JP6742460B2 - 欠陥率を分析するシステム - Google Patents

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Description

本開示は、一般に欠陥率分析に関し、より具体的には製造における欠陥を低減するための欠陥率分析に関する。
製造の分野では、不良率は製造ラインが次善のパフォーマンスを持つことを示す。欠陥ユニットは、品質基準を満たさない、タスクを完了するのにより長い時間がかかる、故障や機械の交換などのために使用できない等のユニットを意味する。製造ラインの健全性を定量化するために、測定基準(metric)が典型的には使用され、測定基準は、例えば、欠陥率、全体的な機器の有効性、タスクタイム、ダウンタイム、及び利益を含む。
製造業者は、ビジネス目標を達成するために測定基準を監視する。注目している測定基準に異常がある場合、製造業者は、従来、専門知識に精通している専門家に頼って、寄与要因及び潜在的な根本的原因を突き止めるために研究及び/または試験によって調査を行うことで、対処する。しかし、専門知識に基づいて製造ラインの不良率を調査する専門家によるプロセスは、一般にかなりの専門性、労力、及び時間を必要とする。さらに、製造プロセスが複雑になればなるほど、将来的に不良率を低減するために専門知識を適用することがより高くつくものになる。たとえば、根本的原因は複数の要因の組み合わせである可能性があるため、専門知識は高い欠陥率の理由を効果的に把握できない。
特開2019−25561号公報
本開示の一態様の方法は、製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し、前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループを決定し、前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する、ことを含む。
本開示の一態様のシステムは、メモリと、処理装置と、を含み、前記処理装置は、製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し、前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループを決定し、前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する。
本開示の一態様のプログラムは、計算機システムに処理を実行させるプログラムであって、前記処理は、製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し、前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループを決定し、前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する、ことを含む。
本開示の他の態様のシステムは、製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定するする手段と、前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループを決定する手段と、前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算する手段と、目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する手段と、を含む。
例示的な実装形態による例示的な製造ラインシーケンスを示す。 例示的な製造実装形態による欠陥を低減するための流れ図を示す。 例示的実装形態による例示的欠陥率分析システムを示す。 例示的実装形態による例示的準備データのテーブルを示す。 例示的実装形態による例示的ロバスト欠陥率低減分析モジュールを示す。 例示的実装形態による、依存プロセスを有する例示的欠陥率分析システムを示す。 例示的実装形態による例示的累積効果除去モジュールを示す。 例示的実装形態による、依存プロセスのための出力データ例のテーブルを示す。 いくつかの例示的実装形態での使用に適した例示的コンピュータ装置を伴う例示的コンピューティング環境を示す。
以下の詳細な説明は、本出願の図面及び例示的な実装形態のさらなる詳細を提供する。明確にするために、図の間の重複する要素の参照番号及び説明は省略する。説明を通して使用される用語は例として提供されており、限定することを意図していない。例えば、「自動」という用語の使用は、全自動、または、ユーザまたは管理者による何らかの実装の態様に対する制御を含む半自動の実装を含み、「自動」の態様は、本開示の応用の実装を実践する当業者の所望の実装に依存する。選択は、ユーザインタフェースまたは他の入力手段を介してユーザによって行われるか、または所望のアルゴリズムを介して実施することができる。本明細書に記載の例示的な実装形態は、単独でまたは組み合わせて利用することができ、例示的な実装形態の機能は、所望の実装形態に応じた任意の手段を通じて実装することができる。
工業生産は、労働及び/または機械を大規模に使用して商品を製造する。通常、設計された一連の製造プロセス(組み立て、化学的及び生物学的処理、調合など)を経て、原材料は完成品に変換され、さらに複雑な製品を製造するために他の製造業者に販売されまたは直接販売する小売業者に販売される。
欠陥率は、一定期間内の全生産数に占める欠陥品の数によって計算される。欠陥のあるユニットが費やす材料、労働力及び時間は、総利益に寄与できないため、高い欠陥率は直接財務上の損失をもたらす。欠陥率を最小にすることは、製造業者が収益目標を達成するのを助ける。
設備全体の有効性(OEE)は、(可用性)*(パフォーマンス)*(品質)という式に基づいて計算できる。ただし、可用性、パフォーマンス、品質を正当化することは、必ずしも容易な作業ではない。あるいは、OEEは、1つの単位を生産するのに必要とされる最小時間を、それを生産するのに使用される実際の時間で割ることによって計算することができる。OEEは製造ラインがいかに効率的に運営されているかを評価する。
タクトタイムは、製品またはタスクを完了するための時間である。タクトタイム測定基準(metrics)を理解することで、製造業者は、顧客のニーズを満たすための生産を計画することができる。たとえば、リアルタイムのタクトタイム監視は、生産ラインのリアルタイムの健全性を追跡するのに役立つ。故障や機械の交換によるダウンタイムを減らすことは、財務目標を達成するのに役立つ。利益は製造業者にとってもう一つの重要な指標である。
製造業者は、ビジネス目標を達成するために測定基準(metric)を監視する。しかし、専門知識に基づいて製造ラインの不良率を調査する専門家によるプロセスは、一般的にかなりの専門性、労力、そして時間を必要とする。さらに、製造プロセスが複雑になればなるほど、潜在的な不良率を減らすために専門知識を適用することは、より高くつくものになる。ビッグデータ分析技術の出現により、工業製造分野の人々は、プロセスを改善し、生産性を高め、設備の可用性を高め、世界経済における競争力を維持するためのデータ駆動型(データに基づいた)戦略を模索し始めている。
本開示の例示的な態様は、欠陥率を分析することを目的としている。例示的な実装形態では、高い欠陥率と相関が高い可能性がある候補因子を体系的に同定し、さらに、各因子の有効性を定量化するための解釈可能な測定基準(metric)を作成するための、革新的なシステムが提示される。
本開示の例示的な態様は、不良率への対処を単純化する。一例では、当該領域の専門家は自信を持って注意をいくつかの要因に限定し、かなりの時間と労力を節約できる。
