該太陽光発電システム2の電力を出来るだけ多く取り出して、当該負荷機器3に供給させる様に構成されているのである。
即ち、本発明に係る当該負荷駆動システム100は、商用電源システム1と当該商用電源システム1に接続されているAC−DCコンバーター5、太陽光発電システム2と当該太陽光発電システム2に接続されているDC−DCコンバーター6、当該DC−DCコンバーター6に接続され、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を当該太陽光発電システム1からの出力電圧V1に対して、昇圧処理若しくは降圧処理を行う電圧変更調整手段を含む制御手段4と、当該AC−DCコンバーター5及び当該DC−DCコンバーター6からのそれぞれの出力電流を、逆流防止ダイオード73、74を介して受けるそれぞれの商用電源システム1側の入力端子部71と太陽光発電システム2側の入力端子部72と、当該各入力端子部71、72の中間部に設けられている電流出力部35とから構成されているコネクタ―回路部7と、当該コネクタ―回路部7の当該出力部35に接続されている負荷手段3とから構成されているものである。
当該本発明に係る当該負荷駆動システム100に於いては、当該商用電源システム1から出される電圧V0は、AC−DCコンバーター5を介して、一方当該太陽光発電システム2から出力される電圧V1は、DC−DCコンバーター6を介して、同時に所定の当該負荷機器3に供給される様に構成されているものであり、又、当該DC−DCコンバーター6は、当該太陽光発電システム2から出力される入力電圧V1に対して、その出力電圧を変化させ、電圧V2を発生させる機能を含んでいるか、当該機能を有する制御回路手段4が外付けされているものであっても良い。
本発明に於ける当該電圧変更調整手段4は、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を、当該太陽光発電システム1の出力電圧値V1に対して昇圧若しくは降圧させる機能を有するものである。
換言するならば、本発明に於ける当該電圧変更調整手段4は、電圧値を計測する際のその時点時点に於ける当該太陽光発電システム2から出力される電圧値V1を最大値と定めて、その電圧値を追跡する様に設定されているものである。
次に、本発明に於ける当該電圧変更調整回路4に於ける、当該太陽光発電システム2から出力される電圧値V1を、当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72に入力させる調整電圧値V2に変換する為の処理手順の構成つまり当該処理様ソフトウェアの一具体例の概要を、図2を参照しながら詳細に説明する。
当該初期設定段階では、当該AC−DCコンバーター5(AC−DC電源((PS1))の電圧V0をあらかじめ決められた電圧値(VS)、例えば、48V等に設定する。
本発明に於いて、当該AC−DCコンバーター5の電圧値V0と当該太陽光発電システム2の電圧値V1を調整した電圧V2とが同一(V0=V2)である場合はAC−DCコンバーター5(AC−DC電源((PS1))を流れる電流値I0と、DC−DCコンバーター6(DC−DC電源(PS2))を流れる電流値I2とは同じとなり(I0=I2)総合電流としてI3=I0+I2が負荷機器3に流れる事になる。
一方、もしV0<V2の場合は、V2とV0の電圧差でDC−DC電源(PS2)6からの電流が大きくなり、負荷機器3が一定の場合は当該電圧差に応じて当該負荷機器3に流れる電流は、I0<I2になる。
次に、当該AC−DCコンバーター5(PS1)の動作範囲電圧若しくは最低動作電圧Vsと、当該DC−DCコンバーター6(PS2)の動作範囲電圧若しくは最低動作電圧Vs’とを予め設定するか実際の各コンバーター機器で確認しておく。
係る操作は、当該商用電源システム1が正常に作動しているか、停電などの障害を発生していないかをチェクする段階である。
当該ステップ1(S−1)に於いてNOである場合には、何らかの原因で当該当該商用電源システム1が正常に作動していないことが推測されるので、元に戻って、その原因を追及し、当該問題が解決された後、再び当該ステップ1(S−1)で、同様の操作を繰り返す。
