以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。まず、図1から図22を参照して、第1実施形態について説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
また、図1に示すように、本実施形態のパチンコ機10には、赤外線データ出力装置250(図5参照)の赤外線送信ポート250aが前面枠14の右上部に設けられており、該パチンコ機10に関する各種情報を、赤外線送信ポート250aから赤外線によるデータ通信(赤外線通信)により出力可能に構成されている。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、赤外線通信方式によるデータ受信が可能な携帯端末300と共に、遊技機システム500を構成する。本実施形態の遊技機システム500によれば、パチンコ機10が、該パチンコ機10に関する各種情報を赤外線送信ポート250aから出力(送信)し、その情報を受信した携帯端末300が、該携帯端末300の正面に形成される表示画面311に受信した情報に基づく画面を表示することにより、パチンコ機10に対する不正行為、例えば、不正基板を用いた不正行為を抑制することができる。さらには、携帯端末300が受信した情報をホールコンピュータ600(図5,8参照)へ出力し、それによっても、不正基板を用いた不正行為などの不正行為を防止することができる。なお、不正基板を用いた不正行為としては、例えば、所謂「ぶら下げ基板」と呼ばれる基板を主制御基板110に取り付けることによる不正行為や、主制御基板110自体を不正基板に取り替えることによる不正行為などが例示される。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37における複数のLED37aは、点灯状態によって種々の情報を報知するものである。具体的に、LED37aは、主制御装置110(図3,5参照)でなされる大当たりの抽選結果に応じた第1図柄を点灯状態によって示す。大当たりの抽選結果として、例えば、確変大当たりと、通常大当たりと、外れとの3種類の抽選結果が設けられている場合に、抽選結果が「確変大当たり」であれば、LED37aは、点灯状態によって「確変大当たり」に対応する第1図柄を示す。同様に、LED37aは、大当たりの抽選結果に応じて、「通常大当たり」及び「外れ」にそれぞれ対応する第1図柄を点灯状態によって示す。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「確変大当たり」と、「通常大当たり」と、「外れ」との3つの抽選結果が設けられており、第1入球口64への入賞に基づき、「確変大当たり」であるか、「通常大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選されるように構成されている。
そして、かかる抽選の結果が「確変大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「確変大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態になると共に、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
一方で、大当たり抽選の結果が「通常大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「通常大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率のままであるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、時短中(時短状態)と称する。
なお、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、大当たり抽選の結果が「外れ」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「外れ」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、確変中でも時短中でもない遊技の状態、即ち、大当たり抽選の大当たり確率も第2図柄の当たり確率も通常確率である状態となる。以下では、このような、確変中(確変状態)でも時短中(時短状態)でもない状態を、通常中(通常状態)と称する。
また、LED37aは、パチンコ機10の遊技状態(例えば、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか、等)を点灯状態により、変動表示中(変動中)であるか否かを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示す。
これらLED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数を表示するようにしても良い。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の表示が第1図柄表示装置37のLED37aにより示されると共に、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が9個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と、表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、同一の図柄の組み合わせではなく、同一の図柄でない特定の組み合わせで停止表示されると大当たりが発生するよう構成してもよい。このように非同一の図柄の組み合わせでない停止表示から大当たりを発生させた場合、遊技者は液晶表示画面の表示からは予期し得ない大当たりを経験することになるので、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後に高確率状態(確変状態)へ移行する場合には、同一の主図柄が有効ライン上に揃うように構成されている。ここで、確変大当たりであった場合には、奇数番号が付加された主図柄が揃うように構成され、一方で、通常大当たりであった場合には、偶数番号が付加された主図柄が揃うように構成されている。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図4(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、計時回路206と、検査目的にのみ使用される固有情報(第1ID)を記憶する第1ID用ROM207と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2と、割込回路やデータ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図7を参照しつつ後述する。
ROM202は、第2IDメモリ202aと、メーカー名メモリ202bと、機種名メモリ202cとを有している。
第2IDメモリ202aは、MPU201毎に固有の識別番号(固有情報)である8バイトの第2IDを記憶するためのメモリである。この第2IDは、MPU201の製造時に、製造メーカーによってMPU201毎に付与される(割り当てられる)ユニークな値(例えば、MPU201の製造メーカーによりMPUの製造順に連番として付される値)である。よって、この第2IDの値を参照することにより、各MPU201を特定することができ、さらには、MPU201を搭載する主制御装置110(即ち、各パチンコ機10)を特定することが可能となる。
あるいは、第2IDは、MPU201の個体を特定可能な(即ち、MPU201毎に固有の)識別番号と、そのMPU201を搭載する主制御装置110の個体を特定可能な識別番号(例えば、製造メーカにより個別に付与された識別番号)とのセットであってもよい。第2IDが、MPU201の個体を特定可能な識別番号と、主制御装置110の個体を特定可能な識別番号とのセットであることにより、MPU201及び主制御装置110(即ち、パチンコ機10)を特定することができる。
なお、本実施形態では、第2IDメモリ202aに記憶される第2IDを8バイトのデータとしたが、第2IDのデータ長は8バイトに限らず、種々のデータ長(例えば、4バイトや16バイト等)を採用できる。
メーカー名メモリ202bは、パチンコ機10の製造メーカーを示すメーカー名情報を記憶するためのメモリである。メーカー名情報は、例えば、4バイトのデータとすることができるが、種々のデータ長を採用できる。
機種メモリ202cは、パチンコ機10の機種(即ち、主制御装置110により実行される遊技の種類)を識別可能にする機種名情報を記憶するためのメモリである。この機種名情報は、機種の主タイトル(例えば、「CR△物語」)を示す情報だけであってもよいし、主タイトルに加えて、スペック(仕様)等の詳細情報を含む情報(例えば、「CR△物語 XYZ」)を示すものであってもよい。また、この機種名情報は、例えば、32バイトのデータとすることができるが、種々のデータ長を採用できる。
RAM203は、第2IDメモリ203aと、メーカー名メモリ203bと、機種名メモリ203cと、変動情報メモリ203dと、遊技状況メモリ203eと、変動中フラグ203fと、大当たり中フラグ203gと、確変中フラグ203hと、時短中フラグ203iと、変動回数カウンタ203jとを有している。
第2IDメモリ203a、メーカー名メモリ203b、及び機種名メモリ203cは、それぞれ、ROM202に記憶されている第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報を記憶するためのメモリである。即ち、第2IDメモリ203aには、上述した第2IDメモリ202aに記憶されている第2IDが記憶され、メーカー名メモリ203bには、上述したメーカー名メモリ202bに記憶されているメーカー名情報が記憶され、機種名メモリ203cには、上述した機種名メモリ202cに記憶されている機種名情報が記憶される。ROM202に記憶されている各データは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10におけるS113の処理)において、第2IDメモリ203a、メーカー名メモリ203b、及び機種名メモリ203cに記憶される。
変動情報メモリ203dは、主制御装置110において設定された変動パターンコマンドに応じた情報(変動情報)を記憶するためのメモリである。この変動情報は、第1入球口64へ球が入球(入賞)した場合に後述する変動開始処理(図13参照)において変動パターンコマンドが設定されると、設定された変動パターンコマンドに基づいて設定される。本実施形態では、設定された変動パターンコマンドに、第2IDメモリ203aに記憶される第2IDを付加した情報が変動情報とされる。一方、この変動情報メモリ203dは、第1図柄の変動表示が終了する毎に0クリアされる(図14参照)。なお、この変動情報メモリ203dは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)において0クリアされる。
遊技状況メモリ203eは、パチンコ機10における遊技の状況、例えば、パチンコ機10の遊技状態(本実施形態では、大当たり、確変、時短の発生状態)や、第1図柄の変動状況を示す情報である遊技状況情報を記憶するためのメモリである。なお、この遊技状況メモリ203eは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)において0クリアされる。
ここで、図6を参照して、遊技状況メモリ203cに記憶される遊技状況情報について説明する。図6は、遊技状況情報の構成を示す模式図である。図6に示すように、遊技状況情報は、1バイトのデータとして構成される。なお、以下では、遊技状況情報における最上位ビット(MSB)を「第7ビット」とし、最下位ビット(LSB)を「第0ビット」として、説明を行う。
図6に示すように、遊技状況情報は、第4ビットから第7ビットまでの計4ビットが、固定値「0000」(2進数)で構成されており、残りのビット(第0ビットから第3ビット)には、後述する遊技状況情報設定処理(図16参照)においてパチンコ機10の遊技状況に応じた値が設定される。
遊技状況情報における第0ビットは、第1図柄が変動中であるか否かを示すビットである。この第0ビットには、後述する変動中フラグ203fの状態に応じた値が設定される。具体的には、変動中フラグ203fの状態がオフであれば、「0」が第0ビットに設定され、変動中フラグ203fの状態がオンであれば、「1」が第0ビットに設定される。即ち、遊技状況情報における第0ビットが「1」であれば、第1図柄が変動中であることを示す。
遊技状況情報における第1ビットは、パチンコ機10で実行される遊技が大当たり中であるか否かを示すビットである。この第1ビットには、後述する大当たり中フラグ203gの状態に応じた値が設定される。具体的には、大当たり中フラグ203gの状態がオフであれば、「0」が第1ビットに設定され、大当たり中フラグ203gの状態がオンであれば、「1」が第1ビットに設定される。即ち、遊技状況情報における第1ビットが「1」であれば、遊技が大当たり中であることを示す。
遊技状況情報における第2ビットは、パチンコ機10で実行される遊技が確変中であるか否かを示すビットである。この第2ビットには、後述する確変中フラグ203hの状態に応じた値が設定される。具体的には、確変中フラグ203hの状態がオフであれば、「0」が第2ビットに設定され、確変中フラグ203hの状態がオンであれば、「1」が第2ビットに設定される。即ち、遊技状況情報における第2ビットが「1」であれば、遊技が確変中であることを示す。
遊技状況情報における第3ビットは、パチンコ機10で実行される遊技が時短中であるか否かを示すビットである。この第3ビットには、後述する時短中フラグ203iの状態に応じた値が設定される。具体的には、時短中フラグ203iの状態がオフであれば、「0」が第3ビットに設定され、時短中フラグ203iの状態がオンであれば、「1」が第3ビットに設定される。即ち、遊技状況情報における第3ビットが「1」であれば、遊技が時短中であることを示す。
再度、図5に戻って説明する。変動中フラグ203fは、第1図柄表示装置37のLED37aにおいて第1図柄が変動中であるか否か、及び、第3図柄表示装置81において第3図柄が変動中であるか否かを示すフラグである。この変動中フラグ203fの状態がオンであれば、即ち、「1」が設定されている場合には、第1図柄が変動中であることを示す。
変動中フラグ203fは、後述する変動処理(図12参照)の中で、変動開始処理が実行されると(即ち、第1図柄の変動表示が開始される際に)オンされる。その後、後述する変動終了処理(図14参照)の中で、即ち、実行中の変動表示を終了する際にオフされる。なお、変動中フラグ203fは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)においてオフに設定される。
大当たり中フラグ203gは、パチンコ機10で実行される遊技の遊技状態が大当たり中(特別遊技状態)であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203gの状態がオンであれば、即ち、「1」が設定されている場合には、遊技状態が大当たり中であることを示す。
大当たり中フラグ203gは、大当たり抽選の結果が大当たり(確変大当たり又は通常大当たり)であった場合に、その大当たりが開始されるに伴いオンされ、その後、大当たりが終了する際にオフされる(図15参照)。なお、大当たり中フラグ203gは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)においてオフに設定される。
確変中フラグ203hは、パチンコ機10で実行される遊技の遊技状態が確変中であるか否かを示すフラグである。この確変中フラグ203hの状態がオンであれば、即ち、「1」が設定されている場合には、パチンコ機10が確変中であることを示す。
確変中フラグ203hは、大当たり抽選の結果が確変大当たりであった場合に、その確変大当たりを終了する際にオンされる(図15参照)。一方、大当たり抽選の結果が通常大当たりであった場合には、確変中フラグ203hは、その通常大当たりを終了する際にオフされる(図15参照)。なお、確変中フラグ203hは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)においてオフに設定される。
時短中フラグ203iは、パチンコ機10で実行される遊技の遊技状態が時短中であるか否かを示すフラグである。この時短中フラグ203iの状態がオンであれば、即ち、「1」が設定されている場合には、パチンコ機10が時短中であることを示す。
時短中フラグ203iは、大当たり抽選の結果が通常大当たりであった場合に、その通常大当たりを終了する際にオンされる(図15参照)。そして、遊技状態が時短状態となってから、第1図柄の変動表示が所定回数(本実施形態では、100回)だけ実行されると、この時短中フラグ203iはオフされる(図14参照)。あるいは、時短中フラグ203iは、遊技状態が時短状態となった後に確変大当たりが発生した場合にもオフされる(図15参照)。なお、時短中フラグ203iは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)においてオフに設定される。
変動回数カウンタ203jは、パチンコ機10において大当たり(確変大当たり又は通常大当たり)が発生した後に第1図柄の変動表示が実行された(又は、該変動表示が開始された)回数を計数するカウンタである。
変動回数カウンタ203jは、大当たり抽選により大当たりが選定される毎に、その大当たりに対する第1図柄の変動表示を開始する際にクリア(0に設定)され、大当たり抽選により外れが選定される毎に、その外れに対する第1図柄の変動表示を開始する際に1加算される(図14参照)。なお、変動回数カウンタ203jは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)において0クリアされる。
計時回路206は、現在の日時を刻む時計機能や、設定された時間の経過を計時するタイマ機能を有する既知の回路である。MPU201は、この計時回路206の時計機能やタイマ機能を使用して、各種制御を行う。
第1ID用ROM207は、MPU201毎に固有の識別番号(固有情報)である8バイトの第1IDを記憶するためのメモリである。第1IDもまた、上述した第2IDと同様に、MPU201の製造時に、製造メーカーによってMPU201毎に付与される(割り当てられる)ユニークな値である。よって、上述した第2IDと同様に、第1IDもまた、各MPU201及び各主制御装置110(即ち、各パチンコ機10)に固有の値であり、かかる第1IDを参照するにより、1のパチンコ機10を特定することができる。
この第1ID用ROM207は、ユーザプログラムでは読み取ることができないように設けられている。即ち、ユーザプログラムでは、この第1ID用ROM207に記憶されている第1IDを読み取ることはできない。第1ID用ROM207に記憶されている第1IDは、MPU201に設けられている専用の検査端子201aに接続された検査器900によってのみ読み取ることが可能であり、管理機関又は検査機関によってのみ読み取られるID(識別番号)である。
なお、本実施形態では、第1IDを8バイトのデータとしたが、第1IDのデータ長は8バイトに限らず、種々のデータ長(例えば、4バイトや16バイト等)を採用できる。また、第1IDは、上述した第2IDと同じものであっても、異なるものであってもよい。
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2等について説明する。図7は、各カウンタの概要を示す模式図である。
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図17参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1,CS2,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(図13参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図12参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などで行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図17参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図17のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」か「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(15ラウンド確変大当たり)である。
また、本実施形態における「通常大当たり」と、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(15R通常大当たり)である。
なお、本実施形態では、「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間、第2図柄の当たり確率をアップするように構成するが、これに換えて、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成してもよい。
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を15ラウンドとするが、最大ラウンド数は15ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、16ラウンドなど)とすることができる。
また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも15ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を15ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
また、本実施形態では、「確変大当たり」となった場合には、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリア203aに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称する。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1によって、外れ変動(12秒間の演出)、ノーマルリーチ変動(30秒間の演出)、スーパーリーチ変動(40秒間の演出)、スペシャルリーチ変動(60秒間の演出)の4つの変動演出のパターンの中から、パターン(表示態様)が1つ決定される。このパターンが決定されることによって、図柄変動のおおまかな変動時間が決定される。
一方、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。そして、これらの変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。