本開示の例示的な態様は、各要因がどのように不良測定基準(例えば、欠陥率、及び全体の不良率における最小の低減量を直接定量化するための測定基準)に影響するかについての、直接的な推奨事項を提供する。
図1は、例示的な実装形態による例示的な製造ラインシーケンスを示す。図1は、所定数の逐次プロセス(例えば、プロセス1、プロセス2、…プロセスN)からなる製造ラインを含むように構成された一般的な種類の製造ライン100の例を示す。製造ラインへの入力は、例えば、製造されるユニットを生産及び/または出力するためにプロセス1、プロセス2、…プロセスNの一連のプロセスを通過する原材料を含むことができる。各プロセス内で、人間のオペレータ及び/または自動機械は、いくつかの作業(例えば、ワイヤの成形、本体へのワイヤの取り付け、ホイールの回転など)を実行し、及び/または、いくつかの試験(例えば温度の測定、本体長さの測定等)を実行する。
例えば、プロセス1は原材料投入を受けて作業/試験1を実行し、作業/試験2を実行するプロセス2にユニットを出力する。ユニットは、作業/試験Nを実行するプロセスNまで、プロセスシーケンスに沿って順次出力される。作業または試験に関するデータは、通常、製造または品質管理システム(図示せず)によって記録される。製造ユニットが製造ライン100を通って進むにつれて、各プロセスは、試験または品質検査に不合格の部分的に製造された製品を廃棄するためのプロセスレベル欠陥試験を含むことができる。すなわち、各プロセスは、シーケンス内の次のプロセスに移動する前に、ユニットがプロセスに合格または不合格であるかを判定するため、プロセスレベル作業及び/または試験を含むことができる。
複数のプロセスに沿って渡されるユニットは、通常、人間の目視検査または機械試験による徹底的な品質検査を受ける。例えば、欠陥のあるユニットは、そのユニットの一面が試験に不合格になった場合、またはオペレータまたは機械によって何らかの重大または顕著な欠陥が発見された場合に、廃棄することができる。例において、プロセス1の間に欠陥が検出されなかった場合、作業/試験1は作業/試験2にユニットを渡すことができ、次いで、プロセス2は、欠陥の検出に応答してユニットを廃棄することができる。したがって、プロセスを失敗させた部分的に製造されたユニットは、製造ライン100内の次のプロセスに渡されることがなく、欠陥の検出を改善しそして資源を無駄にすることを回避することができる。さらに、製造ライン100は、検査に不合格のユニットを廃棄するための最終品質試験を含むことができる。したがって、品質検査のいずれかに合格しなかったユニットは廃棄され、すべての品質検査に合格したユニットは製品190として出力することができる。
本開示の例示的な態様は、プロセス1からプロセスN及び品質試験結果のデータの間の関係を定量化することを含む。多段階の(multi−phase)例示的実装形態は以下を含む。(i)どのプロセスが、製造ライン内の他のプロセスよりも、不良ユニットに相対的により大きく寄与しているかを同定する(例えば、品質試験中の不良)。(ii)製造業者が品質試験における不良率を低減するためにプロセス及び/または条件をどのように制御できるかについての推奨事項を決定する(例えば、閾値に基づいて回転角度を修正することを推奨する)。(iii)推奨事項に基づいて、品質試験の不良率がどのように変化するか(例えば、特定量、特定百分率だけ低減する等)を予測する。
多段階実装形態の各段階は、協働することで、根本原因分析のための検討の指示(どのプロセスを検討するか)を提供し、また、品質試験の改善の可能性がある推奨プロセスの一部として疑わしい値に関するガイドラインを提供する。例示的な実装形態は、任意のプロセスにおける合否結果を分析するために効率的に一般化することができる。例えば、注目している各プロセスについて、目標率を二進結果(例えば、合否結果)で置き換えることができ、複数の候補プロセスを、製造ラインにおける先行プロセスに基づいて組み合わせることができる。
第1段階(すなわち、品質試験における結果と強く関連しているプロセスを同定する)は、統計的または分類モデルアプローチを含むことができる。例えば、品質試験結果に関連するプロセスを同定するための統計的手法は、伝統的な平均/分位統計試験を含む。この試験では、不合格グループと合格グループとの間の統計的特性(例えば、平均、中央値、または75パーセンタイル)における差が大きいほど、プロセスが、より高く試験結果に関連している。
統計的試験は一般的に計算ソフトウェアに含まれているので、統計的アプローチは一般的に実装が容易である。しかしながら、統計的アプローチからの結果は、比較する適切な統計的特性と合理的な試験手順の両方の選択に依存し得る。統計的アプローチで賢明な判断を下すには、データ自体を深く理解することと、各特定の統計的試験手順の要件に関する実際の知識が必要である。さらに、統計的アプローチの主観的判断への依存は、再利用可能なアルゴリズムシステムに埋め込むことを困難にする可能性がある。
分類モデルアプローチでは、機械学習における分類モデルを使用して、統計的アプローチとは異なる観点から問題に対処する。分類モデルアプローチは、品質試験における合否ラベルとプロセスとの間のマッピング関数を構築することを試みることを含む。関連性の高いプロセスは、一般に、マッピング関数において重要な役割を果たすプロセスを指す。分類モデルアプローチは、通常、プロセス間の相互作用効果を考慮に入れる分類アルゴリズムを使用する。しかしながら、いくつかの分類モデルは、構築されたマッピング関数における各プロセスの重要性を定量化することが困難である(例えば、ナイーブベイズ分類器、K最近傍、サポートベクターマシン)。
さらに、第2段階のアプローチ(すなわち、(ii)関連性が高いプロセスを制御する方法についての推奨事項を提供すること)について、統計的特性の比較と決定木検索との関連技術は、不正確な結果を生み出すことがある。例えば、関連技術の統計的特性を比較するアプローチは、部分的な情報を提供することしかできない。
一例において、製造プロセスにおいて、プロセス10において不合格グループが合格グループよりも統計的に有意に大きい回転角を有すると仮定する。この情報に基づいて、プロセス10における過回転は有害であるが、製造業者への推奨事項の作成方法(90度、60度、または40度未満)は、明らかではない。決定木は、高い欠陥率を有する領域を検索することができ、その後、製造業者にこれらの高い欠陥率の領域に陥ることを回避するように推奨事項を生成することができる。しかしながら、分類モデルとして、決定木は、サンプリングエラーを考慮に入れることができない。モデルを構築するために使用される現在の製品ユニットは、過去に生産された製品ユニット全体または将来生産される製品全体を正確に表すものではない場合がある。その結果、領域が正確でないことがある。例えば、現在のデータによって構築された決定木モデルに基づくと、回転角度は35度未満にすべきであるが、実際の境界は正確に35度ではない場合がある。実際の境界が40度または30度であるとする。そのような過大評価または過小評価された閾値は、製造業者の経済的損失を引き起こし得る。
図2は、例示的な製造実装形態による欠陥を低減するための流れ図を示す。第1の例示的実装形態では、製造ラインにおける異なるプロセスは互いに独立している。すなわち、順次製造ラインでは、後段のまたは下流のプロセス(例えば、プロセス2)の作業/試験は、より前段(例えば、プロセス1の)における作業/試験に直接依存しない。例えば、各作業または試験が製品の異なる無関係な部分に対して行われる場合、各作業または試験に関連付けられたプロセスは独立していると見なされる。
