JP6733959B2 - 逆浸透複合膜 - Google Patents
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Description
本適用例に係る逆浸透複合膜は、
多孔性支持体上に、架橋ポリアミドとカーボンナノチューブとを含む逆浸透膜を設けた逆浸透複合膜であって、
前記逆浸透膜は、カーボンナノチューブの含有量が15質量%以上30質量%以下であり、
クロスフローろ過方式により、温度23℃、10mMの塩化ナトリウム水溶液を操作圧力0.7MPaで、前記逆浸透複合膜に3日間以上供給し、かつ、透過流束の変化率が±5%以内に6時間にわたって維持されるまで供給したときの透過流束を初期透過流束としたとき、
前記塩化ナトリウム水溶液に1000ppmの塩化カルシウム及び100ppmの炭酸水素ナトリウムを投入したpH7.8の被処理水を、温度23℃、操作圧力0.7MPaで、さらに前記逆浸透複合膜に4日間供給したときの透過流束が前記初期透過流束の85
%以上100%以下であることを特徴とする。
本適用例に係る逆浸透複合膜において、
前記逆浸透膜の算術平均高さ(Sa)が45nm以上80nm以下であることができる。
本適用例に係る逆浸透複合膜において、
前記逆浸透膜の表面にはカーボンナノチューブが露出していなくてもよい。
本適用例に係る逆浸透複合膜において、
前記カーボンナノチューブの平均長さが、1μm以上10μm以下であることができる。
本適用例に係る逆浸透複合膜において、
前記カーボンナノチューブの平均直径が、5nm以上30nm以下であることができる。
本発明の一実施の形態に係る逆浸透複合膜は、多孔性支持体上に、架橋ポリアミドとカーボンナノチューブとを含む逆浸透膜を設けた逆浸透複合膜であって、前記逆浸透膜は、カーボンナノチューブの含有量が15質量%以上30質量%以下であり、クロスフローろ過方式により、温度23℃、10mMの塩化ナトリウム水溶液を操作圧力0.7MPaで、前記逆浸透複合膜に3日間以上供給し、かつ、透過流束の変化率が±5%以内に6時間にわたって維持されるまで供給したときの透過流束を初期透過流束としたとき、前記塩化ナトリウム水溶液に1000ppmの塩化カルシウム及び100ppmの炭酸水素ナトリウムを投入したpH7.8の被処理水を、温度23℃、操作圧力0.7MPaで、さらに前記逆浸透複合膜に4日間供給したときの透過流束が前記初期透過流束の85%以上100%以下であることを特徴とする。
橋芳香族ポリアミド120の中に点在するカーボンナノチューブ110の切断部が見える。図2では、カーボンナノチューブ110の切断部は、黒点で示した。逆浸透膜104においては、カーボンナノチューブの最近接距離は、カーボンナノチューブ表面の間隔ではなく、カーボンナノチューブの切断面の中心間の距離として測定する。
クライオミクロトーム法により切断した場合に、凝集塊を避けて逆浸透膜104が切断されるため、平滑面上に凝集塊を確認できないからである。
解繊したカーボンナノチューブ110に接触しまたは近接した架橋芳香族ポリアミドが分子配向すると考えられる。分子配向した架橋芳香族ポリアミド層112がカーボンナノチューブ110を覆うように形成されることで、架橋芳香族ポリアミド層112がカーボンナノチューブ110によって力学的に補強され、カーボンナノチューブ110に対する架橋芳香族ポリアミド層112の剥離強度も向上する。さらに、カーボンナノチューブ110の含有量が多くなれば、カーボンナノチューブ110に接触しまたは近接し分子配向した架橋芳香族ポリアミド層112は、互いに接近しまたは重なり合う。そして、分子配向した架橋芳香族ポリアミド層112の逆浸透膜104全体の中で占める体積が増加し、その結果、逆浸透膜104における力学的強度および耐薬品性が向上する。その結果として、逆浸透複合膜100(図1)が高い脱塩性能を有しながら剥離耐性および耐酸化性を増強することができる。ここで、剥離耐性とは、カーボンナノチューブ110から架橋芳香族ポリアミド層112が剥がれにくいということであり、耐酸化性とは、酸化性塩素によって劣化しにくいということであって耐塩素性のことである。架橋芳香族ポリアミド層112が逆浸透膜104中でカーボンナノチューブと必ず隣接した状態となるためには、例えば平均直径が5nm以上30nm以下のカーボンナノチューブ110であれば10質量%以上の含有量が望ましい。
凸を減らし膜表面の平滑性を向上できる。これにより、逆浸透膜104への汚れの付着が抑制され、また時間経過とともに剥がれ易くなり、逆浸透膜104がファウリングによって低下した透過流束を回復させることができる。透過流束を測定しながら逆浸透膜104の状態を顕微鏡観察(ビデオに録画して観察)することでファウラントが剥がれる様子を観測できる。また、逆浸透膜104におけるカーボンナノチューブ110の含有量が30質量%を超えると、芳香族ポリアミドの含有量が少ないため、支持膜からの逆浸透膜104の剥離が局所的に生じ透水性能や脱塩性能の低下が起きるが、逆浸透膜104におけるカーボンナノチューブ110の含有量が30質量%以下であれば、カーボンナノチューブ110を芳香族ポリアミドで覆うことができ、膜の剥離を抑制し、透水性能、脱塩性能の低下を防ぐことができる。
カーボンナノチューブは、平均直径(繊維径)が5nm以上30nm以下であることができる。市販されている逆浸透複合膜の厚さが100nm以上500nm以下であるため、カーボンナノチューブは30nm以下の細いものが好ましく、後述する解繊の工程における取り扱いやすさからカーボンナノチューブは5nm以上のものが好ましい。カーボンナノチューブは、平均長さが1μm以上10μm以下であることができる。カーボンナノチューブが短すぎると逆浸透膜の表面から突出する可能性があるからである。10μm以下の長さのカーボンナノチューブであれば、市販されているものを用いることができる。
得ることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノチューブは浮遊流動反応法によって得ることができる。
ポリアミドは、芳香族系のポリアミドであることができる。逆浸透膜におけるポリアミドは、架橋体である。
図1に示す多孔性支持体102は、逆浸透膜104に力学的強度を与えるために設けられる。多孔性支持体102は、実質的には分離性能を有さなくてもよい。
ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどを用いることができる。ポリスルホンは化学的、機械的、熱的に安定性の高いため、多孔性支持体102に好適である。
逆浸透複合膜の耐ファウリング特性は、無機ファウラントを用いて透過流束が初期透過流束に比べてどの程度変化したかで判定することができる。逆浸透複合膜の透過流束は、市販の膜テスト装置を用いて測定することができる。膜テスト装置としては、メンブレン・ソルティック社の卓上平膜テストユニットFTU−1等を用いることができる。
上記A−4と同様に、初期透過流束を求め、上記A−4における被処理水に代えて、初期透過流束の測定に用いた塩化ナトリウム水溶液に100ppmのウシ血清アルブミン(
BSA)を投入したpH7.5の被処理水を、温度23℃、操作圧力0.7MPa、流量500mL/minで、少なくとも12時間供給する。この間の逆浸透複合膜の透過流束は、初期透過流束の90%以上110%以下である。このように、逆浸透複合膜は透過流束が回復することで、ファウリングによる透過流束の低下を抑制することができる。すなわち、逆浸透複合膜は耐有機ファウリング特性にも優れる。
本発明の一実施の形態に係る逆浸透複合膜の製造方法は、カーボンナノチューブ、水およびアミン成分を含む混合液を多孔性支持体に接触させた後、前記多孔性支持体に付着した前記混合液中のアミン成分を架橋反応させることによって逆浸透複合膜を製造する方法において、前記カーボンナノチューブ、水およびアミン成分を含む前記混合液を、前記カーボンナノチューブを含む水溶液を流動させながら加圧し減圧することによって前記カーボンナノチューブを混合する工程を経て作製することを特徴とする。
第1水溶液は、水とアミン成分を含む。アミン成分としては、上記A−2で説明した芳香族アミンから少なくとも1種を選択できる。
逆浸透複合膜を得る工程は、上記のようにして得られた第3水溶液を多孔性支持体に接触させた後、多孔性支持体に付着した第3水溶液中の芳香族アミンを架橋反応させる。
(1−1)多孔性支持体の作製
ポリスルホン13質量%のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(以下「A液」)と、ポリスルホン20質量%のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(以下「B液」)と、を各溶媒および溶質の混合物を攪拌しながら90℃で2時間加熱保持することで調製した。
m−フェニレンジアミン10gに蒸留水478gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液488gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液12gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌して混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.4質量%の第3水溶液500gを得た。
30cm2多孔性支持体を、第3水溶液中に2分間〜3時間浸漬した後、株式会社アイデン社製ディップコーターDC4300を用いて引上げ速度0.1mm/min〜10mm/minで膜面が鉛直になるようにゆっくりと引き上げた。多孔性支持体の第3水溶液中への浸漬時間が2分間未満であるとカーボンナノチューブが多孔性支持体に十分に取込まれず耐ファウリング特性が得られにくくなり、3時間を超えるとアミンの酸化劣化の懸念が高まる傾向がある。ディップコーターの引上げ速度が0.1mm/min未満であると多孔性支持膜の第3溶液からの引上げに時間がかかり、アミンが酸化劣化する傾向がある。引上げ速度が10mm/minを超えると多孔性支持体から架橋芳香族ポリアミド膜の剥離を生じやすくなる傾向がある。多孔性支持体表面から余分な水溶液がなくなるまで大気中で乾燥した後、トリメシン酸クロリド0.1質量%を含む25℃のn−ヘキサン溶液5mlを膜表面が完全に濡れるように塗布した。1分間静置した後、膜から余分な溶液を除去するために膜面を1分間鉛直に保持して液切りした。その後、45℃の水で2分間洗浄することで、実施例1の逆浸透膜複合膜を得た。
逆浸透膜内のカーボンナノチューブ含有量の測定には、SII EXSTAR 6000熱分析装置TG/DTA6200を用いた。アルミナパンに逆浸透複合膜をサンプリングし、昇温速度10℃/min、空気雰囲気下でポリアミドとカーボンナノチューブの熱分解開始温度の違いを利用し、カーボンナノチューブ含有量を評価した。実施例1の逆浸透膜には、カーボンナノチューブが15.0質量%含まれていた。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして実施例2のサンプルを作製した。