本明細書の開示及び教示は、粉体コーティング材料ポンプ用の診断装置を企図する。粉体コーティング材料ポンプの一実施形態は、粒子材料用の濃厚相ポンプである。ポンプは、任意の数又はタイプのスプレーアプリケーターデバイス又はスプレーガン、粉体コーティングスプレーブース、粉体コーティング材料塗布システムコントロール、及び粉体コーティング材料供給部と組み合わせ使用されてもよい。ポンプという用語は、粉体コーティング材料ポンプの実施形態に対する簡潔な言及として使用されるが、本明細書で使用されるポンプという用語が、代替的に、粉体コーティング材料以外の材料のために使用されるポンプ設計を含んでもよいことを同様に意図する。
例示的な実施形態が、2つのポンプ室及び関連する制御デバイス、例えば、4つの空気圧ピンチ弁及び2つの空気透過性フィルター部材を利用する粉体コーティング材料ポンプ(「ポンプ」とも呼ばれる)を示しているが、本発明は、こうしたポンプ設計に限定されない。本明細書で述べる診断装置及び方法は、単一ポンプ室及び単一空気圧ピンチ弁又は3つ以上のポンプ室及び4つより多い又は少ない制御デバイスを有するポンプとともに使用されてもよい。
本明細書における流体圧に対する参照は、ポンプの外部の周囲環境の大気又は周囲条件に対して相対的であり、また、粉体コーティング材料をポンプ室内に受け入れる又は引き込むための吸引、真空、又は負圧という用語、及び、粉体コーティング材料をポンプ室から放出する又は押し出すための送出又は正圧という用語を含む。例示的な実施形態において、流体は、通常の空気であってよく、また、以降で、例示的な実施形態は、空気圧及び空気流に言及する。空気圧は、静的条件下で検出されてもよい(或る体積内に存在する空気圧を測定することに頼る)、又は、時間ベース条件下で検出されてもよい(或る体積内での所定期間にわたる圧力蓄積又は低下レートを測定することに頼る)。本明細書で空気流を検出することに対する言及は、空気流量を検出することを意味し、本明細書ではその用語を相互交換可能に使用する。例示的な実施形態は、ポンプを通して粉体コーティング材料を搬送するための流体媒体として空気の使用を述べるが、他のガスが使用されてもよく、本明細書における「空気(air)」に対するそのような言及は、特定の用途においてそのように必要とされる場合、代替の搬送ガス及び流体を含むことを意図される。例示的な実施形態は、例えば粉体塗料等の粉体コーティング材料を使用する材料塗布システムを述べるが、本明細書の開示及び発明は、粉体コーティング材料に限定されるのではなく、代替的に、特定のポンプ設計に適合する他の特定の粉体材料のために使用されてもよい。したがって、粉体という用語は、例示的な実施形態用の粉体コーティング材料に対する簡潔な言及として便宜のために本明細書で使用されてもよいが、粉体という言葉及び本発明が、概して、任意の特定の材料又は乾燥粒子粉体若しくは材料を広く含むことが意図される。
例示的なポンプを述べる前に、以降で述べる診断装置及び方法が、限定するものではないが、2つの一般的なカテゴリからなってもよいことが留意されるべきである。第1は、1つ又は複数の空気透過性フィルター部材を通して空気流を検出して、部材が閉塞されているか、多孔性を喪失しているかを検出することである。第2は、空気圧及び/又は空気流を検出して、1つ又は複数の空気圧ピンチ弁が漏洩しているか、他の故障状態を示しているかを検出することである。第3のカテゴリは、ポンプ内の空気シールを、漏洩があるか試験することができる代替の実施形態である。第3のカテゴリの例示的な実施形態は、漏洩が、ピンチ弁と別個でかつ離れたポンプの内部のどこかに存在するかどうかについて、ポンプの全体的な空気シール完全性を試験する。
さらに、診断装置とポンプとの間のインターフェース構成の2つの基本的な実施形態を述べる。第1の構成において、外部診断装置を参照し、外部診断装置とは、診断装置が、ポンプ入口ポート、ポンプ出口ポート、又は両方によってポンプと空気圧式にインターフェースする(interface)ことを意味する。「両方」とは、同時性を示唆も要求もせず、それは1つのオプションである。ポンプ入口ポート及びポンプ出口ポートの両方とインターフェースすることとは、幾つかの診断試験が入口ポートを使用して実施されるとともに他の診断試験が出口ポートを使用して実施されてもよいし、異なる時間に行われてもよいことを意味する。又は、全てが、一方のポート又は他方のポートによって行われてもよい。別の構成において、オンボード診断装置を参照し、オンボード診断装置とは、診断コンポーネントの一部若しくは全てが、ポンプと一体化される、ポンプ用の空気圧若しくは空気供給マニホールド404と一体化される、又は両方と一体化されることを意味する。換言すれば、オンボードバージョンにおいて、診断は、ポンプの空気通路とインターフェースする1つ又は複数の診断検出器、及び/又は、ポンプ入口ポート又はポンプ出口ポートとの接続部以外の供給マニホールド404によって実行されてもよい。本明細書の例示的な実施形態において、利用されるポンプ及び/又は供給マニホールドの空気通路は、診断検出器が、ピンチ弁用の圧力室と整列する、及び/又は、各ピンチ弁粉体流路と整列するような空気通路であってよい。
「整列して」とは、診断検出器が、別のコンポーネントと空気圧連通状態で位置決めされて、検出器及びコンポーネントを通る空気通路の共通又は共有部分を形成することを意味する。例えば、流量検出器は、検出器を通る空気流がピンチ弁の粉体流路部分も通過するという意味でピンチ弁と整列してもよい。別の例として、流量検出器は、流量検出器を通る空気流がピンチ弁圧力室にも流れるという意味でピンチ弁と整列してもよい。別の例として、流量検出器は、検出器を通る空気流がフィルター部材も通過するという意味で空気透過性フィルター部材用のポンプ圧力室と整列してもよい。他の例は、図15から明らかになる。空気流の文脈において、整列していることに対する言及は、部品が物理的に直線に沿うことを示唆又は意味するのではなく、むしろ、関連する空気流路を指す。
「濃厚相」とは、粒子流中に存在する搬送空気が、給送ホッパー等の供給部において材料を流動化するのに使用される空気の量と略同じであることを意味する。本明細書において使用される場合、「濃厚相」及び「高濃度」という用語は、材料粒子の全てが浮流状態で(in suspension)運ばれるわけではない、空気圧搬送システムにおける低空気量の材料流モードの同じ観念を示唆するために使用される。こうした濃厚相システムにおいて、材料は、従来の希薄相システムと比較して著しく少ない搬送空気体積によって粉体流路に沿って押し進められ、材料は、どちらかというと流路に沿って互いを押す栓の性質を帯びて、或る意味では粉体流路を通してピストンとして栓を押すようにして流れる。より小さい搬送空気体積は、より径が小さい粉体流路が使用されてもよいことを意味する。流路の断面が小さいほど、この移動は、より低い圧力下で行うことができる。
対照的に、希薄相は、粒子が全て浮流状態で運ばれる、空気圧搬送システムにおける材料流モードである。従来の希薄相流システムは、供給部から材料を圧送して正圧下でスプレー塗布装置まで押し出すために、著しい量の搬送空気を流れストリーム中に導入する。例えば、たいていの従来の粉体コーティングスプレーシステムは、流動化した粉体を供給部からポンプに引き込むのにベンチュリポンプを利用する。ベンチュリポンプにより意図的に著しい量の搬送空気が粉体ストリームに加えられる。通常、粉体を正圧下で給送ホース及びアプリケーター装置を通して押しやるのに流動空気及び霧化用空気が粉体に加えられる。したがって、従来の粉体コーティングスプレーシステムでは、粉体は、使用可能な粉体流量を達成するために、高速大量の空気流中に同伴され、そのため、大径の粉体流路を必要とする。
濃厚相流は、しばしば、高圧下での密閉容器への材料の移送に関連して使用される。本発明は、単に材料の輸送又は移送ではなく材料塗布を対象とするときに、密閉容器に対する、高圧下での希薄相移送と比較してかなり低い圧力及び流量での流れを意図する。しかしながら、本発明は、同様に、開放容器又は密閉容器に材料を移送するために使用することができる濃厚相移送ポンプ実施形態も意図する。
約3cfm乃至約6cfmの空気体積流量(例えば、ベンチュリポンプ機構等による)を有する従来の希薄相システムと比較して、例示的なポンプは、例えば約0.8cfm乃至約1.6cfmで動作してもよい。そのため、例示的なポンプにおいて、粉体送出レートは約150乃至約300グラム/分程度であってよい。これらの値は、限定ではなく、例示的であることを意図される。本発明によるポンプは、低い空気流量及び材料送出値で、又は高い空気流量及び材料送出値で動作するように設計することができる。
濃厚相流対希薄相流は、空気ストリーム中の濃厚濃度材料対希薄濃度材料とみなすこともでき、そのため、空気に対する材料の比が濃厚相システムでははるかにより高い。換言すれば、濃厚相システムでは、単位時間あたりの同量の材料が、希薄相流と比較してより小さい面積の(例えば管の)流路断面を移行する。例えば、粉体給送管の断面積は、従来のベンチュリタイプシステムの給送管の面積の約4分の1である。単位時間あたりの材料流の比較に関して、材料は、空気ストリーム中で、従来の希薄相システムと比較して約4倍より濃厚である。
図1を参照すると、一実施形態において、例えば典型的な粉体コーティング材料スプレーシステム等の材料塗布システムは符号10で示される。こうした機構は、一般に、内部で物体又は部品Pに粉体コーティング材料がスプレーされる粉体スプレーブース12を含む。部品Pへの粉体の塗布は、一般に、本明細書において粉体スプレー、コーティング、又は塗布動作手順若しくはプロセスと呼ばれるが、粉体が実際に部品に塗布される前、塗布されている間、又は塗布された後に制御され実行される、任意数の制御関数、ステップ、及びパラメーターが存在してもよい。
知られているように、部品Pは、ハンガー16又は任意の他の好都合に適する機構を使用して、オーバーヘッドコンベヤ14から懸垂保持される。ブース12は、1つ又は複数の開口18を含み、開口18を通して1つ又は複数のスプレーアプリケーター20が使用されて、部品Pがブース12を通して走行するときに部品Pに粉体コーティング材料を塗布してもよい。アプリケーター20は、システム10全体の特定の設計に応じていかなる数であってもよい。各アプリケーター20は、デバイス20aの場合と同様の手動操作式デバイス、又は、本明細書において自動アプリケーター20bと呼ぶシステム制御式デバイスであってよい。ここで、「自動」という用語は、自動アプリケーターが、手動で支持され手動でトリガーされるのではなく、支持体に取り付けることができ、制御システムによってオン及びオフにトリガーされることを指すに過ぎない。本発明は、手動及び/又は自動スプレーアプリケーターを使用する粉体コーティング材料塗布システムを対象とする。
粉体アプリケーターを粉体スプレーガンと呼ぶのが粉体コーティング材料塗布業界では一般的であり、本明細書の例示的な実施形態に関して、アプリケーター及びガンという用語は交換可能に使用する。しかしながら、本開示が、粉体スプレーガン以外の材料塗布デバイスに適用可能であることが意図され、したがって、アプリケーターという、より一般的な用語が使用されて、本発明が、本明細書で述べる例示的な粉体コーティング材料塗布システム以外の多くの粒子材料塗布システムにおいて使用することができるという考えを伝える。本発明は、同様に、静電スプレーガン及び非静電スプレーガンを使用するシステムに適用可能である。本発明は、同様に、「スプレー」という言葉に機能的に関連付けることによって限定されない。本発明は、粉体スプレー塗布に特に適しているが、本明細書で開示されるポンプ概念並びに診断システム及び方法は、単なるスプレーを超える他の材料塗布技法に関して使用を見出してもよく、こうした技法は、分配と呼ばれようが、放出と呼ばれようが、塗布と呼ばれようが、又は特定のタイプの材料塗布デバイスを述べるために使用される場合がある他の用語で呼ばれようが、関係ない。
スプレーガン20は、ホッパー22又は他の材料供給部等の供給又は給送センターから、関連する粉体給送又は供給ホース24を通して粉体を受け取る。自動ガン20bは通常、支持体26上に取り付けられる。支持体26は、単純な固定構造であってもよいし、スプレー動作中にガンを昇降移動させることができる揺動器か、スプレーブースに対してガンを出入り移動させることができるガン移動器又は往復運動器等の可動構造か、又はその組み合わせ等の可動構造であってよい。
スプレーブース12は、通常、ブース内への大量の封じ込め空気流によって、ブース内に粉体オーバースプレーを収容するように設計される。ブース内へのこの空気流は通常、粉体オーバースプレー再利用又は回収システム28により行われる。回収システム28は、例えば導管30等を通して、ブースから、搬送粉体オーバースプレーとともに空気を引き出す。一部のシステムにおいて、粉体オーバースプレーは、戻りライン32で示すように給送センター22へ戻される。他のシステムにおいて、粉体オーバースプレーは、廃棄されるか、又はそうでなければ、別個のレセプタクル内に回収される。
一実施形態において、粉体は、その例示的な実施形態が以降で述べられる第1の移送ポンプ400によって回収システム28から給送センター22に戻るように移送される。各ガンポンプ402が使用されて、給送センター22から関連するスプレーアプリケーター又はガン20に粉体を供給する。例えば、第1のガンポンプ402aが使用されて、濃厚相粉体流が手動ガン20aに供給され、第2のガンポンプ402bが使用されて、濃厚相粉体流が自動ガン20bに供給される。ガンポンプ402の例示的な実施形態が以降で述べられる。本明細書で開示する診断システムは、本明細書で開示する例示的なポンプ又は必要に応じて異なるポンプ設計とともに使用されてもよく、濃厚相ポンプが、本明細書で開示する診断装置及び方法に関して特に有用である。
各ガンポンプ402は、空気圧供給マニホールド404によって、スプレーガン20に供給される通常の空気等の加圧ガスで動作する(図7)。例示的な実施形態は、ポンプ及び供給マニホールド機構を提供し、ポンプ及び供給マニホールド機構によって、ポンプ402は供給マニホールド404に取り付けられ(2つのガンポンプが図1に示されるため、各供給マニホールドは404a及び404bでラベル付けされる)、ガスケット又は他の空気シールデバイスは両者の間に存在する状態にある。これにより、マニホールド404とポンプ402との間の不必要な配管がなくなる。直接接合されているものとして図1に概略的に示されるが、供給マニホールド404a、404bは、実際には、キャビネット又は他の筐体内に配設され、キャビネットの壁を間に挟んでポンプ402に取り付けられてもよいことが意図される。こうして、ソレノイド弁等の電動力を含んでもよい供給マニホールド404a、404bは、スプレー環境から隔離される。
供給マニホールド404(本明細書で空気圧供給マニホールド又は空気供給マニホールドとも呼ばれる)は、本明細書において以降で説明することになる目的のために、関連するポンプ402に加圧空気を供給する。さらに、各供給マニホールド404は、空気ホース又は空気ライン405を介してスプレーガン20に供給される加圧パターン空気供給部を含んでもよい。主要空気408は、システム10のエンドユーザの製造施設内の任意の好都合な供給源から、供給マニホールド404に提供される。各ポンプ402は、粉体供給ホース406を介してそれぞれのアプリケーター20に粉体を供給する。