第2の例示的実装形態では、順次製造ラインにおける1つ以上のプロセスは、他のプロセスに関連または依存していてもよい。すなわち、製造シーケンスの前段(例えばプロセス1)で実行された作業/試験によって部分的にもたらされる後段または下流のプロセス(例えばプロセス2)の作業/試験は、累積効果を有する。例えば、ワイヤを指定の形状に成形する製造ラインは、ワイヤを加熱する作業を伴うプロセス1、第1の方向にワイヤを成形する作業を伴うプロセス2、別の方向にワイヤを成形する作業を伴うプロセス3、ワイヤを冷却する作業を伴うプロセス4等、を含むことができる。
したがって、プロセス2及びプロセス3は、プロセス1における十分な加熱温度に依存し、他の方向に成形するプロセス3は、プロセス2における適切な成形を必要とし、そして、ワイヤユニットがプロセス3及び/またはシーケンス内のすべての先行プロセスに合格した場合に、プロセス4は、形状を完成させる。品質試験について高い関連性を有するプロセスを検出するには、各プロセスを個別に調べる。関連するプロセスを伴う第2の例示的実装形態では、蓄積された効果が除去され、その後、結果として得られたプロセスデータを独立して調べる。
本開示の例示的な態様は、品質試験の結果に大きな影響を及ぼし得る製造ラインのプロセスを同定するためのシステム及び方法を提供することを含む。製造業者が関連性の高いプロセスにおける作業/試験をどのように管理できるかに関する具体的な推奨事項を生成する。そして、欠陥率の改善に対するロバスト推定を作成する。ロバスト推定は、推奨事項を実施した後に実現される改善が、予測値と同じくらいの大きさとなることを確実にするために使用される。
例示的なプロセス200では、210において、欠陥率分析システムは、製造プロセスの各特徴に関連するデータを受信する。プロセス欠陥を示すデータ特徴は、その特徴に基づいて検出される。215において、欠陥率分析システムは、プロセスが順次製造ラインの他のプロセスに依存しているかどうかを判定する。
220において、もしそうであれば(Yes)、欠陥率分析システムは、図5から7を参照して説明するように、累積効果を除去する。累積効果が除去された後、処理200は、230に進む。220において、プロセスが他のプロセスから独立している場合(No)、処理200は230に進む。
230において、処理は、各特徴に特定の閾値を置くことによって指定された候補条件に基づいて、すべての製品ユニットを2つのグループに分割する。例えば、製品ユニットは、候補条件に基づいて2つのグループに分けられる。例えば、(特徴1<=閾値_{1,1})を有するユニット、及び、(特徴1>閾値_{1,1})を有するユニット、である。
240において、欠陥率分析システムは、2つのグループ間の欠陥の差に基づいて、目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減値を計算する。
250において、各特徴について、欠陥率分析システムは、計算がすべての閾値について終了したかどうかを判定する。各特徴に対して、複数の条件(すなわち、複数の閾値)が存在する。与えられた条件に対して、計算は、目標信頼度レベルを満たすことができるロバスト欠陥率低減値を生成する。最大のロバスト欠陥率低減値をもたらす条件に基づいて、欠陥率分析システムは、最終的に推定された条件を決定し、次に決定された条件を製造プロセスに適用する。
250においてそうであれば(Yes)、処理200は260に進み、推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する。250においてそうでなければ(No)、処理200は230に戻り、各特徴に更新された閾値を置くことによって指定された更新候補条件に基づいて、全ての製品ユニットを2つのグループに分割することを繰り返す。
<独立したプロセスの実装例>
図3は、例示的実装形態による例示的欠陥率分析システム300を示す。例示的実装例は、プロセスが独立している順次製造ラインに沿ったプロセスを対象としている。例示的実装形態は、異なるソースから入力データを受信し、入力データは、プロセスデータ302、試験結果データ304、及びメタデータ306を含む。
プロセスデータ302は、製造ラインに沿った各製造プロセスにおいてシステムによって記録された、過去履歴の個別の作業データまたは試験データを含むことができる。例えば、プロセス1では本体部分の高さが記録される。プロセス2では材料を温める時間が測定され、プロセス3では最小回転角と最大回転角がプロセスデータセットに含まれる、等となる。プロセスデータには通常、欠陥ユニットと適格ユニットの両方の製品ユニットのグループを含む。
品質検査における試験結果データ304は、どのユニットが品質検査に不合格となり、どのユニットが品質検査に合格したかを示すラベルを含むことができる。時に、欠陥ユニットについて、試験結果データはどの部分が欠陥であるか(例えば、本体、上部、底部、内部など)またはどのような種類の欠陥が起きたか(例えば、ワイヤ剥離、誤った形状など)を示す。欠陥に関する追加情報が含まれている場合、欠陥の各部分または種類を個別に分析することが可能である。異なる種類の欠陥が異なるプロセスのセットに関連している可能性が高いため、それらを別々に考慮することで、より正確な情報を発見することができる。本明細書で使用される場合、欠陥率及び欠陥ユニットは、実際の状況及び事例に応じて、一般的な欠陥性及び/または特定の指定された欠陥性を指すために互換的に使用される。
メタデータ306は、プロセスの特性に関する追加の情報を記述するデータを指す。例えば、システムの無効なデータはデータ分析から除外される(例えば、プロセス10では、0または1は無意味なデータである)。
独立したプロセスの実装の例示的実装形態は、データ準備320モジュール、提案(例えば、推奨事項)を出力するロバスト欠陥率低減分析340モジュール、及び、定量化されたロバスト効果356を含む。データ準備320は、図4を参照して説明したように、生のプロセスデータを有用なフォーマットに変換し、欠損値及び外れ値を処理し、無効なデータを除去するなどして、生のプロセスデータを準備する。
ロバスト欠陥率低減分析340は、品質試験における高い欠陥率と関連性が高いプロセスの検索と、それらのプロセスにおける高リスク領域の検出とを含むことができ、図5を参照して説明するように、製造業者がそれら高リスク領域を回避することができる時、欠陥率の低減を定量化するロバスト測定基準を計算する。ロバスト欠陥率低減分析340は、相関性の高い複数プロセス、関連する複数プロセスを制御する方法(例えば、プロセス1<40、プロセス2>100など)、及び、対応する欠陥率低減のロバスト推定を出力することができる。
図4は、例示的実装形態による例示的準備データのテーブル400を示す。データ準備320を行うために、プロセスデータは中央システムによって記録され、受信した時間によって分類される。行インデックスは、タイムスタンプ及び/または製品識別子を含む。データ準備320は、異なるソースからの生データを統合し、表形式のデータを取得する。例えば、データ準備320は、プロセスを表す列と製品単位のプロセスデータを表す各行を出力することができる。そのデータには、プロセスデータにおける、欠損値、外れ値、及び無効データが含まれる可能性がある。第2のデータ準備はこれらの問題を扱う。
テーブル400は、製品ID60001、60002、60003、60004などを有する製品に関するデータ準備320のサンプル出力を含む。例えば、製品ID60001を有する製品は、プロセス1について値12.5、…、プロセスNについて値100、及び、合格の欠陥ラベルを有する。製品ID 60002の製品は、プロセス1について値11.1、…、プロセスNについて値110、及び合格の欠陥ラベルを有する。製品ID 60003の製品は、プロセス1の値19.3、…、プロセスNの値109、及び不合格の欠陥ラベルを有する。製品ID 60004の製品は、プロセス1の値9.9、…、プロセスNの値114、及び合格の欠陥ラベルを有する。
