JP6737261B2 - バイタルサイン測定装置、バイタルサイン測定方法、及び、バイタルサイン測定プログラム - Google Patents

バイタルサイン測定装置、バイタルサイン測定方法、及び、バイタルサイン測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、バイタルサイン測定装置、バイタルサイン測定方法、及び、バイタルサイン測定プログラムに関する。
近年、対象人物をカメラによって撮影し、得られた画像データを解析することで当該対象人物のバイタルサインを非接触で測定する方法が開発されている。例えば、特許文献1では、対象人物の肩部から胸部下部までを撮影し、撮影した領域の画像濃度の変化から呼気と吸気とを計測し、これによって、当該対象人物の呼吸数を算出する方法が提案されている。
特開2005−218507号公報
しかしながら、特許文献1で例示される従来のシステムでは、バイタルサインを測定する測定領域の指定はユーザの手動による。そのため、バイタルサインの測定に関して特別な知識をユーザが有していない場合には、バイタルサインを正確に測定できるように測定領域を指定するのが困難であった。
また、従来のシステムでは、バイタルサインを測定するのに二次元画像が利用されている。そのため、対象人物に対するカメラの視野方向(視点)によっては、対象人物のバイタルサインが二次元画像内に十分に反映されない場合があり、この場合には、対象人物のバイタルサインを測定することができなかった。
したがって、従来のシステムでは、対象人物のバイタルサインを正確に測定できる条件は限られているため、特別な知識を持たないユーザが対象人物のバイタルサインを適切に測定するのは困難であるという問題点があった。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、バイタルサインの測定に関して特別な知識を持たないユーザであっても、対象人物のバイタルサインを適切に測定することのできるシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係るバイタルサイン測定装置は、バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得する画像取得部と、取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出する抽出部と、抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定する測定位置特定部と、前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測し、計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するバイタルサイン測定部と、を備える。
上記構成では、対象人物のバイタルサインを測定するために取得される撮影画像には各画素の深度を示す深度データが含まれている。この各画素の深度は、撮影装置から被写体までの深さを示す。より詳細には、被写体の深度は、当該被写体の表面に対して取得される。すなわち、深度データを利用すれば、実空間上における被写体表面の位置を特定することができる。そのため、この深度データを利用すれば、対象人物に対する撮影装置の視野方向(視点)によらず、当該被写体の実空間(三次元空間)上の状態を解析することができる。
したがって、上記構成によれば、対象人物に対する撮影装置の視野方向(視点)に依存することなく、取得された撮影画像からバイタルサインを測定することができる。すなわち、上記構成によれば、バイタルサインを測定する際の撮影装置の設置条件の自由度が高まるため、特別な知識を持たないユーザが撮影装置を配置した場合であっても、対象人物のバイタルサインを測定可能な撮影画像を取得することができる。
また、上記構成によれば、基準物との相対的な位置関係により、バイタルサインの測定領域が特定される。したがって、バイタルサインを測定するための測定領域の指定を、ユーザの手動によらず、自動的に行うことができる。更に、上記構成では、この測定領域の特定に深度データが利用される。すなわち、実空間上において、基準物の位置を基準にバイタルサインの測定領域の位置が特定される。したがって、上記構成によれば、バイタルサインを測定する測定領域の指定を実空間上で適切に行うことができる。
以上より、上記構成によれば、バイタルサインの測定に関して特別な知識を持たないユーザであっても、対象人物のバイタルサインを適切に測定することのできるシステムを提供することができる。
なお、測定対象となるバイタルサインは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。測定対象となるバイタルサインは、例えば、呼吸数、心拍数等である。また、基準物は、バイタルサインの測定領域を実空間上で特定する基準となるものであればよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。この基準物とバイタルサインの測定領域との相対的な位置関係は、測定対象となるバイタルサインに応じて、適宜予め設定することができる。
また、上記一側面に係るバイタルサイン測定装置の別の形態として、前記測定位置特定部は、実空間上における前記基準物との相対的な位置関係により、前記測定領域についての複数の候補領域それぞれの位置を前記対象人物の身体上で特定し、前記複数の候補領域それぞれに対応する前記撮影画像内の各領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記複数の候補領域それぞれの変動を計測し、計測した実空間上での変動が最も大きい候補領域を前記測定領域として選択することによって、前記対象人物の身体上で前記測定領域の位置を特定してもよい。当該構成によれば、バイタルサインの測定領域についての複数の候補領域の中から、実空間上で最も変動している候補領域、すなわち、バイタルサインの動きが最も大きい候補領域が測定領域として選択される。そのため、対象人物のバイタルサインをより容易に且つ正確に測定することができる。
また、上記一側面に係るバイタルサイン測定装置の別の形態として、前記基準物は、前記対象人物の頭部であってよく、前記測定位置特定部は、実空間における前記頭部との相対的な位置関係により、前記対象人物の胸郭内で前記測定領域の位置を特定してもよい。頭部と胸郭との相対的な位置関係はある程度限られ、大きな個人差は生じ難い。そのため、当該構成によれば、バイタルサインを測定する胸郭の位置を比較的に正確に特定することができ、これによって、バイタルサインを適切に測定することができる。
また、上記一側面に係るバイタルサイン測定装置の別の形態として、前記対象人物は、ベッド上に存在してもよく、前記基準物は、前記ベッドのヘッドボードであってもよい。そして、前記測定位置特定部は、実空間における前記ヘッドボードとの相対的な位置関係により、前記対象人物の胸郭内で前記測定領域の位置を特定してもよい。対象人物がベッド上に存在する場合、特に、ベッド上に寝ている場合、ベッドのヘッドボードと対象人物の胸郭との相対的な位置関係はある程度限られ、大きな個人差は生じ難い。そのため、当該構成によれば、バイタルサインを測定する胸郭の位置を比較的に正確に特定することができ、これによって、バイタルサインを適切に測定することができる。
また、上記一側面に係るバイタルサイン測定装置の別の形態として、前記バイタルサイン測定部は、前記胸郭内で特定された前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、前記対象人物の呼吸数及び心拍数のうちの少なくとも一方を前記胸郭の示すバイタルサインとして測定してもよい。当該構成によれば、対象人物のバイタルサインとして、呼吸数及び心拍数のうちの少なくとも一方を取得することができる。