従って、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。これらの変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)と表示態様の種別とを対応付けたテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられており、変動種別カウンタCS1の値から表示態様の種別(変動演出のパターン)を選択する場合には、かかるテーブルが参照される。同様に、変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から最終停止図柄が停止するまでの変動時間(変動図柄数)を選択するためのテーブル(図示せず)も、ROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、変動種別カウンタCS1,CS2の組み合わせによって図柄変動態様を決定しているが、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
あるいは、変動種別カウンタCS1,CS2に加えて、第3の変動種別カウンタCS3を用いて変動パターンを決定する構成としてもよい。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができる。その予告演出の演出パターンを変動種別カウンタCS3により選択させる。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+1秒、+2秒など)したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
つまり、変動種別カウンタCS1〜CS3を用いて変動パターンを決定する場合には、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
なお、変動種別カウンタCS3としては、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成とすることができる。この変動種別カウンタCS3は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、後述するメイン処理(図18参照)が1回実行される毎に1回更新し、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新すればよい。また、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルを設けてもよい。即ち、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルを設けてもよい。かかるテーブルを設ける場合には、変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設ければよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図17参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図5に戻って説明する。RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図19参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、音声ランプ制御装置113と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209と、外部出力端子260と、赤外線データ出力装置250とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図19参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板260などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、電飾部29〜33や表示ランプ34における点灯および消灯、特図保留球数Nに応じた特図保留ランプ85の点灯および消灯、ならびに、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110と、表示制御装置114と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を備えている。この図示されないキャラクタ情報メモリには、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、箱の図柄やヘルメットの図柄(図4(b))参照)、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、男の子(図4(b)参照))などがキャラクタ情報として記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリ(図示せず)には、記憶するデータ量を少なくするために、キャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリ235aに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを備えている。
ビデオRAM234における図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶する領域であり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。一方、ビデオRAM234における図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から、ビデオRAM234の表示用記憶領域に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図19参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
外部出力端子板260は、ホール内に設置された複数のパチンコ機10を集中管理するためのホールコンピュータ600が接続可能に構成されている。具体的には、外部出力端子板260は、複数の図示されない端子を有しており、主制御装置110とホールコンピュータ600とを、外部出力端子板260の各端子を介して接続するものである。主制御装置110における外部出力バッファ(図示せず)に記憶される外部出力用の設定データの設定データビットと外部出力端子板260の端子とは、1対1に接続されており、主制御装置110から出力される各信号(例えば、大当たり中信号や変動開始信号)は、1の出力経路によってホールコンピュータ600へ伝送(中継)される。
また、図示はしないが、払出制御装置111のRAM213に設けられている外部出力バッファ(図示せず)に記憶される設定データの設定データビットと外部出力端子板260の端子との接続もまた、1対1に接続されており、払出制御装置111から出力される各信号(例えば、所定個数の賞球が払い出される毎に出力される信号など)は、1の出力経路によってホールコンピュータ600へ伝送される。
なお、外部出力端子板260における図示されない端子はフォトカプラによって構成されており、フォトカプラの一次側である発光ダイオードがパチンコ機10の主制御装置110及び払出制御装置111に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)がホールコンピュータ600に接続されている。よって、パチンコ機10とホールコンピュータ600との間で外部出力端子板260を介して行われる通信は、フォトカプラの一次側に接続されるパチンコ機10から、該フォトカプラの二次側に接続されるホールコンピュータ600への一方向通信となるので、その反対方向、即ち、ホールコンピュータ260からパチンコ機10(特に、主制御装置110)への不正な電気信号(パルス信号など)の伝送が防止される。
赤外線データ出力装置250は、データを赤外線通信により出力(送信)するための装置であり、赤外線送信ポート250a(図1参照)と、図示されない送信データ制御回路とを有している。赤外線データ出力装置250は、RAM203内に記憶されている出力すべきデータを、送信データ制御回路にて、所定の赤外線通信規格(例えば、IrDA規格)の赤外線信号とした後、その赤外線信号を赤外線送信ポート250aから出力する。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、赤外線データ出力装置250(赤外線送信ポート250a)から、後述する携帯端末300へ、第2IDなどの情報を出力できるように構成されている。そして、情報を受信した携帯端末300が、受信した情報を、ホール内に設けられているホール用端末680を介してホールコンピュータ600へ出力することにより、パチンコ機10で実行される遊技に対する不正行為、例えば、主制御基板110自体を不正基板に取り替えることによる不正行為を抑制できる。
次に、図8を参照して、上述したパチンコ機10と共に遊技機システム500を構成する携帯端末300の電気的構成や、携帯端末300から情報を受け取るホールコンピュータの電気的構成について説明する。図8は、遊技機システム500の構成を示すブロック図である。
本実施形態の携帯端末300は、パチンコ機10から赤外線通信によって情報を受信可能に構成された端末である。かかる携帯端末300は、図8に示すように、演算装置であるCPU301と、該CPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM303とを有している。
RAM303は、遊技機情報メモリ303a(303a1〜303an)と、変動情報メモリ303bと、遊技状況メモリ303cと、変動回数メモリ303dとを有している。
遊技機情報メモリ303aは、パチンコ機10から情報を受信した場合に、受信した情報のうち、第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報(以下、これら3つの情報をまとめて「遊技機情報」と称する。)を記憶するためのメモリである。
本実施形態において、遊技機情報メモリ303aは、異なるパチンコ機10から情報を受信する毎に、受信した情報に含まれる遊技機情報を蓄積できるよう構成されている。即ち、n台(nは1以上の整数)のパチンコ機10から情報を受信した場合には、遊技機情報メモリ303aは、第1遊技機情報メモリ303a1から、第n遊技機情報メモリ303anまでの、n個の遊技機情報メモリから構成される。
遊技機情報メモリ303aの構成を、第1遊技機情報メモリ303a1を例示して具体的に説明する。なお、他の遊技機情報メモリ、即ち、第2遊技機情報メモリ303a2〜第n遊技機情報メモリ303anも、第1遊技機情報メモリ303a1と同様に構成されている。
第1遊技機情報メモリ303a1は、第2IDメモリ303a1aと、メーカー名メモリ303a2と、機種名メモリ303a3とから構成される。第2IDメモリ303a1aは、受信した遊技機情報のうち第2IDを記憶するためのメモリである。メーカー名メモリ303a2は、受信した遊技機情報のうちメーカー名情報を記憶するためのメモリである。機種名メモリ303a3は、受信した遊技機情報のうち機種名情報を記憶するためのメモリである。
変動情報メモリ303bは、パチンコ機10から情報を受信した場合に、受信した情報のうち、変動情報(即ち、パチンコ機10の主制御装置110において設定された変動パターンコマンドに応じた情報)を記憶するためのメモリである。
遊技状況メモリ303cは、パチンコ機10から受信した情報のうち、遊技状況情報を記憶するためのメモリである。また、変動回数メモリ303dは、パチンコ機10から受信した情報のうち、変動回数情報(パチンコ機10における変動回数カウンタ203jの値)を記憶するためのメモリである。
なお、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、及び変動回数メモリ303dは、上述した遊技機情報メモリ303aとは異なり、パチンコ機10から情報を受信する毎に、各情報が上書きされる。即ち、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、及び変動回数メモリ303dには、最新に情報を受信したパチンコ機10の情報(変動情報、遊技状況情報、及び変動回数情報)のみが記憶される。
上述した遊技機情報メモリ303a、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、及び変動回数メモリ303dは、いずれも、携帯端末300の電源投入時に初期化(0クリア)される。なお、RAM303にバックアップ電圧を供給したり、RAM303に記憶される内容を携帯端末300の電源断前にフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに記憶するなどして、各メモリ303a〜303dの記憶内容を、クリアボタンなどの操作によって意図的に消去するまで残しておく構成としてもよい。
CPU301、ROM302、及びRAM303は、バスライン304を介して入出力ポート305に接続されている。この入出力ポート305には、パチンコ機10から受信した(入力された)情報を表示するためのLCDにより構成される表示画面311と、赤外線通信による情報の入力(受信)を指示するためのスイッチである受信ボタン312と、赤外線通信による情報の出力(送信)を指示するためのスイッチである送信ボタン313と、赤外線データ入力装置314と、赤外線データ出力装置315とが接続されている。
赤外線データ入力装置314は、データを赤外線通信によって入力(受信)するための装置であり、赤外線受信ポート(図示せず)と、図示されない受信データ制御回路とを有している。赤外線データ入力装置314は、赤外線受信ポートから受信した赤外線信号を、受信データ制御回路にて、所定の赤外線通信規格(例えば、IrDA規格)のデータから復調した後、CPU301へ供給される。
赤外線データ出力装置315は、データを赤外線通信により出力するための装置であり、赤外線送信ポート(図示せず)と、図示されない送信データ制御回路とを有している。赤外線データ出力装置315は、RAM203に記憶されている出力すべきデータを、送信データ制御回路にて、所定の赤外線通信規格(例えば、IrDA規格)の赤外線信号とした後、その赤外線信号を赤外線送信ポートから出力する。
なお、本実施形態では、赤外線データ入力装置314と赤外線データ出力装置315とを別体として構成したが、送受信可能な赤外線ポートと、その赤外線ポートを介して受信したデータを処理するための受信データ制御回路と、赤外線ポートを介して出力(送信)すべきデータを処理する送信データ制御回路とを有する1の赤外線データ入出力装置として構成してもよい。
本実施形態では、携帯端末300は、パチンコ機10から赤外線通信によって出力された情報を赤外線データ入力装置314によって受信し、受信した情報に含まれている遊技機情報(第2ID、メーカー名情報、及び機種情報)を、ホール内に設けられているホール用端末680を介してホールコンピュータ600へ出力する。
詳細は後述するが、ホールコンピュータ600は、携帯端末300から遊技機情報を受信した場合に、その遊技機情報を、インターネット700を介して、MPU201の製造メーカー又は第三者機関が所有する外部サーバ800へと出力し、遊技機情報の問い合わせを行う。外部サーバ800は、ホールコンピュータ600から受信した遊技機情報に基づき、パチンコ機10の主制御装置110が正当なものであるか否か、即ち、MPU201の製造時にメーカーによって付与された遊技機情報であるか否かを判別する。その後、携帯端末300は、その判別結果を、ホールコンピュータ600及びホール用端末680を介して外部サーバ800から受信し、受信した判別結果を表示画面311に表示する。これにより、携帯端末300の操作者(例えば、ホールの店員など)は、パチンコ機10の主制御基板110自体が不正基板に取り替えられているか否かを把握することができるので、不正基板の取り替え(置換)による不正行為を防止することができる。
また、図8に示すように、ホールコンピュータ600は、演算装置であるCPU601と、CPU601により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM602と、そのROM602内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM603とを有している。
CPU601、ROM602、及びRAM603は、バスライン604を介して入出力ポート605に接続されている。この入出力ポート605には、パチンコ機10(外部出力端子板260)に接続するためのインターフェイス611が接続されている。ホールコンピュータ600は、ホール内の各パチンコ機10から受信した情報(設定データ)に基づき、各パチンコ機10における当日の大当たり回数、大当たり後の変動回数(変動開始回数)、現在の遊技状態などをRAM203に記憶する。
また、入出力ポート605には、ホール用端末680に接続するためのインターフェイス612と、インターネット700に接続するためのインターフェイス713とが接続されている。
さらに、入出力ポート605には、ホール内の各パチンコ機10の上方に設置され、対応するパチンコ機10の状態(例えば、当日の大当たり回数、大当たり後の変動回数など)を報知するデータ表示器651と、異常報知などの各種情報を視覚的に表示するディスプレイ652と、異常報知などの各種情報を聴覚的に出力するスピーカ653とが接続されている。
次に、図9を参照して、携帯端末300の表示画面311に表示される表示内容について説明する。図9は、携帯端末300の表示画面311に表示される表示内容の例を示す模式図である。
図9(a)及び図9(b)は、携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信した場合の表示画面311の例を示す模式図である。携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信した場合には、パチンコ機10の機種名を示す文字情報321(この例では、「CR△物語」)が表示画面311の左側上方に表示される。なお、この文字情報321は、最新に受信したパチンコ機10に対応する遊技機情報メモリ303aに含まれる機種名メモリに記憶されている機種名情報に基づき表示される。
遊技機情報メモリ303aに記憶される情報は、パチンコ機10の正規な主制御情報110(MPU201)に記憶されている情報である。そのため、例えば、主制御基板が不正な基板に取り替えられた場合には、正確な機種情報を出力できないので、文字情報321は正確な機種名を表示するものではなくなる。よって、携帯端末300の操作者は、正確な機種名が文字情報321として表示されていないことを認識した場合に、かかる文字情報321の内容に基づいて不正行為の可能性を知ることができ、何らかの対策を図ることができる。
なお、文字情報321として表示される機種名は、図9(a)及び(b)に示す「CR△物語」のような機種の主タイトルのみだけであってもよいし、主タイトルに加えて、スペック(仕様)等の詳細情報を表示してもよい。例えば、「CR△物語」という主タイトルの機種内に、大当たり確率や設定されている大当たり種別等の異なる複数のスペック(仕様)が存在する場合に、主タイトルとスペックとを表示した「CR△物語 XYZ」という文字情報を文字情報321として表示画面311に表示してもよい。文字情報321が伝達する情報量が増える程、携帯端末300の操作者は、受信元のパチンコ機10の状況を把握し易くなる。
また、機種名に加えて、遊技機情報メモリ303aの第2IDメモリに記憶される第2ID、及び/又は、メーカー名メモリに記憶されるメーカー名情報を、文字情報321として表示してもよい。あるいは、機種名に換えて、第2ID又はメーカー名情報の少なくとも一方を文字情報321として表示するようにしてもよい。
文字情報311の下方に表示される文字情報322及び文字情報323は、変動情報メモリ303bに記憶される変動情報が「0」でない場合に、該変動情報に基づいて表示される情報である。より具体的には、文字情報322及び文字情報323は、変動情報メモリ303bに記憶される変動情報に含まれる変動パターンを示す情報(本実施形態では、パチンコ機10の主制御情報110(MPU201)が設定した変動パターンコマンド)に基づいて表示される。即ち、文字情報322及び文字情報323は、パチンコ機10において、第1図柄が変動中(変動の開始を含む)である場合に表示される文字情報である。
具体的に、文字情報322は、情報の受信時点でパチンコ機10において実行される(実行開始された又は実行中の)第1図柄の変動表示の終了後の遊技状態が大当たりであるか否かを示す文字情報である。即ち、文字情報322は、実行中の変動表示を開始させる契機となった第1入球口64への入賞タイミングにおいて行われた大当たり抽選の抽選結果を示す文字情報である。
図9(a)に示す例では、文字情報322は「大当たり」と表示されており、パチンコ機10は実行中の変動表示の終了後に大当たり(確変大当たり又は通常大当たり)が発生することを示している。一方、図9(b)に示す例では、文字情報322は「外れ」と表示されており、パチンコ機10の遊技状態は変動表示の終了後も変化しないことを示している。
上述した通り、文字情報322は、パチンコ機10の主制御情報110(MPU201)が設定した変動パターンコマンドに基づく表示である。即ち、文字情報322として表示される「変動表示の終了後の遊技状態」は、正規の主制御基板110が正当に行った大当たり抽選の抽選結果を示すものである。よって、例えば、不正行為者がパチンコ機10に不正な基板を設けて、不正に大当たりを発生させたとしても、表示画面311に表示さえた文字情報322が「外れ」であれば、携帯端末300の操作者は、不正行為による不正な大当たりの発生であることを知ることができ、かかる不正行為を防ぐことができる。
また、不正基板を用いた不正行為には、大当たりの不正な発生だけなく、LCD(本実施形態の第3図柄表示装置81に対応するもの)に表示される画面を、不正に発生させた大当たりに合わせた画面となるように制御して、外見上は如何にも大当たりしているかのように見せる巧妙なものがある。しかし、このように、一見にして不正であると判別し難い不正行為であっても、表示画面311に表示さえた文字情報322が「外れ」であれば、かかる不正行為を見抜くことができる。
また、この文字情報322は、情報の受信時点でパチンコ機10において実行される第1図柄(又は第3図柄)の変動表示の終了後の遊技状態を示すものであるので、携帯端末300の操作者は、実際に変動表示が終了するのに先立って、変動表示の終了後の遊技状態を知ることができる。よって、携帯端末300の操作者は、例えば、不正な大当たりが生じる前に、その不正な大当たりを発見することができる。
なお、本実施形態では、確変大当たりと通常大当たりとを区別することなく、文字情報322は「大当たり」と表示するものとしたが、変動情報に含まれる変動パターンを示す情報(即ち、パチンコ機10において使用された変動パターンコマンド)は、確変大当たりと通常大当たりとが区別可能であるので、文字情報322が「確変大当たり」と「通常大当たり」とを区別可能に表示する構成としてもよい。文字情報322が伝達する情報量が増える程、携帯端末300の操作者は、受信元のパチンコ機10の状況を把握し易くなる。