データ準備320モジュールは、製品IDを、キー変数として使用することができる。各製品IDについて、行に沿って検索し、生のプロセスデータセット内のプロセス1からプロセスNまでの対応するデータを見つけ、次にデータをプロセス名でソートして行に格納する。各製品IDについて、データ準備320モジュールは、テストデータセットを検索して、その製品IDに関連する欠陥ラベルを見つけ、そして最後のプロセスデータの隣にその製品IDを添付または割り当てる。各列(すなわち各プロセスデータ)に対して、データ準備320モジュールは、以下の処理を実行する。
a)メタデータセットにおける情報に基づいて、nmeaninglessと表記される無意味なデータの数、を数える。
b)統計の外れ値検出ルールに基づき、noutlierと表記される外れ値の数、を数えるためだけに有効なデータを使用する。
c)nmeaninglessとnoutlierとの合計が予め指定された閾値(例えば、全ユニット数の40%)より大きい場合、この列を分析から削除する。例えば、この列に含まれている重要なデータが十分にないことがある。
各行(すなわち、製品ユニット)について、データ準備320モジュールは、すべての残りの列について有効なデータ(例えば、意味のないデータではなく、外れ値ではない)が存在するかどうかをチェックし、少なくとも1つの無効なデータを有する行を削除する。
図5は、例示的実装形態による例示的ロバスト欠陥率低減分析モジュール540を示す。ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、データ準備(例えば、図3のデータ準備320)からのクリーンデータ526を使用してプロセスデータ空間における高リスク領域を検索する体系的アプローチを提供し、提案事項及び定量化されたロバスト効果556を決定するための上位の条件を選択する。ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、製造業者がそれらの高リスク領域を回避することができると仮定して、欠陥率の低減を直接定量化するためのロバストで解釈可能な測定基準を提供する。
例示的な実装形態において、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、542において、条件を指定する。具体的には、所与の特徴xi(i=1、・・、N)について、その範囲内の等間隔のk個の閾値を指定する。閾値はθi,j(j=1、・・、k)と表記される。条件として特徴と閾値のペア(xi、θi,j)を定義する。与えられた条件に基づいて、すべての製品ユニットを2つのグループに分けまる。例えば、以下のように表わされる。
i,j,1={次の条件を満たすユニット:xi≦θi,j
i,j,2={次の条件を満たすユニット:xi>θi,j
544において、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、欠陥率差のロバスト推定値を計算する。ここで、pi,j,1は、Gi,j,1における真の未知の欠陥率とする。同様に、pi,j,2は、Gi,j,2における真の未知の欠陥率とする。もしpi,j,1とpi,j,2とが、大きく異なる場合(例えば、所定の閾値を超えている場合)、それは、高リスクグループが他のグループと同じくらい低い欠陥率を有するときに全体の欠陥率のより大きな低減が達成され得ることを示す。
したがって、pi,j,1とpi,j,2とは、注目する測定基準である。統計学の知識に基づいて、モジュール540は現在のサンプルに基づく未知の値を推定する。例えば、pi,j,1とpi,j,2との点推定は、以下の式で表わされる。
^i,j,1=(Gi,j,1における欠陥ユニットの数)/(Gi,j,1における総ユニット数)
^i,j,2=(Gi,j,2における欠陥ユニットの数)/(Gi,j,2における総ユニット数)
(pi,j,1−pi,j,2)の点推定は、(^i,j,1^i,j,2)である。サンプルサイズ(すなわち、現在のサンプルにおいてユニットがいくつかあるか)が無限大になると、この推定値はその真の値により近く収束する。しかしながら、いくつかの例では、現在のサンプルサイズは、数千またはそれ以下の規模であり得る。推定のロバスト性を保証するために、統計学における信頼区間技術が使用される。(pi,j,1−pi,j,2)が(^i,j,1^i,j,2)に等しいことを示す代わりに、信頼区間は、信頼度が(1−2α)%の未知の(pi,j,1−pi,j,2)が、低いバンド(lower band)値と高いバンド(upper band)値の間にあることを示し、これらは以下のように表わされる。
Figure 0006742460
ここで、ni,j,1はGi,j,1におけるユニットの総数であり、ni,j,2はGi,j,2におけるユニットの総数である。z(1−α)は、N(0、1)の上位α分位数(upper α quantile)であり、すなわち、P(N(0、1)>z(1−α))=αを満足する。例示的実装形態では、~δi,jは、(pi,j,1−pi,j,2)のロバスト推定値として使用され、以下のようになる。
Figure 0006742460
ここで次の式が保証される。
P(より高い欠陥率−より低い欠陥率>~δi,j)=1−α
したがって、たとえ新しいサンプルのセットが使用されたとしても、(1−α)%の回数は、示された値~δi,jよりも大きい(より高い欠陥率とより低い欠陥率との間の)差を生み出す。予測値は|^i,j,1^i,j,2|より低くなることができ、よりロバストな推定値を提供し得る。
546において、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、欠陥率のロバストな全体的な低減を計算する。上で計算された~δi,jは、より大きい欠陥率とより小さい欠陥率と間の低いバンドを定量化する。欠陥率に基づいて、欠陥率のロバストな全体的な低減(例えば、rスコアri,j)は、以下のように計算される。
Figure 0006742460
Rスコアは、全体的な欠陥率の低下の低いバンドである。すなわち、分子は、製造業者が危険性の高い領域(すなわち、^i,j,1^i,j,2の場合にGi,j,1^i,j,1^i,j,2の場合にGi,j,2)を回避した場合に、欠陥ユニットが良品となることが予想される数である。分母は、サンプル内のユニットの総数である。rスコアは、Gi,j,1及びGi,j,2のサイズを考慮に入れるので、~δi,jよりも優れた測定基準である。
例えば、~δi,jがrスコアと同様に作用することができない玩具製造において、Gi,j,1における欠陥率が100%であり、Gi,j,2における欠陥率が10%であると仮定すると、~δi,jが大きい数となる。しかし、Gi,j,1において1ユニットしか存在しない場合、1ユニットでしか改善できない。したがって、全体的なパフォーマンスへの影響はわずかである。
548において、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、条件の妥当性をチェックする。すなわち、大きなrスコアを有する条件を選択するとき、高リスク領域上の大部分を含む条件が選択され、製造業者は、製品や製造ラインの大部分に影響を与えるような変更を加えることを推奨される。大きな変更は、製造業者が変更の推奨を実行することに消極的になる可能性がある。各条件の下で高リスクグループと低リスクグループのサイズの比較を検討することで、より適切な推奨事項を得ることができる。ユースケースに応じた特定の基準を満たす条件を保持することができる。例えば、基準は、高リスクグループのサンプルサイズがそれより小さくあるべき値とすることや、高リスクグループのサンプルサイズが全体のサンプルサイズの30%未満等にすることなどができる。全ての条件があらかじめ指定された基準を満たさない場合、rスコアは−100に設定できる。
