JP6746794B2 - 重水素化3−(4,5−置換アミノピリミジン)フェニル誘導体及びその使用 - Google Patents

重水素化3−(4,5−置換アミノピリミジン)フェニル誘導体及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、抗腫瘍薬技術分野に属し、具体的には、重水素化3−(4,5−置換アミノピリミジン)フェニル誘導体及び抗腫瘍薬の調製におけるその使用に関する。
従来の癌治療において、化学療法は主な治療手段である。化学療法薬は、細胞の分裂を非特異的に遮断して細胞を死滅させるものであり、腫瘍細胞を死滅させると同時に、人体の正常細胞の成長も大きく破壊し、たくさんの不良反応をもたらす。多くの人は、化学療法の重大な副作用を懸念し、悲観的に考えてしまい治療を諦め、それに化学療法薬の薬物耐性が加わり、非小細胞肺癌(NSCLC)の化学療法の効果は楽観的ではない。しかし、ただし化学療法の周期を延長することでは、副作用が増えるだけで、治療効果は上がらない。また、非小細胞肺癌の癌細胞は、化学療法、一般化学療法に敏感ではなく、総緩和率も25%程度にとどまり、これらの原因により、非小細胞肺癌患者の5年の生存率は20%未満である。
50%〜80%のNSCLC患者にとって、彼らの上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor,EGFR)は、いずれも過剰に発現するため、発癌を引き起こす。標的EGFR薬物は、主に、受容体の細胞内領域に働く小分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と、受容体の外領域に働くモノクローナル抗体(MAb)と2種類がある。すでにイレッサ、エルロチニブ、ラパチニブなどのような第1世代のEGFR阻害剤を臨床に応用することで、NSCLC肺癌の治療において大きな成功が収められ、非小細胞肺癌患者の5年の生存率が向上した。また、これらは化学療法に比べ、骨髄抑制、吐気及び神経毒性などの副作用が生じないという利点がある。しかし、これらは単独治療時に薬効が低く、且つ非常に目立った発疹や下痢などの副作用があり、さらに一年後、患者は薬剤に対し薬物耐性が生じる。研究によればEGFR遺伝子T790M変異は、この類の薬物の耐性の要因であり、臨床事例データによると、約50%の患者に薬物耐性が生じる原因はT790M変異にある。さらなる研究によれば、EGFR遺伝子T790M変異により、コーディングされたスレオニンがメチオニンに変換されるため、空間障害が生じ阻害剤とATPとの結合領域での結合を阻害し、その結果、阻害剤の活性を喪失させる。現在、また他の研究によれば、T790M変異が阻害剤とEGFRとの親和性を直接影響することではなく、変異によりEGFRとATPとの親和性が大幅に高まるため、それによって阻害剤とEGFRとの親和性が大幅に低下する(阻害剤とATPとは競合的な結合である)。アファチニブ、Dacomitinibなどのような第二世代の阻害剤は、EGFRへの認識性が高いため、腫瘍細胞と正常細胞とを判別することができ、したがって副作用が軽減するという特徴が第一世代に比べての利点である。しかし、これらの分子は、EGFRのT790M変異体への選択性が低く、薬物臨床耐量が低く、その最大耐量(MTD)において、薬物が体内でその有効濃度に到達できないため、薬物耐性を持つ多くの患者には効き目がない。
つまり、現在のEGFR−TKIは、薬物耐性による臨床ニーズを解決できず、また、従来の薬物は、キナゾリン又はキノリンアミン類を基本母核としたEGFR可逆的又は不可逆的阻害剤であり、野生型細胞への選択性が低いことによる副作用も避けられない。したがって、臨床的には新型、特に新規骨格の化合物により薬物耐性、低選択性などの問題を解消する必要がある。
本発明の目的は、重水素化3−(4,5−置換アミノピリミジン)フェニル誘導体を提供することにある。
本発明の目的は以下の手段により達成される。
本発明の重水素化3−(4,5−置換アミノピリミジン)フェニル誘導体は、式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩であり、
Figure 0006746794

ここで、R1、は−CH又は−CDからなり、R及びRは−CH、CD又はHからなり、且つR1、2、及びRのうち、少なくとも1つは−CDである。
さらに、前記の式(I)の構造を有する化合物において、Rは−CHであることが好ましい。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩において、一部の具体的な化合物は以下のいずれかである。
Figure 0006746794
一般式(I)を有する化合物の調製経路は以下に示す通りである。
Figure 0006746794
上記調製経路の具体的なステップは以下の通りである。
ステップ1、化合物IIと2,4−ジクロロピリミジンとを溶媒に溶かし、ルイス酸の存在下で、求核置換反応によりIIIを取得する。ここで溶媒はエチレングリコールジメチルエーテル(DME)、トルエン、クロロベンゼン又はそれらの混合物であり、ルイス酸は三塩化アルミニウム又は三フッ化ホウ素である。
ステップ2、中間体IIIと4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリンとを溶媒に溶かし、p−トルエンスルホン酸の作用の下でIVを取得する。ここで、溶媒は1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はそれらの混合物である。
ステップ3、中間体IVと有機アミンとを溶媒に溶かし、DIPEAの作用の下で反応し中間体Vが得られる。ここで、溶媒はアジピン酸ジメチル(DMA)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はそれらの混合物である。
ステップ4、中間体Vを溶媒に溶かし、Pd/Cを還元剤として中間体Vを中間体VIに還元する。ここで、溶媒はメタノール又はエタノールである。
ステップ5、テトラヒドロフラン/水を溶媒とし、中間体VIとクロロプロピオニルクロリドとを反応させて中間化合物を取得し、分離せず、そのまま水酸化ナトリウムを加え反応させて式(I)の構造を有する化合物を取得する。
本発明における化合物が形成可能な塩も本発明の範囲に属する。なお、本発明における化合物は、他の説明がなければ、その塩類を含むものとして理解される。例えば、一般式(I)の化合物を一定量、例えば当量の酸又はアルカリと反応させ、媒体から塩析したもの、若しくは水溶液中で凍結乾燥して取得されたものを含む。本発明における化合物に含有される塩基性セグメントは、アミンやピリジンやイミダゾール環を含み、ただしそれに限定せず、有機や無機酸と塩を形成する可能性がある。形成可能な代表的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンファー塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグリコール酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート塩、グリセリンリン酸塩、エナント酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、水素臭素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホナート塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩を含む。
本発明における化合物は、連続調製、分離精製により取得された該化合物の重量含有率が90%以上、例えば95%以上、99%以上(「非常に純粋な」化合物)であり、本文において記述する。ここで、このような「非常に純粋」な本発明の化合物も本発明の一部とされる。
本発明は、腫瘍を予防するための薬物の調製における、前記一般式(I)を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の応用をさらに開示する。
前記腫瘍は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌、鼻咽頭癌を含むが、それに限定しない。
