JP6745422B1 - 心機能パラメータ算出方法、心機能評価のための方法、算出プログラム、及び診断システム - Google Patents

心機能パラメータ算出方法、心機能評価のための方法、算出プログラム、及び診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】心機能の新たな評価・診断技術を提供する。【解決手段】心臓収縮過程における、左室容積加速度aを、左室容積速度bで除することでa/bの値を求める。【選択図】なし

Description

本発明は心機能の診断技術に関する。
これまで、心エコー図に基づき、左室の拡張末期容積(end−diastolic volume,EDV)と収縮末期容積(end−systolic volume,ESV)との差として与えられる1回拍出量(stroke volume,SV)や、SVをEDVで除した駆出率(ejection fraction,EF)は、左心機能を最もよく表すパラメータとして臨床上利用されてきた(非特許文献1〜4)。
しかし、これらのパラメータは、心臓のポンプ機能にとって非常に大きな要因をなす心臓収縮の時間因子を含まないために、心筋の機能状態を知るには必ずしも十分な指標ではなかった。この問題に対し、本発明者は、駆出期左室容積変化を時間による関数として、2次曲線に置換し得ることを証明し、新たなパラメータを提案している(非特許文献5)。
非特許文献5には、心エコーMモード法を用いて取得した画像データを基に駆出期間における3時点以上の時刻(t)における左室容積(D)を算出し、時間−左室容積曲線を作成したことが記載されている。以下、具体的に説明する。
非特許文献5の研究では、駆出開始点の時刻(t)、駆出終了点の時刻(t)、その中間点に位置するT波開始点の時刻(t)の3時点を含む複数の時刻(t)を設定し、それぞれの時刻における左室容積(D)を心エコー図に基づき求め、駆出期内での以下の座標を決定している。
(t,D ),・・・,(t,D ),・・・(t,D )
そして、駆出期内での左室容積変化を時間関数として表現するため、横軸に時間(t)をとり縦軸に左室容積(D)を設定し、心エコー図から計測された各々の座標をプロットし、非線形最小二乗法による曲線あてはめを行ったところ、2次関数に最適化できることが証明されている。すなわち、時間−左室容積曲線は以下の式で表すことができる。
f(t)=at+bt+c
この式においてtは時間であり、f(t)がその時間に対応する左室容積(D)を表す。
この式に、上述した3座標(t,D ), (t,D ),(t,D )を代入すると以下の3元連立方程式が得られる。
f(t)=c=D
f(t)=at +bt+c=D
f(t)=at +bt+c=D
この連立方程式を解くことにより、a、b及びcの値を求めることができる。
ここでaは、単位時間あたりの左室容積速度の変化量、すなわち左室容積加速度(cm/s)を表す。
また、bは、単位時間当たりの左室容積の変化量、すなわち左室容積速度(cm/s)を表す。
また、上述の式から明らかなとおり、cは心臓収縮の開始点(駆出開始点)における左室容積(cm)を表す。
Am.J.Physiol.,238,H126−Hl33,1980. Circulation,58, 77−89,1978. Circ. Res.,28,49−61,1971. Am.J.Cardiol.,42,895−903.1978. 日医大誌,第55巻,第6号(1988)
本発明の課題は、心機能の新たな評価・診断技術を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、左室容積加速度aを、左室容積速度bで除することで得たa/bの値が、心機能を評価する新たな指標として非常に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明は以下のとおりである。
[1] 心臓収縮過程における、左室容積加速度aを、左室容積速度bで除することでa/bの値を求める工程を備える、心機能パラメータの算出方法。
[2] 以下の(A)〜(C)の工程を備える、心機能パラメータの算出方法。
(A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
f(t)=at+bt+c
に代入することで、三元連立方程式を生成する生成工程。
(B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解工程。
(C)aをbで除することでa/bの値を求める除算工程。
[3] 前記3時点が、
心臓収縮の開始点、
心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
心臓収縮の終了点、
であることを特徴とする、[2]に記載の算出方法。
[4] [1]〜[3]の何れか一項に記載の算出方法によりa/bの値を算出し、以下の(1−1)及び/又は(1−2)の指標と比較することにより、被験者の心機能を評価する心機能評価方法。
[指標]
(1−1)a/bの値が正の場合には、心機能が低下しているという指標。
(1−2)a/bの値の絶対値が1未満の場合には、心機能が低下しているという指標。
[5] [1]〜[3]の何れか一項に記載の算出方法によりa/bの値を算出し、以下の(2−1)〜(2−4)から選ばれる1種又は2種以上の指標と比較することにより、被験者の心機能を評価する心機能評価方法。
