JP6750717B2 - 光照射装置および光照射方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、光配向に用いる光照射装置が開示されている。この光照射装置は、光照射領域の幅に相当する長さを有する線状の光源と、当該光源からの光を偏光する偏光素子とを備え、光源の長手方向に対して直交する方向に搬送されるワークに対して偏光光を照射することで光配向処理を行う。
このような要望に応えるためには、1枚の基板上に配向方向が異なる複数の配向領域を形成し、この基板をマザー基板として複数種類の基板を作成する必要がある。しかしながら、従来の光照射装置は、1枚の基板の全面に対し、一定方向の偏光軸を有する偏光光を照射することしかできない。そのため、1枚の基板上に配向方向が異なる複数の配向領域を形成することはできない。
そこで、本発明は、1枚のワーク上に配向方向が異なる複数の領域を形成することができる光照射装置および光照射方法を提供することを課題としている。
さらに、上記の光照射装置において、前記プレート部材は、前記第一の使用位置および前記第二の使用位置と、前記照射可能領域から退避した退避位置との間を移動可能であってもよい。プレート部材を退避位置に退避させ、例えば第二の光照射部からの偏光光の照射を停止すれば、ワークの全面に対して一様に第一の偏光光を照射することができる。したがって、1枚のワークの全面に対して同一方向の偏光軸を有する偏光光を照射する光配向処理と、1枚のワークを複数の配向領域に分け、配向領域ごとにそれぞれ異なる方向の偏光軸を有する偏光光を照射する光配向処理とを切り替えて実施することも可能となる。
さらに、上記の光照射装置において、前記プレート部材は、複数枚のサブプレート部材により構成され、前記複数枚のサブプレート部材は、前記第一の使用位置および前記第二の使用位置において、前記サブプレート部材同士の端部をオーバーラップさせて一列に連なるように配置されていてもよい。この場合、オーバーラップ量に応じてワーク上に形成される配向領域のサイズを調整可能となる。また、退避位置では複数枚のサブプレート部材を重ねて配置しておくことができるので、退避位置のスペースが小さくてすむ。
さらに、上記の光照射装置において、前記駆動部は、前記ステージにおける前記ワークの載置面よりも下方に配置されていてもよい。この場合、プレート部材の移動によって発生したゴミ等がステージ上に落下することを防止することができる。
さらに、上記の光照射装置において、前記第一の使用位置における前記プレート部材の前記一方の端部の位置、および前記第二の使用位置における前記プレート部材の前記他方の端部の位置は、それぞれ前記第一の領域と前記第二の領域との間に設定されていてもよい。このようにプレート部材の端部位置を設定することで、1枚のワーク上を搬送路に沿った方向に分離して複数の配向領域を適切に形成することができる。
さらに、上記の光照射装置において、前記ステージは、前記搬送路上において、前記第一の光照射部および前記第二の光照射部の照射領域の一方の側に設定された待機位置から前記照射領域へ向かう移動を往路移動として往復移動可能に構成されており、前記駆動部は、前記ステージの往路と復路とで、前記プレート部材の位置を、前記第一の使用位置と前記第二の使用位置とで切り替えてもよい。この場合、ステージの往復移動によって、1枚のワーク上に異なる2つの配向領域を形成することができる。
上記の構成により、偏光軸がそれぞれ異なる複数の偏光光を1枚のワークに照射領域を分けて照射することができ、1枚のワーク上に配向方向が異なる複数の配向領域を形成することができる。したがって、異なるサイズ、異なる用途の基板を効率的に製造することができ、生産性を向上させることができる。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態の偏光光照射装置100を示す概略構成図である。
偏光光照射装置100は、光照射部10A、10Bおよび10Cと、ワークWを搬送する搬送部20とを備える。ここで、ワークWは、例えば光配向膜が形成された矩形状の基板である。偏光光照射装置100は、光照射部10A〜10Cの少なくとも1つから偏光光(偏光した光)を照射しながら、搬送部20によってワークWを直線移動させ、ワークWの光配向膜に上記偏光光を照射して光配向処理をする。
光照射部10A〜10Cは、線状の光源であるランプ11と、ランプ11の光を反射するミラー12とをそれぞれ備える。また、光照射部10A〜10Cは、その光出射側に配置された偏光子ユニット13をそれぞれ備える。さらに、光出射部10A〜10Cは、ランプ11、ミラー12および偏光子ユニット13を収容するランプハウス14をそれぞれ備える。光照射部10A〜10Cは、ランプ11の長手方向をワークWの搬送路が延在する方向である搬送方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に一致させた状態で、ワークWの搬送方向(X方向)に沿って並設されている。なお、図1では、灯具(光照射部)を3灯としているが、2灯以上であればよい。灯具の数は、光配向処理に必要なエネルギ量やタクトタイム等に応じて決定することができる。