本発明の一態様において、EGFRにより誘導される、又は活性化変異体若しくは耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される疾患、障害、乱れ又は病態を治療又は予防するために用いられる式(I)の化合物を提供する。
EGFRにより誘導される、又は活性化変異体若しくは耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される疾患、障害、乱れ又は病態は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌又は鼻咽頭癌を含むが、それに限定しない。
前記活性化変異体又は耐性変異体の形態のEGFRは、L858R活性化変異体、Exon19欠失活性化変異体及びT790M耐性変異体を含むが、それに限定しない。
本発明の一般式(I)の化合物は、既存の治療又は類似病状を改善する他の薬物と併用してもよい。併用して投薬する際には、既存の薬物の投与形態及び投与量を維持したまま、同時若しくはその後に式(I)の化合物を服用する。式(I)の化合物を他の1種類又は数種類の薬物と一緒に服用する場合には、1種類又は数種類の既存の薬物と式(I)の化合物とが含まれた薬用組成物を用いることが好ましい。薬物の併用は、重なる時間帯に式(I)の化合物と他の1種類又は数種類の既存の薬物とを服用することも含む。式(I)の化合物を他の1種類又は数種類の薬物と薬物併用を行う場合、式(I)の化合物や既存の薬物の投与量はこれらを単独で投与する場合よりも投与量が少ない可能性がある。式(I)の化合物と薬物併用が可能な薬物又は活性成分は、以下のものを含むが、それに限定しない。
エストロゲン受容体調整剤、アンドロゲン受容体調整剤、網膜受容体調整剤、細胞毒素/細胞阻害剤、抗増殖剤、プロテイントランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管生成阻害剤、細胞増殖及び生存信号阻害剤、細胞周期のチェックポイントを干渉する薬物及び細胞アポニン誘導剤、細胞毒系薬物、チロシン蛋白質阻害剤、EGFR阻害剤、VEGFR阻害剤、セリン/スレオニンプロテイン阻害剤、Bcr−Abl阻害剤、c−Kit阻害剤、Met阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、MMP阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、CDK阻害剤、Bcl−2ファミリー蛋白質阻害剤、MDM2ファミリー蛋白質阻害剤、IAPファミリー蛋白質阻害剤、STATファミリー蛋白質阻害剤、PI3K阻害剤、ATK阻害剤、インテグリン遮断剤、インターフェロン、インターロイキン12、COX−2阻害剤、P53、P53アクチベーター、VEGF抗体及びEGF抗体など。
1つの実施の形態において、式(I)の化合物と薬物併用が可能な薬物又は活性成分は、以下のものを含むが、それに限定しない。アルデスロイキン、アレンドロン酸、インターフェロン、アリトレチノイン、アロプリノール、ナトリウムアロプリノール、パロノセトロン塩酸塩、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、ドラセトロン、aranesp、arglabin、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGワクチン又はtice BCGワクチン、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム阻害剤、ベキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロモウリジン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、アレムツズマブ注射剤、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、cefesone、セルモロイキン、ダウノルビシン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、アクチノマイシンD、ダウノルビシンリポソーム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、吉草酸エストラジオール、デニロイキン・ディフティトックス2、デポ・メドロール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、ホルミウム−166−キトサン複合体、eligrand、ラスブリカーゼ、エピルビシン塩酸塩、アプレピタント、エピルビシン、エポエチン−アルフア、エリスロポエチン、エプタプラチン、レバミゾール、エストラジオール阻害剤、17−β−エストラジオール、エストラムスチンリン酸エステルナトリウム、エチニルエストラジオール、アミホスチン、リン酸ヒドロキシ、エトポホス、エトポシド、ファドロゾール、タモキシフェン製剤、フィルグラスチム、フィナステリド、フロクスウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、5−フルオロ−デオキシウリジン一リン酸、5−フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォルメスタン、1−ピリミジン、リボフラノース シチジン−5 フラン ステアリン酸、フォテムスチン、フルベストラント、γ−グロブリン、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、メシル酸イマチニブ、カルムスチン ライスペーパーカプセル、ゴセレリン、グラニセトロン塩酸塩、トポテカン塩酸塩、ヒドロコルチゾン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イブリツモマブ チウキセタン、イホスファミド、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、カイトリル、レンチナン硫酸、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、酢酸リュープロリド、レバミソール、レボホリナートカルシウム塩、レボチロキシンナトリウム、レボチロキシンナトリウム製剤、ロムスチン、ロニダミン、ドロナビノール、ナイトロジェンマスタード、メコバラミン、メドロキシプロゲステロンアセタート、酢酸メゲストロール、メルファラン、エステル化エストロゲン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、アミノレブリン酸メチル、ミルテホシン、ミノサイクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、トリロスタン、クエン酸ドキソルビシンリポソーム、ネダプラチン、ペグフィルグラスチム、オプレルベキン、neupogen、ニルタミド、タモキシフェン、NSC−631570、組換えヒトインターロイキン1−群、オクトレオチド、オンダンセトロン塩酸、プレドニゾロン内用液剤、オキサリプラチン、パクリタキセル、リン酸プレドニゾンナトリウム製剤、ペグアスパルガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン(prednisolone steaglate)、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、組換えヒトエリスロポエチン、ラルチトレキセド、レビフ、レニウム186 