JP6741948B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関する。
弾球遊技機の代表例であるぱちんこ遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を立設姿勢で保持する枠部材に、各種の制御基板が装着された裏機構盤が取り付けられて構成され、遊技者の発射操作を受け付ける発射ハンドルの操作量に応じた発射強度で遊技球を遊技領域へ打ち出して、その遊技球を遊技領域内で流下させる過程において、始動口や一般入賞口といった各種の入賞口に遊技球を入球させる遊技を行うように構成されている。
遊技球が各種の入賞口に入球した場合には該入賞口の種類に対応した個数の賞球が払い出されるとともに、その入賞口が始動口である場合には、遊技球が始動口に入球したことを契機として当否抽選を実行し、該当否抽選の結果がはずれである場合には複数列からなる装飾図柄を変動表示させた後に該装飾図柄を予め定められた非当選態様で停止表示させる一方、該当否判定の結果が大当りである場合には複数列からなる装飾図柄を変動表示させた後に該装飾図柄を予め定められた当選態様で停止表示して、通常時には閉状態である大入賞口を開状態とする特別遊技(大当り遊技)を成立させるように構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−271756号公報
上記ぱちんこ遊技機には、一般的に、遊技球が入賞口に入球したことを検出する入賞検出器が設けられており、該入賞検出器にて遊技球の入球が検出されたことを契機として、所定数の賞球の払い出しや、当否抽選等が適時実行されるようになっている。しかしながら、近年においては、釣糸やピアノ線等の線材を付けた遊技球を入賞口に入球させて、この遊技球を不正に操作することで(不正行為者が機外から線材を手前側に引っ張ったり奥側へ送り込んだりすることで)、該遊技球を入賞検出器に何度も繰り返し検出させて、遊技球の連続入賞を成立させる不正入賞行為が頻発しており、その被害(損害)が大きな問題となっている。そのため、遊技機メーカ各社においても、このような不正入賞行為を効果的に防止する対策を講じることが求められている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、不正入賞行為を効果的に防止することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
このような目的達成のために、本発明に係る弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技盤を保持する枠部材と、前記枠部材に開閉自在に設けられた開閉部材と、前記開閉部材に設けられて遊技球を貯留する球皿と、前記枠部材に設けられて遊技球を前記遊技領域へ向けて打ち出す発射装置と、前記枠部材に設けられて前記発射装置により打ち出されて前記遊技領域へ到達できずに戻ってくる遊技球を回収して前記球皿へ流下させるファール球通路が設けられたファール球回収部とを備え、前記ファール球通路の途中には、遊技球の流下方向を転換させる方向転換部が形成され、前記方向転換部には、当該ファール球通路以外の他の球通路に連通して遊技球が進入可能な開口が設けられており、前記方向転換部は、遊技球が前記球皿へ向かって流下する場合には当該遊技球が前記他の球通路に進入することがないが、遊技球が前記球皿から逆流する場合には当該遊技球が前記他の球通路に進入しやすく構成され、前記方向転換部に前記他の球通路へ進入した遊技球が前記ファール球通路に戻ることを規制する規制部材を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、不正入賞行為を効果的に防止することが可能である。
本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機を後方から見た斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機からガラス枠を取り外した状態を示す正面図である。 主制御表示装置を示す正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技補助盤を前方から見た斜視図である。 遊技補助盤の要部を前方から見た斜視図である。 補助盤カバーを縦断面で見たときの遊技補助盤の正面図である。 補助盤カバーを取り外した状態の遊技補助盤の正面図である。 球送り機構及び発射機構を前方から見た斜視図である。 球送り機構及び発射機構を後方から見た斜視図である。 球送り機構の分解斜視図である。 遊技球排出機構を前方から見た斜視図である。 発射ユニットを取り外した状態の遊技補助盤の正面図である。 センサアセンブリの取付状態を示す断面図である。 図15の矢印XVI−XVIに沿って示す断面図である。 図15の矢印XVII−XVIIに沿って示す断面図である。 (A)はセンサアセンブリを上方から見た斜視図、(B)はセンサアセンブリを下方から見た斜視図である。 ファール球回収機構の要部を示す断面図である。 図19の矢印XX−XXに沿って示す断面図である。 図19の矢印XXI−XXIに沿って示す断面図である。 (A)は補助盤カバーを前方から見た斜視図、(B)は補助盤カバーを後方から見た斜視図である。 補助盤カバーを示す背面図である。 第1通路形成部材の要部を示す背面図である。 逆止弁の取付状態を示す背面図である。 不正球排除通路を示す断面図である。 第2通路形成部材の要部を示す斜視図である。 第2通路形成部材の後面側に通路カバー部材が取り付けられた状態を示す背面図である。 逆止弁の斜視図である。 (A)は通路カバー部材を上方から見た斜視図、(B)は通路カバー部材を下方から見た斜視図である。 ファール球回収機構の作用(不正球がファール球通路に侵入した状態)を説明するための断面図である。 ファール球回収機構の作用(不正球が逆流通路に侵入した状態)を説明するための断面図である。 ファール球回収機構の作用(不正球が不正球排除通路に侵入した状態)を説明するための断面図である。 ファール球回収機構の作用(不正球の逆戻りが規制された状態)を説明するための断面図である。 上記ぱちんこ遊技機の主制御基板及び演出制御基板の機能ブロック図である。 主制御側メイン処理を示すフローチャートである。 主制御側メイン処理の図36に続く制御処理を示すフローチャートである。 主制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 性能表示モニタを示す模式図である。 遊技性能データの識別記号の表示例を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る弾球遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMを図1〜図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[遊技機の全体構成]
始めに、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2の前面側には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6及び下球皿7)が設けられる。ガラス枠5の上部には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ11や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられている。ここで、下球皿7は、ガラス枠5の左右の中心に対して左側に寄って配置されている。これにより、下球皿7の正面右側には空きスペースが形成され、その部分に所定の演出操作を行うためのボタンやスイッチ、ダイヤル等の演出操作手段12などが取り付けられる。
前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられている。前枠2の下部には、図3に示すように、ガラス枠5の背後において遊技盤20と上下に整合し得る位置に遊技補助盤(40)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤40の各部に、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構100(図5等を参照)、球送り機構100から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構150、球送り機構100及び発射機構150の作動を制御する発射制御基板180などが設けられている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、図3に示すように、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レール21と、外レール21の内側において左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レール22と、外レール21の右上部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾
曲形状に形成されたレール飾り23とを備えており、外レール21と内レール22とレール飾り23とで囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール21と内レール22とにより、発射機構150により打ち出された遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路24が形成される。この案内通路24における遊技球の出口開口の近傍位置、すなわち、内レール22の先端部に、案内通路24を通って出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路24へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁25が配設されている。
遊技領域PAには、図3では詳細な図示を省略しているが、多数本の遊技釘や風車等とともに、第1始動口、第2始動口、作動ゲート、大入賞口、一般入賞口等の各種入賞口の他、後述の主制御基板51が主体的に点灯制御する主制御表示装置700が配設されている。遊技領域PAの略中央にはセンター役物26が配設されており、このセンター役物26の下方の開口を通して演出表示装置27の画面が視認可能に設けられている。センター役物26には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物19が設けられている。可動役物19は、駆動源としてステッピングモータを備えて構成される。遊技領域PAの下端には、各種入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ61(図5を参照)を備えている。第1始動口への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口(普通電動役物)は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ62(図5を参照)を備えている。第2始動口への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。第2始動口は、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド81(図5を参照)を備えており、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態とに可変する。ここで、第2始動口は、開状態とならなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、第2始動口が開状態となると、第2始動口への入球容易性が高まる。
作動ゲートは、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ63(図5を参照)を備えている。なお、作動ゲートへの遊技球の通過は、第2始動口(普通電動役物)を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口(特別電動役物)は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口(いわゆるアタッカー装置)として形成される。大入賞口は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ64(図5を参照)を備えるとともに、特別電動役物を開閉駆動させるための特別電動役物ソレノイド82(図5を参照)とを備えている。大入賞口は、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態とに可変する。本例において大入賞口は、遊技領域PAにおける右側領域(右打ち領域)に設けられている。そのため、特別遊技状態(大当り遊技状態)においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口への入球が容易となっている。
一般入賞口は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ65(図5を参照)を備えている。一般入賞口への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
主制御表示装置700は、後述の主制御基板51にて点灯制御されるLED表示装置である。図4は、主制御基板51が主体的に点灯制御する主制御表示装置700の模式図である。この主制御表示装置700には、第1特別図柄表装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特別図柄保留ランプ73、第2特別図柄保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77、状態表示灯78、右打ち指示灯79、エラー表示灯70などの各種表示手段が設けられている。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置は、8個のLEDセグメントG〜Nから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置は、8個のLEDセグメントQ〜Xから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該LEDセグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特別図柄保留ランプ73は、2個のLEDセグメントO,Pから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって第1特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。同じく、第2特別図柄保留ランプ74は、2個のLEDセグメントY,Zから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、1個のLEDセグメントCから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。
普通図柄保留ランプ76は、2個のLEDセグメントA,Bから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。
ラウンド表示灯77は、左表示灯77a及び右表示灯77bから構成され、特別遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(規定ラウンド数:特別電動役物が連続して作動する回数)を表示する。左表示灯77は2個のLEDセグメントから構成され、右表示灯77bは7個のLEDセグメントから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別遊技の規定ラウンド数を表現する。
状態表示灯78は、2個のLEDセグメントD,Eから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別図柄の確率変動機能の作動状態と、普通図柄の確率変動機能の作動状態とを表現する。
右打ち指示灯79は、1個のLEDセグメントFから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技領域PAの右側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(右打ちすべき遊技状態)であるか否かを表現する。
