JP6751063B2 - レーダ信号処理装置、レーダ信号処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
しかし、この技術では、ISAR画像を画像処理することによって、目標物の特徴量を抽出するため、信号処理の処理負荷が大きくなってしまう。
(レーダシステム)
本実施形態のレーダシステムは、電波(レーダ信号)を送信し、送信したレーダ信号の物体による反射波(反射エコー)を受信する。レーダシステムは、受信した反射エコーに基づいて、一または複数の飛翔体などの目標物を判別する。ここで、目標物は、レーダ信号を用いて判別する物体などの対象である。レーダシステムは、判別した一または複数の目標物の各々を、反射エコーのS/N比(signal-noise ratio)の大きさに基づいて並べる。
レーダシステムは、反射エコーのS/N比の大きさに基づいて並べた一または複数の目標物の各々について、その目標物の大きさが閾値以下であるか否かを判定する。レーダシステムは、その目標物の大きさが閾値以下でない場合には、反射エコーに基づいて、ISAR画像などのレーダ画像を生成する。本実施形態では、レーダ画像の一例として、ISAR画像を生成する場合について説明する。レーダシステムは、レーダ画像において、目標物を通過する一または複数の線分上の反射レベルの分布を導出する。レーダシステムは、導出した反射レベルの分布と、予め記憶されているテンプレートから選択される目標物を含む領域の反射レベルの分布との相関係数を算出する。レーダシステムは、算出した相関係数に基づいて、一または複数の目標物の各々を、目標とする順序に並べる。
レーダシステム100は、例えば、アンテナ102と、サーキュレータ104と、送信部106と、受信部108と、信号処理部110と、記憶部126と、表示部130とを備える。レーダシステム100は、移動体に搭載されて移動しながら使用されてもよいし、静止した状態で使用されてもよい。
サーキュレータ104は、アンテナ102と接続される。サーキュレータ104は、送受信信号を分離する循環回路である。サーキュレータ104は、送信部106が出力したレーダ信号をアンテナ102へ出力し、アンテナ102が出力した反射エコーを受信部108へ出力する。
受信部108は、サーキュレータ104と接続される。受信部108は、送信部106がレーダ信号を生成する周期に基づく周期で、アンテナ102が出力する信号に基づいて、レーダ受信信号を生成する。具体的には、受信部108は、アンテナ102の複数のアンテナ素子でそれぞれ受信された信号を、位相制御を施し合成することで、任意の方向に受信ビーム(レーダ受信信号)を形成する。受信部108は、生成したレーダ受信信号を信号処理部110に出力する。また、受信部108は、レーダシステム100の外部から送信される目標情報を受信し、受信した目標情報を、姿勢角推定部121aへ出力する。ここで、目標情報には、目標位置、目標速度、ビーム指向方向などが含まれる。目標位置は目標物の位置であり、目標速度は目標物の速度であり、ビーム指向方向はレーダシステム100が送信するレーダ信号の指向方向である。
また、記憶部126には、信号処理部110がCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む場合、プロセッサにより実行されるプログラム(信号処理プログラム)が格納されてよい。
表示部130は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などにより実現される。表示部130は、信号処理部110が出力した目標とする順序に目標物を並べた画面を表示する。
信号処理部110は、例えば、S/N比判別部112と、範囲判別部114と、ISAR画像生成部116と、画像処理部118と、導出部120と、姿勢角推定部121aと、選択部121bと、相関係数算出部122と、目標順序設定部124とを備える。
さらに、ISAR画像生成部116は、時間領域のデータであるクロスレンジ参照信号に対して、FFTを行って、周波数領域のクロスレンジ参照信号を導出する。ISAR画像生成部116は、周波数領域のレンジ圧縮データと周波数領域のクロスレンジ参照信号とを掛け合わせることで、周波数領域のクロスレンジ圧縮データを導出する。ISAR画像生成部116は、周波数領域のクロスレンジ圧縮データに対して、2次元FFTを行って、時間領域のクロスレンジ圧縮データを導出し、導出した時間領域のクロスレンジ圧縮データに基づいて画像データを出力する。
図2は、本実施形態のレーダシステムの信号処理部の処理の一例(その1)を示す図である。図2の(a)は目標物のモデルの一例であり、図2の(b)はその目標物を含む領域のISAR画像の一例である。図2の(a)と図2の(b)において、横軸はレンジ方向の距離を表し、縦軸はクロスレンジを表している。また、図2の(b)に示される画像における濃淡(輝度)は、反射波の強度のレベル(反射レベル)を示している。ISAR画像生成部116は、生成したISAR画像を、画像処理部118へ出力する。