エチドロネート、リッキシマブ、レドックス−A、ロムルチド、塩酸ピロカルピン錠剤、オクトレオチド、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、スパルホシン酸、幹細胞治療、ストレプトゾトシン、塩化ストロンチウム、レボチロキシンナトリウム、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、tastolactone、タキソテール、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロンプロピオン酸エステル、チオグアニン、チオテパ、甲状腺刺激ホルモン、チルドロネート、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、レチノイン酸、メトトレキサート錠剤、トリメチルメラミン、トリメトレキサート、酢酸トリプトレリン、トリプトレリンパモ酸塩、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、virulizin、デクスラゾキサン、ジノスタチンスチマラマー、オンダンセトロン、パクリタキセル蛋白質安定剤、アコルビフェン、affinitak、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、BAY43−9006、アバスチン、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、シプロテロンアセタート、デシタビン、DN−101/ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステリド、エドテカリン、エフロル二チン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン、ヒストレリンハイドロゲルインプラント、ホルミウム−166DOTMP、イバンドロネート、イクサベピロン、キーホールリンペットヘモシアニン、L−651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、libra、lonafamib、ミプロキシフェン、ミノドロネート(minodronate)、MS−209、リポソーム MEP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン、Neovastat、ノラトレキミド、オブリメルセン、onco−TCS、osidem、ポリグルタメート化パクリタキセル、パミドロン酸、PN−401、OS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−cis−レチノイン酸、オキサリプラチン、セオカルシトール、T−138067、tarceva、パクリタキセル ドコサヘキサエン酸、チモシンα、チアゾフリン、tipifarnib、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、トランスMID−lo7R、バルスポダール、バプレオチド、vatalanob、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100及びゾレドロン酸又はこれらの組み合わせ。
本発明は、前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される補助剤又は担体を含む薬物組成物をさらに提供する。ここで、「薬学的に許容される補助剤又は担体」とは、薬学的に許容される材料、成分又は媒体、例えば、液体若しくは固体フィラー、希釈剤、補助剤、溶剤又は封止材料を指し、1つの器官又は身体のある部分から他の器官又は身体のある部分まで携帯若しくは輸送する主な薬学的試薬を含む。各担体は、「許容される」、他の形態の薬物成分を許容可能であり、患者に傷害を与えないものであるべきである。薬学的に許容される担体として、乳糖、グルコース及びショ糖などの糖、小麦澱粉、ジャガイモ澱粉などの澱粉、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、トラガント末、モルト、ゼラチン、タルクなどのセルロース及びその誘導体、カカオ脂及び坐剤用ワックスなどの補助剤、ピーナッツ油、コットン油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び豆油などの油、ブチレングリコールなどのエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、無熱原水、生理食塩水、リンガー液、エタノール、リン酸塩緩衝液、並びに薬物製剤に応用される他の無毒の互換性物質が挙げられる。
本発明の化合物は、薬剤としてヒト及び動物を治療する際に、それ自体又は薬物組成物として投与してもよい。例えば、0.1%〜99.5%(好ましくは0.5%〜90%)の活性成分と薬学的に許容される担体とを含む。
本発明の化合物は、静脈注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下注射、外用、内服、又は他の許容可能な方法により疾患を治療してもよい。
本発明は、本発明のうちの1つまたは複数の成分からなる薬物組み合わせを含有する1つ又は複数の包装を含む薬品包装若しくはキットをさらに提供する。好ましくは、このような包装を政府機関により公開の形で標準的に生産し、生産法に許容された公開方法で薬品又は生物製品を使用若しくは販売し、ヒトへの治療製剤を使用若しくは販売する。
従来技術に比べ、本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明の重水素化化合物は、AZD9291に近い酵素及び細胞レベルの生物活性を有し、より低い心臓毒性を有する。本発明の重水素化化合物は新型の抗腫瘍薬のためにより多くの選択肢を提供し、薬品の使用にとって良好な見通しを有する。
以下の代表的な例は本発明を説明するためのものであり、意図的に本発明を限定するものではなく、本発明を限定すると解釈すべきでもない。事実上、ここに記述されたものの他、ここで引用された技術文献や特許の例、及びこれらに基づく各種修正やさらなる多くの変更を始め、本発明の書類中のすべての内容は、当業者にとって明確である。さらに分かるべきことは、これらの参照文献の引用は、本明細書の内容を記述するのに役に立つ。
実施例1
Figure 0006746794
合成経路は以下の通りである。
Figure 0006746794
化合物1
Figure 0006746794
250mLの一口フラスコにN−メチルエタノールアミン(10g、133.1mmol)、TEA(26.9g、266.3mmol)、アセトニトリル(100mL)をそれぞれ加え、そして塩化ベンジル(23.9g、139.8mmmol)を0℃で反応液に徐々に滴下し、且つ室温で1h撹拌し続け、TLCで原料の残留が無いことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が95.5%の無色液体の化合物1を21g取得する。
化合物2
Figure 0006746794
250mLのナス型フラスコに化合物1(21g、127.1mmol)、TEA(25.7g、254.2mmol)及びDCM(100ml)を加え、そして0℃でMsCl(14.6g、127.1mmol)を滴下する。反応液を室温で3h撹拌し、TLCで原料の残留がないこと(既にないこと)をモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が85.6%の薄い黄色の液体の化合物2を20g取得する。
化合物3
Figure 0006746794
500mLのシールドチューブに化合物2(20g、108.9mmol)、アンモニア水215mLを加え、混合液を40℃で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、カラムクロマトグラフィー精製により収率が84%の無色液体の化合物3を15g取得する。
化合物4
Figure 0006746794
500mLのナス型フラスコに化合物3(15g、91.3mmol)、DCM(200mL)を加え、室温でBocO(19.9g、91.3mmol)を徐々に滴下し、滴下終了後、混合液を室温で3h撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が87%の白色固体の化合物4を21g取得する。
化合物5
Figure 0006746794
100mLのナス型フラスコに化合物4(10g、37.8mmol)、DMF(40mL)を加え、そして複数回に分けてNaH(2.3g、56.7mmol)を加え、30mins撹拌し、TsOCD(7.9g、41.6mmol)のDMF(10mL)溶液を加え、そして室温で3h撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、150mLのHOを加えてクエンチングし、EA(50mL*3)で抽出し、有機相を合併し、brineで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が80%の白色固体の化合物5を8.5g取得する。
化合物6
Figure 0006746794
