JP6737258B2 - 圧延機及び圧延監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機におけるロールチョックの交換時期を適切に把握する技術に関するものである。
鋼板等の被圧延材を圧延する際には、圧延機が用いられる。圧延機は、被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、ワークロールを支持する上下一対の補助ロールとを有する。また、ロールを6本備えた6Hi型の圧延機では、ワークロールと補助ロールとの間に、上下一対の中間ロールが設けられる。
圧延機の各種ロールは、それぞれの軸線方向の両端に取り付けられるロールチョックを介して、操作側(op側)及び駆動側(dr側)に配置した左右のハウジングに据え付けられる。この際、ロールの交換作業を容易にするために、ロールチョックとハウジングとの間にクリアランスが設けられる。
しかし、上記クリアランスをそのままにした状態で圧延を行うと、圧延時にロールに加わる力によってロールチョックの位置がずれる、いわゆるガタを生じることになる。具体的には、ワークロールと中間ロールとのロールクロスが大きく変化して被圧延材の通板性が悪化し、被圧延材の尾端部が蛇行して板絞りが発生することがある。
そこで、特許文献1のように、ロールチョックとハウジングとの間に発生するクリアランスを一方向に埋めるために、ワークロール及び中間ロールを水平方向にオフセットして配置し、圧延荷重の一部を水平方向に作用させてワークロールの水平パス方向の位置を安定させる圧延技術が知られている。
また、特許文献2のように、ロールチョックとハウジングとの間に発生するクリアランスを一方向に埋めるために、ロールチョックとハウジングとの間にガタ吸収装置を配置し、ガタを吸収しながら被圧延材を圧延する技術が知られている。
特開昭61−140307号公報 特開2007−152352号公報
上記の通り、特許文献1や特許文献2の方法でガタによる問題を抑えようとしても、設備の摩耗によってガタが大きくなると対応できない。この場合、ロールチョックを交換する必要がある。ロールチョックの交換時期を適切に把握できれば、鋼板の生産性の観点から望ましい。しかし、ロールチョックの交換時期を適切に把握する技術は知られていない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロールチョックの交換時期を適切に把握できる圧延機及び圧延監視方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、以下のことを知見した。
ワークロールにスラスト力が発生している場合において、ワークロールを固定するロールチョックとハウジング間にガタが発生すると中間ロールにもスラスト力が発生する。このように、各ロールに生じるスラスト力やガタは相互に関連しており、このスラスト力とガタの関係の適切な把握が、ロールチョックの交換時期の把握のために重要である。
本発明者らは、上記知見に基づき、ワークロールと、中間ロール及び補助ロールの少なくとも一方のロールについて、ロールを軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有する圧延機とすることで上記課題が解決できることを見出した。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
[1]被圧延材を挟んで上下に配置される上下一対のワークロールと、前記ワークロールにそれぞれ接する上下一対の中間ロールと、前記中間ロールにそれぞれ接する上下一対の補助ロールと、前記ワークロール、前記中間ロール、及び前記補助ロールの両端をそれぞれ回転自在に支持する左右一対のロールチョックと、前記ロールチョックが取り付けられるハウジングを有する圧延機において、少なくともいずれかの前記左右一対のロールチョックと、前記ハウジングの内壁との間には、間隙を設けて被圧延材の通板方向の入側と出側とにロール組替装置が配置され、前記ワークロールと、前記中間ロール及び前記補助ロールの少なくとも一方のロールとを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有することを特徴とする圧延機。
[2]前記測定装置が、前記ワークロール、前記中間ロール及び前記補助ロールを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力を測定することを特徴とする[1]に記載の圧延機。
[3]前記出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には,出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置が設けられていることを特徴とする[1]又は[2]に記載の圧延機。