実施例2では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水476.5gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液486.5gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)13.5gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.45質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして実施例3のサンプルを作製した。実施例4では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水475gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液485gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)15gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%で
カーボンナノチューブが0.5質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして実施例4のサンプルを作製した。実施例4では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水472gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液482gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)18gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.6質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして実施例5のサンプルを作製した。実施例5では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水464.5gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液474.5gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)25.5gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.75質量%の第3水溶液500gを得た。
比較例1として、上記第3水溶液と同じポリアミド濃度(カーボンナノチューブを含まない)で製作したポリアミド単体の比較例1のサンプルを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして比較例2のサンプルを作製した。比較例2では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水486.7gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液496.7gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)3.3gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.11質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして比較例3のサンプルを作製した。比較例3では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水484gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液494gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)6gとを、マグネティックスターラーを24用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.2質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして比較例4のサンプルを作製した。比較例4では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水481gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液491gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)9gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.3質量%の第3水溶液500gを得た。
上記(1−2)の第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして比較例5のサンプルを作製した。比較例5では、m−フェニレンジアミン10gに蒸留水481gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合して得た第1水溶液491gと、解繊されたカーボンナノチューブを含む第2水溶液(第2水溶液は実施例1と同じ)10.5gとを、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%でカーボンナノチューブが0.35質量%の第3水溶液500gを得た。
比較例6のサンプルは、市販品の日東電工社製RO膜SWC5(製品名)とした。市販品のSWC5は架橋芳香族ポリアミド膜であり、カーボンナノチューブが含まれていなかった。