ランプ11は長尺状のいわゆるロングアーク放電ランプであり、その発光部が、ワークWの搬送方向に直交する方向の幅に対応する長さを有する。このランプ11は、例えば、高圧水銀ランプや、水銀に他の金属とハロゲンとを加えたメタルハライドランプ、水銀以外の金属とハロゲンとが封入されたメタルハライドランプ等の放電ランプであり、封入発光種に応じて波長200nm〜400nmの紫外光を放射する。
光配向膜の材料としては、波長254nmの光で配向されるもの、波長313nmの光で配向されるもの、波長365nmの光で配向されるものなどが知られており、光源の種類は必要とされる波長に応じて適宜選択する。
なお、光源としては、紫外光を放射するLEDやLDを直線状に並べて配置した線状光源を用いることもできる。その場合、LEDやLDを並べる方向がランプ11の長手方向に相当する。
ランプハウス14は、その底面に、ランプ11からの放射光およびミラー12による反射光が通過する光出射口を有する。偏光子ユニット13は、ランプハウス14の光出射口に取り付けられ、当該光出射口を通過する光を偏光する。
すなわち、光照射部10Aおよび光照射部10Bは、ランプ11からの光を第一の偏光子によって偏光し、光出射口から第一の偏光光を照射する。また、光照射部10Cは、ランプ11からの光を第一の偏光光とは異なる方向の透過軸を有する第二の偏光子によって偏光し、光出射口から第一の偏光光とは偏光軸の方向が異なる第二の偏光光を照射する。なお、光照射部10Aが第一の光照射部に対応し、光照射部10Cが第二の光照射部に対応している。
図2および図3は、シャッタ部16の構成を示す図である。図2は、シャッタ部16の開状態、図3は、シャッタ部16の閉状態を示している。なお、光照射部10Aのシャッタ部16と光照射部10Cのシャッタ部16とは同様の構成を有するため、以下、光照射部10Aのシャッタ部16の構成を例に説明する。
シャッタ駆動部18は、駆動用シリンダ(例えばエアシリンダ)により構成されている。図4は、シャッタ部16の閉状態におけるシャッタ駆動部18の状態、図5は、シャッタ部16の開状態におけるシャッタ駆動部18の状態を示している。図4および図5に示すように、シャッタ駆動部18は、X方向に進退可能なロッド部18aの先端部をシャッタ板17に固定することで、シャッタ板17をX方向に移動可能である。
なお、シャッタ駆動部18は駆動用シリンダに限定されるものではなく、例えばモータ駆動機構により構成してもよい。
このように、ステージ21は、搬送軸であるガイド22Aに沿ってX方向に往復移動可能に構成されている。なお、X方向駆動機構22の構成は、図1に示す構成に限定されるものではなく、ステージ21をX方向に移動可能な構成であれば任意の構成を採用することができる。
ステージ21の移動経路は、光照射部10A、10Bおよび10Cの真下を通るように設計されている。搬送部20は、ワークWを光照射部10A、10Bおよび10Cによる偏光光の照射領域に搬送し、且つその照射領域を通過させるように構成されている。さらに、搬送部20は、ワークWが照射領域を完全に通過した後、当該ワークWを折り返し、再び当該照射領域を通過させるように構成されている。
本実施形態では、偏光光照射装置100は、第一の光配向処理を行う場合、光照射部10Aおよび10Bを作動状態とし、光照射部10Cを非作動状態とする。また、偏光光照射装置100は、光照射部10Aのシャッタ部16を非作動状態とし、シャッタ部16が光照射部10Aから出射される偏光光を遮光しないようにする。これにより、光照射部10Aおよび10BからワークWの全面に対して第一の偏光光を照射し、光配向処理することができる。
ステージ21は、X方向における照射領域の一方の側に設定されたワーク搭載位置において、ワークWの交換処理およびアライメント処理が行われる。アライメント完了後、ステージ21は、θ移動機構24によって回転移動される。これにより、ワークWの向きが偏光光の偏光軸に対して所定の向きになる。
その後、ステージ21は、照射領域へ向けてX方向に往路移動を開始する。そして、ステージ21は、照射領域を通過した所定の折り返し位置に到達した後、復路移動を開始し、ワーク搭載位置まで引き返す。このワーク搭載位置では、再びワークWの交換処理およびアライメント処理が行われ、アライメント完了後、ステージ21は、再び照射領域へ向けて往路移動を開始する。この動作を繰り返す。図1の搬送部20の各部は、上記のステージ動作を実現するように不図示の制御部によって制御される。本実施形態では、第一の光配向処理は往路移動において実施され、第二の光配向処理は復路移動において実施されるものとする。
