図1は、LTEの後継システム(LTE Rel.10〜12)におけるキャリアアグリゲーションの概要説明図である。図1Aは、LTE Rel.10におけるCA(キャリアアグリゲーション)の概要を示している。図1Bは、LTE Rel.11におけるCAの概要を示している。図1Cは、LTE Rel.12におけるDC(デュアルコネクティビティ)の概要を示している。
図1Aに示すように、LTE Rel.10におけるCAにおいては、LTEシステムのシステム帯域を一単位とするコンポーネントキャリア(CC)を最大5個(CC#1〜CC#5)集めて広帯域化することにより、高速なデータレートを実現している。
図1Bに示すように、LTE Rel.11におけるCAにおいては、CC間で異なるタイミング制御を可能とするマルチプルタイミングアドバンス(MTA:Multiple Timing Advance)が導入されている。MTAを適用したCAでは、送信タイミングで分類されるタイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advance Group)をサポートする。そして、1つの無線基地局のスケジューラにより、TAG毎に信号の送信タイミングが制御される。これにより、無線基地局と、当該無線基地局に光ファイバなどの理想的バックホール(ideal backhaul)で接続されたRRH(Remote Radio Head)と、から構成される、遅延が小さい非同一位置(non-co-located)の複数CCによるCAを実現している。
LTE Rel.12では、遅延の無視できない非理想的バックホール(non-ideal backhaul)で接続された複数の無線基地局によるセルグループ(CG:Cell Group)を束ねるデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)が導入され、より柔軟な配置が実現可能である(図1C参照)。DCでは、複数の無線基地局が、それぞれ備えるスケジューラで独立にスケジューリングを行うことが想定される。
DCでは、ユーザ端末に対して複数のCGが設定され、CG間で独立にスケジューリングや再送制御(HARQ制御)が行われる。これにより、異なる位置に配置され、独立にスケジューリングを行う無線基地局によって、各CGに属するCCが形成され、これらのCCを用いたCAが実現される。また、DCでは、設定されるCGの中においても、MTAをサポートする。
これらのLTEの後継システム(LTE Rel.10〜12)におけるCAでは、ユーザ端末当たりに設定可能なCC数が最大5個に制限されている。一方、LTEのさらなる後継システムであるLTE Rel.13以降においては、ユーザ端末当たりに設定可能なCCの数の制限を緩和し、6個以上のCC(セル)を設定する拡張キャリアアグリゲーション(CA enhancement、enhanced CAなどともいう)が検討されている。
図2は、LTE Rel.13で検討されるキャリアアグリゲーションの一例を示す図である。図2に示すように、拡張CAでは、例えば32個のコンポーネントキャリアを束ねることが想定される。この場合には、無線基地局とユーザ端末間で最大で640MHz(20MHz×32)の帯域幅を利用して通信することができる。拡張CAを用いることで、より柔軟かつ高速な無線通信が実現される。
ところで、LTE Rel.12では、トラヒック及び干渉制御のために、eIMTAがサポートされた。eIMTAは、時分割多重(TDD)方式において、時間リソースを動的に制御する技術であり、動的TDD(Dynamic TDD)とも呼ばれる。以下で、LTE Rel.12のeIMTAの制御方法について概説する。
eIMTAでは、セル毎にTDDのUL−DL構成(UL-DL config.)を動的に変更することにより、セル間干渉を低減することができる。図3は、eIMTAで利用可能なTDDのUL−DL構成の一例を示す図である。図3において、“D”はDLサブフレーム、“U”はULサブフレーム、“S”はスペシャルサブフレームを示している。eIMTAでは、例えば図3に示すような、UL/DLサブフレームの比率が異なるフレーム構成(UL−DL構成0〜6)が利用可能である。なお、UL−DL構成はUL/DL構成と呼ばれてもよい。
ユーザ端末は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、eIMTAが適用されるTDDセルのUL/DL比率を動的に設定(又は再設定、更新)される。例えば、無線基地局は、ユーザ端末に対して、図2のTDD UL−DL構成から、使用するUL−DL構成の番号(例えば、0〜6)をPDCCHで動的にシグナリングする。CAの場合、キャリアの異なるセル(CC)毎に、UL/DL比率は独立に変更することができる。
eIMTA用のTDD UL/DL比率動的変更シグナリング(動的変更シグナリング、eIMTAシグナリング、reconfigurationシグナリング、UL−DL構成の変更に関する情報を含む信号などともいう)は、PDCCHの共通サーチスペース(CSS:Common Search Space)でDCI(Downlink Control Information)フォーマット1Cを用いて通知される。つまり、動的変更シグナリングは下り制御情報(DCI)を含む下り制御信号(PDCCH)で通知される。
