JP6747996B2 - 超音波流量センサ及びその取付方法 - Google Patents

超音波流量センサ及びその取付方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6747996B2
JP6747996B2 JP2017012042A JP2017012042A JP6747996B2 JP 6747996 B2 JP6747996 B2 JP 6747996B2 JP 2017012042 A JP2017012042 A JP 2017012042A JP 2017012042 A JP2017012042 A JP 2017012042A JP 6747996 B2 JP6747996 B2 JP 6747996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
sensor unit
fixture
ultrasonic
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017012042A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018119880A (ja
Inventor
大嗣郎 石川
大嗣郎 石川
寛士 鹿島
寛士 鹿島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keyence Corp
Original Assignee
Keyence Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keyence Corp filed Critical Keyence Corp
Priority to JP2017012042A priority Critical patent/JP6747996B2/ja
Publication of JP2018119880A publication Critical patent/JP2018119880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6747996B2 publication Critical patent/JP6747996B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明はいわゆるクランプオン式超音波流量センサ及びその取付方法に関する。
超音波流量センサは、配管内を流れる流体の流量を測定するのに用いられている。特許文献1は、配管の外側周面に後付けすることのできるクランプオン式超音波流量センサを開示している。そして、この取付具を使ってクランプオン式超音波流量センサを直径の異なる様々な配管に設置することができる。
特許文献1は、第1、第2のセンサユニットをV配置、Z配置する実施例を開示している。V配置は、配管の第1母線上において、配管の長手方向軸線に沿って離間した第1、第2の位置に夫々第1、第2のセンサユニットが設置される。Z配置は、配管の第1母線上の第1位置に第1センサユニットが設置され、また、この第1母線と直径方向に対抗する第2母線上において、上記第1位置とは、配管の長手方向軸線に沿って離間した第2の位置に第2センサユニットが設置される。
特許文献1に開示の取付具はバンドを使って配管に固定される。V配置用の取付具に2つのセンサユニットが収容される。すなわち、特許文献1に開示のV配置用取付具は、配管の長手方向軸線に沿って離間した位置に、1つの取付具で第1、第2のセンサユニットを位置決めすることができる。そして、この2つのセンサユニットを収容した取付具をバンドを使って配管に固定することで、第1、第2のセンサユニットはV配置になる。
Z配置用の取付具には、各取付具毎に1つのセンサユニットが収容される。この取付具を2つ用意し、各取付具毎にバンドで配管に固定することができる。そして、第1取付具を配管の第1母線上の第1位置に位置決めし、第1母線と直径方向に対抗する第2母線上において、上記第1位置とは、配管の長手方向軸線に沿って離間した第2の位置に第2取付具を位置決めすることで、第1、第2のセンサユニットはZ配置になる。
特開2000−46607号公報
V配置、Z配置のいずれにおいても、第1、第2のセンサユニット間の信号の授受の感度を維持するために、第1、第2のセンサユニット間の相対位置を適正に設定する必要がある。特許文献1を再び参照して、V配置用の取付具は、長手方向軸線上の距離を表す目印を含んでいる。
作業者は、例えば適用する配管の直径、管の肉厚、適用対象の流体などをパラメータとした第1、第2のセンサユニット間の離間距離つまり配管の第1母線上の離間距離を調べる。そして、入手した適正な離間距離の数値に基づいて、V配置用の取付具内で第1、第2のセンサユニットを上記の目印を頼りに位置決めする。Z配置においては、第1取付具を第1母線上に位置決めすると共に、第1母線と直径方向に対抗する第2母線を探し、そして、この第2母線上に第2取付具を位置決めする必要がある。勿論、第1取付具と第2取付具との間の長手方向軸線上の離間距離を適正化する必要がある。
作業する場所に複数の配管が横並びに配列されている場合、Z配置に第1、第2のセンサユニットを配管に設置する作業は困難を伴う。すなわち、第1、第2のセンサユニットを配管の直径方向に対抗して設置しなければならないが、複数の配管が横並びに配列した作業環境では、配管の回りを自由に動き回れない。
本発明の目的は、クランプオン式の超音波流量センサにおいて、任意の直径の配管に取付具を固定する作業を行うだけで第1、第2のセンサユニットを自動的に適正位置に位置決めすることができる超音波流量センサの取付具を使って、配管に正対した状態のままでZ配置に第1、第2のセンサユニットを配管に取り付ける作業を進めることができる超音波流量センサ及びその取付方法を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の第1の局面によれば、
配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも一方を行う第1超音波素子を備えた第1センサユニットと、
前記配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも他方を行う第2超音波素子を備えた第2センサユニットと、
前記第1超音波素子及び前記第2超音波素子の出力信号に基づいて、超音波が前記配管を流れる流体の上流側から下流側に伝搬する時間と下流側から上流側に伝搬する時間との時間差を求めて前記配管内の流体の流量を算出する算出部と、
前記算出部により算出された流量と予め定められた流量しきい値とに基づいて、前記配管内を流れる流体の流量に関するオン/オフ信号を出力する出力部と
を有する超音波流量センサであって、
前記第1センサユニットを収容して該第1センサユニットを前記配管に固定するための第1取付具と、
前記第2センサユニットを収容して該第2センサユニットを前記配管に固定するための第2取付具と、
前記第1取付具と前記第2取付具を前記配管に押しつけて固定するための固定具とを含み、
前記第1取付具は、
前記第1センサユニットを収容する第1収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第2超音波素子に対する前記第1超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第1収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第1位置規制部とを有し、
前記第2取付具は、
前記第2センサユニットを前記配管の径方向に変位可能に収容する第2収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第1超音波素子に対する前記第2超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第2収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第2位置規制部とを有し、
前記第2取付具は、更に、
前記第2センサユニットの変位の方向を前記配管の径方向に規定する変位ガイド部材と、該変位ガイド部材を介して前記第2センサユニットを前記配管に接近させる方向に付勢する付勢部材と、該第2センサユニットが前記配管に接近する限界を規定する止め部材とを有する超音波流量センサを提供することにより達成される。
上記の技術的課題は、本発明の第2の局面によれば、
配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも一方を行う第1超音波素子を備えた第1センサユニットと、
前記配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも他方を行う第2超音波素子を備えた第2センサユニットと、
前記第1超音波素子及び前記第2超音波素子の出力信号に基づいて、超音波が前記配管を流れる流体の上流側から下流側に伝搬する時間と下流側から上流側に伝搬する時間との時間差を求めて前記配管内の流体の流量を算出する算出部と、
を有する超音波流量センサであって、
前記第1センサユニットを収容して該第1センサユニットを前記配管に固定するための第1取付具と、
前記第2センサユニットを収容して該第2センサユニットを前記配管に固定するための第2取付具と、
前記第1取付具と前記第2取付具を前記配管に押しつけて固定するための固定具とを含み、
前記第1取付具は、