図6は、ステージ側マスク機構としての遮光マスク部30の構成を示す図である。遮光マスク部30は、遮光板31と、遮光板31を支持する支持部32および脚部33からなるブリッジ状の支持部材と、遮光マスク駆動部34と、を備える。遮光板31は、光照射部10Aおよび10Cの偏光子ユニット13よりも下方でステージ21上に載置されるワークWの表面よりも上方に配置されている。遮光板31は、光照射部10Aおよび10Cから出射された偏光光のうち、所定の波長の偏光光を選択的に遮光可能である。ここで、所定の波長とは、ワークWの光配向膜の材料が感度を持つ波長である。また、遮光板31は、例えば光学フィルタなどのプレート状の部材である。
遮光板31は、ステージ21上を跨り当該ステージ21よりもY方向に幅広な支持部32の上に固定されている。脚部33は、その一端に支持部32の端部が固定され、他端に遮光マスク駆動部34の可動部が固定されている。つまり、遮光マスク駆動部34の可動部によって脚部33がX方向に移動されることで、遮光板31がX方向に移動するようになっている。また、支持部材(支持部32、脚部33)は、金属等の剛性の高い部材によって構成されている。
すなわち、遮光板31は、透光性材料からなる基板に波長選択用の薄膜をコーティングした構成を有する。具体的には、遮光板31は、254nmや313nmといった光配向膜材料が感度を有する波長(ワークWの光配向に寄与する波長)の光を遮光し、それ以外の波長の光を透過する波長カットフィルタとする。遮光板31は、上記のコーティング膜が形成された面を上方(ランプ11側)に向けて配設される。なお、遮光板31は、材料そのものに不純物をドープした波長選択的カットフィルタ、例えば、紫外光を吸収するドーピング材がドープされた石英ガラスであってもよい。
なお、遮光板31の移動方向は、装置構成によっては水平方向に限定されるものでは無く、例えば上下方向に退避するものであってもよい。具体的には、遮光板31と遮光マスク駆動部34とを連結している部分に、エアーシリンダ等で構成された遮光板31の昇降機構を設ける。この場合、ワークW搬入時にはロボットハンドを避けるために、遮光板31を上昇させ、ワークW搬入後にはロボットハンドが装置から退避したら、遮光板31を所定位置に下降させてもよい。
遮光位置302においては、遮光板31a〜31cは、前段の遮光板の後端部と後段の遮光板の前端部とがオーバーラップするように配置される。これにより、遮光板(サブプレート部材)同士のつなぎ目部分から光が漏れてワークWに照射されるのを防止し、適切に遮光領域を形成することができる。また、上記オーバーラップ量は自在に調整可能であり、図9に示すように、遮光板31a〜31cの配置位置に応じて、遮光板31a〜31cの移動方向における遮光領域の位置および大きさを段階的に調節することができる。
このように、遮光板31a〜31cは、ステージ21上の必要領域を覆うことにより、ステージ21上に所望の遮光領域を形成することができる。このような複数の遮光板31a〜31cによる多段的な遮光は、遮光マスク駆動部34により実現することができる。
本実施形態では、ステージ21の搬送往路において、遮光板31a〜31cを図7に示す第一の使用位置(遮光位置)である往路遮光位置302に配置し、ステージ21の搬送復路において、遮光板31a〜31cを図9に示す第二の使用位置(遮光位置)である復路遮光位置303に配置する。
すなわち、第二の光配向処理を行う際には、まず、偏光光照射装置100は、光照射部10Aのシャッタ部16を非作動状態とし、光照射部10Cのシャッタ部16を作動状態とし、遮光板31a〜31cを図7に示す往路遮光位置302に配置する。この状態でステージ21を往路移動し、光照射部10Aおよび10Cの下を通過させることで、ワークWの第一の配向領域に対して第一の偏光光を照射する。
なお、先端部材31dの形状は、図11に示す形状に限定されない。先端部材31dのY方向から見た形状は、例えば、L字形状であってもよいし、I字形状であってもよい。また、先端部材31dは、一方の端部が遮光板31a、31cの前進方向端部と同等、もしくは前進方向端部よりも突出して水平配置される平板状の部材であってもよい。この場合、平板状の部材を、遮光板31a、31cの下面に高さ調整用のスペーサを介して取り付けてもよい。
図12は、制御部50の構成を示すブロック図である。
この図12に示すように、制御部50は、照射制御部51と、遮光マスク制御部52と、ステージ制御部53と、を備える。