250mLのナス型フラスコに化合物5(8.5g、30.18mmol)、THF(80ml)を加え、氷浴下で複数回に分けてLiAlH(3.4g、90.59mmol)を加え、そして60℃まで加熱して一晩寝かせ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、NaSO・10HOを徐々に加えてクエンチングし、濾過して固体を除去し、濾液を収集し、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が76.3%の無色液体の化合物6を4.5g取得する。
化合物7
Figure 0006746794
100mLのナス型フラスコに化合物6(4.5g、23mmol)、MeOH(50mL)、Pd(OH)/C(200mg)をそれぞれ加え、真空抽出により水素を3回吸引し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、Pd(OH)/Cを濾過除去し、そして反応液pH値を酸性に調節し、減圧蒸留により溶媒を除去して収率が85.9%の白色固体の化合物7を2.8g取得する。
化合物8
Figure 0006746794
250mLのナス型フラスコに2,4−ジクロロピリミジン(11.37g、76.33mmol)、三塩化アルミニウム(10.18g、76.33mmol)及び100mLのエチレングリコールジメチルエーテル(DME)をそれぞれ加え、室温で20min撹拌し、そして複数回に分けて化合物II(10.00g、63.61mmol)を加え、80度まで上げて6h反応させる。反応を停止させて室温まで冷却し、100mLの水を加え、2h撹拌し、濾過し、固体をエタノールで洗浄し、真空乾燥により収率が90.1%の赤色粗品の化合物IIIを15.46g取得する。
500mLのナス型フラスコに300mLの1,4−ジオキサンを加え、化合物III(20.00g、82.07mmol)、化合物4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロアニリン(16.80g、90.28mmol)及びp−トルエンスルホン酸(17.17g、90.28mmol)をそれぞれ加える。85度まで上げて8h反応させ、室温まで冷却し、水を加えて攪拌し、pH=9になるまで40%の水酸化ナトリウムを滴下して濾過し、固体をエタノールで洗浄し、真空乾燥により収率が92.9%の黄色固体の化合物8を30.00g取得する。
化合物9
Figure 0006746794
120mLのシールドチューブに化合物8(2g、4.77mmol)、化合物7(810mg、5.72mmol)、DIPEA(1.23g、9.54mmol)、DMA(10mL)を加え、そしてシールドチューブを140℃で6h反応させ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、反応液を室温まで冷却し、20mLの水を加え、固体を析出し、濾過し、そして濾過ケーク(cakes)が加えられた2mLのメタノールを加えて叩解して洗浄し、濾過し、乾燥により収率が70.6%の赤色固体の化合物9を1.7g取得する。
化合物10
Figure 0006746794
250mLの一口フラスコに化合物9(1.7g、3.37mmol)、Pd/C(200mg)、MeOH(100mL)を加え、真空抽出により水素を3回吸引し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、濾過してPd/Cを除去し、減圧蒸留により溶媒を除去して黄緑色の固体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH:NHO=20:1:0.1)で溶出し、収率が75%の黄緑色固体の化合物10を1.2g取得する。
化合物11
Figure 0006746794
20mLの一口フラスコに化合物10(500mg、1.05mmol)、DCM(30mL)を加え、そして3-クロロプロピオニルクロリド(133.7mg、1.05mmol)を、0℃で反応液に徐々に滴下し、室温で30min撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、そしてNaOH(168mg、4.2mmol)を加え、65℃まで上げて一晩撹拌し、HPLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH=10:1)で溶出して、収率が50.4%の薄い黄色固体の化合物11を280mg取得する。
H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.19 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.39 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.26 - 7.14 (m, 2H), 7.00 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.49 (dd, J = 16.9, 2.2 Hz, 1H), 6.39 (dd, J = 16.9, 9.8 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 9.8, 2.2 Hz, 1H), 4.49 - 4.32 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.05 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.95 - 2.87 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.39 - 2.23 (m, 7H), 1.82 (s, 3H). LC−MS [M+H]528.7
実施例2
Figure 0006746794
合成経路は以下の通りである。
Figure 0006746794
化合物12
Figure 0006746794
120mLのシールドチューブに化合物8(500mg、1.19mmol)、N−メチルエタノールアミン(107.26mg、1.42mmol)、DIPEA(307.59mg、2.38mmol)、DMA(5mL)を加える。そしてチューブを封し140℃で6h反応させ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、反応液を室温まで冷却し、20mLの水を加え、固体を析出し、濾過し、そして濾過ケークが加えられた2mLのメタノールを加えて叩解して洗浄し、濾過し、乾燥により収率が85%の赤茶色固体の化合物12を480mg取得する。
化合物13
Figure 0006746794
20mLのナス型フラスコに化合物12(450mg、1.05mmol)、TEA(159.39mg、1.57mmol)及びDCM(5ml)を加える。0℃でMsCl(120.28mg、1.05mmol)を徐々に滴下し、滴下終了後、当該温度で攪拌し、1h後にTLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が55.15%の赤色固体の化合物13を320mg取得する。
化合物14
Figure 0006746794
5mLのシールドチューブに化合物13(220mg、0.40mmol)、重水素化ジメチルアミン(175.16mmg、2mmol)、DIPEA(103.39mg、0.8mmol)、THF(2mL)を加える。80℃で一晩攪拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去して赤色固体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH:NHO=40:1:0.1)で溶出し、収率が44.32%の赤色固体の化合物14を90mg取得する。
化合物15
Figure 0006746794
250mLの一口フラスコに化合物14(90mg、0.18mmol)、Pd/C(30mg)、MeOH(10mL)を加え、真空抽出により水素を3回吸引し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、濾過によりPd/Cを除去し、減圧蒸留により溶媒を除去して黄緑色の固体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH:NHO=20:1:0.1)で溶出し、収率が46.53%の黄緑色の固体の化合物15を40mg取得する。