550において、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、所与の特徴xiについて、そのk個の条件を集計し、xiについてのrスコア(~iと表現され、~i=max(ri,j))を得るように、上位の条件を選択する。
次に、ロバスト欠陥率低減分析モジュール540は、N個の特徴の重要性を、対応する特徴レベルのrスコアを用いてランク付けする。
結果の解釈例は、すべての良好な条件の中で、(x5、θ5,18)が最大のrスコアをもたらすと仮定することができる。G5,18,1における欠陥率は15%、G5,18,2における欠陥率は11%、計算されたrスコアは3.2%である。その場合、特徴x5は品質試験における試験データと非常に関連している可能性があり、製造業者が、(G5,18,2がより低い欠陥率を有するように)x5がθ5,18より大きくなるように制御するように推奨することができ、欠陥率の全体的な低減は3.2%である。
<依存するプロセスの実装例>
図6は、例示的実装形態による、依存プロセスを有する例示的欠陥率分析システム600を示す。依存プロセスを有する製造ラインのための第2の例示的実装形態では、欠陥率分析システム600は独立している製造ラインに沿ったプロセスに向けられる。例えば、後のプロセス(プロセス10)は、先のプロセス(プロセス1〜プロセス9)の影響を受けない。製造ラインに沿って影響が累積する状況がある。例示的実装形態では、欠陥率分析システムは独立していないプロセスを処理する。
欠陥率分析システム600の入力データは、図3の欠陥率分析システム300と同様だが、依存プロセスのある製造ラインに関連付けられた、プロセスデータ602、試験結果データ604、及びメタデータ606を含む。依存プロセスを用いた例示的な実装は、データ準備620モジュール、累積効果除去630モジュール、及び提案及び定量化されたロバスト効果556を出力するためのロバスト欠陥率低減分析640モジュールを含む。データ準備620モジュールは、図3のデータ準備320を参照して説明したように、生プロセスデータを有用なフォーマットに変換し、欠損値及び外れ値を処理し、無効データを除去する等によって、生プロセスデータを準備する。
累積効果除去630モジュールは、図7で説明するように、各プロセス内で孤立した効果を達成するために順次製造ラインに沿って累積効果を除去する。
ロバスト欠陥率低減分析640モジュールは、前段のステップからの修正されたデータに基づいて、品質試験における高い欠陥率に強く関連しているプロセスを検索する。ロバスト欠陥率低減分析640モジュールは、さらに、それらのプロセス中の危険性の高い領域を検出し、製造業者が危険性の高い領域を避けることができると仮定して、欠陥率の低減を定量化するためのロバスト測定基準を計算する。ロバスト欠陥率低減分析640は、図3のロバスト欠陥率低減分析340から修正される。しかしながら、ロバスト欠陥率低減分析640への入力は、累積効果除去630モジュールからの累積効果が除去された修正データ636の出力であり、ロバスト欠陥率低減分析640の出力は、図7及び8に示すように、生データの代わりに修正データに基づく。
図7は、例示的実装形態による例示的累積効果除去630モジュールを示す。累積効果除去630モジュールは、データ準備620からのクリーンデータ626を使用して生産ラインに沿って累積効果を除去し、図6のロバスト欠陥率低減分析640に使用される、累積効果除去された修正データ636を出力する系統的方法を提供する。プロセスが関連していることがわかっている場合は、累積した影響を除去することで、各プロセスの影響を定量化するためのより正確なデータが得られる。
累積効果学習モジュール632は、生産ラインのi番目のプロセスについて実行し、前段の(i−1)個のプロセスに基づいてi番目のプロセスを予測する回帰モデルを構築することによって、前段の(i−1)個のプロセスからの蓄積された効果を学習する。累積効果除去634モジュールは、回帰モデルからのフィッティングされたデータによって、i番目のプロセスの生データを差し引く。計算されたデータは、修正プロセスiとして表記される。
図8は、例示的実装形態による、依存プロセスのための出力データ例のテーブル800を示す。テーブル800には、製品ID60001、60002、60003、60004などの製品の累積効果除去プロセスの出力例が含まれている。例えば、製品ID60001の製品は、プロセス1の値12.5、…、修正プロセス2の値2.1、修正プロセスNの値47、及び合格の欠陥ラベル、を有する。
製品ID60002の製品は、プロセス1の値11.1、修正されたプロセス2の値2.7、…、修正されたプロセスNの値45、及び合格の欠陥ラベルを有する。製品ID60003の製品は、プロセス1の値19.3、−1、修正されたプロセス2の値−1、…32、修正されたプロセスNの値32、及び不合格の欠陥ラベルを有する。製品ID60004の製品は、プロセス1の値9.9、修正されたプロセス2の値3.6、修正されたプロセスNの値66、・・・、及び合格の欠陥ラベルを有する。
図6のロバスト欠陥率低減分析640は、修正された入力と出力を使用して、図3のロバスト欠陥率低減分析340から修正されている。ロバスト欠陥率低減分析640への入力は、累積効果除去630モジュールからの累積効果が除去された修正データ636の出力である。
図3のロバスト欠陥率低減分析340は、相関性の高いプロセス、関連プロセスをどのように制御するか(例えば、プロセス1<40、プロセス2>100など)、及び対応する欠陥率低減のロバスト推定値を出力する。ロバスト欠陥率低減分析640モジュールは、生データの代わりに修正データを使用することができ、強く相関したプロセス、関連するプロセスを制御する方法、及び欠陥率低減に対応するロバスト推定値を出力することができる。ただし、関連プロセスの制御方法の出力は、例えば、修正プロセス1<10、修正プロセス2>20を有する。修正されたプロセスデータは、生データのように直接の意味はないが、方向性について、提案を行い、推奨事項を生成するために使用することができる。例えば、ロバスト欠陥率低減分析640モジュールは、より小さいプロセス1が優れている、またはより大きいプロセス2が優れていることを示すことができる。次に、その情報に基づいて、当該領域の専門家は、より高い欠陥率の原因となる可能性のある原因を検索できる。
依存プロセスを有する欠陥率分析システム600は、効果が製造ラインに沿って蓄積する場合、強く相関したプロセスについてより正確なリストを提供する。例えば、可能性のある累積効果を考慮せずに依存プロセス製造ラインが分析された場合、推奨が品質試験にまったく影響を及ぼさないプロセスに不適切向けられ、したがって、不正確な推奨がなされる可能性がある。図6のロバスト欠陥率低減分析640は、累積効果を除去した修正データ636を使用して、改善された提案及び定量化されたロバスト効果656を提供する。
図9は、いくつかの例示的実装形態での使用に適した例示的コンピュータ装置を伴う例示的コンピューティング環境900を示し、例えば、図2〜8に示される製造プロセスの真の欠陥率を決定するためのシステムを容易にする。コンピューティング環境900内のコンピュータ装置905は、1つまたは複数の処理ユニット、コア、またはプロセッサ910、メモリ915(例えば、RAM、ROMなど)、内部記憶装置920(例えば、磁気、光学、固体記憶装置)、及び/またはI/Oインタフェース925を含むことができる。これらのいずれも、情報を通信するために通信機構またはバス930上に結合することができ、あるいはコンピュータ装置905に埋め込むことができる。
