1.遊技機の構成
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図3参照)とを備えている。遊技機枠50は、図1に示すように、パチンコ遊技機1の外郭部を構成するものであり、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、パチンコ遊技機1の外郭を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前扉部)53は、外枠51及び内枠52の前面側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。
図2に示すように、遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部53aが形成されていて、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように透明のガラス板(窓部)55が開口部53aに取付けられている。
この遊技機枠50の内枠52には、その内枠52が外枠51に対して開放(回動)していることを検出可能な枠開放検出スイッチ(枠開放検出手段)50aが設けられている。そのため、内枠52が外枠51に対して閉鎖しているときには、枠開放検出スイッチ50aが内枠52の開放を検出していない状態(OFF状態)になる。一方、内枠52が外枠51に対して開放しているときには、枠開放検出スイッチ50aが内枠52の開放を検出している状態(ON状態)になり、検出信号を出力する。以下では、遊技機枠50の開放の検出を説明する際には、内枠52の開放の検出を意味することにする。
本形態の枠開放スイッチ(枠開放検出手段)50aは、フォトスイッチ(フォトセンサ)である。しかしながら、押しボタンとスプリングとによって物理的な接触を検出するスイッチや、圧力スイッチ(圧力センサ)、近接スイッチ(近接センサ)等であっても良く、適宜変更可能である。なお枠開放検出手段は、内枠52の外枠51に対する開放を検出するものに限られるわけではない。例えば、前枠53の内枠52に対する開放を検出するものであっても良く、内枠52の外枠51に対する開放と、前枠53の内枠52に対する開放の両方を検出できるものであっても良い。また枠開放検出手段の配置箇所は、内枠52に限られるものではなく、外枠51や前枠53であっても良く、適宜変更可能である。
図1に示すように、前枠53の右下方側には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作手段)60が設けられている。また前枠53の下方側には、遊技球(遊技媒体)を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また打球供給皿61の周辺には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字キー)64が設けられている。なおセレクトボタン64は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。
次に、図3に基づいて遊技盤2について説明する。図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図10参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材(遊技板)と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球の流下する方向に変化を与える複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43b(図5参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が設けられている。盤可動体15は初期状態において、図3に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図10参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉する普通電動役物である。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図9参照)により駆動される。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉する特別電動役物である。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図9参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉する特別電動役物である。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図9参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図4(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図4(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図4(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図4(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図3に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、普通入賞口27と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20や普通入賞口27への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、ゲート28と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2大入賞口35、第1大入賞口30、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。
また遊技盤2の右側には、遊技表示器40が配置されている。遊技表示器40は、後述する遊技制御用マイコン81の制御処理に基づく遊技情報を表示するものである。図5に示すように、遊技表示器40には、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器41bとが含まれている。第1特別図柄表示器41aは、8個の遊技用発光部(LED素子)LA1〜LA8で構成されている。第2特別図柄表示器41bは、8個の遊技用発光部(LED素子)LA9〜LA16で構成されている。
また遊技表示器40には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器42と、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44とが含まれている。普通図柄表示器42は、2個の遊技用発光部(LED素子)LA17,LA18で構成されている。第1特図保留表示器43aは、2個の遊技用発光部(LED素子)LA19,LA20で構成されている。第2特図保留表示器43bは、2個の遊技用発光部(LED素子)LA21,LA22で構成されている。普図保留表示器44は、2個の遊技用発光部(LED素子)LA23,LA24で構成されている。
また遊技表示器40には、右打ちすべき状態であることを表示する右打ち表示器45と、現時点での遊技状態を表示する遊技状態表示器46と、大当たり遊技でのラウンド数を表示するラウンド表示器47とが含まれている。右打ち表示器45は、2個の遊技用発光部(LED素子)LA25,LA26で構成されている。遊技状態表示器46は、3個の遊技用発光部(LED素子)LA27〜LA29で構成されている。ラウンド表示器47は、3個の遊技用発光部(LED素子)LA30〜LA32で構成されている。遊技表示器40における合計32個の遊技用発光部LA1〜LA32は、遊技用LED基板40aに実装されている。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、変動表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的に第1特別図柄表示器41a又は第2特別図柄表示器41bは、遊技用発光部LA1〜LA8、LA9〜LA16の発光態様によって大当たり抽選の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄を表示するものである。例えば第1特別図柄の抽選で大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aで遊技用発光部LA1,LA2,LA5,LA6が発光した大当たり図柄を表示する(図16(A)参照)。また第2特別図柄の抽選でハズレである場合には、第2特別図柄表示器41bで遊技用発光部LA15のみが発光したハズレ図柄を表示する(図16(B)参照)。ハズレ図柄として第1特別図柄表示器41aの全ての遊技用発光部LA1〜LA8や、第2特別図柄表示器41bの全ての遊技用発光部LA9〜LA16を発光しない態様を採用しても良い。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。
また、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば第1特別図柄表示器41a又は第2特別図柄表示器41bで光が繰り返し流れるように各遊技用発光部LA1〜LA8、LA9〜LA16が発光するという態様である。なお変動表示の態様は、各遊技用発光部LA1〜LA8、LA9〜LA16が停止表示(特定の態様での発光表示)されていなければ、各遊技用発光部LA1〜LA8、LA9〜LA16が一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球(入賞)があると、その入球に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入球情報)は、特図保留記憶部85(図9参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図9参照)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図9参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入球があった場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。例えば第1特図保留表示器43a又は第2特図保留表示器43bは、特図保留(第1特図保留又は第2特図保留)の数が「1」の場合には、右側の遊技用発光部LA19、LA21のみを発光(点灯)させて、特図保留の数が「2」の場合には、左側の遊技用発光部LA20、LA22のみを発光させて、特図保留の数が「3」の場合には、2つの遊技用発光部LA19,LA20、LA21,LA22を点滅させて、特図保留の数が「4」の場合には、2つの遊技用発光部LA19,LA20、LA21,LA22を発光させる。なお本形態では、第2特図保留が第1特図保留よりも優先して消化される。即ち、第2特別図柄の可変表示が第1特別図柄の可変表示よりも優先して実行されるように構成されている。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的に普通図柄表示器42は、遊技用発光部LA17,LA18の発光態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、遊技用発光部LA17,LA18が発光した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、下側の遊技用発光部LA17のみが発光した普通ハズレ図柄を表示する(図16(C)参照)。普通ハズレ図柄として遊技用発光部LA17,LA18を発光させない態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば遊技用発光部LA17,LA18が交互に発光するという態様である。なお変動表示の態様は、遊技用発光部LA17,LA18が停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、一斉に点滅するなどなんでもよい。
また本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図9参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。例えば普図保留表示器44は、普図保留の数が「1」の場合には、右側の遊技用発光部LA23のみを発光(点灯)させて、普図保留の数が「2」の場合には、左側の遊技用発光部LA24のみを発光させて、普図保留の数が「3」の場合には、2つの遊技用発光部LA23,LA24を点滅させて、普図保留の数が「4」の場合には、2つの遊技用発光部LA23,LA24を発光させる。
また本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技が実行されたり、後述するように遊技状態が高確率状態や時短状態に制御され得る。大当たり遊技の実行中(大当たり遊技状態)や、高確率状態又は時短状態では、左打ちよりも右打ちを行った方が遊技者に付与される特典が多くなるため、右打ち表示器45が右打ちすべき状態であることを表示するようになっている。例えば右打ち表示器45は、右打ちすべき状態の表示として、2つの遊技用発光部LA25,LA26を発光させる(図16(D)参照)。なお通常遊技状態では、右打ちよりも左打ちを行った方が遊技者に付与される特典が多くなり易いため、右打ち表示器45は、2つの遊技用発光部LA25,LA26を発光させないようになっている。
また現時点での遊技状態が、遊技状態表示器46に表示される。例えば高確率状態では、遊技状態表示器46は、2つの遊技用発光部LA27,LA28を発光させる。また時短状態では、遊技状態表示器46は、遊技用発光部LA29を発光させる。従って、高確率状態且つ時短状態では3つの遊技用発光部LA27,LA28,LA29が発光し、通常確率状態且つ時短状態では遊技用発光部LA29のみが発光する。なお通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)では、遊技状態表示器46は、3つの遊技用発光部LA27,LA28,LA29を発光させないようになっている(図16(D)参照)。
また大当たり遊技でのラウンド数が、ラウンド表示器47に表示される。但し本形態では、大当たり遊技でのラウンド数が16Rのみに設定されている(図37参照)。よってラウンド表示器47は、大当たり遊技の実行中にラウンド数(16R)の表示として、3つの遊技用発光部LA30,LA31,LA32を発光させる(図16(D)参照)。
ところで本形態のパチンコ遊技機1は、出率を表示することが可能な点に特徴がある。出率(特定割合値)は、電源が投入された時点(所定の開始時点)から遊技者が現時点までに獲得した総賞球数のうち役物(普通電動役物、特別電動役物)の作動に基づいて獲得した賞球数(役物作動賞球数,特定遊技球数)の割合のことである。但し、出率の中には役物比率と連続役物比率とがあって、役物作動賞球数の中には役物賞球数と連続役物賞球数とがある。役物比率は、総賞球数のうち、普通電動役物及び特別電動役物を含む全ての役物の作動に基づいて獲得した賞球数(役物賞球数)の割合である。連続役物比率は、総賞球数のうち、特別電動役物を連続して作動させることに基づいて獲得した賞球数(連続役物賞球数)の割合のことである。つまり連続役物比率は、総賞球数のうち、大当たり遊技の実行のみに基づいて獲得した賞球数の割合のことである。なお総賞球数は、出率を演算する前の分母となる値(分母計測値)であり、役物作動賞球数(役物賞球数、連続役物賞球数)は、出率を演算する前の分子となる値(分子計測値)である。
ここでパチンコ遊技機は、ホールに設置される前に、遊技球の試射試験が十時間行われるようになっている。このとき、役物比率が7割(70%)を超えていないことが検査されると共に、連続役物比率が6割(60%)を超えていないことが検査される。つまり、出率が正常範囲内であるか否かが検査される。仮に、役物比率が7割を超えていたり、連続役物比率が6割を超えていれば、遊技者に過剰な特典を付与し得るパチンコ遊技機になっていることになる。こうして、検査で正常範囲内と判断されたパチンコ遊技機がホールに設置されている。しかしながら従来において、検査された後に不正な改造が施されていたり、故障や不具合によって、役物比率が7割を超えていたり、連続役物比率が6割を超えているようなパチンコ遊技機になっている可能性を完全に否定できるものではなかった。
そこで本形態のパチンコ遊技機1は、不正な改造が施されていたり、故障や不具合が発生しているか否かを判別可能にすべく、出率を表示可能な出率表示器(特定表示器)300を備えている。この出率表示器(表示手段)300は、図6に示すように、主制御基板80の後面側に一体的に取付けられている。主制御基板(主基板)80は、後に詳述するが、遊技の進行に係る制御処理を実行可能な遊技制御用マイコン81を実装した基板である。この遊技制御用マイコン81の制御処理によって、出率表示器300で出率(役物比率又は連続役物比率)の表示が行われる。このように、出率表示器300が主制御基板80上に配されていて、出率の表示が遊技制御用マイコン81によって行われるのは、以下の理由に基づく。
主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、後述するサブ制御基板90等と異なり、試験において適正動作の検査対象になっている。つまり、遊技制御用マイコン81による制御処理は適正であることが保証されるようになっている。従って、遊技制御用マイコン81によって出率の表示が行われるのであれば、出率の表示の信頼性が高い。要するに、出率の表示自体が不正に行われるのを回避するために、出率表示器300を主制御基板80上に配して、出率の表示を遊技制御用マイコン81に行わせている。その結果、出率を確認する人に対して、信頼性のある情報としての出率を把握させることが可能である。
図6に示すように、主制御基板80は、主基板ケース400の内部に収容されている。主基板ケース400は、主制御基板80上の電子部品(集積回路等)の見通しを妨げないように透明な合成樹脂で構成されている。この主基板ケース400は、後方側に配される後方側ケース401と、前方側の前方側ケース402とによって2分割される構造である。主制御基板80の後面側の上方には、コネクタCN2が取付けられている。また図5に示すように、遊技表示器40の遊技用LED基板40aには、コネクタCN1が取付けられている。よって、図示しないハーネスの一端側に取付けられているコネクタが、遊技用LED基板40aのコネクタCN1に接続され、図示しないハーネスの他端側に取付けられているコネクタが、主制御基板80のコネクタCN2に接続される。これにより、遊技制御用マイコン81は、制御処理に基づく信号をハーネスを介して遊技表示器40に出力可能になる。その結果、遊技表示器40は、各遊技用発光部LA1〜LA32を発光させることにより、遊技情報を表示するようになっている。
図7に示すように、主制御基板80及び主基板ケース400は、遊技機枠50の裏側に配されている。具体的に、主制御基板80を収容した主基板ケース400は、遊技機枠50の内部にて遊技盤2の裏ユニット(図示省略)の後側に脱着可能に取付けられている。そのため、パチンコ遊技機1がホールに設置されている状態において、遊技機枠50が閉鎖(内枠52が外枠51に対して閉鎖)されていれば、主制御基板80及び出率表示器300を視認することが不可能である。これに対して、遊技機枠50を開放(内枠52を外枠51に対して開放)させれば、透明な後方側ケース401を介して、主制御基板80及び出率表示器300を視認することが可能である。こうして、出率表示器300で表示される出率を確認するためには、遊技機枠50を開放させてから行うようになっている。
図8に示すように、出率表示器300は、所謂4連7セグであり、遊技表示器40(図5参照)と同様に、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、出率表示器300は、左から右に向かって順番に、第1点灯領域310と第2点灯領域320と第3点灯領域330と第4点灯領域340とを備えている。そして4つの点灯領域(表示領域)310、320、330、340は、それぞれ「0」〜「9」までの数字を表すことができるように、8個の出率用点灯部(LED素子)LB1〜LB8、LB9〜LB16、LB17〜LB24、LB25〜LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグを用いることで出率表示器300を安価に構成することが可能である。
次に、出率表示器300での表示について説明する。第1点灯領域310では、出率(役物比率又は連続役物比率)をパーセント(百分率)で表示する場合の十の位の数字を表示することができる。例えば出率が60%である場合には、第1点灯領域310では、出率用点灯部LB1,LB3,LB4,LB5,LB6,LB7が点灯して、「6」を表示する(図26(A)参照)。第2点灯領域320では、出率をパーセント(百分率)で表示する場合の一の位の数字を表示することができる。例えば出率が60%である場合には、第2点灯領域320では、出率用点灯部LB9,LB10,LB11,LB12,LB13,LB14が点灯して、「0」を表示する(図26(B)参照)。
第3点灯領域330では、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示している出率が、役物比率又は連続役物比率のどちらであるかを示すようになっている。本形態では、役物比率を表示している場合には、第3点灯領域330で「1」を表示する。つまり、出率用点灯部LB18,LB19が点灯していれば、役物比率を表示していることになる。一方、連続役物比率を表示している場合には、第3点灯領域330で「2」を表示する(図26(C)参照)。つまり、出率用点灯部LB17,LB18,LB20,LB21,LB23が点灯していれば、連続役物比率を表示していることになる。
第4点灯領域340では、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示している出率が、有効値又は参考値のどちらであるかを示すようになっている。ここで有効値又は参考値の意味について説明する。上述したように、出率は電源が投入された時点から現時点までに獲得した総賞球数のうち役物の作動に基づいて獲得した賞球数の割合であるが、電源が投入された時点から遊技者による遊技が行われた時間が短い場合には、出率が収束していない可能性がある。そのため出率を確認する人にとっては、ある程度収束した値としての出率が表示されていなければ正しく判断できないことになる。
そこで本形態では、電源が投入されてから現時点までに獲得した総賞球数が「10000」(所定賞球数)発以上であるという第1条件、又は電源が投入されてから現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が「3000」(所定回転数)回以上であるという第2条件の何れかの条件が満たされていれば、出率がある程度収束した値(有効値)とみなすようにしている。その反対に、上記した第1条件又は第2条件の何れも満たしていなければ、出率がある程度収束していない値(参考値)とみなすようにしている。
以上により本形態では、有効値としての出率を表示している場合には、第4点灯領域340で「1」(特定の数字)を表示する(図26(D)参照)。つまり、出率用点灯部LB26,LB27が点灯していれば、上記した第1条件又は第2条件の何れかが満たされていることになる。よって、第4点灯領域340で「1」が表示されていれば、ある程度収束した有効値として出率を正しく判断することが可能である。一方、参考値としての出率を表示する場合には、第4点灯領域340で「0」を表示する。つまり、出率用点灯部LB25,LB26,LB27,LB28,LB29,LB30が点灯していれば、上記した第1条件又は第2条件の何れも満たしていないことになる。よって、第4点灯領域340で「0」が表示されていれば、未だ収束していない可能性がある参考値として出率を確認することが可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に図9及び図10に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図9及び図10に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110はそれぞれ、遊技の結果に影響を及ぼし得る主基板に相当する。主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150には電源スイッチ155が接続されていて、電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお電源とは、図7に示す電源プラグ160を遊技場(ホール)のコンセントに接続した状態で、電源プラグ160から電源基板150に供給されるAC24Vの電力のことである。電源基板(電源投入手段)150は、AC−DCコンバータやDC−DCコンバータを備え、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110の作動に対して必要な電力(DC37V、DC32V、DC12V、DC5V等の電力)を供給可能であると共に、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給可能である。
また電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路(バックアップ電源供給手段)151は、営業終了や停電等の電断によって本パチンコ遊技機1に必要な電源が供給されない場合に、後述する主制御基板80のRAM84及び特別メモリ89、サブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給することができる。従って、主制御基板80のRAM84及び特別メモリ89、サブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報(記憶内容)は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。なお主制御基板80のRAM(揮発性メモリ)84及びサブ制御基板90のRAM94は、揮発性の記憶手段(DRAM)である。バックアップ電源回路151は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサを備えるものである。なお、主制御基板80のRAM84及び特別メモリ89に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板150には、主制御基板80に対してRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が実装されている。図7に示すように主制御基板80が本パチンコ遊技機1の裏側(後面側)に配されている他、電源基板150を含むその他の各種制御基板も本パチンコ遊技機1の裏側に配されている。そのため、遊技機枠50を開放可能なホールの従業員や出率を確認(検査)する人等でなければ、RAMクリアスイッチ152や電源スイッチ155を操作することはできない。すなわち、RAMクリアスイッチ152や電源スイッチ155は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ152の操作に基づく信号は、電源基板150から主制御基板80に出力される。なおRAMクリアスイッチ152の配置箇所は、電源基板150に限られるものではなく、適宜変更可能であり、例えば主制御基板80であっても良い。
図9に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン(主制御手段)81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、ワークメモリとしてCPU82の処理情報を格納するRAM84、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87、及び出率を演算するためのワークメモリとして使用される特別メモリ89が含まれている。
RAM84には、図9に示すように、特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。更にRAM84には、図11(B)に示すように、遊技表示器40に遊技情報を表示するためのデータ情報を記憶する第1遊技データ記憶領域、第2遊技データ記憶領域、第3遊技データ記憶領域、第4遊技データ記憶領域が設けられている。ROM83は外付けであってもよい。
特別メモリ(特別記憶手段)89は、出率を演算するための処理情報を格納する専用のメモリである。図11(C)に示すように、特別メモリ89には、100球用カウンタと、実総賞球数カウンタと、役物賞球数カウンタと、連続役物賞球数カウンタと、変動回数カウンタと、役物比率記憶領域と、連続役物比率記憶領域と、チェックサム記憶領域が設けられている。
100球用カウンタ(第1カウンタ)は、遊技者が獲得した賞球数を1球ずつカウントするものであり、100球カウントすると(100球以上のカウントに達すると)「0」の値にリセットされるようになっている。実総賞球数カウンタ(第2カウンタ)は、100球用カウンタにより100球がカウントされると1つカウントするものである。つまり、実総賞球数カウンタは、賞球数が100球に達する度に1つずつ増えていくカウンタである。こうして、100球用カウンタ及び実総賞球数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までに払い出された賞球数の合計を百球単位で1つとして計測するもの(百球用計測手段)である。
役物賞球数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までに役物の作動に基づいて払い出された賞球数の合計を計測するものである。連続役物賞球数カウンタは、電源が投入された時点から大当たり遊技の実行のみに基づいて払い出された賞球数の合計を計測するものである。変動回数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数を計測するものである。役物比率記憶領域は、演算された役物比率を記憶しておくものである。連続役物比率記憶領域は、演算された連続役物比率を記憶しておくものである。チェックサム記憶領域は、後述するように特別メモリ89の記憶内容に関して算出したチェックサムの値を記憶しておくものである。
本形態では、出率表示器300にて、出率(役物比率又は連続役物比率)を百分率(パーセント)の2桁の整数(例えば「60」)で表示するようになっている。これは仮に、出率を例えば「0.60」のように小数点を用いた表示にすると、整数である「0」と小数点の表示も必要になって、表示する桁数が増えるためである。また3桁以上表示しないのは、出率を確認する人が3桁以上の詳細な値までは把握する必要がほとんどないからである。
ところで、百分率の値としての役物比率を演算しようとする場合、一般的には、役物賞球数に対して1球単位で計測した値である総賞球数で除算した後、100倍する方法が考えられる。しかしながら除算の処理は、「0」で割っていないかを確認したり、桁位置のずれがないかを確認するプログラムが必要であって、四則演算(加算、減算、乗算、除算)の中で負荷が大きい処理である。特に上記した方法の場合では、分母である総賞球数の値が分子である役物賞球数の値よりも大きいことにより、除算の際の桁位置の調整がソフト的に煩雑になる。つまりソフト的に除算の処理では、減算の処理を繰り返し行うことになり、分母の値が分子の値よりも大きいと桁位置の調整によって処理が複雑になる。
そこで本形態では、100球用カウンタ及び実総賞球数カウンタを用いて、総賞球数を百球単位で1つとして計測する。これにより、百分率の値としての役物比率を演算する場合、役物賞球数カウンタの値(役物賞球数)に対して実総賞球数カウンタの値(総賞球数を百球単位で1つとして計測した値)で除算することにしている。その結果、分母の値が分子の値よりも小さくなって、除算の際のソフト的な処理を簡易にすることが可能である。更に、100倍するという乗算の処理を省くことが可能である。
また本形態では上述したように、100球をカウントすると「0」の値にリセット可能な100球用カウンタ(第1カウンタ)と、100球用カウンタによる100球のカウントで1つカウント可能な実総賞球数カウンタ(第2カウンタ)とを用いている。そのため、2バイトの値のまま出率の演算処理を行うことが可能である。即ち、通常のパチンコ遊技機で用いられるカウンタは、2バイトの値(0から65535までの値)をカウント可能なものである。しかしながら、1つのカウンタだけを用いて1球単位で総賞球数をカウントしようとすると、遊技の経過に伴って総賞球数が65535球を超えてしまい、2バイトの値として扱うことができなくなる。よって、100球用カウンタと実総賞球数カウンタという2つのカウンタを用いることにより、実質的に総賞球数を100倍である6553500球までカウントすることが可能である。その結果、出率の演算の上では2バイトの値のまま扱うことが可能である。こうして、遊技制御用マイコン81にとって扱い易い単位(2バイト)のまま出率を演算することが可能であり、演算の処理が複雑になるのを回避することが可能である。
なお上記では、役物比率を演算する場合に、役物賞球数カウンタの値に対して実総賞球数カウンタの値で除算することについて説明したが、連続役物比率を演算する場合には、連続役物賞球数の値に対して実総賞球数カウンタの値で除算するだけである。従って、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することが可能であり、同様の説明を省略する。遊技制御用マイコン81は、演算した役物比率を百分率の値として特別メモリ89の役物比率記憶領域に記憶し、演算した連続役物比率を百分率の値として特別メモリ89の連続役物比率記憶領域に記憶するようになっている。
ここで本形態では、特別メモリ89に記憶されている情報を、RAM84に記憶されている情報と異なり、電源投入時のRAMクリアスイッチ152の操作によって、消去しないようにしている。つまり、特別メモリ89に記憶されている情報は、本パチンコ遊技機1に対して初めて電源が投入されてから基本的には消去されることがない。従って、本形態において演算される出率(役物比率又は連続役物比率)とは、本パチンコ遊技機1に対して初めて電源が投入されてから現時点までの総賞球数のうち役物作動賞球数(役物賞球数、連続役物賞球数)の割合の意味になる。こうして既存のRAM84とは別に特別メモリ89を設けて、特別メモリ89の記憶内容を消去しないようにしたのは、以下の理由に基づく。
上述したように、出率がある程度収束した値(有効値)になるまでには、遊技者による遊技が十分に行われて、総賞球数及び役物作動賞球数が大きな値になっている必要がある。しかしながら例えば1日経過しても、変動回数が3000回転未満であり且つ総賞球数が10000発未満である場合は十分にあり得る。この場合、翌日に電源投入時のRAMクリアスイッチ152の操作によって、仮に出率を演算するための情報(総賞球数、役物賞球数、連続役物賞球数、変動回数等)がクリアされてしまうと、いつまでも有効値としての出率が算出できないおそれがある。そこで本形態では、電源投入時のRAMクリアスイッチ152の操作でも特別メモリ89の記憶内容を消去しないことにより、有効値としての出率を算出可能にしている。特に、特別メモリ89に記憶されている情報は基本的には消去されることがないため、遊技期間が例えば1か月以上のように長くなれば長くなるほど、より収束した値としての出率を算出することが可能である。
本形態の特別メモリ89は、電力が供給されなくなると記憶内容を保持することができない揮発性の記憶手段(DRAM)である。しかしながら上述したように、営業終了や停電等の電断が生じているとき、電源基板150のバックアップ電源回路151から特別メモリ89に対して電力(バックアップ電源)を供給可能である。そのため数日程度の電断であれば、特別メモリ89に記憶されている記憶内容が消去されないようになっている。
図9に示す主制御基板80側の電気的な構成の説明に戻る。図9に示すように、主制御基板80には、駆動回路200が設けられている。駆動回路200は、遊技制御用マイコン81から出力される信号(データ情報)に基づいて、遊技表示器40にて遊技情報を表示させるための回路であると共に、出率表示器300にて出率を表示させるための回路である。駆動回路200の構成については、後に詳述する。
また主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。更に主制御基板80には、枠開放検出スイッチ50aが接続されていて、枠開放検出スイッチ50aによる検出信号が遊技制御用マイコン81に入力され得る。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、遊技表示器40(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、右打ち表示器45、遊技状態表示器46、ラウンド表示器47)が接続されている。また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。なお払出制御基板110は、図7に示すように、主制御基板80よりも下方に配されていて、透明の合成樹脂で構成された払出基板ケース500に囲われている。
払出制御基板(主基板)110は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)116を実装している。払出制御用マイコン(払出制御手段)116には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶したROM118、ワークメモリとして使用されるRAM119、ROM118に記憶されたプログラムを実行するCPU117、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)109が含まれている。なお、ROM118は外付けであってもよい。
払出制御用マイコン116は、遊技制御用マイコン81からの信号(賞球コマンド)に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行う。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検出され、賞球センサ122による検出信号が払出制御基板110に出力される。本形態では、普通入賞口27への入賞による賞球数は8球である。また、第1始動口20への入賞による賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による賞球数は7球である。そして、第1大入賞口30への入賞による賞球数は15球であり、第2大入賞口35への入賞による賞球数は15球である(図11(A)参照)。なお各入賞口への入賞による賞球数は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。
また払出制御用マイコン116は、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行う。払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検出され、球貸センサ132による検出信号が払出制御基板110に出力される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図10に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及びROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、枠ランプ66(遊技機枠50に設けられている発光手段)や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED素子)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED素子)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図9及び図10は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図9及び図10に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図9又は図10に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図9又は図10に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技表示器40及び出率表示器300と遊技制御用マイコン81との接続状態
次に、遊技表示器40及び出率表示器300と遊技制御用マイコン81との接続状態について、図12〜図15に基づいて説明する。そこで先ず、図12に基づいて、遊技表示器40の各遊技用発光部(発光部)LA1〜LA32の電気的な接続状態について説明する。図12に示すように、遊技表示器40に設けられているコネクタCN1には、12個のピンが設けられている。
コネクタCN1の1番ピンから4番ピンまでには、第1コモン信号ラインA1、第2コモン信号ラインA2、第3コモン信号ラインA3、第4コモン信号ラインA4がそれぞれつながっている。コネクタCN1の5番ピンから12番ピンまでには、第1データ信号ラインAa、第2データ信号ラインAb、第3データ信号ラインAc、第4データ信号ラインAd、第5データ信号ラインAe、第6データ信号ラインAf、第7データ信号ラインAg、第8データ信号ラインAhがそれぞれつながっている。
なお以下では、第1特別図柄表示器41aの各遊技用発光部LA1〜LA8が設けられている領域を、「第1発光領域410」と呼ぶことにする。また第2特別図柄表示器41bの各遊技用発光部LA9〜LA16が設けられている領域を、「第2発光領域420」と呼ぶことにする。また、普通図柄表示器42の各遊技用発光部LA17,LA18と、特図保留表示器43の各遊技用発光部LA19〜LA22と、普図保留表示器44の各遊技用発光部LA23,LA24とが設けられている領域を、「第3発光領域430」と呼ぶことにする。また、右打ち表示器45の各遊技用発光部LA25,LA26と、遊技状態表示器46の各遊技用発光部LA27〜LA29と、ラウンド表示器47の各遊技用発光部LA30〜LA32とが設けられている領域を、「第4発光領域440」と呼ぶことにする。
第1コモン信号ラインA1は、第1発光領域410の各遊技用発光部LA1〜LA8につながっている。第2コモン信号ラインA2は、第2発光領域420の各遊技用発光部LA9〜LA16につながっている。第3コモン信号ラインA3は、第3発光領域430の各遊技用発光部LA17〜LA24につながっている。第4コモン信号ラインA4は、第4発光領域440の各遊技用発光部LA25〜LA32につながっている。そして、第1データ信号ラインAaから第8データ信号ラインAhまでの8個のデータ信号ラインAa〜Ahは、第1発光領域410の8個の遊技用発光部LA1〜LA8と、第2発光領域420の8個の遊技用発光部LA9〜LA16と、第3発光領域430の8個の遊技用発光部LA17〜LA24と、第4発光領域440の8個の遊技用発光部LA25〜LA32にそれぞれつながっている。
上述した接続により、遊技制御用マイコン81は、32個の遊技用発光部LA1〜LA32に対してダイナミック点灯制御を行うことになる。即ち、仮に32個の遊技用発光部LA1〜LA32に対してそれぞれ1つずつ(合計32個の)信号ラインを接続して、スタティック点灯制御を行うと、信号ラインの数が多くなり過ぎて、8ビットマイコンである遊技制御用マイコン81では、点灯制御することができない。よって、8個の遊技用発光部を有する発光領域410,420,430,440毎に、それぞれコモン信号ラインA1,A2,A3,A4を接続することで、信号ラインの数を減らすようにしている。その上で、本形態では4ms毎に、4つの発光領域410,420,430,440のうち発光させ得る発光領域を順次切替える。これにより、残像現象を利用して、人間の目には4つの発光領域410,420,430,440で同時に発光しているように見せることが可能である。
ダイナミック点灯制御の概要について説明する。例えば、32個の全ての遊技用発光部LA1〜LA32が発光しているように見せることにする。この場合には、先ず第1コモン信号ラインA1の電圧を「H」レベル(上限閾値電圧よりも高い電圧)にして、その他のコモン信号ラインA2,A3,A4の電圧を「L」レベル(下限閾値電圧よりも低い電圧)にする。そして、各データ信号ラインAa〜Ahの電圧を「H」レベルにする。これにより、第1発光領域410にある全ての遊技用発光部LA1〜LA8に駆動電流が流れて、遊技用発光部LA1〜LA8が発光する。続いて4ms後に、第2コモン信号ラインA2の電圧を「H」レベルにして、その他のコモン信号ラインA1,A3,A4の電圧を「L」レベルにする。そして、各データ信号ラインAa〜Ahの電圧を「H」レベルにする。これにより、第2発光領域420にある全ての遊技用発光部LA9〜LA16に駆動電流が流れて、遊技用発光部LA9〜LA16が発光する。
続いて4ms後に、第3コモン信号ラインA3の電圧を「H」レベルにして、その他のコモン信号ラインA1,A2,A4の電圧を「L」レベルにする。そして、各データ信号ラインAa〜Ahの電圧を「H」レベルにする。これにより、第3発光領域430にある全ての遊技用発光部LA17〜LA24に駆動電流が流れて、遊技用発光部LA17〜LA24が発光する。続いて4ms後に、第4コモン信号ラインA4の電圧を「H」レベルにして、その他のコモン信号ラインA1,A2,A3の電圧を「L」レベルにする。そして、各データ信号ラインAa〜Ahの電圧を「H」レベルにする。これにより、第4発光領域440にある全ての遊技用発光部LA25〜LA32に駆動電流が流れて、遊技用発光部LA25〜LA32が発光する。以後同様に、第1発光領域410での発光から第4発光領域440までの発光を4ms毎に繰り返す。こうして或る瞬間においては、4つの発光領域410〜440のうち何れかの発光領域のみで遊技用発光部が発光しているものの、人間の目には4つの発光領域410〜440にある全ての遊技用発光部LA1〜LA32が発光して見えることになる。
次に、図13に基づいて、出率表示器300の各出率用点灯部(点灯部)LB1〜LB32の電気的な接続状態について説明する。図13に示すように、出率表示器300には、第1コモン信号ラインB1、第2コモン信号ラインB2、第3コモン信号ラインB3、第4コモン信号ラインB4、第1データ信号ラインBa、第2データ信号ラインBb、第3データ信号ラインBc、第4データ信号ラインBd、第5データ信号ラインBe、第6データ信号ラインBf、第7データ信号ラインBg、第8データ信号ラインBhがつながっている。これら信号ラインB1〜B4、Ba〜Bhは、主制御基板80上に設けられている。
具体的に、第1コモン信号ラインB1は、第1点灯領域310の各出率用点灯部LB1〜LB8につながっている。第2コモン信号ラインB2は、第2点灯領域320の各出率用点灯部LB9〜LB16につながっている。第3コモン信号ラインB3は、第3点灯領域330の各出率用点灯部LB17〜LB24につながっている。第4コモン信号ラインB4は、第4点灯領域340の各出率用点灯部LB25〜LB32につながっている。そして、第1データ信号ラインBaから第8データ信号ラインBhまでの8個のデータ信号ラインBa〜Bhは、第1点灯領域310の8個の出率用点灯部LB1〜LB8と、第2点灯領域320の8個の出率用点灯部LB9〜LB16と、第3点灯領域330の8個の出率用点灯部LB17〜LB24と、第4点灯領域340の8個の出率用点灯部LB25〜LB32にそれぞれつながっている。
上述した接続により、遊技制御用マイコン81は、32個の出率用点灯部LB1〜LB32に対してダイナミック点灯制御を行うことになる。出率用点灯部LB1〜LB32に対するダイナミック点灯制御については、上述した遊技用発光部LA1〜LA32に対するダイナミック点灯制御と同様であるため、説明を省略する。
次に、図14に基づいて、遊技制御用マイコン81の電気的な接続状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、図14に示すように、8ビット分の入出力端子D0〜D7と、出力端子PO11と、出力端子PO12と、出力端子PO13と、その他の多数の端子(例えばバックアップ電源端子VBB端子)とを備えている。遊技制御用マイコン81の入出力端子D0〜D7は、バスラインBLに接続されていて、データ情報D[0],D[1],D[2],D[3],D[4],D[5],D[6],D[7]をそれぞれ入出力可能である。つまり遊技制御用マイコン81は、入出力端子D0〜D7からバスラインBLに8ビット分のデータ情報D[0]〜D[7]を出力可能である。
なお以下では、データ情報D[0]〜D[7]についてデータ情報D[0…7]と呼び、データ情報D[0]〜D[3]についてデータ情報D[0…3]と呼ぶこととする。そして、例えばデータ情報D[0]について括弧を省略して、単にデータ情報D0と適宜呼ぶことにする。また本形態において、データ情報D0=「1」とは、「H」レベルの信号(データ情報D0)が出力されていることとし、データ情報D0=「0」とは、「L」レベルの信号(データ情報D0)が出力されていることにする。
遊技制御用マイコン81は、出力端子PO11からセレクト信号XCSE0を出力可能であり、出力端子PO12からセレクト信号XCSE1を出力可能であり、出力端子PO13からセレクト信号XCSE10を出力可能である。出力されるセレクト信号XCSE0,XCSE1,XCSE10のレベルは、遊技制御用マイコン81により、「H」レベル(上限閾値電圧よりも高い電圧)又は「L」レベル(下限閾値電圧よりも低い電圧)の何れかに設定される。
次に、図15に基づいて、本形態(第1形態)の駆動回路200の電気的な接続状態について説明する。図15に示すように、駆動回路200は、遊技表示器40に遊技情報を表示させるために、発光選択回路部210と発光駆動回路部220とを備えている。そして本形態の駆動回路200は、出率表示器300に出率を表示させるために、点灯選択回路部230を備えている点に特徴がある。
発光選択回路部210は、データ情報D[0…3]に基づいて、遊技表示器40が有する4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を選択するための回路である。この発光選択回路部210は、フリップフロップ(IC1)と、トランジスタアレイ(IC2)とを備えて構成されている。
IC1は、8ビット分の入力端子1D〜8Dと、8ビット分の出力端子1Q〜8Qと、クロック入力端子CLKと、クリア入力端子CLRと、その他の端子(VCC端子、GND端子)とを備えている。IC1の入力端子1D〜4Dには、バスラインBLが接続されていて、データ情報D0,D1,D2,D3がそれぞれ入力されるようになっている。またIC1の入力端子5D〜8Dは、グランドに接続されている。これに対して、IC1の出力端子1Q〜4Qには、それぞれ4つの信号伝送ラインS1が接続されている。またIC1の出力端子5Q〜8Qは、未接続になっている。IC1のクリア入力端子CLRには、リセット信号RSTが入力され得る。そしてIC1のクロック入力端子CLKには、遊技制御用マイコン81からのセレクト信号XCSE0(図14参照)が入力されるようになっている。
このIC1は、D型フリップフロップであり、セレクト信号XCSE0の立ち上がりエッジのときに、入力端子1D〜4Dから入力するデータ情報D[0…3]を保持(ラッチ)して、保持した状態のデータ情報D[0…3]を出力端子1Q〜4Qから出力するものである。なおIC1には、例えばテキサスインスツルメント製「SN74HC273N」などの汎用ICを好適に使用できる。