なお、上記各形態に係るバイタルサイン測定装置の別の形態として、以上の各構成を実現する情報処理システムであってもよいし、情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。また、情報処理システムは、1又は複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
例えば、本発明の一側面に係るバイタルサイン測定方法は、コンピュータが、バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得するステップと、取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出するステップと、抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定するステップと、前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測するステップと、計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するステップと、を実行する情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係るバイタルサイン測定プログラムは、コンピュータに、バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得するステップと、取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出するステップと、抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定するステップと、前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測するステップと、計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、バイタルサインの測定に関して特別な知識を持たないユーザであっても、対象人物のバイタルサインを適切に測定可能なシステムを提供することができる。
図1は、本発明が適用される場面を模式的に例示する。 図2は、実施の形態に係るバイタルサイン測定装置のハードウェア構成を例示する。 図3は、実施の形態に係るカメラにより取得される深度と被写体との関係を例示する。 図4は、実施の形態に係るバイタルサイン測定装置の機能構成を例示する。 図5は、実施の形態に係るバイタルサイン測定装置によるバイタルサインの測定に関する処理手順を例示する。 図6は、実施の形態に係るカメラにより取得される撮影画像を例示する。 図7は、実施の形態に係る撮影画像内の座標関係を例示する。 図8は、実施の形態に係る撮影画像の任意の点(画素)とカメラとの実空間内での位置関係を例示する。 図9は、実施の形態に係る基準物(頭部)と測定領域(胸郭)との位置関係を模式的に例示する。 図10は、実施の形態に係る測定領域が変位する場面を模式的に例示する。 図11は、計測される測定領域の変動を模式的に例示する。 図12Aは、呼吸による胸郭の変動を模式的に例示する。 図12Bは、心拍による胸郭の変動を模式的に例示する。 図13は、他の形態に係る基準物(ヘッドボード)と測定領域(胸郭)との位置関係を模式的に例示する。 図14は、他の形態に係る測定領域の特定方法を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
§1 適用場面
まず、図1を用いて、本発明が適用する場面について説明する。図1は、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1が用いられる場面の一例を示す。本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、カメラ2によって対象人物を撮影し、それにより得られた撮影画像3を解析することで、当該対象人物のバイタルサインを測定する情報処理装置である。そのため、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、対象人物のバイタルサインを測定する場面で広く利用可能である。
具体的には、まず、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像3をカメラ2から取得する。図1で例示される場面では、バイタルサインを測定する対象となる対象人物はベッド上で寝ており、カメラ2は、このような状態の対象人物を撮影するために設置されている。ただし、対象人物の状態は、このような状態に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
当該カメラ2は、撮影画像3内の各画素に対応する深度を取得可能に構成される。本実施形態では、カメラ2は、各画素の深度を取得可能なように、被写体の深度を測定する深度センサ(後述する深度センサ21)を含んでいる。本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、このようなカメラ2と接続し、バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像3を取得する。
取得される撮影画像3は、後述する図6に例示されるように、画素毎に得られる深度を示す深度データを含んでいる。この撮影画像3は、撮影範囲内の被写体の深度を示すデータを含んでいればよく、そのデータ形式は実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、撮影画像3は、撮影範囲内の被写体の深度が二次元状に分布したデータ(例えば、深度マップ)であってもよい。また、例えば、撮影画像3は、深度データとともに、RGB画像を含んでもよい。更に、例えば、撮影画像3は、バイタルサインを測定可能であれば、動画像で構成されてもよいし、複数枚の静止画像で構成されてもよい。
次に、バイタルサイン測定装置1は、取得した撮影画像3内において対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出する。基準物は、後述するバイタルサインの測定領域を特定する基準となるものであり、例えば、対象人物の頭部、対象人物の寝ているベッドのヘッドボード等である。基準物は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
上記のとおり、撮影画像3は、各画素の深度を示す深度データを含んでいる。そのため、バイタルサイン測定装置1は、この深度データを利用することで、撮影画像3内に写る被写体の実空間上の位置を特定することができる。より詳細には、被写体の深度は、当該被写体の表面に対して取得される。すなわち、バイタルサイン測定装置1は、深度データの示す各画素の深度を参照することで、実空間上における被写体表面の位置を特定することができる。
そこで、バイタルサイン測定装置1は、抽出した人物領域及び基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における基準物との相対的な位置関係により、対象人物の身体上でバイタルサインを測定する測定領域の位置を特定する。実空間における基準物と測定領域との間の相対的な位置関係は、利用する基準物に応じて、予め設定することができる。そのため、バイタルサイン測定装置1は、抽出した人物領域及び基準領域に含まれる各画素の深度を参照することで対象人物及び基準物の位置を特定し、特定した基準物の位置を基準に、対象人物の身体上で測定領域の位置を特定することができる。
