JP6743173B2 - パラキシレンの製造用触媒およびプロセス - Google Patents

パラキシレンの製造用触媒およびプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP6743173B2
JP6743173B2 JP2018549905A JP2018549905A JP6743173B2 JP 6743173 B2 JP6743173 B2 JP 6743173B2 JP 2018549905 A JP2018549905 A JP 2018549905A JP 2018549905 A JP2018549905 A JP 2018549905A JP 6743173 B2 JP6743173 B2 JP 6743173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
core
shell
zsm
crystals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018549905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019510766A (ja
Inventor
ソウルタニディス、ニコラオス
イー デトジェン、トッド
イー デトジェン、トッド
ジェイ ウェイジェル、スコット
ジェイ ウェイジェル、スコット
Original Assignee
エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク filed Critical エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Priority claimed from PCT/US2017/015212 external-priority patent/WO2017164981A1/en
Publication of JP2019510766A publication Critical patent/JP2019510766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6743173B2 publication Critical patent/JP6743173B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

発明者名
ソウルタニディス、ニコラオス;デトジェン、トッド イー;ウェイジェル、スコット ジェイ
関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月25日に出願された米国特許仮出願第62/313,313号および2016年5月20日に出願された欧州特許出願第16170703.9号の優先権およびその利益を主張し、これらの内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
技術分野
この開示発明は、メタノールでベンゼンおよび/またはトルエンをアルキル化することによってパラキシレンを製造するための触媒およびプロセスに関する。
キシレン異性体のうちでパラキシレンは特に価値が高い。それが合成繊維の生産における中間物であるテレフタル酸の製造に有用だからである。今日、パラキシレンは、ナフサの水素化処理(接触改質)、ナフサまたはガスオイルのスチームクラッキングおよびトルエンの不均化によって商業的に製造されている。
キシレンを製造するほとんどの既存プロセスにおける1つの問題は、これらのプロセスがオルト(o)、メタ(m)およびパラ(p)キシレンの熱力学的平衡混合物を製造することであり、この中でパラキシレン濃度は典型的にはわずか約24重量%である。したがって、このような混合物からパラキシレンを分離するには、典型的には超精密分留および多段式の冷凍工程が要求される。このようなプロセスは高い運転コストを伴い、限定された収率が得られるのみである。したがって、高度にパラ異性体選択的であるキシレン製造プロセスを提供する持続的な必要が存在している。
メタノールでトルエンおよび/またはベンゼンをアルキル化することによってキシレンを製造すること、および特にゼオライト触媒を使用してパラキシレン(PX)製品を選択的につくることは周知である。たとえば、米国特許第4,002,698号、第4,356,338号、第4,423,266号、第5,675,047号、第5,804,690号、第5,939,597号、第6,028,238号、第6,046,372号、第6,048,816号、第6,156,949号、第6,423,879号、第6,504,072号、第6,506,954号、第6,538,167号および第6,642,426号を見よ。「パラキシレン選択性」、「パラ選択的な」等の用語は、熱力学的平衡にあるキシレン異性体の混合物中に存在するものよりも大きい量でパラキシレンが製造されることを意味し、熱力学的平衡でのパラキシレン濃度は通常のプロセス温度では約24モル%である。メタおよびオルトキシレンと比較したパラキシレンの経済的重要性の故に、パラキシレン選択性は大いに追及されている。キシレン異性体のそれぞれが重要で周知の最終用途を有するけれども、パラキシレンが現在のところ最も経済的に価値が高い。
このプロセスでは、典型的にはトルエンおよび/またはベンゼンが適当な触媒の存在する状態でメタノールでアルキル化されて、図1に概略的に示されたシステムのリアクター中でキシレンが形成される。図1では、反応物を含んでいる供給原料が導管1を経由して流動床リアクター11に入り、製品を含んでいる流出物が導管5を通って出て行き、触媒が流動床リアクター11、装置12(これは触媒から流体を揮散させる。)および触媒再生塔13の間をそれぞれ導管2、3および4を経由して循環する。水が、典型的にはトルエンおよびメタノールと一緒に供給され、供給ライン中でのトルエンのコーキングおよびメタノールの自己分解が最小限に抑えられる。他の副反応としては、パラキシレンを他のキシレン異性体またはより重質の芳香族に転化する反応として軽質オレフィン、軽質パラフィンの生成が挙げられる。
トルエンのメチル化、特に米国特許第6,504,072号のパラ選択的トルエンメチル化プロセスは、パラキシレンへの魅力的な経路を提供するけれども、このプロセスは不可避的に相当な量のC〜C非芳香族を生成する。したがって、トルエンメチル化反応においてC〜C非芳香族の生成を抑えて、より多くの芳香族を製造することが望ましい。
