JP6738182B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
この構成では、光パルス試験機から監視用光ファイバへ試験光(光パルス)を入射しその戻り光を観測する試験(光パルス試験)を定時的に繰り返し実施し、監視用光ファイバの断線有無を監視する。光ファイバケーブルが切断されれば、光パルス試験を行なったとき、光パルス試験機にて監視用光ファイバの切断箇所よりも遠い所からの戻り光が観測されなくなるため、監視用光ファイバの断線が検知される。また、光ファイバケーブルの切断等によって光ファイバの断線が生じれば、受信側通信装置からの受信装置出力信号の出力が無い状態が継続する。
上述した従来の遠隔通信にあっては、受信側通信装置からの受信装置出力信号の出力が無いことで何等かの障害発生を把握できるものの、障害発生箇所が、送信側通信装置と受信側通信装置との間の通信路(通信ケーブル)、送信側通信装置のいずれであるのかが判明しない。従来は、障害発生の把握後、障害発生箇所の特定のため、点検員が送信側通信装置、通信ケーブルの設置場所へ出向いて異常の有無調査する。このため、障害発生箇所の特定に時間を要していた。
光ファイバケーブルを利用した遠隔通信において光ファイバケーブルに確保した監視用光ファイバに光パルス試験機を接続した構成では、光ファイバケーブルの特定箇所の切断を監視用光ファイバの光パルス試験によって把握できる。しかしながら、この構成では、光ファイバケーブルの光ファイバのうち、通信用光ファイバが断線し、監視用光ファイバに断線が生じていない場合(部分断線)は、障害発生箇所が、光ファイバケーブル、送信側通信装置のいずれであるのかが判明しない。
第1の態様は、送信側通信装置と、前記送信側通信装置から出力され光ファイバである通信路を介して有線伝送された光信号である通信信号を受信する受信側通信装置と、前記通信路の前記送信側通信装置側に設けられて、前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を検出する送信側通信信号監視装置と、前記通信路の前記受信側通信装置側に設けられて、前記送信側通信装置から出力され前記通信路によって有線伝送された前記通信信号を検出する受信側通信信号監視装置と、前記送信側通信信号監視装置が前記通信信号を検出したときに出力する検出信号、及び前記受信側通信信号監視装置が前記通信信号を検出したときに出力する検出信号を受信し、前記検出信号の受信有無を時刻に関連付けた管理データを生成する通信状態監視装置と、前記通信路の前記送信側通信装置側の端部に前記送信側通信信号監視装置よりも前記受信側通信装置の側にて光カプラを介して接続可能であり接続した前記通信路に光信号である試験信号を送出する試験信号発生装置とを有し、前記光カプラは前記試験信号発生装置から送出された前記試験信号を前記通信路に前記受信側通信装置に向かって入射させるように構成され、前記通信路の送信側端部に接続された前記試験信号発生装置から前記通信路に前記試験信号を送出させ前記通信路の断線の有無を調べる断線試験を、前記送信側信号監視装置での前記通信信号の検出が途絶した後、予め設定した試験待機時間の経過したときに自動で行なうように構成され、しかも操作端末から前記通信状態監視装置への試験動作指令の入力により前記断線試験を実行可能であり、前記受信側通信信号監視装置は前記試験信号発生装置から送出され前記通信路によって有線伝送された前記試験信号を検出可能であり、前記通信状態監視装置は前記受信側通信信号監視装置が前記試験信号を検出したときに出力する検出信号を受信し当該検出信号の受信有無を時刻に関連付けた管理データを生成する、ことを特徴とする通信システムである。
第2の態様は、第1の態様の通信システムにおいて、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間に延在する光ファイバケーブルである通信ケーブルを有し、前記通信ケーブルの延在方向両側のそれぞれに前記送信側通信装置及び前記受信側通信装置を有し、前記通信ケーブルは、その延在方向一端側の前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を延在方向他端側の前記受信側通信装置へ伝送する第1通信路、及び延在方向他端側の前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を延在方向一端側の前記受信側通信装置へ伝送する第2通信路、を含む前記通信路を複数有し、前記第1、第2通信路と前記送信側通信装置との間には前記送信側通信信号監視装置が設けられ、前記第1、第2通信路と前記受信側通信装置との間には前記受信側通信信号監視装置が設けられていることを特徴とする通信システムである。
第3の態様は、第1〜2のいずれか1つの態様の通信システムにおいて、前記送信側通信信号監視装置及び前記受信側通信信号監視装置は前記通信信号の強度を計測し、計測した信号強度データを前記通信状態監視装置へ送信する機能を有し、前記通信状態監視装置は、前記送信側通信信号監視装置が計測した前記通信信号の強度から前記受信側通信信号監視装置が計測した前記通信信号の強度を差し引いた差分値を表示モニタに表示させる機能、あるいは前記差分値が予め設定した上限値よりも大きいときにシステム管理者へ異常発生を報知するための異常発生報知信号を出力する機能を有することを特徴とする通信システムである。
第4の態様は、第1〜3のいずれか1つの態様の通信システムにおいて、前記通信状態監視装置に接続され、前記通信状態監視装置が生成した管理データを格納する情報蓄積装置をさらに有することを特徴とする通信システムである。
第5の態様は、第1〜4のいずれか1つの態様の通信システムにおいて、前記通信状態監視装置に接続され、前記通信状態監視装置が前記管理データに基づく管理データ表示画面を表示させる表示モニタをさらに有することを特徴とする通信システムである。
図1は、本発明の第1実施形態の通信システム10を示す。
図1に示す通信システム10は、送信側通信装置11と、送信側通信装置11から離隔させて設けられた受信側通信装置12と、送信側通信装置11から出力された通信信号を受信側通信装置12へ有線伝送する通信路13とを有している。また、この通信システム10は、通信路13の送信側(送信側通信装置11側)及び受信側(受信側通信装置12側)にそれぞれ設けられた通信信号監視装置14、15と、試験信号発生装置16と、通信状態監視装置17と、情報蓄積装置18、も有している。
図1に示すように、通信システム10は、通信状態監視装置17に接続された表示モニタ17aも有している。
送信側信号監視装置14及び試験信号発生装置16は、送信側通信装置11から出力された通信信号を通信路へ伝送するための伝送経路19a(装置接続伝送路。以下、送信側装置接続伝送路、とも言う)に設けられている。図1において、送信側装置接続伝送路19aと通信路13との接続点19apは、送信側信号監視装置14の通信路13側に位置する。
送信側通信装置11は送信側装置接続伝送路19aを介して通信路13と接続されている。送信側通信装置11から出力された通信信号は送信側装置接続伝送路19aを介して通信路13へ送出される。
通信路送信側通信装置11から通信路13に送出された通信信号は、通信路13の受信側の端から受信側装置接続伝送路19bを介して受信側通信装置12に到達し受信側通信装置12にて受信される。
送信側通信装置11が出力する通信信号及び受信側通信装置12が受信する通信信号は光信号である。
受信側信号監視装置15は、送信側通信装置11から送出され通信路13から受信側通信装置12へ導かれる通信信号の信号強度を計測する。図1に示す通信システム10において、受信側信号監視装置15は、具体的には、通信路13から導かれて受信側装置接続伝送路19bを伝搬する通信信号の信号強度を計測する。また、受信側信号監視装置15は、計測した信号強度(信号強度データ)に対応する信号を通信状態監視装置17へ送信する。
通信信号監視装置14、15が計測した信号強度データ(計測信号強度)に対応する信号は通信状態監視装置17へ有線伝送または無線伝送される。
また、送信側計測強度データに対応する信号強度を送信側計測信号強度、受信側計測強度データに対応する信号強度を受信側計測信号強度とも言う。
なお、通信信号監視装置による計測強度データは具体的には信号パワーである。
この実施形態の通信システム10の通信状態監視装置17は、具体的には、通信状態監視装置17が受信した送信側計測信号強度P1及び受信側計測信号強度P2と、差分値ΔPとを時刻に関連付けた管理データを生成する。管理データは送信側計測信号強度P1、受信側計測信号強度P2、差分値ΔPを時刻の経過に伴い連続的に関連付けたデータである。
図2、図3に例示した管理データ表示画面Sには、時間軸を横軸とする座標平面S1、S2、S3が存在する。通信状態監視装置17は、生成した管理データを、表示モニタ17aの管理データ表示画面Sの座標平面にグラフ形態で表示させる。
また、各座標平面S1、S2、S3は、図2、図3の管理データ表示画面S左右方向において、互いの時間軸T(横軸。時刻)を互いに平行に揃え、かつ時間軸Tにおける時刻も互いに同じに揃えて設けられている。
送信側、受信側の強度表示座標平面S1、S2の縦軸は信号強度P1、P2(dBm)である。差分表示座標平面S3の縦軸は差分値ΔP(dBm)である。