図3は、本実施形態のレーダシステムの信号処理部の処理の一例(その2)を示す図である。図3の左図は図2の(b)に示したISAR画像を2値化することによって得られる画像の一例を示す。図3の左図において、横軸はレンジ[m]であり、縦軸はクロスレンジ[m]である。また、図3の右図は、ISAR画像を2値化することによって得られる画像から目標物を含む領域を抽出した結果を示す。図3の右図において、横軸はレンジ[m]であり、縦軸はクロスレンジ[m]である。2値化することによって、ISAR画像から目標物を含む領域を抽出し易くすることができる。
また、導出部120は、目標物を含む領域の画像を、クロスレンジ方向にM(Mは、M>0の整数)個に分割することによって、複数の分割画像を取得する。導出部120は、複数の分割画像の各々に含まれる画素について、その画素に表される反射レベルの値を累積することによって、クロスレンジ方向の反射レベルの分布を導出する。導出部120は、導出したレンジ方向の反射レベルの分布とクロスレンジ方向の反射レベルの分布とを、相関係数算出部122へ出力する。
また、図4の(b)に示すクロスレンジ方向の反射レベルの分布の一例によれば、図3の右図において、クロスレンジが4mの近傍の領域が反射レベルの高い黒色となっているため、反射レベルの値を累積することによって得られる反射レベルの分布である図4の(b)において、一つの山が形成されている。ただし、図4の(b)においては、図3の右図のクロスレンジが4mを、0mとして表している。
選択部121bは、姿勢角推定部121aと接続され、姿勢角推定部121aが出力した姿勢角を示す情報を取得する。選択部121bは、目標物の姿勢角を示す情報と、記憶部126に記憶されているテンプレートに含まれる目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報とを関連付けて記憶している。選択部121bは、取得した姿勢角を示す情報に基づいて、目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報を選択する。選択部121bは、選択した目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報を、相関係数算出部122へ出力する。
相関係数算出部122は、選択部121bが出力した目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報を取得する。
相関係数算出部122は、導出部120が出力した目標物を含む領域の反射レベルの分布を取得する。また、相関係数算出部122は、目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報に該当する目標物を含む領域の反射レベルの分布を、記憶部126に記憶されたテンプレートから取得する。目標物を含む領域の反射レベルの分布は、レンジ方向の反射レベルの周辺分布と、クロスレンジ方向の反射レベルの周辺分布とを含む。
相関係数算出部122は、導出部120から取得した目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布と、テンプレートから取得した目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布との間の相関係数(以下、「レンジ方向の相関係数」という)を算出する。また、相関係数算出部122は、導出部120から取得した目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布と、テンプレートから取得した目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布との間の相関係数(以下、「クロスレンジ方向の相関係数」という)を算出する。相関係数算出部122は、レンジ方向の相関係数の算出結果と、クロスレンジ方向の相関係数の算出結果とを、目標順序設定部124へ出力する。
具体的には、相関係数算出部122は、レンジ方向の相関係数を、式(1)によって算出する。
表示部130は、目標順序設定部124と接続され、目標順序設定部124が出力した目標物を並べた結果を示した画像を取得し、取得した画像を表示する。
本実施形態のレーダシステムの動作を、図5、図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態のレーダシステムの処理の流れの一例(その1)を示すフローチャートである。図5は、レーダシステム100の外部から通知される目標情報に基づいて、信号処理部110が、目標物を含む領域の反射レベルの分布を選択する処理を示す。
(ステップS101) 信号処理部110の姿勢角推定部121aは、レーダシステム100の外部から、目標情報を取得する。
(ステップS102) 信号処理部110の姿勢角推定部121aは、取得した目標情報に基づいて、目標物の姿勢角を推定する。姿勢角推定部121aは、目標物の姿勢角の推定結果を、選択部121bへ出力する。