本明細書に開示されたいくつかの実施形態は、流動床リアクター中でトルエンおよび/またはベンゼンをメチル化するためのプロセスおよび二元機能触媒系を提供する。流動床リアクターの特質の故に、二元機能触媒系は好ましくはコアシェル触媒である。コアシェル触媒とは、1つのタイプの化学反応を行う1つのゼオライト構造、すなわちシェル、および異なる反応を行いまたは促進する類似のまたは異なるゼオライト構造、すなわちコアを含んでいる触媒を意味する。1つの実施形態では、コアシェル触媒は、トルエンメチル化反応を行うシェルゼオライト結晶と、コアゼオライト結晶とを含んでおり、コアゼオライト結晶は、トルエンメチル化反応での副生成物として生成されたオレフィンおよびパラフィンまたは未転化のメチル化剤をさらに転化することか、あるいは所望の製品、たとえば芳香族の収率を改善することのいずれか1つまたはその両方を行う。第2の触媒を含めることによって、C〜C非芳香族留分をその50%を超える分だけ抑制し、芳香族の生成を著しく高めることができる。
このプロセスは、流動床リアクター中に、第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのコア結晶およびコア結晶の外表面の少なくとも一部を被覆する第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシェル結晶の不連続層を含んでいる触媒を準備する工程を含む。シェル結晶はコア結晶と同じでも異なってもよい。1つの実施形態では、シェル結晶は、触媒の何らかのスチーミングの前に測定された少なくとも200のシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5およびリンまたはその化合物を含んでおり、ここで触媒は少なくとも900℃の温度でスチーミングされたものであり、当該スチーミングされた触媒が120℃の温度および60トール(8kPa)の2,2−ジメチルブタン圧力で測定されたときに約0.1〜15秒−1の2,2−ジメチルブタンについての拡散パラメーターを有する。コア結晶もまたZSM−5であってもよく、ここでZSM−5はシェル結晶よりも高い活性および/または高いパラキシレン選択性を有するか、あるいはオレフィンおよびパラフィンをさらに転化するための金属がその中に取り込まれているもののいずれかである。コアシェル触媒は、シェル結晶の存在する状態で少なくとも400℃の温度を含む条件の下でメタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの混合物から選ばれたアルキル化剤でC6+芳香族炭化水素をアルキル化し、かつコア結晶の存在する状態で生成オレフィンおよび/またはパラフィン、未転化のアルキル化剤および未転化のC6+芳香族炭化水素を転化する。
本明細書に開示されたいくつかの実施形態はまた、第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのコア結晶、および第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシェル結晶の不連続層を含んでいる触媒系も含み、この第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシェル結晶はコア結晶と同じでも異なってもよく、コア結晶の外表面の少なくとも一部を被覆している。シェル結晶はトルエンのメチル化を達成するのに有効であり、またコア結晶はトルエンのメチル化反応によって生成されたオレフィンおよび/またはパラフィン副生成物を転化しおよび/または芳香族の収率を改善するのに有効である。
これらのおよび他の目的、特徴および利点は、以下に続く詳細な記載、図面、特定の実施形態、実験および添付された特許請求の範囲において明らかになる。
当該技術分野でそれ自体知られている、リアクターおよび再生塔およびいくつかの関連する補助装置および移送導管を含むリアクターシステムの概略図である。
本明細書に開示された少なくともいくつかの実施形態によるコアシェル触媒の概略図である。
実施例における反応A〜Dの製品流れ中の成分の比較グラフである。
本明細書に記載された少なくともいくつかの実施形態は、二元機能触媒系を使用してメタノールでトルエンおよび/またはベンゼンをメチル化することによってパラキシレンを製造する流動床プロセスを含んでいる。第1の触媒はトルエンおよび/またはベンゼンのメチル化を達成し、また第2の触媒はメチル化反応の副生成物または未転化のメチル化剤を転化するか、あるいは所望の製品の収率を改善し、またはこれらの組み合わせを達成する。第2の触媒を含めることによって、C〜C非芳香族留分をその50%を超える分だけ抑制し、芳香族の生成を著しく高めることができる。
本明細書の記載および特許請求の範囲の目的のためには、元素の族番号の参照は国際純粋応用化学連合(IUPAC)の周期表の2013年5月1日付け版に対応する。
本明細書で使用される「トルエンメチル化」はまた、ベンゼンのメチル化を含んでいてもよい。
本発明で使用されるアルキル化プロセスは、トルエンおよび/またはベンゼンを含んでいる任意の芳香族供給原料を使用することができる。もっとも、一般的に芳香族供給原料は少なくとも90重量%、とりわけ少なくとも99重量%のベンゼン、トルエンまたはこれらの混合物を含んでいることが好ましい。少なくとも99重量%のトルエンを含んでいる芳香族供給原料が、少なくともいくつかの実施形態では特に望ましい。同様に、メタノール含有供給原料の組成は決定的に重要というわけではないけれども、少なくとも90重量%、とりわけ少なくとも99重量%のメタノールを使用することが一般に望ましい。