一方、文字情報323は、情報の受信時点でパチンコ機10において実行される第1図柄の変動表示の変動パターンを示す文字情報である。よって、携帯端末300の操作者は、表示画面311に表示された文字情報323を視認することにより、パチンコ機10で実行される変動表示の種類を把握することができる。
例えば、図9(a)に示す例では、文字情報323は「Aリーチ(30秒)」と表示されており、パチンコ機10で実行中の(又は開始される)変動表示が、変動時間が30秒であるリーチの1つであるAリーチであることを示している。一方、図9(b)に示す例では、文字情報323は「外れ変動」と表示されており、パチンコ機10で実行中の(又は開始される)変動表示が外れ変動であることを示している。図9(b)に示す例では、単に「外れ変動」と表示しているが、図9(a)に示す例と同様に、「外れ変動(12秒)」等、外れ変動の変動時間も表示する構成としてもよい。
文字情報323は、パチンコ機10の主制御情報110(MPU201)が設定した変動パターンコマンドに基づく表示であるので、パチンコ機10に不正が加えられていない(即ち、パチンコ機10が正規のものである)場合には、パチンコ機10にて実際に実行される変動表示は、表示画面311に表示された文字情報323が示す変動パターンの種類と一致するはずである。これに対し、表示画面311に表示された文字情報323が示す変動パターンの種類と、パチンコ機10にて実際に実行される変動表示とが相違する場合には、不正行為の可能性が存在する。よって、携帯端末300の操作者は、表示画面311に表示された文字情報323と、パチンコ機10で実行される変動表示(特に、第3図柄表示装置81において装飾的に行われる第3図柄の変動表示)とを見比べることにより、不正行為の可能性の有無を判断することができる。
また、携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信した場合には、文字情報324が、表示画面311の左側下方に表示される。この文字情報324は、変動回数メモリ303dに記憶される変動回数情報に基づいて表示されるものである。上述した通り、変動回数メモリ303dには、パチンコ機10から受信した変動回数カウンタ203jの値が記憶されるので、文字情報324は、最後に発生した大当たり以降に実行された第1図柄の変動表示の回数に基づく表示である。
例えば、図9(a)に示す例では、文字情報324は「変動回数 50回」と表示されており、最後に発生した大当たり以降に実行された変動表示の回数が50回であることを示している。一方、図9(b)に示す例では、文字情報324は「変動回数 100回」と表示されており、最後に発生した大当たり以降に実行された変動表示の回数が100回であることを示している。
携帯端末300の操作者は、この文字情報324を視認することにより、パチンコ機10で実行される遊技の進行状況を推測することができる。よって、文字情報324として表示された変動回数と、そのパチンコ機10において発生している大当たりの頻度とを監視することにより、不正行為の可能性の有無の判断を補助し得る。
また、図9(a)及び(b)に示すように、携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信した場合には、該パチンコ機10における遊技の状況を示すためのアイコン325が表示される。より具体的には、アイコン325は、携帯端末300がパチンコ機10から受信した情報のうち、遊技状況情報に基づいて表示されるものである。なお、本実施形態では、図9(a)及び(b)に示すように、遊技状況情報(図6参照)の第0ビット〜第3ビットまでの各ビットが示す遊技の状況を表示できるように、アイコン325は、4つのアイコン325a〜325dから構成される。
第1のアイコン325aは、遊技状況情報(図6参照)の第0ビットの値に基づき、第1図柄の変動中であるか否かを示すためのアイコンであり、このアイコン325aが点灯されている場合には、第1図柄の変動中であることを示し、消灯されていれば(点灯されていなければ)、図柄の変動中でない(即ち、例えば、大当たり中や、デモ画面の表示中などである)ことを示す。
また、第2のアイコン325bは、遊技状況情報の第1ビットの値に基づき、大当たり中であるか否かを示すためのアイコンであり、このアイコン325bが点灯されている場合には、大当たり中であることを示し、消灯されていれば、大当たり中でないことを示す。
また、第3のアイコン325cは、遊技状況情報の第2ビットの値に基づき、確変中であるか否かを示すためのアイコンであり、このアイコン325cが点灯されている場合には、確変中であることを示し、消灯されていれば、確変中でないことを示す。
また、第4のアイコン325dは、遊技状況情報の第3ビットの値に基づき、時短中であるか否かを示すためのアイコンであり、このアイコン325dが点灯されている場合には、時短中であることを示し、消灯されていれば、時短中でないことを示す。
図9(a)及び(b)では、点灯されているアイコンを斜め格子状のハッチングにより表示している。即ち、図9(a)及び(b)に示す例では、第1のアイコン325aのみが点灯されており、第2のアイコン325b、第3のアイコン325c、及び第4のアイコン325dは消灯されていない。よって、携帯端末300の操作者は、図9(a)及び(b)に示す表示画面311を視認した場合に、アイコン325(325a〜325d)の点灯状況から、パチンコ機10が、大当たり中でも確変中でも時短中でもなく、変動中であることを知ることができる。
このように、携帯端末300の操作者は、アイコン325(325a〜325d)の点灯状況を視認することにより、パチンコ機10で実行される遊技の状況を把握することができる。よって、携帯端末300の操作者は、アイコン325(325a〜325d)の点灯状況に基づいて把握した遊技の状況と、パチンコ機10における実際の遊技状況や第3図柄表示装置81などの表示内容とを比べることにより、不正行為の可能性の有無の判断を補助し得る。
次に、図9(c)は、携帯端末300が、遊技機情報メモリ303a(303a1〜303an)に記憶される遊技機情報をホールコンピュータ600へ出力した結果として、その遊技機情報に対する正当性の判別結果をホールコンピュータ600から受信した場合に表示される表示画面311の例を示す模式図である。
ホールコンピュータ600から遊技機情報に対する正当性の判別結果を受信した場合には、その判別結果を示す文字情報326が表示画面311の中央に表示される。図9(c)に示す例では、文字情報326は「未登録の基板あり」と表示されており、ホールコンピュータ600へ出力した遊技機情報のうち、少なくとも1つの遊技機情報が、メーカーに登録されていない(即ち、不正な)ことを示すものであると判別されたことを示している。なお、ホールコンピュータ600から受信した遊技機情報に対する正当性の判別結果が、全ての遊技機情報が正当であることを示すものであれば、その旨を示す文字情報(例えば、「全て登録基板です」)が文字情報326として画面311に表示される。
「未登録の基板あり」という文字情報326を視認した携帯端末300の操作者は、これまでに蓄積した遊技機情報の中に、不正な情報が含まれている可能性あることを把握することができる。即ち、情報を受信したパチンコ機10の中に、不正な基板を使用したパチンコ機10が含まれている可能性があることを、携帯端末300の操作者が把握し得るので、何らかの対策を図ることができる。
なお、ホールコンピュータ600から受信した判別結果に、パチンコ機10の設置位置などの情報が含まれている場合には、その情報を文字情報326と共に表示する構成としてもよい。あるいは、不正であると判別された遊技機情報の取得時間を文字情報326と共に表示する構成としてもよい。不正な基板を使用したパチンコ機10を特定し易くすることにより、より確実な不正防止を実現することができる。
次に、図10から図19のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込処理を説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とタイマ割込処理とを説明する。
まず、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図19は、主制御装置110のNMI割込処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図10を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図11のS216の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期設定(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期設定(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。
本実施形態のパチンコ機10では、RAM203の初期値を設定するS113において、ROM202の第2IDメモリ202a、メーカー名メモリ202b、及び機種名メモリ202cに記憶されている各情報を、RAM203の対応メモリに記憶する。具体的に、第2IDメモリ202aに記憶されている第2IDを、第2IDメモリ203aに記憶し、メーカー名メモリ202bに記憶されているメーカー名情報を、メーカー名メモリ203bに記憶し、機種名メモリ202cに記憶されている機種名情報を、機種名メモリ203cに記憶する。RAM203の初期設定、即ち、S112,S113の処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図11を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S209の各処理が実行され、その残余時間でS212,S213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図17参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
また、この外部出力処理(S201)により、図示されない外部出力設定処理において設定されたにおいて遊技中の状態に応じたデータを、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ出力する。かかる設定データを構成する各設定データビットには、大当たり中であるか否かに応じた値を設定する設定データビットや、変動中であるか否かに応じた値を設定する設定データビット等が含まれており、各設定データビットの出力状態に応じて大当たり中信号や変動中信号等が形成される。
次に、前回の処理(具体的には、前回のS209の処理)で設定された出力データを赤外線データ出力装置250へ出力する赤外線データ通信処理を実行する(S202)。赤外線データ出力装置250へ出力された出力データは、赤外線によって赤外線送信ポート250aから出力される。
S202の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S203)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S205)。なお、変動処理の詳細は図12を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放して閉鎖する処理を所定ラウンド数繰り返し実行する処理である。なお、この大当たり処理(S206)の詳細は図15を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S207)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
S207の処理後は、遊技状況に応じた遊技状況情報を遊技状況メモリ203eに記憶(設定)する遊技状況情報設定処理を実行する(S208)。なお、この遊技状況情報設定処理(S208)の詳細は図16を参照して後述する。
次に、赤外線通信により出力する情報の設定を行う(S209)。即ち、第2IDメモリ203a、メーカー名メモリ203b、機種名メモリ203c、変動情報メモリ203d、遊技状況メモリ203e、及び変動回数カウンタ203jに記憶されている各情報が、RAM203内の所定領域に出力データとして設定される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S210)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S210:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S211)、既に所定時間が経過していれば(S211:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S211:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S212,S213)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S212)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S213)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
また、S210の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S210:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図19参照)が実行されたということなので、S214以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S214)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S215)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S216)、RAM203のアクセスを禁止して(S217)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S210の処理は、S201〜S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS212とS213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図12を参照して、変動処理(S205)について説明する。図12は、メイン処理(図11参照)の中で実行される変動処理(S205)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。特図保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。特図保留球数N>0であれば(S303:Yes)、特図保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
かかるデータシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図13を参照して後述する。変動開始処理(S306)の実行後は、変動中フラグ203fをオンし(S307)、変動処理(S205)を終了する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S309)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率状態となる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に低確率状態となる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、第2の確変大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には停止図柄として、赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了するために、変動終了処理を実行する(S310)。なお、変動終了処理(S310)で実行される詳細な処理については、図14を参照して後述する。
変動終了処理(S310)の実行後、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S311)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図13を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図13は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。本実施形態におけるパチンコ機10の場合には、前述した通り、通常の確率(低確率)時、即ち、確変中フラグ203hがオフである場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値0〜619のうち、「310,608」が当たり値であり、高確率時、即ち、確変中フラグ203hがオンである場合には、「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認し、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか(即ち、確変大当たりであるか)、低確率状態へ移行するか(即ち、通常大当たりであるか)が設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、S402の処理で設定された大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。
次に、S402において第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて設定された大当たりの表示態様が、確変大当たりであるかを確認する(S403)。S404の処理によって確認した結果、確変大当たりであれば(S403:Yes)、時短カウンタ(図示せず)を0に設定し(S404)、S405の処理へ移行する。
なお、図示されない時短カウンタとは、遊技状態が時短状態に遷移された場合に、その実行期間を計時(計測)するカウンタである。ここで、時短状態の実行期間は、時短状態への遷移後(時短状態への遷移の条件を満たした大当たりの終了後)に、第1入球口64への球の入賞(始動条件の成立、始動入賞)を条件として行われる抽選回数(第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示の回数)により規定されており、本実施形態では100回とされている。
一方で、S403の処理により確認した結果、確変大当たりでない、即ち、通常大当たりである場合には(S403:No)、図示されない時短カウンタを、時短状態の実行期間の最大値である100に設定し(S413)、S405の処理へ移行する。
S405では、大当たり時の変動パターンを決定する(S405)。S405の処理で大当たり時の変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S405の処理後は、変動回数カウンタ203jをクリア(0に設定)し(S406)、S407の処理へ移行する。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S410)。S410の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、確変中フラグ203hがオンを示す高確率状態(確変状態)であるか、確変中フラグ203hがオフを示す低確率状態(時短状態又は通常状態)であるかと、特図保留球数Nとに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次いで、外れ時の変動パターンを決定する(S411)。S411の処理で外れ時の変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、上述したS405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S411の処理後は、変動回数カウンタ203jに1加算して(S412)、S407の処理へ移行する。
S407では、上述したS405又はS411の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定する(S407)。次いで、S407の処理により設定された変動パターンコマンドと、第2IDメモリ203aに記憶されている第2IDとから、変動情報が設定されて、その変動情報を変動情報メモリ203dに記憶する(S408)。変動情報が、変動パターンコマンドと第2IDとから構成されることにより、変動パターンコマンドが正規の主制御装置110において設定されたか否かの判別が可能となる。
なお、本実施形態では、S408において設定される変動情報は、例えば、変動パターンコマンドが2バイトから構成され、第2IDが1バイトから構成される場合には、上位2バイトが変動パターンコマンドであり、下位1バイトが第2IDである、計3バイトのデータとして設定される。あるいは、変動パターンコマンドと第2IDとを合成したデータを変動情報として設定する構成であってもよい。
S408の処理後、S402又はS410の処理で設定された停止図柄に応じて種別コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図14を参照して、変動終了処理(S310)について説明する。図14は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動終了処理(S310)を示すフローチャートである。
図14に示すように、変動終了処理(S310)では、まず、時短カウンタ(図示せず)の値が0であるかを確認し(S441)、時短カウンタの値が0でなければ(S441:No)、時短カウンタの値を1減算し(S442)、時短カウンタの値が0であるかを再度確認する(S443)。このとき、時短カウンタの値が0であれば(S443:Yes)、時短状態を終了するタイミングであるので、時短中フラグ203iをオフして(S444)、S445の処理へ移行する。
一方で、S421の処理により確認した結果、時短カウンタの値が0であった場合(S421:Yes)、または、S423の処理により確認した結果、時短カウンタの値が0でなかった場合(S423:No)には、時短状態でないか、時短状態の終了タイミングではないかのいずれかであるので、S444の処理をスキップして、S445の処理へ移行する。
S445では、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了させるためのデータを設定する(S445)。このS445の処理によってデータが設定された結果、第1図柄の変動表示が終了する。S445の処理後、変動情報メモリ203dを0クリアし(S446)、変動中フラグ203fをオフし(S447)、変動終了処理(S310)を終了する。