各座標平面S1、S2、S3の縦軸はそれぞれ上側に行くほど信号強度の値が大きい。
各座標平面S1、S2、S3の時間軸Tには、その延在方向複数箇所に秒表示TSが設けられている。
各座標平面S1、S2、S3の時間軸T左端の秒表示TSは、管理データ表示画面Sの年月日時分表示Dの年月日時分における秒を示す。各座標平面S1、S2、S3の時間軸T付されている秒表示TSは、管理データ表示画面Sにおける左端に位置するものが最も早い時刻であり、管理データ表示画面S右側へ行くほど後の時刻を示す。
例えば、図2、図3の管理データ表示画面Sの年月日時分表示Dの「YYYY−MM−DD−hh:mm」はYYYY年MM月DD日hh時mm分を示す。図2、図3の管理データ表示画面Sに表示されている座標平面S1、S2、S3の時間軸T方向左端の「20」はYYYY年MM月DD日hh時mm分20秒を表す。
情報蓄積装置18から通信状態監視装置17に取り込んだ管理データは、例えば時間軸を横軸とするグラフ形態(例えば図2、図3と同様のグラフ形態)で表示モニタ17aに表示できる。
この実施形態では、通信状態監視装置17による管理データ表示画面Sの表示更新をリアルタイム(あるいは所要処理時間が0.1秒以内)で行なうものとして説明する。但し、通信状態監視装置17は、信号強度データの計測信号強度を信号強度データの通信状態監視装置17における受信時刻に関連付けた管理データを生成し、管理データ表示画面Sに表示させる。
各座標平面S1、S2、S3の時間軸T及び縦軸の、管理データ表示画面Sにおける位置は時間経過に対して変化しない。管理データ表示画面Sの年月日時分表示D、各座標平面S1、S2、S3の時間軸Tの秒表示TSは、時間経過とともに更新されていく。
なお、通信状態監視装置17も、プリンタ、外付け形記憶装置等の電子機器を脱着可能に接続でき、接続した電子機器への管理データの出力が可能である。
試験信号発生装置16は通信路13の送信側端部に接続可能に設けられている。試験信号発生装置16は通信路13の送信側端部に試験信号を送出可能に接続されているか、あるいは通信路13の送信側端部に対する接続と接続解除とを切替可能となっている。
通信システム10は、送信側信号監視装置14での通信信号の検出が途絶すると断線試験動作を開始する。断線試験動作は、送信側信号監視装置14での通信信号の検出が途絶したときに通信状態監視装置17にて試験待機時間の計時を開始し、試験待機時間を経過したときに既述の断線試験を自動で行なう。
通信状態監視装置17は、試験信号発生装置16に試験信号送出指令を出力して、試験信号発生装置16に試験信号の送出動作を実行させる試験動作指令出力部を兼ねる。
試験待機時間は、例えば数秒〜1分の範囲が好適である。試験待機時間は1分を超える時間長さに設定しても良い。
試験信号送出時間は、例えば1秒以下、あるいは0.01秒以下の短時間であるが、例えば1〜10秒の範囲で設定しても良い。
通信システム10は、通信システム10管理者(以下、システム管理者、とも言う)が図示略の操作端末を操作して通信状態監視装置17に試験動作指令を入力し断線試験を実行させることも可能である。
送信側装置接続伝送路19aにおける試験信号発生装置16の接続箇所(断線試験時に試験信号発生装置16から試験信号が入力される箇所。以下同)は、送信側装置接続伝送路19aにおける送信側信号監視装置14の設置箇所(具体的には送信側信号監視装置14の送信側装置接続伝送路19aからの信号強度取得箇所。以下同)よりも受信側に位置する。このため、通信装置間伝送路における試験信号発生装置16接続箇所から受信側の範囲に断線(障害)が無ければ、試験信号発生装置16から通信路13へ送出した試験信号が受信側信号監視装置15にて検出される(試験信号の信号強度の計測値が得られる。図3の座標平面S2の信号強度16P2を参照)。送信側信号監視装置14では試験信号発生装置16から送出された試験信号は検出されない(図3の座標平面S1を参照)。
通信システム10は、通信装置間伝送路における通信信号監視装置の設置箇所に通信信号が存在しないときに、通信信号監視装置の信号出力特性等によって、微弱な信号強度(以下、非検出時信号強度)が観測される構成も採り得る。この構成の場合、信号検出判定閾値は非検出時信号強度に比べて僅かに高く設定される。
信号検出判定閾値は信号強度適正下限値14B、15Bよりも低く設定される。
このため、通信状態監視装置17が受信した計測強度データから把握される計測信号強度が信号検出判定閾値よりも低い値であるか、計測強度データの受信が無い、時刻については、強度表示座標平面S1、S2の該当時刻に計測信号強度が表示されない。
また、通信状態監視装置が受信した計測強度データの計測信号強度が信号検出判定閾値よりも低い(小さい)値であるとき、計測強度データの受信が無いとき、のいずれも、通信状態監視装置での信号強度データの受信が無い、状態として扱うものとする。
また、本明細書では、送信側、受信側の通信信号監視装置の個々について、通信状態監視装置での計測強度データの受信が有る状態から無い状態に遷移したとき、通信信号監視装置での通信信号の検出の、途絶、が生じたものとして扱う。
既述のように、正常動作する送信側通信装置11から通信路13への通信信号の送出は連続(信号送出の無い時間が通信状態監視装置17にて識別不可能なレベルの短時間である実質連続も含む)して行なわれる。
通信状態監視装置17は、送信側計測強度データ及び受信側計測強度データの両方の受信が有る状態から、送信側計測強度データ及び受信側計測強度データの少なくとも片方の受信途絶が生じれば、障害発生有りを判定する。
通信システム10が出力する障害発生報知情報は、例えば、表示モニタ17aに設けられたスピーカー等からの警報音(音情報)の出力、回転灯等のランプの点灯による光情報の出力などであっても良い。
なお、障害発生報知情報を出力する機器を、以下、障害発生報知情報出力機器とも言う。障害発生報知画像を表示する表示モニタ17a、警報音(音情報)を出力するスピーカー、障害発生報知情報を光情報によって出力するランプは、障害発生報知情報出力機器に該当する。
通信状態監視装置17は、送信側施設及び受信側施設の一方又は両方から離隔した位置に設置される。表示モニタ17aは通信状態監視装置17の近傍(例えば通信状態監視装置17が設置されている施設)に設置される。
通信状態監視装置17及び表示モニタ17aの設置場所は送信側施設又は受信側施設であっても良い。
また、送信側信号監視装置14及び受信側信号監視装置15は、例えば、通信装置間伝送路の途中に通信装置間伝送路から分岐あるいは並列に接続された伝送路(計測用伝送路)に設けるなど、故障しても通信装置間伝送路の通信信号伝送の障害にならない形態で設けられる。
このため、通信システム10の送信側通信装置11から受信側通信装置12への通信信号の正常伝送の維持は、送信側通信装置11の故障の有無、通信路13の断線の有無、に左右される。
その結果、システム管理者は、表示モニタ17aの管理データ表示画面Sから、送信側通信装置11の故障の有無、通信路13の断線の有無、通信路13の断線の有無を目視把握できる。
通信システム10は、表示モニタ17aの管理データ表示画面Sによって、障害発生の有無、障害発生箇所(送信側通信装置11又は通信路13)を、システム管理者が目視把握可能に表示できる。
通信システム10の通信動作(送信側通信装置11から受信側通信装置12への通信信号伝送による遠隔通信)中に通信路13の断線が生じたときは、受信側信号監視装置15による通信信号の検出が途絶する。このため、通信状態監視装置17における受信側計測強度データの受信が途絶する(例えば図2の管理データ表示画面Sの受信側強度表示座標平面S2を参照)。
一方、送信側信号監視装置14による通信信号の検出は通信路13の断線発生後も継続する。通信状態監視装置17における送信側計測強度データの受信も継続する(例えば図2の管理データ表示画面Sの送信側強度表示座標平面S1を参照)。
したがい、管理データ表示画面Sから受信側計測強度データの受信途絶と送信側計測強度データの受信継続とが把握されれば、通信システム10の通信路13の断線が生じていることが判る。
したがい、管理データ表示画面Sから送信側計測強度データ及び受信側計測強度データの受信途絶が把握されれば、送信側通信装置11の故障が生じていることが判る。
したがい、通信状態監視装置17における送信側、受信側の信号監視装置14、15からの計測強度データの受信有無を目視可能に表示する管理データ表示画面Sは、障害発生の有無、障害発生箇所(送信側通信装置11又は通信路13)を、システム管理者が目視で把握可能である。
通信状態監視装置17における送信側、受信側の計測強度データの受信有無を目視可能に表示する管理データ表示画面Sは、システム管理者による障害発生箇所の位置の特定に有効に利用できる。また、障害発生の有無を目視把握可能に表示する管理データ表示画面Sの表示情報は、これ自体も障害発生報知情報として機能する。
また、従来から、送信側通信装置から受信側通信装置へ通信路を介して通信信号を伝送する通信システム(但し、通信信号監視装置、通信状態監視装置は有していない)にあっては、送信側通信装置と受信側通信装置との間に通信路とは別ルートで布設した通信ケーブルによって予備通信路を確保し、受信側通信装置での通信信号の受信途絶時あるいは受信側通信装置の故障時に受信側通信装置から出力される障害検知信号を受信した送信側通信装置が、通信信号の伝送を通信路から予備通信路へ切り替え、送信側通信装置から受信側通信装置への通信信号の伝送を継続する構成が広く採用されている。
