JP6744682B1 - 酸素溶断ランスパイプの着火器 - Google Patents
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Abstract
Description
酸素溶断装置は、内部に酸素流路を有する金属製のランスパイプに対して、外部より一定以上の熱源を先端部に与えて、ランスパイプを溶融・着火させ、酸素流路に送り込まれている酸素とランスパイプとで、連続的に酸化反応を起こさせて自己燃焼させ、その先端部の酸化反応熱によって対象材(被溶断物)を切断あるいは穿孔する溶断装置である。
基体と、この基体に設けられた着火材挿入穴に挿入された着火材とを備える、酸素溶断ランスパイプの着火器であって、
前記着火材は、成形炭からなり酸素溶断ランスパイプの先端部分が挿入可能な貫通孔を有する外周材と、成形炭より難燃焼性の材料からなり前記貫通孔の下端を塞ぐ底材と、粉炭を主体としてなり前記貫通孔内に挿入された燃焼材とを含む、酸素溶断ランスパイプの着火器。
着火器1は、基体10と着火材20とを備える。
基体10は、一辺が100mm程度の立方体の正面の上辺部分を切り欠いて傾斜面11とした七面体の形状を有し、その傾斜面11に直径が45mm程度で深さが50mm程度の着火材挿入穴12が設けられている。着火材挿入穴12の深さ方向は傾斜面11に垂直である。基体10は、木材、金属等で形成することができる。
外周材21は成形炭で円筒状に形成されており、ランスパイプの先端部分が挿入可能な貫通孔21aを有する。本実施形態において貫通孔21aの直径(円筒状の外周材21の内径)は20mm程度であるが、使用するランスパイプの外径(一般的には5〜30mm程度)に応じて、そのランスパイプの先端部分が挿入可能な大きさとする。外周材21の外径は着火材挿入穴12の直径よりわずかに小さく、外周材21の高さは着火材挿入穴12の深さとほほ同じである。
なお、本実施形態において燃焼材23は、ランスパイプの先端部分を挿入可能な空間が貫通孔21aの上端開口近傍に残るように貫通孔21a内に挿入されており、その空間内には、綿糸、導火線、油引き紙、油引き布等からなる導火材24が挿入されている。
1回目の着火の際には、図3(a)に示すように導火材24に着火して、これを火種とする。続いて、図3(b)に示すようにランスパイプPの先端部を貫通孔21aの上端開口に近付ける。そうすると、ランスパイプPの先端部から供給される酸素と火種との酸化反応が生じる。引き続きランスパイプPの先端部から酸素を供給しながらランスパイプPの先端部を貫通孔21a内に挿入すると、図3(c)に示すように粉炭を主体とする燃焼材23とランスパイプPの先端部との間で激しい燃焼が起こり、図3(d)に示すようにランスパイプPの先端部が溶融して着火に至る。このとき、ランスパイプPの先端部の溶融物P1は、着火完了後には図3(e)に示すようにスラグSとなって外周材21の底部に沈殿する。また、1回目の着火完了後には、図3(e)に示すように成形炭からなる外周材21の貫通孔21a内壁面に火種Fが残る。
なお、図3(c)及び図3(d)において、着火して高温となったランスパイプPの先端部には、他の部分とは異なるハッチングを施している。後述する図4(b)においても同様である。
また、燃焼材23は粉炭を主体としており、粉炭は燃焼するとガスとなって消失するため、外周材21の貫通孔21a内に堆積することはない。この点からも、着火のための燃焼空間である外周材21の貫通孔21aは健全な状態で維持される。なお、燃焼材23が鉄粉等の金属粉を主体とする場合、燃焼した金属粉はスラグとなって外周材21の貫通孔21a内に堆積又は外周材21の底部に沈殿する。そのため、着火のための燃焼空間である外周材21の貫通孔21aの健全性が損なわれる。
さらに、外周材21の貫通孔21aの下端は、成形炭より難燃焼性の材料からなる底材22で塞いでいるから、この点からも、着火のための燃焼空間である外周材21の貫通孔21aは健全な状態で維持され、熱源の集中性も維持される。すなわち、底材22は、ランスパイプPの先端部の直下に位置することから、着火の際にランスパイプPの先端部の燃焼熱が伝わりやすいが、底材22を成形炭より難燃焼性の材料で形成することで、底材22の燃焼による損耗を抑制することができる。なお、1回目の着火の際、燃焼材23は、ランスパイプPの先端部の燃焼熱が直接底材22に伝わらないようにする熱緩衝材としての役割も果たす。