[4]被圧延材を挟んで上下に配置される上下一対のワークロールと、前記ワークロールにそれぞれ接する上下一対の中間ロールと、前記中間ロールにそれぞれ接する上下一対の補助ロールと、前記ワークロール、前記中間ロール、及び前記補助ロールの両端をそれぞれ回転自在に支持する左右一対のロールチョックと、前記ロールチョックが取り付けられるハウジングを有し、少なくともいずれかの前記左右一対のロールチョックと、前記ハウジングの内壁との間には、間隙を設けて被圧延材の通板方向の入側と出側とにロール組替装置が配置された圧延機を用いて被圧延材を圧延する際に、前記ワークロールと、前記中間ロール及び前記補助ロールの少なくとも一方のロールとを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力であるスラスト力を測定しながら圧延を行い、予め定めたロールチョックの位置ずれを生じさせるスラスト力の閾値と、前記測定して得られたスラスト力とを比較し、前記測定して得られたスラスト力が前記閾値を超えた場合にロールチョックの交換を行うことを決定することを特徴とする圧延監視方法。
[5]前記圧延機は、前記出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には,出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置が設けられていることを特徴とする[4]に記載の圧延監視方法。
本発明によれば、圧延機におけるロールチョックの交換時期を適切に把握することができる。
図1は、本発明に適用できる圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機を通板方向から見た正面模式図(図2のD−D矢視図)である。 図2は、本発明に適用できる圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機のロール軸方向断面を模式的に示す図(図1のE−E矢視断面図)である。 図3は、上側のワークロール1に設けられた測定装置を説明するための図である。 図4は、第二実施形態の圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機のロール軸方向断面を模式的に示す図である。 図5は、チョック拘束装置7を説明するための図である。 図6は、本発明で用いられるチョック拘束装置の、概略説明図である。 図7は、本発明で用いられるチョック拘束装置のピストンの一例を説明する詳細図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
第一実施形態
先ず、本発明が適用される圧延機について説明する。図1は、本発明に適用できる圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機を通板方向から見た正面模式図(図2のD−D矢視図)である。図2は、本発明に適用できる圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機のロール軸方向断面を模式的に示す図(図1のE−E矢視断面図)である。
図1に示すように、6段式の圧延機11は、上側及び下側にそれぞれ設けられた一対のワークロール1、2と、これらワークロール1、2にそれぞれ接する一対の中間ロール3、4と、これら中間ロール3、4にそれぞれ接する補助ロール5、6を備える。図1に示すように、これらロールの軸線方向の一端の操作側(op側)にハウジングAが配置され、他端の駆動側(dr側)にハウジングBが配置される。
図1に示すように、op側のハウジングAには、上側のワークロール1の一端を回転自在に支持するワークロールチョック1Aと、下側のワークロール2の一端を回転自在に支持するワークロールチョック2Aと、上側の中間ロール3の一端を回転自在に支持する中間ロールチョック3Aと、下側の中間ロール4の一端を回転自在に支持する中間ロールチョック4Aと、上側の補助ロール5の一端を回転自在に支持する補助ロールチョック5Aと、下側の補助ロール6の一端を回転自在に支持する補助ロールチョック6Aとが配置されている。
図1には符号を付していないが、dr側のハウジングBにも、op側と同様に各ロールの他端にはロールチョックが設けられている。
図2では、ハウジングAの内側の断面図を示す。ハウジングAの上半分には、ワークロールチョック1A、中間ロールチョック3A,及び補助ロールチョック5Aが、下から順に配置される。本実施形態では、ワークロールチョック1AとハウジングAの内壁面との間、及び中間ロールチョック3AとハウジングAの内壁面との間には、それぞれクリアランスが設けられる。これらのクリアランスをなくし、ワークロールチョック1A及び中間ロールチョック3Aの通板方向の位置を固定するように、本実施形態では、ブロック部材21及び23が設けられる。尚、ブロック部材21及び23は、上下方向にロールチョックを押圧可能であるが、通板方向には変位しない構造部材である。