動的変更シグナリングの通知の前に、無線基地局(eNB:evolved Node B)はユーザ端末(UE:User Equipment)に対し、特定のサービングセルについて、動的変更シグナリングを受信するための情報をRRC(Radio Resource Control)シグナリングにより通知する。例えば、動的変更シグナリングの検出を行うための識別子として、eIMTA−RNTI(eimta-RNTIフィールド)が通知される。また、eIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cの送信サブフレーム(eimta-CommandSubframeSetフィールド)と周期(eimta-CommandPeriodicityフィールド)が通知される。また、DCIフォーマット1Cの中で動的変更を指示するビットに関する情報(eimta-ReConfigIndexフィールド)が通知される。
ユーザ端末は、上記RRCシグナリングで指示されたサブフレームにおいて、DCIフォーマット1Cを用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号結果がeIMTA−RNTIでマスキングされているかをチェックする。そして、eIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cが検出された場合、RRCシグナリングで指定された所定数のビット系列(3ビットの系列)を読んで、UL−DL構成0〜6のどれを指定されたかを判断する。
図4は、eIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cの一例を示す図である。図4は、図3に示したUL−DL構成のうち、UL−DL構成1のフレーム構成を示しており、サブフレーム番号0のDLサブフレームにて、DCIフォーマット1Cが送信されている。
UL−DL変更シグナリングは、DCIフォーマット1Cの中で3ビット毎に区切られる。例えば、図4の斜線部は、特定UEのサービングセル#xxに対するUL−DL変更シグナリングを示す。
LTE Rel.12では、動的変更シグナリングの3ビット列はサービングセル毎に設定可能であり、共通サーチスペースで送信されるDCIフォーマット1Cのペイロードサイズ(最大15ビット)を用いて、最大5CC分独立にUL−DL構成の動的変更が可能であった。
しかしながら、上述のLTE Rel.12のeIMTA制御方法では、最大5CCまでの動的変更しか行えないことから、6個以上のCC数に対応することができず、拡張CAとeIMTAを同時に利用する場合に通信を適切に行うことができない。
そこで、本発明者らは、LTE Rel.13以降において、6個以上のCC(例えば、32個のCC)分のUL−DL構成の動的変更を可能とするために、新しい制御方法を導入することを着想した。具体的には、本発明者らは、UEに情報を追加で通知することにより、既存のフレームワークと同じDCIフォーマットを用いつつ6個以上のCCに対応することを着想した。また、本発明者らは、6個以上のCCに対応する動的変更シグナリングを容量の大きい新規フォーマットで送信することを着想した。これらの着想に基づいて、本発明者らは、本発明に至った。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。本発明の各実施形態では、UL−DL構成の動的変更シグナリングのために、LTE Rel.12におけるeIMTA制御で用いられていない情報を、上位レイヤシグナリングでユーザ端末に通知する。以下、当該情報をRRCシグナリングで通知するものとして説明するが、これに限られない。例えば、当該情報は、MAC(Medium Access Control)シグナリング(例えば、MAC制御要素(CE:Control Element))、報知信号(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))などで通知されてもよい。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、ユーザ端末に対して、動的変更シグナリングの検出を行うための識別子(eIMTA−RNTI)を複数設定する。これにより、ユーザ端末は、サービングセル毎に、対応するeIMTA−RNTIでマスキングされるDCIフォーマット1Cを判断し、当該DCIフォーマット1Cに含まれる所定数のビット列(例えば、3ビット列)でUL−DL構成を動的に設定することができる。
eNBはUEに対し、RRCシグナリングにより複数のeIMTA−RNTIをUEに設定する。ここで、1つのeIMTA−RNTIは複数のCCのマスキングに用いることができ、例えば1つのCGに属する各CCのUL−DL変更シグナリングは、同一のeIMTA−RNTIでマスキングされてもよい。例えば、CC#0〜4向けにeIMTA−RNTI1を設定し、CC#5〜9向けにeIMTA−RNTI2を設定する構成としてもよい。なお、複数のeIMTA−RNTIは、1つのRRCシグナリングで設定されてもよいし、複数のRRCシグナリングで設定されてもよい。
