JP6747441B2 - 無線通信のための方法及び装置 - Google Patents

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Description

本開示は、端末間直接通信(device-to-device(D2D)通信)に関し、特にディスカバリ信号の送信に関する。
無線端末が基地局等のインフラストラクチャ・ネットワークを介さずに他の無線端末と直接的に通信する形態は、device-to-device(D2D)通信と呼ばれる。D2D通信は、直接通信(Direct Communication)および直接ディスカバリ(Direct Discovery)の少なくとも一方を含む。いくつかの実装において、D2D通信をサポートする複数の無線端末は、自律的に又はネットワークの指示に従ってD2D通信グループを形成し、当該D2D通信グループ内の他の無線端末と通信を行う。
3GPP Release 12に規定されたProximity-based services(ProSe)は、D2D通信の一例である(例えば、非特許文献1を参照)。ProSe直接ディスカバリは、ProSeを実行可能な無線端末(ProSe-enabled User Equipment(UE))が他のProSe-enabled UEを、これら2つのUEが有する無線通信技術(例えば、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) technology)の能力だけを用いてディスカバリする手順により行われる。ProSe直接ディスカバリは、3つ以上のProSe-enabled UEsにより行われてもよい。
ProSe直接通信は、ProSe直接ディスカバリの手順の後に、直接通信レンジ内に存在する2以上のProSe-enabled UEsの間の通信パスの確立を可能にする。言い換えると、ProSe直接通信は、ProSe-enabled UEが、基地局(eNodeB)を含む公衆地上移動通信ネットワーク(Public Land Mobile Network (PLMN))を経由せずに、他のProSe-enabled UEと直接的に通信することを可能にする。ProSe直接通信は、基地局(eNodeB)にアクセスする場合と同様の無線通信技術(E-UTRA technology)を用いて行われてもよいし、Wireless Local Area Network (WLAN)の無線技術(つまり、IEEE 802.11 radio technology)を用いて行われてもよい。
3GPP Release 12では、直接通信または直接ディスカバリに用いられる無線端末間の無線リンクは、サイドリンク(Sidelink)と呼ばれる(例えば、非特許文献2のセクション14を参照)。サイドリンク送信は、アップリンク及びダウンリンクのために定義されたLong Term Evolution(LTE)フレーム構造と同じフレーム構造を使用し、周波数および時間ドメインにおいてアップリンク・リソースのサブセットを使用する。無線端末(UE)は、アップリンクと同様のシングルキャリア周波数分割多重(Single Carrier FDMA(Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA)を使用してサイドリンク送信を行う。
3GPP Release 12 ProSeでは、サイドリンク送信のための無線リソースのUEへの割り当ては、無線アクセスネットワーク(e.g., Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN))によって行われる。ProSe functionによってサイドリンク通信を許可されたUEは、無線アクセスネットワークノード(e.g., eNodeB(eNB))によって割り当てられた無線リソースを使用してProSe直接ディスカバリ又はProSe直接通信を行う。
ProSe直接ディスカバリに関しては、2つのリソース割り当てモード、つまりautonomous resource selection及びscheduled resource allocationが規定されている。autonomous resource selection及びscheduled resource allocation は、それぞれ“sidelink discovery Type 1”及び“sidelink discovery Type 2”と呼ばれる。
ProSe直接ディスカバリのautonomous resource selection(sidelink discovery Type 1)では、ディスカバリ信号(i.e., Physical Sidelink Shared Channel (PSDCH))の送信(アナウンシング)を希望するUEがリソースプールの中から自律的に無線リソースを選択する。
一方、ProSe直接ディスカバリのscheduled resource allocation(sidelink discovery Type 2)では、UEがアナウンス用のリソース割り当てをRRCシグナリングでeNodeBに要求する。eNodeBは、リソースプールの中からアナウンス用のリソースをUEに割り当てる。scheduled resource allocationが使用される場合、eNodeBは、System Information Block (SIB 19)においてProSe直接ディスカバリのモニター用のリソースの提供をサポートするが、アナウンスメント用のリソースは提供しないことを示す。
ProSe直接ディスカバリのためのリソースプールは、ディスカバリ・リソースプールと呼ばれ、ブロードキャスト(SIB 19)又は個別シグナリング(RRCシグナリング)でeNBによってUEに設定される。ディスカバリ・リソースプールは、ディスカバリ期間(discovery period)内のLPSDCH個のサブフレーム及びMPSDCH_RP RB個の周波数ドメイン・リソースブロックから成る。ディスカバリ期間は、PSDCH期間(period)とも呼ばれる。
ディスカバリ・リソースプールの指定方法について図1を用いて説明する。ディスカバリ・リソースプールは、サブフレーム・プールとリソースブロック・プールから成る。eNBは、サブフレーム・プールを特定するために、ディスカバリ期間の長さ(P)、ディスカバリ期間内でのサブフレーム・ビットマップの繰り返し回数(NR)、並びにサブフレーム・ビットマップ及びその長さ(NB)を指定する。
ディスカバリ期間の長さ(P)は、32、64、128、256、512、又は1024 無線フレームである。なお、3GPP Release 12(LTE-advanced)の無線フレームは、長さが10ミリ秒であり、10サブフレームから構成される。1サブフレームの長さは1ミリ秒である。したがって、ディスカバリ期間の長さ(P)は、320、640、1280、2560、5120、又は10240サブフレームである。