そのため、2回目の着火の際に、図4(a)に示すようにランスパイプPの先端部を貫通孔21a内に挿入すると、ランスパイプPの先端部から供給される酸素と火種Fとの酸化反応が生じる。引き続きランスパイプPの先端部から酸素を供給しながらランスパイプPの先端部を貫通孔21a内に進入させると、図4(b)に示すようにランスパイプPの先端部からの酸素が底部のスラグSを再溶融化し、その溶融熱によりランスパイプPの先端部が溶融して着火に至る。このとき、ランスパイプPの先端部の溶融物は、着火完了後には図4(c)に示すようにスラグSとなって外周材21の底部に沈殿する。また、2回目の着火完了後には、図4(c)に示すように、1回目の着火完了後と同様に成形炭からなる外周材21の貫通孔21a内壁面に火種Fが残る。そのため、3回目以降の着火の際にも図4(a)〜(c)と同様の工程によりランスパイプに着火できる。
なお、2回目以降の着火に際に、外周材21の貫通孔21a内壁面に火種Fが残っていないときは、別途、綿糸などの導火材を使用して着火作業を始めることができる。
図5(a)〜(d)に、1個目〜4個目の着火材でそれぞれ着火作業を10回繰り返した後の着火器の外観を示している。すなわち、図5(a)には1個目の着火材の10回着火後、図5(b)には2個目の着火材の10回着火後、図5(c)には3個目の着火材の10回着火後、図5(d)には4個目の着火材の10回着火後の着火器の外観を示している。また、図6には各着火材の10回着火後の外観を示している。
また、各着火用挿入穴に内装されている燃焼材は4〜5回の着火で消耗してなくなり、以降は基体である木材が自己燃焼することで、かろうじて着火可能であった。そして、燃焼材の消耗と共に着火用挿入穴が拡大することから熱源の集中性が損なわれ、着火の迅速性も着火の回数を重ねる毎に大きく損なわれた。
10 基体
11 傾斜面
12 着火材挿入穴
20 着火材
21 外周材
21a 貫通孔
22 底材
23 燃焼材
24 導火材
F 火種
P ランスパイプ
P1 ランスパイプの先端部の溶融物
S スラグ
Claims (1)
- 基体と、この基体に設けられた着火材挿入穴に挿入された着火材とを備える、酸素溶断ランスパイプの着火器であって、
前記着火材は、成形炭からなり酸素溶断ランスパイプの先端部分が挿入可能な貫通孔を有する外周材と、成形炭より難燃焼性の材料からなり前記貫通孔の下端を塞ぐ底材と、粉炭を主体としてなり前記貫通孔内に挿入された燃焼材とを含む、酸素溶断ランスパイプの着火器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020060815A JP6744682B1 (ja) | 2020-03-30 | 2020-03-30 | 酸素溶断ランスパイプの着火器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020060815A JP6744682B1 (ja) | 2020-03-30 | 2020-03-30 | 酸素溶断ランスパイプの着火器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP6744682B1 true JP6744682B1 (ja) | 2020-08-19 |
JP2021162162A JP2021162162A (ja) | 2021-10-11 |
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ID=72047916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020060815A Active JP6744682B1 (ja) | 2020-03-30 | 2020-03-30 | 酸素溶断ランスパイプの着火器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP6744682B1 (ja) |
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2020
- 2020-03-30 JP JP2020060815A patent/JP6744682B1/ja active Active
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JP2021162162A (ja) | 2021-10-11 |
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