UEは、複数のeIMTA−RNTIが設定された場合、DCIフォーマット1Cのブラインド復号時、各eIMTA−RNTIを用いて、動的TDD制御があるかどうかをチェックする。ここで、UEは、複数のeIMTA−RNTIを1つのサブフレームで検出してもよい。
なお、eIMTA−RNTIとCCとの対応付けに関する情報は、予め規定されていてもよいし、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で通知されてもよい。例えば、RRCシグナリングで、eIMTA−RNTIに対応するセルインデックスのオフセット情報が含まれてもよい。セルインデックスのオフセットがxである場合、UEは所定のeIMTA−RNTIに対応するセルインデックスとして、従来の動的変更シグナリングを受信するための情報で規定されるセルインデックス(例えば、0〜4)にxを加えたもの(例えば、0+x〜4+x)を用いてもよい。
以上、第1の実施形態によれば、従来の動的変更シグナリングの構成を変更せずに、設定可能なeIMTA−RNTIの数を拡張することができる。これにより、eIMTAシグナリングのビット数を増加させずに、6個以上のCCについてユーザ端末がUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。また、異なるeIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cは系列長が同一であるため、ユーザ端末は、1度ブラインド検出を試行した所定のビット系列長のDCIフォーマット1Cに対し、複数のeIMTA−RNTIでマスキングされているかどうかを確認することができる。換言すれば、ユーザ端末がブラインド検出を試行する回数を増やさずに、複数のUL/DL比率動的変更シグナリングを検出することができる。これはユーザ端末の処理負担増加を抑えることにつながる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、複数のCCの動的変更シグナリングを、時間的に異なるサブフレームで送信する。これにより、ユーザ端末は、サービングセル毎に、対応するサブフレームで通知されるDCIフォーマット1Cを判断し、当該DCIフォーマット1Cに含まれる所定数のビット列(例えば、3ビット列)でUL−DL構成を動的に設定することができる。
第2の実施形態では、UL−DL構成変更用のDCIフォーマット1Cを検出すべきサブフレームをRRCシグナリングで設定する際に、当該サブフレームで送信するDCIフォーマット1CがどのCC向けの情報を含むかを通知する。つまり、第2の実施形態では、RRCシグナリングは、所定のサブフレームの動的変更シグナリングにより設定対象となるCCの情報を含む。
UEは、設定された全てのサブフレームにおいて、eIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cのブラインド復号を行うが、サブフレーム番号に応じて、異なるCC向けの動的変更シグナリングとして読み替える。
図5は、第2の実施形態に係る動的変更シグナリングの一例を示す図である。例えば、ユーザ端末は、RRCシグナリングで、サブフレーム#0のDCIフォーマット1CがCC#0〜4向けの情報を含むことと、サブフレーム#5のDCIフォーマット1CがCC#5〜9向けの情報を含むことと、を通知される。当該RRCシグナリングを受信したUEは、サブフレーム#0で通知されるDCIフォーマット1Cを、CC#0〜4の動的変更シグナリングと認識し、サブフレーム#5で通知されるDCIフォーマット1Cを、CC#5〜9の動的変更シグナリングと認識することができる。
なお、動的変更シグナリングが通知されるサブフレーム番号とCC(例えば、セルインデックス)との対応付けに関する情報が、予め規定されていてもよいし、別途上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で通知されてもよい。そして、UL−DL構成変更用のDCIフォーマット1Cを検出すべきサブフレームをRRCシグナリングで設定する際に、どの対応付けを用いるかを通知するように構成されてもよい。
以上、第2の実施形態によれば、従来の動的変更シグナリングの構成を変更せずに、CCとサブフレームの対応関係を設定することができる。これにより、eIMTAシグナリングのビット数を増加させずに、6個以上のCCについてユーザ端末がUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。また、UL−DL構成の動的変更シグナリングを通知するサブフレームをずらすことができるため、特定のサブフレームにおいて下り制御チャネルのオーバーヘッドが大きくなることを避け、サブフレーム間で下り制御チャネルのオーバーヘッドを平滑化することが可能となる。なお、ユーザ端末は、全てのサブフレームにおいてDCIフォーマット1Cのブラインド検出を行うことから、処理負担の増加は生じない。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、複数のCCの動的変更シグナリングを、CCの設定数が5個以下となる既存システム(Rel.10〜12)の動的変更シグナリングと比較してペイロードの大きい(容量の大きい)構成とする。当該ペイロードの大きい動的変更シグナリングは、Rel.13 eIMTAシグナリングと呼ばれてもよい。