IC2は、微小入力電流で大電流駆動ができるドライバであり、8ビット分の入力端子IN1〜IN8と、8ビット分の出力端子O1〜O8と、その他の端子(Vs端子、GND端子)とを備えている。IC2の入力端子IN1〜IN4には、4つの信号伝送ラインS1が接続されている。またIC2の入力端子IN5〜IN8は、グランドに接続されている。これに対して、IC2の出力端子O1〜O4には、第1コモン信号ライン(第1発光コモン線)A1と第2コモン信号ライン(第2発光コモン線)A2と第3コモン信号ラインA3と第4コモン信号ラインA4が接続されている。これらコモン信号ラインA1〜A4は、コネクタCN2の1番ピンから4番ピンにつながっていて、上述した遊技表示器40のコモン信号ラインA1〜A4(図12参照)と同じ伝送路になる。またIC2の出力端子O5〜O8は、未接続になっている。なおIC2には、例えばテキサスインスツルメント製「M54562WP」などの汎用ICを好適に使用できる。
発光駆動回路部220は、データ情報D[0…7]に基づいて、4つの発光領域410〜440のうち発光選択回路部210により選択された発光領域にて、8つの遊技用発光部を発光可能にするための回路である。この発光駆動回路部220は、フリップフロップ(IC3)と、トランジスタアレイ(IC4)とを備えて構成されている。
IC3は、8ビット分の入力端子1D〜8Dと、8ビット分の出力端子1Q〜8Qと、クロック入力端子CLKと、クリア入力端子CLRと、その他の端子(VCC端子、GND端子)とを備えている。IC3の入力端子1D〜8Dには、バスラインBLが接続されていて、データ情報D0,D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7がそれぞれ入力されるようになっている。これに対して、IC3の出力端子1Q〜8Qには、それぞれ8つの信号伝送ラインS2が接続されている。IC3のクリア入力端子CLRには、リセット信号RSTが入力され得る。そしてIC3のクロック入力端子CLKには、遊技制御用マイコン81からのセレクト信号XCSE1(図14参照)が入力されるようになっている。
このIC3は、D型フリップフロップであり、セレクト信号XCSE1の立ち上がりエッジのときに、入力端子1D〜8Dから入力するデータ情報D[0…7]を保持(ラッチ)して、保持した状態のデータ情報D[0…7]を出力端子1Q〜8Qから出力するものである。なおIC3には、例えばテキサスインスツルメント製「SN74HC273N」などの汎用ICを好適に使用できる。
IC4は、微小入力電流で大電流駆動ができるドライバであり、8ビット分の入力端子IN1〜IN8と、8ビット分の出力端子O1〜O8と、その他の端子(COM端子、GND端子)とを備えている。IC4の入力端子IN1〜IN8には、8つの信号伝送ラインS2が接続されている。これに対して、IC4の出力端子O1〜O8には、第1データ信号ラインAaから第8データ信号ラインAhまでの各データ信号ラインAa〜Ahが接続されている。これらデータ信号ラインAa〜Ahは、電流制限抵抗RRを介してコネクタCN2の5番ピンから12番ピンにつながっていて、上述した遊技表示器40のデータ信号ラインAa〜Ah(図12参照)と同じ伝送路になる。なおIC4には、例えばテキサスインスツルメント製「M54585WP」などの汎用ICを好適に使用できる。
点灯選択回路部230は、データ情報D[0…3]に基づいて、出率表示器300が有する4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を選択するための回路である。この点灯選択回路部230は、フリップフロップ(IC5)と、トランジスタアレイ(IC6)とを備えて構成されている。
IC5は、8ビット分の入力端子1D〜8Dと、8ビット分の出力端子1Q〜8Qと、クロック入力端子CLKと、クリア入力端子CLRと、その他の端子(VCC端子、GND端子)とを備えている。IC5の入力端子1D〜4Dには、バスラインBLが接続されていて、データ情報D0,D1,D2,D3がそれぞれ入力されるようになっている。またIC5の入力端子5D〜8Dは、グランドに接続されている。これに対して、IC5の出力端子1Q〜4Qには、それぞれ4つの信号伝送ラインS3が接続されている。またIC5の出力端子5Q〜8Qは、未接続になっている。IC5のクリア入力端子CLRには、リセット信号RSTが入力され得る。そしてIC5のクロック入力端子CLKには、遊技制御用マイコン81からのセレクト信号XCSE10(図14参照)が入力されるようになっている。
このIC5は、D型フリップフロップであり、セレクト信号XCSE10の立ち上がりエッジのときに、入力端子1D〜4Dから入力するデータ情報D[0…3]を保持(ラッチ)して、保持した状態のデータ情報D[0…3]を出力端子1Q〜4Qから出力するものである。なおIC5には、例えばテキサスインスツルメント製「SN74HC273N」などの汎用ICを好適に使用できる。
IC6は、微小入力電流で大電流駆動ができるドライバであり、8ビット分の入力端子IN1〜IN8と、8ビット分の出力端子O1〜O8と、その他の端子(Vs端子、GND端子)とを備えている。IC6の入力端子IN1〜IN4には、4つの信号伝送ラインS3が接続されている。またIC6の入力端子IN5〜IN8は、グランドに接続されている。これに対して、IC6の出力端子O1〜O4には、第1コモン信号ライン(第1点灯コモン線)B1と第2コモン信号ライン(第2点灯コモン線)B2と第3コモン信号ラインB3と第4コモン信号ラインB4が接続されている。これらコモン信号ラインB1〜B4は、上述した出率表示器300のコモン信号ラインB1〜B4(図13参照)と同じ伝送路になる。またIC6の出力端子O5〜O8は、未接続になっている。なおIC6には、例えばテキサスインスツルメント製「M54562WP」などの汎用ICを好適に使用できる。
そして本形態では、IC4とコネクタCN2との間に配されている8つのデータ信号ライン(データ線)Aa〜Ahからそれぞれ分岐するように、データ信号ライン(分岐データ線)Ba〜Bhが設けられている。これらデータ信号ラインBa〜Bhは、上述した出率表示器300のデータ信号ラインBa〜Bh(図13参照)と同じ伝送路になる。こうして、IC4の出力端子O1〜O8から出力される信号を、データ信号ラインAa〜Ahによって遊技表示器40に送信できると共に、データ信号ラインBa〜Bhによって出率表示器300にも送信できるようになっている。
4.遊技制御用マイコン81によるダイナミック点灯制御
次に、遊技制御用マイコン81によるダイナミック点灯制御について、図16〜図34に基づいて説明する。そこで先ず、図16〜図25に基づいて、遊技表示器40に対してダイナミック点灯制御を行う場合について説明する。ここでは一例として、図16(A)に示すように、第1発光領域410にて遊技用発光部LA1,LA2,LA5,LA6を発光させる。即ち、第1特別図柄表示器41aにて大当たり図柄を表示する。次に、図16(B)に示すように、第2発光領域420にて遊技用発光部LA15を発光させる。即ち、第2特別図柄表示器41bにてハズレ図柄を表示する。次に、図16(C)に示すように、第3発光領域430にて遊技用発光部LA17,LA20を発光させる。即ち、普通図柄表示器42に普通ハズレ図柄を表示すると共に、第1特図保留表示器43aにて第1特図保留が1個であることを表示する。次に、図16(D)に示すように、第4発光領域440にて遊技用発光部LA25,LA26,LA30,LA31,LA32を発光させる。即ち、右打ち表示器45にて右打ちすべき状態であることを表示すると共に、ラウンド表示器47にてラウンド数が16Rであることを表示する。
なお図17では、各遊技用発光部の発光状態を一旦クリアする場合を示している。これは、遊技表示器40のうち或る発光領域の各遊技用発光部を発光させる場合に、前回(4ms前)の発光領域で発光させた各遊技用発光部の発光状態を反映しないようにするためである。この場合、遊技制御用マイコン81は、図17に示すように、データ情報D[0…7]=D[00000000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[00000000]が保持され、8つ全ての信号伝送ラインS2の電圧が「L」レベルになる。その結果、IC4は、8つ全てのデータ信号ラインAa〜Ahの電圧を「L」レベルに切替えて、8個の遊技用発光部に駆動電流を流さない。こうして、各遊技用発光部の発光状態がクリアされる。なお、各出率用点灯部の点灯状態を一旦クリアする場合において、遊技制御用マイコン81の動作も同様であるため、説明を省略する。
上述した一例において、遊技制御用マイコン81は、4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を第1発光領域410にする場合、前回(4ms前)の第4発光領域440での発光状態を反映しないように、先ず図17に示すように発光状態をクリアしておく。次に図18に示すように、データ情報D[0…3]=D[1000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE0のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC1によって、データ情報D[1000]が保持され、4つの信号伝送ラインS1の電圧が上から順番に[HLLL]になる。その結果、IC2は、4つのコモン信号ラインA1〜A4の電圧を[HLLL]に切替える。こうして、第1発光領域410が選択される。
続いて図19に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[11001100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[11001100]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HHLLHHLL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインAa〜Ahの電圧を[HHLLHHLL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第1発光領域410にて、遊技用発光部LA1,LA2,LA5,LA6が発光する(図16(A)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を第2発光領域420にする。この場合、前回(4ms前)の第1発光領域410での発光状態を反映しないように、先ず図17に示すように発光状態をクリアしておく。次に図20に示すように、データ情報D[0…3]=D[0100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE0のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC1によって、データ情報D[0100]が保持され、4つの信号伝送ラインS1の電圧が上から順番に[LHLL]になる。その結果、IC2は、4つのコモン信号ラインA1〜A4の電圧を[LHLL]に切替える。こうして、第2発光領域420が選択される。
続いて図21に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[00001000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[00001000]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[LLLLHLLL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインAa〜Ahの電圧を[LLLLHLLL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第2発光領域420にて、遊技用発光部LA15が発光する(図16(B)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を第3発光領域430にする。この場合、前回(4ms前)の第2発光領域420での発光状態を反映しないように、先ず図17に示すように発光状態をクリアしておく。次に図22に示すように、データ情報D[0…3]=D[0010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE0のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC1によって、データ情報D[0010]が保持され、4つの信号伝送ラインS1の電圧が上から順番に[LLHL]になる。その結果、IC2は、4つのコモン信号ラインA1〜A4の電圧を[LLHL]に切替える。こうして、第3発光領域430が選択される。
続いて図23に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[10010000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[10010000]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HLLHLLLL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインAa〜Ahの電圧を[HLLHLLLL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第3発光領域430にて、遊技用発光部LA17,LA20が発光する(図16(C)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を第4発光領域440にする。この場合、前回(4ms前)の第3発光領域430での発光状態を反映しないように、先ず図17に示すように発光状態をクリアしておく。次に図24に示すように、データ情報D[0…3]=D[0001]を出力する。そして、セレクト信号XCSE0のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC1によって、データ情報D[0001]が保持され、4つの信号伝送ラインS1の電圧が上から順番に[LLLH]になる。その結果、IC2は、4つのコモン信号ラインA1〜A4の電圧を[LLLH]に切替える。こうして、第4発光領域440が選択される。
続いて図25に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[11000111]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[11000111]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HHLLLHHH]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインAa〜Ahの電圧を[HHLLLHHH]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第4発光領域440にて、遊技用発光部LA25,LA26,LA30,LA31,LA32が発光する(図16(D)参照)。以後、遊技制御用マイコン81は、4ms毎に上述したように、第1発光領域410での発光制御、第2発光領域420での発光制御、第3発光領域430での発光制御、第4発光領域440での発光制御を繰り返すことになる。
次に、図26〜図34に基づいて、出率表示器300に対してダイナミック点灯制御を行う場合について説明する。ここでは一例として、図26(A)に示すように、第1点灯領域310にて出率用点灯部LB1,LB3,LB4,LB5,LB6,LB7を点灯させる。即ち、第1点灯領域310にて「6」を表示する。次に、図26(B)に示すように、第2点灯領域320にて出率用点灯部LB9,LB10,LB11,LB12,LB13,LB14を点灯させる。即ち、第2点灯領域320にて「0」を表示する。次に、図26(C)に示すように、第3点灯領域330にて出率用点灯部LB17,LB18,LB20,LB21,LB23を点灯させる。即ち、第3点灯領域330にて「2」を表示する。次に、図26(D)に示すように、第4点灯領域340にて出率用点灯部LB26,LB27を点灯させる。即ち、第4点灯領域340にて「1」を表示する。
上述した一例において、遊技制御用マイコン81は、4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を第1点灯領域310にする場合、前回(4ms前)の第4点灯領域340での点灯状態を反映しないように、先ず図17に示すように点灯状態をクリアしておく。次に図27に示すように、データ情報D[0…3]=D[1000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE10のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC5によって、データ情報D[1000]が保持され、4つの信号伝送ラインS3の電圧が上から順番に[HLLL]になる。その結果、IC6は、4つのコモン信号ラインB1〜B4の電圧を[HLLL]に切替える。こうして、第1点灯領域310が選択される。
続いて図28に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[10111110]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[10111110]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HLHHHHHL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインBa〜Bhの電圧を[HLHHHHHL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第1点灯領域310にて、出率用点灯部LB1,LB3,LB4,LB5,LB6,LB7が点灯する(図26(A)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を第2点灯領域320にする。この場合、前回(4ms前)の第1点灯領域310での点灯状態を反映しないように、先ず図17に示すように点灯状態をクリアしておく。次に図29に示すように、データ情報D[0…3]=D[0100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE10のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC5によって、データ情報D[0100]が保持され、4つの信号伝送ラインS3の電圧が上から順番に[LHLL]になる。その結果、IC6は、4つのコモン信号ラインB1〜B4の電圧を[LHLL]に切替える。こうして、第2点灯領域320が選択される。
続いて図30に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[11111100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[11111100]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HHHHHHLL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインBa〜Bhの電圧を[HHHHHHLL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第2点灯領域320にて、出率用点灯部LB9,LB10,LB11,LB12,LB13,LB14が点灯する(図26(B)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を第3点灯領域330にする。この場合、前回(4ms前)の第2点灯領域320での点灯状態を反映しないように、先ず図17に示すように点灯状態をクリアしておく。次に図31に示すように、データ情報D[0…3]=D[0010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE10のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC5によって、データ情報D[0010]が保持され、4つの信号伝送ラインS3の電圧が上から順番に[LLHL]になる。その結果、IC6は、4つのコモン信号ラインB1〜B4の電圧を[LLHL]に切替える。こうして、第3点灯領域330が選択される。
続いて図32に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[11011010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[11011010]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[HHLHHLHL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインBa〜Bhの電圧を[HHLHHLHL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第3点灯領域330にて、出率用点灯部LB17,LB18,LB20,LB21,LB23が点灯する(図26(C)参照)。
その後(4ms後)、遊技制御用マイコン81は、4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を第4点灯領域340にする。この場合、前回(4ms前)の第3点灯領域330での点灯状態を反映しないように、先ず図17に示すように点灯状態をクリアしておく。次に図33に示すように、データ情報D[0…3]=D[0001]を出力する。そして、セレクト信号XCSE10のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC5によって、データ情報D[0001]が保持され、4つの信号伝送ラインS3の電圧が上から順番に[LLLH]になる。その結果、IC6は、4つのコモン信号ラインB1〜B4の電圧を[LLLH]に切替える。こうして、第4点灯領域340が選択される。
続いて図34に示すように、遊技制御用マイコン81は、データ情報D[0〜7]=D[01100000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1のレベルを「H」レベルに切替える。これにより、IC3によって、データ情報D[01100000]が保持され、8つの信号伝送ラインS2の電圧が上から順番に[LHHLLLLL]になる。その結果、IC4は、8つのデータ信号ラインBa〜Bhの電圧を[LHHLLLLL]に切替えて、駆動電流を流す。こうして第4点灯領域340にて、出率用点灯部LB26,LB27が点灯する(図26(D)参照)。以後、遊技制御用マイコン81は、4ms毎に上述したように、第1点灯領域310での点灯制御、第2点灯領域320での点灯制御、第3点灯領域330での点灯制御、第4点灯領域340での点灯制御を繰り返すことになる。
5.駆動回路200の技術的意義
次に、本形態の駆動回路200(図15参照)の技術的意義について説明する。そこで第1比較例及び第2比較例と比較しながら説明する。第1比較例として、図35に示すような駆動回路200Xが考えられる。この駆動回路200Xは、上述した発光選択回路部210と発光駆動回路部220という既存の回路の他、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を選択する点灯選択回路部210Xと、選択された点灯領域にて8つの各出率用点灯部を点灯可能にする点灯駆動回路部220Xとを備えている。
点灯選択回路部210Xは、発光選択回路部210と同じ構成であり、フリップフロップ(IC1X)とトランジスタアレイ(ICX2)とを備えている。また点灯駆動回路部220Xは、発光駆動回路部220と同じ構成であり、フリップフロップ(IC3X)とトランジスタアレイ(IC4X)とを備えている。そして、点灯選択回路部210X及び点灯駆動回路部220Xと出率表示器300との接続は、発光選択回路部210及び発光駆動回路部220と遊技表示器40との接続と全く同じになっている。従って、第1比較例の駆動回路200Xでは、遊技表示器40を発光させるための既存の4個のIC(集積回路)に対して、4個のICを新たに追加していることになる。
ところで主制御基板80は、技術的制約が大きいものであり、各メーカーではその技術的制約の中で最大限の性能を発揮できるように主制御基板80を設計している。そのため主制御基板80には、出率表示器300やその駆動回路を新たに配置するためのスペースの余裕があまり無い。そこで既存の主制御基板80よりも大きな主制御基板を用いることが考えられるが、主制御基板の大きさ等による設計変更は、その他の制御基板の設計にも影響を与えてしまい、莫大な費用がかかってしまう。よって、既存の主制御基板80上の各部品を寄せてスペースを作ることが現実的である。しかしながら、あまりに部品が密集し過ぎると今度はノイズに対して弱くなってしまう。即ち、主制御基板の各部品が密集し過ぎると、グランドが少なくなってしまい、ノイズに弱い設計になってしまう。以上の観点により、主制御基板80に配置する新たな部品はできるだけ少ないことが望ましい。
そこで本形態の駆動回路200によれば、図15に示すように、遊技表示器40を発光させるための既存の4個のIC(集積回路)に対して、2個のIC(点灯選択回路部230)だけを追加している。つまり、データ信号ラインAa〜Ahから分岐するデータ信号ラインBa〜Bhを出率表示器300につなぐことで、第1比較例のような点灯駆動回路部220X(図35参照)を省くことにしている。従って、図35に示す第1比較例の駆動回路200Xよりも、追加するICの数を少なくすることが可能であり、配置スペースの観点において主制御基板80に実装し易くすることが可能である。そして、主制御基板80上の各部品が密集し過ぎるのを回避して、ノイズに弱い設計になるのをできるだけ防ぐことが可能である。
また第2比較例として、図36に示すようなダイナミック点灯制御を行うことが考えられる。即ち、第2比較例では、先ず図36(A)に示すように、遊技表示器40の第1発光領域410での発光制御を行う。続いて4ms後に図36(B)に示すように、第2発光領域420での発光制御を行う。続いて4ms後に図36(C)に示すように、第3発光領域430での発光制御を行う。続いて4ms後に図36(D)に示すように、第4発光領域440での発光制御を行う。続いて4ms後に図36(E)に示すように、出率表示器300の第1点灯領域310での点灯制御を行う。続いて4ms後に図36(F)に示すように、第2点灯領域320での点灯制御を行う。続いて4ms後に図36(G)に示すように、第3点灯領域330での点灯制御を行う。続いて4ms後に図36(H)に示すように、第4点灯領域340での点灯制御を行う。その後同様に、図36(A)〜(H)に示すダイナミック点灯制御を繰り返す。従って、第2比較例では、或る発光領域又は点灯領域に着目すれば、32msの周期で発光制御又は点灯制御がなされていることになる。
しかしながら第2比較例のダイナミック点灯制御では、発光制御(点灯制御)の周期が長くて、遊技表示器40での表示及び出率表示器300での表示が瞬くおそれがあった。つまり、遊技表示器40で発光し続けている状態を見せる状況にも拘わらず、点滅しているように見えたり、出率表示器300で点灯し続けている状態を見せる状況にも拘わらず、点滅しているように見えるおそれがあった。
そこで本形態の駆動回路200によれば、或る発光領域又は点灯領域において、16msの周期で発光制御又は点灯制御がなされるように構成されている。つまり、遊技表示器40の発光領域410〜440での発光制御と、出率表示器300の点灯領域310〜340での点灯制御とを択一的に実行するようにして、従来と同じ周期(16ms)のままダイナミック点灯制御を可能にしている。従って、遊技表示器40での表示及び出率表示器300での表示が瞬くのを防ぐことが可能である。以上要するに、本形態の駆動回路200の技術的意義は、遊技表示器40又は出率表示器300でダイナミック点灯制御の周期を従来よりも長くなるのを回避しつつ、主制御基板80に実装する際の省スペース化を実現できることにある。
6.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図37に示す通りである。図37に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。また、特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図4(B)参照)から第1の状態(図4(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図37に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(特定大当たり)となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図38(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図38(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
7.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図39(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の変動表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図40参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図39(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では4秒であるが、時短状態では1秒である(図39(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図41参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図41参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
8.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図42〜図56に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場する主なカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、ROM83から図42に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理を行う(S001)。
そして、電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図38に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
ここで電源投入時処理(S001)を説明する前に、本形態の特徴の一つである特別メモリ89の記憶内容が正しいか否かをチェックする点について説明する。本形態では営業終了や停電等による電断時に、RAM84(以下「遊技用RAM84」と呼ぶ)のチェックサムを算出して記憶しておくだけでなく、特別メモリ89のチェックサムを算出して記憶しておくようになっている。チェックサムは、記憶されている各データ(コマンド等)の信頼性を検査するために算出する誤り検出符号の一つである。本形態では、遊技用RAM84又は特別メモリ89に記憶されている各データを16進数の数値とみなして、それら各数値の合計をチェックサムとしている。但しチェックサムを、その他の方法で算出した値としても良い。
本形態では、電断後に再び電源が投入された際に、特別メモリ89のチェックサムを算出する。そして、このときに算出した特別メモリ89のチェックサムの値が、電断時に記憶しておいたチェックサムの値と一致するか否かを照合する。その結果、チェックサムの値が一致していれば、特別メモリ89の記憶内容(100球用カウンタの値、実総賞球数カウンタの値、役物賞球数カウンタの値、連続役物賞球数カウンタの値、変動回数カウンタの値等)が正常であると判断する。これにより、特別メモリ89の正しい記憶内容で、出率を表示することが可能である。一方、チェックサムの値が一致していなければ、特別メモリ89の記憶内容が異常であると判断する。これにより、特別メモリ89の記憶内容を消去して、誤っている記憶内容で出率を表示するのを回避することが可能である。
[電源投入時処理]図43に示すように、電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM84及び特別メモリ89へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM84及び特別メモリ89に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ152が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。即ち、電源基板150からRAMクリアスイッチ152の操作に基づく信号を受信したか否かを判定する。RAMクリアスイッチ152が操作されていれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、操作されていなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図56参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、遊技用RAM84のチェックサムを算出して(S014)、これを電断時に格納(記憶)しておいた遊技用RAM84のチェックサム(図56のステップS2903参照)と照合する(S015)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM84の記憶内容が異常であると判断し、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時における遊技用RAM84の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
一方、ステップS018では、遊技用RAM84に記憶されている全ての情報をクリアする(S018)。但しこのときには、特別メモリ89の記憶内容(100球用カウンタの値、実総賞球数カウンタの値、役物賞球数カウンタの値、連続役物賞球数カウンタの値、変動回数カウンタの値、役物比率、連続役物比率(図11(C)参照))についてはクリアしない。こうして上述したように、電源投入時にRAMクリアスイッチ152の操作があっても、特別メモリ89の記憶内容をクリアしないことで、出率を収束した値として算出することが可能である。その後、遊技制御用マイコン81は、遊技用RAM84の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報が遊技用RAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に遊技用RAM84の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを出力バッファにセットして(S020)、ステップS021に進む。
ステップS021では、遊技制御用マイコン81は、特別メモリ89のチェックサムを算出して、これを電断時に格納(記憶)しておいた特別メモリ89のチェックサム記憶領域のチェックサム(図56のステップS2905参照)と照合する(S022)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S022でNO)、特別メモリ89の記憶内容が異常であると判断し、特別メモリ89に記憶されている全ての情報をクリアする(S023)。つまり、図11(C)に示す各カウンタの値を「0」にリセットすると共に、各記憶領域に記憶されている情報を消去する。こうして上述したように、誤っている特別メモリ89の記憶内容で出率を表示してしまうのを回避することが可能である。そして、サブ制御基板90に特別メモリ89の記憶内容のクリアを通知するための特別メモリクリアコマンドを出力バッファにセットして(S024)、ステップS025に進む。一方、ステップS022でチェックサムの値が一致していれば、特別メモリ89の記憶内容が正常であると判断し、ステップS023及びS024の処理をパスして、ステップS025に進む。
ステップS025では、遊技制御用マイコン81は、その他の初期設定として、例えばCPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図44に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、先ず後述する入力処理を実行する(S101)。そして図42の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じように、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S102)。次に、後述する始動口センサ検出処理を実行し(S103)、普通動作処理を実行する(S104)。
普通動作処理(S104)では、主に、始動口センサ処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を示す普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行うための処理を実行する。具体的に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動表示を開始するタイミングで、普通図柄の変動表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域(図11(B)参照)にセットする。遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域は、普通図柄表示器42を含む第3発光領域430(図12参照)の各遊技用発光部LA17〜LA24を発光させるためのデータ情報を記憶する記憶領域である。また遊技制御用マイコン81は、普通図柄の停止表示を開始するタイミングで、普通図柄抽選の判定結果を示す普通図柄(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)の停止表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。
遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S104)の後、後述する特別動作処理を実行する(S105)。次に、特定領域センサ検出処理を実行する(S106)。特定領域センサ検出処理(S106)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、検知があれば高確率状態への移行を示すVフラグをONにする。またVフラグをONにすることに伴って、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのV通過コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。
遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S106)の後、後述する出力処理(S107)、後述する電源断監視処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図42参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。
[入力処理]図45に示すように、入力処理(S101)ではまず、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図9参照))が検知した検出信号を読み込む(S110)。そして、検出信号が賞球の払い出しに係る入賞検知信号であるか否かを判定する(S111)。入賞検知信号でなければ(S111でNO)、その他の処理(S122)を実行して、ステップS118に進む。例えば磁気センサや衝撃センサ等の検出による不正検知信号であれば、その他の処理(S122)として不正報知を行うための処理を実行する。
一方、入賞検知信号であれば(S111でYES)、図11(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルを参照する(S112)。賞球数カウンタ加算テーブルは、図11(A)に示すように、入賞口の種類に応じた賞球数を示すと共に、100球用カウンタ、役物賞球数カウンタ、連続役物賞球数カウンタの何れに賞球数をカウントアップ(加算)するのかを示すテーブルである。賞球数カウンタ加算テーブルを参照した後(S112)、入賞口の種類に応じた賞球数を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。なおこの賞球コマンドは、後述する出力処理(S107)により払出制御基板110に送信される。
ステップS113の後、遊技制御用マイコン81は、参照した賞球数カウンタ加算テーブルに基づき、後述する賞球数カウンタ加算処理を実行する(S114)。そして、遊技機枠50が(内枠52が外枠51に対して)開放しているか否か、即ち枠開放検出スイッチ50aによる検出があるか否かを判定する(S115)。検出があれば(S115でYES)、続いて客待ちフラグがONであるか否かを判定する(S116)。客待ちフラグは、特別図柄の変動表示が実行されておらず且つ大当たり遊技が実行されていない客待ち状態であることを示すフラグである。客待ちフラグがONであれば(S116でYES)、後述する出率演算処理を実行して(S117)、ステップS118に進む。一方、枠開放検出スイッチ50aによる検出がない(S115でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S116でNO)、出率演算処理(S117)を実行せずに、ステップS118に進む。
つまり本形態では、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であるという表示条件が成立する場合に限って、出率演算処理(S117,特定演算処理)を行う。これは以下の理由に基づく。即ち、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン81には、処理能力に制限がある。そして、特別図柄の変動表示の実行中や大当たり遊技状態への制御中(遊技制御状態)では、客待ち状態に比べて、遊技制御用マイコン81にとって、負荷が大きい制御処理の実行中になる。従って、仮に遊技制御用マイコン81が特別図柄の変動表示に関わる制御処理(特定の制御処理)又は大当たり遊技状態の制御中での制御処理(特定の制御処理)に加えて、負荷が大きい除算の処理を行う出率演算処理(S117)まで実行することになると、過大な処理負担になる可能性がある。以上のことから、制御処理の負担が大きい遊技制御状態では、出率演算処理(S117)を行わず、制御処理の負担が小さい客待ち状態では、出率演算処理(S117)を行うことにより、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を分散させることが可能である。また後述するように、遊技機枠50が閉鎖している又は客待ち状態でない場合(表示条件が成立しない場合)には、出率表示器300に出率(役物比率、連続役物比率)を表示しない。そのため、出率を表示しないときには出率演算処理(S117)を実行しないことで、無駄な制御処理を行わないようにしている。
ステップS118では、RAMクリアスイッチ152が操作されたか否かを判定する。操作されていなければ(S118でNO)、本処理を終える。一方、操作されていれば(S118でYES)、現時点での表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S119)。表示フラグは、「1」又は「2」の何れかの値を示すものである。表示フラグが「1」であれば(S119でYES)、表示フラグを「2」に切替えて(S120)、本処理を終える。これに対して、表示フラグが「1」でなければ(S119でNO)、表示フラグを「1」に切替えて(S121)、本処理を終える。つまり、RAMクリアスイッチ152を操作する度に、表示フラグが「1」又は「2」に切替わることになる。
ここで、表示フラグとRAMクリアスイッチ152の操作との関係について説明する。後述するように出率を表示する際には、表示フラグが「1」であれば役物比率を表示して、表示フラグが「2」であれば連続役物比率を表示するようになっている。そのため、出率を確認する人がRAMクリアスイッチ152を操作する度に、役物比率の表示と連続役物比率の表示とを切替えることが可能である。なお従来では、RAMクリアスイッチ152は電源投入時に操作されるだけのものであった。そこで本形態では、新たなスイッチを設けることなく、既存のRAMクリアスイッチ152を役物比率の表示と連続役物比率の表示とを切替えるための操作手段として有効利用している。
[賞球数カウンタ加算処理]図46に示すように、賞球数カウンタ加算処理(S114)ではまず、図45のステップS110で読み込んだ入賞検知信号の種類と、図11(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、100球用カウンタの値を加算させる(S201)。例えば、普通入賞口27への入賞であれば、100球用カウンタの値を「8」だけ加算して、第1大入賞口30への入賞であれば、100球用カウンタの値を「15」だけ加算する。次に、100球用カウンタの値が「100」以上であるか否かを判定する(S202)。「100」未満であれば(S202でNO)、ステップS205に進む。一方、「100」以上であれば(S202でYES)、実総賞球数カウンタの値を「1」だけ加算すると共に、100球用カウンタの値を「100」だけ減算して、ステップS205に進む。このようにして、遊技者が獲得した総賞球数を百球単位で1つとして計測することが可能である。
ステップS205では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)への入賞であるか否かを判定する。大入賞口への入賞であれば(S205でYES)、役物賞球数カウンタの値を「15」だけ加算すると共に(S206)、連続役物賞球数カウンタの値を「15」だけ加算して(S207)、本処理を終える。一方、大入賞口への入賞でなければ(S205でNO)、続いて電チュー22(第2始動口21)への入賞であるか否かを判定する(S208)。電チュー22への入賞であれば(S208でYES)、役物賞球数カウンタの値を「7」だけ加算して(S209)、本処理を終える。これに対して、電チュー22への入賞でなければ(S208)、普通入賞口27又は第1始動口20への入賞であるため、役物賞球数カウンタ又は連続役物賞球数カウンタを加算することなく、本処理を終える。
[出率演算処理]図47に示すように、出率演算処理(S117)ではまず、実総賞球数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S301)。「1」以上であれば(S301でYES)、役物比率演算処理を実行する(S302)。具体的には、役物賞球数カウンタの値を実総賞球数カウンタの値で除算する。これにより、100倍するという乗算の処理を行うことなく、百分率の値としての役物比率を簡易に演算することが可能である。なお演算された役物比率では、小数第1位の値が四捨五入されるようになっている。そして役物比率の値を特別メモリ89の役物比率記憶領域(図11(C)参照)に記憶する(S303)。
続いて、連続役物比率演算処理を実行する(S304)。具体的には、連続役物賞球数カウンタの値を実総賞球数カウンタの値で除算する。これにより、100倍という乗算の処理を行うことなく、百分率の値としての連続役物比率を簡易に演算することが可能である。なお演算された連続役物比率では、小数第1位の値が四捨五入されるようになっている。そして連続役物比率の値を、特別メモリの連続役物比率記憶領域(図11(C)参照)に記憶して(S305)、本処理を終える。一方、ステップS301で実総賞球数カウンタの値が「1」以上でなければ、「0」であることになり、本処理を終える。つまり、実総賞球数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS302又はS304の処理において「0」である分母の値により除算ができないため、直ちに本処理を終える。
[始動口センサ検出処理]図48に示すように、始動口センサ検出処理(S103)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S401)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S401でYES)、ゲート通過処理(S402)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S401でNO)、ゲート通過処理(S402)をパスしてステップS403に進む。ゲート通過処理(S402)では、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている普通図柄乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図38(B)参照)を取得し、普図保留記憶部86に格納する。このとき遊技制御用マイコン81は、普図保留の表示の変更を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。
ステップS403では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S403)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S403でNO)にはステップS407に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S403でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S404)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S404でYES)には、ステップS407に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S404でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S405)。このとき遊技制御用マイコン81は、第2特図保留の表示の変更を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。
続いて特図2関係乱数取得処理(S406)を行う。特図2関係乱数取得処理(S406)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図38(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S407)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S407でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S407でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S408)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S408でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S408でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S409)。このとき遊技制御用マイコン81は、第1特図保留の表示の変更を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。