図1の実施形態において、第2の移送ポンプ410が使用されて、バージン粉体(すなわち未使用粉体)の供給部412から給送センター22に粉体を移送してもよい。必要とされる移送ポンプ410及びガンポンプ402の数がシステム10全体の要件並びにシステム10を使用して実施されるスプレー動作の要件により決定されることになることを当業者は理解するであろう。
ガンポンプ及び移送ポンプは同じ設計であってよいが、例示的な実施形態において、以降で述べることになる差が存在する。これらの差は、ガンポンプが、好ましくは、スプレーアプリケーター20に粉体材料の滑らかで一貫した流れを提供して、物体P上に最良のコーティングを提供し、一方、移送ポンプ400及び410が使用されて、アプリケーターからの粉体要求に対応するのに十分に大きな流量及び体積で、また任意選択で回収システム28により収集される粉体オーバースプレーで補充されるように、1つのレセプタクルから別のレセプタクルに粉体を移動させてもよいことを考慮する。本明細書で述べる診断装置及び方法は、ガンポンプ、移送ポンプ、又は両方に関して有用である。
ポンプ400、410、及び402の例示的な実施形態、並びに、スプレーブース12、コンベヤ14、ガン20、回収システム28、及び給送センター又は供給部22を含む材料塗布システム10の選択された設計及び動作は、本明細書で開示される診断装置及び方法と組み合わせて使用さてもよいもの以外の本発明の必要な部品を形成せず、また、特定のコーティング用途の要件に基づいて選択されてもよい。しかしながら、本発明とともに使用されるのに非常に適している特定のスプレーアプリケーターは、2004年8月18日に出願され、2005年3月3日に国際公開第2005/018823号として公開された「SPRAY APPLICATOR FOR PARTICULATE MATERIAL」と題する係属中の国際出願PCT/US04/26887号に記載されており、その全体の開示は引用することにより本明細書の一部をなす。しかしながら、多くの他のアプリケーターの設計が、特定の用途の必要に応じて使用されてもよい。制御システム39は、同様に、プログラム可能プロセッサベースシステム又は他の適した制御回路等の、従来の制御システムであってよい。制御システム39は、通常、プログラム可能ロジック及びプログラム/ソフトウェアルーチンの使用を通して、給送センター制御36(例えば、供給制御及びポンプ動作制御)、ガン動作制御38(例えば、ガントリガー制御等)、ガン位置制御40(例えば、使用されるときの往復運動器/ガン移動器26用の制御関数等)、粉体回収システム制御42(例えば、フィルターブロワーの後のサイクロンセパレーターの制御関数等)、コンベヤ制御44、及び材料塗布パラメーター制御46(例えば、粉体流量、塗布膜厚、静電又は非静電塗布等)を含むがそれに必ずしも限定されない、全体的に図1に示す様々な制御関数及びアルゴリズムを実行する。制御システム39は、ロジックデバイスとして機能し、ロジックデバイスは、好ましくは、粉体コーティング材料ポンプの動作用の空気圧制御信号がそれによって生成されるプログラムロジックを含む。ポンプ動作用の命令及び制御を含む診断装置及び方法用のロジックデバイスは、制御システム39ロジックの一部として実現されてもよい、又は、制御システム39に別個にインターフェースしてもよく、又は、更に代替的に、診断試験のためにポンプを動作させるために使用される制御ロジックを有する異なる制御システムによって別個に設けられてもよい。従来の制御システムの理論、設計、及びプログラミングは、本明細書で述べる全ての電子制御関数及びロジックのために利用されてもよい。
本明細書に述べる実施形態は、粉体コーティング材料塗布システムにおいて使用するための濃厚相ポンプの文脈で提示されるが、本発明が、タイヤ上のタルク、おむつ用等の超吸収体、小麦粉、砂糖、塩等の食品関連材料、乾燥剤、離型剤、及び医薬品を含むがそれに決して限定されない、多くの異なる乾燥粒子材料塗布システムにおいて使用されてもよいことを当業者には容易に認識するであろう。これらの例は、物体に対する粒子材料の塗布のための本発明の広範な用途を示すことを意図される。選択される材料塗布システムの特定の設計及び動作は、別途本明細書で明示的に述べられる場合を除いて、本発明に限定を全く加えない。
図2A、図2B、及び図2Cを参照すると、本発明とともに使用するのに適した濃厚相ポンプ402の例示的な一実施形態が示される。ポンプ402は、同様に移送ポンプとして使用することができるが、材料をスプレーアプリケーター20に供給するためのガンポンプとして特に設計される。ガンポンプ402並びに移送ポンプ400及び410は、本明細書の詳細な説明から容易に明らかとなるであろう多くの共通の設計特徴を共有する。
ポンプ402は、好ましくは、設計がモジュール式であるが、そうである必要はない。ポンプ402のモジュール式構造は、ポンプマニホールド体414及び弁体416によって実現される。ポンプマニホールド体414は、本明細書で更に説明するように、多数の空気通路とともに一対のポンプ室を収容する。弁体416は、同様に本明細書で説明するように複数の弁要素を収容する。弁要素は、マニホールド体414から弁体416に伝達される空気圧信号に応答する。本明細書の例示的な実施形態は、空気圧ピンチ弁の形態で実現されてもよい弁要素の使用を示すが、空気圧ピンチ弁以外の他の制御弁設計の使用によって本発明の種々の態様及び利点を実現することができることを当業者は容易に認識するであろう。空気圧ピンチ弁は、ピンチ弁であって、ピンチ弁圧力室内に配設され、粉体コーティング材料等のための流れ貫通通路を提供し、ピンチ弁体に作用する空気圧の圧縮力によってピンチして閉じる、ピンチ弁である。ピンチ弁は、ピンチ弁圧力室からの空気圧の除去に応答した流れのために開口し、ピンチ弁は、通常、弾性材料で作られて、ピンチ弁が開放する自然な又は弛緩状態に戻る。ピンチ弁の開放は、同様に、代替的にピンチ弁圧力室に負圧を加えることによって促進されてもよい。
ポンプの上側部分402aは、パージ空気機構418a及び418bのために適合してもよく、ポンプの下側部分402bは、ポンプ入口420及びポンプ出口422のために適合してもよい。粉体給送ホース24(図1)は、ポンプ入口420に接続されて、給送ホッパー22等の供給部から粉体流を供給する。粉体供給ホース406(図1)が使用されて、スプレーアプリケーター20がスプレーブース12の上方に位置決めされた手動スプレーガンであっても、自動スプレーガンであっても、スプレーアプリケーター20にポンプ出口422を接続する。ポンプ402に供給される粉体は、流動化されてもよいが、流動化される必要はない。
そのため、ポンプ402への粉体取り込み及びポンプ402からの粉体放出は、ポンプの単一端402bで起こる。これは、パージ機構418がポンプの対向端402aに設けられることを可能にし、したがって、本明細書で更に説明するように容易なパージ動作を提供する。
1つのポンプ室(本発明の使用可能な実施形態である)だけが存在した場合、ポンプを通る2つの粉体路(吸引及び送出)についての必要性だけが存在することになるため、弁体416は供給マニホールド404に直接接続することができる。しかしながら、ポンプからの安定し一貫した調整可能な粉体流を生成するため、2つ以上のポンプ室が設けられてもよい。2つのポンプ室が使用されるとき、2つのポンプ室は、好ましくは、位相がずれて動作するため、一方のポンプ室が入口から粉体を受け取っているとき、他のポンプ室は粉体をポンプ出口に供給している。こうして、粉体はポンプから実質的に連続して流れる。単一ポンプ室の場合、これは当てはまらない。その理由は、最初にポンプ室に粉体を充填する必要性があるために、それぞれの個々のポンプ室からの粉体流ストリーム内にギャップが存在するからである。3つ以上のポンプ室が使用されるとき、それらのタイミングは必要に応じて調整することができる。いずれの場合も、全てのポンプ室が、ポンプ入口で単一ポートと、また、ポンプ出口で単一ポートと連通することは、好ましいが必要ではない。
粉体コーティング材料が、ポンプ室のそれぞれに受け入れられ又は流入し、ポンプ室のそれぞれから放出されることが、ポンプ室の単一端で達成されることは好ましいが必要ではない。これは、直線貫通パージ機能が、それによりポンプ室の対向端で使用され得る機構を提供する。例示的な実施形態において、各ポンプ室が同じポンプ入口及び出口と連通するため、更なるモジュール式ユニットが使用されて、Yブロックの形態の分岐粉体流路を提供する。
第1のYブロック424は、ポンプマニホールド体414と弁体416との間で相互接続される。第2のYブロック426はポンプの入口/出口端を形成し、第1のYブロック424に対向する弁体416の側部に接続される。第1のセットのボルト428が使用されて、ポンプマニホールド体414、第1のYブロック424、及び弁体416がともに接合する。第2のセットのボルト430が使用されて、第2のYブロック426を弁体416に接合する。そのため、図2Aのポンプは、完全に組み立てられると非常に小型でかつ堅牢であるが、下側Yブロック426は、粉体流路磨耗部品を置換するため、ポンプを完全に分解することなく容易にかつ個別に取り外すことができる。第1のYブロック424は、各ポンプ室から離れて2つの分岐粉体流路を提供する。各ポンプ室からの一方の分岐は、弁体416を通してポンプ入口420と連通し、各ポンプ室からの他の分岐は、弁体416を通してポンプ出口422と連通する。第2のYブロック426は、弁体416内の共通粉体流路をポンプのポンプ入口420からポンプ出口422に結合するために使用される。こうして、各ポンプ室は、1つの制御弁を通してポンプ入口と連通し、別の制御弁を通してポンプ出口と連通する。そのため、例示的な実施形態において、弁体にはポンプ室に出入りする粉体流を制御する、好ましくは空気圧ピンチ弁の形態の4つの制御弁が存在する。
ポンプ入口及びポンプ出口について符号420及び422をそれぞれ使用する。ポンプ入口及びポンプ出口は、ポンプ入口ポート及びポンプ出口ポートの形態で実現されてもよく、したがって、ポンプ入口又はポンプ入口ポートを指すために同じ参照符号420を、また、ポンプ出口又はポンプ出口ポートを指すために同じ参照符号422を使用する。
ポンプマニホールド414は、図2B、図2E、図2G、図3A、及び図3Bに詳細に示される。ポンプマニホールド414は、ポンプマニホールド体432であって、ポンプマニホールド体432を貫通する第1のボア434及び第2のボア436をそれぞれ有する、ポンプマニホールド体432を含む。これらのボア434、436のそれぞれは、全体的に円筒のガス透過性フィルター部材438及び440(略して、本明細書でフィルター部材とも呼ばれる)をそれぞれ受ける。ガス透過性フィルター部材438、440は、外径が縮小した下側端438a及び440aを含み、これらが第1のYブロック424(図4B)の内部の座ぐり穴に挿入されることで、フィルター部材438、440を整列しかつ安定した状態に維持するのに役立つ。フィルター部材438、440の上側端は、好ましくは、必要に応じて適切な空気シールによってパージ空気継手504の下部端に当接する。フィルター部材438、440はそれぞれ、粉体ポンプ室の役割を果たす内部体積438c、440cを画定するため、この実施形態において設けられる2つの粉体ポンプ室が存在する。したがって、フィルター部材438、440がそれぞれ、ポンプ室である内部体積を画定するため、フィルター部材及びポンプ室という用語を本明細書で交換可能に使用する。ボア434、436の一部分は、以降で述べるように、パージ空気機構418a及び418bを受けるように適合される。
フィルター部材438、440は、同一であってもよく、また、それぞれが、通常の空気等のガスがフィルター部材の円筒壁を通過することを可能にするが、粉体が通過することは可能にしない。フィルター部材438、440は、例えば多孔性ポリエチレンで作られてもよい。この材料は、粉体給送ホッパーの流動板に一般に使用される。例示的な材料は、約40ミクロンの開口サイズ及び約40乃至50%の気孔率を有する。こうした材料は、Genpore又はPoronから商業的に入手可能である。他の多孔性材料が、必要に応じて使用されてもよい。フィルター部材438、440はそれぞれ、その関連するボア434、436の直径よりも小さな直径を有するため、ボア434、436の壁とフィルター部材438、440の壁との間にはわずかな環状空間が設けられる(図2E、図2G参照)。この環状空間は、空気圧ポンプ圧力室の役割を果たす。ポンプ圧力室に負圧又は吸引圧が加えられていると、粉体ポンプ室438c、440cに粉体が引き込まれ、ポンプ圧力室に正圧又は送出圧が加えられると、粉体ポンプ室438c、440c内の粉体が押し出される。
ポンプマニホールド体432は、一連の6つの空気入口オリフィス442を含む。これらのオリフィス442が使用されて、空気圧エネルギー又は空気圧信号をポンプに入力する。オリフィスのうちの4つ442a、442c、442d、及び442fは、各空気通路444a、444c、444d、及び444fを介して弁ブロック416の各ピンチ弁圧力室446と流体連通状態にあり、したがって、以降で説明するように、正加圧された弁作動空気を提供するために使用される。空気通路444が、ポンプマニホールド表面448からポンプマニホールド体432内に水平に延在し、その後、垂直下方にポンプマニホールド体432の下部表面まで延在することができ、そこで、上側Yブロック424及び弁体416を通る各垂直空気通路と連通し、弁体416内の各水平空気通路に接合して、それぞれの各ピンチ弁圧力室446内に開くことに留意されたい。空気フィルター(不図示)は、これらの空気通路内に含まれて、ピンチ弁要素又は空気シールが低下する場合にポンプマニホールド414及び供給マニホールド404に粉体が逆流するのを防止してもよい。残りの2つのオリフィス442b及び442eはそれぞれ、空気通路444b及び444eを介してボア434、436と流体連通状態にある。そのため、これらのオリフィス442b及び442eが使用されて、正圧又は送出圧及び負圧又は吸引圧がマニホールド体432のポンプ圧力室に供給される。
オリフィス442は、好ましくは、ポンプマニホールド体432の単一の平面表面448に形成されるが、形成される必要はない。空気供給マニホールド404は、供給マニホールド404がポンプマニホールド414に取り付けられるとポンプマニホールド体オリフィス442と整列し、ポンプマニホールド体オリフィス442と流体連通状態にある対応するセットのオリフィスを含む。こうして、供給マニホールド404は、ピンチ弁及びポンプ室についての必要な全ての空気を、単一平面インターフェースを通して供給することができる。空気シールガスケット450がポンプマニホールド414の面と供給マニホールド404の面との間で圧縮されて、整列したオリフィス間に流体密封空気シールを提供する。パージ空気について所望される体積、圧力、及び速度を理由として、好ましくは別個のパージ空気接続部が供給マニホールドとポンプマニホールドとの間で使用される。2つのマニホールドの間の平面インターフェースが好ましいが、これは必要ではなく、供給マニホールド404からポンプへの各空気圧入力についての個々の接続部を必要に応じて使用することができる。平面インターフェースは、一部の実施形態において電気ソレノイドを含む供給マニホールド404が、ポンプがキャビネットの外側にある(キャビネット壁の開口を通して供給マニホールドに取り付けられる)状態でキャビネットの内部に配置されることを可能にして、システム10全体から電気エネルギーを絶縁するのに役立つ。ポンプ402が使用中に任意の特定の配向で取り付けられる必要がないことが留意される。