更に、バイタルサイン測定装置1は、測定領域に対応する撮影画像3内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における当該測定領域の変動を計測する。そして、バイタルサイン測定装置1は、計測した測定領域の実空間上における変動に基づいて、測定領域を含む対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定する。図1に例示されるように、測定領域は、例えば、胸郭内に設定される。この場合、バイタルサイン測定装置1は、実空間上の胸郭の変動を測定領域内で計測し、計測した当該胸郭の変動に基づいて、胸郭の示すバイタルサインとして、呼吸数、心拍数等を測定することができる。
このように、本実施形態によれば、各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像3に基づいて対象人物のバイタルサインが測定される。上記のとおり、各画素の深度は被写体表面に対して取得されるため、深度データを利用すれば、実空間上の被写体表面の位置を特定することができる。そのため、この深度データを利用すれば、対象人物に対するカメラ2の視野方向(視点)によらず、対象人物の実空間(三次元空間)上の状態を解析することができる。
したがって、本実施形態によれば、対象人物に対するカメラ2の視野方向(視点)に依存することなく、取得された撮影画像3からバイタルサインを測定することができる。すなわち、本実施形態によれば、バイタルサインを測定する際のカメラ2の設置条件の自由度が高まり、対象のバイタルサインを測定可能なカメラ2の設置位置の範囲が広がる。そのため、特別な知識を持たないユーザがカメラ2を配置した場合であっても、対象人物のバイタルサインを測定可能な撮影画像3を取得することができる。
また、本実施形態によれば、基準物との相対的な位置関係により、バイタルサインの測定領域が特定される。したがって、バイタルサインを測定する測定領域の指定を、ユーザの手動によらず、自動的に行うことができる。更に、本実施形態によれば、この測定領域の特定に深度データが利用される。具体的には、深度データを利用することで、バイタルサインの測定領域は、実空間上で、基準物の位置を基準に特定される。したがって、本実施形態によれば、バイタルサインを測定する測定領域の指定を実空間上で適切に行うことができる。
よって、本実施形態によれば、バイタルサインの測定に関して特別な知識を持たないユーザであっても、対象人物のバイタルサインを適切に測定することができる。
なお、バイタルサイン測定装置1の配置場所は、カメラ2から撮影画像3を取得可能であれば、実施の形態に応じて適宜決定可能である。例えば、バイタルサイン測定装置1は、図1に例示されるように、カメラ2に近接するように配置されてもよい。また、バイタルサイン測定装置1は、ネットワークを介してカメラ2と接続してもよく、当該カメラ2とは全く異なる場所に配置されてもよい。
§2 構成例
<ハードウェア構成>
次に、図2を用いて、バイタルサイン測定装置1のハードウェア構成を説明する。図2は、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1のハードウェア構成を例示する。バイタルサイン測定装置1は、図2に例示されるように、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む制御部11、制御部11で実行するプログラム5等を記憶する記憶部12、画像の表示と入力を行うためのタッチパネルディスプレイ13、音声を出力するためのスピーカ14、外部装置と接続するための外部インタフェース15、ネットワークを介して通信を行うための通信インタフェース16、及び記憶媒体6に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ17が電気的に接続されたコンピュータである。図2では、通信インタフェース及び外部インタフェースは、それぞれ、「通信I/F」及び「外部I/F」と記載されている。
なお、バイタルサイン測定装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、例えば、タッチパネルディスプレイ13は、それぞれ別個独立に接続される入力装置及び表示装置に置き換えられてもよい。また、例えば、スピーカ14は省略されてもよい。また、例えば、スピーカ14は、バイタルサイン測定装置1の内部装置としてではなく、外部装置として個人識別装置に接続されてもよい。また、バイタルサイン測定装置1はカメラ2を内蔵してもよい。更に、バイタルサイン測定装置1は、複数の外部インタフェース15を備えてもよく、複数の外部装置と接続してもよい。
本実施形態に係るカメラ2は、外部インタフェース15を介してバイタルサイン測定装置1に接続しており、バイタルサインを測定する対象人物を撮影する。カメラ2の設置場所は、対象人物を撮影可能であれば特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、図1で例示される場面では、カメラ2は、ベッド上で寝ている対象人物を撮影可能なように、ベッドの下端側に、ベッド面よりやや上方の高さで、ベッドのヘッドボードの方を向けて配置されている。
このカメラ2は、深度データを含む撮影画像3を撮影するために、被写体の深度を測定するための深度センサ21を備えている。この深度センサ21の種類及び測定方法は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、深度センサ21として、TOF(Time Of Flight)方式等のセンサを挙げることができる。
ただし、カメラ2の構成は、深度を取得可能であれば、このような例に限定されず、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、カメラ2は、撮影範囲内の被写体の深度を特定することが可能なように、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、撮影範囲内の被写体を複数の異なる方向から撮影するため、当該被写体の深度を記録することができる。また、カメラ2は、撮影範囲内の被写体の深度を特定可能であれば、深度センサ21単体に置き換わってもよい。
なお、対象人物を撮影する場所は暗い可能性がある。そこで、撮影場所の明るさに影響されずに深度を取得可能なように、深度センサ21は、赤外線の照射に基づいて深度を測定する赤外線深度センサであってもよい。このような赤外線深度センサを含む比較的安価な撮影装置として、例えば、マイクロソフト社のKinect、ASUS社のXtion、PrimeSense社のCARMINEを挙げることができる。
ここで、図3を用いて、本実施形態に係る深度センサ21によって測定される深度を詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る深度として扱うことが可能な距離の一例を示す。当該深度は、被写体の深さを表現する。図3で例示されるように、被写体の深さは、例えば、カメラ2と対象物との直線の距離Aで表現されてもよいし、カメラ2の被写体に対する水平軸から下ろした垂線の距離Bで表現されてもよい。
すなわち、本実施形態に係る深度は、距離Aであってもよいし、距離Bであってもよい。本実施形態では、距離Bを深度として扱うことにする。ただし、距離A及び距離Bは、例えば、三平方の定理等に基づいて、互いに変換可能である。そのため、距離Bを用いた以降の説明は、そのまま、距離Aに適用することが可能である。本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、このような深度を利用することで、バイタルサインを測定することができる。