続いて特図1関係乱数取得処理(S410)を行う。特図1関係乱数取得処理(S410)では、特図2関係乱数取得処理(S406)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図38(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[特別動作処理]図49に示すように特別動作処理(S105)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図50に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。ONであれば(S1416でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1416でNO)、客待ちフラグをONにして(S1417)本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、特図2大当たり判定処理を実行する(S1402)。特図2大当たり判定処理(S1402)では、大当たり乱数カウンタ値(図38(A)参照)を読み出して、大当たりであるか否かを判定する。そして大当たりであれば、大当たりフラグをONにすると共に、当たり種別乱数カウンタ値(図38(A)参照)を読み出して、当たり種別を判定する。次に特図2変動パターン選択処理(S1403)では、図40に示す特図変動パターン判定テーブルと変動パターン乱数カウンタ値(図38(A)参照)とにより、特図2の変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。このとき第2特図保留の表示の変更を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。このとき遊技制御用マイコン81は、第2特別図柄の変動表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第2遊技データ記憶領域(図11(B)参照)にセットする。遊技用RAM84の第2遊技データ記憶領域は、第2特別図柄表示器41b(図12参照)の各遊技用発光部LA9〜LA16を発光させるためのデータ情報を記憶する記憶領域である。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、特図1大当たり判定処理を実行する(S1408)。特図1大当たり判定処理(S1408)では、大当たり乱数カウンタ値(図38(A)参照)を読み出して、大当たりであるか否かを判定する。そして大当たりであれば、大当たりフラグをONにすると共に、当たり種別乱数カウンタ値(図38(A)参照)を読み出して、当たり種別を判定する。次に特図1変動パターン選択処理(S1409)では、図40に示す特図変動パターン判定テーブルと変動パターン乱数カウンタ値(図38(A)参照)とにより、特図1の変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。このとき第1特図保留の表示の変更を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域にセットする。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1411)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。このとき遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄の変動表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第1遊技データ記憶領域(図11(B)参照)にセットする。遊技用RAM84の第1遊技データ記憶領域は、第1特別図柄表示器41a(図12参照)の各遊技用発光部LA1〜LA8を発光させるためのデータ情報を記憶する記憶領域である。
ステップS1413では、特別メモリ89の変動回数カウンタの値を「1」だけ増加させる。こうして本パチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの変動回数(特別図柄の変動表示の回数)がカウントされる。続いて、客待ちフラグがONであるか否かを判定し(S1414)、ONであれば(S1414でYES)、客待ちフラグをOFFにして(S1415)、本処理を終える。
図49に示す特別図柄変動中処理(S1304)では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間が経過していれば、特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。このとき遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄を停止表示するタイミングであれば、特図1の抽選の結果を示す第1特別図柄の停止表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第1遊技データ記憶領域にセットする。一方、第2特別図柄を停止表示するタイミングであれば、特図2の抽選の結果を示す第2特別図柄の停止表示を行うためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第2遊技データ記憶領域にセットする。
図49に示す特別図柄確定処理(S1306)では停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、特別電動役物処理(S1307)を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする。このときに大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理(S1302)を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1306)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントして、「0」になれば確変フラグをOFFする。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして、「0」になれば時短フラグをOFFする。また、特別動作ステータスを「4」にする際に、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
この特別図柄確定処理(S1306)において、遊技制御用マイコン81は、遊技状態を変更する場合には、遊技状態を表示するためのデータ情報を(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域(図11(B)参照)にセットする。遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域は、遊技状態表示器46を含む第4発光領域440(図12参照)の各遊技用発光部LA25〜LA32を発光させるためのデータ情報を記憶する記憶領域である。また遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始する場合には、右打ちすべき状態であることを表示するためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域にセットする。更に、大当たり遊技でのラウンド数を表示するためのデータ情報(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域にセットする。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図51に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、特定領域39への遊技球の通過が可能な第16ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図37参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、ラウンド遊技(又は大当たり遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図37参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そしてステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2216)、本処理を終える。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って、本処理を終える。
遊技状態設定処理(S2221)では、上述したVフラグがONであるか否かを判定し、VフラグがONでなければ、時短フラグをONにして、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、時短回数が100回に設定される低確高ベース状態に制御される。一方、VフラグがONであれば、確変フラグ及び時短フラグをONにして、確変カウンタ及び時短カウンタに「160」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、所謂ST回数が160回に設定される高確高ベース状態になる。
この遊技状態設定処理(S2221)において、遊技制御用マイコン81は、遊技状態を変更するため、変更後の遊技状態を表示するためのデータ情報を(発光データ)を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域にセットする。また大当たり遊技を終了させるため、ラウンド数の表示を消すためのデータ情報を作成して、そのデータ情報を遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域にセットする。
[出力処理]遊技制御用マイコン81は、上述した特別動作処理(S105)、特定領域センサ検出処理(S106)の後に、出力処理(S107)を実行する(図44参照)。出力処理(S107)では、図52に示すように、まず遊技機枠50が(内枠52が外枠51に対して)開放しているか否か、即ち枠開放検出スイッチ50aによる検出があるか否かを判定する(S2301)。遊技機枠50が閉鎖している(S2301でNO)、即ち枠開放検出スイッチ50aによる検出がなければ、後述する遊技表示処理を実行して(S2303)、ステップS2305に進む。遊技表示処理(S2303)は、遊技の進行に係る遊技情報(大当たり図柄や遊技状態等)を遊技表示器40に表示させるための処理である。
一方、遊技機枠50が開放していれば(S2301でYES)、続いて、客待ちフラグがONであるか否か、即ち客待ち状態であるか否かを判定する(S2302)。客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、遊技表示処理を実行して(S2303)、ステップS2305に進む。これに対して、客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、後述する出率表示処理(特定表示処理)を実行して(S2304)、ステップS2305に進む。出率表示処理(S2304)は、出率を出率表示器300に表示させるための処理である。ステップS2305では、その他の出力設定処理として、主制御基板80の遊技用RAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力して、本処理を終える。
こうして本形態では、遊技機枠50が閉鎖していたり、特別図柄の変動表示や大当たり遊技の実行中であれば、遊技表示処理(S2303)を実行する。一方、遊技機枠が開放していて、特別図柄の変動表示及び大当たり遊技が実行されていなければ、出率表示処理(S2304)を実行する。言い換えると、出率表示器300に出率を表示させるための表示条件(以下、単に「表示条件」ともいう)を、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であることに制限している。このように表示条件を制限しているのは、以下の理由に基づく。
先ず、上述したように、出率を確認する人に信頼性のある情報としての出率を確認させるべく、出率表示器300は主制御基板80に配されている。そのため、遊技機枠50を開放しなければ出率表示器300を視認できないことになる。従って、表示条件を、出率表示器が視認できるようになる遊技機枠50の開放とするのは、好適である。即ち本形態の駆動回路200(図15参照)によれば、ICの増加をできるだけ回避すると共に、ダイナミック点灯制御での瞬きを防止するという観点により、設計上、遊技表示器40での表示と出率表示器300での表示は択一的になってしまう。よって、遊技機枠50が開放しているときには、基本的に遊技者による遊技が行われていないことして、遊技表示器40に遊技情報を表示させなくても良いという点で好適である。
但し、遊技機枠50が開放された直後において、未だ特別図柄の変動表示が実行されていたり、遊技球が始動口20,21に入球して特別図柄の変動表示が開始されてしまう場合はあり得る。この場合には、遊技表示器40に遊技情報を表示しなければならない。即ち、出率表示器300で出率を表示しないようにする必要がある。こうして、表示条件を遊技機枠50の開放中であることに加えて、客待ち状態であることに制限している。なお、出率は遊技者に対して見せるものではなく、本パチンコ遊技機1に不正な改造が施されているか否かを検査する人に対して見せるものであり、基本的に検査時だけに表示されていれば十分である。従って、遊技中に出率を表示する必要はなく、表示条件を上記したように制限しても全く問題にならない。
[遊技表示処理]遊技表示処理(S2303)では、図53に示すように、まずコモンフラグが「1」であるか否かを判定する。コモンフラグは「1」又は「2」或いは「3」若しくは「4」の何れかの値に設定されるものであり、遊技表示器40の4つの発光領域410〜440のうち何れの発光領域で発光制御を行うのかを示すものである。
コモンフラグが「1」であれば(S2401でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2402)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(設定する)(S2403)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第4発光領域440での発光状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力する(S2404)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2405)(図18参照)。これにより、発光させ得る発光領域が第1発光領域410になる。続いて、遊技用RAM84の第1遊技データ記憶領域に記憶されているデータ情報(発光データ)に基づいて、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]を出力する(S2406)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2407)(図19参照)。これにより、第1発光領域410にて表示すべき発光態様(例えば大当たり図柄)で遊技用発光部LA1〜LA8を発光させることが可能である。そして、コモンフラグを「2」に切替えて(S2408)、本処理を終える。
ステップS2401でコモンフラグが「1」でなければ、ステップS2409に進み、コモンフラグが「2」であるか否かを判定する。コモンフラグが「2」であれば(S2409でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2410)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2411)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第1発光領域410での発光状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力する(S2412)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2413)(図20参照)。これにより、発光させ得る発光領域が第2発光領域420になる。続いて、遊技用RAM84の第2遊技データ記憶領域に記憶されているデータ情報(発光データ)に基づいて、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]を出力する(S2414)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2415)(図21参照)。これにより、第2発光領域420にて表示すべき発光態様(例えばハズレ図柄)で遊技用発光部LA9〜LA16を発光させることが可能である。そして、コモンフラグを「3」に切替えて(S2416)、本処理を終える。
ステップS2409でコモンフラグが「2」でなければ、ステップS2417に進み、コモンフラグが「3」であるか否かを判定する。コモンフラグが「3」であれば(S2417でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2418)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2419)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第2発光領域420での発光状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力する(S2420)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2421)(図22参照)。これにより、発光させ得る発光領域が第3発光領域430になる。続いて、遊技用RAM84の第3遊技データ記憶領域に記憶されているデータ情報(発光データ)に基づいて、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]を出力する(S2422)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2423)(図23参照)。これにより、第3発光領域430にて表示すべき発光態様で遊技用発光部LA17〜LA24を発光させることが可能である。そして、コモンフラグを「4」に切替えて(S2424)、本処理を終える。
ステップS2417でコモンフラグが「3」でなければ、コモンフラグが「4」に設定されていることになり、ステップS2425に進む。ステップS2425では、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2426)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第3発光領域430での発光状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力する(S2427)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2428)(図24参照)。これにより、発光させ得る発光領域が第4発光領域440になる。続いて、遊技用RAM84の第4遊技データ記憶領域に記憶されているデータ情報(発光データ)に基づいて、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]を出力する(S2429)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2430)(図25参照)。これにより、第4発光領域440にて表示すべき発光態様で遊技用発光部LA25〜LA32を発光させることが可能である。そして、コモンフラグを「1」に切替えて(S2431)、本処理を終える。
[出率表示処理]出率表示処理(S2304)では、図54に示すように、まずコモンフラグが「1」であるか否かを判定する(S2501)。コモンフラグは上述した遊技表示処理(S2303)でも用いたが、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち何れの点灯領域で点灯制御を行うのかを示すものである。
コモンフラグが「1」であれば(S2501でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2502)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2503)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第4点灯領域340での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力する(S2504)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2505)(図27参照)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310になる。続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2506)。上述したように、表示フラグはRAMクリアスイッチ152の操作によって「1」又は「2」の何れかに切替わって(図45参照)、「1」であれば役物比率の表示を示し、「2」であれば連続役物比率の表示を示すものである。表示フラグが「1」であれば(S2506でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の役物比率記憶領域に記憶されている役物比率の十の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2507)。一方、表示フラグが「1」でなければ(S2506でNO)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の連続役物比率記憶領域に記憶されている連続役物比率の十の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2508)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2509)(図28参照)。これにより、第1点灯領域310にて表示すべき点灯態様(例えば「6」)で出率用点灯部LB1〜LB8を点灯させることが可能である。そして、コモンフラグを「2」に切替えて(S2510)、本処理を終える。
ステップS2501でコモンフラグが「1」でなければ、ステップS2511に進み、コモンフラグが「2」であるか否かを判定する。コモンフラグが「2」であれば(S2511でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2512)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2513)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第1点灯領域310での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力する(S2514)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2515)(図29参照)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320になる。続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2516)。表示フラグが「1」であれば(S2516でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の役物比率記憶領域に記憶されている役物比率の一の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2517)。一方、表示フラグが「1」でなければ(S2516でNO)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の連続役物比率記憶領域に記憶されている連続役物比率の一の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2518)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2519)(図30参照)。これにより、第2点灯領域320にて表示すべき点灯態様(例えば「0」)で出率用点灯部LB9〜LB16を点灯させることが可能である。そして、コモンフラグを「3」に切替えて(S2520)、本処理を終える。
ステップS2511でコモンフラグが「2」でなければ、図55に示すようにステップS2521に進み、コモンフラグが「3」であるか否かを判定する。コモンフラグが「3」であれば(S2521でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2522)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2523)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第2点灯領域320での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力する(S2524)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2525)(図31参照)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330になる。続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2526)。
表示フラグが「1」であれば(S2526でYES)、入出力端子D0〜D7から、「1」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2527)。つまり、データ情報D[0…7]=[01100000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2529)、第3点灯領域330の出率用点灯部LB18,LB19が点灯して、「1」が表示される。このようにして本形態では、第3点灯領域330で「1」が表示されていれば、出率を確認する人に、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示されている2桁の数字(出率)が役物比率であることを把握させる。
一方、表示フラグが「1」でなければ(S2526でNO)、入出力端子D0〜D7から、「2」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2528)。つまり、データ情報D[0…7]=[11011010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2529)(図32参照)、第3点灯領域330の出率用点灯部LB17,LB18,LB20,LB21,LB23が点灯して、「2」が表示される。このようにして本形態では、第3点灯領域330で「2」が表示されていれば、出率を確認する人に、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示されている2桁の数字(出率)が連続役物比率であることを把握させる。ステップS2530では、コモンフラグを「4」に切替えて、本処理を終える。
ステップS2521でコモンフラグが「3」でなければ、コモンフラグが「4」であることになり、ステップS2531に進む。ステップS2531では、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2532)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第3点灯領域330での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力する(S2533)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2534)(図33参照)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340になる。
続いて、特別メモリ89の実総賞球数カウンタの値が「100」以上であるか否かを判定する(S2535)。つまり本パチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの総賞球数が「10000」発に達したか否かを判定する。「100」以上であれば(S2535でYES)、ステップS2536に進む。一方、「100」以上でなければ(S2535でNO)、続いて、特別メモリ89の変動回数カウンタの値が「3000」以上であるか否かを判定する(S2537)。つまり本パチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの変動回数が「3000」回に達したか否かを判定する。「3000」以上であれば(S2537でYES)、ステップS2536に進む。ステップS2536では、「1」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する。つまり、データ情報D[0…7]=D[01100000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2539)(図34参照)、第4点灯領域340の出率用点灯部LB26,LB27が点灯して、「1」が表示される。このようにして本形態では、第4点灯領域340で「1」が表示されていれば、出率を確認する人に、表示中の出率(役物比率又は連続役物比率)がある程度収束した有効値であることを把握させる。
これに対して、実総賞球数カウンタの値が「100」未満であり(S2535でNO)、且つ変動回数カウンタの値が「3000」未満であれば(S2537でNO)、ステップS2538に進む。ステップS2538では、「0」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する。つまり、データ情報D[0…7]=[11111100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2539)、第4点灯領域340の出率用点灯部LB25,LB26,LB27,LB28,LB29,LB30が点灯して、「0」が表示される。このようにして本形態では、第4点灯領域340で「0」が表示されていれば、出率を確認する人に、表示中の出率(役物比率又は連続役物比率)が未だ収束していない可能性がある参考値であることを把握させる。ステップS2540では、コモンフラグを「1」に切替えて、本処理を終える。
[電源断監視処理]遊技制御用マイコン81は、上述した出力処理(S107)の後に、電源断監視処理(S108)を実行する(図44参照)。電源断監視処理(S108)では、図56に示すように、まず電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)処理を終了する。電源断信号は、監視している電源の電圧が電断により低下し始めたときに遊技制御用マイコン81が入力する信号である。具体的には電源基板150が、生成した32Vの電圧を監視していて、その電圧が17V(所定電圧値)以下になると、遊技制御用マイコン81に電源断信号を出力し、その時点から所定時間経過後にリセット信号を出力するようになっている。なお監視する電圧及び電源断信号が出力される際の電圧値(所定電圧値)は適宜変更可能である。
ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、遊技用RAM84のチェックサムを算出して(S2902)、算出したチェックサムを遊技用RAM84の所定の記憶領域に格納する(S2903)。次いで、特別メモリ89のチェックサムを算出して(S2904)、算出したチェックサムを特別メモリ89のチェックサム記憶領域(図11(C)参照)に格納する(S2905)。続いて、電源断フラグをONにして(S2906)、遊技用RAM84及び特別メモリ89へのアクセスの禁止設定を行う(S2907)。これにより、遊技用RAM84及び特別メモリ89に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図44参照)に戻ることなくループ処理を行う。
9.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図57〜図61に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図57に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであってもRAM94の内容が異常である場合には、RAM94の初期化をして(S4002)、ステップS4003に進む。
一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4011でYES)、主制御基板80の遊技用RAM84の記憶内容はクリアされている。そのため、サブ制御基板90のRAM94の記憶内容をクリアして(S4002)、ステップS4003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4011でNO)、RAM94の記憶内容をクリアすることなく、ステップS4003に進む。
ステップS4003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出とラウンド演出とエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力する。また、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理] 受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図41に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図59に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図10参照)やセレクトボタン検出スイッチ64a(図10参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動モータ15aを駆動させるためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図60に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4304)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図61に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4402)。変動演出開始処理(S4402)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出パターンを選択する。また、停止図柄としての演出図柄や、予告演出も選択する。そして、選択した演出内容にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4406)。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4408)。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4410)。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特別メモリクリアコマンドを受信したか否かを判定し(S4411)、受信していれば特別メモリクリア報知処理を行う(S4412)。特別メモリクリア報知処理(S4412)では、特別メモリ89の記憶内容が消去されたことの報知を行うための特別メモリクリア報知コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、特別メモリクリア報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図62(A)に示すように、表示画面7aにて「特別メモリをクリアしました」の文字を示すクリア画像CL1を表示する。またこのときには、特別メモリ89の記憶内容が消去されたことを示唆する特殊な音声がスピーカ67から出力される。こうして、特別メモリ89の記憶内容が消去されたこと、即ち出率が初期化されたことを認識し易くすることが可能である。なお、特別メモリ89の記憶内容が消去されたことを示す報知態様は適宜変更可能である。例えば図62(B)に示すように、表示画面7aにて「出率を初期化しました」の文字を示すクリア画像CL2を表示したり、所定のランプ(枠ランプ66や盤ランプ5)を特殊な発光態様で発光させるようにしても良い。
ステップS4413では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、特定領域39への通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態(第1形態)のパチンコ遊技機1によれば、主制御基板80の制御処理によって、図26に示すように、出率表示器300に出率を表示させることが可能である。つまり、主な遊技制御を行う主制御基板80によって出率が表示され、例えばサブ制御基板90によって出率が表示されているわけではない。従って、出率を確認(検査)する人に対して、信頼性のある情報としての出率を把握させることが可能である。その結果、本パチンコ遊技機1に不正な改造が施されているか、又は不具合や故障によって出率が異常になっているかを正しく判断させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技表示器40での表示と出率表示器300での表示を択一的に行うことにしている。これにより遊技制御用マイコン81による表示制御が複雑になるのを回避することが可能である。そして、出率表示器300に出率を表示させる表示条件を、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であることにしている。そのため、遊技機枠50が開放しているときに、始動口20,21に遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始されるという場合が生じても、表示条件が成立しない。従って、上記した場合には、遊技表示器40に遊技の進行に係る遊技情報(特別図柄等)が表示されて、遊技中であるにも拘わらず遊技情報の表示の機能が失われるのを防ぐことが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第1形態の変形例>
図63〜図73に基づいて第1形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、出率表示器300に出率を表示できるように構成した。これに対して第1形態の変形例では、ベース表示器にベースを表示できように構成されている。ベース(特定割合値)は、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数,特定遊技球数)に対して遊技者が獲得した総賞球数の割合のことである。ベースを表示するベース表示器は、4連7セグで構成されていて、上記した出率表示器300(図8参照)とハード的に全く同じ構成である。そのため、以下では「ベース表示器(特定表示器)300」と呼ぶことにする。なお発射球数は、ベースを演算する前の分母となる値(分母計測値)であり、総賞球数は、ベースを演算する前の分子となる値(分子計測値)である。
ベースを演算するためには、発射球数をカウントする必要がある。ここで本形態では、遊技領域3に設けられている全ての入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27、アウト口16)に入球した遊技球の数をカウントする。これによりカウントされた遊技球数を、発射球数とみなすことにしている。但し上記第1形態では、アウト口16に入球した遊技球を検出するセンサが配されていない。
そこでこの変形例では、図63に示すように、アウト口16から遊技領域3外へ延びるアウト口排出経路HKにアウト口センサ16aが配されている。アウト口センサ16aは、アウト口16に入球した遊技球を検出するものである。なお第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、又は普通入賞口27に入球した遊技球は、アウト口センサ16aを通過することなく、遊技領域3外へ排出されるようになっている。つまりこの変形例のアウト口センサ16aは、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を検出するものである。図64に示すように、主制御基板80には中継基板88を介してアウト口センサ16aに接続されている。従って、アウト口センサ16aによる検出信号は、遊技制御用マイコン81に入力される。
ここで発射球数をカウントするために、レール部材4(図1参照)の付近にて遊技領域3に向けて発射される遊技球を検出するセンサを設ける方法が考えられる。しかしながらこの方法では、そのセンサが発射された遊技球を検出した後に、勢いが弱くて戻ってきた遊技球を再び検出するおそれがあり、正確な発射球数をカウントできない可能性がある。そこでこの変形例では、遊技領域3外へ排出される遊技球を全てカウントすることで、できるだけ正確な発射球数をカウントできるようにしている。
ところでパチンコ遊技機は、ホール設置する前に、ベース(出玉率)の試射試験が行われる。1時間の試射試験においては、ベースが3(300%)以上でないことが検査される。また10時間の試射試験においては、ベースが0.5(50%)を超えていて且つ2(200%)以上でないことが検査される。しかしながら従来において、検査された後に不正な改造が施されていたり、故障や不具合によって、ベースが正常範囲外になっている可能性を完全に否定できるものではなかった。そこでこの変形例では、ベースをベース表示器300に表示可能にしている。
この変形例において、ベースには3種類ある。通常遊技状態(非時短状態)でのベースと、時短状態(高確率状態且つ時短状態、又は低確率状態且つ時短状態)でのベースと、大当たり遊技状態(大当たり遊技の開始から終了までの)でのベースである。通常遊技状態でのベースは、通常遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する総賞球数の割合である。時短状態でのベースは、時短状態に限ってカウントされた発射球数に対する総賞球数の割合である。大当たり遊技状態でのベースは、大当たり遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する総賞球数の割合である。こうして遊技状態毎に区切った各ベースを確認できることにより、全ての遊技状態に対するベースだけを確認できる場合に比べて、パチンコ遊技機1の異常をより正確に判断することが可能である。
次に、ベース表示器300での表示について説明する。第1点灯領域310では、通常遊技状態でのベース(以下「通常ベース」と呼ぶ)、又は時短状態でのベース(以下「時短ベース」と呼ぶ)をパーセント(百分率)で表示する場合の十の位の数字を表示させる。但し、通常ベース及び時短ベースは1(100%)を超えることがほぼあり得ないが、大当たり遊技状態でのベース(以下「大当たりベース(出玉率)」と呼ぶ)はほぼ1を超えることになる。従って、第1点灯領域310では、大当たりベースをパーセントで表示する場合の百の位を表示させる。
第2点灯領域320では、通常ベース又は時短ベースをパーセントで表示する場合の一の位の数字を表示させるのに対して、大当たりベースをパーセントで表示する場合の十の位を表示させる。なおこの変形例では、ベース表示器300において、大当たりベースをパーセントで表示する場合の一の位を表示させることはない。大当たりベースのうち有効数字の3桁目まで確認するのはほとんど無意味であるためである。
第3点灯領域330では、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示しているベースが、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの何れであるかを示すようになっている。この変形例では、通常ベースを表示している場合には、第3点灯領域330で「1」を表示する。また時短ベースを表示している場合には、第3点灯領域330で「2」を表示する。また大当たりベースを表示している場合には、第3点灯領域330で「3」を表示する。
第4点灯領域340では、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示しているベースが、有効値又は参考値のどちらであるかを示すようになっている。有効値又は参考値の意味は、上記第1形態の意味と同様、ベースがある程度収束した値になっているか否かを示すことである。この変形例では、電源が投入されてから現時点までの総発射球数(通常遊技状態での発射球数と時短状態での発射球数と大当たり遊技状態での発射球数の合計)が「100000」発以上であるという第1条件、又は電源が投入されてから現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が「3000」(所定回転数)回以上であるという第2条件の何れかの条件が満たされていれば、ベースがある程度収束した値(有効値)とみなすようにしている。その反対に、上記した第1条件又は第2条件の何れも満たしていなければ、ベースがある程度収束していない値(参考値)とみなすようにしている。
図65(C)に示すように、変形例の特別メモリ89は、ベースを演算するための処理情報を格納する専用のメモリである。具体的に特別メモリ89には、通常100球用カウンタ、通常発射球数カウンタ、通常総賞球数カウンタ、通常ベース記憶領域、時短100球用カウンタ、時短発射球数カウンタ、時短総賞球数カウンタ、時短ベース記憶領域、大当たり100球用カウンタ、大当たり発射球数カウンタ、大当たり総賞球数カウンタ、大当たりベース記憶領域、変動回数カウンタ、チェックサム記憶領域が設けられている。変形例の特別メモリ89は、上記第1形態の特別メモリ89と同様、電源が供給されなくなると記憶内容を保持することができない揮発性の記憶手段(DRAM)である。しかしながら特別メモリ89の記憶内容は、上記第1形態と同様、電源投入時のRAMクリアスイッチ152の操作で消去されないようになっている。
通常100球用カウンタ(第1カウンタ)は、通常遊技状態にて遊技者が発射した発射球数を1球ずつカウントするものであり、100球カウントすると「0」の値にリセットされるようになっている。通常発射球数カウンタは(第2カウンタ)は、通常100球用カウンタにより100球がカウントされると1つカウントするものである。これら通常100球用カウンタと通常発射球数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までの通常遊技状態での発射球数を百球単位で1つとして計測するもの(百球用計測手段)である。こうして通常100球用カウンタと通常発射球数カウンタを用いて通常ベースを演算することで、上記第1形態で説明したように、除算の際のソフト的な処理を簡易にすることが可能であると共に、100倍するという乗算の処理を省くことが可能である。通常総賞球数カウンタは、電源が投入されてから現時点までの通常遊技状態での賞球数の合計をカウントするものである。通常ベース記憶領域は、演算された通常ベースを記憶しておくものである。
時短100球用カウンタ(第1カウンタ)は、時短状態にて遊技者が発射した発射球数を1球ずつカウントするものであり、100球カウントすると「0」の値にリセットされるようになっている。時短発射球数カウンタは(第2カウンタ)は、時短100球用カウンタにより100球がカウントされると1つカウントするものである。これら時短100球用カウンタと時短発射球数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までの時短状態での発射球数を百球単位で1つとして計測するもの(百球用計測手段)である。こうして時短100球用カウンタと時短発射球数カウンタを用いて時短ベースを演算することで、上記第1形態で説明したように、除算の際のソフト的な処理を簡易にすることが可能であると共に、100倍するという乗算の処理を省くことが可能である。時短総賞球数カウンタは、電源が投入されてから現時点までの時短状態での賞球数の合計をカウントするものである。時短ベース記憶領域は、演算された時短ベースを記憶しておくものである。
大当たり100球用カウンタ(第1カウンタ)は、大当たり遊技状態にて遊技者が発射した発射球数を1球ずつカウントするものであり、100球カウントすると「0」の値にリセットされるようになっている。大当たり発射球数カウンタは(第2カウンタ)は、大当たり100球用カウンタにより100球がカウントされると1つカウントするものである。これら大当たり100球用カウンタと大当たり発射球数カウンタは、電源が投入された時点から現時点までの大当たり遊技状態での発射球数を百球単位で1つとして計測するもの(百球用計測手段)である。こうして大当たり100球用カウンタと大当たり発射球数カウンタを用いて大当たりベースを演算することで、上記第1形態で説明したように、除算の際のソフト的な処理を簡易にすることが可能であると共に、100倍するという乗算の処理を省くことが可能である。大当たり総賞球数カウンタは、電源が投入されてから現時点までの大当たり遊技状態での賞球数の合計をカウントするものである。大当たりベース記憶領域は、演算された大当たりベースを記憶しておくものである。変動回数カウンタとチェックサム記憶領域については、上記第1形態と同様であるため、説明を省略する。
[入力処理]図66に示す変形例の入力処理(S101)では、図45に示す第1形態の入力処理(S101)に対して、ステップS111に換えてステップS150が設けられ、ステップS117に換えてステップS152が設けられ、ステップS119〜S121に換えてステップS153〜S157が設けられている。図66に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS110で各センサによる検出信号を読み込んだ後、ステップS150にて入球検知信号であるか否かを判定する。つまり、第1始動口センサ20aによる検出信号、第2始動口センサ21aによる検出信号、第1大入賞口センサ30aによる検出信号、第2大入賞口センサ35aによる検出信号、普通入賞口センサ27aによる検出信号、又はアウト口センサ16aによる検出信号であるか否かを判定する。入球検知信号であれば(S150でYES)、ステップS112及びS113の後、後述するカウンタ加算処理を実行する(S151)。但しこの変形例において、アウト口センサ16aによる検出信号である場合には、ステップS113で賞球コマンドがセットされることはない。そして、遊技機枠50が開放されていて(S115でYES)、且つ客待ち状態であれば(S116でYES)、後述するベース演算処理を実行する(S152)。
またステップS118において、RAMクリアスイッチ152が操作されたと判定すれば、ステップS153に進む。ステップS153では、現時点での表示フラグが「1」であるか否かを判定する。変形例の表示フラグは「1」又は「2」或いは「3」の何れかの値を示すものである。表示フラグが「1」であれば(S153でYES)、表示フラグを「2」に切替えて(S154)、本処理を終える。一方、「1」でなければ(S153でNO)、続いて表示フラグが「2」であるか否かを判定する(S155)。「2」であれば(S155でYES)、表示フラグを「3」に切替えて(S156)、本処理を終える。これに対して「2」でなければ(S155でNO)、「3」であることになり、表示フラグを「1」に切替えて(S157)、本処理を終える。
この変形例では、後述するようにベースを表示する際には、表示フラグが「1」であれば通常ベースを表示して、表示フラグが「2」であれば時短ベースを表示して、表示フラグが「3」であれば大当たりベースを表示するようになっている。そのため、ベースを確認する人がRAMクリアスイッチ152を操作する度に、通常ベースの表示と時短ベースの表示と大当たりベースの表示とを切替えることが可能である。