当該ステップ2(S−2)に於いてNOである場合には、太陽光の照射状況が十分ではなく、当該太陽光発電システム2の出力電圧がかなり低い状態にあることを示しているので、当該太陽光が十分に当該太陽光発電システム2を照射し、当該太陽光発電システム2の出力電圧値V1が当該DC−DCコンバーター6の動作範囲電圧Vs’よりも高くなるまで待つ必要があり、元に戻って再度検出操作をするという動作を何回も繰り返す操作が継続される。
そして、当該ステップ2(S−2)でYESとなれば、ステップ3(S−3)に進み、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を、当該太陽光発電システム2のその時点で測定された出力電圧値V1に対して、上昇させる昇圧処理操作を実行する。
此処で、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を昇圧させて行く目標値は、前記した通り、少なくともV0<V2の関係が成立する状態とすることにあるが、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0に対して無制限に高くすることは得策ではないので、例えば、後述する段落番号(0058)にも示されている通り、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0よりも若干高い電圧値(V0<V2)になる様に制御し、その後は昇圧させない様に処理する事になる。
その際の当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2は、例えば、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0が100Vであれば、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2は、103V〜107Vの間で維持される様に設定することが望ましい。
それ以降は、当該太陽光発電システム2からの出力電圧V1が低下するか否かを検出する操作を行う事になる。
当該出力電圧値V1を上昇させてV2に替えて行くと、当該負荷機器3に流れる電流値は徐徐に増加するが、反面、当該太陽光発電システム2からの出力電圧が増加しない限り、その分だけ、当該出力電圧値V1は低下することになるので、当該DC−DCコンバーター6の出力電力値が低下して、必要な電流が負荷機器3に流れなくなると言う問題が発生する。
その為、その場合には、当該昇圧処理操作を停止して、ステップ4(S-4)に於いて、当該太陽光発電システム2からの出力電圧V1の低下がみられた場合には、ステップ5(S-5)に於いて逆に、短い時間間隔で、徐々に所定の電圧だけ下降させる降圧処理を行い、それによって当該出力電力値V1が元に戻るか否かを判断する事になる。
尚、本発明に於いて、日射が少ない場合や夜間の場合は、当該太陽光発電システム2の発電電圧値V1が当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0より低くなるか、V1=0Vとなり、当該負荷機器3には当該AC−DCコンバーター5(PS1)からの電力が優先的に供給される事になる。
係る操作の繰り返しは、上記した通り、例えば、100msec(100ミリセカンド)の短い時間間隔で繰り返されるものである。
係る操作も、例えば、100msec(100ミリセカンド)の短い時間間隔で、各時点では、0.1Vづつ降圧させる様にして、徐々に降圧処理を実行するものである。
その後、当該太陽光発電システム2に於ける出力電圧V1の下降状態が無くなった場合、つまり、当該ステップ4(S−4)に於いてNOとなれば、ステップ2(S−2)に戻り、前記したステップ2(S−2)とステップ3(S−3)の操作が繰り返されることになり、本発明に係る負荷駆動操作が継続されている限り、この操作が繰り返し継続される事になる。
処で、本発明に於ける当該最大電力制御処理システムの基本的技術思想を概括するならば、その基本は、太陽電池モジュール出力特牲を考慮し、日射照度の変化によって変化する最大電力を効率的に制御するシステムと定義出来る。
(1)ある日射照度においての太陽電池の最大出力の動作電圧値は一定電圧で、日射照度が少ない場合には当然出力電力は低下する。
若し、出力電力が低下した場合、その電力に見合った負荷電流を所定の負荷(例えば、LED照明)に供給しなければ、太陽電池の電圧が低下しDC−DCコンバーターへの入力電圧以下になり電力を取り出せなくなる。