サブフレーム・ビットマップの長さ(NB)は、4、8、12、16、30、40又は42 bitsである。サブフレーム・ビットマップは、“0”にセットされたビットに対応するサブフレームがディスカバリに使用されないことを示し、“1”にセットされたビットに対応するサブフレームがディスカバリに使用できることを示す。
ディスカバリ期間内でのサブフレーム・ビットマップの繰り返し回数(NR)の最大値は、デュプレックスモード、frequency division duplex(FDD)又はtime division duplex(TDD)、に依存し、さらにTDDの場合UL/DL configurationに依存する。具体的には、繰り返し回数(NR)の最大値は、FDD及びTDD UL/DL configuration 0の場合に値5であり、TDD UL/DL configuration 1の場合に値13であり、TDD UL/DL configuration 2の場合に値25であり、TDD UL/DL configuration 3の場合に値17であり、TDD UL/DL configuration 4の場合に値25であり、TDD UL/DL configuration 5の場合に50であり、TDD UL/DL configuration 6の場合に値7である。
したがって、1つのディスカバリ期間に対応するディスカバリ・リソースプールに含まれるサブフレーム数(LPSDCH)は、サブフレーム・ビットマップで値1が指定されている数に繰り返し回数(NR)を乗算することで得られる。図1の例では、サブフレーム・ビットマップの長さ(NB)が8ビットであり、繰り返し回数(NR)が4である。さらに、1つのサブフレーム・ビットマップ内の8ビットのうち4ビットが使用(値“1”)にセットされている(図1のハッチングされたサブフレーム)。したがって、ディスカバリ・リソースプールに含まれるサブフレーム数(LPSDCH)は、16である。
一方、eNBは、リソースブロック・プールを特定するために、開始(start)Physical Resource Block(PRB)のインデックス(S1)、終了(end)PRBのインデックス(S2)、及びPRB数(M)を指定する。リソースブロック・プールは、PRBインデックスqが開始インデッククス(S1)以上であり且つS1+Mより小さい(S1 <= q < S1+M)M個のPRBsと、PRBインデックスqがS2-Mより大きく且つ終了インデッククス(S2)以下である(S2-M < q <= S2)M個のPRBsを含む(つまり、合計2M個のPRBs)。すなわち、eNBは、各々がM個のPRBsを含む2つのPRBクラスターをディスカバリ・リソースプールのために指定することができる。
図2は、1つのディスカバリ期間内のディスカバリ・リソースプールの一例を示す図である。図2の例では、ディスカバリ・リソースプールに含まれるサブフレーム数(LPSDCH)は16である。ディスカバリ・リソースプール(つまり、サブフレーム・プール)に含まれるサブフレームは、以下のように表すことができる:
Figure 0006747441
さらに、図2の例では、ディスカバリ・リソースプールに含まれるリソースブロック(PRB)数(MRB PSDCH_RP)は、16である。ディスカバリ・リソースプール(つまり、リソースブロック・プール)に含まれるリソースブロックは、以下のように表すことができる:
Figure 0006747441
本明細書では、1つのディスカバリ期間内のディスカバリ・リソースプールを表すために図2と同様のいくつかの図面を使用する。しかしながら、これまでの説明から明らかであるように、1つのディスカバリ・リソースプールに含まれる複数のサブフレームは時間的に連続していなかもしれないし、1つのディスカバリ・リソースプールに含まれる複数のリソースブロックは、2つのクラスターを含むことに留意されるべきである。
続いて以下では、3GPP Release 12に規定されている、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のための無線リソース割り当てについて説明する。当該無線リソース割り当ての詳細は、非特許文献2のセクション14.3に詳しく記載されている。既に説明したように、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のための無線リソース割り当ては、2つの異なる方式、すなわちsidelink discovery Type 1及びType 2が規定されている。Sidelink discovery Type 1では、無線リソースは、UEに依らずに(on a non-UE specific basis)割り当てられる。これに対して、Sidelink discovery Type 2では、無線リソースは、UEに応じて(on a UE specific basis)割り当てられる。なお、Type 2については、Type 2AおよびType 2Bの2通りが検討されていたが、現在のRelease 12では、Type 2Bのみが規定されている。Type 2Bでは、eNBは、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のために無線リソースを準静的(semi-persistent)にUEに割り当てる。これに対して、現在のRelease 12では規定されていないが、Type 2Aでは、eNBは、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のための無線リソースをディスカバリ期間(PSDCH期間)毎に動的にUEに割り当てる。
ここでは、Sidelink discovery Type 1のリソース割り当てについて説明する。Sidelink discovery Type 1の場合、UEは、リソース値nPSDCHを自律的に選択するとともに、以下のようにPSDCH送信のためのサブフレーム及びリソースブロックを決定する。
i番目のPSDCH期間でのPSDCH上でのトランスポートブロックの送信回数は、NSLD TX = n+1である。ここで、nは、上位レイヤパラメータであるdiscoveryNumRetxにより与えられる。パラメータdiscoveryNumRetxは、例えば、個別シグナリング(RRC Connection Reconfiguration)を用いてeNBによりUEに設定される。
UEが選択できるリソース値nPSDCHの範囲は、ゼロ以上且つ(Nt*Nf - 1)以下の整数であり、ここで、Nt及びNfは以下のように定義される:
Figure 0006747441
ディスカバリ期間内でのディスカバリ信号(つまり、PSDCH上でのトランスポートブロック)のための第j回目の送信は、ディスカバリ・リソースプール内のLPSDCH個のサブフレームl0 PSDCH、l1 PSDCH、・・・、lL_PSDCH-1 PSDCHのうち、