圧延機11の下半分では、ワークロールチョック2A、中間ロールチョック4A、及び補助ロールチョック6Aも同様に上から順に配置される。本実施形態では、ワークロールチョック2A及び補助ロールチョック6Aと、ハウジングAの内壁との間にはクリアランスが設けられていないものの、中間ロールチョック4AとハウジングAの内壁との間にはクリアランスが設けられている。このクリアランスに、ロール組替装置24が設けられる。なお、ワークロールチョック2A、中間ロールチョック4A、及び補助ロールチョック6AのいずれかとハウジングAの内壁との間にロール組替装置24を設ければよい。
ロール組替装置24は、上述したブロック部材とは異なり、下側の中間ロールチョック4Aを完全に固定するわけではなく、ロール組替装置24と中間ロールチョック4Aとの間には間隙が設けられる。この間隙は、ロールの交換作業を容易に行えるようにするために設けられている。具体的に、ロールを組み替える際には、まずワークロール1及び2を抜き出した後、上側の中間ロール3及び補助ロール5をスペーサー等で支えつつ、ロール組替装置24をシリンダー等によって上昇させる。これにより、下側の中間ロールチョック4Aの下側において搬送方向に突出した部分と、ロール組替装置24の下側において搬送方向に突出した部分とが引っかかりを生じ、中間ロール4が上方へと引き出される。次いで、上方へと引き出された中間ロールは、通板材の幅方向(紙面の手前方向)に引き抜かれる。このように、下側の中間ロール4を取り出す際には、ロール組替装置24を上方へと引き上げ、次いで中間ロール4を幅方向に引き抜くことが必要であり、これらの移動を行うためにロール組替装置24と中間ロールチョック4Aとの間に間隙を設けておく必要がある。
圧延機11は、ワークロール1および2、中間ロール3および4、並びに補助ロール5及び6について、各ロールを軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有する。図3は、上側のワークロール1を例に、上記測定装置を説明するための図である。
上記測定装置は、ロールをシフトさせるロールシフト機構8に適用される。ロールシフト機構8は、ワークロール1をシフト方向に動作させる油圧シリンダー9と、油圧シリンダー9のヘッド側、ロッド側にそれぞれ設置された圧力計10と、圧力計10で測定した圧力値が入力される上位計算機12と、上位計算機12で計算されたワークロール1に掛かるスラスト力を監視する監視装置13とを有する。本発明の測定装置は、本実施形態においては、圧力計10、上位計算機12、監視装置13によって構成される。
ロールシフト機構8は油圧シリンダー9によってロールを保持しロール軸方向に移動させる装置である。ロールの軸方向が圧延方向と直角になっていなければ前述したようにスラスト力が発生し、これが外力となって油圧シリンダー9に作用するためシリンダー内部に圧力が発生する。スラスト力が大きいほどこの圧力も比例して大きくなる。
そこで、油圧シリンダー9の圧力を介して、上位計算機12にてスラスト力を計算できるようにしている。
監視装置13では、スラスト力の経時変化をディスプレイに表示する等して、スラスト力が監視できるようになっている。
監視装置13は、スラスト力が閾値を超えたときに警告を発する警報装置(図示せず)を有してもよい。閾値は、ロールチョックとハウジング間のガタによる問題を生じさせるスラスト力未満に設定すればよい。ただし、ロールチョックとハウジング間のガタによる問題を生じさせるスラスト力と非常に近い閾値を設定するよりは、これを少し下回る程度に余裕をもって適切な閾値を設定することが好ましい。適切な閾値は、ロールの種類、即ち、ワークロール、中間ロール、補助ロールや、ロールを構成する材質、ロール径などによって異なる。そのため,各スタンドの設備構成、および各スタンドの役割に応じて、適宜閾値を定めるものとする。また、上記ガタによる問題を生じさせるスラスト力は、実験やシミュレーションによって導出してもよいし、過去のトラブル事例から、経験的に定めてもよい。
本実施形態では、全てのロールのロールシフト機構に上記測定装置を有するが、上下のワークロールと、上下の中間ロール及び上下の補助ロールの少なくとも一方のロールとのロールシフト機構に上記測定装置が設けられていればよい。
第一実施形態の発明の効果について説明する。