次に、図15を参照して、上述した大当たり処理(S206)について説明する。図15は、メイン処理(図11参照)の中で実行される大当たり処理(S206)を示すフローチャートである。
図15に示すように、大当たり処理(S206)では、まず、変動処理(図12参照)におけるS301の処理と同様に大当たり中であるかを判別し(S321)、大当たり中でなければ(S321:No)、大当たりの開始時であるか否かを判別する(S322)。S322の処理による判別の結果、大当たりの開始時でもなければ(S322:No)、大当たり処理(S206)を終了する。
一方で、S322の処理による判別の結果、大当たりの開始時であれば(S322:Yes)、大当たりの開始を設定し(S323)、大当たりフラグ203gをオンする(S324)。S323では、大当たりの開始を設定すると共に、大当たりのオープニング演出を第3図柄表示装置81に表示させるためのコマンドや、そのオープニング演出の演出時間を設定する。S323による設定の結果、第3図柄表示装置81に大当たりのオープニング演出が表示され、大当たり状態の遊技が開始する。
S324の処理後、あるいは、S321において大当たり中であると判断された場合には(S321:Yes)、特定入賞口65aの開閉を制御する特定入賞口開閉処理を実行する(S325)。具体的には、特定入賞口65aの開放タイミングが到来した場合に、特定入賞口65aを開放し、その後、予め規定されている時間(例えば、30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(例えば、10個)の球が入球するかした場合に、特定入賞口65aを閉鎖する。そして、かかる特定入賞口65aの開閉動作を最大ラウンド数だけ繰り返す。
S325の処理後、大当たりの終了タイミングであるか否か、即ち、最後のラウンドにおける特定入賞口65aの閉鎖が実行されたか否かを判別する(S326)。かかる判別の結果、大当たりの終了タイミングでない、即ち、引き続き大当たり中である場合には(S326:No)、大当たり処理(S206)を終了する。
一方で、大当たりの終了タイミングであれば(S326:Yes)、大当たりの終了を設定し(S327)、大当たり中フラグ203gをオフする(S328)。S327では、大当たりの終了を設定すると共に、大当たりのエンディング演出を第3図柄表示装置81に表示させるためのコマンドや、そのエンディング演出の演出時間とを設定する。S327による設定の結果、第3図柄表示装置81に大当たりのエンディング演出が表示され、大当たり状態が終了する。
S328の処理後、終了した大当たりが確変大当たりであったか否かを判別する(S329)。S329の処理による判別の結果、終了した大当たりが確変大当たりであれば(S329:Yes)、確変中フラグ203hをオンし(S330)、時短中フラグ203iをオフして(S331)、大当たり処理(S206)を終了する。一方で、終了した大当たりが通常大当たりであれば(S329:No)、確変中フラグ203hをオフし(S332)、時短中フラグ203iをオンして(S333)、大当たり処理(S206)を終了する。
次に、図16を参照して、上述した遊技状況情報設定処理(S208)について説明する。図16は、メイン処理(図11参照)の中で実行される遊技状況情報設定処理(S208)を示すフローチャートである。
図16に示すように、遊技状況情報設定処理(S208)では、まず、変動中フラグ203fがオンであるか否かを確認する(S341)。S341の処理により確認した結果、変動中フラグ203fがオンであれば(S341:Yes)、遊技状況情報(図6参照)における第0ビットに「1」を設定し(S342)、一方で、変動中フラグ203fがオフであれば(S341:No)、遊技状況情報における第0ビットに「0」を設定する(S349)。
次に、大当たり中フラグ203gがオンであるか否かを確認する(S343)。S343の処理により確認した結果、大当たり中フラグ203gがオンであれば(S343:Yes)、遊技状況情報における第1ビットに「1」を設定し(S344)、一方で、大当たり中フラグ203gがオフであれば(S343:No)、遊技状況情報における第1ビットに「0」を設定する(S350)。
次に、確変中フラグ203hがオンであるか否かを確認する(S345)。S345の処理により確認した結果、確変中フラグ203hがオンであれば(S345:Yes)、遊技状況情報における第2ビットに「1」を設定し(S346)、一方で、確変中フラグ203hがオフであれば(S345:No)、遊技状況情報における第2ビットに「0」を設定する(S351)。
次に、時短中フラグ203iがオンであるか否かを確認する(S347)。S347の処理により確認した結果、時短中フラグ203iがオンであれば(S347:Yes)、遊技状況情報における第3ビットに「1」を設定し(S348)、遊技状況情報設定処理(S207)を終了する。一方で、S347の処理により確認した結果、時短中フラグ203iがオフであれば(S347:No)、遊技状況情報における第3ビットに「0」を設定し(S352)、遊技状況情報設定処理(S207)を終了する。
図17は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図18を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図18のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図18は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、特図保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理へ戻る。
次に、図20及び図21のフローチャートを参照して、上述したパチンコ機10と共に遊技機システム500を構成する携帯端末300において実行される処理について説明する。
図20は、携帯端末300で実行されるデータ受信処理を示すフローチャートである。このデータ受信処理は、携帯端末300の操作者が、携帯端末300の赤外線受信ポート(図示せず)を、情報の収集を所望するパチンコ機10の赤外線送信ポート205aへ向けた状態で受信ボタン312を操作した場合に起動する処理である。
データ受信処理では、まず、表示画面311の表示をクリアする(S1001)。次いで、受信エラーが生じたか否かを確認する(S1002)。なお、本実施形態では、パチンコ機10から出力される情報のうち、最初の情報(例えば、第2ID)を所定時間(例えば、10秒)内に受信できなかった場合に受信エラーが発生したと判定する。
S1002の処理により確認した結果、受信エラーが発生した場合には、表示画面311にエラー画面を表示してエラーの報知を行い(S1008)、データ受信処理を終了する。一方で、受信エラーが発生することなく、パチンコ機10から出力された情報を受信できた場合には(S1002:Yes)、データの受信を行い、受信したデータを受信バッファに記憶する(S1003)。
データ受信の終了後、受信した情報に含まれる第2IDと同じ第2IDが、RAM303(遊技機情報メモリ303a)に記憶されているか否かを確認し(S1004)、RAM303に同じ第2IDが記憶されていなければ(S1004:No)、RAM303に遊技機情報メモリ303anを追加し(S1005)、S1006の処理へ移行する。
一方で、受信した情報に含まれる第2IDと同じ第2IDが、RAM303に記憶されている場合には(S1004:Yes)、S1005の処理をスキップして、S1006の処理へ移行する。
S1006では、受信した情報をRAM203の対応領域に記憶する(S1006)。具体的には、受信した情報のうち、第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報を、遊技機情報メモリ303aの対応メモリ(第2IDメモリ、メーカー名メモリ、機種名メモリ)に記憶し、変動情報を、変動情報メモリ303bに記憶し、遊技状況情報を、遊技状況メモリ303cに記憶し、変動回数情報を、変動回数メモリ303dに記憶する。
次いで、受信した情報に基づき表示画面311に情報を表示し(S1007)、データ受信処理を終了する。なお、本実施形態では、今回(即ち、最新に)情報を受信したパチンコ機10に対応する遊技機情報メモリ303aの機種名メモリに記憶されている機種名情報と、変動情報メモリ303bに記憶されている変動情報と、遊技状況メモリ303cに記憶されている遊技状況情報と、変動回数メモリ303dに記憶されている変動回数情報とに基づく表示を表示画面311に表示する。その結果、表示画面311には、例えば、図9(a)や図9(b)に示す表示が表示される。
図21は、携帯端末300で実行されるデータ送信処理を示すフローチャートである。このデータ送信処理は、携帯端末300の操作者が、携帯端末300の赤外線送信ポート(図示せず)を、ホール用端末680の赤外線受信ポート(図示せず)へ向けた状態で送信ボタン313を操作した場合に起動する処理である。
データ送信処理では、まず、遊技機情報メモリ303a(303a1〜303an)に記憶されている情報、即ち、第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報を、送信バッファに記憶して出力する(S1101)。
次いで、送信エラーが生じたか否かを確認する(S1102)。なお、本実施形態では、S1101による出力後、所定時間(例えば、10秒)以内に受信完了信号を受信しなかった場合に送信エラーが発生したと判定する。
S1102の処理により確認した結果、送信エラーが発生した場合には、表示画面311にエラー画面を表示してエラーの報知を行い(S1106)、データ送信処理を終了する。
一方で、送信エラーが発生することなく情報の出力が完了した場合には(S1102:Yes)、遊技機情報メモリ303a(303a1〜303an)をクリアし(S1103)、出力した遊技機情報に基づき、外部サーバ800が行った遊技機情報に対する正当性の判別結果をホール用端末680から受信したか否かを確認する(S1104)。
S1104の処理により確認した結果、判別結果が未だ受信されていなければ(S1104:No)、S1104の確認処理を再度実行する。一方で、1104の処理により判別結果の受信が確認されると(S1104:Yes)、受信内容を表示画面311に表示して(S1105)、データ送信処理を終了する。S1105の処理の結果、例えば、図9(c)に示す表示が表示画面311に表示される。
次に、図22のフローチャートを参照して、パチンコ機10及び携帯端末300から情報を受信可能なホールコンピュータ600において実行される処理について説明する。図22は、ホールコンピュータ600で実行されるホールコンピュータ受信処理を示すフローチャートである。このホールコンピュータ受信処理は、所定時間毎(本実施形態では2ms毎)に起動されるタイマ割込処理であり、ホールに設置された各パチンコ機10や携帯端末300から受信したデータに応じた処理を行う。
図22に示すように、ホールコンピュータ受信処理では、まず、インターフェイス611から受信したデータ、即ち、パチンコ機10の外部出力端子板260を介して受信した遊技機情報が、パチンコ機10との通信用にRAM603内に設けられている受信バッファ(図示せず)に記憶されているか否かを確認する(S1201)。
このとき、受信バッファにパチンコ機10から受信した情報(例えば、大当たり中であることを示す大当たり中信号や、変動中であることを示す変動中信号や、第1入球口64へ球が入賞したことを示す始動口入賞信号や、球が払い出されたことを示す賞球信号など)が記憶されている場合には(S1201:Yes)、その受信情報に基づいて、ホール管理処理を実行し(S1202)、S1203の処理へ移行する。なお、ホール管理処理(S1202)の実行に伴い、パチンコ機10との通信用の受信バッファはクリアされる。
ホール管理処理(S1202)では、例えば、パチンコ機10からの受信情報に基づき、大当たり1回あたりの出球数や、大当たり中以外の出球数(ベース)などを演算し、その結果をディスプレイ652に表示したり、図示されないプリンタ装置により記録用紙に記録したりする。また、ホール管理処理では、受信した情報に基づいて演算された当日の大当たり回数や大当たり後の変動回数などを、RAM303内の所定の領域に記憶すると共に、データ表示器651に表示する。
一方で、S1201の処理により確認した結果、受信バッファにパチンコ機10から受信した情報が記憶されていなければ(S1201:No)、S1202の処理をスキップして、S1203の処理へ移行する。
S1203では、インターフェイス612から受信したデータ、即ち、携帯端末300からホール用端末680を介して受信した遊技機情報が、携帯端末300との通信用にRAM603内に設けられている受信バッファ(図示せず)に記憶されているか否かを確認する(S1203)。このとき、受信バッファに遊技機情報が記憶されていなければ(S1203:No)、ホールコンピュータ受信処理を終了する。
一方、S1203の処理により確認した結果、受信バッファに遊技機情報が記憶されている場合には(S1203:Yes)、受信完了信号をインターフェイス612から出力する(S1204)。S1204の結果、受信完了信号がホール用端末680から出力される。
次いで、受信した遊技機情報をRAM203内の所定領域に記憶してから、該遊技機情報を外部サーバ800に問い合わせる(S1205)。即ち、受信した遊技機情報の送信先を外部サーバ800として、該遊技機情報を、インターフェイス613を介してインターネット700に出力する。なお、S1205の処理の実行に伴い、携帯端末300との通信用の受信バッファ(図示せず)はクリアされる。
なお、遊技機情報の問い合わせ先である外部サーバ800は、メーカー又は第三者機関から提供されるサーバであり、パチンコ機に装着される主制御装置のMPU(本実施形態におけるMPU201)毎に、MPU毎に固有である固有情報(即ち、第2ID)と、そのMPUが装着されたパチンコ機(本実施形態におけるパチンコ機10)のメーカー名を示す情報(メーカー名情報)及び機種名を示す情報(機種名情報)との組み合わせを記憶(登録)するデータベースを有している。
この外部サーバ800は、ホールコンピュータ600から遊技機情報の問い合わせを受けた場合に、データベースを参照して、問い合わせを受けた遊技機情報に含まれる第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報のセットが正しい組み合わせであるか否かを検索する。
このとき、問い合わせを受けた遊技機情報に含まれる第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報のセットが正しい組み合わせであれば、外部サーバ800は、問い合わせを受けた遊技機情報は、登録されている正規の(正当な)遊技機情報であると判別し、その結果をホールコンピュータ600へ返信する。一方で、問い合わせを受けた遊技機情報に含まれる第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報のセットが正しい組み合わせでなければ、外部サーバ800は、問い合わせを受けた遊技機情報は、登録されていない不正な遊技機情報であると判別し、その結果をホールコンピュータ600へ返信する。なお、外部サーバ800のデータベースにパチンコ機を納入したホールの情報を含め、納入先のホールの情報を合わせて返信してもよい。
よって、S1205において外部サーバ800への問い合わせを実行した後は、外部サーバ800から返信された判別結果(遊技機情報に対する正当性の判別結果)が、外部サーバ800へ送信した遊技機情報の中に、登録されていない(即ち、不正な)遊技機情報があることを示すものであるか否かを確認する(S1206)。
このとき、外部サーバ800から受信した判別結果が、登録されていない遊技機情報が存在することを示す場合には(S1206:Yes)、その旨をディスプレイ652に表示し(S1207)、図示されない音声メモリに記憶されている確認アナウンスをスピーカ653から出力し(S1208)、S1209の処理へ移行する。これによって、ホールコンピュータ600の管理者に、パチンコ機10に不正な基板が仕掛けられている虞があることを認識させることができる。
一方で、外部サーバ800から受信した判別結果が、登録されていない遊技機情報が存在しないことを示す場合には(S1206:No)、S1207,S1208の処理をスキップして、S1209の処理へ移行する。
S1209の処理では、外部サーバ800から返信された判別結果を、インターフェイス612から出力し、ホール用端末680を介して携帯端末300に取得させる(S1209)。そして、S1209の処理後、ホールコンピュータ受信処理を終了する。
以上説明した通り、この第1実施形態によれば、パチンコ機10は、該パチンコ機10自身に関する情報の1つである遊技機情報を、赤外線通信によって携帯端末300へと出力するので、その情報を受信した携帯端末300は、受信した情報をホールコンピュータ300へ問い合わせることにより、情報の送信元のパチンコ機10の状況(より詳細には、パチンコ機10が正規のものであるか否か)を認識することができる。ここで、情報の送信元であるパチンコ機10に不正が仕掛けられた(例えば、所謂「ぶら下げ基板」の装着や、正規の主制御装置110が不正基板に置換される、等)可能性が認識された場合には、不正の可能性が表示画面311に文字情報326(図9(c)参照)として表示されて報知されるので、携帯端末300の操作者への注意を喚起することができ、その結果として、遊技機への不正行為を抑制できる。
また、携帯端末300は、該パチンコ機10自身に関する情報を受信した場合に、受信した情報の内容を示す文字情報321〜324やアイコン325を表示画面311に表示する。よって、携帯端末300の操作者は、表示画面311の表示が示すパチンコ機10の状況と、実際のパチンコ機10の状態から確認し得る状況とを比較することにより、パチンコ機10において何が起こっているかを把握することができるので、不正行為の可能性の存在を発見し易い。
また、遊技機システム500を構成するパチンコ機10と携帯端末300との通信は、無線通信(赤外線通信)により行われるので、多数のパチンコ機10が設置されているホール内での使用に有効である。
次に、図23から図27を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、パチンコ機10は、自身を特定可能な遊技機情報(第2ID、メーカー名情報、機種名情報)を携帯端末300へ出力し、携帯端末300が、受信した遊技機情報をホールコンピュータ600に出力することによって、そのパチンコ機10の正当性の有無、即ち、不正の可能性の有無を吟味する構成であった。
これに対し、この第2実施形態では、携帯端末300が、ある期間におけるパチンコ機10の状態をホールコンピュータ600に出力することによって、そのパチンコ機10において不正が行われているか否かを吟味する。なお、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略するものとする。
図23(a)は、第2実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態のパチンコ機10は、RAM203の構成が図23(a)に示すものである以外は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に構成される。
図23(a)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10におけるRAM203は、第1実施形態と同様に、第2IDメモリ203aと、メーカー名メモリ203bと、機種名メモリ203cと、変動情報メモリ203dと、遊技状況メモリ203eと、変動中フラグ203fと、大当たり中フラグ203gと、確変中フラグ203hと、時短中フラグ203iと、変動回数カウンタ203jとを有している。
さらに、第2実施形態のRAM203は、これらの第1実施形態と同様の構成203a〜203jに加え、第2変動回数カウンタ203kと、大当たり回数カウンタ203lとを有している。
第2変動回数カウンタ203kは、パチンコ機10の電源投入に伴ってRAM203が初期化された状態を初期値とし、そこから、第1図柄の変動表示が実行された(又は、該変動表示が開始された)回数を通算して計数するカウンタである。この第2変動回数カウンタ203kは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)が実行されると、その初期化処理において0クリアされ、その後、第1図柄の変動表示が開始される毎に1加算される(図24参照)。
大当たり回数カウンタ203lは、パチンコ機10の電源投入に伴ってRAM203が初期化された状態を初期値とし、そこから、大当たりの発生回数を通算して計数するカウンタである。この大当たり回数カウンタ203lは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期設定(図10参照)が実行されると、その初期化処理において0クリアされ、その後、大当たり抽選の結果が大当たりである毎に1加算される(図24参照)。
なお、本実施形態のパチンコ機10は、赤外線通信により出力する情報の設定を行う際に(図11,S209)、第2IDメモリ203a、メーカー名メモリ203b、機種名メモリ203c、変動情報メモリ203d、遊技状況メモリ203e、変動回数カウンタ203j、第2変動回数カウンタ203k、及び大当たり回数カウンタ203lに記憶されている各情報、並びに、計時回路206にて計時されている現在の日時情報(日付情報及び時刻情報)が、RAM203内の所定領域に出力データとして設定されるように構成されている。
図23(b)は、第2実施形態の携帯端末300におけるRAM303の構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態の携帯端末300は、RAM303の構成が図23(b)に示すものである以外は、第1実施形態の携帯端末300と同様に構成される。
第2実施形態の携帯端末300におけるRAM303は、第1実施形態と同様に、遊技機情報メモリ303a(303a1〜303an)と、変動情報メモリ303bと、遊技状況メモリ303cと、変動回数メモリ303dとを有しているが、遊技機情報メモリ303aの構成が第1実施形態と異なっている。
本実施形態の遊技機情報メモリ303aの構成を、第1遊技機情報メモリ303a1を例示して具体的に説明する。なお、他の遊技機情報メモリ、即ち、第2遊技機情報メモリ303a2〜第n遊技機情報メモリ303anも同様に構成されている。
図23(b)に示すように、本実施形態の第1遊技機情報メモリ303a1(遊技機情報メモリ303a)は、まず、第1実施形態と同様に、第2IDメモリ303a1aと、メーカー名メモリ303a1bと、機種名メモリ303a1cとを有している。
さらに、本実施形態の第1遊技機情報メモリ303a1は、受信期間メモリ303a1dと、取得第2変動回数メモリ303a1eと、取得大当たり回数メモリ303a1fと、初回第2変動回数メモリ303a1gと、初回大当たり回数メモリ303a1hと、当日変動回数メモリ303a1iと、当日大当たり回数メモリ303a1jとを有している。