Figure 0006747441
において発生し、当該サブフレームの連続する2つのリソースブロック
Figure 0006747441
を使用する。
ここで、
Figure 0006747441
である。
図3は、LPSDCH = 16、MRB PSDCH_RP = 16、及びNSLD TX =4であるときのSidelink discovery Type 1に基づく無線リソース割り当ての例を示している。図3に示された各マス目(セル)に記入されている数値は、UEが選択することが可能なリソース値nPSDCHの値である。例えば、nPSDCH = 0であるとき、ディスカバリ・リソースプール内の第1、第2、第3、及び第4番目のサブフレームl0 PSDCH、l1 PSDCH、l2 PSDCH、及びl3 PSDCHにおいて4回のPSDCH送信が行われる。これと同様に、nPSDCH = 4であるときも、ディスカバリ・リソースプール内の第1、第2、第3、及び第4番目のサブフレームl0 PSDCH、l1 PSDCH、l2 PSDCH、及びl3 PSDCHにおいて4回のPSDCH送信が行われる。
図3から理解されるように、3GPP Release 12に規定されているSidelink discovery Type 1では、UEが任意に選択可能なNt*Nf 通りのリソース値nPSDCH(0 <= nPSDCH <= Nt*Nf - 1)のうちのいくつかに関して、ディスカバリ期間内のNSLD TX回のPSDCH送信が完全に同じサブフレームのセットにおいて行われる。例えば、図3の例では、nPSDCHが0、4、8、12、16、24、及び28であるとき、サブフレームl0 PSDCH、l1 PSDCH、l2 PSDCH、及びl3 PSDCHにおいて4回のPSDCH送信が行われる。
さらに、jが2以上であるとき、第j回目のPSDCH送信で使用されるリソースブロックは、第(j-1)回目の送信で使用されたリソースブロックから周波数ドメインにおいて一定値、すなわち
Figure 0006747441
だけ巡回シフトされる。言い換えると、第j回目の送信で使用されるリソースブロックの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用されるリソースブロックからの周波数ドメイン・シフトの値は、UEによって選択されたリソース値nPSDCHの値及び第(j-1)回目のPSDCH送信で使用されるリソースブロックのいずれにも依存しない。したがって、図3の例でみると、nPSDCH=0であるときの4回のPSDCH送信で使用されるリソースブロックはいずれも、nPSDCH=4であるときのPSDCH送信で使用されるリソースブロックと隣接している。このような無線リソース割り当ては、以下に説明するように、In-Band Emissions(IBE)による周波数ドメインでの干渉をもたらすかもしれない。
一般に、UEによる送信は、非割り当てリソースブロック(サブキャリア)に対してIn-Band Emissions(IBE)による周波数ドメインでの干渉を及ぼすことが知られている。したがって、複数のD2D送信が非常に近くで同時に行われると、IBEに起因する干渉が発生するおそれがある。さらに3GPP Release 12に規定されているSidelink discovery Type 1の無線リソース割り当てに従うと、例えば、nPSDCH=0を選択したUEとnPSDCH=4を選択した別のUEは、完全に同じサブフレームにおいて且つ隣接するリソースブロックにおいてディスカバリ信号(PSDCH)を送信するため、IBEによるIn-band干渉がより深刻であるかもしれない。例えば、図4に示すように、モニタリングUE401がアナウンシングUE402からのディスカバリ信号(希望信号)のモニターを試みている間に、モニタリングUE401の近くで別のアナウンシングUE403がディスカバリ信号(非希望信号)を送信するケースを考える。仮に、アナウンシングUE402が選択したnPSDCHの値が“0”であり、アナウンシングUE403が選択したnPSDCHの値が“4”であるとき、これら2つのアナウンシングUE402及び403は、完全に同じサブフレームのセットにおいてディスカバリ信号を送信するだけでなく、全ての送信を隣接するリソースブロックを用いて行う。したがって、モニタリングUE401は、In-band干渉のためにアナウンシングUE402からのディスカバリ信号(希望信号)の受信品質が低下するおそれがある。
なお、この問題は、Sidelink discovery Type 1に限らず、Sidelink discovery Type 2Bに従う無線リソース割り当てにおいても発生する。Sidelink discovery Type 2Bでは、ディスカバリ期間内での第1回目の送信が発生するサブフレームとリソースブロックは、eNBからPSDCHリソース設定(configuration)としてUEに指定される3つのパラメータNPSDCH (1)、NPSDCH (2)、及びNPSDCH (3)に基づいて決定される。しかしながら、第1回目の送信で同一サブフレームの異なるリソースブロックペアを使用する複数のUEによるPSDCH送信は、その後の第2回目から第NSLD TXまでの送信も同じサブフレームを使用するだけでなく、同じ隣接関係のリソースブロックを使用する。したがって、3GPP Release 12に規定されているSidelink discovery Type 2Bの場合も、上述したIBEによる干渉の問題が深刻であるかもしれない。
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、D2D通信の直接ディスカバリが行われる際に、IBEに起因する干渉によるディスカバリ信号の受信品質の低下を抑制することに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。
第1の態様では、無線端末における無線通信の方法は、ディスカバリ期間内のL個のサブフレーム及びM個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るリソースプールの中から、前記無線端末が自発的に選択したリソース値の第1の値n1または基地局から受信したパラメータの第1の値n1に基づいて、前記ディスカバリ期間内でのNTX回のディスカバリ信号の送信に使用されるNTX個のサブフレームとNTXセットのリソースブロックを選択することを含む。前記NTXセットのリソースブロックの各セットは、前記NTX個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでの前記ディスカバリ信号の送信に使用される。前記NTXセットのリソースブロックに関して、前記ディスカバリ期間内での第j回目(jは2以上の整数)の前記ディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、前記第1の値n1及び前記第2のリソースブロック・セットの前記リソースプール内での周波数ドメイン位置の少なくとも一方に依存する。