[カウンタ加算処理]図67に示すように、カウンタ加算処理(S151)ではまず、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)であるか否かを判定する(S160)。即ち、高確率状態であることを示す高確フラグがOFFであり且つ時短状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する。通常遊技状態であれば(S160でYES)、通常100球用カウンタの値を「1」だけ加算する(S161)。そして、通常100球用カウンタの値が「100」以上になったか否かを判定する(S162)。「100」未満であれば(S162でNO)、ステップS165に進む。一方、「100」以上であれば(S162でYES)、通常発射球数カウンタの値を「1」だけ加算すると共に(S163)、通常100球用カウンタの値を「100」だけ減算して(S164)、ステップS165に進む。このようにして、通常遊技状態での発射球数を百球単位で1つとして計測することが可能である。
ステップS165では、アウト口16への入球であるか否かを判定する。つまり、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号がアウト口センサ16aによる検出信号であるか否かを判定する。アウト口16への入球であれば(S165でYES)、本処理を終える。一方、アウト口への入球でなければ(S165でNO)、入賞口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27)への入賞であることになる。この場合には、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号の種類と、図65(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、通常総賞球数カウンタの値を加算させて(S166)、本処理を終える。例えば、通常遊技状態で普通入賞口27への入賞であれば、通常総賞球カウンタの値を「8」だけ加算する。
またステップS160で通常遊技状態でないと判定すれば、続いて、時短状態(高確率確率状態且つ時短状態、又は通常確率状態且つ時短状態)であるか否かを判定する(S167)。即ち、時短フラグがONであるか否かを判定する。時短状態であれば(S167でYES)、時短100球用カウンタの値を「1」だけ加算する(S168)。そして、時短100球用カウンタの値が「100」以上になったか否かを判定する(S169)。「100」未満であれば(S169でNO)、ステップS172に進む。一方、「100」以上であれば(S169でYES)、時短発射球数カウンタの値を「1」だけ加算すると共に(S170)、時短100球用カウンタの値を「100」だけ減算して(S171)、ステップS172に進む。このようにして、時短状態での発射球数を百球単位で1つとして計測することが可能である。
ステップS172では、アウト口16への入球であるか否かを判定する。つまり、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号がアウト口センサ16aによる検出信号であるか否かを判定する。アウト口16への入球であれば(S172でYES)、本処理を終える。一方、アウト口への入球でなければ(S172でNO)、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号の種類と、図65(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、時短総賞球数カウンタの値を加算させて(S173)、本処理を終える。例えば、時短状態で普通入賞口27への入賞であれば、時短総賞球カウンタの値を「8」だけ加算する。
またステップS167で時短状態でないと判定すれば、大当たり遊技状態であることになり、ステップS174に進む。ステップS174では、大当たり100球用カウンタの値を「1」だけ加算する。そして、大当たり100球用カウンタの値が「100」以上になったか否かを判定する(S175)。「100」未満であれば(S175でNO)、ステップS178に進む。一方、「100」以上であれば(S175でYES)、大当たり発射球数カウンタの値を「1」だけ加算すると共に(S176)、大当たり100球用カウンタの値を「100」だけ減算して(S177)、ステップS178に進む。このようにして、大当たり遊技状態での発射球数を百球単位で1つとして計測することが可能である。
ステップS178では、アウト口16への入球であるか否かを判定する。つまり、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号がアウト口センサ16aによる検出信号であるか否かを判定する。アウト口16への入球であれば(S178でYES)、本処理を終える。一方、アウト口への入球でなければ(S178でNO)、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号の種類と、図65(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、大当たり総賞球数カウンタの値を加算させて(S179)、本処理を終える。例えば、大当たり遊技状態で第1大入賞口30への入賞であれば、大当たり総賞球カウンタの値を「15」だけ加算する。
[ベース演算処理]図68に示すように、ベース演算処理(S152,特定演算処理)ではまず、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)であるか否かを判定する(S180)。通常遊技状態であれば(S180でYES)、通常発射球数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S181)。「1」以上であれば(S181でYES)、通常ベース演算処理を実行する(S182)。具体的には、通常総賞球数カウンタの値を通常発射球数カウンタの値で除算する。これにより、100倍するという乗算の処理を行うことなく、百分率の値としての通常ベースを簡易に演算することが可能である。なお演算された通常ベースでは、小数第1位の値が四捨五入されるようになっている。そして通常ベースの値を特別メモリ89の通常ベース記憶領域(図65(C)参照)に記憶して(S183)、本処理を終える。一方、ステップS181で通常発射球数カウンタの値が「1」以上でなければ「0」であることになり、通常ベースを演算できないため、本処理を終える。
またステップS180で通常遊技状態でないと判定すれば、続いて、時短状態(高確率確率状態且つ時短状態、又は通常確率状態且つ時短状態)であるか否かを判定する(S184)。時短状態であれば(S184でYES)、時短発射球数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S185)。「1」以上であれば(S185でYES)、時短ベース演算処理を実行する(S186)。具体的には、時短総賞球数カウンタの値を時短発射球数カウンタの値で除算する。これにより、100倍するという乗算の処理を行うことなく、百分率の値としての時短ベースを簡易に演算することが可能である。なお演算された時短ベースでは、小数第1位の値が四捨五入されるようになっている。そして時短ベースの値を特別メモリ89の時短ベース記憶領域(図65(C)参照)に記憶して(S187)、本処理を終える。一方、ステップS185で時短発射球数カウンタの値が「1」以上でなければ「0」であることになり、時短ベースを演算できないため、本処理を終える。
またステップS184で時短状態でないと判定すれば、大当たり遊技状態であることになり、ステップS188に進む。ステップS188では、大当たり発射球数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(S188)。「1」以上であれば(S188でYES)、大当たりベース演算処理を実行する(S189)。具体的には、大当たり総賞球数カウンタの値を大当たり発射球数カウンタの値で除算する。これにより、100倍するという乗算の処理を行うことなく、百分率の値としての大当たりベースを簡易に演算することが可能である。なお演算された時短ベースでは、1の位の値が四捨五入されるようになっている。そして大当たりベースの値を特別メモリ89の大当たりベース記憶領域(図65(C)参照)に記憶して(S190)、本処理を終える。一方、ステップS188で大当たり発射球数カウンタの値が「1」以上でなければ「0」であることになり、大当たりベースを演算できないため、本処理を終える。
[出力処理]図69に示す変形例の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)に対して、ステップS2304に換えてステップS2340が設けられている。図69に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠が開放されていて(S2301でYES)、且つ客待ち状態であれば(S2302でYES)、後述するベース表示処理(特定表示処理)を実行する(S2340)。ベース表示処理は、ベースをベース表示器300に表示させるための処理である。
[ベース表示処理]ベース表示処理(S2340)では、図70に示すように、まずコモンフラグが「1」であるか否かを判定する(S2601)。コモンフラグは、ベース表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち何れの点灯領域で点灯制御を行うのかを示すものである。
コモンフラグが「1」であれば(S2601でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2602)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2603)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第4点灯領域340での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力する(S2604)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2605)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310になる。続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2606)。上述したように、表示フラグはRAMクリアスイッチ152の操作によって「1」又は「2」或いは「3」の何れかに切替わって(図66参照)、「1」であれば通常ベースの表示を示し、「2」であれば時短ベースの表示を示し、「3」であれば大当たりベースの表示を示すものである。
表示フラグが「1」であれば(S2606でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の通常ベース記憶領域に記憶されている通常ベースの十の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2607)。一方、表示フラグが「1」でなければ(S2606でNO)、続いて、表示フラグが「2」であるか否かを判定する(S2608)。表示フラグが「2」であれば(S2608でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の時短ベース記憶領域に記憶されている時短ベースの十の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2609)。これに対して、表示フラグが「2」でなければ(S2608でNO)、「3」であることになり、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の大当たりベース記憶領域に記憶されている大当たりベースの百の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2610)。ステップS2607又はS2609或いはS2610の後、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2511)。これにより、第1点灯領域310にて表示すべき点灯態様で点灯させることが可能である。そして、コモンフラグを「2」に切替えて(S2612)、本処理を終える。
ステップS2601でコモンフラグが「1」でなければ、図71に示すように、ステップS2621に進み、コモンフラグが「2」であるか否かを判定する。コモンフラグが「2」であれば(S2621でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2622)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2623)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第1点灯領域310での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力する(S2624)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2625)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320になる。
続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2626)。表示フラグが「1」であれば(S2626でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の通常ベース記憶領域に記憶されている通常ベースの一の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2627)。一方、表示フラグが「1」でなければ(S2626でNO)、続いて、表示フラグが「2」であるか否かを判定する(S2628)。表示フラグが「2」であれば(S2628でYES)、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の時短ベース記憶領域に記憶されている時短ベースの一の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2629)。これに対して、表示フラグが「2」でなければ(S2628でNO)、「3」であることになり、入出力端子D0〜D7から、特別メモリ89の大当たりベース記憶領域に記憶されている大当たりベースの十の位を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2630)。ステップS2627又はS2629或いはS2630の後、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2531)。これにより、第2点灯領域320にて表示すべき点灯態様で点灯させることが可能である。そして、コモンフラグを「3」に切替えて(S2632)、本処理を終える。
ステップS2621でコモンフラグが「2」でなければ、図72に示すように、ステップS2641に進み、コモンフラグが「3」であるか否かを判定する。コモンフラグが「3」であれば(S2641でYES)、先ず入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する(S2642)。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2643)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第2点灯領域320での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力する(S2644)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2645)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330になる。
続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2646)。表示フラグが「1」であれば(S2646でYES)、入出力端子D0〜D7から、「1」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2647)。つまり、データ情報D[0…7]=[01100000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2651)、第3点灯領域330で「1」が表示される。このようにして本形態では、第3点灯領域330で「1」が表示されていれば、ベースを確認する人に、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示されている2桁の数字(ベース)が通常ベースであることを把握させる。
一方、表示フラグが「1」でなければ(S2646でNO)、続いて、表示フラグが「2」であるか否かを判定する(S2648)。表示フラグが「2」であれば(S2648でYES)、入出力端子D0〜D7から、「2」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2549)。つまり、データ情報D[0…7]=[11011010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2651)、第3点灯領域330で「2」が表示される。このようにして本形態では、第3点灯領域330で「2」が表示されていれば、ベースを確認する人に、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示されている2桁の数字(ベース)が時短ベースであることを把握させる。
これに対してステップS2648で、表示フラグが「2」でなければ、「3」であることになる。この場合には、入出力端子D0〜D7から、「3」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する(S2650)。つまり、データ情報D[0…7]=[11110010]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2651)、第3点灯領域330で「3」が表示される。このようにして本形態では、第3点灯領域330で「3」が表示されていれば、ベースを確認する人に、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で表示されている2桁の数字(ベース)が大当たりベースであることを把握させる。ステップS2651の後、コモンフラグを「4」に切替えて(S2652)、本処理を終える。
ステップS2641でコモンフラグが「3」でなければ、コモンフラグが「4」であることになり、図73に示すように、ステップS2661に進む。ステップS2661では、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2662)(図17参照)。これにより、前回(4ms前)の第3点灯領域330での点灯状態を反映しないようにしておく。次に、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力する(S2663)。そして、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2664)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340になる。
続いて、電源が投入されてから現時点までの総発射球数(通常遊技状態での発射球数と時短状態での発射球数と大当たり遊技状態での発射球数との合計(特定計測値))が「100000」発以上であるか否かを判定する。具体的には、通常発射球数カウンタの値と時短発射球数カウンタの値と大当たり発射球数カウンタの値との合計が「1000」以上であるか否かを判定する。総発射球数が「100000」発以上であれば(S2665でYES)、ステップS2666に進む。一方、「100000」発以上でなければ(S2665でNO)、続いて、特別メモリ89の変動回数カウンタの値が「3000」以上であるか否かを判定する(S2667)。つまり本パチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの変動回数が「3000」回に達したか否かを判定する。「3000」以上であれば(S2667でYES)、ステップS2666に進む。ステップS2666では、「1」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する。つまり、データ情報D[0…7]=D[01100000]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2669)、第4点灯領域340で「1」が表示される。このようにして本形態では、第4点灯領域340で「1」が表示されていれば、ベースを確認する人に、表示中のベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)がある程度収束した有効値であることを把握させる。
これに対して、総発射球数が「100000」発未満であり(S2665でNO)、且つ変動回数カウンタの値が「3000」未満であれば(S2667でNO)、ステップS2668に進む。ステップS2668では、「0」を表示するためのデータ情報D[0…7]を出力する。つまり、データ情報D[0…7]=[11111100]を出力する。そして、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替えると(S2669)、第4点灯領域340で「0」が表示される。このようにして本形態では、第4点灯領域340で「0」が表示されていれば、ベースを確認する人に、表示中のベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)が未だ収束していない可能性がある参考値であることを把握させる。ステップS2669の後、コモンフラグを「1」に切替えて(S2670)、本処理を終える。
以上、第1形態の変形例によれば、ベース表示器300にてベースを確認することが可能である。特に、通常ベース(通常遊技状態でのベース)と時短ベース(時短状態でのベース)と大当たりベース(大当たり遊技状態でのベース)のように、遊技状態毎に区切ってベースを確認することができるため、ベースに基づく本パチンコ遊技機1の異常の判断を正しく行うことが可能である。なお通常ベースであれば、例えば30%〜39%の範囲であれば正常範囲内として判断すれば良く、時短ベースであれば例えば84%〜99%の範囲であれば正常範囲内として判断すれば良く、大当たりベースであれば例えば600%〜800%の範囲であれば正常範囲内として判断すれば良い。その他の変形例の作用効果は、上記した第1形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
なお上記した第1形態では、特別メモリ89の記憶内容が消去された場合に、図62(A)に示すように、表示画面7aにて「特別メモリをクリアしました」の文字を示すクリア画像CL1を表示した。これに対して第1形態の変形例では、例えば図62(C)に示すように、表示画面7aにて「ベースを初期化しました」の文字を示すクリア画像CL3を表示するようにしても良い。またこのときには、ベースが初期化されたことを示唆する特殊な音声をスピーカ67から出力しても良い。又は、所定のランプ(枠ランプ66や盤ランプ5)を特殊な発光態様で発光させるようにしても良い。
<第2形態>
図74〜図77に基づいて第2形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の特別メモリ89は、揮発性の記憶手段(DRAM)であった。これに対して第2形態では、特別メモリ89Aが不揮発性の記憶手段(EEPROM)である。なお特別メモリ89Aは、EEPROM以外の不揮発性の記憶手段であっても良く、例えばフラッシュメモリであっても良い。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第2形態の特別メモリ89Aには、図74(B)に示すように、100球用記憶領域と、実総賞球数記憶領域と、役物賞球数記憶領域と、連続役物賞球数記憶領域と、変動回数記憶領域が設けられている。100球用記憶領域は、電断時までに計測されていた100球用カウンタの値を記憶しておくものである。実総賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた実総賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。役物賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた役物賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。連続役物賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた連続役物賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。変動回数記憶領域は、電断時までに計測されていた変動回数カウンタの値を記憶しておくものである。これらの各値(以下「出率表示用計測値」と呼ぶ)を特別メモリ89Aに記憶しておくのは、以下の理由に基づく。
上述したように、第1形態の特別メモリ89(揮発性の記憶手段)には、バックアップ電源回路151からバックアップ電源を供給可能であるため、数日程度の電断であれば、特別メモリ89に記憶されている記憶内容を保持しておくことができる。しかしながら、断線や接触不良等により、バックアップ電源でさえ特別メモリ89に供給できずに、特別メモリ89の記憶内容が消去されてしまう事態は考えられる。また意図的に電源プラグ160(図7参照)を抜いて、数日間電断を生じさせることにより、特別メモリ89の記憶内容を消去させてしまう事態も生じかねない。
そこで第2形態では、上記した問題に対処すべく、不揮発性の記憶手段である特別メモリ(不揮発性メモリ)89Aを設けて、電断時に出率表示用計測値を特別メモリ89Aに記憶させるようにしている。これにより、万一バックアップ電源が供給されなくなっても、特別メモリ89Aの記憶内容(出率表示用計測値)が消去されるのを回避することが可能である。これにより復電時には、電断が生じる直前に記憶しておいた出率表示用計測値から計測を再開することが可能である。
ここで、出率表示用計測値を計測する度に、特別メモリ89Aに直接記憶(格納)させる方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aへのアクセスが頻繁になるため、特別メモリ89Aが早く劣化してしまう。即ち、不揮発性の記憶手段は、揮発性の記憶手段のように高頻度の読み書きに対応できるものではない。
そこで第2形態では、図74(A)に示すように、揮発性の記憶手段である遊技用RAM(揮発性メモリ)84Aに100球用カウンタ、実総賞球数カウンタ、役物賞球数カウンタ、連続役物賞球数カウンタ、変動回数カウンタ、役物比率記憶領域、連続役物比率記憶領域を設けている。これにより、電断が生じていない通常時(監視している電圧が17Vよりも大きいとき)には、出率表示用計測値を計測しても、遊技用RAM84Aにアクセスするのであって、特別メモリ89Aにアクセスするわけではない。よって、特別メモリ89Aの使用頻度(劣化)を抑えることが可能である。
そして電断時に限って、それまでに計測した出率表示用計測値を特別メモリ89Aに移行(コピー)させる。つまり、遊技用RAM84Aの100球用カウンタの値と、実総賞球数カウンタの値と、役物賞球数カウンタの値と、連続役物賞球数カウンタの値と、変動回数カウンタの値とを、特別メモリ89Aの100球用記憶領域、実総賞球数記憶領域、役物賞球数記憶領域、連続役物賞球数記憶領域、変動回数記憶領域にそれぞれ記憶させる。これにより、断線や接触不良、又は意図的に数日間電断が生じるという異常事態が生じても、出率表示用計測値が消去されてしまうのを回避することが可能である。
その後の電源投入時(復電時)に、遊技用RAM84Aの記憶内容が全てクリアされれば、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行(コピー)するようになっている。つまり電源投入時にRAMクリアスイッチ152が操作されても、電断時に記憶しておいた出率表示用計測値から計測を再開することが可能である。一方、電源投入時に遊技用RAM84Aの記憶内容がクリアされなければ、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値(100球用カウンタの値、実総賞球数カウンタの値、役物賞球数カウンタの値、連続役物賞球数カウンタの値、変動回数カウンタの値)と、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値(100球用記憶領域に記憶されている値、役物賞球数記憶領域に記憶されている値、連続役物賞球数記憶領域に記憶されている値、変動回数記憶領域に記憶されている値)とを照合する。
そして上記した照合の結果が一致であれば、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値は正常であると判断して、その出率表示用計測値から計測を再開する。これに対して、上記した照合の結果が不一致であれば、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値は異常であると判断して、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行(コピー)する。その結果、正常である可能性が高い方の特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値から計測を再開することが可能である。以上により電源投入時には、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値が正常であるか否かをチェックしながら、計測を再開することが可能である。
[電源投入時処理]図75に示す第2形態の電源投入時処理(S001)では、図43に示す第1形態の電源投入時処理(S001)のステップS021〜S024に換えて、ステップS026,S027が設けられている。図75に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS018にて遊技用RAM84Aに記憶されている全ての情報をクリアする場合には、ステップS019,S020を経て、ステップS026に進む。ステップS026では、特別メモリ89Aに記憶している出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行(コピー)して、ステップS025に進む。これにより、電源投入時に遊技用RAM84Aの記憶内容を消去しても、電断時に特別メモリ89Aに移行させた出率表示用計測値から計測を再開できる。よって、収束した値としての出率を表示することが可能である。
一方、ステップS015にて遊技用RAM84Aのチェックサムの値が一致すると判定すれば、ステップS016,S017を経て、ステップS027に進む。ステップS027では、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値と、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値とを照合する。各出率表示用計測値の値がそれぞれ一致すれば(S027でYES)、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値は正常であると判断して、ステップS026に進むことなく、ステップS025に進む。これに対して、各出率表示用計測値の値が1つでも一致しなければ(S027でNO)、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値は異常であると判断して、特別メモリ89Aに記憶してある出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行する(S026)。以上、遊技用RAM84Aのチェックサムの照合と出率表示用計測値の照合という2重のチェックにより、特別メモリ89Aに記憶している出率表示用計測値を用いるか否かを決めることが可能である。
[賞球数カウンタ加算処理]図76に示す第2形態の賞球数カウンタ加算処理(S114)では、図46に示す第1形態の賞球数カウンタ加算処理(S114)のステップS201〜S204,S206,S207,S209に換えて、ステップS210〜S213,S215,S216,S218が設けられている。第1形態のステップS201〜S204,S206,S207,S209は、特別メモリ89に設けた各カウンタ(図11(C)参照)に関する処理であるのに対して、第2形態のステップS210〜S213,S215,S216,S218は、遊技用RAM84Aに設けた各カウンタ(図74(A)参照)に関する処理である。第1形態の賞球数カウンタ加算処理(S114)に対する変更点は上記の点だけであるため、詳細な説明を省略する。
[電源断監視処理]図77に示す第2形態の電源断監視処理(S108)では、図56に示す第1形態の電源断監視処理(S108)のステップS2904,S2905に換えて、ステップS2908が設けられている。図77に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、ステップS2902,S2903を経て、ステップS2908に進む。ステップS2908では、遊技用RAM84Aに設けた各カウンタにて電断時までに計測した出率表示用計測値を、特別メモリ89Aに設けた各記憶領域(図74(B)参照)に移行(コピー)させる。こうして電断時に、出率表示用計測値を特別メモリ89Aに保持させておく。
以上、第2形態のパチンコ遊技機1によれば、電断時に不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aに出率表示用計測値を記憶しておくことで、万一バックアップ電源が供給されなくなっても、出率表示用計測値が消去されてしまうのを回避することが可能である。そして、その後の電源投入時には、前の電断時に特別メモリ89Aに記憶させた出率表示用計測値を揮発性の記憶手段である遊技用RAM84Aに移行させることが可能である。その結果、電断時に記憶していた出率表示用計測値と同じ値から計測を再開することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、電断が生じていない通常時では、計測した出率表示用計測値を揮発性の記憶手段である遊技用RAM84Aに格納しておき、電断時に限って出率表示用計測値を不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aに記憶(移行)させる。従って、特別メモリ89Aに頻繁にアクセスするわけではないため、特別メモリ89Aの使用頻度(劣化)を抑えつつ、断線や接触不良、又は意図的に数日間電断が生じるという異常事態で出率表示用計測値が消去されてしまうのを回避することが可能である。第2形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第2形態の変形例>
図78及び図79に基づいて第2形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第2形態では、電断時において、出率を演算するために計測された各値(出率表示用計測値)を、不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aに記憶させた。これに対して、第2形態の変形例では、電断時において、ベースを演算するために計測された各値(ベース表示用計測値)を、不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aに記憶させるようになっている。
第2形態の変形例の特別メモリ89Aには、図78(B)に示すように、通常100球用記憶領域と、通常発射球数記憶領域と、通常総賞球数記憶領域と、時短100球用記憶領域と、時短発射球数記憶領域と、時短総賞球数記憶領域と、大当たり100球用記憶領域と、大当たり発射球数記憶領域と、大当たり総賞球数記憶領域と、変動回数記憶領域が設けられている。
通常100球用記憶領域は、電断時までに計測されていた通常100球用カウンタの値を記憶しておくものである。通常発射球数記憶領域は、電断時までに計測されていた通常発射球数カウンタの値を記憶しておくものである。通常総賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた通常総賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。時短100球用記憶領域は、電断時までに計測されていた時短100球用カウンタの値を記憶しておくものである。時短発射球数記憶領域は、電断時までに計測されていた時短発射球数カウンタの値を記憶しておくものである。時短総賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた時短総賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。大当たり100球用記憶領域は、電断時までに計測されていた大当たり100球用カウンタの値を記憶しておくものである。大当たり発射球数記憶領域は、電断時までに計測されていた大当たり発射球数カウンタの値を記憶しておくものである。大当たり総賞球数記憶領域は、電断時までに計測されていた大当たり総賞球数カウンタの値を記憶しておくものである。変動回数記憶領域は、上記第2形態と同様、電断時までに計測されていた変動回数カウンタの値を記憶しておくものである。これらの各値(以下「ベース表示用計測値」と呼ぶ)を特別メモリ89Aに記憶しておくのは、上記第2形態で出率表示用計測値を特別メモリ89Aに記憶させた理由と同様であるため、説明を適宜省略する。
第2形態の変形例では、図78(A)に示すように、揮発性の記憶手段である遊技用RAM(揮発性メモリ)84Aに、通常100球用カウンタ、通常発射球数カウンタ、通常総賞球数カウンタ、通常ベース記憶領域、時短100球用カウンタ、時短発射球数カウンタ、時短総賞球数カウンタ、時短ベース記憶領域、大当たり100球用カウンタ、大当たり発射球数カウンタ、大当たり総賞球数カウンタ、大当たりベース記憶領域、変動回数カウンタを設けている。これにより、電断が生じていない通常時(監視している電圧が17Vよりも大きいとき)には、ベース表示用計測値を計測しても、遊技用RAM84Aにアクセスするのであって、特別メモリ89Aにアクセスするわけではない。よって、特別メモリ89Aの使用頻度(劣化)を抑えることが可能である。
そして電断時に限って、それまでに計測したベース表示用計測値を特別メモリ89Aに移行(コピー)させる。つまり、遊技用RAM84Aの通常100球用カウンタの値と、通常発射球数カウンタの値と、通常総賞球数カウンタの値と、時短100球用カウンタの値と、時短発射球数カウンタの値と、時短総賞球数カウンタの値と、大当たり100球用カウンタの値と、大当たり発射球数カウンタの値と、大当たり総賞球数カウンタの値と、変動回数カウンタの値とを、特別メモリ89Aの通常100球用記憶領域、通常発射球数記憶領域、通常総賞球数記憶領域、時短100球用記憶領域、時短発射球数記憶領域、時短総賞球数記憶領域、大当たり100球用記憶領域、大当たり発射球数記憶領域、大当たり総賞球数記憶領域、変動回数記憶領域にそれぞれ記憶させる。これにより、断線や接触不良、又は意図的に数日間電断が生じるという異常事態が生じても、ベース表示用計測値が消去されてしまうのを回避することが可能である。
その後の電源投入時(復電時)に、遊技用RAM84Aの記憶内容が全てクリアされれば、特別メモリ89Aに記憶されているベース表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行(コピー)するようになっている。つまり電源投入時にRAMクリアスイッチ152が操作されても、電断時に記憶しておいたベース表示用計測値から計測を再開することが可能である。一方、電源投入時に遊技用RAM84Aの記憶内容がクリアされなければ、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値と、特別メモリ89Aに記憶されているベース表示用計測値とを照合する。
そして上記した照合の結果が一致であれば、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値は正常であると判断して、そのベース表示用計測値から計測を再開する。これに対して、上記した照合の結果が不一致であれば、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値は異常であると判断して、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行(コピー)する。その結果、正常である可能性が高い方の特別メモリ89Aに記憶されているベース表示用計測値から計測を再開することが可能である。以上により電源投入時には、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値が正常であるか否かをチェックしながら、計測を再開することが可能である。
[電源投入時処理]図79に示す第2形態の変形例の電源投入時処理(S001)では、図75に示す第2形態の電源投入時処理(S001)に対して、ステップS027に換えてステップS028が設けられている。ステップS015にて遊技用RAM84Aのチェックサムの値が一致すると判定すれば、ステップS016,S017を経て、ステップS028に進む。ステップS028では、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値と、特別メモリ89Aに記憶されているベース表示用計測値とを照合する。各ベース表示用計測値の値がそれぞれ一致すれば(S028でYES)、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値は正常であると判断して、ステップS026に進むことなく、ステップS025に進む。これに対して、各ベース表示用計測値の値が1つでも一致しなければ(S028でNO)、遊技用RAM84Aに記憶されているベース表示用計測値は異常であると判断して、特別メモリ89Aに記憶してあるベース表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行する(S026)。以上、遊技用RAM84Aのチェックサムの照合とベース表示用計測値の照合という2重のチェックにより、特別メモリ89Aに記憶しているベース表示用計測値を用いるか否かを決めることが可能である。
なお第1形態の変形例では、特別メモリ89に設けた各カウンタを加算する処理として、図67に示すカウンタ加算処理(S151)を実行した。これに対して、第2形態の変形例では、遊技用RAM84Aに設けた各カウンタを加算する処理として、図67に示すカウンタ加算処理(S151)と実質的に同様の処理を実行するようになっている。また第2形態の電源監視処理(S108)では、ステップS2908において出率表示用計測値を、特別メモリ89Aに設けた各記憶領域に移行(コピー)させた。これに対して、第2形態の変形例の電源断監視処理(S108)では、上記したステップS2908の処理に換えて、ベース表示用計測値を、特別メモリ89Aに設けた各記憶領域に移行させるようになっている。
以上、第2形態の変形例によれば、電断時に不揮発性の記憶手段である特別メモリ89Aにベース表示用計測値を記憶しておくことで、万一バックアップ電源が供給されなくなっても、ベース表示用計測値が消去されてしまうのを回避することが可能である。そして、その後の電源投入時には、前の電断時に特別メモリ89Aに記憶させたベース表示用計測値を揮発性の記憶手段である遊技用RAM84Aに移行させることが可能である。その結果、電断時に記憶していたベース表示用計測値と同じ値から計測を再開することが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第2形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第3形態>
図67に基づいて第3形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の出率表示器300は、図6に示すように、主制御基板80上に配されていた。これに対して第3形態では、出率表示器300が、図80に示すように、主基板ケース400Aの後方側ケース401Aに配されている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第3形態の出率表示器300は、図80(A)に示すように、後方側ケース401Aの左下部に一体的に取付けられていて、フレキシブルケーブルFC1を介して主制御基板80に接続されている。従って第1形態と同様、出率表示器300の点灯制御は、遊技制御用マイコン81によって行われる。ここで第3形態の出率表示器300は、図80(A)に示すように、主制御基板80の実装面(後面)80aに平行に配されていて、集積回路IC9に対向する対向位置にある。従って、出率表示器300が実装面80aの左下部の見通しを妨げていて、特に集積回路ICの品番等を確認し難くなっている。なお実装面80aとは、遊技制御用マイコン81や集積回路IC9等の多数の集積回路が実装されている主制御基板80の板面のことである。
そこで第3形態では、出率表示器300を取付けている後方側ケース401Aが移動可能に構成されている。具体的に後方側ケース401Aは、その左端側の上部で回転ピンP1を介して前方側ケース402Aの左端側の上部に回転可能に支持されている。また後方側ケース401Aは、左端側の下部で回転ピンP2を介して前方側ケース402Aの左端側の下部に回転可能に支持されている。これにより、後方側ケース401Aは、図80(A)(B)(C)に示すように、左端側にて上下方向に延びる回転軸Q1周りに回転可能である。言い換えると、出率表示器300は、実装面80aと対向する領域を小さくするように回転可能である。後方側ケース401Aが図80(C)に示す位置まで回転したときには、出率表示器300は実装面80aの全体に対向しない非対向位置になっている。第3形態において、後方側ケース401Aと回転ピンP1,P2が移動機構部に相当する。
以上、第3形態のパチンコ遊技機1によれば、図80(A)(B)(C)に示すように、出率表示器300を主制御基板80の実装面80aに対して移動させることができる。そのため、出率表示器300により実装面80aの左下部が隠れたままになるのを防ぐことが可能である。更に、出率表示器300を主制御基板80上に配さないことにより、第1形態のように主制御基板80上の各部品を寄せて出率表示器300の配置スペースを確保しなければならない問題を解決することが可能である。
また第3形態のパチンコ遊技機1によれば、後方側ケース401Aと回転ピンP1,P2を用いた回転機構により、実装面80aの左下部を見えるようにする構造を簡易に実現可能である。そして、出率表示器300を、集積回路IC9に対向する対向位置(図80(A)参照)から、実装面80aの全体に対向しない非対向位置(図80(C)参照)まで回転させることができる。よって、集積回路IC9に対する視認性を確保することが可能であり、更に実装面80aに実装されている全ての集積回路の視認性が確保されている状態にすることが可能である。第3形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
次に図81に基づいて、第3形態の第1変形例について説明する。図81(A)に示すように、出率表示器300は、主基板ケース400Bの後方側ケース401Bの左下部に取付けられていて、フレキシブルケーブルFC2を介して主制御基板80に接続されている。後方側ケース401Bは、その左端側の上部で回転ピンP3を介して前方側ケース402Bの左端側の上部に回転可能に支持されている。また後方側ケース401Bは、右端側の上部で回転ピンP4を介して前方側ケース402Bの右端側の上部に回転可能に支持されている。
これにより、後方側ケース401Bは、図81(A)(B)(C)に示すように、上端側にて左右方向に延びる回転軸Q2周りに回転可能である。この後方側ケース401Bが回転することで、出率表示器300は、集積回路IC9に対向する対向位置(図81(A)参照)から、実装面80aの全体に対向しない非対向位置(図81(C)参照)まで回転可能である。この第1変形例において、後方側ケース401Aと回転ピンP3,P4が移動機構部に相当する。以上により上述した第3形態とこの第1変形例とでは、主に後方側ケース401A,401Bの回転方向が異なるだけである。従って第1変形例の作用効果は、上述した第3形態の作用効果と実質的に同様であり、説明を省略する。
次に図82に基づいて、第3形態の第2変形例について説明する。図82(A)に示すように、出率表示器300は、主基板ケース400Cの後方側ケース401Cの左下部に取付けられていて、フレキシブルケーブルFC3を介して主制御基板80に接続されている。後方側ケース401Cの下面部401Caは、前方側ケース402Cの下面部402Caの上側に載置されていて、左右方向にスライド(摺動)可能になっている。
但し、後方側ケース401Cの左端面の上部は、前方側ケース402Cの左上部に設けられた上側係止片402aに係止されている。また後方側ケース401Cの左端面の下部は、前方側ケース402Cの左下部に設けられた下側係止片402bに係止されている。これらの係止により、後方側ケース401Cの左右方向のスライドが規制されている。一方、これらの係止を解除すれば、図82(B)に示すように、後方側ケース401Cの下面部401Caは、前方側ケース402Cの下面部402Caに対して左方向にスライド可能になる。この第2変形例において、後方側ケース401Cと前方側ケース402Cが移動機構部に相当する。
第3形態の第2変形例によれば、後方側ケース401Cと前方側ケース402Cとを用いたスライド機構により、実装面80aの左下部を見えるようにする構造を簡易に実現可能である。そして、出率表示器300を、集積回路IC9に対向する対向位置(図82(A)参照)から、実装面80aの全体に対向しない非対向位置(図82(B)参照)まで左方向へスライドさせることができる。よって、集積回路IC9に対する視認性を確保することが可能であり、更に実装面80aに実装されている全ての集積回路の視認性が確保されている状態にすることが可能である。第2変形例のその他の作用効果は、上述した第3形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
次に図83に基づいて、第3形態の第3変形例について説明する。図83(A)に示すように、出率表示器300は、主基板ケース400Dの後方側ケース401Dの左下部に取付けられていて、フレキシブルケーブルFC4を介して主制御基板80に接続されている。後方側ケース401Dの左端部401Daは、前方側ケース402Dの左端部402Daに対して凹凸状に嵌り合っていて、上下方向にスライド(摺動)可能になっている。また後方側ケース401Dの右端部401Dbは、前方側ケース402Dの右端部402Dbに対して凹凸状に嵌り合っていて、上下方向にスライド可能になっている。
但し、後方側ケース401Dの左端部401Daの下面は、前方側ケース402Dの左端部402Daの下側に設けられた左側係止片402cに係止されている。また後方側ケース401Dの右端部401Dbの下面は、前方側ケース402Dの右端部402Dbの下側に設けられた右側係止片402dに係止されている。これらの係止により、後方側ケース401Dの上下方向へのスライドが規制されている。一方、これらの係止を解除すれば、図83(B)に示すように、後方側ケース401Dの左端部401Da及び右端部401Dbは、前方側ケース402Dの左端部402Da及び右端部402Dbに対して上下方向にスライド可能になる。この第3変形例において、後方側ケース401Dと前方側ケース402Dが移動機構部に相当する。以上により上述した第2変形例と第3変形例とでは、主に後方側ケース401C,401Dのスライド方向が異なるだけである。従って第3変形例の作用効果は、上述した第2変形例の作用効果と実質的に同様であり、説明を省略する。
なお上述した第3形態(図80参照)と、第3形態の第1変形例(図81参照)と、第3形態の第2変形例(図82参照)と、第3形態の第3変形例(図83参照)とでは、出率表示器300を移動可能に構成した。しかしながら出率表示器300に換えて、第1形態の変形例又は第2形態の変形例で説明したようなベース表示器300を移動可能に構成しても良い。この場合の作用効果は、上述した第3形態又はその各変形例の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第4形態>