また、本実施形態では、記憶部12は、プログラム5を格納している。このプログラム5は、バイタルサイン測定装置1に後述するバイタルサインの測定に関する各処理を実行させるためのプログラムであり、本発明の「バイタルサイン測定プログラム」に相当する。このプログラム5は記憶媒体6に記録されていてもよい。
記憶媒体6は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。記憶媒体6は、本発明の「記憶媒体」に相当する。なお、図2は、記憶媒体6の一例として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体6の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
また、このようなバイタルサイン測定装置1は、例えば、提供されるサービス専用に設計された装置であってもよいし、PC(Personal Computer)、タブレット端末等の汎用の装置であってもよい。更に、バイタルサイン測定装置1は、1又は複数のコンピュータにより実装されてもよい。
<機能構成例>
次に、図4を用いて、バイタルサイン測定装置1の機能構成を説明する。図4は、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1の機能構成を例示する。本実施形態では、バイタルサイン測定装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラム5をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたプログラム5をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これにより、バイタルサイン測定装置1は、画像取得部51、抽出部52、測定位置特定部53及びバイタルサイン測定部54を備えるコンピュータとして機能する。
画像取得部51は、カメラ2によって撮影された撮影画像3を取得する。取得される撮影画像3には、各画素の深度を示す深度データが含まれている。上記のとおり、この深度データによれば、撮影画像3内に写る被写体の実空間上の位置、より詳細には、実空間上における被写体表面の位置を特定することができる。
そこで、抽出部52は、取得した撮影画像3内において対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出する。測定位置特定部53は、抽出した人物領域及び基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における基準物との相対的な位置関係により、対象人物の身体上でバイタルサインを測定する測定領域の位置を特定する。
そして、バイタルサイン測定部54は、測定領域に対応する撮影画像3内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における当該測定領域の変動を計測する。更に、バイタルサイン測定装置1は、計測した測定領域の実空間上における変動に基づいて、測定領域を含む対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定する。
なお、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例を説明している。しかしながら、これらの機能の一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、バイタルサイン測定装置1の機能構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換、及び追加が行われてもよい。各機能に関しては後述する動作例で詳細に説明する。
§3 動作例
次に、図5を用いて、バイタルサイン測定装置1の動作例を説明する。図5は、バイタルサイン測定装置1によるバイタルサインの測定に関する処理手順を例示する。なお、以下で説明するバイタルサインの測定に関する処理手順は、本発明の「バイタルサイン測定方法」に相当する。ただし、以下で説明するバイタルサインの測定に関する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS101)
ステップS101では、制御部11は、画像取得部51として機能し、カメラ2により撮影された撮影画像3を取得する。そして、制御部11は、撮影画像3を取得した後に、次のステップS102に処理を進める。
本実施形態では、カメラ2は、深度センサ21を備えている。そのため、本ステップS101において取得される撮影画像3には、当該深度センサ21により測定された各画素の深度を示す深度データが含まれる。制御部11は、この深度データを含む撮影画像3として、例えば、図6で例示される撮影画像3を取得する。
図6は、深度データを含む撮影画像3の一例を示す。図6で例示される撮影画像3は、各画素の濃淡値が当該各画素の深度に応じて定められた画像である。黒色の画素ほど、カメラ2に近いことを示す。一方、白色の画素ほど、カメラ2から遠いことを示す。制御部11は、この深度データに基づいて、各画素の写る対象の実空間での位置を特定することができる。すなわち、制御部11は、撮影画像3内の各画素の座標(二次元情報)と深度とから、当該各画素内に写る被写体の三次元空間(実空間)での位置を特定することができる。以下、図7及び図8を用いて、制御部11が各画素の実空間上での位置を特定する計算例を示す。
図7は、撮影画像3内の座標関係を模式的に例示する。また、図8は、撮影画像3の任意の画素(点s)とカメラ2との実空間内での位置関係を模式的に例示する。なお、図7の左右方向は、図8の紙面に垂直な方向に対応する。すなわち、図8で表れている撮影画像3の長さは、図7で例示される縦方向の長さ(Hピクセル)に対応する。また、図7で例示される横方向の長さ(Wピクセル)は、図1で表れていない撮影画像3の紙面垂直方向の長さに対応する。
ここで、図7で例示されるように、撮影画像3の任意の画素(点s)の座標を(xs,ys)とし、カメラ2の横方向の画角をVx、縦方向の画角をVyとする。また、撮影画像3の横方向のピクセル数をWとし、縦方向のピクセル数をHとし、撮影画像3の中心点(画素)の座標を(0,0)とする。
制御部11は、カメラ2の画角(Vx、Vy)を示す情報をカメラ2から取得することができる。また、制御部11は、このカメラ2の画角(Vx、Vy)を示す情報を、ユーザ入力に基づき取得してもよいし、予め設定されている設定値として取得してもよい。また、制御部11は、点sの座標(xs,ys)及び撮影画像3のピクセル数(W×H)を撮影画像3から取得することができる。更に、制御部11は、撮影画像3に含まれる深度データを参照することによって、点sの深度Dsを取得することができる。
制御部11は、これらの情報を利用することで、当該各画素(点s)の実空間上の位置を特定することができる。例えば、制御部11は、以下の数1〜3で示される関係式に基づいて、図8に例示されるカメラ座標系におけるカメラ2から点sまでのベクトルS(Sx,Sy,Sz,1)の各値を算出することができる。これにより、撮影画像3内の二次元座標系における点sの位置とカメラ座標系における点sの位置とは相互に変換可能になる。
ただし、上記ベクトルSは、カメラ2を中心とした三次元座標系のベクトルである。このカメラ2は、図8に例示されるように、水平面(地面)に対して傾いている場合がある。すなわち、カメラ座標系は、水平面(地面)を基準とする三次元空間のワールド座標系から傾いている場合がある。そのため、制御部11は、カメラ2のロール角、ピッチ角(図8のα)及びヨー角を用いた射影変換を上記ベクトルSに適用することによって、上記カメラ座標系のベクトルSをワールド座標系のベクトルに変換し、ワールド座標系における点sの位置を算出してもよい。このカメラ座標及びワールド座標はそれぞれ、実空間を表す座標系である。制御部11は、このようにして、深度データを利用することで、撮影画像3に写る被写体の実空間上の位置を特定することができる。