[指標]
(2−1)a/bの値が−1.5以下の場合には、心機能が極めて良好な状態であるという指標。
(2−2)a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合には、心機能がやや低下しているという指標。
(2−3)a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合には、軽度ないし中等度に心機能が低下しているという指標。
(2−4)a/bの値が正の場合には、心機能が高度に低下しているという指標。
[6] コンピュータを
心臓収縮過程における、左室容積加速度aを、左室容積速度bで除することでa/bの値を求める工程を備える手段
として機能させることを特徴とする、プログラム。
[7] コンピュータを以下の(A)〜(C)の手段として機能させるプログラム。
(A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
f(t)=at+bt+c
に代入することで、三元連立方程式を生成する生成手段。
(B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解手段。
(C)aをbで除することでa/bの値を求める除算手段。
[8] 前記3時点が、
心臓収縮の開始点、
心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
心臓収縮の終了点、
であることを特徴とする、[7]に記載のプログラム。
[9] 心臓収縮に関する2次元又は3次元の画像データを収集する収集部と、
前記画像データに基づき心機能パラメータを算出する情報処理部と、を備え、
前記情報処理部が、前記画像データに基づき、左室容積加速度aと、左室容積速度bと、aをbで除したa/bの値と、を算出する手段を有することを特徴とする、心機能診断システム。
[10] 心臓収縮に関する2次元又は3次元の画像データを収集する収集部と、
前記画像データに基づき心機能パラメータを算出する情報処理部と、を備え、
前記情報処理部が、以下の(A)〜(C)の手段を備えることを特徴とする、心機能診断システム。
(A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
f(t)=at+bt+c
に代入することで、三元連立方程式を生成する生成手段。
(B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解手段。
(C)aをbで除することでa/bの値を求める除算手段。
[11] 前記3時点が、
心臓収縮の開始点、
心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
心臓収縮の終了点、
であることを特徴とする、[10]に記載の心機能診断システム。
[12] 前記心機能診断システムが超音波診断装置であり、
前記収集部が超音波プローブであり、前記画像データがエコー図であることを特徴とする、[9]〜[11]の何れか一項に記載の心機能診断システム。
[13] 心臓が含まれる2次元又は3次元の画像データを収集する収集工程と、
前記画像データに基づいて、左室容積に関する左室容積情報を算出する左室容積情報算出工程と、を備え、
前記左室容積情報が、
左室容積加速度aと、
左室容積速度bと、
aをbで除したa/bの値と、
を含むことを特徴とする、心機能の診断方法。
[14] 心臓が含まれる2次元又は3次元の画像データを収集する収集工程と、
前記画像データに基づいて、左室容積に関する左室容積情報を算出する左室容積情報算出工程と、を備え、
前記左室情報算出工程が、以下の(A)〜(C)の工程を備えることを特徴とする、心機能の診断方法。
(A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
f(t)=at+bt+c
に代入することで、三元連立方程式を生成する生成工程。
(B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解工程。
(C)aをbで除することでa/bの値を求める除算工程。
[15] 前記3時点が、
心臓収縮の開始点、
心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
心臓収縮の終了点、
であることを特徴とする、[14]に記載の心機能の診断方法。
[16] 前記収集工程が、超音波を対象物に当ててその反響を画像化する超音波検査工程であることを特徴とする、[13]〜[15]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[17] a/bの値が正の場合には、心機能が低下していると診断する、[13]〜[16]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[18] a/bの値の絶対値が1未満の場合には、心機能が低下していると診断する、[13]〜[17]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[19] a/bの値が−1.5以下の場合には、心機能が極めて良好な状態であると診断する、[13]〜[18]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[20]a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合には、心機能がやや低下していると判断する、[13]〜[19]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[21]a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合には、軽度ないし中等度に心機能が低下していると判断する、[13]〜[20]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