通信システム10は、送信側通信装置11から受信側通信装置12へ伝送される通信信号の受信側通信装置12における受信途絶の原因となる障害発生の検知、障害発生箇所のシステム管理者による把握を容易にするものである。
通信状態監視装置17において、送信側計測強度データ及び受信側計測強度データの両方の受信が有る状態から、送信側計測強度データ及び受信側計測強度データの少なくとも片方の受信途絶が生じた時刻を、以下、監視信号途絶時刻Aとも言う。
図2に示す管理データ表示画面Sは時間軸T方向における監視信号途絶時刻A付近を示す。
なお、図2、図3の管理データ表示画面Sに例示された監視信号途絶時刻AはYYYY年MM月DD日hh時mm分40秒である。
図2に示す管理データ表示画面Sは、システム管理者による障害発生箇所の探索を通信路13に限定することができる。
図3に示す管理データ表示画面Sは時間軸T方向における監視信号途絶時刻A付近を示す。
図3の管理データ表示画面Sの各強度表示座標平面S1、S2に示すように、送信側通信装置11が故障した場合は、送信側、受信側の信号監視装置14、15での通信信号の検出が途絶する(信号強度が計測されなくなる)。その結果、通信状態監視装置17での送信側及び受信側の計測強度データの受信が途絶する。
図3の管理データ表示画面Sの各強度表示座標平面S1、S2において、送信側、受信側の信号監視装置14、15にて計測の信号強度P1、P2は、監視信号途絶時刻Aから前の時刻にて、それぞれ時間経過に対して実質的に一定であり、時間軸Tに沿って延在する直線状のグラフ形状となっている。
通信状態監視装置17での受信側計測強度データの受信途絶時刻は、実際には、通信装置間伝送路における送信側信号監視装置14設置箇所から受信側信号監視装置15設置箇所までの通信信号の所要伝送時間の分だけ監視信号途絶時刻Aよりも遅い時刻である。但し、図3の管理データ表示画面Sの各座標平面S1、S2、S3では、その時間軸Tのスケール上、通信状態監視装置17での受信側計測強度データの受信途絶時刻と監視信号途絶時刻Aとを時間軸T方向において同じ位置に表示している。
図3の各強度表示座標平面S1、S2には、監視信号途絶時刻A以降に、受信側信号監視装置15が断線試験にて試験信号発生装置16から通信路13へ送出された試験信号の信号強度の計測結果(試験信号強度16P2)も表示されている。つまり、図3の各強度表示座標平面S2から、受信側信号監視装置15にて試験信号が検出されていることが把握できる。したがって、通信路13の断線が無いことを確認できる。
なお、図3の管理データ表示画面Sの例において、試験信号発生装置16から通信路13への試験信号送出時間は0.1秒以下である。
断線試験にて通信路13の断線が発見された場合は、当該断線箇所の復旧作業及び送信側通信装置11の故障復旧作業の完了後に、復旧作業後断線試験を行なう。
復旧作業後断線試験にて受信側信号監視装置15での試験信号の検出が確認されれば、復旧作業中での通信路13の断線発生が無いことを確認できる。
この場合は、通信路13の断線箇所の復旧作業と、その完了後の復旧作業後断線試験とを、復旧作業後断線試験にて受信側信号監視装置15での試験信号の検出が確認されるまで繰り返し実行し、通信路13の断線を解消する。
通信装置間伝送路における、送信側信号監視装置14設置箇所と受信側信号監視装置15設置箇所(具体的には受信側信号監視装置15の受信側装置接続伝送路19bからの信号強度取得箇所。以下同)との間の部分を、以下、伝送路監視装置間延在部19c、とも言う。
送信側、受信側の信号監視装置14、15が計測した信号強度P1、P2の差分値ΔP(ΔP=P1−P2。以下、信号強度差分値とも言う)は、伝送路監視装置間延在部19cにおける通信信号の伝送損失に相当する。
異常発生による通信路13の伝送損失増大は通信安定性に影響を与える可能性がある。このため、通信路13を構成する光ファイバの局所曲げ等の異常箇所は発見、補修等の対策が望まれる。
通信路13に生じる、断線以外の伝送損失増大を招く異常(例えば通信路13を構成する光ファイバの局所曲げ等)を、以下、非断線異常、とも言う。
また、図2、図3に示すように、通信状態監視装置17は、差分表示座標平面S3に、予め設定した差分上限値ΔPUも表示させる。図2、図3の管理データ表示画面Sに示すように、差分上限値ΔPUは、差分表示座標平面S3にその時間軸Tに平行な直線状(図2、図3では点線)の画像によって表示されている。
信号強度差分値ΔPが差分上限値ΔPU以下であれば、通信路13に非断線異常は発生していない。したがい、信号強度差分値ΔPが差分上限値ΔPU以下であり、通信システム10に障害発生箇所が無ければ、送信側、受信側の通信装置11、12間の通信安定性を保つことが出来る。
なお、図2に示すように、通信路13に断線が生じた場合も、信号強度差分値ΔPは差分上限値ΔPUよりも大きくなる。この場合は、受信側信号監視装置15での通信信号の検出途絶も生じていることを以て、非断線異常ではなく通信路13の断線が生じているものと把握する。
通信システム10管理者は、表示モニタ17aの管理データ表示画面Sを非断線異常の発生の早期発見、異常箇所の早期補修に役立てることができる。
信号強度差分値ΔPは、送信側計測信号強度P1が受信側計測信号強度P2よりも大きい場合のみ、表示モニタ17aの管理データ表示画面Sの差分表示座標平面S3に表示される。
図2、図3に示すように、通信状態監視装置17は、管理データ表示画面Sの送信側、受信側の強度表示座標平面S1、S2に、予め設定した信号強度適正下限値14B、15Bを表示させる。信号強度適正下限値は、送信側、受信側の計測信号強度P1、P2のそれぞれについて設定されている。
受信側強度表示座標平面S2において、受信側計測信号強度P2について設定された信号強度適正下限値15B(以下、受信側信号強度適正下限値、とも言う)は、時間軸Tに平行な直線状(図3では点線)の画像によって表示されている。
なお、受信側信号強度適正下限値15Bは、伝送路監視装置間延在部19cにおける通信信号の伝送損失分だけ、送信側信号強度適正下限値14Bよりも低く設定されている。
送信側通信装置11が通信路13へ送出するべく出力する通信信号の信号強度(出力信号強度)が、送信側通信装置11の経年劣化により、受信側通信装置12での受信精度に影響を与えるレベルにまで低下すれば、通信安定性が低下する。
例えば、システム管理者は、受信側通信装置12での通信信号の受信がある状態にて、送信側計測信号強度P1が送信側信号強度適正下限値14Bよりも低いか、受信側計測信号強度P2が受信側信号強度適正下限値15Bよりも低ければ、信号強度不足と判断し、送信側通信装置11の部品交換等を行なう。そして、送信側通信装置11の部品交換等の作業により、送信側、受信側の計測信号強度P1、P2が信号強度適正下限値14B、15B以上である状態とする。
通信システム10は、送信側、受信側の計測信号強度P1、P2を信号強度適正下限値14B、15B以上に保てるように送信側通信装置11の出力信号強度を確保(管理)することを容易にする。
表示モニタ17aに表示される管理データ表示画面Sは、送信側、受信側の強度表示座標平面S1、S2以外に差分表示座標平面S3も表示する。このため、差分表示座標平面S3から通信路13の非断線異常の有無を把握することで、受信側計測信号強度P2の低下の原因を特定できる。
このため、通信システム10にあっては、通信装置間の通信ケーブルの全心を通信路13(あるいは予備通信路)として利用でき、監視専用の心線を確保する必要が無い。通信システム10は、通信装置間の通信ケーブルに監視線用の伝送路を確保する必要が無いため、通信装置間の通信信号の伝送量増大に有利である。
図4は、本発明に係る第2実施形態の通信システム50を示す。
なお、図4の通信システム50について、第1実施形態の図1の通信システム10と同様の構成部分には共通の符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
また、通信システム50は、通信状態監視装置55、通信状態監視装置55に接続された表示モニタ55a及び情報蓄積装置18、複数の監視ユニット52のそれぞれに対応して設けられたファイバセレクタFS及び試験信号発生装置16、も有している。
図4において、装置接続光ファイバ56は、監視ユニット52を介して光ファイバケーブル53の光ファイバ53cと接続(光接続)されている。
監視ユニット52には光ファイバケーブル53の光ファイバ53cが複数本接続されている。装置接続光ファイバ56は、監視ユニット52を介して光ファイバケーブル53の複数本の光ファイバ53cの個々に1本ずつ接続されている。
互いに異なる施設の通信装置51間の通信は、より具体的には、光ファイバケーブル53の光ファイバ53cの両端にそれぞれ監視ユニット52を介して装置接続光ファイバ56が光接続された構成の通信装置間伝送路530を介して行なわれる。
送信部51aは、レーザーダイオード(LD)等の発光素子と、発光素子の発光動作を制御するドライバ回路とを有する。送信部51aは、発光素子にて発生させた通信光(通信信号。光信号)を装置接続光ファイバ56へ送出する光出力部である。