また、Rel.13 eIMTAシグナリングに用いるDCIフォーマットは、新規DCIフォーマット、DCIフォーマット1E、拡張DCIフォーマット、大容量DCIフォーマットなどと呼ばれてもよい。
大容量DCIフォーマットは、例えば、DCIフォーマット1Aと同一のペイロード(28ビット)であってもよいし、32CC全てを独立に動的TDDできる長さ(96ビット)のDCIフォーマットであってもよいし、96ビットより大きいペイロードを用いてもよい。
DCIフォーマット1Aと同じペイロードを用いた場合、PDCCHの共通サーチスペースを使うことができるので、Rel.12 CAのeIMTAと同様に制御することができる。また、96ビットより大きいペイロードであれば、より柔軟に制御することができる。なお、動的変更シグナリングのサイズが大きい(例えば、96ビットより大きい)場合、共通サーチスペースではなく、ユーザ端末固有サーチスペース(UE−SS:UE-specific Search Space)で送信してもよい。
また、Rel.13 eIMTAシグナリングはEPDCCH(Enhanced PDCCH)で通知される構成としてもよい。大容量フォーマットが用いられる場合には、PDCCHの容量を多く使用してしまうことが考えられるため、EPDCCHでの通知が好ましい。
なお、大容量DCIフォーマットには、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の高多値変調方式や、ランク2やランク4などのMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)送信を適用してもよい。または、当該Rel.13 eIMTAシグナリングは、MAC制御要素(Control Elements)として定義され、MACヘッダを含めて送信されるものであっても良い。これらの方法では、既存のPDCCHに比べて多くの情報ビット列を送信することが可能となる。
UEは、Rel.13 eIMTAシグナリングが送信される旨(大容量DCIフォーマットが用いられる旨)をRRCシグナリングで設定(configure)された場合、Rel.13 eIMTAシグナリングのブラインド復号を試行する。そして、Rel.13 eIMTAシグナリングを検出すると、指定されたサービングセルのTDD UL−DL構成を変更する。
UEは、Rel.13 eIMTAシグナリングが設定された場合、Rel.13 eIMTAシグナリングに対してブラインド復号を行う一方、Rel.12で規定されたeIMTAシグナリングに対してブラインド復号を行わない(Rel.12で規定されたeIMTAシグナリングをモニターしない)構成としてもよい。この場合、全てのサービングセルについて、Rel.13 eIMTAシグナリングを用いてUL−DL構成の変更を行う。
なお、Rel.12で規定されたeIMTAシグナリングとは、PDCCHの共通サーチスペースでDCIフォーマット1Cを用いて通知される動的変更シグナリングのことをいう。
このようにすることで、ユーザ端末が実際には送信されていないeIMTAシグナリングを誤検出する確率を減らすことができる。ユーザ端末が、誤検出によりUL−DL構成を変更してしまうと、周辺基地局や周辺ユーザ端末に大きな干渉を引き起こす。ブラインド検出を行うeIMTAシグナリングの系列を1つに限定することで、余分な検出試行が行われなくなり、その結果誤検出を引き起こす確率を下げることができる。
また、UEは、Rel.13 eIMTAシグナリングが設定された場合、Rel.13 eIMTAシグナリングと、Rel.12で規定されたeIMTAシグナリングと、の両方に対してブラインド復号を行う構成としてもよい。例えば、共通サーチスペースにおいて、Rel.12 eIMTAシグナリングの検出を試行し、ユーザ端末固有サーチスペースにおいて、Rel.13 eIMTAシグナリングの検出を試行する構成とすることができる。
この場合、Rel.12 eIMTAシグナリングで制御しないサービングセルについて、Rel.13 eIMTAシグナリングを用いてUL−DL構成の変更を行うことができる。例えば、PCell(プライマリセル)を含む接続性担保に重要なセルについては、よりペイロードが小さいため高い拡散率で送信でき、高品質で送受信可能なRel.12 eIMTAシグナリングで制御を行い、そうでないセルについてはよりペイロードが大きいRel.13 eIMTAシグナリングで独立に制御を行うような運用が可能となる。これにより、PCellを含む接続性担保に重要なセルに対するeIMTAシグナリングを誤検出する確率を低く保ったまま、より多くのセルについて、独立にUL−DL構成を設定することが可能となる。