本実施形態の圧延機は、ワークロールと、中間ロール及び補助ロールの少なくとも一方のロールとを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有する。ワークロールを含めて少なくとも2種類のロールについてスラスト力の測定を行うため、ロール間の相互作用も考慮しつつ、スラスト力を監視することができる。具体的には、ワークロールに関するスラスト力の閾値、中間ロール及び補助ロールの少なくとも一方のロールに関するスラスト力の閾値を超えたときに、ロールチョックの交換を行える。即ち、本実施形態の圧延機によれば、ロールチョックとハウジング間のガタの問題が起こる前の適切な時期にロールチョックを交換することができる。即ち、圧延を行いながらスラスト力を測定し、これを上記閾値と比較して、ロールチョックの交換時期を決定する監視を行うこができるので、適切な時期にロールチョックを交換できる。「圧延を行いながらスラスト力を測定」とは、経時的に行われる、連続的又は間欠的なスラスト力の測定である。例えば、連続的又は間欠的なスラスト力の測定結果を、圧延しながら閾値と比較すれば、問題が生じる直前をロールチョック交換時期にすることができる。
本実施形態では、ワークロール、中間ロール、補助ロールの全てに、スラスト力を測定する測定装置が設けられるため、より正確にロールチョックの交換時期を把握することができる。
本実施形態では、ブロック部材が設けられる。これにより、圧延の際、上側のワークロール、中間ロール、及び補助ロールについては、通板方向の上記ガタを生じにくくすることができる。つまり、ロールチョックの寿命を長くするとともに、ロールの交換時期を適切に把握することができる。このように、ロールチョックの寿命を長くする措置を採用して、従来の交換時期の目安を利用できなくなっても適切な交換時期を把握できることも本実施形態の圧延機の効果である。
また、本実施形態では、監視装置が、圧延中に発生するスラスト力を常時表示している。このため、より適切な交換時期を把握しやすい。また、警報装置を有する本実施形態によれば、常に人による監視を行う必要がない。
第二実施形態
第二実施形態の圧延機は、出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には、出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置を有する以外は、第一実施形態の圧延機と同様である。以下の説明において、第一実施形態と重複する構成については説明を省略する。また、同じ構成については同じ符号を付す。
図4は、第二実施形態の圧延機の一例である6段式(6Hi)の圧延機のロール軸方向断面を模式的に示す図である。ロール組替装置24と中間ロールチョック4Aとの間における間隙をなくすように、中間ロールチョック4Aの出側の側面と出側のロール組替装置24との間に、チョック拘束装置7が設けられる。
図5は、チョック拘束装置7を説明するための図である。図5には、図4の下側の拡大図を示す。本実施形態の圧延機では、前述のロール組替装置24と中間ロールチョック4Aとの間における間隙をなくすように、中間ロールチョック4Aの出側の側面と出側のロール組替装置24との間に、チョック拘束装置7が設けられる。チョック拘束装置7は、中間ロールチョック4Aを出側から入側の方向へと押圧することで、中間ロールチョック4Aの通板方向位置を固定し、通板時に中間ロールチョック4Aにガタが生じることを防止することができる。
チョック拘束装置7としては、シリンダー型の押圧装置を用いることができ、より具体的には油圧シリンダー型の押圧装置を用いることができる。具体例を図6に示す。チョック拘束装置7は、筒状のシリンダー7A、シリンダー7Aの内側で往復動をするピストン7B、及びピストン7Bを駆動させるための油圧室7Cを備える。油圧室7Cにおける油圧を調節することにより、ピストン7Bのヘッド面(図の上面)による中間ロールチョック4Aの出側側面に対する押圧力が調節される。また、押圧力を増減することができるように、ピストン7Bのヘッド側(図の上側)とテール側(図の下側)とにそれぞれ別の油圧室7Cを設けることが好ましい。
チョック拘束装置7において、シリンダー7Aの軸線方向長さ(図6の符号L)を、ピストン7Bのヘッド径(図6の符号R)に対して0.27倍以上、つまりL/Rを0.27以上とすることによって、本発明の効果をより有効に発揮しうる。L/Rが0.27未満であると、被圧延材の噛み込み時に発生する衝撃荷重に耐えられず、シリンダー7Aの内壁面とピストン7Bとの間におけるシールが損傷し、油漏れ等の問題が引き起こされる可能性がある。また、より確実に油漏れを防止するためには、L/Rを0.5以上とすることが好ましく、最適値としては1.2を挙げることができる。尚、L/Rを大きくしすぎると、ロール組替装置24の内側においてチョック拘束装置7を装入するための穴をその分深く設ける必要があり、ロール組替装置24の強度が低下してしまう。ロール組替装置24の強度を十分に保つという観点から、L/Rを1.5以下とすることが好ましい。
前述したピストン7Bのヘッド径とは、ヘッドの平面形状が円形である場合にはその直径の長さを採用し、ヘッドの平面形状が多角形状である場合にはその最長の対角線の長さを採用し、ヘッドの平面形状が楕円形状である場合にはその長径の長さを採用すればよい。