一方、太陽電池の発電電力が少ない場合でも、負荷電流(LED)の電流を減じて最適電圧になるように制御すればその時点の日射照度の最大電力が引き出される事になる。
(2)此処で、太陽電池の最適電圧を得るには、太陽電池アレイの電圧を計測する事で検出する事が可能となる。
(3)本発明に係る当該システムの動作は、太陽電池アレイで発電された電力をDC−DCコンバーターへ入力し、DC−DCコンバーターの出力電圧と出力電流を計測し、DC−DCコンバーターの出力電圧を調整し、太陽電池の出力電圧が最適電圧になるように制御する。
従来一般的に使用されているパワーコンディショナの場合の最大電力追従制御(MPPT)の場合は、日射照度のふらつきや安定状態の確認のためタイマーなどによって制御しているため、ロスが非常に多く発生するが、本発明に係る制御システムでは、少ない太陽電池の発電量でも動作可能なシステムとなることが最大の特徴である。
この方法は、単に太陽電池側のDC−DCコンバーターの出力電圧のみを制御し、最適電圧になるように制御するが、商用交流システム側のAC−DCコンバーターの負荷(LDE)の電圧変動は考慮されない。
そのため当該制御の精度そのものが悪くなる可能性がある。
従って、本発明に於いては、当該第2の方法を採用したものであり、その為に、太陽電池側のDC−DC電源からの電圧と当該商用交流電源側からのAC−DC電源の電圧の両方を監視し、出来るだけ当該商用交流電源からの当該負荷機器への電流を減らすように制御するため太陽電池の最大電力を引き出すことが可能となったのである。
即ち、従来技術に於ける、当該最大電力制御のない太陽光発電システムによる直流電源の場合であれば、当該太陽光発電システムの電圧がDC−DCコンバーターの入力電圧に達するまで太陽電池が発電している場合でも、当該負荷に電流が流れることはない。
その理由は、既に上記で説明した通り、太陽電池の出力電力が少ないからである。
つまり、太陽電池の出力が小さい場合、負荷電流が流せないため、太陽電池の負荷が過負荷になり太陽電池の電圧が低下して、DC−DCコンバーターの人力電圧以下になってしまうため、電流は流せないのである。
然しながら、太陽電池の出力が少ない場合でも、太陽電池出力電力に見合うようにDC−DCコンバーターの出力電圧を調整出来れば、その時点の太陽発電システムの最大電力が取得可能となり、その分当該負荷機器に電流を供給する事が可能となる。
これに対応して、本発明に於いては、当該商用交流電源の電力使用量が、従来技術を使用する場合に比べて、25乃至30%程度、節約出来る事が判明している。
その結果、本発明により、24時間昼夜連続運転しなければならない様な負荷機器を駆動させる場合に、電力コストが大幅に低減化されると同時に、バッテリーを使用しないで済むため、その為の管理費用が不要となる他、駅構内等の公共施設内、病院や診療所内での諸設備、高層共同住宅等のエントランス領域等に於けるオートロックシステムやエレベーターの扉部の開閉等、非常時停電発生時に於ける防災機器の駆動し有効に活用する事が可能である。
勿論、これらの用途については、本発明に於いて、バッテリと併用することにより、より、広範囲の用途に対応させる事が可能となる。
係るバッテリー、つまり蓄電池を使用した太陽光発電システムは、太陽光発電により蓄電池を充電しながら、負荷機器(例えばLED照明)等へ電力を供給するシステムである。
又、本発明に係る上記した負荷駆動方法にあっては、当該負荷機器への電力供給は昼夜を通して行われる為、システム設計に当たっては夜間の使用電力量 (蓄電池による電力供給)と昼間の太陽光発電装置による蓄電池への補充電電気量とを勘案して、充放電バランスが最適となる様なシステム設計を実施する事で、季節的な変動は有るものの最適なシステム設計が実施出来ているのである。
但し、蓄電池を用いたシステムの場合には、全体システムのコスト的要因を勘案すると、第1に当該蓄電池の寿命を考慮する必要が有る。
本発明に於ける他の態様である太陽光発電装置にバッテリーを接続させて当該負荷機器を駆動する場合の具体例を以下に説明する。
即ち、(1)太陽光発電装置により発電された個々の電力は、適宜の接続箱等にて集電し、適宜の過充電防止器に接続される。
(2)当該過充電防止器により制御された電源を当該バッテリーの充電に使用する。
(3)同時にDC−DCコンバーターへこの電源を供給し、この制御された電源をLED 照明用の分電盤へ供給する。