化合物16
Figure 0006746794
10mLの一口フラスコに化合物15(40mg、0.08mmol)、DCM(4mL)を加え、そして3-クロロプロピオニルクロリド(10.63mg、0.08mmol)を0℃で反応液に徐々に滴下し、室温で30min撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、そしてNaOH(16mg、0.4mmol)を加え、65℃まで上げて一晩攪拌し、HPLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH:NHO=40:1:0.1)で溶出して、収率が89.34%の薄い黄色固体の化合物16を38mg取得する。
H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.12 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.39 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.19 (dd, J = 17.1, 6.5 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.46 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.73 (dd, J = 8.6, 3.1 Hz, 1H), 4.51 - 4.28 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.05 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.98 - 2.87 (m, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.31 (dd, J = 16.4, 11.2 Hz, 4H). LC−MS [M+H]531.7
実施例3
Figure 0006746794
合成経路は以下の通りである。
Figure 0006746794
化合物17
Figure 0006746794
2Lの三口フラスコにCDOH(15g、415.8mmol)、THF(600mL)をそれぞれ加える。そしてn−BuLi(174.6mL、436.6mmol)を−40℃で徐々に滴下する。1h撹拌後、TsCl(79.3g、415.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、滴下終了後、3h撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングする。600mLのHOを加えてクエンチングし、EA(200mL*3)抽出し、brineで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、有機相を混合し、減圧蒸留により溶媒を除去して粗化合物を取得し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が92.7%の白色固体の化合物17を73g取得する。
化合物18
Figure 0006746794
250mLのナス型フラスコに化合物17(8g、42.3mmol)、N−ベンジルエタノールアミン(5.3g、35.2mmol)、トリエチルアミン(9.8ml、70.4mmol)、テトラヒドロフラン(100mL)をそれぞれ加える。混合液は還流下で8h反応し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が84.4%の無色増粘液体の化合物18を5g取得する。
化合物19
Figure 0006746794
50mLのナス型フラスコに化合物18(3g、15.87mmol)、トリエチルアミン(3.2g、31.74mmol)、ジクロロメタン(20mL)をそれぞれ加え、そして0℃でメタンスルホニルクロリドメタンスルホニルクロリド(2.18g、19.05mmol)を徐々に滴下し、反応液を室温で3h撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去して薄い黄色の増粘液体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が71.6%の薄い黄色液体の化合物19を2.8g取得する。
化合物20
Figure 0006746794
10mLのシールドチューブに化合物19(2.8g、11.37mmol)、ジメチルアミン溶液(1.5mL)、THF(3mL)をそれぞれ加える。混合液は80℃で5h撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングする。5mLの水を加えて希釈し、酢酸エチル(5mL*3)を加え、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧蒸留により溶媒を除去し、中圧精製により収率が75%の無色液体の化合物20を2g取得する。
化合物21
Figure 0006746794
100mLのナス型フラスコに化合物20(2g、10.2mmol)、10%パラジウム炭素(500mg)、メタノール(30mL)をそれぞれ加え、35℃の水素下で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、固体を濾過し、pHが酸性になるように濾液にHCl(in EA)を加え、減圧蒸留により溶媒を除去して収率が62.3%の白色固体の化合物21を900mg取得する。
化合物22
Figure 0006746794
120mLのシールドチューブに化合物8(965mg、2.3mmol)、化合物21(467mg、2.76mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.18g、9.2mmol)、DMA(5mL)を加える。そしてチューブを封し140℃で6h反応させ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、反応液を室温まで冷却し、20mLの水を加え、固体を析出し、濾過し、そして濾過ケークが加えられた2mLのメタノールで叩解して洗浄し、濾過、乾燥により、収率が77.5%の赤色固体の化合物22を900mg取得する。
化合物23
Figure 0006746794
250mLの一口フラスコに化合物22(900mg、1.78mmol)、Pd/C(300mg)、MeOH(100mL)を加え、真空抽出により水素を3回吸引し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、Pd/Cを濾過して除去し、減圧蒸留により溶媒を除去して黄緑色の固体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH:NHO=20:1:0.1)で溶出し、収率が71%の黄緑色固体の化合物23を600mg取得する。
化合物24
Figure 0006746794
20mLの一口フラスコに化合物23(300mg、0.63mmol)、THF(6mL)及びHO(1mL)を加え、そして3-クロロプロピオニルクロリド(80.36mg、0.63mmol)を0℃で反応液に徐々に滴下し、室温で30min撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、そしてNaOH(100.8mg、2.52mmol)を加え、65℃まで上げて一晩攪拌し、HPLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(DCM:MeOH=10:1)で溶出し、収率が51%の薄い黄色固体の化合物24を170mg取得する。