[22]a/bの値が正の場合には、心機能が高度に低下していると判断する、[13]〜[21]の何れか一項に記載の心機能の診断方法。
本発明の心機能パラメータの算出方法によれば、心機能の診断に非常に有用な新たなパラメータを算出することができる。
本発明の心機能評価方法によれば、精度よく被験者の心機能を評価することができる。
本発明のプログラムによれば、心機能の診断に非常に有用な新たなパラメータを算出することができるコンピュータを提供することができる。
本発明の心機能診断システムによれば、精度よく被験者の心機能を評価することができる。
本発明の診断方法によれば、精度よく被験者の心機能を診断することができる。
本発明の心機能診断システムを表すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明するが、本発明は以下に説明する形態に限定されない。
[心機能パラメータの算出方法]
本発明の心機能パラメータの算出方法は、左室容積加速度aを、左室容積速度bで除することでa/bの値を求める工程を備える。
左室容積加速度a及び左室容積加速度bは、何れの方法で取得されたものであってもよい。好ましくは非特許文献5に記載の時間−左室容積曲線を表す以下の式に基づき求める。
f(t)=at+bt+c
この式におけるtは、駆出期間、すなわち心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における時間を表す。時間tは、心臓収縮の開始点を起算点、すなわち心臓収縮の開始点の時間を0秒として計算された値を用いることが好ましい。
本発明においては、駆出期間における少なくとも3時点の時間(t)と、その時間(t)に対応する時点での左室容積(f(t))を上述の式に代入する。
上記3時点の時間がそれぞれt、t、tであり、それぞれの時間に対応する左室容積をf(t)、f(t)、f(t)であるとして、上述の式に代入すると、以下の三元連立方程式が得られる。
f(t)=at +bt+c
f(t)=at +bt+c
f(t)=at +bt+c
この三元連立方程式を求解することで、a〜cの値が求められる。なお、a〜cの3つの値が得られるが、本発明においてはaとbの値のみ求めることで足りる。
その後、aをbで除することでa/bの値を求めることで、左室機能の評価に有用な心機能パラメータを得ることができる。
左室容積(f(t))は、駆出期間における少なくとも任意の3時点で取得されれば良い。本発明の好ましい実施の形態では、心臓収縮の開始点と、心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点と、心臓収縮の終了点の3時点において得られた左室容積(f(t))を算出に用いる。
なお、任意の中間点としては、心臓収縮期の開始点から1/3程度の時点が望ましい。
つまり、以下の(1)〜(3)の左室容積(f(t))を算出に用いることが好ましい。
(1)心臓収縮の開始点(tが0秒)における左室容積(いわゆる左室拡張末期容積(left ventricular end−diastolic volume,LVEDV))
(2)駆出期間における任意の中間点における左室容積
(3)心臓収縮の終了点における左室容積(いわゆる左室収縮末期容積(left ventricular end−systolic volume(LVESV))
上記(1)〜(3)の3時点の時間がそれぞれt、t、tであり、それぞれの時間に対応する左室容積をf(t)、f(t)、f(t)であるとして、上述の式に代入すると、以下の三元連立方程式が得られる。
f(t)=c
f(t)=at +bt+c
f(t)=at +bt+c
この三元連立方程式を求解することで、a〜cの値が求められる(cは、LVEDVそのものとなる。)。求めたaの値をbの値で除することにより、a/bの値を算出する。
なお、左室容積の算出は公知の何れの方法を採用してもよい。
例えば、Mモードエコー図や2Dエコー図により左室容積を算出する方法が挙げられる。Mモードエコー図により左室容積を求める方法としては、Pombo法、Teichholz法、Gibson法などが挙げられる。2Dエコー法による求め方はとしては、single plane area−length法やmodified Simpson法(ディスク法)などが挙げられる。
その他、CTやMRIを用いて心室腔形状を三次元再構築して求める方法も挙げられる。
本発明の方法により算出される心機能パラメータであるa/bは極めて有効な指標である。a/bを心機能の評価・診断に用いることにより、左室駆出率(Ejection Fraction,EF)が正常である者の中の心機能低下者を鑑別することができる。したがって、早晩心不全へと移行するであろう患者を早期に発見可能となる。
[心機能評価法]
