以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
《1.全体の構成》
図1に示されるように、プラント機器状態収集システム1は、検出装置10とネットワーク構築装置20とデータ記憶装置30と携帯端末40とを備える。検出装置10は、複数個備えられ、各検出装置10は、図示されていないプラント内に配置される複数のプラント機器のうち対応するプラント機器に取り付けられる。複数の検出装置10は、ネットワーク構築装置20が構築する例えば無線LAN(Local Area Network)及びZigBee(登録商標)等の規格を用いた無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network;WSN)に接続することができる。WSNは、いわゆるメッシュ型ネットワークであることが好ましい。すなわち、複数の検出装置10がネットワーク構築装置20と接続し、各検出装置10(例えば、検出装置10−b)は、それ自身が隣接する他の1又は複数の検出装置10(例えば、検出装置10−a及び検出装置10−c)とも接続することが好ましい。また、ネットワーク構築装置20から距離が離れていること等によってWSNと直接接続できない検出装置10(例えば、検出装置10−a)が存在するときは、プラント機器状態収集システム1は中継器50を更に備えて、WSNの接続可能範囲を補間してもよい。
ネットワーク構築装置20は、3G回線又はLTE(Long Term Evolution)回線等の
モバイル通信を利用可能に構成されている。以下、「3G回線又はLTE回線等のモバイル通信」を「3G/LTE」とも呼ぶ。ネットワーク構築装置20は、3G/LTEを介してデータ記憶装置30と通信可能に構成されている。
図1に示される例では、3個の検出装置10−a,10−b,10−cがネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続されるように示されているが、WSNに接続される検出装置10は、4個以上であってもよく、1又は2個であってもよい。また、実際のプラント機器状態収集システム1では、複数のネットワーク構築装置(図1のネットワーク構築装置20及び図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置)が備えられている。図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置には、図1と同様に、図示されていない複数の検出装置が接続されている。
図2Aには、図1に示されるプラント機器状態収集システム1の各構成要素の内部構成の例が示される。図2Aに示される検出装置10は、制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15を有する。検出装置10は、図示されていない電源ケーブル等で電力を供給することが困難な場所に取り付けられることが想定されるため、更にバッテリ16を有していることが好ましい。また、検出装置10は、例えば制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の少なくとも1つに対して、電源ケーブル又はバッテリ16からの電力の供給を制御する電源制御部17を更に有してもよい。電源制御部17は、例えば、リレーシーケンス又はトランジスタ等のスイッチング素子等を有する、自己保持回路を備える。以下、「検出装置10」を「センサモジュール10」とも呼ぶ。
検出装置10の制御部11は、例えば、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の動作を制御する。また、制御部11は、例えば、さらにバッテリ16の残量を取得可能に構成されていてもよい。検出装置10の検出部12は、検出装置10が取り付けられたプラント機器の状態を検出する。ここで、プラント機器とは、例えばスチームトラップ、回転機等であり、プラント機器の状態とは、例えばプラント機器の温度、振動、湿度、圧力、ph(ペーハー)等である。
検出装置10のネットワーク接続部13は、ネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続可能に構成されている。検出装置10のタグ部14は、タグIC14−1及びタグアンテナ14−2を有する、例えば、NFC(Near Field Communication)に用いられるRF(Radio Frequency)タグである。タグ部14は、後述する携帯端末40のタグ制御部43が、非接触で情報をタグIC14−1に例えば書き込むことによって記憶させることができ、且つ、このタグIC14−1に非接触で記憶されている情報を例えば読み込むことによって取得することができるように構成されている。ここで、非接触とは、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部43とを例えばケーブル等で有線接続されること等によって、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部43とが直接的な状態又は間接的な状態で機械的に接触しないことをいう。また、タグ部14、具体的にはタグIC14−1に、検出装置10を特定する特定情報である、例えばセンサIDが予め記憶されている。
検出装置10の報知部15は、例えばLED、ブザー等であって、制御部11の制御によって起動又は停止する。検出装置10のバッテリ16は、検出装置10が電源ON状態であるときに、少なくとも制御部11に対して電力を供給する。検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15に対する電力の供給は、例えば、制御部11を介して電力が供給されてもよく、制御部11を介さずに電力が供給されてもよい。
図2Aに示されるネットワーク構築装置20は、制御部21、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24を有する。以下、「ネットワーク構築装置20」を「センサゲートモジュール20」とも呼ぶ。
ネットワーク構築装置20の制御部21は、例えば、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24の動作を制御する。ネットワーク構築装置20が3G/LTE通信部22を有することによって、ネットワーク構築装置20は3G/LTEに接続可能である。また、ネットワーク構築装置20は、ネットワーク構築部23を有することによって、WSNを構築可能である。ネットワーク構築装置20が構築するWSNは、特定のネットワーク構築装置20によって構築されたWSNであることを特定するネットワーク特定情報である、例えばネットワークIDが与えられている。
ネットワーク構築装置20の記憶部24は、例えば、図2Bに示されているネットワーク構築装置20が構築するWSNのネットワーク構築情報(データ001)を記憶する。ネットワーク構築情報(データ001)は、例えば、ネットワークID、このネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID及びこれらの検出装置10のWSNへの接続状態のリストを含む。ネットワークIDで特定されるWSNに中継器50が接続されているときは、ネットワーク構築情報(データ001)は、中継器ID及び中継器のWSNへの接続状態を更に含んでもよい。
図2Aに示されるデータ記憶装置30は、制御部31、3G/LTE通信部32及び記憶部33を有する。以下、「データ記憶装置30」を「クラウドサーバ30」とも呼ぶ。