第2の態様では、無線端末は、少なくとも1つの無線トランシーバ及び少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、セルラーネットワークとのセルラー通信および他の無線端末とのデバイス・ツー・デバイス通信を前記少なくとも1つの無線トランシーバを使用して行うよう構成されている。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、ディスカバリ期間内のL個のサブフレーム及びM個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るリソースプールの中から、前記無線端末が自発的に選択したリソース値の第1の値n1または基地局から受信したパラメータの第1の値n1に基づいて、前記ディスカバリ期間内でのNTX回のディスカバリ信号の送信に使用されるNTX個のサブフレームとNTXセットのリソースブロックを選択するよう構成される。前記NTXセットのリソースブロックの各セットは、前記NTX個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでの前記ディスカバリ信号の送信に使用される。前記NTXセットのリソースブロックに関して、前記ディスカバリ期間内での第j回目(jは2以上の整数)の前記ディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、前記第1の値n1及び前記第2のリソースブロック・セットの前記リソースプール内での周波数ドメイン位置の少なくとも一方に依存する。
第3の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第1の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
上述の態様によれば、D2D通信の直接ディスカバリが行われる際に、IBEに起因する干渉によるディスカバリ信号の受信品質の低下を抑制することに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
ディスカバリ期間(PSDCH期間)とディスカバリ信号(PSDCH)の送信に使用される時間−周波数リソースとの関係の一例を示す図である。 ディスカバリ・リソースプールの一例を示す図である。 3GPP Release 12に従うディスカバリ信号(PSDCH)送信のためのサブフレーム及びリソースブロックの選択の一例を示す図である。 In-Band Emissions(IBE)に起因する干渉の例を示す図である。 いくつかの実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線端末の動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る無線端末によるディスカバリ信号(PSDCH)送信のためのサブフレーム及びリソースブロックの選択の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線端末によるディスカバリ信号(PSDCH)送信のためのサブフレーム及びリソースブロックの選択の他の例を示す図である。 いくつかの実施形態に係る無線端末の構成例を示すブロック図である。
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
以下に示される複数の実施形態は、3GPP Release 12(LTE-Advanced)に規定されたProSeの改良を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、LTE-Advanced 及びその改良に限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステムでのD2D通信に適用されてもよい。
<第1の実施形態>
図5は、本実施形態を含むいくつかの実施形態に係る無線通信システムの構成例を示している。UE1A及び1Bの各々は、少なくとも1つの無線トランシーバを有し、基地局2とのセルラー通信(101又は102)を行うとともに、端末間ダイレクトインタフェース(e.g., PC5インタフェース又はサイドリンク)103上でD2D通信を行うよう構成されている。当該D2D通信は、少なくとも直接ディスカバリ(e.g., ProSe Direct Discovery)を含み、直接通信(ProSe Direct Communication)をさらに含んでもよい。eNB2は、セル21を管理し、セルラー通信技術(e.g., Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) technology)を用いて複数のUE1の各々とセルラー通信(101及び102)を行うことができる。なお、図5の例では、説明の簡略化のために複数のUE1A及び1Bが同じセル21内に位置している状況を示しているが、このような配置は一例に過ぎない。例えば、UE1Aは、異なるeNB2によって管理される互いに隣接する2つのセルの一方のセル内に位置し、UE1Bは他方のセル内に位置してもよい。あるいは、UE1A及びUE1Bのうち少なくとも一方は、1又は複数のeNB2によるカバレッジの外に位置してもよい。
UE1は、ディスカバリ期間(PSDCH期間)内のLPSDCH個のサブフレーム及びMPSDCH_RP RB個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るディスカバリ・リソースプールの中から、ディスカバリ期間内でのNTX SLD回のディスカバリ信号の送信のためにNTX SLD個のサブフレーム及びNTX SLDセットのリソースブロックを選択するよう構成されている。選択されたNTX SLDセットのリソースブロックの各セットは、選択されたNTX SLD個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでのディスカバリ信号の送信に使用される。既に説明したように、3GPP Release 12では、NTX SLDセットのリソースブロックの各セットは、連続する2つのリソースブロックから構成される。