本発明は心機能評価法にも関する。本発明の心機能評価法は、上述した算出方法により算出された心機能パラメータ、すなわちa/bの値を用いる。
心機能正常例では、左室容積加速度aの値は正となるが、左室容積速度bは収縮速度を減じていくので、a/bの値は正常な状態では負となる。
しかし心機能低下が予測される症例では、左室容積加速度aが負の値を示すこともある。この場合、a/bの値は正となり、時間−左室容積の2次曲線は上に突の曲線となる。
また左室容積加速度aと、左室容積速度bの絶対値(|b|)を比較すれば、多くはa>|b|という関係となる。つまり、a/bの絶対値は1より大きくなる。しかし、心機能が低下している症例ではa<|b|という関係が生じる症例もあり、この場合にはa/bの絶対値は1より小さくなる。
このことから、a/bの値より、以下の事柄が分かる。
(1−1)a/bの値が正の場合・・・心機能がかなり低下しており心不全に近い状態である。
(1−2)a/bの値の絶対値が1未満の場合・・・心機能が低下している状態。
すなわち、算出したa/bの値を、以下の(1−1)及び/又は(1−2)の指標と比較することにより、被験者の心機能を評価することができる。
(1−1)a/bの値が正の場合には、心機能が低下しているという指標。
(1−2)a/bの値の絶対値が1未満の場合には、心機能が低下しているという指標。
また、後述する実施例に基づく知見も併せて検討すると、a/bに基づき心機能は以下の4段階に分類することが可能である。
(1)a/bの値が−1.5以下の場合・・・心機能が極めて良好な状態
(2)a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合・・・心機能がやや低下している状態
(3)a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合・・・軽度ないし中等度に心機能が低下している状態。
(4)a/bの値が正の場合・・・心機能が高度に低下している状態
この4段階の分類に基づき、a/bの値を、以下の(1)〜(4)から選ばれる1種又は2種以上の指標と比較することにより、被験者の心機能を評価することができる。
(1)a/bの値が−1.5以下の場合には、心機能が極めて良好な状態であるという指標。
(2)a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合には、心機能がやや低下しているという指標。
(3)a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合には、軽度ないし中等度に心機能が低下しているという指標。
(4)a/bの値が正の場合には、心機能が高度に低下しているという指標。
[心機能診断システム]
「心機能パラメータの算出方法」の項目に記載した事項は、本発明の心機能診断システムの実施の形態についても適用できる。
本発明の心機能診断システムは、心臓が含まれる2次元又は3次元の画像データを収集する収集部と、画像データに基づき心機能パラメータを算出する情報処理部を備える(図1)。
心機能診断システムの具体的な形態は、超音波診断装置、コンピュータ断層撮影装置(CT装置)、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)が挙げられるが、超音波診断装置の形態とすることが計算に適している。
超音波診断装置の形態とする場合、収集部は、超音波の送受信手段(つまり、超音波プローブ)となる。
コンピュータ断層撮影装置の形態とする場合、収集部は、例えば、X線発生手段とX線検出手段を含む。
磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の形態とする場合、収集部は、例えば、静磁場発生手段、傾斜磁場発生手段、NMR信号の検出手段を含む。
収集部により収集される2次元又は3次元の画像データは、静止画像データであってもよいし、動画像データであってもよい。本発明においては、駆出期間における左室容積を少なくとも3時点において算出する必要があるため、動画像データであることが好ましい。
本発明の心機能診断システムを超音波診断装置として実現する場合、前記画像データは、エコー図に係るデータである。
本発明の心機能診断システムをコンピュータ断層撮影装置として実現する場合、前記画像データはCT画像に係るデータである。
本発明の心機能診断システムを磁気共鳴断層撮影装置として実現する場合には、前記画像データはMRI画像に係るデータである。
本発明の心機能診断システムは、収集部より一次的に収集された画像データを情報処理し、画像を構築する画像生成部を有していてもよい(図1)。
また画像生成部により構築された画像を表示するディスプレイを備えていてもよい(図1)。
本発明の心機能診断システムは、画像データに基づき心機能パラメータを算出する情報処理部を備える。
情報処理部は、心機能診断システムの処理全体を制御する。具体的には情報処理部は、入力インターフェースを介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶部から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、情報を処理する。
また、処理部は、記憶部が記憶する表示用の画像をディスプレイや、入力インターフェースにおけるタッチモニタ等にて表示するように制御する。