照射制御部51は、光照射部10A〜10Cの点灯制御と、光照射部10Aおよび10Cのシャッタ部16の開閉制御を行う。遮光マスク制御部52は、ステージ21側に設けられた遮光マスク部30を制御する。ステージ制御部53は、ステージコントローラであるX方向駆動機構22およびθ移動機構24を駆動制御し、ステージ21を搬送制御する。また、ステージ制御部53は、ステージコントローラからステージ21の位置情報(X方向位置およびθ回転角度)を取得する。
まず、照射制御部51は、光照射部10Aおよび10Cに電力を供給し、光照射部10Aおよび10Cを点灯する。また、照射制御部51は、光照射部10Bへの電力供給を停止し、光照射部10Cを消灯する。そして、照射制御部51は、光照射部10Cのシャッタ部16を作動し、図13(a)に示すように光照射部10Cのシャッタ板17を閉状態とする。
なお、ステージ21は、照射領域内を移動している間(偏光光を照射している間)と照射領域外を移動している間とで、移動速度が異なるようにしてもよい。具体的には、ステージ21は、照射領域内では所定の露光量を得るために低速な第一の移動速度で移動し、照射領域外でワークWの搬送のみをしている場合には、第一の移動速度よりも高速な第二の移動速度で移動してもよい。これにより、タクトタイムを短縮することができる。
例えば、往路移動では、ステージ制御部53は、第一の配向領域A2の往路移動方向における先端位置が光照射部10Aの照射領域に入るまでの間、ステージ21を第二の移動速度で移動し、第一の配向領域A2の往路移動方向における先端位置が光照射部10Aの照射領域内に入ったら、ステージ21を第一の移動速度で移動するようにしてもよい。つまり、ワークWが照射領域に入っていても、遮光板31によって遮光された領域が照射領域に入っている間は、ステージ21を高速な第二の移動速度で移動させてもよい。
配向領域の分割方向をステージ21の搬送方向に直交する方向(Y方向)とした場合、第一の配向領域A2および第二の配向領域B2が、ワークW上にX方向の全長にわたって形成される。そのため、往路移動と復路移動とでは、それぞれワークWの少なくとも一部が照射領域内に入っている間は、ステージ21を低速な第一の移動速度で移動させなくてはならない。したがって、上記のように、ワークWが照射領域に入っている状態で、ステージ21を高速な第二の移動速度で移動させることはできない。
このように、配向領域の分割方向がステージ21の搬送方向(X方向)である場合には、上記のようなステージ21の速度制御によって、更なるタクトタイムの短縮が可能となる。
ステージ21が折り返し位置で停止すると、照射制御部51は、光照射部10Aのシャッタ部16を作動し、図13(c)に示すように光照射部10Aのシャッタ板17を閉状態とする。また、照射制御部51は、光照射部10Cのシャッタ部16を非作動とし、光照射部10Cのシャッタ板17を開状態とする。
ステージ制御部53は、折り返し位置において、遮光板31が復路遮光位置に移動されると、X方向駆動機構22を制御し、ステージ21の復路移動を開始する。なお、復路移動を開始するタイミングは、光照射部10Aのシャッタ板17が閉状態となり、遮光板31が復路遮光位置に配置された状態となった後に、復路移動したステージ21が照射領域に到達するようなタイミングであればよい。
このように、一度の(往復の)光照射処理によって、ワークW上に異なる2つの配向領域を適切に形成することができる。
本実施形態における偏光光照射装置100は、上述した構成により、一度の光照射処理によって、1枚のワークW上に配向方向の異なる複数の配向領域を形成することができる。したがって、複数種類の基板を効率良く生産することができ、コストメリットが得られる。また、個別のオーダーにも柔軟に対応することができる。
具体的には、本実施形態の偏光光照射装置100は、3つの光照射部10A〜10Cを備え、光照射部10Aの光出射口の光出射側と光照射部10Cの光出射口の光出射側とにそれぞれシャッタ部16を設ける。そして、偏光光照射装置100は、このシャッタ部16によって、光照射部10Aからの第一の偏光光の照射と、光照射部10Cからの第二の偏光光の照射とを切り替える。
なお、第一の光配向処理を実施しない場合や、光配向処理に必要な照射光量や光配向処理時間などの条件により第一の光配向処理を1つの光照射部10Aのみを使用して実施可能である場合には、シャッタ部16を有しない光照射部10Bは設置しなくてもよい。
さらに、遮光板31は、ステージ21上の使用位置(往路遮光位置302、復路遮光位置303)と、ステージ21上から退避した退避位置301との間を移動可能な構成とする。この場合、遮光板31を退避位置301に配置した状態では、ステージ21上に遮光領域が形成されない。そのため、遮光マスク部30を備えるステージ21を、第一の光配向処理と第二の光配向処理との両方に併用することができる。