受信部51bは、フォトダイオード(PD)等の受光素子と、通信光受光時(通信信号受信時)の受光素子からの出力に応じて電気信号を出力する信号処理回路とを有する。受信部51bは、受光素子での通信光(通信信号)の受光に応じて電気信号を出力(通信信号を光信号から電気信号に光電変換)する受光部である。
受信部51bから出力された電気信号は、受信部51bに電気的に接続されている電子機器に入力される。
通信装置51の受信部51bは受信側通信装置として機能する。
送信部51a及び受信部51bを有する通信装置51は、送信側通信装置と受信側通信装置とを兼ねる。
なお、以下、通信装置51の送信部51aを通信装置送信部、通信装置51の受信部51bを通信装置受信部、とも言う。
図4では、各光ファイバケーブル53の光ファイバ53cのうち、光ファイバケーブル53の延在方向両側の通信装置51間(より具体的には監視ユニット52間)の通信路53a、53bに割り当てた2心のみを図示している。但し、光ファイバケーブル53は、図5に示すように、通信路53a、53bに割り当てた2心以外に、予備通信路の確保のための予備光ファイバ53dに割り当てた2心を含む4心の光ファイバ53cを有している。
以下、通信装置51の送信部51a、受信部51bのうち、通信装置間主伝送路530Aと光接続されているものを、第1送信部51a1(あるいは通信装置第1送信部)、第1受信部51b1(あるいは通信装置第1受信部)とも言う。
また、通信装置51の送信部51a、受信部51bのうち、通信装置間予備伝送路530Bと光接続されているものを、以下、第2送信部51a2(あるいは通信装置第2送信部)、第2受信部51b2(あるいは通信装置第2受信部)とも言う。
但し、光ファイバケーブル53の光ファイバ53cは、通信路53a、53b又は予備光ファイバ53dに割り当てられるものであり、通信路53a、53b、予備光ファイバ53dのいずれにも使用されない監視用専用の光ファイバを含まない。
光ファイバ心線は、例えば単心光ファイバ心線であるが、この他、光ファイバテープ心線であっても良い。また、光ファイバケーブル53の光ファイバ53cは光ファイバ素線であっても良い。
なお、図4、図5に示す光ファイバケーブル53の光ファイバ53cは、光ファイバケーブル53の光ファイバ1心を指す。
第1通信装置511と第2通信装置512との間には、第1通信装置511の送信部51aと第2通信装置512の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bと、第2通信装置512の送信部51aと第1通信装置511の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bとが設けられている。
第1通信装置511の送信部51aと第2通信装置512の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第1通信装置511の送信部51aから送出された通信信号を第2通信装置512の受信部51bへ伝送する。
第2通信装置512の送信部51aと第1通信装置511の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第2通信装置512の送信部51aから送出された通信信号を第1通信装置511の受信部51bへ伝送する。
第1通信装置511と第3通信装置513との間には、第1通信装置511の送信部51aと第3通信装置513の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bと、第3通信装置513の送信部51aと第1通信装置511の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bとが設けられている。
第1通信装置511の送信部51aと第3通信装置513の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第1通信装置511の送信部51aから送出された通信信号を第3通信装置513の受信部51bへ伝送する。
第3通信装置513の送信部51aと第1通信装置511の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第3通信装置513の送信部51aから送出された通信信号を第1通信装置511の受信部51bへ伝送する。
第2通信装置512と第3通信装置513との間には、第2通信装置512の送信部51aと第3通信装置513の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bと、第3通信装置513の送信部51aと第2通信装置512の受信部51bとの間を光接続する通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bとが設けられている。
第2通信装置512の送信部51aと第3通信装置513の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第2通信装置512の送信部51aから送出された通信信号を第3通信装置513の受信部51bへ伝送する。
第3通信装置513の送信部51aと第2通信装置512の受信部51bとの間を光接続する通信装置間伝送路530は、第3通信装置513の送信部51aから送出された通信信号を第2通信装置512の受信部51bへ伝送する。
光強度計測器54は、通信装置51の送信部51aから送出され通信装置間伝送路530を通る通信光の強度(光強度)を計測する。光強度計測器54は具体的には光パワーメータである。
図4に示す通信システム50において、光強度計測器54は、通信装置間伝送路530における通信路と装置接続光ファイバ56との間の部分を通る通信光の光強度を計測する。
図4に示す通信システム50において、光強度計測器54は通信装置間主伝送路530A毎に設けられている。
図5に示すように、各監視ユニット52において光強度計測器54は通信システム50の各通信装置間予備伝送路530Bにも設けられている。
接続ポート52e、52fは監視ユニット52の筐体52aに取り付けられている。
図5に例示する監視ユニット52は8本の中継光ファイバ52bを有している。各中継光ファイバ52bは、それぞれ延在方向両端部を接続ポート52e、52fに組み込んで設けられている。図5に例示した各監視ユニット52は装置側、線路側の接続ポート52e、52fを8つずつ有している。
中継光ファイバ52bの延在方向他端部は、他側接続ポート52fにて光ファイバケーブル53の光ファイバ53cとコネクタ接続(光接続)されている。
監視ユニット52の筐体52aにおいて装置側接続ポート配列領域及び線路側接続ポート配列領域は互いに異なる位置に設けられている。監視ユニット52の筐体52aにおける装置側接続ポート配列領域及び線路側接続ポート配列領域の位置は、例えば箱形の筐体52aの同一面の互いに異なる位置であっても良い。
中継光ファイバ52bの本数は、例えば装置側接続ポート52eの数及び線路側接続ポート52fの対の数と同じである。
光スプリッタ52g、52iは、中継光ファイバ52b延在方向において装置側接続ポート52eと線路側接続ポート52fとの間に設けられている。
装置側光スプリッタ52gは、中継光ファイバ52bに装置側接続ポート52e側から入射され中継光ファイバ52bを線路側へ向かって伝搬する光の一部を分岐光ファイバ52hへ分岐させる。
線路側光スプリッタ52iは、中継光ファイバ52bに線路側接続ポート52f側から入射され中継光ファイバ52bを装置側へ向かって伝搬する光の一部を分岐光ファイバ52jへ分岐させる。
以下、装置側光スプリッタ52gにて中継光ファイバ52bから分岐された分岐光ファイバ52h先端面に対面配置された光強度計測器54を装置側光強度計測器54a、線路側光スプリッタ52iにて中継光ファイバ52bから分岐された分岐光ファイバ52j先端面に対面する位置に設けられた光強度計測器54を線路側光強度計測器54b、とも言う。
線路側光強度計測器54bは、中継光ファイバ52bに線路側接続ポート52f側から入射された光の一部を分岐光ファイバ52jを介して受光してその光強度を計測する。
図5に示すように、各通信装置間主伝送路530A及び各通信装置間予備伝送路530Bには、その延在方向両端部の2箇所ずつ、計4箇所に光強度計測器54が設けられている。
但し、通信装置間伝送路530の4箇所の光強度計測器54のうち、通信装置間伝送路530を通信装置送信部51aから通信装置受信部51bへ向かって伝搬する通信光を受光可能なものは、送信部51a側の監視ユニット52の装置側光強度計測器54aと、受信部51b側の監視ユニット52の線路側光強度計測器54bである。
これに対して、通信装置間予備伝送路530Bに対応して設けられた光強度計測器54はいずれも通信状態監視装置55と接続されていない。通信装置間予備伝送路530Bに対応して設けられた光強度計測器54の計測強度データは通信状態監視装置55へ伝送されず、通信状態監視装置55での管理データの生成に利用されない。
また、監視ユニット52は、筐体52a内に光強度計測器54を収容した構成に限定されない。監視ユニット52は、例えば、光強度計測器54が筐体52a外側に配置され、分岐光ファイバが筐体52a内の光スプリッタから筐体52a外側の光強度計測器54まで延在する構成も採用可能である。
通信装置間伝送路530の送信側信号監視装置541及び受信側信号監視装置542は計測強度データを通信状態監視装置55へ送信する。