データ記憶装置30の記憶部33は、例えば、図2Bに示されているプラント情報(データ002)を記憶する。プラント情報(データ002)は、例えば、複数のネットワークID、各ネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID、検出装置10の接続状態、検出装置10の取付情報(SM(センサモジュール)取付情報)、検出装置10の動作条件(SM動作条件)、プラント機器の状態及び検出装置10が検出する検出値を含む。検出装置10の取付情報は、例えば、プラント内の番地等の取付エリア及び検出装置10が取り付けられたパイプ番号等の取付機器を含む。検出装置10の動作条件は、例えば、検出装置10の検出部12が検出する検出項目を含む。また、中継器50が接続されているWSNが存在するときは、中継器ID、これらのWSNへの接続状態及び中継器の取付情報を更に含んでもよい。なお、プラント情報(データ002)には、ネットワーク構築情報(データ001)の全ての項目が含まれている。
図2Aに示される携帯端末40は、制御部41、3G/LTE通信部42、タグ制御部43、位置情報取得部44、入力部45及び表示部46を有する。以下、「携帯端末40」を「タブレット端末40」とも呼ぶ。
携帯端末40のタグ制御部43は、タグリーダ/ライタ43−1及びタグ制御アンテナ43−2を有する。タグ制御部43による、検出装置10のタグ部14への情報の記憶及びタグ部14からの情報の取得は、携帯端末40を検出装置10にかざすこと、すなわち、例えば携帯端末40を検出装置10から所定の距離(例えば10cm)まで近づけることによって自動的に実行される。タグ制御部43による、検出装置10のタグ部14への情報の記憶及びタグ部14からの情報の取得の具体的な動作は、図2Cを参照して後述する。位置情報取得部44は、携帯端末40の現在の位置情報を取得可能な、例えばGPS(Global Positioning System)受信機である。携帯端末40の入力部45及び表示部4
6は、例えばタッチパネル式のディスプレイパネルモジュール45,46で構成されてもよい。以下、「タッチパネル式のディスプレイパネルモジュール45,46」を「タッチパネル45,46」とも呼ぶ。
また、携帯端末40には、例えば、プラント機器状態収集システム1に関連付けられたアプリケーションがインストールされている。例えば、このアプリケーションを実行することによって、プラント内で働く作業担当者が、携帯端末40を用いて、データ記憶装置30に記憶されているプラント情報(データ002)の閲覧及び編集、検出装置10のネットワーク接続等の作業をすることが可能になる。以下、「プラント機器状態収集システム1に関連付けられたアプリケーション」を「プラントアプリ」とも呼ぶ。しかしながら、作業担当者は、プラントアプリを実行することなく、例えばWEBブラウザを用いてデータ記憶装置30に記憶されているプラント情報(データ002)の閲覧及び編集、検出装置10のネットワーク接続等の作業をしてもよい。
さらに、プラントの管理担当者は、3G/LTEに接続可能な図示されていないノートパソコン等の通信端末を用いることで、3G/LTEを介してプラント情報(データ002)を閲覧及び編集することができる。その結果、管理担当者はプラント機器を直接監視しにいくことなく、プラント機器の状態を遠隔で監視することが可能になり、異常状態を発見したときに、携帯端末40を携帯する作業担当者に修繕作業の指示等をすることが可能になる。
図2Aに示される中継器50は、制御部51、ネットワーク接続部52、タグ部53、報知部54及びバッテリ55を有する。中継器50は、検出装置10と概ね同様の内部構造であるが、検出部を有さない点で検出装置10と異なる。
図2Cを参照して、携帯端末40のタグ制御部43による、検出装置10のタグ部14への情報の記憶及びタグ部14からの情報の取得の動作の一例を説明する。図2Cにおいて、図中の細い矢印は命令等の信号を表し、図中の太い矢印は電力の供給を表す。また、携帯端末40のタグ制御部43による、中継器50のタグ部53への情報の記憶及びタグ部53からの情報の取得の動作も同様であるので説明を省略する。
携帯端末40が検出装置10にかざされたとき、携帯端末40のタグ制御部43は、タグリーダ/ライタ43−1が生成する例えば読み取り信号又は書き込み信号を、タグ制御アンテナ43−2が生成する例えば電波又は磁界に含んで、検出装置10に送信する。検出装置10のタグ部14は、タグアンテナ14−2で受信する電波を整流することによって又は受信する磁界による電磁誘導よって、タグアンテナ14−2に電力が発生する。タグアンテナ14−2は、発生した電力をタグIC14−1に供給し、タグIC14−1が起動する。タグアンテナ14−2が受信する電波又は磁界に含まれる信号が読み取り信号であったとき、起動したタグIC14−1は、読み取り信号に応じたタグIC14−1に記憶されている情報を、タグアンテナ14−2が生成する電波又は磁界に含んで返信する。その一方で、タグアンテナ14−2が受信する電波又は磁界に含まれる信号が書き込み信号であったとき、起動したタグIC14−1は、書き込み信号に含まれる情報を記憶する。
このように、携帯端末40のタグ制御部43が、タグ部14へ情報を記憶するとき及びタグ部14から情報を取得するときは、検出装置10の内部からタグ部14に電力が供給される必要がない。すなわち、検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態であるときも、携帯端末40のタグ制御部43は、検出装置10のタグ部14への情報の記憶及びタグ部14からの情報の取得をすることができる。
また、タグアンテナ14−2が受信した電波又は磁界によって起動したタグIC14−1は、例えば、電源制御部17に対して起動信号を出力する。起動信号を入力した電源制御部17は、電源制御部17がバッテリ16から供給される電力を、例えば少なくとも制御部11に対して供給する。例えば、電力が供給された制御部11が起動することによって、検出装置10が電源ON状態となる。すなわち、検出装置10は、携帯端末40のタグ制御部43によってタグ部14に情報が記憶されたときに、電源ON状態となるように構成されている。検出装置10の電源がON状態であるときは、制御部11がタグ部14のタグIC14−1に対して電力を供給することによって、タグICへの情報の記憶又はタグICに記憶されている情報の取得をすることができる。
さらに、電源ON状態である検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態となるときは、制御部11は、電源制御部17に対して停止信号又はスリープ信号を出力する。停止信号又はスリープ信号を入力した電源制御部17は、例えば、少なくとも制御部11に対して電力の供給を停止又は電力供給の量を低下させる。例えば、制御部11への電力の供給が停止されたときに検出装置10は電源OFF状態となり、制御部11への電力供給の量が低下されたときに検出装置はスリープ状態となる。
《2.プラント機器状態収集システムの動作》
《2−1.プラント機器の状態の収集》
図3A及び図3Bを参照して、プラント機器状態収集システム1が、プラント機器の状態を収集する動作の例について説明する。ここでは、センサモジュール10は、センサゲートモジュール20が構築するWSNへ接続されていることを前提に説明する。センサモジュール10のセンサゲートモジュール20が構築するWSNへの接続については、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明する。
ステップST101では、センサモジュール10は、設定された検出間隔毎に設定された検出項目についてセンサモジュール10が取り付けられたプラント機器の状態を検出し、その検出値をセンサゲートモジュール20に自身のセンサIDと共に送信する。すなわち、ステップST101で送信されるデータは、図3Bに示されるデータ101である。
ステップST102では、センサゲートモジュール20は、受信したセンサID及び検出値を、3G/LTEを介してクラウドサーバ30に自身が構築するWSNのネットワークIDと共に送信する。すなわち、ステップST102で送信されるデータは、図3Bに示されるデータ102である。