前記第1センサユニットを収容する第1収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第2超音波素子に対する前記第1超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第1収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第1位置規制部とを有し、
前記第2取付具は、
前記第2センサユニットを前記配管の径方向に変位可能に収容する第2収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第1超音波素子に対する前記第2超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第2収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第2位置規制部とを有し、
前記第2取付具は、更に、
前記第2センサユニットの変位の方向を配管の径方向に規定する変位ガイド部材と、該変位ガイド部材を介して前記第2センサユニットを配管に接近させる方向に付勢する付勢部材と、該第2センサユニットが前記配管に接近する限界を規定する止め部材とを有する超音波流量センサを用意し、
前記第2取付具を使って前記第2センサユニットを前記配管に仮固定する第1工程と、
該第1工程の次に、前記第2取付具を前記配管の周方向に回転させる第2工程と、
該第2工程の次に、前記第1取付具を使って前記第1センサユニットを前記配管に仮固定すると共に該仮固定の前に前記第1取付具と前記第2取付具との相対的な位置を情報変換機構の作用に基づいて調整する第3工程と、
前記第3工程の次に、前記第1取付具と前記第2取付具とを前記配管に固定することを特徴とする超音波流量センサの取付方法を提供することにより達成される。
すなわち、本発明によれば、クランプオン式の超音波流量センサにおいて、任意の直径の配管に取付具を固定する作業を行うだけで第1、第2のセンサユニットを自動的に適正位置に位置決めすることができる超音波流量センサの取付具を使って、配管に正対した状態のままでZ配置に第1、第2のセンサユニットを配管に取り付ける作業を進めることができる。
本発明の他の目的及び作用効果は、次の本発明の好ましい実施例の詳しい説明から明らかになろう。
配管に設置した第1実施例の超音波流量センサシステムの斜視図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムの側面図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムの断面図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムに含まれる超音波流量センサの機能ブロック図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムの断面図である。 図5から第1、第2センサユニットを省いた断面図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具と第2センサユニットの分解斜視図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第1取付具の斜視図である。 第1実施例の超音波流量センサシステムの第2取付具に内蔵された皿バネを説明するための図である。 図9に図示の皿バネを第2取付具に複数内蔵する場合に、この複数の皿バネの1つの配列例を説明するための図である。 図9に図示の皿バネを第2取付具に複数内蔵する場合に、この複数の皿バネの他の配列例を説明するための図である。 配管に組み付けた第2実施例の超音波流量センサシステムの端面図である。 配管に組み付けた第2実施例の超音波流量センサシステムの斜視図である。 配管に組み付けた第2実施例の超音波流量センサシステムを正対して見た正面図である。 配管に組み付けた第2実施例の超音波流量センサシステムの斜視図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具の斜視図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具の分解斜視図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具の端面図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具の断面図である。 配管に取り付けた実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2取付具の斜視図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第2センサユニットを第2取付具を使って配管に取り付けた状態を説明するための断面図である。 第2実施例の超音波流量センサシステムに含まれる第1、第2の取付具を配管に取り付けた状態を説明するための断面図である。 温度センサを組み込んだ第1センサユニットを底面側から見た斜視図である。 温度センサを組み込んだ超音波流量センサを配管に取り付けた状態を説明するための断面図である。 温度センサを組み込んだ超音波流量センサを配管に取り付ける際に、先ず、カプラントが配管に接したときの状態を説明するための図である。 温度センサを組み込んだ超音波流量センサを配管に取り付ける際に、図25に続いて、カプラントが圧縮された状態で配管に熱検知面が接したときの状態を説明するための図である。 図23、図24に図示の温度センサを組み込んだ超音波流量センサの機能ブロック図である。 温度センサを組み込んだ超音波流量センサの表示部に、検出した配管の温度及び流量を並んで表示する例を説明するための図である。 第2実施例で採用した取付具の構造を説明するための概略図である。 第2実施例で採用した取付具の構造の変形例を説明するための概略図である。 第1実施例を参照して説明した情報変換機構に含まれる傾斜スリットの形状に関する変形例を説明するための図であり、図2に対応する図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明を説明する。
第1実施例(図1〜図11)
第1実施例は典型的にはZ配置に適した超音波流量センサシステム1として例示してるが、V配置にも適用できる。超音波流量センサシステム1は第1、第2の取付具2、4を有し、この2つの取付具2、4を使って第1、第2のセンサユニット6、8を配管Pの周面に取り付けることができる。第1、第2の取付具2、4は成型品であり、具体的には金属製のプレス成形品である。第1、第2のセンサユニット6、8は超音波流量センサ10を構成する。実施例の適用は配管Pの直径や、配管Pの中を流れる流体は特に制限されないが、典型的な適用例を例示的に列挙すれば次の通りである。
(1) 配管Pの直径:約44mm〜約100mm(適当な配管Pの直径:約48mm〜約90mm)
(2) 配管Pの材料:鉄鋼、SUS、銅、ポリ塩化ビニル(PVC)
(3) 流体:水、油、薬液、不凍液(エチレングリコール)、クーラント
第1、第2の取付具2、4を含む超音波流量センサシステム1は、任意の直径の配管Pの周面に設置する第1、第2のセンサユニット6、8に関する次の各種の位置決めの自動化が可能である。
(a) 第1取付具2は、これを配管Pに固定することで、第1センサユニット6の位置決めが自動的に行われる。この位置決めによって、配管Pの中心を通る直径方向に第1センサユニット6を差し向けることができる。(第1センサユニット6の直径方向の位置決め)
(b) 第2取付具4は、これを配管Pに固定することで、第2センサユニット8の位置決めが自動的に行われる。この位置決めによって、配管Pの中心を通る直径方向に第2センサユニット8を差し向けることができる。(第2センサユニット8の直径方向の位置決め)
(c) また、第1取付具2を配管Pに固定することで、この第1取付具2の長手方向軸線を第1母線GL1に自動的に整合させることができる。
(d) また、第2取付具4を配管Pに固定することで、この第2取付具4の長手方向軸線を第2母線GL2に自動的に整合させることができる。
(e) 第1、第2の取付具2、4は第1情報を第2情報に変換する機能を有し、この情報変換機能は、第1、第2の取付具2、4が協働することによって実現される。第1情報は配管Pの直径の情報である。第2情報は、配管Pの長手方向軸線に沿った第1、第2の取付具2、4の適正離間距離の情報である。(第1、第2センサユニット6、8の軸線方向の離間距離の適正化)
(f) このように、第1、第2の取付具2、4は、配管Pに固定されることで、それぞれ長手方向軸線が第1母線GL1、第2母線GL2に自動的に整合される。そして、第1、第2の取付具2、4は、その相互作用によって、第1センサユニット6を第1母線GL1(図3)上に位置決めし、他方、配管Pの軸線方向に第1センサユニット6と適正な離間距離で、第2センサユニット8を第2母線GL2(図3)上に位置決めする機能を有する。
すなわち、第1、第2取付具2、4を使った第1、第2センサユニット6、8の配管Pに対する組み付けに関して次の3つのフェーズで把握することができる。
第1フェーズは上記の工程(a)、(b)及び工程(c)、(d)である。この第1フェーズは、第1、第2取付具2、4を配管Pに押し付けることで、配管Pの直径方向に関する第1、第2取付具2、4の位置決めが行われ(工程(a)、(b))、そして、第1、第2取付具2、4の長手方向の向きが配管Pの軸線方向に整合される(工程(c)、(d))。
第2フェーズは上記の工程(e)である。この第2フェーズは、ガイド部又は情報変換機能によって、第1、第2の取付具2、4が配管Pの軸線方向にスライドし、これにより配管Pの軸線方向における第1、第2取付具2、4の相対位置が調整される。