この情報処理部は、画像データに基づき、左室容積加速度aと、左室容積速度bと、aをbで除したa/bの値と、を算出する手段を有する。
情報処理部は、左室容積加速度aと左室容積速度bの算出の基礎として、左室容積を算出する手段を備えることが好ましい。さらに、この左室容積の算出のために左室長軸の長さを算出する形態としても構わない。
心機能診断システムを超音波診断装置として構成する場合には、左室容積の算出は、Pombo法、Teichholz法、Gibson法、single plane area−length法やmodified Simpson法(ディスク法)など公知の何れの方法により実施してもよい。
より具体的には、被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))を算出する手段を備えることが好ましい。
そして、この3時点における時間(t)と左室容積(f(t))を、
f(t)=at+bt+c
にそれぞれ代入することで、三元連立方程式を生成する連立方程式生成手段を備えることが好ましい(図1)。
連立方程式生成手段による三元連立方程式の生成は、予め記憶部に格納されていた式(f(t)=at+bt+c)を参照することにより行う形態としてもよい。
また、連立方程式生成手段により生成された三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解手段を備えることが好ましい(図1)。もちろんcを求解する構成としても構わない。
情報処理部は、aの値をbの値で除することでa/bの値を求める除算手段を備える(図1)。
情報処理部で算出される左室容積(f(t))は、駆出期間における少なくとも任意の3時点で取得されれば良い。本発明の好ましい実施の形態では、心臓収縮の開始点と、心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点と、心臓収縮の終了点の3時点において得られた左室容積(f(t))を算出に用いる。
情報処理部は、a/bの他、左室1回拍出量(SV)、左室駆出率(EF)などの他の心機能パラメータを算出する手段を有することも好ましい。
情報処理部により算出された各種心機能パラメータをディスプレイに表示するように構成しても構わない。
本発明の心機能診断システムは入力インターフェースを備えていてもよい(図1)。入力インターフェースにより、情報処理部への要求を行うことが可能な構成とすることが好ましい。
本発明の心機能診断システムは、これまでに取得された画像データなどを格納する記憶部を備えていてもよい。また、上述したように、情報処理部がa/bを算出するための基礎となる式(f(t)=at2+bt+c)を記憶部に予め格納しておく構成とすることが好ましい。
記憶部は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現できる。
[プログラム]
本発明は、上述した心機能パラメータの算出方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムにも関する。本発明のプログラムの具体的な実施の形態については、「心機能パラメータの算出方法」の項目で説明した事項を適用することができる。
プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに前記プログラムをインストールすることができる。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
本発明のプログラムを記憶部に格納することによって、上述した心機能診断システムを構成してもよい。
本発明のプログラムは、上述した心機能診断システムにおける情報処理部における各工程を実行するように構成されていることが好ましい。
[試験例1]
64歳以下(under64y)と65歳以上(over65y)の2群の被験者について心エコー検査を行い、表1に示す各種心機能パラメータを算出した。各パラメータの単位、算出値の平均、SD(標準偏差)、被験者の人数(number)、そして、2群についてのp値を表1にまとめる。
表1に示すように、何れの心機能パラメータに基づいて検討した場合であっても、65歳以上の群は64歳以下の群と比較して、優位に心機能の低下が観察されている。この結果より左心機能は老年層において衰えることが証明された。
そして、a/bについて見ると、64歳以下の群においては−1.321であるのに対して、65歳以上の群においては−0.935であった。つまり、64歳以下の群においてはa>|b|が成り立つ一方、65歳以上の群においてはこれが逆転しa<|b|となっている。このように、aとbの絶対値の比較、つまり、a/bの値の絶対値が1未満か否かを指標として心機能を評価することの有効性が証明されている。
[試験例2]
疲れやすさや息切れの自覚症状を持つ被験者に対し、心不全治療薬であるpimobendan又はdigoxisinを投与した。前記治療薬の投与前(before)及び投与後(after)において心エコー検査を実施し、表2及び表3に示す各種心機能パラメータを算出した。各パラメータの単位、算出値の平均、SD(標準偏差)、被験者の人数(number)、そして、投与前後についてのp値を表2及び表3にまとめる。
表2及び表3に示すように、心不全治療薬であるpimobendan又はdigoxisinの投与により、顕著に心機能の改善が確認できた。心機能の改善について自覚のある被験者も多数存在した。