また、遮光板31は、複数枚(上記実施形態では3枚)のサブプレート部材である遮光板31a〜31cにより構成し、退避位置301では、これら遮光板31a〜31cをZ方向に重ね合わせて配置する。したがって、退避位置301のスペースを小さくすることができ、装置の小型化を実現することができる。
このように、遮光板31a〜31cの配置位置の自由度を向上させることができるので、ワークW上に形成する配向領域を比較的自由に設定することができ、様々なサイズの液晶配向領域に対応することができる。なお、上記実施形態では、例えば図7および図9に示すように、ワークW上の所定方向における一方の側を遮光領域とする場合について説明したが、ワークW上の中央領域に当たる領域を遮光領域とすることもできる。
また、遮光板31は、ステージ21上を跨り当該ステージ21よりも遮光板31の移動方向に幅広な支持部32と、その支持部32の両端部をそれぞれ支える脚部33とからなるブリッジ状の支持部材の上に固定されている。これにより、遮光板31の移動方向に直交する方向の長さが長大となる遮光板31の撓みを防止し、遮光板31とワークWとの接触を防止することができる。また、遮光板31の移動方向に直交する方向において、ワークWの上面と遮光板31の下面との距離を一定に保つことができ、遮光領域への光の回り込み量を適切に制御することができる。
また、光照射部10A、10Cのシャッタ板17は、各光照射部の有効発光長の領域を全て覆うことができる大きさ(形状)であり、各光照射部の幅方向(X方向)にスライド移動可能とする。したがって、シャッタ部16の高さ方向(Z方向)の省スペース化が図れる。また、シャッタ板17の退避位置161と遮光位置162との間の移動距離を短くすることができ、シャッタ板17の開閉時間の短縮が図れる。
上記実施形態においては、遮光板31を水平方向にスライド移動可能な構成とする場合について説明したが、遮光板31は、ステージ21に対して着脱可能にねじ止めする構成であってもよい。この場合、遮光領域の大きさに応じたサイズの遮光板31をステージ21に取り付けるようにすれば、ワークW上に形成する配向領域のサイズを自由に設定することが可能となる。すなわち、遮光板31は手動で移動させてもよい。
さらに、上記実施形態においては、ワークW上に2つの配向領域を形成する場合について説明したが、3つ以上の配向領域を形成することもできる。
その場合、X方向において、第一の偏光光を照射する第一の光照射部と第二の偏光光を照射する第二の光照射部との間にステージ21の待機スペースを設ければよい。そして、第一の偏光光を第一の配向領域に照射して第一の光配向処理を行った後、待機スペースにてステージ21を停止し、遮光マスク部30の遮光板31を移動させた後、ステージ21を再び前進し、第二の偏光光を第二の配向領域に照射して第二の光配向処理を行えばよい。つまり、上記実施形態においては、ステージ21の往路において第一の光配向処理を実施し、ステージ21の復路において第二の光配向処理を実施する場合について説明したが、往路のみにおいて第一の光配向処理と第二の光配向処理とを実施してもよい。
Claims (14)
- 光配向膜が形成されたワークに偏光光を照射して光配向を行う光照射装置であって、
前記ワークを所定の搬送路に沿って搬送するステージと、
前記ワークの搬送路上に設置され、光源からの光を第一の偏光子によって偏光し、光出射口から第一の偏光光を照射する第一の光照射部と、
前記搬送路上において前記第一の光照射部に並設され、光源からの光を前記第一の偏光子とは異なる方向の透過軸を有する第二の偏光子によって偏光し、光出射口から第二の偏光光を照射する第二の光照射部と、
前記ステージに配置され、前記ステージ上の前記ワークの偏光光の照射可能領域内における第一の使用位置で、前記第一の偏光光により光配向されるべき前記ワーク上の第一の領域への前記第一の偏光光の照射を許容することで前記第一の領域を規定し、前記照射可能領域内における前記第一の使用位置とは異なる第二の使用位置で、前記第二の偏光光により光配向されるべき前記ワーク上の第二の領域への前記第二の偏光光の照射を許容することで前記第二の領域を規定するプレート部材と、
前記プレート部材を、前記第一の使用位置と前記第二の使用位置との間で移動する駆動部と、
前記プレート部材の端部に連結され、当該端部から下方に連続する垂直面と当該端部よりも下方に位置する下端面とを有する先端部材と、を備えることを特徴とする光照射装置。 - 前記先端部材は、前記下端面の高さ方向位置を調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
- 前記プレート部材は、