受信期間メモリ303a1dは、パチンコ機10から受信した情報の受信期間を記憶するためのメモリである。この受信期間メモリ303a1dは、開始日時情報を記憶する開始日時領域と、最新日時情報とを記憶する最新日時領域とを含んでおり、これらの領域に、パチンコ機10から受信した情報に含まれる日時情報、即ち、情報がパチンコ機10から出力された日時を示す情報に基づく受信期間情報が記憶される。具体的には、ある日の最初に受信した情報に含まれる日時情報が開始日時領域に記憶され、その後、同じ第2IDを含む遊技機情報を受信する毎に、受信した情報に含まれる日時情報が最新日時領域に記憶される。
取得第2変動回数メモリ303a1eは、パチンコ機10から受信した情報のうち、第2変動回数情報(パチンコ機10における第2変動回数カウンタ203kの値)を記憶するためのメモリである。また、取得大当たり回数メモリ303a1fは、パチンコ機10から受信した情報のうち、大当たり回数情報(パチンコ機10における大当たり回数カウンタ203lの値)を記憶するためのメモリである。
初回第2変動回数メモリ303a1gは、携帯端末300が、その日の最初に(即ち、ある日付において最初に)、パチンコ機10から受信した第2変動回数情報を記憶するためのメモリである。また、初回大当たり回数メモリ303a1hは、携帯端末300が、その日の最初に、パチンコ機10から受信した大当たり回数情報を記憶するためのメモリである。
当日変動回数メモリ303a1iは、パチンコ機10において、ある1日の中のある期間に第1図柄の変動表示が実行された回数を記憶するためのメモリである。この当日変動回数メモリ303a1iは、携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信する毎に、取得第2変動回数メモリ303a1eの値から、初回第2変動回数メモリ303a1gの値を差し引いた値が記憶される(図26参照)。
当日大当たり回数メモリ303a1jは、パチンコ機10において、ある1日の中のある期間に発生した大当たりの回数を記憶するためのメモリである。この当日大当たり回数メモリ303a1jは、携帯端末300がパチンコ機10から情報を受信する毎に、取得大当たり回数メモリ303a1fの値から、初回大当たり回数メモリ303a1hの値を差し引いた値が記憶される(図26参照)。
なお、上述した遊技機情報メモリ303a、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、及び変動回数メモリ303dは、いずれも、携帯端末300の電源投入時に初期化(0クリア)される。なお、RAM303にバックアップ電圧を供給したり、RAM303に記憶される内容を携帯端末300の電源断前にフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに記憶するなどして、各メモリ303a〜303dの記憶内容を、クリアボタンなどの操作によって意図的に消去するまで残しておく構成としてもよい。
次に、図24を参照して、第2実施形態のパチンコ機10で実行される変動開始処理(306)について説明する。図24は、第2実施形態の変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
第2実施形態の変動開始処理では、第1実施形態と同様に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1が大当たりであるか否かを判別し(S401)、大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1実施形態と同様にS402〜S406,S413の処理を実行した後、大当たり回数カウンタ203lに1加算し(S421)、S422の処理へ移行する。
一方で、S401の処理による判別の結果、大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1実施形態と同様にS410〜S412の処理を実行した後、S422の処理へ移行する。
S422では、第2変動回数カウンタ203kに1加算する(S422)。S422の処理後、第1実施形態と同様にS407〜S409の処理を実行して、変動開始処理を終了する。
次に、図25を参照して、第2実施形態の携帯端末300で実行されるデータ受信処理について説明する。図25は、第2実施形態のデータ受信処理を示すフローチャートである。なお、第2実施形態のデータ受信処理もまた、第1実施形態のデータ受信処理(図20参照)と同様に、携帯端末300の操作者が、携帯端末300の赤外線受信ポート(図示せず)を、情報の収集を所望するパチンコ機10の赤外線送信ポート205aへ向けた状態で受信ボタン312を操作した場合に起動する処理である。
第2実施形態のデータ受信処理では、第1実施形態と同様にS1001〜S1004の処理を実行する。ここで、S1002の処理により受信エラーが発生した場合には(S1002:Yes)、第1実施形態と同様にS1008の処理を実行し、データ受信処理を終了する。
そして、S1004の処理により確認した結果、RAM303に同じ第2IDが記憶されていない場合には(S1004:No)、RAM303に遊技機情報メモリ303anを追加し(S1005)、受信した情報をRAM203の対応領域に記憶する(S1006)。
本実施形態では、S1006において、受信した情報のうち、第2ID、メーカー名情報、機種名情報、日時情報、第2変動回数情報、大当たり回数情報を、遊技機情報メモリ303aにおける対応メモリに記憶する。具体的には、例えば、第1遊技機情報メモリ303a1にこれらの情報を記憶する場合には、第2IDを第2IDメモリ303a1aに記憶し、メーカー名情報をメーカー名メモリ303a1bに記憶し、機種名情報を機種名メモリ303a1cに記憶し、第2変動回数情報を取得第2変動回数メモリ303a1eに記憶し、大当たり回数情報を取得大当たり回数メモリ303a1fに記憶する。なお、受信期間メモリ303a1dについては、開始日時領域と最新日時領域との両方に日時情報が記憶される。また、変動情報、遊技状況情報、及び変動回数情報は、それぞれ、第1実施形態と同様に、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、変動回数メモリ303dに記憶する。
S1006の処理後、取得第2変動回数メモリの値(即ち、S1006において記憶された第2変動回数情報)を、初回第2変動回数メモリにコピー(記憶)する(S1021)。例えば、第1遊技機情報メモリ303a1であれば、取得第2変動回数メモリ303a1eの値を、初回第2変動回数メモリ303a1gにコピーする。
S1021の処理後、取得大当たり回数メモリの値(即ち、S1006において記憶された大当たり回数情報)を、初回大当たり回数メモリにコピー(記憶)する(S1022)。例えば、第1遊技機情報メモリ303a1であれば、取得大当たり回数メモリ303a1fの値を、初回大当たり回数メモリ303a1hにコピーする。
S1022の処理後、第1実施形態と同様に、S1007の処理を実行し、データ受信処理を終了する。S1007の処理の結果、今回(即ち、最新に)情報を受信したパチンコ機10に関する情報が、受信した情報に基づき、視認可能な態様で表示画面311に表示される。なお、第2実施形態において、S1007の処理の結果として表示画面311に表示される表示態様及び表示される情報の種類は、上述した第1実施形態と同じであっても異なっていてもよい。
一方で、S1004の処理により確認した結果、RAM303に同じ第2IDが記憶されている場合には(S1004:Yes)、受信したデータに含まれる日付情報(日時情報の一部)が、S1004の処理において検出された同じ第2IDが記憶されている遊技機情報メモリ303a内の受信期間メモリの開始日時領域に記憶されている日時情報の日付情報と同じであるか(即ち、同日の情報であるか)を確認する(S1023)。
S1023の処理により確認した結果、受信した情報と同じ第2IDが記憶されている遊技機情報メモリ303a内の情報が、受信した情報と同日の情報でなければ(S1023:No)、S1006の処理へ移行する。なお、この場合、S1006では、受信した情報は、その受信した情報と同じ第2IDが記憶されている遊技機情報メモリ303aにおける対応領域に、上書きすることによって記憶される。
また、S1023の処理により確認した結果、受信した情報と同じ第2IDが記憶されている遊技機情報メモリ303a内の情報が、受信した情報と同日の情報であれば、受信した情報を、RAM203の対応領域に記憶する(S1024)。
S1204では、受信した情報のうち、第2ID、メーカー名情報、機種名情報、第2変動回数情報、大当たり回数情報)については、これらの情報に対する、遊技機情報メモリ303aにおける格納場所は、S1006において説明した通りである。このとき、受信した情報は、その受信した情報と同じ第2IDが記憶されている遊技機情報メモリ303aにおける対応領域に、上書きすることによって記憶される。なお、第2ID、メーカー名情報、機種名情報については、既に記憶されている情報と変わらない可能性が高いので、S1024では、これら3つの情報(第2ID、メーカー名情報、機種名情報)を記憶しない構成としてもよい。一方、受信した情報のうち、日時情報については、受信期間メモリ(例えば、受信期間メモリ303a1d)における最新日時領域に記憶する。
S1024の処理後、当日変動回数メモリ(例えば、当日変動回数メモリ303a1i)、及び当日大当たり回数メモリ(例えば、当日大当たり回数メモリ303a1j)の内容を更新する当日回数更新処理を実行し(S1025)、その後、S1007の処理に移行する。
ここで、図26を参照して、上述した当日回数更新処理(S1025)について説明する。図26は、第2実施形態のデータ受信処理(図25参照)の中で実行される当日回数更新処理処理(S1025)を示すフローチャートである。
図26に示すように、当日回数更新処理(S1025)では、まず、取得第2変動回数メモリの値から初回第2変動回数メモリの値を減算した値を、当日変動回数メモリに記憶する(S1041)。例えば、第1遊技機情報メモリ303a1であれば、取得第2変動回数メモリ303a1eの値から、初回第2変動回数メモリ303a1gの値を減算して、当日変動回数メモリ303a1iに記憶する。
S1041の処理後、取得大当たり回数メモリの値から初回大当たり回数メモリの値を減算した値を、当日大当たり回数メモリに記憶し(S1042)、当日回数更新処理(S1025)を終了する。なお、S1042では、例えば、第1遊技機情報メモリ303a1であれば、取得大当たり回数メモリ303a1fの値から、初回大当たり回数メモリ303a1hの値を減算して、当日大当たり回数メモリ303a1jに記憶する。
この第2実施形態においても、携帯端末300の操作者が、携帯端末300の赤外線送信ポート(図示せず)を、ホール用端末680の赤外線受信ポート(図示せず)へ向けた状態で送信ボタン313を操作した場合に、上述したデータ受信処理(図25参照)により受信した情報を、ホール用端末680へ出力するデータ送信処理が実行される。
図示はしないが、第2実施形態のデータ送信処理では、起動すると、第1実施形態と同様にS1101及びS1102の処理を実行し、S1102の処理により送信エラーが発生した場合には(S1102:Yes)、第1実施形態と同様にS1106の処理を実行し、データ送信処理を終了する。
一方で、S1102の処理により確認した結果、送信エラーが発生しなかった場合には(S1102:Yes)、第1実施形態のように遊技機情報メモリ303aのクリアを行うことなく、S1104の処理へ移行し、第1実施形態と同様にS1104,S1105の処理を実行して、データ送信処理を終了する。
なお、本実施形態では、S1101の処理において、遊技機情報メモリ303aに記憶される情報を全て出力するものとするが、一部の情報は出力しないように構成してもよい。例えば、第2IDメモリ、メーカー名メモリ、機種名メモリ、受信期間メモリ、当日変動回数メモリ、及び当日大当たり回数メモリに記憶されている各情報は出力するが、取得第2変動回数メモリ、取得大当たり回数メモリ、初回第2変動回数メモリ、及び初回大当たり回数メモリに記憶されている情報を出力しないように構成してもよい。
次に、図27のフローチャートを参照して、第2実施形態のパチンコ機10及び携帯端末300から情報を受信可能なホールコンピュータ600において実行される処理について説明する。図27は、第2実施形態においてホールコンピュータ600で実行されるホールコンピュータ受信処理を示すフローチャートである。第2実施形態のホールコンピュータ受信処理もまた、第1実施形態のホールコンピュータ受信処理(図22参照)と同様に、所定時間毎(本実施形態では2ms毎)に起動されるタイマ割込処理であり、ホールに設置された各パチンコ機10や携帯端末300から受信したデータに応じた処理を行う。
図27に示すように、第2実施形態のホールコンピュータ受信処理では、第1実施形態と同様にS1201〜S1208の処理を実行する。そして、S1208の実行後又はS1206におけるNoへの分岐処理が実行された後、携帯端末300から受信したデータと、パチンコ機10からの受信データに基づいてホールコンピュータ600内に記憶されている情報(即ち、S1202においてRAM303内の所定の領域に記憶された情報)との照合を行う(S1221)。このとき、携帯端末300から受信した情報に含まれる受信期間情報(遊技機情報メモリ303aの受信期間メモリに記憶されていた値)に基づいて、ホールコンピュータ内における対応する情報との照合を行う。
S1221の処理後、外部サーバ800から返信された判別結果と、S1221の処理による照合結果とを、インターフェイス612から出力し、ホール用端末680を介して携帯端末300に取得させ(S1222)、ホールコンピュータ受信処理を終了する。
以上説明した通り、この第2実施形態によれば、携帯端末300は、ある期間におけるパチンコ機10の状態(より詳細には、ある期間における変動回数及び大当たり回数)を記憶することができるので、その期間におけるパチンコ機10の状態をより詳細に認識することができる。よって、遊技機に対する不正の監視に有用である。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、遊技機に関する情報(例えば、第2IDなどの遊技機情報や、変動情報や、遊技状況情報や、変動回数情報や、第2変動回数情報や、大当たり回数情報など)を、主制御装置110に接続された赤外線データ出力装置250から出力する構成としたが、他の周辺制御装置(払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113や、表示制御基板114)に赤外線データ出力装置250を接続し、周辺制御装置から情報を出力する構成としてもよい。
あるいは、外部端子板260に赤外線データ出力装置250を接続し、主制御装置110から出力された情報を外部端子板260及び赤外線データ出力装置250を介して出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110による制御によって出力すべき情報を設定する構成としたが、他の周辺制御装置(払出制御装置111や、音声ランプ制御装置113や、表示制御基板114)による制御によって出力すべき情報を設定する構成としてもよい。例えば、上記実施形態では、主制御装置110が変動パターンコマンドに基づいて変動情報を設定する構成としたが、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114いおいて変動パターンコマンドに基づいて変動情報を設定する構成としてもよい。また、例えば、主制御装置110に固有に割り当てられた固有情報(第2ID)を出力することに換えて、各周辺制御装置に固有に割り当てられた固有情報を出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113(及び表示制御装置114)へ出力される変動パターンコマンドに基づいて、携帯端末300へ出力するための変動情報を設定する構成とした。このように、携帯端末300へ出力する情報は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113(及び表示制御装置114)へ出力される制御情報に基づいて設定される情報に限定されず、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される制御情報(例えば、払い出される賞球数を払出制御装置111へ指示する賞球コマンドなど)や、主制御装置110から発射制御装置112へ出力される制御情報(例えば、球の発射を指示する発射信号など)に基づいて設定される情報であってもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113(及び表示制御装置114)へ出力される変動パターンコマンドに基づいて、携帯端末300へ出力するための変動情報を設定する構成としたが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113(及び表示制御装置114)へ出力される他の制御情報(例えば、種別コマンドや、特図保留球数Nを伝達するための保留球数情報や、始動条件の成立に伴って抽選された抽選結果を変動表示の開始以前に報知する(先読み報知)を行うための情報、など)を用いて、携帯端末300へ出力する情報を設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動情報を、変動パターンコマンドと第2IDとにより設定するものとしたが、変動パターンコマンドと組み合わせる情報としては、第2IDに限らず、種々の情報を使用できる。例えば、変動パターンコマンドと、特図保留球数Nを示す保留球数情報とから、変動情報を設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドと他の情報とを組み合わせた情報を変動情報として設定したが、変動パターンコマンド自体を変動情報として設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドを含む情報を変動情報とする構成としたが、変動パターンコマンドに基づいて設定される情報を変動情報の少なくとも一部(即ち、変動情報自体又は変動情報の一部)として用いる構成としてもよい。例えば、変動パターンコマンドを、ROM202などに記憶されている所定のテーブルを用いて変換された情報を変動情報の少なくとも一部として用いる構成としてもよい。
あるいは、変動パターンコマンドに対応付けられた所定の画像情報を変動情報の少なくとも一部として用いる構成であってもよい。なお、変動情報又は変動情報の一部が画像情報である場合には、その画像情報の内容を携帯端末300の表示画面311に表示するように構成してもよい。
あるいは、変動パターンコマンドを所定の分類に区分して、各区分であることを示す情報を変動情報の少なくとも一部として用いる構成としてもよい。例えば、変動パターンコマンドを変動時間に応じて区分し、変動時間が10秒の変動パターンであることを示す情報や、変動時間が15秒の変動パターンであることを示す情報などを、変動情報の少なくとも一部として用いる構成としてもよい。また、変動パターンコマンドを大当たりであるか否かに応じて区分し、大当たりの変動パターンコマンドであることを示す情報、又は、外れの変動パターンであることを示す情報を、変動情報の少なくとも一部として用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10は、変動中か否かに応じて変動中フラグ203fの状態を設定し、大当たり中か否かに応じて大当たり中フラグ203gを設定し、確変中であるか否かに応じて確変中フラグ203hを設定し、時短中であるか否かに応じて時短中フラグ203iを設定し、遊技状況情報設定処理(図16参照)において、これらのフラグ203f〜203iの状態に応じて遊技状況情報を設定する構成とした。これに換えて、変動中フラグ203f、大当たり中フラグ203g、確変中フラグ203h、及び時短中フラグ203iを設けることなく、上記実施形態において各フラグ203f〜203iの状態の設定を行った各タイミングで、遊技状況情報における対応する各ビットを設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、確変中フラグ203hは、大当たり抽選の結果が確変大当たりであった場合に、その確変大当たりを終了する際にオンされ、大当たり抽選の結果が通常大当たりであった場合には、その通常大当たりを終了する際にオフされる構成とした。これに換えて、大当たり抽選の結果が確変大当たりであった場合に、その確変大当たりを終了する際にオンされ、次の大当たり(確変大当たり又は通常大当たり)を開始する際にオフされる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、時短中フラグ203iは、通常大当たりを終了する際にオンされて時短状態が開始された後、第1図柄の変動表示が所定回数(上記実施形態では、100回)だけ実行されるとオフされる構成とした。これに換えて、時短中フラグ203iは、通常大当たりを終了する際にオンされて時短状態が開始された後、該時短状態が所定回数(上記実施形態では、100回)だけ実行されて終了するまでの期間中は、大当たりが開始されるとオフされ、その大当たりの終了時にオンされる構成としてもよい。なお、この場合も、時短中フラグ203iは、第1図柄の変動表示が所定回数実行されるとオフされる。また、時短中フラグ203iは、遊技状態が時短状態となった後に確変大当たりが発生した場合に、その確変大当たりの開始時にオフされる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、遊技状況情報における第2ビットは、確変中フラグ203hの値に応じて設定する構成としたが、確変大当たりの終了から、次に通常大当たりが開始(又は終了)するまでの一連の期間を確変状態であるとみなし、かかる一連の期間に亘って、遊技状況情報における第2ビットに「1」を設定する構成としてもよい。
同様に、上記実施形態では、遊技状況情報における第3ビットは、時短中フラグ203iの値に応じて設定する構成としたが、通常大当たりの終了から、第1図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)実行されるか、又は、次に確変大当たりが開始(又は終了)するまでの一連の期間を時短状態であるとみなし、かかる一連の期間に亘って、遊技状況情報における第3ビットに「1」を設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300は、複数のパチンコ機10の遊技機情報を蓄積して記憶する構成としたが、1台のパチンコ機10の遊技機情報を受信する毎に、遊技機情報が上書きされる構成、即ち、1台のパチンコ機10の情報のみを保持する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ROM202に記憶されている情報(第2ID、メーカー名情報、機種名情報)を、そのままRAM203の対応メモリ203a〜203cに記憶する構成としたが、メーカー名情報及び機種名情報については、ROM202に記憶されている内容の一部のみをRAM203に記憶するように構成してもよい。例えば、ROM202の機種名メモリ202cに記憶されている機種名情報が、機種の主タイトルを示す情報とスペック(仕様)を示す情報とを含む場合に、そのうち、主タイトルを示す情報だけを、RAM203(機種名メモリ203c)に記憶する構成としてもよい。