sidelink discovery Type 1(つまり、autonomous resource selection)の場合、UE1は、UE1が自発的に選択したリソース値nPSDCHに基づいて、NTX SLD個のサブフレーム及びNTX SLDセットのリソースブロックを選択してもよい。一方、sidelink discovery Type 2B(つまり、scheduled resource allocation)の場合、UE1は、eNB2から1又は複数のパラメータ(e.g., NPSDCH (1)、NPSDCH (2)、及びNPSDCH (3))を含むPSDCHリソース設定(configuration)を受信し、これら1又は複数のパラメータのうち少なくとも1つに従って、NTX SLD個のサブフレーム及びNTX SLDセットのリソースブロックを選択してもよい。
図6は、直接ディスカバリのための無線リソースを選択する際のUE1の動作の一例(処理600)を示すフローチャートである。なお、図6は、sidelink discovery Type 1(autonomous resource selection)について示している。ブロック601では、UE1は、リソース値nPSDCHを自律的に選択する。ブロック602では、UE1は、選択されたリソース値nPSDCHに基づいて、ディスカバリ期間(PSDCH期間)内でのNSLD TX回のディスカバリ信号(PSDCH)の送信のためにNSLD TX個のサブフレーム及びNTX SLDセットのリソースブロックを選択する。NTX SLDセットのリソースブロックの各セットは、NTX SLD個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでのディスカバリ信号の送信に使用される。
ブロック602でのUE1によるサブフレーム選択ルール又はアルゴリズムでは、ディスカバリ期間内でのUE1による第j回目(jは2以上の整数)のディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値が以下のように決定される。すなわち、当該周波数ドメイン・シフトの値は、(a)UE1によって選択されたリソース値nPSDCHの値、及び(b)第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットのディスカバリ・リソースプール内での周波数ドメイン位置、の少なくとも一方に依存して決定される。
言い換えると、いくつかの実装において、UE1による第j回目(jは2以上の整数)のPSDCH送信に使用される第1のリソースブロック・セットと第(j-1)回目のPSDCH送信に使用される第2のリソースブロック・セットの間の周波数ドメイン・シフトの値は、当該UE1によって選択されたリソース値nPSDCHの値が第1の値であるか又は第2の値であるかに依存して異なる。
あるいは、いくつかの実装において、UE1による第j回目(jは2以上の整数)のPSDCH送信に使用される第1のリソースブロック・セットと第(j-1)回目のPSDCH送信に使用される第2のリソースブロック・セットの間の周波数ドメイン・シフトの値は、第2のリソースブロック・セットのディスカバリ・リソースプール内での周波数ドメイン位置が第1の位置であるか第2の位置であるかに依存して異なる。
なお、「ディスカバリ・リソースプール内での周波数ドメイン位置」との用語は、着目するリソースブロック又はリソースブロック・セット(i.e., 連続する2つのリソースブロック)のディスカバリ・リソースプール(リソースブロック・プール)内での論理的な順序を意味する。例えば、「ディスカバリ・リソースプール内での周波数ドメイン位置」は、ディスカバリ・リソースプールに含まれるMRB PSDCH_RP / 2個のリソースブロック・セットに付与された論理的な通し番号0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1)によって表されてもよい。
以上の説明から理解されるように、本実施形態では、UE1による第j回目(1 < j)のPSDCH送信で使用されるリソースブロック・セットの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用されるリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、当該UE1によって選択されたリソース値nPSDCHの値及び第(j-1)回目のPSDCH送信で使用されるリソースブロック・セットのいずれか又は両方に依存する。このことは、異なるリソース値nPSDCHの値に基づいて同じNTX SLD個のサブフレームにおいてディスカバリ信号の送信行う2つのUE1が、互いに異なる周波数ドメイン・シフト値を使用することを可能にする。したがって、これら2つのUE1が同じサブフレーム群でのNTX SLD回のPSDCH送信の全てを同じ隣接関係の2つのリソースブロック・セットで行うことを回避できる。この結果、仮にこれら2つのUE1が近接しているとしても、一方のUE1によるNTX SLD回のディスカバリ信号(PSDCH)の送信の全てに他方のUE1からのIBEによる強い干渉が発生すること防止できる。なぜなら、2つのUE1によるNTX SLD回の送信のいずれかは最も隣接する2つのリソースブロック・セットを使用するかもしれないが、他のいずれかの送信は周波数ドメインにおいて離間した2つのリソースブロック・セットを使用するためである。
続いて以下では、本実施形態に係る直接ディスカバリのための無線リソース選択のいくつかの具体例について説明する。いくつかの実装において、ブロック602でのサブフレーム選択ルール又はアルゴリズムでは、UE1による第j回目(1 < j)のPSDCH送信で使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))の値に依存して決定されてもよい。
リソース値nPSDCHと無線リソースとのマッピングの第1の例を説明する。当該第1の例では、UE1による第j回目(1 < j)のPSDCH送信で使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))が奇数であるか又は偶数であるかに依存して異なる。
3GPP Release 12と同様に、UE1が選択できるリソース値nPSDCHの範囲は、ゼロ以上且つ(Nt*Nf - 1)以下の整数であり、ここで、Nt及びNfは以下のように定義される:
Figure 0006747441
さらに、NTX SLD個のサブフレームの選択は、3GPP Release 12のsidelink discovery Type 1と同様であってもよい。すなわち、i番目のPSDCHピリオドにおいてPSDCHを送信するようUE1が設定された場合に、PSDCH上でのトランスポートブロックの第j番目(jは1以上かつNTX SLD以下)の送信は、ディスカバリ・リソースプール内のLPSDCH個のサブフレームl0、l1、・・・、lL_PSDCH-1のうち、
Figure 0006747441
において発生し、当該サブフレームの連続する2つのリソースブロック
Figure 0006747441
を使用する。
ここで、
Figure 0006747441
である。