ここで、ステップST102では、センサゲートモジュール20は、自身が構築するWSNに接続されているいずれかのセンサモジュール10から検出値を受信する度に、そのセンサID及び検出値をネットワークIDと共に送信してもよい。代替的に、ステップST102では、センサゲートモジュール20は、受信するセンサID及び検出値を一時的に記憶しておき、設定された送信間隔毎に一時的に記憶された複数のセンサID及び検出値をネットワークIDと共に送信してもよい。
ステップST103では、クラウドサーバ30は、受信したデータ102をクラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に反映させて、プラント情報(データ002)を更新する。ステップST101、ステップST102及びステップST103は、随時繰り返される。
プラント機器状態収集システム1では、センサモジュール10が検出したプラント機器の状態が、自動的にクラウドサーバ30が記憶するプラント情報(データ002)に反映される。その結果、作業担当者はプラント機器の状態を検出又は確認する度に、対象のプラント機器が配置されている位置に移動する必要がない。また、管理担当者は、遠隔でプラント機器の状態を監視することができる。
《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》
図4A、図4B、図4C、図4D、図4E及び図4Fを参照して、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業の例について説明する。センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業は、作業担当者がセンサモジュール10をプラント機器に取り付けると、ステップST201に進む。なお、作業担当者がセンサモジュール10をプラント機器に取り付けたときは、センサモジュール10は例えば電源OFF状態(休止状態を含む)又はスリープ状態である。
ステップST201では、作業担当者は、タブレット端末40に、プラント機器に取り付けたセンサモジュール10に関する設定情報を入力する。ステップST201で入力されるデータは、図4Bに示されるデータ201である。すなわち、ステップST201で入力されるデータ201は、センサモジュール10をセンサゲートモジュール20が構築するWSNに接続するためのネットワーク情報、センサモジュール10の取付情報(SM取付情報)及びセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)を含む。
データ201のネットワーク情報には、ネットワークID及びこのネットワークIDで特定されるWSNに接続するためのネットワークパスワードが含まれる。データ201のセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)には、センサモジュール10が取り付けられたプラント機器の状態を検出する間隔である検出間隔及び検出項目が含まれる。センサモジュール10の動作条件(SM動作条件)の検出項目は、例えば、プラント機器の種類、性能毎によって個別に設定される。例えば、センサモジュール10が取り付けられるプラント機器がスチームトラップであるときは温度が検出項目に設定され、センサモジュール10が取り付けられるプラント機器が回転機であるときは温度と振動が検出項目に設定される。
図4Cには、プラントアプリを用いてステップST201の入力を行っているときのタブレット端末40のタッチパネル45,46の例が示されている。図4Cに示される例では、検出項目は、センサ1、センサ2及びセンサ3で示される。図4Cに示される例では、設定項目のうち、検出間隔、センサ1、センサ2及びセンサ3には、リストから選択することによって入力が可能であることの表示の例である下向きの三角形マークが示されている。図4Cの下側に示されるように、下向きの三角形マークが示されている設定項目(例えばセンサ1)を選択すると、選択可能なリストが表示される。図4Cに示されている例では、下向きの三角形マークが示されていない設定項目は、テキスト入力で入力が可能である。
設定情報の入力は、例えば、取付機器等の設定項目についてもリストから選択することによって入力が可能であってもよい。また、設定情報の入力は、タブレット端末40の位置情報取得部44によってタブレット端末40の現在の位置情報を取得し、取得した位置情報を取付エリアに入力してもよい。取得した位置情報が座標情報であるとき、例えばプラントアプリによって変換されたプラント内の番地情報を取付エリアに入力してもよい。タブレット端末40の現在の位置情報をセンサモジュール10の取付エリアとして入力することによって、センサモジュール10の取付エリアを作業担当者が調べて入力する必要がない。したがって、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
図4Cに示されているように、データ201、すなわちネットワーク情報、センサモジュール10の取付情報(SM取付情報)及びセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)の入力が完了すると、例えば「書き込み準備完了」という表示がなされる。
ステップST202では、作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、タブレット端末40のタグ制御部43によってセンサモジュール10のタグ部14に記憶されているセンサIDを自動的に取得する。すなわち、作業担当者は、タブレット端末40のタグ制御部43によってセンサモジュール10のタグ部14に記憶されているセンサIDを取得することができる距離まで、タブレット端末40をセンサモジュール10に近づける。
ステップST203では、ステップST202で作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざしたときに、タブレット端末40に入力された設定情報の一部がセンサモジュール10のタグ部14に自動的に記憶される。すなわち、作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざしている間に、タブレット端末40がセンサIDを自動的に取得し、その直後にタブレット端末40が入力された設定情報の一部をセンサモジュール10のタグ部14に自動的に記憶させる。ステップST203でセンサモジュール10のタグ部14に記憶される設定情報の一部はデータ203である。ステップST203で入力されるデータ203は、ネットワーク情報及びセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)を含む。
図4Dには、プラントアプリを用いてセンサモジュール10のタグ部14にデータ203を記憶させたときのタブレット端末40のタッチパネル45,46の例が示されている。図4Dに示されているように、センサモジュール10のタグ部14へのデータ203の記憶が完了すると、例えば「書き込み完了」という表示がなされる。また、図4Dに示されているように、「クラウドサーバ情報を更新しますか?」の表示がなされているときに、「No」をタッチすると、例えば、ステップST201の入力後に戻る。また、このとき、例えば、タッチパネル45,46には、図4Cの例が表示される。
図4Dに示されているように、「クラウドサーバ情報を更新しますか?」の表示がなされているときに、「Yes」をタッチすると、ステップST204に進む。ステップST204では、タブレット端末40は、センサID、センサモジュール10の取付情報(SM取付情報)及びセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)を含むセンサモジュール情報(SM情報)をクラウドサーバ30へ送信する。ステップST204で送信されるデータは図4Bに示されるデータ204である。クラウドサーバ30は、データ204を受信すると、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)にデータ204を反映させる。