また図示は省略しているが、op側のハウジングにも同様のチョック拘束装置を設けることによって、中間ロールチョック4Aの搬送方向位置が固定される。
尚、本発明において、圧延機11には、チョック拘束装置7をop側とdr側とでそれぞれ一箇所ずつ設けることが好ましい。このようにop側とdr側の両端にわたり、ロールチョックを均一に押圧することで、本発明で意図するガタ発生をより効果的に防止することができる。より具体的には、op側とdr側とのそれぞれにおいて、中間ロールチョック4Aの出側のみにチョック拘束装置7を設けることが好ましい。これにより、op側又はdr側の複数箇所にチョック拘束装置7を設ける例に比べて、装置の設置コストやメンテナンスコストを抑えることができる。また、チョック拘束装置7を設けないその他のロールチョックについては、図4の上側の補助ロールチョック5Aのようにロールチョックとハウジングとの間にクリアランスを設けない態様とするか、図4の上側の中間ロールチョック3Aのようにロールチョックとハウジングとの間に生じるクリアランスを、ブロック部材によって埋める態様とすればよい。
上述したように、本発明ではチョック拘束装置7を中間ロールチョック4Aの通板方向の出側に設ける。これにより、チョック拘束装置におけるピストン等の寿命を長くすることができる。具体的に、被圧延材を噛み込む際に、6Hi型の圧延機の中間ロールにおけるロールチョックには入側から出側へと向かう力が瞬間的に加わるが、その後の定常的な通板時にはロールチョックには出側から入側へと向かう力が継続して加わる。本発明のように出側にチョック拘束装置7を設けてロールチョック4Aを出側から入側に向けて押圧するようにすると、噛み込み時には一時的に強力な負荷がチョック拘束装置7にかかることになるが、その後の圧延継続時には、チョック拘束装置7による押圧方向と、圧延によってロールチョック4Aにかかる力の方向とが同じとなるので、チョック拘束装置7にかかる負荷は小さくて済む。このように、噛み込み時における一時的な負荷に耐えてさえしまえば、その後の圧延継続時に継続的にかかる負荷を小さく抑えることができるので、チョック拘束装置7の装置寿命を長くすることができる。
なお、ロール組替装置24が配置されるロールチョックにかかる入側から出側方向に作用する荷重は、19tonであるため、本発明では出側から入側に向かってロールチョックを押圧する際は、前記の荷重(19ton)より大きな荷重とする必要がある。本発明におけるチョック拘束装置7の油圧シリンダー式装置を適用することにより、28ton以上の荷重で出側から入側に向かってロールチョックを押圧することができる。
また、シリンダー7A内のピストン7B部分にて、圧延中の荷重(スラスト力)が作用する場合があり(図7を参照)、ピストン7B部分にて破損する場合があるが、ピストンの破損を防止するために、ピストン7B部分に発生する応力集中を抑えるためには、形状の最適化を図ることでピストン7Bの耐久性を向上しうる。具体例を図7に示す。図7は、図6に示すピストン7Bの一例を説明する詳細図である。ピストン7Bは、先端プレート7B−1、ロッド7B−2、ピストン部7B−3を備える。なお、図6では、図7に示す構成を一体としてピストン7Bと称している。上記したピストン7B部分に発生する応力集中を抑えるためには、ピストン7Bの形状に対し、(1)ロッド7B−2径を太くすること、(2)ロッド7B−2と先端プレート7B−1を一体化(一体部品化)すること、あるいは(3)先端プレート7B−1とロッド7B−2のコーナーRを大きくすること、などにより最適化することが挙げられる。ここで、コーナーRを大きくするとは、例えば従来は2mm以下であったが、本発明では4mm以上10mm以下の範囲で適宜選択される大きさにすることをいう。
尚、中間ロールと補助ロール、及びワークロールと中間ロールとの間は、所定のオフセット量をもって配置させることができる。例えば、図5に示すように、下側の中間ロール4は下側の補助ロール6に対して、δ1のオフセット量をもって入側に配置されている。また、下側のワークロール2は下側の中間ロール4に対して、(δ1+δ2)のオフセット量をもって出側に配置されている。尚、図5には図示していないが、上側の補助ロール5も上側の中間ロール3に対してδ1のオフセット量をもって入側に配置され、上側のワークロール1も上側の中間ロール3に対して(δ1+δ2)のオフセット量をもって出側に配置されていてもよい。これらのオフセット量は、適宜変更することができる。
本発明によって、ロール組替装置が設けられたロールチョックにおける圧延時のガタの発生を確実に抑えることができ、ワークロールと中間ロールとの間のロールクロスの変動を抑えて被圧延材の板絞りを低減し、形状に優れた製品を製造することが可能となる。また、従来のようにロール組替装置とロールチョックとの間隙にスペーサー用の板を噛ませる態様と比較して、ロール組替装置及びロールチョックの磨耗を確実に抑えることができる。さらに、ロールチョックの出側にチョック拘束装置を設けることによって、チョック拘束装置の耐久性を向上させることができる。