第3フェーズは上記の工程(f)である。第1、第2取付具2、4をバンドを使って配管Pに固定する。バンドは、第1、第2の取付具2、4を共締めするバンドであってもよいし、第1取付具2、第2取付具4を個々独立して固定するバンドであってもよい。この第3フェーズによって、配管Pの軸線方向に関する第1、第2取付具2、4の相対位置が位置決めされる。
図4は超音波流量センサ10の機能ブロック図である。図4を参照して、超音波流量センサ10は制御部12を有し、また、記憶部14、送信増幅部16、受信増幅部18を有する。送信増幅部16、受信増幅部18は送信・受信切替回路20に接続されている。
制御部12に含まれる送信信号発生部22で生成したアナログ信号は、送信増幅部16を経由して送信・受信切替回路20を通じて第1、第2の超音波素子24、26に供給され、第1、第2の超音波素子24、26から超音波が発生される。第1の超音波素子24は第1センサユニット6に含まれる。第2の超音波素子26は第2センサユニット8に含まれる。
第1センサユニット6(第1超音波素子24)から発生された超音波は、配管Pの中を通る流体に入射される。流体内を伝播する超音波は、第2センサユニット8(第2超音波素子26)によって受信され、第2超音波素子26は、受信した超音波に基づくアナログ信号を出力する。第2超音波素子26から出力されたアナログ信号は送信・受信切替回路20を通じて受信増幅部18に供給される。
受信増幅部18では、送信・受信切替回路20から受け取ったアナログ信号を増幅すると共にA/D変換回路によりデジタル信号に変換される。このデジタル信号は制御部12に供給される。
他方、第2センサユニット8(第2超音波素子26)から発生された超音波は、配管P(図1、図3)の中を通る流体に入射される。流体内を伝播する超音波は、第1センサユニット6(第1超音波素子24)によって受信され、第1超音波素子24は、受信した超音波に基づくアナログ信号を出力する。第1超音波素子24から出力されたアナログ信号は送信・受信切替回路20を通じて受信増幅部18に供給される。
受信増幅部18では、送信・受信切替回路20から受け取ったアナログ信号を増幅すると共にA/D変換回路によりデジタル信号に変換される。このデジタル信号は制御部12に供給される。
制御部12は、記憶部14に記憶されているプログラムを実行することにより、信号演算部30、流量演算部32、比較・判定部34の機能が実現される。信号演算部30では、受信増幅部18から与えられるデジタル信号に基づいて時間差Δtを測定する。この時間差Δtは、第1超音波素子24が出力した超音波が第2超音波素子26によって受信されるまでの時間t1と、第2超音波素子26が出力した超音波が第1超音波素子24によって受信されるまでの時間t2との差である。流量演算部32は、信号演算部30により測定された時間差Δtに基づいて、配管Pの中を流れる流体の速度を所定の式に基づいて算出すると共に、当該流体の流量を別の所定の式に基づいて算出する。
すなわち、第1超音波素子24及び第2超音波素子26の出力信号に基づいて、超音波が配管Pを流れる流体の上流側から下流側に伝搬する時間と下流側から上流側に伝搬する時間との時間差Δtを求めて配管P内の流体の流量を算出する。
超音波流量センサ10は、ユーザが操作するボタンなどの操作部36や7セグメントLEDや薄型表示器で構成される表示部38等を有し、また、外部機器とのインターフェースを構成するコネクタなどの出力部40を有する。
表示部38の表示や出力部40を通じた外部機器には、予め設定したしきい値(設定値)に基づく制御出力が出力される。すなわち、予め定められた流量しきい値との対比で、検出した配管P内を流れる流体の流量に関するオン/オフ信号が出力される。また、積算流量毎にパルス出力される。また、例えば通信を使って流量計測値がデジタル出力される。
上記の構成要素を第1、第2のセンサユニット6、8のいずれに搭載するかは任意である。図1ないし図3に図示の第1センサユニット6にはメイン基板42(図3)が搭載され、このメイン基板42に制御部12や記憶部14などが搭載されている。また、第1センサユニット6には、ユーザインターフェースを構成する操作部36や7セグメントLEDや薄型表示器で構成される表示部38、外部機器とのインターフェースを構成するコネクタなどの出力部40が搭載されている(図1)。
図3を参照して、第1センサユニット6に組み込まれた第1センサ部44は、上記の第1超音波素子24と第1くさび部材46を含む。第2センサユニット8に組み込まれた第2センサ部48は、上記の第2超音波素子26と第2くさび部材50を含む。第1センサ部44及び第2センサ部48は、図3から直ちに理解できるように、配管Pの周面に圧接した状態で位置決めされる。好ましくは、第1センサ部44、第2センサ部48と配管Pとの間に音響結合媒体つまりカプラントCpが介装される。このカプラントCpは固体(例えば弾性カプラントつまりゴムシート)であるのが好ましいがグリスなどの流動体であってもよい。
カプラントCpについて更に詳述する。カプラントCpは、くさび部材46、50の音響インピーダンス値と配管Pの音響インピーダンス値との間の音響インピーダンス値を有することが好ましい。これにより、カプラントCpと配管Pとの間、及び、カプラントCpとくさび部材46、50との間での超音波の反射をより小さくすることができる。その結果、超音波素子による超音波の送信効率および受信効率を向上させることができる。
例えば、代表的な媒質の音響インピーダンスは、次のとおりである。空気:428kg/ms、鉄:46.4×10kg/ms、ポリエチレン:1.75×10kg/ms。
図5は、配管Pに第1、第2のセンサユニット6、8を第1、第2の取付具2、4を使って固定した状態の断面図である。図6は、図5から第1、第2のセンサユニット6、8を省いた図である。図7は、第2取付具4と第2センサユニット8の分解斜視図である。図5〜図7を参照して、第2取付具4は、配管Pに対する第2取付部4Mと、第2センサユニット8を受け入れる第2ユニット収容部4Uとを有する。第2取付部4Mは、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿って延びる長さを有し、第2取付部4Mの一端部4Maと他端部4Mbは、図2から最も良く分かるように、第1、第2のバンドBd(1)、Bd(2)を使って配管Pに固定される。第1、第2のバンドBd(1)、Bd(2)は一端部4Ma又は他端部4Mbを挟み込んだ状態で配管Pを周回り方向に巻回される。各バンドBd(1)、Bd(2)は固定部材52(図2)によって配管Pの周囲にリング状に配置され、この固定部材52のネジ52a(図2)を締め付けることにより、各バンドBd(1)、Bd(2)を緊張させることができ、また、この緊張状態を保持することができる。
第2取付具4の第2取付部4Mは第2位置規制部54を有している。この第2位置規制部54の断面形状は後に説明する。第2取付具4は、また、第2位置規制部54の両側縁から互いに対向して延びる一対の第2アーム部56を有する。
図2、図7を参照して、典型例として、第2取付部4Mにおいて長手方向に離間して位置する一端部4Ma及び他端部4Mbが第2位置規制部54を構成する。この第2位置規制部54は、典型的には、配管Pの円形断面において2箇所CL(2)、CL(2)で接する形状を有する(図5、図6)。各接触箇所CL(2)は配管Pの長手方向軸線Ax(p)と平行に延びる。
第2取付具4を配管Pに取り付けたときに、配管Pを断面してみたときに、第2センサユニット8つまり第2母線GL2を挟んで少なくとも2箇所CL(2)で配管Pと接することで、第2センサユニット8を第2母線GL2(図3)に整合させることができると共に、第2センサユニット8を配管Pの中心を通る直径方向に差し向けることができる。換言すれば、第2位置規制部54によって、配管Pに第2取付具4を固定することで第2取付具4の長手方向軸線を配管Pの第2母線GL2に整合させることができる。
第2位置規制部54は、配管Pを横断する方向に切断した断面形状において、図5、図6から良く分かるように第2母線GL2(図3)に関して対称形状を有しているのが好ましく、第2母線GL2から同じ距離離れた箇所で接する形状を有しているのがよい。典型的には、第2位置規制部54は、第2母線GL2を挟んで一方側と他方側に所定の角度で延びる一対の成形された傾斜翼部を有する形状を有しているのが良い。
第2取付部4Mの第2アーム部56は、第2位置規制部54の両側から配管Pの両側に沿って延びる形状を有している。各第2アーム部56は、傾斜したスリット58を有し(図2、図7)、スリット58は互いに平行に延びる一対の傾斜縁58a、58aで規定されている。
図8を参照して第1取付具2を説明する。第1取付具2は、配管Pに対する第1取付部2Mと、第1センサユニット6を受け入れる第1ユニット収容部2Uとを有する。第1取付部2Mは、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿って延びる長さを有し、第1取付部2Mの一端部2Maと他端部2Mbは、図2から最も良く分かるように、前述した第1、第2のバンドBd(1)、Bd(2)を使って配管Pに固定される。すなわち、第1、第2のバンドBd(1)、Bd(2)は、第1取付具2と第2取付具4とを配管Pに共締めで固定するのに用いられているが、第1取付具2と第2取付具4とを夫々別のバンドで配管Pに固定するようにしてもよい。
第1取付具2の第1取付部2Mは第1位置規制部60(図8)を有している。この第1位置規制部60は、図5、図6を参照して、典型的には、配管Pの円形断面において2箇所CL(1)で接する形状を有する。換言すれば、第1取付具2を配管Pに取り付けたときに、配管Pを断面してみたときに、第1センサユニット6を挟んで少なくとも2箇所CL(1)で配管Pと接することで、第1センサユニット6を第1母線GL1に整合させることができると共に、第1センサユニット6を配管Pの中心を通る直径方向に差し向けることができる。換言すれば、第1位置規制部60によって、配管Pに第1取付具2を固定することで第1取付具2の長手方向軸線を配管Pの第1母線GL1に整合させることができる。