通信状態監視装置55は、通信装置間主伝送路530Aの4箇所の光強度計測器54のうち送信部側信号監視装置541及び受信側信号監視装置542から受信した計測強度データを管理データの生成に用いる。
通信信号監視装置が計測する信号強度は具体的には信号パワーである。
通信状態監視装置55は、通信装置間主伝送路530A毎に、送信側計測強度データP541と受信側計測強度データP542とから差分値ΔP(ΔP=P541−P542)を算出する機能も有する。
情報蓄積装置18から通信状態監視装置55に取り込んだ管理データは、例えば時間軸を横軸とするグラフ形態(例えば図2、図3と同様のグラフ形態)で表示モニタ55aに表示できる。
図5に示すように、光カプラ52kは監視ユニット52の筐体52a内に収容されている。
図5に示すように、ファイバセレクタFSには、ファイバセレクタFSが設置されている施設の監視ユニット52の筐体52aから外側へ引き出された試験光伝送光ファイバ52mの先端部が引き込まれている。
ファイバセレクタFSは、試験用接続光ファイバ16aを、複数本の試験光伝送光ファイバ52mに対して切り替え接続する。
図5の通信システム50のファイバセレクタFSは、単心光ファイバである試験用接続光ファイバ16aを、複数本の単心光ファイバである試験光伝送光ファイバ52mに対して切り替え接続する。
試験信号発生装置16は、送信側信号監視装置541及び受信側信号監視装置542にて信号強度を計測可能な試験光を送出可能なものであれば、その具体的構成に特には限定は無い。試験信号発生装置16は例えば光パルス試験機等も採用可能である。
各双方向通信系CAの2つの片側通信系Cの一方は第1通信路53a、他方は第2通信路53bを含む。各双方向通信系CAの2つの片側通信系Cの通信信号伝送方向は互いに逆向きになっている。
各双方向通信系CAには、2つの片側通信系Cに2つずつ(送信側信号監視装置541及び受信側信号監視装置542)、計4つの通信信号監視装置が設けられている。
通信状態監視装置55は、通信信号監視装置から受信した計測強度データの計測信号強度が予め設定された信号検出判定閾値以上であるときに、通信信号監視装置での通信信号の検出を有りと判定する。また、通信状態監視装置55は、受信した計測強度データから把握される計測信号強度が信号検出判定閾値よりも低い値であるか、計測強度データの受信が無いときに、通信信号監視装置での通信信号の検出を無しと判定する。
本実施形態では、通信状態監視装置55が通信信号監視装置での通信信号の検出を有りと判定するとき、通信信号監視装置での通信信号の検出が有るものとして扱う。また、通信状態監視装置55が通信信号監視装置での通信信号の検出を無しと判定するとき、通信信号監視装置での通信信号の検出が、無い、ものとして扱う。
送信側計測信号強度及び受信側計測信号強度のそれぞれについて、送信側通信装置11から出力される通信信号の強度範囲に応じた範囲(強度範囲)の下限値を、以下、信号強度適正下限値、とも言う。信号検出判定閾値は、通信システム50の各通信信号監視装置の計測信号強度のそれぞれについて、信号強度適正下限値と同じか、信号強度適正下限値よりも低く設定される。
なお、通信システム50は、通信装置間伝送路における通信信号監視装置の設置箇所に通信信号が存在しないときに、通信信号監視装置の信号出力特性等によって、通信状態監視装置55にて信号強度適正下限値に比べて低い(値が小さい)微弱な信号強度(以下、非検出時信号強度)が観測される構成も採り得る。非検出時信号強度が観測される構成の場合、信号検出判定閾値は、送信側、受信側の計測信号強度のそれぞれについて、信号強度適正下限値と非検出時信号強度との間の値に設定する。
通信状態監視装置55は、通信システム50の全ての通信信号監視装置について通信信号の検出が把握(通信信号の検出が有りと判定)されるときに、通信システム50の障害発生を無しと判定する。また、通信状態監視装置55は、通信システム50に通信光の検出を無しと判定される通信信号監視装置が1以上存在する場合に通信システム50の障害発生を有りと判定(障害発生を検知)する。
通信システム50でも、第1実施形態の通信システム10にて採用可能な障害発生報知情報出力機器を採用できる。通信状態監視装置55は、通信システム50の障害発生を検知したときに、障害発生報知情報出力機器から障害発生報知情報を出力させる。
通信システム50の通信信号監視装置の1以上に通信光の検出途絶(通信状態監視装置55における通信信号監視装置での通信光の検出有無判定が有りの状態から無しの状態に遷移)が生じたときには、通信状態監視装置55は障害発生報知情報出力機器から障害発生報知情報を出力させる。
図5に示すように、第2実施形態の通信システム50において、中継光ファイバ52cの装置側光スプリッタ52gは通信装置間伝送路530における送信側信号監視装置541の装置接続伝送路からの信号強度取得箇所として機能する。線路側光スプリッタ52iは、受信側信号監視装置542の装置接続伝送路からの信号強度取得箇所として機能する。
また、図5に示すように、通信信号監視装置は、装置接続伝送路から分岐された分岐光ファイバを介しての先端に対面配置されており、故障しても通信装置間伝送路530の通信信号伝送に影響を与えない。
このため、通信システム50の通信装置51間の通信維持は、通信装置間主伝送路530Aの延在方向両側の通信装置51の故障の有無、通信路53a、53bの断線の有無、によって左右される。
また、通信状態監視装置55が表示モニタ55aに表示させる管理データ表示画面は、障害発生箇所(通信装置送信部51a又は通信路)のシステム管理者による目視把握を可能にするものである。
但し、通信状態監視装置55は、通信信号監視装置に通信光の検出途絶が観測された場合、通信光の検出途絶が観測された通信信号監視装置が位置する双方向通信系CAの2つの片側通信系Cの管理データ表示画面の更新を停止し、各座標平面について、監視信号途絶時刻A(通信信号監視装置における通信光の検出途絶が観測された時刻)が時間軸T(横軸)中央部に位置する状態を維持する。このときの管理データ表示画面を、以下、障害検知時表示画面とも言う。障害検知時表示画面の維持は、通信状態監視装置55の操作端末からの指令入力によって解除される。
通信光の検出途絶が観測された通信信号監視装置が位置する双方向通信系CA以外の双方向通信系CAの片側通信系Cに関する管理データ表示画面は、通信光の検出途絶の観測後も更新を継続する。
また、管理グラフ表示画面を表示モニタ55aに表示させる通信状態監視装置55は、その操作端末の操作によって、表示モニタ55aに表示させる片側通信系C毎の管理データ表示画面の選択、切り替え、が可能である。
通信状態監視装置55が表示モニタ55aに表示させる管理データ表示画面は、例えば、図7(a)、(b)に示すように、施設毎に、その施設に位置する複数の通信信号監視装置のそれぞれの計測信号強度の計測値(数値)を表示する構成も採用可能である。
図6、図7(a)、(b)に示す警報一覧表示画面S11及び管理データ表示画面S12については後で説明する。
通信装置送信部51a(具体的には、そのドライバ回路)には、接続電子機器から出力された情報信号を構成する電気信号が通信装置51の信号伝送回路を介して入力される。通信装置送信部51aは、入力された情報信号を電気信号から光信号に変換し、変換後の光信号(情報信号)を通信装置間伝送路530へ送出する。
通信装置受信部51bは、通信装置間伝送路530から受信した情報信号を光信号から電気信号に変換し、変換後の電気信号(情報信号)を受信部51bに電気的に接続されている接続電子機器に通信装置51の信号伝送回路を介して入力する。
通信装置送信部51aから送出される搬送光は、通信装置送信部51aからの情報信号等の信号送出が無いとき、予め設定された波長、周波数、信号強度(振幅)を安定に保つ。通信装置送信部51aは、1種類、あるいは波長が互いに異なる複数種類の搬送光を通信装置間伝送路530へ送出する。通信装置送信部51aは、波長が互いに異なる複数種類の搬送光を通信装置間伝送路530へ送出する構成である場合、複数種類の搬送光を情報信号の送出に利用する構成を採用可能である。
搬送光、及び搬送光を変調した光信号は、いずれも通信光に相当する。
また、監視・制御部は、通信装置51の受信部51aの光電変換動作を監視し、受信部51bが属する双方向通信系CAの障害発生を検知したときに、信号伝送回路の動作を制御して、情報信号を通信装置間伝送路530へ送出させる送信部51aの変更等を行う機能も有している。
監視・制御部は、通信装置第1受信部51b1から処理回路動作信号を受信しているとき、受信した処理回路動作信号を出力した第1受信部51b1が属する双方向通信系CAの第1送信部51a1から通信装置間主伝送路530Aへ、監視・制御部での処理回路動作信号の受信を示す光信号(変換動作確認信号)を送出させる。監視・制御部は、通信装置第1受信部51b1からの処理回路動作信号の受信が継続しているとき、通信装置第1送信部51a1に通信装置間主伝送路530Aへの変換動作確認信号の送出を継続的に実行させる。
但し、監視・制御部は、1以上の第1受信部51b1からの処理回路動作信号の受信が途絶したとき、処理回路動作信号の受信が途絶した第1受信部51b1が属する双方向通信系CAの送信部51aに通信装置間主伝送路530Aへの変換動作確認信号の送出を実行させない。