以上、第3の実施形態によれば、従来の動的変更シグナリングに比べて容量の大きい動的変更シグナリングを用いることができる。これにより、より高速かつ柔軟に、6個以上のCCについてユーザ端末がUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。
なお、UEは、特定のサブフレームでのみ、Rel.13 eIMTAシグナリングのブラインド復号を行う構成としてもよい。この場合、特定のサブフレームは、予め規定されてもよいし、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により設定されてもよい。
また、UEは、特定のPDCCH/EPDCCHでのみ、Rel.13 eIMTAシグナリングのブラインド復号を行う構成としてもよい。ここで、特定のPDCCH/EPDCCHとは、UE−SSで通知されるPDCCH/EPDCCHであってもよいし、任意のEPDCCHであってもよいし、EPDCCHとして設定される2セットのEPDCCHのうち、いずれか片方であってもよいし、ブラインド復号を行う特定の結合レベル(AL:Aggregation Level)のPDCCH/EPDCCHであってもよい。
このように、Rel.13 eIMTAシグナリングのブラインド復号を一部のサブフレームや制御チャネルに限定することで、UEの処理負担の増加や、シグナリングに係るオーバーヘッドの増大を抑制することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、サービングセルあたりの動的変更シグナリングのビット数を削減する。これにより、動的変更シグナリングのオーバーヘッドを削減することができ、より多くのサービングセルの情報を動的変更シグナリングに含めることができる。
例えば、動的TDDで設定可能なUL/DLサブフレーム構成を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により限定(制限)する。これにより、動的変更シグナリングを従来の3ビットから減らすことができる。例えば、動的変更シグナリングを2ビットにする場合、DCIフォーマット1Cの最大ペイロードサイズ(15ビット)で7個の動的変更シグナリングを含めることができるようになる。
図6は、第4の実施形態に係る限定されたUL−DL構成及びDCIフォーマット1Cの一例を示す図である。図6Aは、限定されたUL−DL構成の一例を示す。図6Aでは、動的TDDで設定し得るUL−DL構成が、RRCシグナリングにより予め限定されている。図6Aでは、UL−DL構成0、1、2及び6が使用可能(UL−DL構成3、4及び5が使用不能)に設定されており、使用可能なUL−DL構成は3ビットではなく2ビットで表現することができる。なお、限定されたUL−DL構成の組み合わせは、図6Aの例に限られない。
図6Bは、図6Aのような限定されたUL−DL構成を採用する場合における、eIMTA−RNTIでマスキングされたDCIフォーマット1Cの一例を示す図である。この場合、所定のサービングセルで用いるDCI限定後のUL−DL構成を、例えば2ビットで指示することができる。
以上、第4の実施形態によれば、DCIフォーマットの中に従来(Rel.12)より多くの動的変更シグナリングを含めることができる。これにより、eIMTAシグナリングのビット数を増加させずに、6個以上のCCについてユーザ端末がUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。また、ユーザ端末が行うブラインド復号動作は従来(Rel.12)の動的変更シグナリングの検出動作と変わらない。したがって、従来と同等の処理負担で、より多くのセルについてUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態では、eIMTAで設定する複数のCCをグルーピングするRRCシグナリングを用いる。これにより、1つの動的変更シグナリングで複数のCCのUL−DL構成を変更することができる。
UEは、複数のCCをグルーピングするシグナリングが通知された後、特定のCCについて動的変更シグナリングが通知された場合、当該CCと同一グループに属するCCについては、同一の動的変更シグナリングでUL−DL構成を変更する。例えば、複数のCCをグルーピングするRRCシグナリングとして、セル#0、#5及び#6を1つのグループとして構成する情報が通知された場合、セル#0に関する動的変更シグナリングを、セル#5及びセル#6にも適用する。
なお、複数のCCをグルーピングするための情報としては、例えば、複数のCCが同一のセルグループ(CG)に属するという情報が通知されてもよいし、複数のCCが同一のタイミングアドバンスグループ(TAG)に属するという情報が通知されてもよいし、その他のグループに関する情報が通知されてもよい。