H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.07 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.39 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.25 - 7.14 (m, 2H), 7.00 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.57 - 6.38 (m, 2H), 5.74 (dd, J = 8.2, 3.8 Hz, 1H), 4.49 - 4.30 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.05 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.98 - 2.89 (m, 2H), 2.42 - 2.21 (m, 13H).LC−MS [M+H] 528.7
実施例4
Figure 0006746794
合成経路は以下の通りである。
Figure 0006746794
化合物25
Figure 0006746794
1Lの一口フラスコにN−メチルエタノールアミン(40.0g、0.532mol)、トリエチルアミン(80.8g、0.8mol)、ジクロロメタン(500mL)をそれぞれ加え、そして塩化ベンジル(67.4g、0.5mol)を0℃で反応液に徐々に滴下し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、200mLの水を加えて分液を抽出し、100mLのジクロロメタンで水相を抽出する。有機相飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が83.1%の無色液体の生成物25を73g取得する。
化合物26
Figure 0006746794
1Lの一口フラスコに化合物25(71.0g、0.4mol)、ジクロロメタン(400mL)をそれぞれ加え、水浴下で塩化スルホキシド(76.7g、0.6mol)を徐々に滴下し、室温で12h反応させ、TLCで反応液に原料の残留がないことをモニタリングする。減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が76.1%の薄い黄色液体の生成物26を60.0g取得する。
化合物27
Figure 0006746794
2Lの一口フラスコに26(60.0g、0.3mol)、アンモニア水(1L)をそれぞれ加え、混合液を40℃で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングする。減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が74.7%の無色液体の生成物27を40.0g取得する。
化合物28
Figure 0006746794
1Lのナス型フラスコに化合物27(40.0g、0.3mol)、ジクロロメタン(250mL)を加え、室温でBocO(55.2g、0.3mol)を徐々に滴下し、滴下終了後、混合液を室温で3h撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が86.7%の無色液体の生成物28を58.0g取得する。
化合物29
Figure 0006746794
500mLのナス型フラスコに化合物28(26.0g、98.3mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)を加え、氷浴下で複数回に分けてNaH(5.9g、147.5mmol)を加え、30min撹拌し、TsOCD(27.9g、147.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を加え、そして室温で3h撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、300mLの水でクエンチングし、酢酸エチル(100mL*3)を抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製により収率が75.9%の白色固体の生成物29を21.0g取得する。
化合物30
Figure 0006746794
250mLのナス型フラスコに化合物29(21.0g、74.7mmol)、メタノール(100mL)、Pd/C(4.2g)をそれぞれ加え、真空抽出により水素を3回吸引し、40℃で一晩反応させ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、収率が84.0%の白色固体の生成物30を12.0g取得する。
化合物31
Figure 0006746794
120mLのシールドチューブに化合物8(6.1g、14.5mmol)、化合物30(5g、26.1mmol)、DIPEA(3.8g、29mmol)、DMAc(30mL)を加え、そしてチューブを封し140℃で6h反応させ、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、反応液を室温まで冷却し、60mLの水を加え、固体を析出し、濾過し、そして濾過ケークが加えられた20mLのメタノールで叩解して洗浄し、濾過、乾燥により収率が81.7%の赤色固体の生成物31を7.0g取得する。
化合物32
Figure 0006746794
250mLの一口フラスコに化合物31(7.0g、12.5mmol)、Pd/C(1.4g)、メタノール(100mL)を加え、真空抽出により水素を3回吸引し、室温で一晩撹拌し、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、Pd/Cを濾過し、減圧蒸留により溶媒を除去して黄緑色の固体を取得し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=20:1:0.1)で溶出し、収率が50.9%の黄緑色固体の生成物32を3.5g取得する。
化合物33
Figure 0006746794
100mLの一口フラスコに、化合物32(1.1g、2.0mmol)、テトラヒドロフラン(30mL)、水(3mL)を加え、0℃で3-クロロプロピオニルクロリド(274mg、2.2mmol)を反応液に徐々に滴下し、室温で1h撹拌し続け、TLCで原料の残留がないことをモニタリングし、NaOH(1.3g、31.4mmol)を加え、65℃まで上げ一晩撹拌し、HPLCで原料の残留がないことをモニタリングし、減圧蒸留により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー精製し、溶離剤(ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=40:1:0.1)で溶出し、収率が66.4%の薄い黄色固体の生成物33を800mg取得する。
化合物34
Figure 0006746794
25mLの一口フラスコに化合物33(320mg、0.5mmol)、ジクロロメタン(3mL)、水(3mL)を加え、室温で0.3mLのメタンスルホン酸を反応液に徐々に滴下し、1h攪拌し続け、減圧蒸留によりジクロロメタンを除去し、そして12.5mLの酢酸エチル及び2.5mLのエタノールを加え、超音波、室温で撹拌晶析し、吸引濾過し、濾過ケークである酢酸エチル(2mL*2)で洗浄し、濾過ケークを乾燥させ、収率が71.8%の黄色固体の生成物34を300mg取得する。
H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.52 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.64 (s, 2H), 8.35 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.45 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 5.7 Hz, 3H), 6.86 (dd, J = 16.9, 10.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.38−4.23 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.29 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.21−3.18 (m, 2H), 2.97−2.92 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.19−2.11 (m, 2H), 2.41 (s, 9H).