監視・制御部は、変換動作確認信号を受信しているとき、通信装置51において、変換動作確認信号が受信された双方向通信系CAに属する通信装置第1送信部51a1からの情報信号の送出を保つ。
監視・制御部での通信装置第1受信部51b1からの変換動作確認信号の受信途絶は、通信装置第1受信部51b1と通信装置間主伝送路530Aを介して光接続されている通信装置送信部51aの処理回路動作信号の受信途絶による変換動作確認信号の送出動作停止の他、通信装置送信部51aの故障、通信装置間主伝送路530Aの通信路の断線、通信装置第1受信部51b1の故障、によっても生じる。
双方向通信系CAの両側の通信装置51では、双方向通信系CAに障害(通信装置送信部51aの故障、通信装置間主伝送路530Aの通信路の断線、通信装置受信部51bの故障)が発生すれば、障害発生位置に関係無く、両通信装置51の監視・制御部に第1受信部51b1からの処理回路動作信号あるいは変換動作確認信号の受信途絶が生じる。
通信システム50に障害発生双方向通信系が存在しないとき、通信システム50の各通信装置51の信号伝送回路は、接続電子機器から出力された情報信号を通信装置51の複数の第1送信部51a1へ伝送する。
信号伝送回路から通信装置51の複数の第1送信部51a1へ出力する情報信号は、第1送信部51a1毎に異なっていても、互いに同じであっても良い。
双方向通信系CAは通信装置間通信系の一部である。
監視・制御部は、処理回路動作信号あるいは変換動作確認信号の受信途絶によって双方向通信系CAの障害発生(障害発生双方向通信系、障害発生通信装置間通信系の発生)を検知する。
図5に示す通信システム50において、予備光ファイバ迂回ルートは、各光ファイバケーブル53にそれぞれ複数本(図5では2本)設けられた予備光ファイバ53dを利用して、障害発生双方向通信系両側の通信装置51間に複数本(図5では2本)構成される。障害発生双方向通信系両側の通信装置51間には、障害発生双方向通信系両側の通信装置51の一方から他方への通信光伝送に用いられる予備光ファイバ迂回ルートと、障害発生双方向通信系両側の通信装置51の他方から一方への通信光伝送に用いられる予備光ファイバ迂回ルートとを確保できる。
通信装置間予備伝送路530Bの延在方向一端側には通信装置第2送信部51a2、他端側には一端側とは別の通信装置51の通信装置第2受信部51b2が光接続されている。通信装置間予備伝送路530Bは、その延在方向一端側の通信装置第2送信部51a2から送出された光信号を延在方向他側の通信装置第2受信部51b2へ伝送する。但し、通信装置51間の2本の通信装置間予備伝送路530Bの光伝送方向は互いに逆向きになっている。
通信システム50の各通信装置51は、送出しようとする情報信号の情報量(容量)に対して通信装置間主伝送路530Aの伝送空き容量が足りる場合には、第1送信部51aから通信装置間主伝送路530Aへの情報信号の送出を自動的に選択実行する。また、各通信装置51は、送出しようとする情報信号の情報量(容量)に対して通信装置間主伝送路530Aの伝送空き容量が不足である場合には、通信装置間主伝送路530Aが属する通信装置間通信系の第2送信部51a2から通信装置間予備伝送路530Bへの情報信号の送出を自動的に選択実行する。
通信装置51が情報信号を送出する通信装置間伝送路530の選択、すなわち、通信装置51における信号伝送回路から情報信号を伝送する送信部51aの選択は、通信装置51の監視・制御部が信号伝送回路を動作制御することにより実現される。
通信システム50に障害発生双方向通信系が存在しない状態において、各通信装置51は通信装置間主伝送路530Aのみへ情報信号を送出する。
障害発生双方向通信系両側の通信装置51から障害発生通信装置間通信系以外の通信装置間通信系の通信装置間伝送路530への迂回伝送情報信号の送出は、通信装置間通信系の通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bのうち、迂回伝送情報信号を伝送可能な伝送空き容量を有するものを適宜選択して行われる。
障害発生双方向通信系が存在しない状態の通信システム50において通信装置51から通信系相手側通信装置へ送信される情報信号(光信号)は、通信系相手側通信装置の受信部51bにて受信された後、信号伝送回路から通信系相手側通信装置に接続されている接続電子機器へ伝送される。この情報信号を、以下、相手側処理情報信号、とも言う。
但し、障害発生双方向通信系両側の通信装置51は、相手側処理情報信号及び迂回伝送情報信号を、それぞれの情報量(容量)に応じて、障害発生通信装置間通信系以外の通信装置間通信系の通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bから適宜選択したものに送出する。
障害発生双方向通信系両側の通信装置51は、例えば、相手側処理情報信号及び迂回伝送情報信号のうち情報量(容量)が多い(大きい)ものを、迂回ルート側通信系の通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bの一方に送出しているときに、迂回ルート側通信系の通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bの他方を別の情報信号の伝送に用いて、相手側処理情報信号及び迂回伝送情報信号のトータル送出所要時間の短縮を図ることができる。
また、通信システム50では、障害発生通信装置間通信系を除く通信装置間通信系を利用して障害発生双方向通信系両側の通信装置51間の情報信号伝送経路を構成するすべての通信装置間通信系のそれぞれについて、その通信装置間主伝送路530A及び通信装置間予備伝送路530Bの一方又は両方を迂回通信ルートに用いる。
受信部識別情報は、通信システム50の全通信装置51の全ての受信部51bの個々に設定されている。
但し、障害発生双方向通信系両側の通信装置51のうち、迂回伝送情報信号を受信する通信装置51は、迂回伝送情報信号に付されている受信部識別情報から割り出される迂回伝送情報信号の伝送先通信装置受信部51bを有する通信装置51である。通信装置51は、受信した迂回伝送情報信号の受信部識別情報から割り出された迂回伝送情報信号の伝送先通信装置受信部51bを有している場合に、受信した迂回伝送情報信号の通信装置間伝送路530への送出を行わないように構成されている。
この場合、第1通信装置511は、その信号伝送回路から第1双方向通信系CA1に属する第1送信部51a1へ伝送、入力していた情報信号の伝送先を、第2双方向通信系CA2を含む通信装置間通信系(以下、第2の通信装置間通信系、とも言う)に属する送信部51aへ切り替える。第1通信装置511は、第2の通信装置間通信系に属する第1送信部51a1及び第2送信部51a2から選択される一方または両方から通信装置間伝送路530へ迂回伝送情報信号を送出する。
通信システム50には、第1通信装置511から第2通信装置512へ迂回伝送情報信号を伝送する迂回通信ルートと、第2通信装置512から第1通信装置511へ迂回伝送情報信号を伝送する迂回通信ルートとが確保される。
システム管理者は、通信状態監視装置55が表示モニタ55aに表示させた管理データ表示画面を見て、障害発生箇所を、通信装置送信部51a、通信路53a、53bのいずれかに限定して判別(特定)する。
なお、以下、図5に示す各双方向通信系の2つの片側通信系Cのうち、第1通信路53aを含む片側通信系を第1片側通信系C1、第2通信路53bを含む片側通信系を第2片側通信系C2とも言う。
障害発生双方向通信系から迂回通信ルートへの切り換えは、双方向通信系両側の通信装置51の1以上が双方向通信系の障害発生を検知してから短時間で完了する。双方向通信系両側の通信装置51の1以上が双方向通信系の障害発生を検知してから障害発生双方向通信系の迂回通信ルートへの切り換え完了までの切り換え所要時間は例えば0.1秒以下の短時間である。
第1双方向通信系CA1(障害発生双方向通信系)両側の通信装置51は、障害発生双方向通信系から迂回通信ルートへの切り換えとともに、第1双方向通信系CA1に属する第1送信部51a1から通信装置間伝送路530への情報信号の送出動作を停止する。但し、第1双方向通信系CA1両側の通信装置51は、第1双方向通信系CA1の障害が第1送信部51a1の故障でなく、第1送信部51a1からの搬送光送出が可能な場合、障害発生双方向通信系から迂回通信ルートへの切り換えの完了後も、第1送信部51a1から通信装置間主伝送路530Aへの搬送光の送出を継続する。
なお、管理データ表示画面は、通信光の検出途絶を生じた通信信号監視装置に加えて、監視信号途絶時刻A以降において通信光の検出途絶を生じていない通信信号監視装置も目視把握可能に表示しても良い。また、管理データ表示画面は、監視信号途絶時刻Aより前の時刻における、通信光の検出途絶を生じていない通信信号監視装置も目視把握可能に表示しても良い。
システム管理者等が管理データ表示画面から障害発生双方向通信系における障害発生箇所を目視把握するには、既述の障害検知時表示画面(管理データ表示画面)から、障害発生双方向通信系における検出途絶監視装置の数、位置を把握する。
システム管理者は、管理データ表示画面から、障害発生双方向通信系における障害箇所が、通信装置送信部51a、通信路のいずれであるかを把握できる。
なお、管理データ表示画面は、通信光の検出途絶を生じていない通信信号監視装置を表示しない構成も採り得る。この構成の管理データ表示画面にあっては、検出途絶監視装置の表示が無ければ、検出途絶監視装置が存在しないことを把握できる。