コンピュータ装置905は、入力/ユーザインタフェース935及び出力装置/インタフェース940に通信可能に結合することができる。入力/ユーザインタフェース935及び出力装置/インタフェース940の一方または両方は、有線または無線インタフェースとすることができ、取り外し可能とすることができる。入力/ユーザインタフェース935は、入力を提供するために使用することができる物理的または仮想的な任意のデバイス、コンポーネント、センサ、またはインタフェース(例えば、ボタン、タッチスクリーンインタフェース、キーボード、ポインティング/カーソル制御、マイクロフォン、カメラ、点字、モーションセンサ、光学式リーダなど)を含み得る。出力装置/インタフェース940は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、点字などを含み得る。いくつかの例示的な実装形態では、入力/ユーザインタフェース935及び出力装置/インタフェース940は、コンピュータ装置905に埋め込むかまたは物理的に結合することができる。他の例示的実装形態では、他のコンピュータ装置はコンピュータ装置905用の、入力/ユーザインタフェース935または出力装置/インタフェース940として機能するかまたはそれらを提供する。
コンピュータ装置905の例には、高度にモバイルな装置(例えば、スマートフォン、車両及び他の機械内の装置、人間及び動物によって持ち運ばれる装置など)、モバイル装置(例えば、タブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、ポータブルテレビ、ラジオなど)、移動用に設計されていない装置(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つまたは複数のプロセッサが埋め込まれている、及び/またはそれに結合されているテレビ、ラジオなど)、が含まれ得るが、これらに限定されない。
コンピュータ装置905は、(例えば、I/Oインタフェース925を介して)外部記憶装置945及びネットワーク950に通信可能に結合されて、同一又は異なる構成の1又は複数のコンピュータ装置を含む、任意の数のネットワーク化された構成要素、装置及びシステムと通信し得る。コンピュータ装置905または任意の接続されたコンピュータ装置は、サーバ、クライアント、シンサーバ、汎用機、専用機、または他の装置として機能するか、それらと呼ばれるサービスを提供することができる。
I/Oインタフェース925は、限定はしないが、コンピューティング環境900内の少なくともすべての接続構成要素、装置、及びネットワークとの間で情報をやり取りするため、任意の通信、I/Oプロトコルまたは規格(例えば、イーサネット(登録商標)、802.11x、ユニバーサルシステムバス、WiMax、モデム、セルラネットワークプロトコルなど)を使用する、有線及び/または無線インタフェースを含み得る。ネットワーク950は、任意のネットワークまたはネットワークの組合せ(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、電話ネットワーク、セルラネットワーク、衛星ネットワークなど))とすることができる。
コンピュータ装置905は、一時的媒体及び非一時的媒体を含むコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体を使用し、かつ/またはそれを使用して通信することができる。一時的媒体は、伝送媒体(例えば、金属ケーブル、光ファイバ)、信号、搬送波などを含む。非一時的媒体は、磁気媒体(例えば、ディスク及びテープ)、光学媒体(例えば、CD−ROM、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク)、固体媒体(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、固体ストレージ)、及び他の不揮発性ストレージまたはメモリを含む。
コンピュータ装置905は、いくつかの例示的なコンピューティング環境において技術、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実装するために使用することができる。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取り出され、非一時的媒体に記憶され、そこから取り出されることができる。実行可能命令は、プログラミング、スクリプティング、及び機械語(例えば、C、C ++、C#、Java(登録商標)、Visual Basic、Python、Perl、JavaScript(登録商標)など)のうちの1つまたは複数から発生することができる。
プロセッサ910は、物理または仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(図示せず)の下で実行することができる。1つまたは複数のアプリケーションをOS、そして、他のアプリケーション(図示せず)と共に展開することができ、論理ユニット960、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)ユニット965、入力ユニット970、出力ユニット975、及び異なるユニットが互いに通信するためのユニット間通信機構995を含む。説明されたユニット及び要素は、設計、機能、構成、または実装において変化することがあり、提供された説明に限定されない。
いくつかの例示的な実装形態では、情報または実行命令がAPIユニット965によって受信されると、それは1つまたは複数の他のユニット(例えば、論理ユニット960、入力ユニット970、出力ユニット975)に通信される。いくつかの事例では、論理ユニット960は、ユニット間の情報の流れを制御し、上述のいくつかの例示的実装形態では、APIユニット965、入力ユニット970、出力ユニット975によって提供されるサービスを制御する。例えば、1つまたは複数のプロセスまたは実装のフローは、論理ユニット960単独で、またはAPIユニット965と共に制御することができる。
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズム及び記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズムの説明及び記号表現は、イノベーションの本質を他の当業者に伝えるためにデータ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、所望の最終状態または結果に至る一連の定義されたステップである。例示的実装形態では、実行されるステップは、具体的な結果を達成するための具体的な量の必要とされる物理的操作を実行する。
特に断りのない限り、説明から明らかなように、説明全体を通して、「決定する」、「計算する」、「適用する」、「出力する」などの用語を利用する議論は、コンピュータシステムまたは他の情報処理装置の行為及び処理を含むことができる。コンピュータシステムまたは他の情報処理装置は、コンピュータシステムのレジスタまたはメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ、レジスタもしくは他の情報記憶装置、伝送装置または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換する。