図84〜図88に基づいて第4形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、図7に示すように、パチンコ遊技機1が備える構成部品としての出率表示器300に出率を表示可能にした。これに対して第4形態では、図84に示すように、パチンコ遊技機1が備える構成部品ではない外部出率表示装置(外部装置)900が出率を表示可能になっている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
外部出率表示装置900は、図84(A)に示すように、表示部910と、切替スイッチ920と、接続ケーブル930と、コネクタCN4とを備えている。表示部910は、上述した出率表示器300と同様に、4つの点灯領域を有する所謂4連7セグで構成されている。切替スイッチ920は、外部出率表示装置900のON状態とOFF状態とを切替えるものである。接続ケーブル930は、一端にコネクタCN4を備えていて、コネクタCN4を接続し易くするためにある程度の長さを有する可撓性のケーブルである。コネクタCN4は、後述する主制御基板80に設けられたコネクタCN3に接続するものである。
この第4形態では、主制御基板80に設けられているコネクタ(接続部)CN3により、外部出率表示装置900に対して出率表示信号が出力されるように構成されている。出率表示信号は、外部出率表示装置900に出率を表示させるための信号である。なおコネクタCN3は、既存の主制御基板80に設けられている各コネクタとは別に専用に設けたコネクタである。但し、既存のコネクタを利用して、そのコネクタから出率表示信号が出力されるように構成しても良い。
図84(B)に示すように、外部出率表示装置900のコネクタCN4を主制御基板80のコネクタCN3に接続して、切替スイッチ920への操作により外部出率表示装置900をON状態にする。これにより、主制御基板80からコネクタCN3を介して外部出率表示装置900に出率表示信号が出力される。その結果、出率表示信号を入力した外部出率表示装置900は、表示部910の4つの点灯領域にて第1形態と同様(図26参照)、出率や、表示されている出率が役物比率又は連続役物比率のどちらであるか、表示されている出率が有効値又は参考値のどちらであるかを示すことが可能である。
また図85に示すように、主制御基板80にはシリアル通信回路170が設けられている。このシリアル通信回路170は、コネクタCN3に接続されている外部出率表示装置900とシリアル通信を行うためのものであり、遊技制御用マイコン81に接続されている。なお外部出率表示装置900にも、シリアル通信回路が設けられている。これらシリアル通信回路によって、遊技制御用マイコン81から外部出率表示装置900へ出率表示信号(シリアル信号)をシリアル通信により送信することが可能である。
また図86に示すように、第4形態の駆動回路200Fは、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じに構成されている。つまり、第1形態の駆動回路200(図15参照)のように、出率を表示するための回路部が新たに追加されていない。出率を表示するための回路部は、外部出率表示装置900に設けられているためである。よって、遊技情報を表示する既存の駆動回路200Fに対して設計変更を行うことなく、外部出率表示装置900に出率を表示させることが可能である。
[入力処理]図87に示す第4形態の入力処理(S101)では、図45に示す第1形態の入力処理(S101)に対して、ステップS123,S124が新たに設けられている。図87に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS111にて入賞検知信号でないと判断すれば(S111でNO)、ステップS123に進む。ステップS123では、外部出率表示装置900からコネクタCN3及びシリアル通信回路170を介して接続信号を入力したか否かを判定する。なお接続信号は、外部出率表示装置900がON状態で、コネクタCN4がコネクタCN3に接続されているときに、外部出率表示装置900から主制御基板80に出力される信号である。接続信号を入力していれば(S123でYES)、シリアル通信回路170に外部出率表示装置900とシリアル通信を行わせるシリアル通信回路設定処理を実行して(S124)、ステップS122に進む。一方、接続信号を入力していなければ(S123でNO)、ステップS124をパスして、ステップS122に進む。
[出力処理]図88に示す第4形態の出力処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、遊技表示処理を実行する(S2303、図53参照)。つまり、第4形態の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)と異なり、遊技表示処理(S2303)と出率表示処理(S2304)とを択一的に行うわけではないため、常に遊技表示処理(S2303)を実行する。従って、外部出率表示装置900に出率を表示させながら、遊技表示器40に遊技情報を表示させることが可能である。ステップS2303の後、上述した接続信号を入力しているか否かを判定する(S2315)。入力していなければ(S2315でNO)、ステップS2305に進む。
一方、入力していれば(S2315でYES)、信号出力処理を実行して(S2316)、ステップS2305に進む。信号出力処理(S2316)では、シリアル通信回路170を介してコネクタCN3に出率表示信号を出力する。この出率表示信号には、出率演算処理(S117、図47参照)により演算された出率(役物比率、連続役物比率)の情報(具体的には役物比率記憶領域に記憶されている値、連続役物比率記憶領域に記憶されている値)、変動回数カウンタの値の情報、実総賞球数カウンタの値の情報等が含まれている。これにより、コネクタCN3に接続されている外部出率表示装置900は、入力した出率表示信号に基づいて、表示部910に出率や、役物比率又は連続役物比率のどちらであるか、有効値又は参考値のどちらであるか等を示すことが可能である。
以上、第4形態のパチンコ遊技機1によれば、図84(B)に示すように、外部出率表示装置900の表示部910に出率を表示させることにより、出率を確認することが可能である。更に、出率を確認する場合にだけ外部出率表示装置900のコネクタCN4をコネクタCN3に接続しておき、出率を確認しない場合には図84(A)に示すように、外部出率表示装置900のコネクタCN4をコネクタCN3から取外すことが可能である。つまり、上記した第1形態のように、出率を表示するための出率表示器300を常時パチンコ遊技機1に設けているわけではない。従って、出率を確認することが可能な構成を、既存のパチンコ遊技機に対する設計変更を小さくして実現することが可能である。
要するに、出率表示器300及び出率を表示するための回路部を主制御基板80上に配さなくて済むため、第1形態のように主制御基板80上の各部品を寄せて配置スペースを確保しなければならない問題を解決することが可能である。そして全てのパチンコ遊技機に対して出率表示器300を設けるのはコストが増大するのに対して、第4形態のようにコネクタCN3だけを設けるようにすればコストの増大を抑えることが可能である。つまり、出率を確認する場合、パチンコ遊技機を1台ずつ確認すれば良く、複数のパチンコ遊技機を同時に確認する必要はない。従って、第4形態の複数のパチンコ遊技機1に対して1つの外部出率表示装置900を用意すれば済むため、安価に実施することが可能である。なお外部出率表示装置900は外置きの装置であるため、外部装置として種類(バリエーション)を多く揃えることが可能である。
また第4形態のパチンコ遊技機1によれば、出率表示信号には、出率演算処理(S117)により演算された出率(役物比率、連続役物比率)の情報が含まれている。つまり、パチンコ遊技機1の方で出率が演算され、外部出率表示装置900の方で出率が演算されるわけではない。従って、外部装置として出率を演算できる特別の装置を用意しないで、表示機能があるだけの装置で実施することが可能である。
また第4形態のパチンコ遊技機1によれば、図85に示すように、主制御基板80はシリアル通信回路170を備えているため、シリアル通信によりコネクタCN3に接続されている外部出率表示装置900に出率を表示させることが可能である。従って、パラレル通信により外部出率表示装置900に出率を表示させる場合に比べて、出率を表示させるための配線(信号)の数を減らすことが可能である。つまり、主制御基板80と外部出率表示装置900とをつなぐ配線の数を減らすことにより、主制御基板80に対する設計変更を小さくすることが可能である。
なお上記第4形態では、出率表示信号に、出率演算処理(S117)により演算された出率(役物比率、連続役物比率)の情報を含めた。しかしながら以下のように変更しても良い。即ち、出率表示信号には、出率の情報を含めずに、実総賞球数カウンタの値(総賞球数)の情報と役物賞球数カウンタの値(役物賞球数)の情報と連続役物賞球数カウンタの値(連続役物賞球数)の情報とを含むようにする。この場合に、コネクタCN3に接続された外部出率表示装置が、その出率表示信号を入力すると、総賞球数の情報と役物賞球数の情報と連続役物賞球数の情報とに基づいて、出率を演算する。そして外部出率表示装置が、演算した出率を表示部に表示する。このようにすれば上記第4形態と異なり、パチンコ遊技機1の方で出率を演算しないことが可能であり、遊技制御用マイコン81による制御処理の負担を減らすことが可能である。つまり、出率演算処理(117)を設けないようにすることが可能である。
<第4形態の変形例>
図89に基づいて第4形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第4形態では、パチンコ遊技機1が備える構成部品ではない外部出率表示装置(外部装置)900が出率を表示可能になっている。これに対して第4形態の変形例では、パチンコ遊技機1が備える構成部品ではない外部ベース表示装置(外部装置)900がベースを表示可能になっている。なお外部ベース表示装置900は、上述した外部出率表示装置900(図84参照)とハード的に全く同じ構成であり、単に名称を変更したものである。
第4形態の変形例では、主制御基板80に設けられているコネクタ(接続部)CN3により、外部ベース表示装置900に対してベース表示信号が出力されるように構成されている。ベース表示信号は、外部ベース表示装置900にベースを表示させるための信号である。このベース表示信号には、ベース演算処理(S152,図68参照)により演算された通常ベース、時短ベース、大当たりベースの情報が含まれると共に、カウンタ加算処理(S161,図67参照)によりカウントされた通常発射球数カウンタの値、時短発射球数カウンタの値、大当たり発射球数カウンタの値の情報が含まれている。更に、変動回数カウンタの値の情報も含まれている。
こうして上述した第4形態のように、外部ベース表示装置900のコネクタCN4(図84(B)参照)を主制御基板80のコネクタCN3に接続することで、主制御基板80からコネクタCN3を介して外部ベース表示装置900にベース表示信号が出力され得る。その結果、ベース表示信号を入力した外部ベース表示装置900は、表示部910(図84(B)参照)の4つの点灯領域にて、ベースや、表示されているベースが通常ベース、時短ベース、大当たりベースの何れであるか、表示されているベースが有効値又は参考値のどちらであるかを示すことが可能である。
なお主制御基板80には、第4形態で説明したようにシリアル通信回路170(図85参照)が設けられている。このシリアル通信回路170は、コネクタCN3に接続されている外部ベース表示装置900とシリアル通信を行うためのものであり、遊技制御用マイコン81に接続されている。また外部ベース表示装置900にも、シリアル通信回路が設けられている。これらシリアル通信回路によって、遊技制御用マイコン81から外部ベース表示装置900へベース表示信号(シリアル信号)をシリアル通信により送信することが可能である。
[入力処理]図89に示す第4形態の変形例の入力処理(S101)では、図66に示す第1形態の変形例の入力処理(S101)に対して、ステップS158,S159が新たに設けられている。図89に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS150にて入球検知信号でないと判断すれば(S150でNO)、ステップS158に進む。ステップS158では、外部ベース表示装置900からコネクタCN3及びシリアル通信回路170を介して接続信号を入力したか否かを判定する。なお接続信号は、外部ベース表示装置900がON状態で、コネクタCN4がコネクタCN3に接続されているときに、外部ベース表示装置900から主制御基板80に出力される信号である。接続信号を入力していれば(S158でYES)、シリアル通信回路170に外部ベース表示装置900とシリアル通信を行わせるシリアル通信回路設定処理を実行して(S159)、ステップS122に進む。一方、接続信号を入力していなければ(S158でNO)、ステップS159をパスして、ステップS122に進む。
以上、第4形態の変形例によれば、外部ベース表示装置900の表示部910にベースを表示させることにより(図84(B)参照)、ベースを確認することが可能である。更に、ベースを確認する場合にだけ外部ベース表示装置900のコネクタCN4をコネクタCN3に接続しておき、ベースを確認しない場合には外部ベース表示装置900のコネクタCN4をコネクタCN3から取外すことが可能である(図84(A)参照)。従って、ベースを確認することが可能な構成を、既存のパチンコ遊技機に対する設計変更を小さくして実現することが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第4形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
なお上記第4形態の変形例では、ベース表示信号に、ベース演算処理(S152,図68参照)により演算された通常ベース、時短ベース、大当たりベースの情報を含めた。しかしながら以下のように変更しても良い。即ち、ベース表示信号には、ベースの情報を含めずに、カウンタ加算処理(S161,図67参照)によりカウントされた通常発射球数カウンタの値、時短発射球数カウンタの値、大当たり発射球数カウンタの値の情報の他に、通常総賞球数カウンタの値、時短総賞球数カウンタの値、大当たり総賞球数カウンタの値を含むようにする。この場合に、コネクタCN3に接続された外部ベース表示装置が、そのベース表示信号を入力すると、上述した各カウンタの値に基づいて、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を演算する。そして外部ベース表示装置が、演算したベースを表示部に表示する。このようにすれば上記第4形態の変形例と異なり、パチンコ遊技機1の方でベースを演算しないことが可能であり、遊技制御用マイコン81による制御処理の負担を減らすことが可能である。つまり、ベース演算処理(S152)を設けないようにすることが可能である。
<第5形態>
図90〜図92に基づいて第5形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、出率表示器300に出率を表示しない場合でも、前に表示していた出率が出率表示器300にそのまま表示されているようになっていた。これに対して第5形態では、出率表示器300に出率を表示しない場合には、図90に示すように、出率表示器300に「−−−−」を表示するようになっている。つまり、第1点灯領域310で出率用点灯部LB7を点灯させ、第2点灯領域320で出率用点灯部LB15を点灯させ、第3点灯領域330で出率用点灯部LB23を点灯させ、第4点灯領域340で出率用点灯部LB31を点灯させるようになっている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
[出力処理]図91に示す第5形態の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)に対して、ステップS2311,S2312,S2313が新たに設けられている。図91に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、出率表示処理を経て(S2304)、変更完了フラグをOFFにする(S2311)。変更完了フラグは、後述するように出率表示器300で「−−−−」の表示が完了したことを示すものである。
一方、遊技機枠50が閉鎖していて(S2301でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、出率表示器300に出率を表示しない場合である。この場合には、ステップS2312で変更完了フラグがONであるか否かを判定する。ONでなければ(S2312でNO)、出率表示器300で「−−−−」の表示を行うため、後述する表示変更処理を実行する(S2313)。一方、変更完了フラグがONであれば(S2312でYES)、出率表示器300で「−−−−」の表示が完了しているため、上述したように遊技表示処理を実行する(S2303)。
[表示変更処理]図92に示すように、表示変更処理(S2313)ではまず、変更フラグが「1」であるか否かを判定する(S2801)。変更フラグは、「1」又は「2」或いは「3」若しくは「4」の何れかの値に設定されるものであり、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち何れの点灯領域で「―」の表示を行うのかを示すものである。変更フラグが「1」であれば(S2801でYES)、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力し(S2802)、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」に切替える(S2803)。続いて、「―」を表示するため、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000010]を出力し(S2804)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」に切替える(S2805)。これにより、第1点灯領域310では、出率用点灯部LB7のみが点灯して、「―」が表示される。そして、変更フラグを「2」にして(S2806)、本処理を終える。
ステップS2801で変更フラグが「1」でなければ、続いて変更フラグが「2」であるか否かを判定する(S2807)。変更フラグが「2」であれば(S2807でYES)、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力し(S2808)、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」に切替える(S2809)。続いて、「―」を表示するため、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000010]を出力し(S2810)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」に切替える(S2811)。これにより、第2点灯領域320では、出率用点灯部LB15のみが点灯して、「―」が表示される。そして、変更フラグを「3」にして(S2812)、本処理を終える。
ステップS2807で変更フラグが「2」でなければ、続いて変更フラグが「3」であるか否かを判定する(S2813)。変更フラグが「3」であれば(S2813でYES)、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力し(S2814)、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」に切替える(S2815)。続いて、「―」を表示するため、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000010]を出力し(S2816)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」に切替える(S2817)。これにより、第3点灯領域330では、出率用点灯部LB23のみが点灯して、「―」が表示される。そして、変更フラグを「4」にして(S2818)、本処理を終える。
ステップS2813で変更フラグが「3」でなければ、変更フラグが「4」であることになり、ステップS2819に進む。ステップS2819では、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力し、続いてセレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」に切替える(S2820)。続いて、「―」を表示するため、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000010]を出力し(S2821)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」に切替える(S2822)。これにより、第4点灯領域340では、出率用点灯部LB31のみが点灯して、「―」が表示される。そして、変更完了フラグをONにすると共に(S2823)、変更フラグを「1」にして(S2824)、本処理を終える。
以上、第5形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であるという表示条件が成立する場合には、出率表示器300の第1点灯領域310及び第2点灯領域320(表示領域)の態様が出率を示す数字態様(例えば「60」、図26参照)になる。これにより、出率を確認することが可能である。一方、表示条件が成立しない場合(遊技の進行中)には、出率表示器300の第1点灯領域310及び第2点灯領域320の態様が、「−−」(非数字態様)になる。そのため、出率が表示されていないことを確実に認識することが可能である。こうして遊技の進行中に、表示条件が成立していたときの出率がそのまま残って表示されてしまい、現時点での出率であると誤認するのを回避することが可能である。特に、遊技機枠50を開放させて出率表示器300を見る場合でも、未だ特別図柄の変動表示中であったり、遊技球が始動口20,21に入球して遊技が続いていることはあり得る。このときに出率を確認する人が、前に残って表示されていた出率によって異常であるか否かを判断するのを防ぐことが可能である。
また、第5形態のパチンコ遊技機1によれば、特別図柄の変動表示の実行中や大当たり遊技状態への制御中(遊技制御状態であるとき)に、出率を演算しないで、出率表示器300の第1点灯領域310及び第2点灯領域320の態様を「−−」にする。つまり、出率表示器300に出率を表示しないときには、出率を演算するという無駄な制御処理を行わない。そして、遊技制御状態では客待ち状態に比べて、制御処理の負担が大きい。従って、制御処理の負担が大きい遊技制御状態において、出率の演算及び表示を行わないようにすることで、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)による制御処理の負担を軽減することが可能である。第5形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
なお上記第5形態では、表示条件が成立しない(出率表示処理(S2304)を実行しない)場合には、図90に示すように、出率が表示され得る表示領域(第1点灯領域310及び第2点灯領域320)に「−−」を表示した。しかしながら、出率が表示されていないと認識できれば、「−−」以外の表示態様にしても良く、適宜変更可能である。例えば、出率が表示され得る表示領域を、何も表示されていない非表示態様(各出率用点灯部が消灯している態様)としても良く、「77」のように予め定められた特定の数字態様(出率を示す数字態様と異なる態様)としても良い。
<第5形態の変形例>
図93に基づいて第5形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第5形態では、出率表示器300に出率を表示しない場合には、出率表示器300に「−−−−」を表示するようにした(図90参照)。これに対して、第5形態の変形例では、ベース表示器300にベースを表示しない場合には、ベース表示器300に「−−−−」を表示するように構成されている。
[出力処理]図93に示す第5形態の変形例の出力処理(S107)では、図69に示す第1形態の変形例の出力処理(S107)に対して、ステップS2311,S2312,S2313が新たに設けられている。図93に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、ベース表示処理を経て(S2340)、変更完了フラグをOFFにする(S2311)。一方、遊技機枠50が閉鎖していて(S2301でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、ベース表示器300にベースを表示しない場合である。この場合には、ステップS2312で変更完了フラグがONであるか否かを判定する。ONでなければ(S2312でNO)、ベース表示器300で「−−−−」の表示を行うため、上述した表示変更処理を実行する(S2313,図92参照)。一方、変更完了フラグがONであれば(S2312でYES)、ベース表示器300で「−−−−」の表示が完了しているため、上述したように遊技表示処理を実行する(S2303)。
以上、第5形態の変形例によれば、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であるという表示条件が成立する場合には、ベース表示器300の第1点灯領域310及び第2点灯領域320(表示領域)の態様がベースを示す数字態様になる。これにより、ベースを確認することが可能である。一方、表示条件が成立しない場合(遊技の進行中)には、ベース表示器300の第1点灯領域310及び第2点灯領域320の態様が、「−−」(非数字態様)になる。そのため、ベースが表示されていないことを確実に認識することが可能である。こうして遊技の進行中に、表示条件が成立していたときのベースがそのまま残って表示されてしまい、現時点でのベースであると誤認するのを回避することが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第5形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
なお上記第5形態の変形例では、表示条件が成立しない(ベース表示処理(S2340)を実行しない)場合には、ベースが表示され得る表示領域(第1点灯領域310及び第2点灯領域320)に「−−」を表示した。しかしながら、ベースが表示されていないと認識できれば、「−−」以外の表示態様にしても良く、適宜変更可能である。例えば、ベースが表示され得る表示領域を、何も表示されていない非表示態様(消灯している態様)としても良く、「77」のように予め定められた特定の数字態様(ベースを示す数字態様と異なる態様)としても良い。
<第6形態>
図94〜図96に基づいて第6形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、役物比率が7割(70%)を超えていないこと又は連続役物比率が6割(60%)を超えていないことについて、出率表示器300で表示される出率で確認するようになっている。これに対して第6形態では、役物比率が7割を超えていないこと又は連続役物比率が6割を超えていないことについて、特別LED350の発光態様で確認するようになっている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
図94に示すように、特別LED(異常報知手段、報知手段、発光手段)350は、主制御基板80に配されていて、発光態様を変えることが可能なものである。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、特別LED350の態様を、図94(A)に示す消灯態様と、図94(B)に示す点灯態様(第1発光態様)と、図94(C)に示す点滅態様(第2発光態様)とに切替えることが可能である。
第6形態では、出率を表示するとき、電源が初めて投入された時点から現時点までに獲得した総賞球数が10000発未満であり、且つ、電源が初めて投入された時点から現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が3000回未満である場合には、特別LED350の態様を消灯態様にする。これにより、消灯態様の特別LED350を見た人に対して、出率が未だ収束していない可能性があるのを把握させるようにしている。
また出率を表示するとき、総賞球数が10000発以上、又は変動回数が3000回以上である場合に、役物比率が7割を超えていない又は連続役物比率が6割を超えていなければ、特別LED350の態様を点灯態様にする。これにより、点灯態様の特別LED350を見た人に対して、ある程度収束した出率の結果として本パチンコ遊技機1に不正な改造が施されていないのを把握させるようにしている。一方、総賞球数が10000発以上、又は変動回数が3000回以上である場合に、役物比率が7割(規定値)を超えている又は連続役物比率が6割(規定値)を超えていれば、特別LED350の態様を点滅態様にする。これにより、点滅態様の特別LED350を見た人に対して、ある程度収束した出率の結果として本パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じているのを把握させるようにしている。
[出力処理]図95に示す第6形態の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)に対して、ステップS2308,S2309,S2310が新たに設けられている。図95に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が閉鎖している(S2301でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点灯態様データ又は点滅態様データがセットされているか否かを判定する(S2308)。点灯態様データは、特別LED350を点灯態様にするためのデータであり、点滅態様データは、特別LED350を点滅態様にするためのデータである。これらのデータがセットされていれば(S2308でYES)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に消灯態様データをセットして(S2309)、遊技表示処理を実行する(S2303)。消灯態様データは、特別LED350を消灯態様にするためのデータである。こうして、遊技の進行に係る遊技情報を遊技表示器40に表示する場合には、特別LED350は常に消灯態様になり、消費電力を抑えることが可能である。一方、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、出率表示処理を実行した後(S2304)、特別LED処理を実行する(S2310)。
[特別LED処理]図96に示すように、特別LED処理(S2310)では、特別メモリ89の実総賞球数カウンタの値が「100」以上(総賞球数が10000発以上)であるか否かを判定する(S2701)。「100」未満であれば(S2701でNO)、続いて、特別メモリ89の変動回数カウンタの値が「3000」以上であるか否かを判定する(S2702)。「3000」未満であれば(S2702でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に消灯態様データをセットして(S2708)、本処理を終える。こうして総賞球数が10000発未満であり、且つ変動回数が3000回未満である場合に、特別LED350が消灯態様になる。
これらに対して、実総賞球数カウンタの値が「100」以上である(S2701でYES)、又は変動回数カウンタの値が「3000」以上であれば(S2702でYES)、続いて、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2703)。「1」であれば(S2703でYES)、続いて特別メモリ89の役物比率記憶領域に記憶されている役物比率の値が「70」を超えているか否かを判定する(S2704)。超えていなければ(S2704でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点灯態様データをセットして(S2707)、本処理を終える。また表示フラグが「1」でなければ(S2703でNO)、特別メモリ89の連続役物比率記憶領域に記憶されている連続役物比率の値が「60」を超えているか否かを判定する(S2705)。超えていなければ(S2705でNO)、点灯態様データをセットして(S2707)、本処理を終える。こうして、出率がある程度収束した有効値であることを条件に、役物比率が7割を超えていない又は連続役物比率が6割を超えていない場合に、特別LED350の態様が点灯態様になる。
一方、ステップS2704で役物比率の値が「70」を超えている場合、又はステップS2705で連続役物比率の値が「60」を超えている場合には、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点滅態様データをセットして(S2706)、本処理を終える。こうして、出率がある程度収束した有効値であることを条件に、役物比率が7割を超えている又は連続役物比率が6割を超えている場合に、特別LED350の態様が点滅態様になる。
以上、第6形態のパチンコ遊技機1によれば、役物比率が7割を超える又は連続役物比率が6割を超えると、特別LED350が点灯態様又は消灯態様から、点滅態様に切替わる。そのため、出率を確認する人は、特別LED350が点滅態様になっているのを把握することで、出率表示器300で出率を確認する場合よりも、簡易且つ即座に当該パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じていると判断(出率の異常を確認)することが可能である。また、特別LED350が点灯態様になっているのを見れば、出率がある程度収束した結果として当該パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じていないと簡易且つ即座に判断することが可能である。これらに対して、特別LED350が消灯態様になっているのを見れば、出率が未だ収束していないと簡易且つ即座に判断することが可能である。第6形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第6形態の変形例>
図97及び図98に基づいて第6形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第6形態では、出率が正常範囲内であるか(役物比率が7割を超えておらず且つ連続役物比率が6割を超えていないこと)を特別LED350の発光態様で確認するようにした。これに対して、第6形態の変形例では、ベースが正常範囲内であるかを特別LED350の発光態様で確認するようになっている。
ここでベースが正常範囲内である場合について説明する。第6形態の変形例では、通常ベースが30%以上であり且つ39%以下であれば、通常ベースが正常範囲内としている。また時短ベースが84%以上であり且つ99%以下であれば、時短ベースが正常範囲内としている。また大当たりベースが600%以上で且つ800%以下であれば、大当たりベースが正常範囲内としている。そして、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの何れもが正常範囲内であれば、ベースが正常範囲内と判定する。これに対して、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの何れか1つでも正常範囲外(異常範囲)であれば、ベースが正常範囲外と判定する。
また第6形態の変形例では、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を表示するとき、電源が投入されてから現時点までの総発射球数が100000発未満であり、且つ、電源が投入されてから現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が3000回未満である場合には、特別LEDの態様を消灯態様にする。これにより、消灯態様の特別LED350を見た人に対して、ベースが未だ収束していない可能性があるのを把握させるようにしている。
またベースを表示するとき、総発射球数が100000発以上、又は変動回数が3000回以上である場合に、ベースが正常範囲内であれば、特別LED350の態様を点灯態様にする。これにより、点灯態様の特別LED350を見た人に対して、ある程度収束したベースの結果として本パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じていないのを把握させるようにしている。一方、総発射球数が100000発以上、又は変動回数が3000回以上である場合に、ベースが正常範囲外(異常範囲)であれば、特別LED350の態様を点滅態様にする。これにより、点滅態様の特別LED350を見た人に対して、ある程度収束した結果として本パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じているのを把握させるようにしている。
[出力処理]図97に示す第6形態の出力処理(S107)では、図69に示す第1形態の変形例の出力処理(S107)に対して、ステップS2308,S2309,S2341が新たに設けられている。図97に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が閉鎖している(S2301でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点灯態様データ又は点滅態様データがセットされているか否かを判定する(S2308)。これらのデータがセットされていれば(S2308でYES)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に消灯態様データをセットして(S2309)、遊技表示処理を実行する(S2303)。一方、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、ベース表示処理を実行した後(S2340,図70〜図73参照)、後述する特別LED処理を実行する(S2341)。
[特別LED処理]図98に示すように、特別LED処理(S2341)では、総発射球数(通常遊技状態での発射球数と時短状態での発射球数と大当たり遊技状態での発射球数との合計)が100000発以上であるか否かを判定する(S2710)。つまり、通常発射球数カウンタの値と時短発射球数カウンタの値と大当たり発射球数カウンタの値の合計が、「1000」以上であるか否かを判定する。「100000」発未満であれば(S2710でNO)、続いて、変動回数カウンタの値が「3000」以上であるか否かを判定する(S2711)。「3000」未満であれば(S2711でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に消灯態様データをセットして(S2715)、本処理を終える。こうして総発射球数が100000発未満であり、且つ変動回数が3000回未満である場合に、特別LED350が消灯態様になる。
これらに対して、総発射球数が「100000」発以上である(S2710でYES)、又は変動回数が「3000」回以上であれば(S2711でYES)、ベースが正常範囲内であるか否かを判定する(S2712)。つまり、通常ベースが30%以上であり且つ39%以下であること、時短ベースが84%以上であり且つ99%以下であること、大当たりベースが600%以上であり且つ800%以下であることの何れの条件も満たしているか否かを判定する。ベースが正常範囲内であれば(S2712でYES)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点灯態様データをセットして(S2713)、本処理を終える。こうして、ベースがある程度収束した値であることを条件に、ベースが正常範囲内である場合に、特別LED350の態様が点灯態様になる。
一方、ベースが正常範囲内でなければ(S2712でNO)、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点滅態様データをセットして(S2714)、本処理を終える。こうして、ベースがある程度収束した値であることを条件に、ベースが正常範囲外である場合に、特別LED350の態様が点滅態様になる。
以上、第6形態の変形例によれば、ベースが正常範囲内から正常範囲外になると、特別LED350が点灯態様(又は消灯態様)から、点滅態様に切替わる。そのため、ベースを確認する人は、特別LED350が点滅態様になっているのを把握することで、ベース表示器300でベースを確認する場合よりも、簡易且つ即座に当該パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じていると判断(ベースの異常を確認)することが可能である。また、特別LED350が点灯態様になっているのを見れば、ベースがある程度収束した結果として当該パチンコ遊技機1に不正な改造や故障等が生じていないと簡易且つ即座に判断することが可能である。これらに対して、特別LED350が消灯態様になっているのを見れば、ベースが未だ収束していないと簡易且つ即座に判断することが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第6形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第7形態>
図99〜図104に基づいて第7形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第6形態では、出率を演算した後、演算した出率(役物比率又は連続役物比率)が規定値(7割又は6割)を超えているか否かを報知した。これに対して第7形態では、出率を演算しないでも、実質的に出率が規定値を超えているか否かを報知するようにしている。以下、第1形態及び第6形態と異なる点を中心に説明する。
図99に示すように、第7形態では上述した第6形態と同様、主制御基板80上に特別LED(報知手段、異常報知手段、発光手段)が配されている。従って、遊技制御用マイコン81は、特別LED350の態様を、図99(A)に示す消灯態様と、図99(B)に示す点灯態様(第1態様)と、図99(C)に示す点滅態様(第2態様)とに切替えることが可能である。なお第7形態では、主制御基板80上に出率表示器300が配されておらず、遊技制御用マイコン81は出率表示処理(S2304)を実行しない。よって第7形態の駆動回路は、上述した第4形態の駆動回路200F(図86参照)のように、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じ構成である。
ここで、出率を演算しないで、出率が規定値を超えているか(正常範囲内であるか)否かを判断する方法を説明する。例えば、総賞球数が10000発である(実総賞球数カウンタの値が「100」である)ときに、役物比率が7割を超えているというのは、役物賞球数が7000発を超えているという状況である。また例えば、総賞球数が15000発であるときに、役物比率が7割を超えているというのは、役物賞球数が10500発を超えているという状況である。このようにして、総賞球数が予め定められた判定総賞球数(上述した10000発、15000発)であるときの役物賞球数が、基準異常値(上述した7000発、10500発)を超えているか否かを見れば、その時点においては役物比率が7割を超えているか否かを判断できることになる。この点を利用して第7形態では逐次、役物比率を演算しないで、或るタイミングにおける大小判断だけで、実質的に役物比率が7割を超えているか否かを判断する。なお上記では、役物比率を例にして説明したが、連続役物比率でも同様であるため、説明を省略する。
こうして第7形態では、遊技制御用マイコン81のROM83に、図100に示す簡易異常判定テーブルが記憶されている。図100に示すように、簡易異常判定テーブルは、判定タイミングになる総賞球数の値(判定総賞球数)と、その判定タイミングにて役物比率が7割を超えているかを判断するための役物賞球数の値(異常判断値)と、その判定タイミングにて連続役物比率が6割を超えているか否かを判断するための連続役物賞球数の値(異常判断値)とを示している。
この簡易異常判定テーブルを参照して、遊技制御用マイコン81は、総賞球数が判定総賞球数に達したか否かを判定する。そして、判定総賞球数に達していれば、更に役物賞球数が基準異常値を超えているか否か、又は連続役物賞球数が基準異常値を超えているか否かを判定するようになっている。その結果、基準異常値を超えていれば、出率(役物比率、連続役物比率)が規定値(7割、6割)を超えていることになり、特別LED350の態様を点滅態様にする。一方、基準異常値を超えていなければ、出率が規定値を超えていないことになり、特別LED350の態様を点灯態様にする。なお第7形態では、変動回数が3000回に達するまでは、実質的に出率の値が未だ収束していないものとして、特別LED350の態様を消灯態様にする。
[入力処理]図101に示す第7形態の出力処理(S101)では、図45に示す第1形態の入力処理(S101)のステップS115〜S121の換わりに、ステップS127が設けられている。図84に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS114にて賞球数カウンタ加算処理を実行した後、簡易異常判定処理を実行する(S127)。
[簡易異常判定処理]図102に示すように、簡易異常判定処理(S127)ではまず、図100に示す簡易異常判定テーブルを参照する(S130)。続いて、現時点での総賞球数が判定総賞球数(10000発,15000発,20000発,25000発…)に達したか否かを判定する(S131)。具体的には、実総賞球数カウンタ(図11(C)参照)の値が100,150,200,250…であるか否かを判定する。判定総賞球数に達していなければ(S131でNO)、本処理を終える。一方、判定総賞球数に達していれば(S131でYES)、現時点での役物賞球数が、判定総賞球数に対応する基準異常値を超えているか否かを判定する(S132)。例えば実総賞球数カウンタの値が「100」に達したときに、役物賞球数カウンタの値が「7000」を超えているか否かを判定する。超えていれば(S132でYES)、異常フラグをONにして(S133)、本処理を終える。異常フラグは、実質的に出率が規定値を超えていることを示すものである。
一方、役物賞球数が基準異常値を超えていなければ(S132でNO)、続いて現時点での連続役物賞球数が、判定総賞球数に対応する基準異常値を超えているか否かを判定する(S134)。例えば実総賞球数カウンタの値が「100」に達したときに、連続役物賞球数カウンタの値が「6000」を超えているか否かを判定する。超えていれば(S134でYES)、異常フラグをONにして(S133)、本処理を終える。これに対して、超えていなければ(S134でNO)、異常フラグをOFFにして(S135)、本処理を終える。
[出力処理]図103に示す第7形態の出力処理(S107)では、図95に示す第6形態の出力処理(S107)のステップS2304,S2310の換わりに、ステップS2320が設けられている。図103に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が閉鎖していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、特別LED処理を実行する(S2330)。
[特別LED処理]図104に示すように、特別LED処理(S2330)ではまず、特別メモリ89の変動回数カウンタの値が「3000」以上(変動回数が3000回以上)であるか否かを判定する(S2720)。「3000」以上であれば(S2720でYES)、異常フラグがONであるか否かを判定する(S2721)。異常フラグがONであれば(S2721でYES)、実質的に出率が規定値を超えていることになるため、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点滅態様データをセットして(S2722)、本処理を終える。一方、異常フラグがONでなければ(S2721でNO)、実質的に出率が規定値を超えていないことになるため、遊技用RAM84の所定の記憶領域に点灯態様データをセットして(S2723)、本処理を終える。これらに対して、変動回数カウンタの値が「3000」未満であれば(S2720でNO)、出率の値が未だ収束していないものとして、遊技用RAM84の所定の記憶領域に消灯態様データをセットして(S2724)、本処理を終える。
以上、第7形態のパチンコ遊技機1によれば、実施的に役物比率が7割を超える又は連続役物比率が6割を超える状況になると、特別LED350が点灯態様又は消灯態様から、点滅態様に切替わる。そのため、出率を確認する人は、特別LED350が点滅態様になっているのを把握することで、当該パチンコ遊技機1に故障又は不具合が生じている、或いは不正な改造が施されているのを視覚的にすぐに判断することが可能である。
特にこの第7形態のパチンコ遊技機1によれば、出率を演算しないで、簡易な方法で実質的な出率の異常を報知することが可能である。つまり、上述した出率演算処理(S117、図47参照)を実行しないため、除算の制御処理が不要になる。その代わりに、総賞球数が予め定められた判定総賞球数に達したときに、役物賞球数又は連続役物賞球数が基準異常値を超えているかという大小判断を内部的に行うだけである。その結果、遊技制御用マイコン81にとって、ソフト的に除算(出率の演算)による処理の煩雑化と処理負担の増加を回避しながら、出率の異常を報知させることが可能である。
そしてこの第7形態のパチンコ遊技機1によれば、数値としての出率を報知しなくても、特別LED350によって実質的な出率の異常を報知できれば十分であるという考えに基づき、図99に示すように、主制御基板80上に出率表示器300を配していない。つまりハード的には、主に特別LED350を主制御基板80上に1つ追加するだけである。従って、主制御基板80上でスペースを確保する問題を解決し易く、既存のパチンコ遊技機からの設計変更を小さくして安価に実施することが可能である。第7形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第7形態の変形例>
図105〜図107に基づいて第7形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第7形態では、出率を演算しないでも、実質的に出率が規定値を超えているか否か(正常範囲内であるか否か)を報知した。これに対して、第7形態の変形例では、ベースを演算しないでも、実質的にベースが正常範囲内であるか否かを報知するようにしている。
第7形態の変形例でも、上記した第7形態と同様、主制御基板80上に特別LED(報知手段、異常報知手段、発光手段)が配されている(図99参照)。そして主制御基板80上にベース表示器300が配されておらず、遊技制御用マイコン81はベース表示処理(S2340)を実行しない。よって第7形態の変形例の駆動回路も、上述した第4形態の駆動回路200F(図86参照)のように、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じ構成である。
ここで、ベースを演算しないで、ベースが正常範囲外であるか否か(正常上限値を超えているか否かを含む)を判断する方法を説明する。例えば、通常遊技状態での発射球数が10000発である(通常発射球数カウンタの値が「100」である)ときに、通常ベースが正常範囲外であるというのは、通常遊技状態での総賞球数が3900発を超えているという状況である。また例えば、時短状態での発射球数が2500発である(時短発射球数カウンタの値が「25」である)ときに、時短ベースが正常範囲外であるというのは、時短状態での総賞球数が2457発を超えているという状況である。また例えば、大当たり遊技状態での発射球数が1000発である(大当たり発射球数カウンタの値が「10」である)ときに、大当たりベースが正常範囲外であるというのは、大当たり遊技状態での総賞球数が8000発を超えているという状況である。このようにして、各遊技状態での発射球数が予め定められた判定発射球数(上述した10000発、2500発、1000発等)であるときの総賞球数が、正常上限値(上述した3900発、2457発、8000発等)を超えているかを見れば、その時点において各ベースが正常範囲外であるか否かを判断できることになる。この点を利用して第7形態の変形例では逐次、各ベースを演算しないで、或るタイミングにおける大小判断だけで、実質的に各ベースが正常範囲外であるか否かを判断する。