(4)当該LED照明用の分電盤へは商用電源をAC−DCコンバーターにて変換した直流電力も同時に供給される。
(5)商用電源側のAC−DCコンバーターはLED照明負荷にて使用される電力が太陽電池側からの供給にて賄えない場合、その不足分を供給するもの とする。
(6)蓄電池は、夜間及び曇天、雨天等で太陽電池の出力が不足した場合には、蓄電池のみにて負荷へ電力を供拾し、蓄電池が規定放電電気量を放電した場合には自動的に蓄電池からの電力供給を停止する。
(7)当該蓄電池が放電した場合には、太陽電池からの出力により蓄電池の充電を優先し、LED照明負荷へは商用電源側より電力を供給する。
実施概要
(1)当該システムの設置状況;
当該システムの設置場所: 都内の10階建て高層住宅の屋上
当該システムの設置方位: 真南より5度西向き
当該システムの設置傾斜角度: 30度
(2)太陽電池容量: 5.088KW(92.6W×11S×5P)
(3)DC−DCコンバーターの容量:4.5KW(1.5KW×3S)
DC−DCコンバーターの入力電圧: 70〜370V
DC−DCコンバーターの出力電圧: 96V
(4)AC−DCコンバーターの容量:4.5KW(1.5KW×3S)
AC−DCコンバーターの入力電圧: 3相交流200V
AC−DCコンバーターの出力電圧: 直流96V
(5)負荷機器: LEDダウンライト
定格 :DC96V
許容電圧 :DC94V〜107V
実測値:直近部 DC98.6V
最遠部 DC98.4V
(6)実験実施期間:平成27年11月
(7)計測データ
各データの計測点は図1に於けるブロック図に示す4点にて計測を実施致しました。各計測点における計測項目は下記の通りです。
(a)DC−DCコンバーター(PS2)出力電圧
(b)AC−DCコンバーター(PS1)出力電圧
(c)DC−DCコンバーター(PS2)出力電流
(d)AC−DCコンバーター(PS1)出力電流
今回の解析に於いては、計測時点の個々の段階で、当該実験に使用されている当該負荷(LED照明、自動点灯方式) の使用電力量を太陽電池出力電力と商用電力とがどの様な分担にて当該負荷へ電力供給を行っているかを実証する為の解析であり、その為、上記(7)項の測定データを用いて、上記の各電力の分担状況が、一日の時間経過と共にどの様に変化するかを確認し、それによって、想定の通り、太陽電池出力が確保できる時間には太陽電池出力が優先して使用されているかを検証するものである。
尚、本実施例に於いては、夜間は主に、商用電流が使用さる為、当該商用電流値とその電圧値のみが一定のレベルを示す直線で示されるのみであるので、係る時間帯の波型グラフの表示は省略し、太陽光の照謝程度が大幅に変化する時間帯である、午前6時00分から午後五時10分迄の間の当該各データの変化状況を波型グラフで示したものである。
尚、今回の実施例では、それぞれの測定データの採取間隔を約10秒置きに設定して実行した。
図3(B)の直流電圧値に関して:
(ア)商用電源1に接続されているAC−DCコンバーター5からの直流出力電圧値は、午前6時00分から午後5時06分迄の間では、略100Vの均一な電圧値を示しているが、一方、太陽光発電システム2の発電電圧は、に接続されているDC−DCコンバーター6からの直流出力電圧値は、午前6時00分から午前6時47分ごろまで、殆ど発電が行われず、その間は略0Vの値を示しているが、そこから、午前7時1分迄の間に、太陽光の照射が当該太陽電池部分に当たり、当該太陽光発電システム2の発電電圧は、急速に上昇して行き、午前7時2分ごろには、当該電圧値は、当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値である、例えば120(V)、を超える事になり、午前8時5分ごろには、略その最大出力電圧値である250V前後に到達する事になる。
又、係る状態の時間帯では、当該DC−DCコンバーター6は駆動していないので、図3(A)に示す様に、午前7時1分までの間は、0Aの状態が継続されている。
勿論、その間には、太陽光が雲等で遮られ、太陽光の照度が低下したりして、当該電圧波形は、大きく上下に変化する事は頻繁に発生するが、全体の流れとしては、当該電圧波形は上昇傾向を示す。
具体的には、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0が略100