図4A及び図4Bを参照すると、第1のYブロック424は、それぞれのポンプ室434、436に整列する第1のポート452及び第2のポート454を含む。ポート452、454はそれぞれ、2つの分岐452a、452b及び454a、454bとそれぞれ連通する(図4Bはポート452用の分岐を示すだけである)。そのため、ポート452は分岐452a及び452bと連通する。したがって、第1のYブロック424内に全部で4つの分岐があり、分岐のうち2つは一方の圧力室と連通し、他方の2つは他方の圧力室と連通する。分岐452a、452b及び454a、454bは、2つのポンプ室についてポンプを通る粉体路の一部を形成する。4つの分岐のそれぞれを通る粉体流は、本明細書で述べるように弁体416内の別個のピンチ弁によって制御される。Yブロック424が、同様に、4つの貫通空気通路456a、456c、456d、456fを含み、これらがポンプマニホールド体414内の空気通路444a、444c、444d、444fとそれぞれ流体連通状態にあることに留意されたい。ガスケット459が使用されて、ポンプマニホールド体414と第1のYブロック424との間に流体密封接続を提供してもよい。
ポート452及び454はそれぞれ、従来のOリング等の空気シール462、464(図2C)を受ける座ぐり穴458、460を含む。これらの空気シールは、フィルター部材438、440の下側端とYブロックのポート452、454との間に流体密封空気シールを提供する。これらは、同様にわずかな公差変動を可能にするため、フィルター部材438、440は所定の場所にしっかりと保持される。
更に図5A及び図5Bを参照すると、弁体416は、対応する数のピンチ弁について圧力室として機能する4つの貫通ボア446a、446b、446c、及び446dを含む。弁体の上側表面466は、2つの凹状領域468及び470を含み、凹状領域468及び470のそれぞれは、2つのポートを含み、各ポートは、各ボア446の一端によって形成される。この実施形態において、第1の凹状部分468は、それぞれのボア446b及び446aによってそれぞれ形成されるオリフィス472及び474を含む。同様に、第2の凹状部分470は、オリフィス476及び478を含み、オリフィス476及び478は、それぞれのボア446d及び446cによってそれぞれ形成される。対応するオリフィスは、弁体416の対向側面479上に形成される。
圧力室446a乃至446dのそれぞれは、入口若しくは吸引ピンチ弁要素480又は出口若しくは送出ピンチ弁要素481を保持する。各ピンチ弁要素480、481は、例えば、天然ゴム、ラテックス、又はシリコーン等の適した材料で作られたかなり軟質の可撓性部材である。各弁要素480、481は、全体的に円筒の中央体482及び中央体482より大きな直径の2つのフランジ付き端484を含む。フランジ付き端は、空気シールとして機能し、弁体416が第1のYブロック424と第2のYブロック426との間に挟まれるとボア446a乃至446dの周りで圧縮される。こうして、各ピンチ弁は、弁体416を通して第1のYブロック424の分岐452、454のそれぞれまでの粉体用の流路を画定する。したがって、一方の対のピンチ弁(吸引弁及び送出弁)はマニホールド体のポンプ室(フィルター部材440)の一方と連通し、一方、他方の対のピンチ弁は他方のポンプ室(フィルター部材438)と連通する。一方のピンチ弁がポンプ室への粉体流を制御し(吸引)、他方のピンチ弁がポンプ室から出る粉体流を制御する(送出)ため、1つのポンプ室につき2つのピンチ弁が存在する。各ピンチ弁の中央体部分482の外径は、そのそれぞれの圧力室446のボア径よりも小さい。これにより、各ピンチ弁に対する圧力室として機能する各ピンチ弁を囲む環状空間を残す。
図5Bに示すように、弁体416は、4つの圧力室ボア446a乃至446dとそれぞれが連通する空気通路486a乃至486dを含む。これらの空気通路486a乃至486dは、垂直延長部(図5Bに見られる)488a乃至488dを含む。これらの4つの空気通路の延長部488a、488b、488c、488dはそれぞれ、ポンプマニホールド414の4つの空気通路444d、444f、444a、444cの垂直部分及び上側Yブロック424の垂直通路456d、456f、456a、456cと流体連通状態にある。シール490は、空気密封接続のために設けられる。
こうして、弁体416の圧力室446のそれぞれは、マニホールド体、第1のYブロック、及び弁体を通る内部通路を通り抜けてポンプマニホールド414の空気オリフィス442のそれぞれの空気オリフィスと流体連通状態にある。正空気圧が供給マニホールド404(図1)からポンプマニホールド414内に受け取られると、空気圧の力が可撓性弁体の外側可撓性表面に対して作用することによって、対応する弁480、481が閉じる。弁は、圧力室内の外部空気圧が除去されると、それ自体の弾性及び伸縮性により開く。この真の空気圧作動は、ピンチ弁を開閉するためにどんな機械的作動又は他の制御部材が使用されることも回避し、それは従来の設計に勝る顕著な改良である。4つのピンチ弁480、481はそれぞれ、ガンポンプ402について好ましくは別個に制御される。
本発明の別の態様によれば、弁体416は、好ましくは、オペレーターが内部のピンチ弁の開閉を視覚的に観測できるように十分に透明な材料で作られる。適した材料はアクリルであるが、他の透明材料が使用されてもよい。ピンチ弁を観察することができることは、同様に、粉体を見ることができるためピンチ弁故障の良好な視覚的指示を与える。
更に図6A及び図6Bを参照すると、ポンプの残りの部分は、第2のYブロック端体492により形成される入口端402bである。端体492は、第1の凹部494及び第2の凹部496を含み、凹部494、496のそれぞれはYブロック498a及び498bを受けるように適合される。Yブロックの一方は粉体入口のために使用され、他方は粉体出口のために使用される。各Yブロック498は、その内部表面が粉体流にさらされるため、磨耗コンポーネントである。端体492は、単に弁体416にボルト締めされるため、端体492を取り外すことによって磨耗部品を交換することは簡単なことであり、したがって、ポンプの残りの部分を分解する必要性を回避する。
各Yブロック498は、ポンプ入口ポート420及びポンプ出口ポート422(図2A)の役割を果たすことができる継手又は他の適したホースコネクタを受けるように適合される下側ポート500を含み、1つの継手は粉体供給部まで延びるホース24に接続され、別のホース406はスプレーガン20(図1)等のスプレーアプリケーターに接続される。各Yブロックは、ポート500から延在する2つの粉体路分岐502a、502b、502c、及び502dを含む。第2のYブロック498の各粉体路は、ピンチ弁体416のピンチ弁480、481のそれぞれのピンチ弁と流体連通状態にある。そのため、ポンプ入口ポート420でポンプに入る粉体は、2つの下側Yブロック498のうち第1のYブロックを通ってピンチ弁の2つに分岐し、そこからポンプ室に至る。同様に、2つのポンプ室からの粉体は、他方の下側Yブロック498によって、他方の2つのピンチ弁から単一ポンプ出口ポート422に入るように再合流する。
粉体流路は以下の通りである。粉体は、共通の粉体ポート入口420を通って入り、下側Yブロック498bの経路502a又は502bを介して2つの入口又は吸引ピンチ弁480に分岐する。入口ピンチ弁480のそれぞれは、第1のすなわち上側Yブロック424を通って各経路のそれぞれの一方の分岐452、454を介して粉体ポンプ室434、436のそれぞれに接続される。上側Yブロック424の他の分岐452、454のそれぞれは、各ポンプ室から粉体を受け取り、粉体は第1のYブロック424を通って2つの出口又は送出ピンチ弁481に流れる。出口ピンチ弁481のそれぞれは、同様に、下側Yブロック498aの分岐502のそれぞれに接続され、両ポンプ室からの粉体は単一ポンプ出口ポート422で再合流する。本明細書において後で提示される診断の概念の場合、これらの粉体流路は、本明細書において後で述べる種々の圧力及び空気流診断試験のために使用されてもよい(粉体がポンプを通して給送されていないときの)空気流路である。
空気圧流路は以下の通りである。ピンチ弁のいずれかが閉じると、供給マニホールド404がポンプマニホールド体414の各オリフィス442において圧力を上昇させる。上昇した空気圧は、ポンプマニホールド体414の各空気通路442、444を通り、下方に第1のYブロック424の各空気通路456を通って流れ、弁体416の各空気通路486に入り、適切な圧力室446に至る。ポンプ並びに供給マニホールド404内に多くの更なる空気通路又は空気流路が存在してもよい。その多くが上記で述べられた空気シールは、供給マニホールド404及びポンプ全体を通して使用され、2つの空気通路が空気密封方式で接続される必要があるため、ポンプが完全に組み立てられると、好ましくは、通常動作中にポンプの外側の周囲大気に対する空気漏洩が全く存在しない。ピンチ弁が開放状態にあるときに好ましくは通気されるピンチ弁圧力室は例外扱いとされる。
本開示によるポンプが、粉体ポンプ室のパーセント充填に基づく比例流量弁を可能にし、それが、粉体をポンプ室に給送するピンチ弁の開放時間を制御することによってポンプからの粉体の流量を正確に制御することができることを意味することが留意されるべきである。これは、ポンプサイクル(すなわち、ポンプ室を充填し空にするまでの持続時間)が、流量に依存せずに粉体の滑らかな流れが達成されるのに十分に短くなることを可能にし、流量はピンチ弁の動作により別個に制御される。そのため、流量は、ポンプに物理的変更を加える必要なしで、ピンチ弁の制御によって完全に調整することができる。
パージ機能は大幅に単純化される。その理由は、粉体が単一端からポンプ室に出入りする方法をポンプが提供するため、ポンプ室の対向端をパージ空気のために使用することができるからである。図2A、図2C、図2E、及び図2Gを参照すると、パージ空気継手504は、それぞれのポンプ室438、440の上側端に挿入される。継手504は、ポンプ室438、440への流入のみを許可するために配置される各逆止弁506を受ける。逆止弁506は、パージ空気ホースを接続することができる各パージ空気ホース継手508を受ける。本明細書で後述するように、パージ空気は供給マニホールド404からポンプに供給される。そのため、パージ空気は、粉体ポンプ室を通りポンプの内部の粉体路の残りの部分を通って真っ直ぐに流れて、色変更作業についてポンプを非常に効果的にパージすることができる。このパージ動作を行うために特別な接続又は変更がオペレーターによって行われる必要はなく、それにより、洗浄時間を低減する。システム10が設置されると、パージ機能は常に接続されていて利用可能であり、それにより、色変更時間を大幅に低減する。その理由は、オペレーターがポンプとのいかなる粉体接続又は空気圧接続も形成又は切断する必要なしで、パージ機能を制御システム39によって実行することができるからである。
4つ全てのピンチ弁480、481が開放状態にある状態で、パージ空気が、ポンプ室を通り、第1のYブロック424の粉体路、ピンチ弁480、481自体、第2のYブロック498を通って真っ直ぐに流れ、入口420及び出口422の両方から出ることに、図1及び図2Aから留意されたい。そのため、パージ空気はポンプ全体を通して、次に、スプレーアプリケーター上に供給されて、そのデバイスをパージするとともに給送ホースを粉体供給部22に戻るようにパージすることができる。そのため、順方向及び逆方向のパージを可能にする濃厚相ポンプの概念が提供される。
図7を参照すると、示す供給マニホールド404は、本質的に、ポンプ402に対する空気流を制御する一連のソレノイド弁及び空気源である。図7に示す特定の構成は例示であり、限定であることを意図されない。ポンプ402を動作させるための空気の供給は、マニホールド機構なしでかつ様々な方法で行うことができる。図7の実施形態は、ポンプを有する平面インターフェース構成に特に有用であるため提供されるが、他のマニホールド設計を同様に使用することができる。
本明細書において上記で述べたように、供給マニホールド404は、ポンプマニホールド体414(図3A)の表面448に対して取り付けられる第1の平面512を有する供給マニホールド体510を含む。そのため、面512は、ポンプマニホールド414のそれぞれのオリフィス442に整列する6つのオリフィス514を含む。供給マニホールド体510は、適切な数及び場所の空気通路を内部に有するように機械加工されるため、適切な空気信号が正しい時間にオリフィス514に送出される。したがって、マニホールドは、オリフィス514に対する空気流を制御するとともにパージ空気流を制御するために使用される一連の弁を更に含む。負圧は、従来のベンチュリポンプ518の使用によってマニホールド404内で生成される。システム空気又は工場空気が、適切な継手520を介してマニホールド404に供給される。物理的なマニホールド機構の詳細は本発明を理解し実施するために必要でない。その理由は、マニホールドは、単に、空気源がポンプを動作させるために空気通路を提供するように動作し、また、様々な方法で実装することができるためである。むしろ、注目すべき詳細は空気圧流の概略線図の文脈で述べられる。しかしながら、別個の制御弁が、本明細書で後述する目的で弁体414のピンチ弁のそれぞれについて設けられることが、今度は留意される。
図8を参照すると、空気圧線図が第1の実施形態について提供される。主要空気408は、供給マニホールド404に入り、第1の調整器532に進んで、ポンプ圧力源534をポンプ室438、440に提供するとともにパターン形成空気源405を、空気ホース406を介してスプレーアプリケーター20に提供する。主要空気は、同様に、パージ空気ソレノイド弁538の制御下でパージ空気源536として使用される。主要空気は、同様に、第2の調整器540に進んで、(ポンプ室438、440に対する負圧を生成するための)ベンチュリポンプを動作させるために使用されるベンチュリ空気圧源542を生成し、また同様に、ピンチ弁480、481を動作させるためピンチ空気源544を生成する。
パージ空気用のソレノイド制御弁538又は他の適した制御デバイスの使用は、複数のパージ能力を提供する。第1の態様は、2つ以上の異なるパージ空気圧及びパージ空気流を選択することができ、したがって、ソフト及びハードのパージ機能を可能にすることである。ソレノイド弁以外の他の制御機構が使用されて、2つ以上のパージ空気流特性を提供することができる。制御システム39がソフトパージ又はハードパージを選択するか、又は、手動入力をこの選択のために使用することができる。ソフトパージ機能の場合、少ないパージ空気流が、供給マニホールド404を通して、多孔性部材438、440とそれぞれのボア434、436との間の環状空間であるポンプ圧力室434、436内に供給される。制御システム39は、1つのセットのピンチ弁(吸引又は送出)を、他のセットが閉じられている間に開くように更に選択する。パージ空気は、フィルター部材438、440を通り、開放した弁から出て、スプレーガン20に向けて順方向に、又は供給部22に向けて逆方向に(後方に)システムをパージする。その後、制御システム39は、開くピンチ弁と閉じるピンチ弁とを逆にする。ソフトパージは、同様に、4つ全てのピンチ弁を開くことによって同時に両方向に行われてもよい。同様に、より高いパージ空気圧及びパージ空気流を、順方向、逆方向、又は両方向同時の、ハードパージ機能のために使用されてもよい。多孔性部材438、440に空気を通すことによって実施されるパージ機能は、同様に、多孔性部材によって捕捉された粉体を除去するのに役立ち、したがって、置換が必要となる前の多孔性部材の使用寿命を延長する。