エラー表示灯70は、1個のLEDセグメントBから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技機PMのエラーの発生状況を表現する。
続いて、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が取り付けられている。裏セット盤30の各部には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンク33、貯留タンク33からの遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6又は下球皿7へ流下させる裏側通路部材36などが設けられている。
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51や、演出全般の制御を行う演出制御基板52(図5を参照)、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板53(図5を参照)などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板52および画像制御基板53は、演出表示装置(液晶表示装置)27と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニット28を構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板54や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
続いて、図5は、ぱちんこ遊技機PMの電気的な概略構成を示すブロック図である。前述したように、ぱちんこ遊技機PMには、主制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53、払出制御基板54、発射制御基板180などが搭載されている。
主制御基板51は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPUと、制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。
主制御基板51は、上記第1始動口への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ61、上記第2始動口への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ62、上記作動ゲートへの遊技球の通過を検出する作動ゲートスイッチ63、上記大入賞口への遊技球の入球を検出する大入賞口スイッチ64、上記一般入賞口への遊技球の入球を検出する一般入賞口スイッチ65、後述の遊技済み球を検出する遊技済み球検出スイッチ281、後述のファール球を検出するファール球検出スイッチ331等と電気的に接続されており、I/Oポート回路(入力ポート)を介して、各種スイッチからの検出信号を入力する。また、主制御基板51は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特別図柄保留ランプ73、第2特別図柄保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77(図4を参照)、状態表示灯78(図4を参照)、右打ち
指示灯79(図4を参照)、エラー表示灯70(図4を参照)と電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド81及び特別電動役物ソレノイド82と電気的に接続されており、I/Oポート回路(出力ポート)を介して、制御信号を主制御表示装置700の各種表示手段および各種ソレノイドに出力する。さらに、主制御基板51には、後述の性能表示モニタ500が搭載されており、I/Oポート回路(出力ポート)を介して、制御信号を性能表示モニタ500に出力する。
この主制御基板51と演出制御基板52との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板51から演出制御基板52へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板51から演出制御基板52へ各種の演出制御コマンドが送信される。また、主制御基板51は、払出制御基板54と電気的に接続され、払出制御基板54との間で双方向通信が可能となっている。また、主制御基板51は、発射制御基板180と電気的に接続され、主制御基板51から発射制御基板180へ一方向通信が可能となっている。
演出制御基板52は、主制御基板51からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPUと、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。演出制御基板52は、画像制御基板53と双方向通信が可能となるように接続されており、画像制御基板53に対して画像及び音響を指示する画像制御コマンドを送信する。また、演出制御基板52は、演出ランプ11及び可動役物19と電気的に接続されており、演出ランプ11を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、可動役物19を制御するための駆動制御信号(駆動データ)を生成して、この制御信号を各デバイスに出力する。また、演出制御基板52は、演出操作手段12と電気的に接続されており、遊技者の操作に応じて、演出操作手段12からの操作入力信号を入力する。
画像制御基板53は、演出制御基板52からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPUと、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。画像制御基板53は、演出表示装置27及びスピーカ8等と電気的に接続されており、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置27に送信するとともに、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ8に送信する。また、画像制御基板53は、演出制御基板52からの画像制御コマンドに対する応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)を演出制御基板52へ送信する。
払出制御基板54は、主制御基板51からの払出制御コマンドに基づき賞球払出に関する各種の演算処理を行うCPUと、払出制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って賞球払出に係る主要な制御を実行するように構成されている。払出制御基板54は、賞球払出ユニット35及び貸球操作装置(図示せず)等と電気的に接続されており、主制御基板51からの払出制御コマンドに基
づき、或いは、貸球操作装置からの操作信号に基づき、賞球払出ユニット35を作動させて、遊技球を上球皿6又は下球皿7に払い出す制御を実行する。
発射制御基板180は、主制御基板51からの発射制御コマンドに基づき遊技球発射に関する各種の演算処理を行うCPUと、発射制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技球発射に係る主要な制御を実行するように構成されている。発射制御基板180は、発射ハンドル9、球送り機構100、発射機構150等と電気的に接続されており、発射ハンドル9からの操作信号に基づき、球送り機構100と発射機構150とを同期的に作動させて、遊技球を発射する制御を実行する。このとき、主制御基板51では、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合、発射制御基板180に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合、発射制御基板180に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、遊技球を上球皿6に貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、球送り機構100によって1球ずつ発射機構150に送り出され、該発射機構150により遊技領域PAに向けて打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口、第2始動口、大入賞口、一般入賞口のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット35により上球皿6又は下球皿7に払い出される。本例では、第1始動口又は第2始動口に入賞した場合の賞球数は「3個」、大入賞口に入賞した場合の賞球数は「10個」、一般入賞口に入賞した場合の賞球数は「5個」である。また、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入球すると、特別図柄遊技の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(変動開始条件)が成立する場合、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置27において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、特別遊技に移行し、大入賞口の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技(大当り遊技)として、当選した大当り種別(大当り図柄)に応じて、規定ラウンド数の異なる複数種の特別遊技のうちの何れかが展開される。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1又は複数回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。
[遊技補助盤]
次に、遊技補助盤40に設けられた各機構部について、図6〜図34を追加参照して説明する。遊技補助盤40には、図6等に示すように、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構100、球送り機構100から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構150、遊技領域PAの各入賞口やアウト口29に入球して
遊技盤20の後面側へ流下した遊技球(以下「遊技済み済球」とも称する)を機外へ排出するための遊技球排出機構200(図13等を参照)、発射機構150により打ち出されて遊技領域PAへ到達できずに戻ってきた遊技球(以下「ファール球」とも称する)を下球皿7に回収するためのファール球回収機構300などが設けられている。なお、図面上では、遊技球(後述の不正球を含む)を符号「B」で表す。
<球送り機構>
球送り機構100は、図10〜図12に示すように、ガラス枠5と前後に対向する前ケース部材110と、発射機構150と前後に対向する後ケース部材120と、遊技球を1球ずつ発射機構150へ送り出す球送り部材130と、球送り部材130を揺動させる球送りソレノイド140とを有して構成される。
前ケース部材110及び後ケース部材120は、共に無色透明な樹脂材料(例えばポリカーボネート)を用いて射出成形等の成形手段により形成されている。前ケース部材110及び後ケース部材120は、それぞれの四隅に形成された係合部同士を係合させることで、略矩形の箱形に組み合わされて一体化される。各ケース部材110,120の内部には、上球皿6から流下した遊技球を1球ずつ発射機構150へ送り出すための球送り通路101が形成されている。
前ケース部材110は、後ケース部材120の前面開口を閉止可能な板状に形成されている。前ケース部材110の前面には、球送り通路101の上流端に開口し、ガラス枠5に前後貫通して設けられた連通穴(図示せず)と連絡して上球皿6から流下する遊技球を受け入れるための球入口111が形成されている。また、前ケース部材110の前面には、球送り部材130に形成された揺動ストッパ134が挿通される長穴状の揺動規制穴112が上下に延びて形成されている。
後ケース部材120は、前面に開口を有する矩形箱状に形成されている。後ケース部材120には、球送り通路101の底面をなす通路床部121が形成されている。後ケース部材120の内面側には、球送り通路101の下流端に達した遊技球を発射機構150の発射レール173上に導くための球出口122が形成されている。また、後ケース部材120の内面には、球送り部材130の軸部135と係合して該球送り部材130を揺動自在に支持する支持穴123が形成されるとともに、球送りソレノイド140が固定されるソレノイド取付部124が形成されている。また、球出口122の左側縁部には、ブロック状のガイド部125が後方に突出して形成されており、球出口122を通過する遊技球の側方を案内するようになっている。後ケース部材120の下端には、下方に突出する固定爪126が形成されており、発射機構150の外周部前方を覆う発射機構カバー(図示せず)の下部にこの固定爪126が係止されることで、球送り機構100が発射カバー(発射機構150)の前面側に固定されるようになっている。
球送り部材130は、図12に示すように、樹脂材料を用いて図示する形状に形成され、球受容部131、球送りレール部132及び棹部133を有して構成される。球送り部材130は、各ケース部材110,120の内部に軸部135を中心として揺動自在に取り付けられる。球送り部材130の側部には、前ケース部材110の揺動規制穴112に挿通される突起状の揺動ストッパ134が設けられており、この揺動ストッパ134が揺動規制穴112に沿って移動可能な範囲内で球送り部材130の揺動が許容される。それにより、球送り部材130は、球出口122を閉止する球出口閉止位置と、球出口122を開放する球出口開放位置との間で揺動可能に構成される。
球受容部131は、球出口閉止位置に揺動すると、球送り通路101を開通するように右方へ変位し、球送り通路101を流下する遊技球を1球だけ受け入れて保持する。また
、球受容部131は、球出口開放位置に揺動すると、球送り通路101を閉止するように左方へ変位し、保持した遊技球を球送りレール部132(球出口122)へ向けて送るとともに、球送り通路101を流下する遊技球を堰き止める。
球送りレール部132は、基端部が球受容部131の下部に繋がるとともに、先端部が球出口122から後方外方へ突出して延びる板状に形成されている。球送りレール部132は、球出口閉止位置に揺動すると、球出口122を閉止するように右方に変位する。また、球送りレール部132は、球出口開放位置に揺動すると、球出口122を開放するように左方に変位し、球受容部131から送られた遊技球を発射機構150の発射レール173上に流下させる。なお、球送りレール部132の上面は、先端部(後端部)に向けて下傾するだけでなく、左側のガイド部125に向けても下傾しており、遊技球がガイド部125に沿って球送りレール部132上を流下するようになっている。
棹部133は、球受容部131の下端から下方へ延びる棒状に形成されている。棹部133の内部には、永久磁石136が取り付けられている。
球送りソレノイド140は、各ケース部材110,120の内部において棹部133の近傍に配設されている。球送りソレノイド140には、ソレノイド制御基板(図示せず)が電気的に接続されており、ソレノイド制御基板から出力された駆動信号により球送りソレノイド140が駆動される。球送りソレノイド140がオン作動すると(通電状態になると)、球送りソレノイド140から発生した磁力を受けて、永久磁石136が球送りソレノイド140に反撥し、球送り部材130が球出口閉止位置に揺動する。一方、球送りソレノイド140がオフ作動すると(非通電状態になると)、球送りソレノイド140からの磁力が消失し、球送り部材130が重力の作用により降下して球出口開放位置に揺動する。
<発射機構>
発射機構150は、図10〜図11に示すように、遊技球を発射する発射機構部160と、発射機構部160により発射された遊技球を外レール21(案内通路24)に案内する発射レール部170とを備えて構成される。この発射機構150は、球送り機構100の後面側に重なって配設される。
発射機構部160は、遊技盤20の盤面とほぼ平行な面内で揺動可能に設けられて遊技球を打ち出すハンマ161と、このハンマ161を揺動させる発射ソレノイド163とを備えている。