図5、図6、図8を参照して、第1取付具2は、また、第1位置規制部60の両側縁から互いに対向して延びる一対の第1アーム部62を有する。第1アーム部62は、前述した第2取付具4の第2アーム部56と同様に成形された翼の形状を有している。第1アーム部62は配管Pから直径方向に離れる方向に延びており、この対の第1アーム62で挟まれた空間に第1センサユニット6が収容される。そして、第1アーム部62は第2アーム部56と隣り合わせの状態で部分的にオーバーラップしている。この第1、第2のアーム部62、56のオーバーラップ部分において、第1アーム部62にピン64が固設され、また、第2のアーム部56に傾斜スリット58が形成されている。傾斜スリット58は、配管Pの直径方向Dmに対する配管Pの長手方向へ傾斜して延びている。傾斜スリット58の幅は、スリット58の入口から深部までその長手方向に同じ幅を有している。
Z配置においては、第1センサユニット6と第2センサユニット8は配管Pの中心を通る直径方向に対向した第1母線GL1と第2母線GL2上に配置される(図3、図5)。図1、図2を参照して、この第1、第2の母線GL1、GL2を含む平面を挟んで、第2取付具4の成形された第2アーム部56の一対の傾斜スリット58は対称に位置し、また、第1取付具2の一対のピン64が対称に位置しているのが好ましい。各ピン64は、これに対応する傾斜スリット58に受け入れられる。各ピン64の直径は、傾斜スリット58の幅と実質的に同じであるのが好ましく、ピン64は傾斜スリット58に案内されて傾斜スリット58の中を移動することができる。
第1取付具2、第2取付具4を使って任意の直径の配管Pに第1、第2センサユニット6、8を取り付けたときに、第1取付具2のピン64と第2取付具4の傾斜スリット58は情報変換機能を実現するための要素を構成する。すなわち、配管Pの直径の情報は、配管Pの直径方向に離間して位置する第1、第2の取付具2、4によって検出され、この配管Pの直径の情報は、傾斜スリット58の中で移動可能なピン64によって、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った第1、第2の取付具2、4の適正な離間距離の情報に変換されることにより、配管Pの長手方向軸線Ax(p)方向の第1、第2の取付具2、4の相対的な位置が規定され、そして、第1、第2取付具2、4を配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿ってスライドさせ、第1、第2取付具2、4を位置決めする。この情報変換機能は、配管Pの長手方向軸線Ax(p)方向における第1、第2取付具2、4の相対的な位置決めを誘導するガイド部の一つの具体的な機能であり、また、その構成はガイド部の具体的な一つの構成である。
任意の直径の配管Pに第1、第2の取付具2、4を適用するときに、上記の情報変換機能を円滑に発揮させるために第1取付具2の一対の第1アーム部62は、これに対応する第2取付具4の一対の第2アーム部56と互いに隣り合わせの状態で且つ互いに平行であるのがよい。更に好ましくは、第1取付具2の一対の第1アーム部62は互いに平行であるのがよく、また、第2取付具4の一対の第2アーム部56も互いに平行であるのがよい。
図2を参照して、典型例として、第2取付部4Mにおいて長手方向に離間して位置する一端部4Ma及び他端部4Mbの少なくとも2箇所が第2位置規制部54を構成するが、第2位置規制部54は第2取付部4Mの長手方向に連続的に位置していてもよい。図6を参照して、この第2位置規制部54は、典型的には、配管Pの円形断面において2箇所CL(2)、CL(2)で接する成形された形状を有する。換言すれば、第2取付具4を配管Pに取り付けたときに、配管Pを断面してみたときに、第2母線GL2(図3、図5)を挟んで対称の位置で少なくとも2箇所CL(2)で配管Pと接することで、第2センサユニット8を第2母線GL2に整合させることができると共に、第2センサユニット8を配管Pの中心を通る直径方向に差し向けることができる。換言すれば、第2位置規制部54によって、配管Pに第2取付具4を固定することで第2取付具4の長手方向軸線を配管Pの第2母線GL2に整合させることができる。
上述したように、第2取付具4の第2位置規制部54は、配管Pを横断する方向に切断した断面形状において、第2母線GL2に関して対称形状を有しているのが好ましく、第2母線GL2から同じ距離離れた箇所CL(2)で接する成形された形状を有しているのがよい。典型的には、第2位置規制部54は、第2母線GL2を挟んで一方側と他方側に所定の角度で延びる一対の成形された傾斜翼部を有する形状を有しているのが良い。このことは、第1取付具2の第1位置規制部60についても同様である。
第1取付具2と第2取付具4とを配管Pに固定したときに、次の位置決めが自動的に行われる。
(1)傾斜スリット58とピン64との対の組み合わせは、夫々、前述した第1情報を第2情報に変換する機能を有する。第1情報は配管Pの直径の情報である。第2情報は、配管Pの長手方向軸線に沿った第1、第2の取付具2、4の予め規定した適正離間距離の情報である。配管Pを挟んで対峙する第1取付具2と第2取付具4との相対位置は、配管Pの直径の情報である。そして、傾斜スリット58によって配管Pの長手方向軸線Ax(p)の方向に案内されるピン64によって、第1情報が第2情報に変換され、第2取付具4は、傾斜スリット58の傾斜角度つまり配管Pの直径方向からの角度によって、第1の取付具2から配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った適正な離間距離に位置決めされる。
(2)傾斜スリット58とピン64は、成型品である第1、第2取付具2、4の第1アーム部62の対、第2のアーム部56の対に夫々配置され、対応する第1、第2のアーム部62、56が互いに隣り合わせに位置しているため、第1、第2取付具2、4を直径の異なる配管Pに適用しても、第1、第2センサユニット6、8の前述した直径方向の位置決めを保持することができる。
(3)傾斜スリット58とピン64は、成型品である第1、第2取付具2、4の第1アーム部62の対、第2のアーム部56の対に夫々配置され、対応する第1、第2のアーム部62、56が互いに隣り合わせに位置しているため、第1、第2取付具2、4を直径の異なる配管Pに適用しても、前述した第1、第2の母線GL1、GL2(図3)上への第1、第2センサユニット6、8の位置決めを保持することができる。
図2、図3を参照して、配管Pの長手方向軸線Ax(p)において、第1、第2の取付具2、4の一端部、他端部が、夫々、第1、第2のバンドBd(1)、Bd(2)で共締めされている。第1取付具2と第2取付具4とを別のバンドを使って配管Pに固定してもよい。
図3を引き続き参照して、第1取付具2には、第1ボルトBt(1)を使って第1センサユニット6が締結される。第1ボルトBt(1)の締め付け方向は第1センサユニット6が配管Pに圧接する方向つまり配管Pの直径方向である。したがって、第1ボルトBt(1)を締め付けることにより第1センサユニット6が配管Pに圧接した状態になる。
第2取付具4には、第2ボルトBt(2)を使って第2センサユニット8が締結される。第2ボルトBt(2)の締め付け方向は第2センサユニット8が配管Pに圧接する方向つまり配管Pの直径方向である。したがって、第2ボルトBt(2)を締め付けることにより第2センサユニット8が配管Pに圧接した状態になる。
好ましい態様として、少なくとも第2取付具4に関し、第2センサユニット8が配管Pと圧接する方向に付勢する付勢部材66を配置させるのがよい。この実施例では、付勢部材66は、第2ボルトBt(2)と同軸に配置された複数の皿バネ(図9)によって構成されている。皿バネ66は、中心穴66aを備えた円錐の形状を有し、皿バネ66の高さを低くする方向に荷重を加えることでバネ力を発揮させることができる。実施例では、第2ボルトBt(2)と同軸に複数の皿バネ66が配置されている。第1取付具2にも、第1センサユニット6が配管Pと圧接する方向に付勢する付勢部材(皿バネ)66を配置させてもよい。
複数の皿バネ66の配列に関し、図10に図示のように、皿バネを1つ又は複数おきに上下反転させて配置した第1皿バネ列であってもよいし、図11に図示のように、複数の皿バネを上下反転させることなく、全て同じ向きに配置した第2皿バネ列であってもよい。
第2取付具4に付勢部材66を付加することにより、配管Pに対して、配管Pの1つの側に正対した状態でZ配置の第2取付具4及び第1取付具2を取り付けることができる。具体的にその工程を説明すると次の通りである。
(工程1)第2取付具4に第2センサユニット8を組み付ける(図5)。
(工程2)工程1と同じ要領で第1取付具2に第1センサユニット6を組み付ける。
(工程3)作業者が配管Pに正対した状態で、第2センサユニット8を装着した第2取付具4を配管Pに仮固定すると共に第1センサユニット6を装着した第1取付具2を配管に仮固定する。この仮固定は、バンドBd(1)、Bd(2)を使って行うことができる。この仮固定の状態において、第2センサユニット8は、第2取付具4の皿バネ66によって配管Pの周面に向かって付勢された状態にある。また、第2取付具4は、作業者から見て配管Pの反対側に位置することになる。
(工程4)第2取付具4の2つの傾斜スリット58の中に第1取付具2の2つのピン64が正規に位置していることを確認したら、バンドBd(1)、Bd(2)をしっかりと締めて、第1、第2の取付具2、4を配管Pに固定する。