また、この場合は、第1、第2の片側通信系C1、C2のそれぞれの送信側信号監視装置541に通信光の検出が把握されていることから、第1、第2片側通信系C1、C2のそれぞれの送信部51a(第1、第2通信装置51、52にそれぞれ位置する送信部51a)の動作が正常であることが判る。
また、この場合は、第1片側通信系C1の送信側信号監視装置541に通信光の検出が把握されていることから、第1片側通信系C1の送信部51a(第1通信装置51に位置する送信部51a)の動作が正常であることが判る。
また、この場合は、第1、第2の片側通信系C1、C2のそれぞれの送信側信号監視装置541に通信光の検出が把握されていることから、第1、第2片側通信系C1、C2のそれぞれの送信部51a(第1、第2通信装置51、52にそれぞれ位置する送信部51a)の動作が正常であることが判る。
また、この場合は、第1、第2の片側通信系C1、C2のそれぞれの送信側信号監視装置541に通信光の検出が把握されていることから、第1、第2片側通信系C1、C2のそれぞれの送信部51a(第1、第2通信装置51、52にそれぞれ位置する送信部51a)の動作が正常であることが判る。
また、この場合は、第2片側通信系C2の送信側信号監視装置542での通信光の検出が把握されていることから、第2片側通信系C2の送信部51a(第2通信装置512に位置する送信部51a)の動作が正常であることが判る。
第2、第3の双方向通信系CA2、CA3についても、第1双方向通信系CA1と同様に、送信側、受信側の信号監視装置541、542での通信光の検出の有無から、障害発生の有無及び障害発生箇所位置を把握可能である。
断線試験動作は、まず、ファイバセレクタFSを駆動させて、送信側信号監視装置541での通信光の検出途絶が生じた片側通信系Cの送信側中継光ファイバ52cから分岐されている試験光伝送光ファイバ52mに試験用接続光ファイバ16aを光接続する。断線試験動作は、次いで、試験信号発生装置16から試験光を送出し、送信側信号監視装置541での通信光の検出途絶を判定した片側通信系Cの通信路の断線試験を行なう。断線試験動作は、断線試験の実施(試験信号発生装置16から通信装置間主伝送路530Aへの試験光の送出)を以て終了する。
試験待機時間は、送信側信号監視装置541での通信信号の検出途絶が判定された障害発生双方向通信系の通信装置送信部51aからの通信信号の送出停止後に終了するように設定される。
通信状態監視装置17は、送信側信号監視装置541での通信信号の検出途絶を認識(判定)したときに試験待機時間の計時を開始し、試験待機時間を経過したときに既述の断線試験を試験信号発生装置16に実行させる。断線試験動作は試験待機時間の計時を含む。
断線試験では、試験信号発生装置16から通信路へ予め設定された長さの時間(試験信号送出時間)だけ試験光を送出する。試験信号送出時間は、例えば1秒以下の短時間であるが、例えば1〜10秒の範囲であっても良く、数分、あるいはそれ以上の長さであっても良い。
例えば、システム管理者が断線試験結果を目視把握する管理データ表示画面が、図2、図3と同様の構成の管理グラフ表示画面である場合は、試験信号送出時間は0.1秒〜3秒程度であることが好適である。
システム管理者が断線試験結果を目視把握する管理データ表示画面が、図7(a)、(b)に例示するように、施設毎に、その施設に位置する複数の通信信号監視装置のそれぞれの計測信号強度の計測値(数値)を表示する構成の場合は、試験信号送出時間は1〜15分程度であることが好適である。この場合は、受信側信号監視装置542にて試験光の検出に相当する計測信号強度が計測されれば通信路の断線が無く、試験光の検出に相当する計測信号強度が計測されなければ通信路の断線を有ることを把握できる。
システム管理者は、表示モニタ55aの管理データ表示画面における試験光強度に相当する表示の有無によって、試験信号発生装置16から試験光を送出した通信路の断線有無(試験光強度に相当する表示が有れば断線無し)を目視把握できる。
通信システム50は、システム管理者が図示略の操作端末を操作して通信状態監視装置に試験動作指令を入力し断線試験を実行させることも可能である。
光ファイバケーブル53の光ファイバ53c全心の復旧作業後断線試験は、ファイバセレクタFSを駆動させ、試験光伝送光ファイバ52mに対する試験用接続光ファイバ16aの切り替え接続、試験光送出(断線試験)を順次行なう。断線試験(試験信号発生装置16からの試験光の送出)は、操作端末からの通信状態監視装置55への試験動作指令の入力によって行なう。
復旧作業後断線試験にて光ファイバケーブル53の光ファイバ53c全心に断線が無ければ、通信装置51間の通信を迂回通信ルートから、復旧完了後の障害発生双方向通信系である双方向通信系へ戻す。
但し、本発明に係る実施形態の通信システムは、差分値が予め設定した上限値よりも大きいときにシステム管理者へ異常発生を報知するための異常発生報知情報を出力する機能、及び送信側、受信側の計測強度データの少なくとも一方が信号強度適正下限値よりも低いときにシステム管理者へ異常発生を報知するための報知情報(出力低下報知情報)を出力する機能を有する構成、これら機能を有していない構成のいずれも採用可能である。
異常発生報知情報の出力及び出力低下報知情報の出力は、例えば表示モニタへの文字情報の表示、ランプの点灯、ブザー音等の音情報の出力などを採用できる。
図6に例示する警報一覧表示画面S11は、通信システム50において通信信号の検出が途絶した通信信号監視装置(検出途絶監視装置)が発生したときに検出途絶監視装置の監視装置識別情報55nを含む検出途絶情報(文字情報)を表示するものである。通信状態監視装置55は、表示モニタ55aの警報一覧表示画面S11へ検出途絶情報を表示させることによって、検出途絶監視装置の発生をシステム管理者に報知する。
システム管理者は、警報一覧表示画面S11に表示された障害発生報知情報の監視装置識別情報55nから検出途絶監視装置を目視把握できる。
図6に例示する警報一覧表示画面S11は、監視装置識別情報55nが表示される「パワーメータ」欄と、障害発生時刻情報Tnが表示される「発生日時」欄とが横並び(図6左右方向)に配列された表形態の構成となっている。
図6の警報一覧表示画面S11は、上側に位置する検出途絶情報ほど検出途絶監視装置の発生時刻が新しいものであるように、複数の検出途絶情報を上下に配列表示する。
なお、警報一覧表示画面は、下側に位置する検出途絶情報ほど検出途絶監視装置の発生時刻が新しいものであるように、複数の検出途絶情報を上下に配列表示する構成であっても良い。
例えば、図6の警報一覧表示画面S11の一番上の検出途絶情報の「パワーメータ」欄の監視装置識別情報55nは「02.01.in」である。「02.01.in」の最初(図6において左側)の「02」は第2施設U2を示す施設識別情報である。次の「01」は、第2施設U2の第2監視ユニット522の複数の通信信号監視装置(図4では4つの通信信号監視装置)にそれぞれ付した識別番号(01、02、…)のひとつである。「02.01.in」の末尾(図6において右側)の「in」は受信側信号監視装置を示す。
例えば、図6の警報一覧表示画面S11の上から2番目の検出途絶情報の「パワーメータ」欄の「01.01.out」は、第1施設U1に配置された識別番号01の通信信号監視装置であって、送信側信号監視装置であることを示す。
例えば、図6の警報一覧表示画面S11の一番上の検出途絶情報の障害発生時刻情報Tnの「YYYY−MM−DD−hh:mm:40」はYYYY年MM月DD日hh時mm分40秒を示す。
警報一覧表示画面S11は、検出途絶監視装置が新たに発生したときには、該当の検出途絶監視装置に関する検出途絶情報を追加表示する。
図7(a)、(b)に例示する管理データ表示画面S12は、表示対象の施設Uの施設識別情報Unである表示対象施設識別情報Utと、表示対象の施設Uにおける通信信号監視装置の配置を示すモデル図表示SMと、表示対象の施設Uの通信信号監視装置が計測した光パワー値54P(計測信号強度)とを表示する。また、この管理データ表示画面S12は、表示対象の施設Uの通信信号監視装置と同じ片側通信系C(図4、図5参照)に属する別の通信信号監視装置が位置する施設Uの施設識別情報Un(以下、関連施設識別情報Uo、とも言う)も表示する。
図7(a)、(b)に例示する管理データ表示画面S12には、表示対象の施設Uの通信装置51について設けられた2つの双方向通信系CAのそれぞれに対応する計2つの関連施設識別情報Uoが表示されている。
通信状態監視装置55は、その操作端末の操作によって、図6の警報一覧表示画面S11に表示の特定の検出途絶情報を指定して詳細情報表示指令を入力することで、指定した検出途絶情報の検出途絶監視装置が位置する施設Uの管理データ表示画面S12を表示モニタ55aに表示させる。
但し、通信システムは、管理データ表示画面S12から警報一覧表示画面S11への表示切り換えを、継続表示時間が予め設定された長さの時間を超えたときに自動実行せず、通信状態監視装置55の操作端末の操作のみによって表示切り替えが実現される構成も採用可能である。
図7(b)は、図6の警報一覧表示画面S11の一番上の検出途絶情報の通信信号監視装置が位置する施設U(図5の第2施設U2)の複数(具体的には4つ)の通信信号監視装置の計測信号強度(具体的には光パワー値54P)を表示する管理データ表示画面S12である。