ハード又はシステムパージは、同様に、2つのパージ機構418a及び418bを使用して行うことができる。高圧流空気は、パージ空気継手508を通して入力することができ(パージ空気は供給マニホールド404から提供することができる)、この空気は、多孔性部材438、440によって部分的に画定される粉体ポンプ室を通って真っ直ぐに流れてポンプから出る。やはり、ピンチ弁480、481は、所望に応じて選択的に動作されて、順方向、逆方向、又は両方向同時にパージすることができる。
パージを両方向同時にしか行うことができない場合、パージ空気が最も低い抵抗の経路を通って流れることになり、それにより、粉体路領域の一部が十分にパージされない場合があるため、任意選択で順方向又は逆方向のみにパージできることが、より良好なパージ能力を提供することが留意されるべきである。例えば、スプレーアプリケーター及び供給ホッパーをパージしようと試みるとき、アプリケーターが空気流に対して完全に開いている場合、パージ空気はアプリケーターから流出する傾向があり、ホッパー又は供給部を十分にパージしない場合がある。
したがって、ポンプは、供給部からスプレーガンを通した粉体路全体が、オペレーターアクションが事実上全く必要とされない状態で別個に又は同時にパージされることを可能にする。オプションのソフトパージは、粉体路にハードパージ空気を当てる前に残留粉体を流路から軽く吹き飛ばすのに有用であり、それにより、ハードパージが最初に実施されることによる融着又は他の悪影響を防止することができる。
ベンチュリ用の正空気圧542は、制御ソレノイド弁546に入り、そこからベンチュリポンプ518に進む。ベンチュリポンプの出力518aは、2つのポンプソレノイド弁548、550の入口に接続される負圧又は部分真空である。ポンプ弁548、550は、ポンプ室438、440に正圧が加えられるか負圧が加えられるかを制御するために使用される。弁548、550の更なる入力部は、ポンプ圧空気534を受け取る第1のサーボ弁552から正圧空気を受け取る。ポンプ弁548、550の出口は、本明細書において上記で述べた空気通路スキームを通してポンプ室のそれぞれに接続される。パージ空気536が、多孔性管438、440を通過するものとして概略的に示されていることに留意されたい。
そのため、ポンプソレノイド弁550及び552が使用されて、一方のポンプ室が加圧されているときに他方のポンプ室が負圧下にあり、またその逆も同様であるように、必ずしもそうではないが通常、180度位相をずらしてポンプ室に正圧及び負圧を交互に加えることによって、ポンプ402の動作を制御する。こうして、一方のポンプ室は、他方のポンプ室が空にされている間に、粉体で充填されている。ポンプ室が粉体で完全に「充填」してもしなくてもよいことが留意されるべきである。本明細書で説明するように、非常に少ない粉体流量を、ピンチ弁用の独立した制御弁の使用によって、正確に制御することができる。すなわち、ピンチ弁は、ポンプ室のサイクル速度と無関係に制御されて、各ポンプサイクル中にポンプ室により多い又は少ない粉体を給送することができる。
ピンチ弁空気544は、4つのピンチ弁制御ソレノイド554、556、558、及び560に入力される。4つの弁は、4つのピンチ弁480、481のそれぞれの動作の好ましくは独立したタイミング制御が存在するように使用される。図8において、「送出ピンチ弁」は、粉体がそこを通ってポンプ室から出る2つのピンチ弁481(図15においてB及びCとラベル付けされる)を指し、「吸引ピンチ弁」は、粉体がそこを通ってポンプ室に給送される2つのピンチ弁480(同様に図15においてA及びDとラベル付けされる)を指す。同じ参照符号が使用されるが、各吸引ピンチ弁及び各送出ピンチ弁は別個に制御される。
第1の送出ソレノイド弁554は、第1の送出ピンチ弁481についてピンチ弁圧力室446bへの空気圧を制御し、第2の送出ソレノイド弁558は、第2の送出ピンチ弁481についてピンチ弁圧力室446cへの空気圧を制御し、第1の吸引ソレノイド弁556は、第1の吸引ピンチ弁480についてピンチ弁圧力室446aへの空気圧を制御し、第2の吸引ソレノイド弁560は、第2の吸引ピンチ弁480についてピンチ弁圧力室446dへの空気圧を制御する。
こうして、図8の空気圧線図は、制御システム39(図1)からの種々の制御信号に応答してマニホールド404が生成する機能空気流を示す。
図9A及び図9Bを参照すると、移送ポンプ400が、同様に意図される。移送ポンプの多くの態様は、スプレーアプリケーターポンプ402と同じ又は同様であり、したがって、詳細に繰り返す必要はない。
ガンポンプ402が移送ポンプとして同様に使用されてもよいが、移送ポンプは、必要に応じた速さで、レセプタクル間でより大量の粉体を移動させるのに主に使用される。さらに、本明細書で述べる移送ポンプは、同じ四方独立ピンチ弁動作を有しないことになるが、ガンポンプと同じ制御プロセスで動作されてもよい。例えば、一部の用途は、大量の材料が大きな表面にわたって塗布され、それでも、仕上げの制御を維持することを必要とする。移送ポンプは、本明細書で述べる4つの独立したピンチ弁の制御プロセスを同様に組み込むことによって、アプリケーター用のポンプとして使用することができる。
図1のシステムにおいて、移送ポンプ400が使用されて、回収システム28(サイクロン等)から給送センター22に戻るように粉体を移動させる。移送ポンプ410は、同様に、箱等の供給部から給送センター22にバージン粉体を移送するために使用される。こうした例及び他の例において、粉体流がスプレーアプリケーターに送られていないため、流れ特性は移送ポンプにおけるほど重要ではない。
移送ポンプ400において、粉体流量を増加させるため、より大きなポンプ室が必要とされる。図9A及び図9Bの実施形態において、ポンプマニホールドは、ここで、伸長した多孔性管568及び570を閉囲する2つの拡張管状ハウジング564及び566に置換される。より長い管568、570は、各ポンプサイクル中により大量の粉体を収容することができる。多孔性管568、570は、ハウジング564、566よりわずかに小さな直径を有するため、正圧及び負圧の両方用の圧力室の役割を果たす管状空間が互いの間に設けられる。空気ホース継手572及び574は、空気ホースを接続するために設けられ、空気ホースは、同様に、本明細書で後述される移送ポンプ空気供給システムの正圧及び負圧源に接続される。ポンプマニホールドが使用されないため、空気圧エネルギーはポンプ400に個別に配給される。
空気ホース継手572及び574は、各ハウジング564及び566内で圧力室と流体連通状態にある。こうして、粉体は、ガンポンプ設計の場合と同様に、負圧及び正圧によってポンプ室568及び570に引き込まれ、またそこから押し出される。また同様に、逆止弁580、582を含むパージポート機構576及び578が設けられ、ガンポンプ設計と同じ方法で機能する。
ガンポンプ設計の場合と同様に、ポンプ室568及び570に出入りする粉体流を制御する4つのピンチ弁585を収容する弁体584が設けられる。ガンポンプの場合と同様に、ピンチ弁は弁体584の各圧力室内に配設され、それにより、正空気圧が使用されて、弁を閉じ、正圧が除去されると弁がそれ自体の弾性で開く。しかしながら、異なるピンチ弁作動スキームが、簡潔に述べるように使用される。上側Yブロック586及び下側Yブロック588は、同様に、ガンポンプ設計の場合と同様に分岐粉体流路を提供するために設けられる。そのため、下側Yブロック588は、粉体入口継手590及び粉体出口継手592と連通状態にある。そのため、単一入口から入った粉体は、各ピンチ弁及び上側Yブロック586を通って両方のポンプ室568、570に流れ、ポンプ室568、570から出た粉体は、各ピンチ弁を通って単一出口592へ流れる。分岐粉体流路は、ガンポンプの実施形態と同様な方法で実現され、本明細書で繰り返す必要はない。移送ポンプは、同様に、ガンポンプの場合と同様に下側Yブロック588に置換可能な磨耗部品又はインサートを組み込んでもよい。
やはり、ポンプマニホールドが移送ポンプで使用されていないため、別個の空気入口594及び596が、ガンポンプ設計の場合と同様に圧力室内に配設されるピンチ弁の動作のために設けられる。以下で述べる理由で4つのピンチ弁が存在しても、2つの空気入口だけが必要とされる。エンドキャップ598が使用されて、ハウジングを整列状態に保持し、空気継手及びパージ継手用の構造を提供してもよい。
移送ポンプにおいて粉体流の流量が品質よりもより重要であるため、4つ全てのピンチ弁の個々の制御は、代替的に行われる可能性があるが必要ではない。したがって、ピンチ弁の対を、ポンプのサイクル速度と一致して、同時に作動させることができる。換言すれば、一方のポンプ室が粉体を充填されているとき、他方のポンプ室は粉体を放出し、したがって、ピンチ弁の各対は開閉する。ピンチ弁は、ポンプ室への正圧及び負圧の作動と同期して作動することができる。さらに、ピンチ弁圧力室への単一空気入口を、ともに動作するピンチ弁対について圧力室の各対を内部接続することによって使用することができる。そのため、2つのピンチ弁は粉体をポンプから出す送出弁として用いられ、2つのピンチ弁は粉体をポンプに引き込む吸引弁として使用される。しかしながら、ポンプ室は送出及び吸引を交互に行うため、各半サイクル中に、1つの吸引ピンチ弁が開放するとともに1つの送出ピンチ弁が開放し、それぞれがポンプ室の異なる1つのポンプ室に接続される。したがって、弁体584の内部で、吸引ピンチ弁のうちの1つの吸引ピンチ弁用の圧力室及び送出ピンチ弁のうちの1つの送出ピンチ弁用の圧力室がともに接続され、他の2つのピンチ弁の圧力室は、同様にともに接続される。これは、各ピンチ弁が異なるポンプ室に接続されるピンチ弁対について行われる。相互接続は、弁体内で圧力室の対間に交差通路を単に設けることによって達成することができる。
図10を参照すると、移送ポンプ400用の空気圧線図は、スプレーアプリケーターとともに使用されるポンプの場合より幾分簡略化される。主要空気408は、移送ポンプ室について負圧を生成するために使用されるベンチュリポンプ600に入力される。主要空気は、同様に、調整器602にも入力され、送出空気は、第1の室ソレノイド弁604及び第2の室ソレノイド弁606に対する各入力部に供給される。室弁は、同様に、入力としてベンチュリポンプ600からの負圧も受け取る。ソレノイド弁604、606は、移送ポンプの各圧力室と流体連通状態にある各出力部608、610を有する。
この実施形態のソレノイド弁は、電気作動式ではなく空気作動式である。そのため、空気タイマー又はシャトル弁616からの空気信号612及び614が使用されて、ポンプの圧力室への正圧出力と負圧出力との間で弁604、606を交互動作させる。適した空気タイマー又はシャトル弁の一例は、Hoerbiger-Origaから入手可能なモデルS9 568/68−1/4−SOである。ガンポンプの場合と同様に、ポンプ室は、一方が充填されているときに他方が放出しているように交互動作させる。シャトルタイマー信号612は、同様に、四方弁618を作動させるために使用される。主要空気は、移送ポンプのピンチ弁用のピンチ空気622を生成するため調整器620によって低圧になるよう減ぜられる。ピンチ空気622は、四方弁618に送出される。ピンチ空気は、一方のポンプ室の場合にピンチ弁624に、他方のポンプ室の場合にピンチ弁626に結合され、それにより、関連する対は、ポンプ室と同じサイクル時間の間にともに開閉する。例えば、送出ピンチ弁624aが一方のポンプ室に対して開くと、他方のポンプ室用の送出ピンチ弁626aが閉じ、吸引ピンチ弁624bが閉じると吸引ピンチ弁626bが開く。弁は各ポンプサイクルの後半中に逆になるため、ポンプ室はガンポンプの場合と同様に交互動作する。ピンチ弁はポンプ室と同じタイミングサイクルで動作するため、連続的な粉体流が達成される。
図11は、移送ポンプ空気圧回路の代替的な実施形態を示す。この実施形態において、ポンプの基本動作は同じであるが、ここで、単一弁628が使用されてポンプ室に対して正圧及び負圧を交互に繰り返す。この場合、空気圧周波数発生器630が使用される。適したデバイスは、Crouzetから入手可能なモデル81 506 490である。発生器630は、ポンプ室の四方弁628及びピンチ空気四方弁618を作動させる様々な空気信号を生成する。したがって、ポンプ室及び関連するピンチ弁の交互サイクルが達成される。
図12は、ピンチ弁480、481の独立制御によって可能にされる流量制御態様を示す。この図は、説明のためのものであり、実際の測定データを示すのではなく、本発明による典型的なポンプが同様の性能を示すことになる。グラフは、ポンプからのポンド/時単位の総流量対ポンプサイクル時間をプロットする。400ミリ秒の典型的なポンプサイクル時間は、多孔性部材を囲む圧力室に負圧及び正圧が加えられる結果として400ミリ秒の時間窓内で各ポンプ室が充填又は放出することを意味する。そのため、各ポンプ室は、800ミリ秒の総時間中に充填し放出する。グラフAは、ピンチ弁がポンプ室と同じ時間間隔で動作する場合の典型的な応答を示す。これは、所与のサイクル時間について最大の粉体流を生成する。そのため、サイクル時間が長くなると、ポンプがより遅く動作するため粉体流の量が減少する。そのため、ポンプ室を充填するのに要する実際の時間がポンプサイクル時間よりもはるかに短いため、サイクル時間が短くなると流量は増加する。そのため、ポンプの運転の速さ又は遅さ(ポンプ圧力室に負圧及び正圧を加えるための継続時間に基づくポンプサイクル時間)と粉体流量との間には直接の関係が存在する。
グラフBは、ポンプサイクル時間に対してピンチ弁サイクル時間を変化させることによって粉体流量、特に低流量を制御し選択することができることを示しているため、重要である。例えば、吸引ピンチ弁が開いたままである時間を短縮することによって、ポンプ室がどんなに長く吸引モードにあっても、ポンプ室に入る粉体が少なくなる。図12において、例えば、グラフAは、400ミリ秒のポンプサイクル時間で、約39ポンド/時の流量が、ポイントXにおけるように達成されることを示す。しかしながら、ピンチ弁が、400ミリ秒未満の時間内に閉じる場合、ポンプサイクル時間が400ミリ秒のままであっても流量はポイントY、すなわち約11ポンド/時まで降下する。これが保証することは、低流量でも滑らかで一貫した粉体流である。滑らかな粉体流は、より高いポンプサイクル速度によってもたらされるが、上記で述べたように、これは、同様に、より高い粉体流量を生成することになる。そのため、粉体流は滑らかであるが、少ない粉体流量を達成するため、本設計は、吸引ピンチ弁の動作、及び任意選択で同様に送出ピンチ弁の動作を個々に制御できることにより、より速いポンプサイクル速度の場合でも粉体流量の制御を可能にする。オペレーターは、単に所望の速度を入力することによって流量を容易に変更することができる。制御システム39は、ピンチ弁の開放時間の適切な調整によって所望の流量がもたらされるようにプログラムされる。流量制御は、十分に正確であるため、実際の流量を測定するセンサーを使用する閉ループシステムと対照的に、事実上開ループ流量制御スキームであることが意図される。経験的データが所与のシステム設計全体について収集されて、異なるポンプサイクル時間及びピンチ弁サイクル時間で流量を測定することができる。この経験的データは、その後、材料流量用のレシピとして記憶され、これは、特定の流量が要求される場合に、どのピンチ弁サイクル時間がその流量を達成することになるかを制御システムがわかっていることを意味する。特に低流量での流量制御は、より正確であり、従来のシステムに関して行わなければならないことになるポンプサイクル時間を長くするのではなくピンチ弁開放すなわち吸引時間を調整することによって、より良好で均一な流れを生成する。そのため、所望される場合、ポンプサイクル速度を変更することなくポンプからの材料の流量を制御することができるスケーラブルなポンプが提供される。