同様に、上記実施形態では、RAM203におけるメモリ203a〜203cに記憶されている各情報(即ち、第2ID、メーカー名情報、機種名情報)を、そのまま携帯端末300へ出力する構成としたが、メーカー名情報及び機種名情報については、RAM203に記憶されている内容の一部のみを携帯端末300へ出力するように構成してもよい。例えば、RAM203の機種名メモリ203cに記憶されている機種名情報が、機種の主タイトルを示す情報とスペック(仕様)を示す情報とを含む場合に、そのうち、主タイトルを示す情報だけを、携帯端末300へ出力するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技機情報を、第2IDと、メーカー名情報と、機種名情報とからなる情報としたが、パチンコ機10に、ホール内における場所を特定する位置情報(例えば、台番号や、島の位置を示す情報など)を記憶させておき、この位置情報を、上述した第2ID、メーカー名情報、及び機種名情報に加えたものを遊技機情報としてもよい。これによって、上記実施形態のように、複数の遊技機情報をまとめてホールコンピュータ600へ出力する構成において、不正の可能性があると判別されたパチンコ機10の位置を特定し易くなる。
また、上記第2実施形態では、携帯端末300は、データ受信処理(図25参照)において、受信したデータが遊技機情報メモリ303aに記憶されている情報と同日のデータでなければ上書きして受信期間をゼロに戻す構成としたが、日付を跨いでも受信期間をゼロとしない構成としてもよい。即ち、複数日に亘る期間のデータ(例えば、変動回数や大当たり回数情報)を記憶する構成としてもよい。あるいは、パチンコ機10毎に(即ち、第2ID毎に)異なる日の各日のデータを蓄積するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300は、情報を受信する毎に、変動情報メモリ303b、遊技状況メモリ303c、変動回数メモリ303dを受信した情報で上書きする構成としたが、異なるパチンコ機10から情報を受信する毎に、変動情報メモリ、遊技状況メモリ、変動回数メモリを新たに設ける構成としてもよい。即ち、複数のパチンコ機10から受信する変動情報、遊技状況情報、及び変動回数情報を蓄積して記憶する構成としてもよい。なお、かかる場合には、例えば、情報が記憶されているパチンコ機10毎の情報を選択可能に表示画面311に表示させることができるように構成できる。
あるいは、パチンコ機10毎に、変動情報メモリ、遊技状況メモリ、変動回数メモリを設けた上で、同じパチンコ機10から情報を受信した場合には、その都度、変動情報メモリ、遊技状況メモリ、変動回数メモリに、各情報を履歴として記憶するように構成してもよい。かかる場合には、例えば、1のパチンコ機10に対する情報を表示する際に、履歴情報を随時切り替え可能に表示画面311に表示させることができるように構成できる。
また、上記実施形態では、携帯端末300は、パチンコ機10から受信した情報を、表示画面311に、文字情報321〜文字情報324や、アイコン325として表示する構成としたが、携帯端末300のメモリに、各情報に対応する専用の画像(静止画又は動画)を記憶しておき、パチンコ機10から情報を受信した場合に、受信した情報に応じた画像を表示画面311に表示する構成としてもよい。
なお、各情報に対応する専用の画像(静止画又は動画)は、1種類に限らず、複数種類であってもよい。複数種類の専用画像が準備されている場合には、それらの複数種類の中から、抽選により1の画像を選定して表示画面311に表示すればよい。なお、このとき、画像に応じて選定確率を変えることにより、画像の表示価値を変えることができる。
また、上記実施形態では、変動情報に含まれる変動パターンを示す情報が、パチンコ機10で実行中の変動表示の終了後に大当たりが発生することを示すものである場合には、文字情報322が、100%の確率で「大当たり」と表示される構成としたが、100%でなく、所定確率(例えば、50%)で、文字情報322が「大当たり」と表示される構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、携帯端末300は、パチンコ機10における第2変動回数カウンタ203kの値を示す第2変動回数情報に基づいて当日変動回数(当日変動回数メモリに記憶される値)を算出する構成としたが、遊技状況情報に含まれる第0ビット(変動中であるか否かを示すビット)の立ち上がり又は立ち下がりに基づいて当日変動回数を計数する構成としてもよい。また、当日大当たり回数についても、遊技状況情報に含まれる第1ビット(大当たり中であるか否かを示すビット)の立ち上がり又は立ち下がりに基づいて当日大当たり回数を計数する構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、携帯端末300が、遊技機情報メモリ303a内の取得第2変動回数メモリの値と初回第2大当たり回数メモリとの値とから、当日変動回数(当日変動回数メモリに記憶される値)を算出し、ホールコンピュータ600へ出力する構成としたが、取得第2変動回数メモリの値と初回第2変動回数メモリとの値をホールコンピュータ600へ出力し、ホールコンピュータ600において当日変動回数を算出させる構成としてもよい。同様に、遊技機情報メモリ303a内の取得大当たり回数メモリの値と初回大当たり回数メモリとの値をホールコンピュータ600へ出力し、ホールコンピュータ600において当日大当たり回数を算出させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300が、パチンコ機10から受信した遊技機情報を、ホールコンピュータ600を介して外部サーバ800に問い合わせる構成としたが、携帯端末300に情報のデータベースを設け、携帯端末300内で該データベースを用いた検索を行い、遊技機情報に対する正当性などの判別を行わせる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300は、パチンコ機10から受信した遊技機情報を、ホール用端末680(即ち、ホールコンピュータ600)へ出力し、該ホールコンピュータ600を介して外部サーバ800に問い合わせる構成としたが、ホールコンピュータ600とは別体の外部装置へ出力し、その外部装置を介して外部サーバ800に問い合わせる構成としてもよい。あるいは、ホールコンピュータ600に遊技機情報の正当性を検索可能なデータベースを設け、ホールコンピュータ600にて検索を行う構成としてもよい。
また、携帯端末300が、パチンコ機10から受信した遊技機情報を、ホールコンピュータ600ではなく、パチンコ機10の側方に配置されプリペイドカード等のカード類を利用して球の貸出を行う球貸出機(所謂「CRサンド」)等の、他の外部装置へ出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10から携帯端末300への情報の出力を赤外線通信により行うものとしたが、可視光線を用いる可視光線通信や、電波又は電磁波を用いる無線通信など、赤外線通信以外の無線通信を採用してもよい。また、無線でなく、パチンコ機10と携帯端末300とをケーブルを介して通信する有線通信であってもよい。また、外部出力端子板260を介してパチンコ機10と携帯端末300とを無線接続又は有線接続する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300の受信ボタン312を操作したことによってデータ受信処理(図20参照)が起動し、情報の受信を開始する構成としたが、携帯端末300の図示されない赤外線受信ポートを、パチンコ機10の赤外線送信ポート205aに向けたことにより情報のスタートビットが検出されたら情報を受信する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300の受信ボタン313を操作したことによってデータ送信処理(図21参照)が起動し、情報の送信を開始する構成としたが、情報を常時送信(出力)する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末300とホール用端末680との間の通信を赤外線通信としたが、可視光線を用いる可視光線通信や、電波又は電磁波を用いる無線通信など、赤外線通信以外の無線通信を採用してもよい。また、無線でなく、携帯端末300とホール用端末680又はホールコンピュータ600とをケーブルを介して通信する有線通信であってもよい。
また、上記実施形態では、赤外線通信による携帯端末300への情報の出力を、メイン処理(図11参照)における4ms毎に繰り返されるループ処理の中(より詳細には、S202の処理)で実行する構成としたが、かかる情報の出力を、2ms毎に起動するタイマ割込処理(図17参照)において実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、赤外線通信による携帯端末300への情報の出力を、メイン処理(図11参照)においてS202の処理が実行される毎に出力する構成としたが、携帯端末300から出力された送信要求信号(例えば、受信ボタン312を操作した場合に出力される信号)を受信した場合に、携帯端末300へ情報を出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1ID用ROM207をMPU201の中に設け、MPU201の検査端子202a1から検査器900へ出力する構成としたが、第1IDを記憶するメモリを有し該第1IDを検査器900へ出力するための専用のICを、MPU201とは別に設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技媒体を用いた遊技を行うための遊技機において、本遊技機に関する情報を出力情報として外部へ出力する情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、情報出力手段によって遊技機自身に関する情報が出力情報として出力されるので、その情報(出力情報)を受信した装置(例えば、携行可能な通信端末や、固定載置されるコンピュータなど)に、遊技機に関する情報を伝達することができるので、かかる装置に、受信した情報に基づいて遊技機の状況を認識させることができる。よって、遊技機から情報を受信した装置にて、該遊技機に不正が仕掛けられた(例えば、所謂「ぶら下げ基板」の装着や、正規の基板が不正基板に置換される、等)可能性が認識された場合には、例えば、報知や遊技の停止などの不正対策を実行させることができるので、遊技機への不正行為を抑制できる。
また、遊技機A1によれば、遊技機から情報(遊技機に関する情報)を受信した装置に、受信した情報を出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に遊技機の状況を報せることができるので、その者に、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とを比較させることができる。その結果、受信側装置の出力内容を認識した者は、遊技機において何が起こっているかを把握することができる。よって、例えば、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、遊技機に不正が仕掛けられている可能性があるので、受信側装置の出力内容を認識した者は、不正行為の可能性の存在を把握することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A1の情報出力手段としては、メイン処理(図11参照)におけるS202の処理が例示される。
遊技機A1において、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段に固有に割り当てられた固有情報を記憶する固有情報記憶手段とを備え、前記情報出力手段は、前記固有情報記憶手段に記憶されている前記固有情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技の制御を行う主制御手段に固有に割り当てられている固有情報(遊技機に関する情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、情報の出力元の遊技機の主制御装置、ひいては、遊技機自体を識別(特定)させることを可能にする。よって、装置が固有情報以外に遊技機から受信する情報がある場合に、該装置は、これらの情報を、固有情報により識別される遊技機毎に取り扱うことができる。
また、固有情報は主制御手段に固有に割り当てられたものであるので、該固有情報を受信した装置は、固有情報に基づいて、主制御手段が正当なものであるか否かを判別し得る。よって、遊技機に不正が仕掛けられた可能性を認識し得、不正行為の可能性があれば、不正対策を十分に図ることができるので、遊技機への不正行為を抑制できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A2の固有情報記憶手段としては、パチンコ機10におけるROM202の第2IDメモリ202a又はRAM203の第2IDメモリ203aが例示され、遊技機A2の「固有情報」としては、第2IDが例示される。
遊技機A1又はA2において、本遊技機の種類を示す遊技機情報を記憶する遊技機情報記憶手段を備え、前記情報出力手段は、前記遊技機情報記憶手段に記憶されている前記遊技機情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機の種類を示す遊技機情報(遊技機に関する情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、情報の出力元の遊技機の種類を伝達することができる。よって、その遊技機情報を受信した装置に、遊技機の種類を識別(特定)させることができる。
ここで、遊技機情報が示す遊技機の種類が、例えば、遊技機の機種や遊技機のメーカーを示すものである場合には、遊技機情報を受信した装置は、遊技機の機種及び/又はメーカーの単位で、受信した遊技機情報やその他の受信情報を取り扱うことができる。
また、遊技機情報が示す遊技機の種類が、例えば、その遊技機での遊技の制御を行う主制御手段に固有に割り当てられている固有情報である場合には、遊技機情報を受信した装置は、固有情報により識別される遊技機毎に、受信した遊技機情報やその他の受信情報を取り扱うことができる。その上、遊技機情報を受信した装置は、その遊技機情報としての固有情報に基づいて、主制御手段が正当なものであるか否かを判別し得るので、遊技機に不正が仕掛けられた可能性を認識し得、不正行為の可能性があれば、不正対策を十分に図ることができる、遊技機への不正行為を抑制できる。遊技機情報として含まれる遊技機の種類が、固有情報だけでなく、技機の機種や遊技機のメーカーを示す情報を含む場合には、遊技機(主制御手段)をより厳密に識別することが可能となるので、より有効に不正行為の抑制を図ることが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A3の遊技機情報記憶手段としては、例えば、パチンコ機10におけるROM202の第2IDメモリ202a又はRAM203の第2IDメモリ203aが該当する。この場合、遊技機A3の「遊技機情報」としては、第2IDが該当する。また、遊技機A3の遊技機情報記憶手段としては、例えば、パチンコ機10におけるROM202のメーカー名メモリ202b又はRAM203のメーカー名メモリ203bが該当する。この場合、遊技機A3の「遊技機情報」としては、メーカー名情報が該当する。さらに、遊技機A3の遊技機情報記憶手段としては、例えば、パチンコ機10におけるROM202の機種名メモリ202c又はRAM203の機種名メモリ203cが該当する。この場合、遊技機A3の「遊技機情報」としては、機種名情報が該当する。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記情報出力手段は、遊技の状況に応じた情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技の状況に応じた情報(遊技機に関する情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、該情報を受信した装置に、その情報の出力元の遊技機における遊技の状況を伝達することができる。
よって、例えば、受信した情報(即ち、遊技の状況に応じた情報)を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、出力内容を認識した者に、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とを比較させることができ、その比較によって、遊技機において何が起こっているかを把握させることができる。このとき、例えば、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、遊技機に不正が仕掛けられている可能性があるので、受信側装置からの出力内容を認識した者は、不正行為の可能性の存在を把握することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A4の「遊技の状況に応じた情報」としては、変動情報や、変動回数情報は、第2変動回数情報や、大当たり回数情報や、情報の出力と一緒に出力される日時情報が例示される。
遊技機A4において、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力された制御情報に基づく制御を行う周辺制御手段とを備え、前記情報出力手段は、前記主制御手段から前記周辺制御手段へ出力された制御情報に応じた情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、周辺制御手段を制御するために主制御手段から該周辺制御手段へ出力された制御情報に応じた情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、主制御手段から周辺制御手段へ出力された制御情報を伝達することができる。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、周辺制御手段が主制御手段によって制御されている状況を把握させることができる。ここで、例えば、受信側装置の出力内容を認識した者が、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況との比較に基づき、不正行為の可能性の存在を疑った場合には、不正対策を行うことによって、不正行為を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A5の主制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機A5の周辺制御手段としては、音声ランプ制御手段113及び表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、遊技機A5の「制御情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
遊技機A5において、前記周辺制御手段は、前記主制御手段から制御情報として出力された演出制御情報に基づき遊技に応じた演出を制御する演出制御手段を含んで構成され、前記情報出力手段は、前記演出制御情報又は該演出制御情報に対応する情報を少なくとも含む情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、演出制御手段を制御するために主制御手段から該演出制御手段へ出力された制御情報に応じた情報(演出制御情報又は該演出制御情報に対応する情報)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、主制御手段から演出制御手段へ出力された演出制御情報を伝達することができる。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、演出制御手段が主制御手段によって制御されている状況を把握させることができる。ここで、例えば、受信側装置の出力内容を認識した者が、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況との比較に基づき、不正行為の可能性の存在を疑った場合には、不正対策を行うことによって、不正行為を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A6の演出制御手段としては、音声ランプ制御手段113及び表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、遊技機A6の「演出制御情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
遊技機A5において、識別情報を表示する表示手段を備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段から出力された制御情報に基づき前記表示手段による前記識別情報の動的表示を実行させる表示制御手段を含んで構成され、前記主制御手段から前記表示制御手段へ出力される制御情報は、前記動的表示の動的表示パターンを示す動的表示パターン情報を含み、前記情報出力手段は、前記動的表示パターン情報又は該動的表示パターン情報に対応する情報を少なくとも含む情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、表示手段による識別情報の動的表示を実行させるために主制御手段から該表示装置を制御する表示制御手段へ出力された制御情報に応じた情報(動的表示パターン情報又は該動的表示パターン情報に対応する情報)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、主制御手段から表示制御手段へ出力された動的表示パターン情報を伝達することができる。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、表示手段による識別情報の動的表示を認識させることができる。ここで、例えば、受信側装置の出力内容を認識した者が、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況との比較に基づき、不正行為の可能性の存在を疑った場合には、不正対策を行うことによって、不正行為を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A7の表示手段としては、第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A7の表示制御手段としては、表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、遊技機A7の「動的表示パターン情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