Vであるのに対し、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2は、103V〜107Vの間で常時変化する状況を示している。
係る状態が、本発明に於ける第1の特徴的な技術構成となっている。
(ア)一方、当該負荷機器3に流れる当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)と当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)との関係を図3(A)に示す。
尚、図中、当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)は、黒色波型グラフで表示されており、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)は、図中、グレースケール調の波型グラフで表示されている。
処で、当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)は、図3(A)に示す様に、午前6時00分からDC−DCコンバーター6が動作を開始する時刻である午前7時1分頃迄は、殆ど出力が無く、午前7時1分頃までは、当該太陽電池部分に対する太陽光の照射量が次第に増加し始め、それに伴い、当該太陽光発電システム2の発電電圧が、急速に上昇して行き、午前7時2分頃には、当該電圧値は、当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値を超える事になるので、その後、午前7時10分頃から当該DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2が徐徐に流れ始め、その後、当該太陽光の照射量が増加するに従って、当該電流値I2も0.31Aから1.90Aの間で増加を続け、午前8時51分頃までには、当該DC−DCコンバーター6からの直流出力電圧値が、略その最大出力電圧値である250V前後に到達する事になると同時に、当該当該電流値I2も2.0Aを超えた状態となる。
当該出力電流I2の最大値は、9.0Aであった。
勿論、当該出力電流I2の特定の時間毎の量は、太陽光の照射量に応じて、大きく変化する事は避けられないが、全体的に見れば、相当の量の出力電流I2が当該負荷機器3に流れている事は明らかである。
更に、その後は、夜間を通して翌日の午前7時頃迄かかる状態が継続する 事になる。
尚、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)の量が、午後3時50分以降午後5時6分までの間に極端に大きく増大されると言う変化を示しているが、これは、恐らく、日没時に於ける関連機器の手動或は自動による操作や、パイロットランプや警告灯等の点灯等による瞬間的な変動を示しているものと推察されるが、基本的には、当該時間帯以降、翌日の午前7時までは、当該出力電流I0は、0.5A乃至0.85Aである。
つまり、図3(A)のそれぞれの波形グラフから見れば、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)を基本的な使用負荷電流と決め、当該負荷機器の駆動に必要な電流値を、先ず優先的に当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)を使用し、それで不足がある場合に、当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)からその分の電流供給を受ける様に構成されているものであり、係る技術的構成に本発明に於ける第2の特徴的事項が存在する。
係る状況は、従来の太陽光発電システムでは全く有り得なかった状況であり、従来技術では、太陽光発電システムで、電圧が発生していたにも関わらず、その電力は、全く当該負荷機器3では使用されずに、消失させていた状態であるが、本発明では、僅かな電流でも、実際の負荷機器3を駆動する為に有効に活用出来るのである。
上記状況は、午後3時35分頃から午後3時58分頃までの時間帯に於ける、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)が発生する状況の場合でも同様である。
係る技術構成は、本発明に於ける第3の特徴事項として特記されるものである。
2…太陽光発電システム
3…負荷機器
4…電圧変更調整回路
5…AC−DCコンバーター