これにより、傾斜スリット58とピン64との協働によって、第1センサユニット6を第1母線GL1上に位置決めした状態になり、第2センサユニット8を第2母線GL2上に位置決めした状態になる。そして、第1、第2のセンサユニット6、8は、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿って離間され、その離間距離が適正化される。また、第2センサユニット8は、第2取付具4の皿バネ66によって配管Pの周面に圧接した状態になる。
なお、工程2の第1取付具2に第1センサユニット6を組み付けるのを、上記工程4の第1、第2の取付具2、4を配管Pに固定する工程の後に行うようにしてもよい。第1取付具2に第1センサユニット6をボルトBt(1)を使って固定することで、このボルトBt(1)の締め付けによって第1センサユニット6は配管Pに圧接した状態を作ることができる。また、上述した工程4における第2の取付具4の状態は、上述した工程3における「仮固定の状態」と比較して、「本固定の状態」にあるといえる。より具体的には、第2の取付具4は、「仮固定の状態」では、配管Pの外周に沿った回転が許容されている。一方、第2の取付具4は、「本固定の状態」では、配管Pの外周に沿った回転が規制されている。要するに、第2の取付具4は、配管Pの外周に沿った回転が許容される第1の状態と、配管Pの外周に沿った回転が規制される第2の状態をとり得る。第1の状態と第2の状態を実現するための固定具の一例として、上述したバンドBd(1)、Bd(2)を用いてもよい。
第2実施例(図12〜図22)
図12などに図示の第2実施例の超音波流量センサシステム200に含まれる第1、第2のセンサユニットは、上述した第1実施例に含まれる第1、第2のセンサユニット6、8(図1〜図3)と同じであることから、この第2実施例の説明において、第1センサユニットに参照符号6を付し、第2センサユニットに参照符号8を付すことにより、その詳しい説明を省略する。
第2実施例の超音波流量センサシステム200は第1、第2の取付具202、204を有し、この2つの取付具202、204を使って第1、第2のセンサユニット6、8を配管Pの周面に取り付けることができる。第2実施例の超音波流量センサシステム200はZ配置に適した取付システムである。
第2実施例の適用は配管Pや配管Pの中を流れる流体は特に制限されないが、典型的な適用例を例示的に列挙すれば次の通りである。
(1) 配管Pの直径:100mm〜220mm(適当な配管Pの直径:約114mm〜約216mm)
(2) 配管Pの材料:鉄鋼、SUS、銅、ポリ塩化ビニル(PVC)
(3) 流体:水、油、薬液、不凍液(エチレングリコール)、クーラント
クランプオン式の超音波流量センサにおいて、任意の直径の配管に取付具を固定する作業を行うだけで第1、第2のセンサユニットを自動的に適正位置に位置決めすることができる超音波流量センサの取付具を使って、配管に正対した状態のままでZ配置に第1、第2のセンサユニットを配管に取り付ける作業を進めることができる。
図16〜図21を参照して第2センサユニット8が設置される取付具つまり第2取付具204を説明する。図17を参照して、第2取付具204の第2の取付部は、プレス成形された細長い第2位置規制部206と、この第2位置規制部206の一側縁及び他側縁に連結された第2アーム部208を有する。第2位置規制部206と第2アーム部208は、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った長さを有する。
第2アーム部208は、配管Pの断面円形に沿った周方向に屈曲可能である。具体的には、第2アーム部208は屈曲可能なプレート部材、好ましくはパンチングメタルで構成されている。第2アーム部208をパンチングメタルで構成することにより、第2アーム部208の所定の剛性を確保しつつ第2アーム部208を軽量化することができる。
図18は第2位置規制部206の端面図であり、図19は第2位置規制部206の断面図である。図16〜図19を参照して、第2位置規制部206は、第2センサユニット8を包囲するユニット収容部材210(図17、図19)を貫通するボルト212が螺合されるナット214(図19)を有する。ボルト212は、配管Pの直径Dm上つまり第2母線GL2上において間隔を隔てて2本配置されている。ユニット収容部材210は、第2位置規制部206及びこの第2位置規制部206から起立する一対の縦壁216(図17)と協働して第2ユニット収容部を構成する。図21を参照して、このボルト212には、前述した複数の皿バネ66が同軸に配置され、この皿バネ66によって第2センサユニット8は配管Pと圧接する方向に付勢されている。
図21を参照して、第2取付具204において、第2センサユニット8を挟んで位置する2本のボルト212と同軸に配置された複数の皿バネ66の付勢力は、フランジ240を押圧する。このフランジ240は第2センサユニット8に係合されている。したがって、皿バネ66によって第2センサユニット8は配管Pと圧接する方向に付勢され、また、第2センサユニット8は配管Pと圧接する方向に可動である。この第2センサユニット8の変位を配管Pの径方向にガイドする部材を図21において参照符号244で図示してある。
図21を参照すると理解できるように、変位ガイド部材244は、配管Pの軸線方向に第2センサユニット8を挟んで離間して2つ設けられている。そして、この各変位ガイド部材244は皿バネ66によって配管Pの方向に付勢され、この付勢力を第2センサユニット8に伝える。
そして、変位ガイド部材244によって配管Pの径方向に規定される第2センサユニット8の可動域のうち、第2センサユニット8が配管Pに接近する方向の規制は止め部材242によって行われる。すなわち、ボルト212のナット214に隣接して、ボルト212と同軸に止め部材242が配置され、この止め部材242によって、第2センサユニット8が配管Pに接近する限界が規定されている。なお、この構成は、第1実施例でも同じである(図3)。また、この構成は、第1センサユニット6と第1取付具202との構成においても同じであってもよい。
すなわち、第1実施例も同じであるが、第2実施例の第2取付具204において、第2センサユニット8は、第2取付具204に対して配管Pの径方向に変位可能であり、皿バネ66によって配管Pと圧接する方向に付勢されている。そして、第2センサユニット8は、止め部材242によって配管Pと接近する方向の限界が規定されている。これにより、第2センサユニット8と配管Pとの間に介装されるカプラントCpを押し潰す程度の一定性を担保している。この構成は、第1取付具202と第1センサユニット6との関係においても採用可能である。
第2位置規制部206は、図18、図19から良く分かるように、第2母線GL2を挟んで対称形状を有し、第2母線GL2を挟んで一方側と他方側に所定の角度で延びる一対の成形された傾斜翼部を有する形状を有している。そして、第2位置規制部206は、第2母線GL2を挟んで、第2母線GL2から等距離の2箇所CL(2)で接している。これにより、第2センサユニット8を第2母線GL2に整合させることができると共に、第2センサユニット8を配管Pの中心を通る直径方向Dmに差し向けることができる。
図17を参照して、第2取付具204の一部を構成する各第2アーム部208つまりパンチングメタルは、その長手方向中央部分に、前述したピン64(図20)が固定されている。前述したように、第2位置規制部206は第2母線GL2上を延びる細長い形状を有する。この第2位置規制部206の一方の側縁と他方の側縁とに第2アーム部208が連結され、この一対の第2アーム部208において、第2母線GL2を挟んで対称の位置に上記のピン64が設置されている。パンチングメタルからなる第2アーム部208は可撓性であり、配管Pの円周方向に屈曲可能である。したがって、第2アーム部208は、配管Pの周面に沿って且つ配管Pの周面に隣接した状態で巻き付くことができる。
配管Pの長手方向軸線Ax(p)において、パンチングメタルからなる第2アーム部208の一端と他端の各々に金属製のバンドBd(3)が取付けられている(図20)。この2つのバンドBd(3)を使って第2取付具204を配管Pに固定することができる。
図22は、第1センサユニット6が設置される取付具つまり第1取付具202を説明するための図である。第1取付具202の構成は、上述した第2取付具204と実質的に同じである。第1取付具202の一対の縦壁224は、第2取付具204の縦壁216に対応する。
第1取付具202は第1位置規制部220を有し(図22)、第1位置規制部220は、第2取付具204の第2位置規制部206に対応する。第1アーム部222を有し、この第1アーム部222は、第2取付具204のパンチングメタルからなる第2アーム部208に対応する。配管Pの長手方向軸線Ax(p)において、パンチングメタルからなる第1アーム部222の一端と他端の各々に金属製のバンドBd(4)が取付けられている。第2取付具204の第2アーム部208の上に第1取付具202の第1アーム部222を重ね合わせた状態で、第1取付具202を2つのバンドBd(4)を使って配管Pに固定することができる。
第1取付具202と第2取付具204との相違点は次の2点である。
(1)配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った長さ寸法において、第1取付具202の第1アーム部222が、第2取付具204の第2アーム部208よりも小さい。
(2) 第1取付具202の第2アーム部222に、前述した傾斜スリット58が形成され、この傾斜スリット58の中に第2取付具204のピン64が配置されている。