すなわち、リソース値nPSDCHと無線リソースとのマッピングの当該第1の例では、aj-1の値が偶数であるときは、aj-1の値に応じた値aj-1/2と固定シフト値Nfの和としてajが決定される。なお、aj-1は、第(j-1)回目のPSDCH送信用のリソースブロック・セット(i.e., 連続する2つのリソースブロック)の周波数ドメイン位置を表す。同様に、ajは、第j回目のPSDCH送信用のリソースブロック・セット(i.e., 連続する2つのリソースブロック)の周波数ドメイン位置を表す。これに対して、aj-1の値が奇数であるときは、aj-1の値に応じた値 (aj-1-1)/2によってajが決定される。
当該第1の例に従うリソースブロック・セット選択の一例を図7に示す。図7は、図3と同様に、ディスカバリ・リソースプールに含まれるサブフレーム数(LPSDCH)が16であり(LPSDCH = 16)、リソースブロック(PRB)数(MRB PSDCH_RP)が16であり(MRB PSDCH_RP = 16)、1ディスカバリ期間でのPSDCH送信回数(NSLD TX)が4であるとき(NSLD TX =4)の、Sidelink discovery Type 1に基づく無線リソース割り当ての例を示している。なお、図7は、リソースプール内の16サブフレームのうち最初の4サブフレームについてのみ示している。図7に示された各マス目(セル)に記入されている数値は、UE1が選択することが可能なリソース値nPSDCHの値である。
例えばnPSDCH = 0とnPSDCH = 4に着目すると、第1番目のサブフレームl0 PSDCHでの送信では最も隣接する2つのリソースブロック・セットが使用されるが、第2及び第3番目のサブフレームl1 PSDCH及びl2 PSDCHでの送信では離間した2つのリソースブロック・セットが使用される。したがって、nPSDCH = 0を選択したUE1とnPSDCH = 4を選択した他のUE1が近接している場合に、4回のPSDCH送信の全てにおいて大きなIn-band干渉が発生することを回避できる。
さらに、図7から理解されるように、第1の例では、UE1による第j回目(1 < j)のPSDCH送信で使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))が奇数であった場合に第1のリソースブロック・セットが第1のPRBクラスターに含まれるように決定される。これに対して、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))が偶数であった場合に第1のリソースブロック・セットが第2のPRBクラスターに含まれるように決定される。
例えば、リソース値nPSDCH=0を選択したUE1は、第1回目の送信において通し番号a1=0に対応する第1PRBクラスター内のリソースブロック・セットを使用し、a1が偶数”0”であるから第2回目の送信は第2PRBクラスター内のリソースブロック・セットを使用する。これに対して、リソース値nPSDCH=4を選択したUE1は、第1回目の送信において通し番号a1=1に対応する第1PRBクラスター内のリソースブロック・セットを使用し、a1が奇数”1”であるから第2回目の送信も第1PRBクラスター内のリソースブロック・セットを使用する。
すなわち、図7に示された第1の例によれば、第1回目のPSDCH送信をあるPRBクラスター内の隣接する2つのリソースブロック・セットを使用して行う2つのUE1は、第2回目のPSDCH送信を互いに異なるPRBクラスター内のリソースブロック・セットを用いて行うことができる。ここで、図1及び図2を用いて説明したように、第1及び第2のPRBクラスターの各々は周波数ドメインにおいて連続するリソースブロックから構成されるが、第1のPRBクラスターと第2のPRBクラスターの間は周波数ドメインにおいて不連続であることに留意するべきである。したがって、図7に示された第1の例によれば、同じ複数のサブフレームを使用する2つのUE1の複数回のPSDCH送信の全てにおいて大きなIn-band干渉が発生することを確実に回避できる。
次に、リソース値nPSDCHと無線リソースとのマッピングの第2の例を説明する。当該第2の例は、上述した第1の例と逆関係を持つ。すなわち、第2の例では、第j回目の送信で使用されるリソースブロック・セットを決めるためのajは、以下のように定義される:
Figure 0006747441
リソース値nPSDCHと無線リソースとのマッピングの当該第2の例では、aj-1の値が奇数であるときは、aj-1の値に応じた値(aj-1-1)/2と固定シフト値Nfの和としてajが決定される。なお、aj-1は、第(j-1)回目のPSDCH送信用のリソースブロック・セット(i.e., 連続する2つのリソースブロック)の周波数ドメイン位置を表す。同様に、ajは、第j回目のPSDCH送信用のリソースブロック・セット(i.e., 連続する2つのリソースブロック)の周波数ドメイン位置を表す。これに対して、aj-1の値が偶数であるときは、aj-1の値に応じた値aj-1/2によってajが決定される。
当該第2の例に従うリソースブロック・セット選択の一例を図8に示す。図8は、図3と同様に、ディスカバリ・リソースプールに含まれるサブフレーム数(LPSDCH)が16であり(LPSDCH = 16)、リソースブロック(PRB)数(MRB PSDCH_RP)が16であり(MRB PSDCH_RP = 16)、1ディスカバリ期間でのPSDCH送信回数(NSLD TX)が4であるとき(NSLD TX =4)の、Sidelink discovery Type 1に基づく無線リソース割り当ての例を示している。なお、図8は、図7と同様に、リソースプール内の16サブフレームのうち最初の4サブフレームについてのみ示している。図8に示された各マス目(セル)に記入されている数値は、UE1が選択することが可能なリソース値nPSDCHの値である。
図8から理解されるように、第2の例では、UE1による第j回目(1 < j)のPSDCH送信で使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目のPSDCH送信で使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))が偶数であった場合に第1のリソースブロック・セットが第1のPRBクラスターに含まれるように決定される。これに対して、第2のリソースブロック・セットの周波数ドメイン位置を表す通し番号(i.e., 0, 1, ..., (MRB PSDCH_RP/2 - 1))が奇数であった場合に第1のリソースブロック・セットが第2のPRBクラスターに含まれるように決定される。
当該第2の例によれば、上述した第1の例と同様の効果を得ることができる。