アルキル化プロセスで使用される二元機能触媒系は、好ましくは「コアシェル」触媒または被覆触媒である。流動床リアクターで二元機能触媒系を使用するには特有の難題がある。というのは、2種の触媒を積み重ねることは選択肢にないからである。1つの考えられる解決法はリアクターに両方の触媒を含めることである。しかしこの解決案では全ての反応が同時に生じるので反応機構の調節ができない。別の考えられる解決法は2基のリアクターを直列に使用することである。しかしこれは資金的な理由で好ましくない。コアシェル触媒は、単一リアクターの使用および2つの反応機構の管理を可能にする。本明細書で使用されるコアシェル触媒または被覆触媒とは、1つのゼオライト構造、すなわち1つのタイプの化学反応を行うシェル、とともに類似のまたは異なるゼオライト構造、すなわち異なる反応を行うまたは促進するコアを含んでいる触媒を意味する。これらのゼオライト構造の一方または両方はまた、金属を含んでいてもよい。コアシェル触媒および被覆触媒の用語は本明細書では互換的に使用されることができる。被覆触媒の例は米国特許第7,335,295号に見出され、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
ここで図2を参照すると、本明細書に開示された実施形態のコアシェル触媒は、第1の結晶22(これは本明細書でコア結晶として言及される。)の外表面の少なくとも一部を被覆する第2のゼオライトの第2の結晶20(これは本明細書ではシェル結晶として言及される。)の被覆層を含んでいる。シェル結晶20は成長して一つになり、コア結晶22を覆う繁茂層を形成することができる。コア結晶22をシェル結晶20で被覆することによって、コアゼオライト22の外表面酸点への反応物および製品のアクセスのし易さが低減される。本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「コーティング」とは、第2のまたはシェルゼオライト結晶(たとえば、第2の結晶20)の不連続の層が、シェルゼオライト結晶がコア結晶とは不連続であり、すなわちシェルゼオライト結晶の結晶骨格がコアゼオライト結晶の骨格の一部または連続体ではないように、たとえば第1のまたはコアゼオライト結晶(たとえば、第1の結晶22)の外表面の少なくとも一部の上に堆積されまたは成長させられ、それを被覆することによって形成されることを意味する。したがって、コアゼオライト結晶22の上に堆積された層は、コアゼオライト結晶22と等結晶性ではない。図2の結晶20、22の表現は本来概略図であることが理解されなければならず、またコアシェル触媒の実施形態の具体的な物理的形状を特に規定するものと解釈されてはならない。
好ましくは、シェル結晶20はコア結晶22の外表面の少なくとも20パーセント(すなわち20%)を被覆し、より好ましくはコア結晶の外表面の少なくとも75パーセント(すなわち75%)を被覆する。図2はシェル結晶20がコア結晶22の外表面の実質的に全てを被覆していることを示しているけれども、そのような完全な被覆は必要でなく、少なくともいくつかの実施形態では、シェル結晶20はコア結晶22の外表面の全て未満を被覆してもよいことが理解されなければならない。(たとえば、シェル結晶20の)被覆層は通常不均一であり、コア結晶22の表面に付着していてもよい。シェル結晶20の被覆率を説明する別の方法は、シェル結晶20とコア結晶22との比である。いくつかの実施形態では、シェル結晶20とコア結晶22との比は、20:1または10:1または8:1または5:1または2:1である。
1つの実施形態では、コアシェル触媒は、トルエンメチル化反応を行うシェルゼオライト結晶20と、コアゼオライト結晶22とを含んでおり、コアゼオライト結晶は、トルエンメチル化反応での副生成物として形成されたオレフィンおよびパラフィンをさらに転化することか、あるいは所望の製品、たとえば芳香族の収率を改善することのいずれか1つまたはその両方を行う。
コアシェル触媒のシェル結晶20は、中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトであって、好ましくはスチーミングされ、リンで変性され、およびそのプロトン型をしているもの、たとえば米国特許第9,012,711号に記載されたものを含んでおり、同特許の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。中細孔ゼオライトは一般に、そのゼオライトがn−ヘキサン、3−メチルペンタン、ベンゼンおよびp−キシレンのような分子を自由に収着する約5〜約7オングストロームの細孔径を有するものと定義される。中細孔ゼオライトの別の一般的な定義としては、米国特許第4,016,218号に記載された拘束指数試験が挙げられ、同特許の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。この場合に、中細孔ゼオライトは、触媒の拡散率を調節するための酸化物変性剤が導入されておらず、かつ何らかのスチーミングをされる前の単独のゼオライトについて測定された約1〜12の拘束指数を有する。中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトに加えて、他の中細孔の酸性のメタロシリケート、たとえばシリコアルミノホスフェート(SAPO)が本発明のプロセスで使用されることができる。
適当な中細孔ゼオライトの特定の例としては、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48およびMORが挙げられ、ZSM−5およびZSM−11が特に好ましい。ZSM−5ゼオライトおよびその慣用の調製方法は、米国特許第3,702,886号に記載されている。ZSM−11ゼオライトおよびその慣用の調製方法は、米国特許第3,709,979号に記載されている。ZSM−12ゼオライトおよびその慣用の調製方法は、米国特許第3,832,449号に記載されている。ZSM−23ゼオライトおよびその慣用の調製方法は、米国特許第4,076,842号に記載されている。ZSM−35ゼオライトおよびその慣用の調製方法は、米国特許第4,016,245号に記載されている。ZSM−48およびその慣用の調製方法は、米国特許第4,375,573号によって教示されている。これらの米国特許の開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
少なくともいくつかの実施形態では、中細孔ゼオライトはZSM−5である。本発明のプロセスで用いられるZSM−5は典型的には、触媒の拡散率を調節するためのその触媒の何らかのスチーミングの前に測定された、少なくとも200、好ましくは少なくとも350、より好ましくは少なくとも450のシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比を有するアルミノケイ酸塩またはケイ酸塩である。スチーミング(以下で説明される。)の後に、シリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比は少なくとも900であってもよい。