第2実施例において、傾斜スリット58とピン64によって、第1、第2の取付具202、204は第1情報を第2情報に変換する機能を発揮することができる。第1情報は、第1、第2の取付具202、204を取り付けた配管Pの直径の情報である。第2情報は、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った第1、第2の取付具202、204の適正離間距離の情報である。したがって、第1、第2の取付具202、204は、傾斜スリット58とピン64によって、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿った適正な離間距離に位置決めされる。
また、第1、第2の取付具202、204は、その相互作用によって、第1センサユニット6を第1母線GL1(図12)上に位置決めし、他方、第2センサユニット8を第2母線GL2(図12)上に位置決めする機能を有するのは、第1の実施例の超音波流量センサシステム1と同じである。
第2実施例の超音波流量センサシステム200は、作業者が配管Pの一方の側から正対した状態で第1、第2の取付具202、204を使って第1、第2のセンサユニット6、8を設置することができる。その作業手順及び作業内容を説明すると次の通りである。
(工程1)第2取付具204に第2センサユニット8を組み付ける(図17)。
(工程2)作業者が配管Pに正対した状態で、第2センサユニット8を装着した第2取付具204を配管Pに仮固定する。この仮固定は、第2取付具204のバンドBd(3)を使って行うことができる。この仮固定の状態において、第2センサユニット8は、第2取付具204の皿バネ66によって配管Pの周面に向かって付勢された状態にある。
(工程3)第2取付具204を配管Pの周方向に回転させて、作業者から見て配管Pの反対側に第2取付具204を位置させる。
(工程4)図17は第2取付具204に関するものであるが、この第2取付具204の場合と同じ要領で、第1取付具202に第1センサユニット6を組み付ける。
(工程5)作業者が配管Pに正対した状態で、第1センサユニット6を装着した第1取付具202を配管Pに仮固定する。この仮固定は、第1取付具202のバンドBd(4)を使って行うことができる(図22)。この仮固定の状態において、第1センサユニット6は、第1取付具202の皿バネ66によって配管Pの周面に向かって付勢された状態にある。第1取付具202を配管Pに仮固定することにより、この第1取付具202の傾斜スリット58と第2取付具204のピン64との協働によって、第1センサユニット6を第1母線GL1上に仮位置決めした状態になり、第2センサユニット8を第2母線GL2上に仮位置決めした状態になる。
(工程6)第2取付具204を配管Pに固定する。また、第1取付具202を配管Pに固定する。これにより、第1センサユニット6は第1母線GL1上に位置決めされる。また、第2センサユニット8は第2母線GL2上に位置決めされる。また、第1、第2のセンサユニット6、8は、配管Pの長手方向軸線Ax(p)に沿って離間され、その離間距離が適正化される。また、第1センサユニット6は、第1取付具202の皿バネ66によって配管Pの周面に付勢された状態になる。同様に、第2センサユニット8は、第2取付具204の皿バネ66によって配管Pの周面に向かって付勢された状態になる。
以上の説明から直ちに理解できるように、作業者が配管Pに正対した状態を継続した中で、第1、第2のセンサユニット6、8を配管Pに適正にZ配置することができる。換言すれば、配管Pの直径方向に対向する第1、第2の母線GL1、GL2に第1、第2のセンサユニット6、8を適正に組み付けるために、作業者は配管Pの周囲を回り込む必要はない。したがって、複数の配管Pが横並びに配列したような作業環境であったとしても、容易に第1、第2のセンサユニット6、8を設置することができる。
以上、本発明の第1実施例、第2実施例を説明したが、本発明に含まれる超音波流量センサは、配管Pと当接する面に、図23、図24に示すように熱検知面70を含んでいるのがよい。図23、図24は、第1センサユニット6に、伝熱性部材、具体的には成形した金属部材で構成された熱検知面70を設けた例を開示しているが、この熱検知面70を第1センサユニット6の代わりに第2センサユニット8に設けてもよい。第1センサ部44の第1くさび部材46に隣接して熱検知面70が配置され(図24)、この熱検知面70を配管Pに圧接させることにより配管Pの温度が検知される。熱検知面70と温度検知回路72との間の電気配線74の回りは樹脂ポッティングされる。これにより第1センサユニット6の防塵及び防水を図ることができる。熱検知面70は限定された面積であるのがよく、その回りを断熱材で構成するのがよい。これにより、熱検知面70の熱容量を小さくしながら周囲の熱が熱検知面70に伝達されるのを阻止することができる。熱検知面70を備えた第1センサユニット6において、熱検知面70はSUS材料で構成されている。
熱検知面70は、これに隣接して位置する第1センサ部44(第1くさび部材46)に比べて、配管Pと圧接する方向に突出している。この突出量は、皿バネ66によって付勢された第1センサ部44と配管Pとの間に介装したゴムシート(弾性固体カプラントCp)が適度に圧縮した状態となるように設定されている。すなわち、SUS材料からなる熱検知面70によって、第1センサ部44と配管Pとの間の弾性固体カプラントCpの潰し量が制限され、これにより、カプラントCpが適切に音響結合媒体として機能することを約束している。
より具体的には、図25に示すように、第1センサ部44と配管Pとの間には、弾性体からなる固体カプラントCpが設けられている。固体カプラントCpは所定の厚みを有している。この所定の厚みは、固体カプラントCpの一面が配管Pに当接した瞬間の状態においては、熱検知面70と配管Pとの間に隙間が形成される寸法を有している。
また、第1センサ部44が配管Pに押し付けられると、図26に示すように、熱検知面70が配管Pに当接する。すると、これ以上、固体カプラントCpを配管Pの径方向に圧縮することができなくなる。したがって、熱検知面70の配管Pの径方向の高さを所定の寸法に設定しておくことにより、固体カプラントCpの潰し量が制限される。その結果、第1センサ部44を配管Pに位置決め固定した状態における固体カプラントCpの厚さは、常に配管Pの径方向において所定の厚さ寸法に規定できる(図26)。
熱検知面70が突出していることを図25、図26を参照して更に説明すると、図25は、カプラントCpが配管Pと接触した瞬間の様子を示している。このとき、熱検知面70を有する金属部材(請求項中「潰し量規制部」の一例として機能)と配管Pの間には、僅かな隙間Δdが存在している。すなわち、図25において、配管Pの径方向から見たときに、くさび部材46とカプラントCpとの境界面、熱検知面70、カプラントCpと配管Pとの境界面、という順で並んでいる。
これに対し、図26は、皿バネ66の付勢力によって第1センサユニット6が配管Pに押し付けられ、金属部材の熱検知面70が配管Pに当接する様子を示している。このとき、図26に示すように、カプラントCpは一定量だけ潰されているものの、金属部材の熱検知面70が配管Pに当接することで、その潰し量が一定量に規制されている。なお、ここでは弾性変形する固体状のカプラントCpを想定しているが、液体状やジェル状であっても構わない。
図25、図26の参照符号70dは熱検知面のダミーを示す。このダミー70dは、くさび部材46を挟んで熱検知面70と反対側に位置している。そして、ダミー70dは熱検知面70と同じ量だけ、配管Pに向けて突出している。すなわち、配管Pの軸線方向に沿ってくさび部材46を挟んで互いに対抗して位置するダミー70dと熱検知面70とで、第1センサユニット6を配管Pに固定するときに、配管Pと当接する当接面を有し、そして、配管Pの軸線方向におけるカプラントCpの潰し量の均一性、つまり配管Pの径方向におけるカプラントCpの潰し量の規制の均一性を担保している。
前記熱検知面70とダミー70dはカプラントCpの押し潰し量を規定する部材と見ることができる。これを「潰し量規制部」と呼ぶと、第1、第2実施例において、第1、第2のセンサユニット6、8及び第1、第2の取付具2(202)、4(204)において、熱検知とは無関係に、2つの潰し量規制部70、70dを、配管Pの軸線方向において第1、第2センサユニット6、8を挟んで配置してもよい。
また、図25、図26に示すように、熱検知面70と反対側の面に、サーミスタの検出部71が当接されている。サーミスタは、例えば温度変化によって電気抵抗が変わる半導体からなる検出部71と、検出部71から延びる2本の電気配線74と、から構成されている。検出部71では温度変化によって電気抵抗が変わる。電気配線74を介して検出部71に電圧を印加し、そのときの電流値を式(I=V/R)によって求めることで、熱検知面70の温度変化を検出することができる。電気配線74の他端は、温度検知回路72に接続されている。ここでは、温度検知回路72をメイン基板42(図3)と別体にしているが、これらを一体にしてもよい。また、温度検知回路72を省いて、メイン基板42にハンダ付けなどしてもよい。温度検知回路72は、電気配線74を介して検出部71(図25、図26)に電圧を印加し、電気配線74を流れる電流を検出することによって熱検知面70の温度を検出することができる。