リソース値nPSDCHと無線リソースとのマッピングに関する上述の第1及び第2の例は、適宜変形されてもよい。例えば、上述の第1及び第2の例において、第j回目の送信と第(j-1)回目の送信の周波数ドメイン・シフトの値は、PRBクラスター内又はPRBクラスター間での周波数ドメイン位置の置換、インターリーブ、又は巡回シフトを行うことにより決定されてもよい。これらの追加操作は、例えば、あるリソース値nPSDCHに基づく複数回のPSDCH送信がディスカバリ・リソースプール内の広い周波数範囲に分布する複数のリソースブロック・セットを用いて行われることを可能にし、周波数ダイバーシチ効果を高めることに寄与できる。
最後に、上述の実施形態に係るUE1の構成例について説明する。図9は、UE1の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ901は、eNB2と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ901により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ901は、アンテナ902及びベースバンドプロセッサ903と結合される。すなわち、RFトランシーバ901は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ903から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ902に供給する。また、RFトランシーバ901は、アンテナ902によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ903に供給する。
ベースバンドプロセッサ903は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ903によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ903によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
ベースバンドプロセッサ903は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ904と共通化されてもよい。
アプリケーションプロセッサ904は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ904は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ904は、メモリ906又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、UE1の各種機能を実現する。
いくつかの実装において、図9に破線(905)で示されているように、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス905として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
メモリ906は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ906は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903、アプリケーションプロセッサ904、及びSoC905からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903内、アプリケーションプロセッサ904内、又はSoC905内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ906は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
メモリ906は、上述の複数の実施形態で説明されたUE1による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ903又はアプリケーションプロセッサ904は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ906から読み出して実行することで、上述の実施形態でシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたUE1の処理を行うよう構成されてもよい。
図9を用いて説明したように、上述の実施形態に係るUE1が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、主に、sidelink discovery Type 1(つまり、autonomous resource selection)に関して説明した。しかしながら、これらの実施形態は、sidelink discovery Type 2B(つまり、scheduled resource selection)にも適用されることができる。既に説明したように、sidelink discovery Type 2Bでは、eNB2は、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のために無線リソースを準静的(semi-persistent)にUE1に割り当てる。具体的には、UE1は、eNB2から設定される1又は複数のパラメータの値に従って各ディスカバリ期間での第1回目の送信のためのリソースブロック・セットを選択してもよい。そして、各ディスカバリ期間での第2回目の送信以降のリソースブロック・セットは、上述の実施形態に従って決定されてもよい。
さらに、3GPP Release 12では規定されていないものの、上述の実施形態は、sidelink discovery Type 2Aに対しても適用できる。既に説明したように、sidelink discovery Type 2Aでは、ディスカバリ信号(PSDCH)送信のための無線リソースをeNB2がディスカバリ期間(PSDCH期間)毎に動的にUE1に割り当てる。具体的には、UE1は、eNB2から設定される1又は複数のパラメータの値に従って各ディスカバリ期間での第1回目の送信のためのリソースブロック・セットを選択してもよい。そして、各ディスカバリ期間での第2回目の送信以降のリソースブロック・セットは、上述の実施形態に従って決定されてもよい。
上述の実施形態は、LTE-Advanced 及びその改良に限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステムでのD2D通信に適用されてもよい。
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2015年6月29日に出願された日本出願特願2015−130460を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 UE
2 eNB