以上の通り、第二実施形態の圧延機は、出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には、出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置を有する場合、ガタが生じることを効果的に抑制することができる。これに加えて、本実施形態の圧延機は、第一実施形態で説明した、ワークロールを含めた2種類以上のロールを軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有する。これにより、ガタによる問題発生を抑制することと、ガタによる問題発生を未然に防ぐための監視の両方を行えるので、ガタに対する対策を万全にすることができる。
上記チョック拘束装置等の特に効果的に、ガタによる問題発生を抑制できる構成を採用した場合、圧延中のロールの状態等が大きく変わってしまい、従来の経験に基づきロールチョックの交換時期を把握することが極めて困難である。しかし、本発明によれば、従来着目されていなかったロール間の相互作用を考慮しつつ、ガタによる問題発生の直接的な原因であるスラスト力を効果的に監視することができるため、新たな対策により過去の知見が参考にできなくなった場合であっても、ロールチョックの交換時期を適切に把握することができる。
1、2 ワークロール
1A、2A ワークロールチョック
3、4 中間ロール
3A、4A 中間ロールチョック
5、6 補助ロール
5A、6A 補助ロールチョック
7 チョック拘束装置
7A シリンダー
7B ピストン
7B−1 先端プレート
7B−2 ロッド
7B−3 ピストン部
7C 油圧室
8 ロールシフト機構
9 油圧シリンダー
10 圧力計
11 圧延機
12 上位計算機
13 監視装置

Claims (3)

  1. 被圧延材を挟んで上下に配置される上下一対のワークロールと、前記ワークロールにそれぞれ接する上下一対の中間ロールと、前記中間ロールにそれぞれ接する上下一対の補助ロールと、前記ワークロール、前記中間ロール、及び前記補助ロールの両端をそれぞれ回転自在に支持する左右一対のロールチョックと、前記ロールチョックが取り付けられるハウジングを有する圧延機において、
    少なくともいずれかの前記左右一対のロールチョックと、前記ハウジングの内壁との間には、間隙を設けて被圧延材の通板方向の入側と出側とにロール組替装置が配置され、
    前記上下一対のワークロールと、前記上下一対の中間ロール及び前記上下一対の補助ロールの少なくとも一方のロールとを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力を測定する測定装置を有し、前記出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には、出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置が設けられていることを特徴とする圧延機。
  2. 前記測定装置が、前記上下一対のワークロール、前記上下一対の中間ロール及び前記上下一対の補助ロールを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力を測定することを特徴とする請求項1に記載の圧延機。
  3. 被圧延材を挟んで上下に配置される上下一対のワークロールと、前記ワークロールにそれぞれ接する上下一対の中間ロールと、前記中間ロールにそれぞれ接する上下一対の補助ロールと、前記ワークロール、前記中間ロール、及び前記補助ロールの両端をそれぞれ回転自在に支持する左右一対のロールチョックと、前記ロールチョックが取り付けられるハウジングを有し、
    少なくともいずれかの前記左右一対のロールチョックと、前記ハウジングの内壁との間には、間隙を設けて被圧延材の通板方向の入側と出側とにロール組替装置が配置され、前記出側のロール組替装置と、ロールチョック出側側面との間には、出側から入側の方向にロールチョックを押圧するチョック拘束装置が設けられている圧延機を用いて被圧延材を圧延する際に、
    前記上下一対のワークロールと、前記上下一対の中間ロール及び前記上下一対の補助ロールの少なくとも一方のロールとを、軸方向にシフトさせるシリンダーのヘッド側およびロッド側の圧力から、前記ロールにかかるスラスト方向の力であるスラスト力を測定しながら圧延を行い、
    予め定めたロールチョックの位置ずれを生じさせるスラスト力の閾値と、前記測定して得られたスラスト力とを比較し、前記測定して得られたスラスト力が前記閾値を超えた場合にロールチョックの交換を行うことを決定することを特徴とする圧延監視方法。
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