(ステップS103) 信号処理部110の選択部121bは、姿勢角推定部121aが出力した目標物の姿勢角の推定結果に基づいて、目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報を選択する。選択部121bは、選択した目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報を、相関係数算出部122へ出力する。
(ステップS201) 信号処理部110のS/N比判別部112は、レーダ受信信号を取得し、取得したレーダ受信信号に基づいて、一または複数の目標物を判別する。S/N比判別部112は、判別した一または複数の目標物を、反射エコーのS/N比が大きい順に、順序付けする。
(ステップS202) 信号処理部110の範囲判別部114は、S/N比判別部112が出力した一または複数の目標物を順序付けした結果を取得する。範囲判別部114は、取得した順序にしたがって、一または複数の目標物の各々について、その目標物の大きさが閾値以下であるか否かを判定することによって、目標物の大きさを判定する。目標物の大きさが、閾値以下である場合にはステップS203へ移行し、閾値より大きい場合にはステップS204へ移行する。
(ステップS204) 信号処理部110のISAR画像生成部116は、範囲判別部114が出力したレーダ受信信号を取得し、取得したレーダ受信信号に基づいて、ISAR画像を生成する。
(ステップS205) 信号処理部110の画像処理部118は、ISAR画像生成部116が出力したISAR画像を取得し、取得したISAR画像に対して画像処理を施すことによって、ノイズを除去する。画像処理部118は、ISAR画像を2値化することによってノイズを除去した画像から目標物を含む領域の画像を抽出し、抽出した目標物を含む領域の画像を、導出部120へ出力する。
(ステップS207) 信号処理部110の相関係数算出部122は、導出部120が出力した目標物を含む領域の反射レベルの分布を取得する。また、相関係数算出部122は、選択部121bが出力する目標物を含む領域の反射レベルの分布の識別情報に該当する目標物を含む領域の反射レベルの分布を、記憶部126に記憶されたテンプレートから取得する。相関係数算出部122は、レンジ方向の相関係数と、クロスレンジ方向の相関係数とを算出する。相関係数算出部122が、レンジ方向の相関係数と、クロスレンジ方向の相関係数とを算出した後、ステップS203へ移行する。
(ステップS208) ステップS203で、他の目標物がないと判定された場合、信号処理部110の目標順序設定部124は、相関係数算出部122が出力した一または複数の目標物の各々について、レンジ方向の相関係数の算出結果と、クロスレンジ方向の相関係数の算出結果とを取得する。目標順序設定部124は、取得した一または複数の目標物の各々について、レンジ方向の相関係数の算出結果と、クロスレンジ方向の相関係数の算出結果とに基づいて、目標とする順序に、目標物を並べる。目標順序設定部124は、目標とする順序に、目標物を並べた結果を示した画像を作成し、作成した画像を表示部130へ出力する。
(ステップS209) 表示部130は、目標順序設定部124が出力した目標物を並べた結果を示した画像を取得し、取得した画像を表示する。
また、前述した実施形態では、目標順序設定部124が、一または複数の目標物の各々についてのレンジ方向の相関係数の算出結果と、クロスレンジ方向の相関係数の算出結果とに基づいて、相関係数が大きい順に並べる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、目標順序設定部124が、一または複数の目標物の各々について、レンジ方向の相関係数の算出結果と、クロスレンジ方向の相関係数の算出結果とに基づいて、相関係数が低い方から削除するようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、目標物を含む領域の画像のレンジ方向の線分上、およびクロスレンジ方向の線分上のいずれか一方又は両方について、反射レベルの分布を導出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、目標物を含む領域画像において、目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を導出するようにしてもよい。
さらに、導出部は、レーダ画像において、目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を導出し、算出部は、導出部が導出した反射レベルの分布の各々について、予め記憶された目標物を含む領域の反射レベルの分布との相関係数を算出する。このように、目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を用いることによって、複数の相関係数を求めることができるため、目標物の判別精度を向上させることができる。
さらに、算出部が算出した複数の前記目標物の相関係数の各々に基づいて、複数の前記目標物を、目標とする順序に並べる目標順序設定部をさらに備える。このように構成することによって、相関係数に基づいて、目標とする順序に、目標物を並べることができる。