発射レール部170は、遊技補助盤40の発射装置取付部41に取り付けられるベースプレート171と、このベースプレート171に取り付けられて斜め上方に延びる横断面がV字形の発射レール173と、発射レール173のレール面と対向して設けられ遊技球を発射レール173の傾斜下端に位置する打撃位置(発射位置)に留置するガイドホルダ175とを備えている。
ベースプレート171は、平板状に形成されており、遊技補助盤40の発射装置取付部41にビス止め固定される。ベースプレート171の前面には、ハンマ161を弾性的に受け止める二つのストッパ165,166が取り付けられている。発射レール173は、右下端における遊技球の打球位置から外レール21と内レール22との間の案内通路24に向けて(すなわち外レール21の下端近傍のレール面よりも上方に向けて)左斜め上方に延びて設けられている。
発射ソレノイド163は、ベースプレート171の後面側にビス止め固定され、その本
体部分がベースプレート171の後面側に突出している。発射ソレノイド163には、発射制御基板180が電気的に接続されており、発射制御基板180から出力された駆動信号により発射ソレノイド163が駆動される。発射ソレノイド163の可動鉄芯164は、ベースプレート171に前後貫通された鉄芯挿通孔172を通してベースプレート171の前面側に達するように構成されており、この可動鉄芯164にハンマ161が連結されている。このようにして、ハンマ161はベースプレート171の前面側に取り付けられ、発射ソレノイド163の作動により可動鉄芯164を揺動軸として、発射レール173上にセットされた遊技球を打球可能な打球位置と、該打球位置から右下方に退避した待機位置との間で揺動可能に構成される。すなわち、ハンマ161は、右方の待機位置から左方の打球位置への揺動により遊技球を遊技領域PAに向けて発射可能となっている。具体的には、発射ソレノイド163がオン作動すると(通電状態になると)、発射ソレノイド163の駆動力を受けてハンマ161が待機位置から打球位置へ揺動し、発射ソレノイド163がオフ作動すると(非通電状態になると)、ハンマ161が重力の作用を受けて打球位置から待機位置へ揺動する。
発射制御基板180は、矩形板状のプリント配線板を基板とし、このプリント配線板に各種の電気・電子部品が実行されて発射制御回路が形成されている。この発射制御基板180は、発射ハンドル9(具体的には該ハンドル内に装備されたポテンショメータやタッチセンサなど)と電気的に接続されており、遊技者による発射ハンドル9の回動操作量に応じた操作信号に基づき、発射ソレノイド163の作動と、ソレノイド基板(図示せず)を介した球送りソレノイド140の作動とを同期的に制御する。発射制御基板180は、無色透明の樹脂材料を用いて矩形箱状に形成された発射基板ケースに収容保持された状態で遊技補助盤40の発射装置取付部41にビス止め固定される。
なお、本実施形態において、球送り機構100及び発射機構150は着脱可能に一体化されており、一つのユニットとして遊技補助盤40の前面側に形成された発射装置取付部41に取り付けることが可能である。以下では、球送り機構100と発射機構150とが一体化されたアセンブリ状態を「発射ユニット190」とも呼称する。
<遊技球排出機構>
遊技球排出機構200は、図13〜図18等に示すように、遊技補助盤40の後面側に設けられて遊技済み球(遊技盤20の後面側から流下した遊技球)を機外へ排出するための遊技済み球排出通路250が形成された通路形成部材201と、遊技済み球排出通路250を流下する遊技球を検出するためのセンサアセンブリ280とを備えて構成される。
通路形成部材201は、遊技補助盤40の後面側に設けられた第1通路形成部材210と、この第1通路形成部材210の後面側に設けられた第2通路形成部材220とを備えて構成される。なお、この通路形成部材201(詳しくは第2通路形成部材220)の後面側には、当該通路形成部材201との間で後述の球抜き通路400等を形成する通路カバー部材230(図26、図28、図30を参照)が着脱可能に取り付けられる。
遊技済み球排出通路250は、図13〜図17に示すように、幅広通路251、第1前側通路252、第2前側通路253、連絡通路254、後側通路255、湾曲通路256及び排出通路257を有して構成される。
幅広通路251は、第1通路形成部材210の左側上端部に形成されており、遊技盤20の後面と、第2通路形成部材220の左側前部に形成された後側通路壁部221の前面との間で、前後を仕切られている。幅広通路251は、前後方向に遊技球約2個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、幅広通路251に落下した遊技球は、その右方に設けられた第1前側通路252へ向けて流
下するようになっている。
第1前側通路252は、幅広通路251の右端部の後列側に連続的に繋がって形成されている。第1前側通路252は、第1通路形成部材210の中央上端部に形成されており、第1通路形成部材210の右側上部に形成された前側通路壁部211と、第2通路形成部材220の後側通路壁部221との間で、前後を仕切られている。第1前側通路252は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、第1前側通路252に達した遊技球は、その右方に設けられた連絡通路254へ向けて流下するようになっている。
第2前側通路253は、連絡通路253の右端部に連続的に繋がって形成されている。第2前側通路253は、第1通路形成部材210の右側上端部に形成されており、第1通路形成部材210の前側通路壁部211に前方を仕切られている。第2前側通路253は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、第2前側通路253に達した遊技球は、その左方に設けられた連絡通路254へ向けて流下するようになっている。
連絡通路254は、第1前側通路252の右端部及び第2前側通路253の左端部に連続的に繋がって形成されている。連絡通路254は、第1通路形成部材210の中央上端部に形成されており、第1通路形成部材210の前側通路壁部211に前方を仕切られて、その後方には後側通路255が臨んでいる。連絡通路254は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左右には略水平に延びて後方に向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、連絡通路254に達した遊技球は、その後方に設けられた後側通路255へ向けて流下するようになっている。
後側通路255は、上記一列の通路252〜254の後方側において、これらの通路252〜254よりも低い高さ位置で左右に延びて形成されている。後側通路255は、第2通路形成部材220の前面側の右側上端部に形成されている。後側通路255は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、後側通路255に達した遊技球は、その左方に設けられた湾曲通路256へ向けて流下するようになっている。
湾曲通路256は、後側通路255の左端部に連続的に繋がって形成されている。この湾曲通路256は、第1通路形成部材210と第2通路形成部材220との間に跨って前後方向に延びて形成されている。この湾曲通路256は、平面視にて略S字状に左右湾曲しながら、後方から前方に向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、湾曲通路256に達した遊技球は、その前方に設けられた排出通路257に流下するようになっている。
排出通路257は、湾曲通路256の前端部に連続的に繋がって形成されている。この排出通路257は、第1通路形成部材210の後面と第2通路形成部材220の前面との間に形成されている。排出通路257は、図16等に示すように、右側から左側に向かって下り傾斜する上側通路部257aと、この上側通路部257aの左端部に繋がって略上下方向に延びる鉛直通路部257bと、この鉛直通路部257bの下端に繋がって左側から右側へ向かって下り傾斜する下側通路部257cとを有しており、全体として略U字状に湾曲形成されている。鉛直通路部257bの途中には、この鉛直通路部217bを流下する遊技球(遊技済み球)を検出するための遊技済み球検出スイッチ(遊技済み球検出センサ)281が配設されている。
排出通路257の末端部には、下方に開口する遊技球排出口258が形成されている。
そのため、排出流路257を流下する遊技球は、下端の遊技球排出口258から機外(当該遊技機PMの外部)へ排出され、最終的には遊技島(遊技ホール施設)に回収される。
センサアセンブリ280は、図14、図15、図16及び図18等に示すように、遊技球を検出する遊技済み球検出スイッチ(遊技済み球検出センサ)281と、この遊技済み球検出スイッチ281を保持するセンサホルダ282とを有して構成される。このセンサアセンブリ280は、通路形成部材201(第1通路形成部材210)の前面側に形成されたセンサアセンブリ取付部202に着脱可能に取り付けられる。センサアセンブリ取付部202は、遊技補助盤40の前面側に形成された発射装置取付部41と前後に位置整合しており、この発射装置取付部41の略中央に前後貫通して形成された中央開口42を通して前方に露出される。但し、通常時においては、この中央開口42は発射装置取付部41に装着された発射ユニット190により閉塞されている。また、発射装置取付部41には、第1通路形成部材210との接続部分に、上下方向に開口するホルダ挿通口41aが形成されている。このホルダ挿通口41aは、後述のセンサホルダ283(保持具本体283)の上部を受容可能(挿通可能)な大きさに形成されるとともに、当該受容状態(挿通状態)においてセンサアセンブリ280を前後に傾動させることが可能な大きさに形成されている。
遊技済み球検出スイッチ281は、遊技球の通過を検出する通過型センサ(例えば電磁誘導型の近接センサ)であり、遊技済み球排出通路250を流下する遊技球の実数をカウントする。この遊技済み球検出スイッチ(通過型センサ)281は、遊技球が検出口を通過すると、この検出口の周囲に配置されたコイル(図示せず)のインピーダンスが変化することにより、遊技球(金属物体)を検出する。なお、遊技済み球検出スイッチ281は、例えばフォトセンサ等の光学式センサにより構成されていてもよい。
センサホルダ282は、図18等に示すように、遊技済み球検出スイッチ281の外面を嵌挿する保持孔283aが開口された枠状の保持具本体283と、この保持具本体283の前面側から突出して排出球検出スイッチ281の外面と係合する係合腕部284と、第1通路形成部材210の前面側にビス止め固定される固定片部285とを備えている。
保持具本体283は、遊技済み球検出スイッチ281を略水平姿勢で保持する縦型に形成されている。保持孔283aは、遊技済み球検出スイッチ281の縦断面形状に合わせた矩形状に開口されている。保持具本体283には、第1通路形成部材210の前面側に突出形成された位置決め用のピン(図示せず)が挿入される位置決め孔283bが表裏に貫通されている。係合腕部284の先端は、遊技済み球検出スイッチ281の隅角部に係合可能な略鉤爪形状に形成されている。この係合腕部284は、センサアセンブリ280が通路形成部材201に装着されたとき、遊技済み球検出スイッチ281が前方に移動されるのを阻止するように構成されている(遊技済み球検出スイッチ281が引き抜かれるのを規制する)。固定片部285には、第1通路形成部材210に固定するためのビス289(図14〜図15を参照)が挿通されるビス挿通孔285aが表裏に貫通されている。
センサアセンブリ280は、センサアセンブリ取付部202の前面側に開設されたセンサ装着孔203(図15を参照)にスライド装着される。このセンサ装着孔203は、第1通路形成部材210と第2通路形成部材220とに跨って、鉛直通路部257bの通路方向(上下方向)と直交する方向(前後方向)に延びて開設されている。そのため、遊技済み球検出スイッチ281は、センサ装着孔203に沿って前後方向にスライド装着される。また、センサ装着孔203のうち、第1通路形成部材210側に形成された孔部203aは、遊技済み球検出スイッチ281(センサアセンブリ280)の厚みよりも大きな縦幅に形成されており、センサアセンブリ280がセンサ装着孔203に取り付けられた
とき、センサ装着孔203がセンサアセンブリ280により閉塞されて、保持具本体283の後面側の外壁面が、排出通路257の内壁面の一部を形成する。こうして遊技済み球検出スイッチ281がセンサ装着孔202に装着されると、平面視にて遊技済み球検出スイッチ281の検出口と鉛直通路部257bとが互いに位置整合し、鉛直通路部257bを流下する遊技球が遊技済み球検出スイッチ281の検出口を通過可能となる。このセンサアセンブリ280は、常には、遊技補助盤40の前面側に取り付けられた発射ユニット190により覆われる。
かかる構成のセンサアセンブリ280を通路形成部材201から取り外すには、まず、遊技補助盤40(発射装置取付部41)の前面側に設けられた発射ユニット190を取り外す。発射ユニット190を遊技補助盤40から取り外すと、発射装置取付部41の中央開口42が前方に開放されて、センサアセンブリ280が露出される(視認可能となる)。それにより、その中央開口42を通じて、遊技済み球検出スイッチ281にアクセス可能となり、遊技済み球検出スイッチ281の保守、点検、交換等のメンテナンス作業が可能となる。そして、センサホルダ282の固定片部285からビス289を取り外して、センサアセンブリ280を若干後方にスライドさせた後、保持具本体280の上部が後方に向けて傾倒した姿勢(後傾姿勢)となるようにセンサアセンブリ280を図15の時計回り方向に傾動させ、センサアセンブリ280を斜め前方下方に抜くことで、センサアセンブリ280をセンサアセンブリ取付部202(通路形成部材201)から取り外すことが可能となる。
一方、センサアセンブリ280をセンサアセンブリ取付部202(通路形成部材201)に取り付けるには、まず、保持具本体283の上部が後方に向けて傾倒した姿勢(後傾姿勢)となるようにセンサアセンブリ280を図15の時計回り方向に傾動させて、保持具本体283の上部をホルダ挿通口41aに挿入させた後、保持具本体283の上部が垂直姿勢となるようにセンサアセンブリ280を図15の反時計回り方向に傾動させ、センサアセンブリ280を前方にスライドさせる。こうして、センサアセンブリ280を第1通路形成部材210の前面側に開口されたセンサ装着孔203に挿入する。続いて、センサホルダ282の固定片285にビス289を挿入して、ビス289を第1通路形成部材210のネジ孔に螺着させることで、センサアセンブリ280を通路形成部材201に固定することができる。そして、発射ユニット190を遊技補助盤40の発射装置取付部41に取り付けることで、センサアセンブリ280が発射ユニット190により隠蔽され、外部からアクセス不能となる。
<ファール球回収機構>
ファール球回収機構300は、図6〜図8、図19〜図23等に示すように、遊技補助盤40の前面側に着脱される補助盤カバー310と、遊技領域PAに到達できずに戻ってくるファール球を回収するファール球通路330とを備えて構成される。
補助盤カバー310は、図22〜図23等に示すように、無色透明の樹脂材料を用いて全体として矩形箱状に形成されており、遊技補助盤40の前面側に形成された補助盤カバー取付部43(図9を参照)に着脱可能に取り付けられる。この補助盤カバー310は、該補助盤カバー310の前面部を形成する基壁部311と、基壁部311の後面側から後方に延びて通路壁を画成する樋部312と、基壁部311の後面側で左斜め上方に延びた傾斜面を有する発射案内壁部313と、基壁部311の後面側の右上の隅部に形成された隅角壁部314と、基壁部311の後面側の下端で左右に延びて通路壁を画成する底壁部315と、樋部312の左側部に設けられて遊技補助盤40に固定される連結壁部316と、基壁部311の下端部に形成されて下方に開口する補助盤ダクト部317とを備えて構成される。補助盤カバー310は、遊技補助盤40(補助盤カバー取付部43)の前面側に着脱可能に取り付けられ、発射機構150(発射レール173)の上端部と遊技盤2
0(案内通路24)の下端部との間に配置される。