本発明のプロセスで用いられるシェルゼオライト結晶20は好ましくはスチーミングされ、スチーミングされた触媒が120℃の温度および60トール(8kPa)の2,2−ジメチルブタン圧力で測定されたときに約0.1〜15秒−1の2,2−ジメチルブタンについての拡散パラメーターを有するようにスチーミングされる。この特定の多孔性の結晶性材料の本明細書で使用される拡散パラメーターはD/r×10と定義され、この式でDは拡散係数(cm/秒)であり、rは結晶半径(cm)である。平面シートモデルがこの拡散過程を説明するものであると仮定すると、拡散パラメーターは収着測定から誘導されることができる。したがって、所与の収着物収着量Qについて、Q/Qeq(ここでQeqは平衡収着物収着量である。)の値は数学的には(Dt/r1/2に関係付けられ、tは収着物収着量Qに到達するのに必要な時間(秒)である。平面シートモデルの図解法は、「拡散の数学」、Oxford University Press社、Ely House、ロンドン(1967年)の中でJ.Crankによって示されている。
上記の中細孔ゼオライトは本発明のプロセスに好ましいものである。というのは、その細孔のサイズおよび形状が他のキシレン異性体よりもp−キシレンの製造に適しているからである。しかし、このゼオライトの従来型の形態は、本発明のプロセスのために望ましい範囲を0.1〜15秒-1だけ超える拡散パラメーター値を有する。それにもかかわらず、その触媒のミクロ細孔容積をスチーミングされていない触媒の50%未満でない程度まで、好ましくは50〜90%までに制御された減少をもたらすようにゼオライトを厳しくスチーミングすることによって、必要な拡散率が達成されることができる。ミクロ細孔容積の減少は、スチーミングの前および後の、90℃および75トール(10kPa)のn−ヘキサン圧力でのゼオライトのn−ヘキサン吸着容量を測定することによって観測される。
多孔性結晶性材料の所望の拡散率およびミクロ細孔の減少を達成するためのスチーミングは、少なくとも約900℃、好ましくは約950〜約1075℃、最も好ましくは約1000〜約1050℃の温度および約10分〜約10時間、好ましくは30分〜5時間、たとえば30分〜2時間、スチームの存在する状態で材料を加熱することによって達成されることができる。他の好ましい温度および温度範囲としては、この段落に列挙された任意の下限温度および/または時間からここに列挙された任意の上限温度および/または時間まで、たとえば約900〜1050℃、約10分〜2時間等が挙げられる。
拡散率およびミクロ細孔容積の所望の制御された減少を達成するためには、多孔性結晶性材料をスチーミングの前に、周期表(IUPAC版)のIIA、IIIA、IIIB、IVA、VA、VBおよびVIA族の元素の酸化物から好ましくは選ばれた少なくとも1種の酸化物変性剤と一緒にすることが望ましいことがある。当該少なくとも1種の酸化物変性剤は、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、ランタンおよび好ましくはリン、の酸化物から選ばれるのが好都合である。いくつかの場合には、多孔性結晶性材料を2種以上の酸化物変性剤、たとえばリンとカルシウムおよび/またはマグネシウムとの組み合わせと一緒にすることが望ましいことがある。というのは、目標拡散率値を達成するために必要とされるスチーミングの厳しさを低減することが可能であることがあるからである。触媒中に存在する酸化物変性剤の元素基準で測定された全量は、最終触媒の重量に基いて、約0.05〜約20重量%、たとえば約0.1〜約10重量%であってもよい。
変性剤がリンを含んでいる場合には、触媒中へのリン変性剤の取り込みは、米国特許第4,356,338号、第5,110,776号、第5,231,064号および第5,348,643号に記載された方法によって達成されるのが好都合であり、これらの全開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。リン含有化合物による処理は、ZSM−5を単独でまたはバインダー材料と一緒に適当なリン化合物の溶液と接触させ、引き続いて乾燥させ、焼成して、リンをその酸化物形態に変換することによって容易に達成されることができる。リン含有化合物との接触は一般に、約25℃〜約125℃の温度で約15分〜約20時間行われる。接触混合物中のリンの濃度は、約0.01〜約30重量%であってもよい。
リン含有化合物の調製の後、触媒は乾燥され、焼成されて、リンがその酸化物形態に変換されてもよい。焼成は、不活性雰囲気中でまたは酸素の存在する状態で、たとえば空気中で約150〜850℃、たとえば300〜650℃、または約540〜810℃の温度で、少なくとも30分間、たとえば45〜90分間、または30〜60分間実施されることができる。
リン酸化物変性剤を触媒中に組み入れるために使用されてもよい代表的なリン含有化合物は、既に米国特許第6,504,072号に開示されている。
リン酸化物変性剤は一般に、触媒がリン元素基準で1〜10重量%、たとえば2〜8重量%未満、たとえば2〜6重量%のリンを含んでいるような量で触媒中に存在する。
1つの実施形態では、リン源、たとえばリン酸は、脱イオン水中のZSM−5のスラリーに加えられる。それから、クレー、たとえばカオリンクレー、例としてThiele RC−32が、ZSM−5とリン化合物とのスラリーに加えられる。この工程からのスプレー乾燥された製品が次に、好ましくは空気中でおよび約540〜810℃の名目温度で焼成され、それからスチーミングされる。
コアシェル触媒のコア結晶22は、シェル結晶によって変換されなかった反応物をさらに転化し、トルエンメチル化反応での副生成物として形成されたオレフィンおよびパラフィンを芳香族化し、それによって所望芳香族の収率を改善することができるアルミノケイ酸塩ゼオライトである。