図25、図26を参照して、サーミスタの検出部71の周囲は樹脂75(伝熱性部材の一例)によって樹脂ポッティングされる。サーミスタの検出部71は、例えばガラスで封止されている。この検出部71が熱検知面70を構成する伝熱性部材(成型したSUS部材)に接した状態であるのが理想である。検出部71が成型SUS部材から離れると、熱検知面70の温度を精度良く検出することができなくなる。上述したように、サーミスタの検出部71の周囲を樹脂75(伝熱性部材の一例)によって固めることで、検出部71が成型SUS部材から離れるのを防止できる。例えば何らかの衝撃によって検出部71が成型SUS部材から離れたとしても、その距離は僅かに抑えることができるため、熱検知面70の温度検出精度を保つことができる。勿論、サーミスタの検出部71を樹脂ポッティングすることにより検出部71(第1センサユニット6)の防塵および防水の効果を得ることができる。更に、樹脂75は断熱性を有するため、熱検知面70からの熱以外の熱が検出部71に伝わるのを抑制することができる。これにより、熱検知面70による温度検出精度を高めることができる。
図27は、配管Pの温度を検知する回路を含む超音波流量センサのブロック図を示す。温度検知回路72で検出した配管Pの温度信号は温度測定部80によって温度データに変換される。この温度データは、時刻測定部82から取得した時刻データと関連付けられ、この時刻での配管Pを流れる流量と関連付けられる。これらのデータは記憶部14に保存される。時刻は、絶対時刻であるのが好ましいことから、時刻測定部82には、別途用意した電池100から電源を供給するのが好ましい。これにより、主電源がOFFされた状態でも時刻を測定し続けることができる。
配管Pの中の流体の流量データや配管Pを介在した流体の温度データを、外部PC88は、通信部90を介して読み出すことができる。通信変換部92では、例えばRS232Cのデータに変換され、通信コネクタ94を通じて外部PC88にデータが出力される。
図28は、第1センサユニット6の表示部38の表示例を説明するための図である。表示部38は、上下2段の表示欄を有し、図示の例では、上段に、流量を意味する「20.0」の数値84A(単位は、リットル(L)とミリリットル(mL)に表示切替が可能)が表示され、下段に、配管Pの温度を意味する「20.0」の数値84B(単位は℃)が表示される。
表示部38での表示として、次の組み合わせを例示的に列挙することができる。
(a)「流量」と「温度」
(b)「温度」と「熱量(カロリー)」
(c)「流量」と「熱量(カロリー)」
上記熱量(カロリー)は、流体温度つまり配管温度と流量とによって求めることができる。上記(a)乃至(c)の表示はユーザの選択により選択可能及び/又は切り替え可能であるのがよい。
上述したように超音波流量センサ10に温度検知機能を付加することにより、超音波流量センサは、流量計としての第1機能と、温度計としての第2機能を持つことになり、上述したように、この第1、第2の機能による検出結果を出力することができる。すなわち、配管Pを冷媒が流れているか否か、流れているとしても十分な量の冷媒が流れているか否かを所定のしきい値との対比でOK又はNGを表示又は外部に出力することができる。具体的に説明すると、図27を参照して、制御部12はメモリ(図示せず)を有し、このメモリに、所定の流量しきい値が記憶されている。超音波流量センサ10は、実際に算出された流量(検出流量)と流量しきい値とを比較し、検出流量が流量しきい値を上回ったときには十分な流量が流れていると判断してOK判定する。逆に、検出流量が流量しきい値を下回ったときには十分な流量が流れていないと判断してNG判定する。
第1実施例では、第1、第2の取付具2、4が共に成型品で構成され、アーム部62、56は成形された板材で構成されている。これに対して、第2実施例では、第1、第2の取付具202、204のアーム部222、208が配管Pの周方向に屈曲可能なプレート部材で構成されている。例えば、第1実施例の第1取付具2の第1アーム部62を屈曲可能なプレート部材で構成し、この変形例の第1取付具と、第1実施例の第2取付具4との組み合わせを本発明に変形例として採用してもよい。すなわち、2つの取付具のうち、一方の取付具のアーム部を配管Pの周方向に屈曲可能な部材で構成し、他方の取付具のアーム部を成形体で構成してもよい。
第2実施例では、図29に模式的に図示したように、第1、第2の取付具202、204のアーム部222、208は配管Pの周方向に屈曲可能なプレート部材で構成されている。変形例として、図30に示すように、配管Pの周方向に複数の関節86を有する多関節構造のバンド部材で構成してもよい。この多関節構造のバンドは、腕時計のバンドとして様々な構成が知られている。
第1、第2実施例において、情報変換機構としてピン64と傾斜スリット58との組み合わせ、つまり傾斜スリット58によってピン64をガイドする方法を例示した。変形例として、ピン64、傾斜スリット58の代わりに、傾斜凹条と、該傾斜凹条に受け入れられた傾斜凸条とのスライド可能な凹凸嵌合を採用してもよい。
図31は傾斜スリットの変形例を示す。図31から分かるように、傾斜スリット58はその長手方向に幅が異なっていてもよい。この場合、傾斜スリット58の一方の傾斜縁58aが上述した情報交換機構の一部を構成することになる。この一方の縁58aをガイド縁と呼ぶ。図31を参照しながら、第1、第2の取付具2、4の配管Pに対する取付について説明すると、第1、第2の取付具2、4を配管Pに仮固定した後に、第1、第2の取付具2、4を配管Pの長手方向に相対変位させてピン64を傾斜スリット58のガイド縁58aに衝突させる。これにより、第1取付具2(第1センサユニット6)と第2取付具4(第2センサユニット8)との離間距離(配管Pの長手方向軸線Ax(p)の方向の距離)を適正化することができる。また、第1取付具2(第1センサユニット6)と第2取付具4(第2センサユニット8)との離間距離を、配管Pの肉厚や配管Pを通る流体の種類の相違に伴う微調整を必要に応じて行うことができる。この微調整は、ピン64を傾斜スリット58のガイド縁58aに接近させる程度によって行えばよい。
P 配管
Ax(p) 配管の長手方向軸線
GL1 第1母線
GL2 第2母線
1 第1実施例の超音波流量センサシステム
2 第1取付具
4 第2取付具
10 超音波流量センサ
200 第2実施例の超音波流量センサシステム
6 第1センサユニット
8 第2センサユニット
24 第1超音波素子
26 第2超音波素子
52 バンドの固定部材
54 第2取付具の第2位置規制部(長手方向軸線に沿って延びる)
56 第2取付具の第2アーム部
58 傾斜スリット
60 第1位置規制部
62 第1アーム部
66 付勢部材(皿バネ)
70 熱検知面(潰し量規制部)
70d ダミー(潰し量規制部)
202 第1取付具
204 第2取付具
206 第2取付具の第2位置規制部
208 第2取付具の第2アーム部
212 ボルト
220 第1取付具の第1位置規制部
222 第1取付具の第1アーム部
242 止め部材
244 変位ガイド部材

Claims (10)

  1. 配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも一方を行う第1超音波素子を備えた第1センサユニットと、
    前記配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも他方を行う第2超音波素子を備えた第2センサユニットと、
    前記第1超音波素子及び前記第2超音波素子の出力信号に基づいて、超音波が前記配管を流れる流体の上流側から下流側に伝搬する時間と下流側から上流側に伝搬する時間との時間差を求めて前記配管内の流体の流量を算出する算出部と、を有する超音波流量センサであって、
    前記第1センサユニットを収容して該第1センサユニットを前記配管に固定するための第1取付具と、
    前記第2センサユニットを収容して該第2センサユニットを前記配管に固定するための第2取付具と、
    前記第1取付具と前記第2取付具を前記配管に押しつけて固定するための固定具とを含み、
    前記第1取付具は、
    前記第1センサユニットを収容する第1収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第2超音波素子に対する前記第1超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第1収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第1位置規制部とを有し、
    前記第2取付具は、
    前記第2センサユニットを前記配管の径方向に変位可能に収容する第2収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第1超音波素子に対する前記第2超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第2収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第2位置規制部とを有し、
    前記第2取付具は、更に、
    前記第2センサユニットの変位の方向を前記配管の径方向に規定する変位ガイド部材と、該変位ガイド部材を介して前記第2センサユニットを前記配管に接近させる方向に付勢する付勢部材と、該第2センサユニットが前記配管に接近する限界を規定する止め部材とを有する超音波流量センサ。
  2. 前記第2センサユニットと前記配管との間に設けられた弾性変形可能な固体状の音響結合部材を更に有し、
    前記配管の軸線方向において、前記第2センサユニットを挟んで配置された、
    前記第2センサユニットが前記配管に固定されるときに前記配管に当接する当接面を有し、前記配管の径方向における前記音響結合部材の潰し量を規制する潰し量規制部とを有する、請求項1に記載の超音波流量センサ。
  3. 前記音響結合部材の外周面のうち前記配管と接触する面は、前記潰し量規制部の当接面と比較して前記配管に向けて突出するよう構成されており、