補助盤カバー310の上端部には、遊技盤20の案内通路24の下端部と略上下に対向して遊技球が通過可能な上端開口321が開放されている。補助盤カバー310の右端部には、発射レール173の上端部に近接して、発射機構150により打ち出された遊技球が通過する発射ガイド口322が形成されている。補助盤カバー310の下端部(補助盤ダクト部317)には、下方に開放されて遊技球が通過可能な下端開口323が形成されている。この下端開口323は、遊技補助盤40の前面側に揺動自在に設けられた開閉弁49(図6〜図9等を参照)により開閉可能に構成されている。なお、補助盤ダクト317の後方には、上球皿6が満杯状態となったときに、その溢れ出た遊技球が流下するオーバーフロー通路420(図16〜図17を参照)の下流端が連結している。
補助盤カバー310には、右側方の発射ガイド口322と上方の上端開口321とを繋ぎ、発射案内壁部313に沿って左斜め上方に傾斜して延びる発射通路324が形成されており、発射機構150により打ち出された遊技球が発射通路324を通過可能に構成されている。図8に示すように、この発射通路324は、発射機構150の発射レール173と略平行に延びている(発射レール173の延長線上に配置されている)。
補助盤カバー310の連結壁部316には、この補助盤カバー310を遊技補助盤40(補助盤カバー取付部43)に取り付けるための取付構造として、平面視にてL字状に屈曲する上下一対の突起部316aと、左方に突出して前後方向に弾性変形可能な係合アーム部316bとが設けられている。
一方、遊技補助盤40(補助盤カバー取付部43)の前面側には、図9等に示すように、補助盤カバー310に設けられた一対の突起部316aが挿着される一対の取付孔43aが前後に貫通されている。また、補助盤カバー取付部43の前面側には、補助盤カバー310に設けられた係合アーム部316bが係合される被係合凸部43bが前方に突出して形成されている。
補助盤カバー310を補助盤カバー取付部43に装着するには、補助盤カバー310の各突起部316aを補助盤カバー取付部43の各取付孔43aに挿入してから、補助盤カバー310を右方にスライドさせる。それによりL字状の突起部316aが取付孔43aに係合され、補助盤カバー310の上下及び前後の移動が規制される。また、補助盤カバー310を右方にスライドさせたときに、補助盤カバー310の係合アーム部316bが前方に弾性変形しながら補助盤カバー取付部43の被係合凸部43bの傾斜面を乗り越えたところで、この係合アーム部316bが元の姿勢状態に弾性復帰して、係合アーム部316bの左端と被係合凸部43bの右端とが左右に係合することで、補助盤カバー310の左右の移動が規制される。それにより、補助盤カバー310が前後、左右及び上下に拘束され、補助盤カバー310が補助盤カバー取付部43に固定される。図19に示すように、補助盤カバー310が遊技補助版40に装着されると、この補助盤カバー310と遊技補助盤40と通路形成部材201とに跨って、上端開口321に落入した遊技球(ファール球)を下端開口323へ導くためのファール球通路330が画成される。
ファール球通路330は、図19等に示すように、補助盤カバー310の樋部312上に形成された第1ファール球通路340と、遊技補助盤40と通路形成部材201とに跨って形成された第2ファール球通路350と、補助盤カバー310の底壁部315上に形成された第3ファール球通路360とを有して構成される。つまり、ファール球通路330のうち、第1ファール球通路340及び第3ファール球通路360が補助盤カバー310に形成され、第2ファール球通路350が遊技補助盤40と通路形成部材201との間に形成されている。
第1ファール球通路340は、補助盤カバー310の樋部312上において、左右方向に遊技球複数個分の通路幅を有して、前方から後方に向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、上端開口321から第1ファール球通路340に落入した遊技球は、その後方に設けられた第2ファール球通路350へ向けて流下するようになっている。
第2ファール球通路350は、第1ファール球通路340と第3ファール球通路360とに連続的に繋がっている。すなわち、第2ファール球通路350の上流端に形成された球入口351は、第1ファール球通路340の下流端と連続的に繋がり、第2ファール球通路350の下流端に形成された球出口352(図21等を参照)は、第3ファール球通路360の上流端と連続的に繋がる。
第2ファール球通路350は、図19〜図21に示すように、球入口351に連通して上下方向に延びる上流側通路部353と、上流側通路部の下端に繋がり左側から右側へ下り傾斜する中流側通路部354と、中流側通路部の右端に繋がり後側から前側へ下り傾斜して球出口に繋がる下流側通路部355とを備えている。各通路部353〜355は、遊技球が1個通過できる通路幅(遊技球1個分の直径よりも広く且つ遊技球2個分の直径よりも狭い通路幅)に形成されている。そのため、第1ファール球通路340から球入口351へ導入された遊技球は、上流側通路部353、中流側通路部354、下流側通路部355の順に流下して、球出口352から第3ファール球通路360へ排出される。
ここで、第2ファール球通路350の途中には、当該第2ファール球通路350を流下する遊技球を検出するためのファール球検出スイッチ(ファール球検出センサ)331が取り付けられている。ファール球検出スイッチ331は、前述の遊技済み球検出スイッチ281と同様に、遊技球の通過を検出する通過型センサ(例えば電磁誘導型の近接センサ)であり、ファール球通路330を流下する遊技球の実数をカウントする。
第3ファール球通路360は、補助盤カバー310の底壁部315上において、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、第3ファール球通路360に達した遊技球は、その左方に設けられた補助盤ダクト317の下端開口323へ向けて流下するようになっている。
このようにファール球通路330を流下した遊技球は、前述したように、補助盤カバー310の下端部に形成された補助盤ダクト317の下端開口323へと導かれる。この補助盤ダクト317の下端開口323は、前述したとおり、遊技補助盤40に揺動自在に設けられた開閉弁49により開閉可能に構成されている。具体的には、ガラス枠5が開放されているときは、開閉弁49が不図示のバネにて前方に付勢されて下端開口323は閉塞される。一方、ガラス枠5が閉止されているときは、ガラス枠5の背面に突出して設けられた下球皿ダクト(図示せず)により開閉弁が後方に押圧されて下端開口323が開放される。すなわち、補助盤ダクト317の下端開口323の真下に、下球皿ダクトが配置されることになる。こうして下端開口323が開放された状態では、この下端開口323から下方に排出された遊技球は上記の下球皿ダクト内に落入するようになっている。この下球皿ダクトは、ガラス枠5に表裏貫通して形成された下球皿通路(図示せず)に連通している。そのため、下球皿ダクトに落入した遊技球は、ガラス枠5の後面側から前面側へと上記の下球皿通路を流下して、該ガラス枠5の前面側に設けられた下球皿7に供給されるようになっている。なお、上記のとおり、ガラス枠5が開放されているときは、不図示のバネにて開閉弁49が前方に付勢されて揺動することで、下端開口323は開閉弁49の側面で閉塞され、オーバーフロー通路420(図16〜図17を参照)は開閉弁49の上面で閉塞されることになる。
このように上端開口321に落入した遊技球(ファール球)は、第1ファール球通路340→第2ファール球通路350→第3ファール球通路360→補助盤ダクト317→下球皿ダクト(図示せず)→下球皿通路(図示せず)→下球皿7といった順に、その流下方向を前後、左右及び上下と変化させながら、遊技機PM内に形成された各流路を流下する。そのため、遊技球(ファール球)の流下方向は、該遊技機PMを正面視した状態で、奥方向Y1(図19を参照)→下方向Y2(図19を参照)→右方向Y3(図20を参照)→手前方向Y4(図21を参照)→左方向Y5(図21を参照)→手前方向Y6(図21を参照)→下方向Y7(図19を参照)、という順に方向転換される。つまり、ファール球の流下経路は、全体として螺旋形状に近くなるように、意図的に折曲又は屈曲されて形成されている。
ところで、本遊技機PMにおいて遊技が正常に行われている状態では、原則として各種入賞口への遊技球1球の入球につき1回の入賞が検出されるものであるが、近年においては、各種入賞口へ入球した遊技球を不正に操作することで連続入賞を検出させる不正入賞行為(俗に「糸吊りゴト」と称される)が頻発している。この代表的な手口を概説すると、まず、釣糸などの線材の一端側に遊技球を固着し、この線材の他端側を不正行為者自身が手で持ち、このような細工を施した遊技球(「不正球」とも称する)を発射機構150により遊技領域PAへ打ち出す。この不正球が遊技領域PAまで達すると、線材を操作して或いは外部から強力な磁石などを用いて不正球を入賞口まで誘導して該入賞口に入球させる。そして、線材を手前側に引っ張ったり(引き込んだり)奥側へ送り込んだりする操作を繰り返すことで、不正球を入賞口スイッチにて何度も検出させて(典型的には不正球を通過型センサに何度も通過させて)連続入賞を獲得する。これが近年において頻発している不正球を利用した不正入賞行為の概要である。なお、最近では不正の手口が巧妙化しており、不正球を上球皿6に投入することで該不正球を球送り機構100を介して発射機構150へ送り出す典型的な手口の他、不正球を下球皿7から機内の通路(ファール球通路)を逆流させて該不正球を球送り機構100を介さずに発射機構150へ直接送り出す手口も発見されている。
そこで、本実施形態のぱちんこ遊技機PMにおいては、上記のような糸吊りゴトと呼ばれる不正入賞行為を防止すべく不正防止構造(逆流通路、逆止弁、不正球排除通路など)が設けられている。
前述したように、ファール球の流下経路には、該ファール球の流下方向を変化させる方向転換部が複数存在する。この複数の方向転換部のうち、第1ファール球通路340の下流端と第2ファール球通路350の上流端との接続部分(方向転換部)には、このファール球通路330から分岐する逆流通路370(図19等を参照)が形成されている。
逆流通路370は、図19等に示すように、第1通路形成部材210と第2通路形成部材220との間において、上流側通路部353と略上下方向に連続的に繋がって形成されている(上流側通路部353のほぼ延長線上に存在する)。この逆流通路370は、第1ファール球通路340よりも高い位置(遊技球約1個分以上高い位置)に形成されているため、第1ファール球通路340から流下してきた遊技球(ファール球)が球入口351の上方に配された逆流通路370に進入することはなく、必ず、球入口351の下方に配された第2ファール球通路350に進入するように構成されている。そのため、遊技球が逆流通路370に進入する場合とは、遊技球(不正球)が外部から不正に操作されることで、該遊技球(不正球)がファール球通路330を逆流するときである。すなわち、遊技球(不正球)がファール球通路を逆流する場合には、該遊技球(不正球)は上流側通路部353を下方から上方へ向けて略垂直方向に移動するため、該遊技球(不正球)は上流側通路部353の延長線上にある逆流通路370へと導かれやすくなっている。つまり、逆流通路370は、ファール球通路330を逆流する遊技球(不正球)を捕捉するための不
正球専用通路として形成されている。
図19に示すように、第1通路形成部材210には、逆流通路370を画成するための前壁部215、上壁部216及び後壁部217が形成されている。前壁部215は、第2ファール球通路350の球入口351の上方に設けられている。この前壁部215の後面側には、後述の逆止弁380を取り付けるための弁装着部215a(図25を参照)が形成されている。
逆止弁380は、図29に示すように、左右方向に延びる円筒状の揺動軸381と、この揺動軸381の外周面から径方向外方へ直線状に延びた平板状の弁体部382とを備えて構成される。この逆止弁380は、図24〜図25等に示すように、揺動軸381の一端部が弁装着部215aに形成された軸孔215bに受容支持され、揺動軸381の他端部が第1通路形成部材210の後面側にビス止め固定された弁保持具385に受容支持されることで、この揺動軸381を中心として上下に揺動自在に構成されている。弁体部382は、逆流通路370の一部を閉鎖可能な大きさに形成されている。
逆止弁380の上方への揺動(図19における反時計回りの揺動)は、弁体部382が上壁部216に当接したところで制限され、逆止弁380の下方への揺動(図19における時計回りの揺動)は、弁体部382が前壁部215に一体形成された規制壁部215cに当接したところで制限される。そのため、逆止弁380は、弁体部382が上壁部216に当接した位置(「上限位置」と称する)と、弁体部382が規制壁部215cに当接した位置(「下限位置」と称する)との間で上下に揺動可能である。なお、逆止弁380は、通常時には、弁体部382の自重により下方に傾倒して逆流通路370の一部を閉鎖する下限位置に保持される。逆止弁380が下限位置にある場合、弁体部382の先端と後壁部217の上端との間には、遊技球1個分よりも狭い間隙しか空いていない(逆流通路370の一部が閉鎖されている)。なお、本実施形態において、逆流通路370の閉鎖とは、該逆流通路370を完全に閉鎖する意味に限定されず、遊技球の通過(逆戻り)を妨げる程度の閉鎖状態を含む概念で用いている。遊技球が第2ファール球通路350から逆流通路370へ移動する場合は、逆止弁380が下限位置から上限位置に向けて揺動することで、遊技球の通過が許容される。一方、遊技球が逆流通路370から第2ファール球通路350に移動する場合は、逆止弁380が規制壁部315bに当接して下限位置に保持されることで、遊技球の通過が規制される。そのため、一旦、遊技球が第2ファール球通路350から逆流通路370内に侵入すると、逆流通路370の入口部分(下端の開口部)が逆止弁380により閉鎖されることで、該遊技球は第2ファール球通路350に戻ることはできない。
逆流通路370は、前述したように、第1通路形成部材210と第2通路形成部材220との間に形成されている。ここで、第1通路形成部材210の後壁部217には前後に貫通する前貫通口219(図16等を参照)が形成され、第2通路形成部材220には前後に貫通する後貫通口229(図17等を参照)が形成されており、この貫通口219,229同士が前後に整合することで、背面視において矩形状に開口された不正球排除口390が形成される。この不正球排除口390は、遊技球が前後方向に通過できる大きさに形成されている(遊技球の直径よりも大きな縦幅及び横幅を有している)。不正球排除口390は、通路形成部材201内に画成された逆流通路370と、通路形成部材210と通路カバー部材230との間に画成された不正球排除通路391とを連通させるための連絡口として機能する。そのため、逆流通路370に侵入した遊技球は、この不正球排除口390を通過することで、後述の不正球排除通路391へと導かれる。
不正球排除通路391は、図19等に示すように、第2通路形成部材220の後面側と、この第2通路形成部材220の後面側に取り付けられる通路カバー部材230の前面側
との間に形成されている。この不正球排除通路391は、図26等に示すように、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。不正球排除通路391の下流端には、球抜き通路400と合流するための合流口392が形成されている。そのため、不正球排除通路391へ排出された遊技球は、この不正球排除通路391を流下して、その下流端の合流口392から球抜き通路400へ落入する。
球抜き通路400は、第2通路形成部材220の後面側と通路カバー部材230の前面側との間に形成されている。球抜き通路400は、賞球払出ユニット35の球抜き口(図示せず)と連通しており、賞球払出ユニット35から球抜きされた遊技球が流下するように構成されている。この球抜き通路400の途中に上記の不正球排除通路391の下流端(合流口)が連通されており、賞球払出ユニット35から球抜きされた遊技球と、不正球排除通路391から流下した遊技球とがここで合流するようになっている。球抜き通路400は、前後方向に遊技球1個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。この球抜き通路400の下流端は、上記の遊技球排出通路の末端に形成された遊技球排出口258に連通している。そのため、球抜き通路400に落入した遊技球は、この球抜き通路400を流下して、その下端に形成された遊技球排出口258から機外(遊技機PMの外部)へ排出される。