1つの実施形態では、コア結晶22は中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライト、たとえば上記されたものを含んでいる。好ましい実施形態では、中細孔径のゼオライトはZSM−5であり、これはプロトン型(HZSM−5)をしていてもよく、触媒の何らかのスチーミングの前に測定された約10〜800、好ましくは約10〜400、より好ましくは約20〜200、最も好ましくは約20〜100のシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比を有する。コアシェル触媒のコア結晶22はまた、周期表の6〜14族から選ばれた少なくとも1種の元素を含んでいてもよい。典型的には、6〜14族元素の全重量は、少なくとも0.01重量%〜約20.0重量%未満、好ましくは約0.01〜10.0重量%、より好ましくは約0.01〜2.0重量%、最も好ましくは約0.01〜1.0重量%であり、これらの重量%は使用されていてもよい何らかのバインダーを除外したものであり、コア質量基準であって全コア/シェル質量基準ではない。もちろん、6〜14族元素の全重量は、モレキュラーシーブ自体または使用されている何らかのバインダーに帰属される量を含んでいないものとする。好ましくは、6〜14族元素はZn、Ga、Cu、Re、Mo、W、La、Fe、Ag、PtまたはPdから選ばれる。より好ましくは、6〜14族元素はGaまたはZnである。6〜14族金属を取り込むことは、オレフィンおよびパラフィンの副生成物をより多くの芳香族に転化することを助け、それによって所望芳香族製品の収率を改善する。
別の実施形態では、コア結晶22は中細孔ゼオライト、たとえばZSM−5をシェル結晶に関連して上記したものと同じように含んでいるが、より高い活性、より高いパラキシレン選択性またはこれらの組み合わせを有するものである。より高い活性レベルを達成するために、このゼオライトはより低いシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比を有する。シェル結晶がスチーミング前に450超のシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比を有する1つの実施形態では、コアゼオライトはスチーミング前に450未満のシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比、または任意のスチーミングの後に900未満のシリカ(SiO)とアルミナ(Al)とのモル比、増加された酸サイトおよび酸サイトの増加された強さを有する。このより高い活性の触媒は、トルエンメチル化反応のオレフィン副生成物を消費し、芳香族化反応によって追加の芳香族および軽質パラフィンをつくる。より高い活性レベルの代わりにまたはそれに加えて、このゼオライトはパラキシレンに対してより選択的であってもよい。これはゼオライトをスチーミングすることによって達成されてもよい。
さらに別の実施形態では、コア結晶22はZSM−5とは異なるゼオライトを含んでいる。このゼオライトは、三次元構造を有する任意のゼオライト、たとえばZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48またはSAPOファミリーの中のものであってもよい。このゼオライトは、コア内で行うべき所望の反応および/または所望の特性に基いて選ばれてもよい。
本発明のプロセスで用いられるコアゼオライト結晶22はスチーミングされて、多孔性結晶性材料の所望の拡散率およびミクロ細孔容積の減少が達成されてもよい。その条件は、上記のシェル結晶20をスチーミングするために使用されるものと同じでも異なってもよい。スチーミングは、少なくとも約900℃、好ましくは約950〜約1075℃、最も好ましくは約1000〜約1050℃の温度および約10分間〜約10時間、好ましくは30分間〜5時間、たとえば30分間〜2時間、スチームの存在する状態でゼオライトを加熱することによって達成されることができる。他の好ましい温度および温度範囲としては、この段落に列挙された任意の下限温度および/または時間からここに列挙された任意の上限温度および/または時間まで、たとえば約900〜1050℃、約10分間〜2時間等が挙げられる。
本発明のプロセスで用いられる触媒系は好ましくは、本発明のプロセスで用いられる温度および他の条件に耐性を有するバインダーまたはマトリクス材料を含んでいる。そのような材料は活性および不活性の材料、たとえばクレー、シリカおよび/または金属酸化物、たとえばアルミナを含んでいる。後者は、天然素材あるいはゼラチン状の沈降物またはゲルの形態をしているもの、たとえばシリカと金属酸化物との混合物であってもよい。活性である材料の使用は、触媒の転化率および/または選択性を変える傾向があり、したがって一般的に好ましくない。不活性の材料は、所与のプロセスにおける転化量を調節するための希釈剤として適当な役割を果たし、その結果、製品が反応速度を調節するための他の手段を用いることなく経済的にかつ整然と得られることができる。これらの材料は天然に存在するクレー、たとえばベントナイトおよびカオリン中に組み入れられて、商業運転状況下の触媒の粉砕強度を改善してもよい。当該材料、すなわちクレー、酸化物等は、触媒のバインダーとして機能する。商業用途では、触媒が粉体状の材料に崩壊するのを防ぐことが望ましいので、良好な粉砕強度を有する触媒を準備することが望ましい。
本発明の触媒に使用されることができる天然に存在するクレーとしては、モンモリロナイトおよびカオリンファミリーが挙げられ、これらのファミリーとしては、サブベントナイトおよびデキシー、マクナミー、ジョージアおよびフロリダクレーとして通常知られているカオリンまたは他のものが挙げられ、これらの主鉱物成分はハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトまたはアノキサイトである。このようなクレーは、元々採掘された、または最初に焼成、酸処理または化学変性に付された粗製の状態で使用されることができる。使用される特定のクレーおよびその処理が、ある程度まで性能に影響を及ぼすであろうことは理解されるだろう。また、最も適切なクレー(またはより一般的にはバインダー)の決定は、日常の実験によって決定されるべき本開示発明を把握している当業者の技能の範囲内にある。