ステップST205では、センサモジュール10は、ステップST203でデータ203が記憶されたときに、電源ON状態となる。センサモジュール10が電源ON状態となると、ステップST206に進む。ステップST206では、センサモジュール10の制御部11は、タグ部14に記憶されたデータ203を取得する。
ステップST207では、センサモジュール10は、センサゲートモジュール20にネットワーク参加リクエストを送信する。ステップST207のネットワーク参加リクエストで送信されるデータは、図4Bに示されるセンサID及びネットワーク情報を含むデータ207である。
ステップST208では、ネットワーク参加リクエストを受信したセンサゲートモジュール20は、ネットワーク参加リクエストを送信したセンサモジュール10のネットワークへの参加の可否を判定する。すなわち、センサゲートモジュール20は、ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードと一致するか否かを判定する。ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードとが一致したときはステップST210に進む。その一方で、ネットワーク参加リクエストに含まれるネットワーク情報のネットワークID及びネットワークパスワードと、自身が構築するWSNのネットワークID及びネットワークパスワードとが一致しなかったときは、ステップST210、ステップST211、ステップST212及びステップST213が実行されることなく、ステップST214に進む。
ステップST209では、センサモジュール10は、ステップST207でネットワーク参加リクエストを送信したときから、ネットワーク参加リクエスト中であることを報知する。例えば、センサモジュール10の報知部15がLEDを含むとき、センサモジュール10の制御部11は、LEDを例えば点滅させることで、ネットワーク参加リクエスト中であることを報知する。作業担当者は、例えばLEDが点滅していることを視認することによって、センサモジュール10からネットワーク参加リクエストが送信されたことを認識できる。
ステップST210では、センサゲートモジュール20は、センサモジュール10のネットワークへの参加を許可し、自身が構築するWSNへセンサモジュール10を接続させる。ステップST211では、センサゲートモジュール20は、ネットワーク構築情報(データ001)にステップST210でネットワーク参加の許可をしたセンサモジュール10のセンサID及び接続状態を追加してクラウドサーバ30に送信する。
ステップST212では、センサモジュール10は、ネットワークへの参加が完了したことを報知する。例えば、センサモジュール10の制御部11は、ステップST209で点滅させたLEDを消灯させることで、ネットワークへの参加が完了したことを報知する。作業担当者は、例えばLEDが消灯したことを視認することによって、センサモジュール10のWSNへの接続が完了したことを認識できる。
ステップST213では、クラウドサーバ30は、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に、ステップST211で受信したデータ001を反映させる。ステップST214では、作業担当者は、タブレット端末40を用いて、クラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)を確認する。
ここで、図4Aに示されている例においては、ステップST214は最後のステップとして示されているが、ステップST204の後は、作業担当者がいつでもプラント情報(データ002)を確認することができる。
例えば、ステップST213が完了する前に、作業担当者がプラント情報(データ002)を確認したときは、図4Eに示されるような、プラントアプリを用いたプラント情報(データ002)の確認画面の例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図4Eに示される例では、プラント情報(データ002)のうち、ネットワークID:1577で特定されるWSNについての情報が表示されている。図4Eに示されている例では、ステップST207で新しくネットワーク参加リクエストを送信したセンサモジュール10がWSNに未接続であることが示されている。
また、例えば、ステップST213が完了した後に、作業担当者がプラント情報(データ002)を確認したときは、図4Fに示されるような、プラントアプリを用いたプラント情報(データ002)の確認画面の例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図4Fに示される例でも、プラント情報(データ002)のうち、ネットワークID:1577で特定されるWSNについての情報が表示されている。図4Fに示されている例では、ステップST207で新しくネットワーク参加リクエストを送信したセンサモジュール10がWSNに新規接続されたことが示されている。
図4Eに示されている例又は図4Fに示されている例において、「SM追加」を選択することで、他のセンサモジュール10の設定情報を入力する画面、例えば、図4Cに示されているような画面がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。すなわち、他のセンサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を行うことができる。一方、図4Eに示されている例又は図4Fに示されている例において、「作業終了」を選択することで、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を終了することができる。
プラント機器状態収集システム1は、タブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、タブレット端末40に入力したネットワーク情報を自動的にセンサモジュール10に設定することができる。すなわち、例えば、センサモジュール10に有線接続されたタブレット端末40に対してセンサモジュール10にネットワーク情報を記憶させるための操作をする必要がない。したがって、タブレット端末40とセンサモジュール10を接続するケーブル等を接続する作業及び取り外しをする作業が発生しないことによって、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
また、プラント機器状態収集システム1は、例えば、センサモジュール10にタブレット端末40を有線接続するための、スイッチ又はコネクタ端子等の外部インターフェースを備えることが不要である。したがって、センサモジュール10にスイッチ又はコネクタ端子等の外部インターフェースを備える場合と比較して、防塵及び/又は防水のための構造を容易に実現することができる。また、プラント機器状態収集システム1は、センサモジュール10とタブレット端末40との間で電波又は磁界を用いて通信する。そのため、例えばセンサモジュール10の表面が汚れたときであっても、センサモジュール10の表面の汚れを除去することなく、センサモジュール10とタブレット端末40との間の通信を確立できる。したがって、プラント機器状態収集システム1は、例えば屋根がない等、センサモジュール10の表面が汚れる可能性がある環境であっても、センサモジュール10を取り付ける場所が制限されない。
また、プラント機器状態収集システム1は、タブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、センサモジュール10のタグ部14に記憶されているセンサIDを自動的に取得することができる。したがって、例えば作業担当者が手入力によってセンサIDを入力する必要がないことによって、センサIDの入力ミスの発生を防ぐことができる。また、タブレット端末40によってセンサモジュール10のセンサIDを取得した後すぐに、タブレット端末40に入力したネットワーク情報をセンサモジュール10のタグ部14に記憶させることができる。したがって、タブレット端末40によるセンサIDの取得及びタブレット端末40によるセンサモジュール10へのネットワーク情報の記憶を、一回のかざす動作によって実現可能であることによって、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