プロセッサ910は、図2の210、215、230、図3の320、図6の620において示すように、製造プロセスについての各データ特徴に関連するデータから、その特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示すデータ特徴、プロセスの欠陥率を低減させる特徴についての推定された条件を決定し、その推定された条件は、第1のグループ及び第2のグループへのデータを示す。プロセッサ910は、図2の240、図3の340、図5の540、図6の640において示すように、第1のグループと第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて欠陥率の低減を計算する。目標欠陥率についての目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために、図2の250、260、図3の340、図5の540、図6の640に示すように、プロセッサ910は、推定された条件を、各特徴に関連する製造プロセスに適用する。
例示的な実装形態では、図6の630、図7の630において示すように、プロセッサ910は、関連プロセスを含む製造プロセスのデータ特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示すデータ特徴を決定し、関連するプロセスに関連して検出された1つまたは複数の累積効果を取り除く。プロセッサ910は、回帰モデルから1つまたは複数の累積効果が学習されるように構成される。回帰モデルは、関連プロセスからの、プロセスの1つまたは複数の予測反復に基づいて、関連プロセスからのプロセスの影響を予測するように構成される。ここで、図6の630、図7の630、632、634に示すように、1つ以上の累積効果を除去することは、回帰モデルからフィッティングデータを適用して、関連プロセスからのプロセスに関する1つ以上の累積効果を除去することを含む。
例示的な実装形態では、プロセッサ910は、図5の550においてに示されるように、推定された条件の適用が、閾値を超えてランク付けされた特徴について行われるように構成される。プロセッサ910は、図2の250、図5の544、546に示すように、目標信頼度レベルが目標欠陥率の再現率を示す統計的信頼度であるように構成される。
プロセッサ910は、図2の240、図5の544、546に示すように、第1のグループと第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて欠陥率の低減を計算するように構成される。第2のグループのものを超える第1のグループの真の未知の欠陥率について、図2の240、図5の540、544、546、548、及び550において示すように、欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と第1のグループのユニットの総数の積と、第1のグループと第2のグループのユニット総数の合計と、の比である。第1のグループの真の未知の欠陥率が第2のグループのそれを超えない場合、図2の240、図5の540、544、546、548、及び550において示すように、欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と第2のグループのユニット総数の積と、第1のグループと第2のグループのユニット総数の合計と、の比である。
例示的な実装形態はまた、本明細書の動作を実行するための装置にも関連し得る。この装置は、要求される目的のために特別に構成されてもよく、あるいは1つ以上のコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される1つ以上の汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、光ディスク、磁気ディスク、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、固体デバイス及びドライブ、または適切な他の任意のタイプの有形または非一時的媒体などの、電子情報を保存するための有形の媒体を含み得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含み得る。本明細書に提示されたアルゴリズム及び表示は、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも本質的に関連していない。コンピュータプログラムは、所望の実装形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェア実装形態を含むことができる。
本明細書の例に従って様々な汎用システムをプログラム及びモジュールと共に使用することができ、または所望の方法ステップを実行するためにより専門的な装置を構築することが便利であることを証明することができる。さらに、例示的な実装形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。当然のことながら、本明細書に記載の例示的な実装形態の教示を実装するために様々なプログラミング言語を使用することができる。プログラミング言語の命令は、1つまたは複数の処理装置、例えば中央処理装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラによって実行することができる。
当技術分野で知られているように、上記の動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの何らかの組合せによって実行することができる。例示的実装形態の様々な態様は、回路及び論理装置(ハードウェア)を使用して実装され得るが、他の態様は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに本願の実装形態を実施させる方法を実行させる機械可読媒体(ソフトウェア)に格納された命令を使用して実装され得る。さらに、本願のいくつかの例示的な実装形態は、ハードウェア内でのみ実行されてもよく、他の例示的な実装形態は、ソフトウェア内でのみ実行されてもよい。さらに、説明した様々な機能は、単一のユニットで実行することができ、または任意の数の方法で複数の構成要素にわたって分散させることができる。ソフトウェアによって実行されるとき、方法は、コンピュータ可読媒体に格納された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行され得る。必要に応じて、命令は圧縮及び/または暗号化フォーマットで媒体に格納することができる。
さらに、本出願の他の実装形態は、本明細書の考察及び本出願の教示の実践から当業者には明らかであろう。説明された例示的な実装形態の様々な態様及び/または構成要素は、単独でまたは任意の組合せで使用され得る。明細書及び例示的実装形態は例としてのみ考慮されることを意図しており、本願の真の範囲及び精神は特許請求の範囲によって示される。

Claims (18)

  1. 製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し
    前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループとを決定し
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、
    目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する、ことを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す前記特徴を決定することは、関連プロセスを含む製造プロセスについて、前記関連プロセスに関連して検出されたプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去することを含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、
    前記1つまたは複数の累積効果は、前記関連プロセスからの前記プロセスの1つまたは複数の予測反復に基づいて前記関連プロセスからのプロセスの影響を予測するように構成された回帰モデルから学習され、