またこの第7形態の変形例では、各遊技状態での発射球数が予め定められた判定発射球数であるときの総賞球数が、正常上限値を超えているかを見るだけでなく、正常下限値よりも小さいか否かも見るようになっている(図105(A)(B)(C)参照)。例えば、通常遊技状態での発射球数が10000発であるときに、通常遊技状態での総賞球数が3000発よりも小さければ、正常範囲外であると判断する。また例えば、時短状態での発射球数が2500発であるときに、時短状態での総賞球数が2100発よりも小さければ、正常範囲外と判断する。また例えば、大当たり遊技状態での発射球数が1000発であるときに、大当たり遊技状態での総賞球数が6000発よりも小さければ、正常範囲外と判断する。
こうして第7形態の変形例では、遊技制御用マイコン81のROM83に、図105(A)に示す通常簡易異常判定テーブルと、図105(B)に示す時短簡易異常判定テーブルと、図105(C)に示す大当たり簡易異常判定テーブルとが記憶されている。図105(A)に示すように、通常簡易異常判定テーブルは、通常遊技状態にて判定タイミングになる判定発射球数の値と、その判定タイミングにて通常ベースが正常範囲内であるか否かを判断するための総賞球数の値(正常下限値、正常上限値)を示している。また図105(B)に示すように、時短簡易異常判定テーブルは、時短状態にて判定タイミングになる判定発射球数の値と、その判定タイミングにて時短ベースが正常範囲内であるか否かを判断するための総賞球数の値(正常下限値、正常上限値)を示している。また図105(C)に示すように、大当たり簡易異常判定テーブルは、大当たり遊技状態にて判定タイミングになる判定発射球数の値と、その判定タイミングにて大当たりベースが正常範囲内であるか否かを判断するための総賞球数の値(正常下限値、正常上限値)を示している。
これら簡易異常判定テーブルを参照して、遊技制御用マイコン81は、各遊技状態での発射球数が判定発射球数に達したか否かを判定する。そして、判定発射球数に達していれば、正常上限値を超えているか否か、及び正常下限値よりも小さいか否かを判定するようになっている。その結果、正常上限値を超えている又は正常下限値よりも小さければ、ベースが正常範囲外であることになり、特別LED350の態様を点滅態様にする。一方、正常上限値以下であり且つ正常下限値以上であれば、ベースが正常範囲内であることになり、特別LED350の態様を点灯態様にする。なお第7形態の変形例では、上述した第7形態と同様、変動回数が3000回に達するまでは、実質的にベースの値が未だ収束していないものとして、特別LED350の態様を消灯態様にする。
[入力処理]図106に示す第7形態の変形例の出力処理(S101)では、図66に示す第1形態の変形例の入力処理(S101)のステップS115,S116,S118,S152〜S157の換わりに、ステップS191が設けられている。図106に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS151にてカウンタ加算処理(図67参照)を実行した後、後述する簡易異常判定処理を実行する(S191)。
[簡易異常判定処理]図107に示すように、簡易異常判定処理(S191)ではまず、遊技状態に応じた簡易異常判定テーブルを参照する(S192)。つまり通常遊技状態であれば、図105(A)に示す通常簡易異常判定テーブルを参照する。また時短状態であれば、図105(B)に示す時短簡易異常判定テーブルを参照する。また大当たり遊技状態であれば、図105(C)に示す大当たり簡易異常判定テーブルを参照する。続いて、参照した簡易異常判定テーブルに示されている判定発射球数に達したか否かを判定する(S193)。例えば、図105(A)に示す通常簡易異常判定テーブルを参照した場合には、通常発射球数カウンタの値が「100」(通常遊技状態での発射球数が10000発)であるか否かを判定する。判定発射球数でなければ(S193でNO)、本処理を終える。
一方、判定発射球数であれば(S193でYES)、対応する遊技状態での総賞球数が、参照する簡易異常判定テーブルに示されている正常上限値以下であり、且つ正常下限値以上であるか否かを判定する(S194)。例えば、図105(A)に示す通常簡易異常判定テーブルを参照して、通常発射球数カウンタの値が「100」である場合には、通常総賞球数カウンタの値が3900以下であるか否かを判定すると共に、3000以上であるか否かを判定する。ステップS194の判定結果がNOであれば、異常フラグをONにして(S195)、本処理を終える。これに対して、ステップS194の判定結果がYESであれば、異常フラグをOFFにして(S196)、本処理を終える。
なお、第7形態の変形例の出力処理(S107)は、上述した第7形態の出力処理(S107、図103参照)と同様であるため、説明を省略する。また、第7形態の変形例の特別LED処理(S2330)も、上述した第7形態の特別LED処理(S2330、図104参照)と同様であるため、説明を省略する。
以上、第7形態の変形例によれば、実質的にベースが正常範囲外の状況になると、特別LED350が点灯態様(又は消灯態様)から、点滅態様に切替わる。そのため、ベースを確認する人は、特別LED350が点滅態様になっているのを把握することで、当該パチンコ遊技機1に故障又は不具合が生じている、或いは不正な改造が施されているのを視覚的にすぐに判断することが可能である。特に、この第7形態の変形例によれば、ベースを演算しないで、簡易な方法で実質的なベースの異常を報知することが可能である。よって、遊技制御用マイコン81にとって、ソフト的に除算(ベースの演算)による処理の煩雑化と処理負担の増加を回避しながら、ベースの異常を報知させることが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第7形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第8形態>
図108〜図112に基づいて第8形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が、総賞球数と役物作動賞球数の計測を行うための賞球数カウンタ加算処理(S114、図46参照)、及び出率を演算するための出率演算処理(S117、図47参照)を実行した。これに対して第8形態では、払出制御基板(特定制御基板)110の払出制御用マイコン116が、賞球数カウンタ加算処理(S5104、図112参照)、及び出率演算処理(S5105、図112参照)を実行するようになっている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第8形態では、主制御基板80が入賞検知信号を入力すると、賞球コマンド(入賞情報)を払出制御基板110に出力する。これにより払出制御基板110は、入力した賞球コマンドに基づき総賞球数や役物作動賞球数の計測を行い、更に出率の演算を行う。そして払出制御基板110は、演算した出率(役物比率、連続役物比率)の情報を含む出率演算コマンドを主制御基板80に出力する。その結果、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、入力した出率演算コマンドに基づき出率表示器300にて出率を表示可能になっている。
図108に示すように、主制御基板80は特別メモリ89を備え、払出制御基板110は払出用特別メモリ189を備えている。上述したように特別メモリ89は、電源の投入に伴ってRAMクリアスイッチ152が操作されたときに、遊技用RAM84の記憶内容が消去されても、自身の記憶内容を保持しているものである。また払出用特別メモリ189も、電源の投入に伴ってRAMクリアスイッチ152が操作されたときに、RAM119の記憶内容が消去されても、自身の記憶内容を保持しているものである。なお払出用特別メモリ189は、揮発性の記憶手段(DRAM)であるが、不揮発性の記憶手段(EEPROM又はフラッシュ等)で構成しても良い。
図109(B)に示すように、第8形態の特別メモリ89は、変動回数カウンタと、役物比率記憶領域と、連続役物比率記憶領域と、チェックサム記憶領域とを備えるが、第1形態の特別メモリ89(図11(C)参照)と異なり、100球用カウンタと、実総賞球数カウンタと、役物賞球数カウンタと、連続役物賞球数カウンタとを備えていない。その代わりに、図109(C)に示すように、第8形態の払出用特別メモリ189は、100球用カウンタと、実総賞球数カウンタと、役物賞球数カウンタと、連続役物賞球数カウンタとを備えている。遊技制御用マイコン81のROM83に、図109(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルが記憶されているが、払出制御用マイコン116のROM118にも、図109(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルが記憶されているようにしても良い。
[入力処理]図110に示す第8形態の入力処理(S101)では、図45に示す第1形態の入力処理(S101)のステップS113,S115〜S117の換わりに、ステップS123,S140〜S142が設けられている。図110に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS123に進むと、入賞検知信号に基づき、遊技球がどの入賞口に入賞したかを判別可能な情報を含む賞球コマンドを生成し、その賞球コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。なお従来においては、賞球コマンドには賞球数の情報しか含まれていなかった。そこで本形態では、賞球コマンドにどの入賞口に入賞したかを判別可能な情報を含めることにより、後述するように払出制御基板110が、入力した賞球コマンドに基づき、役物作動賞球数の計測を行うことが可能になる。なお賞球数の情報だけで実質的にどの入賞口に入賞したかを判別可能である場合には、従来と同様に賞球コマンドに賞球数の情報だけを含めるようにしても良い。
入力処理(S101)において、遊技制御用マイコン81はステップS140に進むと、払出制御基板110から出率演算コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ(S140でNO)、本処理を終える。一方、受信していれば(S140でYES)、出率演算コマンドに含まれる役物比率の情報を解析して、役物比率の値を特別メモリ89の役物比率記憶領域に記憶する(S141)。続いて、出率演算コマンドに含まれる連続役物比率の情報を解析して、連続役物比率の値を特別メモリ89の連続役物比率記憶領域に記憶して(S142)、本処理を終える。こうして第8形態では、図52に示す出力処理(S107)により、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)且つ客待ち状態である(S2302でYES)という表示条件が成立していれば、出率表示処理(S2304)を実行する。このときに上述したように、役物比率記憶領域に記憶した役物比率の値、又は連続役物比率記憶領域に記憶した連続役物比率の値を出率表示器300に表示するようになっている。
[払出側タイマ割り込み処理]払出側タイマ割り込み処理は、払出制御基板110に数msec(例えば4msec)周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図111に示すように、払出制御用マイコン116は、まず後述する入力処理を実行する(S5001)。次いで、主制御基板80から入力した賞球コマンドに含まれる情報に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動する賞球モータ制御処理を実行する(S5002)。次いで、カードユニット135から入力した信号に基づいて、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動する球貸モータ制御処理を実行する(S5003)。続いて、出力処理を実行する(S5004)。出力処理(S5004)では、RAM119の出力バッファにセットされたコマンド(出率演算コマンド等)を主制御基板80に出力したり、発射装置112の発射モータ113を駆動させるための信号を発射制御回路111に出力する。次いで、その他の処理を実行して(S5005)、本処理を終える。
[入力処理]図112に示すように、入力処理(S5001)ではまず、払出制御用マイコン116は、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ(S5101でNO)、ステップS5107に進む。一方、受信していれば(S5101でYES)、賞球コマンドに含まれている情報(賞球数の情報、どの入賞口に入賞したかを判別可能な情報)を解析する(S5102)。次いで、賞球コマンドの解析結果に基づき、払い出す賞球数を設定する賞球数設定処理を実行する(S5103)。続いて、賞球コマンドの解析結果に基づき、第1形態で説明した賞球数カウンタ加算処理(S114、図46参照)と同様の賞球数カウンタ加算処理を実行する(S5104)。つまり払出制御基板110が、総賞球数や役物作動賞球数の計測を行う。次いで、賞球数カウンタ加算処理(S5104)の結果に基づき、第1形態で説明した出率演算処理(S117、図47参照)と同様の出率演算処理を実行する(S5105)。つまり払出制御基板110が、出率(役物比率、連続役物比率)の演算を行う。そして、演算した出率の情報を含む出率演算コマンドをRAM119の出力バッファにセットして(S5106)、ステップS5107に進む。
ステップS5107では、賞球センサ122から賞球検知信号を受信したか否かを判定する。受信していれば(S5107でYES)、実際に払い出された賞球数を計測する賞球計測処理を実行する(S5108)。次いで、カードユニット135から貸球情報信号を受信したか否かを判定する(S5109)。受信していれば(S5109でYES)、貸球情報信号に含まれる情報に基づいて、貸し出す貸球数を設定する貸球数設定処理を実行する(S5110)。続いて、球貸センサ132から貸球検知信号を受信したか否かを判定する。受信していれば(S5111でYES)、実際に貸し出された貸球数を計測する貸球計測処理を実行する(S5112)。その後、その他の処理を実行して(S5113)、本処理を終える。
その他の処理(S5113)として、例えば主制御基板80からRAMクリア通知コマンドを受信していれば、払出制御基板110のRAM119の記憶内容を消去する。但しこのときであっても、払出制御基板110の払出用特別メモリ189に設けられている100球用カウンタの値、実総賞球数カウンタの値、役物賞球数カウンタの値、連続役物賞球数カウンタの値はクリアされない。よって第8形態では払出制御基板110に、総賞球数や役物作動賞球数の計測及び出率を演算させるようにしても、第1形態と同様、収束した値としての出率を演算させることが可能である。
以上、第8形態のパチンコ遊技機1によれば、出率表示器300に出率を表示させることにより、出率を確認することが可能である。更に、主制御基板80と異なる払出制御基板110が、主制御基板80から送信される賞球コマンドに基づいて、総賞球数の計測と役物作動賞球数(役物賞球数、連続役物賞球数)の計測とを行うことが可能である。よって、計測の処理負担を主制御基板80にかけることなく、出率を表示することが可能である。特に、従来から主制御基板80が送信する賞球コマンドに対して、遊技球がどの入賞口に入賞したかを判別可能な情報を含ませるだけで、払出制御基板110に総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測とを行わせることが可能である。つまり、賞球コマンドを送信する既存の信号ラインを用いて情報を付加することにより、主制御基板80に計測の処理を行わせる必要がなくなり、簡易な方法で主制御基板80の負担を軽減することが可能である。
また第8形態のパチンコ遊技機1によれば、払出制御基板110に、総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測とを行わせると共に、出率の演算も行わせている。そして主制御基板80は、払出制御基板110からの出率演算コマンドに含まれる出率の情報に基づいて、出率表示器300に出率を表示可能である。こうして計測の処理負担だけでなく、出率の演算の処理負担も主制御基板80(遊技制御用マイコン81)にかけることなく、出率を表示することが可能である。第8形態のその他の作用効果は、上記した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
<第8形態の第1変形例>
図113〜図115に基づいて第8形態の第1変形例のパチンコ遊技機1について説明する。図113に示すように、この第1変形例では、出率表示器300が主制御基板80上ではなく、払出制御基板110上に配されている。そして上述した第8形態と同様、払出制御基板110(払出制御用マイコン116)に総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測と出率の演算とを行わせて、更に出率の表示も行わせるようになっている。具体的には、図111に示す払出側タイマ割り込み処理の出力処理(S5004)にて図54及び図55に示すような出率表示処理(S2304)が実行され得るようになっている。
この第1変形例では、図114に示すように、主制御基板80上に出率表示器が配されていないため、主制御基板80の駆動回路200Fは、上述した第4形態の駆動回路200F(図86参照)のように、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じ構成である。また払出制御基板110には、出率表示器300に出率を表示させるための専用の駆動回路200Gが設けられている。この駆動回路200Gは、図115に示すように、点灯選択回路部230Gと点灯駆動回路部240Gとを備え、払出制御基板110上に配されている出率表示器300に接続されている。点灯選択回路部230Gは上述した発光選択回路部210(図15参照)と同様の構成であり、点灯駆動回路部240Gは上述した発光駆動回路部220(図15参照)と同様の構成であるため、説明を省略する。
以上、第8形態の第1変形例によれば、払出制御基板110に、総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測とを行わせると共に、出率の演算及び表示も行わせる。よって、計測の処理負担だけでなく、出率の演算及び表示の処理負担も主制御基板(遊技制御用マイコン81)にかけることなく、出率表示器300に出率を表示させることが可能である。そして、主制御基板80上には、出率表示器300及び出率を表示するための回路部を設ける必要がないため、主制御基板に関しては設計変更をほとんど行わずに実施することが可能である。
なお上記第8形態及びその第1変形例では、払出制御基板110に総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測とを行わせると共に、出率の演算も行わせた。しかしながら以下のように変更しても良い。即ち、払出制御基板110には総賞球数の計測と役物作動賞球数の計測とを行わせて、出率の演算を行わせない。その代わりに、払出制御基板110は、計測した総賞球数の情報(実総賞球数カウンタの値)と役物作動賞球数の情報(役物賞球数カウンタの値と連続役物賞球数カウンタの値)とを含むコマンドを、払出側タイマ割り込み処理の出力処理(S5004、図111参照)により、主制御基板80に出力する。これにより、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、払出制御基板110から入力した上記コマンドに基づいて、出率演算処理(S117、図47参照)を実行して、出率を演算する。そして、出率表示処理(S2304、図54及び図55参照)を実行することにより、演算した出率を主制御基板80上にある出率表示器300に表示するようにしても良い。このようにすれば、計測の処理負担と出率の演算及び表示の処理負担とを、払出制御基板110と主制御基板80とに分散させることが可能である。
<第8形態の第2変形例>
図116〜図118に基づいて第8形態の第2変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第8形態及びその第1変形例では、主制御基板80の遊技制御用マイコン81に出率を演算するための計測値(総賞球数と役物作動賞球数)をカウントさせた。これに対して、第8形態の第2変形例では、払出制御基板110の払出制御用マイコン116にベースを演算するための計測値(総発射球数と総賞球数)をカウントさせるようになっている。なお第8形態の第2変形例では、主制御基板80上にベース表示器300が配されている。
この第2変形例では、主制御基板80が入球検知信号(アウト口センサ16aによる検出信号を含む)を入力すると、賞球コマンドを払出制御基板110に出力する。但し、主制御基板80が入球検知信号としてアウト口センサ16aによる検出信号を入力した場合には、賞球が「0」である情報を含む賞球コマンドを払出制御基板110に出力する。こうして払出制御基板110は、入力した賞球コマンドに基づいて、総発射球数と総賞球数の計測(カウント)を行い、更にベースの演算を行う。そして払出制御基板110は、演算したベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)の情報を含むベース演算コマンドを主制御基板80に出力する。その結果、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、入力したベース演算コマンドに基づきベース表示器300にてベースを表示可能になっている。
この第2変形例では、上記第8形態と同様、主制御基板80が特別メモリ89を備え、払出制御基板110が払出用特別メモリ189を備えている(図108参照)。図116(B)に示すように、第2変形例の特別メモリ89は、通常ベース記憶領域と、時短ベース記憶領域と、大当たりベース記憶領域と、変動回数カウンタと、チェックサム記憶領域とを備える。しかしながら、第1形態の変形例の特別メモリ(図65(C)参照)と異なり、通常100球用カウンタと、通常発射球数カウンタと、通常総賞球数カウンタと、時短100球用カウンタと、時短発射球数カウンタと、時短総賞球数カウンタと、大当たり100球用カウンタと、大当たり発射球数カウンタと、大当たり総賞球数カウンタとを備えていない。その代わりに、これらのカウンタについては、図116(C)に示すように、払出用特別メモリ189に設けられている。遊技制御用マイコン81のROM83に、図116(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルが記憶されているが、払出制御用マイコン116のROM118にも、図116(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルが記憶されているようにしても良い。
[入力処理]第2変形例において遊技制御用マイコン81が実行する入力処理(S101)について説明する。図117に示す第2変形例の入力処理(S101)では、図66に示す第1形態の変形例の入力処理(S101)のステップS112,S113,S115,S116,S151,S152の換わりに、ステップS220〜S223が設けられている。図117に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS150にて入球検知信号を受信したと判定すると、図116(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルを参照する(S220)。そして、受信した入球検知信号と賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、遊技球がどの入球口に入球したかを判断可能な情報を含む賞球コマンドを生成し、その賞球コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする(S221)。このとき例えば、アウト口センサ16aによる検知信号(入球検知信号)を受信していれば、図116(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルに基づいて、アウト口16による入球と賞球数が「0」である情報を含む賞球コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。なお上記した第8形態で説明したように、賞球コマンドには賞球数の情報だけを含めるようにしても良い。
入力処理(S101)においてステップS222に進むと、払出制御基板110からベース演算コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ(S222でNO)、本処理を終える。一方、受信していれば(S222でYES)、ベース演算コマンドに含まれるベースの情報を解析し、ベースの値を対応する特別メモリ89の記憶領域に記憶して(S223)、本処理を終える。即ち、ベース演算コマンドに通常ベースの情報が含まれていれば、その通常ベースの値を通常ベース記憶領域に記憶し、ベース演算コマンドに時短ベースの情報が含まれていれば、その時短ベースの値を時短ベース記憶領域に記憶し、ベース演算コマンドに大当たりベースの情報が含まれていれば、その大当たりベースの値を大当たりベース記憶領域に記憶する。こうして第8形態の第2変形例では、図69に示す出力処理(S107)により、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)且つ客待ち状態である(S2302でYES)という表示条件が成立していれば、ベース表示処理(S2340)を実行する。このとき第1形態の変形例で説明したように、通常ベース記憶領域に記憶した通常ベースの値、又は時短ベース記憶領域に記憶した時短ベースの値、或いは大当たりベース記憶領域に記憶した大当たりベースの値をベース表示器300に表示するようになっている。
[入力処理]第2変形例において払出制御用マイコン116が実行する入力処理(S5001)について説明する。図118に示す第2変形例の入力処理(S101)では、図112に示す第8形態の入力処理(S5101)のステップS5101〜S5106の換わりに、ステップS5201〜S5206が設けられている。図118に示すように、入力処理(S5001)ではまず、払出制御用マイコン116は、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ(S5201でNO)、ステップS5107に進む。一方、受信していれば(S5201でYES)、賞球コマンドに含まれている情報(賞球数の情報、どの入球口に入球したかを判別可能な情報)を解析する(S5202)。次いで、賞球コマンドの解析結果に基づき、賞球数を設定する賞球数設定処理を実行する(S5203)。このとき例えばアウト口16への入球を解析していれば、賞球数設定処理(S5203)において賞球数を「0」に設定することになる。続いて、賞球コマンドの解析結果に基づき、第1形態の変形例で説明したカウンタ加算処理(S151、図67参照)と同様の賞球数カウンタ加算処理を実行する(S5204)。つまり払出制御基板110が、総発射球数や総賞球数の計測を行う。次いで、カウンタ加算処理(S5204)の結果に基づき、第1形態の変形例で説明したベース演算処理(S152、図68参照)と同様のベース演算処理を実行する(S5205)。つまり払出制御基板110が、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)の演算を行う。そして、演算したベースの情報を含むベース演算コマンドをRAM119の出力バッファにセットして(S5206)、ステップS5107に進む。
以上、第8形態の第2変形例によれば、主制御基板80と異なる払出制御基板110が、主制御基板80から送信される賞球コマンドに基づいて、総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行うことが可能である。よって、計測の処理負担を主制御基板80にかけることなく、ベースを表示することが可能である。特に、従来から主制御基板80が送信する賞球コマンドに対して、遊技球がどの入球口に入球したかを判別可能な情報を含ませるだけで、払出制御基板110に総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行わせることが可能である。
また第8形態の第2変形例によれば、払出制御基板110に、総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行わせると共に、ベースの演算も行わせている。そして主制御基板80は、払出制御基板110からのベース演算コマンドに含まれるベースの情報に基づいて、ベース表示器300にベースを表示可能である。こうして計測の処理負担だけでなく、ベースの演算の処理負担も主制御基板80(遊技制御用マイコン81)にかけることなく、ベースを表示することが可能である。その他の第2変形例の作用効果は、上記した第8形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第8形態の第3変形例>
第8形態の第3変形例のパチンコ遊技機1について説明する。この第3変形例では、ベース表示器300が主制御基板80上ではなく、払出制御基板110上に配されている(図113参照)。そして上述した第8形態の第2変形例と同様、払出制御基板110(払出制御用マイコン116)に総発射球数の計測と総賞球数の計測とベースの演算とを行わせて、更にベースの表示も行わせるようになっている。具体的には、図111に示す払出側タイマ割り込み処理の出力処理(S5004)にて図70〜図73に示すようなベース表示処理(S2340)が実行され得るようになっている。
この第3変形例では、主制御基板80上にベース表示器が配されていないため、主制御基板80の駆動回路200Fは、上述した第4形態の駆動回路200F(図86参照)のように、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じ構成である。また払出制御基板110には、ベース表示器300にベースを表示させるための専用の駆動回路が設けられている。この駆動回路は、払出制御基板110上に配されているベース表示器300に接続されていて、図86に示す駆動回路200Fとほとんど同様の構成であるため、説明を省略する。
以上、第8形態の第3変形例によれば、払出制御基板110に、総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行わせると共に、ベースの演算及び表示も行わせる。よって、計測の処理負担だけでなく、ベースの演算及び表示の処理負担も主制御基板(遊技制御用マイコン81)にかけることなく、ベース表示器300にベースを表示させることが可能である。そして、主制御基板80上には、ベース表示器300及びベースを表示するための回路部を設ける必要がないため、主制御基板に関しては設計変更をほとんど行わずに実施することが可能である。
なお上記第8形態の第2変形例及び第3変形例では、払出制御基板110に総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行わせると共に、ベースの演算も行わせた。しかしながら以下のように変更しても良い。即ち、払出制御基板110には総発射球数の計測と総賞球数の計測とを行わせて、ベースの演算を行わせない。その代わりに、払出制御基板110は、計測した総発射球数の情報(通常発射球数カウンタの値と時短発射球数カウンタの値と大当たり発射球数カウンタの値の合計)と総賞球数の情報(通常総賞球数カウンタの値と時短総賞球数カウンタの値と大当たり総賞球数カウンタの値の合計)とを含むコマンドを、払出側タイマ割り込み処理の出力処理(S5004、図111参照)により、主制御基板80に出力する。これにより、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、払出制御基板110から入力した上記コマンドに基づいて、ベース演算処理(S152、図68参照)を実行して、ベースを演算する。そして、ベース表示処理(S2340、図70〜図73参照)を実行することにより、演算したベースを主制御基板80上にあるベース表示器300に表示するようにしても良い。このようにすれば、計測の処理負担とベースの演算及び表示の処理負担とを、払出制御基板110と主制御基板80とに分散させることが可能である。
<第9形態>
図119〜図122に基づいて第9形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の駆動回路200では、図15に示すように、点灯選択回路部230を設けて、出率表示器300の各コモン信号ラインB1〜B4を点灯選択回路部230につなげている。これに対して、第9形態の駆動回路200Aでは、図119に示すように、点灯選択回路部230を設けずに、出率表示器300の各コモン信号ラインB1〜B4を、発光選択回路部210Aにつなげるようにしている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
図119に示すように、第9形態の駆動回路200Aでは、IC1の入力端子1D〜8Dに、バスラインBLが接続されていて、データ情報D0,D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7がそれぞれ入力されるようになっている。また、IC1の出力端子1Q〜4Qは、上述した第1形態と同様、4つの信号伝送ラインS1を介してIC2の入力端子IN〜IN4にそれぞれ接続されていて、更にIC1の出力端子5Q〜8Qは、4つの信号伝送ラインS4を介してIC2の入力端子IN5〜IN8にそれぞれ接続されている。そして、出率表示器300の各コモン信号ライン(各点灯コモン線)B1〜B4が、IC2の出力端子O5〜O8に接続されている。なおIC2の出力端子O5に接続される第1コモン信号ラインB1が、「第1点灯コモン線」に相当し、IC2の出力端子O6に接続される第2コモン信号ラインB2が、「第2点灯コモン線」に相当する。
こうして第9形態の駆動回路200Aでは、第1形態の発光選択回路部210におけるIC1の入力端子5D〜8D及び出力端子5Q〜8Qと、IC2の入力端子IN5〜IN8及び出力端子O5〜O8とを有効利用することにしている。これにより、第9形態の発光選択回路部210Aが、遊技表示器40の4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を選択できると共に、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を選択できるようになっている。
[遊技表示処理]図120に示す第9形態の遊技表示処理(S2303)では、図53に示す第1形態の遊技表示処理(S2303)のステップS2404,S2412,S2420,S2427に換えて、ステップS2441,S2442,S2443,S2444が設けられている。図120に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2403を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[10000000]を出力する(S2441)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2405)。これにより、発光させ得る発光領域が第1発光領域410になる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2411を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[01000000]を出力する(S2442)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2413)。これにより、発光させ得る発光領域が第2発光領域420になる。
また遊技制御用マイコン81は、ステップS2419を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00100000]を出力する(S2443)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2421)。これにより、発光させ得る発光領域が第3発光領域430になる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2426を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00010000]を出力する(S2444)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2428)。これにより、発光させ得る発光領域が第4発光領域440になる。
[出率表示処理]図121に示す第9形態の出率表示処理(S2304)では、図54に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2504,S2505,S2514,S2515に換えて、ステップS2550,S2551,S2552,S2553が設けられている。図121に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2503を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00001000]を出力する(S2550)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2551)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310になる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2513を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000100]を出力する(S2552)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2553)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320になる。
図122に示す第9形態の出率表示処理(S2304)では、図55に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2524,S2525,S2533,S2534に換えて、ステップS2554,S2555,S2556,S2557が設けられている。図122に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2523を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000010]を出力する(S2554)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2555)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330になる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2532を実行した後、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[00000001]を出力する(S2556)。そして、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2557)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340になる。
この第9形態において、遊技制御用マイコン81が発光選択回路部210Aに出力するデータ情報D[10000000],データ情報D[01000000],データ情報D[00100000],データ情報D[00010000]が、第1信号に相当する。また遊技制御用マイコン81が発光選択回路部210Aに出力するデータ情報D[00001000],データ情報D[00000100],データ情報D[00000010],データ情報D[00000001]が、第2信号に相当する。また第1信号によって発光し得る発光領域が選択される状態が、遊技表示状態に相当する。また第2信号によって点灯し得る点灯領域が選択される状態が、出率表示状態(特定表示状態)に相当する。
以上、第9形態のパチンコ遊技機1によれば、図119に示す駆動回路200Aにより、遊技制御用マイコン81が発光選択回路部210A(IC1)に第1信号を出力すれば、遊技表示状態になって、遊技表示器40にて遊技の進行に係る遊技情報を表示することが可能である。一方、遊技制御用マイコン81が発光選択回路部210Aに第2信号を出力すれば、出率表示状態になって、出率表示器300にて出率を表示することが可能である。こうして、遊技表示器40での表示を行うための既存の発光選択回路部(IC1,IC2)及び発光駆動回路部(IC3,IC4)を利用しつつ、遊技制御用マイコン81によるソフト的な制御出力の切替えで、遊技情報の表示と出率の表示とを択一的に行うことが可能である。つまり、図35に示す第1比較例のように、出率を表示するための点灯選択回路部210Xや点灯駆動回路部220Xを新たに追加しないで、簡易な回路構成で出率表示器300に出率を表示させることが可能である。要するに、既存の駆動回路に対して新たに追加するICが無いため、第9形態の駆動回路200Aは主制御基板80に実装し易いものである。第9形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第9形態の変形例>
第9形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第9形態では、第1形態の駆動回路200(図15参照)を駆動回路200A(図119参照)に換えて、出率表示器300に出率を表示するようした。これに対して、第9形態の変形例では、第1形態の変形例の駆動回路200を駆動回路200Aに換えて、ベース表示器300にベースを表示するように構成されている。この場合の変形例の作用効果は、上記した第9形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第10形態>
図123〜図125に基づいて第10形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の駆動回路200では、図15に示すように、点灯選択回路部230を設けて、出率表示器300の各コモン信号ラインB1〜B4を点灯選択回路部230につなげている。これに対して、第10形態の駆動回路200Bでは、図123に示すように、点灯選択回路部230を設けずに、出率表示器300の各コモン信号ラインB1〜B4を、コネクタCN2と発光選択回路部210との間の各コモン信号ラインA1〜A4から分岐して設けている。なお第1コモン信号ライン(第1発光コモン線)A1から分岐する第1コモン信号ラインB1が、「第1分岐コモン線」に相当し、第2コモン信号ライン(第2発光コモン線)A2から分岐する第2コモン信号ラインB2が、「第2分岐コモン線」に相当する。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第10形態の駆動回路200Bでは、発光選択回路部210が、遊技表示器40の4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を選択できると共に、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を選択できるようになっている。但し、IC2の出力端子O1〜O4から出力される信号(コモン信号)が、各コモン信号ラインA1〜A4を介して遊技表示器40の各発光領域410〜440に送信されると共に、各コモン信号ラインB1〜B4を介して出率表示器300の各点灯領域310〜340に送信される。そのため、発光領域が選択されるのと同時に点灯領域も選択され、点灯領域が選択されるのと同時に発光領域も選択されることになる。
そして第1形態と同様、出率表示器300の各データ信号ラインBa〜Bhは、コネクタCN2と発光駆動回路部220との間の各データ信号ラインAa〜Ahからそれぞれ分岐して設けられている。よって、遊技表示器40で遊技情報を表示する場合には、遊技表示器40での発光態様が出率表示器300でそのまま反映され、出率表示器300で出率を表示する場合には、出率表示器300での点灯態様が遊技表示器40でそのまま反映されることになる。
[出率表示処理]図124に示す第10形態の出率表示処理(S2304)では、図54に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2505,S2515に換えて、ステップS2560,S2561が設けられている。図124に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2504で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2560)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310に選択されるが、第1発光領域410も選択されることになる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2514で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2561)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320に選択されるが、第2発光領域420も選択されることになる。
図125に示す第10形態の出率表示処理(S2304)では、図55に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2525,S2534に換えて、ステップS2562,S2563が設けられている。図125に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2524で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2562)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330に選択されるが、第3発光領域430も選択されることになる。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2533で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2563)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340に選択されるが、第4発光領域440も選択されることになる。
以上、第10形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技制御用マイコン81が図53に示す遊技表示処理(S2303)を実行すれば、出率表示器300で無意味な表示がなされるものの、遊技表示器40で遊技の進行に係る遊技情報を表示させることが可能である。また遊技制御用マイコン81が図124及び図125に示す出率表示処理(S2304)を実行すれば、遊技表示器40で無意味な表示がなされるものの、出率表示器300で出率を表示することが可能である。
そして第10形態の駆動回路200Bによれば、上述した第9形態と同様、遊技表示器40での表示を行うための既存の発光選択回路部(IC1,IC2)及び発光駆動回路部(IC3,IC4)を利用しつつ、遊技制御用マイコン81によるソフト的な制御出力の切替えで、遊技情報の表示と出率の表示とを択一的に行うことが可能である。つまり、図35に示す第1比較例のように、出率を表示するための点灯選択回路部210Xや点灯駆動回路部220Xを新たに追加しないで、簡易な回路構成で出率表示器300に出率を表示させることが可能である。
ここで第10形態では上述したように、遊技表示器40で遊技情報を表示する際の発光態様が出率表示器300で反映され、出率表示器300で出率を表示する際の点灯態様が遊技表示器40で反映されるが、これは問題にならない。即ち、第1形態で説明したように、出率表示器300で出率が表示される表示条件は、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態になっていることである。そのため遊技者による遊技中では、通常、遊技機枠50が閉鎖しているため、遊技表示器40で遊技情報が表示される。このとき、遊技表示器40での発光態様が出率表示器300に反映されていても、出率表示器300を視認できないため問題がない。一方、遊技機枠50を開放させて出率を確認するような場合には、客待ち状態にしている。このとき、出率表示器300での点灯態様が遊技表示器40に反映されていても、遊技が行われていないため問題がない。第10形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第10形態の変形例>
第10形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第10形態では、第1形態の駆動回路200(図15参照)を駆動回路200B(図123参照)に換えて、出率表示器300に出率を表示するようした。これに対して、第10形態の変形例では、第1形態の変形例の駆動回路200を駆動回路200Bに換えて、ベース表示器300にベースを表示するように構成されている。この場合の変形例の作用効果は、上記した第10形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第11形態>
図126〜図128に基づいて第11形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の駆動回路200では、図15に示すように、出率表示器300の各データ信号ラインBa〜Bhを、コネクタCN2と発光駆動回路部220との間の各データ信号ラインAa〜Ahから分岐して設けている。これに対して、第11形態の駆動回路200Cでは、図126に示すように、点灯駆動回路部240を設けて、出率表示器300の各データ信号ライン(データ線)Ba〜Bhを点灯駆動回路部240につなげるようにしている。なお第11形態の駆動回路200Cでは、第1形態の点灯選択回路部230を設けない換わりに、点灯駆動回路部240を設けることにしている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第11形態の駆動回路200Cでは、図126に示すように、出率表示器300の各コモン信号ラインB1〜B4を、コネクタCN2と発光選択回路部210との間の各コモン信号ラインA1〜A4から分岐して設けている。そのため発光選択回路部210が、遊技表示器40の4つの発光領域410〜440のうち発光させ得る発光領域を選択できると共に、出率表示器300の4つの点灯領域310〜340のうち点灯させ得る点灯領域を選択できるようになっている。なお第1コモン信号ライン(第1発光コモン線)A1から分岐した第1コモン信号ラインB1が、「第1分岐コモン線」に相当し、第2コモン信号ライン(第2発光コモン線)A2から分岐した第2コモン信号ラインB2が、「第2分岐コモン線」に相当する。
点灯駆動回路部240は、データ情報D[0…7]に基づいて、4つの点灯領域310〜340のうち発光選択回路部210により選択された点灯領域にて、8つの出率用点灯部を点灯可能にするための回路である。この点灯駆動回路部240は、フリップフロップ(IC7)と、トランジスタアレイ(IC8)とを備えて構成されている。
IC7は、発光駆動回路部220のIC3と同様のD型フリップフロップである。IC7の入力端子1D〜8Dには、バスラインBLが接続されていて、データ情報D0,D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7がそれぞれ入力されるようになっている。これに対して、IC7の出力端子1Q〜8Qには、それぞれ8つの信号伝送ラインS5が接続されている。IC7のクリア入力端子CLRには、リセット信号RSTが入力され得る。そしてIC7のクロック入力端子CLKには、遊技制御用マイコン81からのセレクト信号XCSE10(図14参照)が入力されるようになっている。