6…DC−DCコンバーター
7…コネクター回路部
31…DC負荷機器
32…AC負荷機器
33…インバーター
35…電流出力部
72…太陽光発電システム側の入力端子部
71…商用電源システム側の入力端子部
73、74…逆流防止手段
100…太陽光発電システムを利用した負荷駆動システム
SH…電流計測部
Claims (4)
- 商用電源システムと太陽光発電システムとを併用して所望の負荷を終日駆動する負荷駆動システムに於いて、当該商用電源システムと当該太陽光発電システムとを常時並行運転させながら、当該太陽光発電システムから出力される電力を、当該商用電源システムから供給される電力に対して優先的に当該負荷に供給させる様に常時調整処理を繰り返し実行する事を特徴とする負荷駆動システムであって、当該負荷駆動システムは、当該商用電源システムと当該商用電源システムに接続されているAC−DCコンバーター、太陽光発電システムと当該太陽光発電システムに接続されているDC−DCコンバーター、当該DC−DCコンバーターに接続され、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を当該太陽光発電システムからの出力電圧V1に対して、昇圧処理若しくは降圧処理を行う電圧変更調整回路を含む制御手段、出力部同士が相互に接続された一対の逆流防止ダイオードで構成され、当該一対の逆流防止ダイオードの入力部に当該AC−DCコンバーター又は当該DC−DCコンバーターからのそれぞれの出力電流が個別に入力されており、且つ当該一対の逆流防止ダイオードの相互接続部に設けられた電流出力部が設けられているコネクタ―回路部、当該コネクタ―回路部の当該電流出力部に接続されている負荷手段とから構成されており、且つ当該制御手段は、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を当該AC−DCコンバーターから出力される出力電圧V0よりも高い電圧値に維持する様に、常時調整処理を繰り返すと共に、当該太陽光発電システムからの出力電圧V1の出力の低下時に於いても可能な限り当該太陽光発電システムからの出力電流を当該負荷手段に供給出来るように、当該AC−DCコンバーター(PS1)の電圧V0があらかじめ決められた電圧値Vsと一致するか否かを判断するステップ1と、当該ステップ1でYESであれば当該DC−DCコンバーター(PS2)の入力電圧V1が当該DC−DCコンバーターの動作範囲電圧Vs’よりも高い電圧値を示しているか否かを判断するステップ2と、当該ステップ2でYESであれば、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を、当該太陽光発電システムのその時点で測定された出力電圧値V1に対して、所定の電圧値だけ上昇させる昇圧処理操作を実行するステップ3と、当該ステップ3に続いて、当該太陽光発電システムに於ける出力電圧値V1が低下したか否かが判断され、NOで有る場合には、ステップ2に戻って、これまでの各ステップの操作が繰り返されるが、YESであれば、後述するステップ5に進む処理操作を行うステップ4と、当該ステップ4の判断に従って、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を所定の電圧値だけ下降させる降圧処理操作を実行し、ステップ4に戻るステップ5とから構成される制御処理操作が繰り返し実行される様に構成されている事を特徴とする負荷駆動システム。
- 当該制御処理操作に於ける操作時間間隔は、100msec(100ミリセカンド)間隔である事を特徴とする請求項1記載の負荷駆動システム。
- 当該ステップ3に於ける、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を、当該太陽光発電システムのその時点で測定された出力電圧値V1に対して、所定の電圧値だけ上昇させる昇圧処理操作に於ける当該所定の電圧値は、0.1Vである事を特徴とする請求項1又は2に記載の負荷駆動システム。
- 当該ステップ5に於ける、当該DC−DCコンバーターの出力電圧V2を、所定の電圧値だけ下降させる降圧処理操作に於ける当該所定の電圧値は、0.1Vである事を特徴とする請求項1又は2に記載の負荷駆動システム。
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