以上、第5の実施形態によれば、従来の動的変更シグナリングの構成を変更せずに、eIMTAで設定する複数のCCをグルーピングすることができる。これにより、eIMTAシグナリングのビット数を増加させずに、6個以上のCCについてユーザ端末がUL−DL構成を動的に設定することが可能となる。
(変形例)
UEは、上述の各実施形態のように、6CC以上のUL/DL構成の動的変更をサポートしていることを、無線基地局(ネットワーク)に通知してもよい。例えば、UEは、6CC以上のeIMTAをサポートすることを、能力情報(capability)として無線基地局に報告することができる。
また、UEは、1つのサブフレームで検出できるeIMTA−RNTIの数(例えば、総数、最大数など)に関する情報について、能力情報としてネットワークに通知してもよい。また、UEは、別々に動的TDDを適用できるセルの数(例えば、総数、最大数など)に関する情報について、能力情報としてネットワークに通知してもよい。また、UEは、別々に動的TDDを適用できる周波数帯域に関する情報について、能力情報としてネットワークに通知してもよい。
このようにすることで、無線基地局は、あらかじめ、当該ユーザ端末がどのような動的TDDの制御能力を有しているかを把握することができる。この情報に基づいて動的TDDの制御およびスケジューリングを行うことで、ユーザの能力を超えた動的TDD制御や割り当てを行うことを回避できる。
また、各実施形態は組み合わせて適用されてもよい。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせて、複数のeIMTA−RNTIに対応する動的変更シグナリングを、サブフレームをずらして送信してもよい。また、第4又は第5の実施形態は、他の各実施形態と組み合わせて、動的変更シグナリングの情報量を削減するために用いられてもよい。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。また、無線通信システム1は、アンライセンスバンドを利用可能な無線基地局(例えば、LTE−U基地局)を有している。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図7に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a−12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも6個以上のCC(セル)を用いてCA又はDCを適用することができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。また、同一のアンライセンスバンドを共有して利用する各無線基地局10は、時間的に同期するように構成されていることが好ましい。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクにOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクにSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
<無線基地局>
図8は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
なお、送受信部103は、ユーザ端末20に対して、後述の送信信号生成部302が生成する所定の上位レイヤシグナリングと、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号(PDCCH及び/又はEPDCCH)と、を送信する。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図9は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図9では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図9に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、同期信号や、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)、DM−RS(Demodulation Reference Signal)などの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK))、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
さらに、制御部301は、6個以上のCCを利用して通信可能なユーザ端末20のUL−DL構成を制御する。具体的には、制御部301は、所定の上位レイヤシグナリングと、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号(PDCCH及び/又はEPDCCH)と、をユーザ端末20に対して送信するように、送信信号生成部302及びマッピング部303を制御する。