実施例5:調製された化合物の生物活性試験
1)このような化合物によるEGFR野生型、EGFR(T790M、L858R)両変異型及びEGFR(L858R)単変異型に対するキナーゼ活性IC50の試験である。上記キナーゼは、英▲ウェイ▼(ウェイはさんずいに維)(HUAI)捷基(上海)貿易有限会社から購入されたものである。
均一性時間分解蛍光法(HTRF)により、EGFR野生型、EGFR(T790M,L858R)両変異型及びEGFR(L858R)単変異型のキナーゼ活性検出方法を確立し、化合物の阻害活性を測定する。1×enzymatic buffer(Cisbio、 HTRF KinEASETM−TK)、5mM MgCl2、1mM MnCl2、 1mM DTT、0.5μM TK substrate−biotin(Cisbio、 HTRF KinEASETM−TK)10μM ATP、勾配濃度の化合物及び0.04ng/μLのEGFR又は0.025ng/μLのEGFR(T790M、L858R)又はEGFR(L858R)を含む反応液を8uL配置する。化合物の反応濃度は1000nMから3倍希釈による9つの濃度である。反応系中のDMSO濃度は2%である。酵素及び化合物を15分間プレインキュベートし、そしてATP及び基質を加えて反応させる。全ての酵素触媒反応は、25℃で60分間行う。酵素触媒反応終了後、反応液に4μLのTK antibody−cryptate及び4μLのstreptavidin−XL665(反応濃度は62.5nM)を加え、25℃で60分間インキュベートし続ける。インキュベート終了後、CLARIOstar(BMG LABTECH)上でHTRF蛍光値を検出し、且つGraphPad Prism 5.0でIC50を算出する。
表1:体外酵素活性試験データ(IC50,nM)
Figure 0006746794

本発明の重水素化化合物は、AZD9291に近い酵素生物活性を有する。
2)EGFR野生型、EGFR Exon19欠失(活性化単変異体)及びEGFR(T790M、L858R)双変異型の細胞リン酸化試験
試験1:EGFR野生型細胞リン酸化試験
野生型EGFRを発現するヒトの皮膚の鱗状の細胞癌の細胞系A431は、中国科学院細胞庫から購入する。A431を10%のウシ胎児血清を含有するEMEM培地内に保持する。細胞を5%のCOを有する加湿インキュベーター内で37℃で成長させる。Phospho−EGFR HTRF kit(Cisbio、品番#64HR1PEG)に記述された案により、細胞溶解液中の内因性p−EGFRを検出する。100μLの細胞を96オリフィス板(50000 細胞/穴)に接種し、37℃で、5%のCOを有する細胞インキュベーターで一晩培養する。連続的に4倍希釈した化合物を細胞に加え、反応最高濃度は10μMである。引き続き2時間培養した後、100ng/穴のEGFを37℃で10分間培養し、そして培養液を取り除き、直ちに25μL/穴のライセートを加え、室温で細胞を10分間分裂させ、そして12μL/穴をGreiner白色低体積384のオリフィス板に加え、検出用抗体(Anti−phospho EGFR−d2及びAnti−EGFR−Tb)を加え、25℃で60分間インキュベートする。インキュベート終了後、CLARIOstar(BMG LABTECH)上でHTRF蛍光値を検出し、GraphPad Prism 5.0でIC50を算出する。
試験2:Exon19欠失EGFR(活性化単変異体)細胞リン酸化試験
ヒト非小細胞肺癌細胞系HCC827(Exon19欠失EGFR、活性化単変異体)は、中国科学院細胞庫から購入する。HCC827を10%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地内に保持する。細胞を5%のCOを有する加湿インキュベーター内で37°Cで成長させる。Phospho−EGFR HTRF kit(Cisbio、品番#64HR1PEG)に記述された案により、細胞溶解液中の内因性p−EGFRを検出する。100μLの細胞を96オリフィス板(50000細胞/穴)に接種し、37℃で、5%のCOを有する細胞インキュベーターで一晩培養する。連続的に4倍希釈した化合物を細胞に加え、反応最高濃度は10μMである。引き続き2時間培養した後、培養液を取り除き、直ちに25μL/穴のライセートを加え、室温で細胞を10分間分裂させ、そして12μL/穴をGreiner白色低体積の384オリフィス板に加え、検出用抗体(Anti−phospho EGFR−d2及びAnti−EGFR−Tb)を加え、25℃で60分間インキュベートする。インキュベート終了後、CLARIOstar(BMG LABTECH)上でHTRF蛍光値を検出し、GraphPad Prism 5.0でIC50を算出する。
試験3:EGFR(T790M,L858R)双変異型細胞リン酸化試験
EGFR(T790M、L858R)双変異型を発現するヒト非小細胞肺癌細胞系NCI−H1975は、中国科学院細胞庫から購入する。NCI−H1975を10%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地内に保持する。細胞を5%のCOを有する加湿インキュベーター内で37℃で成長させる。Phospho−EGFR HTRF kit(Cisbio、品番#64HR1PEG)に記述された案により、細胞溶解液中の内因性p−EGFRを検出する。100μLの細胞を96オリフィス板(50000細胞/穴)に接種し、37℃で、5%のCOを有する細胞インキュベーターで一晩培養する。連続的に4倍希釈した化合物を細胞に加え、反応最高濃度は10μMである。引き続き2時間培養した後、培養液を取り除き、直ちに25μL/穴のライセートを加え、室温で細胞を10分間分裂させ、そして12μL/穴をGreiner白色低体積の384オリフィス板に加え、検出用抗体(Anti−phospho EGFR−d2及びAnti−EGFR−Tb)を加え、25℃で60分間インキュベートする。インキュベート終了後、CLARIOstar(BMG LABTECH)上でHTRF蛍光値を検出し、GraphPad Prism 5.0でIC50を算出する。
表2:細胞レベルEGFR野生及び変異体リン酸化試験(IC50、nM)
Figure 0006746794

本発明の重水素化化合物は、AZD9291に近い細胞レベル生物活性を有する。
調製された化合物のhERGカリウムイオンチャネルに対する試験
hERGチャネル発現を安定させるHEK293細胞を35mmのペトリ皿で培養し、37℃で5%のCOのインキュベーターに少なくとも24時間放置した後、実験に用いる。細胞培地は、10%のウシ胎児血清及び250μg/mLのG418を含有するDMEMである。
全細胞パッチクランプ試験に用いた細胞外液の成分(mM)は、NaCl,137、KCl,4、CaCl2,1.8、MgCl2,1、HEPES,10、glucose10、pH7.4(NaOH滴定)である。全ての試験用化合物及びコントロール用化合物溶液は、いずれも0.3%のDMSOを含有する。細胞内液(mM)は、K Aspartate,130、MgCl2,5,EGTA 5,HEPES,10、Tris−ATP4、pH7.2(KOH滴定)である。