また、例えばタブレット端末40は、複数のセンサモジュール10に対する複数のセンサIDを保管する必要がなく、作業担当者は、センサモジュール10に無線接続されたタブレット端末40を操作して所望のセンサモジュール10を特定する必要がない。作業担当者は、タブレット端末40を所望のセンサモジュール10にかざすことだけによって所望のセンサモジュール10のセンサIDを確実に取得することができる。
さらに、プラント機器状態収集システム1は、タブレット端末40によってセンサモジュール10のタグ部14にネットワーク情報を記憶したときに、センサID、センサモジュール10の取付情報(SM取付情報)及びセンサモジュール10の動作条件(SM動作条件)をクラウドサーバ30に送信する。クラウドサーバ30が受信したこれらの情報をプラント情報(データ002)に反映させることによって、作業担当者はタブレット端末40によって、プラント機器に取り付けたセンサモジュール10がネットワークに接続されたか否かを確認することができる。
ここで、図4Gに示されるタイムチャートを参照して、主に、センサモジュール10が電源ON状態となるタイミング、すなわち、センサモジュール10の制御部11に電力が供給されるタイミングについて詳しく説明する。
図4Gに示されている時点t01は、例えば図4AのステップST202で作業担当者によってタブレット端末40がセンサモジュール10にかざされた時点である。時点t01において、タブレット端末40のタグ制御部43によって、例えば読み取り信号が電波又は磁界に含まれて送信される。読み取り信号が含まれた電波又は磁界を受信したセンサモジュール10のタグ部14、具体的にはタグIC14−1が起動する。このとき、センサモジュール10の制御部11は起動しておらず、センサモジュール10は電源OFF状態又はスリープ状態である。
図4Gに示されている時点t02である、例えばステップST202に続いてステップST203も実行されて図4Bに示されているデータ203のタグ部14への記憶が完了されたときに、タグ部14は、電源制御部17に対して例えば起動信号を出力する。起動信号を入力した電源制御部17は、少なくとも制御部11に対して電力の供給を開始する。タグ部14が起動信号を出力した後、例えばタブレット端末40がセンサモジュール10から離れることによって、タグ部14はタブレット端末40のタグ制御部43からの電波又は磁界を受信できなくなり、タグ部14に電力が供給されなくなる。
図4Gに示されている時点t03である、例えば電源制御部17が制御部11に対して電力の供給を開始した直後の時点で、制御部11が起動し、センサモジュール10が電源ON状態となる。図4Gに示されている時点t04である、例えばステップST206が実行されるときに、制御部11はタグ部14に電力を供給してタグ部14に記憶されているデータ203を取得する。制御部11は、図4Gに示されている時点t05である、例えばステップST206のデータ203の取得が完了したときに、タグ部14への電力の供給を停止してもよい。
その後、図4Gに示されている時点t06である、例えばステップST212のネットワーク参加完了報知がされたときに、制御部11は、電源制御部17に制御部11への電力供給量を低下させてもよい。電力供給量が低下された制御部11は、スリープ状態となり、プラント機器状態の検出の開始を待機している状態となる。プラント機器状態の検出の開始は、例えば、図4Gに示されている時点t06からデータ203に含まれる検出間隔に設定されている時間が経過したときでもよく、センサゲートモジュール20を経由してクラウドサーバ30から受信する、検出を開始するための信号を受信したときでもよく、図4Gに示されている時点t06でもよい。
図4Gに示されている時点t07である、例えばプラント機器状態の検出が開始されるときに、制御部11は電源制御部17に制御部11への電力供給量を増加させて、制御部11は図3AのステップST101を実行する。図4Gに示される時点t08である、例えばステップST101の実行が完了したときに、電源制御部17に制御部11への電力供給量を低下させてもよい。その後、データ203に含まれる検出間隔毎に制御部11は、電源制御部17に制御部11への電力供給量を増加させて、図3AのステップST101を実行する。
以上のように、プラント機器状態収集システム1は、タブレット端末40に入力したネットワーク情報がセンサモジュール10のタグ部14に記憶されたときに、センサモジュール10が電源ON状態となる。したがって、センサモジュール10をプラント機器に取り付けた後に、ネットワークに接続するまでの待機時間が長時間になるときであっても電源ON状態で待機する必要がないことによってバッテリの消費を抑えることができる。さらに、作業担当者がセンサモジュール10の電源スイッチ等を操作してセンサモジュール10を電源ON状態にする必要がないことによって、センサモジュール10をプラント機器に取り付ける作業を簡素化することができる。
《2−3.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付けキャンセル》
図5A、図5B及び図5Cを参照して、センサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルする作業の例について説明する。センサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルする作業は、例えば、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》のステップST204の後に、十分な時間が経過しても、プラント機器へ取り付けたセンサモジュール10がWSNに接続されないときに行う作業である。
ステップST301では、作業担当者は、タブレット端末40を用いて、ネットワークへの接続をキャンセルする対象のセンサモジュール10を選択する。例えば、作業担当者は、図4Eに示される例で、未接続状態のセンサモジュール10を選択する。作業担当者が、ネットワークへの接続をキャンセルする対象のセンサモジュール10を選択したときは、例えば、図5Cに示されているような画面がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。
ステップST302では、作業担当者は、タブレット端末40をセンサモジュール10にかざしてセンサモジュール10のセンサIDを取得する。例えば、作業担当者は、図5Cに示されているような画面がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示されているときに、タブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、センサIDを自動的に取得する。
ステップST303では、タブレット端末40の制御部41は、ステップST301で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST302で取得したセンサIDとが一致するか否かを判定する。ステップST301で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST302で取得したセンサIDとが一致したときは、ステップST304に進む。その一方で、ステップST301で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST302で取得したセンサIDとが一致しなかったときは、例えば、ステップST301でキャンセル対象のセンサモジュール10が選択された状態に戻る。このとき、タブレット端末40のタッチパネル45,46には、例えば、キャンセル対象センサモジュール10が異なることの表示、及び、再度タブレット端末40をキャンセル対象センサモジュール10にかざすことを促す表示がなされる。