制御部301は、例えば、所定の上位レイヤシグナリングとして、RRCシグナリングを生成するように制御を行う。当該RRCシグナリングは、動的変更シグナリングの検出を行うための識別子(eIMTA−RNTI)を複数含んでもよい(第1の実施形態)。また、当該RRCシグナリングは、所定のサブフレームで送信される動的変更シグナリングにより設定対象となるCCの情報(CCとサブフレームの対応関係)を含んでもよい(第2の実施形態)。
また、当該RRCシグナリングは、動的変更シグナリングを、既存システム(Rel.12)の動的変更シグナリングに用いるフォーマットと比較して、大容量フォーマットの信号で通知する旨を含んでもよい(第3の実施形態)。ここで、当該「通知する旨」は、通知するか否かを示す情報であってもよいし、大容量フォーマットの信号の受信に用いる情報(例えば、大容量フォーマットのペイロード長、変調方式、符号化方式など)であってもよい。
また、当該RRCシグナリングは、限定されたUL−DL構成を含んでもよい(第4の実施形態)。また、当該RRCシグナリングは、eIMTAで設定する複数のCCをグルーピングするための情報を含んでもよい(第5の実施形態)。
制御部301は、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号として、Rel.12で規定されたeIMTAシグナリングを通知するように制御してもよい。つまり、制御部301は、PDCCHの共通サーチスペースでDCIフォーマット1Cを用いて動的変更シグナリングを通知する制御を行ってもよい。
また、制御部301は、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号として、Rel.13以降で新たに規定されるeIMTAシグナリングを通知するように制御してもよい。例えば、制御部301は、CC数が5個以下となる既存システム(Rel.10〜12)の動的変更シグナリングと比較してペイロードの大きいフォーマットを用いて動的変更シグナリングを通知する制御を行ってもよい。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
また、送信信号生成部302は、上述したように、所定の上位レイヤシグナリングや、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号を生成する。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信されるUL信号(上り制御信号、上りデータ信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図10は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
送受信部203は、上述した所定の上位レイヤシグナリングと、UL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号と、を受信する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図11は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図11においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図11に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)など)や上りデータ信号の生成を制御する。
また、制御部401は、サービングセルとして設定される6個以上のCCについて、UL−DL構成を設定、再設定又は更新する。具体的には、制御部401は、受信部203で受信され、受信信号処理部404で復号された、所定の上位レイヤシグナリング及びUL−DL構成の変更に関する情報を含む下り制御信号(PDCCH及び/又はEPDCCH)に基づいて、所定のCCのUL−DL構成を設定する(第1〜第5の実施形態)。なお、サービングセルとして設定されるCCは、6個以上であり、例えば、16個、32個などであってもよく、さらに多くてもよい。
制御部401は、所定の上位レイヤシグナリングに基づいて、受信信号処理部404の受信処理を制御することができる。例えば、上位レイヤシグナリングが、動的変更シグナリングを大容量フォーマットの信号で通知する旨を含む場合、制御部401は、受信処理部404に対して、ブラインド復号を試行する対象をRel.13 eIMTAシグナリング(大容量フォーマットの信号)のみとするよう制御してもよいし、Rel.13 eIMTAシグナリング及びRel.12 eIMTAシグナリングの両方とするよう制御してもよい。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信されるDL信号(下り制御信号、下りデータ信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2015年1月29日出願の特願2015−015164に基づく。この内容は、全てここに含めておく。