なお、図16等に示すように、遊技補助盤40及び通路形成部材201には、賞球払出ユニット35から賞球として払い出された遊技球が上球皿6に向けて流下する賞球払出通路410が形成されている。また、遊技補助盤40及び通路形成部材201には、上球皿6が満杯状態となって賞球払出通路410から溢れ出た遊技球が下球皿7に向けて流下するオーバーフロー通路420が形成されている。なお、このオーバーフロー通路420の下流端は、補助盤カバー310の補助盤ダクト部317の後方に連通しており、オーバーフロー通路420を流下した遊技球は補助盤ダクト310の下端開口323を通して下球皿7へと排出されるようになっている。
次に、本実施形態に係る不正防止構造の作用について、図31〜図34を追加参照して説明する。なお、図面上では、遊技球(不正球を含む)を符号「B」で表し、線材を符号「L」で表す。
まず、図31に示すように、不正行為者が不正球Bを下球皿7から侵入(逆流)させて、該不正球Bの線材Lを操作すること(詳細な線材Lの操作方法は記載せず)により、該不正球Bを第2ファール球通路350(上流側通路部353)の上流端まで到達させたものとする。この上側通路部353は略上下方向に延びた縦形通路であり、この上流側通路部353に沿って不正球Bを逆流させていくと、不正球Bはそのまま真っ直ぐ上方へと案内される。そのため、この上流側通路部353の上方位置に設けられた方向転換部(第1ファール球通路340の下流端と第2ファール球通路350の上流端との接続部分)にて、不正球Bの移動方向が前方(第1ファール球通路340側)へ方向転換されることはなく、不正球Bはその上方に開口された逆流通路370へ向けて進んでいく。
続いて、図32に示すように、不正球Bを逆流通路370へ侵入させると(上方へ移動させると)、不正球Bが下限位置にある逆止弁380に当接してこれを押し上げることで、逆止弁380が上方へ向けて揺動する。それにより、不正球Bは逆流通路370内に入り込むが、該不正球Bは弁体部382或いは第1通路形成部材210の壁面(215〜217)によって前方、上方、左方及び右方への移動が規制されており、不正球排除口390を通して後方への移動のみが許容されている。
従って、図33に示すように、不正行為者が線材Lをさらに押し込むと、逆流通路37
0内における不正球Bの進路が後方の不正球排除口390へと向かうことになり、不正球Bは不正球排除口390を通過して、通路形成部材201の後面側に設けられた不正球排除通路391に入り込む。このとき、不正球Bが逆流通路370から不正球排除通路391へ抜け出ると(不正球Bと逆止弁380との当接が解かれると)、逆止弁380は自重により下限位置に揺動復帰して逆流通路370の入口部分を閉鎖する。そして、この状態においては、不正行為者が線材Lをいくら押し込んでも、不正球Bは球抜き通路400内を遊技球排出口258へ向けて進んでいくだけで発射機構150に到達することはない。
続いて、図34に示すように、不正行為者がいくら線材Lを押し込んでも不正球Bが発射機構150に到達しないこと(不正球Bが遊技領域PAへ打ち出されないこと)を不信に思い、線材Lを引っ張り込んで不正球Bを引き戻そうとしても、逆止弁380が下限位置にて逆流通路370の入口部分を閉鎖しているため、不正球Bをファール球通路330へ逆戻りさせることができない。すなわち、不正行為者が線材Lを手前に引っ張っても、不正球Bが逆止弁80と後壁部217との間に跨って当接して、これにより不正球Bの通過(下方への移動)が妨げられる。不正行為者が線材Lを無理やり引っ張り、この引っ張られた線材Lの張力が所定の張力を超えたところで、線材Lが不正球Bから破断して、不正球Bと線材Lとが分離される(外部から不正球Bを操作不能となる)。逆止弁380は自重で揺動復帰して下限位置で傾倒した状態にあるため、この傾倒面の作用を受けて、線材Lから解放された不正球Bは後方(不正球排除口390)に向けて流下する。それにより、不正球Bは後方の不正球排除口390を通過した後、不正球排除通路391及び球抜き通路400の順に流下して、下端の遊技球排出口258から機外(遊技機PMの外部)へ排出される。そして、最終的に、この不正球Bは遊技済み球等と共に、遊技島(遊技ホール施設)に回収される。なお、変形例としては、不正行為の証拠(痕跡)を残存させるために、合流口392の位置に、例えば開閉可能な蓋部材や、通過規制部材としてのビスなどを植設して、合流口392での遊技球の通過を規制することで、不正球排除口390を通過した遊技球を球抜き通路400へ流下させることなく不正球排除通路391内に滞留させて、当該不正球排除通路391を遊技球(不正球)の滞留部として構成してもよい。また、合流口392自体を形成せずに、不正球排除通路391と球抜き通路400とを完全に連通させない構成としてもよい。
[効果]
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)遊技補助盤40の前面領域を利用して、発射ユニット190とセンサアセンブリ280とを前後に対向した位置関係で配置することで、遊技済み球検出スイッチ281の保守・点検・交換等を行う場合には、発射ユニット190を遊技補助盤40の前面側から取り外すだけで、センサアセンブリ280が前方に露出されて遊技済み球検出スイッチ281へのアクセスが可能となるため、遊技済み球検出スイッチ281のメンテナンス性を向上させることが可能となる。
(2)一方、通常時においては、センサアセンブリ280は発射ユニット190により前面側から覆われて隠蔽されており、発射ユニット190を遊技補助盤40から取り外さない限り遊技済み球検出スイッチ281にアクセスできないように構成されているため、遊技済み球検出スイッチ281に対する不正なアクセスを困難にすることができる。
(3)発射装置取付部41に保持具本体43の上部を傾動可能に受容するホルダ挿通口41aが形成されるとともに、第1通路形成部材210側に形成されたセンサ装着孔203の孔部203aが遊技済み検出スイッチ281の厚みよりも大きな縦幅に形成されることで、遊技済み球検出スイッチ281とセンサホルダ282とを一体化したセンサアセンブリ280を排出通路257内に装着したときに、この排出通路257の通路壁(上記に
ように保持具本体43の外壁面が形成する通路壁部分)と遊技済み球検出スイッチ281との間で球噛み等が発生した場合であっても、遊技済み球検出スイッチ281(センサアセンブリ280)を垂直姿勢と後倒姿勢との間で姿勢変更することが可能となるため、遊技済み球検出スイッチ281(センサアセンブリ280)をセンサアセンブリ取付部202から抜去しやすくすることができ、その結果、該球噛み等を簡単に解消することが可能となる。
(4)線材Lの付いた不正球Bを下球皿7から逆流させて機内のファール球通路230を経て発射機構150へ到達させようとしても、ファール球通路230の途中に遊技球の流下方向を変化させる複数の方向転換部を設けてファール球の通過経路を複雑化(螺旋形状化)することで、該ファール球通路における不正球の逆流を困難にすることが可能となる。
(5)更に、ファール球通路230の途中に形成された方向転換部に逆流通路(分岐通路)370を形成することで、不正球Bが逆流通路370へ誘導されやすくなり発射機構150に到達できなくなるため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することができ、ひいては不正入賞行為による損害の発生を未然に防止することが可能となる。
(6)加えて、ファール球通路330の上記方向転換部に、逆流通路370からファール球通路330への不正球Bの逆戻りを規制する逆止弁380を設けたことにより、一旦不正球が逆流通路370に侵入すると、いくら線材Lを操作しても不正球Bをファール球通路330へ逆戻りさせることができないため、線材Lの付いた不正球Bを操作して連続入賞を検出させる不正入賞行為を一層効果的に抑止することが可能となる。
<遊技機の主要な機能構成>
次に、図35の機能ブロック図を追加参照しながら、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板51/演出制御基板52)の各種機能について説明する。
主制御基板51は、図35に示すように、入球判定手段5110、遊技抽選乱数発生手段5120、保留制御手段5130、事前判定手段5135、特別図柄抽選処理手段5140、普通図柄抽選処理手段5145、特別遊技制御手段5150、図柄表示制御手段5155、電動役物制御手段5160、遊技状態制御手段5165、エラー監視制御手段5170、メイン情報記憶手段5180、コマンド送受信手段5190、を含む。なお、主制御基板51における上述の各手段は、主制御基板51上に設けられたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROM等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段5110は、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、作動ゲートスイッチ63、大入賞口スイッチ64、一般入賞口スイッチ65、遊技済み球検出スイッチ281、ファール球検出スイッチ331などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段5120は、乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段5120は、CPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新
が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段5130は、特別図柄保留制御手段5131、普通図柄保留制御手段5132、を含む。
特別図柄保留制御手段5131は、第1始動口又は第2始動口への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段5180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段5131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第
2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段5132は、作動ゲートへの遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段5132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段5180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段5132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段5132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段5135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段5135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段5180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段5140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。そして、事前判定手段5135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段5140は、特別図柄当否判定手段5141、特別図柄停止図柄判定手段5412、特別図柄変動パターン判定手段5143、を含む。特別図柄抽選処理手段5140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段5180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段5180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特
別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段5141は、メイン情報記憶手段5180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段5141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図示省略するが、当否抽選において、通常状態(低確率状態)では、乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では、大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き「小当り」に関する記載を省略する。
特別図柄停止図柄判定手段5142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段5142は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。特別図柄停止図柄テーブル(大当り用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、複数種の停止図柄(大当り図柄)が割り当てられている。そして、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口の作動パターンなど)が対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる図柄、「時短有図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる図柄、「時短無図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることのない図柄を意味する。また、本実施形態では、上記のように、大当り種別として16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短無図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そして、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、所定確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、所定確率よりも高確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口に入賞するよりも第2始動口に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。一方、特別図柄停止図柄テーブル(はずれ用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)が一義的に割り当てられている。また、特別図柄停止図柄テーブル(小当り用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)が一義的に割り当てられている。なお、
小当りの場合には、遊技状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段5143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。
また、特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板52に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板52との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段5145は、普通図柄当否判定手段5146と、普通図柄停止図柄判定手段5147と、普通図柄変動パターン判定手段5148と、を有する。普通図柄抽選処理手段5145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段5180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段5146は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段5146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段5147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段5148は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では、変動時間短縮機能の作動により、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、主制御基板51のCPUの処理負荷軽減の