遊技機A7において、前記動的表示パターン情報は、該動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を含むことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、動的表示パターン情報は、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を含むので、受信側装置は、動的表示パターン情報又は該動的表示パターン情報に対応する情報を受信したときに、その動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、第2遊技状態の発生を報せることができるので、遊技機において実際に発生した遊技状態との比較に基づき、不正行為の可能性を容易に判定することが可能となる。
また、受信側装置の出力内容を認識した者は、動的表示パターン情報に基づく動的表示が終了する以前に、第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。よって、実際に遊技機で表示される動的表示との比較により、動的表示が終了する以前に不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。例えば、受信側装置において第2遊技状態が発生しないと認識されているにもかかわらず、第2遊技状態の発生を示す動的表示が表示された場合には、不正行為の可能性を疑うことができ、不正対策を行うことによって、不正行為を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A8の第1遊技状態としては、大当たりでない状態が例示され、遊技機A8の第2遊技状態としては、大当たりが例示される。
遊技機A7において、前記情報出力手段は、前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が、情報出力手段により出力可能に構成されているので、受信側装置は、該情報(即ち、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報)を受信したときに、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、第2遊技状態の発生を報せることができるので、遊技機において実際に発生した遊技状態との比較に基づき、不正行為の可能性を容易に判定することが可能となる。
また、受信側装置の出力内容を認識した者は、動的表示パターン情報に基づく動的表示が終了する以前に、第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。よって、実際に遊技機で表示される動的表示との比較により、動的表示が終了する以前に不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。例えば、受信側装置において第2遊技状態が発生しないと認識されているにもかかわらず、第2遊技状態の発生を示す動的表示が表示された場合には、不正行為の可能性を疑うことができ、不正対策を行うことによって、不正行為を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A9の第1遊技状態としては、大当たりでない状態が例示され、遊技機A9の第2遊技状態としては、大当たりが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A9の「前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報」としては、変動情報が例示される。
遊技機A4からA9のいずれかにおいて、識別情報を表示する表示手段と、その表示手段による前記識別情報の動的表示が実行されているか判定する動的表示実行判定手段とを備え、前記情報出力手段は、前記動的表示実行判定手段により前記動的表示が実行されていると判定された場合に、前記動的表示が実行されていることを示す情報を前記出力情報として出力することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、動的表示実行判定手段により動的表示が実行されていると判定された場合に、動的表示が実行されていることを示す情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力されるので、受信側の装置に、遊技機において動的表示の実行中であるか否かを伝達することができる。よって、実際に遊技機で表示される動的表示との比較により、不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A10の表示手段としては、第1図柄表示装置又は第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A10の動的表示実行判定手段としては、遊技状況情報設定処理(図16参照)におけるS341の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A10の「動的表示が実行されていることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第0ビットのデータが例示される。
遊技機A4からA10のいずれかにおいて、遊技状態を第1遊技状態又は該第1遊技状態より有利な第2遊技状態に設定する遊技状態設定手段を備え、前記情報出力手段は、前記遊技状態設定手段により遊技状態が前記第2遊技状態に設定されている場合に、遊技状態が前記第2遊技状態に設定されていることを示す情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技状態設定手段により遊技状態が第2遊技状態に設定されている場合に、遊技状態が第2遊技状態に設定されていることを示す情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力されるので、受信側の装置に、遊技機の遊技状態が第2遊技状態であるか否かを伝達することができる。よって、遊技機における実際の遊技状態との比較により、不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A11の遊技状態設定手段としては、大当たり処理(図15参照)におけるS323,S328の処理が例示され、遊技機A11の「遊技状態が前記第2遊技状態に設定されていることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第1ビットのデータが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A11の第1遊技状態としては、大当たりでない状態が例示され、遊技機A11の第2遊技状態としては、大当たりが例示される。
遊技機A4からA11のいずれかにおいて、遊技状態として、第1遊技状態又は該第1遊技状態より有利な第2遊技状態を選定する遊技状態選定手段と、遊技状態を、前記遊技状態選定手段により選定された前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、前記遊技状態選定手段により第2遊技状態が選定される確率を、第1確率、又は該第1確率より高確率である第2確率に設定する確率設定手段とを備え、前記情報出力手段は、前記確率設定手段により確率が前記第2確率に設定されている場合に、確率が前記第2確率に設定されていることを示す情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、第2遊技状態が選定される確率が確率設定手段により第2確率(第1確率より高い確率)に設定されている場合に、確率が第2確率に設定されていることを示す情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が、出力情報として情報出力手段によって出力されるので、受信側の装置に、遊技機において第2遊技状態が選定され易い状態であるか否かを伝達することができる。よって、遊技機における実際の遊技状態との比較により、不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A12の遊技状態選定手段としては、変動開始処理(図13又は図24参照)におけるS401の処理が例示され、遊技機A12の遊技状態設定手段としては、大当たり処理(図15参照)におけるS323,S328の処理が例示され、遊技機A12の確率設定手段としては、大当たり処理(図15参照)におけるS330,S332の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A12の「確率が前記第2確率に設定されていることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第2ビットのデータが例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A12の第1遊技状態としては、大当たりでない状態が例示され、遊技機A12の第2遊技状態としては、大当たりが例示される。
遊技機A4からA12のいずれかにおいて、遊技状態として、第1遊技状態又は該第1遊技状態より有利な第2遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、遊技状態が前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に切り替えられる際に、遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの付加遊技状態を発生させる付加遊技状態発生手段と、前記情報出力手段は、遊技状態が前記付加遊技状態発生手段により発生された前記付加遊技状態であることを示す情報を前記出力情報として出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に切り替えられる際に付加遊技状態(遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの遊技状態)が発生されたことを示す情報(遊技の状況に応じた情報の1つ)が、出力情報として情報出力手段によって出力されるので、受信側の装置に、遊技機において、遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの遊技状態が生じているか否かを伝達することができる。よって、遊技機における実際の遊技状態との比較により、不正行為の可能性の有無を判定することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A13の遊技状態設定手段としては、大当たり処理(図15参照)におけるS323,S328の処理が例示され、遊技機A13の付加遊技状態発生手段は、大当たり処理(図15参照)におけるS333の処理が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A13の第1遊技状態としては、大当たりでない状態が例示され、遊技機A13の第2遊技状態としては、大当たりが例示され、付加遊技状態としては、時短状態が例示される。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、遊技の制御を行う主制御手段を備え、前記情報出力手段は、前記主制御手段による制御によって前記出力情報を出力するものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、主制御手段による制御によって出力情報が出力されるので、正規の主制御手段による正規の出力情報が出力される。よって、受信側装置は、正規の主制御手段による遊技の制御を反映する情報を受信することになるので、遊技機で行われるべき遊技の状況を該受信側装置から出力させることができる。よって、例えば、受信側装置からの出力内容と、遊技機における実際の遊技状態とを比較することにより、不正行為の可能性を発見し易く、不正行為を有効に抑制できる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A14の主制御手段としては、主制御装置110が例示される。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、無線通信可能な通信手段を備え、前記情報出力手段による前記出力情報の出力は、前記通信手段を介した無線通信により行われることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、出力情報の出力が無線通信により行われるので、多数の遊技機が配設されている場所(例えば、ホール)において、各遊技機の情報を伝達し易い。
なお、上述した実施形態において、遊技機A15の通信手段としては、赤外線データ出力装置250が例示される。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、遊技の状況に応じた第2出力情報を、本遊技機から独立して設けられている外部装置へ出力する第2情報出力手段とを備え、前記情報出力手段は、前記第2情報出力手段により出力される第2出力情報のうち、少なくとも一部の情報又は該少なくとも一部の情報に対応する情報を、出力情報として出力するものであることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、本遊技機から独立して設けられている外部装置へ出力される遊技の状況に応じた第2情報のうち、少なくとも一部の情報又は該少なくとも一部の情報に対応する情報が、出力情報として出力されるので、該出力情報を受信した装置と、第2出力情報を受信した外部装置との間で、各々の装置が受信した情報を比較させることができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A16の外部装置としては、ホールコンピュータ600、外部サーバ800が例示され、遊技機A16の第2情報出力手段としては、メイン処理(図11参照)におけるS201の処理が例示される。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A17。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A18。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
遊技媒体を用いた遊技を行うための遊技機と通信可能な通信端末において、前記遊技機から出力された該遊技機に関する情報を受信可能な情報受信手段を備えていることを特徴とする通信端末B1。
通信端末B1によれば、遊技機から出力された該遊技機に関する情報を受信可能に構成されているので、遊技機から受信した情報に基づき、該遊技機の状況を認識することができる。よって、情報の送信元である遊技機に不正が仕掛けられた(例えば、所謂「ぶら下げ基板」の装着や、正規の基板が不正基板に置換される、等)可能性が認識された場合には、例えば、報知などの不正対策を実行させることができ、遊技機への不正行為を抑制できる。
また、通信端末B1によれば、遊技機から受信した情報(遊技機に関する情報)を出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)することにより、この通信端末の操作者に遊技機の状況を報せることができるので、該操作者に、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とを比較させることができる。その結果、この通信端末の操作者は、遊技機において何が起こっているかを把握することができる。よって、例えば、出力内容に基づいて認識される遊技の状況と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、遊技機に不正が仕掛けられている可能性があるので、この通信端末の操作者は、不正行為の可能性の存在を把握することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B1の情報受信手段としては、データ受信処理(図20,25参照)におけるS1003の処理が例示される。
通信端末B1において、表示手段と、その表示手段に表示させる画面の制御を行う表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記情報受信手段により受信した前記遊技機に関する情報に基づく画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする通信端末B2。
通信端末B2によれば、遊技機から該遊技機に関する情報を受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報(遊技機に関する情報)が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B2の表示手段としては、表示画面311が例示され、通信端末B2の表示制御手段としては、データ受信処理(図20,25参照)におけるS1007の処理、データ送信処理(図21参照)におけるS1105の処理が例示される。
通信端末B1又はB2において、本通信端末と通信可能な外部装置へ情報を出力する情報出力手段を備え、前記情報出力手段は、前記情報受信手段により受信した前記遊技機で実行される遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報を受信した場合に、該固有情報を前記外部装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする通信端末B3。
通信端末B3によれば、遊技機において遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報を受信した場合に、その受信した固有情報が情報出力手段によって外部装置へと出力されるので、受信した固有情報の真偽を外部装置において確認させることができる。よって、通信端末とに固有情報に関するデータベースを保有させることなく、固有情報の真偽の判定が可能であり、固有情報の漏洩を防止することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B3の情報出力手段としては、データ送信処理(図21参照)におけるS1101の処理が例示される。また、上述した実施形態において、通信端末B3の「主制御手段に固有に割り当てられている固有情報」としては、第2IDが例示される。
通信端末B3において、情報を記憶可能な記憶手段と、前記遊技機で実行される遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報を前記情報受信手段により受信した場合に、受信した前記固有情報を蓄積して前記記憶手段に記憶する第1記憶実行手段とを備えていることを特徴とする通信端末B4。
通信端末B4によれば、遊技機において遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報(遊技機に関する情報の1つ)を受信した場合に、その受信した固有情報を記憶手段に蓄積することができるので、複数の遊技機の固有情報を集め、複数の固有情報の真偽をまとめて外部装置にて確認させることができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B4の記憶手段としては、図8,図23に示すRAM303、より詳細には、遊技機情報メモリ303aを構成する第2IDメモリ(例えば、第2IDメモリ303a1a)が例示され、通信端末B4の第1記憶実行手段としては、データ受信処理(図20参照)におけるS1006の処理、データ受信処理(図25参照)におけるS1006,S1024の処理が例示される。また、上述した実施形態において、通信端末B4の「主制御手段に固有に割り当てられている固有情報」としては、第2IDが例示される。
通信端末B1からB4のいずれかにおいて、前記遊技機で実行される遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報を前記情報受信手段により受信した場合に、受信元の遊技機に装着されている前記主制御手段と受信した前記固有情報との正当性を検索する検索手段を備えていることを特徴とする通信端末B5。
通信端末B5によれば、遊技機において遊技を制御する主制御手段に固有に割り当てられている固有情報を受信した場合に、その固有情報に対する正当性が検索されるので、主制御手段に対してなされた不正(例えば、不正基板の使用)の可能性を判別することができる。なお、通信端末B5における検索手段による検索には、通信端末内で行われる検索だけでなく、通信端末とは別体の外部装置で検索させることも含まれる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B5の検索手段としては、データ送信処理(図21参照)におけるS1101の処理が例示され、また、上述した実施形態において、通信端末B5の「主制御手段に固有に割り当てられている固有情報」としては、第2IDが例示される。
通信端末B1からB5のいずれかにおいて、本通信端末と通信可能な外部装置へ情報を出力する情報出力手段を備え、前記情報出力手段は、前記情報受信手段により受信した前記遊技機の種類を示す遊技機情報又は該遊技機情報に対応する情報を前記外部装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする通信端末B6。
通信端末B6によれば、遊技機の種類を示す遊技機情報(遊技機に関する情報の1つ)を受信した場合に、その受信した遊技機情報が情報出力手段によって外部装置へと出力されるので、遊技機の種類を識別(特定)させることができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B6の情報出力手段としては、データ送信処理(図21参照)におけるS1101の処理が例示される。なお、上述した実施形態において、通信端末B6の「遊技機の種類を示す遊技機情報」としては、第2ID、メーカー名情報、機種名情報が例示される。
通信端末B1からB6のいずれかにおいて、情報を記憶可能な記憶手段と、前記遊技機の種類を示す遊技機情報を前記情報受信手段により受信した場合に、受信した前記遊技機情報又は該遊技機情報に対応する情報を蓄積して前記記憶手段に記憶する第2記憶実行手段とを備えていることを特徴とする通信端末B7。
通信端末B7によれば、遊技機の種類を示す遊技機情報を受信した場合には、その受信した遊技機情報を記憶手段に蓄積することができるので、複数の遊技機の遊技機情報を集め、複数の遊技機の各々をまとめて外部装置にて識別させることができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B7の記憶手段としては、図8,図23に示すRAM303、より詳細には、遊技機情報メモリ303aを構成する第2IDメモリ、メーカー名メモリ、機種名メモリが例示され、通信端末B7の第2記憶実行手段としては、データ受信処理(図20参照)におけるS1006の処理、データ受信処理(図25参照)におけるS1006,S1024の処理が例示される。また、上述した実施形態において、通信端末B7の「遊技機の種類を示す遊技機情報」としては、第2ID、メーカー名情報、機種名情報が例示される。