図13は、ポンプ制御の概念を更に示す。グラフAは、500ミリ秒のポンプサイクル速度での流量対ピンチ弁開放時間を示し、グラフBは、800ミリ秒のポンプサイクル時間の場合のデータを示している。グラフはいずれも、本明細書で述べる2室ポンプについてものである。第1に、両方のグラフについて、ピンチ弁開放時間が長くなるとともに流量が増加することが留意される。しかしながら、グラフBは、確定可能なピンチ弁開放時間を超えて流量が最大に達することを示す。これは、ピンチ弁が開いている時間の長さに関係なく、それほどの量の粉体のみでポンプ室を充填することができるからである。グラフAは、同じピンチ弁持続時間についてプロットされる場合、同様の平坦部を示すことになる。両方のグラフは、同様に、ポンプから任意の粉体流を得るための確定可能な最小ピンチ弁開放時間が存在することを示す。これは、粉体が実際にポンプ室に吸い込まれポンプ室から押し出されるのに十分なほど長い時間、ピンチ弁が開いていなければならないからである。概して、グラフAのより速いポンプ速度が所与のピンチ弁継続時間についてより高い流量を提供することに留意されたい。
本明細書で提供されるデータ、値、及びグラフは、実際のポンプ設計に著しく依存するため、例示的であり非限定的であることが意図される。制御システム39は、単に制御システム39にピンチ弁の弁開放時間及びポンプ室についての吸引/加圧時間を調整させることによって可変流量を提供するように容易にプログラムされる。これらの機能は、材料流量制御672プロセスによって扱われる。
代替的な実施形態において、ポンプからの材料流量は、粉体ポンプ室に粉体を吸い込むためにポンプ圧力室に吸引が行われる継続時間を調整することによって制御することができる。ポンプサイクル全体が、一定に、例えば800ミリ秒に維持されてもよい間に、400ミリ秒の充填時間の間に吸引が実際に行われる時間量は、粉体ポンプ室に引き込まれる粉体の量を制御するために調整することができる。真空が長く加えられるほど、ポンプ室に引き込まれる粉体は多くなる。これは、吸引ピンチ弁及び送出ピンチ弁の制御の使用とは別に、材料流量の制御及び調整を可能にする。
しかしながら、別個のピンチ弁制御の使用は、この代替的な実施形態の材料流制御を強化することができる。例えば、上記で述べたように、サイクルごとにポンプ室に吸い込まれる粉体の量を制御するために吸引時間を調整することができる。ピンチ弁の動作を同様に制御することによって、この吸引がいつ起こるかのタイミングも制御することができる。吸引は、負圧が圧力室に加えられている間のみ、しかも吸引ピンチ弁が開いている間のみに起こることになる。したがって、吸引時間が終了する時間に、吸引ピンチ弁を閉じることができ、圧力室への負圧をオフにすることができる。これは幾つかの利益を有する。1つの利益は、圧力室から吸引力を除去することによって、負圧を生成するベンチュリポンプについて必要な加圧プロセス空気の消費が少なくなることである。別の利益は、吸引期間を送出期間(送出期間は正圧が圧力室に加えられる期間である)から完全に分離することができるため、吸引と送出との間のオーバラップは存在しないことである。これは、粉体ポンプ室における粉体の吸引から送出への遷移時間の間に逆流が起こることを防止する。そのため、吸引時間の制御の使用とともに独立したピンチ弁制御を使用することによって、吸引がいつ起こるかのタイミングが、例えばポンプサイクルの吸引部分の途中になるように制御されて、正圧が加えられる送出サイクル内へのオーバラップを防止することができる。材料流量を制御するためピンチ弁を使用する本発明の実施形態の場合と同様に、この代替的な実施形態は、経験的データ又は他の適切な分析を利用して、所望の流量についての制御のために適切な吸引継続時間及びオプションのピンチ弁動作時間を決定することができる。ポンプサイクルの放出すなわち送出部分の間に、送出時間全体を通して正圧を維持することができる。これは幾つかの利益を有する。正圧を維持することによって、粉体流は、ポンプをスプレーガンに接続するホース内に滑らかに入る。吸引ピンチ弁を送出時間中に閉じて維持することができるため、送出(すなわち正圧)期間の終了とその後の吸引期間の開始との間にオーバラップが存在することができる。2つのポンプ室の使用によって、オーバラップは、ガンにつながる送出ホース内に常に正圧が存在することを保証し、それにより、流れを滑らかにし、脈動を最小にする。このオーバラップは、吸引ピンチ弁が開くときに正圧が逆流を引き起こさないようにピンチ弁がタイミングを合わせることができる間は、滑らかな粉体流を更に保証する。やはり、ピンチ弁及び圧力室のタイミングシナリオの全ては、ポンプが所望するどんな流れ特性及び流量ももたらすように、選択され、制御システム39内に容易にプログラムすることができる。経験的データは分析されて、種々のレシピについてのタイミングシーケンスを最適化することができる。
次に図14乃至図16Dを参照すると、摩耗品目が故障し始める、又は故障若しくは低下した動作性能を示すときにポンプ性能及び異常を診断する能力を改善する診断装置及び方法を、本発明者らは発見した。ポンプ、例えば、本明細書において上記で述べた濃厚相ポンプにおいて、空気圧ピンチ弁480、481及びポンプ室として機能する中空ガス透過性フィルター部材438、440が、サービス及び修理についての大多数のダウンタイムの原因となることを本発明者らは見出した。これは、ピンチ弁体内で破断又は漏洩が起こるポイントまでの疲労を経時的にもたらす可能性がある高繰り返しレートでピンチ弁がしばしば動かされ、それにより、ピンチ弁が完全に閉じることが妨げられることに起因する。同様に経時的に、フィルター部材438、440は、粉体コーティング材料の非常に微細な粒子が多孔性フィルター部材の材料内に埋まるため、目詰まりする傾向がある。この目詰まりは、フィルター部材のポンプ室体積内に粉体コーティング材料を引き込むために利用可能な吸引力を減少させる。
図15を参照すると、診断装置700の一実施形態が、概略的形態で示され、粉体コーティング材料ポンプ702にインターフェースされる。図15は、例示的な実施形態として本明細書の図8と同等であるが、ポンプ702に出入りする粉体コーティング材料用の送出流路及び吸引流路並びに関連するコンポーネントを目立たせるため或る程度簡略化される。ポンプ702は、任意の数の異なる方法及び構成及び設計で実現されてもよい。ポンプ702の一例は、本明細書において上記で述べた濃厚相ポンプ400、402である。他の濃厚相ポンプ設計、並びに、濃厚相粉体コーティング材料搬送とともに動作するものとして厳密に理解されてもされなくてもよいポンプ設計が、代替的に、必要に応じて使用されてもよい。図14乃至図16Dの要素について適切である場合、同様な参照符号を使用することとし、図14乃至図16Dの要素は、本明細書の図1乃至図13の実施形態の同じ要素と同等であってもよいが、必然的に同等であるため、これらのコンポーネントの説明及び動作は繰り返す必要はない。濃厚相スタイル粉体コーティング材料ポンプの2つの基本特徴は、フィルター部材438、440及び空気圧ピンチ弁480、481(以降で「ピンチ弁」)である。これらは、粉体コーティング材料ポンプ702の最も一般的な摩耗品目である。例示的な診断装置及び方法は、これらのコンポーネント、また特に、以下で述べるこれらの部品の摩耗及び/又は故障を検出することを対象とする。
一実施形態において、診断装置700が使用されて、ポンプ702の吸引側か、ポンプ702の送出側か、又は両方として示すものに対して診断試験を実施することができる。「ポンプ702の吸引側」によって、例えば、ピンチ弁A及びD(図15)並びに第1の空気透過性部材438(図15において多孔性管#1とラベル付けされる)を介する、並びに、制御ソレノイド弁1乃至4及び7(図15)の動作による、粉体の供給部からのポンプ702内への粉体の取り込みに、試験が関連してもよいことを意味する。「ポンプ702の送出側」によって、例えば、ピンチ弁B及びC(図15)並びに第2の空気透過性部材440(図15において多孔性管#2とラベル付けされる)を介する、並びに、制御ソレノイド弁3乃至6及び弁7(図15)による、ポンプ702からの粉体放出に、試験が関連してもよいことを意味する。一部の診断試験は、ポンプ702及び制御のうちのどのコンポーネント又は機能が診断される又は試験されるかについてオーバラップしてもよい。
さらに、ポンプ702は、通常、ポンプの内部からポンプの外側の周囲環境への空気の喪失を防止する1つ又は複数のまたしばしば多くの空気シールを含む。本発明者らは、空気シールの完全性を同様にチェックすることができる診断装置及び方法を提供する。空気シールは、例えば、フィルター部材438、440、空気圧ソレノイド弁、ポンプマニホールド414と弁体416との間で流体連通状態にある空気通路等のような、ポンプ702の内部の種々の部品間に空気密封接続及びインターフェースを提供するために存在してもよい。例示的なポンプ702において特に重要であるのは、ピンチ弁圧力室及びフィルター部材圧力室にサーブする空気通路内の漏洩経路である。空気シールは、空気密封インターフェースを提供するために使用されてもよいOリング、ガスケット、及び他のシール等の従来のシールを含む。図15は、空気シールの場所(図15上でASとしてラベル付けされる)の種々の例を含み、対応する空気シール及びガスケットは、図1乃至図13に関する議論において本明細書の上記で述べられている。こうした例は、ポンプ702及び供給マニホールド404内の種々の空気シールの数又は場所についての限定であることを意図されない。
診断装置700が幾つかの異なる方法でポンプ702にインターフェースしてもよいことを最初に留意する。一実施形態において、診断装置700は、完全にオンボードであってよく、それは、診断装置700のコンポーネントがポンプ702内に及び/又は供給マニホールド404とともに組込まれてもよいことを意味する。これは、空気流検出器及び圧力検出器等のオンボード診断コンポーネントについての必要性があるため、必ずしもそうである必要はないがより高価な実施形態である傾向があることになるが、制御システム39内にプログラムされた診断方法を完全に自動で実施することができるという利点を有することができる。制御システム39は、一定のポンプ動作のために使用される同じ弁制御及び空気供給を使用して、本明細書において以下で述べる種々の診断試験を実施するため診断プログラム又はロジックシーケンスを実行することができる。
代替の一実施形態において、診断システム700は、ポンプ702に空気圧式にインターフェースし、また同様に、制御システム39に電子的にインターフェースする、又は、制御システム39にインターフェースするそれ自体の診断制御システムを有してもよい外部診断装置であってよい。完全に外部の診断装置は、ポンプ入口420、ポンプ出口422、又は両方に空気圧式にインターフェースしてもよく、電子制御及びロジックは、制御システム39によって実行される状態にある。
別の代替の実施形態において、診断装置700は、オンボード診断コンポーネント及び外部診断コンポーネントの両方が使用されてもよいハイブリッドバージョンとして考えられてもよい。診断装置700の他の実施形態は、代替的に、多くの異なる構成で使用され、ポンプ702とインターフェースしてもよい。
診断装置700のどの実施形態が特定のポンプ702のために使用されるかは、診断コンポーネントが、ポンプ702及び/又は供給マニホールド404にオンボードで設けられる場合、追加費用のためにコストに部分的に依存することになる。しかしながら、オンボード診断コンポーネントの使用は、更なる診断試験を実施するための柔軟性及び可用性を増加させることができる。
図15は、単一ビュー内で種々のオプションを示すことを意図する、オンボード診断コンポーネント及び外部診断コンポーネントの両方の種々の例を示す。しかしながら、更に説明するように、もしあれば、どのオンボードコンポーネントが特定のポンプ設計及び用途のために使用されるかは、コスト、所望される診断試験のレベル、及び、診断コンポーネント等を収容するためのポンプ702内の又は供給マニホールド404に関する空間の可用性に基づいて設計者によって選択されてもよい。
図15に示すポンプ702の略図が、2つのフィルター部材438、440によって提供される2つのポンプ室(多孔性フィルター#1及び多孔性フィルター#2)、並びに、2つの入口又は吸引ピンチ弁480(ピンチ弁A及びD)及び2つの出口又は送出ピンチ弁481(ピンチ弁B及びC)を含む4つのピンチ弁を含むことが留意されるべきである。しかしながら、代替のポンプ設計は、2つのピンチ弁を有する単一ポンプ室を使用するだけであってもよく、又は、3つ以上のポンプ室及び5つ以上のピンチ弁を使用してもよい。本明細書の診断概念を説明することにおいて、単一ピンチ弁及び単一ポンプ室が考慮されてもよい。したがって、簡略化した形態において、診断は、1つのフィルター部材及び1つのピンチ弁を一回で試験することによると考えることもできるし、幾つかの診断試験は、2つ以上のピンチ弁又はフィルター部材を一回で試験してもよい。そして、一般的な構想は、故障の発生源、例えば、ピンチ弁の漏洩かフィルター部材の目詰まりか又は空気シールの漏洩を、必要とされる程度まで診断し識別することである。同様に、ポンプ702が、ポンプ室の単一端からポンプ室に出入りするように粉体コーティング材料が流れる本明細書で述べるタイプであってもよいが、こうしたことは必要ではなく、診断装置及び方法は、粉体コーティング材料がポンプ室に一端から入り、異なる又は対向する端を通して出るポンプ設計とともに使用されてもよい。
基本形態において、診断装置700の一実施形態は、ピンチ弁及びフィルター部材を試験するために使用されてもよい。しかし、これは、その後、特定のポンプ設計に対処するように、例えば、2つ以上のフィルター部材438、440及び2つ以上のピンチ弁480、481を試験するように容易にスケーリングすることができる。図16A乃至図16Dのロジックテーブルは、2つのフィルター部材及び4つのピンチ弁を含む本明細書で述べるようなポンプ702についてのものであるが、こうしたものは、本明細書の教示の適用に対する限定として解釈されない。図16A乃至図16Dのロジックテーブルは、試験(流量又は圧力)のタイプ及び使用されてもよい検出器(吸引ポート及び送出ポートとラベル付けされた欄を参照)を示す。結果欄は、得られる場合がある結果のタイプの例及び試験に基づいて下されてもよい例示的な結論を与えるが、こうした結果は、網羅的なリストではない。その理由は、種々の診断試験並びに他の試験を実施することによって、診断装置が使用されて、他の故障を判定する又は原因を更に分離することができるからである。ソレノイド及びピンチ弁とラベル付けされた欄は、試験のそれぞれの間の各デバイスの状態又は試験条件を提供し、搬送空気とラベル付けされた欄は、試験のそれぞれについての搬送空気入力714についての状態又は試験条件を提供する。しかしながら、図16A乃至図16Dにおいて提供される試験及び情報及び結果が、パラメーター、試験、及び条件の網羅的リスト、排他的リスト、又は必要とされるリストであることを意図されるのではなく、むしろ、限定はしないが、空気透過性フィルター438、440についての圧力及び流量試験、ピンチ弁480、481についての(圧力又は空気流による)漏洩試験、及び空気シールASについての(圧力又は空気流による)漏洩試験を含む、本明細書で教示されるように実施することができるオンボードの又は外部の診断試験のタイプの例示であることが留意されるべきである。