IC8は、発光駆動回路部220のIC4と同様のドライバである。IC8の入力端子IN1〜IN8には、8つの信号伝送ラインS5が接続されている。これに対して、IC8の出力端子O1〜O8には、第1データ信号ラインBaから第8データ信号ラインBhまでの各データ信号ラインBa〜Bhが接続されている。これらデータ信号ラインBa〜Bhは、電流制限抵抗RCを介して出率表示器300の各点灯領域310〜340が有する8個の出率用点灯部(図13参照)にそれぞれ接続されている。
[出率表示処理]図127に示す第11形態の出率表示処理(S2304)では、図54に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2503,S2505,S2509,S2513,S2515,S2519に換えて、ステップS2570,S2571,S2572,S2573,S2574,S2575が設けられている。図127に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2502で、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2570)。これにより、前回(4ms前)の第4点灯領域340での点灯状態を反映しないようにしておく。そしてステップS2504で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2571)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310に選択されるが、第1発光領域410も選択されることになる。但し第11形態では、ステップS2507又はS2508を実行した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2572)。これにより、選択された第1点灯領域310で出率(役物比率又は連続役物比率)の十の位が表示され、選択された第1発光領域410で第1点灯領域310での点灯態様が反映されることはない。
また遊技制御用マイコン81は、ステップS2512で、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2573)。これにより、前回(4ms前)の第1点灯領域310での点灯状態を反映しないようにしておく。そしてステップS2514で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2574)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320に選択されるが、第2発光領域420も選択されることになる。但し第11形態では、ステップS2517又はS2518を実行した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2575)。これにより、選択された第2点灯領域320で出率の一の位が表示され、選択された第2発光領域420で第2点灯領域320での点灯態様が反映されることはない。
図128に示す第11形態の出率表示処理(S2304)では、図55に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2523,S2525,S2529,S2532,S2534,S2539に換えて、ステップS2576,S2577,S2578,S2579,S2580,S2581が設けられている。図128に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2522で、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2576)。これにより、前回(4ms前)の第2点灯領域320での点灯状態を反映しないようにしておく。そしてステップS2524で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2577)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330に選択されるが、第3発光領域430も選択されることになる。但し第11形態では、ステップS2527又はS2528を実行した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2578)。これにより、選択された第3点灯領域330で「1」又は「2」が表示され、選択された第3発光領域430で第3点灯領域330での点灯態様が反映されることはない。
また遊技制御用マイコン81は、ステップS2531で、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2579)。これにより、前回(4ms前)の第3点灯領域330での点灯状態を反映しないようにしておく。そしてステップS2533で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2580)。これにより、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340に選択されるが、第4発光領域440も選択されることになる。但し第11形態では、ステップS2536又はS2537を実行した後、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2581)。これにより、選択された第4点灯領域340で「0」又は「1」が表示され、選択された第4発光領域440で第4点灯領域340での点灯態様が反映されることはない。
以上、第11形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技制御用マイコン81が図53に示す遊技表示処理(S2303)を実行すれば、遊技表示器40で遊技の進行に係る遊技情報を表示させることが可能である。また遊技制御用マイコン81が図127及び図128に示す出率表示処理(S2304)を実行すれば、出率表示器300で出率を表示することが可能である。そして第11形態の駆動回路200Cによれば、遊技表示器40での表示を行うための既存の発光選択回路部210(IC1,IC2)及び発光駆動回路部220(IC3,IC4)に対して、点灯駆動回路部240(IC7,IC8)を追加するだけで構成することが可能である。つまり、図35に示す第1比較例のように、出率を表示するための点灯選択回路部210X及び点灯駆動回路部220Xの両方を新たに追加しないで済む。こうして第11形態によれば、遊技制御用マイコン81によるソフト的な制御出力の切替えと、点灯駆動回路部240の追加とによって、簡素な回路構成で遊技情報の表示と出率の表示とを択一的に行うことが可能である。第11形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第11形態の変形例>
第11形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第11形態では、第1形態の駆動回路200(図15参照)を駆動回路200C(図126参照)に換えて、出率表示器300に出率を表示するようした。これに対して、第11形態の変形例では、第1形態の変形例の駆動回路200を駆動回路200Cに換えて、ベース表示器300にベースを表示するように構成されている。この場合の変形例の作用効果は、上記した第11形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第12形態>
図129〜図133に基づいて第12形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態の駆動回路200では、図15に示すように、点灯選択回路部230が集積回路としてIC5(フリップフロップ)とIC6(トランジスタアレイ)とを備えて構成されている。これに対して、第12形態の駆動回路200Dでは、図129に示すように、点灯選択回路部250が集積回路としてIC6のみを備えて構成されている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
IC1の出力端子1Q〜4QとIC2の入力端子IN1〜IN4とに接続されている信号伝送ラインS1からそれぞれ分岐した信号伝送ラインS11が設けられている。信号伝送ラインS11は、IC6の入力端子IN1〜IN4にそれぞれ接続されている。従ってIC2は、IC1の出力端子1Q〜4Qから出力される信号に基づいて遊技表示器40のコモン信号ラインA1〜A4に信号を送信可能であり、IC6も、IC1の出力端子1Q〜4Qから出力される信号に基づいて遊技表示器40のコモン信号ラインB1〜B4に信号を送信可能である。しかしながらこの場合、仮に信号伝送ラインS1及び信号伝送ラインS11が常に導通状態であると、上記した第10形態のように(図123参照)、遊技表示器40で遊技情報を表示する際の発光態様が出率表示器300で反映され、出率表示器300で出率を表示する際の点灯態様が遊技表示器40で反映されることになる。そこで第12形態では、上記した問題に対処すべく、信号伝送ラインS1及び信号伝送ラインS11に、スイッチ回路部260が設けられている。
スイッチ回路部260は、信号伝送ラインS1を導通状態又は非導通状態に切替えることができると共に、信号伝送ラインS11を導通状態又は非導通状態に切替えることができるものである。そしてこのスイッチ回路部260は、信号伝送ライン(第1信号ライン)S1を導通状態に切替えているときには信号伝送ライン(第2信号ライン)S11を非導通状態に切替えていて、信号伝送ラインS11を非導通状態に切替えているときには信号伝送ラインS1を導通状態に切替えるようになっている。
具体的には、図130に示すように、スイッチ回路部260は、信号伝送ラインS1上に第1スイッチ部261を備え、信号伝送ラインS11上に第2スイッチ部262を備えている。第1スイッチ部261は、IC1の出力端子1QとIC2の入力端子IN1との接続状態(接続されているか切断されているか)を切替えるN型のMOSFET(TR1)及びP型のMOSFET(TR11)と、IC1の出力端子2QとIC2の入力端子IN2との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR2)及びP型のMOSFET(TR12)と、IC1の出力端子3QとIC2の入力端子IN3との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR3)及びP型のMOSFET(TR13)と、IC1の出力端子4QとIC2の入力端子IN4との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR4)及びP型のMOSFET(TR14)と、第1インバータINV1と、第2インバータINV2とを備えている。
また第2スイッチ部262は、IC1の出力端子1QとIC6の入力端子IN1との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR5)及びP型のMOSFET(TR15)と、IC1の出力端子2QとIC6の入力端子IN2との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR6)及びP型のMOSFET(TR16)と、IC1の出力端子3QとIC6の入力端子IN3との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR7)及びP型のMOSFET(TR17)と、IC1の出力端子4QとIC6の入力端子IN4との接続状態を切替えるN型のMOSFET(TR8)及びP型のMOSFET(TR18)と、第3インバータINV3とを備えている。
詳細には、第1スイッチ部261及び第2スイッチ部262において、N型のMOSFET(TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6,TR7,TR8)のドレイン端子と、P型のMOSFET(TR11,TR12,TR13,TR14,TR15,TR16,TR17,TR18)のソース端子とが接続されていて、こちらの側にプルアップ抵抗Raが接続されている。またその反対側では、N型のMOSFETのソース端子と、P型のMOSFETのドレイン端子とが接続されている。
第1スイッチ部261において、N型のMOSFET(TR1,TR2,TR3,TR4)のゲート端子には、セレクト信号XCSE10のレベルを第1インバータINV1と第2インバータINV2とにより2回反転させたレベルの信号が入力される。また第1スイッチ部261において、P型のMOSFET(TR11,TR12,TR13,TR14)のゲート端子には、セレクト信号XCSE10のレベルを第1インバータINV1により1回反転させたレベルの信号が入力される。
また第2スイッチ部262において、N型のMOSFET(TR5,TR6,TR7,TR8)のゲート端子には、セレクト信号XCSE10のレベルを第3インバータINV3により1回反転させたレベルの信号が入力される。また第2スイッチ部262において、P型のMOSFET(TR15,TR16,TR17,TR18)のゲート端子には、セレクト信号XCSE10がそのままのレベルで入力される。
こうして第1スイッチ部261及び第2スイッチ部262において、N型のMOSFET(TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6,TR7,TR8)のゲート端子に「H」レベルの信号が入力されると共に(即ちゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)が「L」レベル(上側閾値電圧よりも高い電圧)になると共に)、P型のMOSFET(TR11,TR12,TR13,TR14,TR15,TR16,TR17,TR18)のゲート端子に「L」レベルの信号が入力されると(即ちゲート電圧が「L」レベル(下側閾値電圧よりも低い電圧)になると)、各MOSFETのドレイン・ソース間に十分な電流が流れるようになる。つまり、信号伝送ラインS1又は信号伝送ラインS11が導通状態になる。
また逆に、N型のMOSFETのゲート端子に「L」レベルの信号が入力されると共に(即ちゲート電圧が「L」レベルになると共に)、P型のMOSFETのゲート端子に「H」レベルの信号が入力されると(即ちゲート電圧が「H」レベルになると)、各MOSFETのドレイン・ソース間に十分な電流が流れないようになる。つまり、信号伝送ラインS1又は信号伝送ラインS11が非導通状態になる。
本形態では、遊技制御用マイコン81がセレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベル(第1レベル)に設定しているときには、第1スイッチ部261において、N型のMOSFET(TR1,TR2,TR3,TR4)に「H」レベルの信号が入力されると共に、P型のMOSFET(TR11,TR12,TR13,TR14)に「L」レベルの信号が入力されるため、信号伝送ラインS1が導通状態になる。またこのときには、第2スイッチ部262において、N型のMOSFET(TR5,TR6,TR7,TR8)に「L」レベルの信号が入力されると共に、P型のMOSFET(TR15,TR16,TR17,TR18)に「H」レベルの信号が入力されるため、信号伝送ラインS11が非導通状態になる。
一方、遊技制御用マイコン81がセレクト信号XCSE10の出力レベルを「L」レベル(第2レベル)に設定しているときには、第1スイッチ部261において、N型のMOSFET(TR1,TR2,TR3,TR4)に「L」レベルの信号が入力されると共に、P型のMOSFET(TR11,TR12,TR13,TR14)に「H」レベルの信号が入力されるため、信号伝送ラインS1が非導通状態になる。またこのときには、第2スイッチ部262において、N型のMOSFET(TR5,TR6,TR7,TR8)に「H」レベルの信号が入力されると共に、P型のMOSFET(TR15,TR16,TR17,TR18)に「L」レベルの信号が入力されるため、信号伝送ラインS11が導通状態になる。
こうして第12形態の駆動回路200Dでは、スイッチ回路部260が、型の異なる2つのMOSFETの組合せで構成されている。よって、遊技制御用マイコン81とIC2及びIC6との通信の信頼性を高くすることが可能である。つまり、スイッチ回路部260がN型とP型の両方の型のMOSFETを組合せて構成されているため、0V〜Vccまでの範囲でスイッチング動作が可能になっている。従って、スイッチ回路部がP型又はN型の片方だけのMOSFETで構成されている場合に比べて、IC2及びIC6の入力端子IN1〜IN4に対する入力電圧を、正常に動作するレベルに設定し易くすることが可能である。
[出力処理]図131に示す第12形態の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)に対して、ステップS2306,S2307が新たに設けられている。図131に示すように、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が閉鎖している(S2301でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベルに設定する。これにより、信号伝送ラインS1が導通状態になるのに対して、信号伝送ラインS11が非導通状態になる。そして、遊技表示器40に遊技情報を表示させるべく、遊技表示処理を実行する(S2303)。これに対して、遊技制御用マイコン81は、遊技機枠50が開放していて(S2301でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、セレクト信号XCSE10の出力レベルを「L」レベルに設定する。これにより、信号伝送ラインS1が非導通状態になるのに対して、信号伝送ラインS11が導通状態になる。そして、出率表示器300に出率を表示させるべく、出率表示処理を実行する(S2304)。
[出率表示処理]図132に示す第12形態の出率表示処理(S2304)では、図54に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2505,S2515に換えて、ステップS2590,S2591が設けられている。図132に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2504で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2590)。このとき信号伝送ラインS11が導通状態であるものの、信号伝送ラインS1は非導通状態であるため、点灯させ得る点灯領域が第1点灯領域310になり、第1発光領域410は選択されない。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2514で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2591)。このときも信号伝送ラインS11が導通状態であるものの、信号伝送ラインS1は非導通状態であるため、点灯させ得る点灯領域が第2点灯領域320になり、第2発光領域420は選択されない。
図133に示す第12形態の出率表示処理(S2304)では、図55に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2525,S2534に換えて、ステップS2592,S2593が設けられている。図133に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS2524で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2592)。このとき信号伝送ラインS11が導通状態であるものの、信号伝送ラインS1は非導通状態であるため、点灯させ得る点灯領域が第3点灯領域330になり、第3発光領域430は選択されない。また遊技制御用マイコン81は、ステップS2533で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2593)。このときも信号伝送ラインS11が導通状態であるものの、信号伝送ラインS1は非導通状態であるため、点灯させ得る点灯領域が第4点灯領域340になり、第4発光領域440は選択されない。
なお第12形態の遊技表示処理(S2303)は、図53に示す第1形態の遊技表示処理(S2303)と同じである。但し第12形態の遊技表示処理(S2303)を実行するときには、上述したように、信号伝送ラインS1が導通状態であるものの、信号伝送ラインS11が非導通状態であるため、上述した出率表示処理(S2304)とは反対に、各発光領域410〜440が選択されるのに対して、各点灯領域310〜340が選択されないことになる。
以上、第12形態のパチンコ遊技機1によれば、図129に示すように、駆動回路200Dにスイッチ回路部260を設けている。これにより、遊技制御用マイコン81がセレクト信号XCSE10の出力レベルを「H」レベル又は「L」レベルに切替えることで、発光選択回路部210が発光させ得る発光領域を選択する遊技表示状態、又は点灯選択回路部250が点灯させ得る点灯領域を選択する出率表示状態に切替えることが可能である。つまり、スイッチ回路部260により、遊技表示器40での表示と出率表示器300での表示を択一的に行うことが可能であり、上記した第10形態のように遊技表示器40での発光態様が出率表示器300に反映されたり、出率表示器300での点灯態様が遊技表示器40に反映されるのを回避することが可能である。第12形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第12形態の変形例>
第12形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第12形態では、第1形態の駆動回路200(図15参照)を、スイッチ回路部260(図130参照)を含む駆動回路200D(図129参照)に換えて、出率表示器300に出率を表示するようした。これに対して、第12形態の変形例では、第1形態の変形例の駆動回路200を、スイッチ回路部260を含む駆動回路200Dに換えて、ベース表示器300にベースを表示するように構成されている。この場合の変形例の作用効果は、上記した第12形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第13形態>
図134〜図137に基づいて第13形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、出率表示器300を設けて、その出率表示器300に出率を表示させた。これに対して第13形態では、出率表示器300を設けないで、遊技表示器40Fに出率を表示させるようになっている。つまり、第13形態では、遊技表示器40Fという一つの表示器で、遊技の進行に係る遊技情報を表示可能である共に、出率を表示可能である点に特徴がある。この遊技表示器40Fは、第1形態の遊技表示器40と同様(図3参照)、遊技盤2(遊技盤2の板状部材)の右側に配されている。従って、遊技表示器40Fで出率が表示されているときには、本パチンコ遊技機1の前方から出率を確認することが可能になっている。
図134に示すように、第13形態の遊技表示器40Fでは、第1発光領域410F及び第2発光領域420Fが、所謂7セグになっておらず、第1形態の遊技表示器40の第1発光領域410及び第2発光領域420と同じように(図5参照)、各遊技用発光部LA1〜LA8,LA9〜LA16を配している。これは、第1発光領域410F(第1特別図柄表示器41a)及び第2発光領域420F(第2特別図柄表示器41b)での発光態様で、大当たり図柄の種別を判別し難くするためである。一方、第3発光領域430F及び第4発光領域440Fが、所謂7セグになっていて、第1形態の出率表示器300の第3点灯領域330及び第4点灯領域340と同じように(図8参照)、各遊技用発光部LA17〜LA24,LA25〜LA32を配している。これは、第3発光領域430F及び第4発光領域440で数値としての出率(役物比率、連続役物比率)を表示するためである。
第13形態の駆動回路は、上述した第4形態の駆動回路200F(図86参照)のように、遊技情報を表示する既存の駆動回路と同じ構成である。つまり、第1形態の駆動回路200のように、出率を表示するための回路部が新たに追加されていない。よって、遊技情報を表示する既存の駆動回路をそのまま利用して、出率を表示するようになっている。第13形態では上述したように、出率を遊技表示器40Fの第3発光領域430F及び第4発光領域440Fで示すようにしている。そして役物比率又は連続役物比率のどちらであるかは、遊技表示器40Fの第1発光領域410Fで示し、有効値として出率又は参考値として出率のどちらであるかは、遊技表示器40Fの第2発光領域420Fで示すようにしている。
但し図111に示すように、第1発光領域410F及び第2発光領域420Fは所謂7セグではないため、数字が示されるわけではない。そこで第111形態では、第1発光領域410Fの全ての遊技用発光部LA1〜LA8が発光していれば、役物比率を示すことにしている。一方、第1発光領域410Fの全ての遊技用発光部LA1〜LA8が発光していなければ(消灯していれば)、連続役物比率を示すことにしている。また第2発光領域420Fの全ての遊技用発光部LA9〜LA16が発光していれば、有効値としての出率を示すことにしている。一方、第2発光領域420Fの全ての遊技用発光部LA9〜LA16が発光していなければ(消灯していれば)、参考値としての出率を示すことにしている。
[出率表示処理]図135に示す第13形態の出率表示処理(S2304)では、図54に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2504,S2505,S2514,S2515に換えて、ステップS3001,S3002,S3003,S3004が設けられている。図135に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS3001で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0010]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S3001)。これにより、点灯(発光)させ得る発光領域が第3発光領域430Fになる。そして、ステップS2507又はS2508を実行した後、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2509)。これにより、第3発光領域430Fで出率(役物比率又は連続役物比率)の十の位が表示される。また遊技制御用マイコン81は、ステップS3003で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0001]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S3004)。これにより、点灯(発光)させ得る発光領域が第4発光領域440Fになる。そして、ステップS2517又はS2518を実行した後、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2519)。これにより、第4発光領域440Fで出率の一の位が表示される。
図136に示す第13形態の出率表示処理(S2304)では、図55に示す第1形態の出率表示処理(S2304)のステップS2524,S2525,S2527,S2528,S2533,S2534,S2536,S2538に換えて、ステップS3005,S3006,S3007,S3008,S3009,S3010,S3011,S3012が設けられている。図136に示すように、遊技制御用マイコン81は、ステップS3005で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[1000]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S3006)。これにより、点灯(発光)させ得る発光領域が第1発光領域410Fになる。
そして、表示フラグが「1」であれば(S2526でYES)、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[1…1]を出力して(S3007)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2529)。これにより、第1発光領域410Fの全ての遊技用発光部LA1〜LA8が発光して、第3発光領域430F及び第4発光領域440Fで表示されている出率が役物比率であることが示される。これに対して、表示フラグが「1」でなければ(S2526でNO)、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力して(S3008)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2529)。これにより、第1発光領域410Fの全ての遊技用発光部LA1〜LA8が発光しなくて、第3発光領域430F及び第4発光領域440Fで表示されている出率が連続役物比率であることが示される。
また遊技制御用マイコン81は、ステップS3009で、入出力端子D0〜D3からデータ情報D[0…3]=D[0100]を出力した後、セレクト信号XCSE0の出力レベルを「H」レベルに切替える(S3010)。これにより、点灯(発光)させ得る発光領域が第2発光領域420Fになる。そして、実総賞球数カウンタの値が「100」以上(S2535でYES)、又は変動回数カウンタの値が「3000」以上であれば(S2537でYES)、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[1…1]を出力して(S3011)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2539)。これにより、第2発光領域420Fの全ての遊技用発光部LA9〜LA16が発光して、第3発光領域430F及び第4発光領域440Fで表示されている出率が有効値であることが示される。これに対して、実総賞球数カウンタの値が「100」未満であり(S2535でNO)、且つ変動回数カウンタの値が「3000」未満であれば(S2537でNO)、入出力端子D0〜D7からデータ情報D[0…7]=D[0…0]を出力して(S3012)、セレクト信号XCSE1の出力レベルを「H」レベルに切替える(S2539)。これにより、第2発光領域420Fの全ての遊技用発光部LA9〜LA16が発光しなくて、第3発光領域430F及び第4発光領域440で表示されている出率が参考値であることが示される。
以上、第13形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技の進行に係る遊技情報を表示させる遊技表示器40Fを用いて、出率を表示させることが可能である。つまり、出率を表示させるために、専用の表示器や電気回路(駆動回路)を新たに設ける必要がなく、遊技制御用マイコン81に対するソフト的な変更だけで済む。従って、既存のパチンコ遊技機1からの設計変更をほとんど行うことなく、出率を表示させることが可能である。言い換えると、出率を表示させるための設計変更で非常に大きなコスト及び労力がかかるのを防ぐことが可能である。また遊技表示器40Fは、上記した各形態のように遊技機枠50の裏側に配されているわけではなく、遊技盤2に配されている。従って、本パチンコ遊技機1の前方から遊技表示器40Fに表示された出率を視認することができて、出率を確認し易くすることが可能である。第13形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第13形態の変形例>
第13形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。第13形態では、出率を表示する出率表示器300を設けないで、遊技表示器40F(図134参照)に出率を表示するようにした。これに対して、第13形態の変形例では、ベースを表示するベース表示器300を設けないで、遊技表示器40Fにベースを表示するように構成されている。具体的には図134に示すように、遊技表示器40Fの第3発光領域430F及び第4発光領域440Fで、数値としてのベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を表示する。
そして、通常ベースを表示する場合には、遊技表示器40Fの第1発光領域410Fで1つの遊技用発光部LA1を発光させる。また時短ベースを表示する場合には、遊技表示器40Fの第1発光領域410Fで2つの遊技用発光部LA1,LA2を発光させる。また大当たりベースを表示する場合には、遊技表示器40Fの第1発光領域410Fで3つの遊技用発光部LA1,LA2,LA3を発光させる。更に、有効値としてのベースを表示する場合には、遊技表示器40Fの第2発光領域420Fで全ての遊技用発光部LA9〜LA16を発光させる。一方、参考値としてのベースを表示する場合には、遊技表示器40Fの第2発光領域420Fで全ての遊技用発光部LA9〜LA16を発光させない(消灯させる)。なお上記した発光態様はあくまで一例であって、適宜変更可能である。この場合の変形例の作用効果は、上記した第13形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<第14形態>
図137に基づいて第14形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、出率表示器300に出率を表示させるための表示条件が、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であることであった。これに対して第14形態では、表示条件が、RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152への操作があったこと且つ客待ち状態であることになっている。
[出力処理]図137に示す第14形態の出力処理(S107)では、図52に示す第1形態の出力処理(S107)のステップS2301に換えて、ステップS2314が設けられている。図137に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2314)。表示フラグは、上述したようにRAMクリアスイッチ152の操作によって「1」又は「2」の何れかに切替わるものである。表示フラグが「1」であり(S2314でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、出率表示処理を実行する(S2304)。これに対して、表示フラグが「2」である(S2314でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、遊技表示処理を実行する(S2303)。なお初期設定では、表示フラグは「1」に設定されているが、電源投入に伴うRAMクリアスイッチ152の操作により、電源投入後すぐに表示フラグは「2」に切替えられる。よってこのときには、遊技表示処理(S2303)が行われることになる。
こうして出率を確認する人は、客待ち状態になるのを待って、遊技機枠50を開放させてからRAMクリアスイッチ152を操作すれば、出率表示器300に出率を表示させることが可能である。なお電源投入時以外で,RAMクリアスイッチ152を操作しても、遊技用RAM84に記憶されている情報がクリアされることはない。この第14形態では、上記第1形態と異なり、RAMクリアスイッチ152の操作によって役物比率の表示と連続役物比率の表示とを切替えるようになっておらず、所定時間(例えば1分)毎に役物比率の表示と連続役物比率の表示とが自動的に切替わるようになっている。
以上、第14形態のパチンコ遊技機1によれば、RAMクリアスイッチ152の操作により、出率を確認したいときだけ、出率の表示を行うことが可能である。ところで通常、RAMクリアスイッチ152は、電源の投入時だけに操作されるものである。そこで第14形態によれば、出率を表示させるための操作手段を主制御基板80やその他の部位に新たに設けると設計変更が大きくなることを考慮して、電源投入後には使用しない既存のRAMクリアスイッチ152を有効利用することにしている。よって、設計変更を小さくしつつ、出率を任意に表示させることが可能である。第14形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、説明を省略する。
<第14形態の変形例>
図138に基づいて第14形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第14形態では、出率表示器300に出率を表示させるための表示条件が、RAMクリアスイッチ152への操作があったこと且つ客待ち状態であることとした。これに対して、第14形態の変形例では、ベース表示器300にベースを表示させるための表示条件が、RAMクリアスイッチ152への操作があったこと且つ客待ち状態であることになっている。
[出力処理]図138に示すように、第14形態の変形例の出力処理(S107)では、図69に示す第1形態の変形例の出力処理(S107)のステップS2301に換えて、ステップS2350が設けられている。図138に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、表示フラグが「1」であるか否かを判定する(S2314)。この第14形態の変形例では、上述した第1形態の変形例と異なり、表示フラグはRAMクリアスイッチ152の操作によって「1」又は「2」の何れかに切替わるものである。表示フラグが「1」であり(S2350でYES)、且つ客待ちフラグがONであれば(S2302でYES)、ベース表示処理を実行する(S2340)。これに対して、表示フラグが「2」である(S2340でNO)、又は客待ちフラグがOFFであれば(S2302でNO)、遊技表示処理を実行する(S2303)。なお初期設定では、表示フラグは「1」に設定されているが、電源投入に伴うRAMクリアスイッチ152の操作により、電源投入後すぐに表示フラグは「2」に切替えられる。
こうしてベースを確認する人は、客待ち状態になるのを待って、遊技機枠50を開放させてからRAMクリアスイッチ152を操作すれば、ベース表示器300にベースを表示させることが可能である。この第14形態の変形例では、上記第1形態の変形例と異なり、RAMクリアスイッチ152の操作によって、通常ベースの表示と時短ベースの表示と大当たりベースの表示とを切替えるようになっておらず、所定時間(例えば1分)毎に通常ベースの表示と時短ベースの表示と大当たりベースの表示とが自動的に切替わるようになっている。
以上、第14形態の変形例によれば、RAMクリアスイッチ152の操作により、ベースを確認したいときだけ、ベースの表示を行うことが可能である。特に、ベースを表示させるための操作手段を主制御基板80やその他の部位に新たに設けると設計変更が大きくなるため、電源投入後には使用しない既存のRAMクリアスイッチ152を有効利用することで、設計変更を小さくしつつ、ベースを任意に表示させることが可能である。その他の変形例の作用効果は、上記した第14形態の作用効果に対して、出率をベースに換えただけであるため、詳細な説明を省略する。
<その他の変形例>
上記各形態及びその変形例では、出率表示器300に出率を表示させるための表示条件、又はベース表示器300にベースを表示させるための表示条件を、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であること、又はRAMクリアスイッチ152が操作されて且つ客待ち状態であることとした。しかしながら表示条件は、適宜変更可能であり、例えば、遊技機枠50の開放だけ、客待ち状態だけ、又はRAMクリアスイッチ152の操作だけとしたり、遊技機枠50が開放していて且つ客待ち状態であり且つRAMクリアスイッチ152が操作されたこととしても良い。また遊技機枠50の裏側に新たなスイッチ(操作手段)を設けて、表示条件をそのスイッチが操作されたこととしても良い。また表示条件を、演出ボタン63やセレクトボタン64(操作手段)で特定の操作(例えば或る設定画面中での操作)がされたこととしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、発光選択回路部210,210Aが2つの集積回路(IC1,IC2)を備えるように構成した。しかしながら、発光選択回路部が1つ又は3つ以上の集積回路ICを備えるように構成しても良い。また発光駆動回路部220が2つの集積回路(IC3,IC4)を備えるように構成した。しかしながら、発光駆動回路部が1つ又は3つ以上の集積回路ICを備えるように構成しても良い。また点灯選択回路部230が2つの集積回路(IC5,IC6)を備え、点灯選択回路部250が1つの集積回路(IC6)を備えるように構成した。しかしながら、点灯選択回路部が3つ以上の集積回路ICを備えているように構成しても良い。また点灯駆動回路部240が2つの集積回路(IC7,IC8)を備えているように構成した。しかしながら、点灯駆動回路部が1つ又は3つ以上の集積回路ICを備えるように構成しても良い。
また上記各形態及びその変形例では、遊技表示器40として、図5に示すように各遊技用発光部LA1〜LA32が配置されているものを用いた。しかしながら遊技表示器は、図5に示すものに限られるわけではなく、適宜変更可能である。例えば遊技表示器は、図139に示すように各発光部が配置されているものであっても良い。また遊技表示器を図8に示すような所謂4連7セグとしても良い。この場合には、上記第13形態で説明したように、遊技表示器(4連7セグ)で出率を表示する際に、出率やベースを数値として示すことが可能である。
また上記各形態及びその変形例では、遊技表示器40が、4コモン×8(N=8)ビットの合計32ビットに対応して発光するものであった。しかしながら、例えば第1発光領域410と第2発光領域420のみを備え、2コモン×8ビットの合計16ビットに対応して発光するものであっても良い。或いは、4コモン×4(N=4)ビットの合計16ビットに対応して発光するものであっても良く、発光領域の数と、各発光領域で発光し得る発光部の数(自然数N)は適宜変更可能である。
また上記各形態及びその変形例では、出率表示器300又はベース表示器300として、図7に示すように所謂4連7セグを用いた。しかしながら出率表示器又はベース表示器300は、4連7セグに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば出率表示器又はベース表示器は、図134に示す各遊技用発光部LA1〜LA32の代わりに各点灯部が配置されているものでも良く、図5に示す各遊技用発光部LA1〜LA32の代わりに各点灯部が配置されているものでも良い。但し出率表示器又はベース表示器が図5に示すような7セグメント型でない場合、出率又はベースを数値として示すことができなくなる。この場合には、例えば第1点灯領域において点灯している点灯部の数で出率又はベースの十の位を示し、8つの点灯部が点滅していれば出率又はベースの十の位が「9」であることにする。また第2点灯領域において点灯している点灯部の数で出率又はベースの一の位を示し、8つの出率用点灯部が点滅していれば出率の一の位が「9」であることにする。このように、出率又はベースを確認する人だけがマニュアル等を用いて出率表示器又はベース表示器での表示(出率、ベース)を分かるようにしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、出率表示器300又はベース表示器が、4コモン×8(N=8)ビットの合計32ビットに対応して点灯するものであった。しかしながら、例えば第1点灯領域310と第2点灯領域320のみを備え、2コモン×8ビットの合計16ビットに対応して点灯するものであっても良い。或いは、4コモン×4(N=4)ビットの合計16ビットに対応して点灯するものであっても良く、点灯領域の数と、各点灯領域で点灯し得る点灯部の数(自然数N)は適宜変更可能である。
また上記各形態及びその変形例では、遊技表示器40の1つの発光領域に設けられている発光部の数(8)と、出率表示器300又はベース表示器300の1つの点灯領域に設けられている点灯部の数(8)とが同じであった。しかしながら、1つの発光領域に設けられている発光部の数と、1つの点灯領域に設けられている点灯部の数とが異なっていても良い。また上記各形態及びその変形例では、遊技表示器40が備える発光領域の数(4)と、出率表示器300又はベース表示器300が備える点灯領域の数(4)とが同じであった。しかしながら、発光領域の数と点灯領域の数とが異なっていても良い。
また上記各形態及びその変形例では、出率表示器300の第1点灯領域310と第2点灯領域320で出率(役物比率又は連続役物比率)を表示し、ベース表示器300の第1点灯領域310と第2点灯領域320でベース(通常ベース又は時短ベース或いは大当たりベース)を表示した。しかしながら、出率又はベースを表示する点灯領域は適宜変更可能であり、例えば第3点灯領域330と第4点灯領域340で出率又はベースを表示するようにしても良い。また出率又は通常ベース或いは時短ベースを、パーセント表示として十の位と一の位を表示するようにした。しかしながら、例えば60%であっても、「0.60」のように、小数点も併せて表示するようにしても良い。また出率又は通常ベース或いは時短ベースをパーセント表示として十の位だけを表示するようにしても良い。このようにすれば、一つの点灯領域だけの表示で済ますことが可能である。なおこの場合には、一の位は四捨五入するのが好適である。また第1点灯領域310と第2点灯領域320で役物比率を表示し、第3点灯領域330と第4点灯領域340で連続役物比率を表示するようにしても良く、その逆で表示するようにしても良い。また大当たりベースについても、小数点も併せて表示するようにしても良く、又は百の位だけを表示するようにしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、大当たり遊技を実行可能である一方、小当たり遊技を実行しないパチンコ遊技機1であったため、図11(A),図65(A),図109(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルを用いて総賞球数及び役物作動賞球数を計測した。しかしながら、小当たり遊技も実行可能なパチンコ遊技機である場合には、図140に示す賞球数カウンタ加算テーブルを用いて総賞球数及び役物作動賞球数を計測すれば良い。即ち、小当たり遊技の実行により遊技球が第1大入賞口30又は第2大入賞口35に入賞した場合には、100球用カウンタの値と役物賞球数カウンタの値を「15」だけ増加させるが、連続役物賞球数カウンタの値を増加させないようにすれば良い。
また上記各形態では、出率を演算するための分母となる総賞球数を、百球単位で1つとして計測するために、100球用カウンタと実総賞球数カウンタとを用いた。しかしながら、総賞球数を百球以外の単位で1つとして計測しても良く、例えば50球用カウンタや200球用カウンタを用いても良い。また、総賞球数カウンタという1つのカウンタだけで、総賞球数を1球単位で計測しても良い。この場合には、役物比率を演算する場合には、役物賞球数カウンタの値に対して1球単位で計測した総賞球数カウンタの値を除算して100倍すれば良く、連続役物比率を演算する場合には、連続役物賞球数カウンタの値に対して1球単位で計測した総賞球数カウンタの値を除算して100倍すれば良い。
また上記各形態の変形例では、通常ベースを演算するための分母となる発射球数を、百球単位で1つとして計測するために、通常100球用カウンタと通常発射球数カウンタとを用いた。また時短ベースを演算するための分母となる発射球数を、百球単位で1つとして計測するために、時短100球用カウンタと時短発射球数カウンタとを用いた。また大当たりベースを演算するための分母となる発射球数を、百球単位で1つとして計測するために、大当たり100球用カウンタと大当たり発射球数カウンタとを用いた。しかしながら、これら各発射球数を百球以外の単位で1つとして計測しても良く、例えば50球用カウンタや200球用カウンタを用いても良い。また、通常遊技状態での発射球数、時短状態での発射球数、大当たり遊技状態での発射球数を、それぞれ1つのカウンタを用いて1球単位で計測しても良い。この場合には、例えば通常ベースを演算する場合には、通常総賞球数カウンタの値に対して1球単位で計測したカウンタの値を除算して100倍すれば良い。
また上記各形態の変形例では、通常遊技状態と時短状態と大当たり遊技状態という遊技状態毎に区切って、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を演算して表示した。しかしながら、ベースを区切る範囲は適宜変更可能であり、例えば大当たり遊技状態以外のベースと、大当たり遊技状態でのベースとを演算して表示するようにしても良い。また、遊技状態で区切らずに、電源が投入されてから現時点までの全ての状態を考慮したベースを演算して表示するようにしても良い。或いは、特定の状態(例えば時短状態)だけに限ったベースを演算して表示するようにしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、電源が初めて投入された時点(所定の開始時点)から、総賞球数や総発射球数を計測した。しかしながら、上記した所定の開始時点は適宜変更可能であり、例えば、或る特定の日時(2017年1月1日)や、ホールの従業員等が特定の設定を開始した時点からであっても良い。
また上記第1形態では、総賞球数が10000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第4点灯領域340で「0」を表示して、出率が参考値であることを示した。一方、総賞球数が10000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第4点灯領域340で「1」を表示して、出率が有効値であることを示した。しかしながら、総賞球数が10000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で出率を表示せず(つまり参考値としての出率を示さず)、総賞球数が10000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第1点灯領域310及び第2点灯領域320で出率を表示するようにしても良い。この場合には、出率を確認する人に対して、出率が表示されていることを条件に、ある程度収束した値としての出率(有効値としての出率)と判断させることが可能である。
また上記第1形態では、総賞球数が10000発以上であるという第1条件と、変動回数が3000回以上であるという第2条件の何れか一方を満たせば、出率が有効値であることを示した。しかしながら、第1条件及び第2条件の両方を満たせば、出率が有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件又は第2条件の何れか一方しか設けないようにして、出率が有効値であるか否かを示すようにしても良い。そして第1条件だけを設けた場合に、第1条件を満たせば出率を表示するが、第1条件を満たさなければ出率を表示しないようにしても良い。また第2条件だけを設けた場合に、第2条件を満たせば出率を表示するが、第2条件を満たさなければ出率を表示しないようにしても良い。またパチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの時間を計測して、その計測した時間が所定時間(例えば10時間)に達するという第3条件を満たせば、出率が有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件と第2条件と第3条件の中から適宜組合せた条件で、出率が有効値であることを示すようにしても良い。
また上記第1形態では、出率がある程度収束した有効値であると判断するために、総賞球数が10000発(所定値)以上であるか否かという判定、又は変動回数が3000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行った。しかしながら、上記した総賞球数の値や所定回転数の値は適宜変更可能であり、例えば総賞球数が30000発(所定賞球数)以上であるか否かという判定、又は変動回数が10000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行っても良い。