前記光配向膜の光配向に寄与する波長の偏光光を遮光する光学フィルタにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射装置。 - 前記プレート部材は、
前記第一の使用位置および前記第二の使用位置と、前記照射可能領域から退避した退避位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記プレート部材は、水平方向にスライド移動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射装置。
- 前記プレート部材は、複数枚のサブプレート部材により構成され、
前記複数枚のサブプレート部材は、前記第一の使用位置および前記第二の使用位置において、前記サブプレート部材同士の端部をオーバーラップさせて一列に連なるように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記プレート部材は、
前記ステージに配置され、前記ステージの前記ワークの載置面よりも前記光出射口側で、前記ステージを横断して跨る支持部材の上に固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記駆動部は、前記ステージの前記ワークの載置面よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光照射装置。
- 前記第一の領域は、前記ワーク上の前記搬送路に沿った方向における一方の側に設定され、前記第二の領域は、前記ワーク上の前記搬送路に沿った方向における他方の側に設定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光照射装置。
- 前記第一の使用位置における前記プレート部材の前記一方の端部の位置、および前記第二の使用位置における前記プレート部材の前記他方の端部の位置は、それぞれ前記第一の領域と前記第二の領域との間に設定されていることを特徴とする請求項9に記載の光照射装置。
- 前記ステージの前記ワークの載置面に対して直交する軸回りの回転を制御し、前記ステージの姿勢を光照射時の姿勢とする回転制御部をさらに備え、
前記プレート部材は、前記回転制御部によって前記ステージと共に回転することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記ステージは、前記搬送路上において、前記第一の光照射部および前記第二の光照射部の照射領域を往復移動可能に構成されており、
前記駆動部は、前記ステージの往路と復路とで、前記プレート部材の位置を、前記第一の使用位置と前記第二の使用位置とで切り替えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光照射装置。 - 前記第一の光照射部および前記第二の光照射部は、それぞれ光出射口の光出射側に配置されることで前記光出射口から出射される前記光配向膜の光配向に寄与する波長の偏光光を遮光可能な遮光部を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光照射装置。
- 光配向膜が形成されたワークに偏光光を照射して光配向を行う光照射方法であって、
ステージに載置された前記ワークの偏光光の照射可能領域内における第一の使用位置にプレート部材を配置して、前記プレート部材と、前記プレート部材の端部に連結され、当該端部から下方に連続する垂直面と当該端部よりも下方に位置する下端面とを有する先端部材とにより、前記ワークの搬送路上に設置された第一の光照射部が照射する、光源からの光を第一の偏光子によって偏光した第一の偏光光により光配向されるべき前記ワーク上の第一の領域への前記第一の偏光光の照射を許容することで前記第一の領域を規定するステップと、
前記ワークを前記ステージによって前記搬送路に沿って搬送し、前記ワーク上の前記第一の領域に前記第一の偏光光を照射するステップと、
前記プレート部材を前記第一の使用位置から、前記照射可能領域内における前記第一の使用位置とは異なる第二の使用位置に移動し、前記プレート部材と前記先端部材とにより、前記搬送路上において前記第一の光照射部に並設された第二の光照射部が照射する、光源からの光を前記第一の偏光子とは異なる方向の透過軸を有する第二の偏光子によって偏光した第二の偏光光により光配向されるべき前記ワーク上の第二の領域への前記第二の偏光光の照射を許容することで前記第二の領域を規定するステップと、
前記ワークを前記ステージによって前記搬送路に沿って搬送し、前記ワーク上の前記第二の領域に前記第二の偏光光を照射するステップと、を含むことを特徴とする光照射方法。
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