毎回の試験に1つのペトリ皿を取り出し、細胞外液で2回洗浄し、倒立顕微鏡ステージ上に置く。全細胞パッチクランプ試験は室温で行い、用いたホウケイ酸ガラスマイクロ電極チップ抵抗は3〜5MΩである。全細胞のモードを記録した後、膜電位を−80mVにクランプし、脱分極させるために細胞に30s毎に+50mVの電圧刺激を与え、2s持続した後に−50mVに再分極させ、3s続行すれば、hERGテール電流を引き出すことができる。脱分極させるための電圧刺激を行う前に、まず再分極させるための50ms、−50mV電圧を与え、該電圧で記録した電流をhERGテール電流の算出ベースラインとする。化合物を加える前に、hERGテール電流は細胞外液で少なくとも3分間安定的に記録される。灌流投与後、hERGテール電流振幅変化が<5%である場合、薬物作用が安定状態に達したと考えられる。データ収集及び解析は、pCLAMP10.1ソフトウェアプログラムを用いる。化合物を加える前の電流が安定状態にある4〜5個のsweepを選択し、ピーク平均値を算出し、対照電流振幅とする。化合物を加えた後の電流が安定状態にある4〜5個のsweepを選択し、ピーク平均値を算出し、電流が阻害された残存振幅とする。被測定化合物のhERG電流に対する阻害率は、以下の式に従って算出する。
%阻害率={1−(電流残存振幅)/(対照電流振幅)}×100
上記の計算方法により、複数濃度の被測定化合物のhERG電流に対する阻害率(平均値±標準偏差)を算出した後、ロジスティック方程式でデータフィッティングを行い、IC50を算出する。
表3:細胞レベルでhERGカリウムイオンチャネルを阻害する化合物のIC50(μM)
Figure 0006746794

本発明の重水素化化合物は、AZD9291に比べより低い心臓毒性を有する。
[付記]
[付記1]
Figure 0006746794

1、は−CH又は−CDからなり、R及びRは−CH、−CD又は−Hからなり、且つR1、2、及びRのうち、少なくとも1つは−CDである、式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩。
[付記2]
が−CHである、付記1に記載の式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩。
[付記3]
Figure 0006746794

の中から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩。
[付記4]
薬学的に許容される塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンファー塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグリコール酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート塩、グリセリンリン酸塩、エナント酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、水素臭素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホナート塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、またはチオシアン酸塩からなる、ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩。
[付記5]
付記1〜4のいずれか一つに記載の式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される補助剤を含む、薬物組成物。
[付記6]
付記1〜4のいずれか一つに記載の式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の、腫瘍を治療又は予防する薬物の調製における使用。
[付記7]
前記腫瘍は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌又は鼻咽頭癌のいずれかである、ことを特徴とする付記6に記載の使用。
[付記8]
EGFRにより誘導される、又は活性化変異体若しくは耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される疾患、障害、乱れ又は病態の治療又は予防のための薬物の調製における、付記1〜4のいずれか一つに記載の式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
[付記9]
EGFRにより誘導される、又は活性化変異体又は耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される前記疾患、障害、乱れ又は病態は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌又は鼻咽頭癌のいずれかである、ことを特徴とする付記8に記載の使用。
[付記10]
前記活性化変異体又は耐性変異体の形態のEGFRは、L858R活性化変異体、Exon19欠失活性化変異体及びT790M耐性変異体のいずれかである、ことを特徴とする付記8に記載の使用。

Claims (8)

  1. 以下の式
    Figure 0006746794

    の中から選択される構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 薬学的に許容される塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンファー塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグリコール酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート塩、グリセリンリン酸塩、エナント酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、水素臭素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホナート塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、またはチオシアン酸塩からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. 請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される補助剤を含む、薬物組成物。
  4. 請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の、腫瘍を治療又は予防する薬物の調製における使用。
  5. 前記腫瘍は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌又は鼻咽頭癌のいずれかである、ことを特徴とする請求項に記載の使用。
  6. EGFRにより誘導される、又は活性化変異体若しくは耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される疾患、障害、乱れ又は病態の治療又は予防のための薬物の調製における、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  7. EGFRにより誘導される、又は活性化変異体若しくは耐性変異体の形態のEGFRにより誘導される前記疾患、障害、乱れ又は病態は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、乳腺癌、前列腺癌、肝癌、皮膚癌、上皮細胞癌、胃腸間質腫、白血病、組織細胞性リンパ癌又は鼻咽頭癌のいずれかである、ことを特徴とする請求項に記載の使用。
  8. 前記活性化変異体又は耐性変異体の形態のEGFRは、L858R活性化変異体、Exon19欠失活性化変異体及びT790M耐性変異体のいずれかである、ことを特徴とする請求項に記載の使用。
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