図14B及び図14Cに示す2つの実施形態を参照すると、診断装置700は、例えば、704a及び704bにおいてポンプ入口420及びポンプ出口422にそれぞれインターフェースする外部診断装置704−1(図14B)又は外部診断装置704−2(図14C)の形態で実現されてもよい。ポンプ702は、図2Bの粉体コーティング材料ポンプ404によって例示される。図15における704a及び704bの概略的な分離は、単に説明し理解するためのものであり、インターフェースの必要な物理的実施形態を示さない。本明細書では、診断装置及び診断デバイスという用語を交換可能に使用する。
図14Bの一実施形態において、外部診断装置704−1は、1つ又は複数の診断デバイス852を閉囲するハウジング850を含んでもよい。以下で説明するように、診断デバイス852のタイプは、実施されることになる診断試験に基づいて選択されてもよい。例えば、診断デバイス852は、圧力検出器854及び流量検出器856を含んでもよい。流量は、オプションの制限オリフィス858の前後で差動圧力センサーを使用することを含む多くの方法で決定されてもよい。流量試験のために制限オリフィス858を使用する幾つかの場合における利点は、吸引側(粉体コーティング材料入口420)で、新鮮な周囲空気がポンプ702に引き込まれることである。
図14Bの実施形態と図14Cの実施形態との差は、ポンプ702との空気圧インターフェースである。図14Bの実施形態において、ハウジング850は、単一診断ポート860を含んでもよい。診断ポート860は、コネクタ862又は代替のインターフェース手段を使用してポンプ入口ポート420又はポンプ出口ポート422に選択的にインターフェースされて、選択されたポンプポート420、422との流体連通を確立してもよい。コネクタ862は、ポンプ入口ポート420又はポンプ出口ポート422との押し込みばめ又はねじ込み式接続と同程度に単純であってよい。吸引(負圧)側での診断試験の場合、診断ポート860はポンプ入口ポート420に接続され、送出(正圧)側での診断試験の場合、診断ポート860はポンプ出口ポート422に接続される。診断ポート860は、診断ポート860が、ポンプ入口ポート420と流体連通状態で接続されるか、ポンプ出口ポート422と流体連通状態で接続されるかに基づいて吸引又は送出空気流を受け入れる。図14Cの実施形態において、外部診断装置704−2は、診断ポート860を有するハウジング850を含む。しかし、ハウジング850は、診断ポート860が第1のコネクタ864及び第2のコネクタ866に対して開くことができるように適合されてもよい。これらのコネクタ864、866は、ともにそれぞれ、ポンプ入口ポート420及びポンプ出口ポート422の一方に接続されてもよいため、吸引側試験及び送出側試験を実施するためにポート420と422との間で外部診断装置704−2を切り換える必要性は存在しない。
空気圧インターフェースの実施形態のいずれかにおいて、外部診断装置704によって収集されるデータ及び情報をロジックデバイス870によって受信することができるように通信リンク868が設けられてもよい。ロジックデバイス870は、外部診断装置704から情報及び/又は信号を受信し、その情報を処理して、故障状態、例えば、漏洩、又は、ポンプ動作に関する他の異常、例えば、フィルター部材の目詰まりを判定する任意の装置であってよい。したがって、ロジックデバイス870は、制御システム39の一部として組込まれてもよいが、こうしたことは必要ではない。ロジックデバイス870は、図16のロジックテーブルを実行し、特定の診断シーケンスの場合にそうであるように、更なる又はより少数の試験を実施してもよい。
外部診断装置又は試験モジュール704は、ポンプ入口ポート420及びポンプ出口ポート422にインターフェースして、ピンチ弁480、481(一実施形態では、図15において4つのピンチ弁A、B、C、及びDが存在する)及び2つのフィルター部材438、440(多孔性管#1及び#2)に対して試験を実施する。一実施形態において、外部試験モジュール704が使用されて、ピンチ弁480、481に対して漏洩試験を、また、フィルター部材438、440に対して流量試験を実施してもよい。そうするために、外部試験モジュール704は、吸引ポート420を介してポンプ702の粉体コーティング材料入口流路706(本明細書で吸引流路とも呼ばれる)に、また、送出ポート422を介してポンプ702の粉体コーティング材料出口流路708(本明細書で送出流路とも呼ばれる)にインターフェースする。2つのポンプ室が存在するため、粉体コーティング材料流路、すなわち吸引流路706及び送出流路708のそれぞれは、第2のYブロック426(図2A)によって2つに分割される。ピンチ弁480、481は、吸引流路及び送出流路の一部を形成し、ポンプ702を通る粉体流を制御するために使用される。例えば、吸引ピンチ弁480が閉じると、吸引ピンチ弁480を通る流路は、ポンプ入口ポート420から、関連するフィルター部材438、440に粉体を引き込むことができないように完全に閉塞されるべきである。吸引ピンチ弁480が開いているとき、粉体コーティング材料は、関連する圧力室434、436(図2C)に対して吸引が行われると、関連するインラインフィルター部材438、440に流入することができる。他のピンチ弁は、同様な方法で動作するが、送出ピンチ弁481は、開いているとき、関連する圧力室434、436に正圧が加えられると、粉体コーティング材料が、関連するインライン多孔性フィルター438、440から出てポンプ出口ポート422まで流れることを可能にする。
ほとんどの診断試験の場合、ソレノイド制御弁、ピンチ弁、及びフィルター部材は、粉体コーティング材料を搬送しない。したがって、粉体コーティング材料流路706、708は、診断試験のための空気を通過させるだけである。ポンプ入口420が給送センター22(図1)を介して粉体コーティング材料供給部に接続されていないため、粉体コーティング材料は、ポンプ702内に吸引されない。
ピンチ弁480、481は、ピンチ空気圧源710からの正の空気圧が各ピンチ弁圧力室446(図5A及び図5B)に加えられると閉じる。ソレノイド弁1は、ピンチ空気を吸引ピンチ弁Aに加えるときを制御し、ソレノイド弁2は、ピンチ空気を送出ピンチ弁Bに加えるときを制御し、ソレノイド弁5は、ピンチ空気を送出ピンチ弁Cに加えるときを制御し、ソレノイド弁6は、ピンチ空気を吸引ピンチ弁Dに加えるときを制御する(図15におけるピンチ弁の符号及びソレノイド弁の番号付けは、本明細書の図16A乃至図16Dのロジックテーブルで使用される指示方法に対応することに留意されたい)。真空発生器712が使用されて、ソレノイド弁7によってタイミングが制御された状態で、フィルター部材438、440に吸引圧力を供給し、正圧送出又は搬送空気は、圧力源714から供給される。吸引タイミングは、第1のフィルター部材438用のソレノイド弁3の動作によって、また、第2のフィルター部材440用のソレノイド弁4の動作によって制御される。送出タイミングは、第1のフィルター部材438用のソレノイド弁3の動作によって、また、第2のフィルター部材440用のソレノイド弁4の動作によって制御される。同様に、示す実施形態が2つのポンプ室を有するため、送出圧714及び吸引圧712は、第1のYブロック424(図2A)によって2つに分割される。ソレノイド弁3は、吸引圧又は送出圧を第1の多孔性フィルター438に加えるときを制御し、ソレノイド弁4は、吸引圧又は送出圧を第2の多孔性フィルター440に加えるときを制御する(ソレノイド弁3及び4が通常オフであり、そのことが、ソレノイド3及び4が、オフのときに吸引圧モードにあり、給電されると送出圧モードにあることを意味することに留意されたい)。ソレノイド弁7は、オプションであり、吸引圧がソレノイド3及び4に供給されるときを制御するために使用されてもよく、また、真空発生器712の独立した制御を可能にする。制御システム39は、ソフトウェアプログラムを通してソレノイド弁のタイミング及び制御を制御する。
ソレノイド弁1乃至7は、スライド又はスプール弁として実現されてもよく、各ソレノイド弁は、好ましくは、通気部Vを含み、通気部Vは、ソレノイド弁が閉じた位置(吸引モード)にあるときに加圧空気を周囲に通気する。通気部Vは、通常開いており、ソレノイド弁が開いているときに閉塞されて、ピンチ空気圧を提供し、それにより、関連するピンチ弁を閉じるようにピンチ動作させる。全てのソレノイド弁の通気部Vは、好ましくは供給マニホールド404の内部にある空気通路によって、周囲環境に対して開いている単一通気ポート880(図7)にともに接続されてもよい。例えば、図7に示すように、通気ポート880は、供給マニホールド404の外側表面を通して形成されてもよい。
診断試験が、ポンプを(通常のポンプ動作サイクル又はプログラム式診断サイクルを通して)動作させている間に実施されてもよいが、粉体コーティング材料がポンプ入口に供給されないため、圧力及び流量試験は、粉体コーティング材料ではなく空気に関することに留意されたい。
ピンチ弁480、481に対する漏洩試験は、試験圧力、流量、又は両方に対して外部試験モジュール704をさらすことによって実施することができる。圧力試験は、圧力が維持されることを検査する静的試験であってよい。圧力試験は、代替的に、圧力低下又は圧力蓄積を経時的にチェックする圧力試験であってよい。漏洩によると思われる空気流を探すことによって、圧力ではなく流量がチェックされてもよい。
漏洩故障が検出される場合、それは、ピンチ弁が破断していることに関する問題又はピンチ空気圧がピンチ弁圧力室に送出されることに関する問題を示す場合がある。一実施形態において、外部試験モジュール704は、圧力を検出する視覚的又は電子的圧力変換器、流量を検出する制限オリフィスを有する差動圧力変換器、又は代替的に、少数を挙げると、浮動ボール計又は質量流量計等の視覚的デバイスを含む、流量を検出する他の技法の形態で実現されてもよい。例えば、吸引ピンチ弁Aにおける漏洩があるか試験するために、ソレノイド1は、ピンチ空気圧源710からの正ピンチ圧がピンチ弁Aのピンチ弁圧力室446aに加えられて、吸引ピンチ弁Aを閉じようと試みるように、給電される又はオンにされる。送出圧(図16A乃至図16Dにおいて搬送空気として示される)は、ソレノイド3及び4をオンにすることによって第1の多孔性フィルター438に加えられる。例えば、搬送空気は、1cfmにセットされてもよい。ピンチ弁Aが適切に動作している場合、正圧は、ポンプ入口又は吸引ポート706で検出されないことになる。代替的に、空気流が検出されるべきでない。ピンチ弁Aについてのこの試験は、試験番号17として図16A乃至図16Dのロジックテーブルにおいて見出される。試験18乃至20は、ピンチ弁Dの場合、吸引流路706に、また、ピンチ弁B及びCの場合、送出流路708に接続された外部診断装置704を使用した、ピンチ弁B、C、及びDの個々の試験についてのロジックを提供する。試験17乃至20の場合、ソレノイド弁7は、生成される真空が存在しないようにオフであり、また、ソレノイド弁3及び4がオンであるため、搬送空気又は正圧が圧力源714から加えられる。
ロジックテーブルの試験2B及び3Bに関して示すように、4つ全てのピンチ弁480、481は同時に試験することができる。4つ全てのピンチ弁A、B、C、及びDは、その関連するソレノイド弁1、2、5、及び6をオンにすることによって閉じる。真空ソレノイド弁7は、真空又は吸引が引かれるように最初にオンであるが、その後、弁7はオフにされ、それが、吸引圧を捕捉するものとする。真空又は吸引圧は、例えば、30秒程度待った後に、吸引ポート706又は送出ポート708において検出されないものとする。しかし、この試験は、4つ全てのピンチ弁を同時にチェックするため、漏洩は、この試験だけによって特定の漏洩するピンチ弁に対して更に分離されない。
試験0及び1が使用されて、真空発生器712及び任意の関連する真空調整器(図15には示さないが、図8を参照されたい)をチェックしてもよい。試験0と試験1との差は、試験0において、送出ピンチ弁B及びCが閉じている状態で吸引側ピンチ弁A及びDが開いており、試験1において、その逆が当てはまることである。したがって、試験0において、送出ポート422は、真空又は空気流皆無を示すものとし、真空又は空気流十分は、吸引ポート420にて検出されるものとする。真空皆無が吸引ポート420にて検出される場合、真空発生器又は関連するコンポーネントが不良である場合がある。そして試験1の場合、吸引ポート420は、真空又は空気流皆無を示すものとし、真空又は空気流十分は、送出ポート422にて検出されるものとする。真空皆無が送出ポート422にて検出される場合、真空発生器又は関連するコンポーネントが不良である場合がある。しかしながら、吸引ピンチ弁480及び送出ピンチ弁481の各対が、それぞれ吸引流路706及び送出流路708を介して単一空気圧接続を共有するため、外部試験モジュール704によって漏洩が検出される場合、試験されるピンチ弁の各対の一方又は両方が、関連する故障を有する可能性があることしか判定することができない。やはり、単一ポンプ室の簡略化された場合、単一送出ピンチ弁及び単一吸引ピンチ弁を、漏洩又は他の関連する故障があるか試験することができる。
試験2Aが使用されて、ピンチ弁B及びCにおいて漏洩があるかチェックしてもよく(吸引ポート420にて吸引が全く存在しないものとし、送出ポート422にて吸引が存在するものとする)、試験3Aが使用されて、ピンチ弁A及びDにおいて漏洩があるかチェックしてもよい(送出ポート422にて吸引が全く存在しないものとし、吸引ポート420にて吸引が存在するものとする)。吸引ポート及び送出ポートにて真空圧を探す外部診断装置704によってこれらの試験が行われる場合、漏洩は、この試験だけを使用してどのピンチ弁が特に漏洩しているかについて更に識別されない。
試験0、1、2A、2B、3A、及び3Bが送出圧ではなく吸引圧に関して行われる(搬送空気は0である)ことが留意されるであろう。しかし、代替的に又は更に、試験は、搬送空気を使用して(関連する吸引ポート又は送出ポートにおける空気流又は空気圧の存在又は非存在について試験することによって)実施されてもよい。
外部試験モジュール704によって実施されてもよい別の診断試験は、フィルター部材438、440の性能を試験することである。フィルター部材438、440の一方又は両方が、部分的に又は完全に閉塞しているか又は目詰まりを示す場合、圧力か、空気流か、又は両方が使用されて、こうしたタイプの異常又は故障を検出してもよい。これらの試験は、図16のロジックテーブル内の試験4乃至7として識別される。試験4及び5は送出圧に基づく試験であり(しかし同様に、制限オリフィスによる圧力ベース試験であってよい)、試験6及び7は吸引空気流に基づく試験であり(しかし同様に、制限オリフィスによる圧力ベース試験であってよい)、試験4乃至7は外部診断装置704によって実施される。送出圧を使用するフィルター部材試験4及び5は、ソレノイド7がオフの状態で実施され、それは、吸引が生成されないことを意味し、また同様に、試験4及び5は、送出ピンチ弁B及びCが開いていることによって実施される(搬送空気は、適した試験値、例えば1cfmにセットされる)。