ため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」としたり、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
特別遊技制御手段5150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段5150は、演出制御基板52側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板52側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段5150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当りした際の遊技状態(通常中または時短中など)によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段5150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置27等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段5150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段5155は、特別図柄表示制御手段5156、普通図柄表示制御手段5157、を含む。特別図柄表示制御手段5156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段5156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段5156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段5180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段5156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板52に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段5157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段5157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段5160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド82に制御信号を出力し、大入賞口(特別電動役物)を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1回の作動を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該
ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。ここで、大当り種別がいわゆる長開放大当り(本例では16R大当り又は8R大当り)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる短開放大当り(本例では2R大当り)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約0.7秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。また、開放可能期間における大入賞口の開閉動作は、1回だけでなく、複数回実行される場合を有していてもよい。
また、電動役物制御手段5160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド82に制御信号を出力し、大入賞口(特別電動役物)を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.7秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段5160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド81に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ第2始動口(普通電動役物)を開放させる。ここで、電動役物制御手段5160は、通常状態では第2始動口(普通電動役物)を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では第2始動口(普通電動役物)を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段5165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能の全てが作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と表現することもできる。また、本実施形態では、例えば回数切りの所謂ST機として構成されているため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り終了後に再度ST回数が設定される)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態お
よび確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
また、遊技状態制御手段5165は、特別遊技が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。そして、遊技状態制御手段5165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段5170は、主制御基板51のI/Oポート回路の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板52にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図5では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段5180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段5190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板52に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板52は、図35に示すように、演出抽選乱数発生手段5210、演出統括手段5220、ランプ制御手段5230、役物制御手段5240、エラー演出制御手段5250、サブメイン情報記憶手段5260、コマンド送受信手段5270、を含む。なお
、演出制御基板52における上述の各手段は、演出制御基板52上に配されたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROMに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段5210は、演出制御基板52のCPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板51から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段5220は、演出モード制御手段5221、保留情報表示制御手段5222、先読み予告制御手段5223、変動演出制御手段5224、装飾図柄制御手段5225、予告演出制御手段5226、大当り演出制御手段5227を含む。
演出モード制御手段5221は、主制御基板51からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板51側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)の移行制御を実行する。本実施形態では、複数種の遊技演出モードが設定されており、主制御基板51から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置27には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段5222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段5222は、主制御基板51からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段5222は、主制御基板51からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段5222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。本例において、特別図柄の作動保留球が生起されると、通常の表示態様の保留画像が表示される一方、後述の先読み予告演出(保留変化先読み演出)が実行される場合には、この先読みの対象となった保留画像が通常の表示態様から特殊な表示態様に変化する。
先読み予告制御手段5223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板51からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき実行される。ここで、先読み予告制御手段5223は、主制
御基板51からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段5260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板51の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
変動演出制御手段5224は、主制御基板51からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。ここで、主制御基板51側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「強SPリーチ」など)が定まるのに対して、演出制御基板52側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば、「強SPリーチA,B…」など)が定まる。本実施形態では、装飾図柄の変動演出として、非リーチ演出(超短縮変動演出、短縮変動演出、通常変動演出など)、リーチ演出、擬似連続変動演出などが設定されている。そして、装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
ここで、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。この非リーチ態様に変動パターンでは、「通常変動」よりも「短縮変動」、「短縮変動」よりも「超短縮変動」の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。また、「擬似連続変動」は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止表示(擬似停止)させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この擬似連続変動(擬似連)は、3列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止(擬似停止)した後に再変動を開始する再変動表示を1回以上実行する構成となっている。擬似連続変動は、リーチに発展する変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、再変動表示(擬似連)の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチの発生が期待できるようになっている。また、本例では、擬似連の回数が多くなるほど、すなわち、擬似連1回<擬似連2回<擬似連3…の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。加えて、3列の装飾図柄のうち、左列及び右列の装飾図柄がリーチ状態(テンパイ)で仮停止する場合の方が、左列及び右列の装飾図柄が非リーチ状態で仮停止する場合よりも、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(典型的には左列、右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(いわゆるリーチ状態)において、残り1列(典型的には中列)の装飾図柄が停止したならば大当りとなる演出である。「Lリーチ(ロングリーチ)」は、上記
のNリーチよりもリーチ状態が形成されてからの変動時間が延長された演出である。「SPリーチ(スーパーリーチ)」とは、上記のNリーチやLリーチよりも大当り期待度の高いリーチ演出であり、演出内容が途中で発展して例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。
装飾図柄制御手段5225は、主制御基板51からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段5224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段5225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT(擬似連続変動示唆図柄)」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出制御手段5226は、変動演出制御手段5224にて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段5226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブ
ルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置27での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出制御手段5227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段5227は、主制御基板51から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段5260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段5227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板51から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段5220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段5230は、演出統括手段5220にて設定された演出内容に従って演出ランプ11の点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段5230は、演出ランプ11を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)を演出ランプ11へ出力する。
役物制御手段5240は、演出統括手段5220にて設定された演出内容に従って各可動役物19の駆動を制御する。役物制御手段5240は、可動役物19を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)を可動役物19(モータドライバ)へ出力する。