投与前はaの値が負であったことからa/bの値は正であったが、投与後はaの値が正に転ずることでa/bの値は負となった。このことから、a/bの値が正か、それとも負か、という指標により、心機能を極めて有効に評価できることが証明されている。
また、心不全治療薬の投与後は、a/b以外のパラメータより明らかなとおり、極めて心機能が良好な状態となっている。このときのa/bの値は−1.5以下である。このことから、a/bの値が−1.5以下の場合には、心機能が極めて良好な状態であるといえる。
試験例1及び試験例2の結果より、a/bの値に基づき、以下の4段階の指標が設定可能であるものといえる。
(1)a/bの値が−1.5以下の場合・・・心機能が極めて良好な状態
(2)a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合・・・心機能がやや低下している状態
(3)a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合・・・軽度ないし中等度に心機能が低下している状態。
(4)a/bの値が正の場合・・・心機能が高度に低下している状態
本発明は心機能診断に応用することができる。

Claims (9)

  1. 以下の(A)〜(C)の工程を備える、心機能パラメータの算出方法。
    (A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
    f(t)=at+bt+c
    に代入することで、三元連立方程式を生成する生成工程。
    (B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解工程。
    (C)aをbで除することでa/bの値を求める除算工程。
  2. 前記3時点が、
    心臓収縮の開始点、
    心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
    心臓収縮の終了点、
    であることを特徴とする、請求項に記載の算出方法。
  3. 被験者の心機能を評価するために、請求項1又は2に記載の算出方法によりa/bの値を算出し、以下の(1−1)及び/又は(1−2)の指標と比較する方法。
    [指標]
    (1−1)a/bの値が正の場合には、心機能が低下しているという指標。
    (1−2)a/bの値の絶対値が1未満の場合には、心機能が低下しているという指標。
  4. 被験者の心機能を評価するために、請求項1又は2に記載の算出方法によりa/bの値を算出し、以下の(2−1)〜(2−4)から選ばれる1種又は2種以上の指標と比較する方法。
    [指標]
    (2−1)a/bの値が−1.5以下の場合には、心機能が極めて良好な状態であるという指標。
    (2−2)a/bの値が−1.5より大きく−1.0以下の場合には、心機能がやや低下しているという指標。
    (2−3)a/bの値が−1.0より大きく0以下の場合には、軽度ないし中等度に心機能が低下しているという指標。
    (2−4)a/bの値が正の場合には、心機能が高度に低下しているという指標。
  5. コンピュータを以下の(A)〜(C)の手段として機能させるプログラム。
    (A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
    f(t)=at+bt+c
    に代入することで、三元連立方程式を生成する生成手段。
    (B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解手段。
    (C)aをbで除することでa/bの値を求める除算手段。
  6. 前記3時点が、
    心臓収縮の開始点、
    心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
    心臓収縮の終了点、
    であることを特徴とする、請求項に記載のプログラム。
  7. 心臓収縮に関する2次元又は3次元の画像データを収集する収集部と、
    前記画像データに基づき心機能パラメータを算出する情報処理部と、を備え、
    前記情報処理部が、以下の(A)〜(C)の手段を備えることを特徴とする、心機能診断システム。
    (A)被験者の心臓収縮の開始点から終了点までの心臓収縮過程における、少なくとも3時点の時間(t)と、該3時点における左室容積(f(t))と、をそれぞれ以下の式、
    f(t)=at+bt+c
    に代入することで、三元連立方程式を生成する連立方程式生成手段。
    (B)前記三元連立方程式を求解して、少なくともa及びbの値を求める求解手段。
    (C)aをbで除することでa/bの値を求める除算手段。
  8. 前記3時点が、
    心臓収縮の開始点、
    心臓収縮の開始点から終了点までの任意の中間点、及び
    心臓収縮の終了点、
    であることを特徴とする、請求項に記載の心機能診断システム。
  9. 前記心機能診断システムが超音波診断装置であり、
    前記収集部が超音波プローブであり、前記画像データがエコー図であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の心機能診断システム。
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