また、反射エコーに基づいて目標物を判別し、判別した一または複数の目標物の各々大きさが、閾値以下であるか否かを判定する範囲判定部を備え、導出部は、範囲判定部によって、目標物の各々大きさが閾値以下でないと判定された場合に、目標物が表された前記レーダ画像から、前記目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出する。このように構成することによって、大きさが想定範囲外であるような目標物については処理の対象から除外あるいは順序を下げるため、無駄な処理を省略して効率的な処理を行うことができる。
Claims (7)
- レーダ画像から、電波を用いて判別する対象である目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出する導出部と、
前記導出部が導出した前記目標物を含む領域の前記反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域の反射レベルの分布との相関係数を算出する算出部とを備え、
前記導出部は、前記レーダ画像において、前記目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を導出し、
前記算出部は、前記導出部が導出した前記反射レベルの分布の各々について、前記導出部が導出した前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるレンジ方向の相関係数を算出し、前記導出部が導出した前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるクロスレンジ方向の相関係数を算出する、
レーダ信号処理装置。 - 前記導出部は、
前記目標物を含む領域の画像を、レンジ方向にN(Nは、N>0の整数)個に分割した複数の分割画像の各々に含まれる画素に表される反射レベルの値を累積することによって、前記レンジ方向の反射レベルの分布を導出し、
前記目標物を含む領域の画像を、クロスレンジ方向にM(Mは、M>0の整数)個に分割した複数の分割画像の各々に含まれる画素に表される反射レベルの値を累積することによって、前記クロスレンジ方向の反射レベルの分布を導出する、請求項1に記載のレーダ信号処理装置。 - 前記算出部が算出した複数の前記目標物の相関係数の各々に基づいて、複数の前記目標物を、目標とする順序に並べる目標順序設定部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のレーダ信号処理装置。
- 反射エコーに基づいて目標物を判別し、判別した一または複数の目標物の各々を、S/N比の大きさに基づいて並べるS/N比判別部を備え、
前記導出部は、前記S/N比判別部によって並べられた前記一または複数の目標物の各々が表された前記レーダ画像から、前記目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーダ信号処理装置。 - 反射エコーに基づいて目標物を判別し、判別した一または複数の目標物の各々大きさが、閾値以下であるか否かを判定する範囲判定部を備え、
前記導出部は、前記範囲判定部によって、前記目標物の各々大きさが閾値以下でないと判定された場合に、前記目標物が表された前記レーダ画像から、前記目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーダ信号処理装置。 - コンピュータが、
レーダ画像から、電波を用いて判別する対象である目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を導出することで、前記目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出し、
前記導出した前記反射レベルの分布の各々について、前記導出された前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるレンジ方向の相関係数を算出し、
前記導出した前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるクロスレンジ方向の相関係数を算出する、
レーダ信号処理方法。 - コンピュータに、
レーダ画像から、電波を用いて判別する対象である目標物を通過する複数の線分上の反射レベルの分布を導出させることで、前記目標物を含む領域の反射レベルの分布を導出させ、
前記導出された前記反射レベルの分布の各々について、前記導出された前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるレンジ方向の相関係数を算出させ、
前記導出された前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布と、予め記憶された前記目標物を含む領域のクロスレンジ方向の反射レベルの分布との相関係数であるクロスレンジ方向の相関係数を算出させる、
プログラム。
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