ステップST304では、タブレット端末40は、タグ制御部43を用いてセンサモジュール10のタグ部14に記憶されている設定情報を自動的に初期化する。センサモジュール10のタグ部14に記憶されている設定情報が初期化されると、センサモジュール10のタグ部14には、センサモジュール10のセンサIDのみが記憶されている状態となる。すなわち、ステップST303のセンサIDの一致判定が一致していると判定されるとき、ステップST302で作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざしている間に、センサモジュール10の設定情報が初期化される。
ステップST305では、タブレット端末40は、センサモジュール情報(SM情報)をクラウドサーバ30へ送信する。ステップST305で送信されるセンサモジュール情報(SM情報)は、図5Bに示されるデータ305、すなわちステップST304で設定情報を初期化したセンサモジュール10のセンサIDを含む。
ステップST306では、ステップST304で設定情報が初期化されたセンサモジュール10は、電源OFF状態となる。代替的に、ステップST306では、ステップST304で設定情報が初期化されたセンサモジュール10がスリープ状態となってもよい。
ステップST307では、クラウドサーバ30は、ステップST305で受信したセンサモジュール情報(SM情報)を反映して、プラント情報(データ002)を更新する。例えば、クラウドサーバ30は、プラント情報(データ002)からステップST304で設定情報が初期化されたセンサモジュール10に関する情報を消去する。
プラント機器状態収集システム1では、作業担当者は、タブレット端末40上でキャンセル対象のセンサモジュール10を選択してタブレット端末40をキャンセル対象のセンサモジュール10にかざすことで、センサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルすることができる。すなわち、作業担当者は、キャンセル対象のセンサモジュール10の設定情報を初期化すること、センサモジュール10の取り付けをキャンセルしたことをクラウドサーバ30のプラント情報(データ002)へ反映させること、及び、キャンセル対象のセンサモジュール10を電源OFF状態にすることの3つの作業を個別に行う必要がない。したがって、プラント機器状態収集システム1では、センサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルする作業を簡素化することができる。
ここで説明されたセンサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルする作業は、センサモジュール10の交換のときに行われてもよい。例えばセンサモジュール10のバッテリ16の残量が少なくなったとき等、交換が必要になったセンサモジュール10を交換するときにも、ここで説明されたセンサモジュール10のプラント機器への取り付けをキャンセルする作業が適用されてもよい。一般的に、プラント内は防爆エリアである。そのため、センサモジュール10のバッテリ16の残量が少なくなったときは、センサモジュール10からバッテリ16を交換するのではなく、センサモジュール10ごと交換する必要がある。したがって、プラント機器状態収集システム1では、センサモジュール10の交換作業を簡素化することができる。
ここで、図5Dに示されるタイムチャートを参照して、主に、センサモジュール10が電源OFF状態又はスリープ状態となるタイミング、すなわち、キャンセル対象のセンサモジュール10の制御部11に電力の供給が停止又は電力の供給量が低下されるタイミングについて詳しく説明する。図5Dに示されているタイムチャートにおいて、時点t15までは、図4Gに示されている時点t05までと同様である。すなわち、図5Dに示されている時点t11は図4Gに示されているt01に対応し、図5Dに示されている時点t12は図4Gに示されているt02に対応し、図5Dに示されている時点t13は図4Gに示されているt03に対応し、図5Dに示されている時点t14は図4Gに示されているt04に対応し、図5Dに示されている時点t15は図4Gに示されているt05に対応する。ここでは、図5Dに示されている時点t15の後について説明する。
図4Aに示されるステップST207が実行された後は、センサモジュール10の制御部11は、ステップST209のリクエスト中報知を実行して、接続待機状態となる。例えば接続待機状態が長いとき、作業担当者は、図5Aに示されるステップST301で、ネットワークへの接続をキャンセルする対象のセンサモジュール10を選択する。
図5Dに示される時点t16は、例えば作業担当者が図5AのステップS302でタブレット端末40をキャンセル対象のセンサモジュール10にかざしたときである。タブレット端末40がセンサモジュール10にかざされたときに、センサモジュール10のタグ部14は、タブレット端末40のタグ制御部43から例えば読み取り信号を含む電波又は磁界を受信することによって起動する。図5Dに示されている時点t17である、例えばタグ制御部43がセンサIDを取得したときに、タブレット端末40の制御部41は、ステップS303の判定を実行する。
図5Dには、タブレット端末40の制御部41がステップS303の判定を実行している間は、タグ制御部43からタグ部14への電波又は磁界の送信を停止しているように示されている。しかしながら、タブレット端末40の制御部41がステップS303の判定を実行している間も、タグ制御部43からタグ部14への電波又は磁界の送信を継続してもよい。
図5Dに示されている時点t18である、例えばステップST303のセンサIDの一致判定が一致していると判定されたときに、タグ制御部43は、電波又は磁界に例えば初期化信号を含んでセンサモジュール10のタグ部14へ送信する。図5Dに示されている時点t19である、例えばタグ部14が初期化信号を受信したときに、センサモジュール10の制御部11は、タグ部14に記憶されている設定情報を初期化して、タグ部14にセンサIDのみが記憶されている状態にする。
図5Dに示されている時点t20である、例えばタグ部14に記憶されている設定情報の初期化が完了したときに、制御部11は、電源制御部17に対して停止信号又はスリープ信号を出力する。停止信号又はスリープ信号を入力した電源制御部17は、例えば、少なくとも制御部11に対して電力の供給を停止又は電力供給の量を低下させる。
図5Dに示されている時点t21である、例えば電源制御部17が制御部11に対して電力の供給を停止又は電力供給の量を低下した直後に、制御部11は停止状態又はスリープ状態となる。すなわち、図5Dに示されている時点t21で、検出装置10は電源OFF状態又はスリープ状態となる。
《2−4.中継器の取り付け》
図6A及び図6Bを参照して、中継器50をプラント内に取り付ける作業の例について説明する。中継器50をプラント内に取り付ける作業は、例えば、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》のステップST204の後に、十分な時間が経過しても、プラント機器へ取り付けたセンサモジュール10がWSNに接続されないときに行う作業である。すなわち、中継器50をプラント内に取り付ける作業は、例えば、プラント機器へ取り付けたセンサモジュール10が十分な時間が経過してもネットワークに接続されないときに、《2−3.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付けキャンセル》で説明された作業の代わりに行う作業である。
中継器50をプラント内に取り付ける作業の例は、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明された作業と概ね同様である。したがって、ここでは、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明された作業と異なる部分について説明し、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明された作業と重複する部分については説明を省略する。