また、本実施形態では、制御部11は、対象人物のバイタルサインを測定可能なように、所定時間分の動画像又は複数枚の静止画像を撮影画像3として取得する。これにより、取得される撮影画像3には、所定時間分のバイタルサインが現れる。制御部11は、このような撮影画像3を取得した段階で、後述するステップS102〜S105までの処理を取得した撮影画像3に対して実行することで、所定時間内に現れるバイタルサインを測定する。なお、バイタルサインを測定する時間の基準となる所定時間の値は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。また、制御部11は、撮影画像3を構成する一部のフレームを取得した段階で、後述するステップS102〜S105までの処理の少なくとも一部を当該取得したフレームに対して実行してもよい。
なお、制御部11は、対象人物のバイタルサインのモニタリングを行うため、カメラ2のビデオ信号に同期させて撮影画像3を取得してもよい。そして、制御部11は、後述するステップS102〜S105までの処理を取得した撮影画像3に対して即座に実行してもよい。バイタルサイン測定装置1は、このような動作を絶え間なく連続して実行することにより、リアルタイム画像処理を実現し、カメラ2の撮影範囲に存在する対象人物のバイタルサインのモニタリングをリアルタイムに行うことができる。
(ステップS102)
図5に戻り、次のステップS102では、制御部11は、抽出部52として機能し、ステップS101で取得した撮影画像3内で、対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出する。そして、制御部11は、撮影画像3内で人物領域及び基準領域を抽出した後に、次のステップS103に処理を進める。
ここで、基準物は、上記のとおり、バイタルサインの測定領域を特定する基準となるものであり、例えば、対象人物の頭部、ベッドの縁、ベッドのヘッドボード等である。基準物は、対象人物の身体の一部であってもよいし、それ以外の物であってもよい。また、基準物は、ヘッドボードの一部分等、一個の個体として独立していなくてもよい。基準物は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。本実施形態では、基準物として頭部が採用される。そのため、本ステップS102では、制御部11は、人物領域と頭部領域(基準領域)とを抽出する。
なお、人物領域及び基準領域を抽出する方法は、種々の公知の方法があり、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御部11は、対象人物及び頭部の形状に基づいて、パターン検出、図形要素検出等の画像解析を行うことによって、撮影画像3内で人物領域及び基準領域を抽出してもよい。
また、例えば、対象物の身体及び頭部は、実空間上で動いている。そのため、撮影画像3内で、人物領域及び基準領域は移動する。このような移動する領域は、背景差分法によって抽出することができる。そこで、制御部11は、背景差分法に基づいて、この移動する領域を人物領域及び基準領域として抽出してもよい。
より詳細には、制御部11は、背景差分法に用いる背景画像を取得する。この背景画像は、任意の方法で取得されてよく、実施の形態に応じて適宜設定される。例えば、制御部11は、カメラ2の撮影範囲に対象人物が進入する前の撮影画像、換言すると、対象人物の写っていない撮影画像を背景画像として取得してもよい。そして、制御部11は、上記ステップS101の時点で取得した撮影画像3と背景画像との差分を算出し、当該撮影画像3の前景領域を抽出する。この前景領域は、背景画像から変化の生じた領域であり、移動する物体(動体)の写る領域である。
そのため、制御部11は、抽出した前景領域が閾値以上の面積を有する場合に、当該前景領域を人物領域として認識してもよい。そして、制御部11は、パターン検出等によって、この前景領域から基準領域(頭部領域)を抽出してもよい。この前景領域を抽出するための処理は、撮影画像3と背景画像との差分を計算する処理に過ぎない。そのため、当該処理によれば、制御部11(バイタルサイン測定装置1)は、高度な画像処理を利用せずに、人物領域及び基準領域を検出する範囲を絞ることができる。よって、当該処理によれば、本ステップS102における処理の負荷を低減することができる。
なお、背景差分法には様々な種類が存在し、本実施形態に適用可能な背景差分法は上記のような例に限られる訳ではない。その他の種類の背景差分法として、例えば、異なる3枚の画像を用いて背景と前景とを分離する方法、及び統計的モデルを適用することで背景と前景とを分離する方法を挙げることができる。これらの方法によって、制御部11は、人物領域及び基準領域を抽出してもよい。
(ステップS103)
次のステップS103では、制御部11は、測定位置特定部53として機能し、ステップS102で抽出した人物領域及び基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における基準物との相対的な位置関係により、対象人物の身体上でバイタルサインを測定する測定領域の位置を特定する。そして、制御部11は、測定領域の位置を特定した後、次のステップS104に処理を進める。
測定領域は、測定するバイタルサインの種類に応じて、対象人物の身体上で任意の位置に設定されてよい。また、基準物と測定領域との相対的な位置関係は、基準物の種別、測定領域を設定する身体部位等に応じて、適宜設定可能である。本実施形態では、図1に例示するように、測定領域は対象人物の胸郭内に設定され、対象人物の頭部が基準物として採用されている。そのため、制御部11は、実空間上での頭部との相対的な位置関係により、対象人物の胸郭内で測定領域の位置を特定する。例えば、図9のようにして、制御部11は、対象人物の胸郭内で測定領域の位置を特定することができる。
図9は、胸郭内に設定される測定領域31と頭部との位置関係を模式的に例示する。頭部と胸郭との相対的な位置関係はある程度限られ、大きな個人差は生じ難い。そこで、頭部と胸郭内で設定される測定領域31との相対的な位置関係として、頭部の大きさR1と頭部下端から胸郭に設定された測定領域31までの距離R2との比率が定められてもよい。この場合、制御部11は、例えば、ステップS102で抽出した基準領域に含まれる各画素の深度を利用して、頭部の大きさR1を算出する。次に、制御部11は、設定された比率と算出した頭部の大きさR1とから、頭部下端から測定領域31までの距離R2を算出する。
ここで、上記のとおり、人物領域に含まれる各画素の深度に基づいて、対象人物の身体表面の位置を特定することができる。そのため、制御部11は、この人物領域に含まれる各画素の深度に基づいて、対象人物の身体表面の位置を認識する。続いて、制御部11は、認識した身体表面上で、頭部下端から下方に距離R2の左右方向のラインL1の位置を特定する。そして、制御部11は、特定したラインL1上の身体中央に所定の大きさの領域を指定し、指定したその領域を測定領域として特定する。これによって、制御部11は、胸郭内に設定された測定領域31の位置を特定することができる。
なお、頭部の大きさR1と頭部下端から測定領域31までの距離R2との比率は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。また、測定領域31は、身体中央で指定されなくてもよく、身体右寄り又は左寄りに指定されてもよい。更に、頭部と測定領域31との相対的な位置関係は、このような大きさの比率の例に限られず、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、距離R2の値が直接与えられてもよい。