これまでに述べた材料に加えて、コアシェル触媒は多孔性マトリクス材料と複合材料化されることができ、多孔性マトリクス材料としては、たとえばシリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニアとともに三元組成物、たとえばシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシアおよびシリカ−マグネシア−ジルコニアが挙げられる。
一般に、触媒組成物は50〜90重量%のバインダーを含む。
様々な合成方法が、コアシェル構造を達成するために適用されることができる。1つの方法は、コア結晶上でシェル結晶を成長させることである。別の方法は、コア結晶の合成を開始し、そしてその合成の途中のある点で適当な試薬を加えて、シェル結晶の結晶化を開始することである。異なる手法は、コア結晶上に非晶質のシリカアルミナを堆積させ、引き続いてその非晶質シリカを所望のシェル結晶構造に変性し結晶化させることである。同じような方法は、コア結晶をバインダーとともに合成して押し出し成形物にし、それがシェル結晶に転化されることができるものである。さらに別の方法は、コア結晶の慣用の合成法を含み、引き続いてシェル結晶を気相成長させるものである。使用されてもよい他の方法は、コア結晶からアルミニウムを(スチーミングまたは化学侵出法によって)取り除いてメソ細孔欠陥を有する表面を生成し、次にそれがシェル結晶がその上に成長するために使用されることができ、またはコア結晶のメソ細孔シェルにシェル結晶の構造指向剤を浸み込ませ、次にシェル結晶を結晶化するものである。
アルキル化プロセスは、任意の公知の反応容器の中で行うことができるが、一般的にはメタノールおよび芳香族供給原料は上記の触媒と、その触媒粒子が1基以上の流動床中に配置されて、接触させられる。メタノールおよび芳香族供給原料のそれぞれは、一段階で流動化触媒中に注入されることができる。しかし、1つの実施形態では、メタノール供給原料は、流動化触媒中への芳香族反応物の注入の位置から下流の1つ以上の位置で流動化触媒中に段階的に注入される。たとえば、芳香族供給原料は、触媒の単一の竪型流動床のより低い部分中に注入され、メタノールはその床の垂直方向に間隔を空けて置かれた複数の中間の部分でその床に注入され、製品はその床の頂部から取り出されることができる。あるいは、触媒は垂直方向に間隔を空けて置かれた複数の触媒床中に配置され、芳香族供給原料は第1の流動床のより低い部分中に注入され、メタノールの一部は第1の床の中間の部分中に注入され、またメタノールの一部は隣接する下流の触媒床の中にまたは隣接する下流の複数の触媒床の間に注入されることができる。
本明細書に開示されたアルキル化プロセス用の1つの特定のシステムは、米国特許第9,095,831号に記載されている。しかし、本明細書に開示された実施形態は一般に、固定床、移動床または流動床リアクターに適用可能である。
本発明のプロセスのアルキル化段階で使用される条件は狭い範囲に制約されないが、トルエンのメチル化の場合には、一般に以下の範囲を含む:(a)約400〜約700℃、たとえば約450〜約650℃の温度;(b)約1気圧〜約1000psig(約100〜約7000kPa)、たとえば約10psig〜約50psig(約170〜約1480kPa)の圧力;(c)少なくとも約0.2、たとえば約0.2〜約20の(リアクターへの供給物中の)トルエンモル数/メタノールモル数;および(d)リアクター中の合計触媒量基準で、芳香族反応物について約0.2〜約1000、たとえば約0.5〜約500時−1、およびメタノール試薬の各段階流れの合計量について約0.01〜約100時−1のリアクターへの合計炭化水素供給原料の重量時空間速度(WHSV)。
パラキシレンおよび他のキシレン異性体の製造に加えて、本発明のプロセスは水蒸気が生成され、これは本発明のプロセスで使用される高温度では触媒の急速な老化につながることがある。反応で水が生成されるにもかかわらず、水はまた、反応に、たとえば芳香族供給原料および/またはアルキル化剤供給原料の1種以上に加えられるのが好都合であり好ましい。この方法での水の添加は、アルキル化剤の転化を増加させ、副反応を減少させ、またリアクターへの供給原料流れを加熱するために使用される炉のコーキングを減少させることが見出されている。
以下の実施例に示されるように、本発明の触媒は、抑制されたC〜C非芳香族の生成および改善された芳香族収率を示す。さらに、6〜14族金属の使用は反応の動力学的平衡を変えることによってメタノール利用率を増加させる。これは、同じ量のパラキシレンを生成するためにより少ない反応物が使用され、かつC〜C非芳香族副生成物を処理するためのメチル化リアクター下流の装置がより小さくなることを可能にする。
図3は、様々な反応条件で3種の異なる触媒を用いてメタノールを芳香族およびオレフィンに転化させることの結果を示す。図3にその結果が各反応について棒グラフで表示され、各反応生成物の重量パーセントが異なる網掛けの区画で示されている。反応Aは、535℃の温度、15psig(103kPa)のメタノール分圧および2時−1の重量時空間速度(WHSV)でZSM−5触媒を使用した。反応Bは、500℃の温度、15psigのメタノール分圧および2時−1の重量時空間速度(WHSV)で、1重量%の亜鉛がその上に分散されたZSM−5触媒を使用した。反応Cは、450℃の温度、15psigのメタノール分圧および2時−1の重量時空間速度(WHSV)で、1重量%の亜鉛がその上に分散されたZSM−5触媒を使用した。反応Dは、450℃の温度、15psigのメタノール分圧および2時−1の重量時空間速度(WHSV)で、1重量%の亜鉛および1重量%のリンがその上に分散されたZSM−5触媒を使用した。全ての転化反応はメタノール供給原料の100%の転化率を達成するように行われた。反応A〜Dで使用された触媒のどれもコアシェル触媒ではなかったけれども、図3は、触媒への6〜14族金属の添加が、生成されるオレフィンの量を減少させ、製造される芳香族の量を増加させることを示している。
この開示発明は特定の実施形態に言及する記載および例示を含んでいるけれども、当業者は本明細書に開示された実施形態が本明細書に必ずしも説明されていない変形物にも役立つことを認識するだろう。

Claims (10)

  1. パラキシレンを製造するプロセスであって