    1つまたは複数の累積効果を除去することは、回帰モデルからフィッティングデータを適用して、関連プロセスからのプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去することを含む、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記推定された条件の適用は、閾値より上にランク付けされる特徴について行われる、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記目標信頼度レベルが、前記目標欠陥率の再現率を示す統計的信頼度である、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて前記欠陥率の前記低減を計算することは、
    前記第1のグループの真の未知の欠陥率が前記第2のグループの欠陥率を超える場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第1のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニット数の合計と、の比であり、
    前記第1のグループの真の未知欠陥率が前記第2のグループのそれを超えない場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第2のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニットの合計と、の比である、方法。
  7. メモリと、
    処理装置と、を含み、
    前記処理装置は、
    製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し
    前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループとを決定し
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、
    目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記計算された欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する、システム。
  8. 請求項7に記載のシステムであって、
    前記処理装置は、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す前記特徴を決定することは、関連プロセスを含む製造プロセスについて、前記関連プロセスに関連して検出されたプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去する、システム。
  9. 請求項8に記載のシステムであって、
    前記1つまたは複数の累積効果は、前記関連プロセスからの前記プロセスの1つまたは複数の予測反復に基づいて前記関連プロセスからのプロセスの影響を予測するように構成された回帰モデルから学習され、
    1つまたは複数の累積効果を除去することは、回帰モデルからフィッティングデータを適用して、関連プロセスからのプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去することを含む、システム。
  10. 請求項7に記載のシステムであって、
    前記推定された条件の適用が、閾値より上にランク付けされた特徴について行われる、請求項7に記載のシステム。
  11. 請求項7に記載のシステムであって、前記目標信頼度レベルが、前記目標欠陥率の再現率を示す統計的信頼度である、システム。
  12. 請求項7に記載のシステムであって、
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて前記欠陥率の前記低減を計算することは、
    前記第1のグループの真の未知の欠陥率が前記第2のグループの欠陥率を超える場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第1のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニット数の合計と、の比であり、
    前記第1のグループの真の未知欠陥率が前記第2のグループのそれを超えない場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第2のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニットの合計と、の比である、システム。
  13. 計算機システムに処理を実行させるプログラムであって、前記処理は、
    製造プロセスの各特徴に関連付けられたデータから、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す特を決定し
    前記プロセス欠陥を示す特徴と閾値とに基づいて第1のグループと第2のグループを決定し、
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて、欠陥率の低減を計算し、
    目標欠陥率に対する目標信頼度レベルを満たす欠陥率の低減のために前記欠陥率の低減に基づいて推定された条件を各特徴に関連する製造プロセスに適用する、ことを含む、プログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムであって、前記特徴に基づいて検出されたプロセス欠陥を示す前記特徴を決定することは、関連プロセスを含む製造プロセスについて、前記関連プロセスに関連して検出されたプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去することを含む、プログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムであって、
    前記1つまたは複数の累積効果は、前記関連プロセスからの前記プロセスの1つまたは
    複数の予測反復に基づいて前記関連プロセスからのプロセスの影響を予測するように構成された回帰モデルから学習され、
    1つまたは複数の累積効果を除去することは、回帰モデルからフィッティングデータを適用して、関連プロセスからのプロセスの1つまたは複数の累積効果を除去することを含む、プログラム。
  16. 請求項13に記載のプログラムであって、前記推定された条件の適用は、閾値より上にランク付けされる特徴について行われる、プログラム。
  17. 請求項13に記載のプログラムであって、前記目標信頼度レベルが、前記目標欠陥率の再現率を示す統計的信頼度である、プログラム。
  18. 請求項13に記載のプログラムであって、
    前記第1のグループと前記第2のグループとの間の欠陥の差に基づいて前記欠陥率の前記低減を計算することは、
    前記第1のグループの真の未知の欠陥率が前記第2のグループの欠陥率を超える場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第1のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニット数の合計と、の比であり、
    前記第1のグループの真の未知欠陥率が前記第2のグループのそれを超えない場合、前記欠陥率の低減の計算は、ロバスト推定値と前記第2のグループの総ユニット数との積と、前記第1のグループと前記第2のグループの総ユニットの合計と、の比である、プログラム。
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