通信端末B1からB7のいずれかにおいて、表示手段と、その表示手段に表示させる画面の制御を行う表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記遊技機から該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報を遊技機情報受信手段により受信した場合に、受信した遊技の状況に基づく画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする通信端末B8。
通信端末B8によれば、遊技機から該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報を受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報(遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報)が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B8の表示手段としては、表示画面311が例示され、通信端末B8の表示制御手段としては、データ受信処理(図20,25参照)におけるS1007の処理、データ送信処理(図21参照)におけるS1105の処理が例示される。また、通信端末B8の「該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報」としては、変動情報や、変動回数情報は、第2変動回数情報や、大当たり回数情報や、情報の出力と一緒に出力される日時情報が例示される。
通信端末B8において、前記遊技機は、遊技機で実行される遊技を制御する主制御手段と、その主制御手段から出力された制御情報に基づく制御を行う周辺制御手段とを備えており、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機において前記主制御手段から前記周辺制御手段へ出力された制御情報に応じた情報であることを特徴とする通信端末B9。
通信端末B9によれば、遊技機において遊技の制御をする主制御手段から周辺制御手段へ出力された制御情報に応じた情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B9へ情報を出力する遊技機の主制御手段としては、主制御装置110が例示され、通信端末B9へ情報を出力する遊技機の周辺制御手段としては、音声ランプ制御手段113及び表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、通信端末B9の「制御情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
通信端末B9において、前記遊技機の周辺制御手段は、前記主制御手段から制御情報として出力された演出制御情報に基づき遊技に応じた演出を制御する演出制御手段を含んで構成され、前記遊技の状況に応じた情報は、前記演出制御情報又は該演出制御情報に対応する情報を少なくとも含む情報であることを特徴とする通信端末B10。
通信端末B10によれば、遊技機において主制御手段から演出制御手段へ出力された演出制御情報又は演出制御情報に応じた情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B10へ情報を出力する遊技機の周辺制御手段としては、音声ランプ制御手段113及び表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、通信端末B10の「演出制御情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
通信端末B9において、前記遊技機の周辺制御手段は、前記主制御手段から制御情報として出力された動的表示の動的表示パターンを示す動的表示パターン情報に基づき、識別情報を表示可能な表示手段による該識別情報の動的表示を実行させる表示制御手段を含んで構成され、前記遊技の状況に応じた情報は、前記動的表示パターン情報又は該動的表示パターン情報に対応する情報を少なくとも含む情報であることを特徴とする通信端末B11。
通信端末B11によれば、遊技機において主制御手段から表示制御手段へ出力された動的表示パターン情報又は動的表示パターン情報に応じた情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B11へ情報を出力する遊技機の表示制御手段としては、表示制御手段114が例示される。なお、上述した実施形態において、通信端末B11の「動的表示パターン情報」としては、変動パターンコマンドが例示される。
通信端末B11において、前記動的表示パターン情報は、前記遊技機が前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を含むことを特徴とする通信端末B12。
通信端末B11によれば、動的表示パターン情報は、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を含むので、その情報を受信したときに、その動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。よって、遊技機において実際に発生した遊技状態との比較に基づき、不正行為の可能性を容易に判定することが可能となる。また、遊技機において動的表示パターン情報に基づく動的表示が終了する以前に、第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B11に情報を出力する遊技機における「第1遊技状態」としては、大当たりでない状態が例示され、通信端末B11に情報を出力する遊技機の「第2遊技状態」としては、大当たりが例示される。
通信端末B9において、前記遊技機の周辺制御手段は、前記主制御手段から制御情報として出力された動的表示の動的表示パターンを示す動的表示パターン情報に基づき、識別情報を表示可能な表示手段による該識別情報の動的表示を実行させる表示制御手段を含んで構成され、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機が前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報であることを特徴とする通信端末B13。
通信端末B13によれば、遊技機において動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B13の「前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報」としては、変動情報が例示される。
通信端末B12又はB13において、前記表示制御手段は、前記遊技機情報受信手段により受信した情報の中に、前記遊技機が前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を前記第2遊技状態とすることを示す情報が含まれている場合に、所定の表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする通信端末B14。
通信端末B14によれば、遊技機から受信した情報の中に、該遊技機が動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第2遊技状態とすることを示す情報が含まれている場合には、所定の表示が表示されるので、通信端末の操作者に、遊技機において第2遊技状態が発生することを明示することができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
通信端末B8からB14のいずれかにおいて、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機において識別情報を表示可能な表示手段による該識別情報の動的表示が実行されていることを示す情報であることを特徴とする通信端末B15。
通信端末B15によれば、遊技機において識別情報を表示可能な表示手段による該識別情報の動的表示が実行されていることを示す情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B15の「前記遊技機において識別情報を表示可能な表示手段による該識別情報の動的表示が実行されていることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第0ビットのデータが例示される。
通信端末B8からB15のいずれかにおいて、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機において遊技状態が第1遊技状態より有利な第2遊技状態であることを示す情報であることを特徴とする通信端末B16。
通信端末B16によれば、遊技機において遊技状態が第1遊技状態より有利な第2遊技状態であることを示す情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B16の「前記遊技機において遊技状態が第1遊技状態より有利な第2遊技状態であることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第1ビットのデータが例示される。
通信端末B8からB16のいずれかにおいて、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機において、第1遊技状態と該第1遊技状態より有利な第2遊技状態とのうち、前記第2遊技状態を遊技状態として選定する確率が、第1確率より高確率である第2確率に設定されていることを示す情報であることを特徴とする通信端末B17。
通信端末B17によれば、遊技機において第2遊技状態を遊技状態として選定する確率が第2確率であることを示す情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B17の「前記遊技機において、第1遊技状態と該第1遊技状態より有利な第2遊技状態とのうち、前記第2遊技状態を遊技状態として選定する確率が、第1確率より高確率である第2確率に設定されていることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第2ビットのデータが例示される。
通信端末B8からB17のいずれかにおいて、前記遊技の状況に応じた情報は、前記遊技機の遊技状態が、第2遊技状態より有利度の低い第1遊技状態へ切り替えられる際に発生された、遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの付加遊技状態であることを示す情報であることを特徴とする通信端末B18。
通信端末B18によれば、遊技機の遊技状態が第2遊技状態より有利度の低い第1遊技状態へ切り替えられる際に発生された遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの付加遊技状態であることを示す情報を、遊技の状況に応じた情報として受信した場合には、表示制御手段による制御によって表示手段の画面に該情報が表示されるので、通信端末の操作者に、その画面を視認することによって遊技機で行われている遊技の状況を把握させることができる。よって、通信端末の操作者は、画面に表示された内容と、実際の遊技機の状態から確認し得る遊技の状況とが一致しない場合には、不正行為の可能性の有無を判定することができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B18の「前記遊技機の遊技状態が、第2遊技状態より有利度の低い第1遊技状態へ切り替えられる際に発生された、遊技者にとって所定の付加価値を有する終了期限付きの付加遊技状態であることを示す情報」としては、遊技状況情報(図6参照)における第3ビットのデータが例示される。
通信端末B1からB18のいずれかにおいて、情報を記憶可能な記憶手段と、前記遊技機から該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報を遊技機情報受信手段により受信した場合に、受信した遊技の状況に応じた情報に基づき、前記遊技の状況の発生回数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された発生回数を前記記憶手段に記憶する第3記憶実行手段とを備えていることを特徴とする通信端末B19。
通信端末B19によれば、遊技機から受信した遊技の状況に応じた情報に基づき、該遊技の状況の発生回数が計数手段によって計数され、記憶手段に記憶されるので、該通信端末を、遊技機で行われている遊技の状況を管理するために使用できる。よって、遊技機に対する不正を監視するのに役立つ。
なお、上述した実施形態において、通信端末B19の記憶手段としては、図23に示すRAM303、より詳細には、遊技機情報メモリ303aを構成する当日変動回数メモリ(例えば、当日変動回数メモリ303a1i)、当日大当たり回数メモリ(例えば、当日大当たり回数メモリ303a1j)が例示される。また、上述した実施形態において、通信端末B19の計数手段としては、当日回数更新処理(図26参照)におけるS1041の中で、取得第2変動回数メモリの値から初回第2変動回数メモリの値を減算することや、S1042の中で、取得大当たり回数メモリの値から大当たり回数メモリの値を減算することが例示される。また、上述した実施形態において、通信端末B19の第3記憶実行手段としては、当日回数更新処理(図26参照)におけるS1041の中で、減算により得られた値を当日変動回数メモリに記憶することや、S1042の中で、減算により得られた値を当日大当たり回数メモリに記憶することが例示される。
通信端末B1からB19のいずれかにおいて、本通信端末と通信可能な外部装置へ情報を出力する情報出力手段を備え、前記情報出力手段は、前記遊技機から該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報を遊技機情報受信手段により受信した場合に、前記情報受信手段により受信した前記遊技の状況に応じた情報又は該情報に対応する情報を前記外部装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする通信端末B20。
通信端末B20によれば、遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報を受信した場合に、その受信した情報が情報出力手段によって外部装置へと出力されるので、遊技機における遊技の状況を、該通信端末を介して外部装置に伝達することができる。よって、外部装置において、該外部装置が遊技機から直接取得した情報(遊技の状況を示す情報)と、通信端末が遊技機から取得した情報と比較させることができる。
なお、通信端末B20の「該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報」としては、例えば、上述した実施形態における、変動情報や、変動回数情報は、第2変動回数情報や、大当たり回数情報や、情報の出力と一緒に出力される日時情報などが例示される。また、通信端末B20の情報出力手段としては、例えば、データ送信処理(図21参照)におけるS1101において、「該遊技機で行われている遊技の状況に応じた情報」を出力することが例示される。
通信端末B3、B6又はB21のいずれかにおいて、表示手段と、その表示手段に表示させる画面の制御を行う表示制御手段と、前記情報出力手段により前記外部装置へ情報を出力した後、前記外部装置から前記出力した情報に基づいて出力された情報を受信可能な第2情報受信手段とを備え、前記表示制御手段は、前記第2情報受信手段により受信した情報に基づく画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする通信端末B21。
通信端末B20によれば、外部装置へ情報を出力した後に、そのように出力した情報に基づいて出力された情報を該外部装置から受信した場合には、外部装置から受信した情報に基づく画面が表示手段に表示されるので、該通信端末において、外部装置へ出力した情報に基づき外部装置が行った処理結果を知ることができる。
なお、上述した実施形態において、通信端末B20の表示手段としては、表示画面311が例示され、通信端末B20の表示制御手段としては、データ送信処理(図21参照)におけるS1105の処理が例示され、通信端末B20の第2情報受信手段としては、データ送信処理(図21参照)におけるS1104のYesへの分岐処理が例示される。
通信端末B1からB22のいずれかにおいて、無線通信可能な通信手段を備え、前記遊技機との通信は、前記通信手段を介した無線通信により行われることを特徴とする通信端末B23。
通信端末B23によれば、遊技機との通信は無線通信により行われるので、多数の遊技機が配設されている場所(例えば、ホール)において、各遊技機の情報を取得し易い。
なお、上述した実施形態において、通信端末B23の通信手段としては、赤外線データ出力装置314が例示される。
通信端末B1からB23のいずれかにおいて、無線通信可能な通信手段を備え、本通信端末と通信可能な外部装置との通信は、前記通信手段を介した無線通信により行われることを特徴とする通信端末B24。
通信端末B24によれば、外部装置との通信は無線通信により行われるので、外部装置との接続を容易に行い得る。
なお、上述した実施形態において、通信端末B24の通信手段としては、赤外線データ出力装置314、赤外線データ入力装置315が例示される。
遊技機A1からA18のいずれかの遊技機と、通信端末B1からB24のいずれかの通信端末とから構成されることを特徴とする遊技システム1。
<その他>
従来、遊技機の1つとして図柄表示装置を備えたパチンコ機があり、このパチンコ機では、図柄作動口(始動口)を遊技球が通過することにより始動条件が成立すると、図柄表示装置の図柄の変動表示が開始され、該変動表示の後に表示される停止表示が予め定められた図柄の組み合わせであれば大当たりとなり、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生して、多量の賞球が払出可能な状態となる(例えば、特許文献1:特開2003−164595号公報)。
変動表示後に大当たりを発生させるか否かは、始動条件が成立する(遊技球が図柄作動口を通過する)タイミングで決定される。即ち、始動条件が成立したタイミングで乱数カウンタの値を読み取り、その値が予め定められた値と一致すれば大当たりとなる。
かかるパチンコ機等の遊技機において、不正基板(例えば、「ぶら下げ基板」と呼ばれる主制御手段に接続される基板や、主制御手段自体と置換される不正基板など)を用い、その不正基板によって大当たりを不正に発生させ、賞球を不正に払い出させる不正行為が存在する。かかる不正行為が行われた場合、ホールが多大な不利益を被るという問題が生じる。なお、このような問題は、パチンコ機に限らず、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本技術的思想は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、不正基板を使用した不正行為を抑制し得る遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の遊技機は、遊技媒体を用いた遊技を行うためのものであって、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段に固有に割り当てられた固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、識別情報を表示する表示手段と、前記主制御手段から出力された制御情報に基づき前記表示手段による前記識別情報の動的表示を実行させる表示制御手段と、本遊技機に関する情報を出力情報として外部へ出力する情報出力手段とを備え、前記主制御手段から前記表示制御手段へ出力される制御情報は、前記動的表示の動的表示パターンを示す動的表示パターン情報を含み、前記情報出力手段は、前記固有情報記憶手段に記憶されている前記固有情報と、前記動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報とを前記出力情報として出力可能に構成されている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1の遊技機において、前記情報出力手段は、前記主制御手段による制御によって前記出力情報を出力するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2の遊技機において、無線通信可能な通信手段を備え、前記情報出力手段による前記出力情報の出力は、前記通信手段を介した無線通信により行われる。
<効果>
技術的思想1の遊技機によれば、遊技の制御を行う主制御手段に固有に割り当てられている固有情報(遊技機に関する情報の1つ)が出力情報として情報出力手段によって出力可能に構成されているので、受信側の装置に、情報の出力元の遊技機の主制御装置、ひいては、遊技機自体を識別(特定)させることを可能にする。よって、装置が固有情報以外に遊技機から受信する情報がある場合に、該装置は、これらの情報を、固有情報により識別される遊技機毎に取り扱うことができるという効果がある。また、固有情報は主制御手段に固有に割り当てられたものであるので、該固有情報を受信した装置は、固有情報に基づいて、主制御手段が正当なものであるか否かを判別し得る。よって、遊技機に不正が仕掛けられた可能性を認識し得、不正行為の可能性があれば、不正対策を十分に図ることができるので、遊技機への不正行為を抑制できるという効果がある。
また、技術的思想1の遊技機によれば、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報が、情報出力手段により出力可能に構成されているので、受信側装置は、該情報(即ち、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第1遊技状態より有利な第2遊技状態とするか否かを示す情報)を受信したときに、動的表示パターン情報に基づく動的表示の終了後に遊技状態を第2遊技状態(例えば、大当たり)が生じるか否かを認識することができるという効果がある。よって、例えば、受信した情報を、その情報の受信先である装置から出力(画面出力や、音声出力や、記録による出力など)させることにより、その出力内容を認識した者に、第2遊技状態の発生を報せることができるので、遊技機において実際に発生した遊技状態との比較に基づき、不正行為の可能性を容易に判定することが可能となる。
技術的思想2の遊技機によれば、技術的思想1の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。主制御手段による制御によって出力情報が出力されるので、正規の主制御手段による正規の出力情報が出力される。よって、受信側装置は、正規の主制御手段による遊技の制御を反映する情報を受信することになるので、遊技機で行われるべき遊技の状況を該受信側装置から出力させることができるという効果がある。よって、例えば、受信側装置からの出力内容と、遊技機における実際の遊技状態とを比較することにより、不正行為の可能性を発見し易く、不正行為を有効に抑制できる。
技術的思想3の遊技機によれば、技術的思想1又は2の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。出力情報の出力が無線通信により行われるので、多数の遊技機が配設されている場所(例えば、ホール)において、各遊技機の情報を伝達し易いという効果がある。