ステップST401は、図4Aに示されているステップST201に相当する。しかしながら、ステップST401で入力されるデータである図6Bに示されているデータ401は、図4Bに示されているデータ201のSM動作条件に相当するデータがない。これは、中継器50は、検出部を有さないことによって、プラント機器の状態の検出に関する設定は必要ないからである。また、データ401は、データ201のSM取付情報の取付機器に相当するデータがない。これは、中継器50が、プラント機器の状態を検出しないことによって、プラント機器に取り付けられる必要がないためである。以下、図6Bに示されるデータ構造において、図4Bに示されているSM動作条件に相当するデータ及び、SM取付情報の取付機器に相当するデータがない理由については同様である。
ステップST402は、図4Aに示されているステップST202に相当する。ステップST403は、図4Aに示されているステップST203に相当する。しかしながら、ステップST403で記憶されるデータである図6Bに示されるデータ403は、図4Bに示されているデータ203のSM動作条件に相当するデータがない。
ステップST404は、図4Aに示されているステップST204に相当する。しかしながら、ステップST404で送信されるデータである図6Bに示されるデータ404は、図4Bに示されているデータ204のSM動作条件に相当するデータ、及び、SM取付情報の取付機器に相当するデータがない。
ステップST405は、図4Aに示されているステップST205に相当する。ステップST406は、図4Aに示されているステップST206に相当する。ステップST407は、図4Aに示されているステップST207に相当する。ステップST408は、図4Aに示されているステップST208に相当する。ステップST409は、図4Aに示されているステップST209に相当する。ステップST410は、図4Aに示されているステップST210に相当する。ステップST411は、図4Aに示されているステップST211に相当する。ステップST412は、図4Aに示されているステップST212に相当する。ステップST413は、図4Aに示されているステップST213に相当する。ステップST414は、図4Aに示されているステップST214に相当する。
以上のように、中継器50をプラント内に取り付ける作業は、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明された作業と概ね同様である。したがって、中継器50をプラント内に取り付ける作業においても、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》で説明された効果に相当する効果が得られる。その結果、プラント機器状態収集システム1では、中継器50をプラント内に取り付ける作業が簡素化される。
《2−5.異常状態の発生》
図7A、図7B、図7C、図7D、図7E、図7F、図7G及び図7Hを参照して、プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の例について説明する。プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作は、例えば、《2−1.プラント機器の状態の収集》で収集したプラント機器の状態に異常状態が発生したときに開始される。プラント機器の状態に異常状態が発生したことは、例えば、図示されていないノートパソコンを用いてクラウドサーバ30が記憶しているプラント情報(データ002)を閲覧しているプラントの管理担当者によって発見される。プラント機器の状態に異常状態が発生したことを発見した管理担当者は、例えば、タブレット端末40を携帯している作業担当者に対して修繕作業等の指示をする。
ステップST501では、作業担当者はタブレット端末40を用いてプラント情報(データ002)を取得する。図7Cには、プラントアプリを用いてプラント情報(データ002)を取得したときの、タブレット端末40のタッチパネル45,46の例が示されている。図7Cに示されている例では、ネットワークID:1577に接続されているセンサID:01234567で特定されるセンサモジュール10の欄に「異常」が示されている。
ステップST502では、作業担当者は、異常状態を検出したセンサモジュール10(異常発生対象SM)を選択する。図7Cに示されている例において、作業担当者は、センサID:01234567で特定されるセンサモジュール10を選択する。
ステップST503では、作業担当者は、タブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによってセンサIDを取得する。図7Dには、図7Cに示される例において、センサID:01234567で特定されるセンサモジュール10を選択したときの、タブレット端末40のタッチパネル45,46の例が示されている。図7Dに示される例においては、「センサ1の検出値が異常です。」と表示され、検出項目の1つである高温側の温度の検出値が異常であることが示されている。
図7Dに示される例では、異常状態を検出したセンサモジュール10の取付情報が表示されている。図7Dに示される例に示されている取付情報の取付エリアは、例えば、《2−2.検出装置(センサゲートモジュール)の取り付け》のステップST201で、タブレット端末40の位置情報取得部44によって取得された、設定入力時のタブレット端末40の位置情報である。したがって、作業担当者は、異常状態を検出したセンサモジュール10が取り付けられている場所を容易に認識することができる。
図7Dに示される例では、「タブレットを対象SMにかざして下さい。」と表示されている。この状態で、作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、タブレット端末40のタグ制御部43が、センサモジュール10のタグ部14に記憶されているセンサIDを自動的に取得することができる。
ステップST504では、タブレット端末40の制御部41は、ステップST502で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST503で取得されたセンサIDとが一致するか否かを判定する。ステップST502で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST503で取得されたセンサIDとが一致しなかったときは、例えば、図7Eに示される例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図7Eに示される例では、ステップST502で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST503で取得されたセンサIDとが一致しないことが表示される。これによって、作業担当者は、ステップST503でタブレット端末40をかざしたセンサモジュール10が取り付けられているプラント機器に対して修繕等の作業を行うことはない。図7Eに示される例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示されると、作業担当者がタブレット端末40をセンサモジュール10にかざすことによって、センサモジュール10のセンサIDを取得することができ、再度ステップST504の判定がなされる。
その一方で、ステップST502で選択されたセンサモジュール10のセンサIDと、ステップST503で取得されたセンサIDとが一致したときは、例えば、図7Fに示される例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図7Fに示される例が表示されると、作業担当者がタブレット端末40をかざしたセンサモジュール10が異常状態を検出したセンサモジュール10であることが確認できる。これによって、作業担当者は、このセンサモジュール10が取り付けられたプラント機器の修繕等の作業をすることができる。作業担当者は、プラント機器の修繕等の作業が終了したときに、図7Fに示される例における「作業完了」をタッチする。