また、制御部11は、撮影画像3内の一画素と測定領域とが対応するように、測定領域31の範囲を設定してもよい。ただし、一画素の変動には測定誤差が含まれやすく、これによって、バイタルサインの測定に誤差が生じやすくなってしまう。そのため、測定領域31の大きさは、当該測定領域31に対応する撮影画像3内領域が複数の画素を含むように設定されるのが好ましい。なお、図9では、測定領域31の形状は矩形状である。しかしながら、測定領域31の形状は、このような例に限られず、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
(ステップS104)
図5に戻り、次のステップS104では、制御部11は、バイタルサイン測定部54として機能し、ステップS103で特定した測定領域に対応する撮影画像3内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における当該測定領域の変動を計測する。そして、当該測定領域の変動を計測した後、制御部11は、次のステップS105に処理を進める。
上記のとおり、各画素の深度は、実空間上における被写体表面の位置を示す。また、ステップS101で取得された撮影画像3は、所定時間分の動画像又は複数枚の静止画像である。そのため、制御部11は、測定領域に含まれる各画素の深度をプロットすることで、当該測定領域の変動を計測することができる。以下では、当該測定領域の変動を計測する方法の一例について、図10及び図11を用いて、詳細に説明する。
図10は、測定領域31が変位する場面を模式的に例示する。また、図11は、計測される測定領域31の変動を模式的に例示する。制御部11は、例えば、オプティカルフロー等に基づいて、測定領域31を撮影画像3内で追跡する。そして、図10に例示されるように、制御部11は、測定領域31に対応する撮影画像3内の領域に含まれる各画素GAの深度を参照することで、当該各画素GAの実空間上での変位を計測することができる。計測する変位の方向は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、制御部11は、身体の前後方向の変位を計測してもよい。
上記のとおり、各画素GAの深度には、深度センサ21で生じる誤差が含まれている可能性がある。そのため、制御部11は、計測した画素GAの変位の平均値を算出し、算出した平均値を測定領域31の実空間上での変位とする。これによって、各画素GAで生じうる誤差を打ち消し、測定領域31の変位を精度よく計測することができる。なお、図10では、9つの画素GAが例示されている。この場合には、制御部11は、9つの画素GAの変位を計測し、計測した9つの画素GAの変位の平均値を算出する。これによって、制御部11は、測定領域31の変位を得ることができる。
そして、制御部11は、計測した測定領域31の変位を時系列順にプロットする。そうすると、制御部11は、図11のグラフで例示される測定領域31の実空間上での変動を示すデータを取得することができる。なお、測定領域31の変動を示すデータの形式は、図11で例示されるようなグラフ形式に限られず、例えば、上記変位の配列等であってよい。本実施形態では、測定領域31は胸郭内で特定されるため、制御部11は、本ステップS104によって、図11のグラフで例示されるような胸郭の変動を計測することができる。
(ステップS105)
次のステップS105では、制御部11は、バイタルサイン測定部54として機能し、ステップS104で計測した測定領域の実空間上における変動に基づいて、測定領域を含む対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定する。これによって、本動作例に係る処理は終了する。
測定するバイタルサインの種類は、測定領域を設定する身体部位に応じて、適宜決定されてよい。本実施形態では、ステップS104において、胸郭内で特定された測定領域31の変動が測定される。そのため、本ステップS105では、制御部11は、胸郭内で特定された測定領域31の実空間上における変動に基づいて、対象人物の呼吸数及び心拍数のうちの少なくとも一方を胸郭の示すバイタルサインとして測定する。以下、胸郭の示すバイタルサインについて、図12A及び図12Bを用いて、詳細に説明する。
図12Aは、呼吸による胸郭の変動を模式的に例示する。また、図12Bは、心拍による胸郭の変動を模式的に例示する。胸郭の変動は、対象人物が呼吸したとき及び心臓が拍動したときに発生すると想定される。すなわち、ステップS104で計測される測定領域31の変動(図11)は、呼吸による変動(図12A)と心拍による変動(図12B)とで構成されているものと想定される。図12A及び図12Bに例示されるように、この呼吸による変動と心拍による変動とは周期性を有している。
ここで、呼吸による変動と心拍とによる変動とでは、基本的には、その周期及び振幅(変位の大きさ)が互いに異なっている。図12A及び図12Bでは、呼吸による変動は、心拍による変動よりも振幅が大きく、周期が遅くなっている。本実施形態では、このような周期及び振幅が互いに異なる呼吸による変動と心拍とによる変動と併合されることで、測定領域31の変動が構成されるものと想定される。
そこで、制御部11は、ステップS104で計測された測定領域31の変動(図11)をフーリエ変換等によって周波数解析を行う。これによって、制御部11は、ステップS104で計測された測定領域31の変動(図11)を呼吸による変動(図12A)と心拍による変動(図12B)とに分割することができる。そして、制御部11は、図12Aで例示される呼吸による変動の周期を計測することで、対象人物の呼吸数を測定することができる。同様に、制御部11は、図12Bで例示される心拍による変動の周期を計測することで、対象人物の呼吸数を測定することができる。
なお、図12A及び図12Bでは、呼吸による変動及び心拍による変動は、周期及び振幅が一定のグラフで表現されている。しかしながら、呼吸による変動及び心拍による変動は、このような例に限られず、周期及び振幅が変化してもよい。また、呼吸数は、単位時間当たりの呼吸の回数を示す。心拍数は、単位時間当たりの心拍の回数を示す。呼吸の回数及び心拍の回数それぞれを測定する時間は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
また、制御部11は、呼吸数及び心拍数のいずれか一方のみを測定してもよい。更に、呼吸数のみを測定する場合には、上記の周波数解析の他、制御部11は、図11で例示される測定領域31の変動におけるピーク数を計測することで、呼吸数を測定してもよい。各種バイタルサインを測定する方法は、これらの方法に限られず、バイタルサインの種類に応じて適宜選択されてよい。
(作用・効果)
以上のように、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像3に基づいて対象人物のバイタルサインを測定する。上記のとおり、各画素の深度は被写体表面に対して取得されるため、深度データを利用すれば、実空間上の被写体表面の位置を特定することができる。
したがって、本実施形態によれば、上記動作例に示されるように、深度データを利用することで、対象人物に対するカメラ2の視野方向(視点)に依存することなく、取得された撮影画像3からバイタルサインを測定することができる。すなわち、本実施形態によれば、バイタルサインを測定する際のカメラ2の設置条件の自由度が高まり、対象のバイタルサインを測定可能なカメラ2の設置位置の範囲が広がる。