一例として、試験4は、第1のフィルター部材438(ロジックテーブル及び図15において、多孔性管♯1として識別される)に対する送出圧によって実施されてもよく、ソレノイド弁2、4、及び7はオフであり、ソレノイド弁1、3、5、及び6はオンである。これにより、送出ピンチ弁Bが開放し、送出空気714は、ソレノイド弁3を通して第1のフィルター部材438用の圧力室に導入される。これらの試験条件下で、例えば、送出ポート422に接続される外部診断装置704を使用して、空気流が、送出流路708内でチェックされてもよい。第2のフィルター部材440(ロジックテーブル及び図15において、多孔性管♯2として識別される)について試験5を実施するために、ソレノイド弁3、5、及び7はオフであり、ソレノイド弁1、2、4、及び6はオンである。これにより、送出ピンチ弁Cが開放し、送出空気714は、第2のフィルター部材440用の圧力室に導入される。これらの試験条件下で、例えば、送出ポート422に接続される外部診断装置704を使用して、空気流が、送出流路708内でチェックされてもよい。両方の試験4及び5の場合、空気流測定値が送出ポート422において低い場合、それは、試験下のフィルター部材が栓をされるか若しくは目詰まりすること、又はおそらく、関連するソレノイド弁3又は4が適切に働いていないことを示す可能性がある。試験が、空気流試験であってよく、又は同様に、差の圧力測定値を生成するため制限オリフィスを使用して行われてもよいことに留意されたい。例えば、例示的なポンプについて搬送空気が1cfmにセットされた状態で、差圧(周囲大気に対する)は、5psiより大きくあるべきである(先に述べた例示的な実施形態について、制限オリフィス858(図14B及び図14C)が周囲大気に対して開いていることを念頭に置く)。こうして、ポンプ動作問題は、メンテナンスのためにポンプ全体を分析する必要があるのではなく、考えられる少数の原因に対して診断することができる。
本明細書の空気流及び圧力値が本質的に例示的であり、限定的であることを意図されないことが留意されるべきである。他の実施形態についての実際の値は、ポンプ設計及び材料塗布システムの他の多くの要因に依存することになる。
外部診断装置704を使用するのではなく、送出圧力試験4及び5についての代替の一実施形態において、オンボード空気流検出器716b(図15上で流れHとも呼ばれる)、例えば、空気流検出器716bは、正圧源又は搬送空気源714と送出ポート422との間に整列して位置決めされてもよい。例えば、図15に示すように、空気流検出器716bは、搬送空気源714とソレノイド弁3及び4との間で送出流路に接続されてもよい。空気流検出器716bは、代替的に、例えば、適切な空気通路を有する供給マニホールド404上に設置される可能性があり、適切な空気通路は、搬送空気源714からポンプ出口ポート422まで延在する送出流路と整列している任意の好都合な位置で空気流検出器716bを接続するために設けられる。
試験6及び7は、外部診断装置704が吸引流路706に接続された状態での吸引空気流に基づく試験である。同様に、吸引圧を使用するフィルター部材試験6及び7は、ソレノイド7がオンの状態で実施され、それは、吸引が発生することを意味し、また、ソレノイド弁3及び4がオフの状態で実施され、それは、吸引が、フィルター部材♯1及び♯2を通してそれぞれ行われることを意味し、またさらに、試験6及び7が、吸引ピンチ弁A及びDによってそれぞれ実施されることを意味する。同様に、これらの試験について、搬送空気又は正圧空気が0cfmにセットされてもよいことに留意されたい。一例として、吸引によって第1のフィルター部材438を試験するため、ソレノイド弁1、3、及び4はオフであり、ソレノイド弁2、5、6、及び7はオンである。これにより、吸引ピンチ弁Aが開放し、吸引712は、第1のフィルター部材438用の圧力室に導入される。これらの試験条件下で、例えば、ポンプ入口ポート420に接続される外部診断装置704を使用して、空気流が、吸引流路706内でチェックされてもよい。第2のフィルター部材440を試験するため、ソレノイド弁3、4、及び6はオフであり、ソレノイド弁1、2、5、及び7はオンである。これにより、吸引ピンチ弁Dが開放し、吸引圧714は、第2のフィルター部材440用の圧力室に導入される。これらの試験条件下で、例えば、ポンプ入口ポート420に接続される外部診断装置704を使用して、空気流が、吸引流路706内でチェックされてもよい。両方の試験6及び7の場合、空気流測定値が入口ポート420において低い場合、それは、フィルター部材が栓をされるか若しくは目詰まりすること、又はおそらく、真空発生器712が適切に動作していないことを示す可能性がある。例えば、新しいフィルター部材は、約10インチHgの吸引圧で約1.4cfmの誘導流を示す場合がある。誘導流が約0.25cfm乃至0.3cfmまで降下する場合、フィルターは、目詰まり等の故障を有する場合があるか、若しくは閉塞される若しくは部分的に閉塞される場合があるか、又は、真空源712に関する問題が存在する場合がある。送出圧試験バージョンの場合と同様に、代替的に、空気流は、制限オリフィス858を使用して差圧測定値に変換される可能性がある。こうして、ポンプ動作問題は、メンテナンスのためにポンプ全体を分析する必要があるのではなく、考えられる少数の原因に対して診断することができる。
外部診断装置704を使用するのではなく、吸引試験6及び7についての代替の一実施形態において、オンボード空気流検出器716a(図15上で流れGとも呼ばれる)、例えば、空気流検出器は、真空発生器712と吸引ポート420との間で整列して位置決めされてもよい。例えば、図15に示すように、空気流検出器716aは、真空発生器712とソレノイド弁3及び4との間で吸引流路に挿入されてもよい。空気流検出器716aは、例えば、適切な空気通路を有する供給マニホールド404上に設置される可能性があり、適切な空気通路は、真空発生器712から入口ポート420まで延在する吸引圧流路と整列して空気流検出器716aを接続するために設けられる。
オンボード試験の他の例は、図16A乃至図16Dのロジックテーブル内の試験8乃至12に提供される。これらの種々の診断試験は、例えば、オンボード診断圧力検出器及び空気流検出器を使用して実施することができる。種々のオンボード検出器はオプションであり、それぞれの検出器は使用されても省略されてもよく、又は、他の検出器は、実施される診断に応じて使用されてもよい。またさらに、オンボード診断は、必要に応じて、外部診断装置704と組み合わせて使用されてもよい。このために、一実施形態において、オンボードの第1の空気流検出器716a(図面において流れGとも呼ばれる)は真空ポンプ712からの吸引圧ライン内に含まれてもよく、オンボードの第2の空気流検出器718(図面及びロジックテーブルにおいて流れFとも呼ばれる)は、ピンチ空気圧源710から、ピンチ弁A及びピンチ弁B用のソレノイド1及びソレノイド2までのピンチ空気ライン内に含まれてもよく、オンボードの第3の空気流検出器720(図面及びロジックテーブルにおいて流れEとも呼ばれる)は、ピンチ空気圧源710から、ピンチ弁C及びピンチ弁D用のソレノイド5及びソレノイド6までのピンチ空気ライン内に含まれてもよく、オンボードの第4の空気流検出器716b(ロジックテーブル及び図15において流れHとも呼ばれる)は、搬送空気源714から、第1のフィルター部材438及び第2のフィルター部材440用のソレノイド3及びソレノイド4までの送出流路内に含まれてもよい。オンボードの第1の圧力変換器722(変換器A)はソレノイド1とピンチ弁Aとの間に含まれてもよく、オンボードの第2の圧力変換器724(変換器B)はソレノイド2とピンチ弁Bとの間に含まれてもよく、オンボードの第3の圧力変換器726(変換器C)はソレノイド5とピンチ弁Cとの間に含まれてもよく、オンボードの第4の圧力変換器728(変換器D)はソレノイド6とピンチ弁Dとの間に含まれてもよい。
図16A乃至図16Dのロジックテーブルは、これらの試験8乃至12を実行するためのソレノイド及びピンチ弁の種々の制御状態を提供する。例えば、4つ全てのピンチ弁は試験8にて試験されてもよい。送出ポート422が閉じるか又は栓をされ、ソレノイド7がオフであるとともに搬送空気がオフである状態で、全てのピンチ弁A乃至Dは閉じられるが、ピンチ空気圧源710はオンのままである。ピンチ弁は、その後、流れE検出器720及び流れF検出器718をそれぞれ使用することによって漏洩があるかチェックされて、弁のうちの1つ又は複数の弁内の漏洩を示すことになる空気流を検出してもよい。その理由は、全てのピンチ弁が閉じられるように指令された状態で、正のピンチ弁圧力が、流れ無しの状態で保持されるべきであるからである(ピンチ弁圧力室は、ピンチ弁圧力まで圧力を蓄積することになり、ピンチ弁圧力ポイントにて空気流は、漏洩がない場合、停止すべきである)。代替的に、空気流をチェックするのではなく、圧力検出器が使用されて、漏洩が存在するかどうかを示す時間ベース圧力低下率を決定することができる。例えば、変換器A乃至Dが、それぞれ使用されて、試験下のピンチ弁用の関連する圧力室について圧力低下があるかチェックしてもよいが、更なるピンチ空気圧源制御弁710a(圧力低下試験がピンチ弁A乃至Dに関して所望される場合、制御弁710aはオプションであるため、図15において仮想線で示す)が、ピンチ弁圧力室からピンチ空気圧源710を分離するために含まれなければならないことになる。全てのピンチ弁A乃至Dが、共通のピンチ空気圧源710によって動作するため、1つのピンチ空気圧源制御弁710aだけが必要とされる。4つ全ての弁が同時に閉じた状態で、試験は、1つ又は複数の弁が故障していることを示すが、どの弁が故障しているかを示さない。
試験9乃至12が使用されて、圧力変換器A乃至Dによってピンチ弁を個々に試験してもよい。一例として、試験10の場合、ピンチ弁Bに漏洩があるかチェックすることができる。この試験において、ピンチ弁Bだけが閉じられ、送出ポート422は栓をされるか閉じられ(同様に、開栓されるか又は開いていてもよく)、ソレノイド7はオフであり、ピンチ空気圧源710はオンである。流量検出器Fが使用されて、ピンチ弁Bにおける漏洩を検出してもよい。圧力低下試験の場合、その後、圧力変換器Bが使用されて、経時的な圧力低下があるかチェックし、それにより、ピンチ弁Bが漏洩を示しているかどうかを判定してもよいが、更なるピンチ空気圧源制御弁710aが、ピンチ弁圧力室からピンチ空気圧源710を分離するために含まれなければならないことになる。ピンチ弁が閉じられると、ソレノイド弁通気部Vが閉塞されることが想起される。
試験13乃至16は、空気圧ポンプ制御に対していずれの更なる診断検出器も付加することを必要とすることなく実施することができる診断試験の一例を提供する。これらの試験の場合、各ピンチ弁A乃至Dは個々に閉じられ、搬送空気はオン(例えば、約1cfm)であり、真空発生器712はオフであり、送出ポート422及び入口ポート420は栓をされるか又は閉じられる。これらの条件下で、試験下のピンチ弁が漏洩している場合、空気流が、通気ポート880にて検出されることになる。これは可聴空気流であってよい、又は、流量デバイスが通気ポート880にて使用されてもよい。
試験21は、漏洩の存在についてチェックするためポンプ702全体に対して実施することができる診断試験の一例である。この試験において、全てのピンチ弁は、開いており、搬送空気714はオン(例えば、約1cfm)であり、真空発生器712はオフである。送出ポート422及び入口ポート420は栓をされる、又は代替的に、外部診断検出器704を使用する圧力変換器又は空気流検出器を含んでもよい。ポンプ702が加圧されると、流れH検出器716bが使用されて、ポンプ702内のどこかで漏洩が存在することを示すことになる空気流があるかチェックしてもよい。代替的に、流れH検出器716bを使用するのではなく、圧力検出器が使用されて、経時的な圧力低下があるか試験してもよい。こうした代替の試験の場合、搬送空気714は、ソレノイド弁3及び4に対して妨げられることになる(例えば、搬送空気制御714aは制御弁を含む)。こうした条件下で、圧力は、漏洩が存在しない場合、保持されるはずであるが、ポンプ内のどこかで漏洩が存在する場合、経時的に低下することになる。同様に、通気ポート880に空気があるかチェックすることによって、空気流が通気ポート880に存在しない場合、漏洩は、ピンチ弁における漏洩のせいである可能性がない。試験22は、さらに、通気ポート880が同様に栓をされることを除いて、試験21と同様である。この場合、検出器716b(流れH)における空気流は、ポンプ漏洩が、ポンプ内の漏洩する空気シール又は漏洩する弁の結果であることを示すことになる。試験21及び22を実施することによって、通気ポート880内への漏洩が存在しないことを試験21が示す場合、試験22中に検出されるいずれの漏洩も、空気シール漏洩又は漏洩するピンチ弁以外の他の漏洩のせいであることになる。換言すれば、試験21の場合と同様の静圧試験の場合、通気ポート880に通気される空気が存在する場合、ピンチ弁のうちの少なくとも1つのピンチ弁が漏洩している。
制御システム39は、部品をコーティングするスプレーガンに粉体コーティング材料を供給するためにポンプ702が使用されていない期間中に診断試験を実施するようにプログラムされてもよい。同様に、制御システム39は、オンボード診断コンポーネントにインターフェースして、自動の、すなわち、プログラム式の診断試験を提供してもよい。例えば、診断試験は、スタートアップルーチン又は較正ルーチンの一部として実施されてもよい、又は、色変更動作等のダウンタイム中に実施されてもよい、又はさらに、処理される特定の作業ピース等のレシピのために使用されるタイミングと連携して実施されてもよい(例えば、部品切り換え中の又は部品間での動作の遅れが存在することになる場合)。診断試験は、ポンプ702の通常動作における中断がもしあれば、最小をもたらすために少し速くてもよい。ロジックテーブルで挙げる試験の順序は、任意であり、また、任意の順序で行われてもよい、又は、1つ若しくは複数の試験が省略されてもよい。
オンボード診断検出器の全てはオプションであり、そのため、必要に応じて1つ又は複数の検出器を使用することができる。同様に、流量検出のために差圧変換器が使用されてもよいことを念頭に置くと、空気流検出器は、圧力変換器に関して冗長性があってもよいため、1つの形態だけが使用される場合がある、又は、必要に応じて両方が使用されてもよい。各変換器A、B、C、及びDが使用されて、その関連するピンチ弁A、B、C、及びDが、関連するピンチ弁の圧力室内での圧力の蓄積に基づいて適切に動作していることを確認してもよい。流れE及び流れFは、代替的に、圧力試験によって試験されてもよく、又は、両方の試験方法が使用されてもよい。ピンチ弁が破断又は漏洩を有する場合、ピンチ弁を閉じるためにピンチ弁圧力室に加えられる圧力についての圧力プロファイルは故障(例えば、あまりにも遅くて圧力を生じない、又は、期待圧力に達しない)を示すことになる。圧力に対して代替的に又は圧力に加えて、圧力が生じるのに十分な期間後に弁が閉じられると、ピンチ弁圧力室に入る空気流が全く存在しないはずであるため、流量を試験することができる。
そのため、オンボード診断は、ピンチ弁及び多孔性フィルターにおいて故障があるか試験するためのより大きな柔軟性及びオプションを提供するが、供給マニホールドの上に又はポンプに関して追加試験コンポーネントを持つという代償を払う場合がある。代替的に、圧力及び流量についてライン又は通路を検知することは、所望の試験ポイントから、既に存在する吸引ポート706及び送出ポート708と同様のポンプ702上の外部ポート(不図示)まで拡張する場合がある。しかしながら、こうした追加の通路は、フットプリントが小さいポンプにとって難題である場合があり、また同様に、ポンプ702内で必要とされる空気シール式通路の数を増やす場合がある。