ステップST505では、作業担当者は、タブレット端末40を操作して作業内容を入力する。図7Fに示される例において、「作業完了」がタッチされると、図7Gに示される例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図7Gに示される例では、作業担当者が行ったプラント機器の修繕等の作業の内容をテキスト入力する欄と、プラント機器の修繕等の作業を行った後のプラント機器の状態をリストから選択して入力する欄が表示されている。作業担当者は、これらの入力を完了させた後に、図7Gに示される例の「登録」をタッチすると、ステップST506に進む。
ステップST506では、タブレット端末40は、ステップST505で入力された作業内容及びプラント機器の状態をクラウドサーバ30に送信する。ステップST506で送信されるデータは、図7Bに示されるデータ506である。
ステップST507では、クラウドサーバ30は、受信したデータ506をクラウドサーバ30の記憶部33が記憶するプラント情報(データ002)に反映させる。ステップST507でデータ506のプラント情報(データ002)への反映が終了した後に、作業担当者がプラント情報(データ002)を確認すると、図7Hに示される例がタブレット端末40のタッチパネル45,46に表示される。図7Hに示される例では、作業担当者が修繕等の作業を行ったプラント機器に取り付けられているセンサモジュール10である、センサID:01234567で特定されるセンサモジュール10の欄に「修繕完了」の表示されている。
作業担当者は、例えば、図7Hに示される例で「修繕完了」を確認した後に、管理担当者に作業の完了報告をする。作業の完了報告を受けた管理担当者は、図示されていないノートパソコンを用いてクラウドサーバ30が記憶しているプラント情報(データ002)を閲覧し、発生していた異常状態が解消したことを確認することができる。
プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作では、プラント機器状態収集システム1は、作業担当者が選択したセンサモジュール10のセンサIDと、作業担当者がタブレット端末40をかざしたセンサモジュール10のセンサIDとが一致するか否かを判定する。したがって、作業担当者がプラント機器の修繕等の作業を行う前に、修繕等の作業が必要なプラント機器であることを確認することができる。その結果、間違って修繕等の作業が必要でないプラント機器に対して作業が行われることが防がれる。
《2−6.異常状態の発生(変形例)》
図8A及び図8B参照して、《2−5.異常状態の発生》で説明されたプラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例について説明する。プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例は、《2−5.異常状態の発生》で説明されたプラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作と異なる部分のみ説明する。プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例は、図7Aに示されるフローチャートに、ステップST521、ステップST522、ステップST523、ステップST524、ステップST525、ステップST526及びステップST527の7個のステップが追加されたものである。プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例では、プラント機器の状態に異常状態が発生したか否かをクラウドサーバ30が判定又は監視している。
ステップST521では、クラウドサーバ30は、プラント機器の状態に異常状態が発生したしたことを判定したときに、異常状態発生信号を、異常状態を検出したセンサモジュール10が接続されているWSNを構築するセンサゲートモジュール20に送信する。異常状態発生信号には、図8Bに示されるデータ521、すなわち異常状態を検出したセンサモジュール10のセンサIDが含まれる。
ステップST522では、クラウドサーバ30は、異常状態発生信号をタブレット端末40に対しても送信する。タブレット端末40に送信される異常状態発生信号にも異常状態を検出したセンサモジュール10のセンサIDが含まれる。異常状態発生信号を受信したタブレット端末40のタッチパネル45,46には、例えば、プラント機器の状態に異常状態が発生したこと、及び、異常状態を検出したセンサモジュール10のセンサIDが表示されてもよい。異常状態発生信号を受信したタブレット端末40を携帯する作業担当者は、例えば、《2−5.異常状態の発生》で説明されたように、ステップST501からフローチャートに沿った行動をする。
ステップST523では、ステップST521で送信された異常状態発生信号を受信したセンサゲートモジュール20は、異常状態発生信号に含まれるセンサIDで特定されるセンサモジュール10に報知開始信号を送信する。
ステップST524では、報知開始信号を受信したセンサモジュール10の制御部11は、報知部15を起動し、異常状態が発生したことの報知を開始する。例えば、センサモジュール10の制御部11は、LEDを点灯させることによって、異常状態が発生したことを報知する。
ステップST507でプラント情報(データ002)の更新がされて、発生していた異常状態が解消したときは、ステップST525に進む。ステップST525では、クラウドサーバ30は、ステップST521でクラウドサーバ30が異常状態発生信号を送信したセンサゲートモジュール20に、異常状態解消信号を送信する。異常状態解消信号には、図8Bに示されるデータ521、すなわち異常状態を検出したセンサモジュール10のセンサIDが含まれる。
ステップST526では、異常状態解消信号を受信したセンサゲートモジュール20は、異常状態解消信号に含まれるセンサIDで特定されるセンサモジュール10に報知終了信号を送信する。
ステップST527では、報知終了信号を受信したセンサモジュール10の制御部11は、報知部15を停止させ、異常状態が発生したことの報知を終了する。例えば、センサモジュール10の制御部11は、LEDを消灯させることによって、異常状態が発生したことの報知を終了させる。
プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例では、プラント機器状態収集システム1は、プラント機器の状態に異常状態が発生したときに、センサモジュール10の報知部15が起動する。したがって、作業担当者は、異常状態が発生したプラント機器を発見することが容易になる。
また、プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作の変形例では、クラウドサーバ30は、プラント機器の状態に異常状態が発生したときに、タブレット端末40に異常状態発生信号を送信する。したがって、タブレット端末40を携帯する作業担当者は、プラント機器の状態に異常状態が発生したことを迅速に認識することができる。
プラント機器の状態に異常状態が発生したとき時の動作の変形例では、図7Aに対して図8Aで追加されたステップST521、ステップST522、ステップST523、ステップST524、ステップST525、ステップST526及びステップST527の全てを必ずしも備える必要はない。例えば、ステップST522のステップだけが、図7Aに対して追加されてもよい。逆に、例えば、ステップST522以外のステップが図7Aに対して追加されてもよい。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。