エラー演出制御手段5250は、主制御基板51からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段5260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情
報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板51からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板53への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板53からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段5270は、主制御基板51から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段5260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段5270は、主制御基板51からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段5270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段5270は、演出統括手段5220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段5260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板53へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段5260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板53は、演出制御基板51から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置27に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段5270は、画像制御基板53から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段5260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
<主制御基板の動作処理>
次に、図36〜図38のフローチャートを参照しながら、主制御基板51における動作処理の手順について説明する。主制御基板51側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図36〜図37は主制御基板51の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御基板51におけるCPUのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAMのアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、CPUの内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAMの全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否
かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAMの所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAMの全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAMに電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置27の初期化、演出ランプ11の初期化などを行うため、演出制御基板52への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAMにおける、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板54との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板51と演出制御基板52との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物を電源断前の状態(例えば、第2始動口を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物を電源断前の状態(例えば、大入賞口を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御基板51に設けられたCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAMの所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAMのチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAMのアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板51の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図38は、主制御基板51のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、主制御基板51のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御基板51におけるCPU内のレジスタの内容をRAMのスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPUのWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、CPUがプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板51における入力ポート(I/Oポート回路)のチェック処理として、レベルデータの生成、及び、立ち上がりデータ/立ち下がりデータの生成を行う。入力処理では、主制御基板51に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外の各種のスイッチがチェック処理の対象となる。すなわち、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、作動ゲートスイッチ63、大入賞口スイッチ64、一般入賞口スイッチ65、遊技済み球検出スイッチ281、ファール球検出スイッチ331、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などのスイッチ入力を読み込み、それらの
状態判定を行ったうえで、これらの検出データ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)の入力ポートチェックにて生成された立ち上がりデータに基づき、所定の検査回数だけ、遊技球のスイッチ通過検査を行う。スイッチ通過検査の結果、遊技球がスイッチを通過したと判断した場合、入賞口の種別に応じた賞球の個数の記憶(未払出個数の更新、累積個数の更新)、遊技済み球の個数(累積個数)の記憶、ファール球の個数(累積個数)の記憶、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成、演出制御コマンドの送信要求などを行う。
賞球数の記憶としては、いずれかの入賞口(始動口、大入賞口及び一般入賞口)への入球に基づき払い出される賞球数の累積値(以下「第1累積賞球数」と称する)と、一般入賞口への入賞に基づき払い出される賞球数の累積値(以下「第2累積賞球数」と称する)とが記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、大入賞口スイッチ64もしくは一般入賞口スイッチ65を通過したと判断した場合、その入賞口の種別に応じた単位賞球数(遊技球が1球入賞したときに払い出される賞球数)を第1累積賞球数に加算して、この第1累積賞球数を更新する。また、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が一般入賞口スイッチ65を通過したと判断した場合、その入賞口(一般入賞口)の種別に応じた単位賞球数(遊技球が1球入賞したときに払い出される賞球数)を第2累積賞球数に加算して、この第2累積賞球数を更新する。本実施形態では、単位賞球数として、第1始動口及び第2始動口は「3個
」、一般入賞口は「5個」、大入賞口は「10個」が設定されている。そのため、各累積賞球数は、上記の単位賞球数(3個、5個、10個)に応じた個数単位で更新されることになる。また、後述する賞球制御処理(S60)にて、発生した賞球数の賞球払出処理を行うため未払出球数を記憶している記憶領域の情報を前述の単位賞球数に合わせて更新する。
遊技済み球の個数の記憶としては、遊技済み球検出スイッチ281にて検出された遊技済み球の個数の累積値(以下「累積遊技済み球数」と称する)が記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が遊技済み球検出スイッチ281を通過したと判断した場合、累積遊技済み球数に「1」を加算して、この累積遊技済み球数を更新する。
ファール球の個数の記憶としては、ファール球検出スイッチ331にて検出されたファール球の個数の累積値(以下「累積ファール球数」と称する)が記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球がファール球検出スイッチ331を通過したと判断した場合、累積ファール球数に「1」を加算して、この累積ファール球数を更新する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板54へ送信するとともに、払出制御基板54からの受信データを監視して払出制御基板54との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲートへの通過を監視し、作動ゲートを通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物(第2始動口)に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口及び第2始動口への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物(大入賞口)に係る動作処
理として、特別電動役物の作動開始および作動終了の設定、大入賞口の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板52にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物(大入賞口)が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理(S69)で検出したエラー状態の情報を表示させるための表示データを作成する。また、前記の入賞監視処理(S59)で計数したカウント値(累積賞球数、累積遊技済み球数、累積ファール球数など)に基づき算出される遊技性能情報を後述の性能表示モニタ500(図39を参照)に表示させるための表示データを作成する。本実施形態では、上記の遊技性能情報として、遊技性能データ1、遊技性能データ2、遊技性能データ3、遊技性能データ4、遊技性能データ5、遊技性能データ6、遊技性能データ7を含む。遊技性能モニタ500には、遊技性能データ1〜7の種別を識別するための略号(識別記号)と、遊技性能データ1〜7の算出結果を示す数値(算出値)とが表示される。
(遊技性能データ1)
遊技性能データ1は、電源投入後又はRAMクリア後におけるベースの性能値であり、下記の計算式(A)により算出される。この遊技性能データ1の識別記号は「b−」である(図40を参照)。
遊技性能データ1=第1累積賞球数÷累積遊技済み球数×100 ・・・(A)
(遊技性能データ2)
遊技性能データ2は、電源投入後又はRAMクリア後における遊技済み球の総数であり、下記の計算式(B)により算出される。この遊技性能データ2の識別記号は「oU」である(図40を参照)。
遊技性能データ2=累積遊技済み球数 ・・・(B)
(遊技性能データ3)
遊技性能データ3は、電源投入後又はRAMクリア後におけるベース寄りの性能値であり、下記の計算式(C)により算出される。この遊技性能データ3の識別記号は「bY」である(図40を参照)。
遊技性能データ3=第2累積賞球数÷累積遊技済み球数×100 ・・・(C)
(遊技性能データ4)
遊技性能データ4は、電源投入後又はRAMクリア後における大当り期間中(特別遊技中)の遊技済み球の総数であり、下記の計算式(D)により算出される。この遊技性能データ4の識別記号は「to」である(図40を参照)。
遊技性能データ4=累積遊技済み球数(大当り期間中のみ) ・・・(D)
なお、大当り期間中の累積遊技済み球数は、大当り開始時の累積遊技球数と大当り終了時の累積遊技球数との差分を累積的に加算することにより算出される。
(遊技性能データ5)
遊技性能データ5は、電源投入後又はRAMクリア後における低確率状態中(大当り期間を除く)のベースの性能値であり、低確率状態中において上記の計算式(A)により算出される。遊技性能データ5の識別記号は「bL」である(図40を参照)。なお、低確率状態中の第1累積賞球数は、低確率状態の開始時の第1累積賞球数と低確率状態の終了時の第1累積賞球数との差分を累積的に加算することにより算出される。同じく、低確率状態中の累積遊技済み球数は、低確率状態の開始時の累積遊技済み球数と低確率状態の終了時の累積遊技済み球数との差分を累積的に加算することにより算出される。なお、変形例として、遊技性能データ5を、遊技者にとって不利な遊技状態でのベースの性能値として構成してもよい。ここで、不利な遊技状態とは、上記の低確率状態の他、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない遊技状態、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない遊技状態などである。遊技機の設計上、ベースの性能値が最も遊技者の有利となる状態が多様に設計しうる(例えば、(1)電チューサポート機能が作動しているとき、(2)確率変動機能が作動しているとき、など)ので、その中で、ベースの性能値が最も遊技者の有利となる遊技状態を除く遊技状態か、最も遊技者に不利となる遊技状態でのみ算出した値を表示させるようにする。
(遊技性能データ6)
遊技性能データ6は、電源投入後又はRAMクリア後における高確率状態中(大当り期間を除く)のベースの性能値であり、高確率状態中において上記の計算式(A)により算出される。遊技性能データ6の識別記号は「bH」である(図40を参照)。なお、高確率状態中の第1累積賞球数は、高確率状態の開始時の第1累積賞球数と高確率状態の終了時の第1累積賞球数との差分を累積的に加算することにより算出される。同じく、高確率状態中の累積遊技済み球数は、高確率状態の開始時の累積遊技済み球数と高確率状態の終了時の累積遊技済み球数との差分を累積的に加算することにより算出される。なお、変形例として、遊技性能データ6を、遊技者にとって有利な遊技状態でのベースの性能値として構成してもよい。ここで、有利な遊技状態とは、上記の高確率状態の他、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している遊技状態、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している遊技状態などである。
(遊技性能データ7)
遊技性能データ7は、電源投入後又はRAMクリア後におけるファール球を加味したベースの性能値であり、下記の計算式(E)により算出される。遊技性能データ7の識別記号は「bF」である(図40を参照)。
遊技性能データ7=第1累積賞球数÷(累積遊技済み球+累積ファール球数)×100・・・(E)