    前記第2センサユニットが前記配管に押し付け固定された状態で、前記配管の軸線方向から見たときに前記音響結合部材の前記配管と接触する面と前記潰し量規制部の当接面とが略一致している、請求項2に記載の超音波流量センサ。
  4. 前記第2取付具は、前記配管の軸線、前記第1超音波素子、及び前記第2超音波素子を含む平面の両側において、前記第2収容部を基端として他方に向かって延び、前記配管の周方向における前記第1収容部と前記第2収容部の相対位置を規制する一対のアーム部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波流量センサ。
  5. 前記一対のアーム部は、前記配管の径に応じて、前記配管の軸線方向における前記第1取付具と前記第2取付具の相対的な位置決めを誘導するガイド部を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波流量センサ。
  6. 前記付勢部材は、前記配管の径方向に沿って並べて配置された複数の弾性体からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波流量センサ。
  7. 配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも一方を行う第1超音波素子を備えた第1センサユニットと、
    前記配管内を流れる流体への超音波の送信および配管内を流れる流体からの超音波の受信のうち少なくとも他方を行う第2超音波素子を備えた第2センサユニットと、
    前記第1超音波素子及び前記第2超音波素子の出力信号に基づいて、超音波が前記配管を流れる流体の上流側から下流側に伝搬する時間と下流側から上流側に伝搬する時間との時間差を求めて前記配管内の流体の流量を算出する算出部と、を有する超音波流量センサであって、
    前記第1センサユニットを収容して該第1センサユニットを前記配管に固定するための第1取付具と、
    前記第2センサユニットを収容して該第2センサユニットを前記配管に固定するための第2取付具と、
    前記第1取付具と前記第2取付具を前記配管に押しつけて固定するための固定具とを含み、
    前記第1取付具は、
    前記第1センサユニットを収容する第1収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第2超音波素子に対する前記第1超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第1収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第1位置規制部とを有し、
    前記第2取付具は、
    前記第2センサユニットを前記配管の径方向に変位可能に収容する第2収容部と、前記配管の径方向から見たときの前記第1超音波素子に対する前記第2超音波素子の向きを前記配管の軸線方向に整合させるよう前記第2収容部の背面側にて前記配管の外周面に当接する第2位置規制部とを有し、
    前記第2取付具は、更に、
    前記第2センサユニットの変位の方向を配管の径方向に規定する変位ガイド部材と、該変位ガイド部材を介して前記第2センサユニットを配管に接近させる方向に付勢する付勢部材と、該第2センサユニットが前記配管に接近する限界を規定する止め部材とを有する超音波流量センサを用意し、
    前記第2取付具を使って前記第2センサユニットを前記配管に仮固定する第1工程と、
    該第1工程の次に、前記第2取付具を前記配管の周方向に回転させる第2工程と、
    該第2工程の次に、前記第1取付具を使って前記第1センサユニットを前記配管に仮固定すると共に該仮固定の前に前記第1取付具と前記第2取付具との相対的な位置を情報変換機構の作用に基づいて調整する第3工程と、
    前記第3工程の次に、前記第1取付具と前記第2取付具とを前記配管に固定することを特徴とする超音波流量センサの取付方法。
  8. 前記第1取付具の前記配管に対する固定が第1ベルトを使って行われ、
    前記第2取付具の前記配管に対する固定が、前記第1のベルトとは別の第2ベルトを使って行われる、請求項7に記載の超音波流量センサの取付方法。
  9. 前記超音波流量センサは、さらに、前記第1収容部又は前記第1位置規制部の両側から夫々延び且つ前記配管の周方向に屈曲可能な一対の第1アーム部と、前記第2収容部又は前記第2位置規制部の両側から夫々延び且つ前記配管の周方向に屈曲可能な一対の第2アーム部と、前記第1アーム部と前記第2アーム部とが互いに協働して、前記配管の直径を前記第1センサユニットと前記第2センサユニットとの離間距離に変換する情報変換機構と、を有し、
    前記情報変換機構は、前記配管の直径方向に対して該配管の長手方向に傾斜した角度に基づいて前記情報変換を行う、請求項7又は8に記載の超音波流量センサの取付方法。
  10. 前記第1アーム部と前記第2アーム部とが互いに隣り合わせに位置するオーバーラップ部分を有し、
    該オーバーラップ部分に前記情報変換機構が設けられている、請求項9に記載の超音波流量センサの取付方法。
JP2017012042A 2017-01-26 2017-01-26 超音波流量センサ及びその取付方法 Active JP6747996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012042A JP6747996B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 超音波流量センサ及びその取付方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012042A JP6747996B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 超音波流量センサ及びその取付方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018119880A JP2018119880A (ja) 2018-08-02
JP6747996B2 true JP6747996B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=63044193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017012042A Active JP6747996B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 超音波流量センサ及びその取付方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6747996B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018119880A (ja) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6747994B2 (ja) 超音波流量センサ及びその取付方法
JP6767888B2 (ja) 超音波流量センサ及びこれを用いた温度測定方法
US4221134A (en) Differential pressure transducer with strain gauge
US9404815B2 (en) Superheat sensor having external temperature sensor
US20190120798A1 (en) Ultrasonic flow meter clamp
US2902861A (en) Pressure sensing device
JP3161399U (ja) 指針読取装置
US20050217389A1 (en) Scalable averaging insertion vortex flow meter
JPS62124432A (ja) 流体システム用のセンサ
JP2018527585A (ja) 経験した引張ひずみ及び/又はせん断ひずみを測定する伸縮性ひずみゲージを備えるねじ
JP6747996B2 (ja) 超音波流量センサ及びその取付方法
JP2018077079A (ja) 脱着可能な超音波流量計
JP7111895B2 (ja) 非侵入的プロセス流体圧測定システム
US4718279A (en) Dual bourdon tube type sensing pressure transducer
KR20150140505A (ko) 하수관로용 수위측정장치
JP6747995B2 (ja) 超音波流量センサ及び超音波流量センサ用の取付装置
EP4024021A1 (en) Strain sensor mounting device
CN201607256U (zh) 一种一体可调型外夹式超声波流量计
CN104655209A (zh) 一种带流量控制功能的超声波水表
JPS60209133A (ja) 圧力変換器
JP4971858B2 (ja) 計測器
JP5703163B2 (ja) 角度調整器およびこれを備えたレベルセンサ装置
JPH02269930A (ja) 圧力測定装置及びダクト内の圧力を検知する方法
KR20140013363A (ko) 압력감지 일체형 압력계
KR102594146B1 (ko) 누수센서모듈

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200806

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6747996

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250