例えば、本実施形態では、図1に例示されるようにベッドの下端側に、ヘッドボードの方に向けて配置されている。しかしながら、カメラ2をこのように配置しなくても、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、対象人物のバイタルサインを測定することができる。具体的には、対象人物が撮影範囲に入るようにカメラ2を配置すればよく、ベッドのサイドフレーム側又はヘッドボード側にカメラ2を配置してもよい。また、ベッドから離してカメラ2を配置してもよい。このように、本実施形態によれば、対象のバイタルサインを測定可能なカメラ2の設置位置の範囲が広がる。そのため、特別な知識を持たないユーザがカメラ2を配置した場合であっても、対象人物のバイタルサインを測定可能な撮影画像3を取得することができる。
また、本実施形態によれば、上記ステップS103の処理おいて、基準物との相対的な位置関係に基づいて、バイタルサインの測定領域が特定される。したがって、バイタルサインを測定する測定領域の指定を、ユーザの手動によらず、自動的に行うことができる。更に、本実施形態によれば、この測定領域の特定に深度データが利用される。具体的には、上記ステップS103において、深度データを利用することで、バイタルサインの測定領域は、実空間上で、基準物の位置を基準に特定される。したがって、本実施形態によれば、バイタルサインを測定する測定領域の指定を実空間上で適切に行うことができる。
よって、本実施形態によれば、バイタルサインの測定に関して特別な知識を持たないユーザであっても、対象人物のバイタルサインを適切に測定することができる。
また、本実施形態では、上記ステップS103において、バイタルサイン測定装置1は、対象人物の頭部を基準物として採用し、頭部の位置を基準として胸郭内の測定領域の位置を特定している。上記のとおり、頭部と胸郭との相対的な位置関係はある程度限られ、大きな個人差は生じ難い。そのため、本実施形態によれば、バイタルサインを測定する胸郭の位置を比較的に正確に特定することができ、これによって、バイタルサインを適切に測定することができる。特に、本実施形態では、バイタルサイン測定装置1は、呼吸数及び心拍数のうちの少なくとも一方を胸郭の示すバイタルサインとして測定している。そのため、本実施形態では、この呼吸数及び心拍数をそれぞれ適切に測定することができる。
(その他)
なお、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、カメラ2の撮影範囲内に存在する対象人物のバイタルサインを測定することができる。そのため、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、バイタルサインの測定を伴う様々なシステムに利用することができる。
例えば、本実施形態に係るバイタルサイン測定装置1は、見守り対象者のバイタルサインをモニタリングするシステムに利用することができる。そして、モニタリングしているバイタルサインが異常状態である場合に、バイタルサイン測定装置1は、タッチパネルディスプレイ13、スピーカ14等を介して、見守り対象者が異常状態に陥っていることを知らせるための報知を行ってもよい。なお、バイタルサインが異常状態である場合とは、例えば、呼吸数が所定値以上より高く、見守り対象者が過呼吸状態になっていると想定される場合、呼吸数及び心拍数がほぼ零であり、見守り対象者が心停止状態になっていると想定される場合等である。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
(1)基準物
一例を挙げると、上記実施形態では、制御部11は、ステップS103において、頭部の位置を基準にして、胸郭内の測定領域31の位置を特定している。しかしながら、胸郭内に設定された測定領域31の位置を特定するための基準物は、頭部に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。上記実施形態では、対象人物は、ベッド上に存在する。そのため、例えば、図13に例示されるように、ベッドのヘッドボードが基準物として採用されてもよい。
図13は、胸郭内に設定される測定領域31とヘッドボードとの位置関係を模式的に例示する。図13に例示されるように、ヘッドボードと胸郭内で設定される測定領域との相対的な位置関係として、ベッドの大きさR3とヘッドボードから測定領域までの距離R4との比率が定められてもよい。ベッドの大きさR3は、設定値として予め与えられてもよいし、撮影画像3の画像解析により算出されてもよいし、ユーザにより入力されてもよい。これにより、上記ステップS103と同様の方法で、制御部11は、胸郭内に設定された測定領域31の位置を特定することができる。対象人物がベッド上に存在する場合、特に、ベッド上に寝ている場合、図13に例示されるように、ベッドのヘッドボードと対象人物の胸郭との相対的な位置関係はある程度限られ、大きな個人差は生じ難い。そのため、当該変形例によれば、ヘッドボードの位置を基準に、バイタルサインを測定する胸郭の位置を比較的に正確に特定することができ、これによって、バイタルサインを適切に測定することができる。
なお、ベッドの大きさR3とヘッドボードから測定領域までの距離R4との比率は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。また、測定領域31は、身体中央で指定されなくてもよく、身体右寄り又は左寄りに指定されてもよい。更に、ヘッドボードと測定領域31との相対的な位置関係は、このような大きさの比率の例に限られず、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、距離R4の値が直接与えられてもよい。
また、測定領域を設定する身体部位は、胸郭に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。測定領域を設定する身体部位及び基準物を上記実施形態から変更しても、測定領域と基準物との相対的な位置関係は、上記実施形態と同様に説明可能である。そのため、測定領域を設定する身体部位及び基準物が上記実施形態から変更されても、上記実施形態と同様の処理によって、各種のバイタルサインを測定することができる。
例えば、呼吸には、腹式呼吸と胸式呼吸との2種類のタイプがある。腹式呼吸とは、横隔膜の上下運動により行う呼吸である。一方、胸式呼吸とは、胸郭を拡げることによって行う呼吸である。そのため、対象人物が呼吸をする際には、胸郭の他に、肩部、腹部、背部等も変動する。したがって、呼吸数を測定する場合には、測定領域は、胸郭ではなく、肩部、腹部、背部等に設定されてもよい。
また、例えば、心拍によって動脈内の血液の圧力が変動すると、浅側頭動脈、顔面動脈、総頚動脈、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈等の動脈部でも拍動(脈拍)が生じる。そのため、これらの動脈部のうち、衣服に覆われていない部分に測定領域が設定されてもよい。この場合、脈拍数を測定することができる。
更に、他のバイタルサインとして、例えば、振戦を測定してもよい。振戦とは、筋肉の収縮と弛緩とが繰り返されることで生じる不随意的な身体のふるえである。振戦には、片側振戦、両側振戦等のタイプがあり、振戦が生じた場合には、腕部、脚部等がふるえる。そこで、上記バイタルサイン測定装置1は、腕部、脚部等に測定領域を設定し、この振戦の振動数(単位時間当たりのふるえの回数)、ふるえの大きさ等を測定してもよい。
(2)測定領域の特定
また、上記実施形態では、制御部11は、ステップS103において、基準物である頭部の位置を基準に測定領域31の位置を直接特定している。しかしながら、測定領域31を特定する方法は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、図14に例示されるように、制御部11は、基準物の位置を基準に複数の候補領域それぞれの位置を特定し、当該複数の候補領域からバイタルサインの測定に適切な候補領域を選択することで、測定領域31を特定してもよい。