図14Aは、ポンプ702に外部でインターフェースしてもよい診断装置700の一実施形態を示す。処理システム730、例えば、コンピューターか、他のロジックプロセッサか、又は任意のスマートデバイスは、制御システム39のために使用されて、ポンプ702の動作を制御してもよい、及び/又は、診断試験を実行してもよい。処理システム730は、診断装置700用の本明細書で先に論じたロジックデバイス870の一例である。処理システム730は、ネットワーク、例えば、CANネットワーク732を通じてポンプ供給マニホールド404(図7)にインターフェースしてもよい。インターフェースは、例えば、知られているようにUSB接続734からUSB−CAN変換器736までであってよい、又は、処理システム730とポンプ702との間の他の利用可能なインターフェースは、ポンプ702を動作させるため種々のソレノイド及び圧力供給部(真空及び搬送空気)を制御するように制御する。処理システム730は、同様に、制御機能の中でもとりわけ、処理される部品の性質及びタイプ並びに使用される粉体コーティング材料の性質及びタイプに基づいてポンプ702を動作させる種々のレシピについてのプログラミングを含んでもよい。したがって、処理システム730は、同様に、ダウンタイム中、又は、ポンプ702が通常動作のために使用されていない非粉体時間中に診断試験を実施するためのプログラミング及びルーチンを含んでもよい。これは、例えば、上述したオンボード診断コンポーネントを使用して診断試験を実施するために使用されてもよい。通常、制御システム39はポンプ702に組み込まれないが、こうしたものは、完全にオンボードの自己診断機能をポンプ702内に設けることになる別の利用可能なオプションである。
処理システム730は、別の実施形態において、適したインターフェース、例えば、USB接続738を通して、外部診断試験デバイス704にインターフェースしてもよい。こうした場合、診断装置700は、完全にポンプ702の外部にあり、ポンプ吸引ポート706及び送出ポート708(例えば、図14C及び図14B参照)を通してインターフェースし、それにより、そのように所望される場合、ポンプ702又は供給マニホールド704に対するいずれのオンボード追加物又は変更物も必要としない。そのため、本発明者らは、既に使用中であるフィールドベースのポンプとともに、また、物理的にポンプ702をオフラインにする又はポンプ702を粉体コーティングシステム全体から取り外す必要なしで使用されてもよい診断装置700を提供する。図16A乃至図16Dのロジックテーブルは、本明細書で述べる診断方法についてのステップ、並びに、所望の診断試験を実行するよう処理システム730をプログラムするためのロジックを述べる。
図17を参照すると、診断インジケーター800が示される。一実施形態において、好ましくは色付き光802a(図17において破線で示される)を放出する(しかし、クリア又はホワイト光が、利用可能なオプションである)、好ましくはランプ802−1からの光源802は、ポンプ804に非常に接近して配設される。ポンプ804は、いずれのポンプであってもよいが、図17において、本発明者らは、本明細書で先に述べたポンプ402及び702と同じであってよいポンプを示す。したがって、同様の参照符号が使用され、説明は繰り返す必要はない。ランプ802は、代替的に、ポンプ804の内部に又はポンプ804の外側表面上に又は図17に示すようにポンプ804に非常に接近して配設されてもよい。ランプ802は、処理システム730(図14A)又は他の制御機能にインターフェースされてもよいため、ランプは、ポンプ804の種々の動作条件下で点灯されて、視覚的診断装置の役目を果たす。例えば、ランプ802は、ポンプ804が適切にかつ普通に運転している時間の間、連続して点灯されてもよく、また、ポンプがオフである又は少なくとも粉体コーティング材料を圧送するために使用されていないとき消されてもよい。多くのポンプが使用中である大規模コーティング動作の場合、ランプは、コンピューターまで歩くか又は近距離にあるポンプを視覚的に検査する必要なしで、ポンプの状態を迅速に確認する容易なまた任意選択で遠隔距離の方法を提供する。
ランプ802は、容易な認識のために所望される色及び輝度を提供する任意の適したランプ又は光源であってよい。多色光が使用されて、カラーコード化状態を表示してもよい。例えば、緑状態が使用されて、ポンプが正常運転していることを示してもよく、問題が発生する可能性を示す警告色として黄状態が使用されて、赤状態が使用されて、シャットダウンする必要性又は故障が検出されていることを示してもよい。代替的に、複数の色を使用するのではなく、ランプ802は、コード化状態としてパルス方式で起動されてもよい。例えば、一様の連続光状態は、正常動作を示してもよく、一方、高速明滅光状態は故障検出として使用されてもよく、低速明滅光状態は、問題が存在する場合があるという警報として使用されてもよい。ランプ802の動作状態は、例えば、本明細書で先に述べた診断試験結果に基づいて制御システム39又は処理システム730によってセットされてもよい。しかしながら、診断インジケーター800の使用は、図14A乃至図16Dについて本明細書で先に述べた診断装置及び方法を使用することなく、それだけで別個の特徴として使用されてもよい。
図17に示すように、ポンプ804は、本明細書で述べるポンプであってよいが、そうである必要ではない。どんなポンプ設計が使用されても、ポンプ設計は、本明細書で先に述べたように透明弁体416を含んでもよい。透明弁体416の使用は、視覚的観測のためにより高い程度まで光802aが発光し拡散することを可能にする。しかし、述べたように、光源は、代替的に、ポンプ804上に、又は、特定のポンプに視覚的に関連付けられるよう非常に接近して設置されてもよいため、透明性は必要とされないことになる。例えば、そのように所望される場合、ランプ802がパネル806上に取り付けられるように、ポンプ804は、しばしばパネル806上のバンク内に取り付けられる。
更なる列挙される実施形態は、次の通りに述べられる。
1.粉体コーティング材料システム用のポンプ及び診断装置であって、
圧力室内に配設されたガス透過性部材を備えるポンプ室と、
第1のピンチ弁及び第2のピンチ弁と、
を備え、上記第1のピンチ弁及び上記第2のピンチ弁のそれぞれは、上記ポンプ室と流体連通状態にある粉体コーティング材料用の流路の一部を形成し、
ポンプ動作中に、粉体コーティング材料は、上記圧力室に負圧が加えられるときに、上記第1のピンチ弁を通して上記ポンプ室に流入し、上記圧力室に正圧が加えられるときに、上記第2のピンチ弁を通して上記ポンプ室から流出し、
上記第1のピンチ弁に関連する故障を検出する第1の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第1の検出器を備える診断装置を備える、装置。
2.上記第2のピンチ弁に関連する故障を検出する第2の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第2の検出器を備える、1に記載の装置。
3.上記第1の検出器はポンプの外部にあり、上記第1の検出器はポンプの外部吸引ポートに接続可能であり、上記第1の検出器は、上記第1のピンチ弁が漏洩故障を有するときに、上記外部吸引ポートが負圧下にある又は空気流を有することを検出することになる、1に記載の装置。
4.上記第2の検出器はポンプの外部にあり、上記第2の検出器はポンプの外部圧力ポートに接続可能であり、上記第2の検出器は、第2のピンチ弁が漏洩故障を有するときに、上記外部圧力ポートが正圧下にある又は空気流を有することを検出することになる、2に記載の装置。
5.第1の弁を通して上記圧力室と流体連通状態になるように接続可能である吸引圧力源を備え、上記第1の検出器はポンプの外部にあり、上記第1の検出器はポンプの外部吸引ポートに接続可能であり、上記第1の検出器は、上記第1のピンチ弁が開いておりかつ上記吸引圧力源が上記圧力室に吸引を加えているときに、圧力又は空気流を検出することになる、1に記載の装置。
6.第2の弁を通して上記圧力室と流体連通状態になるように接続可能である正圧源を備え、上記第2の検出器はポンプの外部にあり、上記第2の検出器はポンプの外部圧力ポートに接続可能であり、上記第2の検出器は、上記第2のピンチ弁が開いておりかつ上記正圧源が上記圧力室に圧力を加えているときに、圧力又は空気流を検出することになる、2に記載の装置。
7.第1の弁を通して圧力室と流体連通状態になるように接続可能である吸引圧力源を備え、上記第1の検出器はポンプの外部にあり、上記第1の検出器はポンプの外部吸引ポートに接続可能であり、上記第1の検出器は、上記第1のピンチ弁が開いておりかつ上記吸引圧力源が上記圧力室に吸引を加えているときに、圧力又は空気流を検出することになり、第2の弁を通して上記圧力室と流体連通状態になるように接続可能である正圧源を備え、上記第2の検出器はポンプの外部にあり、上記第2の検出器はポンプの外部圧力ポートに接続可能であり、上記第2の検出器は、上記第2のピンチ弁が開いておりかつ上記正圧源が上記圧力室に圧力を加えているときに、圧力又は空気流を検出することになる、2に記載の装置。
8.第1の検出器出力及び第2の検出器出力を受信し、上記第1のピンチ弁及び上記第2のピンチ弁いずれか又は両方の故障状態を、上記第1の検出器出力及び上記第2の検出器出力の関数として決定する制御システムを備える、1又は2に記載の装置。
9.上記第1の検出器及び上記第2の検出器はポンプの内部にある、1又は2に記載の装置。
10.粉体コーティング材料システム用のポンプ及び診断装置であって、
圧力室内に配設されたガス透過性部材を備えるポンプ室を備え、ポンプ動作中に、粉体コーティング材料は、上記圧力室に負圧が加えられるときに上記ポンプ室に流入し、上記圧力室に正圧が加えられるときに上記ポンプ室から流出し、
上記ポンプ室と流体連通状態にある粉体コーティング材料用の流路の一部を形成するピンチ弁と、
上記第1のピンチ弁に関連する故障を検出することになる第1の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第1の検出器を備える診断装置と、
を備える、装置。
11.上記ガス透過性部材に関連する故障を検出することになる第2の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第2の検出器を備える、10に記載の装置。
12.粉体コーティング材料システム用のポンプ及び診断装置であって、
圧力室内に配設されたガス透過性部材を備えるポンプ室を備え、ポンプ動作中に、粉体コーティング材料は、上記圧力室に負圧が加えられるときに上記ポンプ室に流入し、上記圧力室に正圧が加えられるときに上記ポンプ室から流出し、
上記ガス透過性部材内の圧力又は流量に関連する故障を検出することになる第1の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第1の検出器を備える診断装置を備える、装置。
13.上記ポンプ室と流体連通状態にある粉体コーティング材料用の流路の一部を形成するピンチ弁と、上記ピンチ弁に関連する故障を検出することになる第2の検出器とを備え、上記第2の検出器は、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、12に記載の装置。
14.粉体コーティング材料システム用のポンプ及び診断装置であって、
圧力室内に配設されたガス透過性部材を備えるポンプ室を備え、ポンプ動作中に、粉体コーティング材料は、上記圧力室に負圧が加えられるときに上記ポンプ室に流入し、上記圧力室に正圧が加えられるときに上記ポンプ室から流出し、
上記ポンプ室と流体連通状態にある粉体コーティング材料用の流路の一部を形成するピンチ弁と、
診断装置と、
を備え、上記診断装置は、上記第1のピンチ弁に関連する故障を検出することになる第1の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第1の検出器と、上記ガス透過性部材内に関連する故障を検出することになる第2の検出器であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、第2の検出器とを備える、装置。
15.粉体コーティング材料システム用のポンプ及び診断装置であって、
圧力室内に配設されたガス透過性部材を備えるポンプ室を備え、ポンプ動作中に、粉体コーティング材料は、上記圧力室に負圧が加えられるときに上記ポンプ室に流入し、上記圧力室に正圧が加えられるときに上記ポンプ室から流出し、
ポンプ室と流体連通状態にある粉体コーティング材料用の流路の一部を形成するピンチ弁と、
上記ガス透過性部材、上記ピンチ弁、又は両方に関連する故障を検出することになる診断装置であって、圧力検出器、流量検出器、又は両方を備える、診断装置と、
を備える、装置。
16.上記診断装置は、ポンプの外部にあるか、ポンプの内部にあるか、又はポンプの外部にあるのとポンプの内部にあるのとの組合せである、上のいずれかに記載の装置。
17.上記ポンプは濃厚相ポンプを備える;粉体コーティング材料スプレーガンを備える;粉体コーティングスプレーブースを備える;粉体コーティング材料源を備える、のうちの任意の1つ又は複数が提供される、上のいずれかに記載の装置。
18.粉体コーティングポンプの故障を検出するための診断方法であって、
圧力室に圧力を加えることによって、ポンプを少なくとも部分的に動作させることと、
ピンチ弁を閉じることと、
ピンチ弁に関連する故障を検出するため、圧力か、流量か、又は両方を使用することと、
圧力室内に配設されるガス透過性部材に関連する故障を検出するため、圧力か、流量か、又は両方を使用することと、
を含む、方法。
19.粉体コーティングポンプの故障を検出するための診断方法であって、
圧力室に圧力を加えることによって、ポンプを少なくとも部分的に動作させることと、
圧力室内に配設されるガス透過性部材内の圧力又は流量に関連する故障を検出するため、圧力か、流量か、又は両方を使用することと、
を含む、方法。
20.粉体コーティングポンプの故障を検出するための診断方法であって、
圧力室に圧力を加えることによって、ポンプを少なくとも部分的に動作させることと、
ピンチ弁を閉じることと、
ピンチ弁に関連する故障を検出するため、圧力か、流量か、又は両方を使用することと、
を含む、方法。
21.粉体コーティングポンプの故障を検出するための診断方法であって、
圧力室であって、ポンプ内に配設されたピンチ弁を有する、圧力室に圧力を加えることと、
ピンチ弁に関連する故障を検出するため、圧力か、流量か、又は両方を使用することと、
を含む、方法。
22.診断デバイスであって、粉体コーティング材料を圧送するポンプと、上記ポンプに非常に接近した光源とを備え、上記光源は、オン状態及びオフ状態を有し、上記オン状態及び上記オフ状態の一方又は両方は、ポンプ性能に関する情報を提供する、診断デバイス。
23.上記ポンプを見る観測者は、同様に、上記ランプの上記オン状態及び上記オフ状態を観測することができる、22に記載の診断デバイス。
本発明は、例示的な実施形態を参照して述べられた。本明細書及び図面を読み理解すると、修正及び変更が想到されるであろう。本発明は、全てのこうした修正及び変更を、それらが添付特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り含むことを意図される。