また上記第1形態では、出率が有効値であるのを報知するために第4点灯領域340で「1」(特定の数字)を表示した。しかしながら、有効値であることを報知するための特定の数字は、「1」に限られるものではなく、「7」であっても良く適宜変更可能である。また出率が有効値であるの報知するために、必ずしも数字を表示する必要はない。例えば、第4点灯領域340で「―」を表示すれば、出率が有効値であるのを報知しても良い。また出率が有効値であるのを第4点灯領域340以外の点灯領域で報知しても良く、適宜変更可能である。
また上記第1形態では、出率表示器300に出率を表示させることにより、出率を報知するようにした。しかしながら、スピーカ(音出力手段)67から出率を示す音声を出力させることにより、出率を報知するようにしても良い。この場合には主制御基板80が、演算された出率の情報を含むコマンドをサブ制御基板90に送信し、演出制御用マイコン91が出率の情報を含むコマンドに基づいて音声制御基板106を制御(音声制御)することになる。なお上記した表示条件の成立に基づいて、出率表示器300で出率を表示させると共に、スピーカ67から出率を示す音声を出力するようにしても良く、又はスピーカ67から出率を示す音声だけを出力するようにしても良い。
また上記第1形態では、出率表示器300での表示によって、出率が有効値であるのを報知した。しかしながら、出率が有効値であることの報知は、適宜変更可能である。例えば、画像表示装置7やサブ液晶表示装置で特定の表示を行ったり、盤ランプ5や枠ランプ66等の発光手段を特定の発光態様で発光させたり、スピーカ67から特定の報知音を出力させることにより、出率が有効値であるのを報知しても良い。
また上記第1形態では、遊技表示器40での遊技情報の表示と、出率表示器300での出率の表示とを択一的に行うようにした。しかしながら、例えば図35に示す第1比較例のように駆動回路200Xを構成して、遊技表示器40での遊技情報の表示と、出率表示器300での出率の表示とを同時に実行できるようにしても良い。
また上記第1形態では、遊技制御状態であるとき、即ち特別図柄の変動表示に関わる制御処理(特定の制御処理)又は大当たり遊技状態の制御中での制御処理(特定の制御処理)を実行しているときには、出率を演算しない(出率演算処理(S117、図45参照)を実行しない)ようにした。しかしながら、出率を演算しない場合は、適宜変更可能であり、例えば時短状態での制御中での制御処理(特定の制御処理)を実行しているときには、出率を演算しないようにしても良い。また例えば総賞球数が特定数に達するまでは、出率を演算しないようにしても良い。
また上記第1形態では、100球用カウンタと実総賞球数カウンタとを用いて、総賞球数を百球単位を1つとして計測できるようにした。しかしながら、総賞球数を百球単位を1つとして計測するためには、2つのカウンタ(100球用カウンタ、実総賞球数カウンタ)を用いなくても良く、適宜変更可能である。例えば、総賞球数を1球単位で計測する総賞球数カウンタのみを用いて、総賞球数カウンタの値を100で除算することにより、百球単位を1つとした値を計測するようにしても良い。なお「計測」とは、ある目的のために量を把握することの意味である。
また上記第1形態の変形例では、総発射球数が100000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第4点灯領域340で「0」を表示して、ベースが参考値であることを示した。一方、総発射球数が100000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第4点灯領域340で「1」を表示して、ベースが有効値であることを示した。しかしながら、総発射球数が100000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第1点灯領域310及び第2点灯領域320でベースを表示せず(つまり参考値としてのベースを示さず)、総発射球数が100000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第1点灯領域310及び第2点灯領域320でベースを表示するようにしても良い。この場合には、ベースを確認する人に対して、ベースが表示されていることを条件に、ある程度収束した値としてのベース(有効値としてのベース)と判断させることが可能である。
また上記第1形態の変形例では、総発射球数が100000発以上であるという第1条件と、変動回数が3000回以上であるという第2条件の何れか一方を満たせば、ベースが有効値であることを示した。しかしながら、第1条件及び第2条件の両方を満たせば、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件又は第2条件の何れか一方しか設けないようにして、ベースが有効値であるか否かを示すようにしても良い。そして第1条件だけを設けた場合に、第1条件を満たせばベースを表示するが、第1条件を満たさなければベースを表示しないようにしても良い。また第2条件だけを設けた場合に、第2条件を満たせばベースを表示するが、第2条件を満たさなければベースを表示しないようにしても良い。またパチンコ遊技機1に初めて電源が投入されてからの時間を計測して、その計測した時間が所定時間(例えば10時間)に達するという第3条件を満たせば、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件と第2条件と第3条件の中から適宜組合せた条件で、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。
また上記第1形態の変形例では、ベースがある程度収束した有効値であると判断するために、総発射球数が100000発(所定値)以上であるか否かという判定、又は変動回数が3000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行った。しかしながら、上記した総発射球数の値や所定回転数の値は適宜変更可能であり、例えば総発射球数が300000発(所定値)以上であるか否かという判定、又は変動回数が10000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行っても良い。また、ベースがある程度収束した有効値であると判断するために、通常状態での発射球数と時短状態での発射球数と大当たり遊技状態での発射球数との合計(総発射球数、分母計測値を含む特定計測値)が所定値以上であるか否かを判定した。しかしながら、通常ベースを表示する場合には通常遊技状態での発射球数(分母計測値)が所定値以上であるか否かを判定して有効値であるか否かを判断し、時短ベースを表示する場合には時短状態での発射球数(分母計測値)が所定値以上であるか否かを判定して有効値であるか否かを判断し、大当たりベースを表示する場合には大当たり遊技状態での発射球数(分母計測値)が所定値以上であるか否かを判定して有効値であるか否かを判断するようにしても良い。
また上記第1形態の変形例では、ベースが有効値であるのを報知するために第4点灯領域340で「1」(特定の数字)を表示した。しかしながら、有効値であることを報知するための特定の数字は、「1」に限られるものではなく、「7」であっても良く適宜変更可能である。またベースが有効値であるの報知するために、必ずしも数字を表示する必要はない。例えば、第4点灯領域340で「―」を表示すれば、ベースが有効値であるのを報知しても良い。またベースが有効値であるのを第4点灯領域340以外の点灯領域で報知しても良く、適宜変更可能である。
また上記第1形態の変形例では、ベース表示器300にベースを表示させることにより、ベースを報知するようにした。しかしながら、スピーカ(音出力手段)67からベースを示す音声を出力させることにより、ベースを報知するようにしても良い。この場合には主制御基板80が、演算されたベースの情報を含むコマンドをサブ制御基板90に送信し、演出制御用マイコン91がベースの情報を含むコマンドに基づいて音声制御基板106を制御(音声制御)することになる。なお上記した表示条件の成立に基づいて、ベース表示器300でベースを表示させると共に、スピーカ67からベースを示す音声を出力するようにしても良く、又はスピーカ67からベースを示す音声だけを出力するようにしても良い。
また上記第1形態の変形例では、ベース表示器300での表示によって、ベースが有効値であるのを報知した。しかしながら、ベースが有効値であることの報知は、適宜変更可能である。例えば、画像表示装置7やサブ液晶表示装置で特定の表示を行ったり、盤ランプ5や枠ランプ66等の発光手段を特定の発光態様で発光させたり、スピーカ67から特定の報知音を出力させることにより、ベースが有効値であるのを報知しても良い。
また上記第1形態の変形例では、遊技表示器40での遊技情報の表示と、ベース表示器300でのベースの表示とを択一的に行うようにした。しかしながら、例えば図35に示す第1比較例のように駆動回路200Xを構成して、遊技表示器40での遊技情報の表示と、ベース表示器300でのベースの表示とを同時に実行できるようにしても良い。
また上記第1形態の変形例では、遊技制御状態であるとき、即ち特別図柄の変動表示に関わる制御処理(特定の制御処理)又は大当たり遊技状態の制御中での制御処理(特定の制御処理)を実行しているときには、ベースを演算しない(ベース演算処理(S152、図66参照)を実行しない)ようにした。しかしながら、ベースを演算しない場合は、適宜変更可能であり、例えば時短状態での制御中での制御処理(特定の制御処理)を実行しているときには、ベースを演算しないようにしても良い。また例えば総発射球数が特定数に達するまでは、ベースを演算しないようにしても良い。
また上記第1形態の変形例では、例えば通常100球用カウンタと通常発射球数カウンタとを用いて、通常遊技状態での発射球数を百球単位を1つとして計測できるようにした。しかしながら、通常遊技状態での発射球数を百球単位を1つとして計測するためには、2つのカウンタ(通常100球用カウンタ、通常発射球数カウンタ)を用いなくても良く、適宜変更可能である。例えば、通常遊技状態での発射球数を1球単位で計測する通常発射球数カウンタのみを用いて、通常発射球数カウンタの値を100で除算することにより、百球単位を1つとした値を計測しても良い。なお、時短状態での発射球数、又は大当たり遊技状態での発射球数についても、1球単位で計測するカウンタのみを用いて100で除算することにより計測しても良い。
また上記第1形態では出率を表示し、上記第1形態の変形例ではベースを表示した。しかしながら、上記第1形態の構成とその変形例の構成とを組合わせて、ベースと出率の両方を表示できるようにしても良い。この場合、1つの表示器(表示手段)に対してベースと出率を両方同時に表示できるようにしたり、出率とベースを択一的に表示できるようにしても良い。又は2つ別々の表示器に対してベースと出率とをそれぞれ別々に表示できるようにしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、出率表示器300又はベース表示器300を主制御基板80(図6参照)、主基板ケース400A〜400Dの後方側ケース401A〜401D(図80〜図83)、払出制御基板110(図113)に配した。しかしながら、出率表示器300又はベース表示器300の配置箇所は、上記した箇所に限られるものではなく、主制御基板80の実装面80aの見通しを妨げなければ適宜変更可能である。例えば図141に示すように、パチンコ遊技機1の最も後方に位置する透明の中央カバー55に配されていても良い。この場合には、中央カバー55に配されている出率表示器300又はベース表示器300を、フレキシブルケーブルFC5を介して主制御基板80のコネクタCN5に接続すれば良い。なお中央カバー55は、遊技機枠50に取付けられていて、各種制御基板や遊技盤2の裏ユニットを後方から保護するものである。
また上記第3形態及びその各変形例では、図80〜図83に示すように、後方側ケース401A〜401Dを移動(回転又はスライド)させることにより、出率表示器300又はベース表示器300を移動させた。しかしながら、以下のように変更しても良い。
即ち、図142に示すように、主基板ケース400Eの後方側ケース401Eの左方側には、長方形状の切欠き401aが形成されている。この切欠き401aの左側と右側には、それぞれ上下方向に延びる円柱状の軸部材401b,401cが設けられている。そして出率表示器300の左右の両端に設けられた円筒部300a,300bが、各軸部材401b,401cに上下方向に摺動可能に挿通されている。なお出率表示器300又はベース表示器300は、フレキシブルケーブルFC6を介して主制御基板80に接続されていて、切欠き401aと軸部材401b,401cと円筒部300a,300bとが、移動機構部に相当する。このようにして出率表示器300又はベース表示器300は、図142(A)に示すように、通常時において切欠き401aの下側に配されている。但しこのときには、出率表示器300又はベース表示器300の前方に位置する集積回路IC10(図142(B)参照)の視認性が悪くなっている。そこで図142(B)に示すように、出率表示器300又はベース表示器300を後方側ケース401Eに対して上方へスライドさせれば、集積回路IC10の視認性を確保することが可能である。この構成であれば、後方側ケース401Eを移動させることなく、出率表示器300又はベース表示器300を移動させることが可能である。なお図142に示す変形例の他、後方側ケースを移動させることなく、出率表示器300又はベース表示器300を左右方向にスライドさせたり、回転させるように構成しても良い。
また上記第3形態の第2変形例及び第3変形例では、出率表示器300を左右方向又は上下方向に移動させた。しかしながら、実装面80aに実装されている集積回路が見え易くなるのであれば、出率表示器300又はベース表示器300を前後方向に移動できるようにしても良い。そして出率表示器300又はベース表示器300を、左右方向と上下方向と前後方向のうち何れか2方向以上に移動できるようにしても良い。
また上記第3形態の第2変形例及び第3変形例では、出率表示器300を主制御基板80の実装面80aに対して平行にスライドさせた。つまり、出率表示器300を実装面80aの直交軸に対して直交する方向にスライドさせた。しかしながら、出率表示器300又はベース表示器300を実装面80aの直交軸に対して交差する方向であれば、実装面80aに対して平行ではなく、傾くようにスライドさせても良い。
また上記第3形態及びその各変形例では、出率表示器300又はベース表示器300を主制御基板80の実装面80aに対向しない非対向位置(図80(C),図81(C),図82(B),図83(B))まで移動できるようにした。しかしながら図142に示すように、出率表示器300又はベース表示器300を実装面80aに対向している範囲でのみ移動できるようにしても良い。また出率表示器300又はベース表示器300を実装面80aに対向していない範囲で僅かに移動させるようにしても良い。
また上記第3形態及びその各変形例では、出率表示器300又はベース表示器300を主制御基板(所定部材)80に対して移動できるように構成した。しかしながら、出率表示器又はベース表示器300をどの部材に対して移動できるようにするかは適宜変更可能である。例えば、出率表示器300又はベース表示器300を払出基板ケース500(図7参照)に配して、出率表示器300又はベース表示器300を払出制御基板(所定部材)110に対して移動できるように構成しても良い。
また上記第3形態及びその各変形例では、出率表示器300又はベース表示器300が回転又はスライドできるように構成した。しかしながら、回転又はスライド以外の方法によって、出率表示器300又はベース表示器300を移動させるようしても良い。例えばバネ部材を備える付勢機構(移動機構部)に出率表示器300又はベース表示器300を取付けて、バネ部材による付勢力に抗して出率表示器300又はベース表示器300を押圧することにより、出率表示器300又はベース表示器300を移動させるようにしても良い。
また上記第3形態及びその第1変形例では、図80及び図81に示すように、出率表示器300を実装面80aと対向しない領域まで移動(回転)させた。しかしながら、出率表示器300が実装面80aと対向している範囲で、出率表示器300を実装面80aと対向する領域が小さくなるように移動(回転又はスライド等)させても良い。この場合に例えば出率表示器300を、実装面80aのうち集積回路が多く実装されている部分に対向する位置から、実装面80aのうち集積回路があまり実装されていない部分に対向する位置へ移動させるようにしても良い。なおベース表示器300に対して、上述したように移動させても良い。
また上記第1形態では、図43に示すように、電源の投入時に算出した特別メモリ89のチェックサムと、電断時に算出した特別メモリ89のチェックサムとを照合して、各チェックサムが一致していれば特別メモリ89の記憶内容を保持し、各チェックサムが一致していなければ特別メモリ89の記憶内容を消去するようにした。しかしながら、電源の投入時に算出した遊技用RAM84のチェックサムと、電断時に算出した遊技用RAM84のチェックサムとが一致すれば、特別メモリ89の記憶内容が正しいものと推定して、特別メモリ89の記憶内容を保持する。その一方で、各チェックサムが一致しなければ、特別メモリ89の記憶内容が誤っているものと推定して、特別メモリ89の記憶内容を消去するようにしても良い。このようにすれば、特別メモリ89のチェックサムの算出及び照合を行う処理を省くことが可能である。つまり、従来から行っている遊技用RAM84のチェックサムの算出及び照合を利用して、特別メモリ89の記憶内容が正しいか否かを簡易にチェックすることが可能である。なお具体的な処理としては、図43に示す電源投入時処理(S001)に換えて、図143に示す電源投入時処理(S001)を実行するようにすれば良い。
また上記第1形態では、電源の投入時に算出した特別メモリ89のチェックサムと、電断時に算出した特別メモリ89のチェックサムとが一致していなければ、特別メモリ89の記憶内容を消去するようにした。しかしながら、操作手段への特殊操作(例えば電源投入時にRAMクリアスイッチ152を10秒間押し続けること)により、特別メモリ89の記憶内容を消去できるようにしても良い。即ち、特別メモリ89の記憶内容を消去するための操作手段を設けるようにしても良い。
また上記第1形態では、図11(B)(C)に示すように、遊技用RAM84と特別メモリ89とを別個の記憶手段として設けた。しかしながら、図144に示すように、遊技用RAM84が備える記憶領域(遊技用領域)と特別メモリ89が備える記憶領域(特別領域)とを併せ持つような1つの遊技用RAM84aを設けても良い。この場合には、電源投入時にRAMクリアスイッチ152を操作すると、遊技用領域の記憶内容は消去される一方、特別領域の記憶内容は消去されないように構成する。そして、遊技用領域のチェックサムと特別領域のチェックサムとを別個に算出するようにして、特別領域のチェックサムの照合に基づいて、特別領域の記憶内容を保持又は消去するように構成しても良い。或いは、遊技用領域と特別領域とを含む全体のチェックサムを算出して、そのチェックサムの照合に基づいて、特別領域の記憶内容を保持又は消去するように構成しても良い。
また上記第1形態では、遊技用RAM84や特別メモリ89の記憶内容が正常であるか否かを判断するために算出する誤り検出符号として、チェックサムを用いた。しかしながら、誤り検出符号はチェックサムに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、2進数でのデータに対して全体の奇偶性を保つために「0」又は「1」のパリティビット(誤り検出符号)を求めて、そのパリティビットが付与されたデータを照合することにより、記憶内容が正常であるか否かを判断するようにしても良い。
また上記第1形態では、役物作動賞球数に対して、総賞球数を百球単位を1つとして計測した値で除算することにより、出率の演算を簡易にした。しかしながら、出率の演算を簡易にする方法は、上記した方法に限られるものではなく、例えば以下のような方法としても良い。
即ち、役物作動賞球数(役物賞球数又は連続役物賞球数)を例えば32ビット(第1ビット範囲)の情報として計測可能な役物作動賞球数カウンタと、総賞球数を例えば32ビットの情報として計測可能な総賞球数カウンタとを用意する。そして、出率を演算する場合に、先ず総賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、有効数字である「1」になる桁を上位の桁から探す。次に、有効数字が見つかった桁(有効桁)から例えば16ビット(第2ビット範囲)の情報を抜き出す。こうして総賞球数の16ビットの情報を作成する。続いて、役物作動賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、作成した総賞球数の16ビットの桁に対応する情報を抜き出す。例えば総賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、上位14桁目から上位30桁目までの情報を抜き出した場合には、役物作動賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、上位14桁目から上位30桁目までの情報を抜き出す。こうして役物作動賞球数の16ビットの情報を作成する。そして、役物作動賞球数の16ビットの情報を総賞球数の16ビットの情報で除算することにより、出率を演算する。この方法であれば、32ビット同士の情報で除算しないで、16ビット同士の情報で除算することにより、出率の演算を簡易に(処理負荷を軽減)することが可能である。そして仮に、最上位の桁から単に16ビットの情報を抜き出す方法であれば、千発のような比較的少ない総賞球数であるときに正しい出率の値からの誤差が大きくなってしまうところ、この方法であれば、有効桁から16ビットの情報を抜き出す方法であるため、十万発のような比較的多い総賞球数や千発のような比較的少ない総賞球数であっても、正しい出率の値からの誤差を少なくすることが可能である。
また上記第1形態の変形例では、例えば通常遊技状態での総賞球数に対して、通常遊技状態での発射球数を百球単位を1つとして計測した値で除算することにより、通常ベースの演算を簡易にした。しかしながら、ベースの演算を簡易にする方法は、上記した方法に限られるものではなく、例えば以下のような方法としても良い。
即ち、総賞球数を例えば32ビット(第1ビット範囲)の情報として計測可能な総賞球数カウンタと、総発射球数を例えば32ビットの情報として計測可能な総発射球数カウンタとを用意する。そして、ベースを演算する場合に、先ず総発射球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、有効数字である「1」になる桁を上位の桁から探す。次に、有効数字が見つかった桁(有効桁)から例えば16ビット(第2ビット範囲)の情報を抜き出す。こうして総発射球数の16ビットの情報を作成する。続いて、総賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、作成した総発射球数の16ビットの桁に対応する情報を抜き出す。例えば総発射球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、上位14桁目から上位30桁目までの情報を抜き出した場合には、総賞球数カウンタで計測された32ビットの情報のうち、上位14桁目から上位30桁目までの情報を抜き出す。こうして総賞球数の16ビットの情報を作成する。そして、総賞球数の16ビットの情報を総発射球数の16ビットの情報で除算することにより、ベースを演算する。この方法であれば、32ビット同士の情報で除算しないで、16ビット同士の情報で除算することにより、ベースの演算を簡易に(処理負荷を軽減)することが可能である。そして仮に、最上位の桁から単に16ビットの情報を抜き出す方法であれば、千発のような比較的少ない総発射球数であるときに正しいベースの値からの誤差が大きくなってしまうところ、この方法であれば、有効桁から16ビットの情報を抜き出す方法であるため、十万発のような比較的多い総発射球数や千発のような比較的少ない総発射球数であっても、正しいベースの値からの誤差を少なくすることが可能である。
また上記第2形態では、図75に示すように、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値(総賞球数、役物作動賞球数)と、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値とを照合して(S027)、各出率表示用計測値の値がそれぞれ一致しなければ(S027でNO)、特別メモリ89Aに記憶してある出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行させた(S026)。しかしながら、各出率表示用計測値の値がそれぞれ一致しなければ、遊技用RAM84Aに記憶されている出率表示用計測値をリセットすると共に、特別メモリ89Aに記憶されている出率表示用計測値をリセットするようにしても良い。或いは、上記した照合を行うことなく、電源投入時には、特別メモリ89Aに記憶してある出率表示用計測値を遊技用RAM84Aに移行させるようにしても良い。なお第2形態の変形例において、上述した出率表示用計測値をベース表示用計測値に換えて実施することは勿論可能である。
また上記第4形態及びその変形例では、主制御基板80に設けたコネクタ(接続部)CN3に外部表示装置(外部出率表示装置900又は外部ベース表示装置900)を取付けて、その外部表示装置に出率又はベースを表示できるようにした。しかしながら、外部表示装置を取付けるための接続部は、主制御基板80以外の部分に設けられていても良く、例えば払出制御基板110、遊技盤2、遊技機枠50に設けられていても良い。また接続部の構造は、コネクタに限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記第4形態では、主制御基板80のコネクタCN3に取付けた外部表示装置に出率又はベースを表示させるようにした。しかしながら、外部表示装置が出率又はベースを表示しないで、発光手段等の態様により出率(役物比率、連続役物比率)又はベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)が正常範囲内であるか否かだけを報知するようにしても良い。
また上記第6形態及び第7形態、及びそれらの変形例では、出率又はベースが正常範囲内であれば、特別LED350を点灯態様(第1態様)にして、出率又はベースが正常範囲外であれば、特別LED350を点滅態様(第2態様)にした。しかしながら、特別LED350の態様は適宜変更可能であり、出率又はベースが正常範囲内であれば特別LED350を点滅態様や消灯態様にしたり、出率又はベースが正常範囲外であれば特別LED350を点灯態様や消灯態様にしても良い。また出率又はベースが正常範囲外であると判定した場合には、主制御基板80が遊技制御(主制御メイン処理)を停止するようにしも良い。これにより遊技者による遊技がそれ以上行えないようにすることが可能である。また出率又はベースが正常範囲外であると判定した場合には、パチンコ遊技機1に設けられている外部端子板から、当該パチンコ遊技機1以外の外部装置(例えばデータカウンタ)に異常信号を出力するようにしても良い。これにより、異常信号を入力した外部装置の方で、出率又はベースにおける異常報知を行うことが可能である。
また上記第6形態では、総賞球数が10000発(所定賞球数)以上又は変動回数が3000回(所定回転数)以上という前提条件を満たした上で、出率が所定値を超えていれば、特別LED350が点滅態様になった。しかしながら、上記した前提条件は適宜変更可能であり、例えば総賞球数が30000発以上又は変動回数が10000回以上という前提条件としても良い。つまり所定賞球数の値や所定回転数の値は適宜変更可能である。なお所定賞球数の値や所定回転数の値は、パチンコ遊技機1の製造時に設定されておらず、例えばホール(遊技場)の従業員等の操作で任意に設定されるようにしても良い。また総賞球数が10000発以上という前提条件だけや、変動回数が3000回以上という前提条件だけにしても良い。また、総賞球数が10000発(所定賞球数)以上且つ変動回数が3000回(所定回転数)以上という前提条件にしても良い。また前提条件を設けないようにしても良い。
また上記第6形態と第7形態、及びそれらの変形例では、出率又はベースが異常になっているかを示す特別LED(異常報知手段、報知手段)350を、主制御基板80上に配した。しかしながら特別LED350の配置箇所は、主制御基板80上に限られるものではなく適宜変更可能である。例えば特別LED350を払出制御基板110上に配置しても良い。この場合、主制御基板80から出率(役物比率,連続役物比率)又はベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)の結果がコマンドとして払出制御基板110に送信される。これにより、払出制御基板110のCPUがそのコマンドの受信に基づいて出率が正常範囲内であるかの異常判定を行ったり、ベースが正常範囲内であるかの異常判定を行う。そして、払出制御用マイコン116がその異常判定の結果に基づいて、特別LED350の発光態様を変えるようにしても良い。このようにすれば、遊技制御用マイコン81が出率の異常判定やベースの異常判定を行わないため、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を軽減させることが可能である。
又は、特別LED350をサブ制御基板90等の演出制御基板上に配置しても良い。この場合、例えば主制御基板80から出率又はベースの結果がコマンドとしてサブ制御基板90に送信される。これにより、演出制御用マイコン91がそのコマンドに基づいて出率の異常判定又はベースの異常判定を行う。そして、演出制御用マイコン91がその異常判定の結果に基づいて、特別LED350の発光態様を変えるようにしても良い。このようにすれば、遊技制御用マイコン81が出率の異常判定やベースの異常判定を行わないため、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を軽減させることが可能である。
また上記第6形態と第7形態、及びそれらの変形例では、出率やベースが異常になっているかを示す特別LED(異常報知手段、報知手段)350を新たに設けたが、既存の発光手段(枠ランプ66や盤ランプ5)を利用して、出率やベースが異常になっているかを示すようにしても良い。また出率やベースが異常になっているかを示す異常報知手段は、発光手段に限られるものではなく、画像表示装置7(表示手段)やスピーカ67(音出力手段)であっても良い。異常報知手段を画像表示装置7とした場合には、画像表示装置7に特殊な画像を表示することで出率やベースが異常になっているのを示せば良い。また異常報知手段をスピーカ67とした場合には、スピーカ67から特殊な音声を出力させることで出率やベースが異常になっているのを示せば良い。
また上記第6形態では、出率が異常になっていることを判断するための規定値(7割、6割)は、適宜変更可能である。また第6形態の変形例において、ベースが正常範囲内であると判定する範囲(通常ベースであれば30%〜39%、時短ベースであれば84%〜99%、大当たりベースであれば600%〜800%)も、適宜変更可能である。また、上記第7形態において、出率が実質的に異常になっていることを判断するための簡易異常判定テーブル(図100参照)の各値も、適宜変更可能である。また上記第7形態の変形例において、ベースが実質的に異常になっていることを判断するための各簡易異常判定テーブル(図105(A)(B)(C)参照)の各値も、適宜変更可能である。
また上記第7形態の変形例では、図105に示すように、総賞球数が正常上限値を超えているか否かを判断するときの発射球数の値(判定発射球数)と、総賞球数が正常下限値よりも小さいか否かを判断するときの発射球数の値(判定発射球数)とが同じであった。しかしながら、総賞球数が正常上限値を超えているか否かを判断するときの発射球数の値と、総賞球数が正常下限値よりも小さいか否かを判断するときの発射球数の値とが、それぞれ異なるように設定しても良い。また上記第7形態の変形例では、総賞球数が正常上限値を超えているか否かの大小判断と、総賞球数が正常下限値よりも小さいか否かの大小判断との両方を行ったが、何れか一方だけとしても良い。
また上記第8形態では、主制御基板80から送信される賞球コマンド(入球情報)に基づいて、払出制御基板110が総賞球数及び役物作動賞球数の計測を行った。しかしながら、賞球コマンドとは別に主制御基板80から送信されるコマンド(信号)に基づいて、払出制御基板110が総賞球数及び役物作動賞球数の計測を行うようにしても良い。なおこの場合には、上記したコマンドにどの入賞口に入賞したかを判別可能な情報が含まれることになる。また入球情報は、遊技球が入賞口に入賞したことを起因として主制御基板80から送信されれば良く、遊技球の入賞タイミングに限られずに、入賞タイミング以降の何れかのタイミングで送信されるようにしても良い。
また上記第8形態の変形例では、主制御基板80から送信される賞球コマンド(入球情報)に基づいて、払出制御基板110が総発射球数及び総賞球数の計測を行った。しかしながら、賞球コマンドとは別に主制御基板80から送信されるコマンド(信号)に基づいて、払出制御基板110が総発射球数及び総賞球数の計測を行うようにしても良い。なおこの場合には、上記したコマンドにどの入球口に入球したかを判別可能な情報が含まれることになる。また入球情報は、遊技球が入球口に入球したことを起因として主制御基板80から送信されれば良く、遊技球の入球タイミングに限られずに、入球タイミング以降の何れかのタイミングで送信されるようにしても良い。
また上記第8形態では、払出制御基板(特定制御基板)110に総賞球数及び役物作動賞球数の計測を行わせた。しかしながら、払出制御基板110以外の制御基板に、総賞球数及び役物作動賞球数の計測を行わせるようにしても良い。例えば、主制御基板80が、入賞した入賞口を判別可能なコマンドをサブ制御基板90に送信し、演出制御用マイコン91がそのコマンドに基づいて、総賞球数及び役物作動賞球数の計測を行うと共に、出率の演算を行う。そしてサブ制御基板90が、出率の演算結果を示すコマンドを画像制御基板100に送信して、画像制御基板100のCPU102が画像表示装置(表示手段)7に出率を表示するようにしても良い。このようにすれば、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を軽減させることが可能である。更に、出率表示器300という新たな表示器を設けなくて済むため、出率の表示を簡易に実現することが可能である。
以上要するに、総賞球数及び役物作動賞球数を計測するための処理(賞球数カウンタ加算処理(S114))と、出率を演算するための処理(出率演算処理(S117))と、出率を表示するための処理(出率表示処理(S2304))とを、別々の制御基板で実行するようにしても良く、それらの組合せは適宜変更可能である。
また上記第8形態の変形例では、払出制御基板(特定制御基板)110に総発射球数及び総賞球数の計測を行わせた。しかしながら、払出制御基板110以外の制御基板に、総発射球数及び総賞球数の計測を行わせるようにしても良い。例えば、主制御基板80が、入球した入球口を判別可能なコマンドをサブ制御基板90に送信し、演出制御用マイコン91がそのコマンドに基づいて、総発射球数及び総賞球数の計測を行うと共に、ベースの演算を行う。そしてサブ制御基板90が、ベースの演算結果を示すコマンドを画像制御基板100に送信して、画像制御基板100のCPU102が画像表示装置(表示手段)7にベースを表示するようにしても良い。このようにすれば、遊技制御用マイコン81の制御処理の負担を軽減させることが可能である。更に、ベース表示器300という新たな表示器を設けなくて済むため、ベースの表示を簡易に実現することが可能である。
以上要するに、総発射球数及び総賞球数を計測するための処理(カウンタ加算処理(S151))と、ベースを演算するための処理(ベース演算処理(S152))と、ベースを表示するための処理(ベース表示処理(S2340))とを、別々の制御基板で実行するようにしても良く、それらの組合せは適宜変更可能である。
また上記第12形態及びその変形例では、図130に示すように、スイッチ回路部260を、N型とP型との両方の型のMOSFETを組合せて構成した。しかしながら、遊技表示状態と出率表示状態とを切替えることが可能であったり、遊技表示状態とベース表示状態とを切替えることが可能であれば、スイッチ回路部の構成は適宜変更可能である。例えば、スイッチ回路部をN型のMOSFET又はP型のMOSFETの何れか一方で構成するようにしても良い。またMOSFETを用いずに、JFET等その他の種類のトランジスタを用いて、スイッチ回路部を構成しても良い。
また上記各形態及びその変形例において、セレクト信号XCSE0,XCSE1,XCSE10の出力レベル(「L」レベル又は「H」レベル)を適宜説明したが、駆動回路を変更することで、上述したセレクト信号XCSE0,XCSE1,XCSE10の出力レベルと異なるように実施することは勿論可能である。なおセレクト信号XCSE0,XCSE1,XCSE10の出力レベルの設定は、出力処理(S107)(出率表示処理(S2304)、遊技表示処理(S2303)、ベース表示処理(S2340))で実行したが、遊技制御用マイコン81が予め備える機能として実行され、出力処理(S107)として実行されないようになっていても良い。
また上記各形態及びその変形例では、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が、ROM83に記憶しているプログラム(出率演算処理(S117)、出率表示処理(S2304)、ベース表示処理(S2340)等)に基づいて、出率の演算、出率の表示、ベースの演算、ベースの表示を実行した。しかしながら、遊技の進行に係るプログラム(主制御メイン処理)を記憶したROM83とは別のROMを設けて、別のROMに出率の演算、出率の表示、ベースの演算、ベースの表示を実行するためのプログラムを記憶させても良い。こうして遊技制御用マイコン81は、ROM83とは別のROMに記憶されたプログラムに基づいて、出率の演算、出率の表示、ベースの演算、ベースの表示を行うようにしても良い。
また上記各形態では、出率として役物比率又は連続役物比率のどちらも出率表示器300に表示できるようにした。しかしながら、役物比率又は連続役物比率の何れか一方のみを出率表示器300に表示できるようにしても良い。
また上記各形態の変形例では、各入賞口(第1始動口20,第2始動口21,第1大入賞口30,第2大入賞口35,普通入賞口27)への入球数をカウントすると共に、アウト口16への入球数をカウントすることで、総発射球数をカウントするようにした。しかしながら、以下のようにして総発射球数をカウントするようにしても良い。
図145に示すように、アウト口16から遊技領域3外へアウト口排出経路HKが延びていて、第1始動口20から遊技領域3外へ第1始動口排出経路H1が延びていて、第2始動口21から遊技領域3外へ第2始動口排出経路H2が延びていて、第1大入賞口30から遊技領域3外へ第1大入賞口排出経路H3が延びていて、第2大入賞口35から遊技領域3外へ第2大入賞口排出経路H4が延びていて、普通入賞口27から遊技領域3外へ普通入賞口排出経路H5が延びている。これら排出経路HK,H1,H2,H3,H4,H5は全て、総排出経路HXに連通している。そして、この総排出経路HXには、各排出経路HK,H1,H2,H3,H4,H5から流れ込んできた遊技球を検出可能な排出口センサ16bが配されている。この排出口センサ16bによる検出信号は、主制御基板80に入力される。こうして、総排出口センサ16bによる検出をカウントすることで、遊技領域3外へ排出された全ての遊技球の数をカウントできることになる。即ち、総発射球数をカウントすることが可能である。
なお、上述した全ての排出経路HK,H1,H2,H3,H4,H5から流れ込んできた遊技球を検出可能な総排出口センサ16bに換えて、一部の排出経路(例えば排出経路HK,H1,H2)から流れ込んできた遊技球を検出可能な排出口センサを利用して、総発射球数をカウントするようにしても良い。また遊技領域3外へ排出される遊技球の数をカウントする方法を利用しないで、遊技領域3へ向けて発射される遊技球を直接検出できるようなセンサを設けて(例えばレール部材4の傍にセンサを設けて)、総発射球数をカウントするようにしても良い。
また上記各形態及びその変形例では、総賞球数と役物作動賞球数との割合である出率(特定割合値)を表示したり、総賞球数と総発射球数との割合であるベース(特定割合値)を表示するようにした。しかしながら、特定割合値は出率やベースに限られるものではなく、或る第1の特定遊技球数と或る第2の特定遊技球数との割合であれば、適宜変更可能である。例えば特定割合値として、第1始動口20への入球数(第1の特定遊技球数)と第1大入賞口30への入球数(第2の特定遊技球数)との割合であったり、第1始動口20への入球数(第1の特定遊技球数)と第2始動口21への入球数(第2の特定遊技球数)との割合であったり、普通入賞口27への入球数(第1の特定遊技球数)と全ての入賞口への入球数(第2特定遊技球数)との割合であっても良い。また例えば、総賞球数とアウト球数(特定遊技球数)との割合であるアウト割合値(特定割合値)を表示するようにしても良い。なおアウト球数とは、何れの入賞口にも入賞しないでアウト口16に入球した遊技球の数のことである。アウト割合値において、アウト球数に対して総賞球数の値が異常に大きければ、遊技者に不当な特典を与え得るパチンコ遊技機1になっていて、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。一方、アウト球数に対して総賞球数の値が異常に小さければ、遊技者に与え得る特典が少な過ぎるパチンコ遊技機1になっていて、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。なお、総賞球数とアウト球数との割合であるアウト割合値に換えて、或る特定の入賞口への入賞数とアウト球数との割合であるアウト割合値を表示するようにしても良い。
また上記各形態の変形例では、時間とは無関係なベースを演算して表示した。しかしながら、予め定められた時間でのベースを演算して表示するようにしても良い。例えば、1時間でのベース(短時間出玉率)を演算して表示するようにして良い。この場合には、1時間でのベースが300%を超えていれば、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。また例えば、10時間でのベース(中時間出玉率)を演算して表示するようにしても良い。この場合には、10時間でのベースが50%よりも小さい、又は200%よりも大きければ、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。
また上記各形態及びその変形例では、出率又はベースを表示したが、以下に示すように遊技機の異常を判断するための指標となる値(特定指標値)を表示するようにしても良い。例えば、所定時間あたりの各入賞口毎(第1始動口20,第2始動口21,第1大入賞口30,第2大入賞口35,普通入賞口27)の入賞数(特定指標値)を表示するようにしても良い。この場合、或る特定の入賞口への入賞数がその他の入賞口への入賞数に比べて、極端に多い又は少なければ、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。又は、総賞球数(払出球数)だけを表示するようにしても良い。この場合には、例えば1分間当たりの総賞球数を見た人が、総発射球数(1分間に約60発)に対するベースを計算して、不正な改造、故障、又は不具合を判断するようにしても良い。或いは、アウト球数だけを表示するようにしても良い。この場合には、例えば1分間(所定時間)当たりのアウト球数が60球を大幅に超えていたり、1分間当たりのアウト球数が極端に少なければ、不正な改造、故障、又は不具合が生じていると判断することが可能である。
また上記各形態及びその変形例では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(入球情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態及びその変形例では、所謂V確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記各形態では、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成しても良い。
また上記各形態及びその変形例では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って入球情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合わせて実施したり、一部取り除いて実施することは勿論可能である。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記各形態及びその変形例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記各形態及びその変形例における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(通常遊技状態での発射球数,時短状態での発射球数,大当たり遊技状態での発射球数)を計測可能な発射球数計測手段(ステップS161〜S164,S168〜S171,S174〜S177を実行する遊技制御用マイコン81)と、
遊技者が獲得した総賞球数(通常遊技状態での発射球数,時短状態での発射球数,大当たり遊技状態での発射球数)を計測可能な総賞球数計測手段(ステップS166,S173,S179を実行する遊技制御用マイコン81)と、
少なくとも第1態様(点灯態様)又は第2態様(点滅態様)になる報知手段(特別LED350)と、
前記発射球数計測手段により計測された発射球数が予め定められた判定発射球数(通常遊技状態では例えば10000発(図105(A)参照),時短状態では例えば2500発(図105(B)参照),大当たり遊技状態では例えば1000発(図105(C)参照))に達したときに、前記総賞球数計測手段により計測された総賞球数が所定の正常上限値(通常遊技状態では例えば3900発(図105(A)参照)、時短状態では例えば2457発(図105(B)参照)、大当たり遊技状態では例えば8000発(図105(C)参照))以下である場合には前記報知手段を前記第1態様にする一方、前記正常上限値を超えている場合には前記報知手段を前記第2態様にし得る報知制御手段(ステップS2723,S2722を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
仮に、総賞球数を発射球数で除算してベースを演算しようとする場合、除算の制御処理によって、処理の煩雑化と処理負担の増加を招くことになる。そこでこの構成の遊技機によれば、発射球数が予め定められた判定発射球数に達したときに、総賞球数が所定の正常上限値を超えているかを内部的に判断するだけである。そしてこのときに正常上限値を超えていれば、報知手段を第2態様にする。こうして、除算(ベースの演算)による処理の煩雑化と処理負担の増加を回避しながら、実質的なベースの異常を報知することが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機において、
前記報知制御手段は、
前記発射球数計測手段により計測された発射球数が予め定められた判定発射球数(通常遊技状態では例えば10000発(図105(A)参照),時短状態では例えば2500発(図105(B)参照),大当たり遊技状態では例えば1000発(図105(C)参照))に達したときに、前記総賞球数計測手段により計測された総賞球数が所定の正常下限値(通常遊技状態では例えば3000発(図105(A)参照)、時短状態では例えば2100発(図105(B)参照)、大当たり遊技状態では例えば6000発(図105(C)参照))以上である場合には前記報知手段を前記第1態様にする一方、前記正常下限値よりも小さい場合には前記報知手段を前記第2態様にし得るものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、実質的にベースの値が小さ過ぎるような場合にも、除算(ベースの演算)による処理の煩雑化と処理負担の増加を回避しながら、異常を報知することが可能である。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機において、
前記報知手段は、発光可能な発光手段(特別LED350)であり、
前記第2態様は、点滅態様又は点灯態様である(図99参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発光手段が点滅態様又は点灯態様になっているのを見ることにより、実質的なベースの異常を視覚的にすぐに判断することが可能である。
手段4に係る発明は、
手段3に記載の遊技機において、
遊技の進行に係る制御処理を実行可能な主制御基板(80)を備え、
前記発光手段は、前記主制御基板に配されていて(図99参照)、
前記主制御基板は、前記発射球数計測手段と前記総賞球数計測手段と前記報知制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、主制御基板の制御処理によって、主制御基板に配されている発光手段が第1態様又は第2態様になる。つまり、主な遊技制御を行う主制御基板によって、実質的なベースの異常が報知され得る。従って、信頼性のある情報としてベースの異常を把握させることが可能である。また遊技の進行に係る制御処理で負荷が大きい主制御基板に対して、除算による処理負担を軽減しつつ、実質的なベースの異常を報知させることが可能である。
手段5に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
遊技者が獲得した総賞球数を計測可能な総賞球数計測手段(ステップS201〜S204を実行する遊技制御用マイコン81)と、
役物の作動に基づいて遊技者が獲得した役物作動賞球数(役物賞球数、連続役物賞球数)を計測可能な役物賞球数計測手段(ステップS206,S209,S207を実行する遊技制御用マイコン81)と、
少なくとも第1態様(点灯態様)又は第2態様(点滅態様)になる報知手段(特別LED350)と、
前記総賞球数計測手段により計測された総賞球数が予め定められた判定総賞球数(例えば10000発(図100参照))に達したときに、前記役物賞球数計測手段により計測された役物作動賞球数が所定の基準値(役物賞球数の場合には例えば7000発(図100参照),連続役物賞球数の場合には例えば6000発(図100参照))以下である場合には前記報知手段を前記第1態様にする一方、前記基準値を超えている場合には前記報知手段を前記第2態様にし得る報知制御手段(ステップS2723,S2722を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
仮に、役物作動賞球数を総賞球数で除算して出率を演算しようとする場合、除算の制御処理によって、処理の煩雑化と処理負担の増加を招くことになる。そこでこの構成の遊技機によれば、総賞球数が予め定められた判定総賞球数に達したときに、役物作動賞球数が所定の基準値を超えているかを内部的に判断するだけである。そしてこのときに基準値を超えていれば、報知手段を第2態様にする。こうして、除算(出率の演算)による処理の煩雑化と処理負担の増加を回避しながら、実質的な出率の異常を報知することが可能である。
手段6に係る発明は、
手段5に記載の遊技機において、
前記報知手段は、発光可能な発光手段(特別LED350)であり、
前記第2態様は、点滅態様又は点灯態様である(図99参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発光手段が点滅態様又は点灯態様になっているのを見ることにより、実質的な出率の異常を視覚的にすぐに判断することが可能である。
手段7に係る発明は、
手段6に記載の遊技機において、
遊技の進行に係る制御処理を実行可能な主制御基板(80)を備え、
前記発光手段は、前記主制御基板に配されていて(図99参照)、
前記主制御基板は、前記総賞球数計測手段と前記役物賞球数計測手段と前記報知制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、主制御基板の制御処理によって、主制御基板に配されている発光手段が第1態様又は第2態様になる。つまり、主な遊技制御を行う主制御基板によって、実質的な出率の異常が報知され得る。従って、信頼性のある情報として出率の異常を把握させることが可能である。また遊技の進行に係る制御処理で負荷が大きい主制御基板に対して、除算による処理負担を軽減しつつ、実質的な出率の異常を報知させることが可能である。
なお、本明細書における「予め定められた制御条件の成立」とは、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。