901 radio frequency(RF)トランシーバ
903 ベースバンドプロセッサ
904 アプリケーションプロセッサ
906 メモリ

Claims (10)

  1. 無線端末であって、
    少なくとも1つの無線トランシーバと、
    セルラーネットワークとのセルラー通信および他の無線端末とのデバイス・ツー・デバイス通信を前記少なくとも1つの無線トランシーバを使用して行うよう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
    を備え、
    前記少なくとも1つのプロセッサは、ディスカバリ期間内のL個のサブフレーム及びM個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るリソースプールの中から、前記無線端末が自発的に選択したリソース値の第1の値n1または基地局から受信したパラメータの第1の値n1に基づいて、前記ディスカバリ期間内でのNTX回のディスカバリ信号の送信に使用されるNTX個のサブフレームとNTXセットのリソースブロックを選択するよう構成され、
    前記NTXセットのリソースブロックの各セットは、前記NTX個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでの前記ディスカバリ信号の送信に使用され、
    前記NTXセットのリソースブロックに関して、前記ディスカバリ期間内での第j回目(jは2以上の整数)の前記ディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、前記第1の値n1及び前記第2のリソースブロック・セットの前記リソースプール内での周波数ドメイン位置の少なくとも一方に依存する、
    無線端末。
  2. 前記周波数ドメイン・シフトの値は、前記第2のリソースブロック・セットの前記周波数ドメイン位置を表す通し番号の値に依存する、
    請求項1に記載の無線端末。
  3. 前記周波数ドメイン・シフトの値は、前記第2のリソースブロック・セットの前記周波数ドメイン位置を表す通し番号が奇数であるか又は偶数であるかに依存して異なる、
    請求項又はに記載の無線端末。
  4. 前記M個の周波数ドメイン・リソースブロックは、周波数ドメインにおいて不連続な複数のクラスターを含み、
    前記複数のクラスターの各々は周波数ドメインにおいて連続するリソースブロックから構成され、
    前記周波数ドメイン・シフトの値は、
    前記第2のリソースブロック・セットの前記周波数ドメイン位置を表す通し番号が奇数であった場合に前記第1のリソースブロック・セットが前記複数のクラスターのうちの第1のクラスターに含まれるように決定され、
    前記第2のリソースブロック・セットの前記周波数ドメイン位置を表す通し番号が偶数であった場合に前記第1のリソースブロック・セットが前記複数のクラスターのうちの第2のクラスターに含まれるように決定される、
    請求項に記載の無線端末。
  5. 前記M個の周波数ドメイン・リソースブロックは、周波数ドメインにおいて不連続な複数のクラスターを含み、
    前記複数のクラスターの各々は周波数ドメインにおいて連続するリソースブロックから構成され、
    前記周波数ドメイン・シフトの値は、クラスター内又はクラスター間での周波数ドメイン位置の置換、インターリーブ、又は巡回シフトを前記M個の周波数ドメイン・リソースブロックに関して行うことにより決定される、
    請求項のいずれか1項に記載の無線端末。
  6. 前記第1の値n1に基づいて選択される前記NTX個のサブフレームは、前記リソース値又は前記パラメータの第2の値n2に基づいて選択されるNTX個のサブフレームと同一である、
    請求項のいずれか1項に記載の無線端末。
  7. 前記NTXセットのリソースブロックの各セットは、連続する2つのリソースブロックから構成される、
    請求項のいずれか1項に記載の無線端末。
  8. 無線端末における無線通信の方法であって、
    ディスカバリ期間内のL個のサブフレーム及びM個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るリソースプールの中から、前記無線端末が自発的に選択したリソース値の第1の値n1または基地局から受信したパラメータの第1の値n1に基づいて、前記ディスカバリ期間内でのN TX 回のディスカバリ信号の送信に使用されるN TX 個のサブフレームとN TX セットのリソースブロックを選択することを備え、
    前記N TX セットのリソースブロックの各セットは、前記N TX 個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでの前記ディスカバリ信号の送信に使用され、
    前記N TX セットのリソースブロックに関して、前記ディスカバリ期間内での第j回目(jは2以上の整数)の前記ディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、前記第1の値n1及び前記第2のリソースブロック・セットの前記リソースプール内での周波数ドメイン位置の少なくとも一方に依存する、
    方法。
  9. 前記周波数ドメイン・シフトの値は、前記第2のリソースブロック・セットの前記周波数ドメイン位置を表す通し番号の値に依存する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 無線端末における無線通信の方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    前記方法は、ディスカバリ期間内のL個のサブフレーム及びM個の周波数ドメイン・リソースブロックから成るリソースプールの中から、前記無線端末が自発的に選択したリソース値の第1の値n1または基地局から受信したパラメータの第1の値n1に基づいて、前記ディスカバリ期間内でのNTX回のディスカバリ信号の送信に使用されるNTX個のサブフレームとNTXセットのリソースブロックを選択することを備え、
    前記NTXセットのリソースブロックの各セットは、前記NTX個のサブフレームのうちのそれぞれ1つでの前記ディスカバリ信号の送信に使用され、
    前記NTXセットのリソースブロックに関して、前記ディスカバリ期間内での第j回目(jは2以上の整数)の前記ディスカバリ信号の送信に使用される第1のリソースブロック・セットの第(j-1)回目の送信に使用される第2のリソースブロック・セットからの周波数ドメイン・シフトの値は、前記第1の値n1及び前記第2のリソースブロック・セットの前記リソースプール内での周波数ドメイン位置の少なくとも一方に依存する、
    プログラム
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