図14は、本変形例に係る測定領域の特定方法を模式的に例示する。まず、制御部11は、実空間上における基準物との相対的な位置関係により、測定領域についての複数の候補領域それぞれの位置を対象人物の身体上で特定する。例えば、図14で例示される場面では、制御部11は、上記ステップS103で測定領域31の位置を特定した方法と同様の方法で、ラインL1上に3つの候補領域32a〜32cを特定する。
なお、図14では、当該3つの候補領域32a〜32cのうち候補領域32bは、上記測定領域31と同様の位置に設定されている。そして、候補領域32aは、候補領域32bの右寄りの位置に設定されている。候補領域32cは、候補領域32bの左寄りの位置に設定されている。ただし、候補領域の数は、3つに限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、各候補領域の位置は、ラインL1上に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
次に、制御部11は、上記ステップS104と同様の方法で、複数の候補領域それぞれに対応する撮影画像3内の各領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における複数の候補領域それぞれの変動を計測する。図14で例示される場面では、制御部11は、3つの候補領域32a〜32cそれぞれの実空間上での変動を計測する。これによって、各候補領域32a〜32cの変動について、図11に例示されるデータが得られる。
そして、制御部11は、計測した実空間上での変動が最も大きい候補領域を測定領域として選択する。これによって、対象人物の身体上で測定領域の位置が特定される。例えば、図14で例示される場面において、3つの候補領域32a〜32cのうち候補領域32cの変動を示すデータの振幅が大きい場合、制御部11は、3つの候補領域32a〜32cのうち候補領域32cを測定領域として選択することで、胸郭内の測定領域の位置を特定する。
バイタルサインを測定するためには、当該バイタルサインの動きをより反映している領域に測定領域を設定するのが適切である。この点、本変形例では、バイタルサインの測定領域についての複数の候補領域の中から、実空間上で最も変動している候補領域、すなわち、バイタルサインの動きが最も反映している候補領域を測定領域として選択することができる。そのため、本変形例によれば、対象人物のバイタルサインの測定に適切な位置に測定領域を設定することができ、当該バイタルサインをより容易に且つ正確に測定することができる。
1…バイタルサイン測定装置、
2…カメラ、21…深度センサ、
3…撮影画像、31…測定領域、32a〜32c…候補領域、
5…プログラム、6…記憶媒体、
11…制御部、12…記憶部、13…タッチパネルディスプレイ、
14…スピーカ、15…外部インタフェース、16…通信インタフェース、
17…ドライブ、
51…画像取得部、52…抽出部、53…測定位置特定部、
54…バイタルサイン測定部

Claims (5)

  1. バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得する画像取得部と、
    取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出する抽出部と、
    抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定する測定位置特定部と、
    前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測し、計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するバイタルサイン測定部と、
    を備え、
    前記対象人物は、ベッド上に存在し、
    前記基準物は、前記ベッドのヘッドボードであり、
    前記測定位置特定部は、実空間における前記ヘッドボードとの相対的な位置関係により、前記対象人物の胸郭内で前記測定領域の位置を特定する、
    バイタルサイン測定装置。
  2. 前記測定位置特定部は、
    実空間上における前記基準物との相対的な位置関係により、前記測定領域についての複数の候補領域それぞれの位置を前記対象人物の身体上で特定し、
    前記複数の候補領域それぞれに対応する前記撮影画像内の各領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記複数の候補領域それぞれの変動を計測し、
    計測した実空間上での変動が最も大きい候補領域を前記測定領域として選択する、
    ことによって、前記対象人物の身体上で前記測定領域の位置を特定する、
    請求項1に記載のバイタルサイン測定装置。
  3. 前記バイタルサイン測定部は、前記胸郭内で特定された前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、前記対象人物の呼吸数及び心拍数のうちの少なくとも一方を前記胸郭の示すバイタルサインとして測定する、
    請求項1又は2に記載のバイタルサイン測定装置。
  4. コンピュータが、
    バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得するステップと、
    取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出するステップと、
    抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定するステップと、
    前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測するステップと、
    計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するステップと、
    を実行するバイタルサイン測定方法であって、
    前記対象人物は、ベッド上に存在し、
    前記基準物は、前記ベッドのヘッドボードであり、
    前記測定するステップでは、前記コンピュータは、実空間における前記ヘッドボードとの相対的な位置関係により、前記対象人物の胸郭内で前記測定領域の位置を特定する、
    バイタルサイン測定方法。
  5. コンピュータに、
    バイタルサインを測定する対象となる対象人物を撮影した撮影画像であって、当該撮影画像内の各画素の深度を示す深度データを含む撮影画像を取得するステップと、
    取得した前記撮影画像内で、前記対象人物の写る人物領域及び基準物の写る基準領域を抽出するステップと、
    抽出した前記人物領域及び前記基準領域に含まれる各画素の深度を参照して、実空間における前記基準物との相対的な位置関係により、前記対象人物の身体上で前記バイタルサインを測定する測定領域の位置を特定するステップと、
    前記測定領域に対応する前記撮影画像内の領域に含まれる各画素の深度を用いて、実空間上における前記測定領域の変動を計測するステップと、
    計測した前記測定領域の実空間上における変動に基づいて、当該測定領域を含む前記対象人物の身体部位が示すバイタルサインを測定するステップと、
    を実行させるためのバイタルサイン測定プログラムであって、
    前記対象人物は、ベッド上に存在し、
    前記基準物は、前記ベッドのヘッドボードであり、
    前記測定するステップでは、前記コンピュータに、実空間における前記ヘッドボードとの相対的な位置関係により、前記対象人物の胸郭内で前記測定領域の位置を特定させる、
    バイタルサイン測定プログラム。

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