ここで、遊技性能データ7の算出値が、遊技性能データ1の算出値と比較して、規定数以上に低い場合は(例えば著しく低い場合は)、累積遊技済み球に対する累積ファール球数の割合が高くなっているということなので、発射ユニット190の作動不良や不正行為の発生が推定できる。従って、そのような場合には、主制御表示装置700又は演出表示装置27にてエラー表示を行ったり、演出ランプ11やスピーカ8にてエラー報知を行ったり、性能表示モニタ500における該遊技性能データ7の表示値を高速点滅(例えば200msの点滅周期)させるように構成してもよい。なお、変形例としては、この遊技性能データ7の算出値を、遊技性能データ3の算出値と比較して、エラー状態の有無を判定するように構成してもよい。
なお、この遊技状態表示処理では、上記算出した遊技性能データ1〜7の中から、後述のLED出力処理(S73)において性能表示モニタ500に表示する一の遊技性能データ1〜7を選択するようになっている。具体的には、性能表示モニタ500に表示される遊技性能データ1〜7は、所定時間(本例では5秒)が経過するごとに、遊技性能データ1→遊技性能データ2→遊技性能データ3→遊技性能データ4→遊技性能データ5→遊技性能データ6→遊技性能データ7→遊技性能データ1→・・・という順に、順次切り替えられる。本実施形態では、遊技性能データ1〜7の表示を切り替える時間(所定時間)を管理するためのタイマを具備しており、このタイマの値が所定時間(5秒)を示す値となったときに、現在選択中の遊技性能データを次の遊技性能データに切り替える。そして、この遊技状態表示処理で選択された一の遊技性能データ1〜7が、後述のLED出力処理(S73)において表示されることになる。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(S72)。このハンドル状態信号検査処理では、発射ハンドル9のタッチセンサからの検出情報に基づき、発射ハンドル9のタッチ状態を監視して、この監視の結果に基づき、演出制御コマンド(ハンドル状態演出のコマンド)を生成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄の表示、普通図柄の表示、作動保留球数の表示、規定ラウンド数(特別電動役物が連続して作動する回数)の表示、右打ち指示の表示、エラーの表示、遊技性能情報(遊技性能データ1〜7)の表示などを行うべく、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、特別図柄保留ランプ73,74、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77、右打ち指示灯78、状態表示灯79、エラー表示灯70、性能表示モニタ500などの各表示手段の表示の初期化として非点灯データの出力情報をI/Oポート(出力ポート)にセットするとともに、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを各表示手段に出力する。
このLED出力処理においては、各表示手段(LEDセグメント)を選択するためのデジットカウンタの値を更新して、このデジットカウンタの値に対応した表示手段を選択し、その表示データ(セグメントデータ)を該表示手段のLEDセグメントに出力ポートを通して出力する。つまり、LED出力処理では、デジットカウンタを用いてタイマ割込み処理毎にダイナミック点灯の切り替えを行うことにより、主制御基板51が主体的に点灯制御する各表示手段(LEDセグメント)のうち、いずれの表示手段(LEDセグメント)を点灯させるかを選択的に切り替えて、対応する表示データを呼び出してこれを出力す
る制御を実行する。本実施形態において、デジットカウンタは「0」〜「8」までの全9通りの数値を取り得る。このデジットカウンタの更新方法としては、タイマ割込み処理が実行されるごと(割込み周期4msごと)に+1ずつ更新され、該更新した結果、最大値「8」を超えた場合には、最小値「0」に戻る。
本実施形態において、デジットカウンタの値が「0」である場合は、点灯表示の対象として、第1特別図柄表示装置71が選択される。デジットカウンタの値が「1」である場合は、第2特別図柄表示装置72が選択される。デジットカウンタの値が「2」である場合は、点灯表示の対象として、第1特別図柄保留ランプ73、第2特別図柄保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普通図柄保留ランプ76が選択される。デジットカウンタの値が「3」である場合は、点灯表示の対象として、ラウンド表示灯の左表示灯、状態表示灯、右打ち指示灯が選択される。デジットカウンタの値が「4」である場合は、点灯表示の対象として、ラウンド表示灯の右表示灯、エラー表示灯が選択される。デジットカウンタの値が「5」〜「8」の場合は、点灯表示の対象として、性能表示モニタ500が選択される。この性能表示モニタ500は、詳後述するが、4桁の7セグメントLED(LED表示灯501〜504)から構成されている(図39を参照)。そのため、性能表示モニタ500の選択においては、デジットカウンタが「5」である場合は、LED表示灯501が選択され、デジットカウンタが「6」である場合は、LED表示灯502が選択され、デジットカウンタが「7」である場合は、LED表示灯503が選択され、デジットカウンタが「8」である場合は、LED表示灯504が選択される。このように各表示手段(LEDセグメント)を選択するためのデジットカウンタを更新して、このデジットカウンタの値に対応した表示データ(セグメントデータ)を各表示手段のLEDセグメントに出力するダイナミック制御により、複数の表示手段の点灯制御を行うことができる。
ここで、図39は主制御基板51上に搭載された性能表示モニタ500の模式図であり、図40は性能表示モニタ500における識別記号の表示例を示す模式図である。なお、図40では、LEDセグメントが点灯した状態を、黒の塗り潰しで表現している。この性能表示モニタ500は、4桁のLED表示灯(ドット付き7セグメントLED)501〜504から構成されている。各桁のLED表示灯501〜504は、8の字形に配置された7個のLEDセグメントと、ドットポイント形に形成された1個のLEDセグメントとで構成される。そのため、各桁のLED表示灯501〜504は、8個のLEDセグメントを選択的に点灯することで、0〜9までの数字、アルファベット文字、ハイフンなどの表示が可能となっている。ここで、上位2桁のLED表示灯501,502は、上記の遊技性能データ1〜7の種別を識別するための識別記号を表示する。一方、下位2桁のLED表示灯503,504は、上記の遊技性能データ1〜7の算出結果を示す数値(算出値)を表示する。なお、遊技性能データ1〜7の算出値は、小数点以下を切り捨てて、2桁の整数値(00〜99)として、下位2桁のLED表示等503,504に表示される。つまり、性能表示モニタ500は、遊技性能データ1〜7の識別記号と算出値との組合せを4桁のLED表示灯501〜504で表示する。例えば、性能表示モニタ500に遊技性能データ1を表示する場合、この遊技性能データ1の算出値が「81.5」であれば、性能表示モニタ500(4桁のLED表示灯501〜504)には「b−81」が表示される。なお、変形例として、遊技性能データ1〜7の算出値は、少数点第1桁を四捨五入して、2桁の整数値として表示されるものでもよい。
性能表示モニタ500の表示態様は、その計数データのサンプル数(累積遊技済み球数)が予め設定された一定数に達していない状況と、一定数に達した状況とで異なる。すなわち、サンプル数(累積遊技済み球数)が一定数に達していない状況では、性能表示モニタ500は点滅した表示態様となる。一方、サンプル数(累積遊技済み球数)が一定数に達した状況では、性能表示モニタ500は点灯した表示態様となる。一定数としては適宜な数値を設定可能であるが、本実施形態では、例えば約3時間の遊技(遊技球の発射)に
相当する数値として「18000(発)」が設定されている。そのため、サンプル数(累積遊技済み球数)を計数するための記憶領域(RAM記憶領域)は、例えば3バイト(24ビット)以上の容量を備えていることが好適である。なお、サンプル数(累積遊技済み球数)が一定数に到達せず、性能表示モニタ500を点滅させる場合は、前記の遊技状態表示処理(S71)において、その点滅周期が制御される。本実施形態では、性能表示モニタ500の点滅周期を管理するためのタイマを具備(S57のタイマ減算処理で更新)しており、点灯時間と消灯時間とを交互に計時して、点灯と消灯とを繰り返すことで、性能表示モニタ500を所定の周期で点滅させることができる。ここで、性能表示モニタ500の点滅周期は、他の表示手段の点滅周期(主に特別図柄表示装置71,72の点滅周期である100ms≒25割込み)と比較して、相対的に長時間の点滅周期であることが好適である。その理由としては、性能表示モニタ500を相対的に長時間の点滅周期(例えば500ms≒125割込み)とすることで、遊技性能データの表示値の視認性が高められ、性能表示モニタ500が点滅していること(サンプル数が一定数だけ集まっていないこと)を視覚的に明瞭に把握できるようになるからである。
なお、本実施形態では、前記の遊技状態表示処理(S71)において所定時間経過ごとに遊技性能データ1〜7の表示を切り替えているが、この構成に限定されるものではなく、主制御基板51上に設けられた所定の操作手段を操作することで、遊技性能データ1〜7の表示が切り替えられるように構成してもよい。また、電源基板(不図示)上に設けられたRAMクリアスイッチの如く、電源基板上や主制御基板53上に設けられた所定の操作手段を操作することで、主制御基板51に設けられた性能表示モニタ500の表示を切り替えるように構成してもよい。
また、本実施形態では、入賞監視処理(S59)において、各入賞口における遊技球のスイッチ通過検査に基づき、第1累積賞球数及び第2累積賞球数を算出しているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、賞球制御処理(S60)において、賞球払出ユニット35から実際に払い出された遊技球の個数(賞球払出ユニット35に設けられた賞球検出スイッチにて検出された遊技球の個数)を計数することで、累積賞球数を算出するように構成してもよい。
また、本実施形態では、性能表示モニタ500に表示される表示データとして、遊技性能データ1〜7を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、この遊技性能データ1〜7に加えて、或いは、この遊技性能データ1〜7の一部を変更して、他の遊技性能データを表示させるように構成してもよい。例えば、各遊技性能データ1〜7を、そのサンプル数(累積遊技済み球数)が規定数に達することでリセット(ゼロリセット)するようにし、前回のリセット前の遊技性能データ1〜7や、前々回のリセット前の遊技性能データ1〜7などを、履歴情報として順次表示するように構成してもよい。よって、現在計時中の各遊技性能データ1〜7についても、そのサンプル数(累積遊技済み球)が規定数に達したときに、履歴情報(リセット前の遊技性能データ1〜7)として保存されることになる。なお、サンプル数(累積遊技済み球)が規定数に達したときではなく、例えば、遊技機PMの電源が遮断されたときや、RAMクリアスイッチが操作されたとき、所定のリセット操作がなされたときに、各遊技性能データ1〜7がリセットされるように構成してもよい。
また、本実施形態において、ダイナミック点灯において切り替え対象の表示手段(LEDセグメント)が多くなるほど、各表示手段の点灯表示が遊技者には暗く見えてしまうため(次回の点灯までの時間的な間隔が長くなるため)、出力ポートを複数に分けて、遊技者側に配置される表示装置(主制御表示装置700)と、遊技機背面側に配置される表示装置(性能表示モニタ500)のそれぞれデジットカウンタを用いて制御するように構成してもよい。また、主制御基板51上に設けられた所定の操作手段を操作している期間(
又は、所定の操作手段を操作したときから一定時間が経過するまでの期間)だけ、ダイナミック点灯の切り替え対象を性能表示モニタ500に設定して、それ以外の期間においては、ダイナミック点灯の切り替え対象を性能表示モニタ500以外の表示手段に設定するように構成してもよい。
また、必要とするサンプル数を多く設定した場合には、1日の遊技店の営業にてサンプルを集めることが困難になるため、各遊技性能データの数値は、遊技機PMの電源断時やRAMクリア処理時にクリアせずに、その遊技性能データの数値を電源断復帰後(電源投入後)も持ち越すことが好適である。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S74)。この発射制御信号出力処理では、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、発射制御基板180に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたい場合には、発射制御基板180に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(S75)。この試験信号出力処理では、適正な遊技機であるか否かを判定する性能確認試験において、遊技機の動作状態を示す各種の試験信号を作成して、外部の試験装置に出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S76)このソレノイド出力処理では、普通電動役物及び特別電動役物を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド81,82に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S77)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板52に対して出力する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S78)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機PMの動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御基板51のCPUを割込み許可状態に設定する(S79)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は主制御側タイマ割込み処理中に、主制御基板51が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。
PM ぱちんこ遊技機
PA 遊技領域
1 外枠
2 前枠
5 ガラス枠
6 上球皿
7 下球皿
20 遊技盤
40 遊技補助盤
41 発射装置取付部
43 補助盤カバー取付部
100 球送り機構
150 発射機構
190 発射ユニット
200 遊技球排出機構
201 通路形成部材
202 センサアセンブリ取付部
210 第1通路形成部材
220 第2通路形成部材
230 通路カバー部材
250 遊技済み球排出通路
280 センサアセンブリ
281 遊技済み球検出スイッチ
282 センサホルダ
300 ファール球回収機構
310 補助盤カバー
330 ファール球通路
331 ファール球検出スイッチ
340 第1ファール球通路
350 第2ファール球通路
360 第3ファール球通路
370 逆流通路
380 逆止弁
390 不正球排除口
391 不正球排除通路
400 球抜き通路
500 性能表示モニタ
700 主制御表示装置

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技盤を保持する枠部材と、
    前記枠部材に開閉自在に設けられた開閉部材と、
    前記開閉部材に設けられて遊技球を貯留する球皿と、
    前記枠部材に設けられて遊技球を前記遊技領域へ向けて打ち出す発射装置と、
    前記枠部材に設けられて前記発射装置により打ち出されて前記遊技領域へ到達できずに戻ってくる遊技球を回収して前記球皿へ流下させるファール球通路が設けられたファール球回収部とを備え、
    前記ファール球通路の途中には、遊技球の流下方向を転換させる方向転換部が形成され、
    前記方向転換部には、当該ファール球通路以外の他の球通路に連通して遊技球が進入可能な開口が設けられており、
    前記方向転換部は、遊技球が前記球皿へ向かって流下する場合には当該遊技球が前記他の球通路に進入することがないが、遊技球が前記球皿から逆流する場合には当該遊技球が前記他の球通路に進入しやすく構成され、
    前記方向転換部に前記他の球通路へ進入した遊技球が前記ファール球通路に戻ることを規制する規制部材を備えていることを特徴とする弾球遊技機。
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