    (a)流動床リアクター中に、約5〜約7オングストロームの細孔径を有する第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのコア結晶、および前記コア結晶の外表面の少なくとも一部を被覆する第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシェル結晶の不連続の層を含んでいる触媒を準備する工程;
    (b)少なくとも400℃の温度を含む条件の下で前記シェル結晶の存在する状態でC6+芳香族炭化水素をメタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの混合物から選ばれたアルキル化剤でアルキル化する工程;および
    (c)前記コア結晶の存在する状態で工程(b)で生成されたオレフィンおよび/またはパラフィン、未転化のアルキル化剤および未転化のC6+芳香族炭化水素をパラキシレンに転化する工程を含むとともに、
    前記第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトが、約0.01〜2重量%の、Zn、Ga、Cu、AgまたはPtから成る群から選ばれる少なくとも1種の6〜14族元素を有するZSM−5を含んでおり、
    前記第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトがZSM−5およびリンまたはリンの化合物を含んでいる、プロセス
  2. 前記第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトが、前記触媒の何らかのスチーミングの前に測定された少なくとも200のシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 請求項1または2に記載のプロセスであって、前記第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトがZSM−5を含んでおり;
    (a)前記触媒が120℃の温度および60トール(8kPa)の2,2−ジメチルブタン圧力で測定されたときに約0.1〜15秒−1の2,2−ジメチルブタンについての拡散パラメーターを有するように、少なくとも900℃の温度で前記触媒をスチーミングする工程をさらに含む、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトが、前記第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシリカ/アルミナモル比よりも低いシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトが、前記触媒の何らかのスチーミングの前に測定された約10〜100のシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. パラキシレンを製造するプロセスであって
    (a)流動床リアクター中に、コア結晶の外表面の少なくとも一部を被覆するシェル結晶の不連続の層を含んでいるコアシェル触媒を準備する工程であって、前記シェル結晶が、前記触媒の何らかのスチーミングの前に測定された少なくとも200のシリカ/アルミナモル比およびリンまたはリンの化合物を有するZSM−5を含んでおり、前記触媒が少なくとも900℃の温度でスチーミングされたものであり、前記スチーミングされた触媒が120℃の温度および60トール(8kPa)の2,2−ジメチルブタン圧力で測定されたときに約0.1〜15秒−1の2,2−ジメチルブタンについての拡散パラメーターを有し、前記コア結晶がZSM−5を含んでいる、工程;
    (b)前記シェル結晶の存在する状態でC6+芳香族炭化水素をメタノール、ジメチルエーテルおよびこれらの混合物から選ばれたアルキル化剤でアルキル化する工程;および
    (c)前記コア結晶の存在する状態で工程(b)で生成されたオレフィンおよび/またはパラフィン、未転化のアルキル化剤および未転化のC6+芳香族炭化水素をパラキシレンに転化する工程を含むとともに、
    前記コア結晶が、約0.01〜2重量%の、Zn、Ga、Cu、AgまたはPtから成る群から選ばれる少なくとも1種の6〜14族元素を有するZSM−5を含んでいる、プロセス
  7. 前記コア結晶が、前記シェル結晶の前記ZSM−5のシリカ/アルミナモル比よりも低いシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでいる、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記コア結晶が、前記触媒の何らかのスチーミングの前に測定された約10〜100のシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでいる、請求項6に記載のプロセス。
  9. 流動床または移動床プロセスでパラキシレンを製造するための触媒組成物であって、前記触媒が
    (a)約5〜約7オングストロームの細孔径を有する第1の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのコア結晶;および
    (b)前記コア結晶の外表面の少なくとも一部を被覆する第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトのシェル結晶の不連続の層であって、前記シェル結晶が前記コア結晶と同じでも異なってもよい、層;
    を含んでおり、
    前記シェル結晶が、前記シェル結晶が存在する状態でトルエンがアルキル化剤と反応させられる場合にトルエンのメチル化、およびオレフィンおよび/またはパラフィン副生成物の生成を達成するように構成されており;かつ
    前記コア結晶が、前記オレフィンおよび/またはパラフィン副生成物をパラキシレンに転化するように構成されているとともに、
    前記コア結晶が、約0.01〜2重量%の、Zn、Ga、Cu、AgまたはPtから成る群から選ばれる少なくとも1種の6〜14族元素を有するZSM−5を含んでおり、
    前記シェル結晶が、リンまたはリンの化合物を有するZSM−5を含んでいる、
    触媒組成物。