比較例7では、カーボンナノチューブ2.0gに蒸留水477.6g、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.4gを加え、マグネティックスターラーを用いて30分間混合撹拌した。この溶液を超音波処理浴で6時間超音波処理を行って第2水溶液を得た。超音波処理後の第2水溶液に、m−フェニレンジアミン10gを加え、マグネティックスターラーを用いて撹拌混合し、m−フェニレンジアミンが2.0質量%、カーボンナノチューブが0.4質量%、界面活性剤0.08質量%の第3水溶液500gを得た。第3水溶液の作製工程以外は実施例1と同様にして比較例7の逆浸透複合膜のサンプルを作製した。
A CFII)を用いて操作圧力1.55MPaで比較例7の逆浸透膜複合膜に供給し、4時間に渡ってろ過処理を行って測定したものであった。
pH7、温度23℃、濃度10mMのNaCl水溶液をメンブラン・ソルテック製平膜テストユニットFTU−1およびφ25mm(有効面積2.27cm2)の評価セルを用いて、クロスフローろ過方式により、操作圧力0.7MPa、流量500mL/minで逆浸透膜複合膜に供給し、1時間ごとの透過水量(g)を測定した。3日間以上ろ過処理を行った。このろ過処理は透過流速の変化率が±5%以内が6時間以上に渡って続くまで行った。このろ過処理により得られた透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)に換算し、初期透過流束(m3/(m2・day))として求めた。初期透過流束を表1に示した。
NaCl阻止率(%)=100×{1−(透過水中のNaCl濃度/供給水中のNaCl濃度)}。
りの透水量(立方メートル)に換算し、透過流束(m3/(m2・day))として求めた。
1000ppmの塩化カルシウム及び100ppmの炭酸水素ナトリウムを100ppmウシ血清アルブミン(有機ファウラントとして用いた)に変更した以外は同様に測定した。耐有機ファウリング特性の測定結果に基づいて、図17に比較例1のサンプルにおける耐有機ファウリング特性を示す透過流束のグラフを示した。図18に実施例1のサンプルにおける耐有機ファウリング特性を示す透過流束のグラフを示した。図17及び図18では、測定開始時点(0h)の初期透過流束を1.0(100%)として、有機ファウラントを含む被処理水を供給した経過時間における透過流束の変化の状態を示した。
図19〜図30は、比較例1〜比較例6のサンプルの逆浸透複合膜(逆浸透膜)の表面の走査型電子顕微鏡による写真である。図31〜図40のサンプルの逆浸透複合膜(逆浸透膜)の表面の走査型電子顕微鏡による写真である。いずれのサンプルも逆浸透複合膜の表面を逆浸透膜が覆っていた。図21〜図28及び図31〜図40のサンプルではカーボンナノチューブの凝集塊は確認されず、逆浸透膜の表面にカーボンナノチューブも露出していなかった。図19〜40によれば、比較例1〜比較例6のサンプルの表面よりも実施例1〜5のサンプルの表面の方が凹凸が少なく、比較的平滑な表面を有していた。
よって覆われており、逆浸透膜104aの表面に多数の凹凸が確認できた。図42に示すように、多孔性支持体102の表面は逆浸透膜104によって覆われており、逆浸透膜104の表面には凹凸が少なく、比較的平滑な表面を有していた。
比較例1〜比較例6及び実施例1〜実施例5のサンプルの逆浸透膜の表面を、原子間力顕微鏡5500AFM/SPM(Agilent Technologies, Inc./東陽テクニカ社製)を用いて、JIS B0601−2013に準拠する算術平均粗さRa(二次元)を三次元表面性状パラメータに拡張したISO25178に準拠した算術平均高さ(Sa)を測定した。測定条件は、探針がSiNカンチレバー(製品名「SI−DF20」、SIIナノテクノロジ社製、材質:SiN、探針の長さ:12.5μm、先端半径:10nm)、走査モードがコンタクトモード、走査範囲が5μm×5μm四方であった。なお、比較例7は、カーボンナノチューブの凝集塊が点在するため、凝集塊の無い部分を走査範囲に設定して測定した。測定結果を表2に示した。
カーボンナノチューブの含有量が15重量%以上であるときは、逆浸透膜に付着したファウラントが剥がれ易くなり、逆浸透膜のファウリングによって低下していた透過流束が時間経過とともに回復したものである。
Claims (5)
- 多孔性支持体上に、架橋ポリアミドとカーボンナノチューブとを含む逆浸透膜を設けた逆浸透複合膜であって、
前記逆浸透膜は、カーボンナノチューブの含有量が15質量%以上30質量%以下であり、
クロスフローろ過方式により、温度23℃、10mMの塩化ナトリウム水溶液を操作圧力0.7MPaで、前記逆浸透複合膜に3日間以上供給し、かつ、透過流束の変化率が±5%以内に6時間にわたって維持されるまで供給したときの透過流束を初期透過流束としたとき、
前記塩化ナトリウム水溶液に1000ppmの塩化カルシウム及び100ppmの炭酸水素ナトリウムを投入したpH7.8の被処理水を、温度23℃、操作圧力0.7MPaで、さらに前記逆浸透複合膜に4日間供給したときの透過流束が前記初期透過流束の85%以上100%以下である、逆浸透複合膜。 - 請求項1において、
前記逆浸透膜の算術平均高さ(Sa)が45nm以上80nm以下である、逆浸透複合膜。 - 請求項1または2において、
前記逆浸透膜の表面にはカーボンナノチューブが露出していない、逆浸透複合膜。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、
前記カーボンナノチューブの平均長さが、1μm以上10μm以下である、逆浸透複合膜。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
前記カーボンナノチューブの平均直径が、5nm以上30nm以下である、逆浸透複合膜。
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