また、各監視装置表示54Gの近傍には、表示対象の施設Uにおける通信信号監視装置毎の識別番号表示54N(01、02……)と、計測信号強度(光パワー値54P)を示す表示とが設けられている。
また、図7(a)、(b)の管理データ表示画面S12では、双方向通信系毎の2つのモデル図表示SMが左右に並べて設けられている。また、この管理データ表示画面S12では、表示対象の施設Uの双方向通信系毎の関連施設識別情報Uo(施設識別記号)が、2つのモデル図表示SMに対応させて、管理データ表示画面S12の左右両側にそれぞれ設けられている。
図6の警報一覧表示画面S11に検出途絶情報の表示の無い通信信号監視装置は、通信光の検出が有る状態となっている。
例えば、図6の警報一覧表示画面S11の上から2つの検出途絶情報は、同一の片側通信系Cに属する検出途絶監視装置の検出途絶情報である。
図6の警報一覧表示画面S11の上から2つの検出途絶情報の検出途絶監視装置は互いに同じ双方向通信系に属する。図6の警報一覧表示画面S11は、上から2つの検出途絶情報以外に、これらと同じ双方向通信系に属する検出途絶監視装置の検出途絶情報が存在しない場合を示す。この場合、図6の警報一覧表示画面S11から、上から2つの検出途絶情報の検出途絶監視装置が属する双方向通信系において、上から2つの検出途絶情報の検出途絶監視装置が属する片側通信系のみに障害が発生していることを把握できる。
したがって、管理データ表示画面S12は、光パワー値54Pの表示によって検出途絶監視装置の目視把握を容易に行える。
このことから、システム管理者は、通信システム50に生じた障害が、警報一覧表示画面S11の上から2つの検出途絶情報の検出途絶監視装置が属する片側通信系Cに、その通信装置送信部51a(通信装置第1送信部51a1)の故障であることを把握できる。
図7(a)、(b)の管理データ表示画面S12に差分値を表示する通信システム50は、差分値が差分上限値よりも大きいときに、管理データ表示画面S12において、差分値を、差分上限値よりも小さいときとは異なる文字色で表示したり、差分値表示付近にその周囲とは異なる背景色を表示する(但し、差分上限値よりも小さいときには背景色を表示しないか、あるいは差分上限値よりも小さいときとは異なる背景色を表示する)。
また、図7(a)、(b)の管理データ表示画面S12に差分値を表示する通信システム50は、差分値が差分上限値よりも大きいときに、図6に例示した警報一覧表示画面に、異常発生情報、を表示させる。警報一覧表示画面に表示させる異常発生情報は、例えば、受信側信号監視装置542について、検出途絶情報と同様に、監視装置識別情報55nと、障害発生時刻情報Tnとで構成されるものである。
また、通信システム50は、通信信号監視装置54の計測信号強度(光パワー値54P)が信号強度適正下限値よりも小さいときに、管理データ表示画面S12において、通信信号監視装置54が計測した光パワー値54Pを、信号強度適正下限値よりも大きいときとは異なる文字色で表示したり、光パワー値54Pの表示付近にその周囲とは異なる背景色を表示する(但し、信号強度適正下限値よりも大きいときには背景色を表示しないか、あるいは信号強度適正下限値よりも大きいときとは異なる背景色を表示する)。
また、通信システム50は、通信信号監視装置54が計測した光パワー値54Pが信号強度適正下限値よりも小さい(低い)ときに、図6に例示した警報一覧表示画面に、異常発生情報、を表示させる。警報一覧表示画面に表示させる異常発生情報は、例えば、各通信信号監視装置542について、検出途絶情報と同様に、監視装置識別情報55nと、障害発生時刻情報Tnとで構成されるものである。
プリンタから紙等へのプリントアウトによって表示する管理データは、通信状態監視装置が表示モニタに表示させる管理データ表示画面と同様の仕様を採用できる。管理データ表示画面と同様の仕様で紙等にプリントアウトされた管理データは、管理データ表示画面と同様に、障害発生箇所の特定(送信側通信装置、通信路、受信側通信装置のいずれか)に利用できる。
なお、本発明に係る実施形態の通信システムは、通信状態監視装置及び情報蓄積装置の一方のみにプリンタを接続可能な構成、通信状態監視装置及び情報蓄積装置の両方ともプリンタの接続を行えない構成、も採用可能である。
例えば、管理データ表示画面の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更可能である。
上述の実施形態では、図5の通信システム50について、障害発生双方向通信系が存在しない通信装置間通信系の通信装置間主伝送路及び通信装置間予備伝送路のうち、通信装置間主伝送路のみが通信装置51間の信号伝送に使用される構成を説明した。しかしながら、通信システムは、図5の通信システム50の障害発生双方向通信系が存在しない通信装置間通信系について、通信装置51が、送出しようとする情報信号の情報量(容量)に鑑みて、通信装置間主伝送路及び通信装置間予備伝送路のうち伝送空き容量が充分であるものを選択して情報信号を送出する構成も採用可能である。
Claims (5)
- 送信側通信装置と、
前記送信側通信装置から出力され光ファイバである通信路を介して有線伝送された光信号である通信信号を受信する受信側通信装置と、
前記通信路の前記送信側通信装置側に設けられて、前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を検出する送信側通信信号監視装置と、
前記通信路の前記受信側通信装置側に設けられて、前記送信側通信装置から出力され前記通信路によって有線伝送された前記通信信号を検出する受信側通信信号監視装置と、
前記送信側通信信号監視装置が前記通信信号を検出したときに出力する検出信号、及び前記受信側通信信号監視装置が前記通信信号を検出したときに出力する検出信号を受信し、前記検出信号の受信有無を時刻に関連付けた管理データを生成する通信状態監視装置と、
前記通信路の前記送信側通信装置側の端部に前記送信側通信信号監視装置よりも前記受信側通信装置の側にて光カプラを介して接続可能であり接続した前記通信路に光信号である試験信号を送出する試験信号発生装置とを有し、
前記光カプラは前記試験信号発生装置から送出された前記試験信号を前記通信路に前記受信側通信装置に向かって入射させるように構成され、
前記通信路の送信側端部に接続された前記試験信号発生装置から前記通信路に前記試験信号を送出させ前記通信路の断線の有無を調べる断線試験を、前記送信側信号監視装置での前記通信信号の検出が途絶した後、予め設定した試験待機時間の経過したときに自動で行なうように構成され、しかも操作端末から前記通信状態監視装置への試験動作指令の入力により前記断線試験を実行可能であり、
前記受信側通信信号監視装置は前記試験信号発生装置から送出され前記通信路によって有線伝送された前記試験信号を検出可能であり、前記通信状態監視装置は前記受信側通信信号監視装置が前記試験信号を検出したときに出力する検出信号を受信し当該検出信号の受信有無を時刻に関連付けた管理データを生成する、ことを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間に延在する光ファイバケーブルである通信ケーブルを有し、
前記通信ケーブルの延在方向両側のそれぞれに前記送信側通信装置及び前記受信側通信装置を有し、
前記通信ケーブルは、その延在方向一端側の前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を延在方向他端側の前記受信側通信装置へ伝送する第1通信路、及び延在方向他端側の前記送信側通信装置から出力された前記通信信号を延在方向一端側の前記受信側通信装置へ伝送する第2通信路、を含む前記通信路を複数有し、前記第1、第2通信路と前記送信側通信装置との間には前記送信側通信信号監視装置が設けられ、前記第1、第2通信路と前記受信側通信装置との間には前記受信側通信信号監視装置が設けられていることを特徴とする通信システム。 - 請求項1〜2のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、
前記送信側通信信号監視装置及び前記受信側通信信号監視装置は前記通信信号の強度を計測し、計測した信号強度データを前記通信状態監視装置へ送信する機能を有し、
前記通信状態監視装置は、前記送信側通信信号監視装置が計測した前記通信信号の強度から前記受信側通信信号監視装置が計測した前記通信信号の強度を差し引いた差分値を表示モニタに表示させる機能、あるいは前記差分値が予め設定した上限値よりも大きいときにシステム管理者へ異常発生を報知するための異常発生報知信号を出力する機能を有することを特徴とする通信システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、
前記通信状態監視装置に接続され、前記通信状態監視装置が生成した管理データを格納する情報蓄積装置をさらに有することを特徴とする通信システム。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、
前記通信状態監視装置に接続され、前記通信状態監視装置が前記管理データに基づく管理データ表示画面を表示させる表示モニタをさらに有することを特徴とする通信システム。
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