  10. 前記第2の中細孔径のアルミノケイ酸塩ゼオライトが、前記触媒の何らかのスチーミングの前に測定された少なくとも200のシリカ/アルミナモル比を有するZSM−5を含んでおり、前記触媒が少なくとも900℃の温度でスチーミングされたものであり、前記スチーミングされた触媒が120℃の温度および60トール(8kPa)の2,2−ジメチルブタン圧力で測定されたときに約0.1〜15秒−1の2,2−ジメチルブタンについての拡散パラメーターを有する、請求項9に記載の触媒。
JP2018549905A 2016-03-25 2017-01-27 パラキシレンの製造用触媒およびプロセス Expired - Fee Related JP6743173B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662313313P 2016-03-25 2016-03-25
US62/313,313 2016-03-25
EP16170703.9 2016-05-20
EP16170703 2016-05-20
PCT/US2017/015212 WO2017164981A1 (en) 2016-03-25 2017-01-27 Catalyst and process for the production of para-xylene

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019510766A JP2019510766A (ja) 2019-04-18
JP6743173B2 true JP6743173B2 (ja) 2020-08-19

Family

ID=66178698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018549905A Expired - Fee Related JP6743173B2 (ja) 2016-03-25 2017-01-27 パラキシレンの製造用触媒およびプロセス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6743173B2 (ja)
ZA (1) ZA201805294B (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
ZA201805294B (en) 2019-06-26
JP2019510766A (ja) 2019-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4067122B2 (ja) 芳香族変換方法及びこの方法に有用なゼオライト触媒
JP5497667B2 (ja) 結晶性シリケート上でのアルコールの脱水
TW380121B (en) Zeolite bound zeolite catalyst and process for hydrocarbon conversion using said catalyst
TWI634096B (zh) 對二甲苯的製造
CN107001183B (zh) 制备对二甲苯的方法
US20100292417A1 (en) Phosphorus Modified Molecular Sieves, Their Use in Conversion of Organics to Olefins
JP2011511037A (ja) 不活性成分の存在下でのアルコールの脱水
KR20200019690A (ko) 크실렌으로의 중질 개질유 전환을 위한 복합 계층적 제올라이트 촉매
JP5908598B2 (ja) 炭化水素を転化させるための触媒及び方法
WO2014200626A2 (en) In-situ trim coke selectivation of toluene disproportionation catalyst
MXPA01011229A (es) Catalizador de zeolita ligada con zeolita, a la medida, y su uso conversion de hidrocarburos.
JP2021506909A (ja) ベンゼンおよび/またはトルエンのメチル化によるパラキシレンの製造用触媒
US7115538B2 (en) Ethylbenzene conversion catalyst and process
CN108779043B (zh) 用于生产对二甲苯的催化剂和方法
JP4289758B2 (ja) 選択的芳香族化合物不均化方法
US7154015B2 (en) Process for the production of propylene from olefinic streams
US6207871B1 (en) High-purity meta-xylene production process
JP6743173B2 (ja) パラキシレンの製造用触媒およびプロセス
WO2003002494A1 (en) Production of light olefins from oxygenate using framework gallium-containing medium pore molecular sieve
US6063977A (en) Selective aromatics disproportionation process
JPH10508854A (ja) トルエンのメチル化によるパラキシレンの選択的生成
CA1214449A (en) Silica-modified catalyst and use for selective production of para-dialkyl substituted benzenes
WO2008136829A1 (en) Process for selective aromatics disproportionation with increased conversion
US7230152B1 (en) Process for selective aromatics disproportionation with increased conversion
KR100652514B1 (ko) 방향족을 선택적으로 불균등화 반응시키는 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6743173

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees